JP4064149B2 - エラストマー組成物及びそれよりなる繊維 - Google Patents

エラストマー組成物及びそれよりなる繊維 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、エラストマー組成物及びそれよりなる繊維に関するものである。更に詳しくは、高吸水性と高吸湿性とを兼ね備えたエラストマー組成物及びそれよりなる繊維に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ポリエステル、特にポリアルキレンテレフタレートは、多くの優れた特性を有しているため、各種衣料用途等に広く利用されている。しかし、綿、絹、羊毛のような天然繊維、レーヨン、アセテートのような半合成繊維に比べると、吸水性、吸汗性が低いという機能面での欠点を有している。
【0003】
この課題を改良する目的で、有機スルホン酸金属塩を添加したポリエステルからなる中空繊維をアルカリ水溶液で処理することにより、一部が中空部まで連通している微細孔を繊維表面に有する吸水性ポリエステル繊維が提案(特公昭61−60188号公報、特公昭62−44065号公報等)されている。
【0004】
しかしながら、繊維表面を微多孔化した中空ポリエステル繊維は、毛細管現象を利用した吸水機構であるが故に、天然繊維や半合成繊維に比べると吸水性が低く、必ずしも満足すべき水準には到達していなかった。
【0005】
一方では、有機スルホン酸金属塩、ポリアルキレングリコールなどの親水性成分をポリエステルに共重合させることにより、吸水性能を高めたポリエステル繊維(特開平7−150468号公報)が提案されている。この方法では、吸水性能が大幅に改善されているが、吸湿性は一般的なポリエステルと大差無いレベルにあり、高吸水性と高吸湿性を兼ね備えた繊維ではなかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、上記従来技術が有していた問題点を解消し、高吸水性と高吸湿性とを兼ね備えたエラストマー組成物及びそれよりなる繊維を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは上記従来技術に鑑み鋭意検討を重ねた結果、本発明を完成するに至った。
【0008】
すなわち、本発明の目的は、
テトラメチレンテレフタレートをポリエステルを構成する全繰り返し単位に対して90モル%以上とし、下記式(I)で示される有機スルホン酸金属塩(A)がポリエステルを構成する全ジカルボン酸成分を基準として0.2〜10モル%と下記式(II)で示されるポリアルキレンエーテルグリコール(B)とが共重合されたエラストマー中に、ポリアルキレンエーテルグリコール(C)が分散混合された、エラストマー組成物によって達成される。
【0009】
【化3】
Figure 0004064149
【0010】
【化4】
Figure 0004064149
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
【0012】
本発明において、後述するように、成分(A)及び成分(B)を共重合したエラストマーは、テトラメチレンテレフタレート単位をそのハードセグメントの主たる繰り返し単位とする。ここで言う「主たる」とはテトラメチレンテレフタレート成分以外の繰り返し単位を、該ハードセグメントを構成する全繰り返し単位に対して、20モル%以下、好ましくは15モル%以下、特に好ましくは10モル%以下含有してもよいことを意味する。
【0013】
共重合し得るジカルボン酸成分としては、例えばイソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、ジフェニルジカルボン酸、ジフェニルキシエタンジカルボン酸、β−ヒドロキシエトキシ安息香酸、P−オキシ安息香酸、アジピン酸、セバシン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸のような芳香族、脂肪族のジカルボン酸成分を挙げることができる。
【0014】
また、共重合しうるジオール成分としては、例えばトリメチレングリコール、エチレングリコール、シクロヘキサン−1,4−ジメタノール、ネオペンチルグリコール、ビスフェノールA、ビスフェノールSのような脂肪族、脂環族、芳香族のジオール化合物及びポリオキシアルキレングリコールを挙げることができる。
