JP4065530B2 - 反射防止膜、該反射防止膜を有する光学素子及び光学系 - Google Patents

反射防止膜、該反射防止膜を有する光学素子及び光学系 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光学素子の表面にコ−ティングされる反射防止膜、該反射防止膜を有する光学素子及び光学系に関するものであり、特に波長193nmのArFエキシマレーザー光に有効な反射防止膜に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、真空紫外光用の反射防止膜としてフッ化物膜が一般に用いられている。例えば、特開平7−244205号公報、あるいは特開平7−244217号公報等には、反射防止膜としてフッ化物膜を用いた光学素子が開示されている。しかしながらフッ化物膜を用いた反射防止膜は、対象とする波長域において反射率を0.2%以下という低反射率にすることが難しく、又フッ化物膜の耐環境性にも問題点があった。
【0003】
そのため近年、フッ化物膜比べ耐環境性に優れたAlやSiOの酸化物膜の使用が増えている。酸化物膜を用いた反射防止膜は、特開平09−258006号公報、あるいは特開2000−206304号公報等に開示されている。これらの酸化物膜は、Alを含む高屈折率層とSiOを含む低屈折率層を交互に積層して構成されている。
【0004】
【特許文献1】
特開平09−258006号
【特許文献2】
特開2000−206304号
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
特開平09−258006号公報、あるいは特開2000−206304号公報に示されたように、光学素子上の反射防止膜は通常高屈折層と低屈折層をペアにして層状に形成されている。この層の数および各層の膜厚を最適化することにより良好な反射防止膜は形成される。一般に層の数が多く、高屈折層と低屈折層の界面が多いほどその反射防止機能は向上する。また、その増透効果により光学素子の透過率も向上する。従って反射防止膜の幾何学的膜厚は、ある一定の厚さよりも厚く形成するのが一般的とされている。
【0006】
しかしながら、膜は光を透過すると必ずある量の光を吸収する。反射防止膜の幾何学的膜厚が厚くなるとこの吸収が多くなるため、結果的に形成された光学素子の透過率が低下することになる。一般に膜による光の吸収は屈折率が高い膜ほど大きくなる。従ってSiO膜のような低屈折率層においては、ほとんど考慮する必要はない。しかしながら、Al膜のような高屈折層においては、反射防止膜における吸収は光学特性上決して無視できるものではない。照射された紫外光のAl膜による吸収を充分に考慮せず、反射のみに着目して反射防止膜の層を構成すると、透過率の低い反射防止膜となり光学素子の機能を充分に満たすことができなくなってしまう。前述の特開平09−258006号、特開2000−206304号においては、この反射防止膜における紫外光の吸収に関する記述は全くない。
【0007】
一般に光の吸収は消衰係数を用いて示すことができる。図12は、Al膜の193nmの紫外光に対する屈折率と、消衰係数の関係を示したグラフである。成膜時に導入する弗化物系ガスの量を変化させることで屈折率を変えている。図12において横軸は屈折率、縦軸は消衰係数である。図12から分かるように屈折率が1.67以下の膜であれば、消衰係数を0とみなすことができる。しかしながら、屈折率が1.67以上になると、消衰係数は屈折率が大きくなればなるほどその値が大きくなる事がわかる。尚、消衰係数の詳細については後述する。
【0008】
そこで本発明では、反射防止膜の各層における紫外光の吸収に着目し、反射防止膜の材質(屈折率、消衰係数)及び厚さを、波長193nmのArFエキシマレーザー光に対する反射と吸収を共に考慮して選択する事により、反射防止膜の幾何学的膜厚を薄くしても充分は反射防止機能を有する反射防止膜を提供する事を目的としている。またその反射防止膜を基板に成膜する事により、透過率が高く光学機能が良好な光学素子を提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前記課題を解決するために、複数の低屈折率層と複数の高屈折率層とが交互に積層された反射防止膜において、波長193nmの紫外光に対する該低屈折率層の屈折率をns、該高屈折率層の屈折率をnaとするとき、
1.50≦ns≦1.60
1.74≦na≦1.77
であり、波長193nmの光に対する該低屈折率層の消衰係数をks、該高屈折率層の消衰係数kaとするとき、
0<ks≦1e−5
1e−5≦ka≦1e−3
であり、該高屈折率層の幾何学的膜厚の合計が55nm以上65nm以下である反射防止膜が石英基板の上に形成された光学素子であって、前記反射防止膜は該石英基板から空気層に向けて、前記高屈折率層から順に積層した6層で構成されており、波長180nmから220nmの範囲に設計中心波長λoをもち、前記各層の光学的膜厚を前記石英基板側から数えて第1層から6層まで順にd1、d2、d3、d4、d5、d6とするとき、
0.02λo≦d1≦0.10λo
1.00λo≦d2≦2.00λo
