JP4039956B2 - インクジェット記録媒体用水性組成物 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、インクジェット記録方式を利用したプリンターやプロッターに適用されるインクジェット記録媒体に塗工及び/又は内添される水性組成物とそれから得られる記録媒体、及び記録媒体の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、インクジェット記録方式は印刷技術の向上により写真同等の画質が得られるようになってきている。画質向上のために印刷時のインク量が増大し、印刷速度も高速化されているため、インクを瞬時に吸収し、大量のインクを吸収確保できる性能がより高度に求められてきている。現在では、微粒子シリカやアルミナのような無機粒子を用いて記録媒体上に空隙を有する層を設け、その空隙によってインクを吸収させる空隙型が主流となっている。画質の向上のためこれら無機粒子はより微小なものが使用されるようになってきたが、微小になるほど表面積は劇的に増加し、該無機粒子の表面活性が高いために、耐光性や耐黄変性が著しく低下するという問題がある。また耐水性や発色濃度に要求される性能もより高度なものが求められるようになってきている。特開平9−296067や特開平9−296068には、ポリマー粒子をその粒子状態を維持したまま凝集させて被膜化させることにより、粒子同士の間隙による微細孔が多数形成された多孔質膜を得ることが開示されているが、一方で耐水性、発色濃度、耐光性、インク吸収性の性能に対する市場の要求レベルは年々高まっており、アニオン性のポリマー粒子ではこれらの要求に十分な対応ができていなかった。(特許文献1,2)
【0003】
【特許文献1】
特開平9−296067号公報
【0004】
【特許文献2】
特開平9−296068号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、耐水性、発色濃度、耐光性に優れ、且つ、インク吸収性、耐黄変性に優れたインクジェット記録媒体用水性組成物と、それから得られる記録媒体、及びその製造方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記の問題を解決すべく、鋭意検討した結果、カチオン性有機高分子粒子と、加熱により不溶化する水溶性ポリマーを含有した水性組成物を支持体に塗工することで、耐水性、印字濃度、耐光性に優れた効果を発揮するインクジェット記録媒体が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、以下の[1]〜[7]に記載した事項により特定される。
[1]カチオン性有機高分子粒子と、加熱により不溶化する水溶性ポリマーを含有した水性組成物であり、安定に分散していた有機高分子粒子が加熱により不安定化し凝集することを特徴とする、インクジェット記録媒体用水性組成物。
[2]加熱により不溶化する水溶性ポリマーがセルロール誘導体、ポリアミド誘導体、ポリビニルアルキルエーテルから選択される1種又は2種以上であることを特徴とする、[1]のインクジェット記録媒体用水性組成物。
[3]カチオン性有機高分子粒子が、(A)(メタ)アクリル酸エステル及び/又はスチレン50〜99重量%と(B)その他共重合可能な単量体1〜50重量%の共重合体粒子である(ただし、(A)と(B)の合計を100重量%とする)ことを特徴とする、[1]及び[2]のインクジェット記録媒体用水性組成物。
[4]カチオン性有機高分子粒子が、第3級アミノ基を有する単量体及び/又は第4級アンモニウム塩基を有する単量体を20重量%以下で共重合させてなる[3]のインクジェット記録媒体用水性組成物。
[5]カチオン性有機高分子粒子が、カチオン性界面活性剤、第3級アミノ基を有する単量体及び/又は第4級アンモニウム塩基を有する単量体を50重量%以上100重量%未満で重合又は共重合してなる重合体、および第3級アミノ基を有する単量体及び/又は第4級アンモニウム塩基を有する単量体を重合又は共重合してなる重合体からなる群から選ばれる1種以上の存在下で、(A)(メタ)アクリル酸エステル及び/又はスチレン50〜99重量%と(B)その他共重合可能な単量体1〜50重量%を共重合させたものであることを特徴とする、[3]及び[4]のインクジェット記録媒体用水性組成物。
[6][1]〜[5]のいずれかに記載のインクジェット記録媒体用水性組成物を支持体に内添又は塗工してなる記録媒体。
[7][1]〜[5]のいずれかに記載のインクジェット記録媒体用水性組成物を支持体に内添又は塗工してなる記録媒体の製造方法。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明について以下、詳細に説明する。
【0008】
本発明における重合体の粒子はカチオン性であり、インク中のアニオン性染料を定着させることによって発色濃度、耐水性、耐光性を向上させるものである。
