JP4062850B2 - 半導電性ロールおよびその製法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複写機,レーザービームプリンター(LBP)等の電子写真装置に用いられる現像ロール,帯電ロール等の半導電性ロールおよびその製法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
複写機,LBP等の電子写真装置に用いられる現像ロール,帯電ロール等の半導電性ロールは、感光体ドラムやブレード等に圧接した状態で使用される。このような状態で使用される半導電性ロールは、電気抵抗むらが大きい場合には濃度むらが生じる。また、寸法精度で振れが悪い場合、あるいは振れが良くても微妙なうねりがある場合には濃度むらが生じる。特に、高画質が必要とされるフルカラー機においては、ベースロールの体積抵抗値が1×108 Ω・cm以上の高抵抗領域になると、金型成形時の履歴による段差(うねり)により、ピッチ状の濃度むらが生じやすくなる。そのため、上記半導電性ロールには、ベースロールの圧縮永久歪み特性に優れ、電気抵抗むらが小さく、成形性が良好であることが要求され、特に4色を重ね合わせるフルカラー機に用いる場合には、これらの要求はより一層高くなる。
【0003】
一般に、上記半導電性ロールは、軸体の外周面に導電層が形成されて構成されており、上記導電層の形成材料としては、例えば、圧縮永久歪み特性に優れ、成形性に優れた液状シリコーンゴムに、カーボンブラック等の電子導電剤等を配合したものが用いられている。そして、上記液状シリコーンゴムを用いた場合は、ムーニー粘度が低いために型内への充填性が高く、研磨レス(金型成形後に研磨等の後工程を行わないこと)でも寸法精度が良好となる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記液状シリコーンゴムを用いた場合は、カーボンブラック等の流動性が良すぎるため、架橋時の熱等によりカーボンブラック等が移動して偏在し、電気抵抗むらが大きくなるという難点がある。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みなされたもので、成形性に優れ、電気抵抗むらが小さく、良好な画像を得ることができる半導電性ロールおよびその製法の提供をその目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明の半導電性ロールは、軸体と、この軸体の外周面に形成される導電層とを備えた半導電性ロールであって、上記導電層が、低抵抗ゴムを主成分とするムーニー粘度(121℃)が27以下の、下記(X)に記載された充填剤を含まないゴム組成物の注型体そのままからなり、かつ、上記導電層が下記の特性(A)〜(C)を全て備えているという構成をとる。
(A)表面粗さ(Ra)が0.5μm以下。
(B)表面粗さ計で測定したうねりの幅が3mm未満で、うねりの高さが4μm未満。
(C)電気抵抗むらが0.5桁以下。
(X)酸化チタン、炭酸カルシウム、タルク、クレーまたはシリカ。
【0007】
本発明者らは、所望の半導電性ロールを研磨レスで得るべく、導電層の形成材料を中心に鋭意研究を重ねた。そして、低抵抗ゴムを主成分とするムーニー粘度(121℃)が27以下のゴム組成物を用いて導電層を形成すると、研磨レスでもうねりが小さくなることを突き止めた。しかし、高画質が必要とされるフルカラー機においては、単にうねりを小さくするだけでは不充分で、表面粗さ計で測定したうねりの幅を3mm未満で、うねりの高さを4μm未満にする必要があることを突き止めた。加えて、表面粗さ(Ra)を0.5μm以下にするとともに、電気抵抗むらを0.5桁以下にする必要があることも突き止めた。すなわち、低抵抗ゴムを主成分とするムーニー粘度(121℃)が27以下のゴム組成物を用いて導電層を形成すると研磨レスで、導電層が上記特性の全てを備えるようになり、電気抵抗むらが小さく、画像が良好な半導電性ロールが得られることを見出し、本発明に到達した。
【0008】
なお、本発明において半導電性ロールとは、SRIS2304に記載の方法に準じて測定した導電層の体積抵抗値が、1×102 〜1×108 Ω・cmの範囲であることを意味する。
【0009】
【発明の実施の形態】
つぎに、本発明の実施の形態を詳しく説明する。
【0010】
本発明の半導電性ロールは、例えば、図1に示すように、軸体1の外周面に沿って導電層2が形成され、上記導電層2の外周面に中間層3が形成され、さらに上記中間層3の外周面に表層4が形成されて構成されている。
【0011】
