JP4048066B2 - 工具ホルダ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ワークを加工するための工具を保持する工具ホルダに関する。
【0002】
【従来の技術】
工作機械の主軸等に装着され、保持した工具でワークの加工を行う工具ホルダが知られている。このような工具ホルダでワークに対して切削や孔明け等の複合的な加工を行うときには、各加工工程で必要な異なる種類の工具を、それぞれ工具ホルダに保持させて用意しておき、各加工工程に応じて工具ホルダを交換しながら前記ワークの加工を行っている。
【0003】
しかしながら、多くの場合、従来の工具ホルダは、単一の工具ホルダには単一の工具しか保持されないのが一般的で、加工工程の数に応じた数の工具ホルダが必要となり、加工が切り替わる度に工具ホルダを交換する必要があるため、ワークの加工時間のさらなる短縮を図ることが困難で、コストも高くなるという問題がある。
【0004】
また、異なる種類の複数の工具を保持させた工具ホルダも存在するが、各前記工具が前記工具ホルダに固定的に保持されているため、この工具ホルダを用いて行うことができる加工の種類が限定され、汎用的ではないという問題がある。例えば、ねじ孔の下孔加工を行うドリルの後端に、ねじ孔加工用のタップを一体に取り付けた複合加工工具が知られているが、このような工具は、単一種類のねじ孔加工にしか用いることができないという問題がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記問題点にかんがみてなされたもので、工具ホルダに保持させた同一種類又は異なる種類の工具を適宜に使い分けながら加工を行うことができ、工具ホルダを交換することなく複数の加工工程を連続して行うことができる汎用性に優れた工具ホルダの提供を目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の工具ホルダは、主軸と、この主軸の貫通孔内を挿通して設けられた回転自在な制御軸と、前記主軸と前記制御軸とを同期回転及び相対回転させる駆動制御手段とを有する工作機械の前記主軸に装着され、ワークを加工する工具を保持する工具ホルダにおいて、前記工具ホルダは異種又は同種の複数の工具を保持可能で、前記複数の工具のうち、少なくとも一つの工具を、他の工具による前記ワークの加工中に前記ワークと干渉しない格納位置と、前記ワークの加工が可能な突出位置との間で進退移動自在に保持する工具保持体と、前記制御軸と係脱自在に係合し、前記制御軸が前記主軸に対して相対的に回転したときに、前記制御軸の回転を前記工具保持体の進退移動に変換する変換手段とを有する構成としてある。
【0007】
この構成によれば、単一の工具ホルダの複数の工具を切り替えながら、ワークの加工を行うことが可能になり、複数の工具による複合的な加工を、工具ホルダの交換をすることなく行うことができるようになる。
すなわち、前記工具保持体に保持させた一の工具を、ワークと干渉しない格納位置に格納した状態で、他の工具によるワークの加工を行い、この後、前記制御軸を主軸に対して相対的に回転させることで前記一の工具をワークの加工が可能な位置まで突出させて、当該一の工具でワークの加工を行うことが可能になる。
【0008】
請求項2に記載の工具ホルダは、前記変換手段が、前記工具ホルダ内で回転自在に支持され、前記制御軸と係脱自在に係合する回転軸と、前記工具保持体に形成され、前記回転軸と螺合して前記回転軸の回転によって前記工具保持体を進退移動させるねじ孔とからなる構成としてある。
この構成によれば、前記制御軸が前記主軸に対して相対的に回転することで、前記回転軸が前記工具保持体に対して相対的に回転する。前記回転軸と前記工具保持体とは螺合しているので、前記回転軸の回転によるねじの作用により、前記前記工具保持体が進退移動する。
【0009】
この場合、請求項3に記載するように、前記工具保持体に保持される工具が回転工具で、前記工具ホルダに保持される他の工具が切削工具であるようにするとよい。
