JP4056865B2 - 鋳物砂の再生方法およびその再生砂を用いた鋳型の製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、鋳物砂として合成ムライト砂、粘結剤に水溶性フェノール樹脂、硬化剤に有機エステル化合物を使用して得られた鋳型からの回収砂に、熱を加えて効率的に焙焼再生する方法に属するものである。また、この再生した鋳物砂を使用して鋳型を製造する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
有機常温鋳型製造方法は、ガス硬化性鋳型製造方法(コールドボックス法)と自硬性鋳型製造方法(ノーベーク法)に大別される。自硬性鋳型製造方法においては、近年水溶性フェノール樹脂を粘結剤として使用し、有機エステルによって硬化させて鋳型を製造する方法が、鋳物の品質や作業環境に優れているとして、鋳造業界でも良好な実績を挙げている。水溶性フェノール樹脂を粘結剤として使用する鋳物の製造方法は、まず粘結剤である水溶性フェノール樹脂と硬化剤である有機エステル化合物と鋳物砂(粒状耐火性骨材)をミキサーで混合後、粘結剤と硬化剤で覆われた鋳物砂を、鋳型製造用の型枠内に充填し、常温で硬化させ最後に抜型して鋳造用の鋳型を製造するものである(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
また、鋳型の製造に使用する鋳物砂も、従来から多く使用されてきた珪砂、ジルコン砂、クロマト砂、オリビン砂等の欠点を補う目的で、人工的に調製された鋳物砂が工業的に使用されており、具体的には合成ムライト砂等が挙げられる。この合成ムライト砂には、熱膨張量が少ない、耐火度が高い、球状であるという特徴がある(例えば、特許文献2参照)。従って、水溶性フェノール樹脂を粘結剤に使用し、鋳物砂に合成ムライト砂を使用して鋳型を製造することにより、鋳物品質や作業環境に優れるのはもちろん、耐火物の硬度が高いことや熱衝撃に強いこと(例えば、特許文献2参照)が、鋳物砂の回収、再生に高い歩留まりを実現し、産業廃棄物の廃棄量を減少させることが可能となる。
【0004】
一般に鋳型に使用された砂の再生方法としては、機械的、湿式、熱的方法がある。合成ムライト砂の再生方法としては、砂に熱的方法を行った後にさらに機械的方法を行う方法(例えば、特許文献3参照)が挙げられる。また、熱的方法のみでは、回収した砂の予備粉砕を行わず、砂の流動を行わないで加熱再生を行い、効率化および省力化を向上させた方法が挙げられる(例えば、特許文献4参照)。また、その他の方法として、砂の再生における再生度合いを管理する方法が挙げられ、消失した活性粘土分に相当する粘結剤量を演算する方法(例えば、特許文献5参照)、焙焼炉で砂を焙焼した後にリクレーマーで再生処理した砂の2因子以上(例えばAl23%、見掛け密度、強熱減量等)を計測し、得られた計測値に基づいて多変量解析法またはファジイ推論により混練砂の抗折強度を予測して再生条件を調節する方法(例えば、特許文献6参照)等が挙げられる。
【0005】
【特許文献1】
特開昭58−154433号公報(第3〜6頁)
【特許文献2】
特開平5−169184号公報(第3〜4頁)
【特許文献3】
特開平6−154941号公報(第3頁)
【特許文献4】
特開2000−61578号公報(第4〜5頁、図1〜図10)
【特許文献5】
特開昭61−150740号公報(第2〜3頁、図1〜図3)
【特許文献6】
特開平6−210394号公報(第2〜4頁、図1〜図5)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
水溶性フェノール樹脂を使用した合成ムライト砂の再生には、機械的方法、熱的方法または両方を併用する方法等が取られている。しかし、摩擦や研磨という機械的方法では、砂に付着している残留有機物の付着力が強いことや、合成ムライト砂が球状であるため摩擦力が充分に作用しないことにより、充分に残留有機物を取り除くことができず、その再生砂を使用した鋳型の強度が低下する傾向にある。それを解消するためには、新砂を補給するか、あるいは粘着剤量を増加させる等の非効率な方法を取らざるを得なかった。また、熱的方法では、流動焙焼法や非流動的焙焼法が挙げられるが、どちらの方法も砂に付着している残留有機物を消失させるため、合成ムライト砂の再生では有効な方法である。ただし、熱的方法は大量のエネルギーを使用するので、エネルギーの使用量を低減させなければならないという課題を有しており、その課題解決には様々な工夫がなされてきた。その一つとして、熱的方法と機械方法を併用することが挙げられるが、再生方法が複雑になり、また工程も長くなるため、エネルギーの効率化の点で十分とはいえない。また、その他の有用な方法として、砂の再生度合いを管理することによって、エネルギーの使用量を必要最小限にとどめるという方法が挙げられ、その管理方法には、前述した方法が挙げられるが、設備の効率化、簡略化および省力化等の点から、より簡便な管理方法が求められている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