0.22λo≦d3≦0.30λo
0.22λo≦d4≦0.30λo
0.22λo≦d5≦0.30λo
0.22λo≦d6≦0.30λo
を満たすことを特徴とする反射防止膜を有する光学素子を提供している。
【0010】
また本発明においては、複数の低屈折率層と複数の高屈折率層とが交互に積層された反射防止膜において、波長193nmの紫外光に対する該低屈折率層の屈折率をns、該高屈折率層の屈折率をnaとするとき、
1.50≦ns≦1.60
1.74≦na≦1.77
であり、波長193nmの光に対する該低屈折率層の消衰係数をks、該高屈折率層の消衰係数kaとするとき、
0<ks≦1e−5
1e−5≦ka≦1e−3
であり、該高屈折率層の幾何学的膜厚の合計が55nm以上65nm以下である反射防止膜が蛍石基板上に形成された光学素子であって、前記反射防止膜は該蛍石基板から空気層に向けて、前記低屈折率層から順に積層した7層で構成されており、波長180nmから220nmの範囲に設計中心波長λoをもち、前記各層の光学的膜厚を前記蛍石基板側から数えて第1層から第7層まで順にd1、d2、d3、d4、d5、d6、d7とするとき、
0.01λo≦d1≦0.15λo
0.02λo≦d2≦0.10λo
1.20λo≦d3≦2.0λo
0.22λo≦d4≦0.30λo
0.22λo≦d5≦0.30λo
0.22λo≦d6≦0.30λo
0.22λo≦d7≦0.30λo
を満たすことを特徴とする反射防止膜を有する光学素子を提供している。
【0011】
また本発明においては、複数の低屈折率層と複数の高屈折率層とが交互に積層された反射防止膜において、波長193nmの紫外光に対する該低屈折率層の屈折率をns、該高屈折率層の屈折率をnaとするとき、
1.50≦ns≦1.60
1.68≦na≦1.74
であり、波長193nmの光に対する該低屈折率層の消衰係数をks、該高屈折率層の消衰係数kaとするとき、
0<ks≦1e−5
1e−5≦ka≦1e−3
であり、該高屈折率層の幾何学的膜厚の合計が65nm以上75nm以下である反射防止膜が石英基板の上に形成されている光学素子において、前記反射防止膜は該石英基板から空気層に向けて、前記高屈折率層から順に積層した8層で構成されており、波長180nmから220nmの範囲に設計中心波長λoをもち、前記各層の光学的膜厚を前記石英基板側から数えて第1層から第8層まで順にd1、d2、d3、d4、d5、d6、d7、d8とするとき、
0.05λo≦d1≦0.20λo
1.00λo≦d2≦1.50λo
0.05λo≦d3≦0.15λo
0.35λo≦d4≦0.45λo
0.15λo≦d5≦0.25λo
0.27λo≦d6≦0.37λo
0.16λo≦d7≦0.26λo
0.23λo≦d8≦0.33λo
を満たすことを特徴とする反射防止膜を有する光学素子を提供している。
【0012】
また本発明においては、複数の低屈折率層と複数の高屈折率層とが交互に積層された反射防止膜において、波長193nmの紫外光に対する該低屈折率層の屈折率をns、該高屈折率層の屈折率をnaとするとき、
1.50≦ns≦1.60
1.68≦na≦1.74
であり、波長193nmの光に対する該低屈折率層の消衰係数をks、該高屈折率層の消衰係数kaとするとき、
0<ks≦1e−5
1e−5≦ka≦1e−3
であり、該高屈折率層の幾何学的膜厚の合計が65nm以上75nm以下である反射防止膜が蛍石基板の上に形成されている光学素子において、前記反射防止膜は該蛍石基板から空気層に向けて、前記低屈折率層から順に積層した9層で構成されており、波長180nmから220nmの範囲に設計中心波長λoをもち、前記各層の光学的膜厚を前記蛍石基板側から数えて第1層から第9層まで順にd1、d2、d3、d4、d5、d6、d7、d8、d9とするとき、
0.01λo≦d1≦0.15λ0
0.05λo≦d2≦0.20λo
0.04λo≦d3≦1.50λo
0.05λo≦d4≦0.15λo
0.35λo≦d5≦0.45λo
0.15λo≦d6≦0.25λo
0.27λo≦d7≦0.37λo
0.16λo≦d8≦0.26λo
0.23λo≦d9≦0.33λo
を満たすことを特徴とする反射防止膜を有する光学素子を提供している。
【0018】
【発明の実施の形態】
まず本発明における反射防止膜の構成に関する原理を説明する。
【0019】
反射防止膜の形成された光学素子に照射した紫外光は、反射防止膜による反射する光と、反射防止膜を透過する光と、反射防止膜により吸収される光とに分けられる。反射防止膜による反射、透過、及び吸収の割合は、光学素子の屈折率に大きく関係している。一般に光学素子の屈折率Nは(式1)に示す複素数で表される。
【0020】
N=n−i*k (kは消衰係数) (式1)
一般に反射防止膜を構成する材料は、光の吸収の程度を示す消衰係数(k)の値が1e−3以下のものが使用される。これは、消衰係数の値が1e−3よりも大きい反射防止膜は、反射防止機能を大きく低下させるため、所望の反射防止機能が得られないためである。
【0021】