【0009】
カチオン性有機高分子粒子
本発明のカチオン性有機高分子粒子としては第3級アミノ基、第4級アンモニウム塩基、アミジノ基等のカチオン性官能基を有する不飽和結合を有する単量体の(共)重合体、ウレタン重合体、エポキシ重合体の粒子が挙げられる。好ましくは少なくとも(メタ)アクリル酸エステルやスチレン、エチレン、アクリロニトリル等の不飽和結合を有する単量体の(共)重合体であり、より好ましくは、少なくとも(メタ)アクリル酸エステルやスチレンの不飽和結合を有する単量体の(共)重合体であり、より好ましくは、(A)(メタ)アクリル酸エステル及び/又はスチレンを50〜99重量%と、上記以外の共重合可能な単量体(B)を1〜50重量%の割合で重合した有機高分子粒子である。
【0010】
このようなカチオン性有機高分子粒子を得る方法としては、例えば、
(1)(A)(メタ)アクリル酸エステル及び/又はスチレンを50〜99重量%と、上記以外の共重合可能な単量体(B)を1〜50重量%の割合で重合した重合体の粒子において、第3級アミノ基を有する単量体及び/又は第4級アンモニウム塩基を有する単量体を20重量%以下の割合で共重合させる方法がある。
(2)また、(A)(メタ)アクリル酸エステル及び/又はスチレンを50〜99重量%と、上記以外の共重合可能な単量体(B)を1〜50重量%の割合で重合した重合体の粒子に、第4級アンモニウム塩基を有するカチオン性の界面活性剤、第3級アミノ基を有する単量体及び/又は第4級アンモニウム塩基を有する単量体を50重量%以上100重量%未満で重合又は共重合してなる重合体、第3級アミノ基を有する単量体及び/又は第4級アンモニウム塩基を有する単量体を重合又は共重合してなる重合体からなる群から選ばれる1種以上を混合する方法がある。
(3)さらに、第4級アンモニウム塩基を有するカチオン性の界面活性剤、第3級アミノ
基を有する単量体及び/又は第4級アンモニウム塩基を有する単量体を50〜100重量%未満で重合又は共重合してなる重合体、第3級アミノ基を有する単量体及び/又は第4級アンモニウム塩基を有する単量体を重合又は共重合してなる重合体からなる群から選ばれる1種以上の存在下で、(A)(メタ)アクリル酸エステル及び/又はスチレンを50〜99重量%と、上記以外の共重合可能な単量体(B)を1〜50重量%の割合で乳化重合する方法がある。
(4)さらに加えて、カチオン性開始剤により、(A)(メタ)アクリル酸エステル及び/又はスチレンを50〜99重量%と、上記以外の共重合可能な単量体(B)を1〜50重量%の割合で乳化重合する方法が挙げられる。
【0011】
本発明における一般式(1)で表される(メタ)アクリル酸エステル及び/又はスチレンを50〜99重量%と、上記以外の共重合可能な単量体(B)を1〜50重量%の割合で重合した重合体の粒子は、インク吸収性と発色濃度をより向上させる可能性があるため好ましくは(A)が70〜99重量%と、(B)を1〜30重量%の割合で重合した重合体の粒子である。
【0012】
【式1】
Figure 0004039956
(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えば、イソプロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、イソブチルアクリレート、t−ブチルアクリレート、n−ヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、オクチルアクリレート、デシルアクリレート、ドデシルアクリレート、オクタデシルアクリレート、メチルアクリレート、エチルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、フェニルアクリレート、ベンジルアクリレート、イソボロニルアクリレート等のアクリル酸エステル類;イソプロピルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、イソブチルメタクリレート、t−ブチルメタクリレート、n−ヘキシルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、オクチルメタクリレート、デシルメタクリレート、ドデシルメタクリレート、オクタデシルメタクリレート、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、フェニルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、イソボロニルメタクリレート等のメタクリル酸エステル類;その他の炭素原子数3乃至20のアルキルアクリレート、メタクリレート等が挙げられる。
【0013】
