JP4057146B2 - 電子部品一体型多層基板の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、複数の基板層がポスト(金属柱)等の層間接続部により連結して構成される電子部品一体型多層基板およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のビルドアップ型配線基板の製造方法を図23〜図26を用いて説明する。なお、各図は、説明のため図中の上下方向となる厚さ方向の倍率を左右方向となる幅方向と比較して大きく設定し、かつ、導体層、金属膜等の膜圧を実際の縮尺より拡大して示した概念図である。
【0003】
図23(a)に示すように、ガラスエポキシ等の絶縁基板1の表面に銅箔2をメッキ等により形成し、表面を過酸化水素配合硫酸等の薬液で化学的に、あるいはバフ等を用いた機械的研磨により清浄化する。次に、ドライフィルムレジストを銅箔2上に熱圧着し、回路パターン形成用のマスクを重ねて露光し、現像することにより回路パターンとして必要な部分にのみレジスト層3を残す(図23(b))。続いて、塩化銅溶液、塩化鉄溶液、過酸化水素配合硫酸液等のエッチング液により銅箔2の不要部分を除去して回路パターンを形成し(図23(c))、レジスト層3を除去する(図23(d))。ここまでは、通常の単層の配線基板と同一である。
【0004】
次に、上層の基板との接続用のポストをメッキにより形成する。まず、図23(e)に示すように回路パターンが形成された基板1上の全面にメッキ用の給電膜4を無電解メッキにより形成し、その上にポストメッキ用レジスト層5を積層する(図23(f))。そして、絶縁基板1上の導体部分、すなわち銅箔2が残された部分の一部を露出させるようレジスト層5を露光現像して開口部5aを形成する(図24(g))。この状態で給電膜4に通電してポスト用の金属を電解メッキすることにより、開口部5a内に銅箔2に接続されたポスト6を形成する(図24(h))。
【0005】
続いて、レジスト層5を除去し(図24(i))、ポスト6をマスクにして給電膜4を塩化銅や過酸化水素配合硫酸等のエッチング液によりエッチングして除去する(図24(j))。そして、下層の基板1と上層に形成される基板との間を埋める熱硬化性の絶縁性樹脂層7を基板1上に印刷やカーテンコート法により塗布し、熱硬化させる(図24(k))。
【0006】
絶縁性樹脂層7の表面をバフにより研磨してポスト6を端面に露出させ(図25(l))、露出したポスト6および絶縁性樹脂層7の表面全体に上層の回路用の銅箔8を無電解メッキ、電解メッキを併用して形成する(図25(m))。続いて、銅箔8をエッチングする際のマスクとなるレジスト層9をレジストの塗布、露光、現像により形成し(図25(n))、このレジスト層9をマスクに銅箔8をエッチングして回路パターンを形成する(図25(o))。
【0007】
回路パターンの形成後、レジスト層9を除去し(図26(p))、導体部分として残された銅箔8上にニッケル(Ni)層10と金(Au)層11とをメッキにより形成することによりパッドを形成する(図26(q))。以上の工程により、下層回路パターンと上層回路パターンとを備えるビルドアップ型配線基板が完成する。図26(r)は、上層回路パターンの導通部分に電子部品として半導体素子20を接続した様子を示す。素子20の電極21に固着された半田バンプ22をパッドに接触させ、熱と圧力とにより半田バンプ22を溶融させた後、冷却して半田バンプ22を固化させて素子をビルドアップ型基板に固定する。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した従来の製造方法では、上下の回路パターン間が絶縁性樹脂層7により充填されることとなるため、温度、湿度等の環境変化による影響を受けやすく、基板が伸縮してビルドアップ型基板側のパッドの位置と、半導体素子20の電極21の位置とを合わせることが困難であるという問題がある。
【0009】
この点、伸縮の影響をマージンとして考慮した上で基板の設計をすることも考えられる。この場合、使用材料の品種、ロットの違いによる伸縮率の違いを考慮し、かなりの余裕を持ってマージンを確保しなければならない。しかしながら、素子の小型化、高集積化により、半導体素子の電極ピッチは微細化する傾向にあり、上記のマージンを確保した設計では微細化に対処できないという問題が生じる。
【0010】
また、上記の製造方法では、半導体素子20の電極21上に半田バンプ22を形成する工程が必要となるため、半田バンプを必要としない素子と比較すると製造コストが高く、基板と素子とを組み合わせて構成される電子回路全体のコストが高くなるという問題がある。
【0011】
この発明は、上述した従来技術の問題点に鑑みてなされたものであり、基板側のパッドの位置と半導体素子等の電子部品の電極との位置ずれが生じず、かつ、電子部品の電極に半田バンプを形成する必要のない電子部品一体型多層配線基板およびその製造法方法を提供することを課題
(目的)とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
この発明にかかる電子部品一体型多層基板の製造方法は、基板接続面となる一方の面に電極が形成された電子部品を用いる場合には、電子部品が嵌合する保持穴が形成された治具を用い、保持穴に基板接続面が露出するよう電子部品を嵌合させる設置工程と、電極に第1層間接続部が接続・形成された状態で、基板接続面の層間接続部以外の部分と治具の表面とを絶縁性の第1樹脂層により覆う第1樹脂層形成工程と、第1樹脂層上に、第1層間接続部に接続された第1回路層を形成する第1回路層形成工程と、第1回路層の一部に第2層間接続部が接続・形成された状態で、第2層間接続部以外の部分を絶縁性の第2樹脂層により覆う第2樹脂層形成工程と、第2樹脂層上に、第2層間接続部に接続された第2回路層を形成する第2回路層形成工程と、治具を剥離する段階とを順に含むことを特徴とする。
