JP4034397B2 - 系統安定化装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、同期発電機(以下、単に発電機と称する)に発生する電力動揺の減衰を早めて安定度を向上させる励磁制御系に適用される系統安定化装置(以下、PSSと称する)に係り、特に数秒(1〜2秒)程度の短周期(以下、発電機モードと称する)の電力動揺と、短周期と比較して長周期(以下、系統モードと称する)の電力動揺とが存在する場合に適用するのに最適な系統安定化装置(以下、PSSと称する)に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、発電機の励磁システムは、交流励磁機を使用する交流励磁機方式と、直流励磁機を使用する直流励磁機方式と、サイリスタブリッジを励磁電源とするサイリスタ直接励磁方式に大別することができる。
【0003】
以下に、励磁システムの例として、現在の励磁方式の主流であるサイリスタ励磁方式に適用されるPSSについて説明する。
【0004】
図10は、発電機モードの電力動揺に効果のある従来型PSSを適用した励磁システムの構成例を示すブロック図である。
【0005】
図10において、発電機励磁制御装置は、発電機1の端子電圧を一定に保つために、発電機電圧を設定するAVR電圧基準(以下、90Rと称する)2と、発電機電圧を検出する計器用変圧器(以下、PTと称する)3とを自動電圧調整器(以下、AVRと称する)4に入力し、AVR4は発電機電圧制御演算を行なう。
【0006】
一方、発電機1の安定な運転を実現するPSS5は、そのPSS出力信号をAVR4へ入力して、発電機制御演算に加算することにより発電機1の界磁電圧を調整し、発電機1の過渡有効電力を制御して電力動揺の抑制を図る。
【0007】
AVR4は、励磁源を発電機1の電圧から取るために設けた励磁変圧器6の電圧をサイリスタブリッジ7に入力し、その点弧角を制御することで発電機1の界磁電圧を変化させ、上記90R2の設定に従って発電機電圧を調整する。
【0008】
現在実用化されているPSS5は、PT3による発電機電圧、およびCTによる発電機電流から、発電機1の有効電力P8を検出し、その変化分ΔP、または発電機1のローターの回転速度ω9の変化分Δω、または図示していない系統側周波数の変化に相当する発電機電圧周波数の変化分Δfを検出・演算し、このうちのある一つの信号を使用するか複数の信号を使用するPSS(以下、多変数PSSと称する)としている。
【0009】
これらの多変数PSS5の中で特に多く用いられているのは、発電機1の有効電力の変化分ΔPを入力として用い、適切な安定化関数を有するPSS(以下、ΔP−PSSと称する)である。
【0010】
その理由は、電気的に検出が可能であり、発電機1のローターの回転速度ω9の変化分Δωを入力として用い、適切な安定化関数を有するPSS(以下、Δω−PSSと称する)に比較して、位相補償をそれほど必要としないことから、安定化関数の設定が容易であることによる。
【0011】
PSSの代表例として、図10に示した多変数PSS5は、ΔP−PSSやΔω−PSSよりも電力動揺の周波数帯域が広いために、発生する電力動揺の抑制効果の大きなΔP−PSSとΔω−PSSとから構成される多変数PSS(以下、(ΔP+Δω)−PSSと称する)をサイリスタ励磁システムに適用したものである。
【0012】
なお、この他にも、ΔP−PSS、Δω−PSS、発電機1の電圧や電流の周波数信号を入力として用い、適切な安定化関数を有するPSS(以下、Δf−PSSと称する)や、ΔP−PSSとΔf−PSSとから構成されるPSS(以下、(ΔP+Δf)―PSSと称する)をサイリスタ励磁システムに適用することもある。
【0013】
また、同様に励磁機方式に、前述の各種PSSを適用することもある。
【0014】
この他に、励磁システムには、発電機1の過励磁を防止する過励磁制限装置、発電機1の不足励磁を制限する不足励磁制限装置、主として励磁変圧器6や発電機1の電機子巻線の過励磁を制限するV/F制御装置(ここで、Vは発電機電圧、Fは発電機周波数)等が種々適用されるが、PSS5の動作に直接影響しないので、ここではAVR4とPSS5のみについて説明している。
【0015】
また、同様にハードとして、アナログ方式とディジタル方式が実用化されているが、AVR4と多変数PSS5は機能の説明であるので、両者に適用することができる。
【0016】
前記したように、励磁システムには種々のものがあるが、図10に示した励磁システムは、現在の主流の励磁システムであるので、この励磁システムを例として以下に従来技術について説明する。
【0017】
図11は、従来のAVR4の構成例を示すブロック図である。
【0018】
図11において、多変数PSS5のPSS出力信号5AがAVR4へ入力され、90R2とPT3により検出された発電機電圧Vg3Aとの偏差演算結果に、加算器A1で加算される。
【0019】
この加算信号ΔV70は、電圧制御ループを安定化するためのゲインと進み遅れとから構成される電圧制御部11に入力される。この電圧制御部11の出力は、発電機1の界磁電圧Efd12と等価になる。
【0020】
図12は、従来の多変数PSS5の構成例を示すブロック図である。
【0021】
この多変数PSS5は、図12に示すように、有効電力P8の変化分−ΔPは、安定化関数Gp(S)13を通し、発電機1の回転速度ω9の変化分Δω9Aは、安定化関数Gw(S)14を通して加算器A2で加算され、出力リミッター15からPSS出力信号5AとしてAVR4へ入力される。
【0022】
これらの安定化関数Gp(S)13、Gw(S)14は、図13のブロック図に示すように、入力信号を、リセットフィルター16、進み遅れ回路17、リミッター18を通してノイズ成分を除去する機能を備えて構成される。
【0023】
これらの機能により、多変数PSS5は、電力動揺が発生していない場合のAVR制御に対する定常偏差をなくし、さらに位相を修正して適切な電圧調整信号に加工して出力する。
【0024】
ところで、近年では、電力系統の規模の拡大と共に、電力系統の安定度も厳しくなり、従来の主要な安定度問題である短周期のおよそ1秒程度のローカル動揺と共に、系統間動揺である長周期の2秒から3秒程度の電力動揺が発生している。
【0025】
現在運転中の多くの発電機に採用されている△P−PSSは、ローカル動揺の抑制に効果を上げている。また、長周期電力動揺抑制対応として(△P+△ω)−PSSも多くの発電機に採用され、安定送電電力を増加させる効果が報告されている。
【0026】
(参考文献「広域電力動揺抑制効果のためのパルスPSSの開発」平成8年電気学会電力・エネルギー部門大会論文、「連系系統の長周期動揺を抑制する複数PSSの開発と動揺モデルに関する研究」電学論B、Vol.115−B、NO1、1995)
【0027】
【発明が解決しようとする課題】
長周期電力動揺は、電力会社間の融通電力が増加するほど電力動揺周期が長くなり、現在のPSSでは抑制が困難になる。
【0028】
しかしながら、電力会社の発電設備の稼働率向上と柔軟な系統運用を行なうために、電力会社間の融通電力の拡大が図られており、将来は更に融通電力量の増加が計画されている。
【0029】
また、IPP(独立電力事業発電)による電力の長距離顧客への売電や自家発電電力の自己託送が増加すれば、電力の長距離送電量が増加することになる。
【0030】
例えば、図14に示すように、複数の発電機Gと負荷とから構成される電力系統68A、68Bを構成し、それらの大規模電力系統と同様な構成の複数大規模電力系統から構成される電力系統69とを連係する送電線60A、60Bを通過して、長距離送電を行なう系統構成がある。
【0031】
このような電力系統では、前記したように、数年先には現在よりも益々電力系統68Aから電力系統68Bへの融通電力量が増加することが見込まれている。そして、この融通電力量の増大を考慮すると、前記の(ΔP+Δω)−PSSでは、系統に発生する重大な事故、例えば落雷等による3相地絡事故に起因するような大規模な電力動揺発生時には、電力系統を構成する個々の電力系統68A,68B,69内に発生する発電機モードの電力動揺の他に、電力系統68A,68B間に発生する系統モードの電力動揺の抑制力が弱いために、安定度の維持が困難な場合が想定されている。そのために、系統で発生が予想される系統事故に対して、安定度が維持できる限界が融通電力の限界となる。
【0032】
図15は、長距離送電広域系統を対象として、3相事故が発生した場合の安定度シミュレーション結果の一例を示す図である。
【0033】
このシミュレーションは、現在実用化されているPSSを使用している場合の事故後の電力動揺波形を示している。この事故により発生した電力動揺周期は、約5.5秒である。そして、事故後40秒経過しても電力動揺が継続しており、安定度限界に近いことが分かる。この系統条件から、更に融通電力を増加させた場合には、不安定となることが予想される。
【0034】
以上述べたように、電力動揺は、同一電力会社の発電機間に発生する約1秒周期の発電機モード、異なる電力会社間の発電機に発生する長周期(2から10秒程度)の系統モードの存在が知られており、これらの電力動揺に対して抑制効果の大きな新型PSSの開発が必要となってきている。
【0035】
このように、発電機の有効電力の変化分ΔPを安定化信号に用いるΔP−PSSは、現在多くのプラントに適用されているが、原理的に通常1秒程度以下(0.5秒程度から1秒程度)の電力動揺を抑制することには効果がある。
【0036】
しかしながら、発生している系統モードの2秒〜10秒程度のゆっくりした電力動揺を抑制することは難しい。
【0037】
一方、発電機1のローターの回転速度の変化分Δωを安定化信号に用いるΔω−PSSは、位相補償により2秒程度のゆっくりとした動揺を効果的に抑制することができる。
【0038】
また、周波数変化分Δfを安定化信号に用いるΔf−PSSについても、Δω−PSSとほぼ同じ傾向を持つ。
【0039】
さらに、現在では、0.5秒から2秒程度までの電力動揺を抑制する目的で、前記のΔP−PSSとΔω−PSSとを組み合わせた(ΔP+Δω)−PSSが適用され、効果を上げている。
【0040】
しかしながら、2秒程度以上のゆっくりとした電力動揺が、電力会社間の融通電力が増加するほど発生し、電力動揺周期も長くなってくる。そして、このように、2秒程度以上の電力動揺周期に対しては、上記の(ΔP+Δω)−PSSの電力動揺抑制効果は低下する。
【0041】
また、系統に並列運転している発電機の励磁システムは、大別すると、サイリスタ励磁システムに代表される静止型励磁システムと、交流励磁機に代表される回転励磁システムとがある。
【0042】
本発明の目的は、電力系統で発生する発電機モード(0.5秒程度の速い短周期)から系統モード(10秒程度のゆっくりした長周期)までの、通常電力系統で起こり得る広い帯域の電力動揺を速やかに抑制して、電力系統を安定に保つことにより、広域の電力融通を安定に行なうことが可能となり、かつタービン・発電機の軸ねじれ振動への影響を与えず、静止型励磁システムと回転励磁システムの両方のシステムに適用することが可能なPSSを提供することにある。
【0043】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、請求項1の発明では、同期発電機に発生する電力動揺の減衰を早めて安定度を向上させる励磁制御系に適用される系統安定化装置において、
数秒程度の短周期の電力動揺を抑制するように、前記同期発電機の有効電力信号、前記同期発電機のローターの回転速度信号、または前記同期発電機の電圧や電流の周波数信号のうちの少なくともいずれか一つの信号あるいはこれに相当する等価信号を入力として、前記短周期の発電機モードの電力動揺を抑制する短周期型安定化信号算出手段と、
前記短周期と比較して長周期の電力動揺を抑制するように、前記同期発電機のローターの回転速度信号あるいはこれに相当する等価信号を入力として、当該入力信号に対して前記同期発電機のローターの位相角信号と同相となる位相遅れ補償を行なう位相補償関数を含む安定化関数を備え、前記長周期の系統モードの電力動揺を抑制する長周期型安定化信号算出手段と、
前記短周期型安定化信号算出手段および前記長周期型安定化信号算出手段の出力を前記励磁制御系に加える手段とを備え、
前記短周期型安定化信号算出手段は、前記同期発電機の有効電力信号の変化分を入力として、適切な第1の安定化関数を有する短周期の発電機モードの電力動揺を抑制する第1の手段と、
前記同期発電機のローターの回転速度信号の変化分を入力として、適切な第2の安定化関数を有する短周期の発電機モードの電力動揺を抑制する第2の手段とからなり、
前記長周期型安定化信号算出手段は、前記同期発電機のローターの回転速度信号の変化分を入力として、当該入力信号に対して前記同期発電機のローターの位相角信号と同相となる位相遅れ補償を行なう位相進み遅れ補償関数を含む適切な第3の安定化関数を備え、前記短周期と比較して長周期の系統モードの電力動揺を抑制する少なくとも一つの第3の手段からなり、
前記第1の手段、第2の手段、および第3の手段の出力を加算して励磁制御系に加えるようにしたものである。
【0044】
従って、請求項1の発明のPSSにおいては、電力系統で発生する発電機モードから系統モードまでの広い帯域の電力動揺を速やかに抑制して、電力系統を安定に保つことで、広域の電力融通を安定に行なうことができる。
【0045】
また、請求項2の発明では、前記長周期型安定化信号算出手段が入力する前記同期発電機のローターの回転速度信号を、前記同期発電機の電圧の周波数または電流の周波数の信号、前記同期発電機の有効電力信号、水車のガイドベーン開度信号と前記同期発電機の有効電力信号との組み合わせから生成する回転速度信号、前記同期発電機に直結されたタービンのバルブ開度信号と前記同期発電機の有効電力信号との組み合わせから生成する回転速度信号、前記同期発電機のローターの位相角信号と前記同期発電機の電圧位相信号との組み合わせから生成する発電機内部位相信号、前記同期発電機の電圧信号と電流信号との組み合わせから生成する発電機内部電圧位相信号および発電機電圧位相信号の組み合わせから生成する発電機内部位相信号、前記同期発電機の有効電力信号と前記同期発電機の電圧信号との組み合わせから生成する前記同期発電機のローターの位相角信号、あるいは前記同期発電機の電圧信号と電流信号との組み合わせから生成する発電機内部電圧位相信号のうちの少なくともいずれか一つに置換するようにしたものである。
【0058】
さらに、請求項3の発明では、前記長周期型安定化信号算出手段を複数備えていることを特徴とする請求項1に記載の系統安定化装置である。
【0059】
請求項4の発明では、前記長周期型安定化信号算出手段を複数備え、かつ前記各長周期型安定化信号算出手段は安定化関数の制御定数が、それぞれ異なっていることを特徴とする請求項1に記載の系統安定化装置である。
【0060】
請求項5の発明では、前記短周期型安定化信号算出手段の出力と、前記長周期型安定化信号算出手段を複数備えこれらの各出力全てと、を加算して前記励磁制御系に加えるようにしたことを特徴とする請求項1に記載の系統安定化装置である。
【0061】
請求項6の発明では、前記短周期型安定化信号算出手段の出力と、前記長周期型安定化信号算出手段を複数備え、かつ前記各長周期型安定化信号算出手段の安定化関数の制御定数が、それぞれ異なる長周期型安定化信号算出手段の全ての出力と、を加算して前記励磁制御系に加えるようにしたことを特徴とする請求項1に記載の系統安定化装置である。
【0062】
請求項7の発明では、前記長周期型安定化信号算出手段は、数秒から十数秒程度の長周期の電力動揺を抑制するように、前記同期発電機のローターの回転速度信号あるいはこれに相当する等価信号を入力として、当該入力信号に対して前記同期発電機のローターの位相角信号と同相となる位相遅れ補償を行なう位相補償関数を含む適切な安定化関数を備え、前記長周期の系統モードの電力動揺を抑制するものであって、
前記長周期型安定化信号算出手段は、前記同期発電機のローターの回転速度信号の変化分を入力として、当該入力信号に対して前記同期発電機のローターの位相角信号と同相となる位相遅れ補償を行なう位相進み遅れ補償関数を含む適切な第3の安定化関数を備え、
数秒程度の短周期と比較して長周期の系統モードの電力動揺を抑制する少なくとも一つの第3の手段から成り、前記第3の手段の出力を加算して励磁制御系に加えるようにしたことを特徴とする請求項1に記載の系統安定化装置である。
【0063】
以上述べた請求項2〜請求項7のいずれかに記載の発明のPSSにおいては、電力系統で発生する系統モードの電力動揺を速やかに抑制して、電力系統を安定に保つことで、電力融通を安定に行なうことができる。
【0064】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0065】
(第1の実施の形態)
図1は、本実施の形態によるPSSを適用した励磁システムの構成例を示すブロック図であり、図10と同一部分には同一符号を付してその説明を省略し、ここでは異なる部分についてのみ述べる。
【0066】
すなわち、本実施の形態の励磁システムは、図1に示すように、前記図10における多変数PSS5を省略し、これに代えて複数型PSS5´を備えた構成としている。
【0067】
図2は、本実施の形態による複数型PSS5´の構成例を示すブロック図であり、図12と同一部分には同一符号を付して示している。
【0068】
この複数型PSS5´は、図2に示すように、発電機1の有効電力P8の変化分−ΔPを入力として用い、適切な安定化関数Gp(S)13を有する短周期の発電機モードの電力動揺を抑制する従来型PSSであるΔP−PSSと、発電機1のローターの回転速度ω9の変化分Δω9Aを入力として用い、適切な安定化関数Gw(S)14を有する短周期の発電機モードの電力動揺を抑制する従来型PSSであるΔω−PSSと、発電機1のローターの回転速度ω9の変化分Δω9Aを入力として、この入力信号に対して発電機1のローターの位相角信号と同相となる位相遅れ補償を行なう位相進み遅れ補償関数を含む安定化関数Gδ(S)10を備え、長周期の系統モードの電力動揺を抑制するPSS(以下、並列型PSSと称する)であるΔδ−PSSと、ΔP−PSSの出力信号S1と、Δω−PSSの出力信号S2と、Δδ−PSSの出力信号S3とを加算する出力手段である加算器A3とから構成し、加算器A1からの複数型PSS出力信号S5を、前記AVR4へ入力するようにしている。
【0069】
なお、ここで、安定化関数Gp(S)13を有するΔP−PSSと、安定化関数Gw(S)14を有するΔω−PSSとを組み合わせた(ΔP+Δω)−PSSにより短周期型安定化信号算出手段を構成し、また安定化関数Gδ(S)10を有するΔδ−PSSにより長周期型安定化信号算出手段を構成している。
【0070】
また、図2では、発電機電圧の制御範囲を制限する制限器を省略しているが、この制限器は、安定化関数Gp(S)13を有するΔP−PSS、安定化関数Gw(S)14を有するΔω−PSS、安定化関数Gδ(S)10を有するΔδ−PSS内にそれぞれ設ける方法と、複数型PSS出力信号S5を制限する方法とがある。
【0071】
さらに、上記各PSSの安定化関数であるGp(S)13、Gw(S)14、Gδ(S)10は、前記図13のブロック図と同一構成となっており、その具体的な構成例を、下記(式1)、(式2)、(式3)にそれぞれ示す。
【0072】
Figure 0004034397
次に、以上のように構成した本実施の形態の複数型PSS5´の作用について説明する。
【0073】
なお、前述した図10、図11と同一部分の作用についてはその説明を省略し、ここでは異なる部分の作用についてのみ述べる。
【0074】
複数型PSS5´では、図12に示すように、有効電力8の変化分−ΔPは、安定化関数Gp(S)13を通し、発電機1の回転速度ω9の変化分Δω9Aは、安定化関数Gw(S)14および安定化関数Gδ(S)10をそれぞれ通して加算器A3で加算され、複数型PSS出力信号5AとしてAVR4へ入力される。
【0075】
この場合、クロスコンパウンド機や複数の発電機が直接接続される低圧同期式の発電機間に発生する2Hzの0.5秒程度の短周期の電力動揺である隣接機モードと発電機モードの電力動揺は、安定化関数Gp(S)13を有するΔP−PSSと安定化関数Gw(S)14を有するΔω−PSSとを組み合わせた、従来型PSSである(ΔP+Δω)−PSSにより抑制し、また系統モードの電力動揺に対しては、この電力動揺に適したように設定した安定化関数Gδ(S)10を有する並列型PSSであるΔδ−PSSにより抑制する。
【0076】
このような分担により、実用化されているPSSに対して、電力系統で発生する発電機モードから系統モードまでの広い帯域の電力動揺を速やかに抑制して、電力系統を安定に保つことにより、広域の電力融通を安定に行なうことができる。
【0077】
図3は、前述した従来構成のPSSを適用した図15と同一条件として、図2に示す本実施の形態の複数型PSS5´を長距離送電広域系統を対象として適用した場合の安定度シミュレーション結果の一例を示す図である。
【0078】
なお、図3において、横軸は時間(単位は秒)、縦軸は相差角δ(単位は度)をそれぞれ示している。
【0079】
図3のシミュレーションで使用した複数型PSS5´の定数は、下記にそれぞれ示すようである。
【0080】
Figure 0004034397
なお、上記の定数は、本実施の形態の複数型PSS5´が適用される発電機1やAVR4の定数設定が、上記のシミュレーションにて使用した定数や条件と違う場合には変更される。
【0081】
シミュレーションの全発電機出力容量を100%とすると、複数型PSS5´を適用した発電機1の割合は、9.4%である。そして、図2に示したPSSを使用する割合が増加するほど、安定度が向上する。しかし、図3に示したように、系統の9.4%に適用した場合でも、系統運用上は全く問題ない程安定度が向上している。
【0082】
また、図3に示したような系統故障のような擾乱から、図示しない負荷変動のような微少擾乱までの、発電機が運転中に発生する系統モードから発電機モードの電力動揺に対して、図2で構成した複数型PSS5´は良好な特性を示している。
【0083】
本実施の形態の複数型PSS5´を励磁機方式に適用した場合の一例を下記に示す。
【0084】
Figure 0004034397
図4は本実施の形態の複数型PSS5´を適用して励磁機方式での系統安定度のシミュレーションを行なった結果の一例を示す図、図16は従来型PSSのみを使用して系統安定度のシミュレーションを行なった結果の一例を示す図である。
【0085】
すなわち、図4に示した複数型PSS5´を適用した場合には、系統事故により発生した相差角動揺は、約3秒で電力動揺は抑制されている。
【0086】
これに対して、従来型PSSを適用した図16の場合には、発電機の相差角が時間の経過と共に拡大して、不安定となっている。
【0087】
これから明らかなように、本実施の形態の複数型PSS5´は、サイリスタ励磁方式および励磁機方式の両者に適用しても、顕著な安定度向上効果を持っている。
【0088】
上述したように、本実施の形態の複数型PSS5´では、発電機1の有効電力P8、発電機1のローターの回転速度ωに相当する等価信号を入力し、数秒程度の短周期の電力動揺である発電機モードの電力動揺を主として抑制する短周期型安定化信号算出手段である(ΔP+Δω)−PSSの出力信号S1,S2と、発電機1のローターの回転速度ωに相当する信号を入力し、短周期と比較して長周期の電力動揺である系統モードの電力動揺を主として抑制する長周期型安定化信号算出手段であるΔδ−PSSの出力信号S3とを加算して、励磁制御系を構成するAVR4に入力するようにしているので、電力系統で発生する発電機モードから系統モードまでの広い帯域の電力動揺を速やかに抑制して、電力系統を安定に保つことにより、広域の電力融通を安定に行なうことが可能となる。
【0089】
(第2の実施の形態)
図5は、本実施の形態による複数型PSS5´の要部構成例を示すブロック図であり、図2と同一部分には同一符号を付して示してその説明を省略し、ここでは異なる部分についてのみ述べる。
【0090】
すなわち、本実施の形態の複数型PSS5´は、図5に示すように、前記図2に、電力動揺周波数検出手段51と、定数選択手段53とを付加した構成としている。
【0091】
電力動揺周波数検出手段51は、発電機1のローターの回転速度ω9の変化分Δω9Aから、電力動揺の周波数を検出する。
【0092】
また、定数選択手段53は、電力動揺周波数検出手段51により検出した電力動揺の周波数またはこれに相当する等価な信号に応じて、あらかじめ種々の系統条件を想定して設計された並列型PSSの安定化関数の定数の中から、制御定数を自動的に選択する。
【0093】
すなわち、定数選択手段53は、あらかじめ種々の電力動揺の周波数を想定して設計された、前記(式3)の並列型PSSの安定化関数の定数Kδ、Tδ1、Tδ2、Tδ3、Tδ4、Tδ5、Tδ6、Tδ7の値から、その電力動揺の周波数と各定数のテーブルを作成しておき、そのテーブルから、検出した電力動揺の周波数に近い各定数を自動的に選択する。
【0094】
なお、上記電力動揺周波数検出手段51と定数選択手段53とから、制御定数調整機能を構成している。
【0095】
次に、以上のように構成した本実施の形態の複数型PSS5´の作用について説明する。
【0096】
なお、前述した第1の実施の形態と同一部分の作用についてはその説明を省略し、ここでは異なる部分の作用についてのみ述べる。
【0097】
発電機1の電力動揺の周波数が、想定した周波数からずれた場合に、電力動揺周波数検出手段51により、発電機1のローターの回転速度ω9の信号から電力動揺の周波数が検出され、定数選択手段53により、電力動揺周波数検出手段51で検出した周波数に応じて、あらかじめ種々の系統条件を想定して設計された定数の中から、並列型PSSのゲインや進み遅れ定数等の制御定数が自動的に選択される。
【0098】
この場合、系統に存在する電力動揺に対応して、その対象とする電力動揺を最も効果的に抑制するように、各並列型PSSの(式3)に示した安定化関数10を設定することにより、各並列型PSSがそれぞれの設定に対応した電力動揺を抑制するように作用することになる。
【0099】
上述したように、本実施の形態の複数型PSS5´では、設定した系統モードの周期から電力動揺モードがずれた場合に、電力動揺モードを検出して、その電力動揺のモードに対応するようにあらかじめ種々の系統条件を設定して計算された結果から設計された制御定数を自動的に選択する機能を使用して、並列型PSSのゲインや進み遅れ定数等の制御定数を自動的に選択するようにしているので、電力動揺の周波数が変化しても、電力動揺に対する最適な抑制効果を維持することが可能となる。
【0100】
(第3の実施の形態)
図6は、本実施の形態による複数型PSS5´の要部構成例を示すブロック図であり、図2と同一部分には同一符号を付して示してその説明を省略し、ここでは異なる部分についてのみ述べる。
【0101】
すなわち、本実施の形態の複数型PSS5´は、図6に示すように、前記図2に、電力動揺周波数検出手段51と、定数計算手段54とを付加した構成としている。
【0102】
電力動揺周波数検出手段51は、発電機1のローターの回転速度ω9の変化分Δω9Aから、電力動揺の周波数を検出する。
【0103】
また、定数計算手段54は、電力動揺周波数検出手段51により検出した電力動揺の周波数またはこれに相当する等価な信号に応じて、あらかじめ設定された数式を使用して、並列型PSSの安定化関数を自動的に変更する制御定数調整機能を有する。
【0104】
すなわち、定数選択手段54では、あらかじめ種々の電力動揺の周波数を想定して設計された、前記(式3)の並列型PSSの安定化関数の定数Kδ、Tδ1、Tδ2、Tδ3、Tδ4、Tδ5、Tδ6、Tδ7の値のテーブルから、各定数の電力動揺の周波数Fに対する近似式を作成しておく。
【0105】
例えば、2次近似式の係数をA0,A1,A2として、
(式4)Kδ(F)=A0+A1*F+A2*F*F
の近似式に、検出した電力動揺の周波数Fを代入して、並列型PSSの各定数を自動的に計算する。
【0106】
なお、上記電力動揺周波数検出手段51と定数計算手段54とから、制御定数調整機能を構成している。
【0107】
次に、以上のように構成した本実施の形態の複数型PSS5´の作用について説明する。
【0108】
なお、前述した第1の実施の形態と同一部分の作用についてはその説明を省略し、ここでは異なる部分の作用についてのみ述べる。
【0109】
発電機1の電力動揺の周波数が、想定した周波数からずれた場合に、電力動揺周波数検出手段51により、発電機1のローターの回転速度ω9の信号から電力動揺の周波数が検出され、定数計算手段54により、電力動揺周波数検出手段51で検出した周波数に応じて、あらかじめ設定された数式を使用して、並列型PSSのゲインや進み遅れ定数等の制御定数が自動的に計算される。
【0110】
この場合、系統に存在する電力動揺に対応して、その対象とする電力動揺を最も効果的に抑制するように、各並列型PSSの(式3)に示した安定化関数10を設定することにより、各並列型PSSがそれぞれの設定に対応した電力動揺を抑制するように作用することになる。
【0111】
上述したように、本実施の形態の複数型PSS5´では、設定した系統モードの周期から電力動揺モードがずれた場合に、電力動揺モードを検出して、その電力動揺のモードに対応するようにあらかじめ種々の系統条件を設定して決められた数式を使用して計算された結果から設計された制御定数に、並列型PSSのゲインや進み遅れ定数等の制御定数を自動的に変更するようにしているので、電力動揺の周波数が変化しても、電力動揺に対する最適な抑制効果を維持することが可能となる。
【0112】
(第4の実施の形態)
図7は、本実施の形態による複数型PSS5´の構成例を示すブロック図であり、図2と同一部分には同一符号を付して示してその説明を省略し、ここでは異なる部分についてのみ述べる。
【0113】
すなわち、本実施の形態の複数型PSS5´は、図7に示すように、前記図2における発電機1のローターの回転速度ω9の変化分Δω9Aに、発電機1のローターの位相角信号と同相となる位相遅れ補償を行なった信号を入力して、系統モードの電力動揺を抑制する安定化関数Gδ(S)として示した並列型PSSであるΔδ−PSSを複数(N台)10A〜10N備え、従来型PSSである(ΔP+Δω)−PSSの出力信号S1、S2と、加算器A4で加算された各並列型PSSの出力信号S3A〜S3Nの加算信号とを加算器A3で加算して、複数型PSS出力信号S5を前記AVR4へ入力するようにしている。
【0114】
なお、図7では、発電機電圧の制御範囲を制限する制限器を省略しているが、この制限器は、安定化関数Gp(S)13を有するΔP−PSS、安定化関数Gw(S)14を有するΔω−PSS、安定化関数Gδ(S)10A〜10Nを有する各Δδ−PSS内にそれぞれ設ける方法と、複数型PSS出力信号S5を制限する方法とがある。
【0115】
次に、以上のように構成した本実施の形態の複数型PSS5´の作用について説明する。
【0116】
なお、前述した第1の実施の形態と同一部分の作用についてはその説明を省略し、ここでは異なる部分の作用についてのみ述べる。
【0117】
系統に存在する電力動揺に対応して、その対象とする電力動揺を最も効果的に抑制するように、各並列型PSSの(式3)に示した安定化関数10A〜10Nの制御定数を設定することにより、各並列型PSSがそれぞれの設定に対応した電力動揺を抑制するように作用することになる。
【0118】
すなわち、この複数型PSS5´は、系統に存在する電力動揺に応じて安定化関数を変更した並列型PSSを複数備え、昼間の重負荷時と夜間の軽負荷時で発生する電力動揺の周期が大幅に異なり、その影響が大きくなったり、融通電力量等の変化によって発生する電力動揺周期の変動が大きくなり、そのため設定した系統条件が更に厳しくなる場合に、個々の並列型PSSの安定化関数10A〜10Nの制御定数の設定を、前述した第1の実施の形態の場合に比較して更に細かく設定する。そして、これらの並列型PSSの出力信号S3A〜S3Nと従来型PSSの出力S1,S2信号とを加算して、AVR4へ複数型PSS出力信号S5を出力する。
【0119】
この場合、発電機モードの電力動揺は、主として安定化関数Gp(S)13を有するΔP−PSSと安定化関数Gw(S)14を有するΔω−PSSとを組み合わせた、従来型PSSである(ΔP+Δω)−PSSにより抑制し、複数発生するかモードが大きく異なる系統モードの電力動揺は、安定化関数10A〜10Nを有する複数の並列型PSSであるΔδ−PSSにより抑制する。
【0120】
このような分担により、実用化されているPSSに対して、電力系統で発生する発電機モードから系統モードまでの広い帯域の電力動揺を速やかに抑制して、電力系統を安定に保つことにより、広域の電力融通を安定に行なうことができる。
【0121】
上述したように、本実施の形態の複数型PSS5´では、系統に存在する電力動揺に応じて、安定化関数10A〜10Nの制御定数を変更した並列型PSSを複数備えるようにしているので、昼間の重負荷時と夜間の軽負荷時で発生する電力動揺の周期が大幅に異なり、その影響が大きくなったり、融通電力量等の変化により発生する電力動揺周期の変動が大きくなり、そのため設定した系統条件が更に厳しくなる場合に、個々の並列型PSSの安定化関数10A〜10Nの制御定数の設定を、前記第1の実施の形態の場合に比較して更に細かく設定し、それらの従来型PSSおよび並列型PSSの出力信号を加算して励磁制御系を構成するAVR4に加えて、発電機モードの電力動揺は主として従来型PSSで抑制し、複数発生するかモードが大きく異なる系統モードの電力動揺は複数の並列型PSSで抑制し、電力系統で発生する広い帯域の電力動揺を速やかに抑制して、電力系統を安定に保つことにより、広域の電力融通を安定に行なうことが可能となる。
【0122】
すなわち、電力動揺の周期が複数存在するために、前述した第1の実施の形態ではある周期の電力動揺に対する抑制力が弱くなったり、ある周期の電力動揺が他の周期の電力動揺より強く現れるような系統に最も適したPSSである。
【0123】
このように、電力動揺が複数存在する系統に対して、同時に発生する複数の電力動揺を速やかに抑制し、系統の安定度を保つことにより、広域の電力融通を安定に行なうことが可能となる。
【0124】
(第5の実施の形態)
図8は、本実施の形態による複数型PSS5´の要部構成例を示すブロック図であり、図5と同一部分には同一符号を付して示してその説明を省略し、ここでは異なる部分についてのみ述べる。
【0125】
すなわち、本実施の形態の複数型PSS5´は、図8に示すように、前記図5における発電機1のローターの回転速度ω9の変化分Δω9Aから検出した電力動揺周波数あるいはこれに相当する等価な信号を使用し、系統に存在する電力動揺に応じた安定化関数に対して、あらかじめ計算により決められた定数の中から検出された動揺周波数に最も適する定数を自動的に選択するようにした並列型PSSを、複数(本例では2つ)備えた構成としている。
【0126】
次に、以上のように構成した本実施の形態の複数型PSS5´の作用について説明する。
【0127】
なお、前述した第2の実施の形態と同一部分の作用についてはその説明を省略し、ここでは異なる部分の作用についてのみ述べる。
【0128】
昼間の重負荷時と夜間の軽負荷時で発生する電力動揺の周期が大幅に異なり、その影響が大きくなったり、融通電力量等の変化によって発生する電力動揺周期の変動が大きくなり、そのため設定した系統条件が更に厳しくなる場合に、個々の並列型PSSの安定化関数の制御定数の設定を、前述した第2の実施の形態の場合に比較して更に細かく設定する。そして、これらの並列型PSSの出力信号S3と従来型PSSの出力S1,S2信号とを加算して、AVR4へ複数型PSS出力信号S5を出力する。
【0129】
この場合、発電機モードの電力動揺は、主として安定化関数Gp(S)13を有するΔP−PSSと安定化関数Gw(S)14を有するΔω−PSSとを組み合わせた、従来型PSSである(ΔP+Δω)−PSSにより抑制し、周波数が大きく異なる複数の系統モードの電力動揺は、異なる安定化関数10を有する複数の並列型PSSであるΔδ−PSSにより抑制する。
【0130】
このような分担により、実用化されているPSSに対して、電力系統で発生する発電機モードから系統モードまでの広い帯域の電力動揺を速やかに抑制して、電力系統を安定に保つことにより、広域の電力融通を安定に行なうことができる。
【0131】
上述したように、本実施の形態の複数型PSS5´では、系統に存在する電力動揺に応じて、異なる安定化関数10の制御定数を有する並列型PSSを複数備えるようにしているので、昼間の重負荷時と夜間の軽負荷時で発生する電力動揺の周期が大幅に異なり、その影響が大きくなったり、融通電力量等の変化により発生する電力動揺周期の変動が大きくなり、そのため設定した系統条件が更に厳しくなる場合に、個々の並列型PSSの安定化関数10の制御定数の設定を、前記第2の実施の形態の場合に比較して更に細かく設定し、それらの従来型PSSおよび並列型PSSの出力信号を加算して励磁制御系を構成するAVR4に加えて、発電機モードの電力動揺は主として従来型PSSで抑制し、複数発生するかモードが大きく異なる系統モードの電力動揺は複数の並列型PSSで抑制し、電力系統で発生する広い帯域の電力動揺を速やかに抑制して、電力系統を安定に保つことにより、広域の電力融通を安定に行なうことが可能となる。
【0132】
(第6の実施の形態)
図9は、本実施の形態による複数型PSS5´の要部構成例を示すブロック図であり、図6と同一部分には同一符号を付して示してその説明を省略し、ここでは異なる部分についてのみ述べる。
【0133】
すなわち、本実施の形態の複数型PSS5´は、図9に示すように、前記図6における発電機1のローターの回転速度ω9の変化分Δω9Aから検出した電力動揺周波数あるいはこれに相当する等価な信号を使用し、系統に存在する電力動揺に応じた安定化関数に対して、あらかじめ設定された数式を使用して検出された電力動揺周波数に最も適する定数を自動的に安定化関数の制御定数を算出するようにした並列型PSSを、複数(本例では2つ)備えた構成としている。
【0134】
次に、以上のように構成した本実施の形態の複数型PSS5´の作用について説明する。
【0135】
なお、前述した第3の実施の形態と同一部分の作用についてはその説明を省略し、ここでは異なる部分の作用についてのみ述べる。
【0136】
昼間の重負荷時と夜間の軽負荷時で発生する電力動揺の周期が大幅に異なり、その影響が大きくなったり、融通電力量等の変化によって発生する電力動揺周期の変動が大きくなり、そのため設定した系統条件が更に厳しくなる場合に、個々の並列型PSSの安定化関数の制御定数の設定を、前述した第3の実施の形態の場合に比較して更に細かく設定する。そして、これらの並列型PSSの出力信号S3と従来型PSSの出力S1,S2信号とを加算して、AVR4へ複数型PSS出力信号S5を出力する。
【0137】
この場合、発電機モードの電力動揺は、主として安定化関数Gp(S)13を有するΔP−PSSと安定化関数Gw(S)14を有するΔω−PSSとを組み合わせた、従来型PSSである(ΔP+Δω)−PSSにより抑制し、周波数が大きく異なる複数の系統モードの電力動揺は、異なる安定化関数10を有する複数の並列型PSSであるΔδ−PSSにより抑制する。
【0138】
このような分担により、実用化されているPSSに対して、電力系統で発生する発電機モードから系統モードまでの広い帯域の電力動揺を速やかに抑制して、電力系統を安定に保つことにより、広域の電力融通を安定に行なうことができる。
【0139】
上述したように、本実施の形態の複数型PSS5´では、系統に存在する電力動揺に応じて、異なる安定化関数10の制御定数を有する並列型PSSを複数備えるようにしているので、昼間の重負荷時と夜間の軽負荷時で発生する電力動揺の周期が大幅に異なり、その影響が大きくなったり、融通電力量等の変化により発生する電力動揺周期の変動が大きくなり、そのため設定した系統条件が更に厳しくなる場合に、個々の並列型PSSの安定化関数10の制御定数の設定を、前記第3の実施の形態の場合に比較して更に細かく設定し、それらの従来型PSSおよび並列型PSSの出力信号を加算して励磁制御系を構成するAVR4に加えて、発電機モードの電力動揺は主として従来型PSSで抑制し、複数発生するかモードが大きく異なる系統モードの電力動揺は複数の並列型PSSで抑制し、電力系統で発生する広い帯域の電力動揺を速やかに抑制して、電力系統を安定に保つことにより、広域の電力融通を安定に行なうことが可能となる。
【0140】
(第7の実施の形態)
本実施の形態による複数型PSS5´は、前述した図2の第1の実施の形態における、安定化関数Gp(S)13を有する従来型PSSであるΔP−PSSと、安定化関数Gw(S)14を有する従来型PSSであるΔω−PSSとを組み合わせた(ΔP+Δω)−PSSを省略して、安定化関数Gδ(S)10を有する並列型PSSであるΔδ−PSSのみから構成し、Δδ−PSSの出力信号S3を、前記AVR4へ入力するようにしている。
【0141】
なお、その他の構成については、前記第1の実施の形態の場合と同様であるので、ここではその図示および説明を省略して、図1および図2を代用することにする。
【0142】
次に、以上のように構成した本実施の形態の複数型PSS5´の作用について説明する。
【0143】
なお、前述した第1の実施の形態と同一部分の作用についてはその説明を省略し、ここでは異なる部分の作用についてのみ述べる。
【0144】
複数型PSS5´では、発電機1の回転速度ω9の変化分Δω9Aは、安定化関数Gδ(S)10を通し、複数型PSS出力信号5AとしてAVR4へ入力される。
【0145】
この場合、系統モードの電力動揺に対しては、この電力動揺に適したように設定した安定化関数Gδ(S)10を有する並列型PSSであるΔδ−PSSにより抑制する。
【0146】
すなわち、系統モードの電力動揺のみが問題となる発電機1では、その動揺を抑制するように、複数型PSS5´を構成する並列型PSSの前記(式3)に示した安定化関数Gδ(S)10を設定することにより、系統モードの電力動揺を抑制するように作用する。
【0147】
上述したように、本実施の形態の複数型PSS5´では、発電機1のローターの回転速度ωに相当する信号を入力し、短周期と比較して長周期の電力動揺である系統モードの電力動揺を主として抑制する長周期型安定化信号算出手段であるΔδ−PSSの出力信号S3を、励磁制御系を構成するAVR4に入力するようにしているので、電力系統で発生する系統モードの電力動揺を速やかに抑制して、電力系統を安定に保つことにより、電力融通を安定に行なうことが可能となる。
【0148】
すなわち、隣接発電機がない場合や、複数の発電機が系統インピーダンスを通して遠隔の負荷に送電するような場合には、発電機モードはほとんど問題にならず、系統モードの抑制が必要になる。そして、このような系統モードの抑制を行なう場合に、長周期型安定化信号算出手段であるΔδ−PSSを適用して、系統モードの電力動揺抑制に優れた制御特性を発揮することができる。
【0149】
(第8の実施の形態)
