JP4051660B2 - 無段変速機の油圧配管構造 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、無段変速機の油圧配管構造に係り、特に被動プーリ側に配設された出力用クラッチに作動油圧を供給する無段変速機の油圧配管構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
車両においては、エンジンの特性がそのままの状態では不向きなので、エンジンと駆動輪間の伝動経路に変速機を設けている。
【0003】
この変速機としては、エンジンのクランク軸と同軸心上に配設され且つ無段変速機ケースに回転自在に支持された駆動軸(プライマリシャフト)に固定した駆動固定プーリ片と駆動軸に軸方向移動可能且つ回転不可能に装着した駆動可動プーリ片とからなる駆動プーリ(プライマリプーリ)を設け、駆動軸と平行に配設され且つ無段変速機ケースに回転自在に支持された被動軸(セカンダリシャフト)に固定した被動固定プーリ片と被動軸に軸方向移動可能且つ回転不可能に装着した被動可動プーリ片とからなる被動プーリ(セカンダリプーリ)を設け、駆動プーリと被動プーリとにベルトを巻掛けて構成された無段変速機(CVT)がある。この無段変速機は、油圧制御されて変速比を変えるものであり、無段変速機ケースにバルブボディが取り付けられている。このバルブボディは、各作動油圧を制御するものである。
【0004】
このような無段変速機としては、例えば、特開2000−220720号公報、特開2000−220721号公報に開示されている。特開2000−220720号公報に記載のものは、被動軸側とリダクションギヤ側とに分断するクラッチ手段を、被動軸上に設けたものである。特開2000−220721号公報に記載のものは、駆動プーリよりも入力軸側にトルクコンバータと前後進切換機構とを設け、被動プーリよりも出力軸側に出力用クラッチ(後段クラッチ)を設けたものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、従来、無段変速機にあっては、エンジントルクが、トルクコンバータを介して入力軸に入力し、そして、前後進切換機構から駆動プーリと被動プーリと出力用クラッチ(後段クラッチ)とを経て、リダクションギヤ機構、ファイナルギヤ機構、差動機に伝達される。そして、被動軸には、被動プーリに作動油圧を供給する被動軸油圧通路と、出力用クラッチに作動油圧を供給するクラッチ油圧通路と、出力用クラッチ周りの各部品の潤滑・冷却のための潤滑油路と、被動プーリのプーリ遠心油圧キャンセラ室・出力用クラッチのクラッチ遠心油圧キャンセラ室に作動油を供給するキャンセラ室用油路との4つの通路を形成する必要がある。
【0006】
しかしながら、無段変速機が車両に搭載された状態において、レイアウト上、被動軸が駆動軸等の他の各軸よりも最も高い箇所に配設される一方、バルブボディが無段変速機ケースの下部位に取り付けられている場合に、結果的に、被動軸が油圧制御を行うバルブボデイから最も遠い箇所に配置されることになるとともに、被動軸の4つの通路には該被動軸の軸心上に形成した軸通路から供給させるようにしなければならないが、一般的に、一の軸には両端側で2つの方向のみしか油供給口を設定することができないことから、この油供給口の設定の改善が望まれていた。
【0007】
また、出力用クラッチへの作動油圧を供給する油圧通路を、下方のバルブボディから上方の出力用クラッチまで形成する場合に、全てを無段変速機ケース内で通路孔を形成して油圧通路を形成しようとすると、無段変速機ケースの形状を大幅に変更する必要があり、このため、油圧通路の形成が面倒になるとともに、他部品との干渉が生ずるという不都合があった。
【0008】
【課題を解決するための手段】
そこで、この発明は、上述の不都合を除去するために、車両に搭載したエンジンのクランク軸と同軸心上に配設され且つ無段変速機ケースに回転自在に支持された駆動軸に固定した駆動固定プーリ片と前記駆動軸に軸方向移動可能且つ回転不可能に装着した駆動可動プーリ片とからなる駆動プーリを設け、前記駆動軸と平行に配設され且つ前記無段変速機ケースに回転自在に支持された被動軸に固定した被動固定プーリ片と前記被動軸に軸方向移動可能且つ回転不可能に装着した被動可動プーリ片とからなる被動プーリを設け、前記駆動プーリと前記被動プーリとにベルトを巻掛けて無段変速機を構成し、前記無段変速機ケースを前記エンジン側のハウジングケースとこのハウジングケースに連結されるメインケースとこのメインケースに連結されるサイドカバーとで構成し、前記被動軸を車両搭載状態において前記駆動軸よりも上方に配設し、前記被動軸の前記エンジン側に出力用クラッチを配設し、前記メインケースの前記駆動軸の下方には前記出力用クラッチの作動油圧を制御するバルブボディを配設し、このバルブボディと前記出力用クラッチとを接続する油圧通路の一部を管部材で形成した無段変速機の油圧配管構造において、前記管部材は前記ハウジングケース内に取り付けられ、前記油圧通路は前記バルブボディと前記メインケースと前記ハウジングケースと前記管部材と前記ハウジングケースと前記出力用クラッチとの順で連通して形成され、前記ハウジングケースの下部位には前記出力用クラッチへの作動油を受け入れるケース油路接続部が設けられるとともにこのケース油路接続部近傍で前記管部材の下端側を接続する下側パイプ接続部が設けられ、前記ハウジングケースの上部位には前記被動軸の支持部近傍で前記管部材の上端側を接続する上側パイプ接続部が設けられたことを特徴とする。
【0009】
【発明の実施の形態】
この発明は無段変速機ケースの形状変更を少なくし、他部品との干渉を容易に回避することができるとともに、無段変速機ケースに通路孔を形成して油圧通路を形成する場合に比べて、出力用クラッチの油圧通路をコンパクトで且つ容易に形成することができる。
【0010】
【実施例】
