JP4049070B2 - 車両の制御装置 - Google Patents

車両の制御装置 Download PDF

Info

Publication number
JP4049070B2
JP4049070B2 JP2003331850A JP2003331850A JP4049070B2 JP 4049070 B2 JP4049070 B2 JP 4049070B2 JP 2003331850 A JP2003331850 A JP 2003331850A JP 2003331850 A JP2003331850 A JP 2003331850A JP 4049070 B2 JP4049070 B2 JP 4049070B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
vehicle
road surface
friction coefficient
ecu
driver
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2003331850A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2005096567A (ja
Inventor
裕之 小川
義和 田中
裕康 本田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP2003331850A priority Critical patent/JP4049070B2/ja
Publication of JP2005096567A publication Critical patent/JP2005096567A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4049070B2 publication Critical patent/JP4049070B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Control Of Transmission Device (AREA)
  • Control Of Driving Devices And Active Controlling Of Vehicle (AREA)
  • Control Of Vehicle Engines Or Engines For Specific Uses (AREA)

Description

本発明は、車両が走行する路面の滑り易さ(路面の摩擦係数)を検知して車両を制御する技術に関し、特に、走行時に路面の摩擦係数を的確に検知して、車両のスリップ状態を制御する技術に関する。
近年、車両には、ブレーキロック防止装置(ABS:Antilock Braking System)やトラクション制御装置(TRC:Traction Control System)等の走行制御装置が装備されるようになって来ている。そして、このような走行制御装置においては、駆動輪の回転速度と従動輪の回転速度とから駆動輪の滑り率を算出するとともに、その滑り率から路面の摩擦係数を推定し、推定された路面摩擦係数に基づいて車両の駆動力等を制御している。
特開平7−128221号公報(特許文献1)は、車両の走行中に常に、路面のすべり易さを検出する路面状態検出装置を開示する。この検出装置は、車両の駆動輪のスリップを検出するスリップ検出手段と、スリップ検出手段によって検出されたスリップの変動巾を求める変動巾演算手段と、駆動輪に伝達される駆動力を検出する駆動力検出手段と、駆動輪に伝達される駆動力と駆動輪のスリップとを第1のパラメータとして第1のパラメータと路面状態との関係を示す駆動力−スリップ特性を予め記憶し、駆動力検出手段によって検出された駆動力とスリップ検出手段によって検出されたスリップとに基づき駆動力−スリップ特性から路面状態を検出する第1の路面状態検出手段と、駆動輪に伝達される駆動力と駆動輪に発生するスリップの変動巾とを第2のパラメータとして第2のパラメータと路面状態との関係を示す駆動力−スリップ変動巾特性を予め記憶し、駆動力検出手段によって検出された駆動力と変動巾演算手段によって求められたスリップ変動巾とに基づき駆動力−スリップ変動巾特性から路面状態を検出する第2の路面状態検出手段と、第1の路面状態検出手段と第2の路面状態検出手段の夫々の検出結果に基づき、予め設定された判定条件に従い路面状態を判定して路面状態判定信号を出力する路面状態判定手段とを含む。
この検出装置によると、タイヤの縦方向の力(駆動力)に着目し、タイヤ駆動力をエンジン運転状態から推定し、さらに車輪のスリップおよびスリップの変動巾と、駆動力との関係から路面状態を走行中に常に検出することができる。
特開平7−128221号公報
しかしながら、特許文献1に開示された路面状態検出装置は、駆動力および駆動輪のスリップと路面状態との関係、駆動力および駆動輪に発生するスリップの変動巾と路面状態との関係、に基づいて路面状態を検出している。このため、予め記憶された関係に基づいて路面状態を検出するので、その検出精度が悪くなる場合がある。たとえば、国内向けの車両はごく一部の寒冷地を除いて、一般的には同じ値の計算用のパラメータやマップがメモリに記憶される。このため、地域や季節によっては、車両の設計時に予測していなかった天候になり、その天候によりメモリに記憶されたパラメータやマップを用いて、現状に対応した路面状態(摩擦係数)を検出することが困難になる場合などである。