上記軸体1は特に制限するものではなく、例えば、金属製の中実体からなる芯金や、内部を中空にくり抜いた金属製の円筒体等が用いられる。そして、その材料としては、ステンレス、アルミニウム、鉄にメッキを施したもの等があげられる。なお、必要に応じて、上記軸体1上に接着剤、プライマー等を塗布してもよく、また上記接着剤、プライマー等は必要に応じて導電化してもよい。
【0012】
上記導電層2の形成材料としては、低抵抗ゴムを主成分とするゴム組成物が用いられる。
【0013】
なお、本発明において、「低抵抗ゴムを主成分とする」とは、上記ゴム組成物が低抵抗ゴムのみからなる場合も含む趣旨である。
【0014】
また、本発明において、「低抵抗ゴム」とは、電気抵抗の低いゴム(電気抵抗が1×1012Ω・cm以下のゴム)を意味し、前述のように、導電層2の体積抵抗値を1×102 〜1×108 Ω・cmの範囲に調整可能なゴムを意味する。
【0015】
上記低抵抗ゴムとしては、具体的には、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(ニトリルゴム)(以下「NBR」と略す)、液状NBR、NBRと液状NBRの混合ゴム、ヒドリンゴム(ECO,CO)、水素添加NBRがあげられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。そして、上記NBRと液状NBRの混合ゴムを用いる場合、両者の混合比(重量比)は、NBR/液状NBR=100/10〜100/50の範囲に設定することが好ましい。
【0016】
なお、シリコーンゴム、エチレン−プロピレン−ジエン共重合ゴム(EPDM)、スチレン−ブタジエン共重合ゴム(SBR)等は、電気抵抗が高く、本発明でいう低抵抗ゴムには含まれない。
【0017】
また、上記導電層2を形成するゴム組成物には、上記低抵抗ゴムに加えて、架橋剤、架橋助剤、加工助剤、軟化剤、可塑剤、導電剤等を配合しても差し支えない。
【0018】
上記架橋剤としては、例えば、硫黄、過酸化物(パーオキサイド)等があげられる。上記過酸化物としては、例えば、2,5−ジメチル−2,5−tert−ブチルパーオキシヘキサン、ジクミルパーオキサイド(DCP)、1,1−ビス(tert−ブチルパーオキシ)3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,3−ビス(tert−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、ベンゾイルパーオキサイド、ジクメニルパーオキサイド、2,2−ジ(tert−ブチルパーオキシ)ブタン等があげられる。
【0019】
上記架橋助剤としては、例えば、トリアリルイソシアヌレート等があげられる。
【0020】
上記加工助剤としては、例えば、ステアリン酸,ステアリン酸ナトリウム等の高級脂肪酸塩、モンタンワックス、低分子ポリエチレン等があげられる。
【0021】
上記軟化剤としては、例えば、パラフィン系オイル、ナフテン系オイル等のプロセスオイルがあげられる。また、上記可塑剤としては、例えば、アジピン酸系化合物、フタル酸系化合物等があげられる。
【0022】
上記軟化剤や可塑剤の配合割合は、ゴム組成物のムーニー粘度(121℃)が所定の範囲になる量に調整する必要がある。
【0023】
上記導電剤としては、例えば、カーボンブラック、グラファイト、チタン酸カリウム、酸化鉄、c−TiO2 、c−ZnO、c−SnO2 、イオン導電剤(第四級アンモニウム塩、ホウ酸塩、界面活性剤等)等があげられる。なお、上記「c−」は、導電性を有するという意味である。
【0024】
本発明において、上記低抵抗ゴムを主成分とするゴム組成物は、そのムーニー粘度(121℃)が27以下になるよう調整する必要があり、好ましくはムーニー粘度(121℃)が10〜20の範囲である。すなわち、ムーニー粘度(121℃)が27を超えると、ノズルにかかる圧力が大きくなるため注型が困難となり、導電層のうねりが大きくなるからである。
【0025】
なお、本発明において、ムーニー粘度とは、JIS K 6300に準じて測定した値をいう。
【0026】
また、上記導電層2の外周面に形成される中間層3の形成材料としては、特に限定はなく、例えば、NBR、ポリウレタン系エラストマー、クロロプレンゴム(CR)、天然ゴム、ブタジエンゴム(BR)、ブチルゴム(IIR)、ヒドリンゴム(ECO,CO)、ポリアミド等があげられる。なお、上記中間層3形成材料には、必要に応じて、導電剤、架橋剤、架橋促進剤等を配合することも可能である。
【0027】