耐水性、発色濃度をより向上させる可能性があるため、単量体(A)としてはスチレン、n−ブチルアクリレート、i−ブチルアクリレート、t−ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、n−ブチルメタクリレート、i−ブチルメタクリレート、t−ブチルメタクリレート、イソプロピルアクリレート、メチルメタクリレート、イソボロニルメタクリレート、イソボロニルアクリレートからなる群から選ばれた単量体が好ましい。耐水性をより好ましくするためには、スチレン、n−ブチルアクリレート、i−ブチルアクリレート、t−ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、n−ブチルメタクリレート、i−ブチルメタクリレート、t−ブチルメタクリレート、イソプロピルアクリレート、イソボロニルメタクリレート、イソボロニルアクリレートからなる群から選ばれた単量体が好ましい。
【0014】
単量体(B)としては、例えば、2−ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート、4−ヒドロキシブチルメタクリレート等の水酸基含有ビニル類;アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、マレイン酸アミド等のアミド類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステル類;塩化ビニリデン、フッ化ビニリデン等のハロゲン化ビニリデン類;アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、無水アクリル酸、無水メタクリル酸、無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水フマル酸等の不飽和カルボン酸類;スチレンスルホン酸、スチレンスルホン酸ソーダ、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸等の不飽和スルホン酸類;モノ(2−メタクリロイロキシエチル)アシッドホスフェート、モノ(2−アクリロイロキシエチル)アシッドホスフェート等の不飽和リン酸類;塩化ビニル、ビニルエーテル、ビニルケトン、ビニルアミド、クロロプレン、エチレン、プロピレン、イソプレン、ブタジエン、クロロプレン、ビニルピロリドン、2−メトキシエチルアクリレート、2−エトキシエチルアクリレート、グリシジルアクリレート、グリシジルメタアクリレート、アリルグリシジルエーテル、アクリロニトリル、メタアクリロニトリル、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、ポリプロピレングリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、1,3−ブチレングリコールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールメタントリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、アリルメタアクリレート、ジシクロペンテニルアクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチルアクリレート、イソプロペニル−α,α−ジメチルベンジルイソシアネート、アリルメルカプタン、1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル(メタ)アクリレート、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル(メタ)アクリレート、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メタクリロイルオキシエチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール等が挙げられる。単量体(B)としては、インク吸収性が優れたものになるため、2−ヒドロキシエチルメタクリレート等の水酸基含有単量体の使用がより好ましい。また耐光性をより向上させる可能性があるため、酸化防止機能を有する1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル(メタ)アクリレート、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル(メタ)アクリレートや、紫外線吸収機能を有する2−(2’−ヒドロキシ−5’−メタクリロイルオキシエチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾールが好ましい。
【0015】
また単量体(B)として第3級アミノ基を有する単量体及び/又は第4級アンモニウム塩基を有する単量体を20重量%以下の割合で使用すると耐水性、発色濃度、耐光性がより向上する可能性があり、好ましい。
【0016】