【0013】
上記の手順によれば、従来とは逆に電子部品を基準にして素子側から層間接続部、樹脂層、回路層を順次積層してゆくため、電子部品と基板側との位置関係を正確に保つことができる。また、層間接続部をメッキ等の手段により形成できるため、電子部品と回路層とを半田で接続するより接続信頼性を高く保つことができる。
【0014】
第1樹脂層形成工程としては、以下の2通りの方法が考えられる。第1は、電極上に第1層間接続部として第1層ポストを最初に形成し、その後、ポストの周囲に第1樹脂層を形成する方法である。第2は、基板接続面の全面と治具の表面とに第1樹脂層を最初に形成し、この樹脂層に電極に達する開口を形成し、形成された開口内に第1層間接続部を形成する方法である。第2の方法では、第1層間接続部を開口を埋める中実のポスト(金属柱)として形成することもできるし、開口の表面に付された膜として形成することもできる。
【0015】
上述の第2の方法を用いる場合、第1回路層形成工程においては、第1層間接続部の形成時に連続して一括して形成された導体層を用いることができる。すなわち、第1層間接続部をメッキで形成する際に、第1樹脂層上にまでもメッキを施して第1層間接続部に連続する状態で導体層を形成することができる。
【0016】
また、この発明にかかる電子部品一体型多層基板の製造方法は、基板接続面となる一方の面にリード若しくはバンプが形成された電子部品を用いる場合には、電子部品が嵌合する保持穴が形成された治具を用い、保持穴にリード若しくはバンプが突出するよう電子部品を嵌合させる設置工程と、基板接続面と治具の表面とを絶縁性の第1樹脂層により覆う第1樹脂層形成工程と、第1樹脂層上に、リード若しくはバンプから成る第1層間接続部に接続された第1回路層を形成する第1回路層形成工程と、第1回路層の一部に第2層間接続部が接続・形成された状態で、第2層間接続部以外の部分を絶縁性の第2樹脂層により覆う第2樹脂層形成工程と、第2樹脂層上に、第2層間接続部に接続された第2回路層を形成する第2回路層形成工程と、治具を剥離する段階とを順に含むことを特徴とする。
【0017】
第2樹脂層形成工程においても、第1樹脂層形成工程における説明と同様に、最初に第2層間接続部としてポストを形成して後に樹脂層を形成する第1の方法と、最初に全面に第2樹脂層を形成してから開口を形成する第2の方法とを選択することができる。また、第2の方法を用いる場合には、第2層間接続部の形成時に連続して一括して形成された導体層を利用して第2回路層を形成することができる。
【0018】
さらに、この発明にかかる電子部品一体型多層基板は、複数の回路層が絶縁性の樹脂層を介して積層された多層のビルドアップ基板と、ビルドアップ基板の表層の回路層に接続された少なくとも1つの電子部品とを備える構造において、電子部品と表層の回路層との間に、両者を電気的に接続する層間接続部が形成され、表層の回路層は、層間接続部以外の部分で電子部品と表層の回路層との間隔にほぼ等しい厚さで形成された絶縁性の樹脂層により覆われ、この樹脂層により電子部品が基板に固定されていることを特徴とする。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、この発明にかかる電子部品一体型多層基板の製造方法の実施形態を説明する。図1は第1の実施形態の各工程、段階を示すフローチャート、図2〜図7は各段階での多層基板の構造を示す断面図である。
【0020】
第1の実施形態は、基板接続面となる一方の面に電極パッドが形成された半導体素子を電子部品として用いる場合に適した方法である。まず、図1に基づいて工程の概略を説明し、その後、各工程について断面図を参照しつつ、より詳細に説明する。
【0021】
第1の実施形態にかかる製造方法は、治具の保持穴に半導体素子を設置する設置工程A(S.1)と、素子および治具の表面を絶縁性の第1樹脂層により覆う第1樹脂層形成工程B(S.2〜S.7)と、第1樹脂層上に第1回路層を形成する第1回路層形成工程C(S.8〜S.12)と、第1回路層の上を絶縁性の第2樹脂層により覆う第2樹脂層形成工程D(S.13〜S.20)と、第2樹脂層上に第2回路層を形成する第2回路層形成工程E(S.21〜S.25)と、治具を剥離する段階F(S.28)とを順に含む。多層基板の回路層が2層の場合には、各工程A〜Fを各一回ずつ経て全行程が終了するが、3層以上の回路層を形成するためには、第2樹脂層形成工程D、第2回路層形成工程Eの部分のみが繰り返し実行される。
【0022】
設置工程Aにおいては、図2(a)に示すように半導体素子30が嵌合する保持穴41が形成された平板状の治具40を用い、電極パッド32が形成された基板接続面31が露出するよう半導体素子30を保持穴41に嵌合させる(S.1)。治具40は完成後には半導体素子30から剥離されるため、その表面、特に保持穴41の内面と表面42とは、剥離性が高いフッ素樹脂等で表面加工されている。なお、この例では、簡単のため電子部品として単一の半導体素子30のみを示しており、保持穴41も単一であるが、複数の電子部品を装着する場合には、各部品に応じて保持穴が形成された治具を用意すればよい。
【0023】
第1樹脂層形成工程Bでは、電極パッド32に第1層間接続部が接続・形成された状態で、基板接続面の層間接続部以外の部分と治具の表面とを絶縁性の第1樹脂層により覆う。この例では、第1樹脂層形成工程Bが、電極パッド32上に第1層間接続部として第1層ポストを形成する段階と、ポストの形成後、その周囲に第1樹脂層を形成する段階とを含む。
【0024】
