JP4043208B2 - 熱交換器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、熱交換器に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車用空調装置のコンデンサに用いられる熱交換器として、いわゆるパラレルフロータイプの熱交換器が主流となっている。このタイプの熱交換器は、複数のチューブを所定の間隔で並列に配置し、チューブとチューブの間及び最外側のチューブの外側にフィンを配置し、最外側のフィンの外側にサイドプレートを配置し、チューブ及びサイドプレートの端部をタンクに挿入し、これらチューブ、フィン、サイドプレート及びタンクを炉中ろう付けにより接合してなる。
【0003】
サイドプレートとフィン、チューブとフィンは、フィンにクラッドされたろう材により接合される。しかし、フィンにクラッドされたろう材が溶けると、溶け出したろう材の分だけ、サイドプレートとフィン、チューブとフィンとの間に隙間が生じ、ろう付け不良が発生するという問題があった。
【0004】
この問題を解決するため、炉中ろう付け時に、例えば仮組状態の熱交換器をバンドでしばる等して圧縮力を加え、サイドプレートとフィン、チューブとフィンとを密着させるという方法が提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、サイドプレートは最外側のフィンを保護するとともに、熱交換器全体としての構造的な強度を補強するためのものである。
【0006】
このため、例えば断面コ字状に形成する等して強度を高めている。
【0007】
しかし、サイドプレートの強度を高くすると、圧縮力を加えてもサイドプレートがたわみにくくなり、サイドプレートとフィン、チューブとフィンとを密着させることができないという問題があった。
【0008】
本発明は以上の点に鑑みてなされたもので、サイドプレートの強度を高めつつ、サイドプレートとフィン、チューブとフィンとを良好にろう付けできる熱交換器を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、複数のチューブを所定の間隔で並列に配置し、チューブとチューブの間及び最外側のチューブの外側にフィンを配置し、最外側のフィンの外側にサイドプレートを配置し、前記チューブ及び前記サイドプレートの端部をタンクに挿入し、前記チューブ、フィン、サイドプレート及びタンクを炉中ろう付けにより接合してなる熱交換器において、実施例で用いた符号を付して記すと、前記タンク4は、前記チューブ2を挿入させる同形同大のチューブ挿入孔421,421が該タンクの長手方向に等間隔で設けられているとともに、これらのチューブ挿入孔のうち、最外側のものを前記サイドプレート7の端部の挿入孔として用いるものであり、前記サイドプレートは、前記端部を備える平面部と、前記平面部の長手方向の側部から立ち上がる立ち上がり部71と、前記端部と前記立ち上がり部との間に形成されて該立ち上がり部がテーパ状に低く設けられる低強度部72とを備え、前記サイドプレートの前記端部を前記サイドプレートの最外側の前記挿入孔に挿入した際、前記テーパ状の前記立ち上がり部が前記タンクに当接することにより、該サイドプレートのタンクに対する挿入量規制が行われ、更に、前記炉中ろう付け時に圧縮力を加えて、前記サイドプレートの前記低強度部72をたわませることを特徴とする熱交換器である。また、請求項2記載の発明は、複数のチューブ2,2を所定の間隔で並列に配置し、チューブとチューブの間及び最外側のチューブの外側にフィン3を配置し、最外側のフィンの外側にサイドプレート 7 を配置し、前記チューブ及び前記サイドプレートの端部をタンク4に挿入し、前記チューブ、フィン、サイドプレート及びタンクを炉中ろう付けにより接合してなる熱交換器において、前記タンク4は、前記チューブを挿入させる同形同大のチューブ挿入孔421,421が該タンクの長手方向に等間隔で設けられているとともに、これらのチューブ挿入孔のうち、最外側のものを前記サイドプレート7の端部の挿入孔として用いるものであり、前記サイドプレートは、前記端部を備える平面部と、前記平面部の長手方向の側部から立ち上がる立ち上がり部71と、前記端部と前記立ち上がり部との間に形成されて該立ち上がり部よりも一段低く形成された第2の立ち上がり部により設けられる低強度部72とを備え、前記サイドプレートの前記端部を前記サイドプレートの最外側の前記挿入孔に挿入した際、前記一段低く形成された前記第2の立ち上がり部が前記タンクに当接することにより、該サイドプレートのタンクに対する挿入量規制が行われ、更に、前記炉中ろう付け時に圧縮力を加えて、前記サイドプレートの前記低強度部72をたわませることを特徴とする熱交換器である。
【0010】
本発明によれば、サイドプレートの端部に低強度部を設け、炉中ろう付け時に圧縮力を加えてこの低強度部をたわませるので、サイドプレートの他の部分がたわみにくくても、サイドプレートとフィン、チューブとフィンとを密着させることができる。従ってサイドプレートの強度を高めつつ、サイドプレートとフィン、チューブとフィンとを良好にろう付けできる熱交換器を提供することができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の具体例を図面に基いて詳細に説明する。
【0012】
図1は、本例の熱交換器を示す正面図である。
【0013】
本例の熱交換器1は自動車用空調装置のコンデンサであり、複数のチューブ2と複数のフィン3とを交互に積層するとともに、各チューブ2の端部を一対のタンク4にそれぞれ連通接続して構成している。
【0014】
タンク4の内部は仕切プレート5により区画され、媒体がタンク4からタンク4へ蛇行状に流通するようにしている。また、タンク4の端部開口も仕切プレート5により閉塞されている。
【0015】
タンク4の端部には蓋状のキャップ体8が装着されている。
【0016】
媒体は、左側のタンク4に設けられた上側のコネクタ6から内部に取り入れられて、チューブ2及びフィン3に伝わる熱によって熱交換をしつつチューブ2を蛇行状に流通した後、下側のコネクタ6から外部に排出される。
【0017】
チューブ2及びフィン3からなる層の上下には、サイドプレート7をそれぞれ設けており、各サイドプレート7の端部は、タンク4に支持している。
【0018】
図2及び図3は本例の熱交換器の一部を示す斜視図であり、図2はチューブ、及びサイドプレートをタンクに挿入する前、図3は挿入した後を示す。また、図2はキャップ体をタンクに装着する前、図3は装着した後を示す。
【0019】
図2に示すように、本例のタンク4は、断面略U字状のタンクプレート41とエンドプレート42とを略円筒状に組み合わせて形成している。
【0020】
エンドプレート42には、長手方向にわたって複数の同形同大のチューブ挿入孔421が等間隔に設けられる。チューブ2の端部及びサイドプレート7の端部は、チューブ挿入孔421にそれぞれ挿入される。
【0021】
チューブ挿入孔421の上下には、チューブ2及びサイドプレート7の挿入性を高めるために、テーパ状の挿入ガイド422が設けられている。
【0022】
タンクプレート41とエンドプレート42とは、略円筒状に組み合わせた後、タンクプレート41に設けられたカシメ爪411をカシメて仮固定され、炉中ろう付けにより接合される。
【0023】
なお、タンクの先端には、タンクプレート41及びエンドプレート42を共に保持するキャップ体8が装着される。キャップ体8は、タンク4の端部を覆う蓋面81と、タンクプレート41及びエンドプレート42の外周面に当接する複数の突片82とを有するものである。
【0024】
このようなキャップ体8を設ければ、タンクプレート41とエンドプレート42とを正確に組み付けることができ、ろう付けの信頼性が向上する。また、タンク4の端部から仕切プレート5までの空間が外部と区画されるので、かかる空間に対する水やゴミの侵入を防ぐことができ、耐食性を向上する点でも有利である。
【0025】
チューブ2及びサイドプレート7のチューブ挿入穴421への挿入は、サイドプレート7、チューブ2及びフィン3を積層した状態で、同時に行われる。
【0026】
組み付けのしやすさや、熱交換器の設置スペースなどを考慮して、サイドプレート7、チューブ2及びフィン3の幅は略同一となっている。
【0027】
サイドプレート7の幅は全長にわたって略等しく、先端のみ、挿入性を高めるために、わずかにテーパ状になっている。
【0028】
サイドプレート7には、エンドプレート42に挿入される端部を除いて、立ち上がり部71が設けられ、エンドプレート7の強度を高めるとともに、この立ち上がり部71をエンドプレート42に当接することによりサイドプレート7及びチューブ2の挿入量規制を行う。
【0029】
サイドプレート7の端部には、図4に示すように、立ち上がり部71の高さをテーパ状に低くすることにより、強度を低くした低強度部72が設けられている。
【0030】
炉中ろう付け時に圧縮力を加えてこの低強度部72をたわませれば、サイドプレートの他の部分がたわみにくくても、サイドプレート7とフィン3、チューブ2とフィン3とを密着させることができる。従って立ち上がり部71によりサイドプレート7の強度を高めつつ、サイドプレート7とフィン3、チューブ2とフィン3とを良好にろう付けできる。
【0031】
なお、変形例として、図5に示すように、立ち上がり部71の高さを段状に低くすることにより、強度を低くした低強度部72を設けてもよい。
【0032】
また、図6に示すように、立ち上がり部71を設けないことにより、強度を低くした低強度部72を設けてもよい。ただし、この場合、立ち上がり部71を挿入量規制手段とすることができないので、別途挿入量規制手段を設けることが望ましい。
【0033】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1記載の発明は、複数のチューブ2,2を所定の間隔で並列に配置し、チューブとチューブの間及び最外側のチューブの外側にフィンを3配置し、最外側のフィンの外側にサイドプレート7を配置し、前記チューブ及び前記サイドプレートの端部をタンクに挿入し、前記チューブ、フィン、サイドプレート及びタンクを炉中ろう付けにより接合してなる熱交換器において、前記タンク4は、前記チューブ2を挿入させる同形同大のチューブ挿入孔421,421が該タンクの長手方向に等間隔で設けられているとともに、これらのチューブ挿入孔のうち、最外側のものを前記サイドプレート7の端部の挿入孔として用いるものであり、前記サイドプレートは、前記端部を備える平面部と、前記平面部の長手方向の側部から立ち上がる立ち上がり部71と、前記端部と前記立ち上がり部との間に形成されて該立ち上がり部がテーパ状に低く設けられる低強度部72とを備え、前記サイドプレートの前記端部を前記サイドプレートの最外側の前記挿入孔に挿入した際、前記テーパ状の前記立ち上がり部が前記タンクに当接することにより、該サイドプレートのタンクに対する挿入量規制が行われ、更に、前記炉中ろう付け時に圧縮力を加えて、前記サイドプレートの前記低強度部72をたわませることを特徴とする熱交換器である。また、請求項2記載の発明は、複数のチューブ2,2を所定の間隔で並列に配置し、チューブとチューブの間及び最外側のチューブの外側にフィン3を配置し、最外側のフィンの外側にサイドプレート 7 を配置し、前記チューブ及び前記サイドプレートの端部をタンク4に挿入し、前記チューブ、フィン、サイドプレート及びタンクを炉中ろう付けにより接合してなる熱交換器において、前記タンク4は、前記チューブを挿入させる同形同大のチューブ挿入孔421,421が該タンクの長手方向に等間隔で設けられているとともに、これらのチューブ挿入孔のうち、最外側のものを前記サイドプレート7の端部の挿入孔として用いるものであり、前記サイドプレートは、前記端部を備える平面部と、前記平面部の長手方向の側部から立ち上がる立ち上がり部71と、前記端部と前記立ち上がり部との間に形成されて該立ち上がり部よりも一段低く形成された第2の立ち上がり部により設けられる低強度部72とを備え、前記サイドプレートの前記端部を前記サイドプレートの最外側の前記挿入孔に挿入した際、前記一段低く形成された前記第2の立ち上がり部が前記タンクに当接することにより、該サイドプレートのタンクに対する挿入量規制が行われ、更に、前記炉中ろう付け時に圧縮力を加えて、前記サイドプレートの前記低強度部72をたわませることを特徴とする熱交換器である。
【0034】
本発明によれば、サイドプレートの端部に低強度部を設け、炉中ろう付け時に圧縮力を加えてこの低強度部をたわませるので、サイドプレートの他の部分がたわみにくくても、サイドプレートとフィン、チューブとフィンとを密着させることができる。従ってサイドプレートの強度を高めつつ、サイドプレートとフィン、チューブとフィンとを良好にろう付けできる熱交換器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の具体例に係り、熱交換器を示す正面図である。
【図2】 本発明の具体例に係り、熱交換器の一部を示す斜視図である。
【図3】 本発明の具体例に係り、熱交換器の一部を示す斜視図である。
【図4】 本発明の具体例に係り、サイドプレート及びエンドプレートを示す縦断面図である。
【図5】 本発明の具体例に係り、サイドプレート及びエンドプレートを示す縦断面図である。
【図6】 本発明の具体例に係り、サイドプレート及びエンドプレートを示す縦断面図である。
【符号の説明】
1 熱交換器
2 チューブ
3 フィン
4 タンク
41 タンクプレート
411 カシメ爪
42 エンドプレート
421 チューブ挿入孔
422 挿入ガイド
5 仕切プレート
6 コネクタ
7 サイドプレート
71 立ち上がり部
72 低強度部
8 キャップ体
81 蓋面
82 突片
Claims (2)
- 複数のチューブを所定の間隔で並列に配置し、チューブとチューブの間及び最外側のチューブの外側にフィンを配置し、最外側のフィンの外側にサイドプレートを配置し、前記チューブ及び前記サイドプレートの端部をタンクに挿入し、前記チューブ、フィン、サイドプレート及びタンクを炉中ろう付けにより接合してなる熱交換器において、
前記タンクは、前記チューブを挿入させる同形同大のチューブ挿入孔が該タンクの長手方向に等間隔で設けられているとともに、これらのチューブ挿入孔のうち、最外側のものを前記サイドプレートの端部の挿入孔として用いるものであり、
前記サイドプレートは、前記端部を備える平面部と、前記平面部の長手方向の側部から立ち上がる立ち上がり部と、前記端部と前記立ち上がり部との間に形成されて該立ち上がり部がテーパ状に低く設けられる低強度部とを備え、
前記サイドプレートの前記端部を前記サイドプレートの最外側の前記挿入孔に挿入した際、前記テーパ状の前記立ち上がり部が前記タンクに当接することにより、該サイドプレートのタンクに対する挿入量規制が行われ、
更に、前記炉中ろう付け時に圧縮力を加えて、前記サイドプレートの前記低強度部をたわませることを特徴とする熱交換器。 - 複数のチューブを所定の間隔で並列に配置し、チューブとチューブの間及び最外側のチューブの外側にフィンを配置し、最外側のフィンの外側にサイドプレートを配置し、前記チューブ及び前記サイドプレートの端部をタンクに挿入し、前記チューブ、フィン、サイドプレート及びタンクを炉中ろう付けにより接合してなる熱交換器において、
前記タンクは、前記チューブを挿入させる同形同大のチューブ挿入孔が該タンクの長手方向に等間隔で設けられているとともに、これらのチューブ挿入孔のうち、最外側のものを前記サイドプレートの端部の挿入孔として用いるものであり、
前記サイドプレートは、前記端部を備える平面部と、前記平面部の長手方向の側部から立ち上がる立ち上がり部と、前記端部と前記立ち上がり部との間に形成されて該立ち上がり部よりも一段低く形成された第2の立ち上がり部により設けられる低強度部とを備え、
前記サイドプレートの前記端部を前記サイドプレートの最外側の前記挿入孔に挿入した際、前記一段低く形成された前記第2の立ち上がり部が前記タンクに当接することにより、該サイドプレートのタンクに対する挿入量規制が行われ、
更に、前記炉中ろう付け時に圧縮力を加えて、前記サイドプレートの前記低強度部をたわませることを特徴とする熱交換器。
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