この単量体の具体例としては、第3級アミノ基を含有する単量体としてアミノ基含有アクリレート系単量体及び/又はアミノ基含有メタクリレート系単量体が挙げられ、例えば、N、N−ジメチルアミノエチルアクリレート、N、N−ジメチルアミノエチルメタクリレート、N、N−ジメチルアミノプロピルアクリレート、N、N−ジメチルアミノプロピルメタクリレート、N、N−t−ブチルアミノエチルアクリレート、N、N−t−ブチルアミノエチルメタクリレート、N、N−モノメチルアミノエチルアクリレート、N、N−モノメチルアミノエチルメタクリレート等のアミノアルキルアクリレート又はアミノアルキルメタクリレート類;また、第3級アミノ基を含有するN−アミノアルキルアクリルアミド又はN−アミノアルキルメタクリルアミド系単量体が挙げられ、例えば、N、N−ジメチルアクリルアミド、N、N−ジメチルメタクリルアミド、N、N−ジエチルアクリルアミド、N、N−ジエチルメタクリルアミド、N、N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド、N、N−ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド、N、N−ジメチルアミノエチルアクリルアミド、N、N−ジメチルアミノエチルメタクリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミド等のN−アミノアルキルアクリルアミド又はN−アミノアルキルメタクリルアミド類;さらに第4級アンモニウム塩基を有する単量体が挙げられる。
【0017】
また、第4級アンモニウム塩基を含有する単量体としては、上記第3級アミノ基を含有する単量体に、例えば、ハロゲンとして塩素、臭素、ヨウ素等であるハロゲン化メチル基、ハロゲン化エチル基、ハロゲン化ベンジル基等で4級塩化された、上記アミノアルキルアクリレート又はアミノアルキルメタクリレート類と、N−アミノアルキルアクリルアミド又はN−アミノアルキルメタクリルアミド類の4級塩類の単量体が挙げられる。
【0018】
本発明における(共)重合体を得るために使用される重合開始剤としては、通常のラジカル開始剤が使用でき、例えば、アニオン性開始剤として過酸化水素;過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム等の過硫酸塩、カチオン性開始剤として、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩、2,2’−アゾビス〔2−(N−フェニルアミジノ)プロパン〕二塩酸塩、2,2’−アゾビス{2−〔N−(4−クロロフェニル)アミジノ〕プロパン}二塩酸塩、2,2’−アゾビス{2−〔N−(4−ヒドロキシフェニル)アミジノ〕プロパン}二塩酸塩、2,2’−アゾビス〔2−(N−ベンジルアミジノ)プロパン〕二塩酸塩、2,2’−アゾビス〔2−(N−アリルアミジノ)プロパン〕二塩酸塩、2,2’−アゾビス{2−〔N−(2−ヒドロキシエチル)アミジノ〕プロパン}二塩酸塩、ノニオン性開始剤としてクメンハイドロパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、ラウロイルパーオキサイド等の有機過酸化物;アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス{2−メチル−N−〔1,1−ビス(ヒドロキシメチル)−2−ヒドロキシエチル〕プロピオンアミド}、2,2’−アゾビス{2−メチル−N−〔1,1−ビス(ヒドロキシメチル)エチル〕プロピオンアミド}、2,2’−アゾビス[2−メチル−N−〔2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド〕、2,2’−アゾビス(イソブチルアミド)二水和物、等のアゾ化合物が挙げられ、これらの1種、又は2種以上を選択することができる。カチオン性の付与により発色濃度、耐水性を優れたものとするために、開始剤としてアミジノ基を有するカチオン性開始剤の使用が好ましく、より好ましくは2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩である。
【0019】
一般的な開始剤の使用量は、(共)重合させるモノマーの全重量を基準として0.1〜5重量%である。
【0020】
また、(共)重合体を得る場合に、必要に応じてt−ドデシルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン等のメルカプタン類、アリルスルフォン酸、メタアリルスルフォン酸及びこれ等のソーダ塩等のアリル化合物などを分子量調節剤として使用することも可能である。
【0021】
本発明における、(A)(メタ)アクリル酸エステル及び/又はスチレンを50〜99重量%と、上記以外の共重合可能な単量体(B)を1〜50重量%の割合で重合した重合体の重量平均分子量としては、好ましくは10000以上、より好ましくは30000以上、さらに好ましくは60000以上である。重量平均分子量が10000未満では、顔料を配合せずに使用する場合、有機高分子粒子の変形が起こりやすく空隙が減少し、インク吸収性が低下する場合があり、顔料を配合して本発明の水性組成物をバインダーとして使用する場合には、記録媒体表面の強度が低下する場合がある。