以下図面に基づいてこの発明の実施例を詳細且つ具体的に説明する。図1〜27は、この発明の第1実施例を示すものである。図22〜24において、2は車両(図示せず)に搭載されるエンジン、4はクランク軸、6はエンジン2に連結されて油圧制御によって変速比を変える無段変速機(CVT)、8は無段変速機ケースである。この無段変速機ケース8は、図23、24に示す如く、エンジン2側のハウジングケース8−1と、このハウジングケース8−1に連結されるメインケース8−2と、このメインケース8−2に連結されるサイドカバー8−3とで構成されている。ハウジングケース8−1には、ハウジングケース壁部8−1Aが設けられている。メインケース8−2には、ハウジングケース壁部8−1Aと平行なメインケース壁部8−2Aが設けられている。サイドカバー8−3には、エンジン2から離れてサイドカバー壁部8−3Aが設けられている。
【0011】
無段変速機2の無段変速機ケース8内においては、図24に示す如く、エンジン2のクランク軸4と同軸心上に配置されて入力軸10が回転自在に設けられ、この入力軸(インプットシャフト)10と同軸心上に配置されて駆動軸(プライマリシャフト)12が回転自在に設けられ、この駆動軸12と平行に配置されて被動軸(セカンダリシャフト)14が回転自在に設けられ、この被動軸14と同軸心上で且つ該被動軸14とは分離して配置されて出力軸16が回転自在に設けられ、この出力軸16及び被動軸14と平行に配置されてカウンタ軸18が回転自在に設けられている。
【0012】
また、無段変速機ケース8内においては、駆動軸12のエンジン2側の端部位に配置されたトルクコンバータ20が設けられ、このトルクコンバータ20に隣接して駆動軸12の回転で駆動されて各作動油や潤滑・冷却油を送給するオイルポンプ22が設けられ、このオイルポンプ22に隣接して入力軸10の回転を正転あるいは逆転させて駆動軸12に駆動力を伝達する前後進切換機構24が設けられ、この前後進切換機構24に隣接して駆動軸12のエンジン2から離れた端部位に位置して駆動プーリ(プライマリプーリ)26が設けられ、この駆動プーリ26に対応して被動軸14のエンジン2から離れた端部位に位置して被動プーリ(セカンダリプーリ)28が設けられ、駆動プーリ26と被動プーリ28とに巻掛けられて金属製のベルト30が設けられ、被動軸14と出力軸16との間で被動プーリ28よりもエンジン2側に位置して出力用クラッチ(後段クラッチ)32が設けられ、出力軸16とカウンタ軸18との間に位置してリダクションギヤ機構34が設けられ、カウンタ軸18に連結されてファイナルギヤ機構36が設けられ、このファイナルギヤ機構36に連結されて差動機38が設けられている。
【0013】
図24に示す如く、駆動軸12は、メインケース壁部8−2A・サイドカバー壁部8−3Aに保持させた第1駆動軸受40−1・第2駆動軸受40−2によって回転自在に支持されている。被動軸14は、メインケース壁部8−2A・サイドカバー壁部8−3Aに保持させた第1被動軸受42−1・第2被動軸受42−2によって回転自在に支持されている。出力軸16は、ハウジングケース壁部8−1Aに保持させた第1出力軸受44−1と被動軸14側のニードルベヤリングからなる第2出力軸受44−2とによって回転自在に支持されている。カウンタ軸18は、ハウジングケース壁部8−1Aに保持させた第1カウンタ軸受46−1とメインケース壁部8−2Aに保持させた第2カウンタ軸受46−2とによって回転自在に支持されている。差動機38においては、デフケース48がハウジングケース壁部8−1Aに保持させた第1デフケース軸受50−1とメインケース壁部8−2Aに保持させた第2デフケース軸受50−2とによって回転自在に支持され、左右にドライブ軸52−1、52−2が連結される。
【0014】
図22に示す如く、無段変速機ケース8内の駆動軸12と被動軸14とカウンタ軸18とドライブ軸52とのレイアウトにあっては、上下方向において、駆動軸12が中間部位に配置され、被動軸14が駆動軸12よりも上方に配置され、カウンタ軸18が駆動軸12よりも少し上方で且つ被動軸14よりも少し下方に配置され、ドライブ軸52が駆動軸12よりも下方に配置され、よって、被動軸14が他の駆動軸12、カウンタ軸18、ドライブ軸52に対して最高い箇所に配設されている。
【0015】
駆動プーリ26にあっては、図24に示す如く、メインケース壁部8−2A側で駆動軸12に固定した駆動固定プーリ片(固定シーブ)54とサイドカバー壁部8−3A側で駆動軸12に軸方向移動可能且つ回転不可能に装着した駆動可動プーリ片(可動シーブ)56とが設けられ、また、この駆動可動プーリ片54の背面で駆動油圧室58を形成する駆動油室ハウジング60が設けられている。
【0016】
また、駆動軸12には、サイドカバー8−3側の端部位の端面に開口する駆動軸油圧通路62が軸心上に形成されているとともに、この駆動軸油圧通路62は、駆動油室58に連通している。
【0017】
被動プーリ28にあっては、図24、25に示す如く、被動軸14に固定した被動固定プーリ片(固定シーブ)68と被動軸14に軸方向移動可能且つ回転不可能に装着した被動可動プーリ片(可動シーブ)70とが設けられている。この被動可動プーリ片70の外周縁部位には、該被動可動プーリ片70の背面で被動軸14の軸心方向に指向して被動シリンダ72が延出して設けられている。また、被動軸14には、被動可動プーリ部片70の背面側で被動油圧室74を形成する被動油室ハウジング76が固定して設けられている。この被動油室ハウジング76は、被動可動プーリ部片70の背面側で被動軸14に固定された内周部76Aと、被動シリンダ72の内周面に密着して摺動可能な外周部76Bとからなる。また、被動油圧室74内には、被動可動プーリ片70を被動固定プーリ片68側に押圧するシーブ押圧スプリング78が設けられている。
【0018】
被動シリンダ72の先端側には、被動油室ハウジング76の外側面と共働してプーリ遠心油圧キャンセラ室80の外側の一部分を形成するプーリ側キャンセラ室壁82が固定して設けられる。一方、被動軸14には、被動油室ハウジング76の外側面側で径方向に複数のスペーサオイル溝84を形成したスペーサ86が固定して設けられる。このスペーサ86には、被動油室ハウジング76の外側面と共働してプーリ遠心油圧キャンセル室80の内側の他部分を形成するオイルガイドカバー88が圧入して設けられる。このオイルガイドカバー88は、スペーサ86のスペーサオイル溝84を包囲するとともに、プーリ側キャンセラ室壁82の先端部位まで延長して設けられている。
