JP4047567B2 - 手術用システム - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、エネルギー処置具を具備する手術用システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、医療分野においては手術する部位や手技に対応させて、観察装置と手術装置とを組み合わせて手術システムを構成するようにしている。前記観察装置としては口腔や肛門から体腔内に挿入される挿入部が柔軟な内視鏡や、腹壁に穿刺されたトラカールを介して腹腔内に配置される挿入部が硬性な腹腔鏡(光学視管)や微細な神経や血管を拡大観察できる手術用顕微鏡等がある。
【0003】
一方、手術装置としては把持鉗子やメス等のような手術器具の他に、電源によって駆動される手術装置がある。この電源から供給される電力によって駆動される手術装置としては例えば、超音波振動を利用して処置具を振動させ、この処置具の振動で対象部位である生体組織を切開あるいは凝固したり、破砕して吸引する超音波手術装置や、高周波電力による熱作用で対象部位である生体組織に対して切開、凝固作用を及ぼす電気メス装置、生体組織を回転力により細かく粉砕する動力処置具等がある。
【0004】
手術用システムの一例として脳神経外科分野では微細な神経や血管を拡大観察して顕微鏡観察下で手術を行う医療システムとして顕微鏡下手術システムがある。この顕微鏡下手術システムでは手術用顕微鏡の接眼部を通して拡大した対象部位を観察しながらハンドピースなどを操作して処置を行うものである。例えば、腫瘍の破砕、摘出等の処置を行う際には超音波吸引装置等のエネルギー処置具が用いられる。この場合、使用するエネルギー処置具のプローブ形状の選定や出力設定等が適当でないとを誤ると使い勝手が低下するという不具合が発生する。つまり、プローブ形状の選定や出力設定等を的確に行えるようになるには経験が必要であった。
【0005】
上述した不具合を解消するため、本出願人は特願2000−10920号に手術用エネルギ処置システムを提案している。この手術用エネルギ処置システムでは、術部付近の組織の物理的状態を自動的に検出し、その検出結果からエネルギー処置具の設定を自動的に行えるようにしている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、経験の乏しい術者では、エネルギー処置具のプローブ形状の選定や出力設定等に試行錯誤することがあり、手術が長時間化する要因になっていた。
【0007】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、対象症例に対する経験の乏しい術者でも、処置具の選択や最適な設定を容易かつ的確に行える手術用システムを提供することを目的にしている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の手術用システムは、処置部位の任意の位置における光学的な診断画像を取得する光走査プローブと、処置部位に対する処置を行うエネルギー処置具とを具備する手術用システムにおいて、前記光走査プローブによって取得した診断画像を記録する記録部と、前記光走査プローブによって予め取得された所定の処置部位の診断画像並びに当該処置に関するエネルギー処置具及び当該処置具設定状態を含む処置情報を有する処置部位画像を複数蓄積した診断画像データベースと、前記光走査プローブによって取得した診断画像と、前記診断画像データベースに蓄積されている複数の前記処置部位画像とをパターンマッチングすることにより比較演算を行う比較演算部と、前記比較演算部における前記パターンマッチングによる比較演算結果に基づき、前記処置部位画像の中から前記光走査プローブによって取得した診断画像に最も類似した処置部位画像を選択し、当該選択した処置部位画像に係る前記処置情報に基づいて前記エネルギー処置具の条件設定を行うエネルギー処置具設定部と、を具備することを特徴とする。
【0009】
また、前記光走査プローブの術部に対する位置を検出する位置検出手段を有し、前記比較演算部は、前記位置検出手段で検出した位置情報及び前記診断画像データベースに蓄積された処置部位画像の位置情報を、演算の際のパラメータとして利用している。
【0010】
さらに、前記エネルギー処置具の設定状態を所望の状態に設定変更する設定変更手段と、少なくともこの設定変更手段により変更された設定値及び前記光走査プローブによって取得した診断画像を、前記診断画像データベースへ処置部位画像として登録するデータベース登録手段とを具備している。
【0011】
この構成によれば、診断画像データベースから処置部位の画像に最も酷似した処置部位画像を得、その後、この処置部位画像の有する処置情報を基に、エネルギー処置具設定部を介してエネルギー処置具の設定が行われる。
【0012】
また、比較演算部は、位置検出手段の位置データと、処置部位画像の位置情報とを比較して処置部位の画像に最も酷似した処置部位画像を得る。
【0013】
さらに、診断画像データベースから読み出した処置部位画像に記録されている処置情報の更新を行えるとともに、その更新された処置情報を記録した処置部位画像が診断画像データベースに登録される。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
図1ないし図7は本発明の第1実施形態に係り、図1は手術用顕微鏡システムの構成を説明する図、図2は鏡体である双眼接眼鏡筒部の内部構成を説明する図、図3は図2における側面図であり、鏡体の接眼光学系及び第2の観察光学系の構成を説明する図、図4は重畳ユニットを説明する図、図5は手術用顕微鏡システムの主要部の構成を説明する図、図6はデータベースに記録されている処置部位画像の一例を示す図、図7は顕微鏡に表示される顕微鏡観察像と設定データとを示す図である。
【0015】
図1に示すように本実施形態の手術用システムは手術用顕微鏡システム1であり、本システムは主に架台3には取り付けられた鏡体2と、例えばカートに載置された計測装置18、A/D変換器17、ワークステーション(以下、WSと略記する)19、モニタ16等と、手術室内の所定の位置に設置されたデジタイザ(光学式位置検出装置)12とで主に構成されている。なお、図示しない内視鏡のカメラコントロールユニット及び、光走査プローブ、この光走査プローブの観測装置等も設置される。
前記架台3は、床面を移動自在なベース4と、このベース4上に立設された支柱5と、この支柱5の上体部に軸O1 を中心に回動自在に一端部を取り付けた、図示しない照明用光源を内蔵した第1アーム6と、この第1アーム6の他端部に設けた軸O2 を中心に回動自在に一端部が取り付けられた第2アーム7と、この第2アーム7の他端部に設けた軸O3 を中心に回動自在に一端部が取りつられた第3アーム8とで主に構成されている。この第3アーム8の他端部には前記鏡体2が設けられている。この鏡体2は、軸O4 を中心として術者の観察方向に対する前後方向の俯仰及び軸O5 を中心として術者の左右方向の俯仰が可能になっている。
【0016】
なお、前記第2アーム7は、上下移動操作を行うべくリンク機構とバランス調整用のスプリング部材とからなるパンタグラファームである。また、前記鏡体2が空間的に自在に位置調整を行えるとともに位置固定を行えるように、前記回転軸O1 ,…,O5 における回動部には図示しない電磁ブレーキがそれぞれ設けられている。これら電磁ブレーキは支柱5に内蔵された図示しない電磁ブレーキ電源回路に接続されている。
【0017】
前記デジタイザ12は、受信部材である2台のCCDカメラ13a,13bと、これらCCDカメラ13a,13bの位置を固定するカメラ保持部材14と、このカメラ保持部材14を支持するスタンド15とで構成されている。
【0018】
前記CCDカメラ13a,13bはそれぞれ前記計測装置18に接続されている。この計測装置18は、A/D変換器17を介してWS19に接続され、このWS19はモニタ16に接続されている。
【0019】
なお、前記WS19には、CTやMRIといった図示しない画像診断装置による断層画像データや、前記断層画像データを加工して3次元に再構築した3次元画像データ等が術前において予め記録されている。
【0020】
図2及び図3に示すように、鏡体2を構成する固定ハウジング20の内部には左右一対の結像レンズ20a,20bが配置されている。この結像レンズ20a,20bは、鏡体2から出射される左右観察光束を入射させるべく、鏡体2の観察光学系と光学的に接続されている。
【0021】
符号21a,21bは前記結像レンズ20a,20bを介した光束をそれぞれ90°外方に反射させるミラーであり、その出射光軸上にはイメージローテータプリズム22a,22bが配置されている。
【0022】
