JP4036007B2 - 紫外線硬化型塗料組成物及びその利用 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、紫外線の照射によって硬化する顔料を含有する塗料組成物に関し、主にベースコート、白色顔料を配合する場合は、ホワイトベースコート、アルミニウムを顔料として配合する場合は、シルバーコートとして用いられる。
詳細には、本発明は、金属、プラスチック、プラスチックフィルム被覆金属の被覆剤として好適に用いられる紫外線硬化型塗料組成物に関する。
本発明は、特に、飲料又は食品を収容する飲料缶や食缶(以下飲料缶等という)のベースコートやシルバーコートとして、好適な紫外線硬化型塗料組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
飲料又は食品を収容する飲料缶や食缶(以下飲料缶等という)の外面は、缶基材の腐食を防止し、美的商品価値を高めるべく、塗膜によって被覆されている。この塗膜には食品殺菌処理時の熱処理工程に対する耐性が要求される。
【0003】
従来これらの塗膜は、エポキシ/アミノ系樹脂、アクリル/アミノ系樹脂、ポリエステル/アミノ系樹脂等の有機溶剤型塗料をロールコートにて塗装し、焼き付け硬化することによって形成されてきた。
しかし、これらの塗料は、焼き付け時に、多量の溶剤を揮散するので、大気汚染を防止すべく特別の回収装置が必要である。そこで最近では、大気汚染の原因となりにくく、特別の回収装置のいらない水性塗料が種々提案されている。
【0004】
しかし、この水性塗料においても、200℃以上の高温と分単位の焼き付け時間を要するため、エネルギーコスト及び生産性、さらには設備のスペース等の点で改良が望まれている。
大気を汚染しにくく、省エネルギー、省資源、省スペースの点では紫外線硬化性組成物の利用が好ましい。
【0005】
紫外線の照射により短時間で架橋硬化する組成物としては、ラジカル重合型とカチオン重合型とがある。
ラジカル重合型としては、(メタ)アクリロイル基を有する組成物、不飽和ポリエステル系組成物、ポリエン−チオール系組成物等の不飽和二重結合を有する化合物が知られている。
カチオン重合型としては、エポキシ基を有する組成物、オキセタン基を有する組成物、ビニルエーテル基を有する組成物等が知られており、それぞれ適当な重合開始剤と共に使用される。
【0006】
紫外線硬化性組成物のうちラジカル重合性組成物の様に不飽和二重結合を有する化合物を含む組成物は、硬化が速く、硬化後の塗膜硬度が高いという長所を有する。反面、硬化反応により歪みが発生しやすく、これにより基材との密着性が不足しやすいという短所を有する。
一方、カチオン重合性組成物は、硬化反応により歪みが発生しにくく、基材との密着性が良好であるという長所を有するが、硬化が遅く、硬化後の塗膜硬度が低いという短所を有する。
【0007】
このような特徴を有するために、顔料を含有しない場合、硬化性及び塗膜硬度に対する要求が高い用途にはラジカル重合性組成物が多く用いられ、基材との密着性が強く要求される用途には、カチオン重合性組成物が多く用いられている。
【0008】
一方、顔料を含有する場合、顔料が紫外線を吸収したり、紫外線を反射し、塗膜内部への紫外線の到達を妨げてしまうので、塗膜を十分紫外線硬化させることが難しい。
そこで、顔料を含有する場合、硬化性に優れるラジカル重合性組成物が多く用いられるが、密着性が強く要求される用途には、適用することが困難であった。
密着性を重要視する場合には、カチオン重合性組成物が用いられるが、硬化性の確保が困難なので、この場合には顔料濃度を低く抑えて、塗膜を十分紫外線硬化させている。
【0009】
このように顔料を含有する紫外線硬化性組成物においては、硬化性と密着性の両立が困難であり、特に高い密着性を必要とする基材には適用が困難であった。高い密着性能を必要とする用途、例えば、飲料缶やボトル等の円筒状胴部外面に顔料を含有するカチオン重合性塗料組成物を塗布する場合、生産効率向上のために高速塗装化が進む現在、塗膜表面近傍の速硬化性に優れると共に塗膜の内部の速硬化性に優れることが求められる。
【0010】
即ち、飲料缶やボトル等の胴部分は、塗料組成物を塗布した後、紫外線を照射され、10秒程度後には缶やボトルは次の加工行程に搬送されることとなるが、この搬送行程で硬化塗膜同士が接触したり、塗膜と搬送設備とが接触したりする。従って、紫外線硬化直後、具体的には約10秒後には、係る搬送行程に耐え得る程度の硬度まで、塗膜の表面近傍が速やかに硬化することが必要である。
また、紫外線照射約30秒後までには、塗膜の硬化がさらに進行し、内部も十分硬化することが求められる。
【0011】
特開2001−31905には、カチオン性重合性組成物における紫外線照射直後の硬化性を向上すべく、脂環式エポキシ基を有するカチオン重合性物質のエポキシ基数と水酸基を有する化合物の水酸基数の比率を、(エポキシ基数)/(水酸基数)=1.0〜2.0とする旨が記載されている。
特開2001−31905に記載される紫外線硬化性組成物は、紫外線照射直後の硬化性を向上する効果がある。しかし、紫外線照射時の環境湿度が高い場合には、照射直後(約10秒後)十分な硬度の塗膜が得られない。これは、環境中の水分がカチオン重合阻害を起こしやすいからである。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、飲料や食品等を収容する金属、プラスチック、プラスチックフィルム被覆金属製の缶やボトル等の表面に塗布・硬化し、被覆物を形成するための顔料を含有する紫外線硬化型塗料組成物であって、紫外線照射時の環境湿度が高くても、硬化性に優れるカチオン重合性の紫外線硬化型塗料組成物を提供することである。
【0013】
具体的には、本発明の目的は、カチオン重合型組成物において、プラスチック・プラスチックフィルム・金属に硬化後5μ程度の膜厚となるように塗装し、相対湿度=60%以上の環境下で紫外線照射約10秒後、硬度が鉛筆硬度でHB以上、且つ紫外線照射後約30秒後、硬度が鉛筆硬度でH以上となる、塗膜を形成し得る紫外線硬化型塗料組成物を提供することである。
【0014】
【課題を解決するための手段】
即ち、第1の発明は、顔料(A)、2個以上の脂環式エポキシ基を有するカチオン重合性物質(b1)を必須成分として含有する脂環式エポキシ基を有するカチオン重合性物質(B)、オキセタン基を有し、水酸基を有しない化合物(C)、2個以上の水酸基を有し、オキセタン基を有しない化合物(D)及びカチオン重合性光開始剤(E)を含有し、脂環式エポキシ基数とオキセタン基数と水酸基数との比率が(脂環式エポキシ基数)/(オキセタン基数)=0.5〜2.5且つ(脂環式エポキシ基数+オキセタン基数)/(水酸基数)=3.5〜9.0であることを特徴とする紫外線硬化型塗料組成物であり、
【0015】
第2の発明は、顔料(A)が、白色顔料又はアルミニウム顔料であることを特徴とする第1の発明に記載の紫外線硬化型塗料組成物であり、第3の発明は、オキセタン基を有する化合物(C)が、2個以上のオキセタン基を有する化合物であることを特徴とする第1又は第2の発明に記載の紫外線硬化型塗料組成物である。
【0016】
また、第4の発明は、金属、プラスチック、プラスチックフィルム被覆金属から選ばれる少なくとも1種の基材を被覆することを特徴とする第1ないし第3の発明いずれかに記載の紫外線硬化型塗料組成物であり、第5の発明は、基材が、缶またはボトルであることを特徴とする第4の発明記載の紫外線硬化型塗料組成物である。
【0017】
さらに第6の発明は、基材を第1ないし第3の発明のいずれかに記載の紫外線硬化型塗料組成物で被覆してなる被塗物である。
【0018】
【発明の実施の形態】
本発明において用いられる顔料(A)について説明する。
本発明の紫外線硬化型塗料組成物は、主に飲料缶外面用のベースコートとして用いられる。アルミニウム顔料を配合することによりシルバーベースコートとして用いられ、白色顔料を配合することでホワイトベースコートとして用いられる。
【0019】
アルミニウム顔料としてはアルミニウム粉末が挙げられ、これをミネラルスピリットやソルベントナフサ等でペースト状にしたアルミニウムペーストが好適に用いられる。アルミニウム顔料の含有率は、アルミニウム顔料、及び後述する2個以上の脂環式エポキシ基を有するカチオン重合性物質(b1)を必須成分として含有する脂環式エポキシ基を有するカチオン重合性物質(B)、オキセタン基を有し、水酸基を有しない化合物(C)、2個以上の水酸基を有し、オキセタン基を有しない化合物(D)、カチオン重合性光開始剤(E)の合計100重量%中に、1〜50重量%であることが好ましい。より好ましくは、5〜30重量%である。
【0020】
白色顔料としては、酸化チタン、酸化亜鉛、硫化亜鉛等が挙げられる。白色顔料の含有率は、白色顔料、及び後述する2個以上の脂環式エポキシ基を有するカチオン重合性物質(b1)を必須成分として含有する脂環式エポキシ基を有するカチオン重合性物質(B)、オキセタン基を有し、水酸基を有しない化合物(C)、2個以上の水酸基を有し、オキセタン基を有しない化合物(D)、カチオン重合性光開始剤(E)の合計100重量%中に、10重量%以上であることが望ましい。10重量%より少ないと着色力が劣るためである。
【0021】
2個以上の脂環式エポキシ基を有するカチオン重合性物質(b1)を必須成分として含有する脂環式エポキシ基を有するカチオン重合性物質(B)について説明する。
2個以上の脂環式エポキシ基を有するカチオン重合性物質(b1)としては、少なくとも2個のシクロペンタンオキサイドをその分子構造中に含有するもの、少なくとも2個のシクロヘキサンオキサイドをその分子構造中に含有するもの、あるいはシクロペンタンオキサイドとシクロヘキサンオキサイドとを少なくとも1個ずつその分子構造中に含有するものが挙げられ、必要に応じて、単独あるいは混合して用いることが出来る。
2個以上の脂環式エポキシ基を有するカチオン重合性物質(b1)としては、下記に示されるようなものが例示できる。
【0022】
【化1】
【0023】
【化2】
【0024】
【化3】
【0025】
具体的には、UVR−6110、UVR−6199(以上UCC社製)、セロキサイド2083、セロキサイド2085、エポリードGT−302、エポリードGT−303、エポリードGT−401、エポリードGT−402(以上ダイセル化学社製)等がある。
【0026】
脂環式エポキシ基を有するカチオン重合性物質(B)としては、さらに1個の脂環式エポキシ基を有するカチオン重合性物質を併用することもできる。
但し、2個以上の脂環式エポキシ基を有するカチオン重合性物質(b1)=100重量部としたとき、1個の脂環式エポキシ基を有するカチオン重合性物質=40重量部以下とすることが好ましい。単官能の成分が40重量部よりも多くなると硬化塗膜が脆弱になる傾向にある。
1個の脂環式エポキシ基を有するカチオン重合性物質としては、下記に示されるようなものが例示できる。
【0027】
【化4】
【0028】
具体的には、CHXO、セロキサイド3000、セロキサイド2000、ETHB、HD−300(以上ダイセル化学社製)等がある。
【0029】
次にオキセタン基を有し、水酸基を有しない化合物(C)について説明する。オキセタン基を有する化合物としては、水酸基を有しない化合物が好ましい。水酸基を有しないオキセタン化合物は、環境湿度による紫外線硬化性が低下し難いので好ましい。また、オキセタン基を有し、水酸基を有しない化合物(C)としては、2個以上のオキセタン基を有する化合物の方が好ましい。これは、2個以上のオキセタン基を有する化合物の方が、高硬度の塗膜を得やすいためである。
【0030】
水酸基を有しないオキセタン化合物のうち、オキセタン基を1個有する化合物としては、ヘキシルオキセタン、オキセタンメタクリレート、3−エチル−3−フェノキシメチルオキセタン、アリルオキセタン、3−エチル−3−(2−エチルヘキシロキシメチル)オキセタン、
水酸基を有しないオキセタン化合物のうち、オキセタン基を2個以上有する化合物としては、カーボネートビスオキセタン、アジペートビスオキセタン、キシリレンビスオキセタン、テレフタレートビスオキセタン、シクロヘキサンジカルボン酸ビスオキセタン、ビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル等が挙げ。
これらは、必要に応じて単独あるいは混合して用いることが出来る。
【0031】
次に、2個以上の水酸基を有し、オキセタン基を有しない化合物(D)について説明する。水酸基を有する化合物が、上記した脂環式エポキシ基を有する化合物(B)及びオキセタン基を有し、水酸基を有しない化合物(C)のカチオン重合に組み込まれるのか、カチオン重合を促進するだけなのかは、詳細は不明である。しかし、2個以上の水酸基を有し、オキセタン基を有しない化合物(D)を併用することで、紫外線照射の結果、分子量が大きくなるためか、加工性の良好な塗膜を得ることができる。
【0032】
2個以上の水酸基を有し、オキセタン基を有しない化合物(D)としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、1,4−ブタンジオール、ブテンジオール、ブチンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、2,2,4−トリメチルペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、トリエチレングリコール、ペンタンジオール、トリメチルペンタンジオール、ポリエチレングリコール、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジパンタエリスリトール、ジグリセリン等の2価以上のアルコールを使用することができる。更に、必要に応じて、これらを単独あるいは混合して用いることが出来る。
【0033】
カチオン重合性光開始剤(E)としては、アリールジアゾニウム塩(例えば、旭電化工業社製P−33)、アリールヨードニウム塩(例えば、3M社製FCー509、ローヌ・プーラン社製2074)、アリールスルホニウム塩(ユニオン・カーバイド社製サイラキュアUVI−6974、UVI−6970、UVI−6990、UVI−6950、旭電化工業社製SP−150、SP−170、三新化学工業社製サンエイドSI−110L、SI−180L、SI−100L、日本曹達社製CI−2855)アレン−イオン錯体(チバガイギー社製CG−24−61)等があげられる。
【0034】
カチオン重合性光開始剤(E)は、脂環式エポキシ基を有するカチオン重合性物質(B)とオキセタン基を有し、水酸基を有しない化合物(C)と2個以上の水酸基を有し、オキセタン基を有しない化合物(D)の合計100重量部に対して、1〜10重量部の範囲内で配合されることが望ましい。1重量部未満では硬化に要する紫外線の照射時間が長くなり生産性が悪い。10重量部より多くなると硬化塗膜が脆弱になる傾向にある。
【0035】
本発明の塗料組成物には、更に光増感剤を併用することが出来る。この場合の光増感剤は、水素引き抜き作用を有するものが望ましく、紫外線の長波長域、例えば300nm以上の長波長域に特性吸収を有するものが好適である。例えば、KAYACUREシリーズ(日本化薬社製)よりITX、QTX、CPTX、DETX−S、アデカオプトマーSP−100(旭電化工業社製)等が挙げられる。
【0036】
本発明の塗料組成物は、脂環式エポキシ基数とオキセタン基数と水酸基数との比率が(脂環式エポキシ基数)/(オキセタン基数)=0.5〜2.5、且つ(脂環式エポキシ基数+オキセタン基数)/(水酸基数)=3.5〜9.0であることが極めて重要である。
即ち、上記のように各官能基数を特定の比とすることによって、紫外線照射時の環境湿度が例えば相対湿度=60%以上と高くても、硬化性に優れるカチオン重合性の紫外線硬化型塗料組成物を得ることができる。
【0037】
具体的には、(脂環式エポキシ基数)/(オキセタン基数)が0.5未満の場合、相対湿度=60%以上の環境下で紫外線照射約10秒後、塗膜の鉛筆硬度がHBに達しない。一方、(脂環式エポキシ基数)/(オキセタン基数)が2.5より大きい場合、相対湿度=60%以上の環境下で紫外線照射約30秒後、塗膜の鉛筆硬度がHに達しない。
(脂環式エポキシ基数+オキセタン基数)/(水酸基数)が3.5未満の場合、相対湿度=60%以上の環境下で紫外線照射約30秒後、塗膜の鉛筆硬度がHに達しない。一方、(脂環式エポキシ基数+オキセタン基数)/(水酸基数)が9.0より大きい場合、相対湿度=60%以上の環境下で紫外線照射約10秒後、塗膜の鉛筆硬度がHBに達しない。
【0038】
尚、本発明でいう脂環式エポキシ基数とは、塗料組成物中の全ての脂環式エポキシ基数であり、1個の脂環式エポキシ基を有する化合物を使用した場合には、これも脂環式エポキシ基数に含むものとする。同様に、オキセタン基数及び水酸基数についても、塗料組成物中それぞれの官能基数の合計とする。
【0039】
本発明の紫外線硬化型塗料組成物は、金属、プラスチック、プラスチック被覆金属に適用(塗装・硬化)されることが好ましいが、紙、木材、ガラス等の基材にも適用出来る。
金属としては、スチール、アルミニウム等が挙げられる。
プラスチックとしては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ナイロン、塩化ビニル、塩化ビニリデン、ポリカーボネート等が用いられる。
プラスチックフィルム被覆金属とは、スチールやアルミニウム等の金属板にポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ナイロン、塩化ビニル、塩化ビニリデン、ポリカーボネート等のプラスチックフィルムを張り合わせたものである。
【0040】
金属、プラスチック、プラスチック被覆金属は、缶又はボトルであることが望ましい。板状の基材に本発明の紫外線硬化型塗料組成物を適用(塗装・硬化)してから缶又はボトル状にしても良いし、あらかじめ缶状、ボトル状になった基材に適用しても良い。板状とは、比較的短いシート状のものであっても、比較的長尺のロール状のものであっても、平たい板状のものであればよい。
又、缶状とは底、蓋の有無を問わず、また2ピース、3ピースを問わず、円筒状の曲面を有する形状をいう。これらの缶又はボトルは主として、清涼飲料水、コーヒー飲料、アルコール飲料、紅茶、ウーロン茶等の飲食料品を収納する容器として用いられる。
【0041】
本発明の紫外線硬化型塗料組成物の塗装方法としては、ロールコート、グラビアコート、グラビアオフセットコート、カーテンフローコート、リバースコート、スクリーン印刷、スプレー塗装、及び浸漬塗装等の方法で塗装される。
【0042】
本発明の紫外線硬化型塗料組成物を光硬化させるための光源としては、通常、波長が200〜500nmの範囲の光を含む光源、例えば、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、メタルハライド灯、ガリウム灯、キセノン灯、カーボンアーク灯等を使用することが出来る。又、これらの光源と、赤外線、遠赤外線、熱風、高周波加熱等による熱を併用しても良い。
【0043】
本発明の紫外線硬化型塗料組成物は、目的を損なわない範囲で、必要に応じて他の慣用の成分、例えば有機又は無機顔料、体質顔料、染料、樹脂、有機溶剤、分散助剤、レベリング剤、クレーター防止剤、界面活性剤、消泡剤、滑り剤、紫外線吸収剤、反応性又は非反応性希釈剤等の塗料用添加剤を配合することが出来る。
樹脂としては、エポキシ、ポリエステル、アクリル、ウレタン等が挙げられる。
反応性希釈剤としては、ラクトン化合物等が挙げられる。
【0044】
【実施例】
以下に、本発明について実施例及び比較例を用いて説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、例中「部」は「重量部」、「%」は「重量%」を表す。
使用した材料は、以下の通りである。
【実施例1】
3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート46.23%、ビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル24.43%、プロピレングリコール4.34%を溶解混合した後、アルミニウムペースト(固形分=70%、配合溶剤=ミネラルスピリット)20%を加え十分攪拌し、その後、サイラキュアUVI−6990(UCC社製、カチオン重合性光開始剤)5%を加え再度十分攪拌し、本発明の紫外線硬化型塗料組成物であるシルバーベースコートを得た。
【0045】
【実施例2〜6及び比較例1〜9】
表−1及び表−2の処方を適用する以外は、実施例1と同様の操作で本発明の紫外線硬化型塗料組成物であるシルバーベースコートを得た。
【0046】
【実施例7】
3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート40.07%、ビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル21.17%、プロピレングリコール3.76%を溶解混合した後、酸化チタン30%を加え十分攪拌し、サンドミルで分散を行った。その後、サイラキュアUVI−6990(UCC社製、カチオン重合性光開始剤)5%を加え再度十分攪拌し、本発明の紫外線硬化型塗料組成物であるホワイトベースコートを得た。
【0047】
【実施例8〜12及び比較例10〜18】
表−3及び表−4の処方を適用する以外は、実施例7と同様の操作で本発明の紫外線硬化型塗料組成物であるホワイトベースコートを得た。
【0048】
実施例1〜12、比較例1〜18の各紫外線硬化型塗料組成物をティンフリースチール板にポリエチレンテレフタレートフィルムをラミネートした基材上に塗膜量60mg/dm2 になるように塗装し、相対湿度の異なる2つの環境下で(湿度40%及び60%)、それぞれ紫外線照射を行い試験用試料板を得た。
尚、シルバーベースコートは、フュージョン社製Dバルブ(240W/cm)、ホワイトベースコートは、フュージョン社製Vバルブ(240W/cm)をそれぞれ用い、いずれもコンベア速度40m/min.の速度で通過させて紫外線照射を行った。
各試料板について次の試験を行い評価した。
【0049】
1.鉛筆硬度
JIS K5400に準拠し、常温で三菱鉛筆「ユニ」により塗膜が剥離しない最高硬度を表示。各環境下、紫外線照射約10秒後及び約30秒後のそれぞれの鉛筆硬度を測定。
シルバーベースコートの結果を表−5に、ホワイトベースコートの結果を表−6に記載した。
【0050】
【表1】
【0051】
【表2】
【0052】
【表3】
【0053】
【表4】
【0054】
【表5】
【0055】
【表6】
【0056】
【発明の効果】
本発明の塗料組成物は、紫外線照射時の環境湿度が高くても照射直後の塗膜の表面硬化性に優れると共に内部硬化性に優れる。金属缶、プラスチックボトル、プラスチックフィルム被覆金属缶の外面被覆に好適であり、特にベースコート用塗料として好適である。
Claims (6)
- 顔料(A)、2個以上の脂環式エポキシ基を有するカチオン重合性物質(b1)を必須成分として含有する脂環式エポキシ基を有するカチオン重合性物質(B)、オキセタン基を有し、水酸基を有しない化合物(C)、2個以上の水酸基を有し、オキセタン基を有しない化合物(D)及びカチオン重合性光開始剤(E)を含有し、脂環式エポキシ基数とオキセタン基数と水酸基数との比率が(脂環式エポキシ基数)/(オキセタン基数)=0.5〜2.5且つ(脂環式エポキシ基数+オキセタン基数)/(水酸基数)=3.5〜9.0であることを特徴とする紫外線硬化型塗料組成物。
- 顔料(A)が、白色顔料又はアルミニウム顔料であることを特徴とする請求項1記載の紫外線硬化型塗料組成物。
- オキセタン基を有する化合物(C)が、2個以上のオキセタン基を有する化合物であることを特徴とする請求項1又は2記載の紫外線硬化型塗料組成物。
- 金属、プラスチック、プラスチックフィルム被覆金属から選ばれる少なくとも1種の基材を被覆することを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の紫外線硬化型塗料組成物。
- 基材が、缶またはボトルであることを特徴とする請求項4記載の紫外線硬化型塗料組成物。
- 基材を請求項1ないし3のいずれかに記載の紫外線硬化型塗料組成物で被覆してなる被塗物。
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