さらに、上記中間層3の外周面に形成される表層4の形成材料としては、特に限定はなく、例えば、ポリウレタン系エラストマー、アクリルポリマー、ポリアミド等があげられる。なお、上記表層4形成材料には、必要に応じて、導電剤、硬化剤等を配合することも可能である。
【0028】
本発明の半導電性ロールは、例えば、つぎのようにして作製することができる。すなわち、まず、上記導電層2の形成材料である低抵抗ゴムと、架橋剤等の他の成分を準備し、これらをロール,ニーダー等の混練機を用いて混練してゴム組成物を調製する。つぎに、下蓋を外嵌した円筒状金型を準備し、この中空部に軸体1となる芯金をセットし、この軸体1と円筒状金型との間に形成された空隙部に上記ゴム組成物を注型した後、上蓋を外嵌する。そして、これらを所定の条件で加熱して架橋等の処理を施した後、脱型して、軸体1の外周面に沿って導電層2が形成されてなるベースロールを作製する。
【0029】
ついで、上記中間層3形成用の各成分をロール等の混練機を用いて混練し、この混合物にメチルエチルケトン等の有機溶剤を加えて混合し、攪拌することにより、中間層3形成材料(コーティング液)を調製する。そして、このコーティング液を上記導電層2の外周面に塗布して中間層3を形成する。また、上記表層4形成用の各成分を混練機を用いて混練し、この混合物に有機溶剤を加えて混合し、攪拌することにより、表層4形成材料(コーティング液)を調製する。そして、このコーティング液を上記中間層3の外周面に塗布して表層4を形成する。このようにして、導電層2の外周面に中間層3が形成され、さらにその外周面に表層4が形成された3層構造の半導電性ロール(図1参照)を作製することができる。
【0030】
なお、上記コーティング液の塗布方法は、特に制限するものではなく、従来公知のディッピング法、スプレーコーティング法、ロールコート法等があげられる。
【0031】
このようにして得られた本発明の半導電性ロールは、導電層2が下記の特性(A)〜(C)を全て備えていることが必要である。すなわち、上記特性(A)〜(C)のうち、いずれか一つでも満足しない場合には、表面粗さが大きく、電気抵抗むらが大きく、うねりが大きすぎるため、濃度むらが発生するからである。
【0032】
(A)表面粗さ(Ra)が0.5μm以下。
(B)表面粗さ計で測定したうねりの幅が3mm未満で、うねりの高さが4μm未満。
(C)電気抵抗むらが0.5桁以下。
【0033】
上記特性(A)の表面粗さ(Ra)は、JIS B 0601に記載の方法に準じて測定したものである。また、上記特性(B)のうねりの幅および高さは、表面粗さ計(東京精密社製、サーフコム)を用いて測定したものである。さらに、上記特性(C)の電気抵抗むらは、図2に示すように、軸体22に所定の電圧を印加し、ロール20の表面に針状のピン21を点接触させて、50〜200箇所の電気抵抗を測定し、電気抵抗のlog(最大値/最小値)より求めたものである。
【0034】
本発明の半導電性ロールは、現像ロールに好適であるが、必ずしも現像ロールに限定するものではなく、転写ロール、帯電ロール等にも適用することができる。なお、本発明の半導電性ロールは、3層構造に限定されるものではなく、適宜の数の層が形成される。ただし、必ず導電層が上記特定のゴム組成物によって形成されていなければならず、また上記特性(A)〜(C)を全て備えている必要がある。
【0035】
本発明の半導電性ロールにおいて、各層の厚みは、ロールの用途に応じて適宜に決定される。例えば、現像ロールとして用いる場合、導電層の厚みは、0.5〜10mmの範囲に設定するのが好ましく、特に好ましくは3〜6mmである。また、中間層の厚みは、通常、1〜90μmの範囲に設定され、好ましくは3〜30μmであり、表層の厚みは、通常、3〜100μmの範囲に設定され、好ましくは5〜50μmである。そして、表層を形成する場合は、塗膜抵抗を1×108 Ω・cm以下にすると、ロール全体としての環境依存性を1桁以内とすることができるため好ましい。
【0036】
つぎに、実施例について比較例と併せて説明する。
【0037】
【実施例1】
NBR(日本ゼオン社製、ニポールDN223)100重量部(以下「部」と略す)と、液状NBR(日本ゼオン社製、ニポール1312)10部と、架橋剤として2,5−ジメチル−2,5−tert−ブチルパーオキシヘキサン8部と、架橋助剤としてトリアリルイソシアヌレート3部と、導電剤(カーボンブラック)5部を準備し、これらを混練機(ニーダー)を用いて混練してゴム組成物を調製した。そして、下蓋を外嵌した円筒状金型の中空部に軸体となる芯金(直径10mm、SUS304製)をセットし、この軸体と円筒状金型との空隙部に上記ゴム組成物をリングゲートノズルを用いて注型した後、上蓋を外嵌した。つぎに、これをオーブンに入れて、160℃で1時間加熱して架橋を行った後、脱型して、軸体の外周面に沿って導電層(厚み4mm)が形成されてなるベースロールを作製した。
【0038】
【実施例2】
液状NBRの配合割合を30部に変更する以外は、実施例1と同様にしてベースロールを作製した。
【0039】
【実施例3】
液状NBRの配合割合を40部に変更する以外は、実施例1と同様にしてベースロールを作製した。
【0040】
【実施例4】
液状NBRの配合割合を50部に変更する以外は、実施例1と同様にしてベースロールを作製した。
【0041】
【実施例5】
ヒドリンゴム(ダイソー社製、エピクロマーCG102)100部と、加工助剤(ステアリン酸)1部と、架橋剤として2,5−ジメチル−2,5−tert−ブチルパーオキシヘキサン8部と、架橋助剤としてトリアリルイソシアヌレート3部と、イオン導電剤(第四級アンモニウム塩)0.5部とからなるゴム組成物を用いる以外は、実施例1と同様にしてベースロールを作製した。
【0042】
【実施例6】
NBR(日本ゼオン社製、ニポールDN223)100部と、加工助剤(ステアリン酸)1部と、架橋剤として2,5−ジメチル−2,5−tert−ブチルパーオキシヘキサン8部と、架橋助剤としてトリアリルイソシアヌレート3部と、イオン導電剤(第四級アンモニウム塩)0.5部とからなるゴム組成物を用いる以外は、実施例1と同様にしてベースロールを作製した。
【0043】
【比較例1】
加工助剤(ステアリン酸)を配合しない以外は、実施例6と同様にしてベースロールを作製した。
【0044】
【比較例2】
導電性シリコーンゴム(信越化学工業社製、X34−387 A/B)50部と、導電性シリコーンゴム(信越化学工業社製、X34−424 A/B)50部とからなるゴム組成物を用いる以外は、実施例1と同様にしてベースロールを作製した。
【0045】
【比較例3】
EPDM(住友化学社製、エスプレン601)100部と、加工助剤(ステアリン酸)1部と、架橋剤として2,5−ジメチル−2,5−tert−ブチルパーオキシヘキサン8部と、架橋助剤としてトリアリルイソシアヌレート3部と、イオン導電剤(第四級アンモニウム塩)0.5部とからなるゴム組成物を用いる以外は、実施例1と同様にしてベースロールを作製した。
【0046】
【比較例4】
SBR(旭化成社製、タフデン2630N)100部と、加工助剤(ステアリン酸)1部と、架橋剤として2,5−ジメチル−2,5−tert−ブチルパーオキシヘキサン8部と、架橋助剤としてトリアリルイソシアヌレート3部と、イオン導電剤(第四級アンモニウム塩)0.5部とからなるゴム組成物を用いる以外は、実施例1と同様にしてベースロールを作製した。
【0047】
このようにして得られた実施例品および比較例品を用いて、下記の基準に従い、各特性の評価を行った。これらの結果を、後記の表1および表2に併せて示した。
【0048】
〔ムーニー粘度〕
JIS K 6300に準じて、ゴム組成物のムーニー粘度をムーニー粘度計を用いて測定した。
【0049】
〔電気抵抗むら〕
図2に示すように、軸体22に電圧(250V)を印加し、ロール20の表面に針状のピン21を点接触させて、50〜200箇所の電気抵抗を測定し、電気抵抗のlog(最大値/最小値)を求めた。そして、電気抵抗のlog(最大値/最小値)の値が0.5桁以下のものを○、0.5桁を超えるものを×として評価した。
【0050】
〔成形性(寸法精度)〕
各ロールを周方向に回転させ、レーザー測定器を用いてロールの3ケ所の振れを、ロール両軸部を基準として測定した。そして、最大値が0.06未満のものを○、0.06〜0.10未満のものを△、0.10以上のものを×として評価した。
【0051】
〔表面粗さ〕
JIS B 0601に記載の方法に準じて、表面粗さ計(東京精密社製、サーフコム)を用いて、触針08、カットオフ0.25cm、触針スピード0.3mm/sの条件にて、表面粗さ(Ra)を測定した。
【0052】
〔うねり(幅、高さ)〕
JIS B 0601に記載の方法に準じて、表面粗さ計(東京精密社製、サーフコム)を用いて、触針08、カットオフWcm、触針スピード0.3mm/sの条件で測定し、うねりの幅と高さを求めた。
【0053】
〔画像評価〕
ベースロールの表面に表層を形成したロールをカートリッジに組み込み、35℃×85%の環境下で1週間放置した後、画出しを行い、画像を目視で評価した。そして、画像に放置痕がないものを○、画像に放置痕が多少あるものを△、画像に放置痕があるものを×として評価した。なお、表層はつぎのようにして形成した。すなわち、まず、ポリウレタン系エラストマー(日本ポリウレタン工業社製、ニッポラン2304)100部と、カーボンブラック20部と、硬化剤(大日本インキ化学工業社製、バーノックD−750)25部とを準備し、これらをサンドミルを用いて分散した後、有機溶剤(メチルエチルケトン)で希釈してコーティング液を調製した。ついで、このコーティング液をベースロールの表面に塗布し、乾燥して表層(厚み20μm)を形成した。
【0054】
【表1】
Figure 0004062850
【0055】
【表2】
Figure 0004062850
【0056】
上記表1および表2の結果から、実施例品のロールは、電気抵抗むらが小さく、うねりが小さいため、画像評価も良好で濃度むらが生じないことがわかる。また、ゴム組成物のムーニー粘度が低いため、成形性に優れている。
【0057】
これに対して、比較例1品は、加工助剤を配合していないため、ムーニー粘度が高く、成形性に劣ることがわかる。比較例2品は、シリコーンゴムを用いているため、電気抵抗むらが大きいことがわかる。比較例3品は、EPDMを用いているため、電気抵抗むらが大きく、ムーニー粘度が高く、成形性に劣ることがわかる。比較例4品は、SBRを用いているため、電気抵抗むらが大きく、画像特性に劣るとともに、ムーニー粘度が高く、成形性に劣ることがわかる。
【0058】
【発明の効果】
以上のように、本発明の半導電性ロールは、低抵抗ゴムを主成分とするムーニー粘度(121℃)が27以下のゴム組成物を用いて導電層形成するため、成形性に優れ、かつ上記導電層が研磨レスで上記特性(A)〜(C)の全てを備えることとなる。そのため、本発明の半導電性ロールは、研磨レスでも電気抵抗むらが小さく、良好な画像を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の半導電性ロールの一例を示す断面図である。
【図2】 ロールの電気抵抗の測定方法を示す説明図である。
【符号の説明】
1 軸体
2 導電層
3 中間層
4 表層

Claims (8)

  1. 軸体と、この軸体の外周面に形成される導電層とを備えた半導電性ロールであって、上記導電層が、低抵抗ゴムを主成分とするムーニー粘度(121℃)が27以下の、下記(X)に記載された充填剤を含まないゴム組成物の注型体そのままからなり、かつ、上記導電層が下記の特性(A)〜(C)を全て備えていることを特徴とする半導電性ロール。
    (A)表面粗さ(Ra)が0.5μm以下。
    (B)表面粗さ計で測定したうねりの幅が3mm未満で、うねりの高さが4μm未満。
    (C)電気抵抗むらが0.5桁以下。
    (X)酸化チタン、炭酸カルシウム、タルク、クレーまたはシリカ。
  2. 上記導電層の表面に表層が形成されてなる請求項1記載の半導電性ロール。
  3. 上記導電層と表層の間に中間層が形成されてなる請求項2記載の半導電性ロール。
  4. 低抵抗ゴムが、固体アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR),液状アクリロニトリル−ブタジエンゴム(液体NBR),固体NBRと液状NBRの混合ゴム、ヒドリンゴム、水素添加NBRからなる群から選ばれた少なくとも一つのゴムである請求項1〜3のいずれか一項に記載の半導電性ロール。
  5. 上記(X)に記載された充填剤を含まないゴム組成物のムーニー粘度(121℃)の下限が10である請求項1〜4のいずれか一項に記載の半導電性ロール。
  6. 上記(X)に記載された充填剤を含まないゴム組成物が、低抵抗ゴムである、固体アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)と液状アクリロニトリル−ブタジエンゴム(液状NBR)とをゴム成分とし、NBR(a)と液状NBR(b)との相互の割合(a/b)が、a/b=100/10〜100/50に設定されている請求項1〜5のいずれか一項に記載の半導電性ロール。
  7. 上記ゴム組成物が、低抵抗ゴムである、ヒドリンゴムをゴム成分とするものである請求項1〜6のいずれか一項に記載の半導電性ロール。
  8. 低抵抗ゴムと、架橋剤等の他の成分とを含有し、上記(X)に記載された充填剤を含まないゴム組成物を準備する一方、円筒状金型を準備し、この金型の中空部に軸体をセットし、この軸体と円筒状金型との間に形成された空隙部に上記ゴム組成物を注型した後加熱し架橋処理を施し後、脱型することにより請求項1〜7のいずれか一項に記載の半導電性ロールを研磨レスで得る半導電性ロールの製法。
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