JP4057695B2 - 高負荷伝動用vベルト - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、張力帯に複数のブロックがベルト長さ方向に取り付けられていて、例えば、自動車、農業用機械又は汎用機械のベルト式変速装置に使用される高負荷伝動用Vベルトに関する技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、この種の高負荷伝動用Vベルトは、各々、固定シーブ及び可動シーブからなりかつプーリ溝間隔が変化する駆動側及び従動側の2つの変速プーリ間に巻き掛けられてベルト式無段変速機を構成する際に用いられるものであって、ベルト長さ方向に延びるエンドレスの張力帯と、左右両側面にプーリの溝面に摺接する摺接部を有しかつ上記張力帯にベルト長さ方向に所定ピッチ間隔をあけて取り付けられた多数のブロックとを備えている。上記張力帯は1層のゴム層からなり、このゴム層のベルト厚み方向略中央部には、スパイラル状に巻かれた複数の心線がベルト幅方向に所定ピッチ間隔をあけて埋設されている。また、上記ゴム層の背面及び内面は、通常、上帆布及び下帆布によりそれぞれ被覆されている。
【0003】
そして、このような高負荷伝動用Vベルトにおいて、例えば実開平6−69490号公報に示されているように、張力帯のゴム層の弾性率を600MPa以上とすることで、プーリからベルトに加わる側圧に対する張力帯の荷重分担率を高めてノイズやスリップの発生を少なくするようにすることが提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記提案例(実開平6−69490号公報)のように張力帯のゴム層の弾性率(特にベルト幅方向の弾性率)を高くすれば、上記効果に加えて、Vベルトのプーリに巻き付けられた部分において、ゴム層内の心線の張力分布を均一化し、かつ心線の各ブロックに対応する部分に局所的な応力が生じるのを防止することができる。このため、心線の屈曲疲労性を向上させることができ、Vベルトの長寿命化を図ることができる。
【0005】
しかし、ゴム層を単純に高弾性率化するのみでは張力帯が固くなり過ぎて耐寒クラック性が悪化し、特にゴム層の引張応力が生じる部分に低温下でクラックが生じ易くなる。このようなクラックが生じると、心線が疲労の促進により早期に切断してしまう可能性があり、改良の余地がある。
【0006】
本発明は斯かる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、上述の如く張力帯と多数のブロックとで構成された高負荷伝動用Vベルトにおいて、その張力帯のゴム層の構成を改良することによって、ゴム層の高弾性率化によりベルト寿命の向上化を図りつつ、耐寒クラック性をも向上させて、低温下でクラックが生じるのを抑制しようとすることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、この発明では、第1のゴム層と該第1のゴム層よりもベルト幅方向の弾性率が低い第2のゴム層とをベルト厚み方向に積層して張力帯を形成するとともに、上記第2のゴム層を上記張力帯の背面側及び内面側の両端部に設けるか、又は、上記第2のゴム層を上記張力帯の少なくとも背面側端部に設けかつ第2のゴム層に第1のゴム層よりも多くの耐寒性可塑剤を配合するようにした。
【0008】
具体的には、請求項1の発明では、ベルト長さ方向に延びるエンドレスの張力帯と、左右両側面にプーリの溝面に摺接する摺接部を有しかつ上記張力帯にベルト長さ方向に所定ピッチ間隔をあけて取り付けられた多数のブロックとを備えた高負荷伝動用Vベルトを前提とする。
【0009】
そして、上記張力帯は、第1のゴム層と該第1のゴム層よりもベルト幅方向の弾性率が低い第2のゴム層とがベルト厚み方向に少なくとも1層ずつ積層されてなり、上記第2のゴム層は、上記張力帯の背面側及び内面側の両端部に設けられているものとする。
【0010】