【0015】
更に、本発明の目的の達成が実質的に損なわれない範囲内で、トリメリット酸、ピロメリット酸のような三官能性以上のポリカルボン酸;グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールのような三官能性以上のポリオールを共重合成分として用いてもよい。
【0016】
本発明におけるエラストマーは、任意の方法で合成されたものが使用されるが、通常、テレフタル酸とテトラメチレングリコールとを直接エステル化反応させるか、テレフタル酸ジメチルのようなテレフタル酸の低級アルキルエステルとテトラメチレングリコールとをエステル交換反応させる方法によってテレフタル酸のグリコールエステル及び/又はその低重合体を生成させる第1段階の反応と、第1段階の反応生成物を重合触媒存在下に減圧加熱して所望の重合度になるまで重縮合反応させる第2段階の反応によって製造される。
【0017】
本発明のエラストマーに使用される成分(A)を示す前記式(I)中、R1は芳香族炭化水素基又は脂肪族炭化水素基、X1はエステル形成性の官能基、X2はエステル形成性官能基又は水素原子であって、該エステル形成性の官能基としては、反応してエステルを形成しうる基であり、一般にはヒドロキシル基、カルボキシル基又はそれらのエステルである。Mは、Na、K、Liなどのアルカリ金属又はMg、Caなどのアルカリ土類金属であり、なかでもNa、Kが好ましい。このような有機スルホン酸金属塩は、1種でも2種以上の混合物としても使用でき、好ましい具体例としては、5−ナトリムスルホイソフタル酸ジメチル、5−カリウムスルホイソフタル酸ジメチル、5−リチウムスルホイソフタル酸ジメチル、5−ナトリウムスルホイソフタル酸ビス(p−ヒドロキシエチル)エステル、5−カリウムスルホイソフタル酸ビス(p−ヒドロキシエチル)エステル、5−リチウムスルホイソフタル酸ビス(p−ヒドロキシエチル)エステル等を挙げることができる。
【0018】
有機スルホン酸金属塩の共重合量は、ポリエステルを構成する全ジカルボン酸成分を基準として0.2〜15モル%であ。該成分(A)は、エラストマー製造時、エステル交換反応を開始する前の任意の段階で、反応系系内へ添加することが好ましい。
【0019】
本発明のエラストマーに使用される、前掲式(II)で示される成分(B)としてのポリアルキレンエーテルグリコールは、エラストマーに弾性性能と吸水性能とを付与する目的で共重合させるものである。該ポリアルキレンエーテルグリコール成分の存在量は、後述するエラストマー中に分散混合するポリアルキレンエーテルグリコールとあわせて、エラストマー組成物を基準として5〜90重量%であることが好ましく、特に10〜80重量%であることが好ましい。該成分は、エラストマーの合成が完了する以前の任意の段階で反応系系内へ添加すればよいが、エステル交換反応開始前に反応系系内へ添加することが好ましい。
【0020】
ここで、エラストマー組成物中におけるポリアルキレンエーテルグリコールの存在状態としては、エラストマー中に共重合しているものと、共重合せずに組成物中に分散混合しているものとが混在しており、その両者の割合は、上述の組成物中におけるポリアルキレンエーテルグリコール成分の存在量によって決定される。
【0021】
式(II)で示されるポリアルキレンエーテルグリコールとして、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、エチレンオキシドとプロピレンオキシドとの共重合体などを例示することができる。ポリアルキレンエーテルグリコールの数平均分子量としては、400〜6000が好ましく、中でも600〜4000が特に好ましい。
【0022】
また、エラストマー中に分散混合されるポリアルキレンエーテルグリコール(C)としては、上記のポリアルキレンエーテルグリコール(B)と同じであっても異なっていてもよく、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、エチレンオキシドとプロピレンオキシドとの共重合体などを例示することができる。なかでも、ポリアルキレンエーテルグリコール(C)の方が(B)よりも大きい方が好ましい。
【0023】