このようにすることで、例えば、切削工具による座ぐり孔の加工後に、ドリル等の加工工具を格納位置から突出位置まで移動させ、前記座ぐり孔の底部に下孔等の加工を行うことができる。
【0010】
請求項4に記載の工具ホルダは、前記変換手段が、前記工具ホルダ内で回転自在に支持され、前記制御軸と係脱自在に係合する回転軸と、この回転軸と螺合するねじ孔を有し、前記回転軸の軸線と同方向に進退移動する移動体と、この移動体の進退移動を、前記回転軸の軸線と交差する方向の前記工具保持体の進退移動に変換する第二の変換手段を有する構成としてある。
この構成によれば、回転軸の回転が変換手段によって移動体の進退移動に変換される。そして、この移動体の進退移動が、第二の変換手段によって前記回転軸と交差する方向の前記工具保持体の進退移動に変換される。
【0011】
また、請求項5に記載するように、前記第二の変換手段は、前記移動体に形成された傾斜面と、前記工具保持体に形成され前記移動体の傾斜面と摺接する傾斜面とを有するように構成するとよい。
この構成によれば、前記移動体の進退移動にともなって、前記移動体の傾斜面に沿って前記工具保持体の傾斜面が摺動することで、前記工具保持体が前記主軸の軸線と交差する方向に進退移動する。
【0012】
請求項6に記載の工具ホルダは、請求項1に記載の場合において、前記変換手段が、前記工具ホルダ内で回転自在に支持され、前記制御軸と係脱自在に係合する回転軸と、この回転軸に設けられ、前記工具保持体に常時連接する偏心カムとを有する構成してある。
この構成によれば、前記制御軸が前記主軸に対して相対的に回転すると、前記偏心カムが回転して工具保持部を進退移動させる。
請求項7に記載するように、前記工具保持体を前記偏心カムの周囲に複数設けた構成としてもよい。
このようにすることで、複数の工具を順次切り替えながら、複数の加工工程を連続して行うことができるようになる。
【0013】
本発明の工具ホルダを装着する工作機械としては、請求項8に記載するように、径方向切り込み機能(U軸機能)を備えたものであるのが好ましい。
このようにすれば、本発明の工具ホルダを動作させるにあたり、既存のU軸機能をそのまま用いることができる。
また、この場合、請求項9に記載するように、前記工具ホルダが、工具を取り付ける工具取付ヘッドと、この工具取付ヘッドが着脱自在に取り付けられ、前記工作機械の主軸に装着されるホルダ本体と、前記制御軸と係合して前記制御軸の回転を伝達する回転軸とを有し、前記ホルダ本体と前記回転軸とを、径方向切り込み機能を備えた工具ホルダと共用させるようにするとよい。
このようにすることで、本発明の工具ホルダとU軸工具ホルダとを簡単に切り替えることが可能である。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の工具ホルダの好適な実施形態を、図面にしたがって詳細に説明する。
[第一の実施形態]
図1は、本発明の第一の実施形態にかかる工具ホルダの縦断面図、図2(a)は、図1のI-I方向断面図、図2(b)は、図1のII-II方向断面図である。
なお、以下の説明において「前」と記載するときには図1の左側を、「後」と記載するときには図1の右側を指すものとする。
工具ホルダ100は、ワークを切削加工する工具T1,T2を周面上に複数(この実施形態では三つ)保持する工具取付ヘッド110と、工作機械の主軸10の工具装着孔10bに挿入されるホルダ本体150と、このホルダ本体150の後端に取り付けられ、主軸貫通孔10a内でコレットチャック等により把持されるプルスタット170とを有している。
【0015】
図2(b)に示すように、工具取付ヘッド110の前端側の外周面には、切削工具等の工具T2を取り付ける工具取付部114が、軸線Cの対称位置に二カ所形成され、各工具取付部114に工具T2がボルト等で取り付けられる。
また、工具取付ヘッド110,ホルダ本体150及びプルスタット170のそれぞれには、この工具ホルダ100の軸線C上で連通する貫通孔110a,150a,170aが形成されている。そして、この貫通孔110a,150a,170aを挿通して、回転軸120が挿入されている。
