JP4123993B2 - 画像形成システムおよびフロントエンドプロセッサ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、たとえばカラー複写機、ファクシミリ、あるいはプリンタなど、記録媒体上に画像を形成するいわゆる印刷機能を有する画像形成装置を備えた画像形成システム、並びにこの画像形成システムを構成するフロントエンドプロセッサ(画像処理装置)に関する。より詳細には、フロントエンドプロセッサにて生成したイメージデータを圧縮してからバックエンドプロセッサ(印刷制御装置)に転送する際の圧縮イメージデータの取り扱いに関する。
【0002】
【従来の技術】
印刷用紙などの記録媒体上にカラー画像を再生する複写機、ファクシミリ装置、印刷機、プリンタ装置などにおいては、可視画像を印刷用紙上などに形成する画像記録部(いわゆるプリントエンジン)を有する出力装置と、この出力装置に画像形成用のデータを渡すデータ供給装置とにより、画像形成システムを構成している。
【0003】
データ供給装置としては、原稿画像を読み取るスキャナ装置(読み取った画像に画像処理を施す画像処理部を含んでいてよい)や、ページ記述言語を解釈して描画展開しイメージデータにして出力装置に渡すプロセッサ装置などがある。プロセッサ装置は、高速処理対応のため、主に描画展開処理を担当するフロントエンドプロセッサ(画像処理装置の一例)と主に出力装置側を制御するバックエンドプロセッサ(印刷制御装置の一例)とに分けられることもある。フロントエンドプロセッサとバックエンドプロセッサとは、通信媒体を介して通信可能に接続される。そして、フロントエンドプロセッサは、たとえばページ記述言語(PDL)で記述された印刷データをクライアント端末から受け取ると、PDLを解釈して各ページのイメージデータを生成し、それを出力側のエンジンを制御するバックエンドプロセッサへ送出する。
【0004】
また、一般的には、画像出力前に1出力単位(通常は1ページ)の画像データ全体をレンダリングしている。出力側であるエンジンは、受け取ったページ単位のイメージデータに基づいて、プリンタコントローラの制御の元で、エンジンや定着器などが同期して印刷動作(画像形成動作)をする。
【0005】
一方、1出力単位全体(たとえばページ全体)に対するラスタデータは、そのデータ量が非常に大きい。たとえば電子写真方式のカラーページプリンタでは、YMCKの4色のトナーに対応するラスタデータを必要とするとともに、白黒ページプリンタ以上に画質が要求されるため、1画素当たり複数のビット情報を持つのが一般的であり、たとえば、カラーデータの場合にはページ当たり数M〜数100MByte(メガバイト)にもなる。このため、フロントエンドプロセッサからバックエンドプロセッサへラスタデータを転送する際のデータ量が多く転送負荷が大きくなる。
【0006】
そこで、データ量を少なくするべく、RIP処理されたラスタデータを一旦圧縮して出力側へ送り、バックエンドプロセッサにてエンジンの印刷処理速度に同期して伸張してから、そのラスタデータをエンジンに渡す仕組みがある(たとえば特許文献1,2を参照)
【特許文献1】
特開平8−6238号公報
【特許文献2】
特開平10−166688号公報
【0007】
たとえば、特許文献1に記載の仕組みでは、圧縮/伸張の処理に際して、線画や文字など主に2値で現される画像オブジェクト(線画文字オブジェクトLW(Line Work ))と、背景部や写真部など主に多階調で表される画像オブジェクト(多階調画像オブジェクトCT(Continuous Tone ))など、画像オブジェクトの特性に応じて、適応した処理とすることでイメージデータサイズを低減しつつ画質維持を図るようにしている。
【0008】
また、特許文献2に記載の仕組みでは、イメージデータ生成処理機能や圧縮処理機能をフロントエンドプロセッサに持たせ、伸張処理機能やプリンタコントロール機能をバックエンドプロセッサに持たせている。そして、フロントエンドプロセッサでRIP処理したイメージデータを一旦圧縮して出力側のバックエンドプロセッサへ送り、このバックエンドプロセッサにてエンジンの印刷処理速度に同期して伸張してから、そのイメージデータをエンジンに渡している。
【0009】
こうすることで、転送負荷の問題を生じることなく、RIP処理にてラスタライズしながら、画像記録部にて印刷処理を同時並行して行なう“RIP While RUN ”の仕組みが実現でき、高速エンジンをフル活用し高い生産性をあげることができる。なお、これらの制御は、バックエンドプロセッサが持つ、プリンタコントローラ機能の制御の元で、ジョブ単位やページ単位で印刷がなされる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、出力形式によっては、フロントエンドプロセッサからバックエンドプロセッサへのデータ供給が間に合わないケースも生じる。この場合、バックエンドプロセッサ側がエンジンの処理に追従(同期)して伸張処理や画像処理をした後にイメージデータをエンジン側へ出力することができず、結果として、エンジンが持つ処理能力をフルに活かすことができない事態を招くことがある。
【0011】
たとえば、同じ総枚数の出力処理が1つのジョブとして指令される場合において、帳合処理あり(Collate )の形式と帳合処理なし(Uncollate )の形式とがある。総出力数がm×n(たとえば20)枚であっても、1ページの書類をm×n部出力する第1の出力形式や、m×nページの書類を1部だけ出力する第2の出力形式や、m(たとえば4)ページものの書類をn(たとえば5)部出力する第3の出力形式がある。また、第3の出力形式では、1ページ目をn部出力した後に2ページ目をn部出力し、同様にして最終ページについてまで処理を繰り返す第3Aの出力形式と、mページのものを1部出力した後に、同様にしてn部出力が完了するまで繰り返す第3Bの出力形式とがある。第2や第3Bの出力形式は、部ごとにページを昇順もしくは降順に並べて出力する形式であり、帳合処理ありの出力形式である。これに対して、第1や第3Aの出力形式は、ページごとに部数分を出力する形式であり、帳合処理なしの出力形式である。
【0012】