まず、反射防止膜の反射防止機能に関連する光の反射に着目する。反射防止膜の反射は、消衰係数(k)の値が1e−3以下であれば、屈折率のNの虚数部であるi*kにはほとんど影響されず、屈折率のNの実数部であるnに大きく影響される。つまり消衰係数(k)の値が1e−3以下であれば、消衰係数の値による反射防止機能への影響はほとんどなく、消衰係数の値を考慮する必要はない。
【0022】
次に、反射防止膜の形成された光学素子の光学機能である透過率に関連する光の吸収に着目する。反射防止膜は、仮にその反射率が同じであれば、反射防止膜による紫外光の吸収が少なければ少ないほどその透過率は高くなる。反射防止膜による吸収は、屈折率のNの実数部であるnのみならず、虚数部であるi*kにも大きく影響される。そのため、反射防止膜の消衰係数(k)を充分に考慮する必要がある。また、消衰係数の値は一般に屈折率が高い材料ほど大きくなることが知られているため、Al膜等の高屈折層における消衰係数の値は、反射防止膜の透過率に大きな影響を及ぼす。また、反射防止膜の幾何学的膜厚が厚くなれば厚くなるほど、反射防止膜による紫外光の吸収は増えるため、その透過率は低下してしまう。そのため、反射防止膜の幾何学的膜厚も反射防止膜の透過率に大きな影響を及ぼす。
【0023】
本発明は、Al等を含む高屈折率層とSiO等を含む低屈折率層を交互に積層した反射防止膜において、ArFエキシマレーザー光に対する屈折率及び消衰係数が最適な低屈折率層及び高屈折率層の材質を選択し、更に、消衰係数が大きい高屈折率層の幾何学的膜厚の合計を所定の範囲内に設定している。これにより、反射防止膜の幾何学的膜厚を薄くして透過率を上げると共に、充分な反射防止機能を有する真空紫外光に好適な反射防止膜を提供している。
【0024】
尚、ArFエキシマレーザー光に対する消衰係数が小さい低屈折率層の幾何学的膜厚は、薄くすると反射防止機能が低下してしまうためあまり薄くすることができない。しかしながら、高屈折率層の幾何学的膜厚はある程度薄くしても反射防止機能を維持することができ、透過率のみを大幅に向上させる事ができる。
【0025】
次に本発明の実施の形態を説明する。
【0026】
(第1の実施の形態)
次に本発明の第1の実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。図1は第1の実施の形態における反射防止膜を、平行平板からなる基板の上に形成した光学素子の断面図である。この反射防止膜は、波長180nmから220nmの範囲に設計中心波長λoをもち、特に波長193nmのArFエキシマレーザー光に対して、有効な反射防止膜として機能する。尚前記基板は平行平板以外に、レンズや回折格子等であってもかまわない。
【0027】
図中1は石英からなる基板である。2は反射防止膜である。反射防止膜2は6層から形成されており、基板側からみて2−1〜2−6の層を有している。反射防止膜2は、高屈折率層と低屈折率層がペアで積層される。ただし、最終層(表面層)は低屈折率層でないと反射防止機能は低くなるため、基板から空気層に向けて高屈折率層から順に積層されている。従って2−1、2−3、2−5はAlを含む高屈折率層であり、2−2、2−4、2−6はSiOを含む低屈折率層である。低屈折率層2−2、2−4、2−6の波長180nmから220nmの光に対する屈折率ns及び、高屈折率層2−1、2−3、2−5の波長180nmから220nmの光に対する屈折率naは、以下の範囲の値を有している。
【0028】
1.50≦ns≦1.60
1.74≦na≦1.77
また、低屈折率層2−2、2−4、2−6の波長180nmから220nmの光に対する消衰係数ks及び、高屈折率層2−1、2−3、2−5の波長180nmから220nmの光に対する消衰係数kaは以下の範囲の値を有している。
【0029】
0<ks≦1e−5
1e−5≦ka≦1e−3
また、各屈折率層2−1、2−2、2−3、2−4、2−5、2−6の光学的膜厚d1、d2、d3、d4、d5、d6は以下の範囲の値になるように設定されている。
【0030】
0.02λo≦d1≦0.10λo
1.00λo≦d2≦2.00λo
0.22λo≦d3≦0.30λo
0.22λo≦d4≦0.30λo
0.22λo≦d5≦0.30λo
0.22λo≦d6≦0.30λo
この時の高屈折率層2−1、2−3、2−5の各光学的膜厚の合計Dh1(=d1+d3+d5)は、0.50λo≦Dh1≦0.60λoの範囲の値になるように設定されている。光学的膜厚=屈折率×幾何学的膜厚 の関係を有しているため、高屈折率層2−1、2−3、2−5の各幾何学的膜厚の合計Dhは、Dh1=na×Dh から、約55nm≦Dh≦65nmの範囲の値になるように設定されている。
【0031】
次に第1の実施の形態に係わる具体的な実施例を説明する。
【0032】
[実施例1]
実施例1において、基板には合成石英基板を用いた。合成石英基板の表面にスパッタ法を用いて前述の反射防止膜を成膜した。反射防止膜は6層構成であり、基板側からみて第1層、第3層、第5層は高屈折率層、第2層、第4層、第6層は低屈折率層からなっている。高屈折率層としては、波長193nmでの屈折率1.763、消衰係数3e−4のAlを含む膜(Al 膜)を用い、低屈折率層としては、屈折率1.560、消衰係数0のSiOを含む膜(SiO膜)を用いた。その反射防止膜の構成を表1に示す。この時の高屈折率層であるAl膜の光学的膜厚、即ち第1層、第3層、第5層の光学的膜厚の合計は、0.555λoであり、この幾何学的膜厚は約61nmであった。
