JP4033514B2 - 可溶性セルロース誘導体および用途 - Google Patents

可溶性セルロース誘導体および用途 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、可溶性セルロース誘導体およびそれを用いた生体適合性材料に関する。
【0002】
【従来の技術】
セルロースは、種子繊維、ジン皮、木材等を原料とする天然高分子であり、繊維、プラスチック、製紙等を製造する工業分野において広く利用されている。セルロースは、構成単位であるD−グルコピラノースユニットの3個の水酸基の部分的なエステル化又はエーテル化によって得られる可溶性セルロースは、セルロースのもつ欠点が改良され、水、有機溶剤に可溶性になると共に可塑性が付与されることから、染織物、紙の糊付け、サイズ剤、増粘剤、増量剤、つや出し、ラテックス塗料、塗料剥離剤、医薬品、化粧品等の幅広い用途に用いられている。
【0003】
一方、セルロースは医療材料としても極めて有用である。特にセルロースを銅アンモニウム法で再生した再生セルロース膜は、血液透析膜の素材として広く利用され、透析装置や透析技術の進歩と共に、腎不全患者の延命、社会復帰に大きな役割を果たしている。これは再生セルロース膜が優れた透析性能や機械的強度を有すると共に、長年の実績に裏づけられた高い安全性を有しているからに他ならない。
【0004】
しかしながら、透析療法の進歩にもかかわらず、透析に伴う種々の問題がまだ未解決で残されている。その1つに、抗凝固剤の長期大量投与のために生じると考えられる種々の副作用の問題がある。従来、人工透析を行う場合には、人工透析器内での血液凝固反応を抑制するためにヘパリンに代表される抗血液凝固剤の連続投与が行われてきた。しかしながら、人工透析器の溶質除去性能が改良され、20年に及ぼうとする長期延命が可能になっている現在、ヘパリンを使用することによる問題が次々と指摘されてきている。特に、ヘパリンの長期間投与による脂質代謝異常等の肝臓障害、出血時間の延長或いはアレルギー反応が、患者に対する副作用として認められている。このような観点から、人工透析療法の際に抗凝固剤の使用量を低減させるか或いは全く使用しなくても血液凝固を引き起こさない人工透析器の開発が急務である。
【0005】
これまで再生セルロース膜を改善する試みは、主に再生セルロース膜で血液透析を行なった場合の一過性の白血球減少や、補体活性化の抑制に注目して行なわれており、第3級アミノ基を有する高分子を表面に固定したり、ポリエチレンオキシド鎖等の親水性高分子鎖を表面に共有結合させる方法等が報告されているが、血液凝固の抑制については不十分である。一方、再生セルロース膜の他の優れた性能を損なわず、抗血栓性を改善する方法も提案されている。例えば、膜表面をヘパリン化することにより抗血栓性を付与する方法が特開昭51−194号公報に提案されているが、十分な効果が得られず、またコストも割高になるため実用化されていない。
【0006】
ところで、再生セルロース膜に血液適合性を付与する方法としてリン脂質極性基を用いる試みもあり、例えば、特開昭54−63025号公報には、2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン(MPCと略す)が提案されている。リン脂質極性基であるホスホリルコリン基を有する高分子が血液凝固を有効に抑制するのは、この高分子表面が生体膜に類似しており、表面に血漿タンパク質が吸着されず、血小板の粘着、活性化等が誘起されないためと考えられている(生体材料、8,231-237(1990),J.Biomed.Mater.Res.,25,1397-1407(1991))。
【0007】
特開平3−39309号公報には、重合可能なホスホリルコリン基含有単量体とメタクリル酸エステルやスチレンとの共重合体が抗血栓性に極めて優れていることが開示されており、再生セルロース系膜にこの共重合体を固定する方法も考えられる。しかしながら、これらのホスホリルコリン基含有重合体は、セルロースとの親和性が低く密着性に劣るために、コーティングではセルロース表面からの脱落や溶出の心配があり、その改質には適さない。特開平5−220218号公報には、セリウムイオンをラジカル重合開始剤に用い、セルロースにMPCをグラフト共重合する方法が開示され、再生セルロース系膜表面に固定することによって優れた生体適合性が発現できることが示されている。しかし、この方法では毒性の強いセリウムイオンを用いており、それが除去しずらいために長期使用の場合に安全性の点で問題が残る。