このイメージローテータプリズム22a,22bの後方には、両観察光束を各々180°反転させるプリズム23a,23bが配置されている。このプリズム23a,23bのさらに後方には出射光軸を、後述する接眼光学系による観察光軸OL 、OR と並行方向に反射させる三角プリズム24a,24bが配置固定されている。
【0023】
そして、この三角プリズム24a,24bの後方には、前記結像レンズ20a,20bにより結像された第1の中間結像点25a,25bが位置しており、この第1の中間結像点25aの近傍に、後述する導光手段としてのプリズム26a,26bの上面部が略一致するよう設けられるとともに、前記第1の中間結像点25a,25bの後方には像をリレーするリレーレンズ27a,27bが配置固定されている。なお、前記プリズム23a,23b、三角プリズム24a,24b、リレーレンズ27a,27bは可動ハウジング28内に内蔵されている。
【0024】
前記可動ハウジング28は、接続部28a,28bを介して、軸OP 、すなわち前記プリズム23a,23bの入射光軸まわりに対して回動可能になっている。また、前記ローテータプリズム22a,22bは図示しないカム機構等により、前記可動ハウジング28の固定ハウジング20に対する回転に対して1/2の角度だけ軸OP 中心に回転可能になっている。
【0025】
符号29a,29bは、入射反射面30a,30bと出射反射面31a,31bとからなり、眼幅調整ハウジング7a,7bに内蔵された反射部材としての平行プリズムである。前記第1の中間結像点25a,25bから前記リレーレンズ27a,27bによって伝達された像は、前記平行プリズム29a,29bの出射反射面31a,31bから各々第2の中間結像点32a,32bに結像される。そして、前記接眼ハウジング8a,8bに内蔵された一対の接眼光学系33a,33bに導かれ、顕微鏡光学観察像として観察光軸OR ,OL を構成している。
【0026】
ここで、前記眼幅調整ハウジング7a,7bは、前記可動ハウジング28に対し三角プリズム24a,24bからの出射光軸(図中垂直方向)と略一致した軸周りに対して回転自在に、また、図3に示すように、抜け止め部材34a,34b(図中では符号34aのみ)により軸方向には不動に支持されている。本構造と前記平行プリズム29a,29bにより、いわゆるジーテントップ眼幅調整機構を構成している。
【0027】
一方、前記図3に示すように、第1の観察光学系の外側には第2の観察光学系を収納する第2の接眼ハウジング9が設けられている。前記第2の観察光学系は、図示しないコントローラからの制御により、内視鏡等の画像を電子画像として表示する小型LCDモニター38と、このLCDモニター38からの出射光軸OL2上に配置されるリレー光学系39,41と、これらリレー光学系39,41の内部に配置される前記光軸OL2を略90°反射させるプリズム40と、このプリズム40によって反射せしめられた光軸を前記観察光軸OL 方向に向かって偏光させるプリズム43とで構成され、出射光軸OL2上には、第2の接眼光学系42が光学的に配置接続されて、前記観察光軸OL とOL2とはその射出瞳位置近傍でそれぞれ交差している。
【0028】
なお、前記小型LCDモニター38は、眼幅調整ハウジング7aの下方における可動ハウジング28との間に配置固定されている。また、本図中においては左側光路のみ示したが右側光路についても同様の構成になっている。
【0029】
図4に示すように鏡体2には対物光学系44と、変倍光学系45と、接眼光学系とが内蔵され、各々左右一対の光路を形成している。なお、前記対物光学系44には焦点可変機構及び焦点距離検出用センサが設けられている。また、変倍光学系45には変倍機構及び変倍検出用センサが設けられている。
【0030】
鏡体2にはハーフミラーからなる光路挿入手段46及び画像挿入光学系47が設けられ、この画像挿入光学系47は画像重畳用モニター48から出射した光束をアフォーカル光束にして光路挿入手段46に入射させるようになっている。なお、符号48aは画像重畳用モニター(重畳用LCDとも記載する)48に画像信号を送るためのケーブルである。
【0031】
図5に示すように本システム1には前記デジタイザ12により位置検出可能な指標78aを配置した術部の診断画像である例えば細胞画像を観察するための光走査プローブ78及びその観測装置79と、エネルギー処置具であるハンドピース82が接続された超音波吸引装置81と、診断画像を記録するとともに、画像処理を行う第2ワークステーション(以下、2WSと略記する)73とが設けられている。
【0032】
この2WS73には、処置部位画像を蓄積した診断画像データベース(以下、DBと略記する)74と、記録部である画像メモリ75と、比較演算部76と、エネルギー処置具設定部である処置具設定情報生成部77とが設けられている。そして、前記比較演算部76には前記DB74、処置具設定情報生成部77、超音波吸引装置81、画像メモリ75及びWS19が接続されている。また、前記観測装置79は前記画像メモリ75に接続されている。さらに、前記処置具設定情報生成部77には画像生成部87と超音波吸引装置81とが接続されており、前記画像生成部87には画像を表示するための前記LCD38が接続されている。
【0033】
前記DB74には処置部位画像の1つとして例えば図6に示すようなデータ83が記録されている。このデータ83には、処置部位に関する情報、症例に関する情報、症例に関わる画像データ84、処置を行った場合の各種設定値85、及び前記ハンドピース82の形状86等の各種情報が格納されている。つまり、光走査プローブで取得した画像と、その画像で処置した際のハンドピースの種類及び設定条件とが合わせて1つのデータとなっている。
【0034】
上述のように構成した手術用顕微鏡システム1の作用を説明する。
なお、このシステム1を使用する術者は、対象症例に対して経験の乏しい術者であるとする。
【0035】
まず、術者は、鏡体2を移動させて、術部を観察できるように調整する。そして、図示しないフットスイッチ等によって、顕微鏡の観察光学系の操作を行い、術部の観察を開始する。そして、術者は、術部の細胞診断を行うため、光走査プローブ78を用いて、例えば、本出願人が特願2000−151090号で示したように術部の診断画像を得る。
【0036】
すると、前記デジタイザ12は、前記光走査プローブ78に取り付けられた指標78aを検出することにより、前記光走査プローブ78の先端位置を検知している。このため、前記光走査プローブ78で診断画像を取得する際には、診断画像とともにこの光走査プローブ78の先端位置情報がWS19、比較演算部76を介して、画像メモリ75に伝達される。また、術者が取得した診断画像も、観測装置79から前記画像メモリ75に伝達される。
【0037】
つまり、この画像メモリ75では、前記観測装置79で取得した診断画像と、この診断画像を取得したときの光走査プローブ78の先端位置情報とを合わせて、診断画像データとして記録する。
【0038】
次に、比較演算部76では前記画像メモリ75から診断画像データを取得する一方、前記DB74に保存されている処置部位画像データとの比較演算を実施する。すなわち、この比較演算部76では、DB74に蓄積されている画像群データと、前記画像メモリ75から取得した診断画像データとのパーターンマッチングを行う。
【0039】
そして、このパーターンマッチングによって、DB74の画像群データの中から診断画像データに最も類似した処置部位画像データである例えば前記図6に示したデータ83を選択する。すると、このデータ83に格納されている情報の中から処置具の条件設定に関する情報が、比較演算部76から処置具設定情報生成部77に伝達される。
【0040】
次いで、処置具設定情報生成部77では、条件設定のための情報を画像生成部87を介して、LCD38に表示させるとともに、設定のための情報を超音波吸引装置81へ転送する。このとき、術者が観察している顕微鏡には図7に示す顕微鏡観察像88とともに、第2の観察光学系を介して出力設定情報及び使用すべきプローブ種類情報を含んだ設定データ89が表示される。
【0041】
一方、設定のための情報が転送された超音波吸引装置81では、前記処置具設定情報生成部77から送られた情報を取得する。このことによって、超音波吸引装置81の設定が完了する。この後、術者は、第2の観察光学系に表示(指示)されたプローブBを超音波吸引装置81に接続して術部の処置を開始する。
【0042】
このように、取得した診断画像を画像メモリに伝達させた後、比較演算部で画像メモリに伝達された診断画像データを取得する一方、DBに蓄積されている処置部位画像データとの比較演算を実施して、前記診断画像データに最も類似した処置部位画像データを得ることによって、この処置部位画像データに格納されている情報の中から処置具の条件設定に関する情報を処置具設定情報生成部を介して処置具に転送することによって、処置具の条件を最適に設定することができる。