本発明は、上述の課題を解決するためになされたものであって、その目的は、的確に路面状態を検知することができ、その路面状態に基づいて車両を制御する、車両の制御装置を提供することである。
第1の発明に係る車両の制御装置は、車両に搭載され、車両が走行する路面状態を検知するための路面状態検知手段と、車両の外部から通信データを受信するための受信手段と、受信した通信データに基づいて、路面情報を取得する路面情報取得手段と、路面状態検知手段により検知された路面状態と路面情報取得手段により取得された路面情報とに基づいて、車両のスリップを回避するように、車両を制御するための制御手段とを含む。
第1の発明によると、車両が走行する路面状態として、たとえば路面の摩擦係数を、車両に搭載されたセンサ等を用いて路面状態検知手段が検知するとともに、車両の外部から受信した通信データに基づいて路面情報取得手段が取得する。すなわち、車両自体が路面状態を検知するとともに、車両の外部で検知され車両が受信することにより車両が路面情報を取得する。路面状態を表わす複数の摩擦係数に基づいて(たとえば、より小さい摩擦係数に基づいて)、車両のスリップを回避するように、制御手段により車両が制御される。このようにすると、いずれかが誤っている場合(車両自体が検知した路面状態を検知するセンサの誤作動、路面情報を含む通信データの受信ミス等により誤った場合)であっても、車両がスリップすることを回避するように車両の駆動力を制御することができる。その結果、的確に路面状態を検知することができ、その路面状態に基づいて車両を制御する、車両の制御装置を提供することができる。
第2の発明に係る車両の制御装置においては、第1の発明の構成に加えて、路面状態検知手段は、路面状態として路面の摩擦係数を第1の摩擦係数として検知するための手段を含む。路面情報取得手段は、受信した通信データに基づいて、路面情報として路面の摩擦係数を第2の摩擦係数として取得するための手段を含む。制御手段は、第1の摩擦係数と第2の摩擦係数とに基づいて、車両のスリップを回避するように、車両を制御するための手段を含む。
第2の発明によると、車両に搭載されたセンサ等を用いて第1の摩擦係数が検知され、車両外部で検知された路面情報を含む通信データを車両が受信して第2の摩擦係数が取得される。これらの第1の摩擦係数と第2の摩擦係数とに基づいて(より小さな摩擦係数を採用して)、車両のスリップを回避するように、車両を制御することができる。
第3の発明に係る車両の制御装置においては、第2の発明の構成に加えて、制御手段は、第1の摩擦係数および第2の摩擦係数のいずれか小さい方の摩擦係数に基づいて、車両を制御するための手段を含む。
第3の発明によると、より安全性を高めるために、より小さな摩擦係数(より滑りやすい摩擦係数)を用いて車両のスリップを回避するように、車両を制御するので、たとえ一方の摩擦係数が誤っていたとしても車両がスリップすることを回避できる。
第4の発明に係る車両の制御装置においては、第2の発明の構成に加えて、制御手段は、第1の摩擦係数と第2の摩擦係数とを平均した摩擦係数に基づいて、車両を制御するための手段を含む。
第4の発明によると、両方の摩擦係数が正しい場合には、それらを平均した摩擦係数に基づいて車両がスリップしないように、車両を制御することができる。
第5の発明に係る車両の制御装置においては、第2の発明の構成に加えて、制御手段は、第1の摩擦係数と第2の摩擦係数とを重み付け平均した摩擦係数に基づいて、車両を制御するための手段を含む。
第5の発明によると、第1の摩擦係数と第2の摩擦係数とが異なる場合に、平均するときに重みを付ける。たとえば、小さい方の摩擦係数に大きな重みを付けて、より小さな平均摩擦係数が算出されるようにして必ずスリップが発生しない摩擦係数を算出する。逆に、大きい方の摩擦係数に大きな重みを付けて大きな平均摩擦係数が算出されるようにして、車両にスリップが発生しない限界の摩擦係数を算出する。このようにすると、たとえば運転者毎に摩擦係数を算出して、スリップを許容する運転者には大きめの摩擦係数が算出されるように、スリップを許容できない運転者には小さめの摩擦係数が算出されるようにして、車両を制御することができる。
第6の発明に係る車両の制御装置は、第5の発明の構成に加えて、重み付け平均するときに用いる重み付け係数であって、運転者の運転嗜好を反映させる重み付け係数を、学習するための学習手段をさらに含む。
第6の発明によると、運転者の運転嗜好としてスリップを許容する運転嗜好を有する運転者には大きめの摩擦係数が算出されるように、運転者の運転嗜好としてスリップを許容できない運転者には小さめの摩擦係数が算出されるように重み付け係数を学習して、車両を制御することができる。
第7の発明に係る車両の制御装置は、第6の発明の構成に加えて、車両の運転者を識別するための識別手段と、重み付け係数を運転者毎に区別して記憶するための記憶手段とをさらに含む。
