JP4047778B2 - 電線余長吸収装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、固定側の車両ボディとこれに開閉自在に取り付けられる可動側のドアとの間に渡って配索されたワイヤハーネスの余長を吸収する電線余長吸収装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
周知のように、自動車等の車両には各種の電気部品が搭載されており、これらの電気部品には、ワイヤハーネスを通じて電源電流や信号電流が供給されている。
【0003】
ワイヤハーネスは、複数の電線を結束した線状束であり、用途や配索箇所に応じて種々のタイプのものが使用されている。例えば、開閉自在な可動体としての自動車ドアには、パワーウインドモータやドアロックユニット、スイッチユニットやオートドア開閉ユニット等が搭載されており、これらの電気部品の接続には、複数の配線導体が並行に整列されたフレキシブル・フラット・ケーブルが使用されている。
【0004】
ドア等に用いられるワイヤハーネスは、開閉動作に伴う移動量が大きいため、ドア等を閉じたときには余長部分が形成され、この余長部分が車両ボディとドア等との間に挟まり損傷することがある。このような問題の解決を図った電線余長吸収装置の従来技術の一例としては、図6に記載されたものがある。
【0005】
図6に示すように、この電線余長吸収装置50は、ワイヤハーネス25と、ケース本体31及びカバー37からなるケース30と、ケース30に内蔵される余長吸収ユニット12とから構成されている。
【0006】
ワイヤハーネス25には、可撓性に優れるフレキシブル・フラット・ケーブル(FFC)等のいわゆるフラットワイヤハーネスが適用される。ケース本体31は、開口部を有する横長矩形状の箱体である。ケース本体31の後壁にはハーネス導出口35が設けられ、後壁に直交する側壁には図示しないハーネス導入口が設けられている。すなわち、ハーネス導出口35とハーネス導入口は、相互に直交している。ワイヤハーネス25は、ハーネス導入口からケース30内に導入され、ハーネス導出口35からケース30外へ導出されるようになっている。
【0007】
カバー37は、ケース本体31の開口部を塞ぐ蓋体である。ケース本体31の枠壁には図示しない係止片が設けられ、カバー37の縁壁38には図示しない係止突起が設けられ、係止片と係止突起とが係合することにより、ケース本体31にカバー37が取り付けられるようになっている。
【0008】
余長吸収ユニット12は、座部材13と、ガイドピン27と、圧縮コイルばね23と、ハーネス巻掛け部材15とからなっている。ガイドピン27はケース本体31の長手方向に配置され、ガイドピン27の一側端部がケース本体31の後壁に固定されている。
【0009】
圧縮コイルばね23はガイドピン27に外挿され、ワイヤハーネス25をケース30内に引き込む方向に付勢するように取り付けられている。ハーネス巻掛け部材15は、胴部を有し、ガイドピン27に取り付けられるようになっている。このハーネス巻掛け部材15は、ワイヤハーネス25がUターン状に巻掛けられた状態で、ハーネス引き込み方向及びハーネス引き出し方向に往復移動できるようになっている。
【0010】
これにより、ワイヤハーネス25の余長部分26は、ドア等の開閉動作に伴いケース30内に引き込まれたり、ケース30外へ引き出されたりして、常に緊張状態に保持され、余長部分26の挟み込みなどによる損傷が防止されるようになっている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の電線余長吸収装置50では、解決すべき以下の問題点がある。
【0012】
ハーネス導入口と一体に形成された折り曲げ収容部51が、ケース本体31の基壁31aの外側に出っ張るという問題がある。これは、ハーネス導入口とハーネス導出口35とが交差する方向に設けられているため、ケース本体31に導入されるワイヤハーネス25が折り畳まれるとともに90°曲げられ、ワイヤハーネス25の厚みが2倍となって、ワイヤハーネス25の折り曲げ部29を収容するスペースが余分に必要になるためである。
【0013】
