JP4046613B2 - 鍛造ピストン - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本願の発明は、主としてエンジンに用いるピストンに関し、ピストンの重量を増やすことなくピンボス部近傍の構造の強化が図られ、その剛性バランスが確保されたピストンの改良技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、各ピンボス部の剛性を合理的に強化して、ピストンピンを介して前記各ピンボス部に加えられる偏荷重に対して有効に対処し得るための構造が付与されたピストンが知られており、このピストンには、前記偏荷重に対処するために上部連結壁および下部連結壁と称せられるリブ状構造部が具備されており、両連結壁は共にピストン軸線とピンボス部軸線とを含む平面に対して直交する方向に延びており、上部連結壁はピンボス部の上部とスカート部とを互いに一体に連結し、また下部連結壁はピンボス部の下部とスカート部とを互いに一体に連結するようになされ、上部連結壁は下部連結壁に対してピンボス部の内端側へと偏位させられた構造を備えている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特公平6−41741号公報(第2頁−第3頁、第1図,第4図,第5図)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記特許文献に記載された従来のピストン01におけるピンボス部03a,03bの剛性の強化構造は、図7ないし図9に図示されるように、外周にリング溝02cを有するピストンヘッド部02と、このヘッド部02の低部(下面部)に一体に突設されてピストン軸を挟んで同軸上に並ぶ一対のピンボス部03a,03bと、ヘッド部02の下部周縁に一体に連なるスカート部04等を備えたピストン01において、前記ピンボス部03a,03bの剛性を強化するための上部連結壁05aと下部連結壁05bとを備えている。
【0005】
前記上部連結壁05aと下部連結壁05bはピストン01の軸線0Yおよびピンボス部03a,03bの軸線0Xを含む平面に直交する方向に延びており、前記上部連結壁05aはピンボス部03a,03bの上部とスカート部04とを一体に連結し、前記下部連結壁05bはピンボス部03a,03bの下部とスカート部04とを一体に連結している。上部連結壁05aは下部連結壁05bに対してピンボス部03a,03bの内端側へと偏位されている。
【0006】
そして、爆発荷重によるピストンピンの撓みに起因して各ピンボス部03a,03bに加わる偏荷重が、前記上部連結壁05aと下部連結壁05bの合理的な配置構造により吸収されるようになされており(図9参照)、各ピンボス部03a,03bの効果的な補強がなされ、また、スカート部04に加わるスラスト荷重は前記上部連結壁05aと下部連結壁05bにより効率的にピンボス部03a,03bに伝達され、スカート部04の剛性強化もなされているものである。
【0007】
ところで、前記特許文献に記載の従来のピストンにおけるピンボス部の剛性の強化構造は上述のようなものであるが、ピンボス部の外方端部が略リング溝下部のフランジ部外周部近傍の位置まで延在しており、ピンボス部のこの延在構造が前提とされて前記上部連結壁および下部連結壁との併設構造が相俟って、前記ピンボス部周辺構造部における剛性強化が図られている。
【0008】
したがって、前記ピンボス部の剛性の強化構造は、ピンボス部がリング溝下部フランジ部外周部近傍まで延伸するから、該ピンボス部を介してコンロッドからの作用力が直接フランジ部に伝達されることになるので、該フランジ部の剛性が強化される必要があり、剛性強化のための前記フランジ部の厚み増加は避けられないことである。
【0009】
そして、このフランジ部における厚みの増加は直接、ピストンの重量の増加を招くものであり、高速度で往復運動することからその軽量化が求められる中にあって、前記フランジ部の厚みの増加は避けたいところであり、この視点からすると前記従来のピストンにおけるピンボス部の剛性強化構造は改良の余地が残されたものである。
【0010】
そこで、前記課題を解決するためのピストンの改良構造が求められており、ピストンの重量を増加することなく、かつピンボス部の構造強化が図られる軽量でかつ剛性バランスに優れたピストンのための改良構造の開発が望まれる。
【0011】
【課題を解決するための手段および発明の効果】