なお、エラストマーの固有粘度は、0.5〜1.1の範囲が適当である。固有粘度が0.5未満であると、衝撃強度が低下したり、延伸成形性が低下するなどの物性低下がある。一方、固有粘度が1.1を超えると、生産性が悪化するだけでなく、延伸成形性も低下しやすい。
【0024】
次に、エラストマー組成物の製造方法につき説明する。
本発明のエラストマー組成物は、例えばテレフタル酸ジメチル、テトラメチレングリコール及びポリアルキレンエーテルグリコールとを含む原料を、エステル交換触媒の存在下でエステル交換反応させ、ビス(ω−ヒドロキブチル)テレフタレ−ト及び/又はそのオリゴマ−を形成させ、その後、重縮合触媒及び安定剤の存在下で高温減圧下に溶融重縮合を行うことにより達成される。
【0025】
エステル交換触媒としては、ナトリウム等のアルカリ金属塩、マグネシウム、カルシウム等のアルカリ土類金属塩、チタン、亜鉛、マンガン等の金属化合物を使用するのが好ましい。
【0026】
重縮合触媒としては、ゲルマニウム化合物、アンチモン化合物、チタン化合物、コバルト化合物、錫化合物を使用するのが好ましい。
【0027】
触媒の使用量は、エステル交換反応、重縮合反応を進行させるために必要な量であるならば特に限定されるものではなく、また、複数の触媒を併用することも可能である。
【0028】
また、安定剤としては、トリメチルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリフェニルホスフェート等のリン酸エステル類、トリフェニルホスファイト、トリスドデシルホスファイト等の亜リン酸エステル類、メチルアシッドホスフェート、ジブチルホスフェート、モノブチルホスフェート酸性リン酸エステル、リン酸、亜リン酸、次亜リン酸、ポリリン酸等のリン化合物、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼンなどのヒンダードフェノール系酸化防止剤が好ましい。
【0029】
エステル交換反応触媒の供給は、原料調製時の他、エステル交換反応の初期の段階において行うことができる。また、安定剤の供給は、重縮合反応初期までに行うことができるが、エステル交換反応終了時に添加することが好ましい。更に、重縮合触媒は重縮合反応工程の初期までに供給することができる。
【0030】
エステル交換反応時の反応温度は、通常180〜230℃であり、反応圧力は常圧〜0.3MPaである。また、重縮合時の反応温度は、通常200〜260℃であり、反応圧力は通常60〜0.1kPaである。この様なエステル交換反応及び重縮合反応は、一段で行っても、複数段階に分けて行っても良い。
【0031】
本発明においては、上記反応中に共存させておいたポリアルキレンエーテルグリコールの一部を、未反応の状態でエラストマー中に分散させた状態のエラストマー組成物として得ることができるが、別途ポリアルキレンエーテルグリコールをエラストマー中に添加混合してもよい。
【0032】
得られたエラストマー組成物は、常法によりチップ化され、その平均粒径は、通常2.0〜5.5mm、好ましくは2.2〜4.0mmの範囲とされる。
【0033】
本発明のエラストマー組成物は、幅広い成形条件下で安定して成形することができ、通常の溶融紡糸方法を適用することができる。繊維の横断面形状は丸断面に限定されるものでは無く、扁平形状、三角断面及び多葉断面形状などの異形断面としてもよく、更に、中空部を設けても何等問題は無い。
【0034】
本発明のエラストマー組成物を溶融紡糸する際の温度は、200〜270℃、好ましくは220〜250℃が適当である。ここで200℃未満では温度が低すぎて安定した溶融状態となり難く、また270℃を越えるとエラストマー組成物の熱分解が生じる、また紡出糸の冷却が不足するために、単糸同士での融着が発生する等の問題が発生する。次いで、紡出糸は所定の速度で引き取った後、一旦巻き取り、得られた未延伸糸を別途延伸機で延伸しても良いし、紡出糸を引き取った後、巻き取ること無く連続して延伸を行い巻き上げる直接紡糸延伸法を適用してもよい。直接紡糸延伸法としては、例えば紡出糸を1000〜4000m/分の速度で引取り、続いて1500〜5000m/分の速度で延伸・熱セットする方法が挙げられる。ここで熱セットのローラー温度としては130〜170℃が好ましく、この範囲にあると、熱セット性が十分であるとともに繊維が溶融切断することも無い。また、5000m/分以上の高速で紡糸し、用途によっては延伸工程を省略する方法などの製糸条件も採用することができ、いずれの方法であっても安定して製糸することができ、上述の方法に従って得られる繊維は、吸水率が30〜500%、35℃95%RH環境下24時間保持後の吸湿率が12〜50%の範囲にある。