【0008】
一方、基材に対して高分子鎖を反応させたり、グラフトさせる方法は、脱落、溶出を抑えるという観点からは有効で、公知の技術として、例えばMPCをセルロース膜にグラフト重合させる技術(BIO INDUSTRY,8(6),412-420(1991))がある。しかし、この方法は重合時にセルロース膜を無酸素雰囲気下に置かなければならないことや、重合開始剤として用いるセリウムイオンをセルロース膜から除去しなければならないために、反応操作が非常に煩雑になる。又、MPCには拡散性があり、ポアの内部まで入り込んで膜全体に反応が起こるため、膜の透過性能が低下したり、セリウムイオンにより膜が損傷を受け、機械的強度が低下したり、反応が不均一に進行して、血小板の粘着抑制にばらつきが生じるという問題がある。特開平7−231935号公報には、MPC、メタクリル酸エステル、及びカルボキシル基を有する単量体の共重合体をセルロース膜にエステル結合により導入するセルロースの改質方法が記載されている。しかし、この方法における反応は、反応性の低いセルロース水酸基と共重合体中のカルボキシル基との高分子間の脱水縮合反応であるため、大過剰の脱水剤と厳しい反応条件とを必要とする。このため、少量の水の存在が悪影響を及ぼしたり、反応試薬や反応生成物の除去が困難となり、十分な性能を発揮できず、しかも経済的な面からも工業的製法として適さない。特開平7−184989号公報には、(i) MPC及びエポキシ基含有単量体の共重合体をアミノ基及びカルボキシル基のうち少なくとも一方の基を2個以上有する化合物で架橋した高分子材料、あるいは(ii)MPCと、アミノ基含有単量体及びカルボキシル基含有単量体のうち少くとも一方の単量体との共重合体を、エポキシ基を2個以上有する化合物で架橋した高分子材料のいずれかを基材表面に被覆した医療材料が記載されている。また、この医療材料が、優れた血液適合性を発現し、且つ、被覆された高分子材料が容易に脱落することがないので血液適合性が長時間にわたって安定に保持されることも開示されている。しかし、上記架橋した高分子材料を人工透析器の透析膜表面にコーティングした場合、膜表面にゲルが生成し、コーティングむらや膜の透過性能の著しい低下を招く。また特開平7−184990号公報には、MPCと、エポキシ基含有単量体と、水酸基含有単量体、アミノ基含有単量体、及びカルボキシ基含有単量体のうち少くとも1種類の単量体との共重合体で基材表面を被覆することが記載されている。しかし、この系でも上記共重合体を人工透析器の透析膜に適用した場合、該共重合体は基材表面に架橋固定されるために膜表面にゲルが生成し、コーティングむらや膜の透過性能の著しい低下を招くという問題は避けられない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の第1の目的は、上記問題を解決しうる生体適合性材料等に使用できる可溶性セルロース誘導体を提供することにある。
また、本発明の第2の目的は、安全性に優れ、且つ血液適合性とセルロース膜に対する親和性との双方を有し、特に抗血栓性を有する材料に適した生体適合性材料を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、可溶性セルロースと、リン脂質類似構造を有する優れた生体適合性材料であるホスホリルコリン基含有重合体とを反応性の高いエポキシ基によって結合させ、生体適合性に優れたセルロース誘導体を高収率・高品質で得るため種々検討を重ねてきた。ところが、可溶性セルロース及びホスホリルコリン基重合体を共に溶解し得る溶剤が限定される上に、両者の反応は、著しく反応性が低下する高分子反応であるため、実際には前記共重合体を可溶性セルロースに化学結合で導入させることができなかった。例えば、アルカリ存在下にヒドロキシエチルセルロースとエポキシ基を含むホスホリルコリン基含有共重合体とを水溶液中で反応させると、水によるエポキシ基の開環反応が優先し目的とする可溶性セルロース誘導体が得られなかった。そこで、例えば非水系での反応系に関して鋭意研究を重ねた結果、可溶性セルロースと、エポキシ基を含むホスホリルコリン基含有重合体とを、塩基性触媒存在下に非水系で反応させた結果、効率よく反応し、従来知られていない可溶性セルロースに前記共重合体が共有結合で導入された可溶性セルロース誘導体が得られ、且つこの誘導体が顕著な性能を有することを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明によれば、可溶性セルロース(A)と、ホスホリルコリン基含有単量体(b1)及びエポキシ基含有単量体(b2)の構成単位を含む共重合体(B)とを反応させて得た、前記共重合体(B)が前記可溶性セルロース(A)に共有結合で導入された可溶性セルロース誘導体が提供される。
