JP4039322B2 - 圧電フィルタ、デュプレクサ、複合圧電共振器および通信装置、並びに、圧電フィルタの周波数調整方法 - Google Patents

圧電フィルタ、デュプレクサ、複合圧電共振器および通信装置、並びに、圧電フィルタの周波数調整方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、圧電フィルタ及び圧電フィルタを用いたデュプレクサ、複合圧電共振器、通信装置、並び、圧電フィルタの周波数調整方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
厚み縦振動などエネルギー閉じ込め型の圧電共振子を振動部として複数有する圧電フィルタがある。このような圧電フィルタでは、一般に、各振動部それぞれの厚み調整によって、フィルタリング動作をする周波数帯が決められる。
【0003】
その厚み調整には次の3方法が知られる。▲1▼フォトリソグラフィーを用いて必要な電極以外がレジストで覆われることで各振動部の電極に選択的に膜厚が増すように蒸着やスパッタリングにより膜付加される方法、▲2▼イオンビームの軌道制御が行われることによって、電極などの膜厚を減じるようにエッチングが行われる方法(特許文献1参照)、▲3▼レーザを用いて電極に微細穴を多数形成して周波数調整が実施される方法(特許文献2参照)である。
【0004】
【特許文献1】
特開2001−196882号公報
【特許文献2】
特開平10−154916号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
前記▲1▼の場合、一般的な成膜装置による成膜の膜厚精度が±1%程度しかない。この場合、狙いの周波数に対し±1%程度ばらつくだけでなく、例えばラダーフィルタを構成する直列共振子と並列共振子それぞれの共振周波数の間隔は、フィルタを作製する同一ウェハにおいて、所望の設定に対して、±1%程度ばらつくことになる。
【0006】
前記▲2▼,▲3▼の場合、各素子個別で周波数調整することしかできない。このため、各素子ごとに個別に周波数特性を測定しながら調整することが可能であり、高精度な調整を行うことができるものの、その調整の工数が非常に多く必要とされるので、作業効率が悪い。
【0007】
本発明は、上記実状に鑑みてなされたものであって、周波数調整の精度を高めるとともに、その調整作業の効率性向上を図ることのできる圧電フィルタ等を提供することを解決課題としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る第1の圧電フィルタは、基板と、前記基板に形成されている、少なくとも1層以上の圧電薄膜を有する薄膜部の上下面を少なくとも一対の上部電極及び下部電極を対向させて挟む構造の振動部を有する圧電共振子を複数備える圧電フィルタにおいて、所定の圧電共振子の上部電極が、他の圧電共振子の上部電極とはエッチングの難易度が異なる材料からなることを特徴とする。
【0009】
本発明に係る第1の圧電フィルタによれば、複数の圧電共振子の上部電極がエッチングされる処理を行うことによって圧電共振子の振動部の薄肉化を図るとともに、所定の圧電共振子の上部電極と他の圧電共振子の上部電極とにおいてエッチングの難易度が異なっていることで、複数の圧電共振子の各振動部を同時にエッチングするときにそれぞれにおいて薄肉化の度合いも異なることになるので、特定の共振子を選択的に周波数調整できる。また、各振動部に対する所望の周波数調整がそのエッチングのときに一括的に行える。特に、基板の裏面に開口部を有する構成の場合、裏面から振動部を薄くするよう削ったり、あるいは裏面において振動に膜を付加することで、圧電フィルタ全体としての周波数調整もできる。
【0015】
本発明に係る第1の圧電フィルタは、好ましくは、前記圧電薄膜がZnOもしくはAlNを主成分とする。
【0016】
本発明に係る第1の圧電フィルタは、好ましくは、前記基板は開口部もしくは凹部を有し、前記開口部もしくは凹部上に前記振動部が形成されている。
【0017】
本発明に係る第2の圧電フィルタは、圧電性基板と、前記圧電性基板を少なくとも一対の上部電極及び下部電極を対向させて挟む構造の振動部を有する圧電共振子を複数備える圧電フィルタにおいて、所定の圧電共振子の上部電極が、他の圧電共振子の上部電極とはエッチングの難易度が異なる材料からなることを特徴とする。
【0018】
本発明に係る第2の圧電フィルタによれば、複数の圧電共振子の上部電極がエッチングされる処理を行うことによって圧電共振子の振動部の薄肉化を図るとともに、所定の圧電共振子の上部電極と他の圧電共振子の上部電極とにおいてエッチングの難易度が異なっていることで、複数の圧電共振子の各振動部を同時にエッチングするときにそれぞれにおいて薄肉化の度合いも異なることになるので、特定の共振子を選択的に周波数調整できる。また、各共振子に対する所望の周波数調整が上部電極に対するエッチングのときに一括的に行える。
【0021】
本発明に係る第2の圧電フィルタは、好ましくは、前記複数の圧電共振子の振動部は保護膜で覆われているとともに、所定の圧電共振子の上部電極の上に、前記保護膜を介して、付加電極が形成されている。この場合、複数の圧電共振子の上部電極がエッチングされる処理を行うことによって圧電共振子の振動部の薄肉化を図るとともに、複数の圧電共振子の振動部は保護膜で覆われているとともに、所定の圧電共振子の上部電極の上に、前記保護膜を介して、付加電極が形成されていることで、複数の圧電共振子の各振動部を同時にエッチングするときにそれぞれにおいて薄肉化の度合いも異なることになるので、特定の共振子を選択的に周波数調整できる。また、各圧電共振子に対する所望の周波数調整がそのエッチングのときに一括的に行える。
【0022】
本発明に係る第2の圧電フィルタは、好ましくは、前記複数の圧電共振子の少なくとも一つの下部電極が、他の圧電共振子の下部電極とはエッチングの難易度が異なる材料からなる。この場合、上部電極のみならず、下部電極に対するエッチングによっても周波数調整を上部電極と同様行うことができ、上部電極と同時に下部電極に対するエッチングも行える。したがって、上部、下部電極共にそのエッチングされる面材料をエッチングの難易度の異なるものとしていることで、上部電極へのエッチングで特性の、若しくは特定のグループの共振子を周波数調整し、下部電極へのエッチングで他の、もしくは他のグループの共振子を周波数調製することができ、個々の振動部に対する選択的な周波数調整を行うことができる。
【0023】
本発明に係る第2の圧電フィルタは、好ましくは、前記複数の圧電共振子の少なくとも一つの下部電極上に、他の圧電共振子の下部電極の材料とはエッチングの難易度が異なる付加膜が形成されている。この場合、上部電極のみならず、下部電極に対するエッチングによっても周波数調整を上部電極と同様行うことができる。
【0024】
本発明に係る第2の圧電フィルタは、好ましくは、前記複数の振動部の少なくとも一部の下部電極が共通化されている。この場合、少なくとも一部の下部電極が共通化されているので、ある特定の共振子と他の共振子も一括して周波数調整できる。
【0025】
本発明に係る第1または第2の圧電フィルタは、圧電共振子をラダー構成にしている。
【0026】
本発明に係るデュプレクサは、本発明に係る第1または第2の圧電フィルタを用いている。
【0027】
本発明に係る第1の複合圧電共振器は、基板と、前記基板に形成されている、少なくとも1層以上の圧電薄膜を有する薄膜部の上下面を少なくとも一対の上部電極及び下部電極を対向させて挟む構造の振動部を有する圧電共振子を複数備える複合圧電共振器において、
所定の圧電共振子の上部電極が、他の圧電共振子の上部電極とはエッチングの難易度が異なる材料からなることを特徴とする。
【0028】
本発明に係る第1の複合圧電共振器によれば、複数の圧電共振子の上部電極がエッチングされる処理を行うことによって圧電共振子の振動部の薄肉化を図るとともに、所定の圧電共振子の上部電極と他の圧電共振子の上部電極とにおいてエッチングの難易度が異なっていることで、複数の圧電共振子の各振動部を同時にエッチングするときにそれぞれにおいて薄肉化の度合いも異なることになるので、特定の共振子を選択的に周波数調整できる。また、各振動部に対する所望の周波数調整がそのエッチングのときに一括的に行える。特に、基板の裏面に開口部を有する構成の場合、裏面から振動部を薄くするよう削ったり、あるいは裏面において振動に膜を付加することで、複合圧電共振器全体としての周波数調整もできる。
【0033】
本発明に係る第1の複合圧電共振器は、好ましくは、前記圧電薄膜がZnOもしくはAlNを主成分とする。
【0034】
本発明に係る第1の複合圧電共振器は、好ましくは、前記基板は開口部もしくは凹部を有し、前記開口部もしくは凹部上に前記振動部が形成されている。
【0035】
本発明に係る第1の圧電フィルタの周波数調整方法は、基板と、前記基板に形成されている、少なくとも1層以上の圧電薄膜を有する薄膜部の上下面を少なくとも一対の上部電極及び下部電極を対向させて挟む構造の振動部を有する圧電共振子を複数備え、所定の圧電共振子の上部電極が、他の圧電共振子の上部電極とはエッチングの難易度が異なる材料からなる圧電フィルタの周波数調整方法において、前記所定の圧電共振子の上部電極をエッチングすることによって前記所定の圧電共振子の周波数調整を行うことを特徴とする。
【0036】
本発明に係る第1の圧電フィルタの周波数調整方法によれば、複数の圧電共振子の上部電極がエッチングされる処理を行うことによって複数の圧電共振子の振動部の薄肉化を図るとともに、所定の圧電共振子の上部電極と他の圧電共振子の上部電極とにおいてエッチングの難易度が異なっていることで、複数の圧電共振子の各振動部を同時にエッチングするときにそれぞれにおいて薄肉化の度合いも異なることになるので、特定の共振子を選択的に周波数調整できる。また、各圧電共振子に対する所望の周波数調整がそのエッチングのときに一括的に行える。
【0041】
本発明に係る第1の圧電フィルタの周波数調整方法は、好ましくは、前記基板は開口部を有し、前記開口部上に前記振動部が形成されており、前記開口部から前記振動部に対して、膜付加もしくはエッチングにより、前記複数の圧電共振子の周波数調整をさらに行う。この場合、基板の裏面から開口部を通して複数の圧電共振子の振動部を薄くするよう削ったり、あるいは基板の裏面から開口部を通して複数の圧電共振子の振動部に膜を付加することで、圧電フィルタ全体としての周波数調整もできる。2つの周波数調整を同時に行ってもよいし、順番に行ってもよい。そのとき、順番は、どちらが先であっても良い。
【0042】
本発明に係る第2の圧電フィルタの周波数調整方法は、圧電性基板と、前記圧電性基板を少なくとも一対の上部電極及び下部電極を対向させて挟む構造の振動部を有する圧電共振子を複数備え、所定の圧電共振子の上部電極が、他の圧電共振子の上部電極とはエッチングの難易度が異なる材料からなる圧電フィルタの周波数調製方法において、前記所定の圧電共振子の上部電極をエッチングすることによって前記所定の圧電共振子の周波数調整を行うことを特徴とする。
【0043】
本発明に係る第2の圧電共振子の周波数調整方法によれば、複数の圧電共振子の上部電極がエッチングされる処理を行うことによって複数の圧電共振子の振動部の薄肉化を図るとともに、所定の圧電共振子の上部電極と他の圧電共振子の上部電極とにおいてエッチングの難易度が異なっていることで、複数の圧電共振子の各振動部を同時にエッチングするときにそれぞれにおいて薄肉化の度合いも異なることになるので、特定の共振子を選択的に周波数調整できる。また、各圧電共振子のに対する所望の周波数調整が上部電極に対するエッチングのときに一括的に行える。
【0046】
本発明に係る第2の圧電フィルタの周波数調整方法は、好ましくは、前記複数の圧電共振子の少なくとも一つの下部電極が、他の圧電共振子の下部電極とはエッチングの難易度が異なる材料からなる下部電極をエッチングすることによって振動部の周波数調整を行う。この場合、上部電極のみならず、下部電極に対するエッチングによっても周波数調整を上部電極と同様行うことができる。したがって、上部、下部電極共にそのエッチングされる面材料をエッチングの難易度の異なるものとしていることで、上部電極へのエッチングで特性の、若しくは特定のグループの共振子を周波数調整し、下部電極へのエッチングで他の、もしくは他のグループの共振子を周波数調製することができ、個々の圧電共振子の振動部に対する選択的な周波数調整を行うことができる。
【0047】
本発明に係る第2の圧電フィルタの周波数調整方法は、好ましくは、前記複数の圧電共振子の少なくとも一つの下部電極上に、他の圧電共振子の下部電極の材料とはエッチングの難易度が異なる付加膜が形成されており、前記上部電極の周波数調整を行った後、前記下部電極の付加膜をエッチングすることによって前記所定の圧電共振子の周波数調整を行う。この場合、上部電極のみならず、下部電極に対するエッチングによっても周波数調整を上部電極と同様行うことができる。
【0048】
本発明に係る第2の圧電フィルタの周波数調整方法は、好ましくは、前記複数の圧電共振子の少なくとも一部の下部電極が共通化されており、前記上部電極の周波数調整を行った後、前記下部電極をエッチングすることによって前記所定の圧電共振子の周波数調整を行う。この場合、少なくとも一部の下部電極が共通化されているので、ある特定の共振子と他の共振子も一括して周波数調整できる。
【0049】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の詳細を図面に示す実施形態に基づいて説明する。
【0050】
図1から図6に、本発明に係る実施形態を示している。図1は、L型ラダーフィルタ平面図、図2は、図1のA−A´線に沿う断面図、図3は、図1のL型ラダーフィルタを示す回路図、図4(a)〜(d)、図5(e)〜(h)は、図1のラダーフィルタの製造過程を示す要部断面図、図6は、所定の振動部表面をエッチングした状態を示す縦断面図である。
【0051】
図1から図3を参照して、L型ラダーフィルタとして構成された圧電フィルタが示されている。1は、異方性エッチング可能なシリコン基板、2は、酸化珪素(SiO2)による薄膜、3は、酸化亜鉛(ZnO)を主成分として薄膜層でなる圧電薄膜、4a,4bは、アルミニウム(Al)などによる下部電極、5a,5bは、同じくアルミニウム(Al)などによる上部電極である。
【0052】
基板1はシリコンウェハからなる。この基板1には、上下に貫通する貫通孔となる開口部6が形成されている。この開口部6は、圧電薄膜3、下部電極4a,4b、上部電極5a,5bにより構成される振動部を有する並列圧電共振子7、直列圧電共振子8の振動空間を確保するものとなっている。薄膜2は、開口部6を全面にわたって覆う状態に形成されている。薄膜2は、直列圧電共振子7及び並列圧電共振子8を支持する支持部としてのダイヤフラム9となっている。
【0053】
ダイヤフラム9上には、下部電極4a,4bがそれぞれ形成されている。下部電極4aは、GND電極10が接続されている。下部電極4bは、出力電極11が接続されている。下部電極4a,4b上には、酸化亜鉛(ZnO)を主成分として少なくとも一つの層を成す圧電薄膜3が薄膜部として形成されている。上部電極5aは、ダイヤフラム9の領域において圧電薄膜3を下部電極4aと上下で挟んで上下方向で下部電極4aに一部対向するように設けられている。上部電極5bは、ダイヤフラム9の領域において圧電薄膜3を下部電極4bと上下で挟んで上下方向で下部電極4bに一部対向するように設けられている。これら上部電極5a,5bは一つの同じ薄膜層として形成されており、後述するように、各電極5a,5bの膜厚が異なるものとされている。両上部電極5a,5bは、入力電極12が接続されている。
【0054】
下部電極4aと上部電極5aとが上下に重なっている形状は、その重なり方向視で矩形状となっている。下部電極4bと上部電極5bとが上下に重なっている形状も、その重なり方向視で矩形状となっている。下部電極4aと上部電極5aとこれらで上下に挟み込まれた圧電薄膜3の部分からなる振動部を有する並列圧電共振子7が構成されている。下部電極4bと上部電極5bとこれらで上下に挟み込まれた圧電薄膜3の部分からなる振動部を有する直列圧電共振子8が構成されている。これら振動部に対して下部電極4a,4bおよび上部電極5a,5bを介して電気信号が与えられることにより、これら振動部はそれぞれ厚み縦振動することで圧電共振子として機能する。なお、その振動部の振動モードは、厚みすべり振動でも良い。
【0055】
上部電極5aと上部電極5bとは後述するように一つの電極膜として一体的に形成されている。上部電極5bは上部電極5aよりもその厚みが薄肉にエッチングされている。このように薄肉に加工されているのは、共振周波数の設定の調整を行うため、特に上部電極5bが選択されてエッチングされているからである。このため、電極層としての上部電極5aの表面には、同一条件でのエッチングの進行が上部電極5a及び5bの材料であるAlよりも小さいアルミナAl23などのエッチング抑制膜13が表面部層として成膜されている。
【0056】
詳細には、圧電共振子の共振周波数は、薄膜2、圧電薄膜3、下部電極4a,4b、上部電極5a,5b、エッチング抑制膜13により構成される振動部の厚みによって決まり、ラダー型の圧電フィルタにおいては、直列圧電共振子と並列圧電共振子の共振周波数の差によって通過帯域幅が決まる。本実施の形態のように、上部電極5aの表面に、上部電極5a及び5bの材料であるAlよりも小さいアルミナAl23などのエッチング抑制膜13が表面部層として成膜されている状態で、並列圧電共振子7及び直列圧電共振子8の周波数を調整するためのエッチングを並列圧電共振子7及び直列圧電共振子8の上方から行なうと、エッチングの進行が小さいエッチング抑制膜13はほとんどエッチングされることはない一方、上部電極5bはエッチングされることにより、上部電極5bは上部電極5aよりもその厚みが薄くなる。つまり、並列圧電共振子7の振動部と比較して直列圧電共振子8の振動部が薄肉化される。この結果、直列圧電共振子と並列圧電共振子の共振周波数の差が変化し、通過帯域幅を所望の値にすることが出来る。
【0057】
このように、本実施の形態では、上部電極5aの表面に、同一条件でのエッチングの進行が上部電極5a及び5bよりも小さい材料から成るエッチング抑制膜13を形成し、エッチングの進行速度を並列圧電共振子7及び直列圧電共振子8で異ならせることで、直列圧電共振子と並列圧電共振子の共振周波数の差を調整し、通過帯域幅が所望の値に調整されている。
【0058】
上述のように、並列圧電共振子7及び直列圧電共振子8の周波数を調整するためのエッチングを並列圧電共振子7及び直列圧電共振子8の上方から行なうことで、並列圧電共振子7及び直列圧電共振子8に振動部の厚みの差を調整することで通過帯域幅を所望の値に調整した後、薄膜2の下面側に形成した調整膜14を付加することで、圧電フィルタ全体の周波数の調整が行われている。付加される調整膜14の厚みによって、圧電フィルタ全体の周波数は変化し、調整膜14の厚みが厚くなるほど、圧電フィルタ全体の周波数は低くなる。なお、圧電フィルタ全体の周波数を高くするときには、薄膜2の下面側からエッチングを行い、薄膜2を薄くすることで調整する。
【0059】
次に、この圧電フィルタの製造方法について、所定工程を断面図として図示する図4,図5に基づいて以下に説明する。図4(a)を参照して、シリコンウェハの状態で基板1が用意される。図4(b)を参照して、基板1の一方の面(別言すれば上面、または表面)に酸化珪素(SiO2)の薄膜2が形成される。この薄膜2は、基板1の表面に対してスパッタリングやCVD法などによって成膜される。
【0060】
次に、図4(c)を参照して、基板1の他方の面(別言すると下面、または裏面)から薄膜2まで達する開口部6が空洞状に形成される。開口部6は、所要の異方性エッチングや反応性エッチングやレーザを利用した加工などにより形成されている。図1において、開口部6は、基板1の表面側から見た状態で破線によりその輪郭形状が示されている。
【0061】
次いで、図4(d)を参照して、薄膜2の表面に図示しないパターン化されたレジスト膜により所要領域が保護される状態で、真空蒸着またはスパッタリングなどによって、アルミニウム(Al)などを材料として電極膜が基板1全面に成膜される。その後、レジスト膜が剥離除去されることによって、下部電極4a,4bがそれぞれ形成される。なお、下部電極4a,4bは、Alにかえて、Au,Pt,Nb,W,Cu,Agなどを用いても良い。
【0062】
次いで、図5(e)を参照して、不図示のメタルマスクなどでマスキングして、真空蒸着またはスパッタリングなどにより酸化亜鉛(ZnO)を主成分として圧電薄膜3が成膜される。
【0063】
その後、図5(f)を参照して、不図示のレジスト膜で上部電極パターンが形成され、次いで、全面にアルミニウム(Al)を成膜する。その後、レジスト膜が剥離除去されることによって、上部電極5a,5bを形成するための上部電極部5が形成される。図24に示すように、上部電極5a,5bの厚さを予め必要とされる厚さになるように別々に形成してもよい。この場合、上部電極5aと上部電極5bとは、振動に影響しないところxで電気的に接続される。
【0064】
その後、図5(g)を参照して、不図示のメタルマスクなどでマスキングして、真空蒸着またはスパッタリングなどにより、上部電極5aではそのエッチングが抑制されるように、アルミナ(Al23)からなる付加膜としてのエッチング抑制膜13が上部電極5aの上面に成膜される。
【0065】
次いで、図5(h)を参照して、上部電極5aに接続される入力電極12のパッド部と、下部電極4bに接続される出力電極11のパッド部と、GND電極10のパッド部とを、成膜する。GND電極10,出力電極11,入力電極12は、電極成膜時に、同時に形成してもよい。ここまでの工程において、周波数調整していない状態の圧電フィルタが得られたことになる。
【0066】
次に、この圧電フィルタの周波数調整について説明する。直列圧電共振子8についてその肉厚を減じる加工が施されることによって、その直列圧電共振子8の共振周波数を所望の共振周波数に近づけるように調整する。この調整では、高周波ネットワークアナライザなどの測定装置を用いてもよい。この場合、高周波ネットワークアナライザからの周波数信号が、入力電極12とGND電極10との間に入力され、その入力された信号に応答して出力電極11とGND電極10との間で出力される信号が得られる。並列圧電共振子7と直列圧電共振子8とから構成されるフィルタとしての中心周波数と通過帯域幅が該高周波ネットワークアナライザで測定される。
【0067】
この測定結果に基づいて、通過帯域幅について圧電フィルタに要求される所望の通過帯域幅の値とのずれ量が得られる。予め実験により求めておいたアルゴン(Ar)雰囲気におけるエッチングとしてのイオンミリング時間と良品の圧電フィルタにおける通過帯域幅の減少量との関係から、所望の通過帯域幅に周波数調整を行うの必要なイオンミリング時間t1が計算できる。また、前記測定された中心周波数について所望の中心周波数の値とのずれ量、及び、予め実験により求めておいた銀(Ag)などの調整膜14を形成するための蒸着時間と中心周波数の減少量との関係から、所望の中心周波数に合わせるのに必要な蒸着時間t2が計算できる。なお、このアルゴン雰囲気中におけるイオンミリングレートの具体的数値を以下に示す。アルミニウムは、2.0(nm/min)である。金は、10.0(nm/min)である。アルミナ(Al23)は、0.2(nm/min)である。
【0068】
その計算結果に基づいて、前記圧電フィルタをイオンミリング装置に導入して、アルゴン雰囲気において表面を時間t1だけエッチングする。このエッチングにより上部電極5a,5bのうち、エッチング抑制膜13が形成されている上部電極5aよりも上部電極5bの方がエッチングされやすくなっているから、上部電極5bが薄膜化が促進され、直列圧電共振子8の共振周波数が高くなる側にシフトされるよう調整されることで、直列圧電共振子と並列圧電共振子の共振周波数の差を調整し、通過帯域幅を所望の値にすることが出来る。その後、該圧電フィルタを蒸着装置に導入して、ダイヤフラム9の下面に時間t2だけ銀(Ag)を調整膜14として蒸着することで、圧電フィルタ全体の周波数を調整する。このようにして、圧電フィルタは、その通過帯域幅・中心周波数が共に所望の値に合わされることになる。なお、銀(Ag)に変えて、SiO等の絶縁膜を用いても良い。
【0069】
以上の工程によって、図1に示されるように、周波数調整されたL型ラダーフィルタが得られる。これによって、この圧電フィルタを構成する直列圧電共振子と並列圧電共振子との共振周波数を同時に調整することができる。これは、各振動部について個別に調整する場合には、調整しない振動部に対するマスクなどが必要となる工程があるが、その工程をなくすことができ、調整工程の簡単化を図れる。基板上に複数形成されたフィルタ素子を一括して周波数調整することができる。
【0070】
以上のように、本実施の形態では、ラダー型の圧電フィルタにおいて、直列圧電共振子と並列圧電共振子の一方の上部電極上に、同一条件でのエッチングの進行が上部電極材料よりも小さいエッチング抑制膜を形成することで、直列圧電共振子と並列圧電共振子のエッチングによる周波数の変化の大きさに差が出るようにする。このようにすることで、マスクなどを用いることなく、上部電極に対するエッチングによって、直列圧電共振子と並列圧電共振子の共振周波数の差を調整し、圧電フィルタの通過帯域幅を所望の値に調整することが出来る。特に、開口部を有する基板を用い、開口部上に圧電共振子の振動部を形成してなる圧電フィルタにおいては、上部電極に対するエッチングによって、圧電フィルタの通過帯域幅を所望の値に調整した後に、開口部の方向より、開口部を塞ぐように形成された薄膜に対するエッチング又は調整膜の付加によって、圧電フィルタ全体の調整を行なうことが出来る。また、先にフィルタ全体の周波数調整を行い、その後、直列側及び並列側の各共振子の周波数調整を行っても良い。
【0071】
なお、本実施の形態1では、並列圧電共振子7と直列圧電共振子8とにおいて、圧電薄膜3、下部電極4a,4bの厚みを等しくした上で、上部電極5a,5bの厚みを異ならせることで、並列圧電共振子7と直列圧電共振子8の共振周波数を異ならせることが好ましい。このような構造にすることで製造が容易になると共に、上部電極5a,5bの厚みを調整するだけで、並列圧電共振子7と直列圧電共振子8の共振周波数を調整することが出来る。
【0072】
(実施形態2)
次に、本発明に係る圧電フィルタの実施形態2について説明する。図7は、圧電フィルタの縦断面図、図8は、図7の圧電フィルタの平面図(a)と下面図(b)、図9は、図7の圧電フィルタの回路図、図10(a)〜(c)は、図7のラダーフィルタの製造過程を示す要部断面図である。
【0073】
図7を参照して、21は、タンタル酸リチウム(LiTaO3)で形成された薄板状の圧電体からなる圧電性基板、22a,22bは、基板21の上面にそれぞれ所定位置に成膜された金属膜からなる上部電極、23a,23bは、基板21の下面にそれぞれ所定位置に成膜された金属膜からなる下部電極、24は、上部電極22aの表面にさらに成膜された付加膜としてのエッチング抑制膜、25は、下部電極23bの表面にさらに成膜された付加膜としてのエッチング抑制膜である。基板21は、例えば、ニオブ酸リチウム(LiNbO3)、水晶などが用いられても良い。
【0074】
基板21は、上下両面が鏡面仕上げされている。この基板21の上面の2箇所にそれぞれ位置設定されて一対の上部電極22a,22bが成膜されている。各上部電極22a,22bは、平面視矩形状である。両上部電極22a,22bは、アルミニウム(Al)によりなる。アルミニウムにかえて、金(Au)などの高導電率材により、両上部電極22a,22bを形成してもよい。一方の上部電極22aの表面には、同一条件でのエッチングの進行がアルミニウムよりも小さいアルミナAl23などのエッチング抑制膜24が成膜されている。他方の上部電極22bは、アルミニウムで形成されたままの表面部となっている。
【0075】
基板21の下面には、両上部電極22a,22bと対向する位置に上部電極22a,22bのそれぞれの形状に合わせた平面視矩形状の下部電極23a,23bが成膜されている。両下部電極23a,23bは、アルミニウムによりなる。アルミニウムにかえて、金(Au)などの高導電率材により、両下部電極23a,23bを形成してもよい。一方の下部電極23bの表面には、同一条件でのエッチングの進行がアルミニウムよりも小さいアルミナAl23などのエッチング抑制膜25が成膜されている。他方の下部電極23aは、アルミニウムで形成されたままの表面部となっている。
【0076】
両上部電極22a,22bに接続された引き出し電極26が入力電極として、基板21の上面に形成されている。下部電極23aに接続された引き出し電極27がGND電極として、基板21の下面に形成されている。下部電極23bに接続された引き出し電極28が出力電極として、基板22の下面に形成されている。ここで、下部電極23aと上部電極22aとこれらで上下に挟み込まれた基板21の部分からなる振動部を有する並列圧電共振子29が構成されている。下部電極23bと上部電極22bとこれらで上下に挟み込まれた基板21の部分からなる振動部を有する直列圧電共振子30が構成されている。これにより、図9に示すL型ラダー圧電フィルタが構成されている。
【0077】
次に、この圧電フィルタの製造方法について、所定工程を断面図として図示する図10に基づいて以下に説明する。図10(a)を参照して、両面が鏡面仕上げされた薄板状のタンタル酸リチウム(LiTaO3)からなる基板21が用意される。図10(b)を参照して、基板21の両面それぞれに、図示しないパターン化されたレジスト膜により所要領域が保護される状態で、真空蒸着またはスパッタリングなどによって、アルミニウム(Al)などを材料として電極膜が基板1全面に成膜される。その後、レジスト膜が剥離除去されることによって、上部電極22a,22b、下部電極23a,23bが、それぞれ形成される。
【0078】
次いで、図10(c)を参照して、不図示のメタルマスクなどでマスキングして、真空蒸着またはスパッタリングなどにより上部電極22a、下部電極23bが形成される部分に対応してアルミナ(Al23)からなるエッチング抑制膜24,25がそれぞれ成膜される。
【0079】
次いで、引き出し電極26,27,28などが基板21に成膜される。引き出し電極26,27,28は、上部電極22a,22b、下部電極23a,23bと一体的に作成されても良い。ここまでの工程において、周波数調整していない状態の圧電フィルタが得られたことになる。
【0080】
次に、この圧電フィルタの周波数調整について説明する。並列圧電共振子29及び直列圧電共振子30についてそれぞれ個別にその肉厚を減じる加工が行われることによって、各共振子29,30の共振周波数が所望の周波数に調整される。この調整では、高周波ネットワークアナライザなどの測定装置が用いられる。高周波ネットワークアナライザからの周波数信号が、引き出し電極26と引き出し電極27との間に入力され、その間の振動部が励振され、そのときの反射特性より並列圧電共振子29の共振周波数を測定する。同様に引き出し電極26と引き出し電極28との間に入力され、その反射特性により直列圧電共振子30の共振周波数を測定する。
【0081】
その測定結果からは、並列圧電共振子29,直列圧電共振子30におけるそれぞれの所望の周波数からのずれ量を知ることができる。これにより、予め実験により求めておいたアルゴン(Ar)雰囲気におけるエッチングとしてのイオンミリング時間と、周波数のずれ量との関係から、所望の共振周波数に合わせるよう調整するのに必要なイオンミリング時間を求めることができる。並列圧電共振子29を所望の共振周波数に合わせるのに必要なイオンミリング時間がt1、直列圧電共振子30を所望の共振周波数に合わせるのに必要なイオンミリング時間がt2として求められたとする。
【0082】
まず、上面全体を時間t2だけイオンミリングすることにより、上部電極22bが上部電極22aよりもエッチングされ、直列圧電共振子30が所望の周波数となる。このとき、並列圧電共振子29の上部電極22aは、エッチング抑制膜24で表面部が被覆されているので、並列圧電共振子29の共振周波数がほとんど変化しない。その後、下面全体を時間t1だけイオンミリングすることにより、下部電極23aがエッチングされ、並列圧電共振子29が所望の周波数となる。このとき、直列圧電共振子30の下部電極23bは、エッチング抑制膜25で表面部が被覆されているので、直列圧電共振子30の共振周波数がほとんど変化しない。
【0083】
これにより、圧電フィルタを構成する直列圧電共振子30と並列圧電共振子29とは、それぞれ個別に周波数調整を行うことができる。上面と下面とで別々に周波数調整が可能であるため、直列圧電共振子30と並列圧電共振子29とを同時にそれぞれ任意の量の調整を行うことができる。また、ウェハ状態で調整可能であるため、ウェハ上のフィルタ素子に対して、一括して周波数調整することができる。
【0084】
なお、本実施形態2では、直列圧電共振子30と並列圧電共振子29の上部電極は、並列圧電共振子29の上部電極22aの上に、エッチング抑制膜24を形成することで、直列圧電共振子30の上部電極22bとエッチングレートを異ならせたが、これに限らず、並列圧電共振子29の上部電極22aの電極材料を、直列圧電共振子30の上部電極22bの電極材料とエッチングレートが異なるものを電極材料にしてもよい。
【0085】
また、本実施形態2では、直列圧電共振子30と並列圧電共振子29の下部電極は、直列圧電共振子30の下部電極23bの上にエッチング抑制膜25を形成することで、並列圧電共振子29の下部電極23aとエッチングレートを異ならせたが、これに限らず、直列圧電共振子30の下部電極23bの電極材料を、並列圧電共振子29の下部電極23aとエッチングレートが異なる電極材料にしてもよい。
【0086】
(実施形態3)
次に、本発明に係る圧電フィルタの実施形態3について説明する。図11は、圧電フィルタの縦断面図、図12は、図11の圧電フィルタの平面図(a)と下面図(b)、図13(a)〜(c)は、図11の圧電フィルタの製造過程を示す要部断面図である。
【0087】
図11には、2重モードフィルタを構成する圧電フィルタが示されている。図11及び図12を参照して、31は、タンタル酸リチウム(LiTaO3)で形成された薄板状の圧電体からなる圧電性基板、32a,32bは、基板31の上面にそれぞれ所定位置に成膜された金属膜からなる上部電極、33は、基板31の下面の所定位置に成膜された金属膜からなる下部電極、34は、上部電極32aの表面にさらに成膜されたエッチング抑制膜である。基板31は、例えば、ニオブ酸リチウム(LiNbO3)、水晶などが用いられても良い。
【0088】
基板31は、上下両面が鏡面仕上げされている。この基板31の上面の2箇所にそれぞれ位置設定されて一対の上部電極32a,32bが成膜されている。各上部電極32a,32bは、平面視矩形状である。両上部電極32a,32bは、アルミニウム(Al)によりなる。アルミニウムにかえて、金(Au)などの高導電率材により、両上部電極32a,32bを形成してもよい。一方の上部電極32aの表面には、同一条件でのエッチングの進行がアルミニウムよりも小さいアルミナAl23などの付加膜としてのエッチング抑制膜34が成膜されている。他方の上部電極32bは、アルミニウムで形成されたままの表面部となっている。
【0089】
基板31の下面には、両上部電極32a,32bと対向する位置に一つの平面視矩形状の下部電極33が成膜されている。下部電極33は、アルミニウムによりなる。アルミニウムにかえて、金(Au)などの高導電率材により、下部電極33を形成してもよい。下部電極33は、後述するように、周波数調整を行った調整膜40が積層形成されている。
【0090】
上部電極32aに接続された引き出し電極35が入力電極として、基板31の上面に形成されている。上部電極32bに接続された引き出し電極36が出力電極として、基板31の上面に形成されている。下部電極33に接続された引き出し電極37がGND電極として、基板31の下面に形成されている。ここで、下部電極33と上部電極32aとこれらで上下に挟み込まれた基板31の部分とによって、圧電共振子の振動部38aが構成されている。下部電極33と上部電極32bとこれらで上下に挟み込まれた基板31の部分とによって、圧電共振子の振動部38bが構成されている。圧電共振子の振動部38a,38bの相互作用によって圧電フィルタ39が構成されている。
【0091】
次に、この圧電フィルタの製造方法について、所定工程を断面図として図示する図13に基づいて以下に説明する。図13(a)を参照して、両面が鏡面仕上げされた薄板状のタンタル酸リチウム(LiTaO3)からなる基板31が用意される。図13(b)を参照して、基板31の両面それぞれに、図示しないパターン化されたレジスト膜により所要領域が保護される状態で、真空蒸着またはスパッタリングなどによって、アルミニウム(Al)などを材料として電極膜が基板31全面に成膜される。その後、レジスト膜が剥離除去されることによって、上部電極32a,32b、下部電極33が、それぞれ形成される。
【0092】
次いで、図13(c)を参照して、不図示のメタルマスクなどでマスキングして、真空蒸着またはスパッタリングなどにより上部電極32aが形成される部分に対応してアルミナ(Al23)からなるエッチング抑制膜34がそれぞれ成膜される。
【0093】
次いで、引き出し電極35,36,37などが基板31に成膜される。ここまでの工程において、周波数調整していない状態の圧電フィルタ39が得られたことになる。
【0094】
次に、この圧電フィルタ39の周波数調整について説明する。
【0095】
周波数調整されていない圧電フィルタ39をエッチング装置内に設置する。このエッチング装置には、圧電フィルタの通過帯域、中心周波数を測定するための測定装置が備えられている。エッチング装置における高周波プローブを、入力端としての引き出し電極35と、出力端としての引き出し電極36と、GND端としての引き出し電極37とにそれぞれ当接した状態で、該圧電フィルタ39の通過帯域幅と、中心周波数とが測定される。
【0096】
その測定結果に基づいて、エッチング装置によって、圧電共振子の振動部38a,38bに対する膜厚を小さくするエッチング処理を行って周波数調整がなされる。詳述すると、まず、通過帯域幅を測定しながら、基板31の上面の上部電極32a,32bに対して、イオンミリングを行う。このとき、エッチング抑制膜34が形成されている上部電極32aに比して上部電極32bの方がミリングされ易いことから、斜対称モードと対称モードの共振周波数がずれていくことになる。このため、通過帯域幅が減少していく。その加工を所望の通過帯域幅になるまで行う。その加工調整が終了した後、基板31の下面の下部電極33に例えば銀などを蒸着処理して調整膜40を形成する。この蒸着の質量付加効果により、圧電フィルタ39の中心周波数が低周波数側へシフトしていく。所望の中心周波数になるまで蒸着処理を行う。
【0097】
この構造の2重モードフィルタは、所望の共振周波数に調整されることになる。その調整は、基板31の上面の上部電極に対するエッチングにより、通過帯域幅調整が行え、基板31の下面の下部電極に対する膜付加により、中心周波数調整が行える。また、フィルタ特性を振動部に対する直接測定を行いながら調整できるので、高精度に調整できる。
【0098】
(実施形態4)
次に、本発明に係る圧電フィルタの実施形態4について説明する。図14は、圧電フィルタの縦断面図、図15は、図14の圧電フィルタの平面図(a)と下面図(b)、図16(a)〜(c)は、図14の圧電フィルタの製造過程を示す要部断面図である。
【0099】
図14には、1つの直列共振子と、1つの並列共振子からなるラダー型圧電フィルタが示されている。図14及び図15を参照して、41は、タンタル酸リチウム(LiTaO3)で形成された薄板状の圧電体からなる圧電性基板、42a,42bは、基板41の上面にそれぞれ所定位置に成膜された金属膜からなる上部電極、43は、基板41の下面の所定位置に成膜された金属膜からなる下部電極、44は、上部電極42aの表面にさらに成膜されたエッチング抑制膜である。基板41は、例えば、ニオブ酸リチウム(LiNbO3)、水晶などが用いられても良い。
【0100】
基板41は、上下両面が鏡面仕上げされている。この基板41の上面の2箇所にそれぞれ位置設定されて一対の上部電極42a,42bが成膜されている。各上部電極42a,42bは、平面視矩形状である。両上部電極42a,42bは、アルミニウム(Al)によりなる。一方の上部電極42aの表面には、同一条件でのエッチングの進行がアルミニウムよりも著しくエッチング速度の大きい金(Au)などの導電体材料からなる付加膜としてのエッチング容易膜44が成膜されている。他方の上部電極42bは、アルミニウムで形成されたままの表面部となっている。
【0101】
基板41の下面には、両上部電極42a,42bと対向する位置に一つの平面視矩形状の下部電極43が成膜されている。下部電極43は、アルミニウムによりなる。アルミニウムにかえて、金(Au)などの高導電率材により、下部電極43を形成してもよい。下部電極43は、後述するように、周波数調整を行うためのエッチングが施されている。
【0102】
上部電極42aに接続された引き出し電極45がGND電極として、基板41の上面に形成されている。上部電極42bに接続された引き出し電極46が出力電極として、基板41の上面に形成されている。下部電極43に接続された引き出し電極47が入力電極として、基板41の下面に形成されている。ここで、下部電極43と上部電極42aとこれらで上下に挟み込まれた基板41の部分からなる振動部を有する圧電共振子48が構成されている。下部電極43と上部電極42bとこれらで上下に挟み込まれた基板41の部分からなる振動部を有する圧電共振子49が構成されている。
【0103】
次に、この圧電フィルタの製造方法について、所定工程を断面図として図示する図16に基づいて以下に説明する。図16(a)を参照して、両面が鏡面仕上げされた薄板状のタンタル酸リチウム(LiTaO3)からなる基板41が用意される。図16(b)を参照して、基板41の両面それぞれに、図示しないパターン化されたレジスト膜により所要領域が保護される状態で、真空蒸着またはスパッタリングなどによって、アルミニウム(Al)などを材料として電極膜が基板1全面に成膜される。その後、レジスト膜が剥離除去されることによって、上部電極42a,42b、下部電極43が、それぞれ形成される。
【0104】
次いで、図16(c)を参照して、不図示のメタルマスクなどでマスキングして、真空蒸着またはスパッタリングなどにより上部電極32aが形成される部分に対応して金(Au)からなるエッチング容易膜44がそれぞれ成膜される。
【0105】
次いで、引き出し電極45,46,47などが基板41に成膜される。ここまでの工程において、周波数調整していない状態の圧電フィルタが得られたことになる。
【0106】
次に、この圧電フィルタの周波数調整について説明する。圧電共振子48及び圧電共振子49についてそれぞれ個別にその肉厚を減じる加工することによって、各圧電共振子48,49の共振周波数が所望の周波数に調整される。この調整では、高周波ネットワークアナライザなどの測定装置が用いられる。高周波ネットワークアナライザからの周波数信号が、引き出し電極45と引き出し電極47との間に入力され、その間の振動部が励振され、圧電共振子48の共振周波数を測定する。同様に、高周波ネットワークアナライザからの周波数信号が、引出し電極46と引き出し電極47との間に入力され、その間の振動部が励振され、圧電共振子49の共振周波数を測定する。
【0107】
その測定結果からは、圧電共振子48,49におけるそれぞれの所望の周波数からのずれ量を知ることができる。これにより、予め実験により求めておいたアルゴン(Ar)雰囲気におけるエッチングとしてのイオンミリング時間と、周波数のずれ量との関係から、所望の共振周波数に合わせるよう調整するのに必要なイオンミリング時間を求めることができる。圧電共振子48を所望の共振周波数に合わせるのに必要なイオンミリング時間がt1、圧電共振子49を所望の共振周波数に合わせるのに必要なイオンミリング時間がt2として求められたとする。
【0108】
まず、上面全体を時間t1だけイオンミリングすることにより、上部電極42a上に形成されているエッチング容易膜44が上部電極42bよりもエッチングされ、圧電共振子48が共振周波数が高い側へ移動して所望の周波数となる。このとき、圧電共振子48の上部電極42aは、エッチング容易膜44で表面部が被覆されているので、この圧電共振子48の共振周波数が、圧電共振子49の共振周波数より大きく移動する。これにより、所望の通過帯域幅に調整することが出来る。その後、下面全体を時間t2だけイオンミリングすることにより、下部電極43がエッチングされ、圧電フィルタの中心周波数を合わせることができる。
【0109】
(実施形態5)
次に、本発明に係るデュプレクサについて説明する。
【0110】
図17に示されるようなデュプレクサ50は、アンテナ端子51、受信側端子52および送信側端子53が設けられている。受信側端子52および送信側端子53と、アンテナ端子51との間に所要周波数帯域の通過のみ許す本発明に係る圧電フィルタを含む構成となっている。
【0111】
(実施形態6)
次に、本発明に係る通信装置について説明する。図18に通信装置の簡易なブロック図を示している。
【0112】
この通信装置54は、図18に示すように、本体に備えられる受信回路55と、送信回路56と、アンテナ57とを備えている。また、アンテナ57と、送信回路56および受信回路55とは、上記実施形態5で説明したようなデュプレクサ50を介して信号伝送がなされる。したがって、このデュプレクサ50に回路素子として含まれる本発明に係る圧電フィルタによって、この通信装置は、その動作特性が安定したものとなる。
【0113】
(実施形態7)
次に、本発明に係るラダー型圧電フィルタの実施形態7について簡単に説明する。図19は、圧電フィルタの縦断面図、図20は、図19の圧電フィルタの平面図(a)と下面図(b)である。
【0114】
図19及び図20を参照して、薄板状の圧電体からなる圧電性基板61の上面側に一対の上部電極62a,62bが成膜され、各上部電極62a,62bと対向配置される下部電極63が基板61の下面側に成膜されている。
【0115】
上部電極62aに接続された引き出し電極64がGND電極として、基板61の上面に形成されている。上部電極62bに接続された引き出し電極65が出力電極として、基板61の上面に形成されている。下部電極63に接続された引き出し電極66が入力電極として、基板61の下面に形成されている。上部電極62aと、下部電極63と、該両電極62a,63により挟み込まれた基板61の部分からなる振動部を有する並列圧電共振子67が形成されている。上部電極62bと、下部電極63と、該両電極62b,63により挟み込まれた基板61の部分からなる振動部を有する直列圧電共振子68が形成されている。
【0116】
上部電極62aは金(Au)により成膜されたものである。上部電極62b,下部電極63はアルミニウム(Al)により成膜されたものである。したがって、上部電極62aは上部電極62bよりも同一条件でエッチングの進行され易いものとなっている。
【0117】
次に、この圧電フィルタの周波数調整について説明する。並列圧電共振子67及び直列圧電共振子68についてそれぞれ個別にその肉厚を減じる加工することによって、各圧電共振子67,68の共振周波数が所望の周波数に調整される。この調整では、高周波ネットワークアナライザなどの測定装置が用いられる。高周波ネットワークアナライザからの周波数信号が、入力電極66とGND電極64との間に入力され、その間の振動部が励振され、並列圧電共振子67の共振周波数を測定する。同様に、高周波ネットワークアナライザからの周波数信号が、入力電極66と電極65との間に入力され、その間の振動部が励振され、直列圧電共振子68の共振周波数を測定する。
【0118】
その測定結果からは、並列圧電共振子67,直列圧電共振子68におけるそれぞれの所望の周波数からのずれ量を知ることができる。これにより、予め実験により求めておいたアルゴン(Ar)雰囲気におけるエッチングとしてのイオンミリング時間と、周波数のずれ量との関係から、所望の共振周波数に合わせるよう調整するのに必要なイオンミリング時間を求めることができる。並列圧電共振子67を所望の共振周波数に合わせるのに必要なイオンミリング時間がt1、直列圧電共振子68を所望の共振周波数に合わせるのに必要なイオンミリング時間がt2として求められたとする。
【0119】
まず、上面全体を時間t1だけイオンミリングすることにより、上部電極62aが上部電極62bよりもエッチングされ、圧電共振子67が共振周波数が高い側へ移動して所望の周波数となる。このとき、圧電共振子67の上部電極62aは、上部電極62bよりもエッチングが容易であるので、この圧電共振子67の共振周波数が、圧電共振子68の共振周波数より大きく移動する。これにより、圧電フィルタの通過帯域幅を所望の値に調整することが出来る。その後、下面全体を時間t2だけイオンミリングすることにより、下部電極63がエッチングされ、圧電フィルタの中心周波数を合わせることができる。
【0120】
本発明は、上記各実施形態として説明したものに限定されるものでなく、例えば次のような変形例や応用例などでも良い。
【0121】
(1)振動部を構成する圧電薄膜は、AlNを主成分とする圧電薄膜で構成しても良い。また、その圧電薄膜は、複数層積層するように成膜されたものでも良い。
【0122】
(2)圧電体を上部電極と下部電極とで対向するように挟んで構成される振動部からなる圧電共振子が、1つの基板に対して3個以上形成される圧電フィルタでも良い。また、圧電フィルタに変えて、複数の圧電共振子を用いて構成される複合圧電共振器において、複数の圧電共振子の上部電極の材料をエッチングの進行速度が異なる材料で構成したり、特定の圧電共振子の上部電極上に上部電極の材料とはエッチングの進行速度が異なる材料からなる付加膜を形成するなどして、特定の圧電共振子の共振周波数を調整するようにしても良い。
【0123】
(3)図21を参照して、本発明に係る圧電フィルタの他の実施形態について説明する。この実施形態は、請求項1に係る圧電フィルタの一例である。この実施形態は、請求項1,14に係る圧電フィルタ、および圧電フィルタの周波数調整方法の一例である。
【0124】
この圧電フィルタは、基板71と、基板71の開口部76上に形成された並列圧電共振子77と直列圧電共振子78とを有する。詳述すると、71は、異方性エッチング可能なシリコン基板、72は、酸化珪素(SiO2)による薄膜、73は、酸化亜鉛(ZnO)を主成分として少なくとも一層以上有する薄膜部としての圧電薄膜、74a,74bは、アルミニウム(Al)などによる下部電極、75a,75bは、上部電極である。上部電極75aは、アルミニウム(Al)により成膜されたものである。上部電極75bは、金(Au)により成膜されたものである。したがって、上部電極75bは上部電極75aよりも同一条件でエッチングの進行され易いものとなっている。それぞれの上部電極75a,75bは、それぞれに対応する所定膜厚で成膜される。
【0125】
下部電極74a、圧電薄膜73、上部電極75aにより構成される振動部と、下部電極74b、圧電薄膜73、上部電極75bにより構成される振動部とのそれぞれが、ダイヤフラム79上で並列圧電共振子77、直列圧電共振78を構成している。
【0126】
次に、この圧電フィルタの周波数調整について説明する。直列圧電共振子78についてその肉厚を減じる加工が施されることによって、その直列圧電共振子78の共振周波数を高周波側にシフトさせ、直列圧電共振子78の共振周波数と並列圧電共振子77の共振周波数との差を変化させることで、所望の通過帯域幅が得られるように調整する。この調整では、高周波ネットワークアナライザなどの測定装置を用いもよい。この場合、並列圧電共振子77,直列圧電共振子78からなるラダーフィルタの中心周波数と通過帯域幅等が該高周波ネットワークアナライザで測定される。
【0127】
この測定結果に基づいて、通過帯域幅について圧電フィルタに要求される所望の通過帯域幅の値とのずれ量が得られる。予め実験により求めておいたアルゴン(Ar)雰囲気におけるエッチングとしてのイオンミリング時間と良品の圧電フィルタにおける通過帯域幅の減少量との関係から、所望の通過帯域幅に周波数調整を行うの必要なイオンミリング時間t1が計算できる。なお、このアルゴン雰囲気中におけるイオンミリングレートの具体的数値を以下に示す。アルミニウムは、2.0(nm/min)である。金は、10.0(nm/min)である。
【0128】
その計算結果に基づいて、前記圧電フィルタをイオンミリング装置に導入して、アルゴン雰囲気において表面を時間t1だけエッチングする。このエッチングにより、上部電極75a,75bのうち、上部電極75aよりも上部電極75bの方がエッチングされやすくなっているから、上部電極75bの薄膜化が促進され、直列圧電共振子78の共振周波数が高くなる側にシフトされるよう調整され、直列圧電共振子78の共振周波数と並列圧電共振子77の共振周波数との差を変化させることで、所望の通過帯域幅が得られるように調整する。この後、開口部76の方向より、薄膜72をエッチングして薄くしたり、調整膜を付加することで、圧電フィルタ全体の周波数を調整する。
【0129】
以上のように、本実施の形態では、ラダー型の圧電フィルタにおいて、直列圧電共振子の上部電極と並列圧電共振子の上部電極を、同一条件でのエッチングの進行が異なる材料で形成することで、直列圧電共振子と並列圧電共振子のエッチングによる周波数の変化の大きさに差が出るようにする。このようにすることで、マスクなどを用いることなく、上部電極に対するエッチングによって、直列圧電共振子と並列圧電共振子の共振周波数の差を調整し、圧電フィルタの通過帯域幅を所望の値に調整することが出来る。特に、開口部を有する基板を用い、開口部上に圧電共振子の振動部を形成してなる圧電フィルタにおいては、上部電極に対するエッチングによって、圧電フィルタの通過帯域幅を所望の値に調整した後に、開口部の方向より、開口部を塞ぐように形成された薄膜に対するエッチング又は調整膜の付加によって、圧電フィルタ全体の調整を行なうことが出来る。
【0130】
なお、この(3)の場合、各圧電共振子によって圧電フィルタが構成されるものを示したが、各圧電共振子が互いに電気的に接続されるものでなく、複数の圧電共振子が同一基板上に形成される複合圧電共振器としても良い。
【0131】
(4)図22を参照して、本発明に係る圧電フィルタの他の実施形態について説明する。この実施形態は、圧電フィルタ、および圧電フィルタの周波数調整方法の一例である。
【0132】
この圧電フィルタは、基板81と、基板81の開口部86上に形成された並列圧電共振子87と直列圧電共振子88の2つの振動部とを有する。詳述すると、81は、異方性エッチング可能なシリコン基板、82は、酸化珪素(SiO2)による薄膜、83は、酸化亜鉛(ZnO)を主成分として少なくとも一層以上有する薄膜部としての圧電薄膜、84a,84bは、アルミニウム(Al)などによる下部電極、85は、同じくアルミニウム(Al)などによる上部電極である。上部電極85は、アルミニウム(Al)により成膜されたものである。また、上部電極85は、並列圧電共振子87と直列圧電共振子88の2つの振動部に共通するよう、各下部電極84a,84bと厚み方向で対向する状態に成膜されている。さらに、上部電極85上に、SiO、SiNあるいはAlなどから成る保護膜90が積層状態に成膜されている。下部電極84aと厚み方向で対向する状態で、保護膜90上に付加電極91が成膜されている。この付加電極91は、金(Au)などにより成膜されたものである。保護膜90は、絶縁性であり、付加電極91と上部電極85とは電気的に導通されていない。そして、保護膜90と付加電極91とは、同一条件でのエッチングレートが異なるものとなっている。また、保護膜90と付加電極91とは所定厚みで成膜されている。
【0133】
ここで、下部電極84a、圧電薄膜83、上部電極85、保護膜90により構成される振動部と、下部電極84b、圧電薄膜83、上部電極85、保護膜90、付加電極91により構成される振動部とのそれぞれが、ダイヤフラム89上で並列圧電共振子87、直列電共振子88を構成している。
【0134】
次に、この圧電フィルタの周波数調整について説明する。並列圧電共振子87についてその肉厚を減じる加工が施されることによって、その並列圧電共振子87の共振周波数を直列圧電共振子88の直列共振周波数に近づけるように調整する。この調整では、高周波ネットワークアナライザなどの測定装置を用いてもよい。この場合、並列圧電共振子87,直列圧電共振子88から成るフィルタの中心周波数と通過帯域幅等が該高周波ネットワークアナライザで測定される。
【0135】
この測定結果に基づいて、通過帯域幅について圧電フィルタに要求される所望の通過帯域幅の値とのずれ量が得られる。予め実験により求めておいたアルゴン(Ar)雰囲気におけるエッチングとしてのイオンミリング時間と良品の圧電フィルタにおける通過帯域幅の減少量との関係から、所望の通過帯域幅に周波数調整を行うの必要なイオンミリング時間t1が計算できる。
【0136】
その計算結果に基づいて、前記圧電フィルタをイオンミリング装置に導入して、アルゴン雰囲気において表面を時間t1だけエッチングする。このエッチングにより、付加電極91と保護膜90のうち、保護膜90よりも付加電極91の方がエッチングされやすくなっているから、付加電極91の薄膜化が促進され、並列圧電共振子87の共振周波数が高くなる側にシフトされるよう調整される。このようにして、直列圧電共振子88の共振周波数と並列圧電共振子87の共振周波数との差を変化させることで、所望の通過帯域幅が得られるように調整する。この後、開口部86の方向より、薄膜82をエッチングして薄くしたり、調整膜を付加することで、圧電フィルタ全体の周波数を調整する。
【0137】
以上のように、本実施の形態では、ラダー型の圧電フィルタにおいて、直列圧電共振子と並列圧電共振子の双方の振動部が保護膜で覆われていると共に、直列圧電共振子と並列圧電共振子の一方の上部電極上に、保護膜を介して保護膜と同一条件でのエッチングレートが異なる付加電極を形成することで、直列圧電共振子と並列圧電共振子のエッチングによる周波数の変化の大きさに差が出るようにする。このようにすることで、マスクなどを用いることなく、保護膜及び付加電極に対するエッチングによって、直列圧電共振子と並列圧電共振子の共振周波数の差を調整し、圧電フィルタの通過帯域幅を所望の値に調整することが出来る。特に、開口部を有する基板を用い、開口部上に圧電共振子の振動部を形成してなる圧電フィルタにおいては、上部電極に対するエッチングによって、圧電フィルタの通過帯域幅を所望の値に調整した後に、開口部の方向より、開口部を塞ぐように形成された薄膜に対するエッチング又は調整膜の付加によって、圧電フィルタ全体の調整を行なうことが出来る。
【0138】
(5)基板に振動空間としての基板に上下に貫通する貫通孔からなる開口部が設けられるとともに、振動部を形成するためのダイヤフラムが開口部を覆うように設けられた構成の圧電フィルタとは別の実施形態として、基板表面に有底の凹みを形成して凹部とし、その凹部上に圧電共振子を形成した圧電フィルタでもよい。
【0139】
具体的には、図23を参照して、本発明に係る圧電フィルタの他の実施形態について説明する。
【0140】
この圧電フィルタは、基板101と、基板101の上面側に設けられた有底の凹部106上に形成された並列圧電共振子107と直列圧電共振子108の2つの振動部とを有する。詳述すると、101は、異方性エッチング可能なシリコン基板、102は、酸化珪素(SiO2)による絶縁薄膜、103は、酸化亜鉛(ZnO)を主成分として少なくとも一層以上有する薄膜部としての圧電薄膜、104は、アルミニウム(Al)などによる下部電極、105a,105bは、上部電極である。上部電極105aは、アルミニウム(Al)により成膜されたものである。上部電極105bは、金(Au)により成膜されたものである。したがって、上部電極105bは上部電極105aよりも同一条件でエッチングの進行され易いものとなっている。それぞれの上部電極105a,105bは、それぞれに対応する所定膜厚で成膜される。
【0141】
下部電極104、圧電薄膜103、上部電極105aにより構成される振動部と、下部電極104、圧電薄膜103、上部電極105bにより構成される振動部とのそれぞれが、で並列圧電共振子107、直列圧電共振子108を構成している。
【0142】
次に、この圧電フィルタの周波数調整について説明する。直列圧電共振子108についてその肉厚を減じる加工が施されることによって、その直列圧電共振子108の共振周波数を高周波側にシフトさせ、直列圧電共振子108の共振周波数と並列圧電共振子107の共振周波数との差を変化させることで、所望の通過帯域幅が得られるように調整する。この調整では、高周波ネットワークアナライザなどの測定装置を用いもよい。この場合、並列圧電共振子107,直列圧電共振子108よりなるフィルタの中心周波数と通過帯域幅等が該高周波ネットワークアナライザで測定される。
【0143】
この測定結果に基づいて、通過帯域幅について圧電フィルタに要求される所望の通過帯域幅の値とのずれ量が得られる。予め実験により求めておいたアルゴン(Ar)雰囲気におけるエッチングとしてのイオンミリング時間と良品の圧電フィルタにおける通過帯域幅の減少量との関係から、所望の通過帯域幅に周波数調整を行うの必要なイオンミリング時間t1が計算できる。なお、このアルゴン雰囲気中におけるイオンミリングレートの具体的数値を以下に示す。アルミニウムは、2.0(nm/min)である。金は、10.0(nm/min)である。
【0144】
その計算結果に基づいて、前記圧電フィルタをイオンミリング装置に導入して、アルゴン雰囲気において表面を時間t1だけエッチングする。このエッチングにより、上部電極105a,105bのうち、上部電極105aよりも上部電極105bの方がエッチングされやすくなっているから、上部電極105bの薄膜化が促進され、直列圧電共振子108の共振周波数が高くなる側にシフトされるよう調整され、直列圧電共振子108の共振周波数と並列圧電共振子107の共振周波数との差を変化させることで、所望の通過帯域幅が得られるように調整する。
【0145】
なお、この(5)の場合、各圧電共振子によって圧電フィルタが構成されるものを示したが、各圧電共振子が互いに電気的に接続されるものでなく、複数の圧電共振子が同一基板上に形成される複合圧電共振器としても良い。
【0146】
(6)特に図示しないが、例えば、以下に説明するものでも良い。
【0147】
タンタル酸リチウム(LiTaO3)で形成された薄板状の圧電体からなる圧電性基板の上面にそれぞれ所定位置に成膜された金属膜からなる2つの上部電極を設け、この圧電性基板の下面に各上部電極と圧電性基板を挟んで厚み方向で対向する下部電極を設けている。そして、各対向する上部電極、下部電極及びそれら電極で挟まれた圧電性基板の部分からなる振動部を有する圧電共振子が構成されている。両圧電共振子の振動部の少なくとも上部電極全体および両振動部間の圧電性基板の上面一部を含む状態で、アルミニウム(Al)などによる保護膜が成膜されている。さらに、一方の上部電極の保護膜表面に積層される状態で金(Au)などによる付加電極が成膜されている。保護膜は導電性であり、付加電極と上部電極とは保護膜を介して電気的に導通されている。そして、保護膜と付加電極とは、同一条件でのエッチングレートが異なるものとなっている。また、保護膜と付加電極とは所定厚みで成膜されている。なお、圧電性基板は、例えば、ニオブ酸リチウム(LiNbO3)、水晶などが用いられても良い。
【0148】
この場合も、上記各圧電フィルタの実施形態と同様に、振動部に対する周波数調整を行うことができる。
【0149】
【発明の効果】
本発明に係る圧電フィルタによれば、複数の圧電共振子の各振動部を同時にエッチングするときにそれぞれにおいて薄肉化の度合いも異なることになるので、特定の圧電共振子を選択的に周波数調整できる。また、各振動部に対する所望の周波数調整がそのエッチングのときに一括的に行える。特に、基板の裏面に開口部を有する構成の場合、裏面から振動部を薄くするよう削ったり、あるいは裏面において振動に膜を付加することで、圧電フィルタ全体としての周波数調整もできる。
【0150】
特に、本発明に係るラダー型の圧電フィルタにおいては、直列圧電共振子と並列圧電共振子の一方の上部電極上に、同一条件でのエッチングの進行が上部電極材料よりも小さいエッチング抑制膜を形成する。つまり、直列圧電共振子と並列圧電共振子のエッチングによる周波数の変化の大きさに差が出るようにする。このようにすることで、マスクなどを用いることなく、上部電極に対するエッチングによって、直列圧電共振子と並列圧電共振子の共振周波数の差を調整し、圧電フィルタの通過帯域幅を所望の値に調整することが出来る。特に、開口部を有する基板を用い、開口部上に圧電共振子の振動部を形成してなる圧電フィルタにおいては、上部電極に対するエッチングによって、圧電フィルタの通過帯域幅を所望の値に調整した後に、開口部の方向より、開口部を塞ぐように形成された薄膜に対するエッチング又は調整膜の付加によって、圧電フィルタ全体の調整を行なうことが出来る。
【0151】
また、本発明に係るラダー型の圧電フィルタにおいて、直列圧電共振子の上部電極と並列圧電共振子の上部電極を、同一条件でのエッチングの進行が異なる材料で形成する。つまり、直列圧電共振子と並列圧電共振子のエッチングによる周波数の変化の大きさに差が出るようにする。このようにすることで、マスクなどを用いることなく、上部電極に対するエッチングによって、直列圧電共振子と並列圧電共振子の共振周波数の差を調整し、圧電フィルタの通過帯域幅を所望の値に調整することが出来る。特に、開口部を有する基板を用い、開口部上に圧電共振子の振動部を形成してなる圧電フィルタにおいては、上部電極に対するエッチングによって、圧電フィルタの通過帯域幅を所望の値に調整した後に、開口部の方向より、開口部を塞ぐように形成された薄膜に対するエッチング又は調整膜の付加によって、圧電フィルタ全体の調整を行なうことが出来る。
【0152】
また、本発明に係るラダー型の圧電フィルタにおいて、直列圧電共振子と並列圧電共振子の双方の振動部が保護膜で覆われていると共に、直列圧電共振子と並列圧電共振子の一方の上部電極上に、保護膜を介して保護膜と同一条件でのエッチングレートが異なる付加電極を形成する。つまり、直列圧電共振子と並列圧電共振子のエッチングによる周波数の変化の大きさに差が出るようにする。このようにすることで、マスクなどを用いることなく、保護膜及び付加電極に対するエッチングによって、直列圧電共振子と並列圧電共振子の共振周波数の差を調整し、圧電フィルタの通過帯域幅を所望の値に調整することが出来る。特に、開口部を有する基板を用い、開口部上に圧電共振子の振動部を形成してなる圧電フィルタにおいては、上部電極に対するエッチングによって、圧電フィルタの通過帯域幅を所望の値に調整した後に、開口部の方向より、開口部を塞ぐように形成された薄膜に対するエッチング又は調整膜の付加によって、圧電フィルタ全体の調整を行なうことが出来る。
【0153】
また、圧電性基板を上部電極と下部電極とが対向するように挟んで振動部を複数有する構成の圧電共振子では、上部、下部電極共にその最も外側の表面の材料をエッチングの難易度が異なるものに設定して振動部に対する肉厚調整を行えるようにすることで、上部電極へのエッチングで特定の振動部、または特定のグループの振動部に対する周波数調整を行え、また下部電極へのエッチングで他の振動部、または他の特定のグループの振動部に対する周波数調整を行うことができる。この場合、下部電極が共通化されていると、その下部電極に対する膜厚調整を行うことによって、特定の振動部と、その特定の振動部の他の振動部とを一括して周波数調整することができる。
【0154】
したがって、周波数調整作業の効率化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る圧電フィルタの一実施形態を示す平面図
【図2】 図1に示される圧電フィルタのA−A´線に沿う断面図
【図3】 図1に示される圧電フィルタの回路図
【図4】 図1に示される圧電フィルタの製造過程を示す縦断面側面図
【図5】 図4に引き続く圧電フィルタの製造過程を示す縦断面側面図
【図6】 図5に引き続く圧電フィルタの一製造過程で、一つの振動部の周波数調整をした後の状態を示す縦断面側面図
【図7】 本発明に係る圧電フィルタの別の実施形態を示す縦断面側面図
【図8】 図7に示される圧電フィルタの平面図(a)と、下面図(b)
【図9】 図7に示される圧電フィルタの回路図
【図10】 図7に示される圧電フィルタの製造過程を示す縦断面側面図
【図11】 本発明に係る圧電フィルタの別の実施形態を示す縦断面側面図
【図12】 図11に示される圧電フィルタの平面図(a)と、下面図(b)
【図13】 図11に示される圧電フィルタの製造過程を示す縦断面側面図
【図14】 本発明に係る圧電フィルタの別の実施形態を示す縦断面側面図
【図15】 図14に示される圧電フィルタの平面図(a)と、下面図(b)
【図16】 図14に示される圧電フィルタの製造過程を示す縦断面側面図
【図17】 本発明に係るデュプレクサを示す概略説明図
【図18】 本発明の係る通信装置の一例を示す概略説明図
【図19】 本発明に係る圧電フィルタの別の実施形態を示す縦断面側面図
【図20】 図19に示される圧電フィルタの平面図(a)と、下面図(b)
【図21】 本発明に係る圧電フィルタの別の実施形態を示す縦断面側面図
【図22】 本発明に係る圧電フィルタの別の実施形態を示す縦断面側面図
【図23】 本発明に係る圧電フィルタの別の実施形態を示す縦断面側面図
【図24】 本発明に係る圧電フィルタの別の実施形態を示す縦断面側面図
【符号の説明】
1 基板
3 圧電薄膜(圧電体)
4a,4b 下部電極
5a,5b 上部電極
7,8 振動部
13 付加膜

Claims (20)

  1. 基板と、前記基板に形成されている、少なくとも1層以上の圧電薄膜を有する薄膜部の上下面を少なくとも一対の上部電極及び下部電極を対向させて挟む構造の振動部を有する圧電共振子を複数備える圧電フィルタにおいて、
    所定の圧電共振子の上部電極が、他の圧電共振子の上部電極とはエッチングの難易度が異なる材料からなることを特徴とする圧電フィルタ。
  2. 請求項1に記載の圧電フィルタにおいて、前記圧電薄膜がZnOもしくはAlNを主成分とすることを特徴とする圧電フィルタ。
  3. 請求項1または2に記載の圧電フィルタにおいて、
    前記基板は開口部もしくは凹部を有し、前記開口部もしくは凹部上に前記振動部が形成されていることを特徴とする圧電フィルタ。
  4. 圧電性基板と、前記圧電性基板を少なくとも一対の上部電極及び下部電極を対向させて挟む構造の振動部を有する圧電共振子を複数備える圧電フィルタにおいて、
    所定の圧電共振子の上部電極が、他の圧電共振子の上部電極とはエッチングの難易度が異なる材料からなることを特徴とする圧電フィルタ。
  5. 請求項4に記載の圧電フィルタにおいて、
    前記複数の圧電共振子の振動部は保護膜で覆われているとともに、所定の圧電共振子の上部電極の上に、前記保護膜を介して、付加電極が形成されていることを特徴とする圧電フィルタ。
  6. 請求項4に記載の圧電フィルタにおいて、
    前記複数の圧電共振子の少なくとも一つの下部電極が、他の圧電共振子の下部電極とはエッチングの難易度が異なる材料からなることを特徴とする圧電フィルタ。
  7. 請求項4に記載の圧電フィルタにおいて、
    前記複数の圧電共振子の少なくとも一つの下部電極上に、他の圧電共振子の下部電極の材料とはエッチングの難易度が異なる付加膜が形成されていることを特徴とする圧電フィルタ。
  8. 請求項4に記載の圧電フィルタにおいて、
    前記複数の圧電共振子の少なくとも一部の下部電極が共通化されていることを特徴とする圧電フィルタ。
  9. 圧電共振子をラダー構成にしていることを特徴とする請求項1ないしのいずれかに記載の圧電フィルタ。
  10. 請求項1ないしのいずれかに記載の圧電フィルタを用いていることを特徴とするデュプレクサ。
  11. 基板と、前記基板に形成されている、少なくとも1層以上の圧電薄膜を有する薄膜部の上下面を少なくとも一対の上部電極及び下部電極を対向させて挟む構造の振動部を有する圧電共振子を複数備える複合圧電共振器において、
    所定の圧電共振子の上部電極が、他の圧電共振子の上部電極とはエッチングの難易度が異なる材料からなることを特徴とする複合圧電共振器。
  12. 請求項11に記載の複合圧電共振器において、前記圧電薄膜がZnOもしくはAlNを主成分とすることを特徴とする複合圧電共振器。
  13. 請求項11または12に記載の複合圧電共振器において、
    前記基板は開口部もしくは凹部を有し、前記開口部もしくは凹部上に前記振動部が形成されていることを特徴とする複合圧電共振器。
  14. 請求項1ないしのいずれかに記載の圧電フィルタ、請求項10に記載のデュプレクサ、又は、請求項11ないし13のいずれかに記載の複合圧電共振器を用いていることを特徴とする通信装置。
  15. 基板と、前記基板に形成されている、少なくとも1層以上の圧電薄膜を有する薄膜部の上下面を少なくとも一対の上部電極及び下部電極を対向させて挟む構造の振動部を有する圧電共振子を複数備え、所定の圧電共振子の上部電極が、他の圧電共振子の上部電極とはエッチングの難易度が異なる材料からなる圧電フィルタの周波数調整方法において、
    前記所定の圧電共振子の上部電極をエッチングすることによって前記所定の圧電共振子の周波数調整を行うことを特徴とする圧電フィルタの周波数調整方法。
  16. 請求項15に記載の圧電フィルタの周波数調整方法において、
    前記基板は開口部を有し、前記開口部上に前記振動部が形成されており、前記開口部から前記振動部に対して、膜付加もしくはエッチングにより、前記複数の圧電共振子の周波数調整をさらに行うことを特徴とする圧電フィルタの周波数調整方法。
  17. 圧電性基板と、前記圧電性基板を少なくとも一対の上部電極及び下部電極を対向させて挟む構造の振動部を有する圧電共振子を複数備え、所定の圧電共振子の上部電極が、他の圧電共振子の上部電極とはエッチングの難易度が異なる材料からなる圧電フィルタの周波数調製方法において、
    前記所定の圧電共振子の上部電極をエッチングすることによって前記所定の圧電共振子の周波数調整を行うことを特徴とする圧電フィルタの周波数調整方法。
  18. 請求項17に記載の圧電フィルタの周波数調整方法において、
    前記複数の圧電共振子の少なくとも一つの下部電極が、他の圧電共振子の下部電極とはエッチングの難易度が異なる材料からなる下部電極をエッチングすることによって圧電共振子の周波数調整を行うことを特徴とする圧電共振子の周波数調整方法。
  19. 請求項17に記載の圧電フィルタの周波数調整方法において、
    前記複数の圧電共振子の少なくとも一つの下部電極上に、他の圧電共振子の下部電極の材料とはエッチングの難易度が異なる付加膜が形成されており、前記上部電極の周波数調整を行った後、前記下部電極の付加膜をエッチングすることによって前記所定の圧電共振子の周波数調整を行うことを特徴とする圧電フィルタの周波数調整方法。
  20. 請求項17に記載の圧電フィルタの周波数調整方法において、
    前記複数の圧電共振子の少なくとも一部の下部電極が共通化されており、前記上部電極の周波数調整を行った後、前記下部電極をエッチングすることによって前記所定の圧電共振子の周波数調整を行うことを特徴とする圧電フィルタの周波数調整方法。
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