ここで、第1の出力形式の場合、図4(A)に示すように、フロントエンドからバックエンドにイメージデータを1回転送すれば、その後は、バックエンドから出力装置に対してm×n回のデータ出力をすればよい。よって、フロントエンドは、次のジョブのイメージ転送にある程度余裕を持たせることができる。また、第3Aの出力形式の場合、図4(B)に示すように、フロントエンドからバックエンドに1ページ目のイメージデータを転送すれば、その後は、バックエンドから出力装置に対してn回のデータ出力をする。このn回のデータ出力中に、2ページ目のイメージをフロントエンドからバックエンドに転送すればよく、次ページのイメージ転送には、ある程度余裕を持たせることができる。
【0013】
つまり、出力形式が帳合処理なしの場合、フロントエンドからバックエンドへ1部全体を出力するためのデータ転送時間が出力エンジンの処理時間と同程度であれば、出力エンジンの性能を活かした印刷処理が可能である。部数が増えるほど、フロントエンドからバックエンドへのデータ転送に余裕が生まれる。よって、イメージのデータサイズが大きい場合に、データ転送に多少の時間が掛かっても不都合は生じない。
【0014】
これに対して、第2の出力形式の場合、図4(C)に示すように、フロントエンドからバックエンドへの1部分のデータ転送時間が出力エンジンの処理時間以下であると、フロントエンドからバックエンドへの次ページ画像の転送が間に合わず、プリンタ側の出力処理をスキップさせなければならない。これは、図4(D)に示すように、第3Bの出力形式の場合でも同様に生じる。
【0015】
つまり、出力形式が帳合処理ありの場合、フロントエンドからバックエンドへの1部分のデータ転送時間が出力エンジンの1部分の処理時間と同程度となるように維持しなければ、出力エンジンの性能を活かした印刷処理が不可能になる。たとえば、イメージのデータサイズが大きい場合にデータ転送に時間が掛かってしまうケースでは、フロントエンドから次の画像の転送が間に合わず、出力エンジンの性能を活かした印刷処理が不可能になり、出力エンジンの性能を生かしきれない。
【0016】
また、出力エンジンの性能を生かしきれない事態は、バックエンドプロセッサ側のスプール容量に不足が起こるケースでも生じ得る。たとえば、図4(E)に示すように、出力形式として第3Bの出力形式が指示されている場合において、その時点の出力側のスプール残量がこれから転送する全データ分を蓄積する分には足りないと、ジョブ分の全てを纏めてバックエンドプロセッサ側に送ることができない。このため、スプール残量に破綻を来さないように、全ての部数についての処理が完了するまで、データ転送とスプールとを繰り返さなければならない。このような処理はフロントエンドおよびバックエンドの双方にとって負荷となり、結果的には、エンジンが持つ処理能力をフルに活かすことができない事態を招く。
【0017】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、エンジンの持つ処理能力を十分に活かすことのできる画像形成システムや、この画像形成システムを構成するフロントエンドプロセッサを提供することを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る画像形成システム装置は、印刷ジョブを処理して各ページのイメージデータを生成するイメージデータ生成部および当該イメージデータ生成部により生成されたイメージデータを圧縮処理する圧縮処理部を備えたフロントエンドプロセッサと、フロントエンドプロセッサから送付された各ページの圧縮イメージデータを受け取り伸張処理する伸張処理部、および当該伸張処理部により伸張されたイメージデータを画像記録部へ送出して当該画像記録部を制御する印刷制御部を備えたバックエンドプロセッサとから構成されている画像形成システムであって、フロントエンドプロセッサを、印刷ジョブの出力形式が帳合処理を含むか否かに応じて、圧縮処理部における圧縮処理の圧縮率を制御する圧縮率制御部を備えているものとした。
【0019】
また、本発明に係るフロントエンドプロセッサは、本発明に係る画像形成システムを実現するために好適なものである。
【0020】
また従属項に記載された発明は、本発明に係る画像形成システムやフロントエンドプロセッサのさらなる有利な具体例を規定する。
【0021】
たとえば、圧縮率制御部は、バックエンドプロセッサ側のスプール残量と処理対象のイメージデータに対する圧縮処理後のイメージデータサイズに応じて圧縮率を制御する。
【0022】
【作用】
上記構成において、フロントエンドプロセッサは、圧縮率変更の制御動作が許可されていれば、印刷ジョブの出力形式として処理速度に影響を及ぼし得る形式、たとえば帳合処理ありが指示されていると、出力側の処理性能を低下させないように、圧縮率を調整する。具体的には、圧縮イメージデータのファイルサイズがより小さくなるようにする。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0024】
<画像形成装置の構成>
図1は、本発明に係る画像処理システムの一実施形態を示す図である。画像形成システムは、画像形成装置1と、この画像形成装置1に印刷データを渡し印刷指示をする端末装置であるDFE(Digital Front End Processor )装置とから構成されている。この画像形成装置1は、クライアント端末から入力された印刷データに基づいて可視画像を所定の記録媒体上に形成する印刷装置(プリンタ)として機能するようになっている。画像形成装置1は、画像を所定の記録媒体上に形成する画像記録部とこの画像記録部に画像データを渡すデータ供給装置とから構成されている。
【0025】
ここで、画像形成装置1は、IOT(Image Output Terminal)モジュール(IOT本体)2、フィード(給紙)モジュール(FM;Feeder Module )5、出力モジュール7、およびユーザインタフェース装置8を備えている。各モジュールは、性能や機種を問わず、一定の範囲で、自由に交換可能となっている。この構成は、本願出願人が、特願2002−250588号や同2002−250589号にて提案しているものである。
【0026】
