JP4043138B2 - 電動パワーステアリング装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本出願発明は、車両の操舵力を軽減するための操舵補助力を発生する電動パワーステアリング装置に関し、さらに詳細には、電動モータが発生するトルクをラック軸に伝達するトルク伝達系に破断部を設けたフェールセーフ機能を有する電動パワーステアリング装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
車両のステアリングホイールによる操舵力を軽減するための電動パワーステアリング装置にフェールセーフ機能を持たせたものが、例えば特開平8−99644号公報に記載されている。
【0003】
この公報に記載された電動パワーステアリング装置では、ステアリングコラム内に、ステアリングギヤボックスに回転力を伝達する出力軸に取り付けられたウォームホイール、および操舵補助力を付与する直流モータに連結される駆動軸に取り付けられたウォームが配置されている。ウォームホイールと出力軸とは、1個または複数個のトルクリミッタピンを介して連結されており、このトルクリミッタピンは、正常な作動により生じるトルクより大きな破断トルクが作用したとき破断されるようになっている。
【0004】
そして、直流モータとともにウォームホイールが機械的にロックした異常時に、ステアリングホイールが操舵されて操舵力によるトルクが出力軸に作用すると、ウォームホイールはロックしているため、トルクリミッタピンに破断トルクが作用して、トルクリミッタピンが破断される。そのため、出力軸とウォームホイールとの連結が切り離されて、出力軸が自由に回転できる状態となり、マニュアルステアリングとしてステアリングホイールによる操舵が確保できる。
【0005】
さらに、前記公報には、トルクリミッタピンで出力軸とウォームホイールとを連結する代わりに、駆動軸とウォームとをトルクリミッタピンで連結すること、また駆動軸にくびれ状の破断部を形成することも記載されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、前記従来の電動パワーステアリング装置では、トルクリミッタピンを使用する場合、部品点数が多くなり、特に所望の破断トルクを設定するために、複数のトルクリミッタピンを使用する場合は、一層部品点数が多くなった。また、トルクリミッタピンを取り付ける工程、さらには破断されたトルクリミッタピンの脱落防止のための工程など、工数が多くなり、組み付け性が良好でなかった。また、駆動軸に破断部を形成する場合は、駆動軸の脱落を防止するための部材が必要となり、やはり部品点数が多くなった。
【0007】
本出願発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、電動パワーステアリング装置において、部品点数の削減を図るとともに、フェールセーフ機能を実現するための機構の組み付け性の向上を図ること、フェールセーフ機能を実現するための機構が、トルクリミッタ機能をも有する電動パワーステアリング装置を提供すること、さらにフェールセーフ機能を実現するための機構を構成する部材自体の組み付け性の向上を課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段および効果】
本出願の請求項1記載の発明は、入力された操舵力に応じて車両の転舵輪を転舵すべく軸方向に移動自在なラック軸と、該ラック軸の径方向外方に同軸に配置された円筒状の回転部材を有するとともに該回転部材の回転を前記ラック軸の前記軸方向の移動に変換する変換機構と、前記ラック軸の径方向外方に同軸に配置された円筒状の出力軸を有するとともに前記操舵力を補助する補助力を発生する電動モータとを備え、前記回転部材は前記出力軸と嵌合されて該出力軸により回転駆動される電動パワーステアリング装置において、前記回転部材および前記出力軸のいずれか一方の嵌合部の外周には、所定値以上の大きさのトルクにより破断される突起が一体成形され、他方の嵌合部の内周には該突起と係合する溝が設けられ、前記一方の嵌合部の前記外周は、前記他方の嵌合部の前記内周に嵌合し、前記一方の嵌合部の前記外周には、前記突起が形成されていない前記軸方向での端面寄りに、外周部分が形成されており、前記他方の嵌合部の前記内周には、前記外周部分と全周で接する内周部分が形成されている電動パワーステアリング装置である。
【0013】
このような請求項記載の発明によれば、破断トルクにより破断される突起は、電動モータのラック軸と同軸に配置された円筒状の出力軸または入力された操舵力に応じて車両の転舵輪を転舵すべく軸方向に移動自在なラック軸に電動モータの発生する操舵補助力を伝達する変換機構の構成要素であってラック軸と同軸に配置された円筒状の回転部材に一体成形されているので、部品点数を削減できる。また、出力軸と回転部材とを嵌合させるのみで、フェールセーフ機能を実現するための機構の組み付けが完了すること、さらにラック軸、出力軸および回転部材が同軸に形成されていて、ラック軸、出力軸を有する電動モータおよび回転部材の組み付けも嵌合方向からの組み付けでできることから、フェールセーフ機能を実現するための機構を構成する部材自体を含めた組み付け性が向上する。さらに、電動モータの出力軸に突起または回転部材の突起と係合する溝が形成されているので、電動モータの挙動により破断トルクが発生した場合、変換機構には大きなトルクが伝達されないようにするトルクリミット機能がなされ、変換機構を構成する部材に過大な力が作用することはなく、それら部材の保護ができる。
【0014】
【発明の実施形態】
以下、本出願発明の一実施形態を図1ないし図3を参照して説明する。
図1は、本出願発明の実施形態である電動パワーステアリング装置の概略全体図、図2は、出力軸およびボールナットとの結合部の断面図、図3は、図2のIII−III線断面図である。
【0015】
図1に図示されるように、電動パワーステアリング装置1は、車両の左右方向に水平に延びるハウジング2を備えており、ハウジング2内には、作動部材であるラック軸3が、水平に延びてかつ軸方向に移動自在に配置されている。ハウジング2は、ステアリングギヤボックス2a、モータハウジング2bおよびボールねじ機構ハウジング2cを有している。また、ラック軸3の両端部は、図示されないボールジョイントを介してタイロッドに連結され、さらにタイロッドは、転舵機構を介して車両の転舵輪に連結されている。
【0016】
ハウジング2の一端部に設けられたステアリングギヤボックス2aには、ステアリングホイールが一体的に取り付けられたステアリング軸にジョイントを介して連結されている入力軸4が、軸受を介して回動自在に支持されている。ステアリングギヤボックス2a内では、出力軸が軸受を介して該ギヤボックス2aに回動自在に支持されており、さらに入力軸4が、トーションバーを介して、所定回動範囲で相対的に回動可能に出力軸と連結されている。
【0017】
出力軸の下端部にはピニオンが形成されていて、ラック軸3に形成されたラック部と噛み合っている。そのため、ステアリングホイールからの操舵力の入力により、ステアリング軸、入力軸4、捩れを伴ったトーションバーそして出力軸が回動し、その出力軸の回動に応じて、ピニオンとラック部の噛み合いにより、ラック軸3が軸方向に移動できるようになっている。
【0018】
一方、モータハウジング2b内には、ラック軸3と同軸に配置されるとともに操舵力を補助する補助力を発生する電動モータ5が収容されている。電動モータ5は、円筒状に形成されたステータの内側において回転自在に支持された円筒状のロータ6を有していて、該ロータ6は、ラック軸3の径方向外方に間隔を置いてラック軸3と同軸となるようにされている。そして、ロータ6の内周には、電動モータ5の円筒状の出力軸7がロータ6と一体的に回転するように挿入されて固定されている。この出力軸7は、その内周とラック軸3との間に径方向の間隙が形成されるようにラック軸3の径方向外方に位置しており、しかもラック軸3と同軸となっている。さらに、出力軸7の一部は、ロータ6の一端部から後述するボールねじ機構20に向けて軸方向に突出して延びている。
【0019】
モータハウジング2bのステアリングギヤボックス2a側とは反対側に隣接して形成されたボールねじ機構ハウジング2c内には、ラック軸3の径方向外方に配置された回転部材であるボールナット21が、ラック軸3と同軸に設けられている。ボールナット21は、アンギュラ玉軸受22を介して該ハウジング2cに回転自在にかつ軸方向に移動不能に支持されている。また、ラック軸3は、その中央位置近傍からボールねじ機構20が設けられた側の端部に至る範囲の外周に螺旋状のねじ溝が形成されたねじ溝部23を有していて、該ねじ溝とボールナット21の内周に形成された螺旋状のねじ溝との間に形成された空間には、多数のボール24が転動自在に介在している。なお、ボールナット21には、ボールナット21の回転につれて軸方向に進行したボール24を後方に戻す通路が設けられている。
【0020】
それゆえ、これらボールナット21、ラック軸3のねじ溝部23およびボール24が構成要素となってボールねじ機構20が形成され、ボールねじ機構ハウジング2c内に収容されている。そして、このボールねじ機構20は、ボールナット21の回転によりラック軸3の軸方向の移動を生じさせることから、ボールナット21の回転をラック軸3の軸方向の移動に変換する変換機構を構成している。
【0021】
図2および図3に図示されるように、出力軸7のロータ6から突出した部分の先端部は、ボールナット21の内周の電動モータ5側に嵌合される嵌合部となっている。該嵌合部の外周には、周方向に相互に等間隔にかつ軸方向に延びて形成された4個の突起7aが、例えばプレス加工により一体成形されている。そして、この嵌合により出力軸7とボールナット21とが結合され、電動モータ5の出力軸7によりボールナット21が駆動され、ボールナット21の回転がラック軸3のねじ溝部23に伝達されラック軸3が移動される。この点で、ボールナット21は、電動モータ5の出力軸7により駆動される従動部材であり、またボールねじ機構20は、電動モータ5の出力軸7により駆動される従動部材であるボールナット21の動きをラック軸3に伝達する伝達機構であるともいえる。
【0022】
出力軸7の嵌合部において、突起7aが形成されている軸方向範囲は、出力軸7の先端面(すなわち、軸方向での端面である。)から所定距離を置いた地点から、出力軸7の嵌合部が嵌合された状態で、ボールナット21の端面位置より出力軸7の先端面に向けて所定距離を置いた地点までである。これら所定距離は、必要に応じて適宜設定されるが、後述する破断された突起7aの溝21aからの脱落をより確実に防止するためには、ボールナット21端面位置側の距離は、大きい方が好ましい。
【0023】
一方、ボールナット21の内周において、出力軸7の嵌合部が嵌合される部分であるボールナット21の嵌合部には、ボールナット21の端面(すなわち、軸方向での端面である。)から軸方向に延びる4個の溝21aが形成されている。溝21aは、出力軸7の突起7aに対応する位置に、すなわち周方向に相互に等間隔に形成されている。
【0024】
溝21aの軸方向長さは、出力軸7が嵌合された状態で、出力軸7の嵌合部の軸方向長さより短くされていて、ボールナット21の嵌合部の内周に、出力軸7の突起7aが形成されていない先端面寄りの外周部分7bと全周で接する内周部分21 が形成されるような長さに設定される。これにより、嵌合部での軸心合わせが容易となる。溝21aの深さは、突起7aの高さと同じか、突起7aの高さより僅かに大きくされていて、破断された突起7aが溝21aに収容されて保持されるようになっている。
【0025】
なお、突起7aおよび溝21aの個数は、この実施形態ではそれぞれ4個であるが、この個数に限られるものではなく、設定すべき破断トルクの大きさに応じて1個または複数とすることができる。また、突起7aの軸方向の長さを変更することにより、破断トルクの大きさを変更できる。
【0026】
こうして、電動パワーステアリング装置1の正常な作動状態での電動モータ5による操舵補助力の伝達では、ボールナット21と出力軸7との間に生じるトルクは破断トルクより小さいので、突起7aはボールナット21の嵌合部の溝21aとの係合により、出力軸7のトルクをボールナット21に伝達する。そして、出力軸7とボールナット21との間に破断トルクが作用すると、突起7aは破断され、出力軸7およびボールナット21は、それぞれ独立して回転することができるようになる。
【0027】
ここで、出力軸7とボールナット21との間には、次のような場合に破断トルクが作用する。
【0028】
すなわち、電動モータ5のロータ6が何らかの原因により機械的にロックしたとき、ステアリングホイールの操作に基づく操舵トルク(操舵力)は、入力軸4を経て出力軸からラック軸3に伝達され、さらにラック軸3を介してボールねじ機構20のボールナット21に伝達される。しかしながら、出力軸7はロックしているため、ボールナット21と出力軸7との間に、突起7aを剪断力により破断する破断トルクが生じる。
【0029】
また、例えば、ラック軸3がストロークエンド付近にある状態で、転舵輪の縁石への乗り上げや、ラック軸3が高速でラック軸ストッパに突き当たったとき、ラック軸3の移動は直ちに停止するにも拘わらず、電動モータ5のロータ6はその慣性により回転し続ける。そのため、ロータ6のその慣性回転により出力軸7も回転されて、出力軸7とボールナット21との間に、突起7aを剪断力により破断する破断トルクが生じる。
【0030】
そして、組み付けにあたっては、突起7aが形成された電動モータ5の出力軸7を、ボールねじ機構20のボールナット21の内周に嵌合させるだけでよいため、その組み付けは容易である。さらにラック軸3、出力軸7およびボールナット21が同軸に形成されていて、ラック軸3、出力軸7を有する電動モータ5およびボールナット21を有するボールねじ機構20の組み付けも、出力軸7とボールナット21との嵌合方向からの組み付けによりなされることから、フェールセーフ機能を実現するための機構を構成する部材自体の組み付け性が向上する。
【0031】
このように構成された実施形態の作動を説明する。
運転者が操舵すべくステアリングホイールを回動させると、ステアリングホイールと一体のステアリング軸が回動し、その回動がジョイントを介して入力軸4に伝達される。入力軸4は、トーションバーに捩れを生じさせつつ出力軸を回動させて、その回動が、ピニオンとラック軸3のラック部との噛み合いにより、ラック軸3に軸方向の移動を生じさせる。そして、その移動がタイロッド、さらには転舵機構を介して転舵輪に伝達され、操舵力に応じた転舵輪の転舵が行われる。
【0032】
一方、トーションバーの捩れの大きさから操舵力が検出されて、その検出された操舵力に応じた制御信号に基づいて電動モータ5が駆動される。そして、駆動された電動モータ5により回転駆動される出力軸7から突起7aを介して伝達されるトルクにより、ボールナット21がラック軸3のねじ溝部23の周りで回転駆動される。ボールナット21の回転により、ボールと噛み合うねじ溝部23を有するラック軸3がその軸方向に移動してタイロッドが移動し、さらに転舵機構を介して転舵輪が転舵されて、ステアリングホイールからの操作力の補助を行う。
【0033】
そして、電動モータ5のロータ6に機械的なロックが生じたときは、ステアリングホイールからの操舵トルクにより、ボールナット21と出力軸7との間に破断トルクが生じ、突起7aが破断される。すると、ボールナット21は出力軸7に拘束されることなく自由に回転できるようになるため、ステアリングホイールの操舵トルクのみによりラック軸3が移動されて、転舵輪が転舵され、フェールセーフ機能がなされる。このことから、破断トルクにより破断される突起7aが形成された出力軸7と、該突起7aが係合する溝21aが形成されたボールナット21とは、フェールセーフ機能を実現するための機構を構成する。
【0034】
また、ラック軸3がストロークエンド付近にある状態での転舵輪の縁石への乗り上げ時には、電動モータ5のロータ6の慣性回転に基づいて、出力軸7とボールナット21との間に、突起7aを剪断力により破断する破断トルクが生じ、突起7aが破断される。すると、出力軸7からボールナット21へのトルク伝達機能は殆ど失われるので、ボールナット21が大きなトルクで回転されることはなく、トルクリミット機能がなされる。その結果、ボールねじ機構20の構成要素であるラック軸3のねじ溝、ボールナット21のねじ溝およびボールに過大な力が作用することはない。
【0035】
さらに、破断された突起7aは溝21aに収容されて保持される。万が一、破断した突起7aが溝21aから脱落したとしても、ねじ溝部23が形成されたラック軸3は出力軸7の内側に配置され、しかも出力軸7の嵌合部の先端寄りの外周部分7bは、ボールナット21の嵌合部の内周部分21 と全周で接しており、さらにボールナット21を支持するアンギュラ玉軸受22が、ボールねじ機構ハウジング2c内で、径方向に延びる隔壁となっているので、脱落した突起7aがボールねじ機構20のねじ溝などに噛み込まれることはない。
【0036】
この実施形態は、前記のように構成されているので、以下の効果を奏する。
破断トルクにより破断される突起7aは、電動モータ5の出力軸7に一体成形されているので、部品点数を削減できる。また、出力軸7とボールナット21とを嵌合させて、出力軸7の突起7aとボールナット21の溝21aとを係合させるのみで、フェールセーフ機能を実現するための機構を構成する部材同士の組み付けが完了するので、組み付け性が向上する。
【0037】
さらに、ラック軸3、出力軸7およびボールナット21が同軸に形成されていて、ラック軸3、出力軸7を有する電動モータ5およびボールナット21を有するボールねじ機構20の組み付けも、出力軸7とボールナット21との嵌合方向からの組み付けによりなされることから、フェールセーフ機能を実現するための機構を構成する部材自体の組み付け性が向上する。
【0038】
さらに、ボールナット21に出力軸7の突起7aと係合する溝21aが形成されているので、電動モータ5の挙動により破断トルクが発生した場合、ボールねじ機構20には大きなトルクが伝達されないようにするトルクリミット機能がなされ、ボールねじ機構20を構成する部材に過大な力が作用することはなく、それら部材の保護ができる。
【0039】
出力軸7およびボールナット21は、ラック軸3と同様に水平方向に配置されて、突起7aおよび突起7aが係合する溝21aは水平方向に沿って形成されることになるため、破断された突起7aは、溝21aに収容されて、脱落することがない。そのため、破断した突起7aの脱落防止のための工程または部材を付加する必要はないので、この点でも、組み付け性の向上または部品点数の削減ができる。また、万が一、破断した突起7aが脱落したとしても、ねじ溝部23が形成されたラック軸3は出力軸7の内側に配置され、しかも出力軸7の嵌合部の先端寄りの外周部分7bは、ボールナット21の嵌合部の内周部分21 と全周で接しており、さらにボールナット21が軸受22を介してボールねじ機構ハウジング2cに収容されているため、脱落した突起7aがボールねじ機構20のねじ溝などに噛み込まれることはない。
【0040】
突起7aの長さを変更することにより破断トルクの大きさを調整することが可能であることから、破断トルクの調整が簡単にできる。
【0041】
なお、前記実施形態では、出力軸7は一つの部材で形成されていたが、出力軸7は、出力軸7の少なくとも嵌合部となる部分が、残りの部分とは別の部材で形成され、固着手段により両者が一体にされたものであってもよい。
【0042】
前記実施形態では、突起7aは電動モータ5の出力軸7の外周に形成され、突起7aに係合する溝21aがボールナット21の内周に形成されていたが、突起をボールナット21の内周に形成し、該突起に係合する溝を出力軸7の外周に形成してもよい。また、前記実施形態では、出力軸7の外周がボールナット21の内周に嵌合されたが、出力軸7の内周にボールナット21の外周が嵌合されるようして、各嵌合部に突起または溝を形成するようにしてもよい。いずれの場合にも、前記実施形態と同じ効果が奏される。
【0043】
前記実施形態では、突起7aは軸方向に延びて形成されたものであったが、径方向に突出するものであればどのようなものでよく、例えば径方向に延びる円柱状の突起であってもよい。
【0044】
前記実施形態では、電動モータ5の出力軸7がボールねじ機構20のボールナット21に嵌合されたが、ボールナットに嵌合されるのは、電動モータの出力軸に取り付けられた歯車と噛み合う歯車であってもよい。この場合は、出力軸に取り付けられた歯車と噛み合う歯車が、ボールナットを駆動する駆動部材となる。また、電動モータの出力軸または電動モータにより駆動される駆動部材が嵌合する部材は、ボールねじ機構20のボールナット21ではなく、出力軸または駆動部材により駆動される従動部材であって、入力された操舵力に応じて車両の転舵輪を転舵すべく移動自在なラック軸等の作動部材に電動モータの発生する操舵補助力を伝達する任意の構造を有する伝達機構に設けられた従動部材であってよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本出願発明の一実施形態である電動パワーステアリング装置の概略全体図である。
【図2】図1の出力軸およびボールナットの結合部の断面図である。
【図3】図2のIII−III線断面図である。
【符号の説明】
1…電動パワーステアリング装置、2…ハウジング、3…ラック軸、4…入力軸、5…電動モータ、6…ロータ、7…出力軸、7a…突起、
20…ボールねじ機構、21…ボールナット、21a…溝、22…軸受、23…ねじ溝部、24…ボール。

Claims (1)

  1. 入力された操舵力に応じて車両の転舵輪を転舵すべく軸方向に移動自在なラック軸と、該ラック軸の径方向外方に同軸に配置された円筒状の回転部材を有するとともに該回転部材の回転を前記ラック軸の前記軸方向の移動に変換する変換機構と、前記ラック軸の径方向外方に同軸に配置された円筒状の出力軸を有するとともに前記操舵力を補助する補助力を発生する電動モータとを備え、前記回転部材は前記出力軸と嵌合されて該出力軸により回転駆動される電動パワーステアリング装置において、
    前記回転部材および前記出力軸のいずれか一方の嵌合部の外周には、所定値以上の大きさのトルクにより破断される突起が一体成形され、他方の嵌合部の内周には該突起と係合する溝が設けられ
    前記一方の嵌合部の前記外周は、前記他方の嵌合部の前記内周に嵌合し、
    前記一方の嵌合部の前記外周には、前記突起が形成されていない前記軸方向での端面寄りに、外周部分が形成されており、
    前記他方の嵌合部の前記内周には、前記外周部分と全周で接する内周部分が形成されていることを特徴とする電動パワーステアリング装置。
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