【0033】
【表1】
Figure 0004065530
【0034】
次に表1に示す反射防止膜を成膜した光学素子の反射特性を分光光度計により測定した。図2にこの時の分光反射特性の測定結果を示す。横軸は測定した波長であり、縦軸はその時の反射率である。図2から分かるように、設計中心波長λ0=193nmの紫外光に対する反射率は0.1%以下の特性であり、非常に有効な反射防止機能を有していることがわかる。尚、一般に反射防止膜の反射率は、0.2%以下であれば、良好な反射防止機能を有していると言うことができる。
【0035】
また、この時の設計中心波長λ0=193nmの紫外光に対する吸収率を分光光度計の測定により算出したところ0.14%であった。一般に反射防止膜の吸収率は、0.2%以下であれば、良好な光学機能を有していると言うことができるため、実施例1に示す光学素子は、非常に良好な光学機能を有していると言うことができる。
【0036】
[実施例2]
実施例2において、基板には合成石英基板を用いた。合成石英基板の表面にスパッタ法を用いて反射防止膜を成膜した。反射防止膜は6層構成であり、基板側からみて第1層、第3層、第5層は高屈折率層、第2層、第4層、第6層は低屈折率層からなっている。高屈折率層としては、波長193nmでの屈折率1.763、消衰係数3e−4のAlを含む膜(Al膜)を用い、低屈折率層としては、屈折率1.560、消衰係数0のSiOを含む膜(SiO膜)を用いた。その反射防止膜の構成を表2に示す。この時の高屈折率層であるAl膜、第1層、第3層、第5層の光学的膜厚の合計は、0.585λoであり、この幾何学的膜厚は約64nmであった。
【0037】
【表2】
Figure 0004065530
【0038】
次に表2に示す反射防止膜を成膜した光学素子の反射特性を分光光度計により測定した。図3にこの時の分光反射特性の測定結果を示す。横軸は測定した波長であり、縦軸はその時の反射率である。図3から分かるように、設計中心波長λ0=193nmの紫外光に対する反射率は0.2%以下の特性であり、非常に有効な反射防止機能を有していることがわかる。
【0039】
また、この時の設計中心波長λ0=193nmの紫外光に対する吸収率を分光光度計の測定より算出したところ0.15%であった。従って実施例2に示す光学素子は、非常に良好な光学機能を有していると言うことができる。
【0040】
(第2の実施の形態)
次に本発明の第2の実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。図4は第2の実施の形態における反射防止膜を、平行平板からなる基板の上に形成した光学素子の断面図である。この反射防止膜は、波長180nmから220nmの範囲に設計中心波長λoをもち、特に波長193nmのArFエキシマレーザー光に対して、有効な反射防止膜として機能する。尚前記基板は平行平板以外に、レンズや回折格子等であってもかまわない。
【0041】
図中10は蛍石からなる基板である。3は反射防止膜である。通常反射防止膜は、第1の実施の形態の図1に示したように、高屈折率層と低屈折率層がペアで積層される。また、最終層(表面層)は低屈折率層でないと反射防止機能は低くなる。しかしながら基板が蛍石の場合、基板に積層される層が高屈折率層だと、界面での光の吸収が大幅に増えてしまい、光学機能を著しく損ねてしまう。従って基板から空気層に向けて低屈折率層から順に積層され、層の合計は奇数となる。
【0042】
反射防止膜3は7層から形成されており、基板側からみて3−1〜3−7の層を有している。3−2、3−4、3−6はAl等を含む高屈折率層であり、3−1、3−3、3−5、3−7はSiO2等を含む低屈折率層である。低屈折率層3−1、3−3、3−5、3−7の波長180nmから220nmの光に対する屈折率ns及び、高屈折率層3−2、3−4、3−6の波長180nmから220nmの光に対する屈折率naは以下の範囲の値を有している。
【0043】
1.50≦ns≦1.60
1.74≦na≦1.77
また、低屈折率層3−1、3−3、3−5、3−7の波長180nmから220nmの光に対する消衰係数ks及び、高屈折率層3−2、3−4、3−6の波長180nmから220nmの光に対する消衰係数kaは以下の範囲の値を有している。
【0044】
0<ks≦1e−5
1e−5≦ka≦1e−3
また、各屈折率層3−1、3−2、3−3、3−4、3−5、3−6、3−7の光学的膜厚d1、d2、d3、d4、d5、d6、d7は以下の範囲の値になるように設定されている。
【0045】
0.01λo≦d1≦0.15λo
0.02λo≦d2≦0.10λo
1.20λo≦d3≦2.00λo
0.22λo≦d4≦0.30λo
0.22λo≦d5≦0.30λo
0.22λo≦d6≦0.30λo
0.22λo≦d7≦0.30λo