従って、本発明は、合成ムライト砂に粘結剤として水溶性フェノール樹脂、硬化剤に有機エステル化合物を使用して得られた鋳型から回収された鋳物砂を熱的に再生する際に、その再生度合いをより簡便な方法で管理する方法、および前記管理方法で再生した合成ムライト砂を使用した鋳造用鋳型の製造方法を提供することにより、前述した課題を解決することを可能にしたものである。
【0008】
すなわち、本発明は、1.鋳物砂として合成ムライト砂を使用し、かつ水溶性フェノール樹脂を粘結剤に使用し、有機エステル化合物によって硬化させて得られた鋳型からの回収砂を加熱処理によって再生する際に、砂の再生度合いを管理する値として、JACT鋳物砂試験法S−3「鋳物砂のpH試験法」によるpH測定値を用い、その値を9.7〜10.6に管理することにより加熱処理1段階で再生処理することを特徴とする鋳物砂の再生方法である。
2.前記1記載の方法で再生された鋳物砂と水溶性フェノール樹脂を含有する粘結剤と有機エステル化合物よりなる硬化剤とを混練して所望の型に充填し、該粘結剤を硬化させることを特徴とする鋳型の製造方法である。本発明の方法で鋳物砂の再生を行うことにより、前述した課題を解決し、極めてエネルギー効率の優れた方法で再生された鋳物砂を用いた鋳型製造方法を確立することに至ったものである。
【0009】
なお、JACTとは、社団法人日本鋳造技術協会のことであり、JACT鋳物砂試験法とは、社団法人日本鋳造技術協会の中で規格化された鋳物砂の試験方法である。また、JACT鋳物砂試験法S−3「鋳物砂のpH試験法」(以下JACTpH試験法と略記する)について説明すると、まず容量100mlの清浄したビーカーに、試料である鋳物砂20gをはかり取り、その中に純水50mlを添加し、マグネチックスターラーバーを入れ、軽く蓋(時計皿等)をして、マグネチックスターラーで30分間撹拌する。撹拌後放置し、上澄み液の温度を確認し、JIS Z 8802「pH測定方法」に基づいて、pHメーターによりpH値を測定するものである。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明において使用する鋳物砂は、合成ムライト砂であり、平均粒径としては50〜600μm程度の砂が好ましい。合成ムライト砂は、アルミノ珪酸塩を主体とするセラミックスの一種であり、各種鉱物を相互に組合せ、混合粉砕し、泥漿状態にしたものをスプレードライヤーで造粒し、高温焼成して得られる。
【0011】
本発明で粘結剤として使用する水溶性フェノール樹脂とは、フェノール類とアルデヒド類とを大量のアルカリ性物質の水溶液中で反応させることにより得られるアルカリ性レゾール型フェノール樹脂である。フェノール類としては、例えば、フェノール、クレゾール、レゾルシノール、キシレノール、ビスフェノールA、クミルフェノール、ノニルフェノール、ブチルフェノール、フェニルフェノール、エチルフェノール、オクチルフェノール、アミルフェノール、ナフトール、ビスフェノールF、ビスフェノールC、カテコール、ハイドロキノン、ピロガロール、フロログルシン、リグニン、ビスフェノールA残渣、クロロフェノール、ジクロロフェノール、その他置換フェノール等が挙げられるが、これらを単独もしくは2種類以上の混合物で使用しても良い。アルデヒド類としては、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、フルフラール等が挙げられる。アルカリ性物質としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム等が挙げられる。これらから得られる水溶性フェノール樹脂類は、通常、重量平均分子量が500〜5000のものが好ましく用いられ、また、固形分は30〜70質量%のものが好ましく用いられる。
【0012】
本発明で使用される硬化剤は、有機エステル化合物である。有機エステル化合物としては、公知の芳香族、脂肪族あるいは脂環式の有機エステル化合物が挙げられる。具体的には、例えばγ−ブチロラクトン、プロピレンカーボネート、ε−カプロラクトン、ギ酸メチル、エチレングリコールジアセテート、エチレングリコールモノアセテート、トリアセチン等が挙げられるが、これらを単独もしくは2種類以上の混合物で使用しても良い。
【0013】
水溶性フェノール樹脂の鋳物砂に対する割合は、鋳型の硬化性の改善および強度の確保の点から、鋳物砂に対して、0.01〜10質量%の範囲が好ましく、特に0.1〜5質量%の範囲が好ましい。有機エステル化合物の鋳物砂に対する割合は、鋳型の硬化性の改善および強度の確保の点から、鋳物砂に対して、0.01〜10質量%の範囲が好ましく、特に0.1〜5質量%の範囲が好ましい。
【0014】
合成ムライト砂と水溶性フェノール樹脂と有機エステル化合物とを使用して得られた鋳型中の合成ムライト砂は、熱的方法によって再生される。その方法は、まず、使用済みの鋳型に機械的な振動等を与えて、鋳型をばらばらにし、塊や凝集体を破壊して合成ムライト砂を回収する。この回収された合成ムライト砂(以下回収砂と略記する)の表面には、フェノール樹脂等の焼け残り成分が残存している。次に、この回収砂に加熱処理を施すが、その処理温度が600〜1000℃で行うのが好ましく、800〜1000℃で行うのが特に好ましい。処理温度が600℃未満では、再生に時間がかかり過ぎる傾向にあり、またダイオキシン等の発生も想定される。逆に処理温度が1000℃を越えると、温度が高すぎてエネルギーコストが高価になる傾向が生じる。
【0015】
本発明における回収砂の再生に際して、鋳物砂の再生度合いを管理する方法として、JACTpH試験法によって鋳物砂のpH値を測定し、その値が9.7〜10.6の範囲であれば加熱処理を停止する。鋳物砂のpH値が10.6を越えると砂の再生が不十分であり、鋳型を製造したときに充分な強度が得られない。鋳物砂のpH値が9.7を下回ると、必要以上に加熱再生を行うことになり、エネルギーの無駄となってしまう。
【0016】
実際の工業的な管理方法としては、予め実際に行う加熱処理温度における処理時間と、その処理条件で再生した鋳物砂のJACTpH試験法によるpH測定値との相関を取り、加熱再生条件を決定する。加熱再生条件決定後、実際にその条件で回収砂の再生を行い、再生度合いを確認するために、JACTpH試験法によってpH値を測定して、鋳型製造用の砂として問題のないことを確認し、鋳型製造用の鋳物砂として使用する。
【0017】
以上のようにして得られた再生された合成ムライト砂(以下再生砂と略記する)は、再び鋳型製造用の鋳物砂として使用される。すなわち、再生砂のみまたは再生砂に所望量の未使用の合成ムライト砂(以下新砂と略記する)を添加した鋳物砂と、水溶性フェノール樹脂と、有機エステル化合物とを混練し、この粘結剤と硬化剤で被覆された鋳物砂を所望の型枠に充填し、水溶性フェノール樹脂を硬化させて鋳型を得るのである。
【0018】
以下、実施例および比較例により本発明を詳細に説明するが、本発明は、これらの実施例に限定されるものではない。また、以後の説明において表される%あるいは部は、全て質量%あるいは質量部を示す。
【実施例】
[前処理例](再生砂の元砂の作成)
セラビーズ60 #500(伊藤忠セラテック株式会社製、合成ムライト砂)100部に対してChem Rez 6016(保土谷アシュランド株式会社製、水溶性フェノール樹脂用有機エステル系硬化剤)0.4部,Chem Rez 630 LV(保土谷アシュランド株式会社製、水溶性フェノール樹脂)2.0部を品川式ミキサーで混練した。本混練砂を用いて鋳型重量45kg,鋳込み重量10kgのステップコーン・ベーニング試験用鋳型を造型し、FC250普通鋳鉄を1350℃で鋳込んだ後、型ばらしを行い、合成ムライト砂を回収した。さらに、回収した塊状の鋳型砂をクラッシャーで粉砕し、10メッシュのふるいで塊状の砂を取り除いた。この鋳型の造型から鋳込み、型ばらし鋳型のクラッシャー粉砕までの操作を5回繰り返して得られた回収砂を、再生砂の元砂として以下の試験に供した。
【0019】
[実施例1]
得られた元砂を、プロパンガスバーナーを用いて、表1で示すように300℃から1000℃まで温度を変え、各温度でそれぞれ20分間加熱再生処理を行った。加熱再生処理後、各再生砂を20℃、60%RHの恒温恒湿の室内に24時間放置した。その後、この再生砂100部に対してChem Rez 6016(保土谷アシュランド株式会社製、水溶性フェノール樹脂用有機エステル系硬化剤)0.4部、Chem Rez 630 LV(保土谷アシュランド株式会社製、水溶性フェノール樹脂)2.0部を品川式ミキサーで混練して得られた混練物を、直径φ50mm,高さ50mmの鋳型強さ試験用模型に充填し、試験鋳型を得た。この鋳型を24時間放置した後、その圧縮強さを測定した。また、各温度で加熱再生処理して得られた再生砂の遊離水分を除去した試料(重量W0)を、JACT鋳物砂試験法S−2「鋳物砂の強熱減量試験法」に基づき、約1000℃で約1時間強熱し、デシケーター中で室温まで冷却した後の重量(W1)を測定して、強熱減量を算出して表1に示した。なお、強熱減量は、[(W0−W1)/W0]×100(%)なる式で算出した数値であり、その値が小さいほど再生効率が高いことを示している。更に、JACTpH試験法に基づき、再生砂20gをプラスチック製容器に計り取り、この砂中に精製水を50ml加えた後、30分間撹拌して砂から精製水に溶出した成分を砂のpH値として測定した。結果を表1に示す。