第7の発明によると、運転者を区別して、重み付け平均するときに用いる重み付け係数を記憶して、運転者毎に、車両の制御に用いられる摩擦係数を算出することができる。
第8の発明に係る車両の制御装置においては、第6または7の発明の構成に加えて、車両は、運転者のアクセル操作を検知するためのアクセル操作検知手段をさらに含む。学習手段は、アクセル操作に基づいて、重み付け係数を学習するための手段を含む。
第8の発明によると、摩擦係数の低い滑りやすい路面においても、運転者がアクセルを踏み込んでいる場合には、スリップを許容する運転嗜好を有する運転者には大きめの摩擦係数を算出する。逆に、運転者がアクセルを踏まない場合には、スリップを許容しない運転嗜好を有する運転者には小さめの摩擦係数を算出する。このようにアクセル操作に基づいて摩擦係数が算出されるように、重み付け平均するときに用いる重み付け係数を学習することができる。
第9の発明に係る車両の制御装置においては、第1〜8のいずれかの発明の構成に加えて、車両は、ナビゲーション装置を搭載する。受信手段は、ナビゲーション装置に備えられた通信手段である。
第9の発明によると、車両の外部から受信する路面情報は、ナビゲーション装置に備えられた通信手段により受信することができる。
第10の発明に係る車両の制御装置においては、第1〜9のいずれかの発明の構成に加えて、制御手段は、車両の駆動輪に伝達される駆動力を制御するための手段を含む。
第10の発明によると、車両自体が検知した路面状態および車両の外部から取得した路面情報に基づいて、車両の駆動輪に伝達される駆動力を制御して、車両がスリップすることを回避するように車両を制御することができる。
第11の発明に係る車両の制御装置においては、第10の発明の構成に加えて、制御手段は、車両に搭載されたエンジンと自動変速機とを制御することにより、車両の駆動輪に伝達される駆動力を制御するための手段を含む。
第11の発明によると、車両に搭載されたエンジンの出力トルクと、自動変速機のギヤ比とを制御して駆動トルクを可変とすることにより、車両がスリップすることを回避するように車両を制御することができる。
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがってそれらについての詳細な説明は繰返さない。
本発明の実施の形態に係る制御装置を含む車両のパワートレーンについて説明する。本実施の形態に係る車両の制御装置は、図1に示すECU(Electronic Control Unit)1300により実行されるプログラムにより実現される。本実施の形態では、自動変速機を、流体継手としてトルクコンバータを備えた、歯車式変速機構を有する自動変速機として説明する。なお、本発明は、歯車式変速機構を有する自動変速機に限定されるものではなく、たとえばベルト式などの無段変速機であってもよい。
<第1の実施の形態>
図1を参照して、本実施の形態に係る車両の制御ブロックについて説明する。本実施の形態に係る制御装置は、前述のようにECU1300により実行されるプログラムにより実現されるが、このECU1300には、エンジンECU1100、ECT(Electronic Controlled Automatic Transmission)_ECU1200およびVSC(Vehicle Stability Control)_ECU1400とが接続され、エンジンECU1100、ECT_ECU1200およびVSC_ECU1400を統合的に制御する制御装置としてECU1300は機能する。
ECU1300は、ナビゲーション装置に備えられた通信部2000に接続され、通信部2000から通信データを受信する。
エンジンECU1100は、エンジン100に接続され、エンジン100からエンジン回転数を受信したり、ECU1300から受信した目標エンジントルク指令信号に基づいて、エンジン100の出力トルクを制御する。
ECT_ECU1200は、自動変速機200に接続され、自動変速機200の入力軸回転数信号や出力軸回転数信号を受信し、ECU1300から受信した変速ギヤ段指令信号に基づいて、自動変速機200を制御する。
このように構成される車両のパワートレーンにおいては、エンジン100において出力されるエンジントルクが自動変速機200における変速ギヤ段のギヤ比により車両駆動力を表わす伝達トルクに換算される。この伝達トルクが車両の駆動輪に伝達され、路面の摩擦係数とこの駆動トルクとの関係に基づいて、車両がスリップするか否かが決定される。
図2を参照して、本実施の形態に係る制御装置であるECU1300で実行されるプログラムの制御構造について説明する。
ステップ(以下、ステップをSと略して記載する)100にて、ECU1300は、VSC_ECU1400から演算摩擦係数μ(1)を取得したか否かを判断する。VSC_ECU1400は、公知の技術(特開平7−128221号公報、特開平4−66844号公報、特開平8−201235号公報などに開示される技術)に基づいて、演算により車両が走行中の路面の摩擦係数μ(1)を演算する。
S110にて、ECU1300は、通信部2000を介して、受信摩擦係数μ(2)を取得する。この受信摩擦係数μ(2)は、この車両の外部の装置により路面の摩擦係数が計測され、無線通信を介して通信部2000が受信する。