また本発明によれば、前記可溶性セルロース誘導体からなることを特徴とする生体適合性材料が提供される。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明の可溶性セルロース誘導体は、可溶性セルロース(A)と、ホスホリルコリン基含有単量体(b1)及びエポキシ基含有単量体(b2)の構成単位を含む共重合体(B)とを反応させて、共重合体(B)を可溶性セルロース(A)に共有結合で導入した化合物である。
本発明で使用する可溶性セルロース(A)としては、メチルセルロース、エチルセルロース、酢酸セルロース、ニトロセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルエチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、エチルヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)等が挙げられる。
【0012】
本発明に用いる共重合体(B)の構成単位を形成するホスホリルコリン基含有単量体(b1)は、ビニル基及びホスホリルコリン基を有する単量体である。具体的には、例えば、2−(メタ)アクリロイルオキシエチル−2’−(トリメチルアンモニオ)エチルフォスフェート、2−メタクリロイルオキシエトキシエチルホスホリルコリン、6−メタクリロイルオキシヘキシルホスホリルコリン、10−メタクリロイルオキシエトキシノニルホスホリルコリン、アリルホスホリルコリン、ブテニルホスホリルコリン、ヘキセニルホスホリルコリン、オクテニルホスホリルコリン、デセニルホスホリルコリン等が挙げられる。これらのホスホリルコリン基含有単量体(b1)は、単独若しくは混合物として用いることができる。入手性等の点から、2−(メタ)アクリロイルオキシエチル−2’−(トリメチルアニモニオ)エチルフォスフェート(MPC)が好ましく挙げられる。本発明の共重合体(B)中において、ホスホリルコリン基含有単量体(b1)の構成単位の含有割合は、5〜99.9モル%、特に20〜95モル%が好ましい。単量体(b1)の構成単位のモル比が、5モル%未満の場合、生体適合性材料にした際に生体適合性及び血液適合性が十分に発現されず好ましくない。一方、99.9モル%を超えると、必然的に共重合体中のエポキシ基の含有量が0.1モル%以下になり、後述する問題が生じるため好ましくない。
【0013】
本発明に用いる共重合体(B)の構成単位を形成するエポキシ基含有単量体(b2)は、少なくともビニル基及びエポキシ基を有する単量体である。具体的には、例えば、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート(GMA)、メチルグリシジルメタクリレート、アリルグリシジルエーテル等が挙げられる。これらのエポキシ基含有単量体(b2)は、単独若しくは混合物として用いることができる。
本発明の共重合体(B)中において、エポキシ基含有単量体(b2)の構成単位の含有割合は、0.1〜30モル%、特に1〜20モル%が好ましい。単量体(b2)の構成単位のモル比が、0.1モル%未満の場合、可溶性セルロース(A)への導入反応が起こり難くなり、また30モル%を超えると、可溶性セルロース(A)と共重合体(B)との反応の際、共重合体間及び共重合体とセルロースとの間での架橋が起こり易くなり、ゲルが生成するため好ましくない。
【0014】
本発明の共重合体(B)は、構成単位として前記単量体(b1)及び(b2)以外の構成単位を有していても良い。単量体(b1)及び(b2)以外の構成単位を形成するための単量体としては、ラジカル重合可能な他の単量体であり、本発明の効果を損なわない限り特に限定されないが、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸ステアリル等の(メタ)アクリル酸エステル単量体;(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシプロピル等の(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステル単量体;(メタ)アクリル酸アミド;スチレン、メチルスチレン、置換スチレン等のスチレン系単量体;エチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル等のビニルエーテル単量体;N−ビニルピロリドン;塩化ビニル、塩化ビニリデン、エチレン、プロピレン、イソブチレン等の不飽和炭化水素系単量体又は置換不飽和炭化水素系単量体;アクリロニトリル;グリコシルエチルメタクリレート(GEMA);オリゴエチレングリコールメタクリレート;ポリエチレングリコールモノメタクリレート等が挙げられる。これらの単量体は1種又は2種以上を混合して用いても良い。