【0016】
この回転軸120は、主軸10の軸線Cと同一の軸線上に位置し、ホルダ本体150の貫通孔150a内で、軸受152によって回転自在に支持されている。
さらに、回転軸120は、軸受152の後面と係合する鍔部124と、軸受152の前面から突出するねじ部122とを有していて、ねじ部122に螺入されたナット123と鍔部124とで軸受152を前後から挟み付けることで、前後方向の移動が規制されている。
【0017】
貫通孔110a内に位置する回転軸120の前端は、ねじ軸121として形成されていている。一方、工具取付ヘッド110の貫通孔110aには、回転軸120の前方に、進退移動自在な移動体130が挿入されている。この移動体130は、貫通孔110aに嵌入されたガイドスリーブ115に案内されながら、軸線Cと同方向に進退移動する。そして、この移動体130の後端面に形成されたねじ孔131に、回転軸120のねじ軸121が螺入されている。なお、移動体130は、貫通孔110a内で回転しないように、貫通孔110a内に設けられたキー135等で回転が規制されていて、ワーク加工時には、工具ホルダ100と一体になって回転するようになっている。
【0018】
上記の態様により、回転軸120が移動体130に対して回転すると、ねじ軸121とねじ孔131との螺合作用によって、移動体130が軸線Cと同方向に前進又は後退する。詳しくは、回転軸120が、ねじ軸121をねじ孔131に螺入させる方向に回転すると、移動体130が後退し、ねじ軸121をねじ孔131から螺出させる方向に回転すると、移動体130が前進する。
【0019】
移動体130の前後方向の途中部位には、外周面の一部を斜めに切り欠いて、傾斜面状のカム部132が形成されている。また、工具取付ヘッド110の一端には、貫通孔110aを垂直に横断するように、貫通孔110bが形成されている。そして、この貫通孔110b内に、複数の工具T1,T2のうちの一つの工具(図1の例では、工具T1)を保持する工具保持体140が挿入されている。この工具保持体140は、他の工具T2によるワーク加工の際に、前記ワークと干渉しない格納位置(図2(b)の実線で示す位置)と、工具T1による前記ワークの加工が可能な突出位置(同仮想線で示す位置)との間で進退移動自在である。
【0020】
この工具保持体140は、工具T1がボルト等で取り付けられる先端側の頭部142と、この頭部142から貫通孔110b内に延びる軸部141とから概略構成されている。
頭部142には、移動体130のカム部132と摺接する傾斜状の摺接面142aが形成されている。また、軸部141の外側には、ばね145が嵌装され、このばね145が、常に頭部142の摺接面142aをカム部132に押し付けるように付勢している。なお、このばね145の付勢力は、工具ホルダ100の回転時に工具保持体140に遠心力が作用しても、工具保持体140が容易に工具ホルダ100の径方向外側に移動しない程度のばね定数を有するものでなければならない。
【0021】
上記の態様により、軸線Cと同方向の移動体130の進退移動が、カム部132と摺接面142aとにより軸線Cと直交する方向の移動に変換され、工具保持体140及び工具T1を工具ホルダ100の径方向に移動させる。詳しくは、移動体130が後退すると、工具保持体140及び工具T1が工具ホルダ100の径方向外側に移動し、移動体130が前進すると、ばね145の付勢力によって工具保持体140及び工具T1が工具ホルダ100の径方向内側に移動する。
【0022】
このように、この実施形態では、回転軸120のねじ軸121と、移動体130のねじ孔131とが、回転軸120の回転を工具保持体140の進退移動に変換する変換手段を構成する。また、カム部132と摺接面142aとが、移動体130の進退移動を、軸線Cと交差する方向の工具保持体140及び工具T1の進退移動に変換する第二の変換手段を構成する。
【0023】
次に、回転軸120を移動体130に対して同期回転又は相対回転させるための駆動機構について説明する。