この時の高屈折率層3−2、3−4、3−6の各光学的膜厚の合計Dh2(=d2+d4+d6)は、0.50λo≦Dh1≦0.60λoの範囲の値になるように設定されている。光学的膜厚=屈折率×幾何学的膜厚 の関係を有しているため、高屈折率層3−2、3−4、3−6の各幾何学的膜厚の合計Dhは、Dh2=na×Dh から、約55nm≦Dh≦65nmの範囲の値になるように設定されている。
【0046】
次に第2の実施の形態に係わる具体的な実施例を説明する。
【0047】
[実施例3]
実施例3において、基板には蛍石基板を用いた。蛍石基板の表面にスパッタ法を用いて反射防止膜を成膜した。反射防止膜は7層構成であり、基板側からみて第1層、第3層、第5層、第7層は低屈折率層、第2層、第4層、第6層は高屈折率層からなっている。低屈折率層としては、屈折率1.560、消衰係数0のSiOを含む膜(SiO膜)を用い、高屈折率層としては、波長193nmでの屈折率1.763、消衰係数3e−4のAlを含む膜(Al 膜)を用いた。その反射防止膜の構成を表4に示す。この時の高屈折率層であるAl膜、第2層、第4層、第6層の光学的膜厚の合計は、0.529λoであり、この幾何学的膜厚は約58nmであった。
【0048】
【表3】
Figure 0004065530
【0049】
次に表3に示す反射防止膜を成膜した光学素子の反射特性を分光光度計により測定した。図5にこの時の分光反射特性の測定結果を示す。横軸は測定した波長であり、縦軸はその時の反射率である。図5から分かるように、設計中心波長λ0=193nmの紫外光に対する反射率は0.1%以下の特性であり非常に有効な反射防止機能を有していることがわかる。
【0050】
また、この時の設計中心波長λ0=193nmの紫外光に対する吸収率を分光光度計の測定より算出により測定したところ0.14%であった。従って実施例4に示す光学素子は、非常に良好な光学機能を有していると言うことができる。
【0051】
(第3の実施の形態)
次に本発明の第3の実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。図6は第3の実施の形態における反射防止膜を、平行平板からなる基板の上に形成した光学素子の断面図である。この反射防止膜は、波長180nmから220nmの範囲に設計中心波長λoをもち、特に波長193nmのArFエキシマレーザー光に対して、有効な反射防止膜として機能する。尚前記基板は平行平板以外に、レンズや回折格子等であってもかまわない。
【0052】
図中20は石英からなる基板である。4は反射防止膜である。反射防止膜4は8層から形成されており、基板側からみて4−1〜4−8の層を有している。4−1、4−3、4−5、4−7はAl等を含む高屈折率層であり、4−2、4−4、4−6、4−8はSiO2等を含む低屈折率層である。低屈折率層4−2、4−4、4−6、4−8の波長180nmから220nmの光に対する屈折率ns及び、高屈折率層4−1、4−3、4−5、4−7の波長180nmから220nmの光に対する屈折率naは以下の範囲の値を有している。
【0053】
1.50≦ns≦1.60
1.68≦na≦1.74
また、低屈折率層4−2、4−4、4−6、4−8の波長180nmから220nmの光に対する消衰係数ks及び、高屈折率層4−1、4−3、4−5、4−7の波長180nmから220nmの光に対する消衰係数kaは以下の範囲の値を有している。
【0054】
0<ks≦1e−5
1e−5≦ka≦1e−3
また、各屈折率層4−1、4−2、4−3、4−4、4−5、4−6、4−7、4−8の光学的膜厚d1、d2、d3、d4、d5、d6、d7、d8は以下の範囲の値になるように設定されている。
【0055】
0.05λo≦d1≦0.20λo
1.00λo≦d2≦1.50λo
0.05λo≦d3≦0.15λo
0.35λo≦d4≦0.45λo
0.15λo≦d5≦0.25λo
0.27λo≦d6≦0.37λo
0.16λo≦d7≦0.26λo
0.23λo≦d8≦0.33λo
この時の高屈折率層4−1、4−3、4−5、4−7の各光学的膜厚の合計Dh3(=d1+d3+d5+d7)は、0.59λo≦Dh1≦0.67λoの範囲の値になるように設定されている。光学的膜厚=屈折率×幾何学的膜厚の関係を有しているため、高屈折率層4−1、4−3、4−5、4−7の各幾何学的膜厚の合計Dhは、Dh3=na×Dh から、約65nm≦Dh≦75nmの範囲の値になるように設定されている。
【0056】
次に第3の実施の形態に係わる具体的な実施例を説明する。
【0057】
[実施例4]
実施例5において、基板には合成石英基板を用いた。合成石英基板の表面にスパッタ法を用いて反射防止膜を成膜した。反射防止膜は8層構成であり、基板側からみて第1層、第3層、第5層、第7層は高屈折率層、第2層、第4層、第6層、第8層は低屈折率層からなっている。高屈折率層としては、波長193nmでの屈折率1.763、消衰係数3e−4のAlを含む膜(Al膜)を用い、低屈折率層としては、屈折率1.560、消衰係数0のSiOを含む膜(SiO膜)を用いた。その反射防止膜の構成を表5に示す。この時の高屈折率層であるAl膜、第1層、第3層、第5層、第7層の光学的膜厚の合計は、0.659λoであり、この幾何学的膜厚は約72nmであった。
【0058】
【表4】
Figure 0004065530
【0059】
