JP4033540B2 - 光走査型タッチパネル - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、コンピュータの表示画面等をタッチするための目標区域として規定された平面の範囲とし、その平面の範囲内を遮断物(指示物)によりタッチして情報を入力する光走査型タッチパネルに関する。
【0002】
【従来の技術】
パーソナルコンピュータ等の画面に表示された情報に対してタッチ方式にて入力操作を行なう場合には、その表示画面上での接触位置(指示位置)を高精度に検出する必要がある。このような座標面となる表示画面上の指示位置を検出する方法として、「キャロル方式」(米国特許4,267,443号)が知られている。この方法は、表示画面の前面の枠に発光素子と受光素子とを対向配置させることによって表示画面の前面に光のマトリックスを構成し、指またはペンの接触による光の遮断位置を検出している。この方法では、高いS/Nが得られて大型の表示装置に適用を拡張させることも可能であるが、発光素子及び受光素子の配置間隔に検出の分解能が比例するので、検出の分解能を高めるためにはその配置間隔を狭くする必要がある。従って、大画面に対してペン先等のような細い物で接触した場合にもその接触位置を精度良く検出するためには、配置すべき発光素子及び受光素子の数が増大し、構成が大嵩になると共に、信号処理も複雑になるという問題がある。
【0003】
また、他の光学的な位置検出方法が、特開昭57−211637号公報に開示されている。この方法は、レーザ光線のような絞った光を表示画面の外側から角度走査し、反射体を有する専用ペンからの反射光の2つのタイミングから専用ペンが存在する角度をそれぞれ求め、求めた角度を三角測量の原理にあてはめて位置座標を計算にて検出する。この方法では、部品点数を大幅に削減でき、また、高い分解能を有することも可能である。しかしながら、専用の反射ペンを利用しなければならない等、操作性に問題があり、また、指,任意のペン等の位置は検出することができない。
【0004】
更に他の光学的な位置検出方法が、特開昭62−5428号公報に提案されている。この方法は、表示画面の両側枠に光再帰性反射体を配置し、角度走査した光線のこの光再帰性反射体からの戻り光を検知し、指またはペンによって光線が遮断されるタイミングから指またはペンの存在角度を求め、求めた角度から三角測量の原理にて位置座標を検出する。この方法では、部品点数が少なくて検出精度を維持でき、指,任意のペン等の位置も検出できる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上述のような光学的な位置検出方法では、表示画面の表示品質を全く低下させることなしに指,任意のペン等の位置も検出可能であるが、検出の分解能を向上させ、また大画面化を実現するためには光の送受信素子の数を増加させる必要があり、製造コストの高騰,信号処理の複雑化を招来する。
【0006】
また、光再帰性反射体を利用する構成では、大画面化に伴って走査光の反射光量が小さくなってS/Nの確保が困難となる。
【0007】
本発明は以上のような事情に鑑みてなされたものであり、表示品質を低下させることなく、また十分なS/Nを確保しつつ検出の分解能を向上させ、大画面化を実現可能な光走査型タッチパネルの提供を目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
第1の発明の光走査型タッチパネルは、発光器が発光した光を、指示物でタッチするための目標区域として規定された平面の範囲と実質的に平行である面内で角度走査する少なくとも2組の光走査部と、光走査部により走査された光を受光して受光信号を出力する受光器と、平面の範囲の周辺に実質的に連続して設けられ、光走査部により走査される光を受光器へ導く導光体と、受光器が出力する受光信号に基づいて、平面の範囲内に指示物が存在する場合にそれによる走査光の遮断範囲を計測する計測手段と、この計測手段による計測結果に基づいて指示物の平面の範囲内での少なくとも位置を演算する演算手段と、少なくとも2組の光走査部による走査光をそれぞれ異なる周波数でスイッチングするための少なくとも2個のスイッチング手段と、これらのスイッチング手段それぞれのスイッチング周波数を含む周波数を通過させる少なくとも2個のバンドパスフィルタとを備え、受光器が出力した受光信号をバンドパスフィルタで濾波することにより少なくとも2組の光走査部による走査光の受光信号を分離すべくなしてあることを特徴とする。
第2の発明の光走査型タッチパネルは、発光器が発光した光を、指示物でタッチするための目標区域として規定された平面の範囲と実質的に平行である面内で角度走査する少なくとも2組の光走査部と、光走査部により走査された光を受光して受光信号を出力する受光器と、平面の範囲の周辺に実質的に連続して設けられ、光走査部により走査される光を受光器へ導く導光体と、受光器が出力する受光信号に基づいて、平面の範囲内に指示物が存在する場合にそれによる走査光の遮断範囲を計測する計測手段と、この計測手段による計測結果に基づいて指示物の平面の範囲内での少なくとも位置を演算する演算手段と、光走査部による走査光をそれぞれスイッチング制御するスイッチング手段と、光走査部による走査光が同時にオンしないようにスイッチング手段を制御する制御信号とを備えたことを特徴とする。
第3の発明の光走査型タッチパネルは、発光器が発光した光を、指示物でタッチするための目標区域として規定された平面の範囲と実質的に平行である面内で角度走査する少なくとも2組の光走査部と、光走査部により走査された光を受光して受光信号を出力する受光器と、平面の範囲の周辺に実質的に連続して設けられ、光走査部により走査される光を受光器へ導く導光体と、受光器が出力する受光信号に基づいて、平面の範囲内に指示物が存在する場合にそれによる走査光の遮断範囲を計測する計測手段と、この計測手段による計測結果に基づいて指示物の平面の範囲内での少なくとも位置を演算する演算手段と、少なくとも2組の光走査部による走査光を同一の周波数でスイッチングするための少なくとも2個のスイッチング手段と、これらのスイッチング手段それぞれによるスイッチングが異なる位相となるように位相変換を行なう位相変換手段と、受光器が出力する受光信号をこの位相変換手段による変換後の位相に同期して検出する検出手段とを備え、受光器が出力する受光信号を検出手段で検出することにより少なくとも2組の光走査部による走査光の受光信号を分離すべくなしてあることを特徴とする。
第4の発明の光走査型タッチパネルは、発光器が発光した光を、指示物でタッチするための目標区域として規定された平面の範囲と実質的に平行である面内で角度走査する少なくとも2組の光走査部と、光走査部により走査された光を受光して受光信号を出力する受光器と、平面の範囲の周辺に実質的に連続して設けられ、光走査部により走査される光を受光器へ導く導光体と、受光器が出力した受光信号に基づいて、平面の範囲内に指示物が存在する場合にそれによる走査光の遮断範囲を計測する計測手段と、この計測手段による計測結果に基づいて指示物の平面の範囲内での少なくとも位置を演算する演算手段と、少なくとも2組の光走査部による走査光を平面への走査に先立って直接受光する受光器を備えたことを特徴とする。
【0009】
このような第1の発明では、少なくとも2個のスイッチング手段が、少なくとも2組の光走査部による走査光をそれぞれ異なる周波数でスイッチングし、受光器が出力する受光信号をバンドパスフィルタで濾波することにより、少なくとも2個の光走査部による走査光の受光信号が分離される。
第2の発明では、少なくとも2個の光走査部による走査光がそれぞれ同時にオンしないようにスイッチング制御されるので、少なくとも2個の光走査部による走査光の受光信号の区別が可能になる。
第3の発明では、少なくとも2組の光走査部による走査光が同一の周波数で異なる位相となるようにスイッチングされ、それぞれの位相に同期して受光信号が検出されることにより、少なくとも2組の光走査部による走査光の受光信号が分離される。
第4の発明では、少なくとも2組の光走査部による走査光が指示物でタッチするための目標区域として規定された平面への走査に先立って受光器に直接受光されるので、各1回の光走査の開始タイミングが検出される。
【0010】
第5の発明の光走査型タッチパネルは、第1から第4のいずれかの発明において、演算手段が、計測手段による計測結果に基づいて指示物の平面の範囲内での大きさを演算すべくなしてあることを特徴とする。
【0011】
このような第5の発明では、演算手段が指示物の位置のみならず、大きさもその変化をも含めて演算する。
【0012】
第6の発明の光走査型タッチパネルは、第1から第5のいずれかの発明において、導光体が、1または複数の棒状の導光手段をその長手方向に実質的に連続して平面の範囲の周辺に配置してなることを特徴とする。
【0013】
このような第6の発明では、棒状の導光手段で構成される導光体により走査光が受光器へ伝播される。
【0014】
第7の発明の光走査型タッチパネルは、第6の発明において、導光手段が丸棒状であり、その外周の平面の範囲に面する部分が光走査部からの走査光の入射が可能に構成されていることを特徴とする。
【0015】
このような第7の発明では、丸棒状の導光手段で構成される導光体の外周の指示物でタッチするための目標区域として規定された平面の範囲に面する部分から走査光が入射して受光器へ伝播される。
【0016】
第8の発明の光走査型タッチパネルは、第6または第7の発明において、導光手段が、光の入射が可能な部分が他の部分よりも小さい断面形状に構成されていることを特徴とする。
【0017】
このような第8の発明では、断面形状が光の入射が可能な部分が他の部分よりも小さいため、一旦入射した光走査部からの走査光の外部への漏光が抑制される。
【0018】
第9の発明の光走査型タッチパネルは、第6または第7の発明において、導光手段が、複数の光ファイバを並列してシート状に束ねたファイバシートで構成されていることを特徴とする。
【0019】
このような第9の発明では、光走査部からの走査光が複数の光ファイバを並列してシート状に束ねたファイバシートで構成された導光手段に入射し、受光器へ伝播される。
【0020】
第10の発明の光走査型タッチパネルは、第1から第5のいずれかの発明において、受光器が、導光体の端部に備えられていることを特徴とする。
【0021】
このような第10の発明では、導光体内を伝播した光走査部からの走査光がその端部で受光器に入射する。
【0022】
第11の発明の光走査型タッチパネルは、第1から第5のいずれかの発明において、導光体が、平面の範囲の周囲を囲繞する連続した導光手段で構成されていることを特徴とする。
【0023】