第1層ポストを形成する段階では、基板接続面31および治具40の表面42とを覆う感光性のレジスト層(メッキレジスト)50を形成し(S.2、図2(b))、このレジスト層50のポスト形成位置に露光・現像のプロセスを介して電極に達する開口50aを形成する(S.3、図2(c))。続いて、この開口50a内にメッキにより第1層ポスト51を形成する(S.4、図3(d))。第1層ポスト51の形成後、レジスト層50は除去される(S.5、図3(e))。なお、メッキの金属としては、銅、ニッケル、金、銀、白金、ロジウム等の金属、あるいはスズと金、ニッケルとリンとの合金等を用いることができる。メッキは電極パッド32への通電が可能であれば電解メッキとすればよいし、それができなければ無電解メッキにより行われる。
【0025】
第1層ポスト51の形成後、これを覆うように治具40の表面全体に第1樹脂層52が形成される(S.6、図3(f))。樹脂材料としては、エポキシ樹脂、BT樹脂等を用いることができ、形成方法としてはスクリーン印刷やカーテンコート法による塗布等任意の手段を用いることができる。ステップS.7では、第1樹脂層52中に埋没した第1層ポスト51の頭部を露出させるため、第1樹脂層52の表面をバフやベルトサンダー等の研磨装置を用いて機械的に研磨する。図4(g)は研磨後の状態を示す。
【0026】
第1回路層形成工程Cでは、第1層ポスト51に接続された状態で第1回路層を形成する。最初に、第1層ポスト51および第1樹脂層52の上に導体層53をメッキにより形成する(S.8、図4(h))。導体層53は、最初は無電解銅メッキにより、続いて形成された銅箔を用いた電解銅メッキにより形成される。続いて、導体層53の上に感光性のレジスト層(エッチングレジスト)を形成し(S.9)、レジスト層を所定のパターンで露光・現像して第1回路層の導通部分にレジスト層を残す(S.10)。そして、レジスト層に覆われていない領域の導体層53をエッチングにより除去し(S.11)、レジスト層を除去することにより導体層53の必要部分のみを残し、これにより第1回路層を形成する(S.12、図4(i))。
【0027】
第2樹脂層形成工程Dは、第1回路層53の一部に第2層間接続部が接続・形成された状態で、第2層間接続部以外の部分を絶縁性の第2樹脂層により覆う工程であり、第1回路層53上に第2層間接続部として第2層ポストを形成する段階と、このポストの形成後、周囲に第2樹脂層を形成する段階とを含む。
第2層ポストを形成する段階においては、第1回路層53および第1樹脂層52上に給電膜54を形成し(S.13、図5(j))、この給電膜54上に感光性のレジスト層(メッキレジスト)55を形成する(S.14)と共に、レジスト層55のポスト形成位置に露光・現像のプロセスを介して第1回路層53に達する開口55aを形成する(S.15、図5(k))。
【0028】
続いて、給電膜54に通電して電解メッキを行うことにより、開口55a内に第2層ポスト56を形成し(S.16、図5(l))、レジスト層55を除去する(S.17)すると共に、第2層ポスト56をマスクに給電膜54をエッチングする(S.18、図6(m))。次に、形成された第2層ポスト56および第1回路層53を覆うように第1樹脂層52上に第2樹脂層57を形成し(S.19、図6(n))、表面を研磨することにより第2層ポスト56の頭出しをする(S.20、図6(o))。
【0029】
第2回路層形成工程Eは、第2樹脂層57上に第2層ポスト56に接続された第2回路層を形成する工程であり、導体層を形成する段階と、リソグラフィの手法によりエッチングする段階とを含む。最初に無電解銅メッキと電解銅メッキとにより第2樹脂層57上に第2層ポスト56に接続される導体層58が形成される(S.21、図7(p))。この導体層58の上に感光性のレジスト層(エッチングレジスト)を形成し(S.22)、レジスト層を所定のパターンで露光・現像して第2回路層の導通部分にレジスト層を残し(S.23)、レジスト層に覆われていない領域の導体層58をエッチングにより除去する(S.24)。エッチング後、レジスト層を除去することにより導体層58の必要部分のみが残り、これにより第2回路層が形成される(S.25、図7(q))。
【0030】
上記の第2樹脂層形成工程Dおよび第2回路層形成工程Eは、多層回路基板の層数が2層である場合には1回で終了するが、3層以上を要する場合にはステップS.26の分岐からステップS.27でnをインクリメントし、必要に応じた回数分繰り返し実行される。必要な層数の樹脂層および回路層の形成が終了すると、治具40を剥離する段階F(S.28、図7(r))が実行され、半導体素子30に対して多層の回路が形成された多層基板が一体として形成され、電子部品一体型基板が完成する。
完成した電子部品一体型基板は、半導体素子20と表層(第1回路層53)との間に、両者を電気的に接続する層間接続部として第1層ポスト51が形成され、第1回路層53は、第1層ポスト51以外の部分で半導体素子20と第1回路層53との間隔にほぼ等しい厚さで形成された絶縁性の樹脂層52により覆われ、この樹脂層52により電子部品20が基板に固定されている。
【0031】
第1の実施形態によれば、半導体素子30を基礎として多層回路基板を積層することとしたため、従来のように形成された多層基板に半導体素子を取り付ける場合と比較して、基板を構成する樹脂の伸縮に左右されずに素子と基板側の回路とを正確に接続することができる。したがって、素子と回路との接合に樹脂の伸縮を考慮したマージンを大きく確保する必要がなく、電極ピッチの微細化にも容易に対応することが可能となる。また、電極パッド32と各回路層との接続にメッキにより形成されたポストを利用することにより、従来の半田による接続と比較して、より強固で確実な電気的接続を得ることができる。
【0032】
次に、第2の実施形態について説明する。第2の実施形態は、上述した第1の実施形態の工程の一部を変更した変形例であり、図8に各工程、段階のフローチャート、図9に第2の実施形態に特有な段階における多層基板の構造の断面図が示されている。他の工程、段階における構造は第1の実施形態と同様である。
【0033】