本発明は、上記した点に鑑み、ケース本体に出っ張りを形成することなくワイヤハーネスの折り曲げ部を収容することができ、ケース本体を薄型化することができる電線余長吸収装置を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明は、互いに交差する方向に導入口と導出口とを備えるとともにこれら導入口と導出口との間でワイヤーハーネスを内部に収納するケース、前記ケース内部でUターン状に折り返される該ワイヤーハーネスの折り返し部を巻掛ける前記ケース内を前記導出口に向かう方向および該方向とは反対の方向に往復動可能なハーネス巻掛け部材、および、前記ハーネス巻掛け部材を導出口から離間させる方向に付勢する付勢部材、を備えた電線余長吸収装置であって、前記導入口から前記ケースに導入された前記ワイヤーハーネスを前記ハーネス巻掛け部材に向かう方向に折り曲げる折り曲げ部を収納する折り曲げ収容部を前記導入口と前記ハーネス巻掛け部材との間に備え、かつ、前記付勢部材の軸中心を前記ハーネス巻掛け部材の中心に対して偏心させて、前記ケース内の広い空間側に前記折り曲げ収容部を形成したことを特徴とする。
【0015】
上記構成によれば、付勢部材の付勢力より大きな引張力がワイヤハーネスに作用した場合には、ケースからワイヤハーネスが引き出され、そうでない場合は、ケースにワイヤハーネスが引き込まれるから、ワイヤハーネスに引張力が作用して断線を生じたり、ワイヤハーネスの余長部分が固定側の車両ボディと可動側のドアとに挟まれて断線を生じたりすることが防止される。
【0016】
導入口と導出口は、それぞれ交差する方向に設けられているから、ワイヤハーネスは折り畳まれ、かつ90°曲げられて、導入口からケース内に導入される。そして、ケースには、ケースと付勢部材との間に折り曲げ収容部が形成されているから、ワイヤハーネスの折り曲げ部はケースの内側に収容される。
【0018】
さらに、上記構成によれば、付勢部材の軸中心がハーネス巻掛け部材の中心に対して偏心しているから、付勢部材とケースとの間の隙間が広がり、ケース内の広い空間側に折り曲げ収容部が形成される。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態の具体例を図面を用いて詳細に説明する。
図1〜図5は、本発明に係る電線余長吸収装置の一実施形態を示すものである。なお、従来例の電線余長吸収装置50と共通する構成部分については、同一符号を付して詳細な説明を省略する。
【0020】
電線余長吸収装置10は、固定側の車両ボディ(図示せず)と可動側のドア(図示せず)との間に渡って配索されたワイヤハーネス25の余長部分(たるみ)26を吸収する装置である。ドアには、回動自在に開閉される開閉ドアやスライド自在に開閉されるスライドドアが含まれるものとする。また、可動側は、ドアに限られず開閉可能なトランクやハッチなどの開閉体であってもよい。
【0021】
この電線余長吸収装置10は、図1に示すように、フラット回路体としてのワイヤハーネス25と、合成樹脂製のケース30と、ケース30の内部に納められた余長吸収ユニット12とから構成されている。
【0022】
ワイヤハーネス25には、並設された帯状の配線導体(図示せず)の周囲が絶縁体からなる被覆部25aで覆われた可撓性のフレキシブル・フラット・ケーブル(FFC)が適用される。なお、湾曲状に折り曲げることができるものであればよく、図示しないフレキシブル・プリント・サーキット(FPC)などを適用することもできる。
【0023】
FFCやFPCは、図示しない車両用搭載機器間で主に信号電流を流す被覆電線である。配線導体数は、車両ボディ側又はドア側のコネクタ(図示せず)に収容された端子の数に対応している。配線導体を覆う被覆部25aは、いわゆる絶縁シートであり、ポリ塩化ビニル樹脂やポリエチレン樹脂などを構成材料としている。
【0024】
FFCやFPCは、可撓性を有しているため、配索経路に応じて所望の形態に曲げて使用できることが一つの特徴になっている。このため、FFCやFPCを電線余長吸収装置10でUターン状に折り返して収納しても、何ら損傷せず、電気的接続の信頼性が損なわれることはない。
【0025】
ケース30は、ケース本体31とカバー37とからなっている。ケース本体31は、上部に開口を有する箱状を成し、下壁としての基壁31aと、基壁31aの縁から上方に立ち上がる枠壁とから成っている。
【0026】
