JP4060459B2 - 磁気共鳴イメージング装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、被検体中の水素や燐等からの核磁気共鳴(以下、「NMR」という)信号を測定し、核の密度分布や緩和時間分布等を映像化する磁気共鳴イメージング(MRI)方法および装置に関し、特に体動モニター用のナビゲーションエコーの付加を伴うMRI方法および装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
MRIでは、NMR現象によって被検体組織を構成する原子核スピンから発生するNMR信号を計測する際に、信号に位置情報を付与するために傾斜磁場を印加する。この傾斜磁場として、スライスエンコード方向、位相エンコード方向、周波数エンコード方向の3軸方向の傾斜磁場が用いられ、これら傾斜磁場によってエンコードされた信号をフーリエ変換することにより2次元或いは3次元画像として再構成することができる。
【0003】
このようなMRIでは被検体が動くと画像に大きなアーチファクトが生じることが知られている。これを体動アーチファクトという。この体動アーチファクトが発生する理由は、本来所定の計測点に所定の位相エンコード量が与えられるべきところが、動きによりそのエンコード量が他の計測点に印加されることとなり、被検体の動きの前後で各取得エコーの位相が変化し、この変化したエコーを含めて位相エンコード(又はスライスエンコード)方向にフーリエ変換するために生じる。この結果、被検体が数mm動いただけで当該エンコード方向に画面全体に画像が流れたようになり、臨床診断に大きな支障をきたす。
【0004】
異なる位相エンコード間で被検体が動かない場合は、この体動アーチファクトは発生しないため、全エコー(画像再構成に必要な全エコー)を1回の高周波磁場(RF)励起で非常に高速に取得するシングルショットEPIでは、著しく体動アーチファクトは減少する。しかし、シングルショットEPIよりも空間分解能、S/Nが良いマルチショットEPIや3D-EPIでは、異なるエンコードのエコーを複数のRF励起に分解して、シングルショットEPIよりは比較的長い時間をかけて撮像するため、依然体動アーチファクトは発生する。
【0005】
このアーチファクトを除去する手法としてナビゲーションエコーを用いた体動補正法がある。一例としてナビゲーンョンエコーを付加したEPIシーケンスを図8に示す。このシーケンスでは、スライス方向傾斜磁場202印加およびRF2011照射と一連のエコー計測ルーチン2111との間にナビゲーションエコー発生用傾斜磁場パルス301を印加し、ナビゲーションエコー3021を計測する。
【0006】
このナビゲーションエコーを用いた補正方法では、1つのRF照射から次のRF照射まで(304)は、被検体の位置ゆらぎはないものとし、異なるナビゲーション3021、3022間の信号の変化から、被検体の動きを推定する(ナビゲータを用いた高速インターリーブエコープレナーイメージング:4テスラにおける高解像度解剖学的および機能的画像、MAGNETIC RESONANCE IN MEDICINE,35:895-902, June 1996, Seong-Gi Kim et alなど)。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
このような従来のナビゲーション補正では、1回のRF励起に対して少なくとも1つのナビゲーションエコーを取得し、そのナビゲーションエコーと同じ繰り返し時間内で取得されたエコーとの組み合わせで被検体の体動を補正していた。従って従来のMRI装置では、ナビゲーション補正を行う場合には、パルスシーケンスの選択、繰り返し時間TRの設定などの計測条件設定の際に、ナビゲーション補正を選択すると、1回のRF励起毎にナビゲーションエコーを計測するステップが付加されている。
【0008】
ところで血管撮影や、高速T2強調イメージングで、定常状態(SSFP)を用いた短TRのグラディエントエコー(GrE)系シーケンスが使われている。このようなシーケンスでは、静磁場の不均一による画像アーチファクトを抑制する点から繰り返し時間TRは10〜20msと短時間である。
【0009】
しかし上述した体動補正方法では、各繰り返しTR内で少なくとも1つの体動モニター用のナビゲーンョンエコー信号を取得するように構成されているため、繰り返し時間TRの短縮化が制限される問題がある。特に、短TRの撮影シーケンスではナビゲーションエコーの付加による信号計測時間の増加は顕著である。また一般に体動の方向は一定ではなく、正確な体動補正を行うためには複数の方向についてナビゲーンョンエコーを発生させて各方向について補正することが必要となるが、複数のナビゲーションエコー計測を付加した場合、更に計測時間の延長となる。
【0010】
一方、TRが長いシーケンスでは、1つのスライスについての繰り返し時間内に他のスライスについて信号取得を行うマルチスライス撮影が行われるが、この場合にも1つのスライスについての信号取得時間が短いほどマルチスライスのスライス枚数が増加できることから、信号取得時間の短縮が望まれている。
【0011】
そこで本発明は、ナビゲーション補正を含むMRI方法において信号計測時間の短縮を図ることを目的とする。特に短TR撮影において定常状態を保ち、短時間で撮影を行うことを目的とする。また本発明は、マルチスライス撮影において信号取得時間の短縮またはスライス数の増加を図ることを目的とする。さらに本発明は、ナビゲーション補正を含むMRI方法を実行する際、ナビゲーションエコー取得の条件を任意に設定することが可能なMRI装置を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成する本発明のMRI装置は、被検体を構成する原子核スピンを励起する少なくとも一つの高周波パルスを印加し、核磁気共鳴信号をエコーとして検出するステップを複数回繰り返し、画像再構成に必要な全エコーを取得する際に、体動モニター用のナビゲーションエコーを取得し、前記ステップの複数回の繰り返しで取得された複数のエコーを前記ナビゲーションエコーで補正することにより、前記被検体の体動を補正した画像を再構成するMRI装置において、前記ナビゲーションエコーの取得回数を、前記ステップの繰り返し回数よりも少ない数とすることを特徴とする。