【0019】
また、被動軸14には、サイドカバー8−3側の端部位の端面に開口する被動軸油圧通路90が軸心上に形成されているとともに、この被動軸油圧通路90の深部位に連通し且つ径方向に指向する被動軸連絡油圧通路92が形成されている。この被動軸連絡油圧通路92は、被動可動プーリ片70の基部位に形成した被動プーリ連絡油圧通路94を介して被動油圧室74に連通している。
【0020】
出力用クラッチ32において、図24〜26に示す如く、被動軸14のエンジン2側の端部位には、クラッチハブ96が、エンジン2側からスプライン結合し且つ固定ナット98で固定して設けられている。クラッチハブ96は、被動軸14に接する管状部96−1と、この管状部96−1に第1被動軸受42−1の側面に沿って径方向に突設したフランジ部96−2とからなる。管状部96−1は、スペーサ86及びオイルガイドカバー88を保持して第1被動軸受44−1を外嵌させるプーリ側管部96−1Aと、フランジ部96−2が形成された中央管部96−1Bと、第2出力軸受44−2を外嵌させて固定ナット98が接するエンジン側管部96−1Cとからなる。
【0021】
出力軸16の被動プーリ28側で軸心方向に延出したプーリ側延出部16−1は、中央部位が管状部96−1のエンジン側管部96−1C及び中央管部96−1Bを被包するように外嵌して設けられ、出力軸16の軸心方向に指向するニードルベヤリングからなる第2被動軸受44−2と、端部位が出力軸16の径方向に指向してフランジ部96−2に接したニードルベヤリングからなる縦軸受100によって支持されている。よって、固定用ナット98・エンジン側管部96−1C及び中央管部96−1Bと出力軸16のプーリ側延出部16−1との間には、軸受側潤滑隙間S1が形成される。
【0022】
また、被動軸14の外周面には、中央管部96−1Bの長さ範囲で、軸心方向に潤滑油分岐溝102が形成される。一方、管状部96−1には、径方向に潤滑油分岐溝102のエンジン2側の一端側に連通し且つ軸受側潤滑隙間S1に連通する第1クラッチキャンセラ室側潤滑油路104が形成されるとともに、潤滑油分岐溝102の被動プーリ28側の他端側に連通し且つ第1被動軸受44−1とフランジ部96−1間の壁側潤滑隙間S2に連通するディスク側潤滑油路106が形成されている。また、出力軸16のプーリ側延出部16−1には、第1クラッチキャンセラ室側潤滑油路104に対応して軸受側潤滑隙間S1に連通する第2クラッチキャンセラ室側潤滑油路108が形成されている。
【0023】
クラッチハブ96のフランジ部96−2の外周面には、径方向にクラッチディスク取付部材110が固定して設けられる。このクラッチディスク取付部材110の先端側の被動軸14の軸心方向に折曲形成されたディスク外縁部位110Aには、被動軸14の軸心方向に並んで複数のハブ側クラッチディスク112が設けられている。
【0024】
出力軸16の被動プーリ28側の側面には、パーキングギヤ114と共にクラッチハウジング116が固定して設けられる。このクラッチハウジング116は、出力軸16の径方向に指向して該出力軸16に固定される固定部116Aと、出力軸16の軸心方向に折曲形成されたピストン摺動部116Bと、出力軸16の軸心方向に折曲形成されたハウジング外縁部位116Cとからなる。このハウジング外縁部位116Cには、複数のハブ側クラッチディスク112に対して交互に配置された複数のハウジング側クラッチディスク118が設けられている。
【0025】
出力軸16のプーリ側延出部16−1の外周面には、パーキングギヤ114・クラッチハウジング116と共働してクラッチ油圧室120を形成し且つピストン摺動部116Bとの間で軸心方向に摺動するクラッチピストン122が設けられる。このクラッチピストン122は、クラッチ油圧室120への作動油圧によって出力軸16のプーリ側延出部16−1の外周面及びピストン摺動部116Bで軸心方向に移動して押圧部122Aにより、ハブ側クラッチディスク112とハウジング側クラッチディスク118とを接続・離脱させるものである。
【0026】
また、クラッチピストン122とクラッチディスク取付部材110との間において、出力軸16のプーリ側延出部16−1の第2クラッチキャンセラ室側潤滑油路108よりも被動プーリ28側の外周面には、径方向に指向し且つクラッチピストン122と共働してクラッチ遠心油圧キャンセラ室124を形成するクラッチ側キャンセラ室壁126が固定して設けられる。従って、クラッチ遠心油圧キャンセラ室124には、第2クラッチキャンセラ室側潤滑油路108が連通している。また、このクラッチ遠心油圧キャンセラ室124内には、クラッチピストン122を押圧してクラッチ油圧室120の容積を小さくするように付勢するクラッチスプリング128が設けられている。
【0027】
出力軸16のエンジン2側においては、出力軸16と同軸心上に配置され且つ該出力軸16とは分離して配置されて軸潤滑隙間S3を形成し、ハウジングケース壁部8−3内面に窪んで形成した軸保持穴130に保持されたパイプ軸132が設けられる。このパイプ軸132は、軸心上に一端側が軸潤滑隙間S3に開口する軸孔134を有している。このパイプ軸132の外周面には、被動プーリ28側から環状に段差部136が形成され、よって、エンジン2側の大径部132−1と被動プーリ28側の小径部132−2とが形成される。この小径部132−2の外周面には、該小径部132−2の長さよりも少し短く形成されて外周面が大径部132−1の外周面と合致する環状部材からなるカラー138が嵌合して設けられる。
【0028】
このカラー138には、図27に示す如く、の中央部位の外周面で、クラッチ油圧通路140の一部を構成するように、環状溝であるクラッチ油圧環状溝142が形成されているとともに、このクラッチ油圧環状溝142の部位で径方向に指向して軸孔134に連通するクラッチ油圧供給口144が形成されている。また、カラー138の被動プーリ28側の端面と出力軸16の段差部16Dとの間には、クラッチ油圧連絡隙間S4が形成される。