上壁は、開口形成されている。枠壁は、横長矩形状を成していて、相対向する前壁31b及び後壁31c(図4)と、相対向する両側の側壁31d,31d(図2)とから成っている。前後壁31b,31c及び両側の側壁31d,31dには、カバー37を係止するためのL字状の係止片32が設けられている(図5)。
【0027】
前壁31bの内面には図示しないリブ状挟み部及び図示しない凸状挟み部が設けられている。リブ状挟み部及び凸状挟み部は、1本のガイドピン(ガイド部材)29に対して各1つずつ上下に配置されていて、リブ状挟み部と凸状挟み部との間にガイドピンを挟み込んで固定する。このリブ状挟み部及び凸状挟み部については、他の出願で詳細に説明するため、本明細書での説明は省略することとする。
【0028】
後壁31cには、切欠きされたハーネス導出口(導出口)35が設けられている。ハーネス導出口35は、ケース本体31の開口寄りに形成されている。後壁31cに直交する側壁31dには、後壁31c寄りの位置で、スロット状の開口を有するハーネス導入口(導入口)34(図2)が形成されている。
【0029】
ハーネス導入口34とハーネス導出口35とを交差する方向に設けたのは、ハーネス導入口34から導入されるワイヤハーネス25と、ハーネス導出口35から導出されるワイヤハーネス25とが相互干渉しないようにして、ワイヤハーネス25の引き出しと引き込みをスムーズに引っかかりなく行うためである。
【0030】
ハーネス導入口34からは、ワイヤハーネス25が導入され、折り曲げ部29(図3参照)を含むワイヤハーネス25がケース本体31の内側に収容されるようになっている。折り曲げ部29は、図3に示されているように、ワイヤハーネス25を折り畳んだ後、90°曲げることにより重なり合う部分である。
【0031】
図1に示すように、ハーネス導入口34(図2)からケース本体31に導入されたワイヤハーネス25は、折り曲げ部29を上側に向けケース本体31内に収容される。すなわち、折り曲げ部29及び導入口側部分27aが、圧縮コイルばね(付勢部材)23側を向くように配置されている。
【0032】
そして、ケース30内に導入されたワイヤハーネス25が、ハーネス巻掛け部材15に巻掛けられてUターン状に折り返され、ハーネス導出口35から引き出されるようになっている。従来例の電線余長吸収装置50では、折り曲げ部29がケース本体31の基壁31a側を向くようにして配置されており、本実施形態の構成とは相違している。
【0033】
このハーネス導入口34の開口は、ワイヤハーネス25の幅と同程度ないしそれ以上に形成されるとともに、ワイヤハーネス25の折り曲げ部29の厚さと同程度ないしそれ以上に形成されている。
【0034】
ハーネス導入口34から導入された折り曲げ部29を含むワイヤハーネス25は、ケース本体31の基壁31a側でハーネス導入口34と一体に形成された折り曲げ収容部20に収容される。このように、ケース本体31の内側に折り曲げ部29を収容する折り曲げ収容部20を設けたことが本発明の第1の特徴になっている。
【0035】
折り曲げ収容部20は、基壁31aと圧縮コイルばね23との間に形成されたスペースであり、圧縮コイルばね23の軸中心をハーネス巻掛け部材15の中心に対して偏心させることにより、ケース本体31内の広い空間側に形成されている。
【0036】
すなわち、圧縮コイルばね23は、ケース本体31の上側に配置されているため、圧縮コイルばね23の軸中心もハーネス巻掛け部材15の中心より上側に位置ずれしている。このため、ケース本体31の下側には、圧縮コイルばね23のずれa(図1)に相当する分のスペースが拡大されて、ワイヤハーネス25の折り曲げ部29が収容されるようになっている。
【0037】
ケース本体31の寸法及びハーネス巻掛け部材15の構成は従来例と同じであり、圧縮コイルばね23の位置を変えるだけの改良により、ケース本体31内の空きスペースを有効に活用して、ケース本体31の外側に出っ張り部を形成することなく、ワイヤハーネス25の折り曲げ部29を収容している。
【0038】
ワイヤハーネス25の折り曲げ部29は、折り曲げ収容部20の後壁31c側に配置されている。折り曲げ部29が移動することはなく、ハーネス巻掛け部材15がこの折り曲げ部29に対して接離自在に往復移動する。折り曲げ部29を後壁31c側に配置したのは、ハーネス巻掛け部材15の移動量を増加して、ワイヤハーネス25の余長吸収量を増やすためである。
【0039】