このような第11の発明では、指示物でタッチするための目標区域として規定された平面の範囲の周囲を囲繞する連続した導光手段で構成される導光体に光走査部からの走査光が入射して受光器へ伝播される。
【0024】
第12の発明の光走査型タッチパネルは、第6から第11のいずれかの発明において、導光体が、入射する光を散乱させる散乱手段を有することを特徴とする。
【0025】
このような第12の発明では、導光体に入射した光走査部からの走査光が散乱手段で散乱されて導光体内を伝播する。
【0026】
第13の発明の光走査型タッチパネルは、第12の発明において、散乱手段が、導光体の表面に他の部分に比して光学的に粗である領域として形成されていることを特徴とする。
【0027】
このような第13の発明では、導光体の表面に形成された他の部分に比して光学的に粗である領域で光走査部からの走査光が散乱された後に導光体内へ入射する。
【0028】
第14の発明の光走査型タッチパネルは、第12の発明において、散乱手段が、導光体の内部に形成されていることを特徴とする。
【0029】
このような第14の発明では、導光体に入射した光走査部からの走査光が導光体内で散乱されて導光体内を伝播される。
【0030】
第15の発明の光走査型タッチパネルは、第6から第11のいずれかの発明において、散乱手段が、導光体の表面に備えられた回折格子であることを特徴とする。
【0031】
このような第15の発明では、光走査部からの走査光が回折格子により散乱されて内部へ入射する。
【0032】
第16の発明の光走査型タッチパネルは、第15の発明において、回折格子が、その配列間隔がそれぞれが備えられている導光体の位置での走査光の入射角度に対応して設定されていることを特徴とする。
【0033】
このような第16の発明では、それぞれが備えられている導光体の位置での走査光の入射角度に対応して回折格子の配列間隔が設定されているので、光走査部からの走査光が最適な入射角度で導光体に入射する。
【0034】
第17の発明の光走査型タッチパネルは、第15の発明において、散乱手段が、それぞれが備えられている導光体の位置での走査光の入射角度に対応して散乱の度合いを異ならせてなることを特徴とする。
【0035】
このような第17の発明では、光走査部からの走査光が導光体に入射した場合に外部への漏光が最小限に抑制される。
【0036】
第18の発明の光走査型タッチパネルは、第6から第11のいずれかの発明において、導光体が、その外面の走査光が入射する領域以外の領域を導光体側へ光を反射する反射手段で覆われていることを特徴とする。
【0037】
このような第18の発明では、導光体に入射した光走査部からの走査光が導光体内部で反射しつつ受光器へ伝播する。
【0038】
第19の発明の光走査型タッチパネルは、第6から第11のいずれかの発明において、導光体が、その外面の走査光が入射する領域の平面と直交方向の幅が走査光のビーム径に実質的に等しく構成されていることを特徴とする。
【0039】
このような第19の発明では、光走査部からの走査光が効率的に導光体に入射する。
【0040】
第20の発明の光走査型タッチパネルは、第1から第5のいずれかの発明において、導光体が、複数の光ファイバの端面を指示物でタッチするための目標区域として規定された平面の範囲に対向させたファイバアレイで構成されていることを特徴とする。
【0041】
このような第20の発明では、ファイバアレイを構成する各光ファイバの端面に入射した光走査部からの走査光がそのまま光ファイバを高効率で伝播する。
【0042】
第21の発明の光走査型タッチパネルは、第20の発明において、ファイバアレイの各光ファイバが、それぞれの端面が走査光の光軸に対して実質的に直交するように配置されていることを特徴とする。
【0043】
このような第21の発明では、ファイバアレイを構成する各光ファイバの端面に光走査部からの走査光が高効率で各光ファイバに入射する。
【0044】
第22の発明の光走査型タッチパネルは、第20または第21の発明において、ファイバアレイの各光ファイバが、それぞれの端面が外側へ凸となる形状の形成されていることを特徴とする。
【0045】
このような第22の発明では、ファイバアレイを構成する各光ファイバの端面に光走査部からの走査光が高効率で各光ファイバに入射する。
【0046】
第23の発明の光走査型タッチパネルは、第1から第5のいずれかの発明において、導光体が、その外周の平面の範囲に面する部分が切り取られた断面形状で内面が鏡面仕上げされた筒状に形成された導光手段で構成されていることを特徴とする。
【0047】
このような第23の発明では、筒状に形成された導光手段に切り取り部分から入射し、内部で反射しつつ伝播される。
【0048】
第24の発明の光走査型タッチパネルは、第23の発明において、導光手段が、その内部の切り取られた部分に対向する位置に、光を散乱する散乱手段を備えたことを特徴とする。
【0049】
このような第24の発明では、導光手段に入射した光走査部からの走査光が内部の散乱手段で散乱されて伝播される。
【0050】
第25の発明の光走査型タッチパネルは、第24の発明において、導光手段が、その内部の切り取られた部分に対向する位置に、広角度に光を反射する反射手段を備えたことを特徴とする。
【0051】
このような第25の発明では、導光手段に入射した光走査部からの走査光が内部の反射手段で反射されて伝播される。
【0052】
第26の発明の光走査型タッチパネルは、第1から第25のいずれかの発明において、受光器が光走査部それぞれから走査される走査光を個別に受光するために複数が備えられており、導光体はこれらの複数の受光器それぞれに光走査部それぞれから走査された走査光を個別に導光するために複数が備えられていることを特徴とする。
【0053】
このような第26の発明では、複数の受光器それぞれに光走査部それぞれから走査された走査光が個別に導光体により導光されるので、いずれの光走査部からの走査光であるかの区別が容易になる。
【0054】
第27の発明の光走査型タッチパネルは、第1から第25のいずれかの発明において、光走査部がそれぞれ異なる波長の走査光を走査し、導光体と受光器との間に光走査部それぞれが走査する走査光の波長に対応した光学フィルタが備えられていることを特徴とする。
【0055】
このような第27の発明では、導光体と受光器との間に備えられた光走査部それぞれが走査する走査光の波長に対応した光学フィルタにより光走査部それぞれからの走査光が分離される。
【0064】
【発明の実施の形態】
以下、本発明をその実施の形態を示す図面を参照して具体的に説明する。
【0065】
図1は、本発明の光走査型タッチパネルの実施の形態の一例の基本構成を示す模式図である。
【0066】
図1において参照符号10は、パーソナルコンピュータ等の電子機器におけるCRTまたはフラットディスプレイパネル(PDP,LCD,EL等),投射型映像表示装置等の表示画面であり、本実施の形態では横方向92.0cm×縦方向51.8cmで対角105.6cmの表示寸法を有するPDP(プラズマディスプレイ)の表示画面として構成されている。
【0067】
遮断物(指示物)Sによりタッチするための目標区域として規定された平面の範囲であるこの長方形の表示画面10の一つの短辺(本実施の形態では右側の辺)の両隅の外側には、発光素子,受光素子,ポリゴンミラー等を含む光学系を内部に有する光走査ユニット1a,1bがそれぞれ設けられている。また、表示画面10の右側の辺を除く3辺、つまり、上下両側の辺及び左側の辺の外側には導光体7が設けられている。なお、参照符号Sは遮断物(指示物)としての人の指の断面を示している。
【0068】
図2は、光走査ユニット1a,1bの内部構成及び光路を示す模式図である。両光走査ユニット1a,1bは、赤外線レーザを出射するレーザダイオードからなる発光素子11a,11bと、発光素子11a,11bからのレーザ光を平行光にするためのコリメータレンズ12a,12bと、発光素子11a,11bからのレーザ光を角度走査するための本実施の形態では4角形のポリゴンミラー16a,16bと等を有する。
【0069】
なお、参照符号18a,18bはタイミング検出用受光素子であり、各1走査の開始時点においてポリゴンミラー16a,16bから走査されたレーザ光を受光することにより、同期信号のタイミングを決定し、またポリゴンミラー16a,16bの回転速度の補正のための情報の生成に利用される。
【0070】
発光素子11a,11bから出射されたレーザ光は、コリメータレンズ12a,12bにて平行光にされ、ポリゴンミラー16a,16bの回転によって表示画面10と実質的に平行である面内を角度走査されて導光体7に入射する。但し、図1に示されているように、投射光の光路に遮断物(指示物)Sが存在する場合には投射光が遮断されるため、投射光が導光体7に入射することはない。
【0071】
なお、ポリゴンミラー16a,16bの回転により、90度以上のレーザ光の角度走査が実現される。
【0072】
図1に戻って、各光走査ユニット1a,1bには、発光素子11a,11bを駆動する発光素子駆動回路2a,2bと、ポリゴンミラー16a,16bの動作を制御するポリゴン制御回路4とが接続されている。
【0073】
導光体7は、本実施の形態では2長辺(図1上で上下両側の辺)においては3個が実質的に連続して設置されており、短辺(図1上で左側の辺)においては2個が実質的に連続して設置されており、それぞれを導光体7a〜7hと称する。なお、導光体7として導光率がより高い材質を使用する場合には、導光体7の総数をより少なくして、たとえば2長辺(図1上で上下両側の辺)においては2個を、短辺(図1上で左側の辺)においては1個のみを設置してもよく、更に導光率が高い材質を使用する場合には、導光体7を1個のみ使用して表示画面10をU字状に囲むように設置してもよい。
【0074】
各導光体7a〜7hにはそれぞれ受光素子13a〜13hが接続されている。これらの受光素子13a〜13hは、それぞれが接続されている導光体7a〜7hに入射した光量をアナログ信号に変換した受光信号として出力する。そして、各導光体7a〜7h及びタイミング検出用受光素子18a,18bから出力される受光信号は加算されて受光信号検出回路3に与えられる。受光信号検出回路3は各導光体7a〜7h及びタイミング検出用受光素子18a,18bから与えられる信号を論理処理して受光信号を検出し、MPU5に与える。
【0075】
MPU5は、指,ペン等の遮断物(指示物)Sの位置,大きさを計測演算すると共に、装置全体の動作を制御するMPUであり、6はMPU5での計測結果等を表示する表示装置である。なお、この表示装置6の表示画面は表示画面10と兼用することも勿論可能である。
【0076】
このような本発明の光走査型タッチパネルにおいては、図1に示されているように、たとえば光走査ユニット1bに関して説明すると、光走査ユニット1bからの投射光は、まずタイミング検出用受光素子18bに入射する位置から光遮蔽部材70により遮蔽される位置を経て図1上で反時計方向回りに走査され、導光体7(7h)の先端部分に入射する位置(Ps)に至って走査開始位置になる。そして、遮断物Sの一端に至る位置(P1)にいたるまでは導光体7(7h,7g)に入射するが、遮断物Sの他端に至る位置(P2)までの間は遮断物Sによって遮断されて導光体7(7g)には入射せず、その後の走査終了位置(Pe)に至るまでは導光体7(7g,7f,7e,7d)に入射する。
【0077】
但し、光走査ユニット1aでは、図1上で時計方向回りに光の走査が行なわれる。ここで、光走査ユニット1aは図1上で時計方向回りに表示画面10の下辺側を走査開始方向とし、逆に光走査ユニット1bは図1上で反時計回り方向に表示画面10の上辺側を走査開始方向とする理由について説明する。
【0078】
たとえば光走査ユニット1bの場合には、表示画面10の上辺側または左辺側のいずれを走査開始方向としてもよいが、光走査ユニット1bから見た場合、表示画面10の上辺の方が下辺よりも距離的に近いために導光体7(7h)への入射光量が大であること、及び導光体7(7h)の入射面が表示画面10の上辺ではほぼ直角であるために入射光量が大であることにより、表示画面10の上辺側を走査開始方向としている。換言すれば、光走査ユニット1bの場合に表示画面10の下辺側を走査開始方向とすると、表示画面10の下辺の方が上辺よりも距離的に遠いため、走査開始時点の入射光量が小さくなる。
【0079】
図3は、本発明の光走査型タッチパネルの信号処理のための構成を示すブロック図である。ポリゴン制御回路4は、ポリゴンミラー16a,16bを一定速度で回転させるパルスモータ21と、パルスモータ21を駆動するパルスモータ駆動回路22とを有する。
【0080】
MPU5は、発光素子駆動回路2a,2bに駆動制御信号を送り、その駆動制御信号に応じて発光素子駆動回路2a,2bが駆動されて、発光素子11a,11bの発光動作が制御される。なお、発光素子駆動回路2a,2bはそれぞれ、発振器20a,20b及びドライバ2Da,2Dbを備えている。
【0081】
発光素子駆動回路2aの発振器20aは本実施の形態では100MHzのスイッチング周波数でドライバ2Daを駆動して発光素子11aを発光させる。一方、発光素子駆動回路2bの発振器20bは本実施の形態では200MHzのスイッチング周波数でドライバ2Dbを駆動して発光素子11bを発光させる。
【0082】
受光信号検出回路3は、たとえば図1に示されている受光素子13a〜13hへの入射光量を示すアナログ信号が加算された信号を受光信号として入力し、それを論理処理して検出し、その結果をMPU5へ送る。
【0083】
MPU5は、パルスモータ21を駆動するための駆動制御信号をパルスモータ駆動回路22へ送る。また、MPU5は、受光信号検出回路3から与えられる信号に基づいて、遮断物(指示物)の位置,大きさを計測し、その計測結果を表示装置6に表示する。なお、表示装置6の表示画面は表示画面10を兼用することも可能である。なお、MPU5は、信号処理及び遮断物(指示物)の位置,大きさを計測するためのプログラムを記憶しておくための読出し専用メモリ(ROM)25及び種々のデータの一時記憶に使用する書き込み可能なメモリ(RAM)26を内蔵している。
【0084】
次に、受光信号検出回路3について説明する。なお、図3では説明の簡単のため、参照符号13により受光素子13a〜13hを一括して表している。また、図3に示されている実施の形態においてはタイミング検出用受光素子18a,18bは使用しないものとする。
【0085】
受光素子13は受光量を電流値に比例させた受光信号として出力するため、電流/電圧(I/V)変換器30により受光素子13からの出力信号(電流)を電圧信号に変換する。電流/電圧変換器30から出力された電圧信号はバンドパスフィルタ31a,31bへ送られる。
【0086】
ところで、発光素子11aは発振器20aにより100MHzの、発光素子11bは発振器20bにより200MHzのスイッチング周波数で発光駆動されるため、バンドパスフィルタ31aは100MHzの周波数を通過させ、バンドパスフィルタ31bは200MHzの周波数を通過させるように設定されている。従って、バンドパスフィルタ31aを通過するのは発光素子11aによる走査光の受光信号であり、バンドパスフィルタ31bを通過するのは発光素子11bによる走査光の受光信号である。
【0087】
バンドパスフィルタ31aを通過した信号(発光素子11aによる走査光の受光信号)はコンパレータ32aに比較対象の信号として入力される。このコンパレータ32aの出力は第1タイマ34aに入力される。一方、バンドパスフィルタ31bを通過した信号(発光素子11bによる走査光の受光信号)はコンパレータ32bに比較対象の信号として入力される。このコンパレータ32bの出力は第2タイマ34bに入力される。
【0088】
なお、コンパレータ32a,32bには、所定の基準電圧Vrefが比較のしきい値として入力されている。この基準電圧Vrefは、受光素子13が光走査ユニット1a,1bからの走査光を受光している場合に電流/電圧変換器30から出力される電圧値の最低値と走査光を受光していない場合に電流/電圧変換器30から出力される電圧値との中間の値に設定されている。従って、コンパレータ32a,32bは受光素子13が光走査ユニット1a,1bからの走査光を受光している期間においてのみ信号”1”を出力し、それ以外の期間においては信号”0”を出力する。
【0089】
なお、第1タイマ34aはコンパレータ32aが出力する信号”1”または”0”の継続時間を計測し、第2タイマ34bはコンパレータ32bが出力する信号”1”または”0”の継続時間を計測し、それぞれ計測結果をMPU5に与える。
【0090】
このような受光信号検出回路3の構成により、MPU5は以下のような処理、即ち本発明の光走査型タッチパネルによる位置検出処理を行なう。以下、その原理を示す図4の模式図及び指示物Sが存在しない場合の受光信号の波形を示す図5のタイムチャートを参照して説明する。但し、図4では光走査ユニット1a,1b、導光体7a〜7h,表示画面10以外の構成部材は図示を省略している。また、指示物Sとして指を用いた場合を示している。
【0091】
MPU5はポリゴン制御回路4を制御することにより、光走査ユニット1a,1b内のポリゴンミラー16a,16bを回転させて、発光素子11a,11bからのレーザ光を角度走査する。この際、MPU5は発光素子11aには発光素子駆動回路2aの発振器20aにより100MHzのスイッチング周波数で、発光素子11bには発光素子駆動回路2bの発振器20bにより200MHzのスイッチング周波数でそれぞれ発光させる。この結果、導光体7(7a〜7h)へは両光走査ユニット1a,1bからの走査光が入射し、受光素子13(13a〜13h)に導かれる。このような導光体7(7a〜7h)への走査光の入射光量を示す受光信号は加算されて受光信号検出回路3に与えられる。
【0092】
なお、図4において、θ00,φ00は両光走査ユニット1a,1bを結ぶ基準線から両タイミング検出用受光素子18a,18bまでの角度を、θ0,φ0は両光走査ユニット1a,1bを結ぶ基準線から導光体7a〜7hの端部までの角度を、θ1,φ1は基準線から遮断物(指示物)Sの基準線側端部までの角度を、θ2,φ2は基準線から遮断物(指示物)Sの基準線と逆側端部までの角度をそれぞれ示している。但し、θ00,φ00はここでは使用されない。
【0093】
図5の波形図に、遮断物(指示物)Sが存在しない場合のタイムチャートを示す。図5(a) は受光信号(電流/電圧変換器30の出力信号)を、図5(b) はコンパレータ32aの出力信号(光走査ユニット1aによる走査光の受光信号)を、図5(c) はコンパレータ32bの出力信号(光走査ユニット1bによる走査光の受光信号)のタイミングをそれぞれ示している。
【0094】
図5(a) に示されているように、電流/電圧変換器30からは両光走査ユニット1a,1bによる走査光の受光結果が区別無しに出力されるが、バンドパスフィルタ31aは光走査ユニット1aによる走査光のみを通過させ、バンドパスフィルタ31bは光走査ユニット1bによる走査光のみを通過させる。このため、図5(b) に示されているように、コンパレータ32aの出力信号は光走査ユニット1aによる走査光の受光結果を、図5(c) に示されているように、コンパレータ32bの出力信号は光走査ユニット1bによる走査光の受光結果をそれぞれ示す。
【0095】
表示画面10上に遮断物(指示物)Sが存在する場合には、光走査ユニット1a,1bから投射された走査光は遮断物(指示物)Sによって遮断されるため、その間は導光体7a〜7hを経由して受光素子13に走査光が入射することはない。従って、図4に示されているような状態では,光走査ユニット1aによる走査角度が0°からθ0までの間では受光素子13には走査光は入射せず、走査角度がθ0からθ1までの間では受光素子13に走査光が入射し、走査角度がθ1からθ2までの間では受光素子13に走査光は入射しない。
【0096】
上述のような受光素子13への走査光の入射はバンドパスフィルタ31aを介してコンパレータ32aの”1”または”0”出力となるので、第1タイマ34aがそれぞれの継続時間を計時して結果をMPU5に与える。
【0097】
同様に、光走査ユニット1bによる走査角度が0°からφ0までの間では導光体7a〜7hを経由して受光素子13に走査光が入射することはなく、走査角度がφ0からφ1までの間では受光素子13に走査光が入射し、走査角度がφ1からφ2までの間では受光素子13に走査光が入射することはない。
【0098】
上述のような受光素子13への走査光の入射はバンドパスフィルタ31bを介してコンパレータ32bの”1”または”0”出力となるので、第2タイマ34bがそれぞれの継続時間を計時して結果をMPU5に与える。
【0099】
なお、このような角度は、図6のタイムチャートに示されているように、受光信号の立ち上がりまたは立ち下がりのタイミングから求めることが可能である。従って、指示物としての人の指による遮断範囲を、dθ=θ2−θ1,dφ=φ2−φ1として求めることができる。
【0100】
なお、図4において、θ0及びφ0は、両光走査ユニット1a,1bを結ぶ基準線と導光体7(7a〜7h)の端部の位置関係から既知であることは言うまでもない。
【0101】
図7は、本発明の光走査型タッチパネルの信号処理のための構成の他の実施の形態を示すブロック図である。この例では、発光素子駆動回路2a,2b及び受光信号検出回路3の構成が前述の図3に示されている例と異なる。