この駆動機構は、主軸貫通孔10a内に回転自在に設けられた制御軸11と、この制御軸11の駆動を制御する駆動制御手段とから概略構成されている。前記した制御軸11の前端は、工具ホルダ100が主軸10に装着されたときに、回転軸120の後端に形成された凸状の係合部128と係合できる凹状の被係合部として形成されている。
【0024】
そして、前記した駆動制御手段の作用によって、制御軸11が主軸10と同期回転又は所定の速度差で相対回転することによって、回転軸120と移動体130とを同期回転又は相対回転させる。
以下、制御軸11を主軸10に対して同期回転又は相対的に回転させるための駆動制御手段の一例を、図3を参照しながら説明する。
【0025】
図3は、前記した駆動制御手段の一例を説明するブロック図である。
なお、図3に示す駆動制御手段は、径方向切り込み機能(U軸機能)を備えた工作機械のU軸制御機構として公知のものである。前記U軸制御機構としては様々な構成のものが知られているが、この実施形態では、主軸10はビルトイン形式のモータ13の駆動によって回転され、制御軸11はサーボモータ14の駆動によって回転されるものとする。また、主軸10の回転速度と制御軸11の回転速度とは、各々に対応して設けられたセンサ10b,11bによって検出され、このセンサ10b,11bの検出結果に基づいて、サーボモータ14の駆動が制御されるものとして説明する。
【0026】
主軸モータ13の駆動は、CPU20からのモータ駆動指令信号によって制御される。前記モータ駆動指令信号は、モータ駆動回路21に入力され、所定の駆動信号として主軸モータ13に出力される。
また、制御軸11を回転させるモータ14の駆動は、CPU20からのモータ駆動指令信号に基づいて速度信号を出力する速度処理回路22aと、この速度処理回路22aからの出力信号に基づいて、制御軸11を所定の速度で回転させるようにモータ14を駆動させるサーボ処理回路22bとによって制御される。
さらに、CPU20からの指令に基づいて、主軸モータ13に対する制御軸11の相対回転速度を指令する重畳回路23が設けられ、この重畳回路23によって指定された相対回転速度信号が速度処理回路22aに入力されるようになっている。
【0027】
主軸10の回転速度を検出するためのセンサ10bが、主軸10の外周面に取り付けられた被検出部材10aを検出すると検出信号を出力し、この検出信号が速度処理回路22aに入力され、主軸10の回転速度が演算される。また、制御軸11の回転速度を検出するためのセンサ11bが制御軸11の外周面に取り付けられた被検出部材11aを検出すると検出信号を出力し、この検出信号が速度処理回路22aに入力され、制御軸11の回転速度が演算される。
【0028】
速度処理回路22aは、制御軸11と主軸10とが同期又は重畳回路23で指定された所定の回転速度差で回転するように、サーボ処理回路22bに指令を出力してモータ14の駆動を制御する。
制御軸11の回転速度と主軸10の回転速度とが同期しているときは、制御軸11に係合している工具ホルダ100の回転軸120は、移動体130に対して相対的に静止した状態であるので、工具保持体140及び工具T1が移動することはない。重畳回路23で指定された回転速度差で制御軸11が回転すると、回転軸120が移動体130に対して相対的に回転し、移動体130を進退移動させる。これにより、工具保持体140及び工具T1が工具ホルダ100の径方向に進退移動する。
【0029】
次に、上記構成の工具ホルダ100を用いた複合加工の一例を、図1〜図4を参照しながら説明する。
以下の説明では、工具ホルダ100に保持された孔内周面加工用の工具T2でワークWの孔内周面Waの切削加工を行った後に、この孔内周面Waの一部に、溝加工用の工具T1を用いて、孔内周面Waの全周にわたって溝Wbを形成するものとして説明する。
【0030】
図4(a)に示すように、工具T2を用いて孔内周面Waの切削加工を行う前に、制御軸11及び回転軸120を主軸10に対して相対的に回転させて移動体130を工具ホルダ100の前方に押し出し、ばね145の付勢力によって工具T1を工具ホルダ100内に格納しておく。これにより、工具T2による孔内周面Waの加工中に、工具T1とワークWとが干渉することがない。