このことにより、低温下でクラックが生じ易い部分(張力帯の背面側及び内面側)に第2のゴム層を配置し、他の部分に第1のゴム層を配置することで、第1のゴム層による心線の屈曲疲労性の向上効果が得られるようにしつつ、第2のゴム層によりクラックが生じ易い部分の耐寒クラック性を向上させることができる。よって、ベルトの屈曲疲労寿命の向上化を図りつつ、低温下でのクラックによるベルトの破損を抑制することができる。しかも、ベルトの背面側にアイドルプーリを設けてベルトを逆曲げ状態で使用したとしても、張力帯の内面側端部の第2のゴム層により、低温下でその内面側端部にクラックが生じるのを有効に抑制することができる。よって、ベルトを逆曲げ状態で使用する場合に最適なものとすることができる。
【0011】
請求項2の発明では、請求項1の発明において、第2のゴム層に、第1のゴム層よりも多くの耐寒性可塑剤が配合されているものとする。
【0012】
この発明により、耐寒性可塑剤を多く配合することにより弾性率を容易に低くすることができ、その低弾性率化と耐寒性可塑剤とにより耐寒クラック性を最大限に向上させることができる。よって、最適な第2のゴム層が容易に得られる。
【0013】
請求項3の発明では、ベルト長さ方向に延びるエンドレスの張力帯と、左右両側面にプ ーリの溝面に摺接する摺接部を有しかつ上記張力帯にベルト長さ方向に所定ピッチ間隔をあけて取り付けられた多数のブロックとを備えた高負荷伝動用Vベルトを前提として、上記張力帯は、第1のゴム層と該第1のゴム層よりもベルト幅方向の弾性率が低い第2のゴム層とがベルト厚み方向に少なくとも1層ずつ積層されてなり、上記第2のゴム層は、上記張力帯の少なくとも背面側端部に設けられており、上記第2のゴム層に、上記第1のゴム層よりも多くの耐寒性可塑剤が配合されているものとする。
【0014】
このことで、低温下でクラックが生じ易い部分(張力帯の背面側)に第2のゴム層を配置し、他の部分に第1のゴム層を配置することで、第1のゴム層による心線の屈曲疲労性の向上効果が得られるようにしつつ、第2のゴム層によりクラックが生じ易い部分の耐寒クラック性を向上させることができる。よって、ベルトの屈曲疲労寿命の向上化を図りつつ、低温下でのクラックによるベルトの破損を抑制することができる。また、耐寒性可塑剤を多く配合することにより弾性率を容易に低くすることができ、その低弾性率化と耐寒性可塑剤とにより耐寒クラック性を最大限に向上させることができる。よって、最適な第2のゴム層が容易に得られる。
【0015】
請求項4の発明では、請求項1〜3のいずれか1つの発明において、第1のゴム層のベルト幅方向の弾性率は、600MPa以上であり、第2のゴム層のベルト幅方向の弾性率は、550MPa未満であるものとする。
【0016】
このようにすることで、第1のゴム層により心線の屈曲疲労性を確実に向上させることができる一方、第2のゴム層により耐寒クラック性を確実に向上させることができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。図1及び図2は、本発明の実施形態に係る高負荷伝動用VベルトBを示し、このVベルトBは、図示は省略するが、各々、固定シーブ及び可動シーブからなる駆動側及び従動側の2つの変速プーリ間に巻き掛けられてなるベルト式無段変速装置を構成する際に用いられるものであって、左右両側部にベルト長さ方向に延びる1対のエンドレスの張力帯1,1を備え、この各張力帯1に多数のブロック12,12,…がベルト長さ方向に所定ピッチ間隔をあけて取付固定されている。
【0018】
上記各張力帯1は、弾性率が互いに異なる高弾性率ゴム層2と低弾性率ゴム層3とがベルト厚み方向(上下方向)に1層ずつ積層されてなる。この低弾性率ゴム層3は各張力帯1の背面側(上面側)端部に設けられており、その背面側端部よりも内面側(下面側)の部分は高弾性率ゴム層2で構成されている。この高弾性率ゴム層2及び低弾性率ゴム層3は共に、水素化ニトリルゴムに不飽和のジカルボン酸金属塩(メタクリル酸亜鉛、アクリル酸亜鉛等)を添加して有機過酸化物架橋したものからなっていて、アラミド、ナイロン等の短繊維がベルト幅方向に延びるように混入されている。そして、低弾性率ゴム層3には、高弾性率ゴム層2よりも多くの耐寒性可塑剤が配合されて、低弾性率ゴム層3の弾性率は高弾性率ゴム層2よりも低くされている。具体的には、高弾性率ゴム層2のベルト幅方向の弾性率は600MPa以上に設定されている一方、低弾性率ゴム層3のベルト幅方向の弾性率は550MPa未満に設定されている。