S120にて、ECU1300は、演算摩擦係数μ(1)と受信摩擦係数μ(2)との小さい方を、摩擦係数μとして決定する。S130にて、ECU1300は、決定された摩擦係数μを用いて、トラクティブフォースF(1)を算出する。このとき、トラクティブフォースF(1)=f(μ、車両重量)で算出される。なお、fは関数を示す。
S140にて、ECU1300は、アクセル開度から運転者が要求する駆動力F(2)を算出する。このとき、アクセル開度に対応する駆動力の関係を予めマップとしてメモリに記憶しておいて、マップに基づきアクセル開度から駆動力F(2)を算出する。
S150にて、ECU1300は、トラクティブフォースF(1)と運転者要求駆動力F(2)との小さい方を駆動力Fとして決定する。
S160にて、ECU1300は、決定された駆動力Fを駆動輪が出力するように、目標エンジントルクと変速ギヤ段とを決定する。S170にて、ECU1300は、エンジンECU1100に目標エンジントルク指令信号を、ECT_ECU1200に変速ギヤ段指令信号をそれぞれ送信する。目標エンジントルク指令信号を受信したエンジンECU1100は、エンジン100に対してその目標エンジントルクをエンジン100が出力するようなエンジン回転数になるようにエンジン100を制御する。また、ECU1300から変速ギヤ段指令信号を受信したECT_ECU1200は、その変速ギヤ段になるように自動変速機200の変速油圧回路を制御する。
なお、これらのプログラムをその都度実行するのではなく、年月日情報とナビゲーション装置により検知された位置情報とともに記憶しておいて、それらの情報に基づいて、エンジンと自動変速機を制御するようにしてもよい。年月日と位置とが同じであると、気候や地理条件が同じとして路面の摩擦係数が同じであると推定できるためである。
以上のような構造およびフローチャートに基づく本実施の形態に係る制御装置であるECU1300を搭載した車両の動作について説明する。
車両が走行中に予め定められたタイミングで、VSC_ECU1400は、演算による演算摩擦係数μ(1)を算出する。このとき、前述の公知の技術が用いられる。ECU1300はVSC_ECUから演算摩擦係数μ(1)を取得する(S100)。
ECU1300は、通信部2000を介して車両の外部の装置から受信摩擦係数μ(2)を取得する。このとき、図3に示すように、車両10が走行している路面60における摩擦係数は小域路面状態検知センサ20により検知され車両の通信部2000に送信されたり、中域路面状態検知センサ30により小域よりもさらに大きな領域である中域における路面状態が検知され車両の通信部2000に送信されたり、さらに中域よりもさらに大きな領域である広域における路面の状態を検知する広域路面状態検知装置40により検知され通信衛星50を介して車両の通信部2000に送信されたりする。
演算により算出された演算摩擦係数μ(1)と受信した受信摩擦係数μ(2)との小さい方が摩擦係数μとして決定され(S120)、この摩擦係数μを用いてトラクティブフォースF(1)が算出される(S130)。
運転者によるアクセル操作によって開かれたアクセル開度から運転者が要求する駆動力F(2)が算出される(S140)。トラクティブフォースF(1)と運転者要求駆動力F(2)との小さい方が駆動力Fとして決定され(S150)、決定された駆動力Fを駆動輪が出力するように目標エンジントルクと変速ギヤ段とが決定される(S160)。
エンジンECU1100に目標エンジントルク指令信号がECU1300から送信され、その目標エンジントルク指令信号に基づいて、エンジンECU1100によりエンジン100のエンジン回転数が制御され、目標エンジントルクを出力される。
ECT_ECU1200に変速ギヤ段指令信号がECU1300から送信され、その変速ギヤ段指令信号に基づいて、ECT_ECU1200により自動変速機200の変速ギヤ段が変速油圧回路を用いて制御される。
これにより、エンジン100からは目標のエンジントルクが出力され、自動変速機200において決定された変速ギヤ段のギヤ比によりトルクが変換され車両駆動力として駆動輪に伝達される。この伝達された伝達トルクは演算摩擦係数μ(1)と受信摩擦係数μ(2)との小さい方の摩擦係数μの関数として求められたトラクティブフォースF(1)と、運転者が要求する駆動力F(2)との小さい方の駆動力に基づいて算出されているため、車両がスリップすることはない。
以上のようにして、本実施の形態に係る車両の制御装置であるECUによると、車両が走行する路面における摩擦係数を、車両に搭載されたセンサなどを用いて検知するとともに、車両の外部から受信した通信データに基づいて取得する。車両自体が路面の摩擦係数を検知するとともに、車両の外部で検知された摩擦係数を車両が受信する。これらの複数の摩擦係数のうちのより小さい摩擦係数に基づいて、車両のスリップを回避するようなトラクティブフォースが算出され、そのトラクティブフォースF(1)よりも駆動輪に伝達されるトルクが大きくならないように目標エンジントルクと変速ギヤ段とが決定される。このため、車両自体が演算により算出した摩擦係数や、通信データの受信ミスにより受信した摩擦係数が誤っている場合であっても、車両がスリップすることを回避するように車両の駆動力を制御することができる。