【0031】
工具T1を工具ホルダ100内の所定位置に格納した後、制御軸11の速度調整を行って、制御軸11を主軸10に対して同期回転させる。これにより、工具T1は前記格納位置で保持される。この状態で、工具ホルダ100を軸線Cと同方向に移動させて、工具T2による孔内周面Waの加工を行う。
孔内周面Waの加工終了後、工具ホルダ100を軸線Cと同方向に移動させて、孔内周面Waの所定位置に位置決めする。
【0032】
次いで、制御軸11を主軸10に対して所定の回転速度差で回転させる。これにより、移動体130が所定の速度で後退するとともに、工具保持体140及び工具T1が所定の速度で、工具ホルダ100の径方向外側に向けて移動する。工具T1の刃先が孔内周面Waに達すると、工具T1による溝Wbの加工が開始される。以後、工具T1の送り速度が適切なものになるように、重畳回路23の指令に基づいて制御軸11の回転速度を制御しながら、溝Wbの加工を行う。
【0033】
溝Wbの加工終了後は、制御軸11の回転速度を制御して移動体130を前進させ、工具T1を前記の格納位置まで移動させた後、工具ホルダ100を軸線Cと同方向に移動させてワークWから離間させる。
このように、本発明の工具ホルダ100によれば、複数の加工を、工具ホルダ100の交換することなく行うことができ、加工時間の大幅な短縮を図ることができるものである。
【0034】
[第二の実施形態]
次に、本発明の工具ホルダの第二の実施形態を、図5を参照しながら説明する。
図5(a)は、本発明の第二の実施形態にかかる工具ホルダの前端部分の断面図、図5(b)は図5(a)の工具ホルダのIII-III方向断面図である。
この実施形態の工具ホルダ200は、図5(b)に示すように、工具取付ヘッド210に、径方向に進退移動自在な四つの工具保持部241,242,243,244が均等間隔で設けられている。
【0035】
工具取付ヘッド210の貫通孔210a内には、軸線C上に回転軸220が設けられ、軸受252によって回転自在に支持されている。この回転軸220は、先の実施形態の回転軸120と同様に、ナット等で前後方向の移動が規制されているとともに、その後端(図示せず)が、主軸10内の制御軸11(図1参照)と係合するようになっている。
【0036】
回転軸220の前端には、軸231が軸線Cから偏心した軸線C′上に設けられている。そして、この軸231に、偏心カム230が回転自在に取り付けられている。また、工具保持部241,242,243,244と工具取付ヘッド210との間にはばね245が介装されていて、工具保持部241,242,243,244の一側に形成された摺接面241a〜244aを、常時偏心カム230のカム面に押し当てる方向に付勢している。このばね245は、第一の実施形態のばね145と同様に、加工中に生じる遠心力によって、工具保持部241,242,243,244が容易に移動しないばね定数を有するものでなければならない。
【0037】
上記構成の工具ホルダ200においては、制御軸11を主軸10(図1参照)に対して相対的に回転させて回転軸220を回転させると、偏心カム230の外周面が工具保持部241,242,243,244の摺接面241a〜244aと当接した状態で回転し、複数の工具T21〜T24のうちの一の工具(例えば工具T21)を、ワークWの加工が可能な位置まで突出させる。このとき、他の工具T22,T23,T24は、ワークWと干渉しない位置に後退しているので、これにより、一の工具T21によるワークWの加工が可能になる。
【0038】
この実施形態では、上記の第一の実施形態の工具ホルダ100よりもさらに多くの工具T21〜T24を、工具ホルダ200に移動自在に保持させることができる。そのため、さらに多くの種類の加工を、工具ホルダ200の交換を行うことなくできるという点で有利である。また、偏心カム230を用いているので、工具取付ヘッド210の全長を、第一の実施形態の工具ホルダ100の工具取付ヘッド110よりも短くすることができるという点で有利である。
【0039】
さらに、この実施形態の工具ホルダ200においては、五つ以上の工具を工具ホルダ200に進退移動自在に保持させることも可能である。また、偏心カム230を軸線Cと同方向に複数配置し、各偏心カム230ごとに複数の工具を進退移動自在に設けることで、さらに多くの工具を一つの工具ホルダに進退移動自在に設けることも容易である。
【0040】
[第三の実施形態]
次に、図6及び図7を参照しながら、本発明の工具ホルダの第三の実施形態について説明する。
上記の第一及び第二の実施形態では、工具ホルダ100,200の径方向に工具T1,T21〜T24が進退移動するように構成している。この第三の実施形態では、軸線Cと同方向に工具T32が進退移動するように構成している。
【0041】
図6は、この第三の実施形態の工具ホルダの断面図で、その前端部分を示したものである。
工具ホルダ300は、工具取付ヘッド310の貫通孔310a内に、軸受352によって回転自在に支持された回転軸320と、この回転軸320の前端のねじ軸321に螺合するねじ孔331を有する移動体330とを有している。
【0042】
この実施形態においても、回転軸320は、第一の実施形態及び第二の実施形態と同様に、前後方向の移動が規制されているとともに、その後端が主軸10内の制御軸11(図1参照)の前端と係合するようになっている。
貫通孔310aの前方には、回転軸320のねじ軸321と螺合するねじ孔331を有する移動体330が、進退移動自在に挿入されている。この移動体330も、第一の実施形態の移動体130と同様に、キー等によって貫通孔310a内での回転が規制され、ワークの加工時等に工具ホルダ300と一体になって回転するようになっている。
【0043】
上記構成の工具ホルダ300においては、工具取付ヘッド310の外周面に、切削加工を行う工具T31が取り付けられ、軸線Cと同方向に進退移動自在な移動体330に、回転工具であるドリル又はタップ等の工具T32が取り付けられている。
工具T32は、移動体330の進退移動によって、工具取付ヘッド310の貫通孔310a内に格納された格納位置(図6中実線で示す位置)と、貫通孔310aから前方に突出した、ワークWの加工が可能な突出位置(同仮想線で示す)との間で進退移動する。
【0044】
次に、この実施形態の工具ホルダ300を用いた加工の一例を、図7を参照しながら説明する。
図7は、上記の工具ホルダ300を用いたワーク加工の一例を示す図である。以下の説明では、工具取付ヘッド310の外周面に取り付けた切削工具等の工具T31でワークWに所定径の孔Waを形成した後、ドリル等の工具T32で、孔Waの底部に、ねじ孔等の下孔となる孔Wbの加工を施すものとする。
【0045】
工具T31を用いて図7(a)の孔加工を開始する前に、制御軸11(図1参照)及び回転軸320を主軸10(図1参照)に対して相対的に回転させて、移動体330を後退させ、工具T32を貫通孔310a内に格納しておく。これにより、工具T31による孔加工中に、工具T32とワークWとが干渉することがない。工具T32を工具ホルダ300の貫通孔310a内に格納した後、制御軸11の速度調整を行って、制御軸11を主軸10に対して同期回転させる。これにより、工具T32は貫通孔310a内で保持される。
【0046】
この状態で、工具ホルダ300を軸線Cと同方向に移動させて、工具T32による孔加工を行う。
孔加工の終了後、図7(b)に示すように、工具ホルダ300を軸線Cと同方向に移動させて、ワークWから離間させる。
そして、この状態で、制御軸11及び回転軸320を主軸10に対して所定の速度差で相対的に回転させ、移動体330とともに工具T32を工具ホルダ300の前端から突出させる。工具T32が所定長さ突出したところで、制御軸11を主軸10に対して同期回転させ、工具T32の位置を保持する。これにより、工具T32によるワークWの孔明け加工が可能になる。
【0047】