【0043】
このことによって、対象症例に対して経験の少ない術者であっても、試行錯誤することなくエネルギー処置具の設定を速やかにかつ確実に行えるので手術時間の短縮を図れる。
【0044】
以下、第2の実施形態について説明する。
本実施形態は、前記第1の実施形態において得られた処置部位画像データによる処置部の条件設定をマニュアルで変更し、その後、その条件設定をデータベースに蓄積できるようにした実施形態である。また、前記内容に加え、処置具の条件設定を表示することが可能な第2の観察光学系の表示画像位置を変更できるようにしたものである。
【0045】
この件に関して、本出願人は特願2000−193223号に手術用顕微鏡を提案している。この手術用顕微鏡では、顕微鏡用の観察光学系とは別の観察光学系として第2の観察光学系を設け、エネルギー処置具の設定等を、顕微鏡接眼部から術者が目を離すことなく、第2の観察光学系に表示させて確認できるようにしている。
【0046】
しかし、この手術用顕微鏡では第2の観察光学系の表示位置が固定されていると、この第2の観察光学系に表示されている画像と顕微鏡観察画像とを比較しながら見たい場合、或いは、第2の観察光学系の表示画像を消すまでもないが、顕微鏡画像の観察の妨げにならないようにしたいなどの、使い分けができない等の不具合があった。
【0047】
本実施形態では、第1の実施形態に加え、処置具の設定をマニュアルにできること及び、観察光学系の使用状況によって第2の観察光学系の表示位置を移動できるようにすることを目的にしている。
【0048】
図8ないし図15は本発明の第2実施形態にかかり、図8は手術用顕微鏡システムの他の構成を説明する図、図9は双眼接眼鏡筒部の内部構成を説明する側面図、図10はピニオンギアとラックとの関係を説明する図、図11は図10の矢印A方向からの矢視図、図12は顕微鏡観察像と超音波吸引装置の設定状態を変化させる画面とを説明する図、図13は接眼ハウジングが可動ハウジングに対して移動した状態を説明する図、図14は接眼ハウジングが移動する前の顕微鏡観察像と第2の観察光学系による画面との関係を示す図、図15は接眼ハウジングが移動した後の顕微鏡観察像と第2の観察光学系による画面との関係を示す図である。
なお、本実施形態の手術用顕微鏡システムは処置具の条件設定をマニュアルで行え、使用する術者は、対象症例に対して経験の豊富な術者である。
【0049】
図8に示すように本実施形態の手術用顕微鏡システム1Aは、重畳画像生成部80、視線検出装置101及び登録スイッチ102が設けられ、2WS73AにはDB情報生成部100を設けている。
本実施形態の2WS73Aにおいては、前記比較演算部76にDB情報生成部100が接続されている。このDB情報生成部100には前記DB74及び登録スイッチ102、前記処置具設定情報生成部77が接続されている。
【0050】
また、前記処置具設定情報生成部77には、視線検出装置101と、重畳画像生成部80とが接続されている。この重畳画像生成部80には重畳用LCD48が接続されている。その他の構成は前記第1実施形態と同様であり、同部材には同符合を付して説明を省略する。
【0051】
また、図9に示すように前記可動ハウジング28の一面103内にはピニオンギア104が配置されている。また、可動ハウジング28の所定位置には、前記ピニオンギア104を回動操作するツマミ(図11の符号200参照)が設けられている。
【0052】
一方、接眼ハウジング9側には、前記ピニオンギア104に噛合する所定の湾曲形状に形成されたラック106が配置されている。また、この接眼ハウジング9の接眼部には前記視線検出装置101が取り付けられている。図10に示すように前記一面103には細長に形成した開口107が形成されており、この開口107に前記接眼ハウジング9から突設した湾曲形状のラック106が係入配置されている。つまり、図11に示すように前記ピニオンギア104と前記ラック106とが噛合している。
その他の構成は前記第1実施形態と同様であり、同部材には同符合を付して説明を省略する。
【0053】
上述のように構成した手術用顕微鏡システム1Aの作用を説明する。
本実施形態においても前記第1実施形態と同様、まず、顕微鏡を観察状態にする。そして、光走査プローブ78により得られた診断画像と、DB74に記録された処置部位画像データとを比較演算部76で比較演算して超音波吸引装置81の設定を行う。
【0054】
処置前、若しくは処置途中で、前記超音波吸引装置81の設定を変更したい場合、術者は第2の観察光学系に表示された図12に示す前記超音波吸引装置81の設定状態を表示している画面108のマニュアル設定領域110を凝視する。
【0055】
すると、前記接眼ハウジング9に設けた視線検出装置101によって、術者がマニュアル設定領域110を凝視していることが検出される。すると、その情報が処置具設定情報生成部77に伝達され、この処置具設定情報生成部77が前記超音波吸引装置81の設定状態をマニュアル変更可能な変更モードに切り替える。
【0056】
そして、術者は、設定変更表示領域111、112、113、114のどれかを凝視する。このことにより、超音波吸引装置81の設定条件の変更を視線検出によって行える。具体的には、術者が設定変更表示領域111を凝視した際には、前記視線検出装置101がそのことを検出し、設定変更表示111を見ていたことを処置具設定情報生成部77に伝達する。すると、この処置具設定情報生成部77では、吸引条件を10%上げる指示を超音波吸引装置81に転送して、超音波吸引装置81の設定変更を行い、術部の処置が開始又は再開される。
なお、前記視線検出装置101による検出に関しては、例えば特表平11−501403号公報のような例がある。
【0057】
一方、前記処置具設定情報生成部77では設定の変更がなされたことをDB情報生成部100に伝達する。すると、このDB情報生成部100に、前記処置部位画像データと比較された診断画像データが前記比較演算部76から伝達されている。
【0058】
ここで、術者が、設定変更した設定値を新たに記録する必要があると判断した場合には、前記登録スイッチ102を押す。すると、診断画像データと、この診断画像データに対応する新規の超音波吸引装置81に対する設定条件との一組みの情報がDB74に伝達され、前記図6に示した形態のデータとして新規登録される。
【0059】
このように、経験のある術者がマニュアル設定によって設定条件を変更した後、設定値及び診断画像データを新たに登録して格納することによって、データベースに登録されている処置部位画像データのバージョンアップを行うことができる。
【0060】
なお、視線検出によってマニュアル設定を行う際、第2の観察光学系による画面108が見難いときがある。この場合には、前記可動ハウジング28に設けられているツマミ200を回して、ピニオンギア104を所定の方向に回転させる。すると、このピニオンギア104が回転することによって、ラック106が移動されて、接眼ハウジング9が前記ラック106の湾曲形状に応じた弧を描いて、ラック106の軸を中心に移動する。
【0061】
このことによって、接眼ハウジング9の移動前は、図9に示すように配置されていた接眼ハウジング9(図13中一点鎖線)が、移動後には図13に示すように接眼光学系33aからの距離が離れた状態になる。この移動前後において、顕微鏡観察像と第2の観察光学系の画像とのアイポイントは常に一定に保たれている。
【0062】
このため、術者の眼には、図14に示すように顕微鏡観察像88と第2の観察光学系による画面108とが離れていた状態(L)から、図15に示すように顕微鏡観察像88と第2の観察光学系による画面108とが近づいた状態(l)になる。このことによって、第2の観察光学系による画面108が顕微鏡観察像88の観察視野を妨げることがない。
【0063】
したがって、エネルギー処置具の設定条件をほとんど変えることが予想されない場合等には、図14に示したように顕微鏡観察像88と画面108とを離した状態(L)にしておき、頻繁に変えることが予想される場合には、図15に示したように顕微鏡観察像88と画面108とを近づけた状態(l)にしておく。このことによって、術者の視線移動が少ない状態になる。
【0064】
そして、前記図15で示した状態の第2の観察光学系の位置でエネルギー処置具の設定を行い、その後、術部の位置を確認するために第2に観察光学系に術前の画像を表示させ、位置の確認を終えた後、第2の観察光学系を図14に示したように顕微鏡観察像88から離した状態(L)にして、顕微鏡観察像88の観察、及び、エネルギー処置具による処置を行う。
【0065】
