JP4042817B2 - 中性粒子ビーム処理装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、中性粒子ビーム処理装置、特に高密度プラズマから高指向性で且つ高密度の中性粒子ビームを生成し、被処理物を加工する中性粒子ビーム処理装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、半導体集積回路、ハードディスク等の情報記憶媒体、あるいはマイクロマシーン等の分野において、その加工パターンが著しく微細化されている。かかる分野の加工においては、直進性が高く(高指向性であり)、且つ比較的大口径で高密度のイオンビーム等のエネルギービームを照射して被処理物の成膜又はエッチングなどを施す技術が注目されている。
【0003】
このようなエネルギービームのビーム源としては、正イオン、負イオン、ラジカル粒子等の各種のビームを生成するものが知られている。このような正イオン、負イオン、ラジカル粒子等のビームをビーム源から被処理物の任意の部位に照射することで、被処理物の局所的な成膜やエッチング、表面改質、接合、接着などを行うことができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
正イオンや負イオンなどの荷電粒子を被処理物に照射するビーム源においては、被処理物に電荷が蓄積するため絶縁物を処理することができない(チャージアップ現象)。また、空間電荷効果でイオンビームが発散してしまうため微細な加工をすることができない。
【0005】
これを防ぐためにイオンビームに電子を注ぎ込むことで電荷を中和することも考えられているが、この方法では全体的な電荷のバランスは取れるものの、局所的には電荷のアンバランスが生じており、やはり微細な加工をすることができない。
【0006】
また、プラズマ源からイオンを引き出して被処理物に照射する場合において、プラズマから発生する紫外線などの放射光が被処理物に照射されると被処理物に悪影響を与えることとなるので、プラズマから放出される紫外線などの放射光を遮蔽する必要がある。
【0007】
本発明は、このような従来技術の問題点に鑑みてなされたもので、安価且つコンパクトな構成で大口径のビームを被処理物に照射することができると共に高い中性化率を得ることができ、チャージフリー且つダメージフリーな中性粒子ビーム処理装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
このような従来技術における問題点を解決するために、本発明の一態様は、被処理物を保持する保持部と、真空チャンバ内に配置され、プラズマから放出される紫外線を遮蔽するオリフィス電極と、上記真空チャンバ内に上記オリフィス電極に対して上流側に配置されたグリッド電極と、上記オリフィス電極と上記グリッド電極との間に高周波電圧を印加することで上記オリフィス電極と上記グリッド電極との間にプラズマを生成する交流電源と、陽極としての上記オリフィス電極と陰極としての上記グリッド電極との間に直流電圧を印加することで、上記高周波電圧の印加により生成されたプラズマから負イオンを加速して上記オリフィス電極に形成されたオリフィスを通過させる直流電源、上記交流電源及び上記直流電源にそれぞれ接続され、上記交流電源による高周波電圧の印加のタイミングと上記直流電源による直流電圧の印加のタイミングを同期させる2つの変調装置とを備え、上記交流電源による高周波電圧の印加を停止しているときに、上記直流電源は上記オリフィス電極と上記グリッド電極との間に直流電圧を印加して、プラズマから負イオンを加速し、上記オリフィスを通過させることで、上記負イオンを該オリフィス内で中性化させ、上記オリフィス電極の厚さが該オリフィス電極に形成されたオリフィスの径の2倍以上であり、上記オリフィス電極が導電体で形成されていることを特徴とする中性粒子ビーム処理装置である。
【0009】
このような構成により、電荷を持たず大きな並進運動エネルギーを持つ中性粒子線によって被処理物を加工することが可能となるので、チャージアップ量を小さく保ちつつ高精度のエッチングや成膜加工が可能となる。特に、負イオンを中性化する手段としてオリフィス電極を用いることによって高い中性化率が得られるので、装置を大型化せずに安価にビームを大口径化することが可能となる。更に、生成されたプラズマと被処理物とはオリフィス電極によって遮断されるので、プラズマから発生する放射光は被処理物に照射されず、被処理物に損傷を与えるような紫外線などの被処理物への影響を低減することができる。
【0011】
また、オリフィス電極は負イオンを中性化する手段としてだけでなく、プラズマを生成する手段としても利用することができる。従って、上記のように構成した場合には、オリフィス電極による高い中性化率を得ることができるだけでなく、プラズマを生成するためのプラズマ生成部を別に設ける必要がなくなる。このため、装置をよりコンパクトにして安価にビームを大口径化することが可能となる。
【0012】
また、オリフィス電極の厚さをオリフィス電極に形成されたオリフィスの穴径の2倍以上とすると、オリフィスにおいて負イオンを中性化する確率を高めることができると同時に、プラズマからの放射光の被処理物への照射強度を著しく低減することができる。
【0013】
また、オリフィス電極を導電体とすれば、オリフィス電極に正の直流電圧や負の直流電圧を印加することで、プラズマから正イオンと負イオンの双方を加速することが可能となる。また、オリフィス電極に印加する電圧を400kHz程度の低周波電圧とすれば、正イオンと負イオンとを交互に加速することが可能となる。この場合は、オリフィス電極の表面は誘電膜で覆われていてもよい。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る中性粒子ビーム処理装置の第1の実施形態について図1乃至図3を参照して詳細に説明する。図1は、本発明の第1の実施形態における中性粒子ビーム処理装置の全体構成を示す図である。
【0015】
図1に示すように、中性粒子ビーム処理装置は、中性粒子ビームを生成するビーム生成室1と半導体基板、ガラス、有機物、セラミックスなどの被処理物Xの加工を行う処理室2とを有する円筒状の真空チャンバ3を備えている。この真空チャンバ3は、ビーム生成室1側が石英ガラス又はセラミックなどにより構成され、処理室2側が金属製のメタルチャンバなどにより構成されている。
【0016】
ビーム生成室1の外周には誘導結合型のコイル10が配置されている。このコイル10は、例えば水冷パイプのコイルであり、8mmφ程度の外径を有するコイルが2ターン程度ビーム生成室1に巻回されている。このコイル10は、マッチングボックス100を介して高周波電源101に接続されており、例えば、13.56MHzの高周波電圧がコイル10に印加される。これらのコイル10、マッチングボックス100、高周波電源101によってプラズマ生成部が構成されている。即ち、コイル10に高周波電流を流すことで誘導磁場を生じさせ、その変位電流によりガス中の原子・分子が電離されプラズマが生成する。
【0017】
ビーム生成室1の上部には、真空チャンバ3内にガスを導入するガス導入ポート11が設けられており、このガス導入ポート11はガス供給配管12を介してガス供給源13に接続されている。このガス供給源13からはSF,CHF,CF,Cl,Ar,O,N,C等などのガスが真空チャンバ3内に供給される。
【0018】
処理室2には、被処理物Xを保持する保持部20が配置されており、この保持部20の上面に被処理物Xが載置されている。処理室2にはガスを排出するためのガス排出ポート21が設けられており、このガス排出ポート21はガス排出配管22を介して真空ポンプ23に接続されている。この真空ポンプ23によって処理室2は所定の圧力に維持される。
【0019】
ビーム生成室1の下端には、グラファイトなどの導電体で形成されたオリフィス板(オリフィス電極)4が配置されており、このオリフィス電極4は接地電位とされる。また、このオリフィス電極4の上方には、同様に導電体で形成された薄板グリッド状のグリッド電極5が配置されている。このグリッド電極5はバイポーラ電源102(電圧印加部)に接続されている。図2は、オリフィス電極4及びグリッド電極5の斜視図(図2(a))と部分縦断面図(図2(b))である。図2に示すように、オリフィス電極4には多数のオリフィス4aが形成されており、同様にグリッド電極5には多数のグリッド穴5aが形成されている。なお、グリッド電極5はメッシュ網やパンチングメタルなどであってもよい。
【0020】
コイル10に接続される高周波電源101とバイポーラ電源102とにはそれぞれ変調装置103、104が接続されている。高周波電源101とバイポーラ電源102とは変調装置103、104を介して互いに接続されており、変調装置103、104間の同期信号によって、高周波電源101による電圧印加のタイミングとバイポーラ電源102による電圧印加のタイミングとが同期される。
【0021】
次に、本実施形態における中性粒子ビーム処理装置の動作について説明する。図3は、本実施形態における動作状態を示すタイムチャートである。図3において、Vaはコイル10の電位、Teはビーム生成室1内の電子温度、neはビーム生成室1内の電子密度、niはビーム生成室1内の負イオン密度、Vbはグリッド電極5の電位をそれぞれ示している。
【0022】
まず、真空ポンプ23を作動させることにより、真空チャンバ3内を真空排気した後に、ガス供給源13からSF,CHF,CF,Cl,Ar,O,N,C等などのガスを真空チャンバ3の内部に導入する。そして、図3に示すように、13.56MHzの高周波電圧を高周波電源101によって10μ秒間コイル10に印加する。この高周波電圧の印加によってビーム生成室1内には高周波電界が形成される。真空チャンバ3内に導入されたガスは、この高周波電界によって加速された電子により電離され、ビーム生成室1内に高密度プラズマが生成される。このときに形成されるプラズマは、主として正イオンと加熱された電子とからなるプラズマである。
【0023】
そして、高周波電源101による高周波電圧の印加を100μ秒間停止する。高周波電源101による高周波電圧の印加の停止後は、再び高周波電源101による10μ秒間の高周波電圧の印加によってビーム生成室1内においてプラズマ中の電子が加熱され、上述したサイクルが繰り返される。即ち、高周波電界の印加(10μ秒間)と印加の停止(100μ秒間)を交互に繰り返す。この高周波電界の印加停止時間(100μ秒間)は、プラズマ中の電子が残留している処理ガスに付着して負イオンが生成されるのに要する時間よりも十分に長く、且つプラズマ中の電子密度が低下してプラズマが消滅するよりも十分に短い時間である。高周波電界の印加時間(10μ秒間)は、この高周波電界の印加を停止している間に低下したプラズマ中の電子のエネルギーを回復させるのに十分な時間である。
【0024】
このプラズマ中の電子のエネルギーを高めた後の高周波電界の印加停止により、負イオンを効率よく且つ継続して生成することができる。即ち、通常のプラズマは正イオンと電子とからなる場合が多いが、正イオンと共に負イオンが共存した状態のプラズマを効率的に形成することができる。なお、ここでは、高周波電界の印加停止時間を100μ秒に設定する例について述べたが、50μ秒乃至100μ秒に設定することで、プラズマ中に正イオンのみならず負イオンを多量に生成することができる。
【0025】
高周波電源101による電圧の印加の停止から50μ秒後に、バイポーラ電源102によって−100Vの直流パルス電圧をグリッド電極5に50μ秒間印加する。この直流電圧の印加によって、グリッド電極5の電位Vbがオリフィス電極4の電位(接地電位)よりも低くなり、オリフィス電極4とグリッド電極5との間には、オリフィス電極4を陽極、グリッド電極5を陰極とした電位差が生じる。従って、グリッド電極5からオリフィス電極4側に漏れ出た負イオン6(図2(b)参照)は、この電位差によってオリフィス電極4に向けて加速され、オリフィス電極4に形成されたオリフィス4aに入っていく。
【0026】
オリフィス電極4のオリフィス4aの内部を通過する負イオン6は、主として、オリフィス4aの周壁の固体表面近傍において中性化され、あるいは、オリフィス4aの内部に残留しているガスとの電荷交換によって中性化され、中性粒子7となる。オリフィス4aの通過中に中性化された負イオン6(中性粒子7)は、エネルギービームとして処理室2の内部に放射される。この中性粒子7は、処理室2の内部を直進して保持部20に載置された被処理物Xに照射され、この中性粒子7によってエッチング、クリーニング、窒化処理や酸化処理などの表面改質、成膜などの処理を行うことが可能となる。
【0027】
この場合において、オリフィス電極は、負イオンを中性化する手段としてだけではなく、プラズマから発生する放射光が被処理物に照射されるのを防止する手段としても機能する。即ち、プラズマが生成されるビーム生成室1と被処理物Xとはオリフィス電極4によって遮断されているので、プラズマから発生する放射光は被処理物Xに照射されず、被処理物Xに損傷を与えるような紫外線などの被処理物Xへの影響を低減することができる。
【0028】
このようなオリフィス電極4の厚さlは、オリフィス4aの穴径dの2倍以上であることが好ましい。オリフィス電極4の厚さlをオリフィス4aの穴径dの2倍以上とすると、オリフィス4aにおいて負イオンを中性化する確率を高めることができると同時に、プラズマからの放射光の被処理物Xへの照射強度を著しく低減することができる。
【0029】
なお、一部の荷電粒子もオリフィス電極4のオリフィス4aを通過する場合があるが、このような荷電粒子が被処理物Xに照射されることを防止するために、オリフィス電極4の下流側にディフレクタや電子トラップを設けることとしてもよい。ディフレクタは、真空チャンバ3の径方向に電圧を印加することによって荷電粒子の進行方向を変化させて、荷電粒子の被処理物Xへの照射を防止するものである。また、電子トラップは、径方向に磁界を形成することによって荷電粒子の進行方向を変化させて、荷電粒子の被処理物Xへの照射を防止するものである。
【0030】
ガラスやセラミック材料等の絶縁物の加工に際しては、表面にチャージアップという問題が生じるが、このように中性化された中性粒子を照射することによりチャージアップ量を小さく保ちながら、高精度のエッチングや成膜加工が可能となる。なお、被処理物の処理の内容に応じてガスの種類を使い分ければよく、ドライエッチングでは被処理物の違いに応じて酸素やハロゲンガスなどを使い分けることができる。
【0031】
本実施形態では、プラズマの負イオンを中性化するため、O,Cl,SF,CHF,Cなどの負イオンを生成しやすいガスをビーム生成室1に導入することが好ましい。これらのガスを用いて上述した高周波誘導結合(ICP)などにより高密度プラズマを発生させた後に高周波電圧の印加を停止すると、プラズマ中に多数の負イオンが発生し、負イオンを容易に加速し中性化することができる。
【0032】
本実施形態では、グリッド電極5をコイル10の下流側に配置した例を説明したが、グリッド電極をコイル10の上流側に配置することもできる。この場合は、グリッド電極に穴が1つも形成されていなくてもよい。図4はグリッド電極50をコイル10の上流側に配置した場合の中性粒子ビーム処理装置の全体構成を示す図である。この場合には、ビーム生成室1内に生成されたプラズマ中の負イオンはグリッド電極50とオリフィス電極4との間で加速されることとなる。
【0033】
なお、上述した実施形態においては、ICP型コイルを用いてプラズマを生成した例を説明したが、ECR(Electron Cyclotron Resonance)、ヘリコン波プラズマ用コイル、マイクロ波等を用いてプラズマを生成することとしてもよい。
【0034】
次に、本発明に係る中性粒子ビーム処理装置の第2の実施形態について図5及び図6を参照して詳細に説明する。なお、上述の第1の実施形態における部材又は要素と同一の作用又は機能を有する部材又は要素には同一の符号を付し、特に説明しない部分については第1の実施形態と同様である。図5は、本発明の第2の実施形態における中性粒子ビーム処理装置の全体構成を示す図である。
【0035】
本実施形態における真空チャンバ30は金属で形成されたメタルチャンバであり、その内部の上流側に導電体で形成された薄板グリッド状のグリッド電極(第2の電極)8を備えている。真空チャンバ30とグリッド電極8とは電気的に接続されており、これらは接地電位とされている。
【0036】
また、オリフィス電極4には、図5に示すように、交流電源(第1の電圧印加部)105と直流電源(第2の電圧印加部)106とが並列に接続されている。これらの電源105、106にはそれぞれ変調装置107、108が接続されている。また、交流電源105の変調装置107と直流電源106の変調装置108とは、同期信号によって互いに同期をとることができるようになっている。なお、真空チャンバ30とオリフィス電極4とは絶縁物(図示せず)によって電気的に絶縁されている。
【0037】
次に、本実施形態における中性粒子ビーム処理装置の動作について説明する。図6は、本実施形態における動作状態を示すタイムチャートである。図6において、Vcは交流電源105における電位、Teはビーム生成室1内の電子温度、neはビーム生成室1内の電子密度、niはビーム生成室1内の負イオン密度、Vdは直流電源106の電位、Veはオリフィス電極4の電位をそれぞれ示している。
【0038】
まず、真空ポンプ23を作動させることにより、真空チャンバ30内を真空排気した後に、ガス供給源13からガスを真空チャンバ30の内部に導入する。そして、図6に示すように、交流電源105により13.56MHzの高周波電圧を10μ秒間オリフィス電極4に印加する。この高周波電圧の印加によってビーム生成室1内には高周波電界が形成される。真空チャンバ30内に導入されたガスは、この高周波電界によって加速された電子により電離され、ビーム生成室1内に高密度プラズマが生成される。
【0039】
そして、交流電源105による高周波電圧の印加を100μ秒間停止する。高周波電圧の印加の停止後は、再び交流電源105による10μ秒間の高周波電圧の印加によってビーム生成室1内においてプラズマ中の電子が加熱され、上述したサイクルが繰り返される。即ち、高周波電界の印加(10μ秒間)と印加の停止(100μ秒間)を交互に繰り返す。
【0040】
このプラズマ中の電子のエネルギーを高めた後の高周波電界の印加停止により、負イオンを効率よく且つ継続して生成することができる。即ち、通常のプラズマは正イオンと電子とからなる場合が多いが、正イオンと共に負イオンが共存した状態のプラズマを効率的に形成することができる。
【0041】
交流電源105による電圧の印加の停止から50μ秒後に、直流電源106によって+100Vの直流電圧をオリフィス電極4に50μ秒間印加する。この直流電圧の印加によって、オリフィス電極4の電位Veがグリッド電極8の電位(接地電位)よりも高くなり、オリフィス電極4とグリッド電極8との間には、オリフィス電極4を陽極、グリッド電極8を陰極とした電位差が生じる。従って、グリッド電極8とオリフィス電極4との間の負イオンは、この電位差によってオリフィス電極4に向けて加速され、オリフィス電極4に形成されたオリフィス4aに入っていく。
【0042】
オリフィス電極4のオリフィス4aの内部を通過する負イオンは、上述の第1の実施形態と同様に中性化されて中性粒子となり、エネルギービームとして処理室2の内部に放射される。この中性粒子は、処理室2の内部を直進して保持部20に載置された被処理物Xに照射される。
【0043】
上述したように、本実施形態では、オリフィス電極4とグリッド電極8との間に高周波電圧と直流電圧を交互に印加することによって、プラズマを生成すると共に生成されたプラズマから負イオンを引き出すことができ、プラズマを生成するためのプラズマ生成部を別に設ける必要がなくなる。このため、装置をよりコンパクトにして安価にビームを大口径化することが可能となる
【0044】
上述した実施形態における高周波の周波数領域は、13.56MHzに限られるものではなく、1MHz〜20GHzの領域を用いてもよい。
【0045】
これまで本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されず、その技術的思想の範囲内において種々異なる形態にて実施されてよいことは言うまでもない。
【0046】
【発明の効果】
上述したように、本発明によれば、電荷を持たず大きな並進運動エネルギーを持つ中性粒子線によって被処理物を加工することが可能となるので、チャージアップ量を小さく保ちつつ高精度のエッチングや成膜加工が可能となる。特に、負イオンを中性化する手段としてオリフィス電極を用いることによって高い中性化率が得られるので、装置を大型化せずに安価にビームを大口径化することが可能となる。更に、生成されたプラズマと被処理物とはオリフィス電極によって遮断されるので、プラズマから発生する放射光は被処理物に照射されず、被処理物に損傷を与えるような紫外線などの被処理物への影響を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態における中性粒子ビーム処理装置の全体構成を示す図である。
【図2】図1に示すオリフィス電極及びグリッド電極を示す図である。
【図3】本発明の第1の実施形態における動作状態を示すタイムチャートである。
【図4】本発明の他の実施形態における中性粒子ビーム処理装置の全体構成を示す図である。
【図5】本発明の第2の実施形態における中性粒子ビーム処理装置の全体構成を示す図である。
【図6】本発明の第2の実施形態における動作状態を示すタイムチャートである。
【符号の説明】
X 被処理物
1 ビーム生成室
2 処理室
3、30 真空チャンバ
4 オリフィス板(オリフィス電極)
4a オリフィス
5、8、50 グリッド電極
6 負イオン
7 中性粒子
10 コイル
11 ガス導入ポート
12 ガス供給配管
13 ガス供給源
20 保持部
21 ガス排出ポート
22 ガス排出配管
23 真空ポンプ
100 マッチングボックス
101 高周波電源
102 バイポーラ電源(電圧印加部)
103、104、107、108 変調装置
105 交流電源(第1の電圧印加部)
106 直流電源(第2の電圧印加部)

Claims (3)

  1. 被処理物を保持する保持部と、
    真空チャンバ内に配置され、プラズマから放出される紫外線を遮蔽するオリフィス電極と、
    前記真空チャンバ内に前記オリフィス電極に対して上流側に配置されたグリッド電極と、
    前記オリフィス電極と前記グリッド電極との間に高周波電圧を印加することで前記オリフィス電極と前記グリッド電極との間にプラズマを生成する交流電源と、
    極としての前記オリフィス電極と陰極としての前記グリッド電極との間に直流電圧を印加することで、前記高周波電圧の印加により生成されたプラズマから負イオンを加速して前記オリフィス電極に形成されたオリフィスを通過させる直流電源
    前記交流電源及び前記直流電源にそれぞれ接続され、前記交流電源による高周波電圧の印加のタイミングと前記直流電源による直流電圧の印加のタイミングを同期させる2つの変調装置とを備え、
    前記交流電源による高周波電圧の印加を停止しているときに、前記直流電源は前記オリフィス電極と前記グリッド電極との間に直流電圧を印加して、プラズマから負イオンを加速し、前記オリフィスを通過させることで、前記負イオンを該オリフィス内で中性化させ、
    前記オリフィス電極の厚さが該オリフィス電極に形成されたオリフィスの径の2倍以上であり、
    前記オリフィス電極が導電体で形成されていることを特徴とする中性粒子ビーム処理装置。
  2. 前記真空チャンバはビーム生成室と被処理物を加工する処理室とを有し、前記ビーム生成室内には、O,Cl,SF,CHF,Cのいずれかのガスが導入されることを特徴とする請求項1に記載の中性粒子ビーム処理装置。
  3. 前記オリフィス電極の下流側にディフレクタまたは電子トラップを設けることを特徴とする請求項1または2に記載の中性粒子ビーム処理装置。
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