【0022】
本発明における有機高分子粒子の平均粒子径としては、5nm〜1000nmが好ましく、より好ましくは5nm〜500nm、さらに好ましくは5〜300nmである。顔料を配合せずに使用する場合、平均粒子径が5nm未満では、微細な空隙が減少しインク吸収性が低下する場合があり、1000nmを超えると発色濃度が低下する場合がある。また、顔料を配合して本発明の水性組成物をバインダーとして使用する場合には、5nm未満では配合時の高分子有機粒子の分散安定性が低下する場合があり、1000nmを超えると粒子表面積の減少により、顔料をつなぎ止めるバインダーとしての機能が低下する場合がある。
【0023】
本発明における、(A)(メタ)アクリル酸エステル及び/又はスチレンを50から99重量%と、上記以外の共重合可能な単量体(B)を1〜50重量%の割合で重合した重合体の粒子のガラス転移温度としては、顔料を配合せずに使用する場合、インク吸収性を優れたものにするため40℃以上が好ましく、より好ましくは60℃以上である。また顔料を配合して本発明の水性組成物をバインダーとして使用する場合には、耐水性、発色濃度、表面強度がより優れたものになるため、ガラス転移温度は40℃未満が好ましく、より好ましくは20℃未満、さらに好ましくは10℃未満である。
【0024】
本発明におけるカチオン性有機高分子粒子を得るためには、以下の(1)(3)に掲げる化合物の存在下で、(A)(メタ)アクリル酸エステル及び/又はスチレン50〜99重量%と(B)その他共重合可能な単量体1〜50重量%を共重合させることによって得られる。
(1)カチオン性界面活性剤
(2)第3級アミノ基を有する単量体及び/又は第4級アンモニウム塩基を有する単量体を重合又は共重合してなる重合体
(3)第3級アミノ基を有する単量体及び/又は第4級アンモニウム塩基を有する単量体を50〜100重量%未満の割合で重合又は共重合してなる重合体
(1)(3)の割合は(A)と(B)の合計100重量部に対して、0.01〜20重量%が好ましく、より好ましくは0.01〜10重量%である。
【0025】
カチオン性界面活性剤としては、例えば、ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド、ステアリルトリメチルアンモニウムクロライド、セチルトリメチルアンモニウムクロライド、ジステアリルジメチルアンモニウムクロライド、アルキルベンジルジメチルアンモニウムクロライド、ラウリルベタイン、ステアリルベタイン、ラウリルジメチルアミンオキサイド、ラウリルカルボキシメチルヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、ココナットアミンアセテート、ステアリルアミンアセテート、アルキルアミングアニジンポリオキシエタノール、アルキルピコリニウムクロライド等が挙げられ、これらの1種、又は2種以上を選択することができる。
【0026】
(2)(3)における第3級アミノ基を有する単量体及び/又は第4級アンモニウム塩基を有する単量体としては先に例示した単量体と同様である。また、(3)における第3級アミノ基を有する単量体及び/又は第4級アンモニウム塩基を有する単量体以外に使用される単量体としては、先に例示した(B)と同様な単量体が例示される。
【0027】
耐水性、印字濃度をより向上させるためには(1)及び(2)がより好ましい。
加熱により不溶化する水溶性ポリマー
本発明における加熱により不溶化する水溶性ポリマーとしては、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース等のセルロース誘導体、N−イソプロピルアミド等のN置換アミド類を重合あるいは共重合させたポリアミド誘導体、ポリビニルメチルエーテル等のポリビニルアルキルエーテル類、ポリジメチルアミノエチルメタクリレート等のポリジメチルアミノアルキル(メタ)アクリレート類等が挙げられる。
【0028】
これらの水溶性ポリマーは加温によりポリマーが疎水化して水に不溶化するが、この時、該ポリマーが複数の粒子表面に吸着して橋かけ構造を取るため凝集が生ずるものと考えられる。インクジェット記録媒体を得るため、基材上に水性組成物を塗工し乾燥する際、水不溶化する温度が高いと粒子凝集までに媒体の水飛散が多く、十分な凝集が得られない。そのため空隙が十分得られないという問題が生ずる可能性があるので、水不溶化の温度は低温であることが好ましい。特に上記の水溶性ポリマーは60℃以下の低温で水不溶化する性質を有するものであり、さらに40℃以下で水不溶化するポリビニルメチルエーテル、N−イソプロピルアクリルアミドのポリマー、ジメチルアミノエチルメタクリレートのポリマーがより好ましいものである。
【0029】
水性組成物
本発明のカチオン性有機高分子粒子と加熱により不溶化する水溶性ポリマーの割合は、カチオン性有機高分子粒子100重量%に対して水溶性ポリマー0.1〜50重量%が好ましく、より好ましくは1〜30重量%である。加熱により不溶化する水溶性ポリマーの割合が多いと耐水性、印字濃度、インク吸収性が低下する可能性があり、水溶性ポリマーの割合が少ないと十分な凝集が生じない可能性がある。
【0030】
本発明の水性組成物の適用方法としては大別して2通りある。第一の方法はは本発明の水性組成物に含有されるカチオン性有機高分子粒子を空隙形成のための有機顔料として使用する場合であり、この場合には特にシリカやアルミナ等の無機顔料を使用する必要はなく、耐光性や耐黄変性をより優れたものとするためには、無機顔料を使用せずに支持体に塗工することが好ましい。
【0031】
また、第二の方法としては水性組成物に含有されるカチオン性有機高分子粒子を無機顔料のバインダーとして使用する場合であり、この場合にはシリカやアルミナ等の無機顔料を本発明の水性組成物に配合し、これを支持体に塗布、乾燥することによって、無機顔料を含めた凝集が生じ、無機顔料による空隙形成が行われるとともに、本発明に含有されるカチオン性有機高分子粒子と水溶性ポリマーが、無機顔料のバインダーとして作用するものである。この場合、無機顔料とカチオン性有機高分子粒子の割合は、無機顔料100重量%に対してカチオン性有機高分子粒子1〜50重量%が好ましく、より好ましくは5〜30重量%である。カチオン性有機高分子粒子の割合が多い場合には無機顔料による空隙形成が十分に行われない可能性があり、割合が少ない場合には、十分な凝集が生じず、空隙形成がやはり十分に行われない可能性がある。
【0032】
さらに、その他に、本発明の水性組成物には、濡れ剤、帯電防止剤、酸化防止剤、乾燥紙力増強剤、湿潤紙力増強剤、耐水化剤、防腐剤、紫外線吸収剤、光安定化剤、蛍光増白剤、浸透剤、離型剤、消泡剤、流動性改良剤、増粘剤、顔料分散剤等を含んでいてもよい。
記録媒体の製造法
本発明の水性組成物を支持体上の塗工して記録媒体を得る場合には、坪量として通常1〜300g/m2で塗工するのが好ましい。
【0033】
本発明において、支持体としては、従来からインクジェット用記録シートに用いられる支持体、例えば、普通紙、アート紙、コート紙、キャストコート紙、樹脂被服紙、樹脂含浸紙、非塗工紙、塗工紙等の紙支持体、両面をポリオレフィンで被覆した紙支持体、プラスチック支持体、不織布、布、織物、金属フィルム、金属板、及びこれらを貼り合わせた複合支持体を用いることができる。
【0034】
プラスチック支持体としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、トリアセチルセルロース、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリイミド、ポリカーボネート、セロファン、ポリナイロン等のプラスチックシート、フィルム等が好ましく使用される。これらのプラスチック支持体は透明なもの、半透明なもの、及び不透明なものを用途に応じて適宜使い分けることができる。
【0035】
また支持体には白色のプラスチックフィルムを用いることも好ましい。白色のプラスチック支持体としては、少量の硫酸バリウム、酸化チタン、酸化亜鉛などの白色顔料をプラスチックに含有させたものや、微細な空隙を多数設けて不透明性を付与した発泡プラスチック支持体、及び白色顔料(酸化チタン、硫酸バリウム)を有する層を設けた支持体を用いることができる。
【0036】
本発明においては支持体の形状は限定されないが、通常用いられるフィルム状、シート状、板状等の他に、飲料缶のような円柱状、CDやCD−R等の円盤状、その他複雑な形状を有するものも支持体として使用できる。
【0037】
本発明の水性組成物を支持体上に塗工する場合には、例えば、エアナイフコーター、ロールコーター、バーコーター、ブレードコーター、スライドホッパーコーター、グラビアコーター、フレキソグラビアコーター、カーテンコーター、エクストルージョンコーター、フローティングナイフコーター、コンマコーター、ダイコーター等の従来既知の塗工方法を用いることができる。
【0038】
また光沢を付与する場合には、例えば一般的なカレンダー処理、つまりはスーパーカレンダー、グロスカレンダー等のカレンダー装置を用い、圧力や温度をかけたロール間を通過させて塗層表面を平滑化する従来既知の方法を用いることができる。また、一般的に印刷用キャストコート紙の製造で行われている、直接法、凝固法、リウエット法(再湿潤法)、プレキャスト法などのキャストコーティング法も好ましく用いることができる。
【0039】
またカレンダー処理やキャストコーティング法に係る圧接時の圧力、鏡面ロールの温度、塗工速度等は適宜選択される。
【0040】
【実施例】
以下に、本発明の実施例を挙げて説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。又、実施例において示す部及び%は、特に明示しない限り重量部及び重量%を示す。
[実施例1]
脱イオン水589.1部とラウリルトリメチルアンモニウムクロライド1.5部を反応容器に仕込み、窒素気流下で65℃に昇温し、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩1.8部を反応容器に仕込んだ。これとは別に、スチレン120.0部、2−エチルヘキシルアクリレート150.0部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート15.0部、N,N−ジメチルアミノエチルアクリレートのメチルクロライド4級塩15.0部を脱イオン水120.0部中にラウリルトリメチルアンモニウムクロライド0.6部を使って乳化させた乳化混合物を作り、この乳化混合物を4時間で反応容器に滴下して、その後、更に同温度で4時間保持した。その結果、カチオン性有機高分子粒子が水に分散した水性組成物が得られ、不揮発分30%、pH4.5、平均粒子径110nm、ガラス転移温度−12℃であった。さらに該組成物100部にポリビニルメチルエーテル(PVM30W:三光化学工業製)の30%水溶液を10部加えて混合し、本発明の水性組成物を得た。この水性組成物は加温により約33℃で凝集した。さらに該水性組成物中の有機粒子20部に対してシリカ100部(X37:トクヤマ製)を添加し、これを坪量105g/m2の上質紙に、絶乾状態で30g/m2の塗工量になるように塗工し、50℃で100秒の加熱をした後、キャストコーティング法、具体的には、表面温度が80℃に保たれた鏡面ロールに、線圧50kg/cmで圧接しながら乾燥させた。その結果、実施例1の記録媒体が得られた。
[実施例2]
脱イオン水590.6部とN,N−ジメチルアミノエチルアクリレートのメチルクロライド4級塩15.0部を反応容器に仕込み、窒素気流下で65℃に昇温し、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩1.0部を添加し、4時間保持してN,N−ジメチルアミノエチルアクリレートのメチルクロライド4級塩の重合体を得た。さらにこれに2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩2.0部とラウリルトリメチルアンモニウムクロライド1.5部と反応容器に仕込み、これとは別に、スチレン255.0部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート30.0部を脱イオン水120.0部中にラウリルトリメチルアンモニウムクロライド1.5部を使って乳化させた乳化混合物を作り、この乳化混合物を4時間で反応容器に滴下して、その後、更に同温度で4時間保持した。その結果、カチオン性有機高分子粒子が水に分散した水性組成物が得られ、不揮発分30%、pH4.5、平均粒子径70nm、ガラス転移温度103℃であった。さらに該組成物100部にポリビニルメチルエーテル(PVM30W:三光化学工業製)の30%水溶液を10部加えて混合し、本発明の水性組成物を得た。この水性組成物は加温により約33℃で凝集した。該水性組成物を坪量105g/m2の上質紙に、絶乾状態で30g/m2の塗工量になるように塗工し、50℃で100秒の加温をした後、キャストコーティング法、具体的には、表面温度が80℃に保たれた鏡面ロールに、線圧50kg/cmで圧接しながら乾燥させた。その結果、実施例2の記録媒体が得られた。
[比較例1]
実施例1で使用したポリビニルメチルエーテルを配合せずに、それ以外は実施例1と同様な操作により、比較例1の記録媒体が得られた。
[比較例2]
脱イオン水586.3部とドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ0.6部を反応容器に仕込み、窒素気流下で70℃に昇温し、過硫酸カリウム1.5部を反応容器に仕込んだ。これとは別に、エチルアクリレート279.0部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート15.0部、メタクリル酸6.0部を脱イオン水120.0部中にドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ0.6部を使って乳化させた乳化混合物を作り、この乳化混合物を4時間で反応容器に滴下して、その後、更に同温度で4時間保持した。その結果、アニオン性の有機高分子粒子が水に分散した水性組成物が得られ、不揮発分30%、pH2.5、平均粒子径100nm、ガラス転移温度−17℃であった。さらに該組成物100部にポリビニルメチルエーテル(PVM30W:三光化学工業製)の30%水溶液を10部加えて混合し、本発明の水性組成物を得た。この水性組成物は加温により約33℃で凝集した。該水性組成物を坪量105g/m2の上質紙に、絶乾状態で30g/m2の塗工量になるように塗工し、50℃で100秒の加温をした後、キャストコーティング法、具体的には、表面温度が80℃に保たれた鏡面ロールに、線圧50kg/cmで圧接しながら乾燥させた。その結果、比較例2の記録媒体が得られた。
