JP4066664B2 - アクチュエータ用ボールねじ装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明に係るアクチュエータ用ボールねじ装置は、例えば変速機用電動駆動装置を構成する電動式アクチュエータに組み込んで、電動モータの回転運動を出力軸の直線運動に変換する為に利用する。
【0002】
【従来の技術】
自動車用の変速機として従来から、手動変速機として使用されていた変速ユニットの切り換えを自動的に行なえる様にすると共に、クラッチの断接を自動的に行なえる様にした自動車用変速機が各種提案され、その一部は既に実施されている。又、この様な自動車用変速機で変速ユニットを構成するギヤの切り換えを行なう為の構造の1例として、国際公開WO 01/31234 A1に記載されたものが知られている。この国際公開に係る変速機用電動駆動装置に就いて、図13〜16により説明する。
【0003】
手動変速機と同様の変速ユニットを内蔵したミッションケース1の側面から、この変速ユニットの変速比を切り換える為の切換シャフト2の先端部3を突出させている。この先端部3の中間部には雄スプライン部4を形成しており、この雄スプライン部4に、その内周面に雌スプラインを形成したスプライン筒5をスプライン係合させている。そして、上記先端部3の更に端部で、上記スプライン筒5から突出した部分に、外周面に係合溝6を設けた係合駒7を結合している。
【0004】
上述の様なスプライン筒5と係合駒7とを組み付けた上記切換シャフト2は、軸方向(図13の表裏方向、図14の上下方向)に変位する事によりセレクト動作(一般的な手動式フロアシフト車でシフトレバーを車両の幅方向に変位させる事により行なう動作で、変速の為のギヤを選択する動作)を、回転させる事によりシフト動作(同じくシフトレバーを車両前後方向に変位させる事により行なう動作で、選択したギヤに対応するシンクロメッシュ機構を結合する動作)を、それぞれ行なわせる。例えば、図17に示す様に、前進5段(1速〜5速)、後退1段(R)の6種類の変速状態を実現する変速ユニットで考えた場合、セレクト動作では、何れの変速状態ともならない(シンクロメッシュ機構がフリー状態となっている)ニュートラル状態のまま、図17の左右方向両端位置と左右方向中央位置との3種類の位置を選択する。又、シフト動作では、このニュートラル状態での3種類の位置から、何れかの方向(図17の上方又は下方)に変位させ、何れかのシンクロメッシュ機構を接続状態として、何れかの変速状態とする。このうちのセレクト動作を行なわせるべく、上記切換シャフト2を軸方向に変位させる為に、上記ミッションケース1の外面と上記係合駒7との間に、第一のアクチュエータ8を設けている。
【0005】
この第一のアクチュエータ8は、図15に示す様に、第一の電動モータ9の出力軸により回転駆動される多条ウォームギヤ10と、ウォームホイール11とを噛合させている。そして、このウォームホイール11の回転中心である出力軸12に揺動腕13の基端部を結合固定して、この揺動腕13を、上記ウォームホイール11と共に回転する様に構成している。更に、この揺動腕13の先端部片側面(図13の左端部上面)に形成した係合凸部14を、上記係合駒7の係合溝6に係合させて、上記切換シャフト2を、軸方向に変位自在としている。
【0006】
一方、上記シフト動作を行なわせるべく、上記切換シャフト2を回転させる為に、前記ミッションケース1の外面と前記スプライン筒5の外周面に固設した駆動腕15の先端部との間に、本発明の対象となるボールねじ機構を組み込んだ、第二のアクチュエータ16を設けている。この第二のアクチュエータ16は、図16に示す様に、略円筒状のハウジング17の一端部(図16の左端部)に正転逆転自在な第二の電動モータ18を、段付円筒状のモータハウジング19を介して支持固定している。
【0007】
又、このモータハウジング19の内側にボールねじ軸20の中間部基端寄り部分を、深溝型玉軸受等の転がり軸受21により、(軸方向の変位を阻止した状態で)回転のみ自在に支持している。そして、上記ボールねじ軸20の基端部で上記転がり軸受21よりも突出した部分と、上記第二の電動モータ18の出力軸22とを、回転力の伝達自在に結合している。
【0008】
又、上記ボールねじ軸20の周囲にボールナット23を配置し、このボールねじ軸20の外周面に形成した雄ボールねじ溝24と、ボールナット23の内周面に形成した雌ボールねじ溝25との間に複数のボール26を配置して、ボールねじ装置27を構成している。上記ボールナット23は、後述の様に自身の回転を阻止されているので、上記ボールねじ軸20の回転に伴ってこのボールねじ軸20の軸方向に変位する。又、このボールナット23の片端面(図16の右端面)には円筒状の出力部材28の基端部を結合している。
【0009】
又、上記出力部材28の中間部外周面は、上記ハウジング17の前端部(図16の右端部)内周面に係止した滑り軸受29に摺接させている。又、この出力部材28の先端部は、結合ブラケット30と結合ピン31(図13〜14)とを介して、前記駆動腕15の先端部に、揺動変位自在に結合している。又、上記出力部材28の中間部外周面にこの出力部材28の軸方向に形成したガイド溝32に、上記ハウジング17の先端部に固定したガイドピン33を係合させて、上記出力部材28及び上記ボールナット23の回転を防止している。
【0010】
更に、上記出力部材28と上記ハウジング17との間に、上記ボールナット23のストロークの中間位置で係合して、このボールナット23が軸方向に変位する事に対する抵抗を発生させるディテント機構34を設けている。このディテント機構34を構成する為、上記出力部材28の中間部外周面に摺鉢状の凹孔35を形成すると共に、上記ハウジング17に設けたシリンダ部36内にボール37を、このハウジング17の直径方向の変位自在に保持している。そして、ばね38により上記ボール37を、上記出力部材28の外周面に向け、弾性的に押し付けている。
【0011】
上述の様に構成する従来の変速機用電動駆動装置は、次の様にして、前記ミッションケース1に内蔵した変速ユニットのギヤを切り換える。先ず、前記第一のアクチュエータ8を構成する第一の電動モータ9を所定方向に回転させて、前記揺動腕13を図14の上下方向に揺動変位させる。そして、この揺動腕13の先端部に設けた係合凸部14より前記切換シャフト2を、前記係合駒7を介して所定方向に軸方向変位させ、セレクト動作を行なう。
【0012】
この様にしてセレクト動作を行なった後、シフト動作を行なうべく、前記第二のアクチュエータ16を伸縮させる事により、前記駆動腕15を介して上記切換シャフト2を所定方向に回転させる。この様にシフト動作を行なう際には、前記第二の電動モータ18により前記ボールねじ軸20を所定方向に回転させる。そして、前記ボールねじ装置27により前記ボールナット23及び出力部材28を軸方向に変位させて、上記駆動腕15を押し引きする。
【0013】
上述の様な国際公開に係る構造の場合、上記第二のアクチュエータ16をミッションケース1の外面に、支持ブラケット39により枢軸40を中心とする揺動変位を自在に支持している。そして、この構成により、上記出力部材28の軸方向の直線運動を、上記切換シャフト2を中心とする前記結合ピン31の円弧運動に変換自在としている。この様な構造の場合には、上記第二のアクチュエータ16の伸縮時に上記ボールナット23には、ほぼ純スラスト荷重が加わる。言い換えれば、このボールナット23にモーメントに基づく荷重が加わる事は殆どない。
【0014】
但し、上述の様に第二のアクチュエータ16を揺動変位自在に支持する構造の場合には、支持構造が複雑になってコストが嵩むだけでなく、変速機用電動駆動装置を限られた空間内に組み付ける為の設計が難しくなる。そこで、実際に変速機用電動駆動装置を設計する場合には、図18に示す様な構造を採用して、ミッションケース1(図13〜14参照)の外面に第二のアクチュエータ16aを固定する事が考えられる。
【0015】
この様な点を考慮して構成した、図18に示した構造の場合、切換シャフト2(図13〜14参照)にスプライン係合させた駆動腕15aの中間部に、この切換シャフト2の径方向に長い長孔41を形成する。そして、この長孔41に、上記第二のアクチュエータ16aの出力部材28aの先端部に支持した結合ピン31aを係合させる。この構成により、この出力部材28aの軸方向の変位に基づき、上記切換シャフト2を回転方向に変位させる様にしている。従って、上述の図13〜14に示した従来構造の様に、上記出力部材28aの中心軸を揺動変位させる必要はなく、上記第二のアクチュエータ16aは、図示しない取付フランジにより、上記ミッションケース1の外面に固定できる。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
上述の図18に示した先に考えた構造の場合、第二のアクチュエータ16aの支持構造を簡略化して、この第二のアクチュエータ16aを組み込んだ機械装置の設計の自由度を図れる反面、新たに次の様な問題を生じる。即ち、上記図18に示した構造の場合には、ボールナット23に付設した循環チューブ42の設置位置を工夫しないと、このボールナット23を含むボールねじ装置27の耐久性が損なわれる可能性がある。この理由に就いて、図18に図19〜20を加えて説明する。
【0017】
図18は、変速ユニットを中立位置(ニュートラル状態)にした場合での、駆動腕15aの位置を示しており、長孔41の長さ方向と出力部材28aの軸方向とがなす角度が直角である。上記変速ユニットをシフトさせる場合には、図18に示した状態から上記出力部材28aを軸方向に変位させ、上記駆動腕15aを、上方又は下方に揺動変位させる。この際、上記長孔41の内側線と結合ピン31aの外周面との係合に基づいて上記出力部材28aに、軸方向と直角方向のモーメントMが加わる。そして、このモーメントMは、上記駆動腕15aを何れの方向に変位させる場合でも、同じ方向(図18の右方向)になる。しかも、上記変速ユニットをシフトさせる際に上記駆動腕15aを揺動変位させる為に要する力は大きい為、上記モーメントMは比較的大きくなる。これに対して、上記変速ユニットのシフト状態を解除する(ニュートラル状態とする)場合には、図18の状態よりも上方或は下方に変位している上記駆動腕15aを図18に示した状態に戻す為、上記出力部材28aには、シフト動作の際とは逆方向のモーメントが加わる。但し、シフト解除時に要する力は小さい為、この逆方向のモーメントは小さい。
【0018】
上述の様に、図18に示した構造では、シフト動作時に上記出力部材28aに、比較的大きなモーメントMが加わるが、このモーメントMは、そのまま、この出力部材28aの基端部を結合固定した前記ボールナット23に加わる。そして、このモーメントMによって、このボールナット23の内周面の雌ボールねじ溝25とボールねじ軸20の外周面の雄ボールねじ溝24との間の螺旋状空間内に設けた複数のボール26、26に偏荷重が加わる。具体的には、図19に断面を示した円周方向に関しては上記モーメントMの作用方向を中心とする所定角度θの範囲α1、α2に、このモーメントMにより大きな荷重が加わり得る状態となる。又、図20に断面を示した軸方向に関しては、上記各ボール26、26の設置部分の軸方向両端部のうちで上記モーメントMの作用方向前側の端部である範囲β1、β2が、このモーメントMにより大きな荷重が加わり得る状態となる。そして、上記円周方向に関する範囲α1、α2と、上記軸方向に関する範囲β1、β2とが一致した部分が、上記モーメントMに基づいて大きな荷重が加わる高荷重領域となる。
【0019】
上述の様な比較的大きなモーメントMが作用する状況下で、上記高荷重領域内に前記循環チューブ42の端部開口が位置していた場合には、この高荷重領域部分で、上記各ボール26、26のうちの一部のボール26、26の転動面と上記雌ボールねじ溝25及び上記雄ボールねじ溝24との転がり接触部に過大な面圧が加わり易くなる。即ち、上記循環チューブ42の両端開口部では、上記両ボールねじ溝24、25の間の螺旋状空間内を転がってきたボール26、26をすくい上げたり、この螺旋状空間内にボール26、26を送り出したりする(ボールを授受する)。従って、これら両ボールねじ溝24、25同士の間で上記循環チューブ42の両端開口が位置する部分では、ボールの数が絶えず変化する状態となるだけでなく、実際に荷重を支承可能なボール26、26の数が少なくなる。この為、上記循環チューブ42の両端開口部分と上記高荷重領域とが一致すると、当該部分で応力の集中が生じ易くなり、前述の様に、前記ボールナット23を含むボールねじ装置27の耐久性が損なわれる可能性が生じる。
本発明のアクチュエータ用ボールねじ装置は、この様な事情に鑑みて発明したものである。
【0020】
【課題を解決するための手段】
本発明のアクチュエータ用ボールねじ装置は、前述した従来から知られているアクチュエータ用ボールねじ装置と同様に、ボールねじ軸と、ボールナットと、複数個のボールと、循環チューブとを備える。
このうちのボールねじ軸は、外周面に雄ボールねじ溝を有し、駆動源により両方向に回転駆動される。
又、上記ボールナットは、内周面に雌ボールねじ溝を有し、このボールねじ軸の周囲に、回転を阻止された状態で軸方向の移動自在に設けられている。
又、上記各ボールは、上記雄ボールねじ溝と上記雌ボールねじ溝との間の螺旋状空間内に転動自在に設けられている。
又、上記循環チューブは、上記ボールナットの一部に組み付けられ、上記ボールねじ軸の回転に伴って上記螺旋状空間内を移動したボールを循環させる。
【0021】
特に、本発明のアクチュエータ用ボールねじ装置に於いては、上記ボールナットは軸方向の移動に伴い、上記ボールナットにその基端部を結合した出力部材から、この出力部材に軸方向と直角の方向に加わるモーメントに基づく荷重を受ける。しかも、このモーメントに基づく荷重のうちで比較的大きな荷重を受ける方向が常に一定である。
そして、上記循環チューブの両端開口部が上記螺旋状空間内との間で上記ボールを授受する位置が、上記モーメントに基づいてボールに加わる荷重が他の部分よりも大きくなる、高荷重領域である、上記ボールナットの円周方向に関し、上記モーメントの作用方向を中心に所定角度の範囲と、同じく軸方向に関し、上記各ボールの設置部分の軸方向両端部のうちで上記モーメントの作用方向前側の端部となる範囲とが一致した部分から外れている。
【0022】
【作用】
上述の様に構成する本発明のアクチュエータ用ボールねじ装置の場合には、使用時に出力部材からボールナットに加わるモーメントに拘らず、各ボールの転動面と雄、雌両ボールねじ溝との転がり接触部に過大な荷重が加わる事を防止できる。そして、この転がり接触部を構成する各面の転がり疲れ寿命を向上させる等、アクチュエータ用ボールねじ装置全体としての耐久性向上を図れる。
【0023】
【発明の実施の形態】
図1〜3は、本発明の実施の形態の第1例として、本発明を、変速機用電動駆動装置に組み込んでシフト動作を行なわせる第二のアクチュエータ16bに適用した場合に就いて示している。この為に本例の場合には、内部に被駆動部である変速ユニットを収納したミッションケース1(図13〜14参照)の外面に、上記第二のアクチュエータ16bを取り付け、この第二のアクチュエータ16bにより、上記ミッションケース1の外面から突出した切換シャフト2(図13〜14参照)を回転駆動自在としている。この為に本例の場合も、駆動腕15aの中間部に、上記切換シャフト2の径方向に長い長孔41を形成している。そして、この長孔41に、上記第二のアクチュエータ16bの出力部材28aの先端部に支持した結合ピン31aを係合させている。
【0024】
上述した、駆動腕15aと出力部材28aとの係合状態は、前述の図18に示した構造の場合と同様である。従って本例の場合も、上記駆動腕15aを揺動変位させる事に伴って生じるモーメントMは、図1、3の反時計方向に作用し、このモーメントMに基づく高荷重領域は、上記図18の場合と同様になる。即ち、図2に断面を示した円周方向に関しては上記モーメントMの作用方向を中心とする所定角度θの範囲α1 、α2 に、このモーメントMにより大きな荷重が加わり得る状態となる。又、図3に断面を示した軸方向に関しては、各ボール26、26の設置部分の軸方向両端部のうちで上記モーメントMの作用方向前側の端部である範囲β1 、β2 が、このモーメントMにより大きな荷重が加わり得る状態となる。そして、上記円周方向に関する範囲α1 、α2 と上記軸方向に関する範囲β1 、β2 が一致した部分、即ち、α1 で且つβ1 である部分(α1 *β1 部分)と、α2 で且つβ2 である部分(α2 *β2 部分)とが、上記モーメントMに基づいて大きな荷重が加わる高荷重領域となる。
【0025】
本例のボールねじ装置27の場合には、ボールナット23に付設した循環チューブ42の両端開口部を、上記高荷重領域から外れた部分に設置している。即ち、ボールねじ装置27を構成する為に、ボールねじ軸20の外周面に設けた雄ボールねじ溝24と、上記ボールナット23の内周面に設けた雌ボールねじ溝25との間の螺旋状空間内に、複数のボール26、26を設けている。そして、この螺旋状空間内で転動してこの螺旋状空間の一端部に達したボール26を同じく他端部に戻す為に、上記循環チューブ42を設けている。本例の場合には、この様な循環チューブ42の両端部を上記高荷重領域から外して、この高荷重領域で上記ボール26、26の授受が行なわれない様にしている。言い換えれば、この高荷重領域には、常に複数のボール26、26が安定して存在する様にしている。
【0026】
本例の場合、より具体的には、上記循環チューブ42の両端開口部を、上記ボールねじ軸20及び上記ボールナット23の軸方向及び径方向に関して、上記高荷重領域と反対側に設けている。この点に就いて、図2〜3により説明する。上記循環チューブ42は、図3に鎖線イで示す方向に配設されており、この循環チューブ42の両端開口部は、この図3に記載した複数個のボール26、26のうちで斜格子を付したボール26、26に対応する部分に存在する。この様な図3から明らかな通り、上記循環チューブ42の両端は、上記ボールねじ軸20及び上記ボールナット23の円周方向に関して、高荷重領域であるα1 * β1 部分、α2 * β2 部分とは180度反対側に存在する。前記モーメントMが作用する場合に、高荷重領域と180度反対側部分は、荷重が殆ど加わらないか、加わったとしても少ししか加わらない、無負荷領域若しくは低荷重領域となる。本例の場合には、上記循環チューブ42の両端部が、この様な無負荷領域若しくは低荷重領域で、前記螺旋状空間に開口した状態となる。
【0027】
この様に本例のアクチュエータ用のボールねじ装置27の場合には、上記循環チューブ42の両端開口部を、無負荷領域若しくは低荷重領域に位置させている。従って、この循環チューブ42と上記螺旋状空間との間でのボール26、26の授受によっても、一部のボール26、26の転動面と上記雌ボールねじ溝25及び上記雄ボールねじ溝24との転がり接触部に過大な面圧が加わる事がない。この為、使用時に前記出力部材28aから上記ボールナット23に加わるモーメントMに拘らず、上記各ボール26、26の転動面と雄、雌両ボールねじ溝24、25との転がり接触部に過大な荷重が加わる事を防止できる。そして、この転がり接触部を構成する各面の転がり疲れ寿命を向上させる等、上記ボールねじ装置27全体としての耐久性向上を図れる。尚、上記高荷重領域に関して円周方向に関する範囲α1 、 α2 を規制する角度θは、厳密には60度(モーメントの作用方向を中心に±30度)程度、より広く(安全率を考慮して)90度(同じく±45度)程度である。逆に言えば、上記循環チューブ42の両端開口は、軸方向端部でこの範囲を外れた、残りの300度乃至は270度の範囲に設定する。
【0028】
次に、図4〜6は、本発明の実施の形態の第2例を示している。本例の場合には、ボールナット23に循環チューブ42を組み付ける位置を、このボールナット23の円周方向に関して、上記第1例の場合よりも、図2、5の時計方向に135度ずらせている。従って本例の場合には、上記循環チューブ42が図6の鎖線イ部分に配設され、この循環チューブ42の両端開口が、図6に斜格子を付したボール26、26に対応する部分に存在する。この様な本例の場合も、上記循環チューブ42の両端開口が高荷重領域であるα11部分、α22部分から離れた部分に設置されている為、出力部材28aから上記ボールナット23に加わるモーメントMに拘らず、ボールねじ装置27全体としての耐久性向上を図れる。
【0029】
次に、図7〜9は、本発明の実施の形態の第3例を示している。本例の場合には、出力部材28aに対し駆動腕15aを設置する位置を、前述の図18に示した構造並びに上述の図1、4に示した第1〜2例の構造とは逆側にしている。従って本例の場合には、長孔41と結合ピン31aとの係合に基づくモーメントMが、図18及び図1、4の場合とは逆向きになる。これに伴って本例の場合には、ボールナット23に循環チューブ42を組み付ける位置を、このボールナット23の円周方向に関して、上記第1例の場合よりも、図2、8の反時計方向に135度ずらせている。従って本例の場合には、上記循環チューブ42が図9の鎖線イ部分に配設され、この循環チューブ42の両端開口が、図9に斜格子を付したボール26、26に対応する部分に存在する。この様な本例の場合も、上記循環チューブ42の両端開口が高荷重領域であるα11部分、α22部分から離れている為、出力部材28aから上記ボールナット23に加わるモーメントMに拘らず、ボールねじ装置27全体としての耐久性向上を図れる。
【0030】
次に、図10〜12は、本発明の実施の形態の第4例を示している。本例の場合も、上述した第3例の場合と同様に、出力部材28aに対し駆動腕15aを設置する位置を、前述の図18に示した構造並びに上述の図1、4に示した第1〜2例の構造とは逆側にしている。これに伴って本例の場合には、ボールナット23に循環チューブ42を組み付ける位置を、このボールナット23の円周方向の位相に関しては、上記第1例の場合と同じで、配設方向(中心軸に対する傾斜方向)をこの第1例と逆方向としている。従って本例の場合には、上記循環チューブ42が図12の鎖線イ部分に配設され、この循環チューブ42の両端開口が、図12に斜格子を付したボール26、26に対応する部分に存在する。この様な本例の場合も、上記循環チューブ42の両端開口が高荷重領域であるα11部分、α22部分から離れている為、出力部材28aから上記ボールナット23に加わるモーメントMに拘らず、ボールねじ装置27全体としての耐久性向上を図れる。
【0031】
【発明の効果】
本発明は、以上に述べた通り構成し作用するので、例えば変速機用電動駆動装置に適用した場合に、優れた耐久性を確保して、この変速機用電動駆動装置の信頼性の向上を図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の第1例を示す部分切断平面図。
【図2】ボールねじ装置部分のみを取り出して示す、図1の拡大A−A断面図。
【図3】図2のB−B断面図。
【図4】本発明の実施の形態の第2例を示す部分切断平面図。
【図5】ボールねじ装置部分のみを取り出して示す、図4の拡大C−C断面図。
【図6】図5のD−D断面図。
【図7】本発明の実施の形態の第3例を示す部分切断平面図。
【図8】ボールねじ装置部分のみを取り出して示す、図7の拡大E−E断面図。
【図9】図8のF−F断面図。
【図10】本発明の実施の形態の第4例を示す部分切断平面図。
【図11】ボールねじ装置部分のみを取り出して示す、図10の拡大G−G断面図。
【図12】図11のH−H断面図。
【図13】ボールねじ装置を有するアクチュエータを組み込んだ変速機用電動駆動装置の1例を示す平面図。
【図14】図13のI−I断面図。
【図15】同J−J断面図。
【図16】同K−K断面図。
【図17】変速機のシフトパターンの1例を示す略平面図。
【図18】先に考えたボールねじ装置を有するアクチュエータを示す部分切断平面図。
【図19】好ましくない構造の1例を示す、図18の拡大L−L断面図。
【図20】図19のM−M断面図。
【符号の説明】
1 ミッションケース
2 切換シャフト
3 端部
4 雄スプライン部
5 スプライン筒
6 係合溝
7 係合駒
8 第一のアクチュエータ
9 第一の電動モータ
10 多条ウォームギヤ
11 ウォームホイール
12 出力軸
13 揺動腕
14 係合凸部
15、15a 駆動腕
16、16a、16b 第二のアクチュエータ
17 ハウジング
18 第二の電動モータ
19 モータハウジング
20 ボールねじ軸
21 転がり軸受
22 出力軸
23 ボールナット
24 雄ボールねじ溝
25 雌ボールねじ溝
26 ボール
27 ボールねじ装置
28、28a 出力部材
29 滑り軸受
30 結合ブラケット
31、31a 結合ピン
32 ガイド溝
33 ガイドピン
34 ディテント機構
35 凹孔
36 シリンダ部
37 ボール
38 ばね
39 支持ブラケット
40 枢軸
41 長孔
42 循環チューブ

Claims (2)

  1. 外周面に雄ボールねじ溝を有し、駆動源により両方向に回転駆動されるボールねじ軸と、内周面に雌ボールねじ溝を有し、このボールねじ軸の周囲に、回転を阻止された状態で軸方向の移動自在に設けられたボールナットと、上記雄ボールねじ溝と上記雌ボールねじ溝との間の螺旋状空間内に転動自在に設けられた複数個のボールと、上記ボールナットの一部に組み付けられ、上記ボールねじ軸の回転に伴って上記螺旋状空間内を移動したボールを循環させる循環チューブとを備えたアクチュエータ用ボールねじ装置に於いて、上記ボールナットは軸方向の移動に伴い、上記ボールナットにその基端部を結合した出力部材から、この出力部材に軸方向と直角の方向に加わるモーメントに基づく荷重を受けるものであって、しかもこのモーメントに基づく荷重のうちで比較的大きな荷重を受ける方向が常に一定であり、上記循環チューブの両端開口部が上記螺旋状空間との間で上記ボールを授受する位置が、上記ボールナットの円周方向に関し、上記モーメントの作用方向を中心に所定角度の範囲と、同じく軸方向に関し、上記各ボールの設置部分の軸方向両端部のうちで上記モーメントの作用方向前側の端部となる範囲とが一致した部分から外れている事を特徴とするアクチュエータ用ボールねじ装置。
  2. 所定角度の範囲が60〜90度である、請求項1に記載したアクチュエータ用ボールねじ装置。
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