第2の実施形態にかかる製造方法は、治具の保持穴に半導体素子を設置する設置工程A(S.51)と、素子および治具の表面を絶縁性の第1樹脂層により覆う第1樹脂層形成工程B(S.52〜S.57)と、第1樹脂層上に第1回路層を形成する第1回路層形成工程C(S.58〜S.62)と、第1回路層の上を絶縁性の第2樹脂層により覆う第2樹脂層形成工程D(S.63〜S.69)と、第2樹脂層上に第2回路層を形成する第2回路層形成工程E(S.70〜S.74)と、治具を剥離する段階F(S.78)とを順に含む。
【0034】
設置工程Aおよび第1樹脂層形成工程Bは、第1の実施形態と同一である。これらの工程を終了した段階では、基板は図4(g)に示した状態となっている。
【0035】
第1回路層形成工程Cでは、第1層ポスト51に接続された状態で第1回路層を形成する。この例では、図9(a)に示すように、第1樹脂層52上にメッキ用の給電膜60を形成し(S.58)、この給電膜60上に感光性のレジスト層(メッキレジスト)61を形成する(S.59)。そして、このレジスト層61を所定のパターンで露光・現像して第1回路層の絶縁部分に対応させてレジスト層を残し(S.60)、レジスト層現像後に給電膜60に通電して導体層53を電解メッキにより形成する(S.61、図9(b))。導体層53を形成した後、レジスト層61を除去する(S.62)。なお、この段階で導体層53をマスクに給電膜60を除去してもよいが、この例では第2樹脂層形成工程D中で第2層ポストの形成に給電膜60を利用し、ポスト形成後に除去することとしている。
【0036】
第2樹脂層形成工程Dは、第2層ポストを形成する段階と、このポストの形成後、周囲に第2樹脂層を形成する段階とを含む。まず、図9(c)に示すように、第1回路層53および給電膜60の上に感光性のレジスト層(メッキレジスト)55を形成し(S.63)、所定のパターンで露光現像することによりレジスト層55のポスト形成位置に第1回路層53に達する開口55aを形成する(S.64)。続いて、給電膜60に通電して電解メッキを行うことにより、開口55a内に第2層ポスト56を形成し(S.65)、レジスト層55を除去し(S.66)、続けて第1回路層53をマスクに給電膜60を過酸化水素配合硫酸水溶液等でエッチングする(S.67、図9(d))。この段階で第1回路層53を形成するために用いられた給電膜60が除去される。次に、図6(n)、(o)に示される第1の実施形態と同様に、形成された第2層ポスト56および第1回路層53を覆うように第1樹脂層52上に第2樹脂層57を形成し(S.68)、表面を研磨することにより第2層ポスト56の頭出しをする(S.69)。
【0037】
第2回路層形成工程Eも、第1回路層形成工程Cと同一であり、最初に給電膜を形成し(S.70)、その上にレジスト層(メッキレジスト)を形成して露光・現像し(S.71,72)、レジスト層に形成された開口の部分に導体層を電解メッキにより形成する(S.73)。導体層の形成後、レジスト層を除去し(S.74)する。3層以上の回路層を形成する場合には、次の層のポスト形成に利用するために給電膜を残したまま、ステップS.75の分岐からステップS.76でnをインクリメントし、第2樹脂層形成工程Dおよび第2回路層形成工程Eを実行する。必要な層数の樹脂層および回路層の形成が終了すると、最後の第2回路層形成工程EのステップS.70で形成された給電膜をエッチングにより除去し(S.77)、治具40を剥離する段階F(S.78)が実行され、半導体素子30に対して多層の回路が形成された多層基板が一体として形成され、電子部品一体型基板が完成する。
【0038】
第2の実施形態では、回路の導体層を形成する前に給電膜を形成するため、導体層を電解メッキにより形成することができ、しかも、最終的に必要となる部分にのみ導体層を形成することができるため形成後にエッチングの必要がなく、第1の実施形態と比較すると導体層の形成にかかる時間を短縮することができる。
【0039】
図10は第3の実施形態の各工程、段階を示すフローチャート、図11〜図14は各段階での多層基板の構造を示す断面図である。第3の実施形態にかかる製造方法も、図10に示されるように、治具の保持穴に半導体素子を設置する設置工程A(S.101)と、素子および治具の表面を絶縁性の第1樹脂層により覆う第1樹脂層形成工程B(S.102〜S.104)と、第1樹脂層上に第1回路層を形成する第1回路層形成工程C(S.105〜S.109)と、第1回路層の上を絶縁性の第2樹脂層により覆う第2樹脂層形成工程D(S.110〜S.112)と、第2樹脂層上に第2回路層を形成する第2回路層形成工程E(S.113〜S.117)と、治具を剥離する段階F(S.120)とを順に含む。
【0040】
設置工程Aにおいては、図11(a)に示すように、基板接続面31が露出するよう半導体素子30を治具40の保持穴41に嵌合させる(S.1)。治具40の構成等は第1の実施形態と同一である。
【0041】
第1樹脂層形成工程Bでは、電極パッド32に第1層間接続部が接続・形成された状態で、基板接続面の層間接続部以外の部分と治具の表面とを絶縁性の第1樹脂層により覆う。この例では、第1樹脂層形成工程Bが、基板接続面31の全面と治具40の表面とに第1樹脂層52を形成する段階(S.102、図11(b))と、第1樹脂層52に半導体素子30の電極パッド32に達する開口52aを形成する段階(S.103、図11(c))と、開口52a内に第1層間接続部として第1層ポスト51を形成する段階(S.103、図12(d))とを含む。
【0042】
第1樹脂層52は、絶縁性を持つ感光性エポキシ樹脂等が利用され、この場合には露光、現像による化学的プロセスにより開口52aを形成することができる。ただし、必ずしも感光性樹脂を用いることには限られず、非感光性の任意の絶縁樹脂を用い、レーザーカッター等により物理的プロセスにより開口52aを形成してもよい。開口の形成後、第1樹脂層52を熱硬化させる。
【0043】