前記共重合体(B)中における他の単量体の構成単位の含有割合は、得られる可溶性セルロース誘導体の水に対する溶解性を損なわないために、60モル%未満、特に50モル%未満が望ましい。
【0015】
共重合体(B)を調製するには、例えば、前記ホスホリルコリン基含有単量体(b1)とエポキシ基含有単量体(b2)と、必要に応じて他の単量体とを含む単量体組成物を、重合開始剤存在下、溶剤中で重合することにより得られる。
重合開始剤は特に限定されず、通常のラジカル重合用重合開始剤等が用いられる。具体的には、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、サクシニルパーオキサイド、グルタルパーオキサイド、サクシニルパーオキシグルタレート、t−ブチルパーオキシマレート、t−ブチルパーオキシピバレート、ジ−2−エトキシエチルパーオキシカーボネート、3−ヒドロキシ−1,1−ジメチルブチルパーオキシピバレート等の有機過酸化物;アゾビスイソブチロニトリル、ジメチル−2,2−アゾビスイソブチレート、1−((1−シアノ−1−メチルエチル)アゾ)ホルムアミド、2,2−アゾビス(2−メチル−N−フェニルプロピオンアミジン)ジハイドロクロライド、2,2−アゾビス(2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)−プロピオンアミド)、2,2−アゾビス(2−メチルプロピオンアミド)ジハイドレート、4,4,−アゾビス(4−シアノペンタン酸)、2,2−アゾビス(2−(ヒドロキシメチル)プロピオニトリル)等のアゾ化合物が挙げられる。これら重合開始剤は、使用に際して単独若しくは混合物として用いることができる。
【0016】
共重合体(B)を製造する場合の溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ベンゼン、トルエン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジクロロメタン、クロロホルム又はこれらの混合溶媒等が挙げられる。
【0017】
前記共重合体(b)の数平均分子量は5000〜300000が好ましい。数平均分子量が5000未満の場合、1分子当りのエポキシ基の数が少なくなり可溶性セルロースへの導入が難しくなる。また数平均分子量が300000を超えると溶液粘度が高くなり取り扱いが難しく、且つ、可溶性セルロースとの反応の際、共重合体同士及びセルロースと共重合体との間での架橋体が形成され易くなるため好ましくない。
本発明の可溶性セルロース誘導体は、前記共重合体(B)が前記可溶性セルロース(A)に共有結合で導入されるように反応させることにより得られる。前記反応にあたって、可溶性セルロース(A)は、濃度0.1〜20重量%、特に1〜10重量%となるように溶媒に溶解させて使用するのが望ましい。また、反応溶媒中において、可溶性セルロース(A)の水酸基等官能基と、共重合体(B)中のエポキシ基の構成比は、即ち、官能基/エポキシ基の構成比は、モル比で0.1/1〜100:1、特に1/1〜10/1が好ましい。前記官能基0.1に対するエポキシ基が1を超える場合は両高分子間同士での架橋が起こり易く好ましくない。また前記官能基100に対するエポキシ基が1未満の場合は反応が起こりにくくなる。
前記反応は、好ましくは塩基性触媒存在下に行うのが好ましい。塩基性触媒としては、ジメチルアミノピリジン、ピリジン、トリエチルアミン又はこれらの混合物等が挙げられるが、反応性を考慮するとジメチルアミノピリジンが最も好ましい。塩基性触媒の仕込み量は、塩基性触媒:可溶性セルロース(A)のD−グルコピラノースユニットが、モル比で1:1〜1:50となる量が好ましい。
【0018】
前記共重合体(B)と可溶性セルロース(A)との反応は、溶媒存在下で行うことができるが、溶媒としては、水、低分子アルコール以外で、エポキシ基に対して不活性であり、且つ可溶性セルロース(A)及び共重合体(B)を共に、あるいは共重合体(B)を溶解し得る溶媒であれば全て利用可能である。具体的には、ニトロメタン、ニトロエタン等が挙げられる。可溶性セルロース(A)と共重合体(B)との反応条件は、反応温度10〜100℃で反応時間が1〜100時間の範囲が望ましい。反応温度が10℃未満では、反応が起こりにくく、100℃を超えると長時間反応させた場合、MPCの分解が促進されるため好ましくない。この反応によって可溶性セルロース(A)と共重合体(B)とは共有結合するが、共有結合としてはエーテル結合等の化学結合が挙げられる。
【0019】
本発明の可溶性セルロース誘導体の分子量は、数平均分子量で10000〜1000000が好ましい。分子量が10000未満では、基材に対する密着性が悪く、1000000を超えると溶解性が悪くなるので好ましくない。
【0020】
本発明の生体適合性材料は、前記可溶性セルロース誘導体から実質的になり、例えば血液透析膜材料等の各種医療材料の基材表面等に接触、乾燥させる方法等により使用できる。例えば、血液透析膜を製造するにあたり、セルロース膜に本発明の生体適合性材料を付与するには、生体適合性材料を溶媒に溶解し、セルロース膜に接触させ、被覆膜として乾燥させれば良い。該溶媒としては、基本的には、可溶性セルロース誘導体を溶解し得る溶媒であれば全て利用可能である。適当な溶媒は除去のし易さ、微量に残留した場合の安全性等を考慮して選択しなければならない。この溶媒に溶解せしめる生体適合性材料の濃度は、可溶性セルロース誘導体の濃度として、0.005〜5重量/容量%の範囲が好ましく、0.01〜1重量/容量%の範囲が更に好ましい。可溶性セルロース誘導体の濃度が5重量/容量%を超えると被膜の均一性が得難く性能のバラツキや使用時における生体適合性材料の脱落の原因となるため好ましくない。乾燥させて溶媒を除去するには、溶媒が揮発性の場合は真空乾燥、通風乾燥、加熱乾燥等の通常の方法によって行なわれ、また、溶媒が比較的高沸点の場合は、必要に応じて得られる膜を溶媒で洗滌した後、溶媒と相溶性の良い揮発性有機溶媒で洗滌し上記と同様に乾燥することにより行うことができる。セルロース膜に固定化させる生体適合性材料の量は、可溶性セルロース誘導体の量として、1〜100μg/cm2の範囲が好ましく、5〜50μg/cm2の範囲が特に好ましい。固定された可溶性セルロース誘導体の量が1μg/cm2未満の場合には、十分な抗血栓性が発揮されず、100μg/cm2を超えると透析性能が悪くなるため好ましくない。
【0021】
【発明の効果】
本発明の可溶性セルロース誘導体は、安全性に優れ、且つ、血液適合性とセルロース膜に対する親和性との双方を有しているため、人工透析器に使用されている再生セルロース系膜に抗血栓性を付与する材料として好適である。また、前記可溶性セルロース誘導体からなる生体適合性材料は、再生セルロース系膜表面に均一でむらの無いコーティング層を形成するため膜の透過性能が長期間維持され、且つ、容易に脱落することがないので抗血栓性を長期にわたって発揮させることができる。
【0022】
【実施例】
次に実施例により本発明の内容を更に詳細に説明する。
以下の合成例中に記載されている測定項目は、各々次の方法で測定した。
(1)共重合体の単量体構成組成
(1−1)MPC単位含量
MPC含有共重合体6mgを10mlのエタノールに溶解し、この溶液50μlを75℃で乾固させる。次に70重量%の過塩素酸260μlを加えて180℃で20分間加熱することによって、有機リンを無機リンに分解する。冷却後、蒸留水1.9ml、1.25重量%のモリブデン酸アンモニウム0.4ml、5重量%のアスコルビン酸0.4mlを加えて、100℃で5分間加温し発色させる。次に、この溶液の817.8nmにおける吸光度を測定することによってリン濃度を定量する。なお、検量線はリン酸水素二ナトリウムを用いて作成する。この値から、共重合体中のリンの含有量を求め、これにより共重合体中のMPC含量(モル%)を算出する。
【0023】
(1−2)グリシジルメタクリレート(GMA)単位含量
フェノールフタレインを含む0.2Mチオ硫酸ナトリウム50容量%イソプロパノール水溶液(pH=7.3)15gに10重量%MPC含有共重合体のイソプロパノール溶液3gを加え、スターラー上で加熱撹拌することにより溶液が紫色を呈する。生じた紫色溶液を、0.2N酢酸水溶液を順次加えることにより中和し、0.02N水酸化ナトリウム水溶液で逆滴定し、消費した酢酸の量からエポキシ基の含有量を求める。この値から、共重合体中のGMA含量(モル%)を算出する。
【0024】
(2)MPC含有共重合体の数平均分子量
MPC含有共重合体の1重量%溶液をフィルター(0.8μm)濾過した後、GPC測定に供する。溶離液としては、エタノールを用いる。MPC含有共重合体の数平均分子量は、ポリエチレングリコール換算にて求める。
【0025】
<MPC含有ポリマーの合成>
合成例1
MPC39.01g(95モル%)及びGMA0.99g(5モル%)をイソプロパノール358gに溶解し、窒素ガスにて反応容器内を十分に置換した。この溶液に20重量%のt−ブチルパーオキシピバレートのトルエン溶液2.18g(この中に含まれる過酸化物のモル数:2.50mmol)を加え、60℃の温浴中に浸漬して5時間加熱重合した。冷却後、反応溶液をジエチルエーテル中に滴下し、得られた共重合体を濾別後、真空乾燥した。得られた共重合体中のホスホリルコリン基含有単量体単位、エポキシ基含有単量体単位の含有量、及び共重合体の数平均分子量を表1に示す。
【0026】
合成例2
各モノマーの使用割合を、MPC37.97g(90モル%)、GMA2.03g(10モル%)に代えた以外は、合成例1と同様にして共重合体を得た。得られた共重合体中のホスホリルコリン基含有単量体単位、エポキシ基含有単量体単位の含有量、及び共重合体の数平均分子量を表1に示す。
【0027】
合成例3
各モノマーの使用割合を、MPC35.70g(80モル%)、GMA4.30g(20モル%)に代えた以外は、合成例1と同様にして共重合体を得た。得られた共重合体中のホスホリルコリン基含有単量体単位、エポキシ基含有単量体単位の含有量、及び共重合体の数平均分子量を表1に示す。
【0028】
合成例4
使用モノマーを、MPC40.00g(135mmol)単独に代えた以外は、合成例1と同様にして重合体を得た。得られた重合体の数平均分子量を表1に示す。
【0029】
合成例5
MPC2.0g(35モル%)、GMA0.14g(5モル%)、メタクリル酸−n−ブチル(BMA)1.65g(60モル%)、及びアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.04gをエタノール28mlに溶解し、アルゴンガスにて反応容器内を十分置換した。この反応容器を60℃の温浴中に24時間浸漬することにより、重合反応を行なった。冷却後、重合溶液をクロロホルムに注ぎ共重合体を沈殿させる操作を2回繰り返し、最後はクロロホルムに代えてエチルエーテルで沈殿させ、共重合体の沈殿物を濾別した後、真空乾燥させることにより特開平7−184989号公報記載の共重合体を得た。収率は90%であった。得られた共重合体中のホスホリルコリン基含有単量体単位、エポキシ基含有単量体単位の含有量、及び共重合体の数平均分子量を表1に示す。
【0030】
合成例6
各使用モノマーを、MPC2.0g(35モル%)、アリルアミン0.06g(5モル%)及びn−ブチルメタクリレート(BMA)1.65g(60モル%)に代えた以外は、合成例5と同様にして特開平7−184989号公報記載の共重合体を得た。収率は88%であった。得られた共重合体中のホスホリルコリン基含有単量体単位、アミノ基含有単量体単位の含有量、及び共重合体の数平均分子量を表1に示す。
【0031】
合成例7
各使用モノマーを、MPC2.0g(35モル%)、メタクリル酸(MA)0.08g(5モル%)及びBMA1.65g(60モル%)に代えた以外は、合成例5と同様にして特開平7−184989号公報記載の共重合体を得た。収率は70%であった。得られた共重合体中のホスホリルコリン基含有単量体単位、カルボキシル基含有単量体単位の含有量、及び共重合体の数平均分子量を表1に示す。
【0032】
合成例8
各使用モノマーを、MPC2.0g(35モル%)、GMA0.03g(1モル%)、BMA1.52g(55モル%)及び2−ヒドロキシエチルメタクリレート0.22g(9モル%)に代えた以外は、合成例5と同様にして特開平7−184990号公報記載の共重合体を得た。収率は95%であった。得られた共重合体中のホスホリルコリン基含有単量体単位、エポキシ基含有単量体単位、水酸基含有単量体単位の含有量、及び共重合体の数平均分子量を表1に示す。
【0033】
合成例9
各使用モノマーを、MPC2.0g(35モル%)、GMA0.03g(1モル%)、BMA1.52g(55モル%)及びアクリルアミド0.125g(9モル%)に代えた以外は、合成例5と同様にして特開平7−184990号公報記載の共重合体を得た。収率は60%であった。得られた共重合体中のホスホリルコリン基含有単量体単位、エポキシ基含有単量体単位、アミノ基含有単量体単位の含有量、及び共重合体の数平均分子量を表1に示す。
【0034】
合成例10
各使用モノマーを、MPC2.0g(35モル%)、GMA0.03g(1モル%)、BMA1.52g(55モル%)及びアクリル酸0.127g(9モル%)に代えた以外は、合成例5と同様にして特開平7−184990号公報記載の共重合体を得た。収率は70%であった。得られた共重合体中のホスホリルコリン基含有単量体単位、エポキシ基含有単量体単位、カルボキシル基含有単量体単位の含有量、及び共重合体の数平均分子量を表1に示す。
【0035】
合成例11
ガラス製重合用アンプルにMPC8.88g(24.9モル%)、メタクリル酸(MA)0.35g(3.4モル%)、2−(エチルヘキシル)メタクリレート17.16g(71.7モル%)、及びAIBN97.8mgを入れ、エタノール120mlを加えた後、アルゴンガスにて反応容器内を十分に置換した。アンプルを密封し、これを60℃のオイルバスに入れて3時間加熱重合させた。冷却後、反応混合液をジエチルエーテル中に滴下し、共重合体を沈殿させ、撹拌洗浄した後、回収して真空乾燥させることにより特開平7−231935号公報記載の共重合体を得た。得られた共重合体中のホスホリルコリン基含有単量体単位、カルボキシル基単量体単位の含有量、及び共重合体の数平均分子量を表1に示す。
【0036】
【表1】
Figure 0004033514
【0037】
<血液適合性可溶性セルロース誘導体の製造>
実施例1−1〜1−3
ニトロメタン19gに撹拌下、HPMC1g(D−グルコピラノースユニットで4.92mmol)及び4−(N,N−ジメチルアミノ)ピリジン0.2g(1.64mmol)を投入し、室温で1〜2時間撹拌した。次いで、合成例1〜3で得られた各々の共重合体5gを加え、撹拌溶解後、50℃での温浴中に浸漬して24時間それぞれ反応させた。冷却後、反応溶液をエタノール中に滴下し、反応生成物を沈殿させ、十分に撹拌洗浄した。続いて濾別して未反応の共重合体を除去した後、真空乾燥した。得られた可溶性セルロース誘導体である反応生成物をそれぞれ実施例1−1〜1−3として各々の重水(D2O)に溶解し、1H−NMR測定したところ、全ての試料においてHPMCに由来するピークに加えてMPCに起因するピークも観測された。この結果から、合成例1〜3で得られた共重合体は共有結合によりHPMCに導入されたことが確認できた。
【0038】
比較例1−1
合成例4で得られた重合体を用いて、実施例1−1〜1−3の方法に準じて反応を行なった。得られた反応物を1H−NMRにより分析したが、MPCに由来するピークは認められなかった。
【0039】
<血液適合性再生セルロース系膜の製造>
実施例2−1〜2−3
実施例1−1〜1−3で得られた各MPC含有可溶性セルロース誘導体の1重量/容量%水溶液に、予め水洗、風乾させておいたセルロースフィルム(10cm×10cm)をそれぞれ10分間浸漬させた。その後、室温大気中で乾燥し、更に真空乾燥を行った。上記条件にて再度コーティング処理を施した。得られたMPC含有可溶性セルロース誘導体で被覆したセルロース膜をそれぞれ実施例2−1〜2−3とした。これら被覆したセルロース膜をよく乾燥させ、その表面をESCAで分析したところ、全ての試料においてMPCユニットに起因するリン原子及び窒素原子のピークが認められた。
【0040】
比較例2−1〜2−3
合成例5で得られた共重合体1g及びヘキサメチレンジアミン12mg;合成例6で得られた共重合体1g及び1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル21mg;合成例7で得られた共重合体1g及び1,4−ブタンジオールジグシジルエーテル21mgをそれぞれエタノール20mlに溶解し、予め水洗、風乾させておいたセルロースフィルム(10cm×10cm)に塗布して乾燥させることによりキャストフィルムを作製した。各キャストフィルムを80℃で2時間加熱することにより特開平7−184989号公報記載の共重合体で被覆されたセルロース膜を得た。これらをそれぞれ比較例2−1〜2−3としてその表面をESCAで分析したところ、全ての試料においてMPCユニットに起因するリン原子及び窒素原子のピークが認められた。
【0041】
比較例2−4〜2−6
合成例8〜10で得られた共重合体の各々をエタノール溶液に5重量/容量%の濃度になるように溶解した溶液に、予め水洗、風乾させておいたセルロースフィルム(10cm×10cm)を約1分間浸漬し、30℃の通風乾燥機でそれぞれ乾燥させた。この操作を3回繰り返した後、140℃で2時間加熱することにより、特開平7−184990号公報記載の共重合体で被覆されたセルロース膜を得た。これらをそれぞれ比較例2−4〜2−6として表面をESCAで分析したところ、全ての試料においてMPCユニットに起因するリン原子及び窒素原子のピークが認められた。
【0042】
比較例2−7
合成例11で得られた共重合体溶液0.68g、ジシクロヘキシルカルボジイミド1.91g、及び4−(ジメチルアミノ)ピリジン1.5mgに、脱水した塩化メチレン100mlを加えて溶解した。次いで、得られた溶液に、予めアセトンに浸漬させた後風乾させたセルロースフィルム(10cm×10cm)を24時間浸漬させた。続いて、メタノールに浸漬させて洗浄(10分間×3回)した後、風乾することにより特開平7−231935号公報記載の高分子酸で被覆されたセルロース膜を得た。これを比較例2−7としてその表面をESCAで分析したところ、MPCユニットに起因するリン原子及び窒素原子のピークが認められた。
【0043】
<血液適合性評価>
実施例3及び比較例3
実施例2−1〜2−3(実施例3)及び比較例2−1〜2−7(比較例3)で作製した膜をそれぞれリン酸緩衝液(PBS)に1日浸漬し、PBSを取り除いた後、ウサギ血小板多血漿0.7mlを、室温で180分間接触させた。次に血漿をアスピレーターで取り除き、PBSで3回洗浄後、2.5重量%グルタルアルデヒド溶液1.0mlを120分間接触させた。その後、グルタルアルデヒド溶液をアスピレーターで取り除き、蒸留水で4回洗浄した後凍結乾燥し、更にデシケーターに入れ1日真空乾燥させた。得られた各セルロース膜の表面を走査型電子顕微鏡により観察したところ、全ての試料において血小板はほとんど付着していなかった。
【0044】
比較例4
未処理のセルロースフィルムに実施例3と同様な処理を行った後、走査型電子顕微鏡により膜の表面を観察したところ、13万個/mm2の血小板が付着していた。
【0045】
<溶質透過性実験>
実施例4及び比較例5
実施例2−1〜2−3(実施例4)及び比較例2−1〜2−7(比較例5)で得られたフィルムで区切った状態となるように、蒸留水で溶解した2mg/mlの尿素水溶液60mlと蒸留水60mlとを同時に各ガラスセルに入れた。撹拌しながら20分毎に蒸留水側のセルから0.5mlを採取して、2時間の透過性実験を行った。尿素の定量は、検体0.02mlを採取し、尿素窒素B−テストワコー(ウレアーゼ・インドフェノール法)(和光純薬工業(株)製)の測定キットを用いて尿素の標準水溶液での検量線法により行った。結果を表2に示す。また未処理のフィルムを用いて同様に行った結果も併せて表2に示す。表2の結果より、本発明の可溶性セルロース被覆セルロース膜において、実用上、膜の透過性能は維持されることが判る。一方、比較例2−1〜2−6で得られたフィルムは、膜表面に生成したゲル様の高分子物質が障害となり、膜透過性が著しく低下した。
【0046】
【表2】
Figure 0004033514
【0047】
<溶出試験>
実施例5及び比較例6
実施例2−1〜2−3(実施例5)及び比較例2−1〜2−7(比較例6)で得られたフィルムを、蒸留水、エタノールの各溶媒10mlに室温で3時間浸漬し、溶液中のリン含有量を定量することによりポリマーの溶出量を計算した。また予めセルロース膜に被覆させたポリマー量をリンの定量により求め、この値と溶出量とからポリマーの溶出率を算出した。結果を表3に示す。表3の結果より、本発明の再生セルロース系膜は、水及びエタノール中において共に殆どポリマーの溶出は認められなかった。一方、比較例2−1〜2−7で得られたフィルムは、本発明のセルロース膜に比べてポリマーの溶出量が高く、その傾向は溶媒がエタノールの特に顕著であった。
【0048】
【表3】
Figure 0004033514

Claims (2)

  1. 可溶性セルロース(A)と、ホスホリルコリン基含有単量体(b1)及びエポキシ基含有単量体(b2)の構成単位を含む共重合体(B)とを反応させて得た、前記共重合体(B)が前記可溶性セルロース(A)に共有結合で導入された可溶性セルロース誘導体。
  2. 請求項1記載の可溶性セルロース誘導体からなることを特徴とする生体適合性材料。
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