DFE装置は、描画機能を備えており、たとえばページ記述言語PDLで記述された印刷データを図示しないクライアント端末から順次受け取り、この印刷データに基づいてラスタイメージを生成(RIP処理;Raster Image Process)し、さらにRIP処理済みのイメージデータおよび印刷枚数や用紙サイズなどの印刷制御情報(ジョブチケット)を画像形成装置1に送る。
【0027】
DFE装置から画像形成装置1に送付される印刷データとしては、カラー印刷用の基本色である、イエロ(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)の3色と、ブラック(K)とを合わせた4色(YMCK)分がある。また、この4色に加えて、第5の色成分、たとえばグレイ(G)分を含めてもよい。本実施形態では、Y,M,C,Kの4色とする。
【0028】
IOTモジュール2は、電子写真プロセスを利用して画像を所定の記録媒体に記録する画像記録部の一例であるIOTコア部20と図示しないトナー供給部とを有する。トナー供給部には、カラー印刷用のYMCK分のトナーカートリッジが搭載されるようになっている。
【0029】
ユーザインタフェース装置8は、キーボードやマウスなどの入力デバイスを有し、ユーザに画像を提示しつつ指示入力を受け付けるGUI(Graphic User Interface)部80を備えるとともに、その本体内に画像形成装置1の各モジュールやDFE装置との間の接続インタフェース機能やサーバ機能をなすSys(システム制御)機能を備える。また、ユーザインタフェース装置8は、画像形成装置1に依存した印刷制御機能を果たすプリンタコントローラ機能を備えている。
【0030】
ユーザインタフェース装置8には、画像形成装置1を操作するための制御ソフトウェアが組み込まれている。このユーザインタフェース装置8は、画像処理装置IPS(Image Process System)の機能を備えたDFE装置と接続されており、たとえば、RIP(Raster Image Process)処理済みの印刷データ、および印刷枚数や用紙サイズ、あるいは帳合処理の有無などの印刷制御情報をDFE装置から受け取り、要求された印刷処理を画像形成装置1に実行させる。
【0031】
描画機能を備えたDFE装置は、イメージデータ生成装置の一例であるフロントエンドプロセッサFEP(Front End Processor )部500を備えている。フロントエンドプロセッサFEP部500は、フロントエンジンによるROP(Raster OPeration)処理によりクライアント(Client)からのデータをラスタデータに変換(RIP処理)し、その変換後のラスタ画像を圧縮処理する。IOTモジュール2の高速処理に対応可能なようにRIP処理や圧縮処理が高速処理対応になっている。なお、DFE装置のフロントエンドプロセッサFEP部500は、画像形成装置1に依存した印刷制御機能を果たすプリンタコントローラ機能を備えておらず、主にRIP(描画展開)処理をする。
【0032】
このような構成におけるユーザインタフェース装置8の画像形成装置1に依存した処理の制御機能を果たすプリンタコントローラ機能部分と、接続インタフェースに関わる部分とを、纏めてバックエンドプロセッサBEP(Back End Processor)部600という。このバックエンドプロセッサBEP部600は、画像記録部としてのIOTコア部20にデータを渡すデータ供給装置として機能する。結果として、本実施形態の構成におけるユーザインタフェース装置8は、GUI部と、IOTコア部20などエンジン特性に応じた制御するプリンタコントローラ機能部分とを含むようになっている。なお、バックエンドプロセッサBEP部600やIOTコア部20は、画像形成装置1の主要部を構成する。バックエンドプロセッサBEP部600は、画像処理機能の主要部をなす。この構成は、本願出願人が、特願2002−250331号や同2002−250332などにて提案しているものである。
【0033】
DFE装置では、図示しないクライアント端末で生成されたコードデータをフロントエンジン側のRIP処理でラスタデータ化し、必要に応じて簡単な画像処理(前段側の画像処理)を施し、処理済みのデータに対して圧縮処理を施す。DFE装置側のフロントエンドプロセッサFEP部500と画像形成装置1側のバックエンドプロセッサBEP部600との間の電気信号の伝送は、色データごとに通信経路が設けられている。ただし、IOTコア部20に対して比較的疎な(ほぼ独立した)関係で接続されている。つまり、画像記録部としてのエンジンに対して非依存の通信インタフェース(汎用ネットワークによる疎結合)で構築される。
【0034】
たとえば、フロントエンドプロセッサFEP部500とバックエンドプロセッサBEP部との間は、たとえば通信速度が1GBPS(Giga Bit Per Sec)程度の汎用の通信プロトコルによる高速有線LAN(Local Area Network)などで接続するとよい。印刷ファイルは、たとえばFTP(File Transfer Protocol)などによりフロントエンドプロセッサFEP部500からバックエンドプロセッサBEP部600へファイル転送される。
【0035】
これに対して、バックエンドプロセッサBEP部600と画像記録部を構成する(その主要部である)IOTコア部20との間の電気信号の伝送は、色データごとに通信経路が設けられている。また、IOTコア部20に対して比較的密な関係で接続されている、つまり、画像記録部としてのエンジンに依存した通信インタフェースで構築される。たとえば、専用の通信プロトコルで接続される。
【0036】
フロントエンドプロセッサFEP部500は、ネットワークを介して接続されたクライアント端末(図示せず)からPDLで記述された印刷データ(以下PDLデータという)を受け取り、そのPDLデータを一旦順次格納するデータ格納部502と、データ格納部502からPDLデータを読み出して解釈しページ単位のイメージデータ(ラスタデータ)を生成(ラスタライズ)するRIP処理部(ラスタイメージ処理部)510とを備える。
【0037】