このように、第2の観察光学系の表示位置、若しくは、角度を変えることにより、術者の所望する位置で観察を行うことができる。
【0066】
以下、第3の実施形態について説明する。
特公平5−61612号公報には顕微鏡の複数の駆動系の操作スイッチを切替えスイッチを用いることによって、操作スイッチの数を減らすようにした駆動制御装置が示されている。しかし、術中、術者は、顕微鏡の接眼部から目を離さないで処置を行えることが望ましく、そのことにより、時間の短縮を図れる。
【0067】
また、顕微鏡の他にエネルギー処置具や内視鏡などを操作する場合、手元スイッチやフットスイッチなど操作スイッチが多くなると、当然、術者のスイッチ操作が煩雑になる。特に、顕微鏡の他にエネルギー処置具や内視鏡などの操作を切り替えるためにフットスイッチを設けたとしても、切替えのために所定スイッチを探すのに、足を擦り動かしたり、接眼部から目を離さなくてはならなくなる。
【0068】
このため、接眼部から目を離すことなく操作スイッチの中から所定のスイッチを選択して、容易かつ確実に切り替えられる手術用顕微鏡システムが望まれていた。
【0069】
図16ないし図19は本発明の第3実施の形態にかかり、図16は手術用顕微鏡システムの別の構成を説明する図、図17はフットスイッチの操作スイッチとセンサとの関係を説明する図、図18は顕微鏡画像上に表示されている内視鏡スイッチ位置告知画像を説明する図、図19は顕微鏡画像上に表示されている超音波スイッチ位置告知画像を説明する図である。
【0070】
図16に示すように本実施形態の手術用顕微鏡システム1Bの操作制御部122には、顕微鏡の光学系の駆動制御(ズーム、フォーカス等)を行う顕微鏡制御部121と、顕微鏡のフットスイッチ125の機能配置を変更するフットスイッチ配置変更設定部(図中ではFS配置変更設定部と記載)123と、光センサ検出部124と、重畳画像生成80と、超音波吸引装置81とが接続されている。そして、前記光センサ検出部124には、フットスイッチ125に設けられた光センサA126、光センサB127、光センサC128、光センサD129が接続されている。
【0071】
一方、超音波吸引装置81にはスイッチ134を有したハンドピース120が接続されている。このスイッチ134は、超音波吸引装置81を介して、前記操作制御部122に接続されている。なお、重畳画像生成部80には重畳用LCD28が接続されている。
【0072】
図17に示すように手術用顕微鏡のフットスイッチ125に設けられている操作スイッチ130には光センサA126が設置されている。同様に、操作スイッチ131には光センサB127が、操作スイッチ132には光センサC128が、操作スイッチ133には光センサD129がそれぞれ設置されている。
【0073】
前記フットスイッチ125の設定状態を、術者の所望する状態に切り替える場合、例えばフットスイッチ配置変更設定部123の図示しない機能スイッチを切替操作することにより、前記操作スイッチ130、131、132、133の機能の設定を行える。
【0074】
具体的には、顕微鏡操作の場合、操作スイッチ130、131,132、133の任意の位置に、それぞれフォーカスアップ/ダウン、ズームアップ/ダウンの4つの機能を配置することができる。
【0075】
また、超音波吸引装置の場合には、操作スイッチ130、131,132、133の任意の位置に、それぞれ送水量アップ/ダウン、吸引圧アップ/ダウンの4つの機能を配置することができる。さらに、超音波吸引装置の場合、一部のスイッチを顕微鏡のフォーカスアップ/ダウン、残りのスイッチを超音波吸引装置の吸引圧アップ/ダウンに割り当てるようにすることも可能である。
【0076】
そして、設定した内容は、操作制御部122が検出して、重畳画像生成部80に伝達する。また、超音波吸引装置を把持した際に、スイッチ134を操作することによって、操作制御部122がそのことを検知して、前記フットスイッチ125に設けられている操作スイッチ130、131,132、133の制御対象の少なくとも一部を顕微鏡側から手術器具側に変更する。
【0077】
このことによって、重畳画像生成部80では、操作制御部122の検出状態に応じて、フットスイッチ125の操作スイッチの機能を告知するスイッチ位置告知画像を生成する。
【0078】
上述のように構成した手術用顕微鏡システム1Bの作用を説明する。
上述した実施形態と同様、まず術者は顕微鏡を観察状態にする。そして、顕微鏡の観察光学系を操作するため、術者はフットスイッチ125の上に足を載せる。このとき、例えば、術者の足がフットスイッチ125の操作スイッチ130の上に載せられたときには、この操作スイッチ130に対応する光センサ126が反応する。この結果、光センサ検出部124では操作スイッチ130の上に足が載せられたたことを検出する。
【0079】
すると、前記光センサ検出部124では検出された位置を操作制御部122に伝達し、重畳画像生成部80に伝達する。この重畳画像生成部80では、フットスイッチ125の操作対象スイッチの配置を重畳用LCD48に伝達し、図18に示すように顕微鏡観察像88上に内視鏡スイッチ位置告知画像137を重畳する。
【0080】
このとき、足の載せられている操作スイッチについては例えば縁部を濃くして表示される。そして、フットスイッチ125のうち、現在足を載せている操作スイッチの操作対象を確認してから、顕微鏡の観察状態を変更する。
【0081】
なお、術部を処置するために超音波吸引装置81と、ハンドピース120とを用いる場合には、ハンドピース120に設置されたスイッチ134を操作する。すると、そのときの指示信号は、超音波吸引装置81を介して操作制御部122に伝達される。すると、操作制御部122では、フットスイッチ125の操作対象を顕微鏡側から超音波吸引装置81側に切り替えるとともに、顕微鏡観察像88に重畳する重畳画像を切り替えるために重畳画像生成部80に指示信号を伝達し、重畳画像を内視鏡スイッチ位置告知画像137から図19に示す超音波吸引モードの超音波スイッチ位置告知画像138に切り替える。この超音波スイッチ位置告知画像138には、フットスイッチ125の操作割当て138aと、超音波吸引装置の設定状態138bとが表示される。
【0082】
そして、術者の足が載せられた操作スイッチに対応する表示部位の縁部が濃く表示される。
【0083】
このことにより、術者は顕微鏡接眼部から眼を離すことなく、フットスイッチの操作スイッチの配置位置関係及び現在操作している操作スイッチ及び切り換えるべき操作スイッチの位置を知ることができるとともに、超音波吸引装置の設定値を知ることができる。
【0084】
このように、フットスイッチに設けられている複数の操作スイッチの位置関係を顕微鏡画像上に重畳表示させることによって、目を離すことなくフットスイッチに設けられている操作スイッチの設定状態を確認することができる。
【0085】
また、たとえフットスイッチの各操作スイッチの割当てが変更されている場合でも、術者は、接眼部から目を離すことなく、フットスイッチの操作対象を顕微鏡画像で確認することができる。
【0086】
さらに、術者は手術用顕微鏡視野内に表示された操作スイッチの機能配置を確認することによって、足をどの方向へ移動すれば所望のスイッチ操作が行えるかを、容易に確認することができるので、操作スイッチの誤操作を確実に防止される。
【0087】
又、手術器具を把持する際に、スイッチ操作を行うことによって、制御部がフットスイッチの制御対象の少なくとも一部を顕微鏡から手術器具に切り替えるので、術者は、フットスイッチで手術器具の設定等を行うことができる。
【0088】
なお、本実施形態では、処置具の設定について述べたが、内視鏡や超音波観測装置の設定変更(フォーカス、ズーム、画像回転等)に応用するようにしてもよい。また、今回は処置具に設けたスイッチにより顕微鏡と処置具との設定切替えを示したが、プローブに設けた加速度センサーでプローブの使用状態を検出するようにしても、同様の効果を得ることができる。
【0089】
ところで、本出願人が示した特願2000−194807号の第5、第6実施形態には、手術用顕微鏡の観察と同時に内視鏡観察、超音波観察する形態が示されており、顕微鏡観察視野に、内視鏡観察画像、第2の観察光学系に超音波観察画像を表示して観察を行える。
【0090】
しかし、手術の際に、手術用顕微鏡、内視鏡、超音波装置等の観察装置を用いる場合、各装置間で相関をとることなく各々の画像を表示させると、それぞれの画像が他の装置から観て、どの位置に対応しているのか分かり難い。
【0091】
このため、それぞれの観察装置で得られた画像の位置関係の相関を図って、観察画像同士の対応をわかりやすく表示する手術用顕微鏡システムが望まれていた。
【0092】
以下、第4の実施形態について説明する。
本実施形態においては、以下の目的に着目している。