【0029】
出力軸16のエンジン2側に突出したエンジン側延出部16−2は、パイプ軸132の小径部132−2に嵌合したカラー138の外周面とハウジングケース壁部8−1Aに保持させた第1出力軸受44−1との間、及び、パイプ軸132の被動プーリ28側の端部位の外周面で、回転可能に支持されている。
【0030】
パイプ軸132には、軸心上でカラー138のクラッチ油圧供給口144に連通し且つ被動プーリ28側の端面側でクラッチ油圧連絡隙間S4に開口するクラッチ油圧供給通路146が形成されている。
【0031】
また、出力軸16内には、一端側がクラッチ油圧連絡隙間S4に連通し且つ他端側がクラッチ油圧室120に連通する出力軸クラッチ油圧通路148がエンジン2側から広がるように斜めに形成されている。
【0032】
また、被動軸14には、エンジン2側の端部位の端面に開口して潤滑油路150を構成するように、潤滑軸油路152が軸心上に形成されているとともに、この潤滑軸油路152の深部位に連通し且つ径方向に指向するプーリキャンセラ室側潤滑油路154が形成されている。このプーリキャンセラ室側潤滑油路154は、スペーサ86のスペーサオイル溝84を介してプーリ側遠心油圧キャンセル室80に連通している。
【0033】
更に、被動軸14には、潤滑軸油路152に連通し且つ径方向に指向してクラッチ側潤滑油路156が形成されている。このクラッチ側潤滑油路156は、被動軸14の外周面に形成した潤滑油分岐溝102に連通し、そして、第1クラッチキャンセラ室側潤滑油路104と軸受側隙間S1と第2キャンセラ室側潤滑油路108とを経てクラッチ遠心油圧キャンセラ室124に連通し、及び、ディスク側潤滑油路106を経て壁側潤滑隙間S2に連通する。
【0034】
ハウジングケース壁部8−1Aには、パイプ軸132の軸心上で、軸孔134に対応してエンジン2側の外方に突出したケース突出部158に、この軸孔134の他端側の潤滑連絡口160に連通する潤滑供給油路162が形成されている。
【0035】
メインケース8−2には、図22に示す如く、駆動軸12の下方の下部位に、出力用クラッチ32の作動油圧を制御するバルブボディ164が取り付けられる。よって、バルブボディ164は、無段変速機ケース8に最下部位に設置される。
【0036】
また、このメインケース8−2は、図4、8に示す如く、メインケース用駆動軸支持部166に形成されたメインケース用駆動軸孔168と、メインケース用被動軸支持部170に形成されたメインケース用被動軸孔172と、メインケース用カウンタ軸支持部174に形成されたメインケース用カウンタ軸孔176と、メインケース用ドライブ軸支持部178に形成されたメインケース用ドライブ軸孔180とを有している。これらメインケース用駆動軸支持部166とメインケース用被動軸支持部170とメインケース用カウンタ軸支持部174とメインケース用ドライブ軸支持部178とは、所要の剛性を有するように、軸方向に所定の厚みで形成されている。
【0037】
更に、メインケース8−2の下部位において、図4、5、7に示す如く、バルブボディ164を取り付けるバルブボディ取付空間182が形成されているとともに、このバルブボディ取付空間182内でバルブボディ取付部184が設けられている。
【0038】
メインケース8−2のバルブボディ取付部184の部位には、図4、5、7に示す如く、クラッチ油圧通路140を形成するように、メインケース用クラッチ油圧通路186が形成されている。このメインケース用クラッチ油圧通路186は、バルブボディ取付部184に開口し且つ底面に対して直角で内側に形成された第1メインケース用クラッチ油圧通路186−1と、メインケース8−2のハウジングケース側面8−2Eに開口した第2メインケース用クラッチ油圧通路186−2とからなる。この第2メインケース用クラッチ油圧通路186−2の開口周囲には、図6に示す如く、第1Oリング188−1を組み付ける第1Oリング組付溝190−1が形成されている。
【0039】
また、メインケース8−2の下部位において、図7、8、9に示す如く、メインケース用クーラ導入油路192が形成されている。このメインケース用クーラ導入油路192は、底面に対して直角で内側に形成された第1メインケース用クーラ導入油路192−1と、この第1メインケース用クーラ導入油路192−1の深部位に連通し且つサイドカバー側面8−2Fに開口する第2メインケース用クーラ導入油路192−2とから形成される。この第2メインケース用クーラ導入油路192−2の開口周囲には、図10に示す如く、第2Oリング188−2を組み付ける第2Oリング組付用溝190−2が形成されている。
【0040】
更に、メインケース8−2の上部位には、図8、11に示す如く、サイドカバー側面8−2Fに対して直角で内側に延長するメインケース用クーラ導出油路194が形成されるとともに、このメインケース用クーラ導出油路194の深部位に連通する分配油路196を形成した別部材としての分配部材198が取り付けられる。
【0041】
図1、12に示す如く、ハウジングケース8−1は、ハウジングケース用駆動軸支持部200に形成されたハウジングケース用駆動軸孔202と、ハウジングケース用被動軸支持部204に形成されたハウジングケース用被動軸孔206と、ハウジングケース用カウンタ軸支持部208に形成されたハウジングケース用カウンタ軸孔210と、ハウジングケース用ドライブ軸支持部212に形成されたハウジングケース用ドライブ軸孔214とを有している。これらハウジングケース用駆動軸支持部200とハウジングケース用被動軸支持部204とハウジングケース用カウンタ軸支持部208とハウジングケース用ドライブ軸支持部212とは、所要の剛性を有するように、軸方向に所定の厚みで形成されている。
【0042】
また、ハウジングケース8−1のメインケース側面8−1Fにおいて、図13に示す如く、下部位のハウジングケース用ドライブ軸支持部212近傍には、下側パイプ接続部216が設けられている。この下側パイプ接続部216には、ハウジングケース用下側クラッチ油圧通路218が開口して形成されている。