すなわち、車両自体が検知した路面状態および車両の外部から取得した路面情報に基づいて、車両の駆動源であるエンジンやモータの出力トルク、駆動源から駆動輪への動力伝達機構である変速機の変速比等を制御して、車両がスリップすることを回避するように車両を制御することができる。
<第2の実施の形態>
以下、本発明の第2の実施の形態に係る車両の制御装置について説明する。なお、本実施の形態に係る車両の制御装置も、前述の第1の実施の形態に係る制御装置と同様、図1に示すECU1300で実行されるプログラムにより実現される。本実施の形態におけるハードウェア構成(パワートレーンおよび制御ブロック図)は、前述の第1の実施の形態と同じである。したがって、それらのついての詳細な説明はここでは繰返さない。
本実施の形態に係る車両の制御装置においては、前述の第1の実施の形態において演算摩擦係数μ(1)と受信摩擦係数μ(2)とのより小さい方をトラクティブフォースF(1)を算出するために用いたが、本実施の形態においては、演算摩擦係数μ(1)と受信摩擦係数μ(2)との平均値を算出することによりトラクティブフォースF(1)を算出するために用いられる摩擦係数が求められる。
図4を参照して、本実施の形態に係る車両の制御装置であるECU1300で実行されるプログラムの制御構造について説明する。なお、図4に示すフローチャートの中で、前述の図2に示したフローチャートと同じ処理については同じステップ番号を付してある。それらについての処理も同じである。したがって、それらについての詳細な説明はここでは繰返さない。
S200にて、ECU1300は、演算摩擦係数μ(1)と受信摩擦係数μ(2)とで、小さい方をμ(min)に、大きい方をμ(max)にそれぞれ代入する。
S210にて、ECU1300は、摩擦係数μを、摩擦係数μ={α×μ(max)+(1−α)×μ(min)}として算出する。このとき、αは、0以上1以下であるとする。
S220にて、ECU1300は、トラクティブフォースF(1)と駆動力F(2)とで、小さい方をF(min)に、大きい方をF(max)にそれぞれ代入する。S230にて、ECU1300は、駆動力Fを、駆動力F={β×F(max)+(1−β)×F(min)}として算出する。このとき、係数βは、0以上1以下であるとする。
以上のような構造およびフローチャートに基づく、本実施の形態に係る車両の制御装置であるECU1300を搭載した車両の動作について説明する。なお、以下の動作の説明において、前述の第1の実施の形態に係る車両の制御装置であるECU1300の動作と同じ説明についてはここでは繰返さない。
車両が走行中に予め定められたタイミングでVSC_ECU1400が演算摩擦係数μ(1)が演算され、通信部2000を介して外部の装置から受信摩擦係数μ(2)が取得される(S100、S110)。演算摩擦係数μ(1)と受信摩擦係数μ(2)とで、より小さい方がμ(min)に代入され、より大きい方がμ(max)に代入される。重み付け係数αを用いて、摩擦係数μ={α×μ(max)+(1−α)×μ(min)}として算出される(S210)。
重み付け平均された摩擦係数μを用いてトラクティブフォースF(1)が関数f(μ、車両重量)により算出される(S130)。トラクティブフォースF(1)と駆動力F(2)とで、より小さい方がF(min)に代入され、より大きい方がF(max)に代入される(S220)。
駆動力Fが、重み付け係数βを用いて、駆動力F={β×F(max)+(1−β)×F(min)}として算出される。決定された駆動力Fを駆動輪が出力するように目標エンジントルクと変速ギヤ段とが決定される(S160)。
以上のようにして、本実施の形態に係る車両の制御装置であるECUによると、車両内部で演算された演算摩擦係数μ(1)と、外部の装置から受信した受信摩擦係数μ(2)とを重み付け係数αを用いて重み付け平均した摩擦係数μを算出する。その算出された摩擦係数μに基づきトラクティブフォースF(1)が算出される。このトラクティブフォースF(1)と運転者が要求する駆動力F(2)とをさらに重み付け係数βを用いて重み付け平均して駆動力Fを算出する。そのため、前述の第1の実施の形態のように、単により小さな摩擦係数を用いてトラクティブフォースを算出するのではなく、重み付け係数αを用いて摩擦係数μを算出するため、車両の内部で演算により算出された演算摩擦係数μ(1)と車両の外部で計測された受信摩擦係数μ(2)の双方の影響を加味した駆動力を算出することができる。
なお、上述した実施の形態においては、重み付け係数αおよびβの双方を用いて駆動力を算出するようにしたが、いずれか一方のみの重み付け係数を算出して、他方を第1の実施の形態のようにより小さい方として算出するようにしてもよい。
<第3の実施の形態>
以下、本発明の第3の実施の形態に係る車両の制御装置について説明する。本実施の形態に係る車両の制御装置は、前述の第2の実施の形態における重み付け係数αおよびβを学習する点が前述の第2の実施の形態と異なる点である。それ以外の点は前述の第2の実施の形態と同じである。したがって、それらについての詳細な説明はここでは繰返さない。