ケース本体31内に収容されたワイヤハーネス25は、ワイヤハーネス25が引き込まれる方向に常時付勢されているため、ワイヤハーネス25をケース30外へ引き出す際は、ハーネス導出口35側のワイヤハーネス25に引張力を作用させることで行われ、ワイヤハーネス25をケース30内に引き込む際は、引張力を解除することで引き込みが行われるようになっている。
【0040】
ハーネス巻掛け部材15は、ケース本体31の内壁及びカバー37の内壁にそれぞれ対向して設けられた一対のストッパ40,40に当接することで、ハーネス引き出し方向の移動が規制されるようになっているため、ハーネス巻掛け部材15が折り曲げ部20に干渉することはない。
【0041】
ハーネス導出口35から引き出されるワイヤハーネス25は、図1では水平方向に引き出されているが、所望の方向に引き出すことができるように、図示しないハーネス誘導部をハーネス導出口35に設けてもよい。例えば、ワイヤハーネス25を下方へ誘導する場合は、ハーネス誘導部を下側に湾曲するように形成すればよい。ハーネス誘導部に沿って、ワイヤハーネス25を引き出すことで、ワイヤハーネス25の所定の箇所に繰り返しの曲げ応力の集中することが回避され、ワイヤハーネス25の断線等の損傷が防止される。なお、ハーネス誘導部については、他の出願で詳細に説明するため、本明細書での説明は省略することとする。
【0042】
カバー37は、ケース本体31の開口を覆うことができる形状に形成されており、天井壁37aと、天井壁37aの縁から下方に垂れ下がる縁壁38とからなっている。カバー37の下壁は、開口形成されている。カバー37の縁壁38には、ケース本体31の枠壁に形成された係止片32(図5)と係合する係止突起38a(図5)が設けられている。
【0043】
ワイヤハーネス25の余長部分26がケース30に収容されることで、Uターン状に湾曲した余長部分26が外部干渉から保護されて断線や損傷を生ずることが防止される。また、相対向する天井壁37a及び基壁31aによって、余長部分26の浮き上がりなども防止される。
【0044】
余長吸収ユニット12は、座部材13と、ガイドピン27と、ガイドピン27に外挿される圧縮コイルばね23と、ワイヤハーネス25がUターン状に巻掛けられるハーネス巻掛け部材15とからなっている。
【0045】
図4に示すように、座部材13は、合成樹脂を構成材料とし、射出成形法にて一体成形されていて、胴部13aと、胴部13aの両側に位置する平板部13cと、胴部13aと平板部13cとを仕切る仕切部13bとからなっている。
【0046】
胴部13aの一方の側面には外向きに凸の湾曲面が形成され、他方の側面には内向きに平坦面が形成されている。湾曲面は、ワイヤハーネス25が引き込まれた際に、ワイヤハーネス25をケース30内にスムーズに引き込むように誘導する。すなわち、この座部材13は、ハーネス導出口35から引き出されたり、引き込まれたりするワイヤハーネス25を誘導するように作用する。なお、座部材13とガイドピン27とを一体形成してもよい。
【0047】
胴部13aの両端に突出して形成された仕切部13bは、胴部15aに巻掛けられたワイヤハーネス25が横ずれしないように幅方向に位置決めするためのものである。
【0048】
平板部13cは、仕切部13bを介して胴部13aの両側に続き、胴部13aの平坦面と平行に形成されている。この平板部13cは、ハーネス巻掛け部材15の両側の枠部(取付部)15cと対向して位置しており、両側の平板部13c,13cには、ガイドピン27がそれぞれ立設されている。
【0049】
ガイドピン27は、合成樹脂製の棒状をなす真直部材である。ガイドピン27の一側は、固定端となっていて、ケース本体31の後壁31cに固定されている。ガイドピン27の他端は、自由端となっているが、ハーネス巻掛け部材15に取り付けられている。
【0050】
ガイドピン27の長さ寸法は、ケース30の長さ寸法より短い寸法に設定されている。ガイドピン27の長さ寸法がケース30の長さ寸法より長いと、ガイドピン27をケース30に納めることができないからである。また、ガイドピン27の最大外径は、圧縮コイルばね23の内径よりも小さい寸法に設定されている。最大外径がばねの内径より大きいと、ガイドピン27を圧縮コイルばね23の中に挿入することができないからである。
【0051】