【0043】
このハウジングケース用下側クラッチ油圧通路218は、ハウジングケース8−1とメインケース8−2とが接合したときに、メインケース8−2のメインケース用クラッチ油圧通路186に連通するものである。
【0044】
このハウジングケース用下側クラッチ油圧通路218は、メインケース側面8−1Fに対して直角で内側に延長して形成された第1ハウジングケース用下側クラッチ油圧通路218−1と、この第1ハウジングケース用下側クラッチ油圧通路218−1の深部位に連通し且つ傾斜して第1ハウジングケース用下側クラッチ油圧通路218−1近傍に開口する第2ハウジングケース用下側クラッチ油圧通路218−2とから形成されている。よって、この第2ハウジングケース用下側クラッチ油圧通路218−2は、出力用クラッチ32への作動油圧を受け入れるケース油路接続部220を構成するものである。つまり、ハウジングケース8−1の駆動軸12の下方には、出力クラッチ32へのオイルを受け入れるケース油路接続部220が設けられ、このケース油路接続部220とクラッチ油圧通路140の一部とを連通する後述のパイプ228を接続する下側パイプ接続部216が、ケース油路接続部220近傍のハウジングケース8−1の下部位に設けられている。
【0045】
ハウジングケース8−1のメインケース側面8−1Fにおいて、上部位のハウジングケース用被動軸支持部204近傍の一側には、上側パイプ接続部222が設けられている。この上側パイプ接続部222には、図14に示す如く、ハウジングケース用上側クラッチ油圧通路224が開口して形成されている。このハウジングケース用上側クラッチ油圧通路224は、メインケース側面8−1Fに対して直角で内側に延長して形成された第1ハウジングケース用上側クラッチ油圧通路224−1と、この第1ハウジングケース用上側クラッチ油圧通路224−1の深部位に連通し且つカラー138のクラッチ油圧環状溝142に連通する第2ハウジングケース用上側クラッチ油圧通路224−2とから形成されている。
【0046】
また、ハウジングケース8−1のメインケース側面8−1Fにおいて、上部位のハウジングケース用被動軸支持部204近傍の他側には、図15、16に示す如く、ハウジングケース用クーラ導出油路226が形成されている。
【0047】
このハウジングケース用クーラ導出油路226は、メインケース8−2の分配通路196に連通するものであり、メインケース側面8−1に対して直角で内側に延長して形成された第1ハウジングケース用クーラ導出油路226−1と、この第1ハウジングケース用クーラ導出油路226−1の深部位に連通し且つハウジングケース用被動軸孔206に延長する第2ハウジングケース用クーラ導出油路226−2と、この第2ハウジングケース用クーラ導出油路226−2に連通し且つ潤滑供給油路162に連通する第3ハウジングケース用クーラ導出油路226−3とから形成される。第1ハウジングケース用クーラ導出油路226−1は、ハウジングケース8−1とメインケース8−2とが接合されたときに、メインケース8−2に取り付けた分配部材198の分配通路196に連通するものである。
【0048】
そして、出力用クラッチ32への作動油圧のクラッチ油圧通路140の一部は、図1に示す如く、ハウジングケース8−1内に取り付けられた管部材であるパイプ228で形成されている。このパイプ228は、例えば、プラスチック製や金属製等からなり、出力用クラッチ32への作動油圧の油圧通路の一部として、パイプ油圧通路230を形成するものである。
【0049】
このパイプ228は、図1に示す如く、ドライブ軸52と駆動軸12(ハウジングケース8−1のトルクコンバータ20の収納凹部)との間、及び、カウンタ軸18と駆動軸(ハウジングケース8−1のトルクコンバータ20の収納凹部)との間に形成されている空間であるデッドスペース232を通過して配設される。そして、このパイプ228には、図1に示す如く、リダクションギヤ機構34とハウジングケース8−1とハウジング被動軸支持部204とハウジングカウンタ軸支持部208との間のデッドスペース232内に配設され、また、各部品との干渉を回避するように、図2、3に示す如く、ハウジングケース8−1内で第1〜7屈曲部234−1〜234−7が所定に屈曲して形成されている。
【0050】
つまり、パイプ228には、両端の第1、7屈曲部234−1、234−7で屈曲した下側、上側端部228A、228Bが無段変速機ケース8のハウジングケース8−1のメインケース側面8−1Fに挿入して設けられ、また、下端側がハウジングケース8−1の下側パイプ接続部216に下側固定フランジ236で固定されるとともに、上端側がハウジングケース8−1の上側パイプ接続部222に上側固定フランジ238で固定されることにより、各部品との干渉を回避するように、第1〜7パイプ屈曲部234−1〜134−7が所定に屈曲して形成される。また、パイプ228は、両端部の下側、上側端部228A、228Bが夫々、ハウジングケース8−1の下側パイプ接続部216と上側パイプ接続部218とに各下側、上側固定フランジ236、238で固定されるとともに、この各下側、上側固定フランジ236、238に挿入された第1、第7屈曲部234−1、134−7をパイプ同士の接合により形成している。更に、下側固定フランジ236には、下側パイプ挿入孔236Aと下側取付ボルト237を挿通する下側取付ボルト孔236Bとが形成されている。上側固定フランジ238には、上側パイプ挿入孔238Aと上側取付ボルト239を挿通する上側取付ボルト孔238Bとが形成されている。
【0051】
図17、18に示す如く、サイドカバー8−3は、サイドカバー用駆動軸支持部240に形成されたサイドカバー用駆動軸孔242と、サイドカバー用被動軸支持部244に形成されたサイドカバー用被動軸孔246とを有している。これらサイドカバー用駆動軸支持部240とサイドカバー用被動軸支持部244とは、所要の剛性を有するように、軸方向に所定の厚みで形成されている。
【0052】