具体的には、本発明のMRI装置が採用する方法は、被検体を構成する原子核スピンを励起する少なくとも一つの高周波パルスを印加し、ついで複数の傾斜磁場パルスを印加し、m個(mはm≧1を満たす整数、以下同じ。)の核磁気共鳴信号をエコーとして検出するステップを繰り返し、画像再構成に必要な全エコーを取得する際に、時間的に連続するn個(nはn≧2を満たす整数、以下同じ。)のステップを1セットとし、各セット内で少なくとも1つ方向の体動モニター用のナビゲーションエコーを1つ取得し、該セット内で取得された複数(n×m)のエコーをそのセット内で取得されたナビゲーションエコーで補正することにより、前記被検体の体動を補正した画像を再構成する。
【0013】
本発明のMRI方法では、各TR毎にナビゲーションエコーを取得するのではなく、複数の繰り返し単位(セット)毎にナビゲーションエコーを取得するようにしたので、ナビゲーションエコーを挿入した場合でも繰り返し時間TRの短縮が可能となり、高速シーケンスを実現できる。1セットを構成するステップ数nは、被検体の動きが殆どないと推定される時間内であれば限定されない。被検体の動きは100ms以下では殆ど無いと推定されるので、例えばTRが10ms程度と短い場合、10ステップ毎にナビゲーションエコーを取得すれば体動補正を有効に行うことができる。
【0014】
尚、1セット内で取得されるナビゲーションエコーの数は、時間短縮の点からは1つとすることが好ましいが、各方向の体動補正を行うために異なる方向のナビゲーションエコーを取得してもよい。即ち、本発明の1つの態様では、セット内の複数のステップにおいてそれぞれ異なる方向のナビゲーションエコーを取得し、セット内で取得されたエコーをそのセット内で取得されたナビゲーションエコーで補正することにより、前記被検体の体動を複数の方向について補正した画像を再構成する。
【0015】
また本発明のMRI方法は、全てのステップで同一の領域(スライス或いはスラブ)を選択的に励起し、その領域から発生するエコーを取得する場合にも、1つのステップの繰り返し時間内に、励起するスライス位置を変化させて複数のステップを順次実行し、複数のスライスの画像を再構成する場合(マルチスライス撮影)にも適用できる。前者の場合、位相エンコード傾斜磁場として1方向のエンコード傾斜磁場を用いる2次元撮影であっても、2方向のエンコード傾斜磁場を用いる3次元撮影であってもよい。
【0016】
マルチスライス撮影において近接するスライス間では、一つの方向についての被検体の動きはほぼ同じであるので、1つのスライスからエコーを取得するステップ内で得られたナビゲーションエコーを用いて、それと時間的かつ空間的に近接するスライスからのエコーを補正することができる。これによりマルチスライス撮影における撮影時間の短縮を図ることができ、同じ繰り返し時間内であればスライス数を増加することができる。
【0017】
マルチスライス撮影に適用する好適なMRI方法は、被検体を構成する原子核スピンを励起する少なくとも一つの高周波パルスを印加し、ついで複数の傾斜磁場パルスを印加し、m個の核磁気共鳴信号をエコーとして検出するステップを、励起するスライスを変えながら繰り返し、複数スライス分の画像を再構成するのに必要な全エコーを取得する際に、時間的に連続するn個のステップを1セットとし、各セット内の複数のステップでそれぞれ異なる方向の体動モニター用のナビゲーションエコーを取得し、該セット内で取得された複数(n×m)のエコーをそのセット内で取得されたナビゲーションエコーで補正することにより、前記被検体の体動を複数の方向について補正した画像を再構成する。
【0018】
これによりマルチスライス撮影において複数方向の体動補正が可能となる。この場合、セットを構成するステップはセット毎に異なっていても、隣接するセット間で重複していてもよい。
【0019】
また本発明のMRI装置は、静磁場を発生する静磁場発生手段と、静磁場に重畳される傾斜磁場を発生する傾斜磁場発生手段と、静磁場中に置かれた被検体を構成する原子核スピンに核磁気共鳴を生じさせる高周波磁場パルスを印加する送信手段と、被検体から生じる核磁気共鳴信号をエコー信号として検出する受信手段と、検出された信号に基づき被検体の断層像を再構成する信号処理手段と、傾斜磁場発生手段、送信手段、受信手段および信号処理手段を所定のパルスシーケンスに従って制御する制御手段と、制御手段に必要な条件を設定する設定手段とを備え、制御手段は、パルスシーケンスとして、少なくとも一つの高周波磁場パルスを印加し、ついで複数の傾斜磁場パルスを印加し、m個のエコー信号を計測するステップを繰り返し、画像再構成に必要な全てのエコー信号を計測するシーケンスを実行し、設定手段は、このシーケンスの実行に際し、時間的に連続するn個のステップを1セットとして選択する手段および各セット内で少なくとも1つ方向の体動モニター用のナビゲーションエコーの計測を付加する手段を備えている。
【0020】
本発明のMRI装置によれば、制御手段が所定のパルスシーケンスを実行するときに、単にナビゲーションエコーの追加を設定するだけでなく、ナビゲーションエコー取得の条件を任意に設定することができ、上述した本発明のMRI方法の実行を容易にする。
【0021】
更にマルチスライス撮影に適用される本発明のMRI装置は、シーケンスの実行に際し、ステップ毎に高周波磁場パルスの周波数を変化させる手段を備えている。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のMRI方法および装置の1実施例を図面を参照して説明する。
【0023】