またフロントエンドプロセッサFEP部500は、RIP処理部510にて生成されたイメージデータを所定のフォーマット(たとえばJPEG;Joint Photographic Expert Group )に従って圧縮する圧縮処理部530と、圧縮処理部530の圧縮方式や圧縮パラメータを調整してバックエンドプロセッサBEP部600へ転送するデータのファイルサイズを制御するファイルサイズ制御部570とを備える。また、フロントエンドプロセッサFEP部500は、圧縮処理部530の後段に、出力側であるIOTモジュール2や出力モジュール7など画像記録部に非依存の通信インタフェースによりバックエンドプロセッサBEP部600との間の電気信号の伝送を採るファイル転送部540を備えている。
【0038】
RIP処理部510は、イメージデータ生成部の一例であって、ページ記述言語(PDL)で記述された電子データを展開してイメージデータを生成する。このため、RIP処理部510には、PDL解釈部およびデ・コンポーザ、いわゆるRIPエンジンが組み込まれている。このRIP処理部510は、本実施形態特有のエンジンに応じた専用RIPエンジンを搭載したものであってもよいし、汎用の印刷RIP処理エンジンを搭載したものであってもよい。なお、フロントエンドプロセッサFEP部500全体として、他社のRIP装置(DFE装置)を利用してもかまわない。
【0039】
圧縮処理部530は、RIP処理部510からのイメージデータをJPEG形式などで圧縮し、圧縮済みのイメージデータをバックエンドプロセッサBEP部600へ即時に転送する。なお、フロントエンドプロセッサFEP部500は、印刷ジョブに附帯して受け取った印刷ジョブ内容を示すジョブチケットのうち自身に不要なものは、所定のタイミングでバックエンドプロセッサBEP部600にそのまま転送する。
【0040】
圧縮形式としてのJPEGは、DCT(Discrete Cosine Transform)に基づくロスあり(lossy)の非可逆圧縮と、2次元DPCM(Differential Pulse Code Modulation) に基づくロスレス(lossless)の可逆圧縮に大きく分けられる。非可逆圧縮の方が可逆圧縮よりも圧縮比を大きく採る(ファイルサイズをより小さくする)ことができる。なお、DCT方式はベースラインとエクステンデッド方式に分類され、ベースラインプロセスは最も簡単なDCT方式でJPEGの必須機能である。本実施形態では、基本的には、圧縮比を大きくとれるDCT方式/ベースライン非可逆圧縮を採用し、データ転送が間に合わず、エンジンの処理速度との整合を調整する必要が生じた際には、圧縮方式や圧縮パラメータを、ファイルサイズ制御部570の元で調整する。
【0041】
なお、圧縮/伸張の処理に際しては、たとえば特開平8−6238号に記載のように、線画や文字など主に2値で現される画像オブジェクト(線画文字オブジェクトLW(Line Work ))に対しては画質優先の可逆圧縮とし、背景部や写真部など主に多階調で表される画像オブジェクト(多階調画像オブジェクトCT(Continuous Tone ))に対しては圧縮率優先の非可逆圧縮とするなど、画像オブジェクトの特性に応じて、適応した処理とすることもできる。
【0042】
ファイルサイズ制御部570は、バックエンドプロセッサBEP部600やIOTコア部20の処理性能に関する情報を取得する出力側性能情報取得部572を有し、圧縮率制御部としての機能を有する。出力側性能情報取得部572は、たとえばフロントエンドプロセッサFEP部500とバックエンドプロセッサBEP部600間の転送レートや、出力装置としてのIOTコア部20(その主要部であるエンジン)の処理速度など、主に出力処理速度に関わる情報取得し、図示しないメモリに出力側性能情報として登録しておく。この出力側性能情報の登録は、本システムを設置したときに行なうのがよい。
【0043】
フロントエンドプロセッサFEP部側の処理は、エンジンの処理速度に非同期で処理される。つまり、フロントエンドプロセッサFEP部500は、クライアント端末からPDLデータを受け取ると、順にラスタライズおよび圧縮処理をし、直ちに圧縮処理済みのイメージデータをバックエンドプロセッサBEP部600に送出する。
【0044】
この過程で、ラスタライズや圧縮などの処理よりもクライアント端末からのPDLデータ受信処理の方が早ければ、フロントエンドプロセッサFEP部500は、間に合わないPDLデータをデータ格納部502に一時的に保管しておく。そして、受け取った順に(先入れ先出し法で)もしくは適当な順に(たとえば先入れ後出し法で)PDLデータをデータ格納部502から読み出して処理する。
【0045】
また、このとき、ファイルサイズ制御部570は、たとえば、圧縮処理部530に対して、圧縮パラメータの一例であるQファクタ(圧縮指数)を、標準的な画像のときに圧縮率が規定値以下となるように、2〜255の範囲で指定する。そして、圧縮率変更の許可をユーザより受けている場合において、標準の圧縮率ではエンジンが持つ処理能力を活かしきれない事態が生じるケースでは、ファイルサイズ制御部570は、エンジンが持つ処理能力をフルに活かすことができるように、Qファクタを調整して圧縮率を制御する。あるいは、場合によっては、圧縮方式そのものを他の方式に切り替えることにより圧縮率を制御する。
【0046】
一方、バックエンドプロセッサBEP部600は、フロントエンドプロセッサFEP部500にて印刷ジョブやエンジンの処理特性に無関係に処理された(たとえばエンジンの処理速度に非同期で処理された)圧縮済みのイメージデータを受け取り保持する画像記憶部602と、画像記憶部602から読み出したデータに対して伸張処理や所望の画像処理を施す画像処理部604とを備える。
【0047】
画像記憶部602の前段には、出力側であるIOTモジュール2や出力モジュール7など画像記録部に非依存の通信インタフェースによりフロントエンドプロセッサFEP部500との間の電気信号の伝送を採るインタフェース部が組み込まれたファイル受信部601が設けられている。
【0048】
また、バックエンドプロセッサBEP部600は、画像形成装置1における画像記録部としてのIOTコア部20(特にエンジン)側に依存した通信インタフェースによりIOTコア部20側との間の電気信号の伝送を採る出力側のインタフェース部650と、IOTコア部20の処理性能に依存してバックエンドプロセッサBEP部600の各部やIOTコア部20を制御するプリンタコントローラおよびパス制御部として機能する印刷制御部680とを備える。バックエンドプロセッサBEP部600内は、たとえば66M/64ビットの高速データバス上にて動作するようになっている。