次に表4に示す反射防止膜を成膜した光学素子の反射特性を分光光度計により測定した。図7にこの時の分光反射特性の測定結果を示す。横軸は測定した波長であり、縦軸はその時の反射率である。図7から分かるように、設計中心波長λ0=193nmの紫外光に対する反射率は0.1%以下の特性であり非常に有効な反射防止機能を有していることがわかる。
【0060】
また、この時の設計中心波長λ0=193nmの紫外光に対する吸収率を分光光度計の測定より算出により測定したところ0.16%であった。従って実施例5に示す光学素子は、非常に良好な光学機能を有していると言うことができる。
【0061】
(第4の実施の形態)
次に本発明の第4の実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。図9は第4の実施の形態における反射防止膜を、平行平板からなる基板の上に形成した光学素子の断面図である。この反射防止膜は、波長180nmから220nmの範囲に設計中心波長λoをもち、特に波長193nmのArFエキシマレーザー光に対して、有効な反射防止膜として機能する。尚前記基板は平行平板以外に、レンズや回折格子等であってもかまわない。
【0062】
図中30は、蛍石からなる基板である。5は反射防止膜である。反射防止膜5は9層から形成されており、基板側からみて5−1〜5−9の層を有している。5−1、5−3、5−5、5−7、5−9はSiO2等を含む低屈折率層であり、5−2、5−4、5−6、5−8はAl等を含む高屈折率層である。低屈折率層5−1、5−3、5−5、5−7、5−9の波長180nmから220nmの光に対する屈折率ns及び、高屈折率層5−2、5−4、5−6、5−8の波長180nmから220nmの光に対する屈折率naは以下の範囲の値を有している。
【0063】
1.50≦ns≦1.60
0.68≦na≦1.74
また、低屈折率層5−1、5−3、5−5、5−7、5−9の波長180nmから220nmの光に対する消衰係数ks及び、高屈折率層5−2、5−4、5−6、5−8の波長180nmから220nmの光に対する消衰係数kaは以下の範囲の値を有している。
【0064】
0<ks≦1e−5
1e−5≦ka≦1e−3
また、各屈折率層5−1、5−2、5−3、5−4、5−5、5−6、5−7、5−8、5−9の光学的膜厚d1、d2、d3、d4、d5、d6、d7、d8、d9は以下の範囲の値になるように設定されている。
【0065】
0.01λo≦d1≦0.15λo
0.05λo≦d2≦0.20λo
0.04λo≦d3≦1.50λo
0.05λo≦d4≦0.15λo
0.35λo≦d5≦0.45λo
0.15λo≦d6≦0.25λo
0.27λo≦d7≦0.37λo
0.16λo≦d8≦0.26λo
0.23λo≦d9≦0.33λo
この時の高屈折率層5−2、5−4、5−6、5−8の各光学的膜厚の合計Dh4(=d2+d4+d6+d8)は、0.59λo≦Dh1≦0.67λoの範囲の値になるように設定されている。光学的膜厚=屈折率×幾何学的膜厚の関係を有しているため、高屈折率層5−2、5−4、5−6、5−8の各幾何学的膜厚の合計Dhは、Dh3=na×Dhから、約65nm≦Dh≦75nmの範囲の値になるように設定されている。
【0066】
次に第4の実施の形態に係わる具体的な実施例を説明する。
【0067】
[実施例5]
実施例5において、基板には蛍石基板を用いた。蛍石基板の表面にスパッタ法を用いて反射防止膜を成膜した。反射防止膜は9層構成であり、基板側からみて第1層、第3層、第5層、第7層、第9層は低屈折率層、第2層、第4層、第6層、第8層は高屈折率層からなっている。低屈折率層としては、屈折率1.560、消衰係数0のSiOを含む膜(SiO膜)を用い、高屈折率層としては、波長193nmでの屈折率1.763、消衰係数3e−4のAlを含む膜(Al膜)を用いた。その反射防止膜の構成を表6に示す。この時の高屈折率層であるAl膜、第2層、第4層、第6層、第8層の光学的膜厚の合計は、0.623λoであり、この幾何学的膜厚は約68nmであった。
【0068】
【表5】
Figure 0004065530
【0069】
次に表5に示す反射防止膜を成膜した光学素子の反射特性を分光光度計により測定した。図10にこの時の分光反射特性の測定結果を示す。横軸は測定した波長であり、縦軸はその時の反射率である。図8から分かるように、設計中心波長λ0=193nmの紫外光に対する反射率は0.1%以下の特性であり非常に有効な反射防止機能を有していることがわかる。
【0070】
また、この時の設計中心波長λ0=193nmの紫外光に対する吸収率を分光光度計の測定より算出したところ0.15%であった。従って実施例4に示す光学素子は、非常に良好な光学機能を有していると言うことができる。
【0071】
[比較例1]