【0093】
術部の観察には、手術用顕微鏡をはじめ、手術用顕微鏡の死角観察のための内視鏡や超音波観察装置など、各種観察装置が使用される。このように様々な観察装置が使用されると、術者は、それぞれの観察位置の対応が判り難くなる。本実施形態では、手術用顕微鏡の観察位置、手術用顕微鏡の死角観察に用いる内視鏡の観察画像及び超音波観察装置による超音波画像の各々の観察像の相関を術者に明確に示すことを目的にしている。
【0094】
図20ないし図31は本発明の第4実施形態にかかり、図20は顕微鏡鏡体部と内視鏡接続・保持装置との外観を示す図、図21は顕微鏡鏡体部と内視鏡との光学的及び機械的連結状態を上方向から見た状態の断面図、図22は滅菌アダプタ近傍の接続を説明する図、図23は滅菌アダプタに差し込まれる内視鏡を説明する図、図24は超音波観測システムの要部構成を説明する図、図25は超音波観測システムのスコープホルダを説明する図、図26は超音波プローブ及びその周辺機器を備えるシステムを説明する図、図27は手術用顕微鏡システムのまた他の構成を説明する図、図28は超音波プローブを上下動させた状態を示す図、図29は超音波プローブのプローブ保持部を上方に配置させた状態を示す図、図30は表示画面の1例を説明する図、図31は表示画面の他の例を説明する図である。
【0095】
図20ないし図22に示すように顕微鏡鏡体部2には、内視鏡接続・保持装置55が、変位手段として軸Bを中心に回動自在に軸支されている。顕微鏡鏡体部2内に配置されるフランジ142aは、内視鏡接続・保持装置55が顕微鏡鏡体部2から抜け出るのを防いでいる。これにより内視鏡接続・保持装置55は顕微鏡鏡体部2に対し、軸B周りで回転自在である。
【0096】
図21において、内視鏡接続・保持装置55には、この内視鏡接続・保持装置55を顕微鏡鏡体部2に固定するための固定ねじ56を収納するケーシング55aが設けられている。固定ねじ56には、抜け止め用のフランジ56aが設けられ、圧縮バネ57により顕微鏡鏡体部2側に付勢されている。顕微鏡鏡体部2には内視鏡接続・保持装置55が水平状態になった時に固定ねじ56と対向する雌ねじ21a,21bが設けられている。
【0097】
ここで、顕微鏡鏡体部2内の軸B上にはカメラヘッドが配置されており、これと対向する向きに内視鏡接続・保持装置55内の軸B上にレンズ、プリズム等の光学要素からなる観察光学系58(太い実線で記載)が配置されている。
【0098】
これらの観察光学系58とカメラヘッドとが、共に軸B上に同軸に配置されているため、顕微鏡鏡体部2に対し内視鏡接続・保持装置55が(軸B上で)回転しても、偏心することなく、像だけを回転させることができる。上記観察光学系58は、図示しないプリズム等の光学要素で方向を変換され、内視鏡接続・保持装置55の先端Cまで導かれている。
【0099】
また図21中、顕微鏡鏡体部2内の軸Bより左側にはライトガイドファイバ53が配置されている。このライトガイドファイバ53と対向する内視鏡接続・保持装置55内には、第1の照明光伝達部59が設けられている。そして、軸Bに対して第1の照明光伝達部59と点対称な位置には第2の照明光伝達部60が設けられている。これらの照明光伝達部59,60には、例えばプラスチック製の単ファイバーを使用している。これらも内視鏡接続・保持装置55の先端まで導かれ、第1の照明光伝達部59が紙面向かって手前側、第2の照明光伝達部60が紙面向かって奥側に配置されている。つまり図20においては、第1の照明光伝達部59が上、第2の照明光伝達部60が下側に位置することになる。
【0100】
一方、内視鏡接続・保持装置55は、顕微鏡鏡体部2に対して図20及び図21に示す位置の反対側にセットする場合は、軸Bを中心に180度回転される。ライトガイドファイバ53は、第2の照明光伝達部60と対向し、この第2の照明光伝達部60が上に配置され、第1の照明光伝達部59が下側に配置されることになる。つまり、ライトガイドファイバ53と対向する照明伝達部は常に上側に位置することになる。
【0101】
前記図20に戻り、符号61は前記観察光学系58の伝達像を回転させる像回転リングである。この像回転リング61は、観察光学系内の図示しないイメージローテータを回転させる。また、符号62はズームリングで、観察光学系58内の図示しないズームレンズを軸方向に動かすことにより、像の拡大、縮小を行う。
【0102】
一方、符号50は偏心調整つまみを示し、X調整つまみ50aと、Y調整つまみ50bと、Z調整つまみ50cとを有する。Y調整つまみ50bは軸Bを中心に反対側に回した時にもつまみを上側から操作できるように、上下方向に貫通させて設けられている。X調整つまみ50aとY調整つまみ50bとは、観察光学系58内の図示しない調整レンズをX,Y方向に動かすことで内視鏡から観察光学系58間の伝達像の偏心を補正する。調整つまみ50cは観察光学系58内の図示しないフォーカスレンズを軸方向に動かすことで内視鏡から観察光学系58間の焦点の調整を行う。
【0103】
これらのつまみ50a、50b、50cは、術者が感覚で操作方向を確認することができるように、図20に示す配置で設けられており、内部の図示しないリンク等の機構部によってレンズを動かす構造になっている。符号51は接続部としての滅菌アダプターである。
【0104】
図22に示すように内視鏡接続・保持装置55の先端には、滅菌アダプター接続部63が形成されている。滅菌アダプター接続部63には長方形凹部64が設けられ、この長方形凹部64内には、観察光入射部63aと、第1の照明光出射部64bと、第2の照明光出射部64cとが設けられている。これらの後端側には、観察光学系58と第1の照明光伝達部59と第2の照明光伝達部60とがそれぞれ設けられている。滅菌アダプター接続部63の外周には、突起63aが設けられている。
【0105】
符号65は顕微鏡鏡体部2と内視鏡接続・保持装置55とを覆う滅菌ドレープである。前記滅菌アダプター接続部63に取り付ける弾性材料からなる取付リング66が設けられており、このリング66の内面には溝66aが形成されている。
【0106】
滅菌アダプタ51は例えばステンレス等の高圧蒸気滅菌やEOG(エチレンオキサイドガス)滅菌に耐え得る材質で構成されており、長方形凸部67とU型凹部68とフック69とが設けられている。U型凹部68内には観察光出射端68aと照明光出射端68bとが配置されている。これら観察光出射端68aと照明光出射端68bには、図示しないカバーガラスが設けられており、滅菌できないために不潔な観察光入射部64aと、第1の照明光出射部64bと、第2の照明光出射端64cとを、後述する滅菌して清潔に保つ必要がある内視鏡コネクターの観察系接続部及び照明光接続部に対して分離している。
【0107】
符号71dは内視鏡コネクターである。滅菌アダプタ51のU型凹部68に嵌る形状をしており、観察系接続部72aと照明系接続部72bとを備える。ここで、内視鏡の内視鏡コネクタ71dはU型凹部68に1方向にしか嵌らない形状をしているが、滅菌アダプタ51の長方形凸部67は滅菌アダプター接続部63の長方形凹部64に上下入れ替えて2方向に嵌るようになっている。
【0108】
手術を行う際にはまず、内視鏡接続・保持装置55を鏡体に対しどちら側に配置するか決める。ここで図20に示す側に配置するように決めたとする。ここで、図21に示すように内視鏡接続・保持装置55を水平になるように回していくと、雌ネジ21aの所で固定ねじ56の先端が圧縮バネ57の付勢力により中に入り込む。この状態で固定ねじ56を捩じ込むことで内視鏡接続・保持装置55が顕微鏡鏡体部2に固定される。
【0109】
この状態においては、図21に示すようにライトガイドファイバ53と対向しているのは第1の照明光伝達部59であり、これは第1の照明光出射部64bと連結している。つまり照明光は照明出射部64bより出射される。
【0110】
次に図22に示す滅菌ドレープ54を滅菌アダプター接続部63に取り付ける。取付リング66内の溝66aを突起52aに嵌めることで固定される。
【0111】
この状態で滅菌済みの滅菌アダプタ51をフック69が上になるように滅菌アダプター接続部63に取り付ける。
【0112】
これにより、U型凹部68内に設けられた照明光出射端68bと前記照明光出射部64bが導通することになる。滅菌アダプタ51のU型凹部68に合わせて内視鏡コネクタ71dを接続することで、照明系接続部72bと照明光出射端68bとが導通する。これにより、ライトガイドファイバ53からの照明光は照明系接続部72bまで導かれることで、内視鏡先端から照明がなされる。なお、内視鏡のケーブルは必要に応じてフック69に引っかける。
【0113】
別の手術で、顕微鏡鏡体部2に対し内視鏡接続・保持装置55を図20とは逆側にセットする場合は、滅菌ドレープをかける前に以下の作業を行う。