第1層ポスト51は、無電解メッキにより、あるいは途中から電解メッキを併用して形成される。この際、開口52aを埋めて析出した金属が第1層ポスト51となり、開口52aの周囲で第1樹脂層52の表面に析出した部分が第1回路層を形成するための導体層53となる。すなわち、この例では、第1樹脂層形成工程Bの第1層ポスト形成のステップS.104と、第1回路層形成工程Cの導体層形成のステップS.105とが工程上は連続して実行される。
【0044】
第1回路層形成工程Cでは、第1層ポスト51に接続された状態で第1回路層を形成する。上記のように、第1層ポスト51の形成に連続して導体層53が形成され(S.105、図12(d))、その上に感光性のレジスト層(エッチングレジスト)を形成し(S.106)、レジスト層を所定のパターンで露光・現像して第1回路層の導通部分にレジスト層を残し(S.107)、レジスト層に覆われていない領域の導体層53をエッチングにより除去する(S.108)。エッチング後、レジスト層を除去することにより導体層53の必要部分のみが残り、これにより第1回路層53が形成される(S.109、図12(e))。
【0045】
なお、第1層間接続部としては、上記のような開口52aを埋めるポスト51のみでなく、図12(d-2)に示すように開口52aの表面に形成された膜51aを用いてヴァイアホール(Via Hole)型の接続形態を用いることもできる。
【0046】
第2樹脂層形成工程Dは、第1回路層53の一部に第2層間接続部が接続・形成された状態で、第2層間接続部以外の部分を絶縁性の第2樹脂層により覆う工程であり、第1回路層53上に第2樹脂層57を形成する段階(S.110、図13(f))と、第2樹脂層57に第1回路層53の一部に達する開口57aを形成する段階(S.111、図13(g))と、開口57a内に第2層間接続部として第2層ポスト56を形成する段階(S.112、図13(h))とを含む。
【0047】
第2樹脂層57も、第1樹脂層52と同様に感光性エポキシ樹脂であり、露光、現像により開口57aが形成される。また、第2層ポスト56は、無電解メッキにより、あるいは途中から電解メッキを併用して形成される。この際、開口57aを埋めて析出した金属が第2層ポスト56となり、開口57aの周囲で第2樹脂層57の表面に析出した部分が第2回路層を形成するための導体層58となる。すなわち、この例では、第2樹脂層形成工程Dの第2層ポスト形成のステップS.112と、第2回路層形成工程Eの導体層形成のステップS.113とが工程上は連続して実行される。
【0048】
第2回路層形成工程Eでは、第2層ポスト56に接続された状態で第2回路層を形成する。上記のように、第2層ポスト56の形成に連続して導体層58が形成され(S.113、図13(h))、その上に感光性のレジスト層(エッチングレジスト)を形成し(S.114)、レジスト層を所定のパターンで露光・現像して第1回路層の導通部分にレジスト層を残し(S.115)、レジスト層に覆われていない領域の導体層58をエッチングにより除去する(S.116)。エッチング後、レジスト層を除去することにより導体層58の必要部分のみが残り、これにより第2回路層58が形成される(S.117、図14(i))。なお、第2層間接続部としても、図12(d-2)に示される第1層間接続部と同様に、ヴァイアホール(Via Hole)型の接続形態を用いることができる。
【0049】
3層以上の回路層を形成する場合には、ステップS.118の分岐からステップS.119でnをインクリメントし、第2樹脂層形成工程Dおよび第2回路層形成工程Eを実行する。必要な層数の樹脂層および回路層の形成が終了すると、治具40を剥離する段階F(S.120)が実行され、半導体素子30に対して多層の回路が形成された多層基板が一体として形成され、電子部品一体型基板が完成する。
【0050】
第3の実施形態によれば、絶縁性の樹脂層を最初に形成し、これに開口を形成して層間接続部を形成する工程としたため、最初にポストを形成してから樹脂層を形成する第1、第2の実施形態より工程数を削減して作業の効率化を図ることができる。また、層間接続部であるポストと回路層の導体とを連続した工程で形成することができるため、これらを別個の工程として行うよりも作業が容易となる。
【0051】
次に、第4の実施形態について説明する。第4の実施形態は、上述した第3の実施形態の工程の一部を変更した変形例であり、図15に各工程、段階のフローチャート、図16に第4の実施形態に特有な段階における多層基板の構造の断面図が示されている。他の工程、段階における構造は第3の実施形態と同様である。
【0052】
第4の実施形態にかかる製造方法は、治具の保持穴に半導体素子を設置する設置工程A(S.151)と、素子および治具の表面を絶縁性の第1樹脂層により覆う第1樹脂層形成工程B(S.152〜S.157)と、第1樹脂層上に第1回路層を形成する第1回路層形成工程C(S.158〜S.160)と、第1回路層の上を絶縁性の第2樹脂層により覆う第2樹脂層形成工程D(S.161〜S.166)と、第2樹脂層上に第2回路層を形成する第2回路層形成工程E(S.167〜S.1694)と、治具を剥離する段階F(S.172)とを順に含む。
【0053】
設置工程Aと第1樹脂層形成工程Bの最初の2ステップとは、第3の実施形態と同一である。これらの工程を終了した段階では、基板は図11(c)に示した状態となっている。
【0054】
次に第4の実施形態では、図16(a)に示すように、第1樹脂層52に形成された開口の内部および第1樹脂層52の表面に給電膜60を形成し(S.154)、その上に感光性のレジスト層(メッキレジスト)を形成する(S.155)。そして、所定のパターンにしたがってレジスト層を露光、現像することにより第1回路層の絶縁部分に応じてレジスト層61を残し(S.156)、現像後給電膜60に通電して電解メッキを行う。この際、図16(b)に示すように、開口を埋めて析出した金属が第1層ポスト51となり、開口の外側で給電膜60の表面に析出した部分が第1回路層を形成するための導体層53となる。すなわち、この例では、第1樹脂層形成工程Bの第1層ポスト形成のステップS.157と、第1回路層形成工程Cの導体層形成のステップS.158とが工程上は連続して実行される。
【0055】
第1回路層形成工程Cでは、第1層ポスト51に接続された状態で第1回路層を形成する。上記のように、第1層ポスト51の形成に連続して導体層53を形成し(S.158)、レジスト層61を除去し(S.159)、導体層53をマスクにして給電膜60をエッチングにより除去する(S.160)。
【0056】
第2樹脂層形成工程Dは、第1樹脂層形成工程Bと同一であり、最初に第1回路層53を覆うように第2樹脂層を形成し(S.161)、これに開口を形成する(S.162)。続いて、給電膜を開口内部を含む全面に形成し(S.163)、レジスト層(メッキレジスト)を形成して露光・現像する(S.164,S.165)。そして、給電膜に通電して電解メッキを行うことにより、第2層ポストを形成すると共に(S.166)、第2回路層に用いられる導体層を連続して形成する(S.167)。
【0057】
第2回路層形成工程Eも、第1回路層形成工程Cと同一であり、第2層ポストに連続して導体層を形成した後、レジスト層を除去し(S.168)、導体層をマスクにして給電膜をエッチングにより除去する(S.169)。3層以上の回路層を形成する場合には、ステップS.170の分岐からステップS.171でnをインクリメントし、第2樹脂層形成工程Dおよび第2回路層形成工程Eを実行する。必要な層数の樹脂層および回路層の形成が終了すると、治具40を剥離する段階F(S.172)が実行され、半導体素子30に対して多層の回路が形成された多層基板が一体として形成され、電子部品一体型基板が完成する。
【0058】
第4の実施形態では、給電膜を利用してポストと導体層とを電解メッキにより形成することができ、しかも、最終的に必要となる部分にのみ導体層を形成することができるため後に導体層をエッチングする必要がなく、第3の実施形態と比較すると導体層の形成にかかる時間を短縮することができる。
【0059】
図17は第5の実施形態の各工程、段階を示すフローチャート、図18〜図22は各段階での多層基板の構造を示す断面図である。上述した4つの実施形態は、単一の半導体素子30に対して基板を積層する場合を示しているが、実用的には基板上には多数の部品が搭載される。また、搭載される部品の中には、電極パッドに半田バンプやリードが形成された半導体素子、あるいは、コンデンサ等のリード付きの部品が用いられる場合も多い。このような部品を利用する場合には、上記の実施形態のように第1層間接続部として第1層ポストを形成する必要がない。第5の実施形態は、このような基板接続面となる一方の面にリード若しくはバンプが形成された電子部品を用いる場合に適した方法である。
【0060】
第5の実施形態の製造方法は、治具の保持穴にリード若しくはバンプが突出するよう電子部品を嵌合させる設置工程A(S.201)と、部品および治具の表面とを絶縁性の第1樹脂層により覆う第1樹脂層形成工程B(S.202,203)と、第1樹脂層上に第1回路層を形成する第1回路層形成工程C(S.204〜S.209)と、第1回路層の上を第2樹脂層により覆う第2樹脂層形成工程D(S.210〜S.217)と、第2樹脂層上に第2回路層を形成する第2回路層形成工程E(S.218〜S.222)と、治具を剥離する段階F(S.225)とを順に含む。多層基板の回路層が2層の場合には、各工程A〜Fを各一回ずつ経て全行程が終了するが、3層以上の回路層を形成するためには、第2樹脂層形成工程D、第2回路層形成工程Eの部分のみが繰り返し実行される。
【0061】
設置工程Aにおいては、図18(a)に示すように、電極パッドに半田バンプ33aが形成された半導体素子33、リード34aを有するコンデンサ34、リード35aが形成された半導体素子35を、それぞれバンプおよびリードが突出するように治具45の保持穴に嵌合させる(S.201)。
【0062】
第1樹脂層形成工程Bでは、各部品と治具の表面とを絶縁性の第1樹脂層52により覆い(S.202、図18(b))、その後、全てのバンプ、リードが第1樹脂層52の表面に現るまでリード、樹脂層を研磨する(S.203、図18(c))。各部品のバンプおよびリードは長さが異なるため、第1樹脂層52を形成した段階では、半導体素子33の半田バンプ33aと半導体素子35のリード35aとは第1樹脂層52内に埋没し、コンデンサ34のリード34aは第1樹脂層52から突出している。これをバフやベルトサンダー等の装置により機械研磨して高さを揃え、すべてのリード、バンプを表面に露出させる。
【0063】
上記の場合、第1樹脂層52は、カーテンコート法等の非接触の方法で塗布することが望ましい。ただし、リード、バンプの高さが全て同一である場合、あるいは、第1樹脂層52を形成する前にリードの高さを切りそろえた場合には、スクリーン印刷等の簡易な塗布方法を用いることもできる。
【0064】
第1回路層形成工程Cでは、研磨後の表面に第1回路層を形成するための導体層53を無電解メッキにより、あるいは途中から電解メッキを併用して形成し(S.204、図19(d))、この上に感光性のレジスト層(エッチングレジスト)を形成し(S.205)、これを所定のパターンで露光・現像して第1回路層の導通部分にレジスト層を残す(S.207)。そして、レジスト層に覆われていない領域の導体層53をエッチングにより除去し(S.208)、レジスト層を除去することにより導体層53の必要部分のみを残し、これにより第1回路層を形成する(S.209、図19(e))。なお、第1回路層形成工程Cでは、前述の第2の実施形態で説明したように、最初に給電膜を一面に形成し、その上にレジスト層(メッキレジスト)を形成し、これを露光・現像することにより導体層を形成する部分のレジスト層を除去し、電解メッキで導体層を必要部分に形成した後、レジスト層、給電膜を除去する手法を用いることもできる。
【0065】
第2樹脂層形成工程Dは、第1回路層53の一部に第2層間接続部が接続・形成された状態で、第2層間接続部以外の部分を絶縁性の第2樹脂層により覆う工程であり、第1回路層53上に第2層間接続部として第2層ポストを形成する段階と、このポストの形成後、周囲に第2樹脂層を形成する段階とを含む。第2層ポストを形成する段階においては、第1回路層53および第1樹脂層52上に給電膜54を形成し(S.210、図20(f))、この給電膜54上に感光性のレジスト層(メッキレジスト)55を形成する(S.211)と共に、レジスト層55のポスト形成位置に露光・現像のプロセスを介して第1回路層53に達する開口55aを形成する(S.212、図20(g))。
【0066】
続いて、給電膜54に通電して電解メッキを行うことにより、開口55a内に第2層ポスト56を形成し(S.213、図20(h))、レジスト層55を除去する(S.214)すると共に、第2層ポスト56をマスクに給電膜54をエッチングする(S.215、図21(i))。次に、形成された第2層ポスト56および第1回路層53を覆うように第1樹脂層52上に第2樹脂層57を形成し(S.216、図21(j))、表面を研磨することにより第2層ポスト56の頭出しをする(S.217、図21(k))。
【0067】
第2回路層形成工程Eでは、第2層ポスト56に接続された状態で第2回路層を形成する。上記のように、第2樹脂層57の表面に第2層ポスト56が露出した状態で、第2樹脂層57の上に第2回路層となる導体層58を形成する(S.218、図22(l))。そして、導体層58の上に感光性のレジスト層(エッチングレジスト)を形成し(S.219)、レジスト層を所定のパターンで露光・現像して第2回路層の導通部分にレジスト層を残し(S.220)、レジスト層に覆われていない領域の導体層58をエッチングにより除去する(S.221)。エッチング後、レジスト層を除去することにより導体層58の必要部分のみが残り、これにより第2回路層58が形成される(S.222、図22(m))。
【0068】
3層以上の回路層を形成する場合には、ステップS.223の分岐からステップS.224でnをインクリメントし、第2樹脂層形成工程Dおよび第2回路層形成工程Eを実行する。必要な層数の樹脂層および回路層の形成が終了すると、治具45を剥離する段階F(S.225、図22(n))が実行され、電子部品33,34,35に対して多層の回路が形成された多層基板が一体として形成され、電子部品一体型基板が完成する。
【0069】
第5の実施形態によれば、リードやバンプを有する電子部品を利用した場合に、これらのリードやバンプを基準に回路層を形成することができ、完成した基板に電子部品を固定する場合と比較して、基板を構成する樹脂の伸縮に左右されずに素子と基板側の回路とを正確に接続することができる。
【0070】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明の製造方法によれば、電子部品を基準にして素子側から層間接続部、樹脂層、回路層を順次積層してゆくため、電子部品と基板側との位置関係を正確に保つことができる。したがって、素子と回路との接合に樹脂の伸縮を考慮したマージンを大きく確保する必要がなく、電極ピッチの微細化にも容易に対応することが可能となる。また、層間接続部をメッキ等の手段により形成できるため、電子部品と回路層とを半田で接続するより接続信頼性を高く保つことができる。
【0071】
請求項2のように、電極上に第1層間接続部として第1層ポストを最初に形成し、その後、ポストの周囲に第1樹脂層を形成する方法を採用した場合には、工程数は多くなるが、後に樹脂層に開口を形成する必要がないため、樹脂の種類が限定されないという利点がある。他方、請求項3のように、基板接続面の全面と治具の表面とに第1樹脂層を最初に形成し、この樹脂層に電極に達する開口を形成し、形成された開口内に第1層間接続部を形成する方法を採用した場合には、例えば感光性の樹脂を用い、あるいはレーザーカッター等で開口を形成する必要はあるが、工程数を請求項2の場合より少なくすることができ、製造工程の時間短縮を図ることが可能となる。
【0072】
なお、請求項3の方法において、請求項4のように第1層間接続部の形成時に連続して導体層を形成することとすれば、さらに実際の工程数を削減すると共に、これらを別個の工程として行うよりも工程が容易となる。
【0073】
電極パッドに半田バンプやリードが形成された半導体素子、あるいは、コンデンサ等のリード付きの部品が用いられる場合には、請求項5の方法を用いることにより、これらのリードやバンプを基準に回路層を形成することができ、完成した基板に電子部品を固定する場合と比較して、基板を構成する樹脂の伸縮に左右されずに素子と基板側の回路とを正確に接続することができる。
【0074】
第2樹脂層形成工程においても、請求項6のように、最初に第2層間接続部としてポストを形成して後に樹脂層を形成する方法と、請求項7のように、最初に全面に第2樹脂層を形成してから開口を形成する方法とを選択することができる。請求項7の方法では、請求項8のように第2層間接続部の形成時に連続して導体層を形成することもできる。請求項6の方法では、樹脂の種類が限定されないという利点、請求項7の方法では工程数を削減することができるという利点、請求項8の方法では請求項7の方法よりさらに少なくすることができるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1の実施形態にかかる電子部品一体型多層基板の製造方法を示すフローチャート。
【図2】 第1の実施形態の方法の各段階(その1)を示す基板の断面図。
【図3】 第1の実施形態の方法の各段階(その2)を示す基板の断面図。
【図4】 第1の実施形態の方法の各段階(その3)を示す基板の断面図。
【図5】 第1の実施形態の方法の各段階(その4)を示す基板の断面図。
【図6】 第1の実施形態の方法の各段階(その5)を示す基板の断面図。
【図7】 第1の実施形態の方法の各段階(その6)を示す基板の断面図。
【図8】 第2の実施形態にかかる電子部品一体型多層基板の製造方法を示すフローチャート。
【図9】 第2の実施形態の方法の特徴的な段階を示す基板の断面図。
【図10】 第3の実施形態にかかる電子部品一体型多層基板の製造方法を示すフローチャート。
【図11】 第3の実施形態の方法の各段階(その1)を示す基板の断面図。
【図12】 第3の実施形態の方法の各段階(その2)を示す基板の断面図。
【図13】 第3の実施形態の方法の各段階(その3)を示す基板の断面図。
【図14】 第3の実施形態の方法の各段階(その4)を示す基板の断面図。
【図15】 第4の実施形態にかかる電子部品一体型多層基板の製造方法を示すフローチャート。
【図16】 第4の実施形態の方法の特徴的な段階を示す基板の断面図。
【図17】 第5の実施形態にかかる電子部品一体型多層基板の製造方法を示すフローチャート。
【図18】 第5の実施形態の方法の各段階(その1)を示す基板の断面図。
【図19】 第5の実施形態の方法の各段階(その2)を示す基板の断面図。
【図20】 第5の実施形態の方法の各段階(その3)を示す基板の断面図。
【図21】 第5の実施形態の方法の各段階(その4)を示す基板の断面図。
【図22】 第5の実施形態の方法の各段階(その5)を示す基板の断面図。
【図23】 従来の電子部品一体型多層基板の製造方法の各段階(その1)を示す基板の断面図。
【図24】 従来の電子部品一体型多層基板の製造方法の各段階(その2)を示す基板の断面図。
【図25】 従来の電子部品一体型多層基板の製造方法の各段階(その3)を示す基板の断面図。
【図26】 従来の電子部品一体型多層基板の製造方法の各段階(その4)を示す基板の断面図。
【符号の説明】
30 半導体素子
40 治具
51 第1層ポスト
52 第1樹脂層
53 第1回路層
56 第2層ポスト
57 第2樹脂層
58 第2回路層
Claims (8)
- 基板接続面となる一方の面に電極が形成された少なくとも1つの電子部品と、該電子部品が取り付けられる多層のビルドアップ基板とから構成される電子部品一体型多層基板の製造方法において、
前記電子部品が嵌合する保持穴が形成された治具を用い、前記保持穴に前記基板接続面が露出するよう前記電子部品を嵌合させる設置工程と、
前記電極に第1層間接続部が接続・形成された状態で、前記基板接続面の前記層間接続部以外の部分と前記治具の表面とを絶縁性の第1樹脂層により覆う第1樹脂層形成工程と、
前記第1樹脂層上に、前記第1層間接続部に接続された第1回路層を形成する第1回路層形成工程と、
前記第1回路層の一部に第2層間接続部が接続・形成された状態で、該第2層間接続部以外の部分を絶縁性の第2樹脂層により覆う第2樹脂層形成工程と、
前記第2樹脂層上に、前記第2層間接続部に接続された第2回路層を形成する第2回路層形成工程と、
前記治具を剥離する段階とを順に含むことを特徴とする電子部品一体型多層基板の製造方法。 - 前記第1樹脂層形成工程は、前記電極上に第1層間接続部として第1層ポストを形成する段階と、前記ポストの形成後、その周囲に前記第1樹脂層を形成する段階とを含むことを特徴とする請求項1に記載の電子部品一体型多層基板の製造方法。
- 前記第1樹脂層形成工程は、前記基板接続面の全面と前記治具の表面とに前記第1樹脂層を形成する段階と、前記第1樹脂層に前記電極に達する開口を形成する段階と、前記開
口内に前記第1層間接続部を形成する段階とを順に含むことを特徴とする請求項1に記載の電子部品一体型多層基板の製造方法。 - 前記第1回路層形成工程では、前記第1層間接続部の形成時に連続して一括して形成された導体層を用いて前記第1回路層を形成することを特徴とする請求項3に記載の電子部品一体型多層基板の製造方法。
- 基板接続面となる一方の面にリード若しくはバンプが形成された少なくとも1つの電子部品と、該電子部品が取り付けられる多層のビルドアップ基板とから構成される電子部品一体型多層基板の製造方法において、
前記電子部品が嵌合する保持穴が形成された治具を用い、前記リード若しくはバンプが前記保持穴から突出するよう前記電子部品を前記保持穴に嵌合させる設置工程と、
前記基板接続面と前記治具の表面とを絶縁性の第1樹脂層により覆う第1樹脂層形成工程と、
前記第1樹脂層上に、前記リード若しくはバンプから成る第1層間接続部に接続された第1回路層を形成する第1回路層形成工程と、
前記第1回路層の一部に第2層間接続部が接続・形成された状態で、該第2層間接続部以外の部分を絶縁性の第2樹脂層により覆う第2樹脂層形成工程と、
前記第2樹脂層上に、前記第2層間接続部に接続された第2回路層を形成する第2回路層形成工程と、
前記治具を剥離する段階とを順に含むことを特徴とする電子部品一体型多層基板の製造方法。 - 前記第2樹脂層形成工程は、前記第1回路層上に第2層間接続部としてポストを形成する段階と、前記ポストの形成後、その周囲に前記第2樹脂層を形成する段階とを含むことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の電子部品一体型多層基板の製造方法。
- 前記第2樹脂層形成工程は、前記第1回路層を覆って前記第1樹脂層の全面に前記第2樹脂層を形成する段階と、前記第2樹脂層に前記第1回路層に達する開口を形成する段階と、前記開口内に前記第2層間接続部を形成する段階とを順に含むことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の電子部品一体型多層基板の製造方法。
- 前記第2回路層形成工程では、前記第2層間接続部の形成時に連続して一括して形成された導体層を用いて前記第2回路層を形成することを特徴とする請求項7に記載の電子部品一体型多層基板の製造方法。
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