【0035】
このようにして得られた本発明の繊維の糸条形態は、フィラメント、ステープルのいずれでもよく、総糸繊度、単糸繊度、撚数、交絡数などは繊維の使用目的に応じて適宜設定することができる。
【0036】
更に、本発明の繊維を布帛となすにあたっては、本発明の繊維100%使いとしてもよく、他の繊維と併せて使用してもよい。ここで、他繊維と併用するにあたって、複合糸として使う場合には、混繊糸、複合仮撚糸とすればよく、このような併用できる繊維としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル、ナイロン6、ナイロン66等のポリアミド、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、アクリル、パラ型又はメタ型アラミド、およびこれらの改質及び/又は複合繊維、さらには天然繊維、再生繊維、半合成繊維などから自由に選択して用いることができる。
【0037】
また、フィルムやシートに成形する際においても、製膜後一方向のみに張力をかけて異方性を持たせる方法、同時に又は任意の順序で二方向に延伸する方法、二段以上の多段延伸する方法などに所望の条件を何等支障なく採用することができる。
【0038】
【実施例】
以下、実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれにより何等限定を受けるものでは無い。なお、例中の特性は下記の方法で測定した。
(1)固有粘度(以下、IVと略記する):
常法に従って、ポリマーサンプルを一定量計量し、o−クロロフェノールに0.012g/mlの濃度で溶解し、35℃中にて測定した。
(2)Col−b:
160℃×60分乾燥機中で熱処理し乾燥させたポリマーを、ミノルタ(株)社製CR−200型色彩色差計で測定した。
(3)チップ吸水率:
得られたポリマーチップ(粒径2.2〜4.0mm)を水中に10分間浸漬した後に、吸い取り紙で挟み込んだ上に2kgの分銅を乗せて1分間脱水を実施した。水中浸漬前のチップ重量と脱水後のチップ重量との変化より、下記式に従って求めた。
チップ吸水率(%)=(水中浸漬前重量−脱水後重量)/水中浸漬前重量
(4)チップ吸湿率:
得られたポリマーチップ(粒径2.2〜4.0mm)を20℃、RH65%の条件下で24時間放置し、放置前後のチップ重量より、下記式に従って求めた。
チップ吸湿率(%)=(放置後重量−放置前重量)/放置前重量
(5)吸水率:
サンプル筒編地を105℃で2時間乾燥した後、水中に1時間浸漬し、家庭用電気洗濯機の脱水機で5分間脱水した。乾燥後の筒編地と脱水後の筒編地の重量より、下記式に従って求めた。
吸水率(%)=(脱水後編地重量−乾燥後編地重量)/乾燥後編地重量
(6)吸湿率:
サンプル筒編地を105℃で2時間乾燥した後、35℃95%RHの環境に保ったデシケーター中に24時間放置した。放置前後の筒編地の重量より、下記式に従って求めた。
吸湿率(%)=(放置後編地重量−放置前編地重量)/放置前編地重量
【0039】
[実施例1]
テレフタル酸ジメチル100重量部、テトラメチレングリコ−ル64重量部、エチレングリコール10重量部、成分(A)としての5−ナトリウムスルホイソフタル酸10重量部及び成分(B)及び(C)としてのポリエチレングリコール(数平均分子量4000)200重量部を仕込み、エステル交換反応触媒として酢酸ナトリウム3水和塩を更に添加して、副生するメタノールを系外に留去しつつ、エステル交換反応を実施した。メタノールの留去がほぼ終了した段階で、安定剤として正リン酸を添加して、エステル交換反応を終了した。
【0040】
続いて、重合触媒としてテトラブチルチタネートを添加した後に、250℃まで加熱昇温して、反応生成物を高温高真空下で重縮合反応させて、固有粘度0.82、Col−b値17.3のエステル系エラストマー組成物を得た。
【0041】