図7(c)に示すように、軸線Cと同方向に工具ホルダ300をワークWに向けて移動させ、工具T32で孔Waの底部に孔Wbを形成する。
このように、この実施形態の工具ホルダ300は、切削加工等の工具のみならず、孔明け加工等の回転工具も保持させることが可能で、切削,孔明け,ねじ孔加工等の多種多様な加工を、工具ホルダを交換することなく行うことができるという利点がある。
【0048】
また、この第三の実施形態の工具ホルダ300と、第一の実施形態の工具ホルダ100とを組み合わせることで、さらに多くの複合加工が可能になる。
すなわち、工具ホルダ300の移動体330に、第一の実施形態の工具ホルダ100のようなカム部を形成し、かつ、工具取付ヘッド310を横断する方向に、工具保持体140と同様の工具保持体を設けることで、回転工具等の工具T32と、切削工具等の工具T1とを、交互にワークWに対して出没させて加工を行うことが可能になる。
【0049】
本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記の実施形態により何ら限定されるものではない。
本発明の工具ホルダを装着する工作機械は、U軸制御機構のように主軸に対して同期回転又は相対回転をさせることのできる制御軸を有していればよく、主軸を上下方向に支持する立形のものであってもよいし、主軸を水平方向に支持する横形のものであってもよい。
【0050】
また、本発明の工具ホルダ100,200,300において、工具取付ヘッド110は、図1、図5及び図6に示すように、ボルト111,211,311によってホルダ本体150に着脱自在に取り付けられるようにするとよい。このようにすると、本発明の工具ホルダ100,200,300のホルダ本体150,プルスタット170及び回転軸120,220,320を、U軸機能を備えた工作機械に用いられるU軸工具ホルダと共用することが可能である。そして、ボルト111,211,311を緩めて工具取付ヘッド110,210,310をホルダ本体150から取り外すことで、容易に本発明の工具ホルダ100,200,300をU軸工具ホルダに切り替えることができる。
【0051】
また、上記の説明では、センサ10b,11bによって制御軸11と主軸10の回転の同期及び相対回転を制御するようにしているが、例えば、サーボモータ14やモータ13を駆動させるパルス信号に基づいて、制御軸11及び主軸10の同期又は相対回転を制御するようにしてもよい。
【0052】
さらに、上記の説明では、異なる種類の工具を工具ホルダに保持させ、これらの工具を切り替えながら、ワークに複数種類の加工を行うものとして説明したが、同一の工具を工具ホルダに保持させ、同一の加工工程においてこれら工具を切り替えながら加工を行うものとしてもよい。すなわち、一つの工具が寿命に達したときに、同一種類の他の工具に切り替えて加工を継続するようにすることで、今まで以上に長時間の連続加工が可能になる。
【0053】
また、上記の説明では、主軸10の軸線Cと工具ホルダ100,200,300内に設けられ回転軸120,220,320の軸線とが同一の線上に位置するものとして説明したが、本発明は、工具取付ヘッドがホルダ本体に対してL字状に屈曲した工具ホルダにも適用が可能である。この場合は、制御軸11の回転を、傘歯歯車等を用いて回転軸に伝達するようにするとよい。
【0054】
さらに、第一の実施形態及び第二の実施形態では、ばね145,245によって工具保持体140,240を一側に付勢するようにしているが、移動体130や偏心カム230と連動したカムによって、工具保持体140,240を一側に付勢するようにしてもよい。
【0055】
【発明の効果】
本発明は、上記のように構成されているので、工具ホルダに保持させた同一種類又は異なる種類の工具を適宜に使い分けながら、単一又は複数の加工を、工具ホルダを交換することなく行うことなくことができる。そのため、ワークの加工時間を短縮し、加工コストを低減させることができる。
【0056】