このことで、高弾性率ゴム層2は第1のゴム層に相当し、低弾性率ゴム層3は第2のゴム層に相当する。上記耐寒性可塑剤としては、DOA(ジオクチルアジペート)等のアジペート系、DOS(ジオクチルセバケート)等のセバケート系、ポリエーテル系のものが用いられ、低弾性率ゴム層3にはその耐寒性可塑剤が水素化ニトリルゴム100重量部に対して5〜15重量部となるように配合されている。尚、高弾性率ゴム層2及び低弾性率ゴム層3のベルト長さ方向の弾性率は、それぞれ110MPa以上及び90MPa未満とすることが望ましい。
【0019】
上記高弾性率ゴム層2内における各張力帯1の上下方向中央部に相当する位置には、複数の心線4,4,…がベルト幅方向に所定ピッチ間隔をあけて埋設されている。そして、各張力帯1の上面つまり低弾性率ゴム層3の上面は上帆布5により、また各張力帯1の下面つまり高弾性率ゴム層2の下面は下帆布6によりそれぞれ被覆されている。
【0020】
上記各張力帯1の上面には、各々、断面凹字状をなす多数の上面溝8,8,…が、また下面には、各々、上記上面溝8,8,…に上下に対応して断面円弧状をなす多数の下面溝9,9,…がそれぞれベルト長さ方向に所定ピッチ間隔でベルト幅方向に延びるように設けられている。尚、上記各上面溝8は上記低弾性率ゴム層3内に形成されている。
【0021】
一方、上記各ブロック12は略逆台形板状をなしていて、その左右両側面は、変速プーリの溝面に摺接する摺接部13,13とされている。そして、各ブロック12の左右両側部には、各々、ベルト長さ方向に貫通しかつベルト幅方向に延びるスリット状の嵌合部14,14が、側方に向けて開放された状態で設けられている。この各嵌合部14の上縁部は、下方に向けて突出する断面凸字状をなしていて、上記各張力帯1の各上面溝8に上帆布5を介して係合する下向き突条15とされている。また、上記各嵌合部14の下縁部は、上方に向けて***する断面円弧状をなしていて、上記各張力帯1の各下面溝9に下帆布6を介して係合する上向き突条16とされている。
【0022】
したがって、上記実施形態では、各張力帯1は、弾性率が600MPa以上とされた高弾性率ゴム層2と、弾性率が550MPa未満とされた低弾性率ゴム層3とがベルト厚み方向に1層ずつ積層されてなり、その低弾性率ゴム層3は各張力帯1の背面側端部に設けられているので、このVベルトBを駆動側及び従動側の2つの変速プーリ間に巻き掛けて使用した場合に、低弾性率ゴム層3の低い弾性率により、引張応力を受けてクラックが生じ易い背面側端部(特に各上面溝8の底部)の耐寒クラック性を向上させることができる。しかも、低弾性率ゴム層3は、高弾性率ゴム層2よりも多くの耐寒性可塑剤が配合されて弾性率が低くされているので、その耐寒性可塑剤により耐寒クラック性をより一層向上させることができる。一方、各心線4は高弾性率ゴム層2内に設けられ、各心線4よりも内面側部分は全て高弾性率ゴム層2であるので、VベルトBが変速プーリから側圧を受けても各心線4の各ブロック12に対応する部分に局所的な応力が生じるということはなく、各心線4の屈曲疲労性を向上させることができる。よって、高弾性率ゴム層2によりVベルトBの長寿命化を確実に図りつつ、低弾性率ゴム層3により低温下でのクラック発生によるVベルトBの破損を効果的に抑制することができる。
【0023】
尚、上記実施形態では、低弾性率ゴム層3を各張力帯1の背面側端部に設けたが、図3に示すように、各張力帯1の各心線4よりも背面側の全ての部分を低弾性率ゴム層3とし、各心線4よりも内面側の全ての部分を高弾性率ゴム層2としてもよい。この場合、引張応力を受ける部分全体が低弾性率ゴム層3とされているので、低温下でのクラックの発生をより確実に抑制することができる一方、各心線4よりも内面側の高弾性率ゴム層2により各心線4の各ブロック12に対応する部分に局所的な応力が生じるのを抑制することができる。
【0024】
また、図4に示すように、2層の低弾性率ゴム層3,3を各張力帯1の背面側及び内面側の両端部にそれぞれ設け、その中間部に高弾性率ゴム層2を設けるようにしてもよい。こうすることで、VベルトBの背面側にアイドルプーリを設けてVベルトBを逆曲げ状態にしたとしても、各張力帯1の内面側端部の低弾性率ゴム層3により、低温下でその内面側端部にクラックが生じるのを有効に抑制することができる。