【0114】
図21に示す固定ねじ56を緩め、雌ネジ21aから抜き出す。軸Bを中心に内視鏡接続・保持装置55を回転させる。雌ネジ21bの所で固定ねじ56が入り込み、同様に固定ねじ56を締め込むことで固定される。180度回転によりライトガイドファイバ53と対向するのは第2の照明光伝達部60となる。また、180度回転により、第2の照明光伝達部60と照明光出射端64cとは上側に位置する。この状態で滅菌ドレーブ65を被せ、滅菌アダプタ51のケーブルフックを上向きにして取り付け、内視鏡コネクタ71dを接続する。
【0115】
ライトガイドファイバ53からの照明光は、第2の照明光伝達部60と第2の照明光出射端64cと照明光出射端68bとを介し、照明系接続部72bまで導かれ、内視鏡先端から照明される。
【0116】
次に、内視鏡の観察画像に偏心があるか否かを確認し、偏心のある場合には偏心調整つまみ50のX調整つまみ50aとY調整つまみ50bとを回して図示しないレンズを動かし、観察像がモニターの中央に来るように調整する。次いで、フォーカスが適切か否かを確認し、ボケがあったらZ調整つまみ50cで調整する。ここまでの調整が終わったらスコープを取り術部を観察する。
【0117】
ここで、視野方向に対してモニターの像が回転している時は、像回転リング61を回して方向を合わせる。倍率が適切でなければズームリング62を回して倍率を適切にする。
【0118】
内視鏡を使わない時には、この内視鏡を保持具に保持させる。また、視野方向の異なる内視鏡に交換する場合には、内視鏡コネクタ71dを抜いて、別の内視鏡の内視鏡コネクタを接続する。内視鏡コネクタは、滅菌不能で不潔域の内視鏡接続・保持装置55に対し、滅菌可能で清潔域の滅菌アダプタ51を介して接続することで常に清潔が保たれているので交換が容易である。
【0119】
また、内視鏡接続・保持装置55を、軸Bを中心に顕微鏡鏡体部2の両側に大きく動かすことができるため、術者の利き腕の側で好適に内視鏡の接続・保持が行える。加えて、滅菌アダプター51を用いることで術中の内視鏡の交換も可能である。
【0120】
前記内視鏡71は、図23に示すように挿入部71aと本体部71bとを備え、この本体部71bからは内視鏡ケーブル71cが延出し、その端部に前記観察系接続部72aが設けられている。この内視鏡71の内視鏡コネクタ71dには、観察系接続部72aと、照明系接続部72bとが設けられている。この内視鏡71の本体部71bには、位置検出のための所定の指標71eが設置されている。
【0121】
図24ないし図26を参照して術部の3次元超音波観察画像を取得する構成を説明する。
本実施の形態の超音波観測システム201には空間的に位置自在に移動可能なスコープホルダ(アーム機構部)202と、このスコープホルダ202に着脱可能に連結される超音波プローブホルダ202とが設けられている。
【0122】
また、スコープホルダ202には、手術ベッドの図示しないサイドレールに着脱自在に取り付けられる取付け部204と、アーム本体205とが設けられている。ここで、スコープホルダ202の取付け部204には、取付部本体206と、この取付部本体206から延びる基台207とが設けられている。さらに、取付部本体206には、手術ベッドのサイドレールに引っ掛けて取り付けられるフック状の係合部208が設けられている。
【0123】
また、取付部本体206には、係合部208と対向する位置にこの取付部本体206をベッドサイドレールに固定するための固定ノブ209が設けられている。この固定ノブ209は、取付部本体206に捩じ込んで取り付けられており、係合部208に向けて延びるネジ部を有している。また、固定ノブ209のネジ部の端部には、ベッドサイドレールの取付面に圧接される押圧部材が設けられている。
【0124】
したがって、係合部208をベッドサイドレールに引っ掛けた状態で、固定ノブ209を締め付けて、ベッドサイドレールの取付け面に固定ノブ209の押圧部材を圧接させれば、取付部本体206をベッドサイドレールに固定することができる。
【0125】
また、取付け部204の基台207には、アーム本体205を構成する垂直アーム211が回転可能に取り付けられている。この垂直アーム211は、基台207から垂直上方に延び、その長手方向軸と一致する垂直な第1の軸O6 を中心に回転可能に支持されている。
【0126】
さらに、基台207には、第1の軸O6 を中心とする垂直アーム211の回転の力量を調整するための調整ノブ212が捩じ込んで取り付けられている。この調整ノブ212には、第1の軸O6 に対して直交する方向に延設され、かつ垂直アーム211の方向に延びるネジ部が設けられている。このネジ部の端部には、垂直アーム211の外周面に圧接される押圧部材が設けられている。したがって、垂直アーム211の回転力量は、基台207に対する調整ノブ212の締め付け量すなわち垂直アーム211に対する押圧部材の圧接度合いによって決定される。
【0127】
また、垂直アーム211の上端には、アーム本体205を構成する第1のリンクアーム213の一端部が関節部214を介して第1の軸O6 と直交する第2の軸O7 を中心に回動可能に取り付けられている。この第1のリンクアーム213の他端部には、アーム本体205を構成する第2のリンクアーム215の一端部が関節部216を介して第2の軸O7 と平行な第3の軸O8 を中心に回動可能に取り付けられている。
【0128】
さらに、この第2のリンクアーム215の一端部は第3の軸O8 と直交する方向(第2のリンクアーム215の軸心方向)に延設された第4の軸O9 を中心に回動可能に支持されている。
【0129】
また、第2のリンクアーム215の他端部には、連結軸部(アタッチメント取付け部)217が関節部218を介して第4の軸O9 と直交する第5の軸O10を中心に回動可能に支持されている。この連結軸部217には図2(B)に示すように先端部外周面に、2つの切込部219a,219bが形成されている。
【0130】
なお、各関節部214,216,218の内部には図示しない回転力量調整機構が設けられている。これにより、スコープホルダ202に着脱可能に連結される超音波プローブ203とこれを保持するアーム本体205の自重によって各リンクアーム213,215が各軸O7 〜O10を中心に自然に回動してしまうことを防止するようになっている。
【0131】
また、スコープホルダ202の連結軸部217には超音波プローブ203を着脱可能に連結する超音波プローブ連結用の第1の超音波プローブホルダ(アタッチメント)、又は第2の超音波プローブホルダ(アタッチメント)などが必要に応じて適宜、選択的に取付け可能になっている。
【0132】
ここで、第1の超音波プローブホルダは例えばラジアルスキャン用超音波プローブホルダによって形成されている。この第1の超音波プローブホルダにはホルダ本体と、このホルダ本体をスコープホルダの連結軸部に着脱可能に取り付ける取付け部とが設けられている。
【0133】
さらに、ホルダ本体には、固定部と、可動部とが設けられている。このホルダ本体の固定部には、可動部bを上下の直線方向に沿って移動操作する直線方向駆動機構が組み込まれている。この直線方向駆動機構には、駆動モータ225aと、このモータ225aによって駆動される第1のギア226と、この第1のギア226と噛合されている第2のギア227と、さらにこの第2のギア227の噛合されている第3のギア228と、この第3のギア228の回転に伴って動作するエンコーダ229とがそれぞれ設けられている。
【0134】
また、ホルダ本体222の可動部224bには、超音波プローブ203を差し込んで固定するプローブ装着穴部230と、固定部224aの第2のギア227と噛合されているラック231とが設けられている。このラック231は上下方向に延設されている。そして、第2のギア227の回転にともないラック231が上下方向に移動され、これにより、可動部224bは、固定部224aに対して上下動可能に支持されている。なお、可動部224bのラック231の上端と下端には、それ以上、移動しないように図示しないストッパーが設けられている。さらに、可動部224bにプローブ装着穴部230の上端部に超音波プローブ203を係脱可能に係止する傾斜部230aが形成されている。
【0135】
また、第1の超音波プローブホルダ202の取付け部223にはホルダ本体222の固定部224aに突設された一対のピン保持板232a,232bが設けられている。ここで、一方のピン保持板232aには係合ピン233a、他方のピン保持板232bには係合ピン233bがそれぞれ取り付けられている。これらの係合ピン233a,233bはピン保持板232a,232bの内外方向にそれぞれ移動可能に支持されている。そして、ピン保持板232aの係合ピン233aと、ピン保持板232aの係合ピン233bとは常時は図示しないばね部材により、内方向に突出される方向に付勢され、スコープホルダ202の連結軸部217の切込部219a,219bに対してそれぞれの係脱可能に係止されるようになっている。
【0136】
また、各ピン保持板232a、232bの外面側には、係合ピン233a,233bをと得付け部223の外方向に向けて引っ張り操作する操作ツマミ234a,234bがそれぞれ設けられている。なお、前記プローブ203には位置検出用の図示しない指標が設置されている。
【0137】
図26中で、符号269は超音波プローブ203を駆動する超音波駆動装置である。この超音波駆動装置269には、図示しない超音波振動子を駆動するためのモータ270と、位置の検出を行うエンコーダ271とが設けられている。また、超音波駆動装置269には、この超音波駆動装置269に内蔵されるモータ270の駆動、及びエンコーダ271の検出、或いは、超音波振動子によって得られた2次元画像を取得する超音波観測装置272が接続されている。この超音波観測装置272にはフットスイッチ273と、3次元画像生成装置274とが接続されている。
【0138】
前記フットスイッチ273には図示しないラジアルスキャン用の第1の超音波プローブホルダ202に内蔵されたモータ225aを駆動するためのモータ駆動装置275が接続されている。また、このフットスイッチ273には超音波観測装置272のオン/オフを制御する図示しない超音波観測スイッチと、前記モータ駆動装置275を動作させるための図示しないモータ駆動スイッチとが設けられている。
【0139】
前記第1の超音波プローブホルダ202に内蔵されたエンコーダ229には、このエンコーダ229の値を検出するための移動量検出装置276が接続されている。この移動量検出装置276は、超音波観測装置272及び3次元画像生成装置274に接続されている。さらに、この3次元画像生成装置274にはモニタ277が接続されている。
【0140】
そして、超音波観測装置272、及び移動量検出装置276からの各出力信号は、3次元画像生成装置274に入力され、これらの入力情報に基づき3次元画像生成装置274で生成された3次元画像がモニタ277に映し出されるようになっている。
【0141】
なお、スコープホルダ202の連結軸部217に図示しない前方スキャン用の第2の超音波プローブホルダ202を連結する場合も同様である。
【0142】
図27に示すように本実施形態の手術用顕微鏡システム1Cは、前記実施形態1と同様、デジタイザ12、計測装置18、A/D変換器17及びWS19を備え、前記WS19と重畳画像生成部80とが接続され、この重畳画像生成部80と重畳用LCD48とが接続されている。また、前記WS19には、顕微鏡のフォーカス、ズーム情報を検出する鏡体制御部304が接続されている。前記3次元画像生成装置274には、WS19が接続されている。
【0143】
内視鏡用テレビカメラ140には、画像生成部87と、視野内画像生成部305とが接続されている。この視野内画像生成部305には、顕微鏡の視野内に画像表示するためのLCD36aが接続されている。前記画像生成部87には第2の観察光学系の像を表示するLCD38が接続されている。
【0144】
観察するに当たって、まず、前記内視鏡71を鏡体部側面に取り付け、その後、内視鏡71を観察状態にして術部の観察を行う。また、術部内部の画像を得るために、超音波観測を行う。このとき、上述した3次元超音波観察画像を取得するために超音波観測システムを用いて、術部のラジアル方向の超音波画像を観察する。
【0145】
図28及び図29に示すように前記デジタイザ12により検出可能な図示しない指標を設置したラジアルスキャンの超音波プローブ203を、ラジアル方向と垂直な方向(図中矢印方向)に移動させ複数の超音波画像を取得する。このとき取得された超音波画像は、3次元画像生成装置274に伝達される。一方、超音波観測中にデジタイザ12が検出した超音波プローブ203の空間位置情報は、WS19から3次元画像生成装置274に伝達される。
【0146】
つまり、空間位置情報と超音波画像とが対になって3次元画像生成装置274に記録され、そのデータが蓄積されることにより術部位置空間と相関を持った3次元超音波画像が生成され、WS19に伝達し記録される。
【0147】
術者が顕微鏡の鏡体2の死角を確認するために、内視鏡71で術部の観察を行う。この際、内視鏡71の観察方向の組織内部の情報を確認したい場合には、図示しない画像切替えスイッチを押す。このことにより、第2の観察光学系に超音波画像を表示する。
【0148】
また、内視鏡71で観察されている観察像は、前記内視鏡TVカメラ140から視野内画像生成部305を介して、視野内表示画像306を表示するLCD36aに内視鏡画像として表示される。また、この内視鏡71の先端位置観察方向は、前記デジタイザ12にて検出されており、その検出結果はWS19に伝達されている。
【0149】
つまり、WS19では、伝達された内視鏡観察方向の情報に基づいて、先に記録された3次元超音波画像から内視鏡71の観察方向と一致する3次元超音波画像144を画像を再構築する。
【0150】
生成された3次元超音波画像144は、画像生成部87に伝達され、LCD38により図30に示すように画像表示される。このことにより、第2の観察光学系を通して、術者が3次元超音波画像144を観察することができる。
【0151】
術者は、内視鏡71の観察方向の術部内部情報を確認することにより、腫瘍の存在などを確かめる。また、図示しない画像切替えスイッチを押すと、第2の観察光学系には顕微鏡焦点位置の超音波断面画像が表示され、内視鏡観察方向の3次元超音波画像を顕微鏡観察視野内に重畳するモードに切り替えられる。
【0152】
この際、デジタイザ12からWS19に送られた顕微鏡鏡体2の位置情報と、鏡体制御部304からWS19に送られた、焦点、倍率情報から顕微鏡の観察位置を演算する。
【0153】
この観察位置にもとづいて、WS19に記録された3次元超音波画像144から鏡体2の観察光軸方向と垂直面の2次元超音波画像147を再構築し、画像生成部87、LCD38を介して、図31に示すように第2の観察光学系を表示する。
【0154】
また、顕微鏡鏡体2の焦点位置情報145と内視鏡71の観察方向の3次元超音波画像146は、WS19より重畳画像生成部80、重畳用LCD48に伝達することにより、図31に示すように表示される。そして、顕微鏡鏡体2の焦点位置145とその位置の超音波画像147を対比させることにより、術部内部の情報を確認する。
【0155】
つまり、超音波観測装置で、術部前方又はラジアル方向の観測画像を撮像し、位置検出手段で検出した位置情報とともに観測画像情報を記録し、この位置検出手段にて、手術用顕微鏡観察位置、内視鏡観察位置を検出し、顕微鏡のフォーカス位置と超音波画像の観察位置、及び、内視鏡画像と超音波画像の観察位置の相関をとることにより、観察位置の一致した超音波観測画像が視野内表示手段に表示される。
【0156】
このように、 内視鏡の観察方向の組織内部情報、例えば、血管や腫瘍を超音波観測像で確認することができ、手術用顕微鏡の死角となる部分に関してもあらかじめ組織内部の状況を確実に把握して処置を進めることができる。このことによって、腫瘍の取り残し等が確実に防止される。
【0157】
なお、本発明は、以上述べた実施形態のみに限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形実施可能である。
【0158】
[付記]
以上詳述したような本発明の上記実施形態によれば、以下の如き構成を得ることができる。
【0159】
(1)手術部位の任意の位置における光学的な診断画像を取得する光走査プローブと、手術部位に対する処置を行うエネルギー処置具とを具備する手術用システムにおいて、
前記光走査プローブによって取得した診断画像を記録する記録部と、
処置部位の画像及びこの処置に関するエネルギー処置具や処置具設定状態等の処置情報を有する処置部位画像を複数、蓄積した診断画像データベースと、
前記光走査プローブの診断画像と、前記診断画像データベースに蓄積されている複数の処置部位画像との比較を行う比較演算部と、
この比較演算部の演算結果に基づき、前記エネルギー処置具の条件設定を行うエネルギー処置具設定部と、
を具備する手術用システム。
【0160】
(2)前記光走査プローブの術部に対する位置を検出する位置検出手段を有し、前記比較演算部は、前記位置検出手段で検出した位置情報及び前記診断画像データベースに蓄積された位置情報を、演算の際のパラメータとして利用する付記1に記載の顕微鏡システム。
【0161】
(3)前記エネルギー処置具の設定状態を所望の状態に設定変更する設定変更手段と、
少なくともこの設定変更手段により変更された設定値及び前記光走査プローブによって取得した診断画像を、前記診断画像データベースへ処置部位画像として登録するデータベース登録手段と、
を具備する付記1又は付記2に記載の手術用システム。
【0162】
(4)前記設定変更手段は、手術用顕微鏡に設けた視線検出手段である付記3に記載の手術用システム。
【0163】
(5)術部を拡大観察する観察光学系を有する第1の観察手段である顕微鏡と、この顕微鏡で得られる観察画像とは異なる画像を前記顕微鏡の観察視野内に表示させる視野内画像表示手段と、
術部を観察するための第2の観察手段と、
前記顕微鏡の観察位置及び前記第2の観察手段の観察位置を検出し、それらの位置の相関をとる位置検出手段と、
術部の診断画像を記録する記録手段と、
を有する手術用顕微鏡システムにおいて、
前記位置検出手段の検出結果に基づき、
前記記録手段に記録された複数の診断画像から前記顕微鏡又は前記第2の観察手段の観察方向に合致する画像を再構築する画像処理部と、
この画像処理部からの出力画像を、前記視野内画像表示手段に表示させる表示制御部と、
を有する手術用顕微鏡システム。
【0164】
(6)前記視野内画像表示手段は、顕微鏡の光学像に対して画像を重畳する画像重畳手段である付記5に記載の手術用顕微鏡システム。
【0165】
(7)前記表示制御部は、前記画像処理部からの出力画像を、前記顕微鏡の光学像と相関付けて表示させる付記6に記載の手術用顕微鏡システム。
【0166】
(8)前記画像処理部は、前記顕微鏡の観察光軸に対して垂直方向の診断画像を構築する付記5ないし付記7の1つに記載の手術用顕微鏡システム。
【0167】
(9)前記画像処理部は、前記第2の観察手段の観察方向に対応する診断画像を構築する付記5ないし付記7の1つに記載の手術用顕微鏡システム。
【0168】
(10)複数の電動駆動機構を有する手術用顕微鏡と、
この手術用顕微鏡の観察視野内に画像を表示させる視野内画像表示手段と、
前記電動駆動機構を操作するフットスイッチと、
このフットスイッチの操作部の配置位置を適宜変更する設定変更部と、
前記フットスイッチに足を載せたことを検出する検出部と、
この検出部の検出結果に応じて前記視野内画像表示手段に足が載せられている操作部のスイッチ位置を視覚的に告示する表示制御部手段と、
を具備する手術用顕微鏡システム。
【0169】
(11)手術用顕微鏡と、
この手術用顕微鏡の複数の電動駆動部を操作するフットスイッチと、
所定の設定を行う設定部を有する手術器具と、
この手術器具の使用状態を検出するセンサーと、
このセンサーの検出結果に応じて、前記フットスイッチの機能の少なくとも一部を前記手術器具に割り当てる制御部と、
を具備する手術用顕微鏡システム。
【0170】
(12)前記手術器具の設定部は、手術器具であるエネルギー処置具の出力設定部である付記11に記載の手術用顕微鏡システム。
【0171】
(13)前記手術器具の設定部は、内視鏡のフォーカス、ズーム、像回転の少なくとも一つを行う設定部である付記11に記載の手術用顕微鏡システム。
【0172】
(14)前記手術器具の設定部は、超音波観測装置の像サイズ変更、像回転の少なくとも一つを行う設定部である付記11に記載の手術用顕微鏡システム。
【0173】
(15)前記センサーは、前記手術器具の把持部に設けられたスイッチである付記11に記載の手術用顕微鏡システム。
【0174】
(16)前記センサーは、前記手術器具の把持部に設けられた加速度センサーである付記11に記載の手術用顕微鏡システム。
【0175】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、対象症例に対する経験の乏しい術者でも、処置具の選択や最適な設定を容易かつ的確に行え、かつ観察状態に合わせて、第2の観察光学系の表示画像位置の移動を行える手術用システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1ないし図7は本発明の第1実施形態に係り、図1は手術用顕微鏡システムの構成を説明する図
【図2】鏡体である双眼接眼鏡筒部の内部構成を説明する図
【図3】図2における側面図であり、鏡体の接眼光学系及び第2の観察光学系の構成を説明する図
【図4】重畳ユニットを説明する図
【図5】手術用顕微鏡システムの主要部の構成を説明する図
【図6】データベースに記録されている処置部位画像の一例を示す図
【図7】顕微鏡に表示される顕微鏡観察像と設定データとを示す図
【図8】図8ないし図15は本発明の第2実施形態にかかり、図8は手術用顕微鏡システムの他の構成を説明する図
【図9】双眼接眼鏡筒部の内部構成を説明する側面図
【図10】ピニオンギアとラックとの関係を説明する図
【図11】図10の矢印A方向からの矢視図
【図12】顕微鏡観察像と超音波吸引装置の設定状態を変化させる画面とを説明する図
【図13】接眼ハウジングが可動ハウジングに対して移動した状態を説明する図
【図14】接眼ハウジングが移動する前の顕微鏡観察像と第2の観察光学系による画面との関係を示す図
【図15】接眼ハウジングが移動した後の顕微鏡観察像と第2の観察光学系による画面との関係を示す図
【図16】図16ないし図19は本発明の第3実施の形態にかかり、図16は手術用顕微鏡システムの別の構成を説明する図
【図17】フットスイッチの操作スイッチとセンサとの関係を説明する図
【図18】顕微鏡画像上に表示されている内視鏡スイッチ位置告知画像を説明する図
【図19】顕微鏡画像上に表示されている超音波スイッチ位置告知画像を説明する図
【図20】図20ないし図31は本発明の第4実施形態にかかり、図20は顕微鏡鏡体部と内視鏡接続・保持装置との外観を示す図
【図21】顕微鏡鏡体部と内視鏡との光学的及び機械的連結状態を上方向から見た状態の断面図
【図22】滅菌アダプタ近傍の接続を説明する図
【図23】滅菌アダプタに差し込まれる内視鏡を説明する図
【図24】超音波観測システムの要部構成を説明する図
【図25】超音波観測システムのスコープホルダを説明する図
【図26】超音波プローブ及びその周辺機器を備えるシステムを説明する図
【図27】手術用顕微鏡システムのまた他の構成を説明する図
【図28】超音波プローブを上下動させた状態を示す図
【図29】超音波プローブのプローブ保持部を上方に配置させた状態を示す図
【図30】表示画面の1例を説明する図
【図31】表示画面の他の例を説明する図
【符号の説明】
1…手術用顕微鏡システム
12…デジタイザ
18…計測装置
19…ワークステーション
73…第2ワークステーション
74…診断画像データベース(DB)
75…画像メモリ
76…比較演算部
77…処置具設定情報生成部
78…光走査プローブ
79…観測装置
87…画像生成部

Claims (3)

  1. 処置部位の任意の位置における光学的な診断画像を取得する光走査プローブと、処置部位に対する処置を行うエネルギー処置具とを具備する手術用システムにおいて、
    前記光走査プローブによって取得した診断画像を記録する記録部と、
    前記光走査プローブによって予め取得された所定の処置部位の診断画像並びに当該処置に関するエネルギー処置具及び当該処置具設定状態を含む処置情報を有する処置部位画像を複数蓄積した診断画像データベースと、
    前記光走査プローブによって取得した診断画像と、前記診断画像データベースに蓄積されている複数の前記処置部位画像とをパターンマッチングすることにより比較演算を行う比較演算部と、
    前記比較演算部における前記パターンマッチングによる比較演算結果に基づき、前記処置部位画像の中から前記光走査プローブによって取得した診断画像に最も類似した処置部位画像を選択し、当該選択した処置部位画像に係る前記処置情報に基づいて前記エネルギー処置具の条件設定を行うエネルギー処置具設定部と、
    を具備することを特徴とする手術用システム。
  2. 前記光走査プローブの術部に対する位置を検出する位置検出手段を有し、
    前記比較演算部は、前記位置検出手段で検出した位置情報及び前記診断画像データベースに蓄積された処置部位画像の位置情報を、演算の際のパラメータとして利用することを特徴とする請求項1に記載の顕微鏡システム。
  3. 前記エネルギー処置具の設定状態を所望の状態に設定変更する設定変更手段と、
    少なくともこの設定変更手段により変更された設定値及び前記光走査プローブによって取得した診断画像を、前記診断画像データベースへ処置部位画像として登録するデータベース登録手段と、
    を具備することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の手術用システム。
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