本実施の形態による複数型PSS5´は、前述した図5の第2の実施の形態における、安定化関数Gp(S)13を有する従来型PSSであるΔP−PSSと、安定化関数Gw(S)14を有する従来型PSSであるΔω−PSSとを組み合わせた(ΔP+Δω)−PSSを省略して、前記安定化関数Gδ(S)10を有する並列型PSSであるΔδ−PSSと、電力動揺周波数検出手段51と、定数選択手段53とから構成し、Δδ−PSSの出力信号S3を、前記AVR4へ入力するようにしている。
【0150】
なお、その他の構成については、前記第2の実施の形態の場合と同様であるので、ここではその図示および説明を省略して、図1および図5を代用することにする。
【0151】
次に、以上のように構成した本実施の形態の複数型PSS5´の作用について説明する。
【0152】
なお、前述した第2の実施の形態と同一部分の作用についてはその説明を省略し、ここでは異なる部分の作用についてのみ述べる。
【0153】
発電機1の電力動揺の周波数が、想定した周波数からずれた場合に、電力動揺周波数検出手段51により、発電機1のローターの回転速度ω9の信号から電力動揺の周波数が検出され、定数選択手段53により、電力動揺周波数検出手段51で検出した周波数に応じて、あらかじめ種々の系統条件を想定して設計された定数の中から、並列型PSSのゲインや進み遅れ定数等の制御定数が自動的に選択される。
【0154】
この場合、系統に存在する電力動揺に対応して、その対象とする電力動揺を最も効果的に抑制するように、各並列型PSSの(式3)に示した安定化関数10を設定することにより、各並列型PSSがそれぞれの設定に対応した電力動揺を抑制するように作用することになる。
【0155】
上述したように、本実施の形態の複数型PSS5´では、設定した系統モードの周期から電力動揺モードがずれた場合に、電力動揺モードを検出して、その電力動揺のモードに対応するようにあらかじめ種々の系統条件を設定して計算された結果から設計された制御定数を自動的に選択する機能を使用して、並列型PSSのゲインや進み遅れ定数等の制御定数を自動的に選択するようにしているので、電力動揺の周波数が変化しても、電力動揺に対する最適な抑制効果を維持することが可能となる。
【0156】
(第9の実施の形態)
本実施の形態による複数型PSS5´は、前述した図6の第3の実施の形態における、安定化関数Gp(S)13を有する従来型PSSであるΔP−PSSと、安定化関数Gw(S)14を有する従来型PSSであるΔω−PSSとを組み合わせた(ΔP+Δω)−PSSを省略して、安定化関数Gδ(S)10を有する並列型PSSであるΔδ−PSSと、電力動揺周波数検出手段51と、定数計算手段54とから構成し、Δδ−PSSの出力信号S3を、前記AVR4へ入力するようにしている。
【0157】
なお、その他の構成については、前記第3の実施の形態の場合と同様であるので、ここではその図示および説明を省略して、図1および図6を代用することにする。
【0158】
次に、以上のように構成した本実施の形態の複数型PSS5´の作用について説明する。
【0159】
なお、前述した第3の実施の形態と同一部分の作用についてはその説明を省略し、ここでは異なる部分の作用についてのみ述べる。
【0160】
発電機1の電力動揺の周波数が、想定した周波数からずれた場合に、電力動揺周波数検出手段51により、発電機1のローターの回転速度ω9の信号から電力動揺の周波数が検出され、定数計算手段54により、電力動揺周波数検出手段51で検出した周波数に応じて、あらかじめ設定された数式を使用して、並列型PSSのゲインや進み遅れ定数等の制御定数が自動的に計算される。
【0161】
この場合、系統に存在する電力動揺に対応して、その対象とする電力動揺を最も効果的に抑制するように、各並列型PSSの(式3)に示した安定化関数10を設定することにより、各並列型PSSがそれぞれの設定に対応した電力動揺を抑制するように作用することになる。
【0162】
上述したように、本実施の形態の複数型PSS5´では、設定した系統モードの周期から電力動揺モードがずれた場合に、電力動揺モードを検出して、その電力動揺のモードに対応するようにあらかじめ種々の系統条件を設定して決められた数式を使用して計算された結果から設計された制御定数に、並列型PSSのゲインや進み遅れ定数等の制御定数を自動的に変更するようにしているので、電力動揺の周波数が変化しても、電力動揺に対する最適な抑制効果を維持することが可能となる。
【0163】
(第10の実施の形態)
本実施の形態による複数型PSS5´は、前述した図7の第4の実施の形態における、安定化関数Gp(S)13を有する従来型PSSであるΔP−PSSと、安定化関数Gw(S)14を有する従来型PSSであるΔω−PSSとを組み合わせた(ΔP+Δω)−PSSを省略して、安定化関数Gδ(S)10A〜10Nを有する並列型PSSである複数(N台)のΔδ−PSSから構成し、各Δδ−PSSの出力信号S3A〜S3Nを加算器A4で加算した加算信号を、前記AVR4へ入力するようにしている。
【0164】
なお、その他の構成については、前記第4の実施の形態の場合と同様であるので、ここではその図示および説明を省略して、図1および図7を代用することにする。
【0165】
次に、以上のように構成した本実施の形態の複数型PSS5´の作用について説明する。
【0166】
なお、前述した第4の実施の形態と同一部分の作用についてはその説明を省略し、ここでは異なる部分の作用についてのみ述べる。
【0167】
系統に存在する電力動揺に対応して、その対象とする電力動揺を最も効果的に抑制するように、各並列型PSSの(式3)に示した安定化関数10A〜10Nの制御定数を設定することにより、各並列型PSSがそれぞれの設定に対応した電力動揺を抑制するように作用することになる。
【0168】
上述したように、本実施の形態の複数型PSS5´では、系統に存在する電力動揺に応じて、安定化関数10A〜10Nの制御定数を変更した並列型PSSを複数備えるようにしているので、電力動揺の周期が複数存在するために、前述した第1の実施の形態ではある周期の電力動揺に対する抑制力が弱くなったり、ある周期の電力動揺が他の周期の電力動揺より強く現れるような系統に最も適したPSSである。
【0169】
このように、電力動揺が複数存在する系統に対して、同時に発生する複数の電力動揺を速やかに抑制し、系統の安定度を保つことにより、広域の電力融通を安定に行なうことが可能となる。
【0170】
(第11の実施の形態)
本実施の形態による複数型PSS5´は、前述した図8の第5の実施の形態における、安定化関数Gp(S)13を有する従来型PSSであるΔP−PSSと、安定化関数Gw(S)14を有する従来型PSSであるΔω−PSSとを組み合わせた(ΔP+Δω)−PSSを省略して、安定化関数10を有する並列型PSSである複数(本例では2台)のΔδ−PSSと、複数(本例では2台)の電力動揺周波数検出手段51および定数選択手段53とから構成し、各Δδ−PSSの出力信号S3を加算器A5で加算した加算信号を、前記AVR4へ入力するようにしている。
【0171】
なお、その他の構成については、前記第5の実施の形態の場合と同様であるので、ここではその図示および説明を省略して、図1および図8を代用することにする。
【0172】
次に、以上のように構成した本実施の形態の複数型PSS5´の作用について説明する。
【0173】
なお、前述した第5の実施の形態と同一部分の作用についてはその説明を省略し、ここでは異なる部分の作用についてのみ述べる。
【0174】
昼間の重負荷時と夜間の軽負荷時で発生する電力動揺の周期が大幅に異なり、その影響が大きくなったり、融通電力量等の変化によって発生する電力動揺周期の変動が大きくなり、そのため設定した系統条件が更に厳しくなる場合に、個々の並列型PSSの安定化関数10の制御定数の設定を、前述した第2の実施の形態の場合に比較して更に細かく設定する。そして、これらの並列型PSSの出力信号S3を加算して、AVR4へ複数型PSS出力信号S5を出力する。
【0175】
この場合、周波数が大きく異なる複数の系統モードの電力動揺は、異なる安定化関数10を有する複数の並列型PSSであるΔδ−PSSにより抑制する。
【0176】
上述したように、本実施の形態の複数型PSS5´では、系統に存在する電力動揺に応じて、異なる安定化関数10の制御定数を有する並列型PSSを複数備えるようにしているので、電力系統で発生する広い帯域の電力動揺を速やかに抑制して、電力系統を安定に保つことにより、広域の電力融通を安定に行なうことが可能となる。
【0177】
(第12の実施の形態)
本実施の形態による複数型PSS5´は、前述した図9の第6の実施の形態における、安定化関数Gp(S)13を有する従来型PSSであるΔP−PSSと、安定化関数Gw(S)14を有する従来型PSSであるΔω−PSSとを組み合わせた(ΔP+Δω)−PSSを省略して、安定化関数10を有する並列型PSSである複数(本例では2台)のΔδ−PSSと、複数(本例では2台)の電力動揺周波数検出手段51および定数計算手段54とから構成し、各Δδ−PSSの出力信号S3を加算器A6で加算した加算信号を、前記AVR4へ入力するようにしている。
【0178】
なお、その他の構成については、前記第6の実施の形態の場合と同様であるので、ここではその図示および説明を省略して、図1および図9を代用することにする。
【0179】
次に、以上のように構成した本実施の形態の複数型PSS5´の作用について説明する。
【0180】
なお、前述した第6の実施の形態と同一部分の作用についてはその説明を省略し、ここでは異なる部分の作用についてのみ述べる。
【0181】
昼間の重負荷時と夜間の軽負荷時で発生する電力動揺の周期が大幅に異なり、その影響が大きくなったり、融通電力量等の変化によって発生する電力動揺周期の変動が大きくなり、そのため設定した系統条件が更に厳しくなる場合に、個々の並列型PSSの安定化関数の制御定数の設定を、前述した第3の実施の形態の場合に比較して更に細かく設定する。そして、これらの並列型PSSの出力信号S3を加算して、AVR4へ複数型PSS出力信号S5を出力する。
【0182】
この場合、周波数が大きく異なる複数の系統モードの電力動揺は、異なる安定化関数10を有する複数の並列型PSSであるΔδ−PSSにより抑制する。
【0183】
上述したように、本実施の形態の複数型PSS5´では、系統に存在する電力動揺に応じて、異なる安定化関数10の制御定数を有する並列型PSSを複数備えるようにしているので、電力系統で発生する広い帯域の電力動揺を速やかに抑制して、電力系統を安定に保つことにより、広域の電力融通を安定に行なうことが可能となる。
【0184】
(第13の実施の形態)
本実施の形態による複数型PSS5´は、前述した図2の第1の実施の形態における、並列型PSSであるΔδ−PSSとして、前記発電機1のローターの回転速度ω9の変化分Δω9Aの代わりに、発電機1の電圧の周波数または電流の周波数の信号を入力として、この入力信号に対して発電機1のローターの位相角信号と同相となる位相遅れ補償を行なう位相進み遅れ補償関数を含む安定化関数Gδ(S)10を備え、長周期の系統モードの電力動揺を抑制するΔδ−PSSを備えた構成としている。
【0185】
なお、その他の構成については、前記第1の実施の形態の場合と同様であるので、ここではその図示および説明を省略して、図1および図2を代用することにする。
【0186】
次に、以上のように構成した本実施の形態の複数型PSS5´の作用について説明する。
【0187】
なお、前述した第1の実施の形態と同一部分の作用についてはその説明を省略し、ここでは異なる部分の作用についてのみ述べる。
【0188】
複数型PSS5´では、図12に示すように、有効電力8の変化分−ΔPは、安定化関数Gp(S)13を通し、発電機1の回転速度ω9の変化分Δω9Aは、安定化関数Gw(S)14を通し、発電機1の電圧の周波数または電流の周波数の信号は、安定化関数Gδ(S)10を通して加算器A3で加算され、複数型PSS出力信号5AとしてAVR4へ入力される。
【0189】
この場合、隣接機モードと発電機モードの電力動揺は、安定化関数Gp(S)13を有するΔP−PSSと安定化関数Gw(S)14を有するΔω−PSSとを組み合わせた、従来型PSSである(ΔP+Δω)−PSSにより抑制し、また系統モードの電力動揺に対しては、発電機1の電圧の周波数または電流の周波数の信号を入力とし、この電力動揺に適したように設定した安定化関数Gδ(S)10を有する並列型PSSであるΔδ−PSSにより抑制する。
【0190】
このような分担により、実用化されているPSSに対して、電力系統で発生する発電機モードから系統モードまでの広い帯域の電力動揺を速やかに抑制して、電力系統を安定に保つことにより、広域の電力融通を安定に行なうことができる。
【0191】
上述したように、本実施の形態の複数型PSS5´では、発電機1の有効電力P8、発電機1のローターの回転速度ωに相当する等価信号を入力し、数秒程度の短周期の電力動揺である発電機モードの電力動揺を主として抑制する(ΔP+Δω)−PSSの出力信号S1,S2と、発電機1の電圧の周波数または電流の周波数の信号を入力し、短周期と比較して長周期の電力動揺である系統モードの電力動揺を主として抑制するΔδ−PSSの出力信号S3とを加算して、AVR4に入力するようにしているので、電力系統で発生する発電機モードから系統モードまでの広い帯域の電力動揺を速やかに抑制して、電力系統を安定に保つことにより、広域の電力融通を安定に行なうことが可能となる。
【0192】
(第14の実施の形態)
本実施の形態による複数型PSS5´は、前述した図5の第2の実施の形態における、並列型PSSであるΔδ−PSSとして、前記発電機1のローターの回転速度ω9の変化分Δω9Aの代わりに、発電機1の電圧の周波数または電流の周波数の信号を入力として、この入力信号に対して発電機1のローターの位相角信号と同相となる位相遅れ補償を行なう位相進み遅れ補償関数を含む安定化関数Gδ(S)10を備え、長周期の系統モードの電力動揺を抑制するΔδ−PSSを備えた構成としている。
【0193】
なお、その他の構成については、前記第2の実施の形態の場合と同様であるので、ここではその図示および説明を省略して、図1および図5を代用することにする。
【0194】
次に、以上のように構成した本実施の形態の複数型PSS5´の作用について説明する。
【0195】
なお、前述した第2の実施の形態と同一部分の作用についてはその説明を省略し、ここでは異なる部分の作用についてのみ述べる。
【0196】
発電機1の電力動揺の周波数が、想定した周波数からずれた場合に、電力動揺周波数検出手段51により、発電機1のローターの回転速度ω9の信号から電力動揺の周波数が検出され、定数選択手段53により、電力動揺周波数検出手段51で検出した周波数に応じて、あらかじめ種々の系統条件を想定して設計された定数の中から、発電機1の電圧の周波数または電流の周波数の信号を入力とする並列型PSSのゲインや進み遅れ定数等の制御定数が自動的に選択される。
【0197】
この場合、系統に存在する電力動揺に対応して、その対象とする電力動揺を最も効果的に抑制するように、発電機1の電圧の周波数または電流の周波数の信号を入力とする各並列型PSSの(式3)に示した安定化関数10を設定することにより、発電機1の電圧の周波数または電流の周波数の信号を入力とする各並列型PSSがそれぞれの設定に対応した電力動揺を抑制するように作用することになる。
【0198】
上述したように、本実施の形態の複数型PSS5´では、設定した系統モードの周期から電力動揺モードがずれた場合に、電力動揺モードを検出して、その電力動揺のモードに対応するようにあらかじめ種々の系統条件を設定して計算された結果から設計された制御定数を自動的に選択する機能を使用して、発電機1の電圧の周波数または電流の周波数の信号を入力とする並列型PSSのゲインや進み遅れ定数等の制御定数を自動的に選択するようにしているので、電力動揺の周波数が変化しても、電力動揺に対する最適な抑制効果を維持することが可能となる。
【0199】
(第15の実施の形態)
本実施の形態による複数型PSS5´は、前述した図6の第3の実施の形態における、並列型PSSであるΔδ−PSSとして、前記発電機1のローターの回転速度ω9の変化分Δω9Aの代わりに、発電機1の電圧の周波数または電流の周波数の信号を入力として、この入力信号に対して発電機1のローターの位相角信号と同相となる位相遅れ補償を行なう位相進み遅れ補償関数を含む安定化関数Gδ(S)10を備え、長周期の系統モードの電力動揺を抑制するΔδ−PSSを備えた構成としている。
【0200】
なお、その他の構成については、前記第3の実施の形態の場合と同様であるので、ここではその図示および説明を省略して、図1および図6を代用することにする。
【0201】
次に、以上のように構成した本実施の形態の複数型PSS5´の作用について説明する。
【0202】
なお、前述した第3の実施の形態と同一部分の作用についてはその説明を省略し、ここでは異なる部分の作用についてのみ述べる。
【0203】
発電機1の電力動揺の周波数が、想定した周波数からずれた場合に、電力動揺周波数検出手段51により、発電機1のローターの回転速度ω9の信号から電力動揺の周波数が検出され、定数選択手段53により、電力動揺周波数検出手段51で検出した周波数に応じて、あらかじめ種々の系統条件を想定して設計された定数の中から、発電機1の電圧の周波数または電流の周波数の信号を入力とする並列型PSSのゲインや進み遅れ定数等の制御定数が自動的に選択される。
【0204】
この場合、系統に存在する電力動揺に対応して、その対象とする電力動揺を最も効果的に抑制するように、発電機1の電圧の周波数または電流の周波数の信号を入力とする各並列型PSSの(式3)に示した安定化関数10を設定することにより、発電機1の電圧の周波数または電流の周波数の信号を入力とする各並列型PSSがそれぞれの設定に対応した電力動揺を抑制するように作用することになる。
【0205】
上述したように、本実施の形態の複数型PSS5´では、設定した系統モードの周期から電力動揺モードがずれた場合に、電力動揺モードを検出して、その電力動揺のモードに対応するようにあらかじめ種々の系統条件を設定して決められた数式を使用して計算された結果から設計された制御定数に、発電機1の電圧の周波数または電流の周波数の信号を入力とする並列型PSSのゲインや進み遅れ定数等の制御定数を自動的に変更するようにしているので、電力動揺の周波数が変化しても、電力動揺に対する最適な抑制効果を維持することが可能となる。
【0206】
(第16の実施の形態)
本実施の形態による複数型PSS5´は、前述した図7の第4の実施の形態における、並列型PSSであるΔδ−PSSとして、前記発電機1のローターの回転速度ω9の変化分Δω9Aの代わりに、発電機1の電圧の周波数または電流の周波数の信号を入力として、この入力信号に対して発電機1のローターの位相角信号と同相となる位相遅れ補償を行なう位相進み遅れ補償関数を含む安定化関数Gδ(S)10A〜10Nを備え、長周期の系統モードの電力動揺を抑制する複数(N台)のΔδ−PSSを備えた構成としている。
【0207】
なお、その他の構成については、前記第4の実施の形態の場合と同様であるので、ここではその図示および説明を省略して、図1および図7を代用することにする。
【0208】
次に、以上のように構成した本実施の形態の複数型PSS5´の作用について説明する。
【0209】
なお、前述した第4の実施の形態と同一部分の作用についてはその説明を省略し、ここでは異なる部分の作用についてのみ述べる。
【0210】
系統に存在する電力動揺に対応して、その対象とする電力動揺を最も効果的に抑制するように、発電機1の電圧の周波数または電流の周波数の信号を入力とする各並列型PSSの(式3)に示した安定化関数10A〜10Nの制御定数を設定することにより、発電機1の電圧の周波数または電流の周波数の信号を入力とする各並列型PSSがそれぞれの設定に対応した電力動揺を抑制するように作用することになる。
【0211】
上述したように、本実施の形態の複数型PSS5´では、発電機1の電圧の周波数または電流の周波数の信号を入力とし、系統に存在する電力動揺に応じて、安定化関数10A〜10Nの制御定数を変更した並列型PSSを複数備えるようにしているので、電力動揺の周期が複数存在するために、前述した第1の実施の形態ではある周期の電力動揺に対する抑制力が弱くなったり、ある周期の電力動揺が他の周期の電力動揺より強く現れるような系統に最も適したPSSである。
【0212】
このように、電力動揺が複数存在する系統に対して、同時に発生する複数の電力動揺を速やかに抑制し、系統の安定度を保つことにより、広域の電力融通を安定に行なうことが可能となる。
【0213】
(第17の実施の形態)
本実施の形態による複数型PSS5´は、前述した図8の第5の実施の形態における、並列型PSSであるΔδ−PSSとして、前記発電機1のローターの回転速度ω9の変化分Δω9Aの代わりに、発電機1の電圧の周波数または電流の周波数の信号を入力として、この入力信号に対して発電機1のローターの位相角信号と同相となる位相遅れ補償を行なう位相進み遅れ補償関数を含む安定化関数Gδ(S)10を備え、長周期の系統モードの電力動揺を抑制する複数(本例では2台)のΔδ−PSSを備えた構成としている。
【0214】
なお、その他の構成については、前記第5の実施の形態の場合と同様であるので、ここではその図示および説明を省略して、図1および図8を代用することにする。
【0215】
次に、以上のように構成した本実施の形態の複数型PSS5´の作用について説明する。
【0216】
なお、前述した第5の実施の形態と同一部分の作用についてはその説明を省略し、ここでは異なる部分の作用についてのみ述べる。
【0217】
発電機モードの電力動揺は、主として安定化関数Gp(S)13を有するΔP−PSSと安定化関数Gw(S)14を有するΔω−PSSとを組み合わせた、従来型PSSである(ΔP+Δω)−PSSにより抑制し、周波数が大きく異なる複数の系統モードの電力動揺は、発電機1の電圧の周波数または電流の周波数の信号を入力とし、異なる安定化関数10を有する複数の並列型PSSであるΔδ−PSSにより抑制する。
【0218】
系統に存在する電力動揺に対応して、その対象とする電力動揺を最も効果的に抑制するように、発電機1の電圧の周波数または電流の周波数の信号を入力とする各並列型PSSの(式3)に示した安定化関数10の制御定数を設定することにより、発電機1の電圧の周波数または電流の周波数の信号を入力とする各並列型PSSがそれぞれの設定に対応した電力動揺を抑制するように作用することになる。
【0219】
上述したように、本実施の形態の複数型PSS5´では、発電機1の電圧の周波数または電流の周波数の信号を入力とし、系統に存在する電力動揺に応じて、異なる安定化関数10の制御定数を有する並列型PSSを複数備えるようにしているので、電力系統で発生する広い帯域の電力動揺を速やかに抑制して、電力系統を安定に保つことにより、広域の電力融通を安定に行なうことが可能となる。
【0220】
(第18の実施の形態)
本実施の形態による複数型PSS5´は、前述した図9の第6の実施の形態における、並列型PSSであるΔδ−PSSとして、前記発電機1のローターの回転速度ω9の変化分Δω9Aの代わりに、発電機1の電圧の周波数または電流の周波数の信号を入力として、この入力信号に対して発電機1のローターの位相角信号と同相となる位相遅れ補償を行なう位相進み遅れ補償関数を含む安定化関数Gδ(S)10を備え、長周期の系統モードの電力動揺を抑制する複数(本例では2台)のΔδ−PSSを備えた構成としている。
【0221】
なお、その他の構成については、前記第6の実施の形態の場合と同様であるので、ここではその図示および説明を省略して、図1および図9を代用することにする。
【0222】
次に、以上のように構成した本実施の形態の複数型PSS5´の作用について説明する。
【0223】
なお、前述した第6の実施の形態と同一部分の作用についてはその説明を省略し、ここでは異なる部分の作用についてのみ述べる。
【0224】
発電機モードの電力動揺は、主として安定化関数Gp(S)13を有するΔP−PSSと安定化関数Gw(S)14を有するΔω−PSSとを組み合わせた、従来型PSSである(ΔP+Δω)−PSSにより抑制し、周波数が大きく異なる複数の系統モードの電力動揺は、発電機1の電圧の周波数または電流の周波数の信号を入力とし、異なる安定化関数10を有する複数の並列型PSSであるΔδ−PSSにより抑制する。
【0225】
系統に存在する電力動揺に対応して、その対象とする電力動揺を最も効果的に抑制するように、発電機1の電圧の周波数または電流の周波数の信号を入力とする各並列型PSSの(式3)に示した安定化関数10の制御定数を設定することにより、発電機1の電圧の周波数または電流の周波数の信号を入力とする各並列型PSSがそれぞれの設定に対応した電力動揺を抑制するように作用することになる。
【0226】
上述したように、本実施の形態の複数型PSS5´では、発電機1の電圧の周波数または電流の周波数の信号を入力とし、系統に存在する電力動揺に応じて、異なる安定化関数10の制御定数を有する並列型PSSを複数備えるようにしているので、電力系統で発生する広い帯域の電力動揺を速やかに抑制して、電力系統を安定に保つことにより、広域の電力融通を安定に行うことが可能となる。
【0227】
(第19の実施の形態)
本実施の形態による複数型PSS5´は、前述した第7の実施の形態における、並列型PSSであるΔδ−PSSとして、前記発電機1のローターの回転速度ω9の変化分Δω9Aの代わりに、発電機1の電圧の周波数または電流の周波数の信号を入力として、この入力信号に対して発電機1のローターの位相角信号と同相となる位相遅れ補償を行なう位相進み遅れ補償関数を含む安定化関数Gδ(S)10を備え、長周期の系統モードの電力動揺を抑制するΔδ−PSSを備えた構成としている。
【0228】
なお、その他の構成については、前記第7の実施の形態の場合と同様であるので、ここではその図示および説明を省略して、図1および図2を代用することにする。
【0229】
次に、以上のように構成した本実施の形態の複数型PSS5´の作用について説明する。
【0230】
なお、前述した第7の実施の形態と同一部分の作用についてはその説明を省略し、ここでは異なる部分の作用についてのみ述べる。
【0231】
複数型PSS5´では、発電機1の電圧の周波数または電流の周波数の信号は、安定化関数Gδ(S)10を通し、複数型PSS出力信号5AとしてAVR4へ入力される。
【0232】
この場合、系統モードの電力動揺に対しては、発電機1の電圧の周波数または電流の周波数の信号を入力とし、この電力動揺に適したように設定した安定化関数Gδ(S)10を有する並列型PSSであるΔδ−PSSにより抑制する。
【0233】
すなわち、系統モードの電力動揺のみが問題となる発電機1では、その動揺を抑制するように、発電機1の電圧の周波数または電流の周波数の信号を入力とする複数型PSS5´を構成する並列型PSSの前記(式3)に示した安定化関数Gδ(S)10を設定することにより、系統モードの電力動揺を抑制するように作用する。
【0234】
上述したように、本実施の形態の複数型PSS5´では、発電機1の電圧の周波数または電流の周波数の信号を入力し、短周期と比較して長周期の電力動揺である系統モードの電力動揺を主として抑制するΔδ−PSSの出力信号S3を、励磁制御系を構成するAVR4に入力するようにしているので、系統モードの電力動揺のみが存在する場合は、電力系統で発生する系統モードの電力動揺を速やかに抑制して、電力系統を安定に保つことにより、電力融通を安定に行なうことが可能となる。
【0235】
(第20の実施の形態)
本実施の形態による複数型PSS5´は、前述した第8の実施の形態における、並列型PSSであるΔδ−PSSとして、前記発電機1のローターの回転速度ω9の変化分Δω9Aの代わりに、発電機1の電圧の周波数または電流の周波数の信号を入力として、この入力信号に対して発電機1のローターの位相角信号と同相となる位相遅れ補償を行なう位相進み遅れ補償関数を含む安定化関数Gδ(S)10を備え、長周期の系統モードの電力動揺を抑制するΔδ−PSSを備えた構成としている。
【0236】
なお、その他の構成については、前記第8の実施の形態の場合と同様であるので、ここではその図示および説明を省略して、図1および図5を代用することにする。
【0237】
次に、以上のように構成した本実施の形態の複数型PSS5´の作用について説明する。
【0238】
なお、前述した第8の実施の形態と同一部分の作用についてはその説明を省略し、ここでは異なる部分の作用についてのみ述べる。
【0239】
発電機1の電力動揺の周波数が、想定した周波数からずれた場合に、電力動揺周波数検出手段51により、発電機1のローターの回転速度ω9の信号から電力動揺の周波数が検出され、定数選択手段53により、電力動揺周波数検出手段51で検出した周波数に応じて、あらかじめ種々の系統条件を想定して設計された定数の中から、発電機1の電圧の周波数または電流の周波数の信号を入力とする並列型PSSのゲインや進み遅れ定数等の制御定数が自動的に選択される。
【0240】
上述したように、本実施の形態の複数型PSS5´では、設定した系統モードの周期から電力動揺モードがずれた場合に、電力動揺モードを検出して、その電力動揺のモードに対応するようにあらかじめ種々の系統条件を設定して計算された結果から設計された制御定数を自動的に選択する機能を使用して、発電機1の電圧の周波数または電流の周波数の信号を入力とする並列型PSSのゲインや進み遅れ定数等の制御定数を自動的に選択するようにしているので、電力動揺の周波数が変化しても、電力動揺に対する最適な抑制効果を維持することが可能となる。
【0241】
(第21の実施の形態)
本実施の形態による複数型PSS5´は、前述した第9の実施の形態における、並列型PSSであるΔδ−PSSとして、前記発電機1のローターの回転速度ω9の変化分Δω9Aの代わりに、発電機1の電圧の周波数または電流の周波数の信号を入力として、この入力信号に対して発電機1のローターの位相角信号と同相となる位相遅れ補償を行なう位相進み遅れ補償関数を含む安定化関数Gδ(S)10を備え、長周期の系統モードの電力動揺を抑制するΔδ−PSSを備えた構成としている。
【0242】
なお、その他の構成については、前記第9の実施の形態の場合と同様であるので、ここではその図示および説明を省略して、図1および図6を代用することにする。
【0243】
次に、以上のように構成した本実施の形態の複数型PSS5´の作用について説明する。
【0244】
なお、前述した第9の実施の形態と同一部分の作用についてはその説明を省略し、ここでは異なる部分の作用についてのみ述べる。
【0245】
発電機1の電力動揺の周波数が、想定した周波数からずれた場合に、電力動揺周波数検出手段51により、発電機1のローターの回転速度ω9の信号から電力動揺の周波数が検出され、定数計算手段54により、電力動揺周波数検出手段51で検出した周波数に応じて、あらかじめ設定された数式を使用して、発電機1の電圧の周波数または電流の周波数の信号を入力とする並列型PSSのゲインや進み遅れ定数等の制御定数が自動的に計算される。
【0246】
上述したように、本実施の形態の複数型PSS5´では、設定した系統モードの周期から電力動揺モードがずれた場合に、電力動揺モードを検出して、その電力動揺のモードに対応するようにあらかじめ種々の系統条件を設定して決められた数式を使用して計算された結果から設計された制御定数に、発電機1の電圧の周波数または電流の周波数の信号を入力とする並列型PSSのゲインや進み遅れ定数等の制御定数を自動的に変更するようにしているので、電力動揺の周波数が変化しても、電力動揺に対する最適な抑制効果を維持することが可能となる。
【0247】
(第22の実施の形態)
本実施の形態による複数型PSS5´は、前述した第10の実施の形態における、並列型PSSであるΔδ−PSSとして、前記発電機1のローターの回転速度ω9の変化分Δω9Aの代わりに、発電機1の電圧の周波数または電流の周波数の信号を入力として、この入力信号に対して発電機1のローターの位相角信号と同相となる位相遅れ補償を行なう位相進み遅れ補償関数を含む安定化関数Gδ(S)10A〜10Nを備え、長周期の系統モードの電力動揺を抑制する複数(N台)のΔδ−PSSを備えた構成としている。
【0248】
なお、その他の構成については、前記第10の実施の形態の場合と同様であるので、ここではその図示および説明を省略して、図1および図7を代用することにする。
【0249】
次に、以上のように構成した本実施の形態の複数型PSS5´の作用について説明する。
【0250】
なお、前述した第10の実施の形態と同一部分の作用についてはその説明を省略し、ここでは異なる部分の作用についてのみ述べる。
【0251】
系統に存在する電力動揺に対応して、その対象とする電力動揺を最も効果的に抑制するように、発電機1の電圧の周波数または電流の周波数の信号を入力とする各並列型PSSの(式3)に示した安定化関数10A〜10Nの制御定数を設定することにより、発電機1の電圧の周波数または電流の周波数の信号を入力とする各並列型PSSが、それぞれの設定に対応した電力動揺を抑制するように作用することになる。
【0252】
上述したように、本実施の形態の複数型PSS5´では、発電機1の電圧の周波数または電流の周波数の信号を入力とし、系統に存在する電力動揺に応じて、安定化関数10A〜10Nの制御定数を変更した並列型PSSを複数備えるようにしているので、電力動揺の周期が複数存在するために、前述した第1の実施の形態ではある周期の電力動揺に対する抑制力が弱くなったり、ある周期の電力動揺が他の周期の電力動揺より強く現れるような系統に最も適したPSSである。
【0253】
このように、電力動揺が複数存在する系統に対して、同時に発生する複数の電力動揺を速やかに抑制し、系統の安定度を保つことにより、広域の電力融通を安定に行なうことが可能となる。
【0254】
(第23の実施の形態)
本実施の形態による複数型PSS5´は、前述した第11の実施の形態における、並列型PSSであるΔδ−PSSとして、前記発電機1のローターの回転速度ω9の変化分Δω9Aの代わりに、発電機1の電圧の周波数または電流の周波数の信号を入力として、この入力信号に対して発電機1のローターの位相角信号と同相となる位相遅れ補償を行なう位相進み遅れ補償関数を含む安定化関数Gδ(S)10を備え、長周期の系統モードの電力動揺を抑制する複数(本例では2台)のΔδ−PSSを備えた構成としている。
【0255】
なお、その他の構成については、前記第11の実施の形態の場合と同様であるので、ここではその図示および説明を省略して、図1および図8を代用することにする。
【0256】
次に、以上のように構成した本実施の形態の複数型PSS5´の作用について説明する。
【0257】
なお、前述した第11の実施の形態と同一部分の作用についてはその説明を省略し、ここでは異なる部分の作用についてのみ述べる。
【0258】
昼間の重負荷時と夜間の軽負荷時で発生する電力動揺の周期が大幅に異なり、その影響が大きくなったり、融通電力量等の変化によって発生する電力動揺周期の変動が大きくなり、そのため設定した系統条件が更に厳しくなる場合に、個々の並列型PSSの安定化関数の制御定数の設定を、前述した第2の実施の形態の場合に比較して更に細かく設定する。そして、これらの並列型PSSの出力信号S3を加算して、AVR4へ複数型PSS出力信号S5を出力する。
【0259】
この場合、周波数が大きく異なる複数の系統モードの電力動揺は、発電機1の電圧の周波数または電流の周波数の信号を入力とし、異なる安定化関数10を有する複数の並列型PSSであるΔδ−PSSにより抑制する。
【0260】
上述したように、本実施の形態の複数型PSS5´では、発電機1の電圧の周波数または電流の周波数の信号を入力とし、系統に存在する電力動揺に応じて、異なる安定化関数10の制御定数を有する並列型PSSを複数備えるようにしているので、電力系統で発生する広い帯域の電力動揺を速やかに抑制して、電力系統を安定に保つことにより、広域の電力融通を安定に行なうことが可能となる。
【0261】
(第24の実施の形態)
本実施の形態による複数型PSS5´は、前述した第12の実施の形態における、並列型PSSであるΔδ−PSSとして、前記発電機1のローターの回転速度ω9の変化分Δω9Aの代わりに、発電機1の電圧の周波数または電流の周波数の信号を入力として、この入力信号に対して発電機1のローターの位相角信号と同相となる位相遅れ補償を行なう位相進み遅れ補償関数を含む安定化関数Gδ(S)10を備え、長周期の系統モードの電力動揺を抑制する複数(本例では2台)のΔδ−PSSを備えた構成としている。
【0262】
なお、その他の構成については、前記第12の実施の形態の場合と同様であるので、ここではその図示および説明を省略して、図1および図9を代用することにする。
【0263】
次に、以上のように構成した本実施の形態の複数型PSS5´の作用について説明する。
【0264】
なお、前述した第12の実施の形態と同一部分の作用についてはその説明を省略し、ここでは異なる部分の作用についてのみ述べる。
【0265】
昼間の重負荷時と夜間の軽負荷時で発生する電力動揺の周期が大幅に異なり、その影響が大きくなったり、融通電力量等の変化によって発生する電力動揺周期の変動が大きくなり、そのため設定した系統条件が更に厳しくなる場合に、個々の並列型PSSの安定化関数10の制御定数の設定を、前述した第2の実施の形態の場合に比較して更に細かく設定する。そして、これらの並列型PSSの出力信号S3を加算して、AVR4へ複数型PSS出力信号S5を出力する。
【0266】
この場合、周波数が大きく異なる複数の系統モードの電力動揺は、発電機1の電圧の周波数または電流の周波数の信号を入力とし、異なる安定化関数10を有する複数の並列型PSSであるΔδ−PSSにより抑制する。
【0267】
上述したように、本実施の形態の複数型PSS5´では、発電機1の電圧の周波数または電流の周波数の信号を入力とし、系統に存在する電力動揺に応じて、異なる安定化関数10の制御定数を有する並列型PSSを複数備えるようにしているので、電力系統で発生する広い帯域の電力動揺を速やかに抑制して、電力系統を安定に保つことにより、広域の電力融通を安定に行なうことが可能となる。
【0268】
(第25の実施の形態)
本実施の形態による複数型PSS5´は、前述した図2の第1の実施の形態における、並列型PSSであるΔδ−PSSとして、前記発電機1のローターの回転速度ω9の変化分Δω9Aの代わりに、発電機1の有効電力P8の信号を入力として、この入力信号に対して発電機1のローターの位相角信号と同相となる位相遅れ補償を行なう位相進み遅れ補償関数を含む安定化関数Gδ(S)10を備え、長周期の系統モードの電力動揺を抑制するΔδ−PSSを備えた構成としている。
【0269】
なお、その他の構成については、前記第1の実施の形態の場合と同様であるので、ここではその図示および説明を省略して、図1および図2を代用することにする。
【0270】
次に、以上のように構成した本実施の形態の複数型PSS5´の作用について説明する。
【0271】
なお、前述した第1の実施の形態と同一部分の作用についてはその説明を省略し、ここでは異なる部分の作用についてのみ述べる。
【0272】
複数型PSS5´では、図12に示すように、有効電力8の変化分−ΔPは、安定化関数Gp(S)13を通し、発電機1の回転速度ω9の変化分Δω9Aは、安定化関数Gw(S)14を通し、発電機1の有効電力P8の信号は、安定化関数Gδ(S)10を通して加算器A3で加算され、複数型PSS出力信号5AとしてAVR4へ入力される。
【0273】
この場合、隣接機モードと発電機モードの電力動揺は、安定化関数Gp(S)13を有するΔP−PSSと安定化関数Gw(S)14を有するΔω−PSSとを組み合わせた、従来型PSSである(ΔP+Δω)−PSSにより抑制し、また系統モードの電力動揺に対しては、発電機1の有効電力P8の信号を入力とし、この電力動揺に適したように設定した安定化関数Gδ(S)10を有する並列型PSSであるΔδ−PSSにより抑制する。
【0274】
このような分担により、実用化されているPSSに対して、電力系統で発生する発電機モードから系統モードまでの広い帯域の電力動揺を速やかに抑制して、電力系統を安定に保つことにより、広域の電力融通を安定に行なうことができる。
【0275】
上述したように、本実施の形態の複数型PSS5´では、発電機1の有効電力P8、発電機1のローターの回転速度ωに相当する等価信号を入力し、数秒程度の短周期の電力動揺である発電機モードの電力動揺を主として抑制する(ΔP+Δω)−PSSの出力信号S1,S2と、発電機1の有効電力P8の信号を入力し、短周期と比較して長周期の電力動揺である系統モードの電力動揺を主として抑制するΔδ−PSSの出力信号S3とを加算して、AVR4に入力するようにしているので、電力系統で発生する発電機モードから系統モードまでの広い帯域の電力動揺を速やかに抑制して、電力系統を安定に保つことにより、広域の電力融通を安定に行なうことが可能となる。
【0276】
(第26の実施の形態)
本実施の形態による複数型PSS5´は、前述した図5の第2の実施の形態における、並列型PSSであるΔδ−PSSとして、前記発電機1のローターの回転速度ω9の変化分Δω9Aの代わりに、発電機1の有効電力P8の信号を入力として、この入力信号に対して発電機1のローターの位相角信号と同相となる位相遅れ補償を行なう位相進み遅れ補償関数を含む安定化関数Gδ(S)10を備え、長周期の系統モードの電力動揺を抑制するΔδ−PSSを備えた構成としている。
【0277】
なお、その他の構成については、前記第2の実施の形態の場合と同様であるので、ここではその図示および説明を省略して、図1および図5を代用することにする。
【0278】
次に、以上のように構成した本実施の形態の複数型PSS5´の作用について説明する。
【0279】
なお、前述した第2の実施の形態と同一部分の作用についてはその説明を省略し、ここでは異なる部分の作用についてのみ述べる。
【0280】
発電機1の電力動揺の周波数が、想定した周波数からずれた場合に、電力動揺周波数検出手段51により、発電機1のローターの回転速度ω9の信号から電力動揺の周波数が検出され、定数選択手段53により、電力動揺周波数検出手段51で検出した周波数に応じて、あらかじめ種々の系統条件を想定して設計された定数の中から、発電機1の有効電力P8の信号を入力とする並列型PSSのゲインや進み遅れ定数等の制御定数が自動的に選択される。
【0281】
この場合、系統に存在する電力動揺に対応して、その対象とする電力動揺を最も効果的に抑制するように、発電機1の有効電力P8の信号を入力とする各並列型PSSの(式3)に示した安定化関数10を設定することにより、発電機1の有効電力P8の信号を入力とする各並列型PSSがそれぞれの設定に対応した電力動揺を抑制するように作用することになる。
【0282】
上述したように、本実施の形態の複数型PSS5´では、設定した系統モードの周期から電力動揺モードがずれた場合に、電力動揺モードを検出して、その電力動揺のモードに対応するようにあらかじめ種々の系統条件を設定して計算された結果から設計された制御定数を自動的に選択する機能を使用して、発電機1の有効電力P8の信号を入力とする並列型PSSのゲインや進み遅れ定数等の制御定数を自動的に選択するようにしているので、電力動揺の周波数が変化しても、電力動揺に対する最適な抑制効果を維持することが可能となる。
【0283】
(第27の実施の形態)
本実施の形態による複数型PSS5´は、前述した図6の第3の実施の形態における、並列型PSSであるΔδ−PSSとして、前記発電機1のローターの回転速度ω9の変化分Δω9Aの代わりに、発電機1の有効電力P8の信号を入力として、この入力信号に対して発電機1のローターの位相角信号と同相となる位相遅れ補償を行なう位相進み遅れ補償関数を含む安定化関数Gδ(S)10を備え、長周期の系統モードの電力動揺を抑制するΔδ−PSSを備えた構成としている。
【0284】
なお、その他の構成については、前記第3の実施の形態の場合と同様であるので、ここではその図示および説明を省略して、図1および図6を代用することにする。
【0285】
次に、以上のように構成した本実施の形態の複数型PSS5´の作用について説明する。
【0286】
なお、前述した第3の実施の形態と同一部分の作用についてはその説明を省略し、ここでは異なる部分の作用についてのみ述べる。
【0287】
発電機1の電力動揺の周波数が、想定した周波数からずれた場合に、電力動揺周波数検出手段51により、発電機1のローターの回転速度ω9の信号から電力動揺の周波数が検出され、定数選択手段53により、電力動揺周波数検出手段51で検出した周波数に応じて、あらかじめ種々の系統条件を想定して設計された定数の中から、発電機1の有効電力P8の信号を入力とする並列型PSSのゲインや進み遅れ定数等の制御定数が自動的に選択される。
【0288】
この場合、系統に存在する電力動揺に対応して、その対象とする電力動揺を最も効果的に抑制するように、発電機1の有効電力P8の信号を入力とする各並列型PSSの(式3)に示した安定化関数10を設定することにより、発電機1の有効電力P8の信号を入力とする各並列型PSSがそれぞれの設定に対応した電力動揺を抑制するように作用することになる。
【0289】
上述したように、本実施の形態の複数型PSS5´では、設定した系統モードの周期から電力動揺モードがずれた場合に、電力動揺モードを検出して、その電力動揺のモードに対応するようにあらかじめ種々の系統条件を設定して決められた数式を使用して計算された結果から設計された制御定数に、発電機1の有効電力P8の信号を入力とする並列型PSSのゲインや進み遅れ定数等の制御定数を自動的に変更するようにしているので、電力動揺の周波数が変化しても、電力動揺に対する最適な抑制効果を維持することが可能となる。
【0290】
(第28の実施の形態)
本実施の形態による複数型PSS5´は、前述した図7の第4の実施の形態における、並列型PSSであるΔδ−PSSとして、前記発電機1のローターの回転速度ω9の変化分Δω9Aの代わりに、発電機1の有効電力P8の信号を入力として、この入力信号に対して発電機1のローターの位相角信号と同相となる位相遅れ補償を行なう位相進み遅れ補償関数を含む安定化関数Gδ(S)10A〜10Nを備え、長周期の系統モードの電力動揺を抑制する複数(N台)のΔδ−PSSを備えた構成としている。
【0291】
なお、その他の構成については、前記第4の実施の形態の場合と同様であるので、ここではその図示および説明を省略して、図1および図7を代用することにする。
【0292】
次に、以上のように構成した本実施の形態の複数型PSS5´の作用について説明する。
【0293】
なお、前述した第4の実施の形態と同一部分の作用についてはその説明を省略し、ここでは異なる部分の作用についてのみ述べる。
【0294】
系統に存在する電力動揺に対応して、その対象とする電力動揺を最も効果的に抑制するように、発電機1の有効電力P8の信号を入力とする各並列型PSSの(式3)に示した安定化関数10A〜10Nの制御定数を設定することにより、発電機1の有効電力P8の信号を入力とする各並列型PSSがそれぞれの設定に対応した電力動揺を抑制するように作用することになる。
【0295】
上述したように、本実施の形態の複数型PSS5´では、発電機1の有効電力P8の信号を入力とし、系統に存在する電力動揺に応じて、安定化関数10A〜10Nの制御定数を変更した並列型PSSを複数備えるようにしているので、電力動揺の周期が複数存在するために、前述した第1の実施の形態ではある周期の電力動揺に対する抑制力が弱くなったり、ある周期の電力動揺が他の周期の電力動揺より強く現れるような系統に最も適したPSSである。
【0296】
このように、電力動揺が複数存在する系統に対して、同時に発生する複数の電力動揺を速やかに抑制し、系統の安定度を保つことにより、広域の電力融通を安定に行なうことが可能となる。
【0297】
(第29の実施の形態)
本実施の形態による複数型PSS5´は、前述した図8の第5の実施の形態における、並列型PSSであるΔδ−PSSとして、前記発電機1のローターの回転速度ω9の変化分Δω9Aの代わりに、発電機1の有効電力P8の信号を入力として、この入力信号に対して発電機1のローターの位相角信号と同相となる位相遅れ補償を行なう位相進み遅れ補償関数を含む安定化関数Gδ(S)10を備え、長周期の系統モードの電力動揺を抑制する複数(本例では2台)のΔδ−PSSを備えた構成としている。
【0298】
なお、その他の構成については、前記第5の実施の形態の場合と同様であるので、ここではその図示および説明を省略して、図1および図8を代用することにする。
【0299】
次に、以上のように構成した本実施の形態の複数型PSS5´の作用について説明する。
【0300】
なお、前述した第5の実施の形態と同一部分の作用についてはその説明を省略し、ここでは異なる部分の作用についてのみ述べる。
【0301】
発電機モードの電力動揺は、主として安定化関数Gp(S)13を有するΔP−PSSと安定化関数Gw(S)14を有するΔω−PSSとを組み合わせた、従来型PSSである(ΔP+Δω)−PSSにより抑制し、周波数が大きく異なる複数の系統モードの電力動揺は、発電機1の有効電力P8の信号を入力とし、異なる安定化関数10を有する複数の並列型PSSであるΔδ−PSSにより抑制する。
【0302】
系統に存在する電力動揺に対応して、その対象とする電力動揺を最も効果的に抑制するように、発電機1の有効電力P8の信号を入力とする各並列型PSSの(式3)に示した安定化関数10の制御定数を設定することにより、発電機1の有効電力P8の信号を入力とする各並列型PSSがそれぞれの設定に対応した電力動揺を抑制するように作用することになる。
【0303】
上述したように、本実施の形態の複数型PSS5´では、発電機1の有効電力P8の信号を入力とし、系統に存在する電力動揺に応じて、異なる安定化関数10の制御定数を有する並列型PSSを複数備えるようにしているので、電力系統で発生する広い帯域の電力動揺を速やかに抑制して、電力系統を安定に保つことにより、広域の電力融通を安定に行なうことが可能となる。
【0304】
(第30の実施の形態)
本実施の形態による複数型PSS5´は、前述した図9の第6の実施の形態における、並列型PSSであるΔδ−PSSとして、前記発電機1のローターの回転速度ω9の変化分Δω9Aの代わりに、発電機1の有効電力P8の信号を入力として、この入力信号に対して発電機1のローターの位相角信号と同相となる位相遅れ補償を行なう位相進み遅れ補償関数を含む安定化関数Gδ(S)10を備え、長周期の系統モードの電力動揺を抑制する複数(本例では2台)のΔδ−PSSを備えた構成としている。
【0305】
なお、その他の構成については、前記第6の実施の形態の場合と同様であるので、ここではその図示および説明を省略して、図1および図9を代用することにする。
【0306】
次に、以上のように構成した本実施の形態の複数型PSS5´の作用について説明する。
【0307】
なお、前述した第6の実施の形態と同一部分の作用についてはその説明を省略し、ここでは異なる部分の作用についてのみ述べる。
【0308】
発電機モードの電力動揺は、主として安定化関数Gp(S)13を有するΔP−PSSと安定化関数Gw(S)14を有するΔω−PSSとを組み合わせた、従来型PSSである(ΔP+Δω)−PSSにより抑制し、周波数が大きく異なる複数の系統モードの電力動揺は、発電機1の有効電力P8の信号を入力とし、異なる安定化関数10を有する複数の並列型PSSであるΔδ−PSSにより抑制する。
【0309】
系統に存在する電力動揺に対応して、その対象とする電力動揺を最も効果的に抑制するように、発電機1の有効電力P8の信号を入力とする各並列型PSSの(式3)に示した安定化関数10の制御定数を設定することにより、発電機1の有効電力P8の信号を入力とする各並列型PSSがそれぞれの設定に対応した電力動揺を抑制するように作用することになる。
【0310】
上述したように、本実施の形態の複数型PSS5´では、発電機1の有効電力P8の信号を入力とし、系統に存在する電力動揺に応じて、異なる安定化関数10の制御定数を有する並列型PSSを複数備えるようにしているので、電力系統で発生する広い帯域の電力動揺を速やかに抑制して、電力系統を安定に保つことにより、広域の電力融通を安定に行うことが可能となる。
【0311】
(第31の実施の形態)
本実施の形態による複数型PSS5´は、前述した第7の実施の形態における、並列型PSSであるΔδ−PSSとして、前記発電機1のローターの回転速度ω9の変化分Δω9Aの代わりに、発電機1の有効電力P8の信号を入力として、この入力信号に対して発電機1のローターの位相角信号と同相となる位相遅れ補償を行なう位相進み遅れ補償関数を含む安定化関数Gδ(S)10を備え、長周期の系統モードの電力動揺を抑制するΔδ−PSSを備えた構成としている。
【0312】
なお、その他の構成については、前記第7の実施の形態の場合と同様であるので、ここではその図示および説明を省略して、図1および図2を代用することにする。
【0313】
次に、以上のように構成した本実施の形態の複数型PSS5´の作用について説明する。
【0314】
なお、前述した第7の実施の形態と同一部分の作用についてはその説明を省略し、ここでは異なる部分の作用についてのみ述べる。
【0315】
複数型PSS5´では、発電機1の有効電力P8の信号は、安定化関数Gδ(S)10を通し、複数型PSS出力信号5AとしてAVR4へ入力される。
【0316】
この場合、系統モードの電力動揺に対しては、発電機1の有効電力P8の信号を入力とし、この電力動揺に適したように設定した安定化関数Gδ(S)10を有する並列型PSSであるΔδ−PSSにより抑制する。
【0317】
すなわち、系統モードの電力動揺のみが問題となる発電機1では、その動揺を抑制するように、発電機1の有効電力P8の信号を入力とする複数型PSS5´を構成する並列型PSSの前記(式3)に示した安定化関数Gδ(S)10を設定することにより、系統モードの電力動揺を抑制するように作用する。
【0318】
上述したように、本実施の形態の複数型PSS5´では、発電機1の有効電力P8の信号を入力し、短周期と比較して長周期の電力動揺である系統モードの電力動揺を主として抑制するΔδ−PSSの出力信号S3を、励磁制御系を構成するAVR4に入力するようにしているので、系統モードの電力動揺のみが存在する場合は、電力系統で発生する系統モードの電力動揺を速やかに抑制して、電力系統を安定に保つことにより、電力融通を安定に行なうことが可能となる。
【0319】
(第32の実施の形態)
本実施の形態による複数型PSS5´は、前述した第8の実施の形態における、並列型PSSであるΔδ−PSSとして、前記発電機1のローターの回転速度ω9の変化分Δω9Aの代わりに、発電機1の有効電力P8の信号を入力として、この入力信号に対して発電機1のローターの位相角信号と同相となる位相遅れ補償を行なう位相進み遅れ補償関数を含む安定化関数Gδ(S)10を備え、長周期の系統モードの電力動揺を抑制するΔδ−PSSを備えた構成としている。
【0320】
なお、その他の構成については、前記第8の実施の形態の場合と同様であるので、ここではその図示および説明を省略して、図1および図5を代用することにする。
【0321】
次に、以上のように構成した本実施の形態の複数型PSS5´の作用について説明する。
【0322】
なお、前述した第8の実施の形態と同一部分の作用についてはその説明を省略し、ここでは異なる部分の作用についてのみ述べる。
【0323】
発電機1の電力動揺の周波数が、想定した周波数からずれた場合に、電力動揺周波数検出手段51により、発電機1のローターの回転速度ω9の信号から電力動揺の周波数が検出され、定数選択手段53により、電力動揺周波数検出手段51で検出した周波数に応じて、あらかじめ種々の系統条件を想定して設計された定数の中から、発電機1の有効電力P8の信号を入力とする並列型PSSのゲインや進み遅れ定数等の制御定数が自動的に選択される。
【0324】
上述したように、本実施の形態の複数型PSS5´では、設定した系統モードの周期から電力動揺モードがずれた場合に、電力動揺モードを検出して、その電力動揺のモードに対応するようにあらかじめ種々の系統条件を設定して計算された結果から設計された制御定数を自動的に選択する機能を使用して、発電機1の電圧の有効電力P8の信号を入力とする並列型PSSのゲインや進み遅れ定数等の制御定数を自動的に選択するようにしているので、電力動揺の周波数が変化しても、電力動揺に対する最適な抑制効果を維持することが可能となる。
【0325】
(第33の実施の形態)
本実施の形態による複数型PSS5´は、前述した第9の実施の形態における、並列型PSSであるΔδ−PSSとして、前記発電機1のローターの回転速度ω9の変化分Δω9Aの代わりに、発電機1の有効電力P8の信号を入力として、この入力信号に対して発電機1のローターの位相角信号と同相となる位相遅れ補償を行なう位相進み遅れ補償関数を含む安定化関数Gδ(S)10を備え、長周期の系統モードの電力動揺を抑制するΔδ−PSSを備えた構成としている。
【0326】
なお、その他の構成については、前記第9の実施の形態の場合と同様であるので、ここではその図示および説明を省略して、図1および図6を代用することにする。
【0327】
次に、以上のように構成した本実施の形態の複数型PSS5´の作用について説明する。
【0328】
なお、前述した第9の実施の形態と同一部分の作用についてはその説明を省略し、ここでは異なる部分の作用についてのみ述べる。
【0329】
発電機1の電力動揺の周波数が、想定した周波数からずれた場合に、電力動揺周波数検出手段51により、発電機1のローターの回転速度ω9の信号から電力動揺の周波数が検出され、定数計算手段54により、電力動揺周波数検出手段51で検出した周波数に応じて、あらかじめ設定された数式を使用して、発電機1の有効電力P8の信号を入力とする並列型PSSのゲインや進み遅れ定数等の制御定数が自動的に計算される。
【0330】
上述したように、本実施の形態の複数型PSS5´では、設定した系統モードの周期から電力動揺モードがずれた場合に、電力動揺モードを検出して、その電力動揺のモードに対応するようにあらかじめ種々の系統条件を設定して決められた数式を使用して計算された結果から設計された制御定数に、発電機1の有効電力P8の信号を入力とする並列型PSSのゲインや進み遅れ定数等の制御定数を自動的に変更するようにしているので、電力動揺の周波数が変化しても、電力動揺に対する最適な抑制効果を維持することが可能となる。
【0331】
(第34の実施の形態)
本実施の形態による複数型PSS5´は、前述した第10の実施の形態における、並列型PSSであるΔδ−PSSとして、前記発電機1のローターの回転速度ω9の変化分Δω9Aの代わりに、発電機1の有効電力P8信号を入力として、この入力信号に対して発電機1のローターの位相角信号と同相となる位相遅れ補償を行なう位相進み遅れ補償関数を含む安定化関数Gδ(S)10A〜10Nを備え、長周期の系統モードの電力動揺を抑制する複数(N台)のΔδ−PSSを備えた構成としている。
【0332】
なお、その他の構成については、前記第10の実施の形態の場合と同様であるので、ここではその図示および説明を省略して、図1および図7を代用することにする。
【0333】
次に、以上のように構成した本実施の形態の複数型PSS5´の作用について説明する。
【0334】
なお、前述した第10の実施の形態と同一部分の作用についてはその説明を省略し、ここでは異なる部分の作用についてのみ述べる。
【0335】
系統に存在する電力動揺に対応して、その対象とする電力動揺を最も効果的に抑制するように、発電機1の有効電力P8の信号を入力とする各並列型PSSの(式3)に示した安定化関数10A〜10Nの制御定数を設定することにより、発電機1の有効電力P8の信号を入力とする各並列型PSSが、それぞれの設定に対応した電力動揺を抑制するように作用することになる。
【0336】
上述したように、本実施の形態の複数型PSS5´では、発電機1の有効電力P8の信号を入力とし、系統に存在する電力動揺に応じて、安定化関数10A〜10Nの制御定数を変更した並列型PSSを複数備えるようにしているので、電力動揺の周期が複数存在するために、前述した第1の実施の形態ではある周期の電力動揺に対する抑制力が弱くなったり、ある周期の電力動揺が他の周期の電力動揺より強く現れるような系統に最も適したPSSである。
【0337】
このように、電力動揺が複数存在する系統に対して、同時に発生する複数の電力動揺を速やかに抑制し、系統の安定度を保つことにより、広域の電力融通を安定に行なうことが可能となる。
【0338】
(第35の実施の形態)
本実施の形態による複数型PSS5´は、前述した第11の実施の形態における、並列型PSSであるΔδ−PSSとして、前記発電機1のローターの回転速度ω9の変化分Δω9Aの代わりに、発電機1の有効電力P8の信号を入力として、この入力信号に対して発電機1のローターの位相角信号と同相となる位相遅れ補償を行なう位相進み遅れ補償関数を含む安定化関数Gδ(S)10を備え、長周期の系統モードの電力動揺を抑制する複数(本例では2台)のΔδ−PSSを備えた構成としている。
【0339】
なお、その他の構成については、前記第11の実施の形態の場合と同様であるので、ここではその図示および説明を省略して、図1および図8を代用することにする。
【0340】
次に、以上のように構成した本実施の形態の複数型PSS5´の作用について説明する。
【0341】
なお、前述した第11の実施の形態と同一部分の作用についてはその説明を省略し、ここでは異なる部分の作用についてのみ述べる。
【0342】
昼間の重負荷時と夜間の軽負荷時で発生する電力動揺の周期が大幅に異なり、その影響が大きくなったり、融通電力量等の変化によって発生する電力動揺周期の変動が大きくなり、そのため設定した系統条件が更に厳しくなる場合に、個々の並列型PSSの安定化関数の制御定数の設定を、前述した第2の実施の形態の場合に比較して更に細かく設定する。そして、これらの並列型PSSの出力信号S3を加算して、AVR4へ複数型PSS出力信号S5を出力する。
【0343】
この場合、周波数が大きく異なる複数の系統モードの電力動揺は、発電機1の有効電力P8の信号を入力とし、異なる安定化関数10を有する複数の並列型PSSであるΔδ−PSSにより抑制する。
【0344】
上述したように、本実施の形態の複数型PSS5´では、発電機1の有効電力P8の信号を入力とし、系統に存在する電力動揺に応じて、異なる安定化関数10の制御定数を有する並列型PSSを複数備えるようにしているので、電力系統で発生する広い帯域の電力動揺を速やかに抑制して、電力系統を安定に保つことにより、広域の電力融通を安定に行なうことが可能となる。
【0345】
(第36の実施の形態)
本実施の形態による複数型PSS5´は、前述した第12の実施の形態における、並列型PSSであるΔδ−PSSとして、前記発電機1のローターの回転速度ω9の変化分Δω9Aの代わりに、発電機1の有効電力P8の信号を入力として、この入力信号に対して発電機1のローターの位相角信号と同相となる位相遅れ補償を行なう位相進み遅れ補償関数を含む安定化関数Gδ(S)10を備え、長周期の系統モードの電力動揺を抑制する複数(本例では2台)のΔδ−PSSを備えた構成としている。
【0346】
なお、その他の構成については、前記第12の実施の形態の場合と同様であるので、ここではその図示および説明を省略して、図1および図9を代用することにする。
【0347】
次に、以上のように構成した本実施の形態の複数型PSS5´の作用について説明する。
【0348】
なお、前述した第12の実施の形態と同一部分の作用についてはその説明を省略し、ここでは異なる部分の作用についてのみ述べる。
【0349】
昼間の重負荷時と夜間の軽負荷時で発生する電力動揺の周期が大幅に異なり、その影響が大きくなったり、融通電力量等の変化によって発生する電力動揺周期の変動が大きくなり、そのため設定した系統条件が更に厳しくなる場合に、個々の並列型PSSの安定化関数10の制御定数の設定を、前述した第2の実施の形態の場合に比較して更に細かく設定する。そして、これらの並列型PSSの出力信号S3を加算して、AVR4へ複数型PSS出力信号S5を出力する。
【0350】
この場合、周波数が大きく異なる複数の系統モードの電力動揺は、発電機1の有効電力P8の信号を入力とし、異なる安定化関数10を有する複数の並列型PSSであるΔδ−PSSにより抑制する。
【0351】
上述したように、本実施の形態の複数型PSS5´では、発電機1の有効電力P8の信号を入力とし、系統に存在する電力動揺に応じて、異なる安定化関数10の制御定数を有する並列型PSSを複数備えるようにしているので、電力系統で発生する広い帯域の電力動揺を速やかに抑制して、電力系統を安定に保つことにより、広域の電力融通を安定に行なうことが可能となる。
【0352】
(第37の実施の形態)
本実施の形態による複数型PSS5´は、前述した図2の第1の実施の形態における、並列型PSSであるΔδ−PSSとして、前記発電機1のローターの回転速度ω9の変化分Δω9Aの代わりに、水車のガイドベーン開度信号と発電機1の有効電力P8信号との組み合わせから生成する回転加速度に等価な信号を入力として、この入力信号に対して発電機1のローターの位相角信号と同相となる位相遅れ補償を行なう位相進み遅れ補償関数を含む安定化関数Gδ(S)10を備え、長周期の系統モードの電力動揺を抑制するΔδ−PSSを備えた構成としている。
【0353】
なお、その他の構成については、前記第1の実施の形態の場合と同様であるので、ここではその図示および説明を省略して、図1および図2を代用することにする。
【0354】
次に、以上のように構成した本実施の形態の複数型PSS5´の作用について説明する。
【0355】
なお、前述した第1の実施の形態と同一部分の作用についてはその説明を省略し、ここでは異なる部分の作用についてのみ述べる。
【0356】
複数型PSS5´では、図12に示すように、有効電力8の変化分−ΔPは、安定化関数Gp(S)13を通し、発電機1の回転速度ω9の変化分Δω9Aは、安定化関数Gw(S)14を通し、水車のガイドベーン開度信号と発電機1の有効電力P8信号との組み合わせから生成する回転加速度に等価な信号は、安定化関数Gδ(S)10を通して加算器A3で加算され、複数型PSS出力信号5AとしてAVR4へ入力される。
【0357】
この場合、隣接機モードと発電機モードの電力動揺は、安定化関数Gp(S)13を有するΔP−PSSと安定化関数Gw(S)14を有するΔω−PSSとを組み合わせた、従来型PSSである(ΔP+Δω)−PSSにより抑制し、また系統モードの電力動揺に対しては、水車のガイドベーン開度信号と発電機1の有効電力P8信号との組み合わせから生成する回転加速度に等価な信号を入力とし、この電力動揺に適したように設定した安定化関数Gδ(S)10を有する並列型PSSであるΔδ−PSSにより抑制する。
【0358】
このような分担により、実用化されているPSSに対して、電力系統で発生する発電機モードから系統モードまでの広い帯域の電力動揺を速やかに抑制して、電力系統を安定に保つことにより、広域の電力融通を安定に行なうことができる。
【0359】
上述したように、本実施の形態の複数型PSS5´では、発電機1の有効電力P8、発電機1のローターの回転速度ωに相当する等価信号を入力し、数秒程度の短周期の電力動揺である発電機モードの電力動揺を主として抑制する(ΔP+Δω)−PSSの出力信号S1,S2と、水車のガイドベーン開度信号と発電機1の有効電力P8信号との組み合わせから生成する回転加速度に等価な信号を入力し、短周期と比較して長周期の電力動揺である系統モードの電力動揺を主として抑制するΔδ−PSSの出力信号S3とを加算して、AVR4に入力するようにしているので、電力系統で発生する発電機モードから系統モードまでの広い帯域の電力動揺を速やかに抑制して、電力系統を安定に保つことにより、広域の電力融通を安定に行なうことが可能となる。
【0360】
(第38の実施の形態)
本実施の形態による複数型PSS5´は、前述した図5の第2の実施の形態における、並列型PSSであるΔδ−PSSとして、前記発電機1のローターの回転速度ω9の変化分Δω9Aの代わりに、水車のガイドベーン開度信号と発電機1の有効電力P8信号との組み合わせから生成する回転加速度に等価な信号を入力として、この入力信号に対して発電機1のローターの位相角信号と同相となる位相遅れ補償を行なう位相進み遅れ補償関数を含む安定化関数Gδ(S)10を備え、長周期の系統モードの電力動揺を抑制するΔδ−PSSを備えた構成としている。
【0361】
なお、その他の構成については、前記第2の実施の形態の場合と同様であるので、ここではその図示および説明を省略して、図1および図5を代用することにする。
【0362】
次に、以上のように構成した本実施の形態の複数型PSS5´の作用について説明する。
【0363】
なお、前述した第2の実施の形態と同一部分の作用についてはその説明を省略し、ここでは異なる部分の作用についてのみ述べる。
【0364】
発電機1の電力動揺の周波数が、想定した周波数からずれた場合に、電力動揺周波数検出手段51により、発電機1のローターの回転速度ω9の信号から電力動揺の周波数が検出され、定数選択手段53により、電力動揺周波数検出手段51で検出した周波数に応じて、あらかじめ種々の系統条件を想定して設計された定数の中から、水車のガイドベーン開度信号と発電機1の有効電力P8信号との組み合わせから生成する回転加速度に等価な信号を入力とする並列型PSSのゲインや進み遅れ定数等の制御定数が自動的に選択される。
【0365】
この場合、系統に存在する電力動揺に対応して、その対象とする電力動揺を最も効果的に抑制するように、水車のガイドベーン開度信号と発電機1の有効電力P8信号との組み合わせから生成する回転加速度に等価な信号を入力とする各並列型PSSの(式3)に示した安定化関数10を設定することにより、水車のガイドベーン開度信号と発電機1の有効電力P8信号との組み合わせから生成する回転加速度に等価な信号を入力とする各並列型PSSがそれぞれの設定に対応した電力動揺を抑制するように作用することになる。
【0366】
上述したように、本実施の形態の複数型PSS5´では、設定した系統モードの周期から電力動揺モードがずれた場合に、電力動揺モードを検出して、その電力動揺のモードに対応するようにあらかじめ種々の系統条件を設定して計算された結果から設計された制御定数を自動的に選択する機能を使用して、水車のガイドベーン開度信号と発電機1の有効電力P8信号との組み合わせから生成する回転加速度に等価な信号を入力とする並列型PSSのゲインや進み遅れ定数等の制御定数を自動的に選択するようにしているので、電力動揺の周波数が変化しても、電力動揺に対する最適な抑制効果を維持することが可能となる。
【0367】
(第39の実施の形態)
本実施の形態による複数型PSS5´は、前述した図6の第3の実施の形態における、並列型PSSであるΔδ−PSSとして、前記発電機1のローターの回転速度ω9の変化分Δω9Aの代わりに、水車のガイドベーン開度信号と発電機1の有効電力P8信号との組み合わせから生成する回転加速度に等価な信号を入力として、この入力信号に対して発電機1のローターの位相角信号と同相となる位相遅れ補償を行なう位相進み遅れ補償関数を含む安定化関数Gδ(S)10を備え、長周期の系統モードの電力動揺を抑制するΔδ−PSSを備えた構成としている。
【0368】
なお、その他の構成については、前記第3の実施の形態の場合と同様であるので、ここではその図示および説明を省略して、図1および図6を代用することにする。
【0369】
次に、以上のように構成した本実施の形態の複数型PSS5´の作用について説明する。
【0370】
なお、前述した第3の実施の形態と同一部分の作用についてはその説明を省略し、ここでは異なる部分の作用についてのみ述べる。
【0371】
発電機1の電力動揺の周波数が、想定した周波数からずれた場合に、電力動揺周波数検出手段51により、発電機1のローターの回転速度ω9の信号から電力動揺の周波数が検出され、定数選択手段53により、電力動揺周波数検出手段51で検出した周波数に応じて、あらかじめ種々の系統条件を想定して設計された定数の中から、水車のガイドベーン開度信号と発電機1の有効電力P8信号との組み合わせから生成する回転加速度に等価な信号を入力とする並列型PSSのゲインや進み遅れ定数等の制御定数が自動的に選択される。
【0372】
この場合、系統に存在する電力動揺に対応して、その対象とする電力動揺を最も効果的に抑制するように、水車のガイドベーン開度信号と発電機1の有効電力P8信号との組み合わせから生成する回転加速度に等価な信号を入力とする各並列型PSSの(式3)に示した安定化関数10を設定することにより、水車のガイドベーン開度信号と発電機1の有効電力P8信号との組み合わせから生成する回転加速度に等価な信号を入力とする各並列型PSSがそれぞれの設定に対応した電力動揺を抑制するように作用することになる。
【0373】
上述したように、本実施の形態の複数型PSS5´では、設定した系統モードの周期から電力動揺モードがずれた場合に、電力動揺モードを検出して、その電力動揺のモードに対応するようにあらかじめ種々の系統条件を設定して決められた数式を使用して計算された結果から設計された制御定数に、水車のガイドベーン開度信号と発電機1の有効電力P8信号との組み合わせから生成する回転加速度に等価な信号を入力とする並列型PSSのゲインや進み遅れ定数等の制御定数を自動的に変更するようにしているので、電力動揺の周波数が変化しても、電力動揺に対する最適な抑制効果を維持することが可能となる。
【0374】
(第40の実施の形態)
本実施の形態による複数型PSS5´は、前述した図7の第4の実施の形態における、並列型PSSであるΔδ−PSSとして、前記発電機1のローターの回転速度ω9の変化分Δω9Aの代わりに、水車のガイドベーン開度信号と発電機1の有効電力P8信号との組み合わせから生成する回転加速度に等価な信号を入力として、この入力信号に対して発電機1のローターの位相角信号と同相となる位相遅れ補償を行なう位相進み遅れ補償関数を含む安定化関数Gδ(S)10A〜10Nを備え、長周期の系統モードの電力動揺を抑制する複数(N台)のΔδ−PSSを備えた構成としている。
【0375】
なお、その他の構成については、前記第4の実施の形態の場合と同様であるので、ここではその図示および説明を省略して、図1および図7を代用することにする。
【0376】
次に、以上のように構成した本実施の形態の複数型PSS5´の作用について説明する。
【0377】
なお、前述した第4の実施の形態と同一部分の作用についてはその説明を省略し、ここでは異なる部分の作用についてのみ述べる。
【0378】
系統に存在する電力動揺に対応して、その対象とする電力動揺を最も効果的に抑制するように、水車のガイドベーン開度信号と発電機1の有効電力P8信号との組み合わせから生成する回転加速度に等価な信号を入力とする各並列型PSSの(式3)に示した安定化関数10A〜10Nの制御定数を設定することにより、水車のガイドベーン開度信号と発電機1の有効電力P8信号との組み合わせから生成する回転加速度に等価な信号を入力とする各並列型PSSがそれぞれの設定に対応した電力動揺を抑制するように作用することになる。
【0379】
上述したように、本実施の形態の複数型PSS5´では、水車のガイドベーン開度信号と発電機1の有効電力P8信号との組み合わせから生成する回転加速度に等価な信号を入力とし、系統に存在する電力動揺に応じて、安定化関数10A〜10Nの制御定数を変更した並列型PSSを複数備えるようにしているので、電力動揺の周期が複数存在するために、前述した第1の実施の形態ではある周期の電力動揺に対する抑制力が弱くなったり、ある周期の電力動揺が他の周期の電力動揺より強く現れるような系統に最も適したPSSである。
【0380】
このように、電力動揺が複数存在する系統に対して、同時に発生する複数の電力動揺を速やかに抑制し、系統の安定度を保つことにより、広域の電力融通を安定に行なうことが可能となる。
【0381】
(第41の実施の形態)
本実施の形態による複数型PSS5´は、前述した図8の第5の実施の形態における、並列型PSSであるΔδ−PSSとして、前記発電機1のローターの回転速度ω9の変化分Δω9Aの代わりに、水車のガイドベーン開度信号と発電機1の有効電力P8信号との組み合わせから生成する回転加速度に等価な信号を入力として、この入力信号に対して発電機1のローターの位相角信号と同相となる位相遅れ補償を行なう位相進み遅れ補償関数を含む安定化関数Gδ(S)10を備え、長周期の系統モードの電力動揺を抑制する複数(本例では2台)のΔδ−PSSを備えた構成としている。
【0382】
なお、その他の構成については、前記第5の実施の形態の場合と同様であるので、ここではその図示および説明を省略して、図1および図8を代用することにする。
【0383】
次に、以上のように構成した本実施の形態の複数型PSS5´の作用について説明する。
【0384】
なお、前述した第5の実施の形態と同一部分の作用についてはその説明を省略し、ここでは異なる部分の作用についてのみ述べる。
【0385】
発電機モードの電力動揺は、主として安定化関数Gp(S)13を有するΔP−PSSと安定化関数Gw(S)14を有するΔω−PSSとを組み合わせた、従来型PSSである(ΔP+Δω)−PSSにより抑制し、周波数が大きく異なる複数の系統モードの電力動揺は、水車のガイドベーン開度信号と発電機1の有効電力P8信号との組み合わせから生成する回転加速度に等価な信号を入力とし、異なる安定化関数10を有する複数の並列型PSSであるΔδ−PSSにより抑制する。
【0386】
系統に存在する電力動揺に対応して、その対象とする電力動揺を最も効果的に抑制するように、水車のガイドベーン開度信号と発電機1の有効電力P8信号との組み合わせから生成する回転加速度に等価な信号を入力とする各並列型PSSの(式3)に示した安定化関数10の制御定数を設定することにより、水車のガイドベーン開度信号と発電機1の有効電力P8信号との組み合わせから生成する回転加速度に等価な信号を入力とする各並列型PSSがそれぞれの設定に対応した電力動揺を抑制するように作用することになる。
【0387】
上述したように、本実施の形態の複数型PSS5´では、水車のガイドベーン開度信号と発電機1の有効電力P8信号との組み合わせから生成する回転加速度に等価な信号を入力とし、系統に存在する電力動揺に応じて、異なる安定化関数10の制御定数を有する並列型PSSを複数備えるようにしているので、電力系統で発生する広い帯域の電力動揺を速やかに抑制して、電力系統を安定に保つことにより、広域の電力融通を安定に行なうことが可能となる。
【0388】
(第42の実施の形態)
本実施の形態による複数型PSS5´は、前述した図9の第6の実施の形態における、並列型PSSであるΔδ−PSSとして、前記発電機1のローターの回転速度ω9の変化分Δω9Aの代わりに、水車のガイドベーン開度信号と発電機1の有効電力P8信号との組み合わせから生成する回転加速度に等価な信号を入力として、この入力信号に対して発電機1のローターの位相角信号と同相となる位相遅れ補償を行なう位相進み遅れ補償関数を含む安定化関数Gδ(S)10を備え、長周期の系統モードの電力動揺を抑制する複数(本例では2台)のΔδ−PSSを備えた構成としている。
【0389】
なお、その他の構成については、前記第6の実施の形態の場合と同様であるので、ここではその図示および説明を省略して、図1および図9を代用することにする。
【0390】
次に、以上のように構成した本実施の形態の複数型PSS5´の作用について説明する。
【0391】
なお、前述した第6の実施の形態と同一部分の作用についてはその説明を省略し、ここでは異なる部分の作用についてのみ述べる。
【0392】
発電機モードの電力動揺は、主として安定化関数Gp(S)13を有するΔP−PSSと安定化関数Gw(S)14を有するΔω−PSSとを組み合わせた、従来型PSSである(ΔP+Δω)−PSSにより抑制し、周波数が大きく異なる複数の系統モードの電力動揺は、水車のガイドベーン開度信号と発電機1の有効電力P8信号との組み合わせから生成する回転加速度に等価な信号を入力とし、異なる安定化関数10を有する複数の並列型PSSであるΔδ−PSSにより抑制する。
【0393】
系統に存在する電力動揺に対応して、その対象とする電力動揺を最も効果的に抑制するように、水車のガイドベーン開度信号と発電機1の有効電力P8信号との組み合わせから生成する回転加速度に等価な信号を入力とする各並列型PSSの(式3)に示した安定化関数10の制御定数を設定することにより、水車のガイドベーン開度信号と発電機1の有効電力P8信号との組み合わせから生成する回転加速度に等価な信号を入力とする各並列型PSSがそれぞれの設定に対応した電力動揺を抑制するように作用することになる。
【0394】
上述したように、本実施の形態の複数型PSS5´では、水車のガイドベーン開度信号と発電機1の有効電力P8信号との組み合わせから生成する回転加速度に等価な信号を入力とし、系統に存在する電力動揺に応じて、異なる安定化関数10の制御定数を有する並列型PSSを複数備えるようにしているので、電力系統で発生する広い帯域の電力動揺を速やかに抑制して、電力系統を安定に保つことにより、広域の電力融通を安定に行なうことが可能となる。
【0395】
(第43の実施の形態)
本実施の形態による複数型PSS5´は、前述した第7の実施の形態における、並列型PSSであるΔδ−PSSとして、前記発電機1のローターの回転速度ω9の変化分Δω9Aの代わりに、水車のガイドベーン開度信号と発電機1の有効電力P8信号との組み合わせから生成する回転加速度に等価な信号を入力として、この入力信号に対して発電機1のローターの位相角信号と同相となる位相遅れ補償を行なう位相進み遅れ補償関数を含む安定化関数Gδ(S)10を備え、長周期の系統モードの電力動揺を抑制するΔδ−PSSを備えた構成としている。
【0396】
なお、その他の構成については、前記第7の実施の形態の場合と同様であるので、ここではその図示および説明を省略して、図1および図2を代用することにする。
【0397】
次に、以上のように構成した本実施の形態の複数型PSS5´の作用について説明する。
【0398】
なお、前述した第7の実施の形態と同一部分の作用についてはその説明を省略し、ここでは異なる部分の作用についてのみ述べる。
【0399】
複数型PSS5´では、水車のガイドベーン開度信号と発電機1の有効電力P8信号との組み合わせから生成する回転加速度に等価な信号は、安定化関数Gδ(S)10を通し、複数型PSS出力信号5AとしてAVR4へ入力される。
【0400】
この場合、系統モードの電力動揺に対しては、水車のガイドベーン開度信号と発電機1の有効電力P8信号との組み合わせから生成する回転加速度に等価な信号を入力とし、この電力動揺に適したように設定した安定化関数Gδ(S)10を有する並列型PSSであるΔδ−PSSにより抑制する。
【0401】
すなわち、系統モードの電力動揺のみが問題となる発電機1では、その動揺を抑制するように、水車のガイドベーン開度信号と発電機1の有効電力P8信号との組み合わせから生成する回転加速度に等価な信号を入力とする複数型PSS5´を構成する並列型PSSの前記(式3)に示した安定化関数Gδ(S)10を設定することにより、系統モードの電力動揺を抑制するように作用する。
【0402】
上述したように、本実施の形態の複数型PSS5´では、水車のガイドベーン開度信号と発電機1の有効電力P8信号との組み合わせから生成する回転加速度に等価な信号を入力し、短周期と比較して長周期の電力動揺である系統モードの電力動揺を主として抑制するΔδ−PSSの出力信号S3を、励磁制御系を構成するAVR4に入力するようにしているので、系統モードの電力動揺のみが存在する場合は、電力系統で発生する系統モードの電力動揺を速やかに抑制して、電力系統を安定に保つことにより、電力融通を安定に行なうことが可能となる。
【0403】
(第44の実施の形態)
本実施の形態による複数型PSS5´は、前述した第8の実施の形態における、並列型PSSであるΔδ−PSSとして、前記発電機1のローターの回転速度ω9の変化分Δω9Aの代わりに、水車のガイドベーン開度信号と発電機1の有効電力P8信号との組み合わせから生成する回転加速度に等価な信号を入力として、この入力信号に対して発電機1のローターの位相角信号と同相となる位相遅れ補償を行なう位相進み遅れ補償関数を含む安定化関数Gδ(S)10を備え、長周期の系統モードの電力動揺を抑制するΔδ−PSSを備えた構成としている。
【0404】
なお、その他の構成については、前記第8の実施の形態の場合と同様であるので、ここではその図示および説明を省略して、図1および図5を代用することにする。
【0405】
次に、以上のように構成した本実施の形態の複数型PSS5´の作用について説明する。
【0406】
なお、前述した第8の実施の形態と同一部分の作用についてはその説明を省略し、ここでは異なる部分の作用についてのみ述べる。
【0407】
発電機1の電力動揺の周波数が、想定した周波数からずれた場合に、電力動揺周波数検出手段51により、発電機1のローターの回転速度ω9の信号から電力動揺の周波数が検出され、定数選択手段53により、電力動揺周波数検出手段51で検出した周波数に応じて、あらかじめ種々の系統条件を想定して設計された定数の中から、水車のガイドベーン開度信号と発電機1の有効電力P8信号との組み合わせから生成する回転加速度に等価な信号を入力とする並列型PSSのゲインや進み遅れ定数等の制御定数が自動的に選択される。
【0408】
上述したように、本実施の形態の複数型PSS5´では、設定した系統モードの周期から電力動揺モードがずれた場合に、電力動揺モードを検出して、その電力動揺のモードに対応するようにあらかじめ種々の系統条件を設定して計算された結果から設計された制御定数を自動的に選択する機能を使用して、水車のガイドベーン開度信号と発電機1の有効電力P8信号との組み合わせから生成する回転加速度に等価な信号を入力とする並列型PSSのゲインや進み遅れ定数等の制御定数を自動的に選択するようにしているので、電力動揺の周波数が変化しても、電力動揺に対する最適な抑制効果を維持することが可能となる。
【0409】
(第45の実施の形態)
本実施の形態による複数型PSS5´は、前述した第9の実施の形態における、並列型PSSであるΔδ−PSSとして、前記発電機1のローターの回転速度ω9の変化分Δω9Aの代わりに、水車のガイドベーン開度信号と発電機1の有効電力P8信号との組み合わせから生成する回転加速度に等価な信号を入力として、この入力信号に対して発電機1のローターの位相角信号と同相となる位相遅れ補償を行なう位相進み遅れ補償関数を含む安定化関数Gδ(S)10を備え、長周期の系統モードの電力動揺を抑制するΔδ−PSSを備えた構成としている。
【0410】
なお、その他の構成については、前記第9の実施の形態の場合と同様であるので、ここではその図示および説明を省略して、図1および図6を代用することにする。
【0411】
次に、以上のように構成した本実施の形態の複数型PSS5´の作用について説明する。
【0412】
なお、前述した第9の実施の形態と同一部分の作用についてはその説明を省略し、ここでは異なる部分の作用についてのみ述べる。
【0413】
発電機1の電力動揺の周波数が、想定した周波数からずれた場合に、電力動揺周波数検出手段51により、発電機1のローターの回転速度ω9の信号から電力動揺の周波数が検出され、定数計算手段54により、電力動揺周波数検出手段51で検出した周波数に応じて、あらかじめ設定された数式を使用して、水車のガイドベーン開度信号と発電機1の有効電力P8信号との組み合わせから生成する回転加速度に等価な信号を入力とする並列型PSSのゲインや進み遅れ定数等の制御定数が自動的に計算される。
【0414】
上述したように、本実施の形態の複数型PSS5´では、設定した系統モードの周期から電力動揺モードがずれた場合に、電力動揺モードを検出して、その電力動揺のモードに対応するようにあらかじめ種々の系統条件を設定して決められた数式を使用して計算された結果から設計された制御定数に、水車のガイドベーン開度信号と発電機1の有効電力P8信号との組み合わせから生成する回転加速度に等価な信号を入力とする並列型PSSのゲインや進み遅れ定数等の制御定数を自動的に変更するようにしているので、電力動揺の周波数が変化しても、電力動揺に対する最適な抑制効果を維持することが可能となる。
【0415】
(第46の実施の形態)
本実施の形態による複数型PSS5´は、前述した第10の実施の形態における、並列型PSSであるΔδ−PSSとして、前記発電機1のローターの回転速度ω9の変化分Δω9Aの代わりに、水車のガイドベーン開度信号と発電機1の有効電力P8信号との組み合わせから生成する回転加速度に等価な信号を入力として、この入力信号に対して発電機1のローターの位相角信号と同相となる位相遅れ補償を行なう位相進み遅れ補償関数を含む安定化関数Gδ(S)10A〜10Nを備え、長周期の系統モードの電力動揺を抑制する複数(N台)のΔδ−PSSを備えた構成としている。
【0416】
なお、その他の構成については、前記第10の実施の形態の場合と同様であるので、ここではその図示および説明を省略して、図1および図7を代用することにする。
【0417】
次に、以上のように構成した本実施の形態の複数型PSS5´の作用について説明する。
【0418】
なお、前述した第10の実施の形態と同一部分の作用についてはその説明を省略し、ここでは異なる部分の作用についてのみ述べる。
【0419】
系統に存在する電力動揺に対応して、その対象とする電力動揺を最も効果的に抑制するように、水車のガイドベーン開度信号と発電機1の有効電力P8信号との組み合わせから生成する回転加速度に等価な信号を入力とする各並列型PSSの(式3)に示した安定化関数10A〜10Nの制御定数を設定することにより、水車のガイドベーン開度信号と発電機1の有効電力P8信号との組み合わせから生成する回転加速度に等価な信号を入力とする各並列型PSSが、それぞれの設定に対応した電力動揺を抑制するように作用することになる。
【0420】
上述したように、本実施の形態の複数型PSS5´では、水車のガイドベーン開度信号と発電機1の有効電力P8信号との組み合わせから生成する回転加速度に等価な信号を入力とし、系統に存在する電力動揺に応じて、安定化関数10A〜10Nの制御定数を変更した並列型PSSを複数備えるようにしているので、電力動揺の周期が複数存在するために、前述した第1の実施の形態ではある周期の電力動揺に対する抑制力が弱くなったり、ある周期の電力動揺が他の周期の電力動揺より強く現れるような系統に最も適したPSSである。
【0421】
このように、電力動揺が複数存在する系統に対して、同時に発生する複数の電力動揺を速やかに抑制し、系統の安定度を保つことにより、広域の電力融通を安定に行なうことが可能となる。
【0422】
(第47の実施の形態)
本実施の形態による複数型PSS5´は、前述した第11の実施の形態における、並列型PSSであるΔδ−PSSとして、前記発電機1のローターの回転速度ω9の変化分Δω9Aの代わりに、水車のガイドベーン開度信号と発電機1の有効電力P8信号との組み合わせから生成する回転加速度に等価な信号を入力として、この入力信号に対して発電機1のローターの位相角信号と同相となる位相遅れ補償を行なう位相進み遅れ補償関数を含む安定化関数Gδ(S)10を備え、長周期の系統モードの電力動揺を抑制する複数(本例では2台)のΔδ−PSSを備えた構成としている。
【0423】
なお、その他の構成については、前記第11の実施の形態の場合と同様であるので、ここではその図示および説明を省略して、図1および図8を代用することにする。
【0424】
次に、以上のように構成した本実施の形態の複数型PSS5´の作用について説明する。
【0425】
なお、前述した第11の実施の形態と同一部分の作用についてはその説明を省略し、ここでは異なる部分の作用についてのみ述べる。
【0426】
昼間の重負荷時と夜間の軽負荷時で発生する電力動揺の周期が大幅に異なり、その影響が大きくなったり、融通電力量等の変化によって発生する電力動揺周期の変動が大きくなり、そのため設定した系統条件が更に厳しくなる場合に、個々の並列型PSSの安定化関数の制御定数の設定を、前述した第2の実施の形態の場合に比較して更に細かく設定する。そして、これらの並列型PSSの出力信号S3を加算して、AVR4へ複数型PSS出力信号S5を出力する。
【0427】
この場合、周波数が大きく異なる複数の系統モードの電力動揺は、水車のガイドベーン開度信号と発電機1の有効電力P8信号との組み合わせから生成する回転加速度に等価な信号を入力とし、異なる安定化関数10を有する複数の並列型PSSであるΔδ−PSSにより抑制する。
【0428】
上述したように、本実施の形態の複数型PSS5´では、水車のガイドベーン開度信号と発電機1の有効電力P8信号との組み合わせから生成する回転加速度に等価な信号を入力とし、系統に存在する電力動揺に応じて、異なる安定化関数10の制御定数を有する並列型PSSを複数備えるようにしているので、電力系統で発生する広い帯域の電力動揺を速やかに抑制して、電力系統を安定に保つことにより、広域の電力融通を安定に行なうことが可能となる。
【0429】
(第48の実施の形態)
本実施の形態による複数型PSS5´は、前述した第12の実施の形態における、並列型PSSであるΔδ−PSSとして、前記発電機1のローターの回転速度ω9の変化分Δω9Aの代わりに、水車のガイドベーン開度信号と発電機1の有効電力P8信号との組み合わせから生成する回転加速度に等価な信号を入力として、この入力信号に対して発電機1のローターの位相角信号と同相となる位相遅れ補償を行なう位相進み遅れ補償関数を含む安定化関数Gδ(S)10を備え、長周期の系統モードの電力動揺を抑制する複数(本例では2台)のΔδ−PSSを備えた構成としている。
【0430】
なお、その他の構成については、前記第12の実施の形態の場合と同様であるので、ここではその図示および説明を省略して、図1および図9を代用することにする。
【0431】
次に、以上のように構成した本実施の形態の複数型PSS5´の作用について説明する。
【0432】
なお、前述した第12の実施の形態と同一部分の作用についてはその説明を省略し、ここでは異なる部分の作用についてのみ述べる。
【0433】
昼間の重負荷時と夜間の軽負荷時で発生する電力動揺の周期が大幅に異なり、その影響が大きくなったり、融通電力量等の変化によって発生する電力動揺周期の変動が大きくなり、そのため設定した系統条件が更に厳しくなる場合に、個々の並列型PSSの安定化関数10の制御定数の設定を、前述した第2の実施の形態の場合に比較して更に細かく設定する。そして、これらの並列型PSSの出力信号S3を加算して、AVR4へ複数型PSS出力信号S5を出力する。
【0434】
この場合、周波数が大きく異なる複数の系統モードの電力動揺は、水車のガイドベーン開度信号と発電機1の有効電力P8信号との組み合わせから生成する回転加速度に等価な信号を入力とし、異なる安定化関数10を有する複数の並列型PSSであるΔδ−PSSにより抑制する。
【0435】
上述したように、本実施の形態の複数型PSS5´では、水車のガイドベーン開度信号と発電機1の有効電力P8信号との組み合わせから生成する回転加速度に等価な信号を入力とし、系統に存在する電力動揺に応じて、異なる安定化関数10の制御定数を有する並列型PSSを複数備えるようにしているので、電力系統で発生する広い帯域の電力動揺を速やかに抑制して、電力系統を安定に保つことにより、広域の電力融通を安定に行なうことが可能となる。
【0436】
(第49の実施の形態)
本実施の形態による複数型PSS5´は、前述した図2の第1の実施の形態における、並列型PSSであるΔδ−PSSとして、前記発電機1のローターの回転速度ω9の変化分Δω9Aの代わりに、発電機1に直結されたタービンのバルブ開度信号と発電機1の有効電力P8信号との組み合わせから生成する回転加速度に等価な信号を入力として、この入力信号に対して発電機1のローターの位相角信号と同相となる位相遅れ補償を行なう位相進み遅れ補償関数を含む安定化関数Gδ(S)10を備え、長周期の系統モードの電力動揺を抑制するΔδ−PSSを備えた構成としている。
【0437】
なお、その他の構成については、前記第1の実施の形態の場合と同様であるので、ここではその図示および説明を省略して、図1および図2を代用することにする。
【0438】
次に、以上のように構成した本実施の形態の複数型PSS5´の作用について説明する。
【0439】
なお、前述した第1の実施の形態と同一部分の作用についてはその説明を省略し、ここでは異なる部分の作用についてのみ述べる。
【0440】
複数型PSS5´では、図12に示すように、有効電力8の変化分−ΔPは、安定化関数Gp(S)13を通し、発電機1の回転速度ω9の変化分Δω9Aは、安定化関数Gw(S)14を通し、発電機1に直結されたタービンのバルブ開度信号と発電機1の有効電力P8信号との組み合わせから生成する回転加速度に等価な信号は、安定化関数Gδ(S)10を通して加算器A3で加算され、複数型PSS出力信号5AとしてAVR4へ入力される。
【0441】
この場合、隣接機モードと発電機モードの電力動揺は、安定化関数Gp(S)13を有するΔP−PSSと安定化関数Gw(S)14を有するΔω−PSSとを組み合わせた、従来型PSSである(ΔP+Δω)−PSSにより抑制し、また系統モードの電力動揺に対しては、発電機1に直結されたタービンのバルブ開度信号と発電機1の有効電力P8信号との組み合わせから生成する回転加速度に等価な信号を入力とし、この電力動揺に適したように設定した安定化関数Gδ(S)10を有する並列型PSSであるΔδ−PSSにより抑制する。
【0442】
このような分担により、実用化されているPSSに対して、電力系統で発生する発電機モードから系統モードまでの広い帯域の電力動揺を速やかに抑制して、電力系統を安定に保つことにより、広域の電力融通を安定に行なうことができる。
【0443】
上述したように、本実施の形態の複数型PSS5´では、発電機1の有効電力P8、発電機1のローターの回転速度ωに相当する等価信号を入力し、数秒程度の短周期の電力動揺である発電機モードの電力動揺を主として抑制する(ΔP+Δω)−PSSの出力信号S1,S2と、発電機1に直結されたタービンのバルブ開度信号と発電機1の有効電力P8信号との組み合わせから生成する回転加速度に等価な信号を入力し、短周期と比較して長周期の電力動揺である系統モードの電力動揺を主として抑制するΔδ−PSSの出力信号S3とを加算して、AVR4に入力するようにしているので、電力系統で発生する発電機モードから系統モードまでの広い帯域の電力動揺を速やかに抑制して、電力系統を安定に保つことにより、広域の電力融通を安定に行なうことが可能となる。
【0444】
(第50の実施の形態)
本実施の形態による複数型PSS5´は、前述した図5の第2の実施の形態における、並列型PSSであるΔδ−PSSとして、前記発電機1のローターの回転速度ω9の変化分Δω9Aの代わりに、発電機1に直結されたタービンのバルブ開度信号と発電機1の有効電力P8信号との組み合わせから生成する回転加速度に等価な信号を入力として、この入力信号に対して発電機1のローターの位相角信号と同相となる位相遅れ補償を行なう位相進み遅れ補償関数を含む安定化関数Gδ(S)10を備え、長周期の系統モードの電力動揺を抑制するΔδ−PSSを備えた構成としている。
【0445】
なお、その他の構成については、前記第2の実施の形態の場合と同様であるので、ここではその図示および説明を省略して、図1および図5を代用することにする。
【0446】
次に、以上のように構成した本実施の形態の複数型PSS5´の作用について説明する。
【0447】
なお、前述した第2の実施の形態と同一部分の作用についてはその説明を省略し、ここでは異なる部分の作用についてのみ述べる。
【0448】
発電機1の電力動揺の周波数が、想定した周波数からずれた場合に、電力動揺周波数検出手段51により、発電機1のローターの回転速度ω9の信号から電力動揺の周波数が検出され、定数選択手段53により、電力動揺周波数検出手段51で検出した周波数に応じて、あらかじめ種々の系統条件を想定して設計された定数の中から、発電機1に直結されたタービンのバルブ開度信号と発電機1の有効電力P8信号との組み合わせから生成する回転加速度に等価な信号を入力とする並列型PSSのゲインや進み遅れ定数等の制御定数が自動的に選択される。
【0449】
この場合、系統に存在する電力動揺に対応して、その対象とする電力動揺を最も効果的に抑制するように、発電機1に直結されたタービンのバルブ開度信号と発電機1の有効電力P8信号との組み合わせから生成する回転加速度に等価な信号を入力とする各並列型PSSの(式3)に示した安定化関数10を設定することにより、発電機1に直結されたタービンのバルブ開度信号と発電機1の有効電力P8信号との組み合わせから生成する回転加速度に等価な信号を入力とする各並列型PSSがそれぞれの設定に対応した電力動揺を抑制するように作用することになる。
【0450】
上述したように、本実施の形態の複数型PSS5´では、設定した系統モードの周期から電力動揺モードがずれた場合に、電力動揺モードを検出して、その電力動揺のモードに対応するようにあらかじめ種々の系統条件を設定して計算された結果から設計された制御定数を自動的に選択する機能を使用して、発電機1に直結されたタービンのバルブ開度信号と発電機1の有効電力P8信号との組み合わせから生成する回転加速度に等価な信号を入力とする並列型PSSのゲインや進み遅れ定数等の制御定数を自動的に選択するようにしているので、電力動揺の周波数が変化しても、電力動揺に対する最適な抑制効果を維持することが可能となる。
【0451】
(第51の実施の形態)
本実施の形態による複数型PSS5´は、前述した図6の第3の実施の形態における、並列型PSSであるΔδ−PSSとして、前記発電機1のローターの回転速度ω9の変化分Δω9Aの代わりに、発電機1に直結されたタービンのバルブ開度信号と発電機1の有効電力P8信号との組み合わせから生成する回転加速度に等価な信号を入力として、この入力信号に対して発電機1のローターの位相角信号と同相となる位相遅れ補償を行なう位相進み遅れ補償関数を含む安定化関数Gδ(S)10を備え、長周期の系統モードの電力動揺を抑制するΔδ−PSSを備えた構成としている。
【0452】
なお、その他の構成については、前記第3の実施の形態の場合と同様であるので、ここではその図示および説明を省略して、図1および図6を代用することにする。
【0453】
次に、以上のように構成した本実施の形態の複数型PSS5´の作用について説明する。
【0454】
なお、前述した第3の実施の形態と同一部分の作用についてはその説明を省略し、ここでは異なる部分の作用についてのみ述べる。
【0455】
発電機1の電力動揺の周波数が、想定した周波数からずれた場合に、電力動揺周波数検出手段51により、発電機1のローターの回転速度ω9の信号から電力動揺の周波数が検出され、定数選択手段53により、電力動揺周波数検出手段51で検出した周波数に応じて、あらかじめ種々の系統条件を想定して設計された定数の中から、発電機1に直結されたタービンのバルブ開度信号と発電機1の有効電力P8信号との組み合わせから生成する回転加速度に等価な信号を入力とする並列型PSSのゲインや進み遅れ定数等の制御定数が自動的に選択される。
【0456】
この場合、系統に存在する電力動揺に対応して、その対象とする電力動揺を最も効果的に抑制するように、発電機1に直結されたタービンのバルブ開度信号と発電機1の有効電力P8信号との組み合わせから生成する回転加速度に等価な信号を入力とする各並列型PSSの(式3)に示した安定化関数10を設定することにより、発電機1に直結されたタービンのバルブ開度信号と発電機1の有効電力P8信号との組み合わせから生成する回転加速度に等価な信号を入力とする各並列型PSSがそれぞれの設定に対応した電力動揺を抑制するように作用することになる。
【0457】
上述したように、本実施の形態の複数型PSS5´では、設定した系統モードの周期から電力動揺モードがずれた場合に、電力動揺モードを検出して、その電力動揺のモードに対応するようにあらかじめ種々の系統条件を設定して決められた数式を使用して計算された結果から設計された制御定数に、発電機1に直結されたタービンのバルブ開度信号と発電機1の有効電力P8信号との組み合わせから生成する回転加速度に等価な信号を入力とする並列型PSSのゲインや進み遅れ定数等の制御定数を自動的に変更するようにしているので、電力動揺の周波数が変化しても、電力動揺に対する最適な抑制効果を維持することが可能となる。
【0458】
(第52の実施の形態)
本実施の形態による複数型PSS5´は、前述した図7の第4の実施の形態における、並列型PSSであるΔδ−PSSとして、前記発電機1のローターの回転速度ω9の変化分Δω9Aの代わりに、発電機1に直結されたタービンのバルブ開度信号と発電機1の有効電力P8信号との組み合わせから生成する回転加速度に等価な信号を入力として、この入力信号に対して発電機1のローターの位相角信号と同相となる位相遅れ補償を行なう位相進み遅れ補償関数を含む安定化関数Gδ(S)10A〜10Nを備え、長周期の系統モードの電力動揺を抑制する複数(N台)のΔδ−PSSを備えた構成としている。
【0459】
なお、その他の構成については、前記第4の実施の形態の場合と同様であるので、ここではその図示および説明を省略して、図1および図7を代用することにする。
【0460】
次に、以上のように構成した本実施の形態の複数型PSS5´の作用について説明する。
【0461】
なお、前述した第4の実施の形態と同一部分の作用についてはその説明を省略し、ここでは異なる部分の作用についてのみ述べる。
【0462】
系統に存在する電力動揺に対応して、その対象とする電力動揺を最も効果的に抑制するように、発電機1に直結されたタービンのバルブ開度信号と発電機1の有効電力P8信号との組み合わせから生成する回転加速度に等価な信号を入力とする各並列型PSSの(式3)に示した安定化関数10A〜10Nの制御定数を設定することにより、発電機1に直結されたタービンのバルブ開度信号と発電機1の有効電力P8信号との組み合わせから生成する回転加速度に等価な信号を入力とする各並列型PSSがそれぞれの設定に対応した電力動揺を抑制するように作用することになる。
【0463】
上述したように、本実施の形態の複数型PSS5´では、発電機1に直結されたタービンのバルブ開度信号と発電機1の有効電力P8信号との組み合わせから生成する回転加速度に等価な信号を入力とし、系統に存在する電力動揺に応じて、安定化関数10A〜10Nの制御定数を変更した並列型PSSを複数備えるようにしているので、電力動揺の周期が複数存在するために、前述した第1の実施の形態ではある周期の電力動揺に対する抑制力が弱くなったり、ある周期の電力動揺が他の周期の電力動揺より強く現れるような系統に最も適したPSSである。
【0464】
このように、電力動揺が複数存在する系統に対して、同時に発生する複数の電力動揺を速やかに抑制し、系統の安定度を保つことにより、広域の電力融通を安定に行なうことが可能となる。
【0465】
(第53の実施の形態)
本実施の形態による複数型PSS5´は、前述した図8の第5の実施の形態における、並列型PSSであるΔδ−PSSとして、前記発電機1のローターの回転速度ω9の変化分Δω9Aの代わりに、発電機1に直結されたタービンのバルブ開度信号と発電機1の有効電力P8信号との組み合わせから生成する回転加速度に等価な信号を入力として、この入力信号に対して発電機1のローターの位相角信号と同相となる位相遅れ補償を行なう位相進み遅れ補償関数を含む安定化関数Gδ(S)10を備え、長周期の系統モードの電力動揺を抑制する複数(本例では2台)のΔδ−PSSを備えた構成としている。
【0466】
なお、その他の構成については、前記第5の実施の形態の場合と同様であるので、ここではその図示および説明を省略して、図1および図8を代用することにする。
【0467】
次に、以上のように構成した本実施の形態の複数型PSS5´の作用について説明する。
【0468】
なお、前述した第5の実施の形態と同一部分の作用についてはその説明を省略し、ここでは異なる部分の作用についてのみ述べる。
【0469】
発電機モードの電力動揺は、主として安定化関数Gp(S)13を有するΔP−PSSと安定化関数Gw(S)14を有するΔω−PSSとを組み合わせた、従来型PSSである(ΔP+Δω)−PSSにより抑制し、周波数が大きく異なる複数の系統モードの電力動揺は、発電機1に直結されたタービンのバルブ開度信号と発電機1の有効電力P8信号との組み合わせから生成する回転加速度に等価な信号を入力とし、異なる安定化関数10を有する複数の並列型PSSであるΔδ−PSSにより抑制する。
【0470】
系統に存在する電力動揺に対応して、その対象とする電力動揺を最も効果的に抑制するように、発電機1に直結されたタービンのバルブ開度信号と発電機1の有効電力P8信号との組み合わせから生成する回転加速度に等価な信号を入力とする各並列型PSSの(式3)に示した安定化関数10の制御定数を設定することにより、発電機1に直結されたタービンのバルブ開度信号と発電機1の有効電力P8信号との組み合わせから生成する回転加速度に等価な信号を入力とする各並列型PSSがそれぞれの設定に対応した電力動揺を抑制するように作用することになる。
【0471】
上述したように、本実施の形態の複数型PSS5´では、発電機1に直結されたタービンのバルブ開度信号と発電機1の有効電力P8信号との組み合わせから生成する回転加速度に等価な信号を入力とし、系統に存在する電力動揺に応じて、異なる安定化関数10の制御定数を有する並列型PSSを複数備えるようにしているので、電力系統で発生する広い帯域の電力動揺を速やかに抑制して、電力系統を安定に保つことにより、広域の電力融通を安定に行なうことが可能となる。
【0472】
(第54の実施の形態)
本実施の形態による複数型PSS5´は、前述した図9の第6の実施の形態における、並列型PSSであるΔδ−PSSとして、前記発電機1のローターの回転速度ω9の変化分Δω9Aの代わりに、発電機1に直結されたタービンのバルブ開度信号と発電機1の有効電力P8信号との組み合わせから生成する回転加速度に等価な信号を入力として、この入力信号に対して発電機1のローターの位相角信号と同相となる位相遅れ補償を行なう位相進み遅れ補償関数を含む安定化関数Gδ(S)10を備え、長周期の系統モードの電力動揺を抑制する複数(本例では2台)のΔδ−PSSを備えた構成としている。
【0473】
なお、その他の構成については、前記第6の実施の形態の場合と同様であるので、ここではその図示および説明を省略して、図1および図9を代用することにする。
【0474】
次に、以上のように構成した本実施の形態の複数型PSS5´の作用について説明する。
【0475】
なお、前述した第6の実施の形態と同一部分の作用についてはその説明を省略し、ここでは異なる部分の作用についてのみ述べる。
【0476】
発電機モードの電力動揺は、主として安定化関数Gp(S)13を有するΔP−PSSと安定化関数Gw(S)14を有するΔω−PSSとを組み合わせた、従来型PSSである(ΔP+Δω)−PSSにより抑制し、周波数が大きく異なる複数の系統モードの電力動揺は、発電機1に直結されたタービンのバルブ開度信号と発電機1の有効電力P8信号との組み合わせから生成する回転加速度に等価な信号を入力とし、異なる安定化関数10を有する複数の並列型PSSであるΔδ−PSSにより抑制する。
【0477】
系統に存在する電力動揺に対応して、その対象とする電力動揺を最も効果的に抑制するように、発電機1に直結されたタービンのバルブ開度信号と発電機1の有効電力P8信号との組み合わせから生成する回転加速度に等価な信号を入力とする各並列型PSSの(式3)に示した安定化関数10の制御定数を設定することにより、発電機1に直結されたタービンのバルブ開度信号と発電機1の有効電力P8信号との組み合わせから生成する回転加速度に等価な信号を入力とする各並列型PSSがそれぞれの設定に対応した電力動揺を抑制するように作用することになる。
【0478】
上述したように、本実施の形態の複数型PSS5´では、発電機1に直結されたタービンのバルブ開度信号と発電機1の有効電力P8信号との組み合わせから生成する回転加速度に等価な信号を入力とし、系統に存在する電力動揺に応じて、異なる安定化関数10の制御定数を有する並列型PSSを複数備えるようにしているので、電力系統で発生する広い帯域の電力動揺を速やかに抑制して、電力系統を安定に保つことにより、広域の電力融通を安定に行なうことが可能となる。
【0479】
(第55の実施の形態)
本実施の形態による複数型PSS5´は、前述した第7の実施の形態における、並列型PSSであるΔδ−PSSとして、前記発電機1のローターの回転速度ω9の変化分Δω9Aの代わりに、発電機1に直結されたタービンのバルブ開度信号と発電機1の有効電力P8信号との組み合わせから生成する回転加速度に等価な信号を入力として、この入力信号に対して発電機1のローターの位相角信号と同相となる位相遅れ補償を行なう位相進み遅れ補償関数を含む安定化関数Gδ(S)10を備え、長周期の系統モードの電力動揺を抑制するΔδ−PSSを備えた構成としている。
【0480】
なお、その他の構成については、前記第7の実施の形態の場合と同様であるので、ここではその図示および説明を省略して、図1および図2を代用することにする。
【0481】
次に、以上のように構成した本実施の形態の複数型PSS5´の作用について説明する。
【0482】
なお、前述した第7の実施の形態と同一部分の作用についてはその説明を省略し、ここでは異なる部分の作用についてのみ述べる。
【0483】
複数型PSS5´では、発電機1に直結されたタービンのバルブ開度信号と発電機1の有効電力P8信号との組み合わせから生成する回転加速度に等価な信号は、安定化関数Gδ(S)10を通し、複数型PSS出力信号5AとしてAVR4へ入力される。
【0484】
この場合、系統モードの電力動揺に対しては、発電機1に直結されたタービンのバルブ開度信号と発電機1の有効電力P8信号との組み合わせから生成する回転加速度に等価な信号を入力とし、この電力動揺に適したように設定した安定化関数Gδ(S)10を有する並列型PSSであるΔδ−PSSにより抑制する。
【0485】
すなわち、系統モードの電力動揺のみが問題となる発電機1では、その動揺を抑制するように、発電機1に直結されたタービンのバルブ開度信号と発電機1の有効電力P8信号との組み合わせから生成する回転加速度に等価な信号を入力とする複数型PSS5´を構成する並列型PSSの前記(式3)に示した安定化関数Gδ(S)10を設定することにより、系統モードの電力動揺を抑制するように作用する。
【0486】
上述したように、本実施の形態の複数型PSS5´では、発電機1に直結されたタービンのバルブ開度信号と発電機1の有効電力P8信号との組み合わせから生成する回転加速度に等価な信号を入力し、短周期と比較して長周期の電力動揺である系統モードの電力動揺を主として抑制するΔδ−PSSの出力信号S3を、励磁制御系を構成するAVR4に入力するようにしているので、系統モードの電力動揺のみが存在する場合は、電力系統で発生する系統モードの電力動揺を速やかに抑制して、電力系統を安定に保つことにより、電力融通を安定に行なうことが可能となる。
【0487】
(第56の実施の形態)
本実施の形態による複数型PSS5´は、前述した第8の実施の形態における、並列型PSSであるΔδ−PSSとして、前記発電機1のローターの回転速度ω9の変化分Δω9Aの代わりに、発電機1に直結されたタービンのバルブ開度信号と発電機1の有効電力P8信号との組み合わせから生成する回転加速度に等価な信号を入力として、この入力信号に対して発電機1のローターの位相角信号と同相となる位相遅れ補償を行なう位相進み遅れ補償関数を含む安定化関数Gδ(S)10を備え、長周期の系統モードの電力動揺を抑制するΔδ−PSSを備えた構成としている。
【0488】
なお、その他の構成については、前記第8の実施の形態の場合と同様であるので、ここではその図示および説明を省略して、図1および図5を代用することにする。
【0489】
次に、以上のように構成した本実施の形態の複数型PSS5´の作用について説明する。
【0490】
なお、前述した第8の実施の形態と同一部分の作用についてはその説明を省略し、ここでは異なる部分の作用についてのみ述べる。
【0491】
発電機1の電力動揺の周波数が、想定した周波数からずれた場合に、電力動揺周波数検出手段51により、発電機1のローターの回転速度ω9の信号から電力動揺の周波数が検出され、定数選択手段53により、電力動揺周波数検出手段51で検出した周波数に応じて、あらかじめ種々の系統条件を想定して設計された定数の中から、発電機1に直結されたタービンのバルブ開度信号と発電機1の有効電力P8信号との組み合わせから生成する回転加速度に等価な信号を入力とする並列型PSSのゲインや進み遅れ定数等の制御定数が自動的に選択される。
【0492】
上述したように、本実施の形態の複数型PSS5´では、設定した系統モードの周期から電力動揺モードがずれた場合に、電力動揺モードを検出して、その電力動揺のモードに対応するようにあらかじめ種々の系統条件を設定して計算された結果から設計された制御定数を自動的に選択する機能を使用して、発電機1に直結されたタービンのバルブ開度信号と発電機1の有効電力P8信号との組み合わせから生成する回転加速度に等価な信号を入力とする並列型PSSのゲインや進み遅れ定数等の制御定数を自動的に選択するようにしているので、電力動揺の周波数が変化しても、電力動揺に対する最適な抑制効果を維持することが可能となる。
【0493】
(第57の実施の形態)
本実施の形態による複数型PSS5´は、前述した第9の実施の形態における、並列型PSSであるΔδ−PSSとして、前記発電機1のローターの回転速度ω9の変化分Δω9Aの代わりに、発電機1に直結されたタービンのバルブ開度信号と発電機1の有効電力P8信号との組み合わせから生成する回転加速度に等価な信号を入力として、この入力信号に対して発電機1のローターの位相角信号と同相となる位相遅れ補償を行なう位相進み遅れ補償関数を含む安定化関数Gδ(S)10を備え、長周期の系統モードの電力動揺を抑制するΔδ−PSSを備えた構成としている。
【0494】
なお、その他の構成については、前記第9の実施の形態の場合と同様であるので、ここではその図示および説明を省略して、図1および図6を代用することにする。
【0495】
次に、以上のように構成した本実施の形態の複数型PSS5´の作用について説明する。
【0496】
なお、前述した第9の実施の形態と同一部分の作用についてはその説明を省略し、ここでは異なる部分の作用についてのみ述べる。
【0497】
発電機1の電力動揺の周波数が、想定した周波数からずれた場合に、電力動揺周波数検出手段51により、発電機1のローターの回転速度ω9の信号から電力動揺の周波数が検出され、定数計算手段54により、電力動揺周波数検出手段51で検出した周波数に応じて、あらかじめ設定された数式を使用して、発電機1に直結されたタービンのバルブ開度信号と発電機1の有効電力P8信号との組み合わせから生成する回転加速度に等価な信号を入力とする並列型PSSのゲインや進み遅れ定数等の制御定数が自動的に計算される。
【0498】
上述したように、本実施の形態の複数型PSS5´では、設定した系統モードの周期から電力動揺モードがずれた場合に、電力動揺モードを検出して、その電力動揺のモードに対応するようにあらかじめ種々の系統条件を設定して決められた数式を使用して計算された結果から設計された制御定数に、発電機1に直結されたタービンのバルブ開度信号と発電機1の有効電力P8信号との組み合わせから生成する回転加速度に等価な信号を入力とする並列型PSSのゲインや進み遅れ定数等の制御定数を自動的に変更するようにしているので、電力動揺の周波数が変化しても、電力動揺に対する最適な抑制効果を維持することが可能となる。
【0499】
(第58の実施の形態)
本実施の形態による複数型PSS5´は、前述した第10の実施の形態における、並列型PSSであるΔδ−PSSとして、前記発電機1のローターの回転速度ω9の変化分Δω9Aの代わりに、発電機1に直結されたタービンのバルブ開度信号と発電機1の有効電力P8信号との組み合わせから生成する回転加速度に等価な信号を入力として、この入力信号に対して発電機1のローターの位相角信号と同相となる位相遅れ補償を行なう位相進み遅れ補償関数を含む安定化関数Gδ(S)10A〜10Nを備え、長周期の系統モードの電力動揺を抑制する複数(N台)のΔδ−PSSを備えた構成としている。
【0500】
なお、その他の構成については、前記第10の実施の形態の場合と同様であるので、ここではその図示および説明を省略して、図1および図7を代用することにする。
【0501】
次に、以上のように構成した本実施の形態の複数型PSS5´の作用について説明する。
【0502】
なお、前述した第10の実施の形態と同一部分の作用についてはその説明を省略し、ここでは異なる部分の作用についてのみ述べる。
【0503】
系統に存在する電力動揺に対応して、その対象とする電力動揺を最も効果的に抑制するように、発電機1に直結されたタービンのバルブ開度信号と発電機1の有効電力P8信号との組み合わせから生成する回転加速度に等価な信号を入力とする各並列型PSSの(式3)に示した安定化関数10A〜10Nの制御定数を設定することにより、発電機1に直結されたタービンのバルブ開度信号と発電機1の有効電力P8信号との組み合わせから生成する回転加速度に等価な信号を入力とする各並列型PSSが、それぞれの設定に対応した電力動揺を抑制するように作用することになる。
【0504】
上述したように、本実施の形態の複数型PSS5´では、発電機1に直結されたタービンのバルブ開度信号と発電機1の有効電力P8信号との組み合わせから生成する回転加速度に等価な信号を入力とし、系統に存在する電力動揺に応じて、安定化関数10A〜10Nの制御定数を変更した並列型PSSを複数備えるようにしているので、電力動揺の周期が複数存在するために、前述した第1の実施の形態ではある周期の電力動揺に対する抑制力が弱くなったり、ある周期の電力動揺が他の周期の電力動揺より強く現れるような系統に最も適したPSSである。
【0505】
このように、電力動揺が複数存在する系統に対して、同時に発生する複数の電力動揺を速やかに抑制し、系統の安定度を保つことにより、広域の電力融通を安定に行なうことが可能となる。
【0506】
(第59の実施の形態)
本実施の形態による複数型PSS5´は、前述した第11の実施の形態における、並列型PSSであるΔδ−PSSとして、前記発電機1のローターの回転速度ω9の変化分Δω9Aの代わりに、発電機1に直結されたタービンのバルブ開度信号と発電機1の有効電力P8信号との組み合わせから生成する回転加速度に等価な信号を入力として、この入力信号に対して発電機1のローターの位相角信号と同相となる位相遅れ補償を行なう位相進み遅れ補償関数を含む安定化関数Gδ(S)10を備え、長周期の系統モードの電力動揺を抑制する複数(本例では2台)のΔδ−PSSを備えた構成としている。
【0507】
なお、その他の構成については、前記第11の実施の形態の場合と同様であるので、ここではその図示および説明を省略して、図1および図8を代用することにする。
【0508】
次に、以上のように構成した本実施の形態の複数型PSS5´の作用について説明する。
【0509】
なお、前述した第11の実施の形態と同一部分の作用についてはその説明を省略し、ここでは異なる部分の作用についてのみ述べる。
【0510】
昼間の重負荷時と夜間の軽負荷時で発生する電力動揺の周期が大幅に異なり、その影響が大きくなったり、融通電力量等の変化によって発生する電力動揺周期の変動が大きくなり、そのため設定した系統条件が更に厳しくなる場合に、個々の並列型PSSの安定化関数の制御定数の設定を、前述した第2の実施の形態の場合に比較して更に細かく設定する。そして、これらの並列型PSSの出力信号S3を加算して、AVR4へ複数型PSS出力信号S5を出力する。
【0511】
この場合、周波数が大きく異なる複数の系統モードの電力動揺は、発電機1に直結されたタービンのバルブ開度信号と発電機1の有効電力P8信号との組み合わせから生成する回転加速度に等価な信号を入力とし、異なる安定化関数10を有する複数の並列型PSSであるΔδ−PSSにより抑制する。
【0512】
上述したように、本実施の形態の複数型PSS5´では、発電機1に直結されたタービンのバルブ開度信号と発電機1の有効電力P8信号との組み合わせから生成する回転加速度に等価な信号を入力とし、系統に存在する電力動揺に応じて、異なる安定化関数10の制御定数を有する並列型PSSを複数備えるようにしているので、電力系統で発生する広い帯域の電力動揺を速やかに抑制して、電力系統を安定に保つことにより、広域の電力融通を安定に行なうことが可能となる。
【0513】
(第60の実施の形態)
本実施の形態による複数型PSS5´は、前述した第12の実施の形態における、並列型PSSであるΔδ−PSSとして、前記発電機1のローターの回転速度ω9の変化分Δω9Aの代わりに、発電機1に直結されたタービンのバルブ開度信号と発電機1の有効電力P8信号との組み合わせから生成する回転加速度に等価な信号を入力として、この入力信号に対して発電機1のローターの位相角信号と同相となる位相遅れ補償を行なう位相進み遅れ補償関数を含む安定化関数Gδ(S)10を備え、長周期の系統モードの電力動揺を抑制する複数(本例では2台)のΔδ−PSSを備えた構成としている。
【0514】
なお、その他の構成については、前記第12の実施の形態の場合と同様であるので、ここではその図示および説明を省略して、図1および図9を代用することにする。
【0515】
次に、以上のように構成した本実施の形態の複数型PSS5´の作用について説明する。
【0516】
なお、前述した第12の実施の形態と同一部分の作用についてはその説明を省略し、ここでは異なる部分の作用についてのみ述べる。
【0517】
昼間の重負荷時と夜間の軽負荷時で発生する電力動揺の周期が大幅に異なり、その影響が大きくなったり、融通電力量等の変化によって発生する電力動揺周期の変動が大きくなり、そのため設定した系統条件が更に厳しくなる場合に、個々の並列型PSSの安定化関数10の制御定数の設定を、前述した第2の実施の形態の場合に比較して更に細かく設定する。そして、これらの並列型PSSの出力信号S3を加算して、AVR4へ複数型PSS出力信号S5を出力する。
【0518】
この場合、周波数が大きく異なる複数の系統モードの電力動揺は、発電機1に直結されたタービンのバルブ開度信号と発電機1の有効電力P8信号との組み合わせから生成する回転加速度に等価な信号を入力とし、異なる安定化関数10を有する複数の並列型PSSであるΔδ−PSSにより抑制する。
【0519】
上述したように、本実施の形態の複数型PSS5´では、発電機1に直結されたタービンのバルブ開度信号と発電機1の有効電力P8信号との組み合わせから生成する回転加速度に等価な信号を入力とし、系統に存在する電力動揺に応じて、異なる安定化関数10の制御定数を有する並列型PSSを複数備えるようにしているので、電力系統で発生する広い帯域の電力動揺を速やかに抑制して、電力系統を安定に保つことにより、広域の電力融通を安定に行なうことが可能となる。
【0520】
(第61の実施の形態)
本実施の形態による複数型PSS5´は、前述した図2の第1の実施の形態における、並列型PSSであるΔδ−PSSとして、前記発電機1のローターの回転速度ω9の変化分Δω9Aの代わりに、発電機1の有効電力P8信号と発電機1の電圧Vg3A信号との組み合わせから生成する発電機1のローター位相角に等価な信号を入力として、この入力信号に対して発電機1のローターの位相角信号と同相となる位相遅れ補償を行なう位相進み遅れ補償関数を含む安定化関数Gδ(S)10を備え、長周期の系統モードの電力動揺を抑制するΔδ−PSSを備えた構成としている。
【0521】
なお、その他の構成については、前記第1の実施の形態の場合と同様であるので、ここではその図示および説明を省略して、図1および図2を代用することにする。
【0522】
次に、以上のように構成した本実施の形態の複数型PSS5´の作用について説明する。
【0523】
なお、前述した第1の実施の形態と同一部分の作用についてはその説明を省略し、ここでは異なる部分の作用についてのみ述べる。
【0524】
複数型PSS5´では、図12に示すように、有効電力8の変化分−ΔPは、安定化関数Gp(S)13を通し、発電機1の回転速度ω9の変化分Δω9Aは、安定化関数Gw(S)14を通し、発電機1の有効電力P8信号と発電機1の電圧Vg3A信号との組み合わせから生成する発電機1のローター位相角に等価な信号は、安定化関数Gδ(S)10を通して加算器A3で加算され、複数型PSS出力信号5AとしてAVR4へ入力される。
【0525】
この場合、隣接機モードと発電機モードの電力動揺は、安定化関数Gp(S)13を有するΔP−PSSと安定化関数Gw(S)14を有するΔω−PSSとを組み合わせた、従来型PSSである(ΔP+Δω)−PSSにより抑制し、また系統モードの電力動揺に対しては、発電機1の有効電力P8信号と発電機1の電圧Vg3A信号との組み合わせから生成する発電機1のローター位相角に等価な信号を入力とし、この電力動揺に適したように設定した安定化関数Gδ(S)10を有する並列型PSSであるΔδ−PSSにより抑制する。
【0526】
このような分担により、実用化されているPSSに対して、電力系統で発生する発電機モードから系統モードまでの広い帯域の電力動揺を速やかに抑制して、電力系統を安定に保つことにより、広域の電力融通を安定に行なうことができる。
【0527】
上述したように、本実施の形態の複数型PSS5´では、発電機1の有効電力P8、発電機1のローターの回転速度ωに相当する等価信号を入力し、数秒程度の短周期の電力動揺である発電機モードの電力動揺を主として抑制する(ΔP+Δω)−PSSの出力信号S1,S2と、発電機1の有効電力P8信号と発電機1の電圧Vg3A信号との組み合わせから生成する発電機1のローター位相角に等価な信号を入力し、短周期と比較して長周期の電力動揺である系統モードの電力動揺を主として抑制するΔδ−PSSの出力信号S3とを加算して、AVR4に入力するようにしているので、電力系統で発生する発電機モードから系統モードまでの広い帯域の電力動揺を速やかに抑制して、電力系統を安定に保つことにより、広域の電力融通を安定に行なうことが可能となる。
【0528】
(第62の実施の形態)
本実施の形態による複数型PSS5´は、前述した図5の第2の実施の形態における、並列型PSSであるΔδ−PSSとして、前記発電機1のローターの回転速度ω9の変化分Δω9Aの代わりに、発電機1の有効電力P8信号と発電機1の電圧Vg3A信号との組み合わせから生成する発電機1のローター位相角に等価な信号を入力として、この入力信号に対して発電機1のローターの位相角信号と同相となる位相遅れ補償を行なう位相進み遅れ補償関数を含む安定化関数Gδ(S)10を備え、長周期の系統モードの電力動揺を抑制するΔδ−PSSを備えた構成としている。
【0529】
なお、その他の構成については、前記第2の実施の形態の場合と同様であるので、ここではその図示および説明を省略して、図1および図5を代用することにする。
【0530】
次に、以上のように構成した本実施の形態の複数型PSS5´の作用について説明する。
【0531】
なお、前述した第2の実施の形態と同一部分の作用についてはその説明を省略し、ここでは異なる部分の作用についてのみ述べる。
【0532】
発電機1の電力動揺の周波数が、想定した周波数からずれた場合に、電力動揺周波数検出手段51により、発電機1のローターの回転速度ω9の信号から電力動揺の周波数が検出され、定数選択手段53により、電力動揺周波数検出手段51で検出した周波数に応じて、あらかじめ種々の系統条件を想定して設計された定数の中から、発電機1の有効電力P8信号と発電機1の電圧Vg3A信号との組み合わせから生成する発電機1のローター位相角に等価な信号を入力とする並列型PSSのゲインや進み遅れ定数等の制御定数が自動的に選択される。
【0533】
この場合、系統に存在する電力動揺に対応して、その対象とする電力動揺を最も効果的に抑制するように、発電機1の有効電力P8信号と発電機1の電圧Vg3A信号との組み合わせから生成する発電機1のローター位相角に等価な信号を入力とする各並列型PSSの(式3)に示した安定化関数10を設定することにより、発電機1の有効電力P8信号と発電機1の電圧Vg3A信号との組み合わせから生成する発電機1のローター位相角に等価な信号を入力とする各並列型PSSがそれぞれの設定に対応した電力動揺を抑制するように作用することになる。
【0534】
上述したように、本実施の形態の複数型PSS5´では、設定した系統モードの周期から電力動揺モードがずれた場合に、電力動揺モードを検出して、その電力動揺のモードに対応するようにあらかじめ種々の系統条件を設定して計算された結果から設計された制御定数を自動的に選択する機能を使用して、発電機1の有効電力P8信号と発電機1の電圧Vg3A信号との組み合わせから生成する発電機1のローター位相角に等価な信号を入力とする並列型PSSのゲインや進み遅れ定数等の制御定数を自動的に選択するようにしているので、電力動揺の周波数が変化しても、電力動揺に対する最適な抑制効果を維持することが可能となる。
【0535】
(第63の実施の形態)
本実施の形態による複数型PSS5´は、前述した図6の第3の実施の形態における、並列型PSSであるΔδ−PSSとして、前記発電機1のローターの回転速度ω9の変化分Δω9Aの代わりに、発電機1の有効電力P8信号と発電機1の電圧Vg3A信号との組み合わせから生成する発電機1のローター位相角に等価な信号を入力として、この入力信号に対して発電機1のローターの位相角信号と同相となる位相遅れ補償を行なう位相進み遅れ補償関数を含む安定化関数Gδ(S)10を備え、長周期の系統モードの電力動揺を抑制するΔδ−PSSを備えた構成としている。
【0536】
なお、その他の構成については、前記第3の実施の形態の場合と同様であるので、ここではその図示および説明を省略して、図1および図6を代用することにする。
【0537】
次に、以上のように構成した本実施の形態の複数型PSS5´の作用について説明する。
【0538】
なお、前述した第3の実施の形態と同一部分の作用についてはその説明を省略し、ここでは異なる部分の作用についてのみ述べる。
【0539】
発電機1の電力動揺の周波数が、想定した周波数からずれた場合に、電力動揺周波数検出手段51により、発電機1のローターの回転速度ω9の信号から電力動揺の周波数が検出され、定数選択手段53により、電力動揺周波数検出手段51で検出した周波数に応じて、あらかじめ種々の系統条件を想定して設計された定数の中から、発電機1の有効電力P8信号と発電機1の電圧Vg3A信号との組み合わせから生成する発電機1のローター位相角に等価な信号を入力とする並列型PSSのゲインや進み遅れ定数等の制御定数が自動的に選択される。
【0540】
この場合、系統に存在する電力動揺に対応して、その対象とする電力動揺を最も効果的に抑制するように、発電機1の有効電力P8信号と発電機1の電圧Vg3A信号との組み合わせから生成する発電機1のローター位相角に等価な信号を入力とする各並列型PSSの(式3)に示した安定化関数10を設定することにより、発電機1の有効電力P8信号と発電機1の電圧Vg3A信号との組み合わせから生成する発電機1のローター位相角に等価な信号を入力とする各並列型PSSがそれぞれの設定に対応した電力動揺を抑制するように作用することになる。
【0541】
上述したように、本実施の形態の複数型PSS5´では、設定した系統モードの周期から電力動揺モードがずれた場合に、電力動揺モードを検出して、その電力動揺のモードに対応するようにあらかじめ種々の系統条件を設定して決められた数式を使用して計算された結果から設計された制御定数に、発電機1の有効電力P8信号と発電機1の電圧Vg3A信号との組み合わせから生成する発電機1のローター位相角に等価な信号を入力とする並列型PSSのゲインや進み遅れ定数等の制御定数を自動的に変更するようにしているので、電力動揺の周波数が変化しても、電力動揺に対する最適な抑制効果を維持することが可能となる。
【0542】
(第64の実施の形態)
本実施の形態による複数型PSS5´は、前述した図7の第4の実施の形態における、並列型PSSであるΔδ−PSSとして、前記発電機1のローターの回転速度ω9の変化分Δω9Aの代わりに、発電機1の有効電力P8信号と発電機1の電圧Vg3A信号との組み合わせから生成する発電機1のローター位相角に等価な信号を入力として、この入力信号に対して発電機1のローターの位相角信号と同相となる位相遅れ補償を行なう位相進み遅れ補償関数を含む安定化関数Gδ(S)10A〜10Nを備え、長周期の系統モードの電力動揺を抑制する複数(N台)のΔδ−PSSを備えた構成としている。
【0543】
なお、その他の構成については、前記第4の実施の形態の場合と同様であるので、ここではその図示および説明を省略して、図1および図7を代用することにする。
【0544】
次に、以上のように構成した本実施の形態の複数型PSS5´の作用について説明する。
【0545】
なお、前述した第4の実施の形態と同一部分の作用についてはその説明を省略し、ここでは異なる部分の作用についてのみ述べる。
【0546】
系統に存在する電力動揺に対応して、その対象とする電力動揺を最も効果的に抑制するように、発電機1の有効電力P8信号と発電機1の電圧Vg3A信号との組み合わせから生成する発電機1のローター位相角に等価な信号を入力とする各並列型PSSの(式3)に示した安定化関数10A〜10Nの制御定数を設定することにより、発電機1の有効電力P8信号と発電機1の電圧Vg3A信号との組み合わせから生成する発電機1のローター位相角に等価な信号を入力とする各並列型PSSがそれぞれの設定に対応した電力動揺を抑制するように作用することになる。
【0547】
上述したように、本実施の形態の複数型PSS5´では、発電機1の有効電力P8信号と発電機1の電圧Vg3A信号との組み合わせから生成する発電機1のローター位相角に等価な信号を入力とし、系統に存在する電力動揺に応じて、安定化関数10A〜10Nの制御定数を変更した並列型PSSを複数備えるようにしているので、電力動揺の周期が複数存在するために、前述した第1の実施の形態ではある周期の電力動揺に対する抑制力が弱くなったり、ある周期の電力動揺が他の周期の電力動揺より強く現れるような系統に最も適したPSSである。
【0548】
このように、電力動揺が複数存在する系統に対して、同時に発生する複数の電力動揺を速やかに抑制し、系統の安定度を保つことにより、広域の電力融通を安定に行なうことが可能となる。
【0549】
(第65の実施の形態)
本実施の形態による複数型PSS5´は、前述した図8の第5の実施の形態における、並列型PSSであるΔδ−PSSとして、前記発電機1のローターの回転速度ω9の変化分Δω9Aの代わりに、発電機1の有効電力P8信号と発電機1の電圧Vg3A信号との組み合わせから生成する発電機1のローター位相角に等価な信号を入力として、この入力信号に対して発電機1のローターの位相角信号と同相となる位相遅れ補償を行なう位相進み遅れ補償関数を含む安定化関数Gδ(S)10を備え、長周期の系統モードの電力動揺を抑制する複数(本例では2台)のΔδ−PSSを備えた構成としている。
【0550】
なお、その他の構成については、前記第5の実施の形態の場合と同様であるので、ここではその図示および説明を省略して、図1および図8を代用することにする。
【0551】
次に、以上のように構成した本実施の形態の複数型PSS5´の作用について説明する。
【0552】
なお、前述した第5の実施の形態と同一部分の作用についてはその説明を省略し、ここでは異なる部分の作用についてのみ述べる。
【0553】
発電機モードの電力動揺は、主として安定化関数Gp(S)13を有するΔP−PSSと安定化関数Gw(S)14を有するΔω−PSSとを組み合わせた、従来型PSSである(ΔP+Δω)−PSSにより抑制し、周波数が大きく異なる複数の系統モードの電力動揺は、発電機1の有効電力P8信号と発電機1の電圧Vg3A信号との組み合わせから生成する発電機1のローター位相角に等価な信号を入力とし、異なる安定化関数10を有する複数の並列型PSSであるΔδ−PSSにより抑制する。
【0554】
系統に存在する電力動揺に対応して、その対象とする電力動揺を最も効果的に抑制するように、発電機1の有効電力P8信号と発電機1の電圧Vg3A信号との組み合わせから生成する発電機1のローター位相角に等価な信号を入力とする各並列型PSSの(式3)に示した安定化関数10の制御定数を設定することにより、発電機1の有効電力P8信号と発電機1の電圧Vg3A信号との組み合わせから生成する発電機1のローター位相角に等価な信号を入力とする各並列型PSSがそれぞれの設定に対応した電力動揺を抑制するように作用することになる。
【0555】
上述したように、本実施の形態の複数型PSS5´では、発電機1の有効電力P8信号と発電機1の電圧Vg3A信号との組み合わせから生成する発電機1のローター位相角に等価な信号を入力とし、系統に存在する電力動揺に応じて、異なる安定化関数10の制御定数を有する並列型PSSを複数備えるようにしているので、電力系統で発生する広い帯域の電力動揺を速やかに抑制して、電力系統を安定に保つことにより、広域の電力融通を安定に行なうことが可能となる。
【0556】
(第66の実施の形態)
本実施の形態による複数型PSS5´は、前述した図9の第6の実施の形態における、並列型PSSであるΔδ−PSSとして、前記発電機1のローターの回転速度ω9の変化分Δω9Aの代わりに、発電機1の有効電力P8信号と発電機1の電圧Vg3A信号との組み合わせから生成する発電機1のローター位相角に等価な信号を入力として、この入力信号に対して発電機1のローターの位相角信号と同相となる位相遅れ補償を行なう位相進み遅れ補償関数を含む安定化関数Gδ(S)10を備え、長周期の系統モードの電力動揺を抑制する複数(本例では2台)のΔδ−PSSを備えた構成としている。
【0557】
なお、その他の構成については、前記第6の実施の形態の場合と同様であるので、ここではその図示および説明を省略して、図1および図9を代用することにする。
【0558】
次に、以上のように構成した本実施の形態の複数型PSS5´の作用について説明する。
【0559】
なお、前述した第6の実施の形態と同一部分の作用についてはその説明を省略し、ここでは異なる部分の作用についてのみ述べる。
【0560】
発電機モードの電力動揺は、主として安定化関数Gp(S)13を有するΔP−PSSと安定化関数Gw(S)14を有するΔω−PSSとを組み合わせた、従来型PSSである(ΔP+Δω)−PSSにより抑制し、周波数が大きく異なる複数の系統モードの電力動揺は、発電機1の有効電力P8信号と発電機1の電圧Vg3A信号との組み合わせから生成する発電機1のローター位相角に等価な信号を入力とし、異なる安定化関数10を有する複数の並列型PSSであるΔδ−PSSにより抑制する。
【0561】
系統に存在する電力動揺に対応して、その対象とする電力動揺を最も効果的に抑制するように、発電機1の有効電力P8信号と発電機1の電圧Vg3A信号との組み合わせから生成する発電機1のローター位相角に等価な信号を入力とする各並列型PSSの(式3)に示した安定化関数10の制御定数を設定することにより、発電機1の有効電力P8信号と発電機1の電圧Vg3A信号との組み合わせから生成する発電機1のローター位相角に等価な信号を入力とする各並列型PSSがそれぞれの設定に対応した電力動揺を抑制するように作用することになる。
【0562】
上述したように、本実施の形態の複数型PSS5´では、発電機1の有効電力P8信号と発電機1の電圧Vg3A信号との組み合わせから生成する発電機1のローター位相角に等価な信号を入力とし、系統に存在する電力動揺に応じて、異なる安定化関数10の制御定数を有する並列型PSSを複数備えるようにしているので、電力系統で発生する広い帯域の電力動揺を速やかに抑制して、電力系統を安定に保つことにより、広域の電力融通を安定に行なうことが可能となる。
【0563】
(第67の実施の形態)
本実施の形態による複数型PSS5´は、前述した第7の実施の形態における、並列型PSSであるΔδ−PSSとして、前記発電機1のローターの回転速度ω9の変化分Δω9Aの代わりに、発電機1の有効電力P8信号と発電機1の電圧Vg3A信号との組み合わせから生成する発電機1のローター位相角に等価な信号を入力として、この入力信号に対して発電機1のローターの位相角信号と同相となる位相遅れ補償を行なう位相進み遅れ補償関数を含む安定化関数Gδ(S)10を備え、長周期の系統モードの電力動揺を抑制するΔδ−PSSを備えた構成としている。
【0564】
なお、その他の構成については、前記第7の実施の形態の場合と同様であるので、ここではその図示および説明を省略して、図1および図2を代用することにする。
【0565】
次に、以上のように構成した本実施の形態の複数型PSS5´の作用について説明する。
【0566】
なお、前述した第7の実施の形態と同一部分の作用についてはその説明を省略し、ここでは異なる部分の作用についてのみ述べる。
【0567】
複数型PSS5´では、発電機1の有効電力P8信号と発電機1の電圧Vg3A信号との組み合わせから生成する発電機1のローター位相角に等価な信号は、安定化関数Gδ(S)10を通し、複数型PSS出力信号5AとしてAVR4へ入力される。
【0568】
この場合、系統モードの電力動揺に対しては、発電機1の有効電力P8信号と発電機1の電圧Vg3A信号との組み合わせから生成する発電機1のローター位相角に等価な信号を入力とし、この電力動揺に適したように設定した安定化関数Gδ(S)10を有する並列型PSSであるΔδ−PSSにより抑制する。
【0569】
すなわち、系統モードの電力動揺のみが問題となる発電機1では、その動揺を抑制するように、発電機1の有効電力P8信号と発電機1の電圧Vg3A信号との組み合わせから生成する発電機1のローター位相角に等価な信号を入力とする複数型PSS5´を構成する並列型PSSの前記(式3)に示した安定化関数Gδ(S)10を設定することにより、系統モードの電力動揺を抑制するように作用する。
【0570】
上述したように、本実施の形態の複数型PSS5´では、発電機1の有効電力P8信号と発電機1の電圧Vg3A信号との組み合わせから生成する発電機1のローター位相角に等価な信号を入力し、短周期と比較して長周期の電力動揺である系統モードの電力動揺を主として抑制するΔδ−PSSの出力信号S3を、励磁制御系を構成するAVR4に入力するようにしているので、系統モードの電力動揺のみが存在する場合は、電力系統で発生する系統モードの電力動揺を速やかに抑制して、電力系統を安定に保つことにより、電力融通を安定に行なうことが可能となる。
【0571】
(第68の実施の形態)
本実施の形態による複数型PSS5´は、前述した第8の実施の形態における、並列型PSSであるΔδ−PSSとして、前記発電機1のローターの回転速度ω9の変化分Δω9Aの代わりに、発電機1の有効電力P8信号と発電機1の電圧Vg3A信号との組み合わせから生成する発電機1のローター位相角に等価な信号を入力として、この入力信号に対して発電機1のローターの位相角信号と同相となる位相遅れ補償を行なう位相進み遅れ補償関数を含む安定化関数Gδ(S)10を備え、長周期の系統モードの電力動揺を抑制するΔδ−PSSを備えた構成としている。
【0572】
なお、その他の構成については、前記第8の実施の形態の場合と同様であるので、ここではその図示および説明を省略して、図1および図5を代用することにする。
【0573】
次に、以上のように構成した本実施の形態の複数型PSS5´の作用について説明する。
【0574】
なお、前述した第8の実施の形態と同一部分の作用についてはその説明を省略し、ここでは異なる部分の作用についてのみ述べる。
【0575】
発電機1の電力動揺の周波数が、想定した周波数からずれた場合に、電力動揺周波数検出手段51により、発電機1のローターの回転速度ω9の信号から電力動揺の周波数が検出され、定数選択手段53により、電力動揺周波数検出手段51で検出した周波数に応じて、あらかじめ種々の系統条件を想定して設計された定数の中から、発電機1の有効電力P8信号と発電機1の電圧Vg3A信号との組み合わせから生成する発電機1のローター位相角に等価な信号を入力とする並列型PSSのゲインや進み遅れ定数等の制御定数が自動的に選択される。
【0576】
上述したように、本実施の形態の複数型PSS5´では、設定した系統モードの周期から電力動揺モードがずれた場合に、電力動揺モードを検出して、その電力動揺のモードに対応するようにあらかじめ種々の系統条件を設定して計算された結果から設計された制御定数を自動的に選択する機能を使用して、発電機1の有効電力P8信号と発電機1の電圧Vg3A信号との組み合わせから生成する発電機1のローター位相角に等価な信号を入力とする並列型PSSのゲインや進み遅れ定数等の制御定数を自動的に選択するようにしているので、電力動揺の周波数が変化しても、電力動揺に対する最適な抑制効果を維持することが可能となる。
【0577】
(第69の実施の形態)
本実施の形態による複数型PSS5´は、前述した第9の実施の形態における、並列型PSSであるΔδ−PSSとして、前記発電機1のローターの回転速度ω9の変化分Δω9Aの代わりに、発電機1の有効電力P8信号と発電機1の電圧Vg3A信号との組み合わせから生成する発電機1のローター位相角に等価な信号を入力として、この入力信号に対して発電機1のローターの位相角信号と同相となる位相遅れ補償を行なう位相進み遅れ補償関数を含む安定化関数Gδ(S)10を備え、長周期の系統モードの電力動揺を抑制するΔδ−PSSを備えた構成としている。
【0578】
なお、その他の構成については、前記第9の実施の形態の場合と同様であるので、ここではその図示および説明を省略して、図1および図6を代用することにする。
【0579】
次に、以上のように構成した本実施の形態の複数型PSS5´の作用について説明する。
【0580】
なお、前述した第9の実施の形態と同一部分の作用についてはその説明を省略し、ここでは異なる部分の作用についてのみ述べる。
【0581】
発電機1の電力動揺の周波数が、想定した周波数からずれた場合に、電力動揺周波数検出手段51により、発電機1のローターの回転速度ω9の信号から電力動揺の周波数が検出され、定数計算手段54により、電力動揺周波数検出手段51で検出した周波数に応じて、あらかじめ設定された数式を使用して、発電機1の有効電力P8信号と発電機1の電圧Vg3A信号との組み合わせから生成する発電機1のローター位相角に等価な信号を入力とする並列型PSSのゲインや進み遅れ定数等の制御定数が自動的に計算される。
【0582】
上述したように、本実施の形態の複数型PSS5´では、設定した系統モードの周期から電力動揺モードがずれた場合に、電力動揺モードを検出して、その電力動揺のモードに対応するようにあらかじめ種々の系統条件を設定して決められた数式を使用して計算された結果から設計された制御定数に、発電機1の有効電力P8信号と発電機1の電圧Vg3A信号との組み合わせから生成する発電機1のローター位相角に等価な信号を入力とする並列型PSSのゲインや進み遅れ定数等の制御定数を自動的に変更するようにしているので、電力動揺の周波数が変化しても、電力動揺に対する最適な抑制効果を維持することが可能となる。
【0583】
(第70の実施の形態)
本実施の形態による複数型PSS5´は、前述した第10の実施の形態における、並列型PSSであるΔδ−PSSとして、前記発電機1のローターの回転速度ω9の変化分Δω9Aの代わりに、発電機1の有効電力P8信号と発電機1の電圧Vg3A信号との組み合わせから生成する発電機1のローター位相角に等価な信号を入力として、この入力信号に対して発電機1のローターの位相角信号と同相となる位相遅れ補償を行なう位相進み遅れ補償関数を含む安定化関数Gδ(S)10A〜10Nを備え、長周期の系統モードの電力動揺を抑制する複数(N台)のΔδ−PSSを備えた構成としている。
【0584】
なお、その他の構成については、前記第10の実施の形態の場合と同様であるので、ここではその図示および説明を省略して、図1および図7を代用することにする。
【0585】
次に、以上のように構成した本実施の形態の複数型PSS5´の作用について説明する。
【0586】
なお、前述した第10の実施の形態と同一部分の作用についてはその説明を省略し、ここでは異なる部分の作用についてのみ述べる。
【0587】
系統に存在する電力動揺に対応して、その対象とする電力動揺を最も効果的に抑制するように、各並列型PSSの(式3)に示した安定化関数10A〜10Nの制御定数を設定することにより、発電機1の有効電力P8信号と発電機1の電圧Vg3A信号との組み合わせから生成する発電機1のローター位相角に等価な信号を入力とする各並列型PSSが、それぞれの設定に対応した電力動揺を抑制するように作用することになる。
【0588】
上述したように、本実施の形態の複数型PSS5´では、発電機1の有効電力P8信号と発電機1の電圧Vg3A信号との組み合わせから生成する発電機1のローター位相角に等価な信号を入力とし、系統に存在する電力動揺に応じて、安定化関数10A〜10Nの制御定数を変更した並列型PSSを複数備えるようにしているので、電力動揺の周期が複数存在するために、前述した第1の実施の形態ではある周期の電力動揺に対する抑制力が弱くなったり、ある周期の電力動揺が他の周期の電力動揺より強く現れるような系統に最も適したPSSである。
【0589】
このように、電力動揺が複数存在する系統に対して、同時に発生する複数の電力動揺を速やかに抑制し、系統の安定度を保つことにより、広域の電力融通を安定に行なうことが可能となる。
【0590】
(第71の実施の形態)
本実施の形態による複数型PSS5´は、前述した第11の実施の形態における、並列型PSSであるΔδ−PSSとして、前記発電機1のローターの回転速度ω9の変化分Δω9Aの代わりに、発電機1の有効電力P8信号と発電機1の電圧Vg3A信号との組み合わせから生成する発電機1のローター位相角に等価な信号を入力として、この入力信号に対して発電機1のローターの位相角信号と同相となる位相遅れ補償を行なう位相進み遅れ補償関数を含む安定化関数Gδ(S)10を備え、長周期の系統モードの電力動揺を抑制する複数(本例では2台)のΔδ−PSSを備えた構成としている。
【0591】
なお、その他の構成については、前記第11の実施の形態の場合と同様であるので、ここではその図示および説明を省略して、図1および図8を代用することにする。
【0592】
次に、以上のように構成した本実施の形態の複数型PSS5´の作用について説明する。
【0593】
なお、前述した第11の実施の形態と同一部分の作用についてはその説明を省略し、ここでは異なる部分の作用についてのみ述べる。
【0594】
昼間の重負荷時と夜間の軽負荷時で発生する電力動揺の周期が大幅に異なり、その影響が大きくなったり、融通電力量等の変化によって発生する電力動揺周期の変動が大きくなり、そのため設定した系統条件が更に厳しくなる場合に、個々の並列型PSSの安定化関数の制御定数の設定を、前述した第2の実施の形態の場合に比較して更に細かく設定する。そして、これらの並列型PSSの出力信号S3を加算して、AVR4へ複数型PSS出力信号S5を出力する。
【0595】
この場合、周波数が大きく異なる複数の系統モードの電力動揺は、発電機1の有効電力P8信号と発電機1の電圧Vg3A信号との組み合わせから生成する発電機1のローター位相角に等価な信号を入力とし、異なる安定化関数10を有する複数の並列型PSSであるΔδ−PSSにより抑制する。
【0596】
上述したように、本実施の形態の複数型PSS5´では、発電機1の有効電力P8信号と発電機1の電圧Vg3A信号との組み合わせから生成する発電機1のローター位相角に等価な信号を入力とし、系統に存在する電力動揺に応じて、異なる安定化関数10の制御定数を有する並列型PSSを複数備えるようにしているので、電力系統で発生する広い帯域の電力動揺を速やかに抑制して、電力系統を安定に保つことにより、広域の電力融通を安定に行なうことが可能となる。
【0597】
(第72の実施の形態)
本実施の形態による複数型PSS5´は、前述した第12の実施の形態における、並列型PSSであるΔδ−PSSとして、前記発電機1のローターの回転速度ω9の変化分Δω9Aの代わりに、発電機1の有効電力P8信号と発電機1の電圧Vg3A信号との組み合わせから生成する発電機1のローター位相角に等価な信号を入力として、この入力信号に対して発電機1のローターの位相角信号と同相となる位相遅れ補償を行なう位相進み遅れ補償関数を含む安定化関数Gδ(S)10を備え、長周期の系統モードの電力動揺を抑制する複数(本例では2台)のΔδ−PSSを備えた構成としている。
【0598】
なお、その他の構成については、前記第12の実施の形態の場合と同様であるので、ここではその図示および説明を省略して、図1および図9を代用することにする。
【0599】
次に、以上のように構成した本実施の形態の複数型PSS5´の作用について説明する。
【0600】
なお、前述した第12の実施の形態と同一部分の作用についてはその説明を省略し、ここでは異なる部分の作用についてのみ述べる。
【0601】
昼間の重負荷時と夜間の軽負荷時で発生する電力動揺の周期が大幅に異なり、その影響が大きくなったり、融通電力量等の変化によって発生する電力動揺周期の変動が大きくなり、そのため設定した系統条件が更に厳しくなる場合に、個々の並列型PSSの安定化関数10の制御定数の設定を、前述した第2の実施の形態の場合に比較して更に細かく設定する。そして、これらの並列型PSSの出力信号S3を加算して、AVR4へ複数型PSS出力信号S5を出力する。
【0602】
この場合、周波数が大きく異なる複数の系統モードの電力動揺は、発電機1の有効電力P8信号と発電機1の電圧Vg3A信号との組み合わせから生成する発電機1のローター位相角に等価な信号を入力とし、異なる安定化関数10を有する複数の並列型PSSであるΔδ−PSSにより抑制する。
【0603】
上述したように、本実施の形態の複数型PSS5´では、発電機1の有効電力P8信号と発電機1の電圧Vg3A信号との組み合わせから生成する発電機1のローター位相角に等価な信号を入力とし、系統に存在する電力動揺に応じて、異なる安定化関数10の制御定数を有する並列型PSSを複数備えるようにしているので、電力系統で発生する広い帯域の電力動揺を速やかに抑制して、電力系統を安定に保つことにより、広域の電力融通を安定に行なうことが可能となる。
【0604】
(第73の実施の形態)
本実施の形態による複数型PSS5´は、前述した図2の第1の実施の形態における、並列型PSSであるΔδ−PSSとして、前記発電機1のローターの回転速度ω9の変化分Δω9Aの代わりに、発電機1のローター位相角信号と発電機1の電圧Vg3A位相信号との差から生成する発電機1の内部位相信号を入力として、この入力信号に対して発電機1のローターの位相角信号と同相となる位相遅れ補償を行なう位相進み遅れ補償関数を含む安定化関数Gδ(S)10を備え、長周期の系統モードの電力動揺を抑制するΔδ−PSSを備えた構成としている。
【0605】
なお、その他の構成については、前記第1の実施の形態の場合と同様であるので、ここではその図示および説明を省略して、図1および図2を代用することにする。
【0606】
次に、以上のように構成した本実施の形態の複数型PSS5´の作用について説明する。
【0607】
なお、前述した第1の実施の形態と同一部分の作用についてはその説明を省略し、ここでは異なる部分の作用についてのみ述べる。
【0608】
複数型PSS5´では、図12に示すように、有効電力8の変化分−ΔPは、安定化関数Gp(S)13を通し、発電機1の回転速度ω9の変化分Δω9Aは、安定化関数Gw(S)14を通し、発電機1のローター位相角信号と発電機1の電圧Vg3A位相信号との差から生成する発電機1の内部位相信号は、安定化関数Gδ(S)10を通して加算器A3で加算され、複数型PSS出力信号5AとしてAVR4へ入力される。
【0609】
この場合、隣接機モードと発電機モードの電力動揺は、安定化関数Gp(S)13を有するΔP−PSSと安定化関数Gw(S)14を有するΔω−PSSとを組み合わせた、従来型PSSである(ΔP+Δω)−PSSにより抑制し、また系統モードの電力動揺に対しては、発電機1のローター位相角信号と発電機1の電圧Vg3A位相信号との差から生成する発電機1の内部位相信号を入力とし、この電力動揺に適したように設定した安定化関数Gδ(S)10を有する並列型PSSであるΔδ−PSSにより抑制する。
【0610】
このような分担により、実用化されているPSSに対して、電力系統で発生する発電機モードから系統モードまでの広い帯域の電力動揺を速やかに抑制して、電力系統を安定に保つことにより、広域の電力融通を安定に行なうことができる。
【0611】
上述したように、本実施の形態の複数型PSS5´では、発電機1の有効電力P8、発電機1のローターの回転速度ωに相当する等価信号を入力し、数秒程度の短周期の電力動揺である発電機モードの電力動揺を主として抑制する(ΔP+Δω)−PSSの出力信号S1,S2と、発電機1のローター位相角信号と発電機1の電圧Vg3A位相信号との差から生成する発電機1の内部位相信号を入力し、短周期と比較して長周期の電力動揺である系統モードの電力動揺を主として抑制するΔδ−PSSの出力信号S3とを加算して、AVR4に入力するようにしているので、電力系統で発生する発電機モードから系統モードまでの広い帯域の電力動揺を速やかに抑制して、電力系統を安定に保つことにより、広域の電力融通を安定に行なうことが可能となる。
【0612】
(第74の実施の形態)
本実施の形態による複数型PSS5´は、前述した図5の第2の実施の形態における、並列型PSSであるΔδ−PSSとして、前記発電機1のローターの回転速度ω9の変化分Δω9Aの代わりに、発電機1のローター位相角信号と発電機1の電圧Vg3A位相信号との差から生成する発電機1の内部位相信号を入力として、この入力信号に対して発電機1のローターの位相角信号と同相となる位相遅れ補償を行なう位相進み遅れ補償関数を含む安定化関数Gδ(S)10を備え、長周期の系統モードの電力動揺を抑制するΔδ−PSSを備えた構成としている。
【0613】
なお、その他の構成については、前記第2の実施の形態の場合と同様であるので、ここではその図示および説明を省略して、図1および図5を代用することにする。
【0614】
次に、以上のように構成した本実施の形態の複数型PSS5´の作用について説明する。
【0615】
なお、前述した第2の実施の形態と同一部分の作用についてはその説明を省略し、ここでは異なる部分の作用についてのみ述べる。
【0616】
発電機1の電力動揺の周波数が、想定した周波数からずれた場合に、電力動揺周波数検出手段51により、発電機1のローターの回転速度ω9の信号から電力動揺の周波数が検出され、定数選択手段53により、電力動揺周波数検出手段51で検出した周波数に応じて、あらかじめ種々の系統条件を想定して設計された定数の中から、発電機1のローター位相角信号と発電機1の電圧Vg3A位相信号との差から生成する発電機1の内部位相信号を入力とする並列型PSSのゲインや進み遅れ定数等の制御定数が自動的に選択される。
【0617】
この場合、系統に存在する電力動揺に対応して、その対象とする電力動揺を最も効果的に抑制するように、発電機1のローター位相角信号と発電機1の電圧Vg3A位相信号との差から生成する発電機1の内部位相信号を入力とする各並列型PSSの(式3)に示した安定化関数10を設定することにより、発電機1のローター位相角信号と発電機1の電圧Vg3A位相信号との差から生成する発電機1の内部位相信号を入力とする各並列型PSSがそれぞれの設定に対応した電力動揺を抑制するように作用することになる。
【0618】
上述したように、本実施の形態の複数型PSS5´では、設定した系統モードの周期から電力動揺モードがずれた場合に、電力動揺モードを検出して、その電力動揺のモードに対応するようにあらかじめ種々の系統条件を設定して計算された結果から設計された制御定数を自動的に選択する機能を使用して、発電機1のローター位相角信号と発電機1の電圧Vg3A位相信号との差から生成する発電機1の内部位相信号を入力とする並列型PSSのゲインや進み遅れ定数等の制御定数を自動的に選択するようにしているので、電力動揺の周波数が変化しても、電力動揺に対する最適な抑制効果を維持することが可能となる。
【0619】
(第75の実施の形態)
本実施の形態による複数型PSS5´は、前述した図6の第3の実施の形態における、並列型PSSであるΔδ−PSSとして、前記発電機1のローターの回転速度ω9の変化分Δω9Aの代わりに、発電機1のローター位相角信号と発電機1の電圧Vg3A位相信号との差から生成する発電機1の内部位相信号を入力として、この入力信号に対して発電機1のローターの位相角信号と同相となる位相遅れ補償を行なう位相進み遅れ補償関数を含む安定化関数Gδ(S)10を備え、長周期の系統モードの電力動揺を抑制するΔδ−PSSを備えた構成としている。
【0620】
なお、その他の構成については、前記第3の実施の形態の場合と同様であるので、ここではその図示および説明を省略して、図1および図6を代用することにする。
【0621】
次に、以上のように構成した本実施の形態の複数型PSS5´の作用について説明する。
【0622】
なお、前述した第3の実施の形態と同一部分の作用についてはその説明を省略し、ここでは異なる部分の作用についてのみ述べる。
【0623】
発電機1の電力動揺の周波数が、想定した周波数からずれた場合に、電力動揺周波数検出手段51により、発電機1のローターの回転速度ω9の信号から電力動揺の周波数が検出され、定数選択手段53により、電力動揺周波数検出手段51で検出した周波数に応じて、あらかじめ種々の系統条件を想定して設計された定数の中から、発電機1のローター位相角信号と発電機1の電圧Vg3A位相信号との差から生成する発電機1の内部位相信号を入力とする並列型PSSのゲインや進み遅れ定数等の制御定数が自動的に選択される。
【0624】
この場合、系統に存在する電力動揺に対応して、その対象とする電力動揺を最も効果的に抑制するように、発電機1のローター位相角信号と発電機1の電圧Vg3A位相信号との差から生成する発電機1の内部位相信号を入力とする各並列型PSSの(式3)に示した安定化関数10を設定することにより、発電機1のローター位相角信号と発電機1の電圧Vg3A位相信号との差から生成する発電機1の内部位相信号を入力とする各並列型PSSがそれぞれの設定に対応した電力動揺を抑制するように作用することになる。
【0625】
上述したように、本実施の形態の複数型PSS5´では、設定した系統モードの周期から電力動揺モードがずれた場合に、電力動揺モードを検出して、その電力動揺のモードに対応するようにあらかじめ種々の系統条件を設定して決められた数式を使用して計算された結果から設計された制御定数に、発電機1のローター位相角信号と発電機1の電圧Vg3A位相信号との差から生成する発電機1の内部位相信号を入力とする並列型PSSのゲインや進み遅れ定数等の制御定数を自動的に変更するようにしているので、電力動揺の周波数が変化しても、電力動揺に対する最適な抑制効果を維持することが可能となる。
【0626】
(第76の実施の形態)
本実施の形態による複数型PSS5´は、前述した図7の第4の実施の形態における、並列型PSSであるΔδ−PSSとして、前記発電機1のローターの回転速度ω9の変化分Δω9Aの代わりに、発電機1のローター位相角信号と発電機1の電圧Vg3A位相信号との差から生成する発電機1の内部位相信号を入力として、この入力信号に対して発電機1のローターの位相角信号と同相となる位相遅れ補償を行なう位相進み遅れ補償関数を含む安定化関数Gδ(S)10A〜10Nを備え、長周期の系統モードの電力動揺を抑制する複数(N台)のΔδ−PSSを備えた構成としている。
【0627】
なお、その他の構成については、前記第4の実施の形態の場合と同様であるので、ここではその図示および説明を省略して、図1および図7を代用することにする。
【0628】
次に、以上のように構成した本実施の形態の複数型PSS5´の作用について説明する。
【0629】
なお、前述した第4の実施の形態と同一部分の作用についてはその説明を省略し、ここでは異なる部分の作用についてのみ述べる。
【0630】
系統に存在する電力動揺に対応して、その対象とする電力動揺を最も効果的に抑制するように、発電機1のローター位相角信号と発電機1の電圧Vg3A位相信号との差から生成する発電機1の内部位相信号を入力とする各並列型PSSの(式3)に示した安定化関数10A〜10Nの制御定数を設定することにより、発電機1のローター位相角信号と発電機1の電圧Vg3A位相信号との差から生成する発電機1の内部位相信号を入力とする各並列型PSSがそれぞれの設定に対応した電力動揺を抑制するように作用することになる。
【0631】
上述したように、本実施の形態の複数型PSS5´では、発電機1のローター位相角信号と発電機1の電圧Vg3A位相信号との差から生成する発電機1の内部位相信号を入力とし、系統に存在する電力動揺に応じて、安定化関数10A〜10Nの制御定数を変更した並列型PSSを複数備えるようにしているので、電力動揺の周期が複数存在するために、前述した第1の実施の形態ではある周期の電力動揺に対する抑制力が弱くなったり、ある周期の電力動揺が他の周期の電力動揺より強く現れるような系統に最も適したPSSである。
【0632】
このように、電力動揺が複数存在する系統に対して、同時に発生する複数の電力動揺を速やかに抑制し、系統の安定度を保つことにより、広域の電力融通を安定に行なうことが可能となる。
【0633】
(第77の実施の形態)
本実施の形態による複数型PSS5´は、前述した図8の第5の実施の形態における、並列型PSSであるΔδ−PSSとして、前記発電機1のローターの回転速度ω9の変化分Δω9Aの代わりに、発電機1のローター位相角信号と発電機1の電圧Vg3A位相信号との差から生成する発電機1の内部位相信号を入力として、この入力信号に対して発電機1のローターの位相角信号と同相となる位相遅れ補償を行なう位相進み遅れ補償関数を含む安定化関数Gδ(S)10を備え、長周期の系統モードの電力動揺を抑制する複数(本例では2台)のΔδ−PSSを備えた構成としている。
【0634】
なお、その他の構成については、前記第5の実施の形態の場合と同様であるので、ここではその図示および説明を省略して、図1および図8を代用することにする。
【0635】
次に、以上のように構成した本実施の形態の複数型PSS5´の作用について説明する。
【0636】
なお、前述した第5の実施の形態と同一部分の作用についてはその説明を省略し、ここでは異なる部分の作用についてのみ述べる。
【0637】
発電機モードの電力動揺は、主として安定化関数Gp(S)13を有するΔP−PSSと安定化関数Gw(S)14を有するΔω−PSSとを組み合わせた、従来型PSSである(ΔP+Δω)−PSSにより抑制し、周波数が大きく異なる複数の系統モードの電力動揺は、発電機1のローター位相角信号と発電機1の電圧Vg3A位相信号との差から生成する発電機1の内部位相信号を入力とし、異なる安定化関数10を有する複数の並列型PSSであるΔδ−PSSにより抑制する。
【0638】
系統に存在する電力動揺に対応して、その対象とする電力動揺を最も効果的に抑制するように、発電機1のローター位相角信号と発電機1の電圧Vg3A位相信号との差から生成する発電機1の内部位相信号を入力とする各並列型PSSの(式3)に示した安定化関数10の制御定数を設定することにより、発電機1のローター位相角信号と発電機1の電圧Vg3A位相信号との差から生成する発電機1の内部位相信号を入力とする各並列型PSSがそれぞれの設定に対応した電力動揺を抑制するように作用することになる。
【0639】
上述したように、本実施の形態の複数型PSS5´では、発電機1のローター位相角信号と発電機1の電圧Vg3A位相信号との差から生成する発電機1の内部位相信号を入力とし、系統に存在する電力動揺に応じて、異なる安定化関数10の制御定数を有する並列型PSSを複数備えるようにしているので、電力系統で発生する広い帯域の電力動揺を速やかに抑制して、電力系統を安定に保つことにより、広域の電力融通を安定に行なうことが可能となる。
【0640】
(第78の実施の形態)
本実施の形態による複数型PSS5´は、前述した図9の第6の実施の形態における、並列型PSSであるΔδ−PSSとして、前記発電機1のローターの回転速度ω9の変化分Δω9Aの代わりに、発電機1のローター位相角信号と発電機1の電圧Vg3A位相信号との差から生成する発電機1の内部位相信号を入力として、この入力信号に対して発電機1のローターの位相角信号と同相となる位相遅れ補償を行なう位相進み遅れ補償関数を含む安定化関数Gδ(S)10を備え、長周期の系統モードの電力動揺を抑制する複数(本例では2台)のΔδ−PSSを備えた構成としている。
【0641】
なお、その他の構成については、前記第6の実施の形態の場合と同様であるので、ここではその図示および説明を省略して、図1および図9を代用することにする。
【0642】
次に、以上のように構成した本実施の形態の複数型PSS5´の作用について説明する。
【0643】
なお、前述した第6の実施の形態と同一部分の作用についてはその説明を省略し、ここでは異なる部分の作用についてのみ述べる。
【0644】
発電機モードの電力動揺は、主として安定化関数Gp(S)13を有するΔP−PSSと安定化関数Gw(S)14を有するΔω−PSSとを組み合わせた、従来型PSSである(ΔP+Δω)−PSSにより抑制し、周波数が大きく異なる複数の系統モードの電力動揺は、発電機1のローター位相角信号と発電機1の電圧Vg3A位相信号との差から生成する発電機1の内部位相信号を入力とし、異なる安定化関数10を有する複数の並列型PSSであるΔδ−PSSにより抑制する。
【0645】
系統に存在する電力動揺に対応して、その対象とする電力動揺を最も効果的に抑制するように、発電機1のローター位相角信号と発電機1の電圧Vg3A位相信号との差から生成する発電機1の内部位相信号を入力とする各並列型PSSの(式3)に示した安定化関数10の制御定数を設定することにより、発電機1のローター位相角信号と発電機1の電圧Vg3A位相信号との差から生成する発電機1の内部位相信号を入力とする各並列型PSSがそれぞれの設定に対応した電力動揺を抑制するように作用することになる。
【0646】
上述したように、本実施の形態の複数型PSS5´では、発電機1のローター位相角信号と発電機1の電圧Vg3A位相信号との差から生成する発電機1の内部位相信号を入力とし、系統に存在する電力動揺に応じて、異なる安定化関数10の制御定数を有する並列型PSSを複数備えるようにしているので、電力系統で発生する広い帯域の電力動揺を速やかに抑制して、電力系統を安定に保つことにより、広域の電力融通を安定に行なうことが可能となる。
【0647】
(第79の実施の形態)
本実施の形態による複数型PSS5´は、前述した第7の実施の形態における、並列型PSSであるΔδ−PSSとして、前記発電機1のローターの回転速度ω9の変化分Δω9Aの代わりに、発電機1のローター位相角信号と発電機1の電圧Vg3A位相信号との差から生成する発電機1の内部位相信号を入力として、この入力信号に対して発電機1のローターの位相角信号と同相となる位相遅れ補償を行なう位相進み遅れ補償関数を含む安定化関数Gδ(S)10を備え、長周期の系統モードの電力動揺を抑制するΔδ−PSSを備えた構成としている。
【0648】
なお、その他の構成については、前記第7の実施の形態の場合と同様であるので、ここではその図示および説明を省略して、図1および図2を代用することにする。
【0649】
次に、以上のように構成した本実施の形態の複数型PSS5´の作用について説明する。
【0650】
なお、前述した第7の実施の形態と同一部分の作用についてはその説明を省略し、ここでは異なる部分の作用についてのみ述べる。
【0651】
複数型PSS5´では、発電機1のローター位相角信号と発電機1の電圧Vg3A位相信号との差から生成する発電機1の内部位相信号は、安定化関数Gδ(S)10を通し、複数型PSS出力信号5AとしてAVR4へ入力される。
【0652】
この場合、系統モードの電力動揺に対しては、発電機1のローター位相角信号と発電機1の電圧Vg3A位相信号との差から生成する発電機1の内部位相信号を入力とし、この電力動揺に適したように設定した安定化関数Gδ(S)10を有する並列型PSSであるΔδ−PSSにより抑制する。
【0653】
すなわち、系統モードの電力動揺のみが問題となる発電機1では、その動揺を抑制するように、発電機1のローター位相角信号と発電機1の電圧Vg3A位相信号との差から生成する発電機1の内部位相信号を入力とする複数型PSS5´を構成する並列型PSSの前記(式3)に示した安定化関数Gδ(S)10を設定することにより、系統モードの電力動揺を抑制するように作用する。
【0654】
上述したように、本実施の形態の複数型PSS5´では、発電機1のローター位相角信号と発電機1の電圧Vg3A位相信号との差から生成する発電機1の内部位相信号を入力し、短周期と比較して長周期の電力動揺である系統モードの電力動揺を主として抑制するΔδ−PSSの出力信号S3を、励磁制御系を構成するAVR4に入力するようにしているので、系統モードの電力動揺のみが存在する場合は、電力系統で発生する系統モードの電力動揺を速やかに抑制して、電力系統を安定に保つことにより、電力融通を安定に行なうことが可能となる。
【0655】
(第80の実施の形態)
本実施の形態による複数型PSS5´は、前述した第8の実施の形態における、並列型PSSであるΔδ−PSSとして、前記発電機1のローターの回転速度ω9の変化分Δω9Aの代わりに、発電機1のローター位相角信号と発電機1の電圧Vg3A位相信号との差から生成する発電機1の内部位相信号を入力として、この入力信号に対して発電機1のローターの位相角信号と同相となる位相遅れ補償を行なう位相進み遅れ補償関数を含む安定化関数Gδ(S)10を備え、長周期の系統モードの電力動揺を抑制するΔδ−PSSを備えた構成としている。
【0656】
なお、その他の構成については、前記第8の実施の形態の場合と同様であるので、ここではその図示および説明を省略して、図1および図5を代用することにする。
【0657】
次に、以上のように構成した本実施の形態の複数型PSS5´の作用について説明する。
【0658】
なお、前述した第8の実施の形態と同一部分の作用についてはその説明を省略し、ここでは異なる部分の作用についてのみ述べる。
【0659】
発電機1の電力動揺の周波数が、想定した周波数からずれた場合に、電力動揺周波数検出手段51により、発電機1のローターの回転速度ω9の信号から電力動揺の周波数が検出され、定数選択手段53により、電力動揺周波数検出手段51で検出した周波数に応じて、あらかじめ種々の系統条件を想定して設計された定数の中から、発電機1のローター位相角信号と発電機1の電圧Vg3A位相信号との差から生成する発電機1の内部位相信号を入力とする並列型PSSのゲインや進み遅れ定数等の制御定数が自動的に選択される。
【0660】
上述したように、本実施の形態の複数型PSS5´では、設定した系統モードの周期から電力動揺モードがずれた場合に、電力動揺モードを検出して、その電力動揺のモードに対応するようにあらかじめ種々の系統条件を設定して計算された結果から設計された制御定数を自動的に選択する機能を使用して、発電機1のローター位相角信号と発電機1の電圧Vg3A位相信号との差から生成する発電機1の内部位相信号を入力とする並列型PSSのゲインや進み遅れ定数等の制御定数を自動的に選択するようにしているので、電力動揺の周波数が変化しても、電力動揺に対する最適な抑制効果を維持することが可能となる。
【0661】
(第81の実施の形態)
本実施の形態による複数型PSS5´は、前述した第9の実施の形態における、並列型PSSであるΔδ−PSSとして、前記発電機1のローターの回転速度ω9の変化分Δω9Aの代わりに、発電機1のローター位相角信号と発電機1の電圧Vg3A位相信号との差から生成する発電機1の内部位相信号を入力として、この入力信号に対して発電機1のローターの位相角信号と同相となる位相遅れ補償を行なう位相進み遅れ補償関数を含む安定化関数Gδ(S)10を備え、長周期の系統モードの電力動揺を抑制するΔδ−PSSを備えた構成としている。
【0662】
なお、その他の構成については、前記第9の実施の形態の場合と同様であるので、ここではその図示および説明を省略して、図1および図6を代用することにする。
【0663】
次に、以上のように構成した本実施の形態の複数型PSS5´の作用について説明する。
【0664】
なお、前述した第9の実施の形態と同一部分の作用についてはその説明を省略し、ここでは異なる部分の作用についてのみ述べる。
【0665】
発電機1の電力動揺の周波数が、想定した周波数からずれた場合に、電力動揺周波数検出手段51により、発電機1のローターの回転速度ω9の信号から電力動揺の周波数が検出され、定数計算手段54により、電力動揺周波数検出手段51で検出した周波数に応じて、あらかじめ設定された数式を使用して、発電機1のローター位相角信号と発電機1の電圧Vg3A位相信号との差から生成する発電機1の内部位相信号を入力とする並列型PSSのゲインや進み遅れ定数等の制御定数が自動的に計算される。
【0666】
上述したように、本実施の形態の複数型PSS5´では、設定した系統モードの周期から電力動揺モードがずれた場合に、電力動揺モードを検出して、その電力動揺のモードに対応するようにあらかじめ種々の系統条件を設定して決められた数式を使用して計算された結果から設計された制御定数に、発電機1のローター位相角信号と発電機1の電圧Vg3A位相信号との差から生成する発電機1の内部位相信号を入力とする並列型PSSのゲインや進み遅れ定数等の制御定数を自動的に変更するようにしているので、電力動揺の周波数が変化しても、電力動揺に対する最適な抑制効果を維持することが可能となる。
【0667】
(第82の実施の形態)
本実施の形態による複数型PSS5´は、前述した第10の実施の形態における、並列型PSSであるΔδ−PSSとして、前記発電機1のローターの回転速度ω9の変化分Δω9Aの代わりに、発電機1のローター位相角信号と発電機1の電圧Vg3A位相信号との差から生成する発電機1の内部位相信号を入力として、この入力信号に対して発電機1のローターの位相角信号と同相となる位相遅れ補償を行なう位相進み遅れ補償関数を含む安定化関数Gδ(S)10A〜10Nを備え、長周期の系統モードの電力動揺を抑制する複数(N台)のΔδ−PSSを備えた構成としている。
【0668】
なお、その他の構成については、前記第10の実施の形態の場合と同様であるので、ここではその図示および説明を省略して、図1および図7を代用することにする。
【0669】
次に、以上のように構成した本実施の形態の複数型PSS5´の作用について説明する。
【0670】
なお、前述した第10の実施の形態と同一部分の作用についてはその説明を省略し、ここでは異なる部分の作用についてのみ述べる。
【0671】
系統に存在する電力動揺に対応して、その対象とする電力動揺を最も効果的に抑制するように、発電機1のローター位相角信号と発電機1の電圧Vg3A位相信号との差から生成する発電機1の内部位相信号を入力とする各並列型PSSの(式3)に示した安定化関数10A〜10Nの制御定数を設定することにより、発電機1のローター位相角信号と発電機1の電圧Vg3A位相信号との差から生成する発電機1の内部位相信号を入力とする各並列型PSSが、それぞれの設定に対応した電力動揺を抑制するように作用することになる。
【0672】
上述したように、本実施の形態の複数型PSS5´では、発電機1のローター位相角信号と発電機1の電圧Vg3A位相信号との差から生成する発電機1の内部位相信号を入力とし、系統に存在する電力動揺に応じて、安定化関数10A〜10Nの制御定数を変更した並列型PSSを複数備えるようにしているので、電力動揺の周期が複数存在するために、前述した第1の実施の形態ではある周期の電力動揺に対する抑制力が弱くなったり、ある周期の電力動揺が他の周期の電力動揺より強く現れるような系統に最も適したPSSである。
【0673】
このように、電力動揺が複数存在する系統に対して、同時に発生する複数の電力動揺を速やかに抑制し、系統の安定度を保つことにより、広域の電力融通を安定に行なうことが可能となる。
【0674】
(第83の実施の形態)
本実施の形態による複数型PSS5´は、前述した第11の実施の形態における、並列型PSSであるΔδ−PSSとして、前記発電機1のローターの回転速度ω9の変化分Δω9Aの代わりに、発電機1のローター位相角信号と発電機1の電圧Vg3A位相信号との差から生成する発電機1の内部位相信号を入力として、この入力信号に対して発電機1のローターの位相角信号と同相となる位相遅れ補償を行なう位相進み遅れ補償関数を含む安定化関数Gδ(S)10を備え、長周期の系統モードの電力動揺を抑制する複数(本例では2台)のΔδ−PSSを備えた構成としている。
【0675】
なお、その他の構成については、前記第11の実施の形態の場合と同様であるので、ここではその図示および説明を省略して、図1および図8を代用することにする。
【0676】
次に、以上のように構成した本実施の形態の複数型PSS5´の作用について説明する。
【0677】
なお、前述した第11の実施の形態と同一部分の作用についてはその説明を省略し、ここでは異なる部分の作用についてのみ述べる。
【0678】
昼間の重負荷時と夜間の軽負荷時で発生する電力動揺の周期が大幅に異なり、その影響が大きくなったり、融通電力量等の変化によって発生する電力動揺周期の変動が大きくなり、そのため設定した系統条件が更に厳しくなる場合に、個々の並列型PSSの安定化関数の制御定数の設定を、前述した第2の実施の形態の場合に比較して更に細かく設定する。そして、これらの並列型PSSの出力信号S3を加算して、AVR4へ複数型PSS出力信号S5を出力する。
【0679】
この場合、周波数が大きく異なる複数の系統モードの電力動揺は、発電機1のローター位相角信号と発電機1の電圧Vg3A位相信号との差から生成する発電機1の内部位相信号を入力とし、異なる安定化関数10を有する複数の並列型PSSであるΔδ−PSSにより抑制する。
【0680】
上述したように、本実施の形態の複数型PSS5´では、発電機1のローター位相角信号と発電機1の電圧Vg3A位相信号との差から生成する発電機1の内部位相信号を入力とし、系統に存在する電力動揺に応じて、異なる安定化関数10の制御定数を有する並列型PSSを複数備えるようにしているので、電力系統で発生する広い帯域の電力動揺を速やかに抑制して、電力系統を安定に保つことにより、広域の電力融通を安定に行なうことが可能となる。
【0681】
(第84の実施の形態)
本実施の形態による複数型PSS5´は、前述した第12の実施の形態における、並列型PSSであるΔδ−PSSとして、前記発電機1のローターの回転速度ω9の変化分Δω9Aの代わりに、発電機1のローター位相角信号と発電機1の電圧Vg3A位相信号との差から生成する発電機1の内部位相信号を入力として、この入力信号に対して発電機1のローターの位相角信号と同相となる位相遅れ補償を行なう位相進み遅れ補償関数を含む安定化関数Gδ(S)10を備え、長周期の系統モードの電力動揺を抑制する複数(本例では2台)のΔδ−PSSを備えた構成としている。
【0682】
なお、その他の構成については、前記第12の実施の形態の場合と同様であるので、ここではその図示および説明を省略して、図1および図9を代用することにする。
【0683】
次に、以上のように構成した本実施の形態の複数型PSS5´の作用について説明する。
【0684】
なお、前述した第12の実施の形態と同一部分の作用についてはその説明を省略し、ここでは異なる部分の作用についてのみ述べる。
【0685】
昼間の重負荷時と夜間の軽負荷時で発生する電力動揺の周期が大幅に異なり、その影響が大きくなったり、融通電力量等の変化によって発生する電力動揺周期の変動が大きくなり、そのため設定した系統条件が更に厳しくなる場合に、個々の並列型PSSの安定化関数10の制御定数の設定を、前述した第2の実施の形態の場合に比較して更に細かく設定する。そして、これらの並列型PSSの出力信号S3を加算して、AVR4へ複数型PSS出力信号S5を出力する。
【0686】
この場合、周波数が大きく異なる複数の系統モードの電力動揺は、発電機1のローター位相角信号と発電機1の電圧Vg3A位相信号との差から生成する発電機1の内部位相信号を入力とし、異なる安定化関数10を有する複数の並列型PSSであるΔδ−PSSにより抑制する。
【0687】
上述したように、本実施の形態の複数型PSS5´では、発電機1のローター位相角信号と発電機1の電圧Vg3A位相信号との差から生成する発電機1の内部位相信号を入力とし、系統に存在する電力動揺に応じて、異なる安定化関数10の制御定数を有する並列型PSSを複数備えるようにしているので、電力系統で発生する広い帯域の電力動揺を速やかに抑制して、電力系統を安定に保つことにより、広域の電力融通を安定に行なうことが可能となる。
【0688】
(第85の実施の形態)
本実施の形態による複数型PSS5´は、前述した図2の第1の実施の形態における、並列型PSSであるΔδ−PSSとして、前記発電機1のローターの回転速度ω9の変化分Δω9Aの代わりに、発電機1の電圧Vg3A信号と電流信号との組み合わせから生成する発電機1の内部電圧位相信号と、発電機1の電圧位相信号との差から生成する発電機1の内部位相信号を入力として、この入力信号に対して発電機1のローターの位相角信号と同相となる位相遅れ補償を行う位相進み遅れ補償関数を含む安定化関数Gδ(S)10を備え、長周期の系統モードの電力動揺を抑制するΔδ−PSSを備えた構成としている。
【0689】
なお、その他の構成については、前記第1の実施の形態の場合と同様であるので、ここではその図示および説明を省略して、図1および図2を代用することにする。
【0690】
次に、以上のように構成した本実施の形態の複数型PSS5´の作用について説明する。
【0691】
なお、前述した第1の実施の形態と同一部分の作用についてはその説明を省略し、ここでは異なる部分の作用についてのみ述べる。
【0692】
複数型PSS5´では、図12に示すように、有効電力8の変化分−ΔPは、安定化関数Gp(S)13を通し、発電機1の回転速度ω9の変化分Δω9Aは、安定化関数Gw(S)14を通し、発電機1の電圧Vg3A信号と電流信号との組み合わせから生成する発電機1の内部電圧位相信号と、発電機1の電圧位相信号との差から生成する発電機1の内部位相信号は、安定化関数Gδ(S)10を通して加算器A3で加算され、複数型PSS出力信号5AとしてAVR4へ入力される。
【0693】
この場合、隣接機モードと発電機モードの電力動揺は、安定化関数Gp(S)13を有するΔP−PSSと安定化関数Gw(S)14を有するΔω−PSSとを組み合わせた、従来型PSSである(ΔP+Δω)−PSSにより抑制し、また系統モードの電力動揺に対しては、発電機1の電圧Vg3A信号と電流信号との組み合わせから生成する発電機1の内部電圧位相信号と、発電機1の電圧位相信号との差から生成する発電機1の内部位相信号を入力とし、この電力動揺に適したように設定した安定化関数Gδ(S)10を有する並列型PSSであるΔδ−PSSにより抑制する。
【0694】
このような分担により、実用化されているPSSに対して、電力系統で発生する発電機モードから系統モードまでの広い帯域の電力動揺を速やかに抑制して、電力系統を安定に保つことにより、広域の電力融通を安定に行なうことができる。
【0695】
上述したように、本実施の形態の複数型PSS5´では、発電機1の有効電力P8、発電機1のローターの回転速度ωに相当する等価信号を入力し、数秒程度の短周期の電力動揺である発電機モードの電力動揺を主として抑制する(ΔP+Δω)−PSSの出力信号S1,S2と、発電機1の電圧Vg3A信号と電流信号との組み合わせから生成する発電機1の内部電圧位相信号と、発電機1の電圧位相信号との差から生成する発電機1の内部位相信号を入力し、短周期と比較して長周期の電力動揺である系統モードの電力動揺を主として抑制するΔδ−PSSの出力信号S3とを加算して、AVR4に入力するようにしているので、電力系統で発生する発電機モードから系統モードまでの広い帯域の電力動揺を速やかに抑制して、電力系統を安定に保つことにより、広域の電力融通を安定に行なうことが可能となる。
【0696】
(第86の実施の形態)
本実施の形態による複数型PSS5´は、前述した図5の第2の実施の形態における、並列型PSSであるΔδ−PSSとして、前記発電機1のローターの回転速度ω9の変化分Δω9Aの代わりに、発電機1の電圧Vg3A信号と電流信号との組み合わせから生成する発電機1の内部電圧位相信号と、発電機1の電圧位相信号との差から生成する発電機1の内部位相信号を入力として、この入力信号に対して発電機1のローターの位相角信号と同相となる位相遅れ補償を行なう位相進み遅れ補償関数を含む安定化関数Gδ(S)10を備え、長周期の系統モードの電力動揺を抑制するΔδ−PSSを備えた構成としている。
【0697】
なお、その他の構成については、前記第2の実施の形態の場合と同様であるので、ここではその図示および説明を省略して、図1および図5を代用することにする。
【0698】
次に、以上のように構成した本実施の形態の複数型PSS5´の作用について説明する。
【0699】
なお、前述した第2の実施の形態と同一部分の作用についてはその説明を省略し、ここでは異なる部分の作用についてのみ述べる。
【0700】
発電機1の電力動揺の周波数が、想定した周波数からずれた場合に、電力動揺周波数検出手段51により、発電機1のローターの回転速度ω9の信号から電力動揺の周波数が検出され、定数選択手段53により、電力動揺周波数検出手段51で検出した周波数に応じて、あらかじめ種々の系統条件を想定して設計された定数の中から、発電機1の電圧Vg3A信号と電流信号との組み合わせから生成する発電機1の内部電圧位相信号と、発電機1の電圧位相信号との差から生成する発電機1の内部位相信号を入力とする並列型PSSのゲインや進み遅れ定数等の制御定数が自動的に選択される。
【0701】
この場合、系統に存在する電力動揺に対応して、その対象とする電力動揺を最も効果的に抑制するように、発電機1の電圧Vg3A信号と電流信号との組み合わせから生成する発電機1の内部電圧位相信号と、発電機1の電圧位相信号との差から生成する発電機1の内部位相信号を入力とする各並列型PSSの(式3)に示した安定化関数10を設定することにより、発電機1の電圧Vg3A信号と電流信号との組み合わせから生成する発電機1の内部電圧位相信号と、発電機1の電圧位相信号との差から生成する発電機1の内部位相信号を入力とする各並列型PSSがそれぞれの設定に対応した電力動揺を抑制するように作用することになる。
【0702】
上述したように、本実施の形態の複数型PSS5´では、設定した系統モードの周期から電力動揺モードがずれた場合に、電力動揺モードを検出して、その電力動揺のモードに対応するようにあらかじめ種々の系統条件を設定して計算された結果から設計された制御定数を自動的に選択する機能を使用して、発電機1の電圧Vg3A信号と電流信号との組み合わせから生成する発電機1の内部電圧位相信号と、発電機1の電圧位相信号との差から生成する発電機1の内部位相信号を入力とする並列型PSSのゲインや進み遅れ定数等の制御定数を自動的に選択するようにしているので、電力動揺の周波数が変化しても、電力動揺に対する最適な抑制効果を維持することが可能となる。
【0703】
(第87の実施の形態)
本実施の形態による複数型PSS5´は、前述した図6の第3の実施の形態における、並列型PSSであるΔδ−PSSとして、前記発電機1のローターの回転速度ω9の変化分Δω9Aの代わりに、発電機1の電圧Vg3A信号と電流信号との組み合わせから生成する発電機1の内部電圧位相信号と、発電機1の電圧位相信号との差から生成する発電機1の内部位相信号を入力として、この入力信号に対して発電機1のローターの位相角信号と同相となる位相遅れ補償を行なう位相進み遅れ補償関数を含む安定化関数Gδ(S)10を備え、長周期の系統モードの電力動揺を抑制するΔδ−PSSを備えた構成としている。
【0704】
なお、その他の構成については、前記第3の実施の形態の場合と同様であるので、ここではその図示および説明を省略して、図1および図6を代用することにする。
【0705】
次に、以上のように構成した本実施の形態の複数型PSS5´の作用について説明する。
【0706】
なお、前述した第3の実施の形態と同一部分の作用についてはその説明を省略し、ここでは異なる部分の作用についてのみ述べる。
【0707】
発電機1の電力動揺の周波数が、想定した周波数からずれた場合に、電力動揺周波数検出手段51により、発電機1のローターの回転速度ω9の信号から電力動揺の周波数が検出され、定数選択手段53により、電力動揺周波数検出手段51で検出した周波数に応じて、あらかじめ種々の系統条件を想定して設計された定数の中から、発電機1の電圧Vg3A信号と電流信号との組み合わせから生成する発電機1の内部電圧位相信号と、発電機1の電圧位相信号との差から生成する発電機1の内部位相信号を入力とする並列型PSSのゲインや進み遅れ定数等の制御定数が自動的に選択される。
【0708】
この場合、系統に存在する電力動揺に対応して、その対象とする電力動揺を最も効果的に抑制するように、発電機1の電圧Vg3A信号と電流信号との組み合わせから生成する発電機1の内部電圧位相信号と、発電機1の電圧位相信号との差から生成する発電機1の内部位相信号を入力とする各並列型PSSの(式3)に示した安定化関数10を設定することにより、発電機1の電圧Vg3A信号と電流信号との組み合わせから生成する発電機1の内部電圧位相信号と、発電機1の電圧位相信号との差から生成する発電機1の内部位相信号を入力とする各並列型PSSがそれぞれの設定に対応した電力動揺を抑制するように作用することになる。
【0709】
上述したように、本実施の形態の複数型PSS5´では、設定した系統モードの周期から電力動揺モードがずれた場合に、電力動揺モードを検出して、その電力動揺のモードに対応するようにあらかじめ種々の系統条件を設定して決められた数式を使用して計算された結果から設計された制御定数に、発電機1の電圧Vg3A信号と電流信号との組み合わせから生成する発電機1の内部電圧位相信号と、発電機1の電圧位相信号との差から生成する発電機1の内部位相信号を入力とする並列型PSSのゲインや進み遅れ定数等の制御定数を自動的に変更するようにしているので、電力動揺の周波数が変化しても、電力動揺に対する最適な抑制効果を維持することが可能となる。
【0710】
(第88の実施の形態)
本実施の形態による複数型PSS5´は、前述した図7の第4の実施の形態における、並列型PSSであるΔδ−PSSとして、前記発電機1のローターの回転速度ω9の変化分Δω9Aの代わりに、発電機1の電圧Vg3A信号と電流信号との組み合わせから生成する発電機1の内部電圧位相信号と、発電機1の電圧位相信号との差から生成する発電機1の内部位相信号を入力として、この入力信号に対して発電機1のローターの位相角信号と同相となる位相遅れ補償を行なう位相進み遅れ補償関数を含む安定化関数Gδ(S)10A〜10Nを備え、長周期の系統モードの電力動揺を抑制する複数(N台)のΔδ−PSSを備えた構成としている。
【0711】
なお、その他の構成については、前記第4の実施の形態の場合と同様であるので、ここではその図示および説明を省略して、図1および図7を代用することにする。
【0712】
次に、以上のように構成した本実施の形態の複数型PSS5´の作用について説明する。
【0713】
なお、前述した第4の実施の形態と同一部分の作用についてはその説明を省略し、ここでは異なる部分の作用についてのみ述べる。
【0714】
系統に存在する電力動揺に対応して、その対象とする電力動揺を最も効果的に抑制するように、発電機1の電圧Vg3A信号と電流信号との組み合わせから生成する発電機1の内部電圧位相信号と、発電機1の電圧位相信号との差から生成する発電機1の内部位相信号を入力とする各並列型PSSの(式3)に示した安定化関数10A〜10Nの制御定数を設定することにより、発電機1の電圧Vg3A信号と電流信号との組み合わせから生成する発電機1の内部電圧位相信号と、発電機1の電圧位相信号との差から生成する発電機1の内部位相信号を入力とする各並列型PSSがそれぞれの設定に対応した電力動揺を抑制するように作用することになる。
【0715】
上述したように、本実施の形態の複数型PSS5´では、発電機1の電圧Vg3A信号と電流信号との組み合わせから生成する発電機1の内部電圧位相信号と、発電機1の電圧位相信号との差から生成する発電機1の内部位相信号を入力とし、系統に存在する電力動揺に応じて、安定化関数10A〜10Nの制御定数を変更した並列型PSSを複数備えるようにしているので、電力動揺の周期が複数存在するために、前述した第1の実施の形態ではある周期の電力動揺に対する抑制力が弱くなったり、ある周期の電力動揺が他の周期の電力動揺より強く現れるような系統に最も適したPSSである。
【0716】
このように、電力動揺が複数存在する系統に対して、同時に発生する複数の電力動揺を速やかに抑制し、系統の安定度を保つことにより、広域の電力融通を安定に行なうことが可能となる。
【0717】
(第89の実施の形態)
本実施の形態による複数型PSS5´は、前述した図8の第5の実施の形態における、並列型PSSであるΔδ−PSSとして、前記発電機1のローターの回転速度ω9の変化分Δω9Aの代わりに、発電機1の電圧Vg3A信号と電流信号との組み合わせから生成する発電機1の内部電圧位相信号と、発電機1の電圧位相信号との差から生成する発電機1の内部位相信号を入力として、この入力信号に対して発電機1のローターの位相角信号と同相となる位相遅れ補償を行なう位相進み遅れ補償関数を含む安定化関数Gδ(S)10を備え、長周期の系統モードの電力動揺を抑制する複数(本例では2台)のΔδ−PSSを備えた構成としている。
【0718】
なお、その他の構成については、前記第5の実施の形態の場合と同様であるので、ここではその図示および説明を省略して、図1および図8を代用することにする。
【0719】
次に、以上のように構成した本実施の形態の複数型PSS5´の作用について説明する。
【0720】
なお、前述した第5の実施の形態と同一部分の作用についてはその説明を省略し、ここでは異なる部分の作用についてのみ述べる。
【0721】
発電機モードの電力動揺は、主として安定化関数Gp(S)13を有するΔP−PSSと安定化関数Gw(S)14を有するΔω−PSSとを組み合わせた、従来型PSSである(ΔP+Δω)−PSSにより抑制し、周波数が大きく異なる複数の系統モードの電力動揺は、発電機1の電圧Vg3A信号と電流信号との組み合わせから生成する発電機1の内部電圧位相信号と、発電機1の電圧位相信号との差から生成する発電機1の内部位相信号を入力とし、異なる安定化関数10を有する複数の並列型PSSであるΔδ−PSSにより抑制する。
【0722】
系統に存在する電力動揺に対応して、その対象とする電力動揺を最も効果的に抑制するように、発電機1の電圧Vg3A信号と電流信号との組み合わせから生成する発電機1の内部電圧位相信号と、発電機1の電圧位相信号との差から生成する発電機1の内部位相信号を入力とする各並列型PSSの(式3)に示した安定化関数10の制御定数を設定することにより、発電機1の電圧Vg3A信号と電流信号との組み合わせから生成する発電機1の内部電圧位相信号と、発電機1の電圧位相信号との差から生成する発電機1の内部位相信号を入力とする各並列型PSSがそれぞれの設定に対応した電力動揺を抑制するように作用することになる。
【0723】
上述したように、本実施の形態の複数型PSS5´では、発電機1の電圧Vg3A信号と電流信号との組み合わせから生成する発電機1の内部電圧位相信号と、発電機1の電圧位相信号との差から生成する発電機1の内部位相信号を入力とし、系統に存在する電力動揺に応じて、異なる安定化関数10の制御定数を有する並列型PSSを複数備えるようにしているので、電力系統で発生する広い帯域の電力動揺を速やかに抑制して、電力系統を安定に保つことにより、広域の電力融通を安定に行なうことが可能となる。
【0724】
(第90の実施の形態)
本実施の形態による複数型PSS5´は、前述した図9の第6の実施の形態における、並列型PSSであるΔδ−PSSとして、前記発電機1のローターの回転速度ω9の変化分Δω9Aの代わりに、発電機1の電圧Vg3A信号と電流信号との組み合わせから生成する発電機1の内部電圧位相信号と、発電機1の電圧位相信号との差から生成する発電機1の内部位相信号を入力として、この入力信号に対して発電機1のローターの位相角信号と同相となる位相遅れ補償を行なう位相進み遅れ補償関数を含む安定化関数Gδ(S)10を備え、長周期の系統モードの電力動揺を抑制する複数(本例では2台)のΔδ−PSSを備えた構成としている。
【0725】
なお、その他の構成については、前記第6の実施の形態の場合と同様であるので、ここではその図示および説明を省略して、図1および図9を代用することにする。
【0726】
次に、以上のように構成した本実施の形態の複数型PSS5´の作用について説明する。
【0727】
なお、前述した第6の実施の形態と同一部分の作用についてはその説明を省略し、ここでは異なる部分の作用についてのみ述べる。
【0728】
発電機モードの電力動揺は、主として安定化関数Gp(S)13を有するΔP−PSSと安定化関数Gw(S)14を有するΔω−PSSとを組み合わせた、従来型PSSである(ΔP+Δω)−PSSにより抑制し、周波数が大きく異なる複数の系統モードの電力動揺は、発電機1の電圧Vg3A信号と電流信号との組み合わせから生成する発電機1の内部電圧位相信号と、発電機1の電圧位相信号との差から生成する発電機1の内部位相信号を入力とし、異なる安定化関数10を有する複数の並列型PSSであるΔδ−PSSにより抑制する。
【0729】
系統に存在する電力動揺に対応して、その対象とする電力動揺を最も効果的に抑制するように、発電機1の電圧Vg3A信号と電流信号との組み合わせから生成する発電機1の内部電圧位相信号と、発電機1の電圧位相信号との差から生成する発電機1の内部位相信号を入力とする各並列型PSSの(式3)に示した安定化関数10の制御定数を設定することにより、発電機1の電圧Vg3A信号と電流信号との組み合わせから生成する発電機1の内部電圧位相信号と、発電機1の電圧位相信号との差から生成する発電機1の内部位相信号を入力とする各並列型PSSがそれぞれの設定に対応した電力動揺を抑制するように作用することになる。
【0730】
上述したように、本実施の形態の複数型PSS5´では、発電機1の電圧Vg3A信号と電流信号との組み合わせから生成する発電機1の内部電圧位相信号と、発電機1の電圧位相信号との差から生成する発電機1の内部位相信号を入力とし、系統に存在する電力動揺に応じて、異なる安定化関数10の制御定数を有する並列型PSSを複数備えるようにしているので、電力系統で発生する広い帯域の電力動揺を速やかに抑制して、電力系統を安定に保つことにより、広域の電力融通を安定に行なうことが可能となる。
【0731】
(第91の実施の形態)
本実施の形態による複数型PSS5´は、前述した第7の実施の形態における、並列型PSSであるΔδ−PSSとして、前記発電機1のローターの回転速度ω9の変化分Δω9Aの代わりに、発電機1の電圧Vg3A信号と電流信号との組み合わせから生成する発電機1の内部電圧位相信号と、発電機1の電圧位相信号との差から生成する発電機1の内部位相信号を入力として、この入力信号に対して発電機1のローターの位相角信号と同相となる位相遅れ補償を行なう位相進み遅れ補償関数を含む安定化関数Gδ(S)10を備え、長周期の系統モードの電力動揺を抑制するΔδ−PSSを備えた構成としている。
【0732】
なお、その他の構成については、前記第7の実施の形態の場合と同様であるので、ここではその図示および説明を省略して、図1および図2を代用することにする。
【0733】
次に、以上のように構成した本実施の形態の複数型PSS5´の作用について説明する。
【0734】
なお、前述した第7の実施の形態と同一部分の作用についてはその説明を省略し、ここでは異なる部分の作用についてのみ述べる。
【0735】
複数型PSS5´では、発電機1の電圧Vg3A信号と電流信号との組み合わせから生成する発電機1の内部電圧位相信号と、発電機1の電圧位相信号との差から生成する発電機1の内部位相信号は、安定化関数Gδ(S)10を通し、複数型PSS出力信号5AとしてAVR4へ入力される。
【0736】
この場合、系統モードの電力動揺に対しては、発電機1の電圧Vg3A信号と電流信号との組み合わせから生成する発電機1の内部電圧位相信号と、発電機1の電圧位相信号との差から生成する発電機1の内部位相信号を入力とし、この電力動揺に適したように設定した安定化関数Gδ(S)10を有する並列型PSSであるΔδ−PSSにより抑制する。
【0737】
すなわち、系統モードの電力動揺のみが問題となる発電機1では、その動揺を抑制するように、発電機1の電圧Vg3A信号と電流信号との組み合わせから生成する発電機1の内部電圧位相信号と、発電機1の電圧位相信号との差から生成する発電機1の内部位相信号を入力とする複数型PSS5´を構成する並列型PSSの前記(式3)に示した安定化関数Gδ(S)10を設定することにより、系統モードの電力動揺を抑制するように作用する。
【0738】
上述したように、本実施の形態の複数型PSS5´では、発電機1の電圧Vg3A信号と電流信号との組み合わせから生成する発電機1の内部電圧位相信号と、発電機1の電圧位相信号との差から生成する発電機1の内部位相信号を入力し、短周期と比較して長周期の電力動揺である系統モードの電力動揺を主として抑制するΔδ−PSSの出力信号S3を、励磁制御系を構成するAVR4に入力するようにしているので、系統モードの電力動揺のみが存在する場合は、電力系統で発生する系統モードの電力動揺を速やかに抑制して、電力系統を安定に保つことにより、電力融通を安定に行なうことが可能となる。
【0739】
(第92の実施の形態)
本実施の形態による複数型PSS5´は、前述した第8の実施の形態における、並列型PSSであるΔδ−PSSとして、前記発電機1のローターの回転速度ω9の変化分Δω9Aの代わりに、発電機1の電圧Vg3A信号と電流信号との組み合わせから生成する発電機1の内部電圧位相信号と、発電機1の電圧位相信号との差から生成する発電機1の内部位相信号を入力として、この入力信号に対して発電機1のローターの位相角信号と同相となる位相遅れ補償を行なう位相進み遅れ補償関数を含む安定化関数Gδ(S)10を備え、長周期の系統モードの電力動揺を抑制するΔδ−PSSを備えた構成としている。
【0740】
なお、その他の構成については、前記第8の実施の形態の場合と同様であるので、ここではその図示および説明を省略して、図1および図5を代用することにする。
【0741】
次に、以上のように構成した本実施の形態の複数型PSS5´の作用について説明する。
【0742】
なお、前述した第8の実施の形態と同一部分の作用についてはその説明を省略し、ここでは異なる部分の作用についてのみ述べる。
【0743】
発電機1の電力動揺の周波数が、想定した周波数からずれた場合に、電力動揺周波数検出手段51により、発電機1のローターの回転速度ω9の信号から電力動揺の周波数が検出され、定数選択手段53により、電力動揺周波数検出手段51で検出した周波数に応じて、あらかじめ種々の系統条件を想定して設計された定数の中から、発電機1の電圧Vg3A信号と電流信号との組み合わせから生成する発電機1の内部電圧位相信号と、発電機1の電圧位相信号との差から生成する発電機1の内部位相信号を入力とする並列型PSSのゲインや進み遅れ定数等の制御定数が自動的に選択される。
【0744】
上述したように、本実施の形態の複数型PSS5´では、設定した系統モードの周期から電力動揺モードがずれた場合に、電力動揺モードを検出して、その電力動揺のモードに対応するようにあらかじめ種々の系統条件を設定して計算された結果から設計された制御定数を自動的に選択する機能を使用して、発電機1の電圧Vg3A信号と電流信号との組み合わせから生成する発電機1の内部電圧位相信号と、発電機1の電圧位相信号との差から生成する発電機1の内部位相信号を入力とする並列型PSSのゲインや進み遅れ定数等の制御定数を自動的に選択するようにしているので、電力動揺の周波数が変化しても、電力動揺に対する最適な抑制効果を維持することが可能となる。
【0745】
(第93の実施の形態)
本実施の形態による複数型PSS5´は、前述した第9の実施の形態における、並列型PSSであるΔδ−PSSとして、前記発電機1のローターの回転速度ω9の変化分Δω9Aの代わりに、発電機1の電圧Vg3A信号と電流信号との組み合わせから生成する発電機1の内部電圧位相信号と、発電機1の電圧位相信号との差から生成する発電機1の内部位相信号を入力として、この入力信号に対して発電機1のローターの位相角信号と同相となる位相遅れ補償を行なう位相進み遅れ補償関数を含む安定化関数Gδ(S)10を備え、長周期の系統モードの電力動揺を抑制するΔδ−PSSを備えた構成としている。
【0746】
なお、その他の構成については、前記第9の実施の形態の場合と同様であるので、ここではその図示および説明を省略して、図1および図6を代用することにする。
【0747】
次に、以上のように構成した本実施の形態の複数型PSS5´の作用について説明する。
【0748】
なお、前述した第9の実施の形態と同一部分の作用についてはその説明を省略し、ここでは異なる部分の作用についてのみ述べる。
【0749】
発電機1の電力動揺の周波数が、想定した周波数からずれた場合に、電力動揺周波数検出手段51により、発電機1のローターの回転速度ω9の信号から電力動揺の周波数が検出され、定数計算手段54により、電力動揺周波数検出手段51で検出した周波数に応じて、あらかじめ設定された数式を使用して、発電機1の電圧Vg3A信号と電流信号との組み合わせから生成する発電機1の内部電圧位相信号と、発電機1の電圧位相信号との差から生成する発電機1の内部位相信号を入力とする並列型PSSのゲインや進み遅れ定数等の制御定数が自動的に計算される。
【0750】
上述したように、本実施の形態の複数型PSS5´では、設定した系統モードの周期から電力動揺モードがずれた場合に、電力動揺モードを検出して、その電力動揺のモードに対応するようにあらかじめ種々の系統条件を設定して決められた数式を使用して計算された結果から設計された制御定数に、発電機1の電圧Vg3A信号と電流信号との組み合わせから生成する発電機1の内部電圧位相信号と、発電機1の電圧位相信号との差から生成する発電機1の内部位相信号を入力とする並列型PSSのゲインや進み遅れ定数等の制御定数を自動的に変更するようにしているので、電力動揺の周波数が変化しても、電力動揺に対する最適な抑制効果を維持することが可能となる。
【0751】
(第94の実施の形態)
本実施の形態による複数型PSS5´は、前述した第10の実施の形態における、並列型PSSであるΔδ−PSSとして、前記発電機1のローターの回転速度ω9の変化分Δω9Aの代わりに、発電機1の電圧Vg3A信号と電流信号との組み合わせから生成する発電機1の内部電圧位相信号と、発電機1の電圧位相信号との差から生成する発電機1の内部位相信号を入力として、この入力信号に対して発電機1のローターの位相角信号と同相となる位相遅れ補償を行なう位相進み遅れ補償関数を含む安定化関数Gδ(S)10A〜10Nを備え、長周期の系統モードの電力動揺を抑制する複数(N台)のΔδ−PSSを備えた構成としている。
【0752】
なお、その他の構成については、前記第10の実施の形態の場合と同様であるので、ここではその図示および説明を省略して、図1および図7を代用することにする。
【0753】
次に、以上のように構成した本実施の形態の複数型PSS5´の作用について説明する。
【0754】
なお、前述した第10の実施の形態と同一部分の作用についてはその説明を省略し、ここでは異なる部分の作用についてのみ述べる。
【0755】
系統に存在する電力動揺に対応して、その対象とする電力動揺を最も効果的に抑制するように、発電機1の電圧Vg3A信号と電流信号との組み合わせから生成する発電機1の内部電圧位相信号と、発電機1の電圧位相信号との差から生成する発電機1の内部位相信号を入力とする各並列型PSSの(式3)に示した安定化関数10A〜10Nの制御定数を設定することにより、発電機1の電圧Vg3A信号と電流信号との組み合わせから生成する発電機1の内部電圧位相信号と、発電機1の電圧位相信号との差から生成する発電機1の内部位相信号を入力とする各並列型PSSが、それぞれの設定に対応した電力動揺を抑制するように作用することになる。
【0756】
上述したように、本実施の形態の複数型PSS5´では、発電機1の電圧Vg3A信号と電流信号との組み合わせから生成する発電機1の内部電圧位相信号と、発電機1の電圧位相信号との差から生成する発電機1の内部位相信号を入力とし、系統に存在する電力動揺に応じて、安定化関数10A〜10Nの制御定数を変更した並列型PSSを複数備えるようにしているので、電力動揺の周期が複数存在するために、前述した第1の実施の形態ではある周期の電力動揺に対する抑制力が弱くなったり、ある周期の電力動揺が他の周期の電力動揺より強く現れるような系統に最も適したPSSである。
【0757】
このように、電力動揺が複数存在する系統に対して、同時に発生する複数の電力動揺を速やかに抑制し、系統の安定度を保つことにより、広域の電力融通を安定に行なうことが可能となる。
【0758】
(第95の実施の形態)
本実施の形態による複数型PSS5´は、前述した第11の実施の形態における、並列型PSSであるΔδ−PSSとして、前記発電機1のローターの回転速度ω9の変化分Δω9Aの代わりに、発電機1の電圧Vg3A信号と電流信号との組み合わせから生成する発電機1の内部電圧位相信号と、発電機1の電圧位相信号との差から生成する発電機1の内部位相信号を入力として、この入力信号に対して発電機1のローターの位相角信号と同相となる位相遅れ補償を行なう位相進み遅れ補償関数を含む安定化関数Gδ(S)10を備え、長周期の系統モードの電力動揺を抑制する複数(本例では2台)のΔδ−PSSを備えた構成としている。
【0759】
なお、その他の構成については、前記第11の実施の形態の場合と同様であるので、ここではその図示および説明を省略して、図1および図8を代用することにする。
【0760】
次に、以上のように構成した本実施の形態の複数型PSS5´の作用について説明する。
【0761】
なお、前述した第11の実施の形態と同一部分の作用についてはその説明を省略し、ここでは異なる部分の作用についてのみ述べる。
【0762】
昼間の重負荷時と夜間の軽負荷時で発生する電力動揺の周期が大幅に異なり、その影響が大きくなったり、融通電力量等の変化によって発生する電力動揺周期の変動が大きくなり、そのため設定した系統条件が更に厳しくなる場合に、個々の並列型PSSの安定化関数の制御定数の設定を、前述した第2の実施の形態の場合に比較して更に細かく設定する。そして、これらの並列型PSSの出力信号S3を加算して、AVR4へ複数型PSS出力信号S5を出力する。
【0763】
この場合、周波数が大きく異なる複数の系統モードの電力動揺は、発電機1の電圧Vg3A信号と電流信号との組み合わせから生成する発電機1の内部電圧位相信号と、発電機1の電圧位相信号との差から生成する発電機1の内部位相信号を入力とし、異なる安定化関数10を有する複数の並列型PSSであるΔδ−PSSにより抑制する。
【0764】
上述したように、本実施の形態の複数型PSS5´では、発電機1の電圧Vg3A信号と電流信号との組み合わせから生成する発電機1の内部電圧位相信号と、発電機1の電圧位相信号との差から生成する発電機1の内部位相信号を入力とし、系統に存在する電力動揺に応じて、異なる安定化関数10の制御定数を有する並列型PSSを複数備えるようにしているので、電力系統で発生する広い帯域の電力動揺を速やかに抑制して、電力系統を安定に保つことにより、広域の電力融通を安定に行なうことが可能となる。
【0765】
(第96の実施の形態)
本実施の形態による複数型PSS5´は、前述した第12の実施の形態における、並列型PSSであるΔδ−PSSとして、前記発電機1のローターの回転速度ω9の変化分Δω9Aの代わりに、発電機1の電圧Vg3A信号と電流信号との組み合わせから生成する発電機1の内部電圧位相信号と、発電機1の電圧位相信号との差から生成する発電機1の内部位相信号を入力として、この入力信号に対して発電機1のローターの位相角信号と同相となる位相遅れ補償を行なう位相進み遅れ補償関数を含む安定化関数Gδ(S)10を備え、長周期の系統モードの電力動揺を抑制する複数(本例では2台)のΔδ−PSSを備えた構成としている。
【0766】
なお、その他の構成については、前記第12の実施の形態の場合と同様であるので、ここではその図示および説明を省略して、図1および図9を代用することにする。
【0767】
次に、以上のように構成した本実施の形態の複数型PSS5´の作用について説明する。
【0768】
なお、前述した第12の実施の形態と同一部分の作用についてはその説明を省略し、ここでは異なる部分の作用についてのみ述べる。
【0769】
昼間の重負荷時と夜間の軽負荷時で発生する電力動揺の周期が大幅に異なり、その影響が大きくなったり、融通電力量等の変化によって発生する電力動揺周期の変動が大きくなり、そのため設定した系統条件が更に厳しくなる場合に、個々の並列型PSSの安定化関数10の制御定数の設定を、前述した第2の実施の形態の場合に比較して更に細かく設定する。そして、これらの並列型PSSの出力信号S3を加算して、AVR4へ複数型PSS出力信号S5を出力する。
【0770】
この場合、周波数が大きく異なる複数の系統モードの電力動揺は、発電機1の電圧Vg3A信号と電流信号との組み合わせから生成する発電機1の内部電圧位相信号と、発電機1の電圧位相信号との差から生成する発電機1の内部位相信号を入力とし、異なる安定化関数10を有する複数の並列型PSSであるΔδ−PSSにより抑制する。
【0771】
上述したように、本実施の形態の複数型PSS5´では、発電機1の電圧Vg3A信号と電流信号との組み合わせから生成する発電機1の内部電圧位相信号と、発電機1の電圧位相信号との差から生成する発電機1の内部位相信号を入力とし、系統に存在する電力動揺に応じて、異なる安定化関数10の制御定数を有する並列型PSSを複数備えるようにしているので、電力系統で発生する広い帯域の電力動揺を速やかに抑制して、電力系統を安定に保つことにより、広域の電力融通を安定に行なうことが可能となる。
【0772】
(第97の実施の形態)
本実施の形態による複数型PSS5´は、前述した図2の第1の実施の形態における、並列型PSSであるΔδ−PSSとして、前記発電機1のローターの回転速度ω9の変化分Δω9Aの代わりに、発電機1の電圧Vg3A信号と電流信号との組み合わせから生成する発電機1の内部電圧位相信号を入力として、この入力信号に対して発電機1のローターの位相角信号と同相となる位相遅れ補償を行なう位相進み遅れ補償関数を含む安定化関数Gδ(S)10を備え、長周期の系統モードの電力動揺を抑制するΔδ−PSSを備えた構成としている。
【0773】
なお、その他の構成については、前記第1の実施の形態の場合と同様であるので、ここではその図示および説明を省略して、図1および図2を代用することにする。
【0774】
次に、以上のように構成した本実施の形態の複数型PSS5´の作用について説明する。
【0775】
なお、前述した第1の実施の形態と同一部分の作用についてはその説明を省略し、ここでは異なる部分の作用についてのみ述べる。
【0776】
複数型PSS5´では、図12に示すように、有効電力8の変化分−ΔPは、安定化関数Gp(S)13を通し、発電機1の回転速度ω9の変化分Δω9Aは、安定化関数Gw(S)14を通し、発電機1の電圧Vg3A信号と電流信号との組み合わせから生成する発電機1の内部電圧位相信号は、安定化関数Gδ(S)10を通して加算器A3で加算され、複数型PSS出力信号5AとしてAVR4へ入力される。
【0777】
この場合、隣接機モードと発電機モードの電力動揺は、安定化関数Gp(S)13を有するΔP−PSSと安定化関数Gw(S)14を有するΔω−PSSとを組み合わせた、従来型PSSである(ΔP+Δω)−PSSにより抑制し、また系統モードの電力動揺に対しては、発電機1の電圧Vg3A信号と電流信号との組み合わせから生成する発電機1の内部電圧位相信号を入力とし、この電力動揺に適したように設定した安定化関数Gδ(S)10を有する並列型PSSであるΔδ−PSSにより抑制する。
【0778】
このような分担により、実用化されているPSSに対して、電力系統で発生する発電機モードから系統モードまでの広い帯域の電力動揺を速やかに抑制して、電力系統を安定に保つことにより、広域の電力融通を安定に行なうことができる。
【0779】
上述したように、本実施の形態の複数型PSS5´では、発電機1の有効電力P8、発電機1のローターの回転速度ωに相当する等価信号を入力し、数秒程度の短周期の電力動揺である発電機モードの電力動揺を主として抑制する(ΔP+Δω)−PSSの出力信号S1,S2と、発電機1の電圧Vg3A信号と電流信号との組み合わせから生成する発電機1の内部電圧位相信号を入力し、短周期と比較して長周期の電力動揺である系統モードの電力動揺を主として抑制するΔδ−PSSの出力信号S3とを加算して、AVR4に入力するようにしているので、電力系統で発生する発電機モードから系統モードまでの広い帯域の電力動揺を速やかに抑制して、電力系統を安定に保つことにより、広域の電力融通を安定に行なうことが可能となる。
【0780】
(第98の実施の形態)
本実施の形態による複数型PSS5´は、前述した図5の第2の実施の形態における、並列型PSSであるΔδ−PSSとして、前記発電機1のローターの回転速度ω9の変化分Δω9Aの代わりに、発電機1の電圧Vg3A信号と電流信号との組み合わせから生成する発電機1の内部電圧位相信号を入力として、この入力信号に対して発電機1のローターの位相角信号と同相となる位相遅れ補償を行なう位相進み遅れ補償関数を含む安定化関数Gδ(S)10を備え、長周期の系統モードの電力動揺を抑制するΔδ−PSSを備えた構成としている。
【0781】
なお、その他の構成については、前記第2の実施の形態の場合と同様であるので、ここではその図示および説明を省略して、図1および図5を代用することにする。
【0782】
次に、以上のように構成した本実施の形態の複数型PSS5´の作用について説明する。
【0783】
なお、前述した第2の実施の形態と同一部分の作用についてはその説明を省略し、ここでは異なる部分の作用についてのみ述べる。
【0784】
発電機1の電力動揺の周波数が、想定した周波数からずれた場合に、電力動揺周波数検出手段51により、発電機1のローターの回転速度ω9の信号から電力動揺の周波数が検出され、定数選択手段53により、電力動揺周波数検出手段51で検出した周波数に応じて、あらかじめ種々の系統条件を想定して設計された定数の中から、発電機1の電圧Vg3A信号と電流信号との組み合わせから生成する発電機1の内部電圧位相信号を入力とする並列型PSSのゲインや進み遅れ定数等の制御定数が自動的に選択される。
【0785】
この場合、系統に存在する電力動揺に対応して、その対象とする電力動揺を最も効果的に抑制するように、発電機1の電圧Vg3A信号と電流信号との組み合わせから生成する発電機1の内部電圧位相信号を入力とする各並列型PSSの(式3)に示した安定化関数10を設定することにより、発電機1の電圧Vg3A信号と電流信号との組み合わせから生成する発電機1の内部電圧位相信号を入力とする各並列型PSSがそれぞれの設定に対応した電力動揺を抑制するように作用することになる。
【0786】
上述したように、本実施の形態の複数型PSS5´では、設定した系統モードの周期から電力動揺モードがずれた場合に、電力動揺モードを検出して、その電力動揺のモードに対応するようにあらかじめ種々の系統条件を設定して計算された結果から設計された制御定数を自動的に選択する機能を使用して、発電機1の電圧Vg3A信号と電流信号との組み合わせから生成する発電機1の内部電圧位相信号を入力とする並列型PSSのゲインや進み遅れ定数等の制御定数を自動的に選択するようにしているので、電力動揺の周波数が変化しても、電力動揺に対する最適な抑制効果を維持することが可能となる。
【0787】
(第99の実施の形態)
本実施の形態による複数型PSS5´は、前述した図6の第3の実施の形態における、並列型PSSであるΔδ−PSSとして、前記発電機1のローターの回転速度ω9の変化分Δω9Aの代わりに、発電機1の電圧Vg3A信号と電流信号との組み合わせから生成する発電機1の内部電圧位相信号を入力として、この入力信号に対して発電機1のローターの位相角信号と同相となる位相遅れ補償を行なう位相進み遅れ補償関数を含む安定化関数Gδ(S)10を備え、長周期の系統モードの電力動揺を抑制するΔδ−PSSを備えた構成としている。
【0788】
なお、その他の構成については、前記第3の実施の形態の場合と同様であるので、ここではその図示および説明を省略して、図1および図6を代用することにする。
【0789】
次に、以上のように構成した本実施の形態の複数型PSS5´の作用について説明する。
【0790】
なお、前述した第3の実施の形態と同一部分の作用についてはその説明を省略し、ここでは異なる部分の作用についてのみ述べる。
【0791】
発電機1の電力動揺の周波数が、想定した周波数からずれた場合に、電力動揺周波数検出手段51により、発電機1のローターの回転速度ω9の信号から電力動揺の周波数が検出され、定数選択手段53により、電力動揺周波数検出手段51で検出した周波数に応じて、あらかじめ種々の系統条件を想定して設計された定数の中から、発電機1の電圧Vg3A信号と電流信号との組み合わせから生成する発電機1の内部電圧位相信号を入力とする並列型PSSのゲインや進み遅れ定数等の制御定数が自動的に選択される。
【0792】
この場合、系統に存在する電力動揺に対応して、その対象とする電力動揺を最も効果的に抑制するように、発電機1の電圧Vg3A信号と電流信号との組み合わせから生成する発電機1の内部電圧位相信号を入力とする各並列型PSSの(式3)に示した安定化関数10を設定することにより、発電機1の電圧Vg3A信号と電流信号との組み合わせから生成する発電機1の内部電圧位相信号を入力とする各並列型PSSがそれぞれの設定に対応した電力動揺を抑制するように作用することになる。
【0793】
上述したように、本実施の形態の複数型PSS5´では、設定した系統モードの周期から電力動揺モードがずれた場合に、電力動揺モードを検出して、その電力動揺のモードに対応するようにあらかじめ種々の系統条件を設定して決められた数式を使用して計算された結果から設計された制御定数に、発電機1の電圧Vg3A信号と電流信号との組み合わせから生成する発電機1の内部電圧位相信号を入力とする並列型PSSのゲインや進み遅れ定数等の制御定数を自動的に変更するようにしているので、電力動揺の周波数が変化しても、電力動揺に対する最適な抑制効果を維持することが可能となる。
【0794】
(第100の実施の形態)
本実施の形態による複数型PSS5´は、前述した図7の第4の実施の形態における、並列型PSSであるΔδ−PSSとして、前記発電機1のローターの回転速度ω9の変化分Δω9Aの代わりに、発電機1の電圧Vg3A信号と電流信号との組み合わせから生成する発電機1の内部電圧位相信号を入力として、この入力信号に対して発電機1のローターの位相角信号と同相となる位相遅れ補償を行なう位相進み遅れ補償関数を含む安定化関数Gδ(S)10A〜10Nを備え、長周期の系統モードの電力動揺を抑制する複数(N台)のΔδ−PSSを備えた構成としている。
【0795】
なお、その他の構成については、前記第4の実施の形態の場合と同様であるので、ここではその図示および説明を省略して、図1および図7を代用することにする。
【0796】
次に、以上のように構成した本実施の形態の複数型PSS5´の作用について説明する。
【0797】
なお、前述した第4の実施の形態と同一部分の作用についてはその説明を省略し、ここでは異なる部分の作用についてのみ述べる。
【0798】
系統に存在する電力動揺に対応して、その対象とする電力動揺を最も効果的に抑制するように、発電機1の電圧Vg3A信号と電流信号との組み合わせから生成する発電機1の内部電圧位相信号を入力とする各並列型PSSの(式3)に示した安定化関数10A〜10Nの制御定数を設定することにより、発電機1の電圧Vg3A信号と電流信号との組み合わせから生成する発電機1の内部電圧位相信号を入力とする各並列型PSSがそれぞれの設定に対応した電力動揺を抑制するように作用することになる。
【0799】
上述したように、本実施の形態の複数型PSS5´では、発電機1の電圧Vg3A信号と電流信号との組み合わせから生成する発電機1の内部電圧位相信号を入力とし、系統に存在する電力動揺に応じて、安定化関数10A〜10Nの制御定数を変更した並列型PSSを複数備えるようにしているので、電力動揺の周期が複数存在するために、前述した第1の実施の形態ではある周期の電力動揺に対する抑制力が弱くなったり、ある周期の電力動揺が他の周期の電力動揺より強く現れるような系統に最も適したPSSである。
【0800】
このように、電力動揺が複数存在する系統に対して、同時に発生する複数の電力動揺を速やかに抑制し、系統の安定度を保つことにより、広域の電力融通を安定に行なうことが可能となる。
【0801】
(第101の実施の形態)
本実施の形態による複数型PSS5´は、前述した図8の第5の実施の形態における、並列型PSSであるΔδ−PSSとして、前記発電機1のローターの回転速度ω9の変化分Δω9Aの代わりに、発電機1の電圧Vg3A信号と電流信号との組み合わせから生成する発電機1の内部電圧位相信号を入力として、この入力信号に対して発電機1のローターの位相角信号と同相となる位相遅れ補償を行なう位相進み遅れ補償関数を含む安定化関数Gδ(S)10を備え、長周期の系統モードの電力動揺を抑制する複数(本例では2台)のΔδ−PSSを備えた構成としている。
【0802】
なお、その他の構成については、前記第5の実施の形態の場合と同様であるので、ここではその図示および説明を省略して、図1および図8を代用することにする。
【0803】
次に、以上のように構成した本実施の形態の複数型PSS5´の作用について説明する。
【0804】
なお、前述した第5の実施の形態と同一部分の作用についてはその説明を省略し、ここでは異なる部分の作用についてのみ述べる。
【0805】
発電機モードの電力動揺は、主として安定化関数Gp(S)13を有するΔP−PSSと安定化関数Gw(S)14を有するΔω−PSSとを組み合わせた、従来型PSSである(ΔP+Δω)−PSSにより抑制し、周波数が大きく異なる複数の系統モードの電力動揺は、発電機1の電圧Vg3A信号と電流信号との組み合わせから生成する発電機1の内部電圧位相信号を入力とし、異なる安定化関数10を有する複数の並列型PSSであるΔδ−PSSにより抑制する。
【0806】
系統に存在する電力動揺に対応して、その対象とする電力動揺を最も効果的に抑制するように、発電機1の電圧Vg3A信号と電流信号との組み合わせから生成する発電機1の内部電圧位相信号を入力とする各並列型PSSの(式3)に示した安定化関数10の制御定数を設定することにより、発電機1の電圧Vg3A信号と電流信号との組み合わせから生成する発電機1の内部電圧位相信号を入力とする各並列型PSSがそれぞれの設定に対応した電力動揺を抑制するように作用することになる。
【0807】
上述したように、本実施の形態の複数型PSS5´では、発電機1の電圧Vg3A信号と電流信号との組み合わせから生成する発電機1の内部電圧位相信号を入力とし、系統に存在する電力動揺に応じて、異なる安定化関数10の制御定数を有する並列型PSSを複数備えるようにしているので、電力系統で発生する広い帯域の電力動揺を速やかに抑制して、電力系統を安定に保つことにより、広域の電力融通を安定に行なうことが可能となる。
【0808】
(第102の実施の形態)
本実施の形態による複数型PSS5´は、前述した図9の第6の実施の形態における、並列型PSSであるΔδ−PSSとして、前記発電機1のローターの回転速度ω9の変化分Δω9Aの代わりに、発電機1の電圧Vg3A信号と電流信号との組み合わせから生成する発電機1の内部電圧位相信号を入力として、この入力信号に対して発電機1のローターの位相角信号と同相となる位相遅れ補償を行なう位相進み遅れ補償関数を含む安定化関数Gδ(S)10を備え、長周期の系統モードの電力動揺を抑制する複数(本例では2台)のΔδ−PSSを備えた構成としている。
【0809】
なお、その他の構成については、前記第6の実施の形態の場合と同様であるので、ここではその図示および説明を省略して、図1および図9を代用することにする。
【0810】
次に、以上のように構成した本実施の形態の複数型PSS5´の作用について説明する。
【0811】
なお、前述した第6の実施の形態と同一部分の作用についてはその説明を省略し、ここでは異なる部分の作用についてのみ述べる。
【0812】
発電機モードの電力動揺は、主として安定化関数Gp(S)13を有するΔP−PSSと安定化関数Gw(S)14を有するΔω−PSSとを組み合わせた、従来型PSSである(ΔP+Δω)−PSSにより抑制し、周波数が大きく異なる複数の系統モードの電力動揺は、発電機1の電圧Vg3A信号と電流信号との組み合わせから生成する発電機1の内部電圧位相信号を入力とし、異なる安定化関数10を有する複数の並列型PSSであるΔδ−PSSにより抑制する。
【0813】
系統に存在する電力動揺に対応して、その対象とする電力動揺を最も効果的に抑制するように、発電機1の電圧Vg3A信号と電流信号との組み合わせから生成する発電機1の内部電圧位相信号を入力とする各並列型PSSの(式3)に示した安定化関数10の制御定数を設定することにより、発電機1の電圧Vg3A信号と電流信号との組み合わせから生成する発電機1の内部電圧位相信号を入力とする各並列型PSSがそれぞれの設定に対応した電力動揺を抑制するように作用することになる。
【0814】
上述したように、本実施の形態の複数型PSS5´では、発電機1の電圧Vg3A信号と電流信号との組み合わせから生成する発電機1の内部電圧位相信号を入力とし、系統に存在する電力動揺に応じて、異なる安定化関数10の制御定数を有する並列型PSSを複数備えるようにしているので、電力系統で発生する広い帯域の電力動揺を速やかに抑制して、電力系統を安定に保つことにより、広域の電力融通を安定に行なうことが可能となる。
【0815】
(第103の実施の形態)
本実施の形態による複数型PSS5´は、前述した第7の実施の形態における、並列型PSSであるΔδ−PSSとして、前記発電機1のローターの回転速度ω9の変化分Δω9Aの代わりに、発電機1の電圧Vg3A信号と電流信号との組み合わせから生成する発電機1の内部電圧位相信号を入力として、この入力信号に対して発電機1のローターの位相角信号と同相となる位相遅れ補償を行なう位相進み遅れ補償関数を含む安定化関数Gδ(S)10を備え、長周期の系統モードの電力動揺を抑制するΔδ−PSSを備えた構成としている。
【0816】
なお、その他の構成については、前記第7の実施の形態の場合と同様であるので、ここではその図示および説明を省略して、図1および図2を代用することにする。
【0817】
次に、以上のように構成した本実施の形態の複数型PSS5´の作用について説明する。
【0818】
なお、前述した第7の実施の形態と同一部分の作用についてはその説明を省略し、ここでは異なる部分の作用についてのみ述べる。
【0819】
複数型PSS5´では、発電機1の電圧Vg3A信号と電流信号との組み合わせから生成する発電機1の内部電圧位相信号は、安定化関数Gδ(S)10を通し、複数型PSS出力信号5AとしてAVR4へ入力される。
【0820】
この場合、系統モードの電力動揺に対しては、発電機1の電圧Vg3A信号と電流信号との組み合わせから生成する発電機1の内部電圧位相信号を入力とし、この電力動揺に適したように設定した安定化関数Gδ(S)10を有する並列型PSSであるΔδ−PSSにより抑制する。
【0821】
すなわち、系統モードの電力動揺のみが問題となる発電機1では、その動揺を抑制するように、発電機1の電圧Vg3A信号と電流信号との組み合わせから生成する発電機1の内部電圧位相信号を入力とする複数型PSS5´を構成する並列型PSSの前記(式3)に示した安定化関数Gδ(S)10を設定することにより、系統モードの電力動揺を抑制するように作用する。
【0822】
上述したように、本実施の形態の複数型PSS5´では、発電機1の電圧Vg3A信号と電流信号との組み合わせから生成する発電機1の内部電圧位相信号を入力し、短周期と比較して長周期の電力動揺である系統モードの電力動揺を主として抑制するΔδ−PSSの出力信号S3を、励磁制御系を構成するAVR4に入力するようにしているので、系統モードの電力動揺のみが存在する場合は、電力系統で発生する系統モードの電力動揺を速やかに抑制して、電力系統を安定に保つことにより、電力融通を安定に行なうことが可能となる。
【0823】
(第104の実施の形態)
本実施の形態による複数型PSS5´は、前述した第8の実施の形態における、並列型PSSであるΔδ−PSSとして、前記発電機1のローターの回転速度ω9の変化分Δω9Aの代わりに、発電機1の電圧Vg3A信号と電流信号との組み合わせから生成する発電機1の内部電圧位相信号を入力として、この入力信号に対して発電機1のローターの位相角信号と同相となる位相遅れ補償を行なう位相進み遅れ補償関数を含む安定化関数Gδ(S)10を備え、長周期の系統モードの電力動揺を抑制するΔδ−PSSを備えた構成としている。
【0824】
なお、その他の構成については、前記第8の実施の形態の場合と同様であるので、ここではその図示および説明を省略して、図1および図5を代用することにする。
【0825】
次に、以上のように構成した本実施の形態の複数型PSS5´の作用について説明する。
【0826】
なお、前述した第8の実施の形態と同一部分の作用についてはその説明を省略し、ここでは異なる部分の作用についてのみ述べる。
【0827】
発電機1の電力動揺の周波数が、想定した周波数からずれた場合に、電力動揺周波数検出手段51により、発電機1のローターの回転速度ω9の信号から電力動揺の周波数が検出され、定数選択手段53により、電力動揺周波数検出手段51で検出した周波数に応じて、あらかじめ種々の系統条件を想定して設計された定数の中から、発電機1の電圧Vg3A信号と電流信号との組み合わせから生成する発電機1の内部電圧位相信号を入力とする並列型PSSのゲインや進み遅れ定数等の制御定数が自動的に選択される。
【0828】
上述したように、本実施の形態の複数型PSS5´では、設定した系統モードの周期から電力動揺モードがずれた場合に、電力動揺モードを検出して、その電力動揺のモードに対応するようにあらかじめ種々の系統条件を設定して計算された結果から設計された制御定数を自動的に選択する機能を使用して、発電機1の電圧Vg3A信号と電流信号との組み合わせから生成する発電機1の内部電圧位相信号を入力とする並列型PSSのゲインや進み遅れ定数等の制御定数を自動的に選択するようにしているので、電力動揺の周波数が変化しても、電力動揺に対する最適な抑制効果を維持することが可能となる。
【0829】
(第105の実施の形態)
本実施の形態による複数型PSS5´は、前述した第9の実施の形態における、並列型PSSであるΔδ−PSSとして、前記発電機1のローターの回転速度ω9の変化分Δω9Aの代わりに、発電機1の電圧Vg3A信号と電流信号との組み合わせから生成する発電機1の内部電圧位相信号を入力として、この入力信号に対して発電機1のローターの位相角信号と同相となる位相遅れ補償を行なう位相進み遅れ補償関数を含む安定化関数Gδ(S)10を備え、長周期の系統モードの電力動揺を抑制するΔδ−PSSを備えた構成としている。
【0830】
なお、その他の構成については、前記第9の実施の形態の場合と同様であるので、ここではその図示および説明を省略して、図1および図6を代用することにする。
【0831】
次に、以上のように構成した本実施の形態の複数型PSS5´の作用について説明する。
【0832】
なお、前述した第9の実施の形態と同一部分の作用についてはその説明を省略し、ここでは異なる部分の作用についてのみ述べる。
【0833】
発電機1の電力動揺の周波数が、想定した周波数からずれた場合に、電力動揺周波数検出手段51により、発電機1のローターの回転速度ω9の信号から電力動揺の周波数が検出され、定数計算手段54により、電力動揺周波数検出手段51で検出した周波数に応じて、あらかじめ設定された数式を使用して、発電機1の電圧Vg3A信号と電流信号との組み合わせから生成する発電機1の内部電圧位相信号を入力とする並列型PSSのゲインや進み遅れ定数等の制御定数が自動的に計算される。
【0834】
上述したように、本実施の形態の複数型PSS5´では、設定した系統モードの周期から電力動揺モードがずれた場合に、電力動揺モードを検出して、その電力動揺のモードに対応するようにあらかじめ種々の系統条件を設定して決められた数式を使用して計算された結果から設計された制御定数に、発電機1の電圧Vg3A信号と電流信号との組み合わせから生成する発電機1の内部電圧位相信号を入力とする並列型PSSのゲインや進み遅れ定数等の制御定数を自動的に変更するようにしているので、電力動揺の周波数が変化しても、電力動揺に対する最適な抑制効果を維持することが可能となる。
【0835】
(第106の実施の形態)
本実施の形態による複数型PSS5´は、前述した第10の実施の形態における、並列型PSSであるΔδ−PSSとして、前記発電機1のローターの回転速度ω9の変化分Δω9Aの代わりに、発電機1の電圧Vg3A信号と電流信号との組み合わせから生成する発電機1の内部電圧位相信号を入力として、この入力信号に対して発電機1のローターの位相角信号と同相となる位相遅れ補償を行なう位相進み遅れ補償関数を含む安定化関数Gδ(S)10A〜10Nを備え、長周期の系統モードの電力動揺を抑制する複数(N台)のΔδ−PSSを備えた構成としている。
【0836】
なお、その他の構成については、前記第10の実施の形態の場合と同様であるので、ここではその図示および説明を省略して、図1および図7を代用することにする。
【0837】
次に、以上のように構成した本実施の形態の複数型PSS5´の作用について説明する。
【0838】
なお、前述した第10の実施の形態と同一部分の作用についてはその説明を省略し、ここでは異なる部分の作用についてのみ述べる。
【0839】
系統に存在する電力動揺に対応して、その対象とする電力動揺を最も効果的に抑制するように、発電機1の電圧Vg3A信号と電流信号との組み合わせから生成する発電機1の内部電圧位相信号を入力とする各並列型PSSの(式3)に示した安定化関数10A〜10Nの制御定数を設定することにより、発電機1の電圧Vg3A信号と電流信号との組み合わせから生成する発電機1の内部電圧位相信号を入力とする各並列型PSSが、それぞれの設定に対応した電力動揺を抑制するように作用することになる。
【0840】
上述したように、本実施の形態の複数型PSS5´では、発電機1の電圧Vg3A信号と電流信号との組み合わせから生成する発電機1の内部電圧位相信号を入力とし、系統に存在する電力動揺に応じて、安定化関数10A〜10Nの制御定数を変更した並列型PSSを複数備えるようにしているので、電力動揺の周期が複数存在するために、前述した第1の実施の形態ではある周期の電力動揺に対する抑制力が弱くなったり、ある周期の電力動揺が他の周期の電力動揺より強く現れるような系統に最も適したPSSである。
【0841】
このように、電力動揺が複数存在する系統に対して、同時に発生する複数の電力動揺を速やかに抑制し、系統の安定度を保つことにより、広域の電力融通を安定に行なうことが可能となる。
【0842】
(第107の実施の形態)
本実施の形態による複数型PSS5´は、前述した第11の実施の形態における、並列型PSSであるΔδ−PSSとして、前記発電機1のローターの回転速度ω9の変化分Δω9Aの代わりに、発電機1の電圧Vg3A信号と電流信号との組み合わせから生成する発電機1の内部電圧位相信号を入力として、この入力信号に対して発電機1のローターの位相角信号と同相となる位相遅れ補償を行なう位相進み遅れ補償関数を含む安定化関数Gδ(S)10を備え、長周期の系統モードの電力動揺を抑制する複数(本例では2台)のΔδ−PSSを備えた構成としている。
【0843】
なお、その他の構成については、前記第11の実施の形態の場合と同様であるので、ここではその図示および説明を省略して、図1および図8を代用することにする。
【0844】
次に、以上のように構成した本実施の形態の複数型PSS5´の作用について説明する。
【0845】
なお、前述した第11の実施の形態と同一部分の作用についてはその説明を省略し、ここでは異なる部分の作用についてのみ述べる。
【0846】
昼間の重負荷時と夜間の軽負荷時で発生する電力動揺の周期が大幅に異なり、その影響が大きくなったり、融通電力量等の変化によって発生する電力動揺周期の変動が大きくなり、そのため設定した系統条件が更に厳しくなる場合に、個々の並列型PSSの安定化関数の制御定数の設定を、前述した第2の実施の形態の場合に比較して更に細かく設定する。そして、これらの並列型PSSの出力信号S3を加算して、AVR4へ複数型PSS出力信号S5を出力する。
【0847】
この場合、周波数が大きく異なる複数の系統モードの電力動揺は、発電機1の電圧Vg3A信号と電流信号との組み合わせから生成する発電機1の内部電圧位相信号を入力とし、異なる安定化関数10を有する複数の並列型PSSであるΔδ−PSSにより抑制する。
【0848】
上述したように、本実施の形態の複数型PSS5´では、発電機1の電圧Vg3A信号と電流信号との組み合わせから生成する発電機1の内部電圧位相信号を入力とし、系統に存在する電力動揺に応じて、異なる安定化関数10の制御定数を有する並列型PSSを複数備えるようにしているので、電力系統で発生する広い帯域の電力動揺を速やかに抑制して、電力系統を安定に保つことにより、広域の電力融通を安定に行なうことが可能となる。
【0849】
(第108の実施の形態)
本実施の形態による複数型PSS5´は、前述した第12の実施の形態における、並列型PSSであるΔδ−PSSとして、前記発電機1のローターの回転速度ω9の変化分Δω9Aの代わりに、発電機1の電圧Vg3A信号と電流信号との組み合わせから生成する発電機1の内部電圧位相信号を入力として、この入力信号に対して発電機1のローターの位相角信号と同相となる位相遅れ補償を行なう位相進み遅れ補償関数を含む安定化関数Gδ(S)10を備え、長周期の系統モードの電力動揺を抑制する複数(本例では2台)のΔδ−PSSを備えた構成としている。
【0850】
なお、その他の構成については、前記第12の実施の形態の場合と同様であるので、ここではその図示および説明を省略して、図1および図9を代用することにする。
【0851】
次に、以上のように構成した本実施の形態の複数型PSS5´の作用について説明する。
【0852】
なお、前述した第12の実施の形態と同一部分の作用についてはその説明を省略し、ここでは異なる部分の作用についてのみ述べる。
【0853】
昼間の重負荷時と夜間の軽負荷時で発生する電力動揺の周期が大幅に異なり、その影響が大きくなったり、融通電力量等の変化によって発生する電力動揺周期の変動が大きくなり、そのため設定した系統条件が更に厳しくなる場合に、個々の並列型PSSの安定化関数10の制御定数の設定を、前述した第2の実施の形態の場合に比較して更に細かく設定する。そして、これらの並列型PSSの出力信号S3を加算して、AVR4へ複数型PSS出力信号S5を出力する。
【0854】
この場合、周波数が大きく異なる複数の系統モードの電力動揺は、発電機1の電圧Vg3A信号と電流信号との組み合わせから生成する発電機1の内部電圧位相信号を入力とし、異なる安定化関数10を有する複数の並列型PSSであるΔδ−PSSにより抑制する。
【0855】
上述したように、本実施の形態の複数型PSS5´では、発電機1の電圧Vg3A信号と電流信号との組み合わせから生成する発電機1の内部電圧位相信号を入力とし、系統に存在する電力動揺に応じて、異なる安定化関数10の制御定数を有する並列型PSSを複数備えるようにしているので、電力系統で発生する広い帯域の電力動揺を速やかに抑制して、電力系統を安定に保つことにより、広域の電力融通を安定に行なうことが可能となる。
【0856】
(第109の実施の形態)
本実施の形態による複数型PSS5´は、前述した図2の第1の実施の形態における、並列型PSSであるΔδ−PSSとして、前記発電機1のローターの回転速度ω9の変化分Δω9Aの代わりに、発電機1のローターの回転速度ω9信号、発電機1の電圧の周波数信号、発電機1の電流の周波数信号、発電機1の有効電力P8信号、水車のガイドベーン開度信号、発電機1に直結されたタービンのバルブ開度信号、発電機1のローター位相角信号、発電機1の電圧Vg3A位相信号、発電機1の電圧Vg3A信号、発電機1の電流信号の組み合わせ信号を入力として、この入力信号に対して発電機1のローターの位相角信号と同相となる位相遅れ補償を行なう位相進み遅れ補償関数を含む安定化関数Gδ(S)10を備え、長周期の系統モードの電力動揺を抑制するΔδ−PSSを備えた構成としている。
【0857】
なお、その他の構成については、前記第1の実施の形態の場合と同様であるので、ここではその図示および説明を省略して、図1および図2を代用することにする。
【0858】
次に、以上のように構成した本実施の形態の複数型PSS5´の作用について説明する。
【0859】
なお、前述した第1の実施の形態と同一部分の作用についてはその説明を省略し、ここでは異なる部分の作用についてのみ述べる。
【0860】
複数型PSS5´では、図12に示すように、有効電力8の変化分−ΔPは、安定化関数Gp(S)13を通し、発電機1の回転速度ω9の変化分Δω9Aは、安定化関数Gw(S)14を通し、発電機1のローターの回転速度ω9信号、発電機1の電圧の周波数信号、発電機1の電流の周波数信号、発電機1の有効電力P8信号、水車のガイドベーン開度信号、発電機1に直結されたタービンのバルブ開度信号、発電機1のローター位相角信号、発電機1の電圧Vg3A位相信号、発電機1の電圧Vg3A信号、発電機1の電流信号の組み合わせ信号は、安定化関数Gδ(S)10を通して加算器A3で加算され、複数型PSS出力信号5AとしてAVR4へ入力される。
【0861】
この場合、隣接機モードと発電機モードの電力動揺は、安定化関数Gp(S)13を有するΔP−PSSと安定化関数Gw(S)14を有するΔω−PSSとを組み合わせた、従来型PSSである(ΔP+Δω)−PSSにより抑制し、また系統モードの電力動揺に対しては、発電機1のローターの回転速度ω9信号、発電機1の電圧の周波数信号、発電機1の電流の周波数信号、発電機1の有効電力P8信号、水車のガイドベーン開度信号、発電機1に直結されたタービンのバルブ開度信号、発電機1のローター位相角信号、発電機1の電圧Vg3A位相信号、発電機1の電圧Vg3A信号、発電機1の電流信号の組み合わせ信号を入力とし、この電力動揺に適したように設定した安定化関数Gδ(S)10を有する並列型PSSであるΔδ−PSSにより抑制する。
【0862】
このような分担により、実用化されているPSSに対して、電力系統で発生する発電機モードから系統モードまでの広い帯域の電力動揺を速やかに抑制して、電力系統を安定に保つことにより、広域の電力融通を安定に行なうことができる。
【0863】
上述したように、本実施の形態の複数型PSS5´では、発電機1の有効電力P8、発電機1のローターの回転速度ωに相当する等価信号を入力し、数秒程度の短周期の電力動揺である発電機モードの電力動揺を主として抑制する(ΔP+Δω)−PSSの出力信号S1,S2と、発電機1のローターの回転速度ω9信号、発電機1の電圧の周波数信号、発電機1の電流の周波数信号、発電機1の有効電力P8信号、水車のガイドベーン開度信号、発電機1に直結されたタービンのバルブ開度信号、発電機1のローター位相角信号、発電機1の電圧Vg3A位相信号、発電機1の電圧Vg3A信号、発電機1の電流信号の組み合わせ信号を入力し、短周期と比較して長周期の電力動揺である系統モードの電力動揺を主として抑制するΔδ−PSSの出力信号S3とを加算して、AVR4に入力するようにしているので、電力系統で発生する発電機モードから系統モードまでの広い帯域の電力動揺を速やかに抑制して、電力系統を安定に保つことにより、広域の電力融通を安定に行なうことが可能となる。
【0864】
(第110の実施の形態)
本実施の形態による複数型PSS5´は、前述した図5の第2の実施の形態における、並列型PSSであるΔδ−PSSとして、前記発電機1のローターの回転速度ω9の変化分Δω9Aの代わりに、発電機1のローターの回転速度ω9信号、発電機1の電圧の周波数信号、発電機1の電流の周波数信号、発電機1の有効電力P8信号、水車のガイドベーン開度信号、発電機1に直結されたタービンのバルブ開度信号、発電機1のローター位相角信号、発電機1の電圧Vg3A位相信号、発電機1の電圧Vg3A信号、発電機1の電流信号の組み合わせ信号を入力として、この入力信号に対して発電機1のローターの位相角信号と同相となる位相遅れ補償を行なう位相進み遅れ補償関数を含む安定化関数Gδ(S)10を備え、長周期の系統モードの電力動揺を抑制するΔδ−PSSを備えた構成としている。
【0865】
なお、その他の構成については、前記第2の実施の形態の場合と同様であるので、ここではその図示および説明を省略して、図1および図5を代用することにする。
【0866】
次に、以上のように構成した本実施の形態の複数型PSS5´の作用について説明する。
【0867】
なお、前述した第2の実施の形態と同一部分の作用についてはその説明を省略し、ここでは異なる部分の作用についてのみ述べる。
【0868】
発電機1の電力動揺の周波数が、想定した周波数からずれた場合に、電力動揺周波数検出手段51により、発電機1のローターの回転速度ω9の信号から電力動揺の周波数が検出され、定数選択手段53により、電力動揺周波数検出手段51で検出した周波数に応じて、あらかじめ種々の系統条件を想定して設計された定数の中から、発電機1のローターの回転速度ω9信号、発電機1の電圧の周波数信号、発電機1の電流の周波数信号、発電機1の有効電力P8信号、水車のガイドベーン開度信号、発電機1に直結されたタービンのバルブ開度信号、発電機1のローター位相角信号、発電機1の電圧Vg3A位相信号、発電機1の電圧Vg3A信号、発電機1の電流信号の組み合わせ信号を入力とする並列型PSSのゲインや進み遅れ定数等の制御定数が自動的に選択される。
【0869】
この場合、系統に存在する電力動揺に対応して、その対象とする電力動揺を最も効果的に抑制するように、発電機1のローターの回転速度ω9信号、発電機1の電圧の周波数信号、発電機1の電流の周波数信号、発電機1の有効電力P8信号、水車のガイドベーン開度信号、発電機1に直結されたタービンのバルブ開度信号、発電機1のローター位相角信号、発電機1の電圧Vg3A位相信号、発電機1の電圧Vg3A信号、発電機1の電流信号の組み合わせ信号を入力とする各並列型PSSの(式3)に示した安定化関数10を設定することにより、発電機1のローターの回転速度ω9信号、発電機1の電圧の周波数信号、発電機1の電流の周波数信号、発電機1の有効電力P8信号、水車のガイドベーン開度信号、発電機1に直結されたタービンのバルブ開度信号、発電機1のローター位相角信号、発電機1の電圧Vg3A位相信号、発電機1の電圧Vg3A信号、発電機1の電流信号の組み合わせ信号を入力とする各並列型PSSがそれぞれの設定に対応した電力動揺を抑制するように作用することになる。
【0870】
上述したように、本実施の形態の複数型PSS5´では、設定した系統モードの周期から電力動揺モードがずれた場合に、電力動揺モードを検出して、その電力動揺のモードに対応するようにあらかじめ種々の系統条件を設定して計算された結果から設計された制御定数を自動的に選択する機能を使用して、発電機1のローターの回転速度ω9信号、発電機1の電圧の周波数信号、発電機1の電流の周波数信号、発電機1の有効電力P8信号、水車のガイドベーン開度信号、発電機1に直結されたタービンのバルブ開度信号、発電機1のローター位相角信号、発電機1の電圧Vg3A位相信号、発電機1の電圧Vg3A信号、発電機1の電流信号の組み合わせ信号を入力とする並列型PSSのゲインや進み遅れ定数等の制御定数を自動的に選択するようにしているので、電力動揺の周波数が変化しても、電力動揺に対する最適な抑制効果を維持することが可能となる。
【0871】
(第111の実施の形態)
本実施の形態による複数型PSS5´は、前述した図6の第3の実施の形態における、並列型PSSであるΔδ−PSSとして、前記発電機1のローターの回転速度ω9の変化分Δω9Aの代わりに、発電機1のローターの回転速度ω9信号、発電機1の電圧の周波数信号、発電機1の電流の周波数信号、発電機1の有効電力P8信号、水車のガイドベーン開度信号、発電機1に直結されたタービンのバルブ開度信号、発電機1のローター位相角信号、発電機1の電圧Vg3A位相信号、発電機1の電圧Vg3A信号、発電機1の電流信号の組み合わせ信号を入力として、この入力信号に対して発電機1のローターの位相角信号と同相となる位相遅れ補償を行なう位相進み遅れ補償関数を含む安定化関数Gδ(S)10を備え、長周期の系統モードの電力動揺を抑制するΔδ−PSSを備えた構成としている。
【0872】
なお、その他の構成については、前記第3の実施の形態の場合と同様であるので、ここではその図示および説明を省略して、図1および図6を代用することにする。
【0873】
次に、以上のように構成した本実施の形態の複数型PSS5´の作用について説明する。
【0874】
なお、前述した第3の実施の形態と同一部分の作用についてはその説明を省略し、ここでは異なる部分の作用についてのみ述べる。
【0875】
発電機1の電力動揺の周波数が、想定した周波数からずれた場合に、電力動揺周波数検出手段51により、発電機1のローターの回転速度ω9の信号から電力動揺の周波数が検出され、定数選択手段53により、電力動揺周波数検出手段51で検出した周波数に応じて、あらかじめ種々の系統条件を想定して設計された定数の中から、発電機1のローターの回転速度ω9信号、発電機1の電圧の周波数信号、発電機1の電流の周波数信号、発電機1の有効電力P8信号、水車のガイドベーン開度信号、発電機1に直結されたタービンのバルブ開度信号、発電機1のローター位相角信号、発電機1の電圧Vg3A位相信号、発電機1の電圧Vg3A信号、発電機1の電流信号の組み合わせ信号を入力とする並列型PSSのゲインや進み遅れ定数等の制御定数が自動的に選択される。
【0876】
この場合、系統に存在する電力動揺に対応して、その対象とする電力動揺を最も効果的に抑制するように、発電機1のローターの回転速度ω9信号、発電機1の電圧の周波数信号、発電機1の電流の周波数信号、発電機1の有効電力P8信号、水車のガイドベーン開度信号、発電機1に直結されたタービンのバルブ開度信号、発電機1のローター位相角信号、発電機1の電圧Vg3A位相信号、発電機1の電圧Vg3A信号、発電機1の電流信号の組み合わせ信号を入力とする各並列型PSSの(式3)に示した安定化関数10を設定することにより、発電機1のローターの回転速度ω9信号、発電機1の電圧の周波数信号、発電機1の電流の周波数信号、発電機1の有効電力P8信号、水車のガイドベーン開度信号、発電機1に直結されたタービンのバルブ開度信号、発電機1のローター位相角信号、発電機1の電圧Vg3A位相信号、発電機1の電圧Vg3A信号、発電機1の電流信号の組み合わせ信号を入力とする各並列型PSSがそれぞれの設定に対応した電力動揺を抑制するように作用することになる。
【0877】
上述したように、本実施の形態の複数型PSS5´では、設定した系統モードの周期から電力動揺モードがずれた場合に、電力動揺モードを検出して、その電力動揺のモードに対応するようにあらかじめ種々の系統条件を設定して決められた数式を使用して計算された結果から設計された制御定数に、発電機1のローターの回転速度ω9信号、発電機1の電圧の周波数信号、発電機1の電流の周波数信号、発電機1の有効電力P8信号、水車のガイドベーン開度信号、発電機1に直結されたタービンのバルブ開度信号、発電機1のローター位相角信号、発電機1の電圧Vg3A位相信号、発電機1の電圧Vg3A信号、発電機1の電流信号の組み合わせ信号を入力とする並列型PSSのゲインや進み遅れ定数等の制御定数を自動的に変更するようにしているので、電力動揺の周波数が変化しても、電力動揺に対する最適な抑制効果を維持することが可能となる。
【0878】
(第112の実施の形態)
本実施の形態による複数型PSS5´は、前述した図7の第4の実施の形態における、並列型PSSであるΔδ−PSSとして、前記発電機1のローターの回転速度ω9の変化分Δω9Aの代わりに、発電機1のローターの回転速度ω9信号、発電機1の電圧の周波数信号、発電機1の電流の周波数信号、発電機1の有効電力P8信号、水車のガイドベーン開度信号、発電機1に直結されたタービンのバルブ開度信号、発電機1のローター位相角信号、発電機1の電圧Vg3A位相信号、発電機1の電圧Vg3A信号、発電機1の電流信号の組み合わせ信号を入力として、この入力信号に対して発電機1のローターの位相角信号と同相となる位相遅れ補償を行なう位相進み遅れ補償関数を含む安定化関数Gδ(S)10A〜10Nを備え、長周期の系統モードの電力動揺を抑制する複数(N台)のΔδ−PSSを備えた構成としている。
【0879】
なお、その他の構成については、前記第4の実施の形態の場合と同様であるので、ここではその図示および説明を省略して、図1および図7を代用することにする。
【0880】
次に、以上のように構成した本実施の形態の複数型PSS5´の作用について説明する。
【0881】
なお、前述した第4の実施の形態と同一部分の作用についてはその説明を省略し、ここでは異なる部分の作用についてのみ述べる。
【0882】
系統に存在する電力動揺に対応して、その対象とする電力動揺を最も効果的に抑制するように、発電機1のローターの回転速度ω9信号、発電機1の電圧の周波数信号、発電機1の電流の周波数信号、発電機1の有効電力P8信号、水車のガイドベーン開度信号、発電機1に直結されたタービンのバルブ開度信号、発電機1のローター位相角信号、発電機1の電圧Vg3A位相信号、発電機1の電圧Vg3A信号、発電機1の電流信号の組み合わせ信号を入力とする各並列型PSSの(式3)に示した安定化関数10A〜10Nの制御定数を設定することにより、発電機1のローターの回転速度ω9信号、発電機1の電圧の周波数信号、発電機1の電流の周波数信号、発電機1の有効電力P8信号、水車のガイドベーン開度信号、発電機1に直結されたタービンのバルブ開度信号、発電機1のローター位相角信号、発電機1の電圧Vg3A位相信号、発電機1の電圧Vg3A信号、発電機1の電流信号の組み合わせ信号を入力とする各並列型PSSがそれぞれの設定に対応した電力動揺を抑制するように作用することになる。
【0883】
上述したように、本実施の形態の複数型PSS5´では、発電機1のローターの回転速度ω9信号、発電機1の電圧の周波数信号、発電機1の電流の周波数信号、発電機1の有効電力P8信号、水車のガイドベーン開度信号、発電機1に直結されたタービンのバルブ開度信号、発電機1のローター位相角信号、発電機1の電圧Vg3A位相信号、発電機1の電圧Vg3A信号、発電機1の電流信号の組み合わせ信号を入力とし、系統に存在する電力動揺に応じて、安定化関数10A〜10Nの制御定数を変更した並列型PSSを複数備えるようにしているので、電力動揺の周期が複数存在するために、前述した第1の実施の形態ではある周期の電力動揺に対する抑制力が弱くなったり、ある周期の電力動揺が他の周期の電力動揺より強く現れるような系統に最も適したPSSである。
【0884】
このように、電力動揺が複数存在する系統に対して、同時に発生する複数の電力動揺を速やかに抑制し、系統の安定度を保つことにより、広域の電力融通を安定に行なうことが可能となる。
【0885】
(第113の実施の形態)
本実施の形態による複数型PSS5´は、前述した図8の第5の実施の形態における、並列型PSSであるΔδ−PSSとして、前記発電機1のローターの回転速度ω9の変化分Δω9Aの代わりに、発電機1のローターの回転速度ω9信号、発電機1の電圧の周波数信号、発電機1の電流の周波数信号、発電機1の有効電力P8信号、水車のガイドベーン開度信号、発電機1に直結されたタービンのバルブ開度信号、発電機1のローター位相角信号、発電機1の電圧Vg3A位相信号、発電機1の電圧Vg3A信号、発電機1の電流信号の組み合わせ信号を入力として、この入力信号に対して発電機1のローターの位相角信号と同相となる位相遅れ補償を行なう位相進み遅れ補償関数を含む安定化関数Gδ(S)10を備え、長周期の系統モードの電力動揺を抑制する複数(本例では2台)のΔδ−PSSを備えた構成としている。
【0886】
なお、その他の構成については、前記第5の実施の形態の場合と同様であるので、ここではその図示および説明を省略して、図1および図8を代用することにする。
【0887】
次に、以上のように構成した本実施の形態の複数型PSS5´の作用について説明する。
【0888】
なお、前述した第5の実施の形態と同一部分の作用についてはその説明を省略し、ここでは異なる部分の作用についてのみ述べる。
【0889】
発電機モードの電力動揺は、主として安定化関数Gp(S)13を有するΔP−PSSと安定化関数Gw(S)14を有するΔω−PSSとを組み合わせた、従来型PSSである(ΔP+Δω)−PSSにより抑制し、周波数が大きく異なる複数の系統モードの電力動揺は、発電機1のローターの回転速度ω9信号、発電機1の電圧の周波数信号、発電機1の電流の周波数信号、発電機1の有効電力P8信号、水車のガイドベーン開度信号、発電機1に直結されたタービンのバルブ開度信号、発電機1のローター位相角信号、発電機1の電圧Vg3A位相信号、発電機1の電圧Vg3A信号、発電機1の電流信号の組み合わせ信号を入力とし、異なる安定化関数10を有する複数の並列型PSSであるΔδ−PSSにより抑制する。
【0890】
系統に存在する電力動揺に対応して、その対象とする電力動揺を最も効果的に抑制するように、発電機1のローターの回転速度ω9信号、発電機1の電圧の周波数信号、発電機1の電流の周波数信号、発電機1の有効電力P8信号、水車のガイドベーン開度信号、発電機1に直結されたタービンのバルブ開度信号、発電機1のローター位相角信号、発電機1の電圧Vg3A位相信号、発電機1の電圧Vg3A信号、発電機1の電流信号の組み合わせ信号を入力とする各並列型PSSの(式3)に示した安定化関数10の制御定数を設定することにより、発電機1のローターの回転速度ω9信号、発電機1の電圧の周波数信号、発電機1の電流の周波数信号、発電機1の有効電力P8信号、水車のガイドベーン開度信号、発電機1に直結されたタービンのバルブ開度信号、発電機1のローター位相角信号、発電機1の電圧Vg3A位相信号、発電機1の電圧Vg3A信号、発電機1の電流信号の組み合わせ信号を入力とする各並列型PSSがそれぞれの設定に対応した電力動揺を抑制するように作用することになる。
【0891】
上述したように、本実施の形態の複数型PSS5´では、発電機1のローターの回転速度ω9信号、発電機1の電圧の周波数信号、発電機1の電流の周波数信号、発電機1の有効電力P8信号、水車のガイドベーン開度信号、発電機1に直結されたタービンのバルブ開度信号、発電機1のローター位相角信号、発電機1の電圧Vg3A位相信号、発電機1の電圧Vg3A信号、発電機1の電流信号の組み合わせ信号を入力とし、系統に存在する電力動揺に応じて、異なる安定化関数10の制御定数を有する並列型PSSを複数備えるようにしているので、電力系統で発生する広い帯域の電力動揺を速やかに抑制して、電力系統を安定に保つことにより、広域の電力融通を安定に行なうことが可能となる。
【0892】
(第114の実施の形態)
本実施の形態による複数型PSS5´は、前述した図9の第6の実施の形態における、並列型PSSであるΔδ−PSSとして、前記発電機1のローターの回転速度ω9の変化分Δω9Aの代わりに、発電機1のローターの回転速度ω9信号、発電機1の電圧の周波数信号、発電機1の電流の周波数信号、発電機1の有効電力P8信号、水車のガイドベーン開度信号、発電機1に直結されたタービンのバルブ開度信号、発電機1のローター位相角信号、発電機1の電圧Vg3A位相信号、発電機1の電圧Vg3A信号、発電機1の電流信号の組み合わせ信号を入力として、この入力信号に対して発電機1のローターの位相角信号と同相となる位相遅れ補償を行なう位相進み遅れ補償関数を含む安定化関数Gδ(S)10を備え、長周期の系統モードの電力動揺を抑制する複数(本例では2台)のΔδ−PSSを備えた構成としている。
【0893】
なお、その他の構成については、前記第6の実施の形態の場合と同様であるので、ここではその図示および説明を省略して、図1および図9を代用することにする。
【0894】
次に、以上のように構成した本実施の形態の複数型PSS5´の作用について説明する。
【0895】
なお、前述した第6の実施の形態と同一部分の作用についてはその説明を省略し、ここでは異なる部分の作用についてのみ述べる。
【0896】
発電機モードの電力動揺は、主として安定化関数Gp(S)13を有するΔP−PSSと安定化関数Gw(S)14を有するΔω−PSSとを組み合わせた、従来型PSSである(ΔP+Δω)−PSSにより抑制し、周波数が大きく異なる複数の系統モードの電力動揺は、発電機1のローターの回転速度ω9信号、発電機1の電圧の周波数信号、発電機1の電流の周波数信号、発電機1の有効電力P8信号、水車のガイドベーン開度信号、発電機1に直結されたタービンのバルブ開度信号、発電機1のローター位相角信号、発電機1の電圧Vg3A位相信号、発電機1の電圧Vg3A信号、発電機1の電流信号の組み合わせ信号を入力とし、異なる安定化関数10を有する複数の並列型PSSであるΔδ−PSSにより抑制する。
【0897】
系統に存在する電力動揺に対応して、その対象とする電力動揺を最も効果的に抑制するように、発電機1のローターの回転速度ω9信号、発電機1の電圧の周波数信号、発電機1の電流の周波数信号、発電機1の有効電力P8信号、水車のガイドベーン開度信号、発電機1に直結されたタービンのバルブ開度信号、発電機1のローター位相角信号、発電機1の電圧Vg3A位相信号、発電機1の電圧Vg3A信号、発電機1の電流信号の組み合わせ信号を入力とする各並列型PSSの(式3)に示した安定化関数10の制御定数を設定することにより、発電機1のローターの回転速度ω9信号、発電機1の電圧の周波数信号、発電機1の電流の周波数信号、発電機1の有効電力P8信号、水車のガイドベーン開度信号、発電機1に直結されたタービンのバルブ開度信号、発電機1のローター位相角信号、発電機1の電圧Vg3A位相信号、発電機1の電圧Vg3A信号、発電機1の電流信号の組み合わせ信号を入力とする各並列型PSSがそれぞれの設定に対応した電力動揺を抑制するように作用することになる。
【0898】
上述したように、本実施の形態の複数型PSS5´では、発電機1のローターの回転速度ω9信号、発電機1の電圧の周波数信号、発電機1の電流の周波数信号、発電機1の有効電力P8信号、水車のガイドベーン開度信号、発電機1に直結されたタービンのバルブ開度信号、発電機1のローター位相角信号、発電機1の電圧Vg3A位相信号、発電機1の電圧Vg3A信号、発電機1の電流信号の組み合わせ信号を入力とし、系統に存在する電力動揺に応じて、異なる安定化関数10の制御定数を有する並列型PSSを複数備えるようにしているので、電力系統で発生する広い帯域の電力動揺を速やかに抑制して、電力系統を安定に保つことにより、広域の電力融通を安定に行なうことが可能となる。
【0899】
(第115の実施の形態)
本実施の形態による複数型PSS5´は、前述した第7の実施の形態における、並列型PSSであるΔδ−PSSとして、前記発電機1のローターの回転速度ω9の変化分Δω9Aの代わりに、発電機1のローターの回転速度ω9信号、発電機1の電圧の周波数信号、発電機1の電流の周波数信号、発電機1の有効電力P8信号、水車のガイドベーン開度信号、発電機1に直結されたタービンのバルブ開度信号、発電機1のローター位相角信号、発電機1の電圧Vg3A位相信号、発電機1の電圧Vg3A信号、発電機1の電流信号の組み合わせ信号を入力として、この入力信号に対して発電機1のローターの位相角信号と同相となる位相遅れ補償を行なう位相進み遅れ補償関数を含む安定化関数Gδ(S)10を備え、長周期の系統モードの電力動揺を抑制するΔδ−PSSを備えた構成としている。
【0900】
なお、その他の構成については、前記第7の実施の形態の場合と同様であるので、ここではその図示および説明を省略して、図1および図2を代用することにする。
【0901】
次に、以上のように構成した本実施の形態の複数型PSS5´の作用について説明する。
【0902】
なお、前述した第7の実施の形態と同一部分の作用についてはその説明を省略し、ここでは異なる部分の作用についてのみ述べる。
【0903】
複数型PSS5´では、発電機1のローターの回転速度ω9信号、発電機1の電圧の周波数信号、発電機1の電流の周波数信号、発電機1の有効電力P8信号、水車のガイドベーン開度信号、発電機1に直結されたタービンのバルブ開度信号、発電機1のローター位相角信号、発電機1の電圧Vg3A位相信号、発電機1の電圧Vg3A信号、発電機1の電流信号の組み合わせ信号は、安定化関数Gδ(S)10を通し、複数型PSS出力信号5AとしてAVR4へ入力される。
【0904】
この場合、系統モードの電力動揺に対しては、発電機1のローターの回転速度ω9信号、発電機1の電圧の周波数信号、発電機1の電流の周波数信号、発電機1の有効電力P8信号、水車のガイドベーン開度信号、発電機1に直結されたタービンのバルブ開度信号、発電機1のローター位相角信号、発電機1の電圧Vg3A位相信号、発電機1の電圧Vg3A信号、発電機1の電流信号の組み合わせ信号を入力とし、この電力動揺に適したように設定した安定化関数Gδ(S)10を有する並列型PSSであるΔδ−PSSにより抑制する。
【0905】
すなわち、系統モードの電力動揺のみが問題となる発電機1では、その動揺を抑制するように、発電機1のローターの回転速度ω9信号、発電機1の電圧の周波数信号、発電機1の電流の周波数信号、発電機1の有効電力P8信号、水車のガイドベーン開度信号、発電機1に直結されたタービンのバルブ開度信号、発電機1のローター位相角信号、発電機1の電圧Vg3A位相信号、発電機1の電圧Vg3A信号、発電機1の電流信号の組み合わせ信号を入力とする複数型PSS5´を構成する並列型PSSの前記(式3)に示した安定化関数Gδ(S)10を設定することにより、系統モードの電力動揺を抑制するように作用する。
【0906】
上述したように、本実施の形態の複数型PSS5´では、発電機1のローターの回転速度ω9信号、発電機1の電圧の周波数信号、発電機1の電流の周波数信号、発電機1の有効電力P8信号、水車のガイドベーン開度信号、発電機1に直結されたタービンのバルブ開度信号、発電機1のローター位相角信号、発電機1の電圧Vg3A位相信号、発電機1の電圧Vg3A信号、発電機1の電流信号の組み合わせ信号を入力し、短周期と比較して長周期の電力動揺である系統モードの電力動揺を主として抑制するΔδ−PSSの出力信号S3を、励磁制御系を構成するAVR4に入力するようにしているので、系統モードの電力動揺のみが存在する場合は、電力系統で発生する系統モードの電力動揺を速やかに抑制して、電力系統を安定に保つことにより、電力融通を安定に行なうことが可能となる。
【0907】
(第116の実施の形態)
本実施の形態による複数型PSS5´は、前述した第8の実施の形態における、並列型PSSであるΔδ−PSSとして、前記発電機1のローターの回転速度ω9の変化分Δω9Aの代わりに、発電機1のローターの回転速度ω9信号、発電機1の電圧の周波数信号、発電機1の電流の周波数信号、発電機1の有効電力P8信号、水車のガイドベーン開度信号、発電機1に直結されたタービンのバルブ開度信号、発電機1のローター位相角信号、発電機1の電圧Vg3A位相信号、発電機1の電圧Vg3A信号、発電機1の電流信号の組み合わせ信号を入力として、この入力信号に対して発電機1のローターの位相角信号と同相となる位相遅れ補償を行なう位相進み遅れ補償関数を含む安定化関数Gδ(S)10を備え、長周期の系統モードの電力動揺を抑制するΔδ−PSSを備えた構成としている。
【0908】
なお、その他の構成については、前記第8の実施の形態の場合と同様であるので、ここではその図示および説明を省略して、図1および図5を代用することにする。
【0909】
次に、以上のように構成した本実施の形態の複数型PSS5´の作用について説明する。
【0910】
なお、前述した第8の実施の形態と同一部分の作用についてはその説明を省略し、ここでは異なる部分の作用についてのみ述べる。
【0911】
発電機1の電力動揺の周波数が、想定した周波数からずれた場合に、電力動揺周波数検出手段51により、発電機1のローターの回転速度ω9の信号から電力動揺の周波数が検出され、定数選択手段53により、電力動揺周波数検出手段51で検出した周波数に応じて、あらかじめ種々の系統条件を想定して設計された定数の中から、発電機1のローターの回転速度ω9信号、発電機1の電圧の周波数信号、発電機1の電流の周波数信号、発電機1の有効電力P8信号、水車のガイドベーン開度信号、発電機1に直結されたタービンのバルブ開度信号、発電機1のローター位相角信号、発電機1の電圧Vg3A位相信号、発電機1の電圧Vg3A信号、発電機1の電流信号の組み合わせ信号を入力とする並列型PSSのゲインや進み遅れ定数等の制御定数が自動的に選択される。
【0912】
上述したように、本実施の形態の複数型PSS5´では、設定した系統モードの周期から電力動揺モードがずれた場合に、電力動揺モードを検出して、その電力動揺のモードに対応するようにあらかじめ種々の系統条件を設定して計算された結果から設計された制御定数を自動的に選択する機能を使用して、発電機1のローターの回転速度ω9信号、発電機1の電圧の周波数信号、発電機1の電流の周波数信号、発電機1の有効電力P8信号、水車のガイドベーン開度信号、発電機1に直結されたタービンのバルブ開度信号、発電機1のローター位相角信号、発電機1の電圧Vg3A位相信号、発電機1の電圧Vg3A信号、発電機1の電流信号の組み合わせ信号を入力とする並列型PSSのゲインや進み遅れ定数等の制御定数を自動的に選択するようにしているので、電力動揺の周波数が変化しても、電力動揺に対する最適な抑制効果を維持することが可能となる。
【0913】
(第117の実施の形態)
本実施の形態による複数型PSS5´は、前述した第9の実施の形態における、並列型PSSであるΔδ−PSSとして、前記発電機1のローターの回転速度ω9の変化分Δω9Aの代わりに、発電機1のローターの回転速度ω9信号、発電機1の電圧の周波数信号、発電機1の電流の周波数信号、発電機1の有効電力P8信号、水車のガイドベーン開度信号、発電機1に直結されたタービンのバルブ開度信号、発電機1のローター位相角信号、発電機1の電圧Vg3A位相信号、発電機1の電圧Vg3A信号、発電機1の電流信号の組み合わせ信号を入力として、この入力信号に対して発電機1のローターの位相角信号と同相となる位相遅れ補償を行なう位相進み遅れ補償関数を含む安定化関数Gδ(S)10を備え、長周期の系統モードの電力動揺を抑制するΔδ−PSSを備えた構成としている。
【0914】
なお、その他の構成については、前記第9の実施の形態の場合と同様であるので、ここではその図示および説明を省略して、図1および図6を代用することにする。
【0915】
次に、以上のように構成した本実施の形態の複数型PSS5´の作用について説明する。
【0916】
なお、前述した第9の実施の形態と同一部分の作用についてはその説明を省略し、ここでは異なる部分の作用についてのみ述べる。
【0917】
発電機1の電力動揺の周波数が、想定した周波数からずれた場合に、電力動揺周波数検出手段51により、発電機1のローターの回転速度ω9の信号から電力動揺の周波数が検出され、定数計算手段54により、電力動揺周波数検出手段51で検出した周波数に応じて、あらかじめ設定された数式を使用して、発電機1のローターの回転速度ω9信号、発電機1の電圧の周波数信号、発電機1の電流の周波数信号、発電機1の有効電力P8信号、水車のガイドベーン開度信号、発電機1に直結されたタービンのバルブ開度信号、発電機1のローター位相角信号、発電機1の電圧Vg3A位相信号、発電機1の電圧Vg3A信号、発電機1の電流信号の組み合わせ信号を入力とする並列型PSSのゲインや進み遅れ定数等の制御定数が自動的に計算される。
【0918】
上述したように、本実施の形態の複数型PSS5´では、設定した系統モードの周期から電力動揺モードがずれた場合に、電力動揺モードを検出して、その電力動揺のモードに対応するようにあらかじめ種々の系統条件を設定して決められた数式を使用して計算された結果から設計された制御定数に、発電機1のローターの回転速度ω9信号、発電機1の電圧の周波数信号、発電機1の電流の周波数信号、発電機1の有効電力P8信号、水車のガイドベーン開度信号、発電機1に直結されたタービンのバルブ開度信号、発電機1のローター位相角信号、発電機1の電圧Vg3A位相信号、発電機1の電圧Vg3A信号、発電機1の電流信号の組み合わせ信号を入力とする並列型PSSのゲインや進み遅れ定数等の制御定数を自動的に変更するようにしているので、電力動揺の周波数が変化しても、電力動揺に対する最適な抑制効果を維持することが可能となる。
【0919】
(第118の実施の形態)
本実施の形態による複数型PSS5´は、前述した第10の実施の形態における、並列型PSSであるΔδ−PSSとして、前記発電機1のローターの回転速度ω9の変化分Δω9Aの代わりに、発電機1のローターの回転速度ω9信号、発電機1の電圧の周波数信号、発電機1の電流の周波数信号、発電機1の有効電力P8信号、水車のガイドベーン開度信号、発電機1に直結されたタービンのバルブ開度信号、発電機1のローター位相角信号、発電機1の電圧Vg3A位相信号、発電機1の電圧Vg3A信号、発電機1の電流信号の組み合わせ信号を入力として、この入力信号に対して発電機1のローターの位相角信号と同相となる位相遅れ補償を行なう位相進み遅れ補償関数を含む安定化関数Gδ(S)10A〜10Nを備え、長周期の系統モードの電力動揺を抑制する複数(N台)のΔδ−PSSを備えた構成としている。
【0920】
なお、その他の構成については、前記第10の実施の形態の場合と同様であるので、ここではその図示および説明を省略して、図1および図7を代用することにする。
【0921】
次に、以上のように構成した本実施の形態の複数型PSS5´の作用について説明する。
【0922】
なお、前述した第10の実施の形態と同一部分の作用についてはその説明を省略し、ここでは異なる部分の作用についてのみ述べる。
【0923】
系統に存在する電力動揺に対応して、その対象とする電力動揺を最も効果的に抑制するように、発電機1のローターの回転速度ω9信号、発電機1の電圧の周波数信号、発電機1の電流の周波数信号、発電機1の有効電力P8信号、水車のガイドベーン開度信号、発電機1に直結されたタービンのバルブ開度信号、発電機1のローター位相角信号、発電機1の電圧Vg3A位相信号、発電機1の電圧Vg3A信号、発電機1の電流信号の組み合わせ信号を入力とする各並列型PSSの(式3)に示した安定化関数10A〜10Nの制御定数を設定することにより、発電機1のローターの回転速度ω9信号、発電機1の電圧の周波数信号、発電機1の電流の周波数信号、発電機1の有効電力P8信号、水車のガイドベーン開度信号、発電機1に直結されたタービンのバルブ開度信号、発電機1のローター位相角信号、発電機1の電圧Vg3A位相信号、発電機1の電圧Vg3A信号、発電機1の電流信号の組み合わせ信号を入力とする各並列型PSSが、それぞれの設定に対応した電力動揺を抑制するように作用することになる。
【0924】
上述したように、本実施の形態の複数型PSS5´では、発電機1のローターの回転速度ω9信号、発電機1の電圧の周波数信号、発電機1の電流の周波数信号、発電機1の有効電力P8信号、水車のガイドベーン開度信号、発電機1に直結されたタービンのバルブ開度信号、発電機1のローター位相角信号、発電機1の電圧Vg3A位相信号、発電機1の電圧Vg3A信号、発電機1の電流信号の組み合わせ信号を入力とし、系統に存在する電力動揺に応じて、安定化関数10A〜10Nの制御定数を変更した並列型PSSを複数備えるようにしているので、電力動揺の周期が複数存在するために、前述した第1の実施の形態ではある周期の電力動揺に対する抑制力が弱くなったり、ある周期の電力動揺が他の周期の電力動揺より強く現れるような系統に最も適したPSSである。
【0925】
このように、電力動揺が複数存在する系統に対して、同時に発生する複数の電力動揺を速やかに抑制し、系統の安定度を保つことにより、広域の電力融通を安定に行なうことが可能となる。
【0926】
(第119の実施の形態)
本実施の形態による複数型PSS5´は、前述した第11の実施の形態における、並列型PSSであるΔδ−PSSとして、前記発電機1のローターの回転速度ω9の変化分Δω9Aの代わりに、発電機1のローターの回転速度ω9信号、発電機1の電圧の周波数信号、発電機1の電流の周波数信号、発電機1の有効電力P8信号、水車のガイドベーン開度信号、発電機1に直結されたタービンのバルブ開度信号、発電機1のローター位相角信号、発電機1の電圧Vg3A位相信号、発電機1の電圧Vg3A信号、発電機1の電流信号の組み合わせ信号を入力として、この入力信号に対して発電機1のローターの位相角信号と同相となる位相遅れ補償を行なう位相進み遅れ補償関数を含む安定化関数Gδ(S)10を備え、長周期の系統モードの電力動揺を抑制する複数(本例では2台)のΔδ−PSSを備えた構成としている。
【0927】
なお、その他の構成については、前記第11の実施の形態の場合と同様であるので、ここではその図示および説明を省略して、図1および図8を代用することにする。
【0928】
次に、以上のように構成した本実施の形態の複数型PSS5´の作用について説明する。
【0929】
なお、前述した第11の実施の形態と同一部分の作用についてはその説明を省略し、ここでは異なる部分の作用についてのみ述べる。
【0930】
昼間の重負荷時と夜間の軽負荷時で発生する電力動揺の周期が大幅に異なり、その影響が大きくなったり、融通電力量等の変化によって発生する電力動揺周期の変動が大きくなり、そのため設定した系統条件が更に厳しくなる場合に、個々の並列型PSSの安定化関数の制御定数の設定を、前述した第2の実施の形態の場合に比較して更に細かく設定する。そして、これらの並列型PSSの出力信号S3を加算して、AVR4へ複数型PSS出力信号S5を出力する。
【0931】
この場合、周波数が大きく異なる複数の系統モードの電力動揺は、発電機1のローターの回転速度ω9信号、発電機1の電圧の周波数信号、発電機1の電流の周波数信号、発電機1の有効電力P8信号、水車のガイドベーン開度信号、発電機1に直結されたタービンのバルブ開度信号、発電機1のローター位相角信号、発電機1の電圧Vg3A位相信号、発電機1の電圧Vg3A信号、発電機1の電流信号の組み合わせ信号を入力とし、異なる安定化関数10を有する複数の並列型PSSであるΔδ−PSSにより抑制する。
【0932】
上述したように、本実施の形態の複数型PSS5´では、発電機1のローターの回転速度ω9信号、発電機1の電圧の周波数信号、発電機1の電流の周波数信号、発電機1の有効電力P8信号、水車のガイドベーン開度信号、発電機1に直結されたタービンのバルブ開度信号、発電機1のローター位相角信号、発電機1の電圧Vg3A位相信号、発電機1の電圧Vg3A信号、発電機1の電流信号の組み合わせ信号を入力とし、系統に存在する電力動揺に応じて、異なる安定化関数10の制御定数を有する並列型PSSを複数備えるようにしているので、電力系統で発生する広い帯域の電力動揺を速やかに抑制して、電力系統を安定に保つことにより、広域の電力融通を安定に行なうことが可能となる。
【0933】
(第120の実施の形態)
本実施の形態による複数型PSS5´は、前述した第12の実施の形態における、並列型PSSであるΔδ−PSSとして、前記発電機1のローターの回転速度ω9の変化分Δω9Aの代わりに、発電機1のローターの回転速度ω9信号、発電機1の電圧の周波数信号、発電機1の電流の周波数信号、発電機1の有効電力P8信号、水車のガイドベーン開度信号、発電機1に直結されたタービンのバルブ開度信号、発電機1のローター位相角信号、発電機1の電圧Vg3A位相信号、発電機1の電圧Vg3A信号、発電機1の電流信号の組み合わせ信号を入力として、この入力信号に対して発電機1のローターの位相角信号と同相となる位相遅れ補償を行なう位相進み遅れ補償関数を含む安定化関数Gδ(S)10を備え、長周期の系統モードの電力動揺を抑制する複数(本例では2台)のΔδ−PSSを備えた構成としている。
【0934】
なお、その他の構成については、前記第12の実施の形態の場合と同様であるので、ここではその図示および説明を省略して、図1および図9を代用することにする。
【0935】
次に、以上のように構成した本実施の形態の複数型PSS5´の作用について説明する。
【0936】
なお、前述した第12の実施の形態と同一部分の作用についてはその説明を省略し、ここでは異なる部分の作用についてのみ述べる。
【0937】
昼間の重負荷時と夜間の軽負荷時で発生する電力動揺の周期が大幅に異なり、その影響が大きくなったり、融通電力量等の変化によって発生する電力動揺周期の変動が大きくなり、そのため設定した系統条件が更に厳しくなる場合に、個々の並列型PSSの安定化関数10の制御定数の設定を、前述した第2の実施の形態の場合に比較して更に細かく設定する。そして、これらの並列型PSSの出力信号S3を加算して、AVR4へ複数型PSS出力信号S5を出力する。
【0938】
この場合、周波数が大きく異なる複数の系統モードの電力動揺は、発電機1のローターの回転速度ω9信号、発電機1の電圧の周波数信号、発電機1の電流の周波数信号、発電機1の有効電力P8信号、水車のガイドベーン開度信号、発電機1に直結されたタービンのバルブ開度信号、発電機1のローター位相角信号、発電機1の電圧Vg3A位相信号、発電機1の電圧Vg3A信号、発電機1の電流信号の組み合わせ信号を入力とし、異なる安定化関数10を有する複数の並列型PSSであるΔδ−PSSにより抑制する。
【0939】
上述したように、本実施の形態の複数型PSS5´では、発電機1のローターの回転速度ω9信号、発電機1の電圧の周波数信号、発電機1の電流の周波数信号、発電機1の有効電力P8信号、水車のガイドベーン開度信号、発電機1に直結されたタービンのバルブ開度信号、発電機1のローター位相角信号、発電機1の電圧Vg3A位相信号、発電機1の電圧Vg3A信号、発電機1の電流信号の組み合わせ信号を入力とし、系統に存在する電力動揺に応じて、異なる安定化関数10の制御定数を有する並列型PSSを複数備えるようにしているので、電力系統で発生する広い帯域の電力動揺を速やかに抑制して、電力系統を安定に保つことにより、広域の電力融通を安定に行なうことが可能となる。
【0940】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のPSSによれば、電力系統で発生する発電機モード(0.5秒程度の速い短周期)から系統モード(10秒程度のゆっくりした長周期)までの、通常電力系統で起こり得る広い帯域の電力動揺を速やかに抑制して、電力系統を安定に保つことにより、広域の電力融通を安定に行なうことが可能となり、かつタービン・発電機の軸ねじれ振動への影響を与えず、静止型励磁システムと回転励磁システムの両方のシステムに適用することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるPSSを適用した励磁システムの構成例を示すブロック図。
【図2】本発明の第1の実施の形態による複数型PSS5´の構成例を示すブロック図。
【図3】同第1の実施の形態の複数型PSS5´を長距離送電広域系統を対象として適用した場合の安定度シミュレーション結果の一例を示す図。
【図4】同第1の実施の形態の複数型PSS5´を適用して励磁機方式での系統安定度のシミュレーションを行なった結果の一例を示す図。
【図5】本発明の第2の実施の形態による複数型PSS5´の要部構成例を示すブロック図。
【図6】本発明の第3の実施の形態による複数型PSS5´の要部構成例を示すブロック図。
【図7】本発明の第4の実施の形態による複数型PSS5´の構成例を示すブロック図。
【図8】本発明の第5の実施の形態による複数型PSS5´の要部構成例を示すブロック図。
【図9】本発明の第6の実施の形態による複数型PSS5´の要部構成例を示すブロック図。
【図10】発電機モードの電力動揺に効果のある従来型PSSを適用した励磁システムの構成例を示すブロック図。
【図11】従来のAVR4の構成例を示すブロック図。
【図12】従来の多変数PSS5の構成例を示すブロック図。
【図13】図12の多変数PSS5における安定化関数Gp(S)13、Gw(S)14の構成例を示すブロック図。
【図14】複数の発電機と負荷とから構成される長距離送電系統の一例を示す構成図。
【図15】長距離送電広域系統を対象として、3相事故が発生した場合の安定度シミュレーション結果の一例を示す図。
【図16】従来型PSSのみを使用して系統安定度のシミュレーションを行なった結果の一例を示す図。
【符号の説明】
1…発電機、
2…90R、
3…PT、
3A…発電機電圧Vg、
4…AVR、
5…多変数PSS、
5´…複数型PSS、
5A…PSS出力信号、
6…励磁変圧器、
7…サイリスタブリッジ、
8…有効電力P、
9…回転速度ω、
9A…回転速度変化分Δω、
10,10A〜10N…安定化関数Gδ(S)、
11…電圧制御部、
12…界磁電圧Efd、
13…安定化関数Gp(S)、
14…安定化関数Gw(S)、
15…出力リミッター、
16…リセットフィルター、
17…進み遅れ回路、
18…リミッター、
51…電力動揺周波数検出手段、
53…定数選択手段、
54…定数計算手段、
60A…送電線、
60B…送電線、
68A…電力系統、
68B…電力系統、
69…電力系統、
70…加算信号ΔV、
A1〜A6…加算器。

Claims (7)

  1. 同期発電機に発生する電力動揺の減衰を早めて安定度を向上させる励磁制御系に適用される系統安定化装置において、
    数秒程度の短周期の電力動揺を抑制するように、前記同期発電機の有効電力信号、前記同期発電機のローターの回転速度信号、または前記同期発電機の電圧や電流の周波数信号のうちの少なくともいずれか一つの信号あるいはこれに相当する等価信号を入力として、前記短周期の発電機モードの電力動揺を抑制する短周期型安定化信号算出手段と、
    前記短周期と比較して長周期の電力動揺を抑制するように、前記同期発電機のローターの回転速度信号あるいはこれに相当する等価信号を入力として、当該入力信号に対して前記同期発電機のローターの位相角信号と同相となる位相遅れ補償を行なう位相補償関数を含む安定化関数を備え、前記長周期の系統モードの電力動揺を抑制する長周期型安定化信号算出手段と、
    前記短周期型安定化信号算出手段および前記長周期型安定化信号算出手段の出力を前記励磁制御系に加える手段とを備え、
    前記短周期型安定化信号算出手段は、前記同期発電機の有効電力信号の変化分を入力として、適切な第1の安定化関数を有する短周期の発電機モードの電力動揺を抑制する第1の手段と、
    前記同期発電機のローターの回転速度信号の変化分を入力として、適切な第2の安定化関数を有する短周期の発電機モードの電力動揺を抑制する第2の手段とからなり、
    前記長周期型安定化信号算出手段は、前記同期発電機のローターの回転速度信号の変化分を入力として、当該入力信号に対して前記同期発電機のローターの位相角信号と同相となる位相遅れ補償を行なう位相進み遅れ補償関数を含む適切な第3の安定化関数を備え、前記短周期と比較して長周期の系統モードの電力動揺を抑制する少なくとも一つの第3の手段からなり、
    前記第1の手段、第2の手段、および第3の手段の出力を加算して励磁制御系に加えるようにしたことを特徴とする系統安定化装置。
  2. 前記長周期型安定化信号算出手段が入力する前記同期発電機のローターの回転速度信号を、
    前記同期発電機の電圧の周波数または電流の周波数の信号、前記同期発電機の有効電力信号、水車のガイドベーン開度信号と前記同期発電機の有効電力信号との組み合わせから生成する回転速度信号、前記同期発電機に直結されたタービンのバルブ開度信号と前記同期発電機の有効電力信号との組み合わせから生成する回転速度信号、前記同期発電機のローターの位相角信号と前記同期発電機の電圧位相信号との組み合わせから生成する発電機内部位相信号、前記同期発電機の電圧信号と電流信号との組み合わせから生成する発電機内部電圧位相信号および発電機電圧位相信号の組み合わせから生成する発電機内部位相信号、前記同期発電機の有効電力信号と前記同期発電機の電圧信号との組み合わせから生成する前記同期発電機のローターの位相角信号、あるいは前記同期発電機の電圧信号と電流信号との組み合わせから生成する発電機内部電圧位相信号のうちの少なくともいずれか一つに置換するようにしたことを特徴とする請求項1に記載の系統安定化装置。
  3. 前記長周期型安定化信号算出手段を複数備えていることを特徴とする請求項1に記載の系統安定化装置。
  4. 前記長周期型安定化信号算出手段を複数備え、かつ前記各長周期型安定化信号算出手段は安定化関数の制御定数が、それぞれ異なっていることを特徴とする請求項1に記載の系統安定化装置。
  5. 前記短周期型安定化信号算出手段の出力と、前記長周期型安定化信号算出手段を複数備えこれらの各出力全てと、を加算して前記励磁制御系に加えるようにしたことを特徴とする請求項1に記載の系統安定化装置。
  6. 前記短周期型安定化信号算出手段の出力と、前記長周期型安定化信号算出手段を複数備え、かつ前記各長周期型安定化信号算出手段の安定化関数の制御定数が、それぞれ異なる長周期型安定化信号算出手段の全ての出力と、を加算して前記励磁制御 系に加えるようにしたことを特徴とする請求項1に記載の系統安定化装置。
  7. 前記長周期型安定化信号算出手段は、数秒から十数秒程度の長周期の電力動揺を抑制するように、前記同期発電機のローターの回転速度信号あるいはこれに相当する等価信号を入力として、当該入力信号に対して前記同期発電機のローターの位相角信号と同相となる位相遅れ補償を行なう位相補償関数を含む適切な安定化関数を備え、前記長周期の系統モードの電力動揺を抑制するものであって、
    前記長周期型安定化信号算出手段は、前記同期発電機のローターの回転速度信号の変化分を入力として、当該入力信号に対して前記同期発電機のローターの位相角信号と同相となる位相遅れ補償を行なう位相進み遅れ補償関数を含む適切な第3の安定化関数を備え、
    数秒程度の短周期と比較して長周期の系統モードの電力動揺を抑制する少なくとも一つの第3の手段から成り、前記第3の手段の出力を加算して励磁制御系に加えるようにしたことを特徴とする請求項1に記載の系統安定化装置。
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