サイドカバー8−3の上部位の水平面としてのクーラ取付面248には、図18、23に示す如く、オイルクーラ250が取り付けられる。このオイルクーラ250には、冷却水導入パイプ252と冷却水導出パイプ254とが設けられている。また、サイドカバー8−3の下側には、サイドカバー用クーラ導入油路256が形成されている。このサイドカバー用クーラ導入油路256は、メインケース側面8−3Fに対して直角に内側に延長する第1サイドカバー用クーラ導入油路256−1と、この第1サイドカバー用クーラ導入油路256−1の深部位に連通し且つ上方に延長して導入側オイル溜り部258−1を介してオイルクーラ250に連通する第2サイドカバー用クーラ導入油路256−2とから形成されている。第1サイドカバー用クーラ導入油路256−1は、メインケース8−2とサイドカバー8−3とが接合されたときに、メインケース8−2の第2メインケース用クーラ導入油路192−2に連通するものである。
【0053】
また、サイドカバー8−3の上部位には、オイルクーラ250に連通する導出側オイル溜り部258−2が形成されているとともに、この導出側オイル溜り部258−2に連通して水平方向に指向するサイドカバー用クーラ導出油路260が形成されている。サイドカバー用クーラ導出油路260は、メインケース8−2とサイドカバー8−3とが接合されたときに、メインケース8−2のメインケース用クーラ導出油路194に連通するものである。
【0054】
これにより、出力用クラッチ32のクラッチ油圧室120へのクラッチ油圧通路140は、バルブボデイ164から、メインケース8−2のメインケース用クラッチ油圧通路186と、ハウジングケース8−1のハウジングケース用下側油圧通路218と、パイプ228のパイプ油圧通路230と、ハウジングケース8−1のハウジングケース用上側クラッチ油圧通路224と、カラー138ののクラッチ油圧環状溝142及びクラッチ油圧供給口144と、パイプ軸132のクラッチ油圧供給通路146と、クラッチ油圧連絡空間S4と、出力軸16の出力軸クラッチ油圧通路148との順に連通して形成される。また、潤滑油路150は、バルブボディ162から、メインケース8−2のメインケース用クーラ導入油路192と、サイドカバー8−3のサイドカバー用クーラ導入油路256と、オイルクーラ250と、サイドカバー8−3のサイドカバー用クーラ導出油路260と、メインケース8−2のメインケース用クーラ導出油路194と、分配部材198の分配油路196と、ハウジングケース8−1のハウジングケース用クーラ導出油路226と、パイプ軸132の軸孔134と、被動軸14の潤滑軸油路152との順に連通して形成される。
【0055】
リダクションギヤ機構34は、ファイナルギヤ機構36よりもエンジン2側で出力軸16に一体的に形成されたリダクションドライブギヤ262と、このリダクションドライブギヤ262に噛合してカウンタ軸18に固定されたリダクションドリブンギヤ264とからなる。
【0056】
ファイナルギヤ機構36は、カウンタ軸18に固定されたファイナルドライブギヤ266と、このファイナルドライブギヤ266に噛合するファイナルドリブンギヤ268とからなる。このファイナルドリブンギヤ268は、差動機38のデフケース48に取付ボルト270で固定されている。
【0057】
次に、この第1実施例の作用を説明する。
【0058】
出力用クラッチ32のクラッチ油圧室120への作動油圧は、オイルポンプ22からメインケース8−2の下部位のバルブボディ164に至り、そして、クラッチ油圧通路140としての、メインケース8−2のメインケース用クラッチ油圧通路186と、ハウジングケース8−1の下部位のハウジングケース用下側クラッチ油圧通路218と、パイプ228のパイプ油圧通路230と、ハウジングケース8−1の上部位のハウジングケース用上側クラッチ油圧通路224と、カラー138のクラッチ油圧環状溝142及びクラッチ油圧供給口144と、パイプ軸132のクラッチ油圧供給通路146と、カラー138と出力軸16との間のクラッチ油圧連絡空間S4と、出力軸16の出力軸クラッチ油圧通路148とを経て、クラッチ油圧室120に供給される。
【0059】
また、出力用クラッチ32周辺の各部品の潤滑・冷却油は、オイルポンプ22からバルブボディ164に至り、そして、潤滑油路150としての、メインケース8−2のメインケース用クーラ導入油路192と、サイドカバー8−3のサイドカバー用クーラ導入油路256と、サイドカバー8−3の上部位に取り付けたオイルクーラ250と、サイドカバー8−3のサイドカバー用クーラ導出油路260と、メインケース8−2のメインケース用クーラ導出油路194と、分配部材198の分配油路96と、ハウジングケース8−1のハウジングケース用クーラ導出油路226と、潤滑供給油路162と、パイプ軸132の軸孔134と、被動軸14の潤滑軸油路152とを経て、そして、クラッチ側潤滑油路156から被動軸14の外周面に形成した潤滑油分岐溝102に連通し、さらに、第1クラッチキャンセラ室側潤滑油路104と軸受側隙間S1と第2クラッチキャンセラ室側潤滑油路108とを経てクラッチ遠心油圧キャンセラ室124内に供給され、及び、ディスク側潤滑油路106から壁側潤滑隙間S2を経て各クラッチディスク110、118側に供給される。
【0060】
更に、プーリ遠心油圧キャンセラ室80への作動油は、プーリキャンセラ室側潤滑油路154とスペーサオイル溝84とを経て、プーリ側遠心油圧キャンセル室80内に供給される。
【0061】
更にまた、固定用ナット98・エンジン側管部96−1C及び中央管部96−1Bと出力軸16のプーリ側延出部16−1との間の軸受側潤滑隙間S1には、軸孔134からの潤滑油が、軸隙間S3を経て供給される。
【0062】