また、一の工具でワークの加工を行っている間は、他の工具はワークと干渉しない位置に格納され、他の工具でワークの加工を行うときには、当該他の工具がワークの加工が可能な位置まで突出するので、一つの工具ホルダを多種多様なワークの加工に使用することができ、汎用性に優れた工具ホルダを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一の実施形態にかかる工具ホルダの縦断面図である。
【図2】(a)は図1のI−I方向断面図、(b)は図1のII−II方向断面図である。
【図3】制御軸を主軸に対して同期又は相対回転させるための駆動機構の概略を説明するブロック図である。
【図4】第一の実施形態の工具ホルダを用いた加工の一例を示す図である。
【図5】(a)は、本発明の第二の実施形態にかかる工具ホルダの前端部分の縦断面図、(b)は(a)の工具ホルダのIII−III方向断面図である。
【図6】本発明の第三の実施形態にかかる工具ホルダの前端部分の縦断面図である。
【図7】第三の実施形態の工具ホルダを用いた加工の一例を示す図である。
【符号の説明】
10 主軸
11 制御軸
100 工具ホルダ
110 工具取付ヘッド
120 回転軸
130 移動体
140 工具保持体
150 ホルダ本体
170 プルスタット
T 工具
Claims (9)
- 主軸と、この主軸の貫通孔内を挿通して設けられた回転自在な制御軸と、前記主軸と前記制御軸とを同期回転及び相対回転させる駆動制御手段とを有する工作機械の前記主軸に装着され、ワークを加工する工具を保持する工具ホルダにおいて、
前記工具ホルダは、異種又は同種の複数の工具を保持可能で、
前記複数の工具のうち、少なくとも一つの工具を、他の工具による前記ワークの加工中に前記ワークと干渉しない格納位置と、前記ワークの加工が可能な突出位置との間で進退移動自在に保持する工具保持体と、
前記制御軸と係脱自在に係合し、前記制御軸が前記主軸に対して相対的に回転したときに、前記制御軸の回転を前記工具保持体の進退移動に変換する変換手段とを有すること、
を特徴とする工具ホルダ。 - 前記変換手段が、前記工具ホルダ内で回転自在に支持され、前記制御軸と係脱自在に係合する回転軸と、前記工具保持体に形成され、前記回転軸と螺合して前記回転軸の回転によって前記工具保持体を進退移動させるねじ孔とからなることを特徴とする請求項1に記載の工具ホルダ。
- 前記工具保持体に保持される工具が回転工具で、前記工具ホルダに保持される他の工具が切削工具であることを特徴とする請求項2に記載の工具ホルダ。
- 前記変換手段が、前記工具ホルダ内で回転自在に支持され、前記制御軸と係脱自在に係合する回転軸と、この回転軸と螺合するねじ孔を有し、前記回転軸の軸線と同方向に進退移動する移動体と、この移動体の進退移動を、前記回転軸の軸線と交差する方向の前記工具保持体の進退移動に変換する第二の変換手段を有することを特徴とする請求項1に記載の工具ホルダ。
- 前記第二の変換手段は、前記移動体に形成された傾斜面と、前記工具保持体に形成され前記移動体の傾斜面と摺接する傾斜面とを有することを特徴とする請求項4に記載の工具ホルダ。
- 前記変換手段が、前記工具ホルダ内で回転自在に支持され、前記制御軸と係脱自在に係合する回転軸と、この回転軸に設けられ、前記工具保持体に常時連接する偏心カムとを有することを特徴とする請求項1に記載の工具ホルダ。
- 前記工具保持体を前記偏心カムの周囲に複数設けたことを特徴とする請求項6に記載の工具ホルダ。
- 前記工作機械が、径方向切り込み機能を備えたものであることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の工具ホルダ。
- 前記工具ホルダが、工具を取り付ける工具取付ヘッドと、この工具取付ヘッドが着脱自在に取り付けられ、前記工作機械の主軸に装着されるホルダ本体と、前記制御軸と係合して前記制御軸の回転を伝達する回転軸とを有し、前記ホルダ本体と前記回転軸とを、径方向切り込み機能を備えた工具ホルダと共用させたことを特徴とする請求項8に記載の工具ホルダ。
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