図5を参照して、本実施の形態に係る車両の制御装置であるECU1300で実行されるプログラムの制御構造について説明する。
S300にて、ECU1300は、運転者を認識する。このとき、車内に設けられたカメラにより運転者の顔の部分を撮像し、パターンマッチングなどの技術により運転者を認識する。
S310にて、ECU1300は、カウンタCを初期化(C=0)する。S320にて、ECU1300は、摩擦係数μが小さい場所におけるアクセル開度を検知する。S330にて、ECU1300は、アクセル開度が予め定められたしきい値以上であるか否かを判断する。アクセル開度が予め定められたしきい値以上であると(S330にてYES)、処理はS340へ移される。もしそうでないと(S330にてNO)、処理はS350へ移される。
S340にて、ECU1300は、カウンタCに1を加算する。
S350にて、ECU1300は、学習時間が終了したか否かを判断する。このとき、学習時間として、予め定められた時間が設定されている。学習時間が終了すると(S350にてYES)、処理はS360へ移される。もしそうでないと(S350にてNO)、処理はS320へ戻される。
S360にて、ECU1300は、カウンタCがカウンタしきい値以上であるか否かを判断する。カウンタCの値がカウンタしきい値以上であると(S360にてYES)、処理はS370へ移される。もしそうでないと(S360にてNO)、処理はS380へ移される。
S370にて、ECU1300は、重み付け係数αおよびβを増加するように学習する。S380にて、ECU1300は、重み付け係数αおよびβを減少するように学習する。
S390にて、ECU1300は、運転者別に、重み付け係数αおよびβをメモリに記憶する。
以上のような構造およびフローチャートに基づく、本実施の形態に係る車両の制御装置であるECU1300の動作について説明する。
運転者が車両に乗り込むと車内カメラなどにより運転者が認識される(S300)。カウンタが初期化され(S310)、摩擦係数μが小さい場所におけるアクセル開度が検知される(S320)。アクセル開度が予め定められたしきい値よりも大きいと(S330にてYES)、カウンタCに1が加算される(S340)。このような処理が学習時間が終了するまで繰返し実行される。
学習時間が終了すると(S350にてYES)、カウンタCがカウンタしきい値よりも大きいと(S360にてYES)、重み付け係数αおよびβを増加するように学習する。すなわち、重み付け係数αおよびβが増加するように修正する。このようにして修正された重み付け係数αおよびβがメモリに運転者別に記憶される(S390)。
アクセル開度が予め定められたしきい値よりも大きい回数が多いということは摩擦係数μが小さい場所においてもこの運転者はアクセルをある程度踏む運転者であると認識できる。このとき、この運転者は車両がスリップすることを許容する運転嗜好を有していると判断できる。そのため、重み付け係数αおよびβを増加するように修正して、図4のS210およびS230において、摩擦係数μおよび駆動力Fが大きくなるように算出されることになる。
逆に、摩擦係数μが小さい場所におけるアクセル開度が小さい運転者は、車両のスリップを許容できない運転嗜好を有する運転者であると認識することができる。そのため、重み付け係数αおよびβを減少するように修正される。重み付け係数αおよびβが小さくなるように修正して、図4のS210およびS230において、摩擦係数μおよび駆動力Fが小さくなるように算出される。そのため、車両がスリップする可能性が低くなる。
以上のようにして、本実施の形態に係る車両の制御装置であるECUによると、運転者毎に、摩擦係数μが小さい場所における運転嗜好を判断して、摩擦係数μを算出しその摩擦係数μからトラクティブフォースを算出し、トラクティブフォースと駆動力とに基づいて運転者の運転嗜好を考慮した駆動力Fを算出するようにすることができる。その結果、運転者の運転嗜好(車両のスリップをどの程度許容するか)に基づいて、車両を制御することができる。
なお、上述した第1〜3の実施の形態のいずれにおいても、路面状態を表わす指標を摩擦係数として説明したが本発明は摩擦係数に限定されない。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明の第1の実施の形態に係る車両の制御装置を含む車両の制御ブロック図である。 本発明の第1の実施の形態に係る車両の制御装置であるECUで実行されるプログラムの制御構造を示すフローチャートである。 本発明の第1の実施の形態に係る車両の制御装置の動作を説明する概念図である。 本発明の第2の実施の形態に係る車両の制御装置であるECUで実行されるプログラムの制御構造を示すフローチャートである。 本発明の第3の実施の形態に係る車両の制御装置であるECUで実行されるプログラムの制御構造を示すフローチャートである。
符号の説明
10 車両、20 小域路面状態検知センサ、30 中域路面状態検知センサ、40 広域路面状態検知装置、50 通信衛星、100 エンジン、200 自動変速機、1100 エンジンECU、1200 ECT_ECU、1300 ECU、1400 VSC_ECU、2000 通信部。