次に比較例として、特開平2000−206304号公報の実施例5に記載の構成を有する反射防止膜に対して、前述の実施例1〜5と同様の測定を行った。基板には合成石英基板を用いた。合成石英基板の表面にスパッタ法を用いて反射防止膜を成膜した。反射防止膜は8層構成であり、基板側からみて第1層、第3層、第5層、第7層は高屈折率層、第2層、第4層、第6層、第8層は低屈折率層からなっている。低屈折率層は波長193nmでの屈折率1.560のSiO2膜であり、高屈折率層は波長193nmでの屈折率1.763のAl膜を用いた。この時の反射防止膜の構成を表7に示す。高屈折率層であるAl膜、第1層、第3層、第5層、第7層の総膜厚は1.000λoであり、この幾何学的膜厚は約110nmであった。この値は、前述の実施例1〜5における高屈折率層の幾何学的膜厚の合計55nm以上65nm以下に比べて、1.69〜2.00倍の膜厚となっている。
【0072】
【表6】
Figure 0004065530
【0073】
次に表6に示す反射防止膜を成膜した光学素子の反射特性を分光光度計により測定した。図10にこの時の分光反射特性の測定結果を示す。横軸は測定した波長であり、縦軸はその時の反射率である。図10から分かるように、設計中心波長λ0=193nmの紫外光に対する反射率は0.1%以下の特性であり非常に有効な反射防止機能を有していることがわかる。
【0074】
次に表6に示す反射防止膜を成膜した光学素子の分光吸収特性を分光光度計により測定した。図11にこの時の分光吸収特性の測定結果を示す。横軸は測定した波長であり、縦軸はその時の吸収率である。図11には、比較のため前述の実施例1における分光吸収特性の測定結果も示している。波長193nmにおける実施例1の吸収率は約0.14%、比較例の吸収率は約0.21%である。一般に反射防止膜の吸収率は、0.2%以下であれば、良好な反射防止機能を有していると言うことができる。従って、実施例1の反射防止膜は吸収率が低く非常に良好は光学機能を有する光学素子と言うことができるが、比較例1の反射防止膜は、実施例1に比べると吸収率が高く光学機能が劣っていると言える。
【0075】
本発明は、波長が193nmのArFエキシマレーザーに対する反射防止膜に関して実施例を記載した。しかしながら本発明はこれに限られるものではなく、波長180nmから220nm程度の波長のレーザー及び光に対しては、ArFエキシマレーザーに対するのと同程度の反射防止機能を有すると共に、この反射防止膜を基板に形成する事により、同程度の光学機能を有する光学素子とする事ができる。
【0076】
また、本発明は反射防止膜を形成する基板は石英基板、蛍石基板に限られるものではなく、ArFエキシマレーザーに対する透過率が石英や蛍石並みに高い基板であれば良い。
【0077】
また、この反射防止膜を形成した光学素子を複数個組み合わせることにより、露光装置の照明光学系や、投影光学系などの光学系に適用することができる。
【0078】
【発明の効果】
以上に説明したように、本発明によれば、反射防止膜の各層における紫外光の吸収に着目し、反射防止膜の材質(屈折率、消衰係数)及び厚さを、波長193nmのArFエキシマレーザー光に対する、反射と吸収を共に考慮して選択する事により、反射防止膜の幾何学的膜厚を薄くしても充分な反射防止機能を有する反射防止膜を形成することができる。
【0079】
またその反射防止膜を基板に成膜する事により、反射防止膜の幾何学的膜厚を薄くしているため、透過率が高く光学機能が良好な光学素子を形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態における光学素子の断面図。
【図2】実施例1の分光反射特性を示すグラフ。
【図3】実施例2の分光反射特性を示すグラフ。
【図4】第2の実施の形態における光学素子の断面図。
【図5】実施例3の分光反射特性を示すグラフ。
【図6】第3の実施の形態における光学素子の断面図。
【図7】実施例4の分光反射特性を示すグラフ。
【図8】第4の実施の形態における光学素子の断面図。
【図9】実施例5の分光反射特性を示すグラフ。
【図10】比較例1の分光反射特性を示すグラフ。
【図11】比較例1と実施例1の分光吸収特性を示すグラフ。
【図12】屈折率と消衰係数の関係を示すグラフ。
【符号の説明】
1、10、20、30 基板
2、3、4、5 反射防止膜
2−1、2−3、2−5 高屈折率層
2−2、2−4、2−6 2−2、2−4、2−6 低屈折率層
3−1、3−3、3−5、3−7 低屈折率層
3−2、3−4、3−6 高屈折率層
4−1、4−3、4−5、4−7 高屈折率層
4−2、4−4、4−6、4−8 低屈折率層
5−1、5−3、5−5、5−7、5−9 低屈折率層
5−2、5−4、5−6、5−8 高屈折率層

Claims (6)

  1. 複数の低屈折率層と複数の高屈折率層とが交互に積層された反射防止膜において、波長193nmの紫外光に対する該低屈折率層の屈折率をns、該高屈折率層の屈折率をnaとするとき、
    1.50≦ns≦1.60
    1.74≦na≦1.77
    であり、波長193nmの光に対する該低屈折率層の消衰係数をks、該高屈折率層の消衰係数kaとするとき、
    0<ks≦1e−5
    1e−5≦ka≦1e−3
    であり、該高屈折率層の幾何学的膜厚の合計が55nm以上65nm以下である反射防止膜が石英基板の上に形成された光学素子であって、前記反射防止膜は該石英基板から空気層に向けて、前記高屈折率層から順に積層した6層で構成されており、波長180nmから220nmの範囲に設計中心波長λoをもち、前記各層の光学的膜厚を前記石英基板側から数えて第1層から6層まで順にd1、d2、d3、d4、d5、d6とするとき、
    0.02λo≦d1≦0.10λo
    1.00λo≦d2≦2.00λo
    0.22λo≦d3≦0.30λo
    0.22λo≦d4≦0.30λo
    0.22λo≦d5≦0.30λo
    0.22λo≦d6≦0.30λo
    を満たすことを特徴とする反射防止膜を有する光学素子。
  2. 前記高屈折率層はAl2O3を、前記低屈折率層はSiO2を含んでいることを特徴とする請求項1に記載の反射防止膜。
  3. 複数の低屈折率層と複数の高屈折率層とが交互に積層された反射防止膜において、波長193nmの紫外光に対する該低屈折率層の屈折率をns、該高屈折率層の屈折率をnaとするとき、
    1.50≦ns≦1.60
    1.74≦na≦1.77
    であり、波長193nmの光に対する該低屈折率層の消衰係数をks、該高屈折率層の消衰係数kaとするとき、
    0<ks≦1e−5
    1e−5≦ka≦1e−3
    であり、該高屈折率層の幾何学的膜厚の合計が55nm以上65nm以下である反射防止膜が蛍石基板上に形成された光学素子であって、前記反射防止膜は該蛍石基板から空気層に向けて、前記低屈折率層から順に積層した7層で構成されており、波長180nmから220nmの範囲に設計中心波長λoをもち、前記各層の光学的膜厚を前記蛍石基板側から数えて第1層から第7層まで順にd1、d2、d3、d4、d5、d6、d7とするとき、
    0.01λo≦d1≦0.15λo
    0.02λo≦d2≦0.10λo
    1.20λo≦d3≦2.0λo
    0.22λo≦d4≦0.30λo
    0.22λo≦d5≦0.30λo
    0.22λo≦d6≦0.30λo
    0.22λo≦d7≦0.30λo
    を満たすことを特徴とする反射防止膜を有する光学素子。
  4. 複数の低屈折率層と複数の高屈折率層とが交互に積層された反射防止膜において、波長193nmの紫外光に対する該低屈折率層の屈折率をns、該高屈折率層の屈折率をnaとするとき、
    1.50≦ns≦1.60
    1.68≦na≦1.74
    であり、波長193nmの光に対する該低屈折率層の消衰係数をks、該高屈折率層の消衰係数kaとするとき、
    0<ks≦1e−5
    1e−5≦ka≦1e−3
    であり、該高屈折率層の幾何学的膜厚の合計が65nm以上75nm以下である反射防止膜が石英基板の上に形成されている光学素子において、前記反射防止膜は該石英基板から空気層に向けて、前記高屈折率層から順に積層した8層で構成されており、波長180nmから220nmの範囲に設計中心波長λoをもち、前記各層の光学的膜厚を前記石英基板側から数えて第1層から第8層まで順にd1、d2、d3、d4、d5、d6、d7、d8とするとき、
    0.05λo≦d1≦0.20λo
    1.00λo≦d2≦1.50λo
    0.05λo≦d3≦0.15λo
    0.35λo≦d4≦0.45λo
    0.15λo≦d5≦0.25λo
    0.27λo≦d6≦0.37λo
    0.16λo≦d7≦0.26λo
    0.23λo≦d8≦0.33λo
    を満たすことを特徴とする反射防止膜を有する光学素子。
  5. 前記高屈折率層はAl2O3を、前記低屈折率層はSiO2を含んでいることを特徴とする請求項4に記載の反射防止膜。
  6. 複数の低屈折率層と複数の高屈折率層とが交互に積層された反射防止膜において、波長193nmの紫外光に対する該低屈折率層の屈折率をns、該高屈折率層の屈折率をnaとするとき、
    1.50≦ns≦1.60
    1.68≦na≦1.74
    であり、波長193nmの光に対する該低屈折率層の消衰係数をks、該高屈折率層の消衰係数kaとするとき、
    0<ks≦1e−5
    1e−5≦ka≦1e−3
    であり、該高屈折率層の幾何学的膜厚の合計が65nm以上75nm以下である反射防止膜が蛍石基板の上に形成されている光学素子において、前記反射防止膜は該蛍石基板から空気層に向けて、前記低屈折率層から順に積層した9層で構成されており、波長180nmから220nmの範囲に設計中心波長λoをもち、前記各層の光学的膜厚を前記蛍石基板側から数えて第1層から第9層まで順にd1、d2、d3、d4、d5、d6、d7、d8、d9とするとき、
    0.01λo≦d1≦0.15λ0
    0.05λo≦d2≦0.20λo
    0.04λo≦d3≦1.50λo
    0.05λo≦d4≦0.15λo
    0.35λo≦d5≦0.45λo
    0.15λo≦d6≦0.25λo
    0.27λo≦d7≦0.37λo
    0.16λo≦d8≦0.26λo
    0.23λo≦d9≦0.33λo
    を満たすことを特徴とする反射防止膜を有する光学素子。
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