[評価方法]
記録シートの品質評価結果を表1と表2に示す。評価は以下の方法により行った。
<発色濃度の測定方法>
市販のインクジェットプリンター(セイコーエプソン社製、PM950C)を用いて、ブラックインクとシアンインクのベタ印刷を行い、ベタ部の光学反射濃度をマクベス濃度計(RD−918)で測定した。
<インク吸収性の測定方法>
インク吸収性を評価するため、セット性と画像ムラについて評価した。
(セット性)
市販のインクジェットプリンター(セイコーエプソン社製、PM950C)を用いて、イエローインク、マゼンダインク、シアンインク、ブラックインクを縦方向にベタ印刷し、プリンターから排出された直後に、上部にPPC用紙を押しつけて、インクがPPC用紙へ転写される度合いを目視で評価した。評価基準は以下の通りである。
○:インクの転写がなく、インク吸収性に優れる。
△:インクの転写がわずかにあるが、インク吸収性が実用レベルである。
×:インクの転写が多く、インク吸収性が実用レベル以下である。
(画像ムラ)
市販のインクジェットプリンター(セイコーエプソン社製、PM950C)を用いて高精細カラーデジタル標準画像データ(ISO/JIS−SCID)の女性の写真を印刷し、画像のムラを目視で評価した。インク吸収性が劣る場合にはインクが十分吸収されずに画像にムラが生じる。評価基準は以下の通りである。
○:画像ムラがなく、インク吸収性に優れる。
△:画像ムラがわずかにあるが、インク吸収性が実用レベルである。
×:画像ムラが多く、インク吸収性が実用レベル以下である。
<耐水性の測定方法>
市販のインクジェットプリンター(セイコーエプソン社製、PM950C)を用いて、マゼンタインクで文字印刷を行い、これに水を一滴垂らし、一日放置後のにじみの状態を目視で判定した。評価基準は以下の通りである。
○:にじみがほとんどない。
△:にじみがわずかにある。
×:にじみが激しい。
<耐光性の測定方法>
市販のインクジェットプリンター(セイコーエプソン社製、PM950C)を用いて、マゼンタインクのベタ印刷を行った。キセノンフェードメーターを用いて、印刷した記録シートに100時間光照射し、光照射前に対する光照射後の光学反射濃度の残存率を耐光性とした。光学反射濃度はマクベス濃度計(RD−918)で測定した。
<耐黄変性の測定方法>
カーボンアークフェードメーターを用いて、印刷していない記録媒体に7時間光照射し、光照射した前後の色差を測定した。色差(ΔE)はL***(CIEに準拠した表示方法)に従って、光照射前後の色測定した結果を基に、
ΔE={(ΔL*2+(Δa*2+(Δb*21/2
で算出した。色差が大きいほど色劣化が生じていることを示す。
【0041】
【表1】
Figure 0004039956
【0042】
【表2】
Figure 0004039956
【0043】
【発明の効果】
本発明の水性組成物によれば、耐水性、発色濃度、耐光性に優れ、且つ、インク吸収性、耐黄変性に優れたインクジェット記録媒体を得ることができる。

Claims (5)

  1. カチオン性有機高分子粒子と、加熱により不溶化する水溶性ポリマーを含有したインクジェット記録媒体用水性組成物であって、
    前記カチオン性有機高分子粒子が、カチオン性界面活性剤、第4級アンモニウム塩基を有する単量体、(メタ)アクリル酸エステル及び/又はスチレン、その他共重合可能な単量体からなり、
    前記加熱により不溶化する水溶性ポリマーが、ポリビニルメチルエーテルであり、かつ、
    安定に分散していた有機高分子粒子が加熱により不安定化し凝集することを特徴とする、インクジェット記録媒体用水性組成物。
  2. 前記カチオン性有機高分子粒子が、カチオン性界面活性剤、第4級アンモニウム塩基を有する単量体を重合してなる重合体の存在下で、(A)(メタ)アクリル酸エステル及び/又はスチレン50〜99重量%と(B)その他共重合可能な単量体1〜50重量%を共重合させてなる(ただし、(A)と(B)の合計を100重量%とする)
    ことを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録媒体用水性組成物。
  3. 前記ポリビニルメチルエーテルが、加温により40℃以下で水不溶化する
    ことを特徴とする請求項1または2に記載のインクジェット記録媒体用水性組成物。
  4. 請求項1〜のいずれかに記載のインクジェット記録媒体用水性組成物を支持体に内添又は塗工してなる記録媒体。
  5. 請求項1〜のいずれかに記載のインクジェット記録媒体用水性組成物を支持体に内添又は塗工してなる記録媒体の製造方法。
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