Claims (6)

  1. 車両に搭載され、車両が走行する路面状態を検知するための路面状態検知手段と、
    車両の外部から通信データを受信するための受信手段と、
    前記受信した通信データに基づいて、路面情報を取得する路面情報取得手段と、
    前記路面状態検知手段により検知された路面状態と前記路面情報取得手段により取得された路面情報とに基づいて、前記車両のスリップを回避するように、前記車両を制御するための制御手段とを含み、
    前記路面状態検知手段は、前記路面状態として路面の摩擦係数を第1の摩擦係数として検知するための手段を含み、
    前記路面情報取得手段は、前記受信した通信データに基づいて、路面情報として路面の摩擦係数を第2の摩擦係数として取得するための手段を含み、
    前記制御手段は、前記第1の摩擦係数と前記第2の摩擦係数とを重み付け平均した摩擦係数に基づいて、前記車両のスリップを回避するように、前記車両を制御するための手段を含み、
    前記制御装置は、前記重み付け平均するときに用いる重み付け係数であって、前記運転者の運転嗜好を反映させる重み付け係数を、学習するための学習手段をさらに含む、車両の制御装置。
  2. 前記制御装置は、前記車両の運転者を識別するための識別手段と、
    前記重み付け係数を運転者毎に区別して記憶するための記憶手段とをさらに含む、請求項に記載の車両の制御装置。
  3. 前記車両は、運転者のアクセル操作を検知するためのアクセル操作検知手段をさらに含み、
    前記学習手段は、前記アクセル操作に基づいて、前記重み付け係数を学習するための手段を含む、請求項またはに記載の車両の制御装置。
  4. 前記車両は、ナビゲーション装置を搭載し、
    前記受信手段は、前記ナビゲーション装置に備えられた通信手段である、請求項1〜のいずれかに記載の車両の制御装置。
  5. 前記制御手段は、前記車両の駆動輪に伝達される駆動力を制御するための手段を含む、請求項1〜のいずれかに記載の車両の制御装置。
  6. 前記制御手段は、前記車両に搭載されたエンジンと自動変速機とを制御することにより、前記車両の駆動輪に伝達される駆動力を制御するための手段を含む、請求項に記載の車両の制御装置。
JP2003331850A 2003-09-24 2003-09-24 車両の制御装置 Expired - Fee Related JP4049070B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003331850A JP4049070B2 (ja) 2003-09-24 2003-09-24 車両の制御装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003331850A JP4049070B2 (ja) 2003-09-24 2003-09-24 車両の制御装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005096567A JP2005096567A (ja) 2005-04-14
JP4049070B2 true JP4049070B2 (ja) 2008-02-20

Family

ID=34460386

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003331850A Expired - Fee Related JP4049070B2 (ja) 2003-09-24 2003-09-24 車両の制御装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4049070B2 (ja)

Families Citing this family (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4215026B2 (ja) 2005-05-18 2009-01-28 トヨタ自動車株式会社 車輌の走行制御装置
JP4623162B2 (ja) * 2008-08-08 2011-02-02 トヨタ自動車株式会社 車輌の走行制御装置
JP5391058B2 (ja) * 2009-12-29 2014-01-15 川崎重工業株式会社 車両の特性評価システム及び制御システム、並びに騎乗型車両及びバンク車両の特性評価方法
KR102298869B1 (ko) * 2015-12-08 2021-09-06 현대자동차 주식회사 차량 충돌 방지 장치 및 그 방법
JP2018001962A (ja) * 2016-07-01 2018-01-11 本田技研工業株式会社 車両制御装置
DE102016221975A1 (de) * 2016-11-09 2018-05-09 Robert Bosch Gmbh Verfahren und Vorrichtung zum Betreiben eines Fahrerassistenzsystems, Fahrerassistenzsystem
DE102016221932A1 (de) * 2016-11-09 2018-05-09 Robert Bosch Gmbh Verfahren und Vorrichtung zum Betreiben eines Fahrerassistenzsystems, Fahrerassistenzsystem
DE102020113936A1 (de) * 2019-05-27 2020-12-03 Jtekt Corporation System zur Prädiktion eines Straßenoberflächenreibungskoeffizienten

Also Published As

Publication number Publication date
JP2005096567A (ja) 2005-04-14

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN108375540B (zh) 用于确定地面摩擦系数的侵入式主动动态测试
US9200898B2 (en) Estimation of road inclination
US10369996B2 (en) Travel control device and travel control method
KR101675586B1 (ko) 타이어의 프로파일의 프로파일 깊이를 결정하기 위한 방법, 제어 장치 및 시스템
JP6510753B2 (ja) 運転者の短期運転性向を判断する装置および方法
EP2154509B1 (en) Variation detector of wheel diameter
JP4869148B2 (ja) 車両質量推定装置
JPH11316152A (ja) 自動車の重量を求める装置
JP2004515402A (ja) 車両の運転モード中に発生するアクアプレーニングの危険性を検出するための装置
JP4049070B2 (ja) 車両の制御装置
CN106143494A (zh) 使用重力加速度传感器估算道路坡度的装置和方法
US8000877B2 (en) Fuel economy system and method for a vehicle
KR101484218B1 (ko) 차량 변속 제어 장치 및 방법
JP2011016483A (ja) 路面情報取得装置
JP2004114729A (ja) 車両用前後加速度センサの異常判定装置
JP2006312414A (ja) 運転指向推定装置
JP3482930B2 (ja) 勾配車両加速度センサの補正装置
CN111746546A (zh) 路面状态推断装置
US20030154013A1 (en) Traction distribution control system for four-wheel drive vehicle
EP1302357B1 (en) Method and system for controlling the cruising speed of a vehicle
JP2009119958A (ja) 車両状態推定装置
JP5579714B2 (ja) 自動車の横加速度を評定するための装置および対応する方法
US20010020207A1 (en) Method and system for controlling a drive train of a motor vehicle
CA2610548C (en) Fuel economy system and method for a vehicle
JP4935065B2 (ja) 車両用駆動力制御装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20051128

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070724

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070920

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20071106

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20071119

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101207

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101207

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111207

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111207

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121207

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131207

Year of fee payment: 6

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees