JP4045135B2 - 含水性コンタクトレンズ及びその製造方法 - Google Patents

含水性コンタクトレンズ及びその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP4045135B2
JP4045135B2 JP2002194441A JP2002194441A JP4045135B2 JP 4045135 B2 JP4045135 B2 JP 4045135B2 JP 2002194441 A JP2002194441 A JP 2002194441A JP 2002194441 A JP2002194441 A JP 2002194441A JP 4045135 B2 JP4045135 B2 JP 4045135B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
component
meth
acrylate
contact lens
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2002194441A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2004037811A (ja
Inventor
真治 市原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Menicon Co Ltd
Original Assignee
Menicon Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Menicon Co Ltd filed Critical Menicon Co Ltd
Priority to JP2002194441A priority Critical patent/JP4045135B2/ja
Priority to EP03253998A priority patent/EP1378769A3/en
Priority to US10/606,036 priority patent/US20040014898A1/en
Publication of JP2004037811A publication Critical patent/JP2004037811A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4045135B2 publication Critical patent/JP4045135B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • GPHYSICS
    • G02OPTICS
    • G02BOPTICAL ELEMENTS, SYSTEMS OR APPARATUS
    • G02B1/00Optical elements characterised by the material of which they are made; Optical coatings for optical elements
    • G02B1/04Optical elements characterised by the material of which they are made; Optical coatings for optical elements made of organic materials, e.g. plastics
    • G02B1/041Lenses
    • G02B1/043Contact lenses
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08FMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED BY REACTIONS ONLY INVOLVING CARBON-TO-CARBON UNSATURATED BONDS
    • C08F220/00Copolymers of compounds having one or more unsaturated aliphatic radicals, each having only one carbon-to-carbon double bond, and only one being terminated by only one carboxyl radical or a salt, anhydride ester, amide, imide or nitrile thereof
    • C08F220/02Monocarboxylic acids having less than ten carbon atoms; Derivatives thereof
    • C08F220/10Esters
    • C08F220/26Esters containing oxygen in addition to the carboxy oxygen
    • C08F220/28Esters containing oxygen in addition to the carboxy oxygen containing no aromatic rings in the alcohol moiety
    • C08F220/282Esters containing oxygen in addition to the carboxy oxygen containing no aromatic rings in the alcohol moiety and containing two or more oxygen atoms
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08FMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED BY REACTIONS ONLY INVOLVING CARBON-TO-CARBON UNSATURATED BONDS
    • C08F230/00Copolymers of compounds having one or more unsaturated aliphatic radicals, each having only one carbon-to-carbon double bond, and containing phosphorus, selenium, tellurium or a metal
    • C08F230/04Copolymers of compounds having one or more unsaturated aliphatic radicals, each having only one carbon-to-carbon double bond, and containing phosphorus, selenium, tellurium or a metal containing a metal
    • C08F230/08Copolymers of compounds having one or more unsaturated aliphatic radicals, each having only one carbon-to-carbon double bond, and containing phosphorus, selenium, tellurium or a metal containing a metal containing silicon

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Polymers & Plastics (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Optics & Photonics (AREA)
  • Eyeglasses (AREA)
  • Macromonomer-Based Addition Polymer (AREA)
  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)

Description

【0001】
【技術分野】
本発明は、含水性コンタクトレンズ及びその製造方法に係り、特に、安全性が良好で、且つ、油汚れによる装用上の問題が少ない含水性コンタクトレンズと、そのような含水性コンタクトレンズを有利に製造することが出来る方法に関するものである。
【0002】
【背景技術】
よく知られているように、コンタクトレンズは、一般に、軟質のソフトコンタクトレンズと硬質のハードコンタクトレンズの2種類に大別されることとなるが、何れのコンタクトレンズにあっても、角膜に対して充分な酸素が供給され得るように、酸素透過性により一層優れたものが、求められている。また、近年においては、ハードコンタクトレンズは、眼にゴミ等が入ると大変に痛いことから、装用感に優れたソフトコンタクトレンズ、中でも、使い捨て型のソフトコンタクトレンズの需要が、急速に伸びてきている。
【0003】
ところで、シリコーン系素材からなるものは、酸素透過性が高いことが知られており、それらの中でも、シリコン含有マクロモノマーとN−ビニルピロリドン及び/又はジメチルアクリルアミドとの共重合体は、水和して、含水性高酸素透過性レンズを与えるところから、そのような共重合体については、従来から、多くの検討が為されてきている。
【0004】
しかしながら、シリコン含有マクロモノマーとN−ビニルピロリドンとの共重合体からなるコンタクトレンズは、均一重合していないためか、水和後にレンズが白濁したり、煮沸処理を実施すると、多くの溶出物が検出されること等から、人体への安全性に問題を内在するものであったのであり、しかも、N−ビニルピロリドンには、発癌性の疑いもあることが指摘されている。
【0005】
これに対して、シリコン含有マクロモノマーとジメチルアクリルアミドとの共重合体からなるコンタクトレンズは、水和後にレンズが白濁することはなく、また、煮沸処理を行なっても、少しの溶出物しか検出されないことが認められている。尤も、そのような特性が、ジメチルアクリルアミドが水と油の両方に親和性の高い溶媒であることに起因して発揮されるのであるのか、どうか、明らかではないものの、実際にオレイン酸等の油脂にレンズを浸漬すると、著しく膨潤するところから、かかるレンズは、装用中に油汚れが吸着し易くなる恐れを内在しているのである。
【0006】
また、特表平7−505169号公報においては、シリコン含有マクロモノマーに、N−ビニルピロリドンとジメチルアクリルアミドの両方を組み合わせて、得られる共重合体も、提案されているのであるが、この共重合体は、水和後に白濁しないものの、煮沸処理を実施すると、多くの溶出物が検出されるために、依然として、安全性に問題があり、しかも、溶出するN−ビニルピロリドンには発癌性の疑いがあるところから、安全上においても、大きな問題が残されているのである。更に、ジメチルアクリルアミドの配合割合が多くなると、レンズがオレイン酸等の油脂によって膨潤して大きくなり、このため、油汚れによる使用上の問題も、依然として、払拭されていないのである。
【0007】
【解決課題】
ここにおいて、本発明は、かかる事情を背景にして為されたものであって、その解決課題とするところは、上記したN−ビニルピロリドンやジメチルアクリルアミドに起因すると推察される欠点を悉く解消することにあり、特に、10〜60%の含水率を有し、煮沸処理を実施しても溶出物が少なく、安全性が良好で、且つ、オレイン酸等の油脂に浸漬しても、著しく膨潤せず、従って油汚れによる装用上の問題が少ない含水性コンタクトレンズと、そのような優れた特性を有する含水性コンタクトレンズを、有利に製造する方法を、提供することにある。
【0008】
【解決手段】
そして、本発明者は、そのような課題を解決すべく、鋭意検討を重ねた結果、ポリマー構成成分として、エチレングリコール単位が3〜5個のアルコキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレートとシリコン含有マクロモノマーとを組み合わせて用いることにより、N−ビニルピロリドンを使用しなくても、10〜60%程度の含水率が確保され得ると共に、煮沸処理を実施しても溶出物が少なく、且つ、オレイン酸等の油脂に浸漬しても、大きく膨潤せず、従って油汚れによる装用上の問題も少ないコンタクトレンズを有利に得ることが出来ることを、見出したのである。
【0009】
従って、本発明は、かくの如き知見に基づいて完成されたものであって、その要旨とするところは、(A)エチレングリコール単位が3〜5個のアルコキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレートの20〜70重量%と、(B)シリコン含有マクロモノマーの30〜80重量%とからなる重合性モノマー組成物を共重合して得られる重合体材料より、形成されていると共に、10%〜60%の含水率を有していることを特徴とする含水性コンタクトレンズにある。
【0010】
すなわち、かくの如き本発明に従う含水性コンタクトレンズにあっては、それを与える重合体材料として、上述の如きエチレングリコール単位が3〜5個のアルコキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート(A)とシリコン含有マクロモノマー(B)とを共重合することによって得られるものが採用されているところから、そのようなエチレングリコール単位が3〜5個のアルコキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート(A)単位が重合体中に存在することによって、重合体、ひいてはレンズに良好な含水性が確保され得ると共に、シリコン含有マクロモノマー(B)単位の存在によって、優れた酸素透過性が付与され得ることとなるのであり、しかも、エチレングリコール単位が3〜5個のアルコキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート(A)は、シリコン含有マクロモノマー(B)との共重合性が良好であるところから、重合後に煮沸処理を実施しても、溶出物が少なく、良好な安全性が実現され得るのであり、また、オレイン酸等の油脂に浸漬しても、著しく膨潤することがなく、それ故に、油汚れも効果的に阻止され得るようになっているのである。
【0011】
このため、発癌性の疑いがあると共に、シリコン含有マクロモノマーとの重合性が芳しくないN−ビニルピロリドンの使用を回避することが可能となるのであり、より一層安全性に優れたコンタクトレンズを提供することが出来るといったところにも、大きな特徴を有しているのである。
【0012】
しかも、この本発明に従う含水性コンタクトレンズにあっては、エチレングリコール単位が3〜5個のアルコキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート(A)とシリコン含有マクロモノマー(B)とが、それぞれ、所定の配合割合において配合せしめられて、得られる重合体材料、ひいてはそれからなるレンズの含水率が10〜60%となるようにされているところから、優れた酸素透過性を確保しつつ、コンタクトレンズの角膜への吸着が極めて効果的に抑制乃至は阻止され得ているのである。なお、そのような含水率が10%に満たないと、装用したときに、レンズと角膜の間に涙液層があっても、瞬きによって、レンズが圧迫されて、レンズが吸盤のように角膜に貼り付いてしまう危険性が生じ、また、含水率が60%を越えるようになると、酸素透過性が低下してしまい、シリコン含有マクロモノマーの使用による効果が期待し得なくなるからである。更に、かくの如き本発明に従う含水性コンタクトレンズにあっては、N−ビニルピロリドンを採用する場合とは異なり、水和処理(含水処理)後に、レンズが白濁するようなこともない特徴を有しているのである。
【0013】
また、本発明は、(A)エチレングリコール単位が3〜5個のアルコキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレートの20〜70重量%と、(B)シリコン含有マクロモノマーの10〜70重量%と、(C)かかるシリコン含有マクロモノマー(B)とは異なる、シリコン含有モノマー、及び/又はフッ素含有アルキル(メタ)アクリレートの1〜50重量%とからなる重合性モノマー組成物を共重合して得られる重合体材料より、形成されていると共に、10%〜60%の含水率を有していることを特徴とする含水性コンタクトレンズをも、その要旨としている。
【0014】
このような本発明に従う含水性コンタクトレンズにあっては、上述せる如きエチレングリコール単位が3〜5個のアルコキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート(A)とシリコン含有マクロモノマー(B)との使用による前述の如き効果が、何れも、有利に享受され得ていることは、言うまでもなく、そして、それに加えて、上記のシリコン含有マクロモノマー(B)とは異なるシリコン含有モノマー、即ち、高分子ではないシリコン含有モノマーの所定量の添加により、重合性モノマー組成物中のエチレングリコール単位が3〜5個のアルコキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート(A)とシリコン含有マクロモノマー(B)との相溶性が向上せしめられて、より均質なレンズを得ることが出来るようになると共に、優れた酸素透過性を維持しつつ、コンタクトレンズを与える重合体(共重合体)材料の硬さを有利に調整することが可能となる等の効果も享受され得るのである。
【0015】
加えて、所定量のフッ素含有アルキル(メタ)アクリレートの添加により、酸素透過性の一つの因子である酸素の重合体材料への溶解性が向上すると共に、フッ素含有アルキル(メタ)アクリレートが有する疎水性及び疎油性により、コンタクトレンズに、脂質等の汚れが付着し難くなるといった利点も得られることとなる。
【0016】
さらに、本発明にあっては、(A)エチレングリコール単位が3〜5個のアルコキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレートの19〜69重量%と、(B)シリコン含有マクロモノマーの10〜70重量%と、(C)かかるシリコン含有マクロモノマー(B)とは異なる、シリコン含有モノマー、及び/又はフッ素含有アルキル(メタ)アクリレートの1〜50重量%と、(D)ジメチルアクリルアミドの1〜50重量%とからなり、且つ、前記エチレングリコール単位が3〜5個のアルコキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート(A)と前記ジメチルアクリルアミド(D)との合計含有量が20〜70重量%とされた重合性モノマー組成物を共重合して得られる重合体材料より、形成されていると共に、10%〜60%の含水率を有していることを特徴とする含水性コンタクトレンズも、その要旨とするものである。
【0017】
すなわち、かくの如き本発明に従う含水性コンタクトレンズにあっては、上述せる如きエチレングリコール単位が3〜5個のアルコキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート(A)とシリコン含有マクロモノマー(B)と共に、シリコン含有モノマー及び/又はフッ素含有アルキル(メタ)アクリレート(C)を組み合わせて、用いることによる効果が、何れも、享受され得ることに加えて、ジメチルアクリルアミド(D)は、上記したエチレングリコール単位が3〜5個のアルコキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート(A)とシリコン含有マクロモノマー(B)との両方に、優れた相溶性を有しているところから、その所定割合における導入によって、重合性モノマー組成物がより一層均一に混合され得て、より均質なコンタクトレンズを得ることが可能となるのである。
【0018】
なお、かかる本発明に従う含水性コンタクトレンズの好ましい態様によれば、前記エチレングリコール単位が3〜5個のアルコキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート(A)としては、メトキシトリエチレングリコールアクリレートが好適に採用され得るのであり、また、前記シリコン含有マクロモノマー(B)としては、下記一般式(I)にて示されるポリシロキサン系マクロモノマーが、好適に採用され得るのである。
一般式(I):
1−U1−(−S1−U2−)n−S2−U3−A2 ・・・(I)
[式中、A1 は、一般式(II):
21−Z21−R31− ・・・(II)
(式中、Y21はアクリロイル基、ビニル基又はアリル基であり、Z21は酸素原子又は直接結合を示し、R31は直接結合又は炭素数1〜12の直鎖状、分岐鎖若しくは芳香環を有するアルキレン基を示す)で表わされる基;
2 は、一般式(III):
−R34−Z22−Y22 ・・・(III)
(式中、Y22はアクリロイル基、ビニル基又はアリル基であり、Z22は酸素原子又は直接結合を示し、R34は直接結合又は炭素数1〜12の直鎖状、分岐鎖若しくは芳香環を有するアルキレン基を示す)で表わされる基(但し、一般式(II)中のY21及び一般式(III)中のY22は同一であってもよく、異なっていてもよい);
1 は、一般式(IV):
−X21−E21−X25−R32− ・・・(IV)
(式中、X21及びX25はそれぞれ独立して直接結合、酸素原子又はアルキレングリコール基を示し、E21は、−NHCO−基(但し、この場合、X21は直接結合であり、X25は酸素原子又はアルキレングリコール基であり、E21はX25とウレタン結合を形成している)、−CONH−基(但し、この場合、X21は酸素原子又はアルキレングリコール基であり、X25は直接結合であり、E21はX21とウレタン結合を形成している)、又は飽和若しくは不飽和脂肪族系、脂環式系及び芳香族系からなる群より選ばれたジイソシアネート由来の2価の基(但し、この場合、X21及びX25はそれぞれ独立して酸素原子及びアルキレングリコール基から選ばれ、E21はX21及びX25の間で2つのウレタン結合を形成している)を示し、R32は炭素数1〜6の直鎖状又は分岐鎖を有するアルキレン基を示す)で表わされる基;
1 及びS2 は、それぞれ独立して、一般式(V):
【化2】
Figure 0004045135
(式中、R23、R24、R25、R26、R27及びR28はそれぞれ独立して炭素数1〜6のアルキル基、フッ素置換されたアルキル基又はフェニル基を示し、Kは1〜1500の整数、Lは0又は1〜1499の整数、K+Lは1〜1500の整数である)で表わされる基;
2 は、一般式(VI):
−R37−X27−E24−X28−R38− ・・・(VI)
(式中、R37及びR38はそれぞれ独立して炭素数1〜6の直鎖状又は分岐鎖を有するアルキレン基を示し、X27及びX28はそれぞれ独立して酸素原子又はアルキレングリコール基であり、E24は飽和若しくは不飽和脂肪族系、脂環式系及び芳香族系からなる群より選ばれたジイソシアネート由来の2価の基(但し、この場合、E24はX27及びX28の間で2つのウレタン結合を形成している)を示す)で表わされる基;
3 は、一般式(VII):
−R33−X26−E22−X22− ・・・(VII)
(式中、R33は炭素数1〜6の直鎖状又は分岐鎖を有するアルキレン基を示し、X22及びX26はそれぞれ独立して直接結合、酸素原子又はアルキレングリコール基を示し、E22は、−NHCO−基(但し、この場合、X22は酸素原子又はアルキレングリコール基であり、X26は直接結合であり、E22はX22とウレタン結合を形成している)、−CONH−基(但し、この場合、X22は直接結合であり、X26は酸素原子又はアルキレングリコール基であり、E22はX26とウレタン結合を形成している)、又は飽和若しくは不飽和脂肪族系、脂環式系及び芳香族系の群から選ばれたジイソシアネート由来の2価の基(但し、この場合、X22及びX26は、それぞれ独立して、酸素原子及びアルキレングリコール基から選ばれ、E22はX22及びX26の間で2つのウレタン結合を形成している)を示す)で表わされる基;
nは、0又は1〜10の整数を示す]
【0019】
そして、本発明は、上述せる如き含水性コンタクトレンズを製造する方法として、(A)エチレングリコール単位が3〜5個のアルコキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレートと(B)シリコン含有マクロモノマーとを少なくとも含有する、前記重合性モノマー組成物を用い、この重合性モノマー組成物を所定の重合容器乃至は成形キャビティ内に収容して、光重合又は熱重合せしめた後、その得られた共重合体に対して水和処理を施すことを特徴とする含水性コンタクトレンズの製造方法をも、また、その要旨とするものである。このような本発明に係る製造方法に従って、コンタクトレンズを作製すれば、上述せる如き特性を有するコンタクトレンズを、極めて有利に製造することが出来るのである。
【0020】
なお、ここで、本明細書において採用した、「・・(メタ)アクリレート」なる表記は、「・・アクリレート」及び「・・メタクリレート」を含む総称として用いられていることが、理解されるべきである。
【0021】
【発明の実施の形態】
ここにおいて、本発明に従う含水性コンタクトレンズは、何れも、(A)エチレングリコール単位(オキシエチレン基:−OCH2CH2−)が3〜5個のアルコキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート(以下、A成分と略称する)と(B)シリコン含有マクロモノマー(以下、B成分と略称する)とを少なくとも含有する重合性モノマー組成物を共重合して得られる重合体材料から形成されるものであるが、優れた酸素透過性を確保しつつ、コンタクトレンズの角膜への吸着を効果的に抑制乃至は防止すべく、その含水率が10〜60%の範囲内となるように構成されている。
【0022】
けだし、コンタクトレンズの含水率が10%に満たないと、装用時に、レンズと角膜との間に涙液層が存在していても、瞬きによって、レンズが角膜に押し付けられて、レンズと角膜との間隔が小さくなり、最終的には、レンズが角膜に吸盤のようにくっついてしまう危険性があるからであり、一方、含水率が60%を越えると、酸素透過性が低下するようになり、目的とする酸素透過性に優れたコンタクトレンズが得られなくなるからである。より望ましくは、10〜60%の範囲の中でも、特に、12〜55%の含水率であることが好ましいのである。
【0023】
なお、かくの如きコンタクトレンズの含水性は、上述せる如き必須成分の一つであるA成分に大きく依存し、一般に、下記一般式(VIII)にて示される代表的な構造式において、エチレングリコール単位(オキシエチレン基:−OCH2CH2−)の繰返し数:aが大きい程、また、アルコキシ基(−OR82)の炭素数が小さい程、含水率が高くなり、具体的には、最低級のメトキシ基(炭素数:1)が最も含水率が高くなる一方、炭素数が、エトキシ基(炭素数:2)、プロポキシ基(炭素数:3)と多くなるに従い、含水率は下がるようになる。
【0024】
【化3】
Figure 0004045135
[式中、R81は水素又はメチル基であり、R82は炭素数1〜4の炭化水素基であり、aは3以上の整数を示す]
【0025】
このため、上述せる如き10〜60%の含水率を実現するためには、特に、エチレングリコール単位の繰返し数:aが、3以上とされる必要があり、エチレングリコール単位の数が2個以下の、アルコキシエチレングリコール(メタ)アクリレートやアルコキシジエチレングリコール(メタ)アクリレートは、仮に、アルコキシ基の炭素数が小さな、メトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート等であったとしても、10%以上の含水率を確保することは困難となるのであって、本発明では、A成分として使用することが出来ないのである。
【0026】
また、かかるA成分は、後に詳述するB成分等との共重合性が、従来のN−ビニルピロリドン等に比して良好であるところから、A成分とB成分等からなる重合体材料に煮沸処理を実施しても、残存モノマー等の溶出物が少なく、また、A成分は、油に対して、あまり親和性がないところから、そのような重合体材料をオレイン酸等の油脂に浸漬しても、著しく膨潤することもなく、油汚れも効果的に抑制乃至は阻止され得るようになっているのである。しかも、それらA成分とB成分等との重合体材料は、水和(含水)によって、白濁するようなこともない特徴をも発揮するのである。
【0027】
ここにおいて、上述せる如きA成分としては、エチレングリコール単位の繰返し数:aが3以上のものであれば、特に限定されるものではないものの、a≧6であるアルコキシヘキサエチレングリコール(メタ)アクリレート等は、B成分との相溶性があまり良好ではなく、また、精製も難しいところから、より好適には、エチレングリコール単位の繰返し数が3〜5のものが望ましい。具体的には、例えば、メトキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレート、プロポキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレート等のアルコキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレート;メトキシテトラエチレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシテトラエチレングリコール(メタ)アクリレート、プロポキシテトラエチレングリコール(メタ)アクリレート、ブトキシテトラエチレングリコール(メタ)アクリレート等のアルコキシテトラエチレングリコール(メタ)アクリレート;メトキシペンタエチレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシペンタエチレングリコール(メタ)アクリレート、プロポキシペンタエチレングリコール(メタ)アクリレート、ブトキシペンタエチレングリコール(メタ)アクリレート等のアルコキシペンタエチレングリコール(メタ)アクリレートが挙げられる。そして、それらの中でも、特に、メトキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシテトラエチレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシテトラエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシペンタエチレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシペンタエチレングリコール(メタ)アクリレートが好ましく用いられ、更にそれらの中でも、B成分との相溶性に優れ、また減圧蒸留精製も可能な、メトキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレートの使用が、最も望ましいのである。
【0028】
そして、上述せる如きA成分は、それらのうちの1種が単独で用いられれば、充分なのであるが、また、それらの2種以上が組み合わされて用いられても、何等差支えないのである。
【0029】
一方、上述せる如きA成分と共に重合せしめられる、必須成分の一つであるB成分は、従来より知られているように、コンタクトレンズに高酸素透過性を付与するための成分であって、従来から公知の、各種のシリコン(Si)を結合含有する、具体的には、シロキサン結合を有するマクロモノマーを用いることが、可能である。
【0030】
具体的には、そのようなB成分としては、特開昭54−22487号公報、特開昭54−24047号公報、特開昭55−116728号公報、特開昭59−102914号公報、特開昭59−229524号公報、特開昭61−85442号公報、特開昭61−179217号公報、特開昭62−38419号公報、特開昭63−85719号公報、特開昭63−130639号公報、特開昭63−253918号公報、特開昭63−297411号公報、特開平1−254165号公報、特開平1−254166号公報、特開平2−115817号公報、特開平2−180920号公報、特開平2−188717号公報、特開平2−269106号公報、特開平3−206418号公報、特開平3−43711号公報、特開平3−228014号公報、特開平4−46311号公報、特開平4−50814号公報、特開平4−268314号公報、特開平9−132621号公報、国際公開:WO2001−71415号公報等に示されているシリコン含有マクロモノマーを例示することが出来るのであるが、それらの中でも、特開昭54−22487号公報、特開昭59−102914号公報、特開昭63−297411号公報、特開平2−115817号公報、特開平2−188717号公報、特開平4−50814号公報、特開平4−268314号公報、国際公開:WO2001−71415号公報に示されている、ウレタン結合を有するシリコン含有マクロモノマーが好適に採用され、更にそれらの中でも、特に、国際公開:WO2001−71415号公報に開示の、前記一般式(I)にて示される、重合性基が1個以上のウレタン結合を介してシロキサン主鎖に結合しているポリシロキサン系マクロモノマーが、ウレタン結合という弾性力のある結合を有しているところから、そのシロキサン部分により材料の酸素透過性を損なうことなく補強し、且つ弾性的反発性を付与して脆さをなくし、以て、レンズの機械的強度を向上せしめることが可能となるために、好適に採用されるのである。
【0031】
そして、上述せるようなシリコン含有マクロモノマーのうちの1種が単独で、或いは、2種以上が組み合わされて、B成分として、用いられることとなるのである。
【0032】
ところで、本発明に従う含水性コンタクトレンズの一つとして、上述せる如きA成分とB成分とからなる2成分系の重合性モノマー組成物を共重合し、その得られた重合体(共重合体)材料から形成されるレンズを、水和せしめることによって、つまり水に浸漬せしめて、含水させることによって、構成されるものを、例示することが出来るのであるが、このような2成分系の重合性モノマー組成物を採用する場合には、A成分の配合割合としては、重合性モノマー組成物(全重合成分)の20〜70重量%、より望ましくは、25〜60重量%となる割合が、好適に採用される一方、B成分の配合割合としては、重合性モノマー組成物の30〜80重量%、より望ましくは、40〜75重量%となる割合が、好適に採用されることとなる。
【0033】
けだし、かかるA成分の配合割合が20重量%未満である場合には、目的とするコンタクトレンズの含水率を10%以上と為すことが困難となるからであり、逆に、その配合割合が70重量%を超える場合には、含水率が60%を超えるようになったり、B成分の配合割合が少なくなってしまうと共に、B成分と均一に混合することが困難となるからである。因みに、A成分とB成分とが均一に混ざり合わないような場合には、適当な非重合性の溶媒に溶解することも可能であるが、そのような溶媒の影響により重合性が悪くなって、充分な高分子にならず、その結果として、得られた共重合体を煮沸処理すると、多量の溶出物が検出されたり、レンズ強度が不足する等の問題が惹起されるため、2成分系の重合性モノマー組成物を用いてコンタクトレンズを形成するに際しては、A成分とB成分とが分離しないような配合割合が、使用する成分に応じて、適宜に設定されるべきである。
【0034】
また、本発明に従う含水性コンタクトレンズの別の態様の一つとして、上述せる如き2成分系の重合性モノマー組成物を共重合して得られる重合体材料からなるものの他にも、それらA成分及びB成分と共に、更に、C成分として、B成分とは異なるシリコン含有モノマー及び/又はフッ素含有アルキル(メタ)アクリレートを含有し、これらA成分、B成分及びC成分からなる3成分系の重合性モノマー組成物を共重合して得られる重合体材料から構成されるものも、挙げることが出来る。
【0035】
より詳細には、かかる3成分系の重合性モノマー組成物を構成するC成分は、コンタクトレンズに酸素透過性を付与するB成分の補助成分として用いられるのであるが、何れも、B成分と同様に、コンタクトレンズに含水性を付与する成分ではないため、このような3成分系の重合性モノマー組成物を採用する場合にあっても、A成分の配合割合としては、重合性モノマー組成物(全重合成分)の20〜70重量%、より望ましくは25〜60重量%となる割合が、好適に採用される。また、B成分の配合割合としては、重合性モノマー組成物の10〜70重量%、より望ましくは15〜65重量%が、好適に採用される一方、C成分の配合割合としては、重合性モノマー組成物の1〜50重量%、より望ましくは2〜45重量%が、好適に採用されることとなる。
【0036】
けだし、上例の2成分系と同様に、A成分の配合割合が20重量%未満の場合には、目的とするコンタクトレンズの含水率を10%以上と為すことが困難となるからであり、逆に、配合割合が70重量%を超える場合にあっては、含水率が60%を超えるようになったり、B成分の配合割合が少なくなってしまうからである。
【0037】
また、B成分の配合割合が10重量%未満である場合には、充分な酸素透過性が得られないと共に、その他、B成分を添加することにより得られる反発性等の効果が充分に発揮され得なくなるのである。逆に、かかる配合割合が70重量%を超えるようになると、A成分の配合割合が少なくなり過ぎて、コンタクトレンズの含水率を10%以上に確保することが困難となったり、コンタクトレンズが破損し易くなる等といった問題が惹起される。
【0038】
さらに、C成分の配合割合が1重量%未満であると、後述するC成分の添加による効果が充分に得られなくなる一方、C成分の配合割合が50重量%を超える場合には、コンタクトレンズ表面の粘着性が強くなり過ぎたり、コンタクトレンズが軟らかくなり過ぎたり等して、取扱性の悪いレンズとなるのである。
【0039】
ここにおいて、上述せる如きC成分の一つである、前記B成分とは異なるシリコン含有モノマー(以下、C−1成分と略称する)は、一般に、B成分と同様に、シロキサン結合を有する重合性モノマーであるが、そのようなB成分に比較して、分子量が小さいことから、かかるC−1成分の添加によって、重合性モノマー組成物の相溶性を向上せしめるといった利点がある。従って、前述せるように、A成分は、ポリエチレングリコール鎖が長くなる程、つまりエチレングリコール単位の繰返し数が多くなる程、疎油性となり、高分子オイルであるB成分と均一に混合し難くなるのであるが、低分子オイルとなるC−1成分を添加するようにすれば、それらの相溶性を向上せしめて、より均質なレンズを得ることが出来るようになる。
【0040】
また、C−1成分の単独重合体は、軟質のものが多い一方、複数の重合性基を有するB成分の単独重合体は、B成分が架橋成分となって、硬めになることがあるところから、かかるC−1成分の添加によって、高酸素透過性を確保しつつ、コンタクトレンズを与える重合体(共重合体)材料を、所望とする硬さに、有利に調整することも可能となるのである。
【0041】
具体的には、上述せる如きC−1成分としては、従来からレンズ材料に用いられている、公知の各種のシリコン含有モノマーが採用され得るのであり、例えば、ペンタメチルジシロキシメチル基、ビス(トリメチルシロキシ)(メチル)シリルメチル基、ビス(トリメチルシロキシ)(メチル)シリルプロピル基、トリス(トリメチルシロキシ)シリルメチル基、トリス(トリメチルシロキシ)シリルプロピル基等が、(メタ)アクリレートやスチレン等に導入された、シロキサニル(メタ)アクリレートや、シロキサニルスチレン等の、一般的なシリコン含有モノマーを使用することが出来る。また、これらの中でも、ビス(トリメチルシロキシ)(メチル)シリルプロピル(メタ)アクリレートやトリス(トリメチルシロキシ)シリルプロピル(メタ)アクリレートが、精製の容易さ、酸素透過性、入手のし易さ、相溶性等の点から、特に好適に用いられることとなるのである。
【0042】
また、C成分の他の一つである、フッ素含有アルキル(メタ)アクリレート(以下、C−2成分と略称する)は、上記C−1成分と同様に、B成分の補助成分として用いられるものであるが、この添加によって得られる効果は、上記したC−1成分のものとは多少異なり、酸素透過性の一つの因子である酸素の重合体材料への溶解性を向上せしめると共に、コンタクトレンズ表面の粘着性(タック)を少なくし、また、その疎水性及び疎油性により、脂質等の汚れが付着し難くなり、耐汚染性を向上せしめるものである。
【0043】
なお、かかるC−2成分にあっても、従来からレンズ材料に使用されている、公知のフッ素含有アクリル(メタ)アクリレートが何れも用いられ得るものであり、例えば、2,2,2−トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル(メタ)アクリレート、(パーフルオロブチル)エチル(メタ)アクリレート、(パーフルオロヘキシル)エチル(メタ)アクリレート、(パーフルオロオクチル)エチル(メタ)アクリレート、(パーフルオロデシル)エチル(メタ)アクリレート、(パーフルオロドデシル)エチル(メタ)アクリレート等を例示することが出来るが、これら例示のものに、何等限定されるものではないことは、言うまでもないところである。
【0044】
また、C−2成分としては、フッ素部分が大きなもの程、より優れた酸素透過性を確保するために、都合が良く、且つ、レンズを適度に軟らかくすることが出来るところから、より好適に採用され得ることとなる。そして、そのようなフッ素部分が大きなフッ素含有アクリル(メタ)アクリレートとしては、(パーフルオロヘキシル)エチル(メタ)アクリレート、(パーフルオロオクチル)エチル(メタ)アクリレート、(パーフルオロデシル)エチル(メタ)アクリレート等が挙げられ、これらの中でも、特に、(パーフルオロオクチル)エチル(メタ)アクリレートは、市販され、減圧蒸留等で容易に精製し得るものであるところから、最も望ましいものである。
【0045】
而して、本発明にあっては、上述せる如きC−1成分及びC−2成分からなる群より、少なくとも1種が、C成分として適宜に選択されて、用いられることとなるのであるが、C−1成分は、相溶性に優れる一方、耐粘着性に劣り、また、C−2成分は、耐粘着性に優れる一方、相溶性に劣るところから、両者の欠点を可及的に抑え、且つ利点を活かすことが出来るように、C−1成分とC−2成分を併用することが、より望ましいのである。
【0046】
かくして、上述せる如き3成分(A成分+B成分+C成分)からなる重合性モノマー組成物を共重合し、そしてその得られた重合体材料からなるレンズを水和せしめることによって、目的とする含水性コンタクトレンズが得られるのであるが、そのような含水性コンタクトレンズにあっては、更に、C−1成分及び/又はC−2成分の添加により、コンタクトレンズを与える重合体(共重合体)材料の硬さを、有利に調整せしめることが可能となったり、A成分とB成分との相溶性が向上せしめられて、より均質なレンズを得ることが出来るようになったり、また、コンタクトレンズに耐汚れ付着性が付与せしめられたりする等といった利点が、享受され得るのである。
【0047】
さらに、本発明に従う含水性コンタクトレンズの別の態様の他の一つとして、上述せる如き3成分(A成分+B成分+C成分)に、更に、ジメチルアクリルアミド(以下、D成分と略称する)を組み合わせてなる4成分系の重合性モノマー組成物を、共重合し、その得られた重合体(共重合体)材料からなるレンズを、水和せしめることによって、得られるものを、挙げることが出来る。
【0048】
より詳細には、かかる4成分系の重合性モノマー組成物を構成するD成分は、水にも、油にも溶解する両親媒性の化合物であるところから、前述せる如きA成分とB成分の両方に、優れた相溶性を有しており、相溶化剤として用いられる成分である。このため、前述せる如きA成分とB成分との相溶性が良好でなく、分離するような場合や、A成分とB成分とが分離しなくても、得られる重合体材料が白濁するような場合等に、D成分を所定の割合で添加することによって、A成分とB成分が均一に混合され得て、より均質な、透明性に優れたコンタクトレンズを得ることが可能となるのである。
【0049】
また、かかるD成分は、A成分と同様に、コンタクトレンズに含水性を付与する成分でもあるところから、このような4成分系の重合性モノマー組成物を採用する場合にあっては、かかるD成分とA成分との合計含有量が、重合性モノマー組成物(全重合成分)の20〜70重量%、より望ましくは、25〜60重量%となる割合が、好適に採用されることとなる。けだし、かかるA成分とD成分との合計含有量が、20重量%未満の場合には、目的とするコンタクトレンズの含水率を10%以上と為すことが困難となるからであり、逆に、配合割合が70重量%を超える場合には、含水率が60%を超えるようになったり、B成分の配合割合が少なくなってしまうからである。
【0050】
なお、かかるA成分とD成分との合計含有量のうち、A成分の配合割合としては、重合性モノマー組成物(全重合成分)の19〜69重量%、より望ましくは、23〜58重量%となる割合が、好適に採用される一方、D成分の配合割合としては、1〜50重量%、より望ましくは、2〜40重量%となる割合が、好適に採用されることとなる。これは、A成分が、19重量%に満たない場合には、A成分を添加することによる効果が充分に発揮され得ないからであり、逆に、69重量%を超えるような場合には、D成分との合計含有量が、70重量%を超えてしまうからである。また、D成分が、1重量%未満となると、D成分を添加することによって得られる、相溶性等の効果が充分に実現され得なくなる一方、50重量%を超えるようになると、コンタクトレンズに親油性が付与されて、従来のシリコン含有マクロモノマーとジメチルアクリルアミドとの共重合体からなるコンタクトレンズと同様に、レンズに油が付き易くなり、レンズをオレイン酸等の油脂に浸漬すると、著しく膨潤するところから、装用中に涙液中に含まれる脂質等の油汚れが吸着し易くなる恐れがある。
【0051】
さらに、B成分やC成分の配合割合としては、上例の3成分系の重合性モノマー組成物を採用する場合と同様な理由から、同様の割合が、採用されることとなる。つまり、B成分にあっては、重合性モノマー組成物の10〜70重量%、より望ましくは、15〜65重量%となる割合が、好適に採用される一方、C成分にあっては、重合性モノマー組成物の1〜50重量%、より望ましくは、2〜45重量%となる割合が、好適に採用されることとなる。
【0052】
而して、上述せる如き4成分(A成分+B成分+C成分+D成分)からなる重合性モノマー組成物を、共重合し、そしてその得られた重合体材料からなるレンズを水和せしめることによって、目的とする含水性コンタクトレンズが得られるのであるが、そのような含水性コンタクトレンズにあっては、更に、D成分の所定割合における導入によって、重合性モノマー組成物がより一層均一に混合され得て、より均質なコンタクトレンズを得ることが可能となるのであるのである。
【0053】
ところで、上述せる如きA成分とB成分を少なくとも含有する、2〜4成分系の重合性モノマー組成物には、上述せる如きA〜D成分の他にも、更に必要に応じて、架橋剤や、補強剤、親水化剤等の、従来より公知の各種の配合剤を、適宜に選択して含有せしめることも、可能である。
【0054】
具体的には、架橋剤は、コンタクトレンズの機械的強度や形状安定性等の向上を図るべく添加されるものであって、使用するB成分(シリコン含有マクロモノマー)に応じて適宜に使用されるものである。例えば、B成分が、1分子中に、多数の重合性基を有している場合には、B成分自体が架橋効果を有することとなるところから、架橋剤が必要とされないことが多いのであるが、重合性基の数が少なかったり、B成分の使用量が少ない場合には、コンタクトレンズの形状安定性や強度、耐久性等が問題となる恐れがあるところから、適当な架橋剤を使用することが望ましい。
【0055】
ここにおいて、架橋剤としては、重合性基を2つ以上有する、従来からレンズ材料に使用されている、公知の各種の架橋剤が何れも用いられるのであり、特に限定されるものではないことは、言うまでもないところである。なお、そのような架橋剤としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等の多価アルコールの(メタ)アクリレート;アジピン酸ジビニル、アジピン酸ジアリル、アジピン酸アリルエステルビニルエステル、セバシン酸ジビニル、セバシン酸ジアリル、セバシン酸アリルエステルビニルエステル、その他、蓚酸、マロン酸、マレイン酸、メチルマロン酸、琥珀酸、ジメチルマロン酸、エチルマロン酸、メチル琥珀酸、グルタル酸、ジメチル琥珀酸、イソプロピルマロン酸、メチルグルタル酸、メチルアジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、ジ−n−プロピルマロン酸、1,9−ノナンジカルボン酸、1,10−デカンジカルボン酸、1,3−フェニレンジ酢酸、フェニル琥珀酸、ベンジルマロン酸、1,2,3−プロパントリカルボン酸、1,3,5−ペンタントリカルボン酸、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸等の多塩基カルボン酸のビニルエステルやアリルエステル(多塩基カルボン酸の全てのカルボキシル基がエステル化(完全エステル化)しているものが、溶解性の面から、より望ましい);ジビニルベンゼン;トリアリルシアヌレート;トリアリルイソシアヌレート;ジエチレングリコールビスアリルカーボネート;トリメリット酸トリアリル;アリルエーテル;アルキレングリコール若しくはポリアルキレングリコールのジアリルエーテル;アルキレングリコール若しくはポリアルキレングリコールのジビニルエーテル;アルキレングリコール若しくはポリアルキレングリコールのアリルエーテルビニルエーテル;ジアリリデンペンタエリスリット;1,3,5−トリビニル−1,3,5−トリメチルシクロトリシロキサン等を例示することが出来、これらの従来より公知の架橋剤のうちの少なくとも1種が、適宜に選択されて用いられるのである。
【0056】
また、上述せる如き架橋剤の配合割合は、前記A〜D成分を合計した100重量部、即ち重合性モノマー組成物の100重量部に対して、0.0005〜10重量部となる割合が採用される。けだし、架橋剤が必要な際に、かかる配合割合がA〜D成分を合わせた100重量部に対して、0.0005重量部未満である場合には、架橋剤による充分な効果が得られず、含水後のコンタクトレンズに必要な円形等の形状保持性や適度な弾性が得られなくなる恐れがあるからであり、逆に、かかる配合割合が過大である場合には、架橋点が多くなり過ぎて、コンタクトレンズが脆くなり、容易に破損してしまうからである。
【0057】
一方、補強剤は、コンタクトレンズの機械的強度の調整を図るために添加されるものである。例えば、B成分が、1分子中に、多数の重合性基を有している場合には、B成分自体が架橋効果を有することとなり、かかるB成分によって、反発性に優れたコンタクトレンズが得られることとなるのであるが、反対に、B成分の架橋効果により、コンタクトレンズの強度が低下するような場合には、補強剤が使用されることが望ましいのである。
【0058】
ここにおいて、補強剤としては、従来からレンズ材料に使用されている、公知の各種の補強剤が何れも用いられるのであり、特に限定されるものではない。なお、そのような補強剤としては、例えば、酢酸ビニル、プロピオン酸アリル等の有機カルボン酸のビニルエステルやアリルエステル、(メタ)アクリル酸エステルやそのマクロモノマー、スチレン誘導体等を例示することが出来、これらの従来より公知の補強剤のうちの少なくとも1種が、適宜に選択されて、用いられるのである。
【0059】
また、上述せる如き補強剤の配合割合は、前記A〜D成分を合計した100重量部に対して、1〜20重量部となる割合が採用される。けだし、そのような補強剤が用いられる際に、その配合割合が、A〜D成分を合わせた100重量部に対して、1重量部未満である場合には、充分な補強効果が得られなくなる恐れがあるからであり、逆に、かかる配合割合が、A〜D成分を合わせた100重量部に対して、20重量部を超える場合には、所望とする酸素透過性が得られ難くなったり、充分な含水率が得られなくなる恐れがあるからである。
【0060】
他方、親水化剤は、コンタクトレンズに親水性を付与するための成分であり、例えば、上述せる如き2〜4成分系の重合性モノマー組成物を共重合して得られるコンタクトレンズが、所定の含水率は実現するものの、その表面の親水性乃至は水濡れ性が充分でなかったり、重合性モノマー同士の相溶性が不足したり、コンタクトレンズの弾性が大き過ぎたり、重合容器材料或いは成形容器材料との親和性が大き過ぎたりするような場合に、適宜に使用されることが、望ましいのである。
【0061】
ここにおいて、そのような親水化剤としては、従来からレンズ材料に使用されている、公知の各種の親水化剤が、何れも用いられ得るのであり、特に限定されるものではない。なお、そのような親水化剤としては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,6−ヘキサンジオール等の多価アルコールのモノ(メタ)アクリレート、N−(メタ)アクリロイルモルホリン、N−(メタ)アクリロイルピペリジン、N−ビニルピペリドン、N−ビニル−N−メチルアセトアミド、N−ビニル−N−エチルアセトアミド、N−ビニル−N−メチルホルムアミド、N−メチル−α−メチレン−2−ピロリドンを例示することが出来、これらの従来より公知の親水化剤のうちの少なくとも1種が、適宜に選択されて、用いられることとなる。
【0062】
また、上述せる如き親水化剤の配合割合は、前記A〜D成分を合計した100重量部に対して、1〜30重量部となる割合が採用される。けだし、親水化剤が必要な際に、かかる配合割合が、A〜D成分を合わせた100重量部に対して、1重量部未満である場合には、充分な親水化効果が得られなくなる恐れがあるからであり、逆に、かかる配合割合が、A〜D成分を合わせた100重量部に対して、30重量部を超える場合には、重合性モノマー同士の相溶性が悪くなったり、所望とする酸素透過性が得られ難くなる恐れがあるからである。
【0063】
加えて、上述せる如き重合性モノマー組成物には、更に必要に応じて、従来からコンタクトレンズに一般的に用いられている、他の各種の配合剤乃至は添加剤、例えば、コンタクトレンズに紫外線吸収性を付与したり、レンズを着色するために、重合性の紫外線吸収性モノマーや色素、紫外線吸収性色素等を、従来と同様に、添加せしめることにより、共重合体中に導入し、レンズ構成成分の一つとすることも可能である。但し、それらの配合剤乃至は添加剤は、本発明の目的を阻害しないものであり、また阻害しない量的範囲において、用いられることとなることは、勿論、言うまでもないところである。
【0064】
かくして、上述せる如き各種成分を含有する重合性モノマー組成物を用いて、目的とする含水性コンタクトレンズを得るには、先ず、かかる重合性モノマー組成物を、常法に従って、共重合せしめれば良い。
【0065】
具体的には、重合性モノマー組成物の重合手法としては、例えば、重合開始剤を添加した後、室温〜約130℃の温度範囲にて徐々に或いは段階的に加熱して重合せしめる方法(熱重合法)や、増感剤を添加した後、適当な光線(例えば、紫外線等)を照射して、重合を行なう方法(光重合法)、又は、それら熱重合法と光重合法とを組み合わせて、重合を行なう方法等が挙げられる。更に、重合形式としては、塊状重合法が挙げられるが、また、その他公知の各種の手法が採用されても、何等差支えない。
【0066】
なお、一般に、熱重合の場合には、重合開始剤が使用される一方、紫外線等の光照射にて重合する場合には、増感剤が使用されるのであるが、増感剤及び重合開始剤の何れか一方を用いて、又は、その両方を組み合わせて用いて、光及び/又は熱にて重合することも可能である。
【0067】
ここにおいて、重合開始剤としては、通常の重合開始剤、例えば、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスジメチルバレロニトリル、t−ブチルハイドロパーオキサイド、過酸化ベンゾイル等が挙げられ、また、増感剤としては、通常の増感剤、例えば、ジエトキシアセトフェノン、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロピル−1−オン、2−メチル−2−モルホリノ(4−チオメチルフェニル)プロピル−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシル−フェニルケトン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−4−モルホリノフェニル−ブタノン、ベンジルジメチルケタール等が挙げられる。
【0068】
また、これらの重合開始剤及び増感剤は、そのうちの1種又は2種以上を適宜に選択して使用すればよく、その使用割合としては、全重合成分の100重量部に対して、0.001〜5重量部、好ましくは、0.002〜3重量部となる割合が採用され得ることとなる。なお、全重合成分の100重量部に対して、0.001重量部に満たない使用量の場合には、残留モノマーが多くなり過ぎて、重合体が固化しなくなり、また、全重合成分の100重量部に対して、5重量部を超えるような使用量の場合には、重合後の平均分子量が大きくならず、レンズに必要とされる強度が確保され得なくなったり、レンズが黄変したり等して、望ましくないのである。
【0069】
一方、コンタクトレンズを成形する方法(加工方法)としては、特に限定されるものではなく、重合性モノマー組成物を適当な重合型内又は重合容器内に収容して、かかる重合型内又は重合容器内で重合を行ない、棒状、ブロック状、板状等の素材(重合体)を得た後、切削加工、研磨加工等の機械的加工によって所望の形状に成形する切削加工法や、所望とするコンタクトレンズ形状を与える重合型を用意し、この重合型の成形キャビティ内に、所定の重合性モノマー組成物を収容して、型内で前記した重合成分の重合を行なって成形物を得る鋳型(モールド)法、更に必要に応じて、機械的に仕上げ加工を施すモールド法と切削加工法を組み合わせた方法等、当業者に従来から公知の各種の手法が、何れも、採用され得るのであるが、上記した方法の中でも、特に、モールド法が、生産コストを効果的に低減せしめることが出来るところから、好適に採用されることとなる。
【0070】
また、上述せるようにして得られた重合体(共重合体)は、水の中に浸漬せしめられる水和処理が施され、これによって、本発明に従う10〜60%の含水率を有する含水性コンタクトレンズが製造されるのである。なお、かかるコンタクトレンズには、生体に対する充分な安全性が確保されるように、滅菌処理等が適宜に実施されることは、勿論、言うまでもないところである。
【0071】
さらに、本発明に従うコンタクトレンズにあっては、必要に応じて、上述せる如きモールド法や切削加工法等による成形加工の後に、乾燥状態又は含水状態のコンタクトレンズに対して、プラズマガスや紫外線、エキシマレーザー、電子線等による表面処理や、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸、メトキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ジメチルアクリルアミド等の親水性剤による表面コーティングが実施されて、コンタクトレンズ表面を親水性化せしめて、更に優れた水濡れ性を付与することも、有効である。
【0072】
かくして、本発明に従って製造された含水性コンタクトレンズにあっては、それを与える重合体材料の必須の構成成分として、前述の如きA成分とB成分とが少なくとも組み合わされたものが採用されて、材料中に結合、含有せしめられているところから、N−ビニルピロリドンの如き発癌性の疑いを有する成分を用いなくても、含水率が10〜60%の含水性が有効に確保され得ると共に、優れた酸素透過性が付与され得ることとなるのであり、しかも重合後に煮沸処理を実施しても、溶出物が少なく、良好な安全性が実現され得ており、また、オレイン酸等の油脂に浸漬しても、著しく膨潤することもなく、油汚れも効果的に阻止され得るようになっているのである。
【0073】
【実施例】
以下に、本発明の幾つかの実施例を示し、本発明を更に具体的に明らかにすることとするが、本発明が、そのような実施例の記載によって、何等の制約をも受けるものでないことは、言うまでもないところである。また、本発明には、以下の実施例の他にも、更には上記の具体的記述以外にも、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて、当業者の知識に基づいて、種々なる変更、修正、改良等を加え得るものであることが、理解されるべきである。
【0074】
先ず、A〜D成分として、下記表1に示されるものを準備した。
【0075】
【表1】
Figure 0004045135
【0076】
【化4】
Figure 0004045135
【0077】
【表2】
Figure 0004045135
【0078】
なお、上記一般式(IX)にて表わされるB成分としてのMAUS及びB−MAUSは、それぞれ、特開平2001−72739号公報に示される実施例1と同様な製法にて合成されたものを用いた。但し、かかるB成分の原料の1つであるポリジメチルシロキサンとして、MAUSにあっては、該公報と同様に、KF−6002(重合度:40、数平均分子量:3100、信越化学工業(株)製)を使用する一方、B−MAUSにあっては、KF−6003(重合度:74、数平均分子量:5600、信越化学工業(株)製)を使用した。
【0079】
また、比較のために、N−ビニルピロリドン(略号:N−VP)を準備した。
また、増感剤として、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン(略号:ダロキュア1173)を準備した。
【0080】
−重合性モノマー組成物の調製と重合−
下記表3に示される配合組成となるように、各種の重合成分を混合して、それぞれ、実施例1〜5及び比較例1〜6に係る重合性モノマー組成物を調製した後、更に、増感剤(ダロキュア1173)を加え、次いで、この調製された実施例1〜5及び比較例1〜6に係る、各種重合性モノマー組成物を、ぞれぞれ、ポリプロピレン製の重合型の雌型に充填した後、雄型と型合せすることによって、重合型の成形キャビティ内に重合性モノマー組成物を充填、収容せしめ、そして、その後、2kWの高圧水銀ランプを用いて、10mW/cm2 の強度の紫外線を15分間照射することによって、各々の重合性モノマー組成物を重合せしめた。
そして、かかる重合の後、重合型の型開きを行ない、エタノール中に浸漬せしめることによって、エタノールで膨潤したコンタクトレンズを重合型から分離した。その後、膨潤したレンズを取り出し、60%エタノール水溶液に1時間浸漬せしめ、更に、30%エタノール水溶液に1時間浸漬した後、蒸留水に1時間浸漬した。次いで、室温にて乾燥した後、プラズマ処理装置PA−102AT(京都電子計測(株)製)を用いて、プラズマ[O2 、0.5torr(70Pa)、50W、45s]照射し、蒸留水中に一夜浸漬した。
【0081】
更にその後、かかるプラズマ照射により表面処理の施されたコンタクトレンズを、それぞれ、100倍量の水で2時間煮沸した後、水の入った耐熱性の瓶に入れて、蓋をし、121℃の温度で20分間、高圧蒸気滅菌処理を行なった。かくして得られたコンタクトレンズのうち、比較例5に係るコンタクトレンズ以外は、何れも、白濁しておらず、透明性が確保されていることを認めた。
【0082】
【表3】
Figure 0004045135
【0083】
−含水率の測定−
高圧蒸気滅菌処理が施された実施例1〜5及び比較例1〜6に係る各種コンタクトレンズを、20℃の水の中に2時間浸漬した後、吸湿紙で余分な水分を拭き取って、含水状態のレンズの重量(W1 )を測定した。また、コンタクトレンズを、60℃の乾燥機中に一夜放置して、乾燥せしめ、その乾燥状態のレンズの重量(W2 )を測定した。そして、この得られた含水状態のレンズの重量(W1 )と乾燥状態のレンズ重量(W2 )との値を用いて、次式により、含水率を算出し、その結果を、上記表3に示した。
含水率(重量%)=[(W1 −W2 )/W1 ]×100
【0084】
−溶出物試験−
高圧蒸気滅菌処理が施された実施例1〜5及び比較例6に係る各種コンタクトレンズを、乾燥させ、「厚生省告示第302号:視力補正用コンタクトレンズ基準、IV.溶出物試験、(3)水による溶出物:過マンガン酸カリウム還元性物質」に基づいて試験を行ない、過マンガン酸カリウム液の消費量の差を求め、得られた結果を、上記表3に示した。(なお、かかる過マンガン酸カリウムの消費量の差の基準は、2.0mL以下である。)
【0085】
−耐油汚れ性の評価−
含水(水和)された実施例1〜5及び比較例1〜5に係る各種コンタクトレンズを、60℃の乾燥機中に一夜放置し、乾燥状態のレンズのサイズ(S1 )を測定した。そして、この乾燥状態のレンズを、オレイン酸に浸漬せしめて、35℃にて一夜保存した後、かかるレンズのサイズ(S2 )を測定した。そして、この得られた2つのレンズサイズ(S1 、S2 )の値を用いて、次式により、オレイン酸中における膨潤率を算出し、その結果を上記表3に示した。
膨潤率 = S2 /S1
【0086】
上記表3の結果から明らかなように、本発明において必須の重合成分であるA成分(MTGA)が何等含有せしめられておらず、単にジメチルアクリルアミドにて含水性が付与されている比較例1〜5に係るコンタクトレンズにあっては、オレイン酸による膨潤率が、同様の組成を有する実施例1〜5に比して、何れも高くなっており、耐油汚れ性が付与されていないことが、認められる。また、A成分(MTGA)が何等含有せしめられておらず、ジメチルアクリルアミドとN−ビニルピロリドンにて含水性が付与されている比較例6に係るコンタクトレンズにあっては、過マンガン酸カリウムの消費量の差(溶出物量)が多く、基準値を満たしていないことが分かる。
【0087】
これに対して、実施例1〜5に係るコンタクトレンズにあっては、溶出物が少ないところから、安全性が良好であり、また、オレイン酸に浸漬しても、顕著な膨潤は認められないところから、油汚れによる装用上の問題も少ないコンタクトレンズとなっていることが、理解されるのである。
【0088】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明に従う含水性コンタクトレンズにあっては、(A)エチレングリコール単位が3〜5個のアルコキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレートと(B)シリコン含有マクロモノマーとを必須の構成成分として含有する重合性モノマー組成物を用い、それを共重合して、得られる重合体材料から形成されているところから、充分な含水率が有利に確保され得ると共に、含水後に白濁が起こるようなことが、効果的に防止され得ることとなるのである。しかも、煮沸処理を実施しても、溶出物が少なく、人体への安全性が良好であって、且つオレイン酸等の油脂に浸漬しても、著しく膨潤せず、これによって、油汚れによる装用上の問題も、可及的に阻止され得る特徴を有しているのである。
【0089】
また、本発明に従う含水性コンタクトレンズの製造方法によれば、上述せる如き優れた特徴を有する含水性コンタクトレンズを、有利に製造することが可能となるのである。

Claims (6)

  1. (A)エチレングリコール単位が3〜5個のアルコキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレートの20〜70重量%と、(B)シリコン含有マクロモノマーの30〜80重量%とからなる重合性モノマー組成物を共重合して得られる重合体材料より、形成されていると共に、10%〜60%の含水率を有していることを特徴とする含水性コンタクトレンズ。
  2. (A)エチレングリコール単位が3〜5個のアルコキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレートの20〜70重量%と、(B)シリコン含有マクロモノマーの10〜70重量%と、(C)かかるシリコン含有マクロモノマー(B)とは異なる、シリコン含有モノマー、及び/又はフッ素含有アルキル(メタ)アクリレートの1〜50重量%とからなる重合性モノマー組成物を共重合して得られる重合体材料より、形成されていると共に、10%〜60%の含水率を有していることを特徴とする含水性コンタクトレンズ。
  3. (A)エチレングリコール単位が3〜5個のアルコキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレートの19〜69重量%と、(B)シリコン含有マクロモノマーの10〜70重量%と、(C)かかるシリコン含有マクロモノマー(B)とは異なる、シリコン含有モノマー、及び/又はフッ素含有アルキル(メタ)アクリレートの1〜50重量%と、(D)ジメチルアクリルアミドの1〜50重量%とからなり、且つ、前記エチレングリコール単位が3〜5個のアルコキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート(A)と前記ジメチルアクリルアミド(D)との合計含有量が20〜70重量%とされた重合性モノマー組成物を共重合して得られる重合体材料より、形成されていると共に、10%〜60%の含水率を有していることを特徴とする含水性コンタクトレンズ。
  4. 前記エチレングリコール単位が3〜5個のアルコキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート(A)が、メトキシトリエチレングリコールアクリレートである請求項1乃至請求項3の何れかに記載の含水性コンタクトレンズ。
  5. 前記シリコン含有マクロモノマー(B)が、下記一般式(I)にて示されるポリシロキサン系マクロモノマーである請求項1乃至請求項4の何れかに記載の含水性コンタクトレンズ。
    一般式(I):
    1−U1−(−S1−U2−)n−S2−U3−A2 ・・・(I)
    [式中、A1 は、一般式(II):
    21−Z21−R31− ・・・(II)
    (式中、Y21はアクリロイル基、ビニル基又はアリル基であり、Z21は酸素原子又は直接結合を示し、R31は直接結合又は炭素数1〜12の直鎖状、分岐鎖若しくは芳香環を有するアルキレン基を示す)で表わされる基;
    2 は、一般式(III):
    −R34−Z22−Y22 ・・・(III)
    (式中、Y22はアクリロイル基、ビニル基又はアリル基であり、Z22は酸素原子又は直接結合を示し、R34は直接結合又は炭素数1〜12の直鎖状、分岐鎖若しくは芳香環を有するアルキレン基を示す)で表わされる基(但し、一般式(II)中のY21及び一般式(III)中のY22は同一であってもよく、異なっていてもよい);
    1 は、一般式(IV):
    −X21−E21−X25−R32− ・・・(IV)
    (式中、X21及びX25はそれぞれ独立して直接結合、酸素原子又はアルキレングリコール基を示し、E21は、−NHCO−基(但し、この場合、X21は直接結合であり、X25は酸素原子又はアルキレングリコール基であり、E21はX25とウレタン結合を形成している)、−CONH−基(但し、この場合、X21は酸素原子又はアルキレングリコール基であり、X25は直接結合であり、E21はX21とウレタン結合を形成している)、又は飽和若しくは不飽和脂肪族系、脂環式系及び芳香族系からなる群より選ばれたジイソシアネート由来の2価の基(但し、この場合、X21及びX25はそれぞれ独立して酸素原子及びアルキレングリコール基から選ばれ、E21はX21及びX25の間で2つのウレタン結合を形成している)を示し、R32は炭素数1〜6の直鎖状又は分岐鎖を有するアルキレン基を示す)で表わされる基;
    1 及びS2 は、それぞれ独立して、一般式(V):
    Figure 0004045135
    (式中、R23、R24、R25、R26、R27及びR28はそれぞれ独立して炭素数1〜6のアルキル基、フッ素置換されたアルキル基又はフェニル基を示し、Kは1〜1500の整数、Lは0又は1〜1499の整数、K+Lは1〜1500の整数である)で表わされる基;
    2 は、一般式(VI):
    −R37−X27−E24−X28−R38− ・・・(VI)
    (式中、R37及びR38はそれぞれ独立して炭素数1〜6の直鎖状又は分岐鎖を有するアルキレン基を示し、X27及びX28はそれぞれ独立して酸素原子又はアルキレングリコール基であり、E24は飽和若しくは不飽和脂肪族系、脂環式系及び芳香族系からなる群より選ばれたジイソシアネート由来の2価の基(但し、この場合、E24はX27及びX28の間で2つのウレタン結合を形成している)を示す)で表わされる基;
    3 は、一般式(VII):
    −R33−X26−E22−X22− ・・・(VII)
    (式中、R33は炭素数1〜6の直鎖状又は分岐鎖を有するアルキレン基を示し、X22及びX26はそれぞれ独立して直接結合、酸素原子又はアルキレングリコール基を示し、E22は、−NHCO−基(但し、この場合、X22は酸素原子又はアルキレングリコール基であり、X26は直接結合であり、E22はX22とウレタン結合を形成している)、−CONH−基(但し、この場合、X22は直接結合であり、X26は酸素原子又はアルキレングリコール基であり、E22はX26とウレタン結合を形成している)、又は飽和若しくは不飽和脂肪族系、脂環式系及び芳香族系の群から選ばれたジイソシアネート由来の2価の基(但し、この場合、X22及びX26は、それぞれ独立して、酸素原子及びアルキレングリコール基から選ばれ、E22はX22及びX26の間で2つのウレタン結合を形成している)を示す)で表わされる基;
    nは、0又は1〜10の整数を示す]
  6. 前記請求項1乃至請求項5の何れかに記載の含水性コンタクトレンズを製造する方法にして、
    (A)エチレングリコール単位が3〜5個のアルコキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレートと(B)シリコン含有マクロモノマーとを前記規定された割合において少なくとも含有する、前記重合性モノマー組成物を用い、この重合性モノマー組成物を所定の重合容器乃至は成形キャビティ内に収容して、光重合又は熱重合せしめた後、その得られた共重合体に対して水和処理を施すことを特徴とする含水性コンタクトレンズの製造方法。
JP2002194441A 2002-07-03 2002-07-03 含水性コンタクトレンズ及びその製造方法 Expired - Fee Related JP4045135B2 (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002194441A JP4045135B2 (ja) 2002-07-03 2002-07-03 含水性コンタクトレンズ及びその製造方法
EP03253998A EP1378769A3 (en) 2002-07-03 2003-06-25 Water-absorptive contact lens and method of producing the same
US10/606,036 US20040014898A1 (en) 2002-07-03 2003-06-25 Water-absorptive contact lens and method of producing the same

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002194441A JP4045135B2 (ja) 2002-07-03 2002-07-03 含水性コンタクトレンズ及びその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2004037811A JP2004037811A (ja) 2004-02-05
JP4045135B2 true JP4045135B2 (ja) 2008-02-13

Family

ID=29720273

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002194441A Expired - Fee Related JP4045135B2 (ja) 2002-07-03 2002-07-03 含水性コンタクトレンズ及びその製造方法

Country Status (3)

Country Link
US (1) US20040014898A1 (ja)
EP (1) EP1378769A3 (ja)
JP (1) JP4045135B2 (ja)

Families Citing this family (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP2180366B1 (en) * 2003-01-10 2013-09-25 Menicon Co., Ltd. Silicone-containing ocular lens material with high safety and preparing method thereof
US20060193894A1 (en) * 2005-02-28 2006-08-31 Jen James S Methods for providing biomedical devices with hydrophilic antimicrobial coatings
CN103717632B (zh) * 2011-07-19 2015-12-02 株式会社普利司通 光固化性树脂组合物、及使用其的湿区构件和功能性板
ES2474122T3 (es) * 2012-02-01 2014-07-08 Lenswista Ag Lente de contacto de silicona
PL2613180T3 (pl) * 2012-02-01 2014-11-28 Lenswista Ag Silikonowa soczewka kontaktowa
EP3086163B1 (en) * 2013-12-16 2018-11-14 Menicon Co., Ltd. Polysiloxane-based macromonomer for use in ocular lens and ocular lens using same
JP6023899B2 (ja) * 2013-12-16 2016-11-09 株式会社メニコン 眼用レンズ
KR102510236B1 (ko) 2017-05-10 2023-03-17 도레이 카부시키가이샤 의료 디바이스
US20220145027A1 (en) * 2019-03-19 2022-05-12 Toray Industries, Inc. Conductive sheet

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4038264A (en) * 1974-01-07 1977-07-26 National Patent Development Corporation Hema copolymers having high oxygen permeability
US4605712A (en) * 1984-09-24 1986-08-12 Ciba-Geigy Corporation Unsaturated polysiloxanes and polymers thereof
JP2774233B2 (ja) * 1992-08-26 1998-07-09 株式会社メニコン 眼用レンズ材料
JP3377266B2 (ja) * 1993-12-10 2003-02-17 株式会社メニコン 軟質眼用レンズ材料
JP3850729B2 (ja) * 2000-03-22 2006-11-29 株式会社メニコン 眼用レンズ材料

Also Published As

Publication number Publication date
JP2004037811A (ja) 2004-02-05
EP1378769A3 (en) 2004-06-02
US20040014898A1 (en) 2004-01-22
EP1378769A2 (en) 2004-01-07

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4988025B2 (ja) ソフトコンタクトレンズ製造用シロキサンモノマー
JP2009522373A (ja) 陽イオン親水性シロキサニルモノマー製造のための方法
JP4045135B2 (ja) 含水性コンタクトレンズ及びその製造方法
JP4772939B2 (ja) 重合性単量体組成物およびコンタクトレンズ
JP6023899B2 (ja) 眼用レンズ
JP2008268488A (ja) 含水性眼用レンズ
JP6053960B2 (ja) 眼用レンズ用ポリシロキサン系マクロモノマー及びそれを用いた眼用レンズ
JP6857784B2 (ja) ポリマー材料
JP5302981B2 (ja) 親水性表面を有する眼用レンズおよび眼用レンズの製造方法
JP2619095B2 (ja) 酸素透過性材料
JP3901749B2 (ja) 含水性コンタクトレンズの表面処理方法及びそれによって得られた含水性コンタクトレンズ
JP4854130B2 (ja) 親水性ポリシロキサンモノマーおよびその共重合体からなるコンタクトレンズ材料、およびコンタクトレンズ
JP6974633B2 (ja) ポリマー材料
WO2001023945A1 (fr) Materiau pour lentilles oculaires
JPH0580279A (ja) ソフトコンタクトレンズ
JPH03240021A (ja) コンタクトレンズ材料
JPH03257420A (ja) 酸素透過性コンタクトレンズ材料
JPH07191286A (ja) 非含水型軟質コンタクトレンズおよびその製造方法
JP2926804B2 (ja) ソフトコンタクトレンズ
JP3932213B2 (ja) 硬質コンタクトレンズ
JPH03257421A (ja) ソフトコンタクトレンズ材料
CN116490532A (zh) 眼科器件用改性剂
JPH05113551A (ja) ソフトコンタクトレンズ
JPH05105727A (ja) 酸素透過性重合体の製造法
MXPA06006230A (en) Novel prepolymers for improved surface modification of contact lenses

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20050621

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20070314

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070703

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070831

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20071106

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20071119

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4045135

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101122

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131122

Year of fee payment: 6

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees