JP4035306B2 - 画像処理用プロセッサ、撮像装置およびそれらの制御方法 - Google Patents

画像処理用プロセッサ、撮像装置およびそれらの制御方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像処理用プロセッサ、それを配置した撮像装置およびそれらの制御方法ならびにプログラム、記憶媒体に関し、特に、撮像素子から得られた信号中の輝度情報を用いて露出制御を行う方式の画像処理用プロセッサ、それを配置した撮像装置およびそれらの制御方法ならびにプログラム、記憶媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】
デジタルスチルカメラ等の撮像装置において、撮像素子からの出力を表示部に表示させることによって実撮影時の構図や露出の状態を確認することができるように、電子ビューファインダ(以下、EVFと称す)を備えた撮像装置が提案されている。
【0003】
また、デジタルスチルカメラ等の撮像装置において、撮像素子から出力された撮像信号に基づいて被写体輝度を測光して露出レベルを算出する方法が従来より提案されている。
【0004】
これら撮像装置の測光方式として、例えば、被写体輝度を測光するために、画面の特定領域の撮像信号あるいは複数に分割された領域の撮像信号に基づいて、各特定領域の面積に応じて重み付けをして画面平均の目標輝度を導出する平均測光方式や、所定の係数を用いて画面中央部の領域を中心に重み付けを持たせて目標輝度を導出する中央重点測光方式や、各特定領域の情報に基づいて特定のアルゴリズムを用いて目標輝度を導出する評価測光方式などが知られている。(この詳細は後述する。)
ところで、デジタルスチルカメラ等の撮像装置で汎用的に使用されている撮像素子としてCCDやCMOSセンサー等が挙げられるが、これらの撮像素子で一度の露光で測光できる輝度範囲は約5〜8EV程度である。
【0005】
一般的な被写体の輝度範囲は5EV程度であるため、被写体の輝度分布の中心である被写体中心輝度を、CCDが測光する輝度範囲の中心となる測光中心輝度に近づければ、フィードバックAEの方式で被写体の輝度を正しく測光することが可能である。
【0006】
EVFを備えたスチルカメラでは、本撮影時の露出目標値と同等の露出値で撮像した画像をEVFに表示させることによりあらかじめ撮影される画像の露出の善し悪しを推し量ることができるという利点がある。フィードバックAEの方式で測光を行う場合、EVF表示モードにおいては、露出目標値を導出するための測光と、EVF表示画像を撮影するための露光とを同時に行うことになる。したがって、この場合必然的に露出目標値が測光中心輝度となる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記説明した評価測光や露出補正を行う場合には、平均測光や中央部の重点測光を行う場合と比べて、露出目標値が被写体中心輝度とは一致しないことが多く、場合によっては数EV離れてしまうことがある。
【0008】
即ち、測光中心輝度と被写体中心輝度が離れてしまうため、CCDの測光輝度範囲に被写体輝度範囲が収まらない場合が起こり易くなる。この場合には、正しく被写体輝度を測光することが不可能となるという問題が生じる。
【0009】
また、露出目標値を無視して、被写体中心輝度や平均測光による露出目標値を用いて測光を行う場合には、被写体の輝度分布をCCDのダイナミックレンジ内に収められる可能性は高くなるものの、その反面、選択した測光方式による露出目標値での露光結果を予めEVF上で確認できなくなるという問題が生じる。
【0010】
また、動画撮影可能なカメラでは、必然的に露出目標値を導出するための測光と、動画を撮影するための露光とを同時に行うことになる。この為、露出目標値が被写体中心輝度から離れる可能性の高い評価測光やスポット測光による露出制御や正確な露出補正が可能な露出制御を実現することが困難となるという問題が生じる。
【0011】
本発明は、上記説明した従来技術の問題点を個々にあるいはまとめて解決するためになされたものであり、その目的は、電子ビューファインダ(EVF)モード時において、EVF上に表示される画像の明るさを本露光時の目標輝度レベルに一致させることが可能な画像処理用のプロセッサ、そのプロセッサを配置した撮像装置およびそれらの制御方法を提供することである。
【0012】
また、本発明の別の目的は、動画撮影可能な撮像装置において、動画撮影中にも評価測光やスポット測光による露出制御や正確な露出補正が可能な画像処理用のプロセッサを配置した撮像装置およびその制御方法を提供することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための本発明に係る撮像装置は、以下の構成を有する。すなわち、露出制御手段により露出制御された撮像面に照射される光束を画像信号に変換する撮像素子と、前記画像信号に基づいて前記撮像面の所定領域ごとの輝度を導出する輝度導出手段と、測光用の露出制御値で露出制御された場合の輝度に基づいて、次の測光用露出制御値を設定する測光用露出制御値設定手段と、前記測光用の露出制御値で露出制御された場合の輝度に基づいて、前記次の測光用の露出制御値とは異なる撮像用の露出制御値を設定する撮像用露出制御値設定手段と、前記撮像用の露出制御値で露出制御された場合の前記画像信号による画像を表示する表示手段と、前記測光用露出制御値設定手段と前記撮像用露出制御値設定手段で繰り返し前記測光用の露出制御値または前記撮像用の露出制御値を設定し、露出制御を行う前記露出制御手段と、を有することを特徴とする。
【0014】
ここで、例えば、前記測光用露出制御値設定手段は、前記測光用の露出制御値で露出制御された場合の輝度のうち最高輝度と最低輝度に基づいて前記測光用の露出制御値を導出することが好ましい。
【0015】
ここで、例えば、前記測光用露出制御値は、前記最高輝度と最低輝度の平均値であることが好ましい。
【0016】
ここで、例えば、露出補正値を設定する露出補正値設定手段を更に有し、前記撮像用露出制御値設定手段は、前記測光用の露出制御値で露出制御された場合の輝度と前記露出補正値とに基づいて、前記撮像用の露出制御値を設定し、前記測光用露出制御値設定手段は、前記露出補正値を反映せずに前記測光用の露出制御値を設定することが好ましい。
ここで、例えば、前記撮像用露出制御値設定手段は、前記測光用の露出制御値で露出制御された場合の輝度を用いて導出される平均測光値、中央部重点測光値、評価測光値、前記平均測光値を前記露出補正値で補正した値、前記中央部重点測光値を前記露出補正値で補正した値、および前記評価測光値を前記露出補正値で補正した値の中から、前記撮像用の露出制御値を選択することが好ましい。
【0017】
ここで、例えば、前記露出補正値設定手段は、前記露出補正値を変更可能であることが好ましい。
【0019】
ここで、例えば、前記露出制御手段は、絞り、露光時間、およびゲインのうちの少なくとも1つを用いて前記設定された露出制御値に対応する露出制御を行なうことが好ましい。
【0021】
上記目的を達成するための本発明に係る画像処理用のプロセッサは、以下の構成を有する。すなわち、撮像面に照射される光束を画像信号に変換する撮像素子から入力された前記画像信号に基づいて、前記撮像面の所定領域ごとの輝度を導出する輝度導出手段測光用の露出制御値で露出制御された場合の輝度に基づいて、次の測光用露出制御値を設定する測光用露出制御値設定手段と、前記測光用の露出制御値で露出制御された場合の輝度に基づいて、前記次の測光用の露出制御値とは異なる撮像用の露出制御値を設定する撮像用露出制御値設定手段と、前記撮像用の露出制御値で露出制御された場合の前記画像信号による画像を表示部に表示させる表示制御手段と、前記測光用露出制御値設定手段と前記撮像用露出制御値設定手段で繰り返し前記測光用の露出制御値または前記撮像用の露出制御値を設定し、前記撮像素子の撮像面に照射される光束に対して露出制御を行う露出制御手段と、を有することを特徴とする。
【0029】
上記目的を達成するための本発明に係る撮像装置の制御方法は、以下の構成を有する。すなわち、露出制御された撮像面に照射される光束を画像信号に変換する撮像素子を備える撮像装置の制御方法であって、前記画像信号に基づいて前記撮像面の所定領域ごとの輝度を導出する輝度導出工程と、測光用の露出制御値で露出制御された場合の輝度に基づいて、次の測光用露出制御値を設定する測光用露出制御値設定工程と、前記測光用の露出制御値で露出制御された場合の輝度に基づいて、前記次の測光用の露出制御値とは異なる撮像用の露出制御値を設定する撮像用露出制御値設定工程と、前記撮像用の露出制御値で露出制御された場合の前記画像信号による画像を表示する表示工程と、前記測光用露出制御値設定工程と前記撮像用露出制御値設定工程を繰り返して前記測光用の露出制御値または前記撮像用の露出制御値を設定し、前記露出制御を行う露出制御工程と、を有することを特徴とする。
【0030】
上記目的を達成するための本発明に係る画像処理用のプロセッサの制御方法は、以下の構成を有する。すなわち、撮像面に照射される光束を画像信号に変換する撮像素子から入力された前記画像信号に基づいて、前記撮像面の所定領域ごとの輝度を導出する輝度導出工程測光用の露出制御値で露出制御された場合の輝度に基づいて、次の測光用露出制御値を設定する測光用露出制御値設定工程と、前記測光用の露出制御値で露出制御された場合の輝度に基づいて、前記次の測光用の露出制御値とは異なる撮像用の露出制御値を設定する撮像用露出制御値設定工程と、前記撮像用の露出制御値で露出制御された場合の前記画像信号による画像を表示部に表示させる表示制御工程と、前記測光用露出制御値設定工程と前記撮像用露出制御値設定工程を繰り返して前記測光用の露出制御値または前記撮像用の露出制御値を設定し、前記撮像素子の撮像面に照射される光束に対して露出制御を行う露出制御工程と、を有することを特徴とする。
【0031】
更に、上記撮像装置の制御方法の工程又は画像処理用のプロセッサの制御方法の工程をコンピュータに実行させるためのプログラム、及び該プログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な記憶媒体を提供する
【0035】
【発明の実施の形態】
以下に図面を参照して、本発明に係る好適な実施形態の一例である画像処理用プロセッサ、それを配置した撮像装置およびそれらの制御方法について説明する。なお以下の説明では、撮像装置としてデジタルスチルカメラを用いて説明する。
【0036】
まず本実施形態について説明する前に、まず従来技術の詳細な説明および課題について説明する。
【0037】
[従来技術:図10]
図10は、デジタルスチルカメラのブロック図である。
【0038】
図10において、101は、撮像素子に光学像を結ぶための光学レンズであり、不図示の焦点調整用フォーカスレンズを含む。102は、絞り機能とシャッター機能を兼ねる絞り兼用シャッターであり、103は、光学レンズ101と絞り兼用シャッター102のメカ系各部の駆動回路である。
【0039】
104は、光学レンズにより結像された被写体像を電気信号に変換する撮像素子であり、105は、撮像素子を動作させるために必要なタイミング信号を発生するタイミング信号発生回路(以降TGとする)であり、106はタイミング信号発生回路からの信号を撮像素子駆動可能なレベルに増幅する撮像素子駆動回路である。
【0040】
107は、撮像素子104の出力ノイズ除去のためのCDS回路や増幅回路を備えた前処理回路であり、108は、A/D変換器であり、109は撮像信号処理回路であり、10は記録媒体であり、例えば、PCMCIA規格のメモリカードやハードディスクなどである。
【0041】
111は、記録媒体110に信号を記録するためのインターフェース回路であり、112は、メカ駆動回路103、操作部113および撮像信号処理部109の制御用のCPUであるシステムコントローラである。
【0042】
操作部113は、デジタルスチルカメラを外部から制御し、表示用信号処理回路114は、表示部116に画像データを表示するための信号処理回路であり、115は、D/A変換器であり、116は、ファインダとして使用される表示部である。
【0043】
[ファインダ表示動作:図10]
図10の撮像装置において、撮影者が操作部113を操作してファインダ表示動作を開始すると、システムコントローラ112の制御に基づいて、メカ系駆動回路103は、各撮像回路に電力を供給する。
【0044】
次に、絞り兼用メカシャッター102を所定の初期絞り径で開き、撮像素子104を露光開始し、所定の初期露光時間分だけ光電荷が蓄積されるように、電子シャッター用パルスと読み出しパルスをタイミング信号発生回路105から撮像素子駆動回路106を介して撮像素子104に供給する。
【0045】
以上の状態で読み出された信号は、前処理回路107、A/D変換器108を介し、さらに撮像信号処理回路109により、測光用の輝度レベル信号、およびファインダ出力用の信号に変換される。
【0046】
輝度レベル信号は、システムコントローラ112に送られると、システムコントローラ112は、輝度レベルに応じた露出量を決定し、露出量に応じた絞り、シャッタースピードを導出して、その値に応じて次回の露光のために絞り兼用メカシャッター102および電子シャッターを制御する。
【0047】
以降、フィールド毎に測光を繰り返し露出の制御を行う。ファインダ出力用の信号は、D/A変換器115、表示用信号処理回路114を介して表示部116に送られる。表示部116では撮影中の被写体を表示する。
【0048】
[各枠の測光の説明:図11]
次に、測光におけるシステムコントローラ12の動作を説明する。
【0049】
図10において、撮像信号処理回路9は、図11に示すA、B、Cのように分割された画面領域毎に積分された輝度値YA、YB、YCをシステムコントローラ12に送る。
【0050】
以下、システムコントローラ12での測光の処理を図12および図13を用いて説明する。図12は、各画面領域とEv値との関係を示す図であり、図13は、各測光における露出値および露出目標値を示す図である。
【0051】
[各画面領域のEv値:図12]
まず図12において、図11に示す画面領域A、B、Cの面積をそれぞれSa、Sb、Scとすると、画面領域A、B、Cの単位面積当たりの輝度値Ya、Yb、Ycは、次式(1)〜(3)で求められる。
【0052】
Ya=YA/Sa (1)
Yb=YB/Sb (2)
Yc=YC/Sc (3)
各枠の適正輝度レベルからの差分をそれぞれΔEvA、ΔEvB、ΔEvCと定義すると、ΔEvA、ΔEvB、ΔEvCは、予め設定されている輝度レベル基準値(Yref)と各輝度値Ya、Yb、Ycの差を対数で求めることにより次式(4)〜(6)で求められる。
【0053】
ΔEvA=log(Ya/Yref) (4)
ΔEvB=log(Yb/Yref) (5)
ΔEvC=log(Yc/Yref) (6)
一方、露光時に絞り兼用メカシャッター2に設定された絞り径をAv値に換算したものをAv0とし、露光時間をTv値に換算したものをTv0とすると、露光時の設定Ev値であるEv0が次式(7)で求められる。
【0054】
Ev0=Av0+Tv0 (7)
各枠のEv値(Ev_a、Ev_b、Ev_c)は次式(8)〜(10)で求められる。
【0055】
Ev_a=Ev0+ΔEvA (8)
Ev_b=Ev0+ΔEvB (9)
Ev_c=Ev0+ΔEvC (10)
これらの結果を図12に示す。
【0056】
[各測光における露出値および露出目標値:図13]
次に、図13を用いて、平均測光モードにおける露出値、中央部重点測光モードにおける露出値、評価測光モードにおける露出値、平均測光値を所定値で補正した露出値、中央部重点測光値を所定値で補正した露出値、および評価測光値を所定値で補正した露出値について説明する。
【0057】
[平均測光モードにおける露出値:Ev1]
図13に示すようにA、B、C各領域をそれぞれ面積に応じて重み付けを行い画面全体の輝度レベルを次式(11)で求めたものをEv1と定義する。
【0058】
Ev1=Ev0+(ΔEvA×Sa+ΔEvB×Sb+ΔEvC×Sc)/(Sa+Sb+Sc) (11)
[中央部重点測光モードにおける露出値:Ev2]
図13に示すように、A、B、C各領域を所定の重み付け係数kA、kB、kCを用いて、画面全体の輝度レベルを次式(12)で求めたものを、EV2と定義する。
【0059】
Ev2=Ev0+(ΔEvA×kA+ΔEvB×kB+ΔEvC×kC)/(kA+kB+kC) (12)
ここで、重み付け係数kA、kB、kCは、(13)式の関係が成り立つように構成することで、中央部重点測光の性格を持たせることができる。
【0060】
(kA/Sa)>(kB/Sb)>(kC/Sc)(13)
[評価測光モードにおける露出値:Ev3]
また、A、BおよびB、Cの各領域の輝度差をΔBA、ΔCBを次式(14)、(15)で定義し、このΔBA、ΔCBの値から評価測光による露出補正値αを算出する。
【0061】
ΔBA=Ev_b−Ev_a (14)
ΔCB=Ev_c−Ev_b (15)
例えば、ΔBA又はΔCBの値が大きい程、画面中心部の輝度が低い、即ち逆光の度合いが大きいと判断し、αを大きくすることにより逆光補正が行われる。
【0062】
このαを補正して目標輝度レベルを次式(16)で定義したものをEv3とする。
【0063】
Ev3=Ev2−α (16)
このようにして求めたEv1を平均測光モードにおける露出値、Ev2を中央部重点測光モードにおける露出値、Ev3を評価測光モードにおける露出値とすることで多彩な測光方式を提供することができる。
【0064】
[各モードにおける露出値の露出補正:Ev4〜Ev6]
次に、各モードにおける露出値の露出補正について説明する。
【0065】
撮影者が操作部13を操作することにより設定される露出補正値をCompβとすると、上記説明した各測光モードにおける露出値Ev1、Ev2、Ev3にそれぞれCompβを加えた(17)〜(19)式で得られるものをEv4、Ev5、Ev6と定義し、各モードにおける補正された露出値とすることにより、図13に示す露出補正機能を具備した撮像装置を提供することができる。
【0066】
平均測光モードにおける補正された露出値:Ev4
Ev4=Ev1+Compβ (17)
中央部重点測光モードにおける補正された露出値Ev5
Ev5=Ev2+Compβ) (18)
評価測光モードにおける補正された露出値:Ev6
Ev6=Ev3+Compβ (19)
[露出値の設定:図15]
図15のフローチャートに示すように、システムコントローラ112は、撮影者によって操作部113を介して選択された測光モードに基づいて、上記説明したA、B、C各領域のそれぞれの輝度とその輝度に基づいて上記説明した各式を用いて露出値を設定する。
【0067】
すなわち各測光モードにおける露出値として、上記説明した平均測光モードにおける露出値Ev1、中央部重点測光モードにおける露出値Ev2、評価測光モードにおける露出値Ev3、平均測光モードで補正された露出値Ev4、中央部重点測光モードで補正された露出値Ev5、評価測光モードで補正された露出値Ev6の中から撮影者によって選択された露出値を露出値EvTとする。
【0068】
例えば、撮影者が測光モードとして評価測光モードを選択した場合は、システムコントローラ12は、露出値EvTとしてEv3(EvT=Ev3)を選択する。
【0069】
[フィードバックAEの制御:図16]
次に、フィードバックAEの制御について説明する。
【0070】
求められた露出値EvTと現在の露出制御値Ev0との差分をΔEvとすると、ΔEvは、次式(20)で求められる。
【0071】
ΔEv=EvT−Ev0 (20)
ここで、ΔEvの値が予め決められた適正露出範囲kEvRange(例えば±0.5段)の範囲内であれば、露出の制御は行わない。
【0072】
ΔEvの値が適正露出範囲kEvRangeの範囲外で、例えば、ΔEvの値が正の場合には、現在の露出値から所定値kEvChgだけマイナスした露出値を次回の露出値EvNextに設定する。すなわち、
|ΔEv| > kEvRange かつ ΔEv > 0の場合には、
EvNext = Ev0 − kEvChg (21)
また、ΔEvの値が適正露出範囲kEvRangeの範囲外で、例えば、ΔEvの値が負の場合には、現在の露出値から所定値kEvChgだけプラスした露出値を次回の露出値EvNextに設定する。すなわち、
|ΔEv| > kEvRange かつ ΔEv < 0の場合には、
EvNext = Ev0 + kEvChg (22)
上記説明したEvNextの設定までの内容をフローチャートで説明したのが図16である。
【0073】
すなわち、図16のステップS201において、ΔEvの値を調べ、ΔEvが適正露出範囲kEvRangeより小さい、すなわち適正露出の範囲内であれば、ステップS202に進み、EvNext=Ev0とし、露出の制御は行わないが、ΔEvが適正露出範囲kEvRangeより大きい、すなわち適正露出の範囲外であれば、ステップS203に進み、露出の制御を行う。
【0074】
次に、ステップS203では、ΔEv>0の場合にはステップS204に進み、EvNextを(21)式で設定してからステップS206に進み、ΔEv<0の場合にはステップS205に進み、EvNextを(22)式で設定してからステップS206に進み終了する。
【0075】
次に、上記各工程で設定された次回の露出値EvNextについて更に説明すると、設定されたEvNextの値を図14に示されるプログラム線図に当てはめる。図14で、設定されたEvNextの値に対して求められた絞り値をAvNextとし、シャッタースピード値をTvNextとする。
【0076】
システムコントローラ112は、次回の測光のための露出制御において、絞り兼用メカシャッター102の絞り値をAvNextとし、TvNextの露光時間分だけ光電荷が蓄積されるように、電子シャッター用パルスと読み出しパルスをタイミング信号発生回路105から撮像素子駆動回路106を介して撮像素子104に供給する。
【0077】
以上の状態で読み出された信号は、前処理回路107、A/D変換器108を介し、さらに撮像信号処理回路109により、次回の測光用の輝度レベル信号、およびファインダ出力用の信号に変換される。
【0078】
デジタルスチルカメラ等の撮像装置で汎用的に使用されている撮像素子としてCCDやCMOSセンサー等が挙げられるが、これらの撮像素子で一度の露光で測光できる輝度範囲は約5〜8EV程度である。一般的な被写体の輝度範囲は5EV程度であるため、被写体の輝度分布の中心である被写体中心輝度を、CCDが測光する輝度範囲の中心となる測光中心輝度に近づければ、フィードバックAEの方式で被写体の輝度を正しく測光することが可能である。
【0079】
EVFを備えたスチルカメラでは、本撮影時の露出値と同等の露出値で撮像した画像をEVFに表示させることによりあらかじめ撮影される画像の露出の善し悪しを推し量ることができるという利点がある。
【0080】
フィードバックAEの方式で測光を行う場合、EVF表示モードにおいては、露出値を導出するための測光と、EVF表示画像を撮影するための露光とを同時に行うことになる。したがって、この場合、露出値を導出するための測光用の露出値は、必然的に測光中心輝度となる。
【0081】
しかしながら、上記説明した評価測光モードの露出値や撮影者によって補正された露出補正値を用いる場合には、平均測光モードの露出値や中央部の重点測光モードの露出値と比べて、露出値が被写体中心輝度とは一致しないことが多く、場合によっては数EV離れてしまうことがある。即ち、測光中心輝度と被写体中心輝度が離れてしまうため、CCDの測光輝度範囲に被写体輝度範囲が収まらない場合が起こり易くなる。この場合には、正しく被写体輝度を測光することが不可能となるという問題が生じる。
【0082】
また、設定された露出値を無視して、被写体中心輝度や平均測光モードの露出値による露出値を用いて測光を行う場合には、被写体の輝度分布をCCDのダイナミックレンジ内に収められる可能性は高くなるものの、その反面、評価測光モードの露出値や撮影者によって補正された露出補正値での露光結果を予めEVF上で確認できなくなるという問題が生じる。
【0083】
また、動画撮影可能なカメラでは、必然的に露出目標値を導出するための測光と、動画を撮影するための露光とを同時に行うことになる為、露出値が被写体中心輝度から離れる可能性の高い評価測光モードの露出値やスポット測光モードの露出値による露出制御を実現することが困難となるという問題が生じる。
【0084】
以上説明したのが、従来技術における問題点の詳細である。
【0085】
<第1の実施形態>
以下、本発明の好適な第1の実施形態について、添付図面を参照して詳細に説明する。
【0086】
[撮像装置の構成:図2]
本発明における撮像装置の第1の実施形態の構成を図2のブロック図で説明する。なお以下の説明では、図10〜図16で説明した撮像装置の構成と共通する部分は、同じ符号を付けるものとし、それらの図および説明は重複するのでここでは省略し、異なる点である撮像信号処理回路9およびシステムコントローラ12についてのみ説明する。
【0087】
以下に第1の実施形態における測光動作を説明する。
【0088】
図2において、撮像信号処理回路9は、図3のS1〜S36のように分割された画面領域毎に積分された輝度値Ys1〜Ys36をシステムコントローラ12に送る。ここで領域S1〜S36はすべて同じ面積であるために、Ys1〜Ys36は単位面積当たりの輝度値と見なすことができる。
【0089】
以下システムコントローラ内部での測光の処理を説明する。
【0090】
あらかじめ決められている輝度レベル基準値Yrefとの差を対数で求めることにより各枠の適正輝度レベルからの差分がそれぞれΔEv_Sn(n=1〜36)として求められる。
【0091】
ΔEv_Sn=log(Ysn/Yref)
一方、露光時に絞り兼用メカシャッター2に設定された絞り径をAv値に換算したものをAv0、露光時間をTv値に換算したものをTv0とすると露光時の設定Ev0が求められる。
【0092】
Ev0=Av0+Tv0
各枠のEv値は
Ev_Sn=Ev0+ΔEv_Sn(n=1〜36)
で各々求められる。
【0093】
図4に領域S1〜S36ごとに得られるEv_Snの結果を示す。
【0094】
[被写体中心輝度:図5]
次に図5のフローチャートに基づいて、上記説明したEv_Snを用いて被写体中心輝度導出方法の一例を以下に説明する。
【0095】
ここで、Ev_S1〜Ev_S36の値をソートし、小さい方から順にE(1)、E(2)、E(3)....E(36)と名づける。
【0096】
まずステップS1において、ループカウンタiをゼロで初期化する。
【0097】
次にステップS2において、E(1+i)、E(36−i)をそれぞれ変数Emin、Emaxに代入する。
【0098】
次にステップS3において、EmaxとEminの差をとり、所定値Edynaと比較する。ここでEdynaはCCDのダイナミックレンジから求められた所定値である。EmaxとEminの差がEdynaより小さい場合はE(1+i)からE(36−i)の値が一度の露光で測光範囲に入ることができると言えるので、ループを抜けて、ステップS6に進む。
【0099】
次にステップS4において、iをインクリメントする。
【0100】
次にステップS5において、が18以下の間ループを繰り返す。
【0101】
次にステップS6において、EmaxとEminの和を2で割ったものを被写体中心輝度EvCとすることにより、被写体中心輝度EvCが得られる。
【0102】
[各枠の測光の説明:図3、図6〜図8]
次に、図3にて示される分割領域S1〜S36の画面領域毎に積分された輝度値Ys1、〜Ys36を図6〜図8の各斜線部で示される部分毎に和を求めたものをYA、YB、YCとすると、図11の画面領域A、B、Cの輝度値と同等と見なすことができる。
【0103】
そこで、図6〜図8における各領域の輝度値を図14に適用して、平均測光モードにおける露出値Ev1、中央部重点測光モードにおける露出値Ev2、評価測光モードにおける露出値Ev3、中央部重点測光モードにおける露出値を補正した露出値Ev5、評価測光モードにおける露出値を補正した露出値Ev6、をそれぞれ導出することができる。
【0104】
[選択された測光モードにおける露出値の決定:図15]
システムコントローラ12は、図15のフローチャートに示すように、撮影者が操作部13を介して選択された測光モードに応じて、上記説明したように各測光モードにおける露出値、例えば、Ev2、〜Ev6、の中から一つの露出値を選択しその値を露出値EvTとする。例えば、撮影者が測光モードとして評価測光モードを設定した場合の露出値は、EvT=Ev3となる。
【0105】
[EVF動作:図14]
EVFモードでは、被写体中心輝度Ecを図14に示されるプログラム線図に当てはめて求められた絞り値AVc、シャッタースピード値TvCとする。
【0106】
図2に示す撮像装置において、絞り兼用メカシャッター2の絞り値をAvCとし、TvCの露光時間分だけ光電荷が蓄積されるように、電子シャッター用パルスと読み出しパルスをタイミング信号発生回路5から撮像素子駆動回路6を介して撮像素子4に供給する。以上の状態で読み出された信号は前処理回路7、A/D変換器8を介し、さらに撮像信号処理回路9によりファインダ出力用の信号に変換され、D/A変換器15、表示用信号処理回路14を介して表示部16に送られる。
【0107】
[フィードバックAEの説明:図1]
次に図1に示すタイミングチャート図を用いて、フィードバック式の露出制御動作を行うEVFモードにおける動作を説明する。
【0108】
フィードバック式の露出制御動作においては、まず、測光用の露光のための露出制御をT1の点線で囲まれた露出制御1の絞り制御、および電子シャッター制御のタイミングで行う。
【0109】
この絞り制御では、上述の絞り兼用メカシャッター2の絞り値を制御する。この電子シャッター制御では、上述の電子シャッター用パルスと読み出しパルスをタイミング信号発生回路5から撮像素子駆動回路6を介して撮像素子4に供給することにより電子シャッターの制御する。
【0110】
この露出制御1の露出制御下でT2の蓄積時間1における露光が行われ、CCDに電荷が蓄積される。蓄積時間1で蓄積された電荷は前述の前処理回路7、A/D変換器8を介し、さらに撮像信号処理回路9により、T3のタイミングで図3にて示される分割領域S1〜S36毎に積分される。
【0111】
T4の積分結果の読み出しのタイミングでは、この画面領域毎の積分結果が読み出され、T5のタイミングにおいて、測光に適した露光のための露出値のために中心輝度値EvCの算出を行う。求められたEvCはT6の点線で囲まれた露出制御3の露出値として使用される。
【0112】
T6の露出制御3では、EvCを図14に示されるプログラム線図に当てはめて求められた絞り値AvC、シャッタースピード値TvCを用いて、絞り兼用メカシャッター2の絞り値および電子シャッターを制御する。
【0113】
このようにして、上述の測光および露出制御の動作を繰り返し行うことで、露出蓄積時間1、3、5、7、…というように1VD間隔毎に測光の為の露光を行い、フィードバック式の露出制御を行うことが出来る。
【0114】
一方、T5のタイミングおいて、測光に適したEvCとは別に、上述の露出目標値EvTの算出も同時に行う。求められたEvTはT7の点線で囲まれた露出制御4の露出値として使用される。
【0115】
T7の露出制御4では、EvTを図14に示されるプログラム線図に当てはめて求められた絞り値AvT、シャッタースピード値TvTを用いて、絞り兼用メカシャッター2の絞り値および電子シャッターを制御する。
【0116】
求められた絞り値AvT、シャッタースピード値TvT用いて絞り兼用メカシャッター2の絞り値および電子シャッターを制御しその結果、T8の蓄積時間4で露光された撮像画像がT9の表示画像4の期間で表示部に表示される。
【0117】
以上の動作により、T1の露出制御下で露光されたT2の蓄積時間1を用いて算出された輝度値を用いて行われた測光の結果得られたEVcがT6の点線で囲まれた露出制御3の露出値として、またEvTがT7の点線で囲まれた露出制御4の露出値としてそれぞれ使用される。
【0118】
以上のように、上述の動作を繰り返し行うことで、EVF表示中であっても、評価測光モードや撮影者によって露出補正された露出補正値を正確に反映した露出で露光された画像を表示部に表示することが出来る。
【0119】
なお、上述の例ではT6とT7の露出制御において使用するプログラム線図は図14で示される同じものを使用したが、システムの目的に応じて、それぞれ別の異なるプログラム線図を採用することも出来る。
【0120】
T6とT7の露出制御において使用するAv、Tv値を導出するプログラム線図を同じにすれば、Av、Tv値の導出が簡便になり、T6とT7の露出制御において使用するAv、Tv値を導出するプログラム線図を別にすれば、測光用のための露光とファインダ表示のための露光それぞれに特化したプログラム線図を採用することができる。
【0121】
また、上述の露出値導出に関しては、プログラム線図を用いることのないアルゴリズムを用いた露出値導出手段を用いても良い。例えば、T6で用いられる絞り値AvCとT7で用いられる絞り値AvTとが同じ値をとるようにすることによって、絞り値を変化させないでシャッタースピードとゲインだけを用いて露出を変化させることにより、露出制御時間を短縮させることが可能になる。
【0122】
<第2の実施形態>
第1の実施形態では、フィードバック式の露出制御動作が可能なEVFモードを有する画像処理用プロセッサを配置した撮像装置およびその制御方法について説明した。
【0123】
一方、下記に説明する第2の実施形態では、フィードフォワード式の露出制御動作が可能なEVFモードを有する画像処理用プロセッサを配置した撮像装置およびその制御方法について説明する。
【0124】
[撮像装置の構成]
なお第2の実施形態の画像処理装置を搭載した撮像装置の構成は、図2を用いて説明した第1の実施形態の撮像装置の構成と同じである。したがって、第2の実施形態の画像処理装置を搭載した撮像装置の構成を示すブロック図およびその説明は重複するので、ここでの説明は省略する。
【0125】
[撮影モード時の動作]
次に、第2の実施形態で用いる撮像装置のフィードフォワード式の露出制御動作について説明する。なお以下の第2の実施形態の説明では、第1の実施形態と異なる第2の実施形態の特徴についてのみ説明する。
【0126】
[フィードフォワードAE:図9]
次に図9のタイミングチャート図を用いて、フィードフォワード式の露出制御動作を行うEVFモードにおける動作を説明する。
【0127】
フィードフォワード式の露出制御動作においては、まず、測光用の露光のための露出制御をT1、T2、T3の点線で囲まれた露出制御1、3、5の絞り制御、および電子シャッター制御のタイミングで行う。露出制御における絞り値およびシャッタースピードの制御方法は、第1の実施形態と同じであるためここでは省略する。
【0128】
露出制御1、3、5で使用される露出値は、例えば、16Ev、13Ev、10Evといったそれぞれ異なった値をとる。これらの値の組合せは、使用する撮像素子のダイナミックレンジと、測光連動範囲によって、決定されるものである。
【0129】
本実施形態では、16Ev、13Ev、10Evとすることにより、撮像素子のダイナミックレンジをプラス側2段マイナス側3段とするとEv7からEv17の範囲において測光連動範囲を満たすことになる。
【0130】
露出制御1、3、5の露出制御下ではそれぞれ、T4、T5、T6の蓄積時間1、3、5における露光が行われ、CCDに電荷が蓄積される。蓄積時間1、3、5で蓄積された電荷は前述の前処理回路7、A/D変換器8を介し、さらに撮像信号処理回路9により、それぞれT7、T8、T9タイミングで図3にて示される分割領域S1〜S36毎に積分される。
【0131】
T10、T11、T12の積分結果の読み出しのタイミングでは、それぞれT7、T8、T9タイミングにおける画面領域毎の積分結果が読み出され、T13では、図3の各分割領域S1〜S36毎にそれぞれ、T4、T5、T6の蓄積時間1、3、5における3回の露光のうち、もっとも対象分割領域の被写界輝度に近い露出で露光を行った蓄積時間から得られた積分結果を用いて、対象分割領域の絶対輝度値を求める。
【0132】
以下、各分割領域の絶対輝度の求め方を説明する。図4に示すように
ΔEv_Sn=log(Ysn/Yref) (n=1〜36)
を用いて、それぞれの分割領域において、T4、T5、T6の蓄積時間1、3、5でのΔEv_Snを求める。
【0133】
ここで、例えば、蓄積時間3におけるΔEv_Snの値がもっとも小さければ、蓄積時間3がもっとも対象分割領域の被写界輝度に近い露出で露光を行ったと判断し、この値を採用して上述の
Ev_Sn=Ev0+ΔEv_Sn (n=1〜36)
の式より、Ev_Snの値を導出する。なお上記式のEv0の値は、その露光を行ったときの露出制御値(ここでは露出制御3で制御された値13Ev)となる。
【0134】
このように、3回の測光のうちでΔEv_Snの値がもっとも小さくなる回の測光結果を用いて対象分割領域の輝度値を導出することで、すべての測光連動範囲に置いて、各分割領域ごとにリニアリティの高い絶対輝度値を求めることが可能となる。
【0135】
すべての分割領域に対して、被写界絶対輝度値を求まったら、それらの値をもとに、選択されている測光方式に適した露出目標値EvTを算出する。
【0136】
各測光方式において露出目標値EvTを算出する方法は前述の通りであるのでここでは省略する。
【0137】
結果、T1、T2、T3の露出制御下で露光されたT4、T5、T6の蓄積時間1、3、5を用いて算出された絶対輝度値を用いて行われた測光の結果が、T14の点線で囲まれた露出制御8の露出目標値として使用される。
【0138】
T6の露出制御3では図14に示されるプログラム線図に当てはめて求められた絞り値Av、シャッタースピード値Tvを用いて、絞り兼用メカシャッター2の絞り値および電子シャッターを制御する。
【0139】
このようにして、上述の測光および露出制御の動作を繰り返し行うことで、露出蓄積時間1、3、5、7、…というように1VD間隔毎に測光の為の露光を行い、そのうちの所定回の測光結果を用いて被写界絶対輝度を算出することによって、フィードフォワード式の制御が実現される。
【0140】
一方、露出制御2、4、6は、この1周期前のフィードフォワード式の測光で得られた露出値を用いて露出制御を行う。このためT15、16、17の蓄積時間2、4、6では、同じ露出値で露光されることになる。
【0141】
また、この間表示部には、T15、16、17の蓄積時間2、4、6で撮像された表示画像1、2、3を、それぞれ2VD期間づつ表示することにより、測光のための露光において撮像された画像を表示すること無し、表示部に良好な露出の画像を表示することが可能となる。
【0142】
以上のように、上述の動作を繰り返し行うことで、EVF表示中であっても、評価測光や露出補正手段で設定された露出補正値を正確に反映した露出で露光された画像を表示部に表示することが出来る。
【0143】
なお、表示部の表示のための垂直同期と撮像素子を駆動する垂直同期のタイミングは必ずしも一致しないことは言うまでもない。
【0144】
第1の実施形態および第2の実施形態においては、撮像装置のファインダ表示動作における実施形態を示したが、動画撮影機能を有する撮像装置の動画撮影動作においても適用しても良い。
【0145】
また、第1の実施形態および第2の実施形態においては、測光のための露光と表示のための露光をそれぞれ1垂直同期期間ごとに交互に行う例を示したが、これをそれぞれ複数の垂直同期期間ごとに交互に行っても良い。
【0146】
また、第1の実施形態および第2の実施形態においては、露出制御をシャッタースピードと絞り値によって露光量を制御することにより実現しているが、さらに撮像素子のゲイン設定を使っても良い。
【0147】
【他の実施形態】
なお、本発明は、複数の機器(例えばホストコンピュータ、インターフェース機器、リーダ、プリンタなど)から構成されるシステムに適用しても、一つの機器からなる装置(例えば、複写機、ファクシミリ装置など)に適用してもよい。
【0148】
また、本発明の目的は、前述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録した記憶媒体を、システムあるいは装置に供給し、そのシステムあるいは装置のコンピュータ(又はCPUやMPU)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読出し実行することによっても、達成されることは言うまでもない。
【0149】
この場合、記憶媒体から読出されたプログラムコード自体が前述した実施形態の機能を実現することになり、そのプログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。
【0150】
プログラムコードを供給するための記憶媒体としては、例えば、フロッピディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、CD−R、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROMなどを用いることができる。
【0151】
また、コンピュータが読出したプログラムコードを実行することにより、前述した実施形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼働しているOS(オペレーティングシステム)などが実際の処理の一部又は全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能
が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0152】
さらに、記憶媒体から読出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部又は全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0153】
本発明を上記記憶媒体に適用する場合、その記憶媒体には、先に説明したフローチャートに対応するプログラムコードが格納されることになる。
【0154】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば電子ビューファインダ(EVF)モード時において、EVF上に表示される画像の明るさを本露光時の目標輝度レベルに一致させることが可能な画像処理用のプロセッサ、そのプロセッサを配置した撮像装置およびそれらの制御方法を提供できる。
【0155】
また、動画撮影可能な撮像装置において、動画撮影中にも評価測光やスポット測光による露出制御や正確な露出補正が可能な画像処理用のプロセッサを配置した撮像装置およびその制御方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態におけるフィードバック方式のAEを行う場合のタイミングチャート図である。
【図2】本実施形態のデジタルスチルカメラの構成を示すブロック図である。
【図3】画面の分割領域を示す図である。
【図4】図3に示す画面領域とEv値の関係を説明する図である。
【図5】被写体中心輝度演算のフローチャートである。
【図6】画面の分割領域の一例を示す図である。
【図7】画面の分割領域の一例を示す図である。
【図8】画面の分割領域の一例を示す図である。
【図9】第2の実施形態におけるフィードフォワード型のAEを行う場合のタイミングチャート図である。
【図10】従来のデジタルスチルカメラの構成を示すブロック図である。
【図11】画面の分割領域の一例を示す図である。
【図12】図11に示す画面領域とEv値の関係を説明する図である。
【図13】各測光の露出値および露出目標値を説明する図である。
【図14】プログラム線図を示す図である。
【図15】測光モードに応じた測光結果の選択のフローチャートである。
【図16】次回の露出目標値決定のフローチャートである。
【符号の説明】
9 撮像信号処理回路
12 システムコントローラ
101 光学レンズ
102 絞り兼用シャッター
103 メカ系駆動回路
104 撮像素子
105 タイミング信号発生回路
106 撮像素子駆動回路
107 前処理回路
108 A/D変換器
109 撮像信号処理回路
110 記録媒体
111 記憶媒体インターフェース
112 システムコントローラ
113 操作部
114 表示用信号処理回路
115 D/A変換器
116 表示部

Claims (13)

  1. 露出制御手段により露出制御された撮像面に照射される光束を画像信号に変換する撮像素子と、
    前記画像信号に基づいて前記撮像面の所定領域ごとの輝度を導出する輝度導出手段と、
    測光用の露出制御値で露出制御された場合の輝度に基づいて、次の測光用露出制御値を設定する測光用露出制御値設定手段と、
    前記測光用の露出制御値で露出制御された場合の輝度に基づいて、前記次の測光用の露出制御値とは異なる撮像用の露出制御値を設定する撮像用露出制御値設定手段と、
    前記撮像用の露出制御値で露出制御された場合の前記画像信号による画像を表示する表示手段と、
    前記測光用露出制御値設定手段と前記撮像用露出制御値設定手段で繰り返し前記測光用の露出制御値または前記撮像用の露出制御値を設定し、露出制御を行う前記露出制御手段と、
    を有することを特徴とする撮像装置。
  2. 前記測光用露出制御値設定手段は、前記測光用の露出制御値で露出制御された場合の輝度のうち最高輝度と最低輝度に基づいて前記測光用の露出制御値を導出することを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
  3. 前記測光用露出制御値は、前記最高輝度と最低輝度の平均値であることを特徴とする請求項2に記載の撮像装置。
  4. 露出補正値を設定する露出補正値設定手段を更に有し、
    前記撮像用露出制御値設定手段は、前記測光用の露出制御値で露出制御された場合の輝度と前記露出補正値とに基づいて、前記撮像用の露出制御値を設定し、
    前記測光用露出制御値設定手段は、前記露出補正値を反映せずに前記測光用の露出制御値を設定することを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
  5. 前記撮像用露出制御値設定手段は、前記測光用の露出制御値で露出制御された場合の輝度を用いて導出される平均測光値、中央部重点測光値、評価測光値、前記平均測光値を前記露出補正値で補正した値、前記中央部重点測光値を前記露出補正値で補正した値、および前記評価測光値を前記露出補正値で補正した値の中から、前記撮像用の露出制御値を選択することを特徴とする請求項に記載の撮像装置。
  6. 前記露出補正値設定手段は、前記露出補正値を変更可能であることを特徴とする請求項4または5に記載の撮像装置。
  7. 前記露出制御手段は、絞り、露光時間、およびゲインのうちの少なくとも1つを用いて前記設定された露出制御値に対応する露出制御を行なうことを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の撮像装置。
  8. 露出制御された撮像面に照射される光束を画像信号に変換する撮像素子を備える撮像装置の制御方法であって
    前記画像信号に基づいて前記撮像面の所定領域ごとの輝度を導出する輝度導出工程と、
    測光用の露出制御値で露出制御された場合の輝度に基づいて、次の測光用露出制御値を設定する測光用露出制御値設定工程と、
    前記測光用の露出制御値で露出制御された場合の輝度に基づいて、前記次の測光用の露出制御値とは異なる撮像用の露出制御値を設定する撮像用露出制御値設定工程と、
    前記撮像用の露出制御値で露出制御された場合の前記画像信号による画像を表示する表示工程と
    前記測光用露出制御値設定工程と前記撮像用露出制御値設定工程を繰り返して前記測光用の露出制御値または前記撮像用の露出制御値を設定し、前記露出制御を行う露出制御工程と、
    を有することを特徴とする撮像装置の制御方法。
  9. 撮像面に照射される光束を画像信号に変換する撮像素子から入力された前記画像信号に基づいて、前記撮像面の所定領域ごとの輝度を導出する輝度導出手段
    測光用の露出制御値で露出制御された場合の輝度に基づいて、次の測光用露出制御値を設定する測光用露出制御値設定手段と、
    前記測光用の露出制御値で露出制御された場合の輝度に基づいて、前記次の測光用の露出制御値とは異なる撮像用の露出制御値を設定する撮像用露出制御値設定手段と、
    前記撮像用の露出制御値で露出制御された場合の前記画像信号による画像を表示部に表示させる表示制御手段と
    前記測光用露出制御値設定手段と前記撮像用露出制御値設定手段で繰り返し前記測光用の露出制御値または前記撮像用の露出制御値を設定し、前記撮像素子の撮像面に照射される光束に対して露出制御を行う露出制御手段と、
    を有することを特徴とする画像処理用のプロセッサ。
  10. 撮像面に照射される光束を画像信号に変換する撮像素子から入力された前記画像信号に基づいて、前記撮像面の所定領域ごとの輝度を導出する輝度導出工程
    測光用の露出制御値で露出制御された場合の輝度に基づいて、次の測光用露出制御値を設定する測光用露出制御値設定工程と、
    前記測光用の露出制御値で露出制御された場合の輝度に基づいて、前記次の測光用の露出制御値とは異なる撮像用の露出制御値を設定する撮像用露出制御値設定工程と、
    前記撮像用の露出制御値で露出制御された場合の前記画像信号による画像を表示部に表示させる表示制御工程と
    前記測光用露出制御値設定工程と前記撮像用露出制御値設定工程を繰り返して前記測光用の露出制御値または前記撮像用の露出制御値を設定し、前記撮像素子の撮像面に照射される光束に対して露出制御を行う露出制御工程と、
    を有することを特徴とする画像処理用のプロセッサの制御方法。
  11. 請求項に記載の撮像装置の制御方法の工程コンピュータに実行させるためのプログラム。
  12. 請求項10に記載の画像処理用のプロセッサの制御方法の工程コンピュータに実行させるためのプログラム。
  13. 請求項11又は12に記載のプログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
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