【0102】
MPU5は、発光素子駆動回路2a,2bに駆動制御信号を送り、その駆動制御信号に応じて発光素子駆動回路2a,2b内のドライバ2Da,2Dbが駆動されて、発光素子11a,11bの発光動作が制御される。なお、MPU5は両ドライバ2Da,2Dbの駆動タイミングを調整して両発光素子11a,11bが同時には発光しないように制御する。
【0103】
次に、図7に示されている受光信号検出回路3について説明する。なお、図7では説明の簡単のため、参照符号13により受光素子13a〜13hを一括して表している。また、図7に示されている実施の形態においてはタイミング検出用受光素子18a,18bは使用しないものとする。
【0104】
受光素子13は受光量を電流値に比例させた受光信号として出力するため、電流/電圧(I/V)変換器30により受光素子13からの出力信号(電流)を電圧信号に変換する。電流/電圧変換器30から出力された電圧信号(発光素子11a,11bの双方による走査光の受光信号、但し両者はオーバラップすることが無いようにMPU5により制御される)はコンパレータ32に比較対象の信号として入力される。このコンパレータ32の出力はタイマ34に入力されており、その出力はMPU5に入力されている。
【0105】
なお、コンパレータ32には、前述同様の所定の基準電圧Vrefが比較のしきい値として入力されている。従って、コンパレータ32は受光素子13が光走査ユニット1a,1bからの走査光を受光している期間においてのみ信号”1”を出力し、それ以外の期間においては信号”0”を出力する。
【0106】
また、タイマ34はコンパレータ32が出力する信号”1”または”0”の継続時間を計測し、計測結果をMPU5に与える。
【0107】
このような図7に示されている受光信号検出回路3の構成では、MPU5は以下のような処理、即ち本発明の光走査型タッチパネルによる位置検出処理を行なう。以下、その原理を示す前述の図4の模式図及び受光信号の波形を示す図8及び図9のタイムチャートを参照して説明する。
【0108】
MPU5はポリゴン制御回路4を制御することにより、光走査ユニット1a,1b内のポリゴンミラー16a,16bを回転させて、発光素子11a,11bからのレーザ光を角度走査する。この際、MPU5は発光素子11aと発光素子11bとが同時には発光しないように制御する。この結果、導光体7(7a〜7h)へは両光走査ユニット1a,1bからの走査光が入射し、受光素子13(13a〜13h)に導かれる。このような導光体7(7a〜7h)への走査光の入射光量を示す受光信号は加算されて受光信号検出回路3に与えられる。
【0109】
図8の波形図に、遮断物(指示物)Sが存在しない場合のタイムチャートを示す。図8(a) は発光素子11aの発光タイミングを、図8(b) は発光素子11bの発光タイミングを、図8(c) はコンパレータ32の出力信号(発光素子11a及び11bによる走査光の受光信号)のタイミングをそれぞれ示している。
【0110】
図8(a) 及び図8(b) に示されているように、両発光素子11a,11bはMPU5により制御されて同時には発光しないので、図8(c) に示されているようなコンパレータ32の出力信号のタイマ34による計時結果をMPU5はいずれの光走査ユニット1a,1bからの走査光によるかを区別することが可能である。
【0111】
表示画面10上に遮断物(指示物)Sが存在する場合には、光走査ユニット1a,1bから投射された走査光は遮断物(指示物)Sによって遮断されるため、その間は導光体7a〜7hを経由して受光素子13に走査光が入射することはない。従って、図4に示されているような状態では,光走査ユニット1aによる走査角度が0°からθ0までの間では受光素子13には走査光は入射せず、走査角度がθ0からθ1までの間では受光素子13に走査光が入射し、走査角度がθ1からθ2までの間では受光素子13に走査光は入射しない。
【0112】
同様に、光走査ユニット1bによる走査角度が0°からφ0までの間では導光体7a〜7hを経由して受光素子13に走査光が入射することはなく、走査角度がφ0からφ1までの間では受光素子13に走査光が入射し、走査角度がφ1からφ2までの間では受光素子13に走査光が入射することはない。このような角度は、図9のタイムチャートに示されているように、受光信号の立ち上がりまたは立ち下がりのタイミングから求めることが可能である。従って、指示物としての人の指による遮断範囲を、dθ=θ2−θ1,dφ=φ2−φ1として求めることができる。
【0113】
図10は、本発明の光走査型タッチパネルの信号処理のための構成の更に他の実施の形態を示すブロック図である。この例では、発光素子駆動回路2a,2b及び受光信号検出回路3の構成が前述の図3に示されている例と異なる。
【0114】
MPU5は、発振器36を制御して適宜の周波数を発振させ、発光素子駆動回路2a,2bの位相変換器2Pa,2Pbに与える。両位相変換器2Pa,2Pbはそれぞれドライバ2Da,2Dbに同一周波数で位相が異なる信号を与えて発光素子11a,11bを発光させる。これにより、両発光素子11a,11bは同一周波数で位相が異なる光信号を発生し、これらが光走査ユニット1a,1bにより走査される。
【0115】
次に、図10に示されている受光信号検出回路3について説明する。なお、図10では説明の簡単のため、参照符号13により受光素子13a〜13hを一括して表している。また、図10に示されている実施の形態においてはタイミング検出用受光素子18a,18bは使用しないものとする。
【0116】
受光素子13は受光量を電流値に比例させた受光信号として出力するため、電流/電圧(I/V)変換器30により受光素子13からの出力信号(電流)を電圧信号に変換する。電流/電圧変換器30から出力された電圧信号は同期検出回路35a,35bに与えられる。これらの同期検出回路35a,35bには前述の位相変換器2Pa,2Pbからそれぞれ変換後の位相に同期した信号が与えられており、電流/電圧変換器30から与えられた信号を発光素子11a,11bの発光タイミングと同期してサンプルホールドする。
【0117】
上述の同期検出回路35a,35bによるサンプルホールドの結果、同期検出回路35aからは光走査ユニット1aの発光素子11aから発光された走査光の受光信号が分離されて出力され、同期検出回路35bからは光走査ユニット1bの発光素子11bから発光された走査光の受光信号が分離されて出力される。従って、同期検出回路35aからの出力信号をコンパレータ32aに、同期検出回路35bからの出力信号をコンパレータ32bにそれぞれ入力することにより、前述の図3に示されている受光信号検出回路3の場合と同様の第1タイマ34a及び第2タイマ34bによる計時結果が得られる。
【0118】
図11は、本発明の光走査型タッチパネルの信号処理のための構成の更に他の実施の形態を示すブロック図である。この例では、図1に示されているタイミング検出用受光素子18a,18bを使用する構成が示されている。なお、この図11に示されている構成では、前述の図7に示されている構成にタイミング検出用受光素子18a,18bを加えた構成となっているが、図3及び図10に示されている構成に適用することも勿論可能である。
【0119】
以下、図7に示されている構成と異なる部分について説明する。発光素子11a,11bにより発光され光走査ユニット1a,1bから走査された走査光は図1に示されているタイミング検出用受光素子18a,18bにそれぞれ受光され、電流/電圧変換器(I/V)30c,30dにより電圧信号に変換されてコンパレータ32c,32dにそれぞれ入力される。
【0120】
コンパレータ32c,32dには、所定の基準電圧Vrefmが比較のしきい値として入力されている。この基準電圧Vrefmは基準電圧Vrefよりは若干高い値に設定されている。その理由は、光走査ユニット1a,1bからの走査光が導光体7に入射して受光素子13に入射した場合の光量よりは光走査ユニット1a,1bから直接タイミング検出用受光素子18a,18bに入射した場合の光量の方が多いからである。
【0121】
両コンパレータ32c,32dの出力信号は直接MPU5に入力されるが、図12のタイミングチャートにそのタイミング検出用受光素子18a,18bにより得られる受光信号レベル変化の状態を示す。図12(a) にはタイミング検出用受光素子18aの受光信号が破線で示されている光走査ユニット1aによる走査光の受光信号と共に示されている。また、図12(b) にはタイミング検出用受光素子18bの受光信号が破線で示されている光走査ユニット1bによる走査光の受光信号と共に示されている。
【0122】
この図12に示されているように、タイミング検出用受光素子18a,18bにより光走査ユニット1a,1bによる各1回の走査の開始タイミングをMPU5が認識可能になる。従って、図12では破線で示されている導光体7に入射して受光素子13により受光された走査光が両光走査ユニット1a,1bのいずれにより走査されたかが容易に区別可能になる。また、ポリゴンミラー16a,16bの回転速度の調整も容易になる。
【0123】
なお、θ00及びφ00とθ0及びφ0とは、両光走査ユニット1a,1bを結ぶ基準線と両タイミング検出用受光素子18a,18bとの位置関係及び導光体7a〜7hの端部の位置関係から既知であることは言うまでもない。
【0124】
次に、上述のようにして得られた受光信号の各タイマによる計時結果から判明する走査光の遮断範囲から、指示物(本例では指)の中心位置(指示位置)の座標を求める処理について説明する。まず、三角測量に基づく角度から直交座標への変換を説明する。図13に示すように、光走査ユニット1aの位置を原点O、表示画面10の上辺,左辺をX軸,Y軸に設定し、基準線の長さ(光走査ユニット1a,1b間の距離)をLとする。また、光走査ユニット1bの位置をBとする。表示画面10上の指示物が指示した中心点P(Px,Py)が、光走査ユニット1a,1bからX軸に対してθ,φの角度でそれぞれ位置している場合、点PのX座標Px,Y座標Pyの値は、三角測量の原理により、それぞれ以下の(1),(2)式のように求めることができる。
【0125】
Px=(tanφ)÷(tanθ+tanφ)×L …(1)
Py=(tanθ・tanφ)÷(tanθ+tanφ)×L …(2)
【0126】
ところで、遮断物(指)Sには大きさがあるので、検出した受光信号の立ち上がり/立ち下がりのタイミングでの検出角度を採用した場合、図14に示すように、遮断物(指)Sのエッジ部の4点(図14のP1〜P4)を検出することになる。これらの4点は何れも指示した中心点(図14のPc)とは異なっている。そこで、以下のようにして 中心点Pcの座標(Pcx,Pcy)を求める。Px=Px(θ,φ),Py=Py(θ,φ)とした場合に、Pcx,Pcyは、それぞれ以下の(3),(4)式のように表せる。
【0127】
Pcx=Pcx(θ1+dθ/2,φ1+dφ/2) …(3)
Pcy=Pcy(θ1+dθ/2,φ1+dφ/2) …(4)
【0128】
そこで、(3),(4)式で表されるθ1+dθ/2,φ1+dφ/2を上記(1),(2)式のθ,φとして代入することにより、指示された中心点Pcの座標を求めることができる。
【0129】
なお、上述した例では、最初に角度の平均値を求め、その角度の平均値を三角測量の変換式(1),(2)に代入して、指示位置である中心点Pcの座標を求めるようにしたが、最初に三角測量の変換式(1),(2)に従って走査角度から4点P1〜P4の直交座標を求め、求めた4点の座標値の平均を算出して、中心点Pcの座標を求めるようにすることも可能である。また、視差、及び、指示位置の見易さを考慮して、指示位置である中心点Pcの座標を決定することも可能である。
【0130】
ポリゴンミラー16a,16bの回転の走査角速度が一定であれば、その走査角度は回転時間に比例するので、時間を計時することにより走査角度の情報を得ることができる。図15は、受光信号検出回路3aからの受光信号と、ポリゴンミラー16aの走査角度θ及び走査時間Tとの関係を示すタイミングチャートである。ポリゴンミラー16aの走査角速度が一定である場合、その走査角速度をωとすると、走査角度θ及び走査時間Tには、下記(5)式に示すような比例関係が成り立つ。
【0131】
θ=ω×T …(5)
【0132】
よって、受光信号の立ち下がり,立ち上がり時の角度θ1,θ2は、それぞれの走査時間t1,t2と下記(6),(7)式の関係が成り立つ。
【0133】
θ1=ω×t1 …(6)
θ2=ω×t2 …(7)
【0134】
従って、ポリゴンミラー16a,16bの走査角速度が一定である場合には、時間情報を用いて、指示物(指)の遮断範囲及び座標位置を計測することが可能である。
【0135】
また、本発明の光走査型タッチパネルでは、計測した遮断範囲から遮断物(指示物)の断面長を求めることも可能である。図16は、この断面長計測の原理を示す模式図である。図16において、D1,D2はそれぞれ光走査ユニット1a,1bから見た遮断物Sの断面長である。まず、光走査ユニット1a,1bの位置O(0,0),B(L,0)から遮断物Sの中心点Pc(Pcx,Pcy)までの距離OPc(r1),BPc(r2)が、下記(8),(9)式の如く求められる。
【0136】
OPc=r1=(Pcx2 +Pcy2 )1/2 …(8)
BPc=r2={(L−Pcx)2 +Pcy2 }1/2 …(9)
【0137】
断面長は距離と遮断角度の正弦値との積で近似できるので、各断面長D1,D2は、下記(10),(11)式に従って計測可能である。
【0138】
D1=r1・sindθ
=(Pcx2 +Pcy2 )1/2 ・sindθ …(10)
D2=r2・sindφ
={(L−Pcx)2 +Pcy2 }1/2 ・sindφ …(11)
【0139】
なお、θ,φ≒0である場合には、sindθ≒dθ≒tandθ,sindφ≒dφ≒tandφと近似できるので、(10),(11)式においてsindθ,sindφの代わりに、dθまたはtandθ,dφまたはtandφとしても良い。
【0140】
図17は本発明の光走査型タッチパネルの導光体7の配置に関する他の実施の形態の基本構成を示す模式図である。
【0141】
この実施の形態においては、表示画面10の光走査ユニット1a,1bが配置されていない3辺にそれぞれ1個ずつの導光体7(以下、導光体7a,7b,7cとする)が配置されている。また、導光体7a,7b,7cそれぞれの両端部には1個ずつの受光素子が備えられている。具体的には、導光体7aの光走査ユニット1b側端部には受光素子13aが、他端部には受光素子13bがそれぞれ備えられており、導光体7bの下端部には受光素子13cが、上端部には受光素子13dがそれぞれ備えられており、導光体7cの光走査ユニット1a側端部には受光素子13fが、他端部には受光素子13fがそれぞれ備えられている。
【0142】
各受光素子13a〜13fの出力信号、即ち受光量を示すアナログ信号がタイミング検出用受光素子18a,18bの出力信号と共に受光信号検出回路3に与えられることは前述の図1の模式図に示されている実施の形態と同様である。この図17に示されている実施の形態では、受光素子は参照符号13a〜13fの6個で済むことになる。
【0143】
なお、上述の図17に示されている実施の形態では、各導光体7a,7b,7cの両端部にそれぞれ受光素子を配置しているが、各導光体7a,7b,7cの一端部にのみ受光素子を配置してもよいことは言うまでもない。この場合には、受光素子は3個で済むことになる。
【0144】
図18は本発明の光走査型タッチパネルの導光体7の配置に関する更に他の実施の形態の基本構成を示す模式図である。
【0145】
この実施の形態においては、表示画面10の光走査ユニット1a,1bが配置されていない3辺をU字状に囲むように1個の導光体7が配置されている。この導光体7の両端部には1個ずつの受光素子がそれぞれ備えられている。具体的には、導光体7の光走査ユニット1b側端部には受光素子13aが、他端部、即ち光走査ユニット1a側端部には受光素子13bがそれぞれ備えられている。
【0146】
各受光素子13a,13bの出力信号、即ち受光量を示すアナログ信号がタイミング検出用受光素子18a,18bの出力信号と共に受光信号検出回路3に与えられることは前述の図1の模式図に示されている実施の形態と同様である。この図18に示されている実施の形態では、受光素子は参照符号13a,13bの6個で済むことになる。
【0147】
なお、上述の図18に示されている実施の形態では、U字状の導光体7の両端部にそれぞれ受光素子を配置しているが、導光体7の一端部にのみ受光素子を配置してもよいことは言うまでもない。この場合には、受光素子は1個で済むことになる。
【0148】
図19は角柱ロッド状の導光体7の一構成例を示す模式図であり、図19(a) は平断面図(表示画面10に平行な面での断面図)を、図19(b) は走査光の走査方向から見た立面図を、図19(c) は(a) のc−c線での側断面図をそれぞれ示している。
【0149】
角柱ロッド状の導光体7は、角柱ロッド状に形成された導光材料140の走査光SLに対向する面、即ち走査光SLが入射する面のみが散乱面141として形成されており、他の3面(表示画面10に接する面及びその対向面と、散乱面141と対向する面)がいずれも反射コーティングされた反射面142として構成されている。
【0150】
なお、導光体7の両端部にはそれぞれ集光レンズ131及び受光素子130が配置されている。これらの受光素子130は図1に示されている受光素子13a〜13hに相当する。
【0151】
このような角柱ロッド状の導光体7の構成においては、走査光SLは散乱面141から導光体7内の導光材料140へ入射し、3面の反射面142にて反射されつつ導光材料140中を両端部へ導光され、集光レンズ131を介して受光素子130に入射する。これにより、導光体7外部への漏光が削減されると共に効率(光結合+伝送)の向上を図っている。
【0152】
更に、図19(b) に示されているように、走査光SLが導光体7内に入射する散乱面141の上下方向(表示画面10に垂直な方向)のサイズ(径)を走査光SLのビームサイズとほぼ等しくすることにより、導光体7への入射光量が最大である条件下において漏光を最小に抑えることが可能になる。また、S/Nの向上も図れる。
【0153】
図20はグレーディング光導光体の一構成例を示す模式図であり、図20(a) は平断面図(表示画面10に平行な面での断面図)を、図20(b) 及び(c) は走査光の走査方向から見た立面図をそれぞれ示している。
【0154】
この図20に示されている導光体7は、角柱ロッド状に形成された導光材料140の4面全てを反射コーティングした角柱ロッド状の導光体7の走査光SLが入射する面のみにスリット状の回折格子143を設けた構成となっている。但し、図20(b) に示されている例では、各回折格子143は配置間隔が等間隔になるように設けられている。また、図20(c) に示されている例では、各回折格子143は配置間隔が走査光SLの入射角度に応じて不等間隔に、具体的には走査光SLの入射角度が90°の場合に最も狭く、90°より大きくなるに従って広くすることにより、走査光SLの入射角度に対応した最適な間隔で設けられている。
【0155】
なお、図19に示されている角柱ロッド状の導光体7と同様にこの図20に示されているグレーディング光導光体7においても、両端部にはそれぞれ集光レンズ131及び受光素子130が配置されている。
【0156】
このようなグレーディング光導光体7の構成においては、走査光SLはスリット状の回折格子143から導光体7内へ入射し、導光材料140内を3面の反射面142にて反射されつつ両端部へ導光され、集光レンズ131を介して受光素子130に入射することは前述の図19に示されている例と同様である。しかし、走査光SLのスリット状の回折格子143から導光体7内への入射の際に導光方向、即ち導光体7の両端部方向への入射効率が向上する。これにより、S/Nの向上が図られる。
【0157】
図21は円柱ロッド状の導光体7の構成例を示す模式図であり、図21(a) は円柱ロッド状導光体7の、図21(b) は楕円柱ロッド状導光体7の、図21(c) はV字溝付き円柱ロッド状の導光体7の、図21(d) は内部散乱型円柱ロッド状導光体7のそれぞれ側断面図である。
【0158】
図21(a) に示されている円柱ロッド状の導光体7は、円柱ロッド状に形成された導光材料140の外周の光走査ユニット1a,1bに対向する部分、即ち走査光SLが入射する部分のみが散乱面151として形成されており、他の部分は反射コーティングされた反射面152として構成されている。
【0159】
図21(b) に示されている楕円柱ロッド状の導光体7も同様に、楕円柱ロッド状に形成された導光材料140の外周の光走査ユニット1a,1bに対向する部分、即ち走査光SLが入射する部分のみが散乱面151として形成されており、他の部分は反射コーティングされた反射面152として構成されている。
【0160】
なお、図21(a) 及び(b) に示されているいずれの導光体7においても、両端部にはそれぞれ集光レンズ及び受光素子が配置されていることは図19に示されている例と同様である。
【0161】
図21(a) に示されている円柱ロッド状導光体7では、円柱ロッド状に形成された導光材料140の外周の内のビームサイズ相当部分のみを散乱面151とし、他の部分を反射面152としているので、伝送効率の向上が図れる。また、図21(b) に示されている楕円柱ロッド状導光体7では、散乱面151に対する反射面152の部分の比率がより大きくなるので、より一層の伝送効率の向上が図れる。
【0162】
図21(c) に示されている円柱ロッド状の導光体7は、円柱ロッド状に形成された導光材料140の外周の光走査ユニット1a,1bに対向する部分、即ち走査光SLが入射する部分がV字状にカットされた溝が形成されており、その溝の表面に散乱体153が設けられている。なお、他の部分は反射コーティングされた反射面152として構成されている。なお、図21(b) に示されている楕円柱ロッド状導光体7にこの図21(d) に示されている構成を適用することも勿論可能である。
【0163】
このような図21(c) に示されている構成では、導光体7内への走査光SLの入射ロスが低下するため、結合効率が向上し、S/Nの向上が図れる。
【0164】
図21(d) に示されている円柱ロッド状の導光体7は、円柱ロッド状に形成された導光材料140の外周の光走査ユニット1a,1bに対向する部分、即ち走査光SLが入射する部分を除いた他の部分が反射コーティングされた反射面152として構成されており、その反射面152の内側の光走査ユニット1a,1bと対向する部分に散乱体153が設けられている。なお、図21(b) に示されている楕円柱ロッド状導光体7にこの図21(d) に示されている構成を適用することも勿論可能である。
【0165】
このような図21(d) に示されている構成では、導光体7内に入射した走査光SLが散乱体153により散乱するため、伝送効率が向上し、S/Nの向上が図れる。
【0166】
ところで、図21に示されている導光体7の各例はいずれも導光材料140を加工することにより導光体7を構成しているが、導光材料140を使用せずに、長手方向に沿って一部が切り取られたC字断面状の中空ロッドを使用して導光体7を構成することも可能である。
【0167】
図22は中空ロッド状の導光体7の構成例を示す模式図であり、図22(a) は中空ロッド状導光体7の、図22(b) は内部に反射体を設けた中空ロッド状導光体7の、図22(c) は内部にロッド状の反射を設けた中空ロッド状の導光体7のそれぞれ側断面図である。
【0168】
図22(a) に示されている中空ロッド状の導光体7はその光走査ユニット1a,1bに対向する部分、即ち走査光SLが入射する部分が切り取られたC字断面状に形成された中空ロッド161で構成されている。なお、この中空ロッド161の内周面は鏡面仕上げされている。
【0169】
このような図22(a) に示されている中空ロッド状導光体7では、中空ロッド161のビームサイズ相当部分のみを切り取って開口としているので、この開口から走査光SLが入射し、鏡面仕上げされた中空ロッド161の内周面で反射しつつ両端部へ導光される。
【0170】
図22(b) に示されている中空ロッド状の導光体7はその光走査ユニット1a,1bに対向する部分、即ち走査光SLが入射する部分が切り取られたC字断面状に形成された中空ロッド161で構成されており、その中空ロッド161の内側の光走査ユニット1a,1bと対向する部分に反射体162が設けられている。なお、中空ロッド161の内周面が鏡面仕上げされていることは図22(a) に示されている例と同様である。
【0171】
このような図22(b) に示されている構成では、導光体7内部に入射した走査光SLが反射体162により反射されて中空ロッド161内で散乱するため、伝送効率が向上し、S/Nの向上が図れる。
【0172】
図22(c) に示されている中空ロッド状の導光体7はその光走査ユニット1a,1bに対向する部分、即ち走査光SLが入射する部分が切り取られたC字断面状に形成された中空ロッド161で構成されており、その中空ロッド161の内側の光走査ユニット1a,1bと対向する部分に反射ロッド163が中空ロッド161の長手方向に沿って設けられている。なお、中空ロッド161の内周面が鏡面仕上げされていることは図22(a) に示されている例と同様である。
【0173】
このような図22(c) に示されている構成では、導光体7内部に入射した走査光SLが反射ロッド163により反射されて中空ロッド161内で散乱するため、伝送効率が向上し、S/Nの向上が図れる。
【0174】
なお、図22(a) に示されている中空ロッド161は楕円断面であり、図22(b) 及び(c) に示されている中空ロッド161は円断面であるが、それらに限定されることはなく、角柱状の中空ロッド161を使用してもよいことは言うまでもない。
【0175】
次に、導光体7として光ファイバを使用した実施の形態について、図23の模式図を参照して説明する。なお、図23には本発明の光走査型タッチパネルの構成部材の内の本実施の形態に関係する部材のみを示し、他の構成部材は省略してある。
【0176】
この図23に示されている実施の形態では、導光体7として一端面を表示画面10の各辺に平行にした状態で複数の光ファイバを並列してシート状に束ねた光ファイバアレイ7fa,7fb,7fcを配置してある。そして、表示画面10の各辺単位で光ファイバアレイ7fa,7fb,7fcの各光ファイバの他端を集光レンズ(図示せず)を介して受光素子130a,130b,130cにそれぞれ導光するように配置してある。いうまでもないが、各受光素子130a,130b,130cの出力信号は受光信号検出回路3に与えられる。
【0177】
なお、図23に示されている例では、表示画面10の3辺それぞれに配置された光ファイバアレイ7fa,7fb,7fcに受光素子130a,130b,130cを対応させているが、全ての光ファイバを1個の受光素子に接続する構成を採ることも勿論可能である。
【0178】
図24は光ファイバの配置状態を示す模式図であり、ここでは表示画面10の下辺に沿って配置されている光ファイバアレイ7faの例が示されている。光ファイバアレイ7faの各光ファイバはそれぞれの一端面が光走査ユニット1aからの走査光SLの入射方向と直交するように向きを変えて配置されている。具体的には、光ファイバアレイ7faの内の光走査ユニット1bに近い部分、換言すれば表示画面10の右辺に近い部分では光ファイバはその一端面を表示画面10の下辺とほぼ平行にして配置されているが、左辺側に近付くに従って光走査ユニット1a側を向くように角度を変えて配置されている。
【0179】
図25は光ファイバアレイ7fa,7fb,7fcを構成する各光ファイバの先端部の状態を示す模式図であり、図25(a) は模式的斜視図を、図25(b) は側断面図をそれぞれ示している。個々の光ファイバ7Fの先端部は半球状に形成されてレンズ部7Lを構成している。個々の光ファイバ7Fの先端部をこのように構成することにより、結合効率が向上し、S/Nも向上する。
【0180】
なお、光ファイバを導光体7として使用する場合には図26の模式図に示されているような構成も可能である。即ち、図26(a) の斜視図及び図26(b) の平面図に示されているように、走査光SLのビームサイズ程度の幅になるように複数の光ファイバを表示画面10に対して直交方向に並列した光ファイバシート7fsをU字状に折り返して2層とし、表示画面10の各辺に平行に配置すると共に両端部を集光レンズ131を介して受光素子130に接続する。
【0181】
このような図26に示されている構成では、走査光SLは光ファイバシート7fsの表示画面10側の層に入射すると共に、走査光SLの入射側の光ファイバを通過して裏側の光ファイバへも入射する。そして、両者に入射した走査光SLは光ファイバ内を伝播して集光レンズ131を通じて受光素子130に受光される。
【0182】
ところで、図1に示されている本発明の光走査型タッチパネルの構成では、導光体7に入射した走査光SLの信号は一つの受光信号検出回路3で検出されて受光信号としてMPU5に与えられている。このため、受光信号検出回路3からMPU5に与えられる受光信号が二つの光走査ユニット1a,1bのいずれの走査光SLに起因するかを区別するためにソフトウェア処理が必要になり、MPU5の負担が大きくなる。
【0183】
このため、MPU5に与えられる受光信号が二つの光走査ユニット1a,1bのいずれに起因するかをハードウェア的に区別することが出来ればMPU5の負担が軽減される。以下にそのような実施の形態について説明する。
【0184】
図27は二つの光走査ユニット1a,1bによる走査面を異ならせることにより、両者に起因する受光信号をハードウェア的に区別可能な構成例を示す模式図であり、図27(a) は全体の模式的斜視図を、図27(b) は要部の模式的立断面図である。
【0185】
この例では、表示画面10上の比較的近い位置に第1の走査面SF1を、この第1の走査面SFよりも表示画面10から遠い位置に第2の走査面SF2をそれぞれ設定する。また、光走査ユニット1aから第1の走査面SF1への走査光SL1を受光するための導光体701a及び701bを、導光体701aは光走査ユニット1bに近い辺に沿って、導光体701bは光走査ユニット1a,1bが設置されている表示画面10の辺と対向する辺に沿っていずれも第1の走査面SF1と同一平面上に配置する。導光体701aには受光素子131aが、導光体701bには受光素子131bがそれぞれ接続されている。更に、光走査ユニット1bから第2の走査面SF2への走査光SL2を受光するための導光体701c及び701dを、導光体701dは光走査ユニット1aに近い辺に沿って、導光体701cは光走査ユニット1a,1bが設置されている辺と対向する辺に沿っていずれも第2の走査面SF2と同一平面上に配置する。導光体701cには受光素子131cが、導光体701dには受光素子131dがそれぞれ接続されている。
【0186】
この結果、図27(a) に示されているように、両光走査ユニット1a,1bが配置されている表示画面10の辺と対向する辺においては、光走査ユニット1aからの走査光SL1は導光体701bにのみ入射して受光素子131bにより受光され、光走査ユニット1bからの走査光SL2は導光体701cにのみ入射して受光素子131cにより受光される。
【0187】
このような図27に示されている構成においては、光走査ユニット1aが第1の走査面SF1上を走査し、光走査ユニット1bが第2の走査面SF2上を走査する。この結果、第1の走査面SF1を走査した光走査ユニット1aからの走査光SL1は第1の走査面SF1と同一面内に配置された導光体701a及び導光体701bに入射し、第2の走査面SF2を走査した光走査ユニット1bからの走査光SL2は第2の走査面SF2と同一面内に配置された導光体701c及び導光体701dに入射する。そして、導光体701a及び701bに入射した走査光SL1は受光素子131a及び131bにより、導光体701c及び701dに入射した走査光SL2は受光素子131c及び131dにより、それぞれ取り出すことが可能になるので、MPU5は容易にそれらを区別することが可能になる。