圧縮コイルばね23は、針金をコイル形に巻いて作った円筒状のばねであり、並行に一対配置されている(一方しか図示せず)。このように一対配置することで、ハーネス巻掛け部材15をバランス良く安定して往復移動させることができる。これは、圧縮コイルばね23の付勢力が強くなり、ワイヤハーネス25のケース30内への引き込みが素早く行われ、可動側のドアの閉動作に伴うワイヤハーネス25の追従性が高まるためである。また、圧縮コイルばね23の変形も防止され、ドアの開閉動作の繰り返しによる疲労寿命も向上する。
【0052】
フリーな状態の圧縮コイルばね23の長さ寸法は、ガイドピン27より長い寸法に設定されており、ガイドピン27の長さの略1.5倍程度である。圧縮コイルばね23の長さ寸法を長くしすぎると、ワイヤハーネス25の引き込み力が大きくなり、引き込み性は良くなるが、一方で、ワイヤハーネス25を引き出す際の引張力を強くしなければならず、引き出し性が悪くなってしまう。
【0053】
逆に、圧縮コイルばね23の長さ寸法を短く設定しすぎると、ワイヤハーネス25を引き出す際の引張力が弱くなり、引き出し性は向上するが、ワイヤハーネス25の引き込み力が小さなり、引き込み性が悪くなってしまう。従って、本実施の形態では、ワイヤハーネス25の引き込みと引き出しの両動作をスムーズに行うために、圧縮コイルばね23の長さ寸法をガイドピン27の長さ寸法の1.5倍程度に設定している。圧縮コイルばね23の巻き数や線径についても、ワイヤハーネス25の引き込みと引き出しの両動作をスムーズに行うことができるように、所定の巻き数及び線径に設定されている。
【0054】
付勢部材として圧縮コイルばね23を用い、ワイヤハーネス25を一対の圧縮コイルばね23の間に位置させ、ワイヤハーネスをUターン状に折り返して巻掛けることで、ケース30の長さ寸法がワイヤハーネス25の余長部分26の半分程度となり、ケース30の小型化・軽量化を図ることができるメリットがある。引張コイルばね23を用いた場合は、ケース30が大型化・重量化するという問題点があるが、本発明ではこのような問題点が解消されている。
【0055】
ハーネス巻掛け部材15は、合成樹脂を構成材料とし、胴部15aと、仕切部15bと、胴部15aの両側に連なりガイドピン27に取り付けられる枠部15cとからなっている。胴部15aと枠部15cは、仕切部15bを介して連なっている。このハーネス巻掛け部材15は、圧縮コイルばね23に付勢されながら、ガイドピン27に沿って往復移動するようになっている。
【0056】
胴部15aには、ワイヤハーネス25がUターン状に折り返すように巻掛けられるようになっている。胴部15aの一方の側面には外向きに凸の湾曲面が形成され、他方の側面には内向きに平坦面が形成されている。ワイヤハーネス25は、湾曲面に沿ってスムーズに曲げられるため、ワイヤハーネス25が折れ曲がるなどしてその部分に応力の集中することが防止されている。
【0057】
胴部15aの両側に突設された仕切部15bは、座部材13の仕切部13bと同様のものであり、胴部15aに巻掛けられたワイヤハーネス25が横ずれしないように幅方向に位置決めするために設けられている。
【0058】
両側の仕切部15bの間隔は、ワイヤハーネス25の幅より少し幅広に形成されている。これにより、ワイヤハーネス25は、横ずれして圧縮コイルばね23と干渉しないようになっている。
【0059】
枠部15cは、枠状をなしていて、仕切部15bを介して胴部15aの両側に続いている。枠部15cの内側には、ガイドピン27の先端が取り付けられるようになっている。枠部15cは、ガイドピン27に往復自在に取り付けられるが、一旦取り付けられると、枠部15cはガイドピン27から抜け出さないようになっている。枠部15cとガイドピン27の係止構造については、別出願で詳細に説明するため、本明細書での説明は省略することとする。
【0060】
次ぎに、電線余長吸収装置10の組立について説明する。図4には、ケース本体31に余長吸収ユニット12が内蔵された状態が示されている。図5には、ケース本体31にカバー37を被せた状態が示されている。
【0061】
先ず、座部材13に取り付けられたガイドピン27の外側に圧縮コイルばね23を外挿する。そうすると、圧縮コイルばね23がガイドピン27の先端より突出する。圧縮コイルばね23の長さ寸法は、ガイドピン27の長さ寸法の1.5倍程度の長さに形成されているためである。
【0062】