【0025】
【実施例】
次に、具体的に実施した実施例について説明する。先ず、上記実施形態と同様に、各張力帯の背面側端部を低弾性率ゴム層としかつ他の部分を高弾性率ゴム層とした高負荷伝動用Vベルトを作製した(実施例1)。このとき、両ゴム層には上記実施形態と同様の材料を使用し、高弾性率ゴム層のベルト幅方向の弾性率を700MPaとした。そして、低弾性率ゴム層にはポリエーテル系の耐寒性可塑剤を、水素化ニトリルゴム100重量部に対して5〜15重量部配合することにより、そのベルト幅方向の弾性率を500MPaとした。尚、高弾性率ゴム層及び低弾性率ゴム層のベルト長さ方向の弾性率は、それぞれ110MPa及び80MPaとした。また、各心線にはアラミド繊維を使用した。
【0026】
続いて、図3に示したものと同様に、各張力帯の各心線よりも背面側の全ての部分を低弾性率ゴム層としかつ各心線よりも内面側の全ての部分を高弾性率ゴム層としたVベルトを作製した(実施例2)。また、図4に示したものと同様に、各張力帯の背面側及び内面側の両端部を低弾性率ゴム層としかつその中間部を高弾性率ゴム層としたVベルトを作製した(実施例3)。この実施例2及び実施例3のVベルトは、低弾性率ゴム層の配置を除いて上記実施例1と同じものである。さらに、比較のために、各張力帯を上記高弾性率ゴム層と同じ材料からなる1層のゴム層で構成したVベルトを作製した(比較例)。
【0027】
次いで、上記実施例1〜3及び比較例のVベルトに対して第1の耐寒クラック寿命試験を行った。すなわち、図5に示すように、各Vベルト21を、駆動プーリ22及び従動プーリ23(従動プーリ23の駆動プーリ22に対する直径比は2.0)間に巻き掛け、各Vベルト21に引張荷重50kgf(490N)を加える一方、従動プーリ23には負荷を加えない状態で駆動プーリ22を1000rpm(16.7 1/s)の速度で回転させた。そして、各Vベルト21が切断するまでの時間を測定した。尚、この第1の耐寒クラック寿命試験は−30℃で行った。
【0028】
次に、第2の耐寒クラック寿命試験を行った。すなわち、図6に示すように、各Vベルト21を、上記第1の耐寒クラック寿命試験と同じ駆動プーリ22及び従動プーリ23間に巻き掛けると共に、各Vベルト21の背面側からアイドルプーリ24により50kgf(490N)で押圧し、各Vベルト21を逆曲げ状態とした。そして、上記第1の耐寒クラック寿命試験と同じ条件で、各Vベルト21が切断するまでの時間を測定した。
【0029】
さらに、屈曲疲労寿命試験を行った。すなわち、図7に示すように、各Vベルト21を、駆動プーリ26及び従動プーリ27(従動プーリ27の駆動プーリ26に対する直径比は0.57)間に巻き掛け、各Vベルト21に引張荷重113kgf(1.1kN)を加える一方、従動プーリ27に、駆動プーリ26において4.45kgf・m(43.6N・m)となるトルクを加えた状態で駆動プーリを6000rpm(100 1/s)の速度で回転させ、各Vベルト21が切断するまでの時間を測定した。尚、この屈曲疲労寿命試験は95℃で行った。
【0030】
上記各試験の結果を表1に示す。このことより、実施例1〜3のVベルトでは、屈曲疲労寿命が従来例のものと同等レベルを維持しつつ、耐寒クラック寿命が従来例のものよりも格段に向上していることが判る。
【0031】
また、実施例1,2と実施例3とを比較すると、実施例3のVベルトでは、屈曲疲労寿命が実施例1,2のものよりも僅かに劣るものの、第2の耐寒クラック寿命試験においてその寿命が向上していることが判る。すなわち、逆曲げ状態で使用する場合には、張力帯の背面側及び内面側の両端部に低弾性率ゴム層を設けることで、耐寒クラック性を向上させることができる。
【0032】
【表1】
【0033】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1の発明によると、ベルト長さ方向に延びるエンドレスの張力帯と、この張力帯にベルト長さ方向に所定ピッチ間隔をあけて取り付けられた多数のブロックとを備えた高負荷伝動用Vベルトに対して、第1のゴム層と該第1のゴム層よりもベルト幅方向の弾性率が低い第2のゴム層とをベルト厚み方向に少なくとも1層ずつ積層して上記張力帯を形成するとともに、上記第2のゴム層を、上記張力帯の背面側及び内面側の両端部に設けるようにしたことにより、ベルトの屈曲疲労寿命を向上させつつ、低温下でのクラックによるベルト破損の抑制化を図ることができるとともに、逆曲げ状態で使用する場合に最適なベルトが得られる。
【0034】
請求項2の発明によると、第2のゴム層に、第1のゴム層よりも多くの耐寒性可塑剤を配合するようにしたことにより、最適な第2のゴム層が容易に得られる。
【0035】
請求項3の発明によると、ベルト長さ方向に延びるエンドレスの張力帯と、この張力帯にベルト長さ方向に所定ピッチ間隔をあけて取り付けられた多数のブロックとを備えた高負荷伝動用Vベルトに対して、第1のゴム層と該第1のゴム層よりもベルト幅方向の弾性率が低い第2のゴム層とをベルト厚み方向に少なくとも1層ずつ積層して上記張力帯を形成するとともに、上記第2のゴム層を上記張力帯の少なくとも背面側端部に設けかつ第2のゴム層に第1のゴム層よりも多くの耐寒性可塑剤を配合するようにしたことにより、ベルトの屈曲疲労寿命を向上させつつ、低温下でのクラックによるベルト破損の抑制化を図ることができるとともに、最適な第2のゴム層が容易に得られる。
【0036】
請求項4の発明によると、第1のゴム層のベルト幅方向の弾性率を600MPa以上とし、第2のゴム層のベルト幅方向の弾性率を550MPa未満としたことにより、心線の屈曲疲労性と耐寒クラック性とを確実に向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態に係る高負荷伝動用Vベルトの一部を示す斜視図である。
【図2】 Vベルトの一部を示す側面図である。
【図3】 低弾性率ゴム層の配置を異ならせた他の形態を示す図2相当図である。
【図4】 低弾性率ゴム層の配置をさらに異ならせた他の形態を示す図2相当図である。
【図5】 Vベルトに対する第1の耐寒クラック寿命試験の要領を示す概略図である。
【図6】 Vベルトに対する第2の耐寒クラック寿命試験の要領を示す概略図である。
【図7】 Vベルトに対する屈曲疲労寿命試験の要領を示す概略図である。
【符号の説明】
B 高負荷伝動用Vベルト
1 張力帯
2 高弾性率ゴム層(第1のゴム層)
3 低弾性率ゴム層(第2のゴム層)
12 ブロック
13 摺接部
Claims (4)
- ベルト長さ方向に延びるエンドレスの張力帯と、左右両側面にプーリの溝面に摺接する摺接部を有しかつ上記張力帯にベルト長さ方向に所定ピッチ間隔をあけて取り付けられた多数のブロックとを備えた高負荷伝動用Vベルトにおいて、
上記張力帯は、第1のゴム層と該第1のゴム層よりもベルト幅方向の弾性率が低い第2のゴム層とがベルト厚み方向に少なくとも1層ずつ積層されてなり、
上記第2のゴム層は、上記張力帯の背面側及び内面側の両端部に設けられていることを特徴とする高負荷伝動用Vベルト。 - 請求項1記載の高負荷伝動用Vベルトにおいて、
第2のゴム層に、第1のゴム層よりも多くの耐寒性可塑剤が配合されていることを特徴とする高負荷伝動用Vベルト。 - ベルト長さ方向に延びるエンドレスの張力帯と、左右両側面にプーリの溝面に摺接する摺接部を有しかつ上記張力帯にベルト長さ方向に所定ピッチ間隔をあけて取り付けられた多数のブロックとを備えた高負荷伝動用Vベルトにおいて、
上記張力帯は、第1のゴム層と該第1のゴム層よりもベルト幅方向の弾性率が低い第2のゴム層とがベルト厚み方向に少なくとも1層ずつ積層されてなり、
上記第2のゴム層は、上記張力帯の少なくとも背面側端部に設けられており、
上記第2のゴム層に、上記第1のゴム層よりも多くの耐寒性可塑剤が配合されていることを特徴とする高負荷伝動用Vベルト。 - 請求項1〜3のいずれか1つに記載の高負荷伝動用Vベルトにおいて、
第1のゴム層のベルト幅方向の弾性率は、600MPa以上であり、
第2のゴム層のベルト幅方向の弾性率は、550MPa未満であることを特徴とする高負荷伝動用Vベルト。
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