【0188】
図28は二つの光走査ユニット1a,1bによる走査光の波長を異ならせることにより、両者に起因する受光信号をハードウェア的に区別可能な構成例を示す模式図であり、図28(a) は全体の模式的斜視図を、図28(b) は要部の模式的立断面図である。
【0189】
この例では、光走査ユニット1a,1bがそれぞれ異なる波長の走査光SL1,SL2を走査する、具体的には発光素子11a,11bが異なる波長のレーザービームを発光するように構成されている。また、光走査ユニット1aからの走査光SL1を受光するための導光体702aを光走査ユニット1bに近い辺に沿って、光走査ユニット1bからの走査光SL2を受光するための導光体702cを光走査ユニット1aに近い辺に沿って、更に両光走査ユニット1a,1bからの走査光SL1,SL2を受光するための導光体702cを光走査ユニット1a,1bが設置されている辺と対向する辺に沿って配置する。
【0190】
導光体702aには受光素子132aが、導光体702bには受光素子132b及び132cが、導光体702cには受光素子132dがそれぞれ接続されている。なお、図28(b) に示されているように、受光素子132bは光走査ユニット1aから走査される走査光SL1の波長を通過させる第1の光フィルタOF1を介して、受光素子132cは光走査ユニット1bから走査される走査光SL2の波長を通過させる第2の光フィルタOF2を介して導光体702bに接続されている。
【0191】
このような図28に示されている構成では、光走査ユニット1aからの走査光SL1は導光体702aに入射して受光素子132aに受光され、次いで導光体702bに入射し、更に第1の光フィルタOF1を通過して受光素子132bに受光される。一方、光走査ユニット1bからの走査光SL2は導光体702cに入射して受光素子132dに受光され、次いで導光体702bに入射し、更に第2の光フィルタOF2を通過して受光素子132cに受光される。従って、MPU5は走査光SL1,SL2のいずれを受光したかを容易に区別することが可能になる。
【0192】
【発明の効果】
以上に詳述したように、本発明の光走査型タッチパネルの第1の発明によれば、少なくとも2個のスイッチング手段が、少なくとも2組の光走査部による走査光をそれぞれ異なる周波数でスイッチングし、受光器が出力する受光信号をバンドパスフィルタでフィルタリング(濾波)することにより、少なくとも2個の光走査部による走査光の受光信号が分離されるので、ソフトウェア処理が軽減される。
上述のような第2の発明によれば、少なくとも2個の光走査部による走査光がそれぞれ同時にオンしないようにスイッチング制御されるので、少なくとも2個の光走査部による走査光の受光信号の区別が可能になるので、ソフトウェア処理が軽減される。
上述のような第3の発明によれば、少なくとも2組の光走査部による走査光が同一の周波数で異なる位相となるようにスイッチングされ、それぞれの位相に同期して受光器の出力である受光信号が検出されることにより、少なくとも2組の光走査部による走査光の受光信号が分離されるので、ソフトウェア処理が軽減される。
上述のような第4の発明によれば、少なくとも2組の光走査部による走査光が指示物でタッチするための目標区域として規定された平面への走査に先立って受光器に直接受光されるので、各1回の光走査の開始タイミングが検出されるので、ソフトウェア処理が軽減される。
【0193】
上述のような第5の発明によれば、演算手段が指示物の位置のみならず、大きさもその変化をも含めて演算するので、種々の応用が可能になる。
【0194】
上述のような第6の発明によれば、棒状の導光手段で構成される導光体により走査光が受光器へ伝播されるので、受光器での走査光の受光量が低下することがなく、従ってS/Nが低下することもない。
【0195】
上述のような第7の発明によれば、丸棒状の導光手段で構成される導光体の外周の指示物でタッチするための目標区域として規定された平面の範囲に面する部分から走査光が入射して受光器へ伝播されるので、受光器での走査光の受光量が低下することがなく、従ってS/Nが低下することもない。
【0196】
上述のような第8の発明によれば、断面形状が光の入射が可能な部分が他の部分よりも小さいため、一旦入射した光走査部からの走査光の外部への漏光が抑制されるので、受光器での走査光の受光量が低下することがなく、従ってS/Nが低下することもない。
【0197】
上述のような第9の発明によれば、光走査部からの走査光が複数の光ファイバを並列してシート状に束ねたファイバシートで構成された導光手段に入射し、受光器へ伝播されるので、受光器での走査光の受光量が低下することがなく、従ってS/Nが低下することもない。
【0198】
上述のような第10の発明によれば、導光体内を伝播した光走査部からの走査光がその端部で受光器に入射するので、受光器での走査光の受光量が低下することがなく、従ってS/Nが低下することもない。
【0199】
上述のような第11の発明によれば、指示物でタッチするための目標区域として規定された平面の範囲の周囲を囲繞する連続した導光手段で構成される導光体に光走査部からの走査光が入射して受光器へ伝播されるので、受光器での走査光の受光量が低下することがなく、従ってS/Nが低下することもない。
【0200】
上述のような第12の発明によれば、導光体に入射した光走査部からの走査光が散乱手段で散乱されて導光体内を伝播するので、受光器での走査光の受光量が低下することがなく、従ってS/Nが低下することもない。
【0201】
上述のような第13の発明によれば、導光体の表面に形成された他の部分に比して光学的に粗である領域で光走査部からの走査光が散乱されて導光体内へ入射するので、受光器での走査光の受光量が低下することがなく、従ってS/Nが低下することもない。
【0202】
上述のような第14の発明によれば、導光体に入射した光走査部からの走査光が導光体内で散乱されて導光体内を伝播されるので、受光器での走査光の受光量が低下することがなく、従ってS/Nが低下することもない。
【0203】
上述のような第15の発明によれば、光走査部からの走査光が回折格子により散乱されて内部へ入射するので、受光器での走査光の受光量が低下することがなく、従ってS/Nが低下することもない。
【0204】
上述のような第16の発明によれば、それぞれが備えられている導光体の位置での走査光の入射角度に対応して回折格子の配列間隔が設定されているので、光走査部からの走査光が最適な入射角度で導光体に入射するので、受光器での走査光の受光量が低下することがなく、従ってS/Nが低下することもない。
【0205】
上述のような第17の発明によれば、光走査部からの走査光が導光体に入射した場合に外部への漏光が最小限に抑制されるので、受光器での走査光の受光量が低下することがなく、従ってS/Nが低下することもない。
【0206】
上述のような第18の発明によれば、導光体に入射した光走査部からの走査光が導光体内部で反射しつつ受光器へ伝播するので、受光器での走査光の受光量が低下することがなく、従ってS/Nが低下することもない。
【0207】
上述のような第19の発明によれば、光走査部からの走査光が効率的に導光体に入射するので、受光器での走査光の受光量が低下することがなく、従ってS/Nが低下することもない。
【0208】
上述のような第20の発明によれば、ファイバアレイを構成する各光ファイバの端面に入射した光走査部からの走査光がそのまま光ファイバを高効率で伝播するので、受光器での走査光の受光量が低下することがなく、従ってS/Nが低下することもない。
【0209】
上述のような第21の発明によれば、ファイバアレイを構成する各光ファイバの端面に光走査部からの走査光が高効率で各光ファイバに入射するので、受光器での走査光の受光量が低下することがなく、従ってS/Nが低下することもない。
【0210】
上述のような第22の発明によれば、ファイバアレイを構成する各光ファイバの端面に光走査部からの走査光が高効率で各光ファイバに入射するので、受光器での走査光の受光量が低下することがなく、従ってS/Nが低下することもない。
【0211】
上述のような第23の発明によれば、筒状に形成された導光手段に切り取り部分から入射し、内部で反射しつつ伝播されるので、受光器での走査光の受光量が低下することがなく、従ってS/Nが低下することもない。
【0212】
上述のような第24の発明によれば、導光手段に入射した光走査部からの走査光が内部の散乱手段で散乱されて伝播されるので、受光器での走査光の受光量が低下することがなく、従ってS/Nが低下することもない。
【0213】
上述のような第25の発明によれば、導光手段に入射した光走査部からの走査光が内部の反射手段で反射されて伝播されるので、受光器での走査光の受光量が低下することがなく、従ってS/Nが低下することもない。
【0214】
上述のような第26の発明によれば、複数の受光器それぞれに光走査部それぞれから走査された走査光が個別に導光体により導光されるので、いずれの光走査部からの走査光であるかの区別が容易になり、ソフトウェア処理が軽減される。
【0215】
上述のような第27の発明によれば、導光体と受光器との間に備えられた光走査部それぞれが走査する走査光の波長に対応した光学フィルタにより光走査部それぞれからの走査光が分離されるので、ソフトウェア処理が軽減される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光走査型タッチパネルの基本構成を示す模式図である。
【図2】光走査ユニットの内部構成及び光路を示す模式図である。
【図3】本発明の光走査型タッチパネルの信号処理のための構成を示すブロック図である。
【図4】本発明の光走査型タッチパネルの実施状態を示す模式図である。
【図5】指示物が存在しない場合の受光信号の波形を示すタイムチャートである。
【図6】指示物が存在する場合の受光信号の波形を示すタイムチャートである。
【図7】本発明の光走査型タッチパネルの信号処理のための他の構成を示すブロック図である。
【図8】指示物が存在しない場合の受光信号の波形を示すタイムチャートである。
【図9】指示物が存在する場合の受光信号の波形を示すタイムチャートである。
【図10】本発明の光走査型タッチパネルの信号処理のための更に他の構成を示すブロック図である。
【図11】本発明の光走査型タッチパネルの信号処理のための更に他の構成を示すブロック図である。
【図12】受光信号のレベル変化を示すタイミングチャートである。
【図13】座標検出のための三角測量の原理を示す模式図である。
【図14】遮断物及び遮断範囲を示す模式図である。
【図15】受光信号と走査角度と走査時間との関係を示すタイミングチャートである。
【図16】断面長計測の原理を示す模式図である。
【図17】本発明の光走査型タッチパネルの導光体の配置に関する他の実施の形態の基本構成を示す模式図である。
【図18】本発明の光走査型タッチパネルの導光体の配置に関する更に他の実施の形態の基本構成を示す模式図である。
【図19】角柱ロッド状の導光体の一構成例を示す模式図である。
【図20】グレーディング光導光体の一構成例を示す模式図である。
【図21】円柱ロッド状の導光体の構成例を示す模式図である。
【図22】中空ロッド状の導光体の構成例を示す模式図である。
【図23】導光体として光ファイバを使用した本発明の光走査型タッチパネルの実施の形態を示す模式図である。
【図24】光ファイバの配置状態を示す模式図である。
【図25】光ファイバの先端部の状態を示す模式図である。
【図26】光ファイバを導光体として使用する場合の他の構成例を示す模式図である。
【図27】本発明の光走査型タッチパネルの導光体の他の構成例を示す模式図である。
【図28】本発明の光走査型タッチパネルの導光体の更に他の構成例を示す模式図である。
【符号の説明】
1a,1b 光走査ユニット
2a,2b 発光素子駆動回路
3a,3b 受光信号検出回路
5 MPU
7(7a〜7h) 導光体
7fs 光ファイバシート
7fa 光ファイバアレイ
10 表示画面(座標面)
11a,11b 発光素子
13(13a〜13h) 受光素子
16a,16b ポリゴンミラー
18a,18b タイミング検出用受光素子
20a,20b 発振器
31a,31b バンドパスフィルタ
35a,35b 同期検出回路
36 発振器
Claims (27)
- 発光器が発光した光を、指示物でタッチするための目標区域として規定された平面の範囲と実質的に平行である面内で角度走査する少なくとも2組の光走査部と、
前記光走査部により走査された光を受光して受光信号を出力する受光器と、
前記平面の範囲の周辺に実質的に連続して設けられ、前記光走査部により走査される光を前記受光器へ導く導光体と、
前記受光器が出力する受光信号に基づいて、前記平面の範囲内に指示物が存在する場合にそれによる走査光の遮断範囲を計測する計測手段と、
該計測手段による計測結果に基づいて前記指示物の前記平面の範囲内での少なくとも位置を演算する演算手段と、
前記少なくとも2組の光走査部による走査光をそれぞれ異なる周波数でスイッチングするための少なくとも2個のスイッチング手段と、該スイッチング手段それぞれのスイッチング周波数を含む周波数を通過させる少なくとも2個のバンドパスフィルタとを備え、
前記受光器が出力する受光信号を前記バンドパスフィルタで濾波することにより前記少なくとも2組の光走査部による走査光の受光信号を分離すべくなしてあることを特徴とする光走査型タッチパネル。 - 発光器が発光した光を、指示物でタッチするための目標区域として規定された平面の範囲と実質的に平行である面内で角度走査する少なくとも2組の光走査部と、
前記光走査部により走査された光を受光して受光信号を出力する受光器と、
前記平面の範囲の周辺に実質的に連続して設けられ、前記光走査部により走査される光を前記受光器へ導く導光体と、
前記受光器が出力する受光信号に基づいて、前記平面の範囲内に指示物が存在する場合にそれによる走査光の遮断範囲を計測する計測手段と、
該計測手段による計測結果に基づいて前記指示物の前記平面の範囲内での少なくとも位置を演算する演算手段と、
前記光走査部による走査光をそれぞれスイッチング制御するスイッチング手段と、
前記光走査部による走査光が同時にオンしないように前記スイッチング手段を制御する制御信号と
を備えたことを特徴とする光走査型タッチパネル。 - 発光器が発光した光を、指示物でタッチするための目標区域として規定された平面の範囲と実質的に平行である面内で角度走査する少なくとも2組の光走査部と、
前記光走査部により走査された光を受光して受光信号を出力する受光器と、
前記平面の範囲の周辺に実質的に連続して設けられ、前記光走査部により走査される光を前記受光器へ導く導光体と、
前記受光器が出力する受光信号に基づいて、前記平面の範囲内に指示物が存在する場合にそれによる走査光の遮断範囲を計測する計測手段と、
該計測手段による計測結果に基づいて前記指示物の前記平面の範囲内での少なくとも位置を演算する演算手段と、
前記少なくとも2組の光走査部による走査光を同一の周波数でスイッチングするための少なくとも2個のスイッチング手段と、該スイッチング手段それぞれによるスイッチングが異なる位相となるように位相変換を行なう位相変換手段と、該位相変換手段による変換後の位相に同期して前記受光器の出力を検出する検出手段とを備え、
前記受光器が出力する受光信号を前記検出手段で検出することにより前記少なくとも2組の光走査部による走査光の受光信号を分離すべくなしてあることを特徴とする光走査型タッチパネル。 - 発光器が発光した光を、指示物でタッチするための目標区域として規定された平面の範囲と実質的に平行である面内で角度走査する少なくとも2組の光走査部と、
前記光走査部により走査された光を受光して受光信号を出力する受光器と、
前記平面の範囲の周辺に実質的に連続して設けられ、前記光走査部により走査される光を前記受光器へ導く導光体と、
前記受光器が出力する受光信号に基づいて、前記平面の範囲内に指示物が存在する場合にそれによる走査光の遮断範囲を計測する計測手段と、
該計測手段による計測結果に基づいて前記指示物の前記平面の範囲内での少なくとも位置を演算する演算手段と、
前記少なくとも2組の光走査部による走査光を前記平面への走査に先立って直接受光する受光器を備えたことを特徴とする光走査型タッチパネル。 - 前記演算手段は、前記計測手段による計測結果に基づいて前記指示物の前記平面の範囲内での大きさを演算すべくなしてあることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の光走査型タッチパネル。
- 前記導光体は、1または複数の棒状の導光手段をその長手方向に実質的に連続して前記平面の範囲の周辺に配置してなることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の光走査型タッチパネル。
- 前記導光手段は丸棒状であり、その外周の前記平面の範囲に面する部分が前記光走査部により走査される光の入射が可能に構成されていることを特徴とする請求項6に記載の光走査型タッチパネル。
- 前記導光手段は、前記光の入射が可能な部分が他の部分よりも小さい断面形状に構成されていることを特徴とする請求項6または7に記載の光走査型タッチパネル。
- 前記導光手段は、複数の光ファイバを並列してシート状に束ねたファイバシートで構成されていることを特徴とする請求項6または7に記載の光走査型タッチパネル。
- 前記受光器は、前記導光体の端部に備えられていることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の光走査型タッチパネル。
- 前記導光体は、前記平面の範囲の周囲を囲繞する連続した導光手段で構成されていることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の光走査型タッチパネル。
- 前記導光体は、入射する光を散乱させる散乱手段を有することを特徴とする請求項6から11のいずれかに記載の光走査型タッチパネル。
- 前記散乱手段は、前記導光体の表面に他の部分に比して光学的に粗である領域として形成されていることを特徴とする請求項12に記載の光走査型タッチパネル。
- 前記散乱手段は、前記導光体の内部に形成されていることを特徴とする請求項12に記載の光走査型タッチパネル。
- 前記散乱手段は、前記導光体の表面に備えられた回折格子であることを特徴とする請求項6から11のいずれかに記載の光走査型タッチパネル。
- 前記回折格子は、その配列間隔がそれぞれが備えられている前記導光体の位置での前記走査光の入射角度に対応して設定されていることを特徴とする請求項15に記載の光走査型タッチパネル。
- 前記散乱手段は、それぞれが備えられている前記導光体の位置での前記走査光の入射角度に対応して散乱の度合いを異ならせてなることを特徴とする請求項15に記載の光走査型タッチパネル。
- 前記導光体は、その外面の走査光が入射する領域以外の領域を前記導光体側へ光を反射する反射手段で覆われていることを特徴とする請求項6から11のいずれかに記載の光走査型タッチパネル。
- 前記導光体は、その外面の走査光が入射する領域の前記平面と直交方向の幅が前記走査光のビーム径に実質的に等しく構成されていることを特徴とする請求 項6から11のいずれかに記載の光走査型タッチパネル。
- 前記導光体は、複数の光ファイバの端面を前記平面の範囲に対向させたファイバアレイで構成されていることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の光走査型タッチパネル。
- 前記ファイバアレイの各光ファイバが、それぞれの端面が前記走査光の光軸に対して実質的に直交するように配置されていることを特徴とする請求項20に記載の光走査型タッチパネル。
- 前記ファイバアレイの各光ファイバが、それぞれの端面が外側へ凸となる形状の形成されていることを特徴とする請求項20または21に記載の光走査型タッチパネル。
- 前記導光体は、その外周の前記平面の範囲に面する部分が切り取られた断面形状で内面が鏡面仕上げされた筒状に形成された導光手段で構成されていることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の光走査型タッチパネル。
- 前記導光手段は、その内部の前記切り取られた部分に対向する位置に、光を散乱する散乱手段を備えたことを特徴とする請求項23に記載の光走査型タッチパネル。
- 前記導光手段は、その内部の前記切り取られた部分に対向する位置に、広角度に光を反射する反射手段を備えたことを特徴とする請求項24に記載の光走査型タッチパネル。
- 前記受光器は前記光走査部それぞれから走査される走査光を個別に受光するために複数が備えられており、前記導光体はこれらの複数の受光器それぞれに前記光走査部それぞれから走査された走査光を個別に導光するために複数が備えられていることを特徴とする請求項1から25のいずれかに記載の光走査型タッチパネル。
- 前記光走査部はそれぞれ異なる波長の走査光を走査し、前記導光体と前記受光器との間に前記光走査部それぞれが走査する走査光の波長に対応した光学フィルタが備えられていることを特徴とする請求項1から25のいずれかに記載の光走査型タッチパネル。
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