【0020】
[実施例2]
前処理例で得た元砂を、プロパンガスバーナーを用いて、表1で示すように500℃および600℃の各々の温度で、10分、20分および30分間加熱再生を行った。加熱再生処理後、各再生砂を20℃、60%RHの恒温恒湿の室内に24時間放置した。加熱再生処理した再生砂を使用して、実施例1と同様にして鋳型を製造し、鋳型の圧縮強さを測定した。更に、実施例1と同様の方法で再生砂の強熱減量とpH値を測定した。結果を表1に結果を示す。
【0021】
[比較例1]
実施例において、前処理例で得られた再生前の元砂を鋳型の製造に使用する以外は、実施例1と同様にして鋳型を製造し、鋳型の圧縮強さを測定した。更に、実施例1と同様の方法で再生砂の強熱減量とpH値を測定した。結果を表1に結果を示す。
【0022】
[比較例2]
実施例において、熱処理再生砂の替わりに新砂を鋳型の製造に使用する以外は、実施例1と同様にして鋳型を製造し、鋳型の圧縮強さを測定した。また、実施例1と同様の方法で再生砂の強熱減量とpH値を測定した。結果を表1に結果を示す。
【0023】
【表1】
Figure 0004056865
【0024】
表1より、新砂と同等かまたはそれ以上の圧縮強さを得るためには、再生砂のpH値は10.6以下であることが確認された。また、再生砂のpH値が低くなるにつれて、圧縮強さが向上し、再生砂のpH値が10.5(再生条件800℃、20分)では、圧縮強さが新砂の場合の1.3倍、pH値が9.7(再生条件1000℃、20分)では1.5倍となっていた。また、低温で鋳物砂を再生するよりも高温で再生するほうが、圧縮強さの加熱時間に対する上昇の割合が大きく、短時間で鋳物砂を再生できていた。なお、比較例1および再生条件300℃、20分で再生した場合の鋳物砂のpH値が低い原因は、鋳物砂に付着している残留有機物が多いので、遊離アルカリ分が有機物中に包まれて水に溶出してこないためと考えられる。また、鋳物砂の再生が進んでいくと、一時的に鋳物砂のpH値が上昇するのは、熱により有機物の結合が切れて、遊離アルカリ分が水に溶出しやすくなるためと考えられ、さらに再生を進めると、遊離アルカリ分が残留有機物とともに大気中に飛散し水への溶出量が減少するため、鋳物砂のpH値が低下していくと考えられる。
【0025】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の鋳物砂の再生方法は、鋳型から回収した鋳物砂を熱的に再生する際に、再生度合いの管理値として、JACTpH試験法によるpH測定値を用い、その値を9.7〜10.6に管理することにより、より簡便な再生管理方法を提供でき、必要最小限のエネルギーで鋳物砂を再生することができる。また、この再生方法により得られた再生砂を用いた鋳型は、新砂を用いた鋳型よりも、圧縮強さが高強度となるため、鋳型に使用する粘結剤の量を削減することが可能となり、省力化につながる。また、それによって、鋳物砂に付着する残留有機物が減少し、その鋳型から回収された鋳物砂の再生に必要とされるエネルギーが減少し、さらにエネルギーの効率化を達成できる。

Claims (4)

  1. 鋳物砂として合成ムライト砂を使用し、かつ水溶性フェノール樹脂を粘結剤に使用し、有機エステル化合物によって硬化させて得られた鋳型から回収した鋳物砂を加熱処理によって再生する際に、砂の再生度合いを管理する値として、JACT鋳物砂試験法S−3「鋳物砂のpH試験法」によるpH測定値を用い、その値を9.7〜10.6に管理することにより加熱処理1段階で再生処理することを特徴とする鋳物砂の再生方法。
  2. 回収した鋳物砂の加熱再生温度が600〜1000℃である前記した請求項1記載の鋳物砂の再生方法。
  3. 回収した鋳物砂の加熱再生温度が800〜1000℃である前記した請求項1記載の鋳物砂の再生方法。
  4. 前記した請求項1〜3記載のいずれかの方法で再生された鋳物砂と水溶性フェノール樹脂と、有機エステル化合物とを混練し、この粘結剤と硬化剤で被覆された鋳物砂を所望の型枠に充填し、水溶性フェノール樹脂を硬化させて鋳型を得ることを特徴とする鋳型の製造方法。
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