図7は本発明が適用される典型的なMRI装置の構成を示す図で、このMRI装置は、被検体401の周囲の空間に静磁場を発生する磁石402と、この空間に傾斜磁場を発生する傾斜磁場コイル403と、この空間に高周波磁場を発生するRFコイル404と、被検体401が発生するNMR信号を検出するRFプローブ405とを備えている。被検体401はベッド412に横たわった状態で磁石内の空間に搬送される。
【0024】
傾斜磁場コイル403は、X、Y、Zの3方向の傾斜磁場コイルで構成され、傾斜磁場電源409からの信号に応じてそれぞれ傾斜磁場を発生する。RFコイル404はRF送信部410の信号に応じて高周波磁場を発生する。RFプローブ405の信号は、信号検出部406で検出され、信号処理部407で信号処理され、また計算により画像信号に変換される。画像は表示部408で表示される。傾斜磁場電源409、RF送信部410、信号検出部406はCPUを備えた制御部411で制御され、パルスシーケンスと呼ばれているタイムチャートに従って制御される。
【0025】
さらにこのMRI装置は制御部411に、被検体に関する情報や、パルスシーケンス、繰り返し時間TR、ナビゲーションエコー取得の有無等の撮影条件を設定するための入力部413が備えられている。入力部413は、所定のパルスシーケンスの設定に続き、ナビゲーションエコー取得の条件を設定する機能を備えており、以下述べる本発明のMRI方法を実行するための手段を与える。
【0026】
次に本発明のMRI方法のマルチショットEPIに適用した一実施例を説明する。
【0027】
図1のシーケンスは、RFパルス照射後複数のエコーを計測するステップ1051、1071、1072、1073・・・を繰り返して画像再構成に必要な全エコーを計測するマルチショットEPIシーケンスで、例えば、全ステップ数(=ショット数)pが64、1回のステップで計測するエコー信号の数(=エコートレイン数)mが4、読み出し方向のデータ数が256、位相エンコード方向のエンコード量が256である。
【0028】
各ステップではまずスライス方向の傾斜磁場Gsの印加とともにRFパルスを照射し、次いで位相エンコードオフセット量を決定する位相エンコード傾斜磁場Gpを印加し、それに続いて位相エンコード傾斜磁場Gpと極性が反転する読み出し方向傾斜磁場Grを連続して印加しながら、反転する読み出し方向傾斜磁場毎に4つのエコー信号(これをナビゲーションエコーと区別して、以下本計測エコーという)を計測する。
【0029】
図示する実施例では、64回のステップのうち4(n=4)回のステップを1セットとし、1セット中、1つのステップ1051でのみナビゲーションエコーを取得し、それ以外のステップ1071、1072、1073ではナビゲーションエコーの計測は行わず、本計測エコーのみを計測する。ナビゲーションエコーは、RFパルス照射後、位相エンコード傾斜磁場を印加しない状態で、読み出し方向傾斜磁場の反転を利用することにより発生させる。ナビゲーションエコーの形状は、特に限定されず例えばオービタルであっても良い。
【0030】
64回のステップを構成する16セット全てにおいて上述したようにセット内の1ステップのみでナビゲーションエコーの計測を行う。これによりナビゲーションエコーの計測を行うステップ1051では、その繰り返し時間101が、ナビゲーションエコー計測1061に必要な時間だけ延長されるが、残りのステップ1071、1072、1073では、本計測に必要な時間102だけで計測を終了する。従って、従来のナビゲーションエコー計測シーケンスに比べ、1セットにつき[ナビゲーションエコー計測1061に必要な時間]×3の時間が短縮され、全計測ではその16倍の時間が短縮される。
【0031】
通常、ナビゲーションエコーを取得しないステップ1071〜1073の繰り返し時間TR102は、RF励起に4ms、エコー発生に1.5ms×4個=6msかかるとすると約10msである。またナビゲーションエコーの計測1061には3〜5msの時間を要する。従って、従来、撮影時間が13ms×4ステップ×16セット=832msであったところを、(13ms+10m×3ステップ)×16セット=688msとすることができ、14回のTR分の時間(140ms)だけ撮影時間が短縮する。
【0032】
ナビゲーションエコーを用いた本計測エコーの補正は、各セットで計測された本計測エコーをそのセット内で取得されたナビゲーションエコーを用いて補正することにより行う。ナビゲーションエコーによる位相補正方法は、異なるナビゲーションエコーの位相差から、対応する本計測エコーの位相を補正するものであり、計測空間のナビゲーション補正、ハイブリッド空間のナビゲーション補正など公知の種々の方法を採用することができる。
【0033】
これにより、ナビゲーションエコー取得の間隔103、前掲の例で約43ms程度、の体動を補正できる。尚、体動補正のためのナビゲーションエコーの取得の間隔103は、実用的には100ms程度まで延長できるので、本実施例における1セット内のステップ数n(=4)は、実用的には1セット内で8ステップまで増加することが可能である。その場合、全計測は664ms(=(13ms+10ms×7ステップ)×8セット)で行うことができ、さらに撮影時間を短縮できる。この間に8の体動補正が入り、体動補正の時間間隔は83ms(=664÷8セット)となる。これは心臓の1心拍内の変動を十分に補正できる範囲である。
【0034】
次に、第2の実施例として、本発明のMRI方法をGrEシーケンスに適用した実施例を図2を参照して説明する。図2に示すシーケンスは、例えば読み出し方向の点数が256、位相エンコード方向のエンコード量が256、繰り返し数が256(=p)のGrEシーケンスで、1ステップ内で計測される本計測エコーの数mは1である。ここでは10個のステップ5051、5071・・・5079を1セットとし、全計測は約26セットからなる。各セットの10個のステップ中、1つのステップ5051ではナビゲーションエコーを取得するが、他のステップ5071〜5079ではナビゲーションエコーを取得しない。従ってこのシーケンスでは1セットにつき[ナビゲーションエコー計測時間5061]×9、全計測では[ナビゲーションエコー計測時間5061]×9×26の撮影時間を短縮することができる。
【0035】
今、ナビゲーションエコーを取得するステップ5051、5052・・・の繰り返し時間TR501を15ms、ナビゲーションエコーを取得しないステップの繰り返し時間TR502は10msとすると、毎回ナビゲーションエコーを取得する場合には1セット150ms(=15ms×l0ステップ)であるのに対し、本実施例では、105msとなり、45ms短縮できる。従って撮影時間は、従来の3840ms(=15ms×256)に対し、2670msとなり、約2/3に短縮する。
【0036】
このように本実施例のMRI方法では、計測時間が2/3に短縮するので、26セットの撮影を繰り返し行い、経時的な変化を観察するダイナミックスタディや、複数の断面の撮影を行うマルチスライス撮影において、撮影繰り返し速度を速くし、マルチスライス時の枚数を増やすことができる。また、呼吸によるアーチファクトの低減ができる。
【0037】
尚、本実施例においても、1セット内で取得されたナビゲーションエコーの位相情報を用いてそのセット内で計測された本計測エコーの体動補正することは図1の実施例と同様である。
【0038】
また各ステップ5051、5071〜5079、5052・・・・において計測されるエコーの位相エンコード量(即ち、k空間軌跡)については特に限定されないが、得られる画像のコントラスト等を考慮して適宜配置することができる。このことを図3(a)および(b)に示すk空間軌跡を用いて説明する。
【0039】
図3(a)は、図2のGrE撮影で計測されたエコーを位相エンコード軸の上から下に向かって順次計測した場合を示している。図中6011、6012・・・・はナビゲーションエコーを同時に取得しているステップであり、6021、6022・・・・はナビゲーションエコーが取得されない9つのステップからなるステップ群を表わし、ステップ6011及びステップ群6021で1セット6031を構成している。同様にステップ6012及びステップ群6022でセット6032を構成する。この際、セット6031で計測された10個の本計測エコーはステップ6011で取得されたナビゲーションエコーデータを使って体動補正される。次に、第2のセット6032を取得し、このセット6032内で計測された全ての本計測エコーをステップ6012で取得されたナビゲーションエコーで体動補正される。こうして、26セット、即ちk空間内のすべてのエコーを取得し、体動補正する。
【0040】
k空間軌跡は、図3(a)に限定されず、例えば同図(b)に示すようにナビゲーションエコーを同時に取得しているステップを6011、6012・・・を相対的にk空間の外側部分(高位相エンコード部分)に配置し、ナビゲーションエコーを取得しないステップ群6021、6022・・・を相対的にk空間の中心部分(低位相エンコード部分)に配置してもよい。ここでもステップ6011とステップ群6021でセット6031を構成し、ステップ6012とステップ群6022でセット6032を構成し、各セット内で取得されたナビゲーションエコーでそのセット内の本計測エコーを補正することは図3(a)の場合と同じであるが、ここでは各セットを構成するステップは、必ずしもk空間上で隣接はせず、次のような利点がある。
【0041】
即ち、図2のシーケンスでは、ナビゲーションエコーを含むステップの繰り返しTR501が他のステップの繰り返しTR502に比べて原理的に長いことにより、画像のコントラストに微妙な影響を及ぼす可能性がある。一方、k空間の性質として画像のコントラストを主に決定するのは低位相エンコードのエコーであり、高位相エンコードのエコーは主に画像のエッジ情報を決定しコントラストにはあまり寄与しないということがある。従って、画像のコントラストに微妙な影響を与えると考えられるナビゲーションエコー付加ステップ6011、6012・・・のエコーを高位相エンコード領域に配置することにより、ナビゲーションエコーを付加していないステップ6021、6022・・・の短いTRで画像コントラストが決定されることになり、この微妙な影響を回避できる。
【0042】
次に本発明の第3の実施例として、1セット内で方向の異なる複数のナビゲーションエコーを取得するシーケンスを説明する。図4に示すシーケンスは図2に示すシーケンスと同様、GrEを基本とするものであり、10ステップで1セットを構成する点も同様である。但し、本実施例では、1セットを構成する10のステップのうち2つのステップでそれぞれ方向の異なるナビゲーションエコーを取得する。即ち、ステップ7051では、読み出し方向の反転傾斜磁場を用いて読み出し方向にナビゲーションエコーが付加され、ステップ7052では位相エンコード方向の反転傾斜磁場を用いて位相エンコード方向にナビゲーションエコーが付加される。これら2つのステップを行った後、ナビゲーションエコーを取得しない8つのステップ7081〜7088を行い、これらを1セットとして位相エンコード量を変化させつつ、このセットを繰り返すことにより全計測を行う。
【0043】
この場合には、ナビゲーションエコーを取得するステップが1セット当り2ステップとなるため、その分(ナビゲーションエコー取得のための時間、例えば5ms)図2の実施例よりも1セット当りの計測時間は長くなるが、全計測にかかる時間を比較すると、毎回読み出し方向、位相エンコード方向のナビゲーションエコーを取得する従来法では5120msかかるのに対し、本実施例では2820msで済む。これは撮影時間の約3/5の短縮となる。従って、本実施例のシーケンスをダイナミックスタディに適応した場合にも繰り返し時間を短縮でき、マルチスライス撮影に適応する場合は、同一の撮影時間で約5/3倍のスライスを撮影できる。
【0044】
本実施例では2方向のナビゲーションエコーを用いて、同じセット内で取得されたエコーを各方向毎に補正する。このように体動補正を両方向について行うことにより、より精度の高い体動補正を行うことができる。
【0045】
尚、図4では複数のナビゲーションエコーとして読み出し方向のナビゲーションエコーと位相エンコード方向のナビゲーションエコーを例示したが、これに限定されるものではなく、更にスライスエンコード方向のナビゲーションエコーを加えて3つのステップで3方向のナビゲーションエコーを取得してもよいし、3方向のうち任意の2方向のナビゲーションエコーを取得してもよい。
【0046】
次に、第4の実施例として、本発明をダイナミック撮影に適用した場合を図5に示す。本実施例のシーケンスは、例えば読み出し方向の点数が256、位相エンコード方向のエンコード量が256、ショット数(ステップ数p)が8、エコートレイン数(m)が64のマルチショットEPIシーケンスを用いたダイナミック撮影である。
【0047】
ダイナミック撮影では、8ステップからなるシーケンスを連続して繰り返し、連続画像を再構成する。この際、直前の画像で用いたデータの一部を共有して画像を再構成することにより、シーケンスの繰り返しよりも短い間隔で画像を更新する。図示する例では、8つの連続するステップ8011〜8018で計測されたデータセット8021を用いて画像を再構成し、その次のステップ8019で計測されたデータとステップ8012〜8018で計測されたデータを用いて次の画像を再構成し、さらに次のステップで計測されたデータとステップ8013〜8019で計測されたデータを用いて次の画像を再構成する。
【0048】
このようにダイナミック撮影においては連続する8つのステップが1つの画像を再構成する単位となるが、本実施例では、これら8つのステップを4つのステップからなるセットに分け、各セット内の1つのステップ(図中に灰色で示されているステップ8011、8014、8018・・・)でナビゲーションエコーの計測を行う。即ち、ここでは4つのステップ毎にナビゲーションエコーを取得する。
【0049】
この場合、ステップ8011で取得したナビゲーションエコーを用いて、ステップ8011、8012、8013、8014内で計測されたエコーを補正し、ステップ8015で得られた新しいナビゲーションエコーを用いて、ステップ8015、8016、8017、8018内のエコーを補正する。それ以降も同様の操作を繰り返し、取得した信号すべてについて体動補正を行う。
【0050】
このようにダイナミック撮影に本発明の方法を適用した場合、各ステップでナビゲーションエコーを取得する場合と比べ、ダイナミック撮影時の実動的な1枚の画像の計測時間を短縮でき、撮影の繰り返しレート(時間分解能)が向上する。従ってこのダイナミック撮影は、検査や施術を行いながら画像診断するIV-MRに適している。
【0051】
以上の各実施例では、ナビゲーションエコーを本計測エコーとは別に取得する場合を説明したが、ナビゲーションエコーとして位相エンコード量0の本計測エコーを利用することも可能である。次にこのような実施例を図6を参照して説明する。
【0052】
図6(a)は、読み出し方向の点数が128、位相エンコード方向の点数が128であるGrEシーケンスを行った場合のk空間軌跡を示すもので、この実施例は各ステップで取得されるエコーを位相エンコード軸の上から下に向かって順次配置する点は、図3(a)のk空間配置と同様であるが、ここでは位相エンコード量0の本計測エコーをナビゲーションエコーとしても用いる点が特徴となっている。
【0053】
図示するシーケンスでは、128ステップを25個のステップからなるセットに分けている。このうち、灰色で示すステップ9011、9012、9013、9014は本計測エコーの他にナビゲーションエコーを取得しており、これらステップに続くステップ群9021、9022、9023、9024ではナビゲーションエコーが取得されない。1つのセット9031内で取得された25個の本計測エコーはステップ9011で取得されたナビゲーションエコーデータを使って体動補正される。同様にセット9032、9033、9034で取得された本計測エコーは、それぞれステップ9012、9013、9014で取得されたナビゲーションエコーデータを使って体動補正される。
【0054】
これに対し、位相エンコード量0のエコーを計測するステップ9025(図中、黒色で示す)を含むセット9035では、この位相エンコード量0の本計測エコーをナビゲーションエコーとしても用いて、このセット内の各ステップで取得した本計測エコーの体動補正を行う。即ち、セット9035には別途ナビゲーションエコーを取得するステップは含まれない。
【0055】
この実施例では、本計測エコーをナビゲーションエコーとしても用いることにより、1回の撮影で、ナビゲーションエコーの取得回数を1回少なくでき、さらに撮影時間を短縮できる。
【0056】
図6(b)も、本計測エコーをナビゲーションエコーとして用いる実施例で、この実施例ではキイホール(keyhole)イメージングに適用した例を示している。キイホールイメージングは、連続撮影を行い、時系列画像を得るダイナミック撮影の1種であるが、この方法では所定の領域(図示する実施例では斜線で示すキイホール領域)のエコーは、1度計測した後は計測せず、残りの領域(一般には低位相領域)の本計測エコーの計測を繰り返し、キイホール領域のデータと更新されたデータとを用いて時系列画像を得る。
【0057】
図示する実施例では、データが更新される領域は48ステップからなり、これをそれぞれ16ステップからなる3セット9061、9062、9063に分け、セット毎に体動補正を行う。このためセット9061および9062ではステップ9041、9042でナビゲーションエコーを取得し、これらナビゲーションエコーを用いてそのセット内で計測された本計測エコーを補正する。但しセット9063では、位相エンコード量0の本計測エコーをナビゲーションエコーとしても用い、このセット内で計測された本計測エコーを補正する。
【0058】
この場合にも、1つのセットではナビゲーションエコーの計測を省くことができるので、図6(a)の場合と同様に、1回の撮影でナビゲーションエコーの取得回数を1回少なくできる。キイホールイメージングでは、繰り返して撮影を行うため、撮影時間が短縮することにより時間分解能が向上する。
【0059】
尚、以上の実施例では主としてGrEシーケンス及びマルチショット型のシーケンスについて説明したが、本発明のMRI方法はこれらのシーケンスに限定されるものではなく、ナビゲーションエコーを追加するシーケンスであれば全て適用できる。例えばワンショツト型のシーケンス、心電周期の分割撮影、バーストシーケンス、スペクトロスコピックシーケンス等に適用することも可能である。また2次元撮影のみならず、スライス方向にもエンコードループを実施する3次元撮影にも適用することが可能である。
【0060】
次に本発明のMRI方法をマルチスライス撮影に適用した実施例について説明する。
【0061】
図9は、図10に示すような被検体10(ここでは頭部)の3つの隣接するスライス11、12、13を撮影するシーケンスを示す図である。図中、ステップ4011、4021、4031は、図1の実施例と同様にマルチショットEPIシーケンスを基本とするシーケンスであり、1回の高周波磁場照射により1スライスについて必要な全エコーの一部(m個)を計測する。但し、このシーケンスはマルチスライス撮影であるので、スライス11を励起するステップ4011の繰り返し時間TRの間に、他のスライス12、13を励起するステップ4021、4031を実行する。励起するスライスを順次変えるために、各ステップ4011、4021、4031ではスピンを励起する高周波磁場の周波数を順次変化させる。
【0062】
この高周波磁場印加直後に1つのナビゲーションエコーを発生させて計測する。この際、ナビゲーションエコーの方向を周期的に変化させる。例えば、図示するようにステップ4011では読み出し方向のナビゲーションエコーnrを計測(4041)、ステップ4021では位相エンコード方向のナビゲーションエコーnpを計測(4051)、ステップ4031ではスライス方向のナビゲーションエコーnsを計測(4061)する。ナビゲーションエコーの発生方法は上述した実施例と同様であり、またナビゲーションエコーの形状も任意である。
【0063】
このようにそれぞれ異なる方向のナビゲーションエコーを取得する工程を含むステップ4011、4021、4031を1セット4071として、ナビゲーションエコーの方向を周期的に変化させながらステップを繰り返す。この繰り返しにおいてスライス数毎に位相エンコード量を変化させて各スライスについて画像再構成に必要な全エコーを取得する。
【0064】
全計測408の終了後、各ステップで得られた本計測エコーは、各スライス毎にk空間に配置されるが、各エコーの位相補正は、1セットとして設定された複数(n)のステップ内で取得された1方向について1つのナビゲーションエコーを用いて行われる。即ち、ステップ4011で計測されたスライス11の本計測エコーは、セット4071内の各ステップでそれぞれ得られたナビゲーションエコーnr、np、nsを用いて、読み出し方向、位相エンコード方向およびスライス方向の補正を行う。この場合、ナビゲーションエコーnp、nsは、スライス11とは異なるスライスから得られた信号であるが、これらナビゲーションエコーから得られる情報は体動に基づく位相差情報であって、近接するスライス間では同一方向の体動は同じと見做すことができるので、近接するスライス12、13の励起によって得られたナビゲーションエコーnp、nsをスライス11の本計測エコーの補正に利用することができる。例えば、図10に示すような頭部のマルチスライス撮影の場合、20mm程度のボリューム内の被検体の動きは直線的でかつ同じ移動量と見做すことができる。
【0065】
同様にステップ4021、4031で計測されたスライス12、13の本計測エコーも、同じセット4071内で得られたナビゲーションエコーnr、np、nsを用いて各方向毎に補正する。
【0066】
引き続いて実行されるステップも、連続する3つのステップ4012、4022、4032を1セット4072とし、これらステップでそれぞれ計測される読み出し方向、位相エンコード方向およびスライス方向のナビゲーションエコー(4042、4052、4062)を用いて、各スライス11、12、13について得られた本計測エコーを補正する。
【0067】
このように異なる方向のナビゲーションエコーを取得する複数(3)のステップを1セットとして繰り返し、1セット内で得られた異なる方向のナビゲーションエコーを用いて、そのセット内の各スライスの本計測エコーを補正することにより、各スライス毎に補正する場合に比べ計測時間を短縮できる。
【0068】
例えば1ステップで計測するエコーの数mを4とし、高周波磁場による励起に4ms、ナビゲーションエコー取得に2ms、エコー発生に1.5ms×4個=6msかかるとすると、1ステップの計測時間は12msであり、1セット4071の計測時間は12ms×3=36msである。これに対し各スライス毎に3方向のナビゲーションエコーを取得する場合には、1ステップの計測時間は約16ms(励起4ms、ナビゲーションエコー取得2ms×3=6ms、エコー発生に1.5ms×4個=6ms)、1セットの計測時間は48msとなる。ショット数を64とすると、本発明のマルチスライス計測では全計測時間は36ms×64=2304msとなり、各スライス毎に3方向のナビゲーションエコーを取得する場合(48ms×64=3072ms)に比べ約700msの時間短縮となる。
【0069】
尚、図9に示す実施例では、1セットを構成するステップは、セット毎に重ならない場合を説明したが、1セットを構成するステップは図4に示すダイナミック撮影の場合と同様にセット毎に重複してもよい。即ち、図11(a)に示すように、ステップ4011、4021、4031で1セットを構成し、それらステップの内、中央のステップ4021で計測された位相エンコード方向のナビゲーションエコーnpのみを用いてそのセット内の本計測エコーを補正し、次にステップ4021、4031、4012で1セットを構成し、それらステップの内、中央のステップ4031で計測されたスライス方向のナビゲーションエコーnsのみを用いてそのセット内の本計測エコーを補正する。さらにステップ4031、4012、4022で1セットを構成し、それらステップの内、中央のステップ4012で計測された読み出し方向のナビゲーションエコーnrのみを用いてそのセット内の本計測エコーを補正する。
【0070】
この場合、1つのステップで計測された本計測エコーについて見ると、そのステップと前後のステップからなるセット内で計測された3方向のナビゲーションエコーにより補正されることになる。従って図9の実施例よりも時間的に近接したナビゲーションエコーの情報を利用できるので、より正確な体動補正が可能となる。
【0071】
また図9に示す実施例では、スライス数が3であって1セットを構成するステップ数(n)と同数の場合を説明したが、スライス数は3に限らずそれより少なくても多くてもよく、またステップ数nと同一でも異なっていてもよい。スライス数に関係なく、各ステップ毎に周期的にナビゲーションエコーの方向を変えながら、ステップを繰り返し、周期毎のステップの組を1セットとして、セット内で得られた複数方向のナビゲーションエコーを用いてそのセット内の本計測エコーを補正する。この場合にも1セットを構成するステップの組は隣接するセット間で重複していても、重ならなくてもよい。スライス数が5の場合を図11(b)、(c)に示した。図11(b)は1セットを構成するステップが重複しない場合、図11(c)は1セットを構成するステップが隣接するセット間で重複する場合である。
【0072】
また図9および図11(a)〜(c)に示す実施例では、1セットを構成する全ステップで、それぞれ1つのナビゲーションエコーを計測する場合を示したが、1セットを構成するステップは、ナビゲーションエコーを計測しないステップを含んでいてもよい。例えば図12(a)または(b)に示すように、繰り返し時間TR内に実行する4スライスについてのステップ4011、4021、4031、4041を1セットとし、そのセット内の1つ(または2)のステップ4011(4011、4021)で1方向(または2方向)のナビゲーションエコーを取得し、このナビゲーションエコーを用いてステップ4011、4021、4031、4041で取得した本計測エコーを補正してもよい。
【0073】
またマルチスライス撮影の場合にも、ナビゲーションエコーを本計測エコーとは別個に計測するのではなく、位相エンコード量0の本計測エコーをナビゲーションエコーとして利用することもできる。
【0074】
さらに本発明のMRI方法をマルチスライス撮影に適用する場合、基本シーケンスとしてはマルチショットEPIのみならずGrEシーケンス、ワンショツト型のシーケンス、バーストシーケンス等、ナビゲーションエコーを追加するシーケンスを採用することができる。
【0075】
次に本発明のMRI方法を実施するためのMRI装置の動作について説明する。既に述べたように本発明のMRI装置は、MRI撮影の際の各種条件を設定する手段として入力部413を有している。
【0076】
入力部413は、キイボード、マウス、ジョイスティック等の入力装置とアイコンやGUI等、操作者からの入力を促すため画像を表示する表示部とを備えており、操作者は表示部に表示される選択画面や入力指示に従って入力を行うことにより、被検体に関する情報の入力や撮影の条件、各種パラメータ等の設定を行う。上述したナビゲーションエコー追加の撮影に際しても、ナビゲーションエコー追加の有無、1セットを構成するステップ数、各ステップで取得するナビゲーションエコーの方向等をこの入力部を介して設定する。その一例を以下、説明する。
【0077】
まずパルスシーケンスの撮影条件(種類、TR、ショット数、エコートレイン数、画像マトリックス、ダイナミック撮影の画像枚数等)を設定するとともにナビゲーションエコーの追加を選択する。ここまでは従来の入力部の機能と同様である。
【0078】
1つのスライスの撮影かマルチスライス撮影か等の選択は、撮影条件として設定する。マルチスライス撮影を選択した場合にはさらにスライス数を設定する。
【0079】
ナビゲーションエコーの追加が選択されると、入力部は操作者に1セットを構成するステップ数nの入力を促す。ステップ数の入力は、具体的にn=10というように数値を指示してもよいが、例えば低速高精度撮影(n=3)、中速中精度撮影(n=7)、高速低精度撮影(n=10)というように特定の数値を設定しておき、操作者は撮影の速度や補正の精度を選択することによってステップ数を設定するようにしてもよい。また、ステップ数の入力に替えて、ナビゲーションエコーを取得する時間間隔を入力部から入力し、その時間間隔と撮影条件とから制御部411のCPUで演算によりステップ数を求めるようにしてもよい。
【0080】
ステップ数の入力に次いで、或いはステップ数の入力に先立ってナビゲーションエコーの方向を設定する。この場合にも「読み出し方向」「位相エンコード方向」「スライス方向」という3つの表示の中から任意のものを選択可能にしてもよいし、体動が起こりやすい方向をジョイスティック等で指示するようにしてもよい。
【0081】
ステップ数の入力とステップ方向の入力条件に矛盾がない場合には、条件設定を終了し、撮影を開始する。また例えばステップ数nが2であるのに対し、3つの方向を選択した場合など、条件に矛盾がある場合には、再入力を促し、矛盾の解消した状態で撮影を開始する。
【0082】
各ステップで計測されるエコーのk空間配置については、パルスシーケンスとナビゲーションエコーの追加が設定されたときに、自動的に予め決められたk空間配置となるように位相エンコードステップを設定してもよい。例えば、GrEによる定常状態高速撮影が設定されると、図3(b)に示すように高位相領域にナビゲーションエコー取得のステップを配置するk空間配置を自動的に設定する。またキイホールイメージングの場合には、図6(b)に示すように位相エンコード0のエコーを計測するステップでは別途ナビゲーションエコーを計測しないように設定する。
【0083】
入力部がこのような設定機能を備えることにより、操作者が本発明によるナビゲーションエコー追加シーケンスを任意の条件で且つ容易に実行することができる。
【0084】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のMRI方法および装置によればナビゲーションエコー取得の間隔を任意に設定することができるので、またナビゲーションエコー取得の間隔を被検体の体動補正の効果を損なわない範囲で長く設定できるので、ナビゲーションエコー取得による時間の延長を防止し、高速シーケンスを実現できる。
【0085】
また本発明のMRI方法および装置によればマルチスライス撮影においても時間の延長を伴うことなく、体動補正を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例であるマルチショットEPIのシーケンス図。
【図2】本発明の他の実施例であるGrEのシーケンス図。
【図3】図2のシーケンスにおけるk空間軌跡を説明する図。
【図4】本発明の他の実施例であるGrEのシーケンス図。
【図5】本発明の他の実施例であるダイナミックEPI撮影の動作を表す図。
【図6】本発明の他の実施例によるk空間軌跡を説明する図。
【図7】本発明が適用されるMRI装置の全体構成を示す図。
【図8】ナビゲーションエコーの取得を含むマルチショットEPIのシーケンス図。
【図9】本発明の他の実施例であるマルチスライス撮影のシーケンス図。
【図10】マルチスライス撮影方法を説明する図。
【図11】本発明をマルチスライス撮影に適用した他の実施例を示す図。
【図12】本発明をマルチスライス撮影に適用した他の実施例を示す図。
【符号の説明】
401・・・・・・被検体
402・・・・・・静磁場磁石
403・・・・・・傾斜磁場コイル
404・・・・・・RFコイル
405・・・・・・RFプローブ
406・・・・・・信号検出部
407・・・・・・信号処理部
408・・・・・・表示部
411・・・・・・制御部
413・・・・・・入力部

Claims (5)

  1. 静磁場を発生する静磁場発生手段と、前記静磁場に重畳される傾斜磁場を発生する傾斜磁場発生手段と、前記静磁場中に置かれた被検体を構成する原子核スピンに核磁気共鳴を生じさせる高周波磁場パルスを印加する送信手段と、前記被検体から生じる核磁気共鳴信号をエコー信号として検出する受信手段と、前記検出された信号に基づき前記被検体の断層像を再構成する信号処理手段と、前記傾斜磁場発生手段、送信手段、受信手段および信号処理手段を所定のパルスシーケンスに従って制御する制御手段とを備えた磁気共鳴イメージング装置において、
    前記制御手段は、被検体を構成する原子核スピンを励起する少なくとも一つの高周波パルスを印加し、ついで複数の傾斜磁場パルスを印加し、m個(mはm≧1を満たす整数)の核磁気共鳴信号をエコーとして検出するステップを繰り返し、画像再構成に必要な全エコーを取得する際に、時間的に連続するn個(nはn≧2を満たす整数)のステップを1セットとし、各セット内で少なくとも1つ方向の体動モニター用のナビゲーションエコーを1つ取得する制御を行い、
    前記信号処理手段は、前記セット内で取得された複数(n×m)のエコーをそのセット内で取得されたナビゲーションエコーで補正することにより、前記被検体の体動を補正した画像を再構成することを特徴とする磁気共鳴イメージング装置
  2. 前記制御手段は、前記セット内の複数のステップにおいてそれぞれ異なる方向のナビゲーションエコーを取得する制御を行い、
    前記信号処理手段は、前記セット内で取得されたエコーをそのセット内で取得されたナビゲーションエコーで補正することにより、前記被検体の体動を複数の方向について補正した画像を再構成することを特徴とする請求項1記載の磁気共鳴イメージング装置
  3. 前記制御手段は、前記各ステップにおいて、同一の領域を選択して励起し、その領域から発生するエコーを取得することを特徴とする請求項1または2記載の磁気共鳴イメージング装置
  4. 前記制御手段は、1つのステップの繰り返し時間内に、励起するスライス位置を変化させて複数のステップを順次実行する制御を行い、前記信号処理手段は、複数のスライスの画像を再構成することを特徴とする請求項1または2記載の磁気共鳴イメージング装置
  5. 静磁場を発生する静磁場発生手段と、前記静磁場に重畳される傾斜磁場を発生する傾斜磁場発生手段と、前記静磁場中に置かれた被検体を構成する原子核スピンに核磁気共鳴を生じさせる高周波磁場パルスを印加する送信手段と、前記被検体から生じる核磁気共鳴信号をエコー信号として検出する受信手段と、前記検出された信号に基づき前記被検体の断層像を再構成する信号処理手段と、前記傾斜磁場発生手段、送信手段、受信手段および信号処理手段を所定のパルスシーケンスに従って制御する制御手段とを備え、
    被検体を構成する原子核スピンを励起する少なくとも一つの高周波パルスを印加し、核磁気共鳴信号をエコーとして検出するステップを複数回繰り返し、画像再構成に必要な全エコーを取得する際に、体動モニター用のナビゲーションエコーを取得し、前記ステップの複数回の繰り返しで取得された複数のエコーを前記ナビゲーションエコーで補正することにより、前記被検体の体動を補正した画像を再構成する磁気共鳴イメージング装置において、
    前記制御手段は、前記ナビゲーションエコーの取得回数を、前記ステップの繰り返し回数よりも少ない数とすることを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
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