この結果、この実施例においては、被動軸14を車両搭載状態において駆動軸12よりも上方に配設し、つまり、被動軸14が無段変速機ケース8の上部位に配置され、この被動軸14のエンジン2側に出力用クラッチ32を配設し、メインケース8−2の駆動軸12の下方、つまり、無段変速機ケース8の下部位には、出力用クラッチ32の作動油圧を制御するバルブボディ164を配設し、出力用クラッチ32への作動油圧のクラッチ油圧通路140の一部を管部材であるパイプ228で形成したことにより、被動軸14のエンジン2側に出力用クラッチ32を配設しても、クラッチ油圧をエンジン2側から出力用クラッチ32に供給させることができ、よって、無段変速機ケース8の形状変更を少なくし、他部品との干渉を容易に回避することができるとともに、無段変速機ケース8に通路孔を形成して油圧通路を形成する場合に比べて、出力用クラッチ32のクラッチ油圧通路140をコンパクトで且つ容易に形成することができる。
【0063】
また、パイプ228はハウジングケース8−1内に取り付けられ、クラッチ油圧通路140はバルブボディ164とメインケース8−2とハウジングケース8−1とパイプ228とハウジングケース8−1との順で連通して形成され、ハウジングケース8−1の下部位には出力用クラッチ32への作動油を受け入れるケース油路接続部220が設けられるとともにこのケース油路接続部220近傍でパイプ228の下端側を接続する下側パイプ接続部216が設けられ、ハウジングケース8−1の上部位にはハウジングケース用被動軸支持部204近傍でパイプ228の上端側を接続する上側パイプ接続部222が設けられていることから、パイプ228からの油漏れに注意を払う必要がなくなり、また、飛び石や車両搭載時等で、パイプ228の変形や損傷をなくすことができ、また、同一のハウジングケース8−1間の油圧通路をパイプ228で形成することから、組み付けが容易で且つ安定し、無段変速機6の組付時に注意を払う必要性をなくすることができる。
【0064】
更に、無段変速機ケース8には被動軸14と平行にカウンタ軸18が設けられ、このカウンタ軸18にはファイナルギヤ機構36のファイナルドライブギヤ266とこのファイナルドライブギヤ266よりもエンジン2側でリダクションギヤ機構34のリダクションドリブンギヤ264が設けられ、パイプ228はリダクションドリブンギヤ264とハウジングケース用被動軸支持部204とハウジングケース用カウンタ軸支持部208との間に形成されているデッドスペース232に配設されていることから、配管長を短くすることができるとともに、デットスペース232の利用により、配管のために無段変速機6が大型化するのを防止することができ、また、ハウジングケース用駆動軸支持部200、ハウジングケース用被動軸支持部204、ハウジングケース用カウンタ軸支持部208、ハウジングケース用ドライブ軸支持部212の各支持部が所定の厚みを有しているので、軸方向に厚さがあり、ハウジングケース用駆動軸支持部200、ハウジングケース用被動軸支持部204、ハウジングケース用カウンタ軸支持部208、ハウジングケース用ドライブ軸支持部212の各支持部間のハウジングケース壁部8−1Aをエンジン2側に移動させるだけで、配管スペースを容易に確保させることができる。
【0065】
更にまた、パイプ228は、下端側がハウジングケース8−1の下側パイプ接続部216に下側固定フランジ236で固定されるとともに上端側がハウジングケース8−1の上側パイプ接続部222に上側固定フランジ238で固定されることにより、各部品との干渉を回避するように、第1〜7パイプ屈曲部234−1〜234−7が形成されるとともに、曲げによるパイプ228の屈曲では、通路面積の減少を考慮すると、屈曲半径の最小化には限界があるため、下側、上側固定フランジ236、238に挿入されたパイプ228の下側、上側端部228A、228Bからの第1、第7屈曲部234−1、234−7をパイプ同士の接合により形成することにより、ケース壁面からの立ち上がりを最小限にすることができ、他部品との干渉を回避させることができる。
【0066】
また、出力用クラッチ32への潤滑・冷却油及びプーリ遠心油圧キャンセラ室80への作動油は、ハウジングケース8−1、メインケース8−2、サイドカバー8−3に形成した各油路を利用して被動軸14のエンジン2側の端部位側から供給することができるので、出力用クラッチ32を被動プーリ14よりもエンジン2側に配設した場合でも、出力用クラッチ32への潤滑・冷却油及びプーリ遠心油圧キャンセラ室80への2種類の油をエンジン2側から一系統で供給させることができるとともに、出力用クラッチ32のクラッチ油圧室74へもエンジン2側から作動油圧を作用させることができることから、各油路をコンパクトで且つ容易に形成することができる。
【0067】
更に、出力軸16と同軸上にパイプ軸132とこのパイプ軸132に嵌合させたカラー138とを設けたので、2種類のクラッチ油圧通路140と潤滑油路150とを、エンジン2側の一方向からの供給を可能とし、また、カラー138の外周面にはクラッチ油圧環状溝142が形成されているので、ハウジングケース8−1への組み付け時に、回転方向に対して注意を払う必要がなく、組付性を向上することができる。
【0068】
図28は、この発明の第2実施例を示すものである。
【0069】
以下の実施例においては、上述の第1実施例と同一機能を果たす箇所には、同一符号を付して説明する。
【0070】
この第2実施例の特徴とするところは、以下の点にある。即ち、ハウジングケース8−1には、例えば、パイプ228の中間部位のハウジングケース用カウンタ軸支持部208を利用し、パイプ228一部を側面から抱持するパイプ抱持部282を設けた。
【0071】
この第2実施例の構成によれば、上下方向に指向するパイプ228の中間部位をパイプ抱持部282で抱持することができるので、パイプ228に振動等が発生するのを防止することができるとともに、パイプ228を堅固に支持することができる。
【0072】
図29は、この発明の第3実施例を示すものである。
【0073】
この第3実施例の特徴とするところは、以下の点にある。即ち、パイプ228の上端部位をハウジングケース用上側クラッチ油圧通路224に連通するようにハウジングケース8−1に取着する一方、パイプ228の下端部位をメインケース用クラッチ油圧通路186に連通するようにメインケース8−2に取着して設けた。
【0074】
この第3実施例の構成によれば、パイプ228の下端部位をメインケース8−2に直接取り付けるので、ハウジングケース8−1の下部位でのクラッチ油圧通路を省略して簡単にすることができる。