得られたエステル系エラストマー組成物をカッティング装置にて、粒径2.4mmのチップにカッティング後、乾燥機にて160℃で5時間乾燥させた。チップの吸水率は103%、吸湿率は10.3%であった。
【0042】
[実施例2]
実施例1において、5−ナトリウムスルホイソフタル酸の添加量を10重量部から代えて5重量部に変更したこと以外は同様の操作を行ったところ、固有粘度0.76、Col−b値16.8のエステル系エラストマー組成物を得た。実施例1と同様に、カッティングと乾燥を行ったところ、チップの吸水率は91%、吸湿率は9.5%であった。
【0043】
[比較例1]
実施例1において、成分(A)としての5−ナトリウムスルホイソフタル酸を添加しなかったこと以外は同様の操作を行ったところ、固有粘度0.67、Col−b値16.7のエステル系エラストマー組成物を得た。チップの吸水率は68%、吸湿率は7.4%であり、必ずしも十分なレベルではなかった。
【0044】
[比較例2]
実施例2において、成分(B)としてのポリエチレングリコールを添加しなかったこと以外は、同様の操作を行ったところ、固有粘度0.63、Col−b値9.8のポリエステルを得た。チップの吸水率は0.2%、吸湿率は0.1%であり、必ずしも十分なレベルではなかった。
【0045】
参考例1
テレフタル酸ジメチル90重量部、テトラメチレングリコ−ル68重量部、エチレングリコール20重量部、成分(A)としての5−ナトリウムスルホイソフタル酸16重量部及び成分(B)及び(C)としてのポリエチレングリコール(数平均分子量4000)120重量部を仕込み、エステル交換反応触媒として酢酸ナトリウム3水和塩を更に添加して、副生するメタノールを系外に留去しつつ、エステル交換反応を実施した。メタノールの留去がほぼ終了した段階で、安定剤として正リン酸を添加して、エステル交換反応を終了した。
【0046】
続いて、重合触媒としてテトラブチルチタネートを添加した後に、250℃まで加熱昇温して、反応生成物を高温高真空下で重縮合反応させて、固有粘度0.82のエステル系エラストマー組成物を得た。
【0047】
得られたエステル系エラストマー組成物を溶融紡糸機で、紡糸温度230℃、紡糸速度3000m/分の条件で円形断面口金を使用して溶融吐出した後、冷却固化、油剤付与した後、引取りローラを介して引き取って、135dtex/36フィラメントの繊維を得た。得られた繊維より、常法に従って筒編みを作り、この編地について吸水率、吸湿率をそれぞれ測定したところ、吸水率68%、吸湿率14%と良好なものであった。
【0048】
[実施例4]
参考例1において、5−ナトリムスルホイソフタル酸の量を16重量部から代えて7重量部としたこと以外は同様の操作を行ったところ、固有粘度0.76のエラストマー組成物を得た。また、編地の吸水率は59%、吸湿率は12%であり、吸水性、吸湿性ともに良好なものであった。
【0049】
【発明の効果】
本発明によれば、高吸水性と高吸湿性とを兼ね備えたエラストマー組成物を提供することができる。

Claims (4)

  1. テトラメチレンテレフタレートをポリエステルを構成する全繰り返し単位に対して90モル%以上とし、下記式(I)で示される有機スルホン酸金属塩(A)がポリエステルを構成する全ジカルボン酸成分を基準として0.2〜10モル%と下記式(II)で示されるポリアルキレンエーテルグリコール(B)とが共重合されたエラストマー中に、ポリアルキレンエーテルグリコール(C)が分散混合された、エラストマー組成物。
    Figure 0004064149
    Figure 0004064149
  2. ポリアルキレンエーテルグリコール(B)及びポリアルキレンエーテルグリコール(C)の重量比率がエラストマー組成物を基準として10〜90重量%である、請求項1に記載のエラストマー組成物。
  3. 式(II)で示されるポリアルレキレンエーテルグリコールの数平均分子量が400〜6000である請求項1〜2のいずれか1項に記載のエラストマー組成物。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載のエラストマー組成物を溶融紡糸して得られる、吸水率が30〜500%、35℃95%RH環境下24時間保持後の吸湿率が12〜50%の範囲にある、繊維。
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