本発明は、前記課題を解決するための、ピストンの重量増加を抑えつつ、前記ピンボス部の構造強化が図られた剛性バランスに優れたピストンのための改良構造に関し、請求項1記載の発明は、シリンダ内に嵌合されるピストンのヘッド部の下面部に一対のピンボス部が一体形成され、該一対のピンボス部間にコンロッドの小端部が挿入され、前記ピンボス部および前記小端部にピストンピンが挿入されて、前記コンロッドが連結される鍛造ピストンにおいて、各ピンボス部外方端部からリング溝下部のフランジ部間に亘り一対のリブが配設され、該リブ間に窪み部が設けられるとともに、該リブ間の窪み部を挟んでリブ越しに一対の窪み部が設けられ、該一対の窪み部は前記リブ間の窪み部よりもその深さが深くされ、前記一対のリブは、前記ピンボス部外方端面から前記鍛造ピストンのヘッド部の下面部に亘り接続されるとともに、前記リング溝下部のフランジ部間に亘りピストン外方側に行くに従って、フランジ部側に近づくように傾斜して形成され、前記ピストンピンの軸方向と直交する方向のピストン外周にスカート部が形成されるとともに、前記ピンボス部と前記スカート部を接続する接続壁がピストンピンの軸方向が略直交する方向に形成され、かつ前記一対の窪みが前記接続壁と前記リブの間に形成され、前記ピンボス部とスカート部を接続する接続壁がピンボス部の内方端部面に接続されたことを特徴とするものである。
【0013】
請求項1に記載された発明のものは、前記ピストンにおいて、各ピンボス部外方端部からリング溝下部フランジ部間に亘り一対の略平行なリブが配設され、該リブ間にV字形状の窪み部が設けられたものであるから、ピンボス部の外方端部からヘッド部のリング溝下部フランジ部に向けて配設された一対の略平行なリブにより、ヘッド部のリング溝下部フランジ部が強固に支えられるので、該フランジ部の厚みを増すことなく前記ピンボス部近傍構造部において必要とされる十分な剛性が得られ、また、前記リブ間のV字形状の窪み部はその形状効果により該窪み部近傍の構造部における十分な剛性が確保されつつ肉抜きによる該構造部の軽量化効果がもたらされるものである。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づき本発明の実施形態について説明する。
図1ないし図6には本発明の実施形態におけるピストン1が示されており、該ピストン1は、エンジン用のピストンであり、アルミニュウム合金からなり、ピストンヘッド部2と、このヘッド部2の下面部2bに一体的に突設されてピストン軸線Y-Yを挟んで(図3参照)同軸上に並ぶ一対のピンボス部3a,3bと、ヘッド部2の下部周縁に一体に連なるスカート部4とからなる構造を備えている。
【0016】
そして、前記スカート部4はその一部が切欠かれたいわゆるスリッパタイプのスカート部4であり、2つに分割されたスカート部4a,4bからなり、前記スカート部4はその外径が前記ヘッド部2の外径よりも僅かに大きくなされており、これによりピストン1の熱膨張時に正規のサイズが保たれるようになされている。また、ピンボス部3a,3bには、図示されないピストンピンが嵌合されるためのピン孔3a1,3b1が穿設されている。
【0017】
ピストンヘッド部2は、その頂壁2aと、該頂壁2aの周縁に一体に連なるスカート部4よりも肉厚のリングベルト部2cとからなっており、頂壁2aには吸排気バルブの逃げ2a1が設けられ、リングベルト部2cの外周には、3本のリング溝2c1,2c2,2c3が設けられ、その最上のリング溝2c1と上から2番目のリング溝2c2には図示されない圧縮リングが装着され、上から3番目のリング溝2c3には図示されないオイルリングがそれぞれ装着されるようになされている。
【0018】
図2ないし図4から明らかなように、ピストンヘッド部2の下面部2bには、既述のように該ヘッド部2に対して一体に一対のピンボス部3a,3bが突設されており、両ピンボス部3a,3bは互いにピストン軸線Y-Yを挟んで所定の間隔Dをもって同軸上に並んでおり、この間隔Dにより形成される間隙には図示されないコンロッドの小端部が収容され、該間隔Dがそのための十分な距離を確保するように両ピンボス部3a,3bの軸方向の内方端部3a2,3b2が互いに対向している。
【0019】
両ピンボス部3a,3bの互いに対向する内方端部3a2と3b2にはそれぞれ、その外周面3a4,3b4から略外径方向に向かって互いにピストン1を横断するように反対方向(図4において左右方向、なお、図4における右方は断面で示されている。)に延在する一対の接続壁5a,5aと5b,5bが設けられ、しかも該一対の接続壁5a,5aと5b,5bはそれぞれ前記内方端部3a2,3b2を挟んで対称的に延在している。
【0020】
そして、前記一対の接続壁5a,5aと5b,5bの前記延伸方向はさらに具体的には、図4から明らかなように外径方向(直交方向)から僅かな角度ズレた方向性をもって互いに反対方向にピストンを横断するように延在するものであり、この左右に延在する一対の接続壁5a,5aおよび5b,5bはそれぞれ2つに分割されたスカート部4の所定のスカート部4a,4bにまで延伸して該スカート部4a,4bの内側所定位置において直接接続されている。
【0021】
また、図2および図5から明らかなように、前記一対の接続壁5a,5aおよび5b,5bのその下方部5a1,5a1と5b1,5b1は、両ピンボス部3a,3bにおいて、該ピンボス部3a,3bの前記内方端部3a2,3b2周面3a4,3b4下部とスカート部4a,4b下部とを結ぶ仮想線に略一致する部分において切除された構造とされており、また、その上方部は、ピストンヘッド部2の下面部2bにまで延在していて、該ヘッド部2下面2bの所定位置に直接接続されている。
【0022】
そして、図2および図4から明らかなように、左右一対の接続壁5a,5aおよび5b,5bはそれぞれ板状のリブ形状をなしていて、その一側面のそれぞれの板状壁面部5a2,5a2、5b2,5b2は、両ピンボス部3a,3bのそれぞれの内方端部3a2,3b2において、それぞれ該内方端部3a2,3b2の端部面3a3,3b3と同一面をなして接続されている。
【0023】
また、前記板状壁面部5a2,5a2と5b2,5b2はそれぞれ、前記端部面3a3もしくは3b3を挟んで互いに反対方向へ向かって延在しており、前記板状壁面部5a2,5a2と5b2,5b2は両ピンボス部3a,3bのそれぞれの内方端部3a2,3b2において、その端部面3a3,3b3と共にそれぞれ一つの連続する壁面を形成している。
【0024】
よって、図4に図示されるようにピストン1の下方視において、両ピンボス部内方端部3a2と3b2における、その周面3a4,3b4からそれぞれスカート部4a,4bに向かって対称的に延設された左右一対の接続壁5a,5a、5b,5bにより、実質的に前記ピンボス部内方端部3a2,3b2の端部面3a3,3b3が挟まれかつ抱え込まれた2本の連接壁W1,W2が形成され、該2本の連接壁W1,W2は互いに対向して配設される構造となっている。
【0025】
前記2本の連接壁W1,W2の配設構造は、前記ピストン1の下方視において、互いに所定の間隔をもって対向し、その略中央部における対向間隔は、勿論前記ピンボス部内方端部3a2,3b2の端部面3a3,3b3間の間隔Dであり、該対向間隔Dはスカート部4に向かってややハの字型に拡がるように対称的に延在した構造とされるものであり、この2本の対をなす板状の連接壁W1,W2は実質的にピストン1の横断面を横断するように延伸して左右に分割形成されたスカート部4a,4bを互いに連接している。
【0026】
そして、結果的に前記2本の連接壁W1,W2は、ヘッド部2と両ピンボス部3a,3b、さらにはスカート部4a,4bを互いに強固に連接し、特にスカート部4a,4bは実質的にこの連接壁W1,W2(正確には連接壁W1,W2の一部を構成する接続壁5a,5b)により強固に支えられ、該スカート部4a,4bが受ける図示されないエンジンのシリンダ内壁からのスラスト荷重が前記連接壁W1,W2からピンボス部3a,3b等に伝達吸収され、スカート部4a,4bの変形が抑制される。
【0027】
また、図3および図4から明らかなように、両ピンボス部3a,3bのそれぞれの軸方向外方端部3a6,3b6は、ヘッド部2のリング溝下部フランジ部2d1,2d2に対して所定の距離内側に引っ込んだ位置として位置付けられ、結局両ピンボス部3a,3bはその外方端部3a6,3b6がそれぞれヘッド部2のリング溝下部フランジ部2d1,2d2にまで達することなく延在する長さを有している。
【0028】
そして、両ピンボス部3a,3bの軸方向外方端部3a6,3b6のそれぞれには、該外方端部3a6,3b6とヘッド部2のリング溝下部フランジ部2d1,2d2間とを連接する一対の補強リブ3a7,3a7および3b7,3b7が設けられており、該一対の補強リブ3a7,3a7および3b7,3b7は、前記両ピンボス部の軸方向延長線上に沿って前記外方端部から所定の間隔をもって互いに略平行に延伸する構造を備えている。
【0029】