ガイドピン27の先端側にハーネス巻掛け部材15を取り付けると、圧縮コイルばね23は縮められ、ハーネス巻掛け部材15の端部に圧縮コイルばね23の先端部が当接する。図4には、圧縮コイルばね23が縮められた状態が示されている。ハーネス巻掛け部材15とガイドピン27は、係止手段により抜け出さないように係止されていて、圧縮コイルばね23の圧縮状態が保持されるようになっている。また、ハーネス巻掛け部材15は、図示しない固定リブにより圧縮コイルばね23の半径方向に横ずれしないようになっている。
【0063】
そして、圧縮コイルばね23が、ケース本体31より短い長さに圧縮された状態で、余長吸収ユニット12をケース本体31に組み付け、図5に示すように、カバー37をケース本体31の開口部に被せて、係止片32を係止突起38aに係合させることで、電線余長吸収装置10の組立が終了する。
【0064】
ケース30に収容されたワイヤハーネス25の余長部分26は、ケース本体31の側壁31dに形成されたハーネス導入口34からケース30内に引き込まれ、ハーネス巻掛け部材15にUターン状に巻掛けられ、ケース本体31の後壁31cに設けられたハーネス導出口35から引き出される。
【0065】
引き出されたワイヤハーネス25は、自動車ドアや車両ボディの電気部品に接続されたワイヤハーネスにコネクタ接続されて、信号電流や電源電流などが供給されるようになっている。
【0066】
このように本実施の形態によれば、圧縮コイルばね23の軸中心と、圧縮コイルばね23に付勢されるハーネス巻掛け部材15のコーナ中心とをずらすことにより、ワイヤハーネス25の折り曲げ部29を収容する折り曲げ収容部20が形成されるから、ケース30の一部分を外側に張り出して設けることを要せず、ケース30を薄型に形成することができる。
【0067】
【発明の効果】
以上の如く、請求項1記載の発明によれば、ケースの内側には折り曲げ収容部が形成されるから、導入口から導入されるワイヤハーネスの折り曲げ部は、ケースの内側に収容される。従って、ケースの一部分を外側に張り出して、折り曲げ部を収容するスペースを別に形成する必要がなくなり、ケースを薄型化することができる。
【0068】
さらに、付勢部材の軸中心がハーネス巻掛け部材の中心に対して偏心しているから、付勢部材とケースとの間の隙間が広がり、ケース内の広い空間側に折り曲げ収容部が形成される。従って、ケース内のスペースを有効に活用することができ、その結果、容易にケースの薄型化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る電線余長吸収装置の一実施形態を示す縦断面図である。
【図2】 同じく電線余長吸収装置の横断面図である。
【図3】 同じく電線余長吸収装置のハーネス導入口からケース内に導入されるワイヤハーネスが折り曲げられた状態を示す斜視図である。
【図4】 同じく電線余長吸収装置のケース本体に余長吸収ユニットが内蔵された状態を示す斜視図である。
【図5】 同じく電線余長吸収装置のケース本体にカバーを被せた状態を示す斜視図である。
【図6】 従来の電線余長吸収装置の一例を示す断面図である。
【符号の説明】
10 電線余長吸収装置
15 ハーネス巻掛け部材
20 折り曲げ収容部
23 圧縮コイルばね(付勢部材)
25 ワイヤハーネス
27 ガイドピン(ガイド部材)
29 折り曲げ部
30 ケース
34 ハーネス導入口(導入口)
35 ハーネス導出口(導出口)
Claims (1)
- 互いに交差する方向に導入口と導出口とを備えるとともにこれら導入口と導出口との間でワイヤーハーネスを内部に収納するケース、前記ケース内部でUターン状に折り返される該ワイヤーハーネスの折り返し部を巻掛ける前記ケース内を前記導出口に向かう方向および該方向とは反対の方向に往復動可能なハーネス巻掛け部材、および、前記ハーネス巻掛け部材を導出口から離間させる方向に付勢する付勢部材、を備えた電線余長吸収装置であって、
前記導入口から前記ケースに導入された前記ワイヤーハーネスを前記ハーネス巻掛け部材に向かう方向に折り曲げる折り曲げ部を収納する折り曲げ収容部を前記導入口と前記ハーネス巻掛け部材との間に備え、かつ、
前記付勢部材の軸中心を前記ハーネス巻掛け部材の中心に対して偏心させて、前記ケース内の広い空間側に前記折り曲げ収容部を形成したことを特徴とする電線余長吸収装置。
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