【0049】
画像処理部604内には、出力色(本例ではY,M,C,Kの4色)に対応するだけの系統の画像処理部(本例では4系統)が設けられている。画像処理部604は、たとえば、画像記憶部602から圧縮済みのイメージデータを読み出して、フロントエンドプロセッサFEP部500側の圧縮処理部530の圧縮処理に対応する伸張処理をする伸張処理部610と伸張処理部610により伸張処理された画像データに対して所望の画像処理を施す色補正部630とを、それぞれ出力色に対応するだけの系統分を有する。
【0050】
伸張処理部610は、画像記憶部602から読み出し伸張処理したイメージデータに対して、画像回転や用紙上の画像位置の調整、あるいは拡大もしくは縮小などをする画像編集部(電子ソート部)の機能を備えている。なお、この画像編集機能なす機能部分を伸張処理部610とは独立に設けてもかまわない。
【0051】
色補正部630は、たとえば、エンジンに依存した処理(色データの変換処理や階調補正処理あるいは色調補正処理など)をしてからインタフェース部650を介してIOTコア部20に送出する。たとえば、色補正部630は、伸張処理部610にて伸張処理された画像データに対して、エンジンや定着器の特性に依存した階調特性TRCの補正処理(色調補正制御処理)、つまりキャリブレーションを行なう。
【0052】
画像処理部604にて色別に処理された処理済みの画像データY,M,C,Kは、インタフェース部650を介してIOTコア部20の中間調処理部(図示せず)に入力され、この中間調処理部にてハーフトーニング処理(擬似中間調処理)やスクリーン処理が施された後に、エンジンの光源に、たとえば変調2値化信号あるいは多階調の変調信号として入力される。
【0053】
このように、本実施形態の画像形成装置1の構成では、フロントエンドプロセッサFEP部500とバックエンドプロセッサBEP部600とに分け、エンジンや定着器など出力側である画像記録部の処理特性に応じて、出力側エンジン30などを制御する印刷制御部(プリンタコントローラ)680をFEP部500から取り外し、FEP部500はRIP処理や圧縮処理に専念できるようにした。そして、フロントエンドプロセッサFEP部500から取り外した印刷制御部680を、出力側と密(みつ)に接続されたバックエンドプロセッサBEP部600に移設した。また、フロントエンドプロセッサFEP部500から受け取ったデータを画像記憶部602に保持しておくようにした。
【0054】
こうすることで、フロントエンドプロセッサFEP部500と出力側とを疎な関係にでき、フロントエンドプロセッサFEP部500の処理が出力側であるエンジン30などに非依存のシステムとすることができる。なお、処理経過の差は、画像記憶部602へのデータ格納と読出しとで相殺(調整)される。
【0055】
たとえば、RIP処理に関わる処理はフロントエンドプロセッサFEP部で行なうが、RIP処理のやり直しが必要な際には、フロントエンドプロセッサFEP部500へ再RIP処理を要求することなく(フロントエンドプロセッサFEP部500とは独立に)、画像記憶部602に保持しておいたデータを再利用する。こうすることで、フロントエンドプロセッサFEP部500にての再RIP処理が不要となる。そして、その分だけフロントエンドプロセッサFEP部500の負担が減る。また、データの再送が不要であるので、通信負荷が減り、トータルの処理も速くなる。
【0056】
また、エンジンなど出力側の処理特性に適応する性能を持ちエンジンなどと密な関係で接続されたバックエンドプロセッサBEP部600にて、出力側の処理特性に依存する処理をすることができる。たとえば、クライアントが希望する出力形式にて出力する場合において、出力側の処理特性に依存する処理が必要となる場合、フロントエンドプロセッサFEP部500との関わりを持つことなく(無関係に)、バックエンドプロセッサBEP部600内の各機能部分にクライアントが希望する出力形式に応じた処理をさせてから、イメージデータを出力側に送出するよう制御する。エンジンに適応した処理をバックエンドプロセッサBEP部600にてすることは、さほど負担ならない。このため、本実施形態の構成ではスループットが向上する。
【0057】
ここで、この画像形成装置1では、バックエンドプロセッサBEP部600が持つ、プリンタコントローラ機能の制御の元で、ジョブ単位やページ単位で印刷がなされる。しかしながら、出力形式によっては、フロントエンドプロセッサFEP部500からバックエンドプロセッサBEP部600へのデータ供給が間に合わないケースも生じる。この場合、バックエンドプロセッサBEP部600がIOTコア部20(すなわちエンジン)の処理に追従(同期)してイメージデータをエンジン側へ出力することができず、エンジン性能をフルに活かすことができない事態を招くことがある。
【0058】
この問題を解消するため、本実施形態の画像形成装置1においては、通常の処理時には、標準の圧縮率でデータ転送するが、エンジンが持つ処理能力を活かしきれない事態が生じるケースでは、圧縮率を制御することにより、エンジンが持つ処理能力をフルに活かすことができるようにする。以下、具体的に説明する。
【0059】
<処理速度整合機構;第1例>
図2は、エンジンの処理能力を十分に活かすための第1の構成例(第1の処理速度整合機構という)を説明する図である。この第1の処理速度整合機構は、印刷データの出力形式(帳合処理あり/帳合処理なし)に応じて圧縮率を切替可能に構成した点に特徴を有する。
【0060】
図2(A)に示すように、フロントエンドプロセッサFEP部500は、圧縮率変更のあり/なしをユーザから受け付ける圧縮率変更指示受付部580を有する。ユーザは、図示しないキーボードなどのユーザインタフェースにて、圧縮率変更のあり/なしを選択することができる。たとえば、画質を犠牲にしてもスピード重視を希望する場合には圧縮率変更ありを選択し、スピード低下を許容するが画質重視を希望する場合には圧縮率変更なしを選択するとよい。圧縮率変更指示受付部580は、このユーザ指示の情報をファイルサイズ制御部570に通知する。
【0061】
圧縮率を切り替える際の判断条件には、フロントエンドとバックエンド間の転送レート、イメージサイズ(印刷ジョブの対象となる画像のサイズ)、印刷制御部680とIOTコア部20(エンジン)とが連動した出力処理をする際の処理速度すなわち出力側の処理速度(印刷するイメージの大きさによって速度は変わる)などを使用する。出力側の処理速度の情報は、図示するように、バックエンドプロセッサBEP部600側から出力側性能情報取得部572に自動通知される仕組みとしてもよいし、装置を設置したサービスマンやオペレータがマニュアルで出力側性能情報取得部572に設定登録する仕組みとしてもよい。転送レートに関する情報についても、ジョブ時点の転送レートが出力側性能情報取得部572にて取得できるような仕組みとする。通常は、装置を設置した時点で、そのシステムの転送レートが決まるので、サービスマンが初期登録をしておくことで十分である。イメージサイズは、ジョブにおける処理対象のものであるのはいうまでもない。
【0062】
この後、実際のジョブの際には、以下のようにする。先ず、圧縮率変更なしのときには、ファイルサイズ制御部570は、標準(デフォルト)で規定されている圧縮率を圧縮処理部530に設定する。一方、圧縮率変更ありのときには、以下の条件に従って、圧縮率を調整する。先ず、転送対象のイメージサイズをIM(単位:Byte;バイト)、圧縮率をCM(単位:%)、フロントエンドプロセッサFEP部500とバックエンドプロセッサBEP部600との間の転送レートをTR(単位:Byte/Sec;バイト/秒)、出力装置であるIOTコア部20(すなわちエンジン)の処理速度をSP(単位:枚/Sec)、ラン・レングス(Run Length)をRL(単位:枚)とする。そして、以下の式を満たす圧縮率CMを求める。
【0063】
ここで、帳合処理ありの出力形式が指示されたときの圧縮率CM1は式(1)で、帳合処理なしの出力形式が指示されたときの圧縮率CM2は式(2)で、それぞれ求める。なおここでの「帳合処理なし」とは、フロントエンドプロセッサFEP部500からバックエンドプロセッサBEP部600に対してイメージを1回送信し、その後はバックエンドプロセッサBEP部600からIOTコア部20に対してN(=m×n=20)枚を出力する第1の出力形式であるとする。また、「帳合処理あり」とは、Nページ(=m×n=20)の書類を1部出力する第2の出力形式であるとする。
【数1】
Figure 0004123993
【数2】
Figure 0004123993
【0064】
ファイルサイズ制御部570は、上記式(1),(2)に従って求めた圧縮率CM1(帳合処理ありのとき)、圧縮率CM2(帳合処理なしのとき)を圧縮処理部530に設定する。RIP処理部510は、印刷処理対象のイメージデータD0をデータ格納部502から読み出して展開処理(RIP処理)を施し、圧縮処理部530は設定された圧縮率にて展開されたイメージデータD1に対して圧縮処理を行なう。そして、フロントエンドプロセッサFEP部500は、圧縮したイメージデータD2をバックエンドプロセッサBEP部600に転送する。バックエンドプロセッサBEP部600は、転送されたイメージデータD2を一旦画像記憶部602に格納し、この後、IOTコア部20の動作に同期して、画像記憶部602からイメージデータを読み出して、IOTコア部20にデータ出力する。
【0065】
これにより、たとえば図2(B1)に示すように、m×n(=20)ページの書類を1部だけ出力する第2の出力形式(すなわち帳合処理あり)の場合において、ユーザより圧縮率変更なしが指示されていると、通常の圧縮率で処理するので、全20ページ分の転送時間が出力側の処理能力を超えてしまい、結果的には、空き時間を生じる。ただし、このケースでは、図2(B2)に比べると、画質低下は少ない。
【0066】
これに対して、ユーザより圧縮率変更ありが指示されていると、図2(B2)に示すように、フロントエンドプロセッサFEP部500は出力側の処理能力に適合するように圧縮率を制御して全20ページ分を転送することができる。これにより、出力側では空き時間を生じることなく出力処理を実行することができるようになる。ただし、このケースでは、高圧縮率化のため非可逆圧縮を使用するので、図2(B1)に比べると、画質低下は避けられない。
【0067】
このように、第1の処理速度整合機構は、実際のIOTコア部20の処理性能と印刷ジョブに対する画質性能との関わりにおける印刷ジョブの出力形式(ユーザの指示による)とに応じて、圧縮率を制御可能に構成した。これにより、圧縮率変更ありがユーザより指示されている状態では、出力形式が帳合処理ありの場合でも、出力装置の処理にフロントエンドからの画像転送が間に合わないような場合には、圧縮率を高める。そしてこれにより、エンジンのスキップ動作(つまり空き時間)をなくし、高速で効率的な出力をすることが可能となる。
【0068】
<処理速度整合機構;第2例>
図3は、エンジンの処理能力を十分に活かすための第2の構成例(第2の処理速度整合機構という)を示す図である。この第2の処理速度整合機構は、印刷データの出力形式(帳合処理あり/帳合処理なし)に応じるとともに、バックエンドのスプール(Spool )の大きさ、すなわち画像記憶部602の記憶容量と各イメージの圧縮後のサイズに応じて、圧縮率を切替可能に構成した点に特徴を有する。つまり、圧縮率を切り替える際の判断条件に、画像記憶部602の記憶容量と各イメージの圧縮後のサイズを加味する点に特徴を有する。
【0069】
基本的な構成は、第1実施形態のものとほぼ同じであるが、出力側性能情報取得部572に、バックエンドのスプールの大きさを判定する仕組みが追加されている点が異なる。具体的には、フロントエンドプロセッサFEP部500の出力側性能情報取得部572は、印刷ジョブの都度、バックエンドプロセッサBEP部600側のスプールの大きさを判定するべく、画像記憶部602の残容量をバックエンドプロセッサBEP部600に問い合わせる。初期設定時の容量だけで判断したのでは、ジョブ時点の実容量に応じた適応判定ができないからである。
【0070】
この後、実際のジョブの際には、以下のようにする。先ず、圧縮率変更なしのときには、ファイルサイズ制御部570は、標準(デフォルト)で規定されている圧縮率を圧縮処理部530に設定する。一方、圧縮率変更ありのときには、以下の条件に従って、圧縮率を調整する。先ず、転送対象のイメージサイズをIM(単位:Byte;バイト)、圧縮率をCM(単位:%)、フロントエンドプロセッサFEP部500とバックエンドプロセッサBEP部600との間の転送レートをTR(単位:Byte/Sec;バイト/秒)、出力装置であるIOTコア部20(すなわちエンジン)の処理速度をSP(単位:枚/Sec)、ラン・レングス(Run Length)をRL(単位:枚)、画像記憶部602のスプール能力(その時点の残容量)をCA(単位;バイト)とする。
【0071】
そして、以下の式を満たす圧縮率CMを求める。ここで、帳合処理ありの出力形式が指示されたときの圧縮率CM3は式(3)で、帳合処理なしの出力形式が指示されたときの圧縮率CM4は式(4)で、それぞれ求める。帳合処理なしの場合、基本的には、第1の構成例の場合と同様である。なおここでの「帳合処理なし」とは、m(=4)ページの書類をn(=5)部出力する際に、ページごとにn部出力する第3Aの出力形式であるとする。また、「帳合処理あり」とは、m(=4)ページの書類をn(=5)部出力する際に、部ごとに出力する第3Bの出力形式であるとする。
【数3】
Figure 0004123993
【数4】
Figure 0004123993
【0072】
ファイルサイズ制御部570は、上記式(3),(4)に従って求めた圧縮率CM3(帳合処理ありのとき)、圧縮率CM4(帳合処理なしのとき)を圧縮処理部530に設定する。
【0073】
ここで、「帳合処理なし」の場合、画像記憶部602には少なくとも1ページ分の記憶容量があることが前提であるので、何ら不都合なく処理可能である。これに対して、「帳合処理あり」の場合において、処理対象の印刷ジョブの全ページ分を保持するだけの容量が画像記憶部602にないと問題を生じる。たとえば、図3(B)に示すように、4ページの書類を5部出力処理するケースを考える。このとき、その時点の出力側のスプール能力(すなわち画像記憶部602の残容量)が3ページ分はあるが4ページ分には足りない場合、フロントエンドプロセッサFEP部500とバックエンドプロセッサBEP部600との間では、データ転送→画像記憶部602へのスプール→容量不足分確保のための画像記憶部602からのデータ破棄→データ転送…、という処理を繰り返さなければならない。このため、バックエンドプロセッサBEP部600はエンジンの制御だけでなく、これらの処理を出力処理とともに行なう必要が生じる分だけ負荷が増大し、結果的には、エンジンが持つ処理能力をフルに活かすことができない事態を招く。
【0074】
これに対して、ユーザより圧縮率変更ありが指示されていると、図3(B2)に示すように、フロントエンドプロセッサFEP部500は出力側のスプール能力に適合するように圧縮率を制御して全4ページ分を転送し、その全てを画像記憶部602に記憶することができる。これにより、データ転送→画像記憶部602へのスプール→容量不足分確保のための画像記憶部602からのデータ破棄→データ転送…、という処理を繰り返す必要がなく、図3(B1)に示すケースよりも負荷が減る。よって、出力側では空き時間を生じることなく出力処理を実行することができるようになる。ただし、このケースでは、高圧縮率化のため非可逆圧縮を使用するので、図3(B1)に比べると画質低下は避けられない。
【0075】
このように、第2の処理速度整合機構は、実際の画像記憶部602のスプール能力にも応じて圧縮率を制御可能に構成した。これにより、圧縮率変更ありがユーザより指示されている状態では、出力形式が帳合処理ありの場合でも、バックエンドプロセッサBEP部600のスプール能力が転送すべきデータ容量に不足するような場合には、圧縮率を高めることで、容量不足を防止する。そして、これにより、エンジンのスキップ動作(つまり空き時間)をなくして、高速で効率的な出力をすることが可能となる。
【0076】
以上、本発明を、実施形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態に記載の範囲には限定されない。発明の要旨を逸脱しない範囲で上記実施形態に多様な変更または改良を加えることができ、そのような変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
【0077】
また、上記の実施形態は、クレーム(請求項)に係る発明を限定するものではなく、また実施形態の中で説明されている特徴の組合せの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。前述した実施形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜の組合せにより種々の発明を抽出できる。実施形態に示される全構成要件から幾つかの構成要件が削除されても、効果が得られる限りにおいて、この幾つかの構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
【0078】
たとえば、上記第1の処理速度整合機構の具体的な事例では、m×nページの書類を1部だけ出力する、第2の出力形式への適用で説明したが、これに限らず、m(=4)ページの書類をn(=5)部出力する場合において、部ごとに出力処理する第3Bの出力形式にも同様に適用可能であり、また同様の効果を享受することができる。また、第3Bの出力形式に適用した上記第2の処理速度整合機構に関しても、第1の出力形式の場合にも同様に適用可能であり、また同様の効果を享受することができる。
【0079】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、出力形式が帳合処理ありの場合には、出力側の処理能力に適合するように、圧縮率を制御することが可能な構成とした。これにより、フロントエンドとバックエンドとエンジンとで構成された画像形成システムにおいて、エンジン性能を十分に活かしたデータ転送が可能になった。たとえば、出力側の処理能力を活かしきれないケースが生じると、圧縮率を高めることが可能となる。そしてこれにより、出力エンジンの性能を活かした印刷処理が可能になり、出力エンジンの性能を十分に活かすことができるようになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る画像処理システムの一実施形態を示す図である。
【図2】 エンジンの処理能力を十分に活かすための処理速度整合機構(第1例)を説明する図である。
【図3】 エンジンの処理能力を十分に活かすための処理速度整合機構(第2例)を説明する図である。
【図4】 出力形式の例を説明する図である。
【符号の説明】
1…画像形成装置、2…IOTモジュール、5…フィードモジュール、7…出力モジュール、8…ユーザインタフェース装置、20…IOTコア部、80…GUI部、500…フロントエンドプロセッサFEP部、502…データ格納部、510…RIP処理部、530…圧縮処理部、540…ファイル転送部、570…ファイルサイズ制御部(圧縮率制御部の一例)、572…出力側性能情報取得部、580…圧縮率変更指示受付部(圧縮率変更指示部の一例)、600…バックエンドプロセッサBEP部、602…画像記憶部、604…画像処理部、610…伸張処理部、630…色補正部、650…インタフェース部、680…印刷制御部

Claims (12)

  1. 印刷ジョブを処理して各ページのイメージデータを生成するイメージデータ生成部および当該イメージデータ生成部により生成されたイメージデータを圧縮処理する圧縮処理部を備えたフロントエンドプロセッサと、前記フロントエンドプロセッサから送付された各ページの圧縮イメージデータを受け取り伸張処理する伸張処理部、および当該伸張処理部により伸張されたイメージデータを画像記録部へ送出して当該画像記録部を制御する印刷制御部を備えたバックエンドプロセッサとから構成されている画像形成システムであって、
    前記フロントエンドプロセッサは、前記印刷ジョブの出力形式が帳合処理を含むか否かに応じて、画像転送が間に合うように、前記圧縮処理部における圧縮処理の圧縮率を制御する圧縮率制御部を備えている
    ことを特徴とする画像形成システム。
  2. 前記圧縮率制御部は、前記印刷ジョブが帳合処理を含む場合に、前記印刷制御部と前記画像記録部とが連動して最大能力を維持可能なように、前記圧縮率を制御する
    ことを特徴とする請求項1に記載の画像形成システム。
  3. 前記圧縮率制御部は、前記フロントエンドプロセッサと前記バックエンドプロセッサとの間のデータ転送レート、前記印刷ジョブの対象となるイメージデータのサイズ、前記印刷制御部と前記画像記録部とが連動した出力処理における処理速度に応じて、前記圧縮率を制御する
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の画像形成システム。
  4. 前記バックエンドプロセッサは、前記印刷制御部と前記画像記録部とが連動した出力処理における処理速度に関する能力情報を前記圧縮率制御部に通知する
    ことを特徴とする請求項3に記載の画像形成システム。
  5. 前記バックエンドプロセッサは、前記フロントエンドプロセッサから送付された各ページの圧縮イメージデータを受け取り記憶する画像記憶部を備え、
    前記印刷ジョブの都度、前記フロントエンドプロセッサからの要求を受けて、その時点における前記画像記憶部の残容量を前記圧縮率制御部に通知し、
    前記圧縮率制御部は、前記バックエンドプロセッサから通知された前記画像記憶部の残容量と処理対象のイメージデータに対する圧縮処理後のイメージデータサイズに応じて、前記圧縮率を制御する
    ことを特徴とする請求項1から4のうちの何れか1項に記載の画像形成システム。
  6. 前記圧縮率制御部における前記圧縮率の制御動作に対する禁止または許可を指示する圧縮率変更指示部
    を備えることを特徴とする請求項1から5のうちの何れか1項に記載の画像形成システム。
  7. 印刷ジョブを処理して各ページのイメージデータを生成するイメージデータ生成部および当該イメージデータ生成部により生成されたイメージデータを圧縮処理する圧縮処理部を備え、前記圧縮処理済みの圧縮イメージデータをバックエンドプロセッサに送出し、画像を所定の記録媒体上に記録する画像記録部に前記圧縮イメージデータに基づくイメージデータを送出させるフロントエンドプロセッサであって、
    前記印刷ジョブの出力形式が帳合処理を含むか否かに応じて、画像転送が間に合うように、前記圧縮処理部における圧縮処理の圧縮率を制御する圧縮率制御部を備えている
    ことを特徴とするフロントエンドプロセッサ。
  8. 前記圧縮率制御部は、前記印刷ジョブが帳合処理を含む場合に、前記印刷制御部と前記画像記録部とが連動して最大能力を維持可能なように、前記圧縮率を制御する
    ことを特徴とする請求項7に記載のフロントエンドプロセッサ。
  9. 前記圧縮率制御部は、前記印刷ジョブの都度、その時点における前記画像記憶部の残容量に関する情報を前記バックエンドプロセッサから受け、この残容量に関する情報と処理対象のイメージデータに対する圧縮処理後のイメージデータサイズに応じて、前記圧縮率を制御する
    ことを特徴とする請求項7または8に記載のフロントエンドプロセッサ。
  10. 前記圧縮率制御部における前記圧縮率の制御動作に対する禁止または許可を指示する圧縮率変更指示部
    を備えることを特徴とする請求項7から9のうちの何れか1項に記載のフロントエンドプロセッサ。
  11. 前記イメージデータ生成部は、前記画像記録部とは独立的に前記イメージデータを生成することを特徴とする請求項7から10のうちの何れか1項に記載のフロントエンドプロセッサ。
  12. 前記画像記録部に非依存の通信インタフェースにより前記バックエンドプロセッサとの間の電気信号の伝送を採るバックエンド側のインタフェース部を備えていることを特徴とする請求項7から11のうちの何れか1項に記載のフロントエンドプロセッサ。
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