前記一対の略平行に延伸する補強リブ3a7,3a7間および3b7,3b7間のそれぞれの空間部には、すなわち、一対の補強リブ3a7,3a7および3b7,3b7と、ヘッド部2のリング溝の裏側、さらにはピンボス部3a,3bの軸方向外方端部3a6,3b6に囲まれた前記ピストン1の下方視(図4参照)において明らかな上下対称配置の都合2箇所の細くてやや長い各空間部には、所定の深さをもってV字形状に切欠き肉抜きされた窪み部A1,A2(図5参照)が形成されている。
【0030】
また、前記一対のリブ3a7,3a7間および3b7,3b7間の空間部における窪み部A1,A2のそれぞれの両側空間部には、該窪み部A1,A2を挟んで前記リブ越しに一対の略対称的な形状を有する窪み部B1,B1およびB2,B2が形成されており、この窪み部B1,B1およびB2,B2は、図4のピストン1下方視から明らかなように都合4箇所に設けられている。なお、図4における右上の窪み部B1の形状が異なるが、これは図6におけるE-E断面で示されたことによるものである。
【0031】
前記窪み部B1,B1、B2,B2は比較的深く凹状に切欠き肉抜きされた窪み部であり、その窪み部の底部B1a,B1a、B2a,B2aは、図5に図示されるように比較的平らな形状となされており、その窪み部の側部B1b,B1b、B2b,B2bはテーパー形状を呈し、その深さは、図5に図示されるように前記リブ3a7,3a7間および3b7,3B7間の空間部に形成された窪み部A1,A2と比較して深くなされている。
【0032】
そして、前記一対のリブ3a7,3a7間および3B7,3B7間の窪み部A1,A2を挟んで形成される深い窪み部B1,B1およびB2,B2が形成される空間部は、また、図4におけるピストン1の下方視において、三角形に類似した形状をなす都合4箇所の対称的な配設位置関係にある比較的狭い構造部分である。
【0033】
したがって、前記空間部に形成される深い窪み部B1,B1、B2,B2は、実質的にピストン1を横断する2つの対向して延在する連接壁W1,W2の対向壁面裏側の板状壁面部と、ピンボス部3a,3bの軸方向において所定長さで延伸する突設側部3a5,3a5、3b5,3b5、さらにはヘッド部2のリング溝下部フランジ部2d1,2d2裏側により囲まれた三角形類似の形状をした4つの窪み部B1,B1、B2,B2である。
【0034】
そして、前記リブ3a7,3a7間および3b7,3b7間に形成された比較的浅い窪み部A1,A2と、前記連接壁W1,W2部分の板状壁面部とピンボス部突設側部3a5,3a5、3b5,3b5等に囲まれた三角形類似の深い窪み部B1,B1、B2,B2はいずれも、その深さと形状が、前記連接壁W1,W2部や補強リブ3a7,3a7、3b7,3b7による剛性強度の増大とピストン1の軽量化、さらには熱の放散、ピストン製造の容易性等の兼ね合いが考慮されて適宜設定されている。
【0035】
図1ないし図6に図示の実施形態は前記のように構成されるので、各ピンボス部3a,3bの軸方向外方端部3a6,3b6はヘッド部2のリング溝下部フランジ部2d1,2d2から所定量後退した位置にあり、該外方端部3a6,3b6からヘッド部2のリング溝下部フランジ部2d1,2d2に向けて延設された一対の補強リブ3a7,3a7、3b7,3b7により、該ヘッド部2のリング溝下部フランジ部2d1,2d2が強固に支えられるので、該フランジ部2d1,2d2の厚みを増すことなく必要とされる十分な剛性が確保される。
【0036】
そして、前記一対の補強リブ3a7,3a7間および3b7,3b7間の空間部、すなわち一対の補強リブ3a7,3a7、3b7,3b7とピンボス部外方端部3a6,3b6、さらにはヘッド部2のリング溝下部裏側に囲まれた空間部は窪みA1,A2とされて肉抜きされており、しかも該窪みA1,A2はV字形状の凹部とされ比較的浅いことから十分な剛性を確保しつつ該構造部における重量の増加を抑制することができる。
【0037】
また、ピンボス部3a,3bの内方端部3a2,3b2とスカート部4、さらにはヘッド部2が一対の互いに所定間隔をもって対向配置された板状の壁面部をもつ実質的にピストン1の横断面を横断する強固な連接壁W1,W2により互いに一体的に連接されてピストン1が形成されているから、該ピストン1はその剛性が高くきわめて強固な構造を備えたものである。
【0038】
そして、一対のリブ3a7,3a7間および3b7,3b7間の窪み部A1,A2を挟んでリブ越しに一対、つまり都合4箇所に形成された窪み部B1,B1、B2,B2は、連接壁W1,W2の板状壁面部と、ピンボス部3a,3bの突設側部3a5,3a5、3b5,3b5と、さらにはヘッド部2のリング溝下部裏側に囲まれた4つの対称的な三角形類似の空間部に形成された窪み部である。
【0039】
前記対称的な配設関係におかれる4つの空間部における窪み部B1,B1、B2,B2は、比較的深く切欠き肉抜きされた窪み部とされるので、これにより、前記空間部におけるバランスのよい軽量化が図られ、また窪み部の十分な深さにより該窪み部周辺構造部における熱の発散が効率的になされる。
【0040】
しかも、前記空間部の窪み部B1,B1,B2,B2周辺の構造部は、その窪み部の深さにもかかわらず、前記連接壁W1,W2の板状壁面部と、ピンボス部3a,3bの突設側部3a5,3a5、3b5,3b5、さらにはヘッド部2のリング下部裏側に囲まれた領域であるから、その剛性は高く強固であり、前記補強リブ3a7,3a7間および3b7,3b7間の窪みA1,A2との兼ね合いから全体的に剛性バランスに優れかつ軽量化されたピストン1を得ることができる。
【0041】
さらに、前記構造のピストン1は、その肉抜きされた窪み部A1,A2はV字形状であり、また窪み部B1,B2の形状は、その低部が比較的平らであり、窪み部側部はテーパー状でありいずれも比較的単純な形状とされていることから、該窪み部A1,A2およびB1,B2の凹状の形状が鍛造によっても容易に形成でき、該窪み部形成の除肉のための機械加工が不要となされることから、その製造に要するコストの削減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のピストンヘッド部の上面図である。
【図2】本発明のピストンの主要構造部を示す図であり、図1図のA-A断面図である。
【図3】本発明のピストンの主要構造部を示す図であり、図1のB-B断面図である。
【図4】本発明のピストンの主要構造部を示す図であり、一部は図2のD-D断面図で示され、また、一部は図6のE-E断面で示されている。
【図5】本発明のピストンの主要構造部を示す図であり、図1のC-C断面図である。
【図6】本発明のピストンの主要構造部を示す図であり、ピストンの一側面図である。
【図7】従来のピストンの正面図である。
【図8】従来のピストンの主要部の横断面図である。
【図9】従来のピストンの図8における0A-0A断面図である。
【符号の説明】
1・・・ピストン、2・・・ピストンのヘッド部、2a・・・ヘッド部頂部、2a1・・・吸排気バルブの逃げ、2b・・・ヘッド部下面部、2c・・・リングベルト部、2c1,2c2,2c3・・・リング溝、2d1,2d2・・・リング溝下部のフランジ部、3,3a,3b・・・ピンボス部、3a1,3b1・・・ピストンピン用の孔、3a2,3b2・・・ピンボス部内方端部、3a3,3b3・・・内方端部面、3a4,3b4・・・内方端部周面、3a5,3b5・・・突設側面、3a6,3b6・・・ピンボス部外方端部、3a7,3b7・・・補強リブ、4,4a,4b・・・ピストンスカート部、5a,5b・・・接続壁、5a1,5b1・・・接続壁下方部、5a2,5b2・・・接続壁の板状壁面、A1,A2・・・窪み部、B1,B2・・・窪み部、B1a,B2a・・・窪み部底部、B1b,B2b・・・窪み部側部、W1,W2・・・連接壁。
Claims (1)
- シリンダ内に嵌合されるピストンのヘッド部の下面部に一対のピンボス部が一体形成され、該一対のピンボス部間にコンロッドの小端部が挿入され、前記ピンボス部および前記小端部にピストンピンが挿入されて、前記コンロッドが連結される鍛造ピストンにおいて、
各ピンボス部外方端部からリング溝下部のフランジ部間に亘り一対のリブが配設され、該リブ間に窪み部が設けられるとともに、該リブ間の窪み部を挟んでリブ越しに一対の窪み部が設けられ、該一対の窪み部は前記リブ間の窪み部よりもその深さが深くされ、
前記一対のリブは、前記ピンボス部外方端面から前記鍛造ピストンのヘッド部の下面部に亘り接続されるとともに、前記リング溝下部のフランジ部間に亘りピストン外方側に行くに従って、フランジ部側に近づくように傾斜して形成され、
前記ピストンピンの軸方向と直交する方向のピストン外周にスカート部が形成されるとともに、前記ピンボス部と前記スカート部を接続する接続壁がピストンピンの軸方向が略直交する方向に形成され、かつ前記一対の窪みが前記接続壁と前記リブの間に形成され、
前記ピンボス部とスカート部を接続する接続壁がピンボス部の内方端部面に接続されたことを特徴とする鍛造ピストン。
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