【0075】
なお、この発明においては、図30〜32に示す如く、クラッチ油圧経路の隙間に合わせた断面形状の各パイプを構成することにより、パイプのレイアウトの自由度を大きくすることができる。
【0076】
即ち、図30に示す如く、所要の通路断面積を確保しつつ、一側部品302−1と他側部品302−1の間に配置される断面四角形状のパイプ304を構成したり、また、図31に示す如く、所要の通路断面積を確保しつつ、一側部品302−1に接した平面部312Aと湾曲形状の湾曲部312Bとを有する略断面半円形状のパイプ312を構成したり、更に、図32に示す如く、パイプ322の急激に曲がりがある部分においては、通路断面積を他の部位よりも大きくするように膨出部322Aを形成することにより、流路抵抗を少なくして作動油の流れを円滑にすることができる。
【0077】
【発明の効果】
以上詳細な説明から明らかなようにこの発明によれば無段変速機ケースの形状変更を少なくし、他部品との干渉を容易に回避することができるとともに、無段変速機ケースに通路孔を形成して油圧通路を形成する場合に比べて、出力用クラッチの油圧通路をコンパクトで且つ容易に形成し得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】無段変速機のパイプを取り付けたハウジングケースのメインケース側からの正面図である。
【図2】パイプの正面図である。
【図3】図2の矢印IIIによるパイプの側面図である。
【図4】メインケースのハウジングケース側からの正面図である。
【図5】図4メインケースの要部概略断面図である。
【図6】図5の矢印V1による拡大断面図である。
【図7】図4のメインケースの底面図である。
【図8】メインケースのサイドカバー側からの正面図である。
【図9】図8のメインケースの要部概略断面図である。
【図10】図9の矢印Xによる拡大断面図である。
【図11】図8のメインケースのクーラ導出油路部位の断面図である。
【図12】ハウジングケースのメインケース側からの正面図である。
【図13】図12の矢印XIII−XIII線による断面図である。
【図14】図12の矢印XIV−XIV線による断面図である。
【図15】図12の矢印XV−XV線による断面図である。
【図16】図12の矢印XVI−XVI線による断面図である。
【図17】サイドカバーのメインケース側からの正面図である。
【図18】図17のサイドカバーの平面図である。
【図19】図18のXIX−XIX線による断面図である。
【図20】図17のXX−XX線による断面図である。
【図21】図17のXXI−XXI線による断面図である。
【図22】無段変速機のエンジン側からの正面図である。
【図23】図22の無段変速機の平面図である。
【図24】図22のXXIV−XXIV線による断面図である。
【図25】図24の要部断面図である。
【図26】図25の拡大半断面図である。
【図27】カラーの斜視図である。
【図28】第2実施例においてパイプ抱持部の正面図である。
【図29】第3実施例においてハウジングケースとメインケースとの接合部位の概略構成図である。
【図30】第1の変形例におけるパイプの断面図である。
【図31】第2の変形例におけるパイプの断面図である。
【図32】第3の変形例におけるパイプの断面図である。
【符号の説明】
2 エンジン
6 無段変速機
8 無段変速機ケース
12 駆動軸
14 被動軸
16 出力軸
18 カウンタ軸
22 オイルポンプ
26 駆動プーリ
28 被動プーリ
30 ベルト
32 出力用クラッチ
80 プーリ遠心油圧キャンセラ室
120 クラッチ油圧室
124 クラッチ遠心油圧キャンセラ室
132 パイプ軸
138 カラー
140 クラッチ油圧通路
150 潤滑油路
228 パイプ
250 オイルクーラ

Claims (2)

  1. 車両に搭載したエンジンのクランク軸と同軸心上に配設され且つ無段変速機ケースに回転自在に支持された駆動軸に固定した駆動固定プーリ片と前記駆動軸に軸方向移動可能且つ回転不可能に装着した駆動可動プーリ片とからなる駆動プーリを設け、前記駆動軸と平行に配設され且つ前記無段変速機ケースに回転自在に支持された被動軸に固定した被動固定プーリ片と前記被動軸に軸方向移動可能且つ回転不可能に装着した被動可動プーリ片とからなる被動プーリを設け、前記駆動プーリと前記被動プーリとにベルトを巻掛けて無段変速機を構成し、前記無段変速機ケースを前記エンジン側のハウジングケースとこのハウジングケースに連結されるメインケースとこのメインケースに連結されるサイドカバーとで構成し、前記被動軸を車両搭載状態において前記駆動軸よりも上方に配設し、前記被動軸の前記エンジン側に出力用クラッチを配設し、前記メインケースの前記駆動軸の下方には前記出力用クラッチの作動油圧を制御するバルブボディを配設し、このバルブボディと前記出力用クラッチとを接続する油圧通路の一部を管部材で形成した無段変速機の油圧配管構造において、前記管部材は前記ハウジングケース内に取り付けられ、前記油圧通路は前記バルブボディと前記メインケースと前記ハウジングケースと前記管部材と前記ハウジングケースと前記出力用クラッチとの順で連通して形成され、前記ハウジングケースの下部位には前記出力用クラッチへの作動油を受け入れるケース油路接続部が設けられるとともにこのケース油路接続部近傍で前記管部材の下端側を接続する下側パイプ接続部が設けられ、前記ハウジングケースの上部位には前記被動軸の支持部近傍で前記管部材の上端側を接続する上側パイプ接続部が設けられたことを特徴とする無段変速機の油圧配管構造。
  2. 前記管部材は、パイプからなり、両端部が夫々、前記ハウジングケースの前記下側パイプ接続部と前記上側パイプ接続部とに各固定フランジで固定されるとともに、この各固定フランジに挿入された前記パイプからの屈曲部をパイプ同士の接合により形成されたことを特徴とする請求項1に記載の無段変速機の油圧配管構造。
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