JPH10212301A - 可溶性セルロース誘導体、製造方法、グラフト化セルロース及び生体適合性材料 - Google Patents

可溶性セルロース誘導体、製造方法、グラフト化セルロース及び生体適合性材料

Info

Publication number
JPH10212301A
JPH10212301A JP9014988A JP1498897A JPH10212301A JP H10212301 A JPH10212301 A JP H10212301A JP 9014988 A JP9014988 A JP 9014988A JP 1498897 A JP1498897 A JP 1498897A JP H10212301 A JPH10212301 A JP H10212301A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cellulose
group
soluble cellulose
ethyl
compound
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP9014988A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3993657B2 (ja
Inventor
Hiroki Fukui
洋樹 福井
Kazuo Matsuyama
一夫 松山
Kazuhiko Ishihara
一彦 石原
Norio Nakabayashi
宣男 中林
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kagaku Gijutsu Shinko Jigyodan
NOF Corp
Original Assignee
Kagaku Gijutsu Shinko Jigyodan
NOF Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kagaku Gijutsu Shinko Jigyodan, NOF Corp filed Critical Kagaku Gijutsu Shinko Jigyodan
Priority to JP01498897A priority Critical patent/JP3993657B2/ja
Publication of JPH10212301A publication Critical patent/JPH10212301A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3993657B2 publication Critical patent/JP3993657B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Materials For Medical Uses (AREA)
  • Polysaccharides And Polysaccharide Derivatives (AREA)
  • Graft Or Block Polymers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】均質で安全性が高く機能発現に十分な重合性単
量体が導入された高品質のグラフト化セルロース、その
材料並びに製造方法、及びセルロースを素材とした医療
材料に優れ血液適合性を長期間付与する生体適合性材料
を提供する。 【解決手段】式(1) 【化1】 (R1;H、メチル、エチル、ヒドロキシエチル、ヒド
ロキシプロピル、カルボキシメチル、アセチル又はニト
ロ基、R2;C1〜15の2価炭化水素基、R3;C4〜
15の1価炭化水素基、m;モル分率で0.001〜1
の実数)の可溶性セルロース誘導体、ハロゲン含有パー
オキシエステル化合物に塩基性化合物存在下で可溶性セ
ルロースを反応させる製造方法、前記誘導体にラジカル
重合性単量体をグラフト重合してなるグラフト化セルロ
ース、及びそれを含む生体適合性材料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規かつ有用な可
溶性セルロース誘導体、その製造方法、前記セルロース
誘導体をラジカル開始源としたグラフト化セルロース、
及びそのグラフト化セルロースを含む生体適合性材料に
関する。
【0002】
【従来の技術】セルロースは、種子繊維、ジン皮、木材
等を原料とする天然高分子であり、繊維、プラスチッ
ク、紙等を製造する工業分野において広く利用されてい
る。化学構造的には、D−グルコピラノースがβ1→4
結合で連なった単純多糖であることから、セルロース自
体には高度な機能はない。しかし、セルロースは、地球
上で最も豊富に存在する有機化合物であるとともに極め
て安価な材料でもあることから、これに他の重合性単量
体をグラフトして機能化、高付加価値化したものが容易
に得られるならば実用的意義は大きい。
【0003】従来のセルロースへのグラフト重合反応
は、以下に示すように(1)化学的方法、(2)放射線
による方法、及び(3)無触媒法の3つに大別される。
【0004】(1)化学的方法 (i)重合開始剤としてセリウム塩(例えば、J. Poly
m. Sci., 31,242(1958))、過硫酸塩(例え
ば、繊学誌,19,217(1963))、過ヨウ素酸
塩(例えば、J. Polym. Sci., 58,411(196
2))、過マンガン酸塩(例えば、J. Appl. Polym. Sc
i., 17,2547(1973))、及び過酸化水素、
金属塩(例えば、J. Appl. Polym. Sci., ,539
(1961))等を用いることによりセルロース上にラ
ジカルが生成し、これが活性点となってグラフト重合が
起こる。しかし、セリウム塩を除いて上記過酸化物によ
るグラフト重合では、極めてグラフト効率が低く実用的
ではない。また、セリウム塩を用いたグラフト化では、
得られたグラフト化セルロースを生体適合性材料として
用いる場合には、重合後、有害物質であるセリウムイオ
ンを除去する必要があり、操作が煩雑とならざるを得な
い。
【0005】(ii)セルロースのオゾン(例えば、J. Po
lym. Sci., 38,287(1959))や過酸化物(例
えば、Soed, ,1847(1961))による酸化で
過酸化物構造を形成させ、これをグラフト重合の開始点
に用いる方法がある。しかし、これらの方法では、セル
ロースに導入される過酸化物量が極めて少なく、結果と
してグラフト効率も低くなることから、十分な性能を有
するグラフト化セルロースが得られない。
【0006】(iii)セルロースをエチレンサルファイ
ド等と反応させメルカプト基を導入し、ラジカル開始剤
から発生したラジカルを連鎖移動させてグラフトさせる
方法がある(例えば、J. Appl. Polym. Sci., ,55
8(1961))。この方法では、イオウ化合物へのラ
ジカル連鎖移動によりグラフト重合させているのでグラ
フト効率が低い上に、反応性の低いモノマーへの重合に
は向かず、使用できるモノマーが限定されるという問題
点がある。
【0007】(2)放射線による方法 重合性単量体をセルロース繊維に含浸させて、放射線、
例えば、γ線を照射してグラフト重合を行わせる方法
(例えば、Polymer, 21,309(1980))であ
るが、この方法では、ラジカル生成の効率の高いポリマ
ーとその低いモノマーとの組み合わせでないとグラフト
効率は一般的に低いという問題がある。また、放射線発
生装置が必要であり、設備投資面における費用も嵩む。
【0008】(3)無触媒法 セルロースを振動ボールミルで粉砕すると、分子が機械
的に切断してラジカルが発生するので、それを利用して
グラフト重合させる方法であるが、この方法は、セルロ
ース誘導体に対して行った例がある程度で、あまり一般
的な手法ではない。
【0009】以上のようにセルロースへのグラフト化反
応については、数多くの研究が為されているが、前述の
通り、いづれの方法にも種々の問題点がある。また上記
グラフト重合反応の大部分は、繊維状セルロースを対象
とし、反応系において溶媒等に均一に溶解していない不
均一系でのビニルモノマーのラジカル重合に関するもの
である。このような不均一系でのグラフト重合では、
(A)グルコース残基内、(B)セルロース分子鎖内、
及び(C)セルロース分子間でのグラフト鎖の分布状態
の異なる種々のグラフト化セルロースが得られる。グラ
フト化セルロースの特性は、グラフト鎖の平均の置換度
のみならず、前記(A)〜(C)に示したグラフト鎖の
分布状態にも依存する。従って、不均一系での重合で
は、得られた製品の均質性を確保するのが難しい。一
方、反応系において溶媒等に均一に溶解した均一系での
セルロースへのグラフト重合反応に関する報告は殆どな
く、僅かにDMSO/パラホルムアルデヒド系でのビニ
ルモノマーの反応が行なわれているに過ぎない(例え
ば、Polym. J., 13,1125(1981))。しか
し、この反応では、極めて毒性の強いパラホルムアルデ
ヒドを反応溶媒として用いるため、安全性の面での問題
が残る。
【0010】ところでセルロースは医療材料としても幅
広く利用されている。特に人工透析療法において、セル
ロースを鋼アンモニウム法で再生したセルロース膜は広
く用いられ、透析装置や透析技術の進歩と共に、腎不全
患者の延命、社会復帰に大きな役割を果たしている。こ
れは、再生セルロース膜が優れた透析性能や機械的強度
を有すると共に、長年の実績に裏づけられた高い安全性
を有しているからに他ならない。しかしながら、透析療
法の進歩にもかかわらず、透析に伴う種々の問題がまだ
未解決で残されている。その1つに、抗凝固剤の長期大
量投与のために生じると考えられる種々の副作用の問題
がある。従来、人工透析を行なう場合には、人工透析器
内での血液凝固反応を抑制するためにヘパリンに代表さ
れる抗血液凝固剤の連続投与が行なわれてきた。しかし
ながら、人工透析器の溶質除去性能が改良され、20年
に及ぼうとする長期延命が可能になってきた現在、ヘパ
リンを使用することによる問題が次々と指摘されてきて
いる。特に、ヘパリンの長期間投与による脂質代謝異常
等の肝臓障害、出血時間の延長或いはアレルギー反応
は、患者に対する副作用として認められている。このよ
うな観点から、人工透析療法の際に抗凝固剤の使用量を
低減させるか或いは全く使用しなくても血液凝固を引き
起こさない人工透析器の開発が急務であった。これまで
再生セルロース膜を改善する試みは、主に再生セルロー
ス膜で血液透析を行なった場合の一過性の白血球減少
や、補体活性化の抑制に注目して行なわれており、第3
級アミノ基を有する高分子を表面に固定したり、ポリエ
チレンオキシド鎖のような親水性高分子鎖を表面に共有
結合したりする方法等も報告されているが、血液凝固の
抑制については不十分であった。一方、再生セルロース
膜の他の優れた性能を損なわず、抗血栓性を改善する方
法も提案されている。例えば、膜表面をヘパリン化する
ことにより抗血栓性を付与する方法が特開昭51−19
4号公報で提案されているが、十分な効果が得られず、
又コストも割高になるため実用化されていない。
【0011】再生セルロース膜に抗血栓性等の生体適合
性を付与する方法としてリン脂質極性基を用いることが
試みられている。例えば、特開昭54−63025号公
報には、2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコ
リンが提案されている。ホスホリルコリン基を有する高
分子が血液凝固を有効に抑制するのは、この高分子表面
が生体膜のリン脂質における極性基に類似しており、表
面に血漿タンパク質が吸着されず、血小板の粘着、活性
化等が誘起されないためであると考えられている〔生体
材料、8,231−239(1990),J.Biom
ed.Mater.Res.,25,1397−140
7(1991)〕。
【0012】特開平3−39309号公報に開示されて
いるように、重合可能なこの単量体とメタクリル酸エス
テルやスチレンとの共重合体の抗血栓性は極めて優れて
おり、再生セルロース系膜にこの共重合体をコーティン
グして固定する方法も考えられている。しかしながら、
これらのホスホリルコリン基含有重合体は、セルロース
との親和性が低く密着性に劣るために、コーティングで
はセルロース表面からの脱落や溶出の心配があり、その
改質には適さない。
【0013】特開平5−220218号公報には、セリ
ウムイオンをラジカル重合開始剤に用い、セルロースに
2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリンをグ
ラフト共重合する方法が開示され、2−メタクリロイル
オキシエチルホスホリルコリンをセルロース表面に固定
することによって優れた生体適合性が発現できることが
示されている。また、特開平7−231935号公報に
は、2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリ
ン、メタクリル酸エステル、及びカルボキシル基を有す
る単量体の共重合体をセルロース膜にエステル結合によ
り導入することによるセルロースの改質方法について記
載されている。しかしながら、前者の方法では毒性の強
いセリウムイオンを用いており、それがセルロースとの
キレート形成により除去しづらいために安全性の面で問
題が残る。一方、後者の方法は、反応性の低い水酸基と
カルボキシル基との高分子間の脱水縮合反応であるた
め、大過剰の脱水剤と厳しい反応条件を必要とする。こ
のため、少量の水の存在が反応に悪影響を及ぼしたり、
反応試薬や反応生成物の除去が困難となり、十分な性能
を発揮できず、しかも経済的な面からも工業的製法とし
て適さない。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の第1
の目的は、前記問題点を解決し、均質で、高い安全性を
有し、且つ、機能を発現するのに十分な量の重合性単量
体が導入された高品質のグラフト化セルロース、及びそ
の材料並びにその製造方法を提供することにある。
【0015】本発明の第2の目的は、セルロースを素材
とした医療材料に優れた血液適合性を長期にわたって付
与できる生体適合性材料を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために鋭意検討を行った結果、均一系でパー
オキシエステルが置換された可溶性セルロース誘導体に
ラジカル重合性単量体をグラフト重合することにより、
高いグラフト効率、高い安全性、及び均一性等の条件を
全て満足する新規なグラフト化セルロースが得られるこ
とを見出した。また前記グラフト化セルロースの中で、
2−(メタクリロイルオキシ)エチル−2’−(トリメ
チルアンモニオ)エチルホスフェートを含む単量体を重
合したグラフト化セルロースを、セルロースを素材とし
た医療材料に被覆することにより、高い耐久性と高い生
体適合性を合せ持った、医療用材料等として有用な生体
適合性材料が得られることを見出し、本発明を完成する
に至った。
【0017】即ち、本発明によれば、一般式(1)
【0018】
【化5】
【0019】(式中、R1は、水素原子、メチル基、エ
チル基、ヒドロキシエチル基、ヒドロキシプロピル基、
カルボキシメチル基、アセチル基又はニトロ基のいずれ
か、R2は炭素数1〜15の2価の炭化水素基、R3は炭
素数4〜15の1価の炭化水素基を示す。mはモル分率
を示し、0.001〜1の実数である。)で表される可
溶性セルロース誘導体が提供される。
【0020】また、本発明によれば、一般式(3)
【0021】
【化6】
【0022】(式中、Aはハロゲン原子を示す。R2
炭素数1〜15の2価の炭化水素基、R3は、炭素数4
〜15の1価の炭化水素基を示す。)で表されるハロゲ
ン原子を有するパーオキシエステル化合物(a)に、塩
基性化合物の存在下で可溶性セルロース(b)を反応さ
せることを特徴とする前記可溶性セルロース誘導体の製
造方法が提供される。
【0023】さらに、本発明によれば、前記可溶性セル
ロース誘導体に、一種以上のラジカル重合性単量体
(c)をグラフト重合してなるグラフト化セルロースが
提供される。
【0024】さらに、本発明によれば、前記グラフト化
セルロースを含むことを特徴とする生体適合性材料が提
供される。
【0025】
【発明の実施の形態】本発明において「(メタ)アク
リ」は「メタクリ」及び/又は「アクリ」を意味する。
【0026】本発明の可溶性セルロース誘導体は、一般
式(1)で表される、可溶性セルロースにパーオキシエ
ステルがエーテル結合で結合した構造を有する。
【0027】一般式(1)のR1は、水素原子、メチル
基、エチル基、ヒドロキシエチル基、ヒドロキシプロピ
ル基、カルボキシメチル基、アセチル基又はニトロ基の
いずれかであり、可溶性セルロース誘導体1分子中にお
いて同一であっても、異なる基が混在していてもよい。
【0028】一般式(1)のR2は、炭素数1〜15の
2価の炭化水素基であり、可溶性セルロース誘導体1分
子中において同一であっても、異なる基が混在していて
もよい。具体的には例えば下記式(2)で表される基等
を好ましく挙げることができる。
【0029】
【化7】
【0030】一般式(1)のR3は、炭素数4〜20、
好ましくは4〜10の1価の炭化水素基であり、可溶性
セルロース誘導体1分子中において同一であっても、異
なる基が混在していてもよい。具体的には例えばt−ブ
チル基、クミル基、1,1,3,3−テトラメチルブチ
ル基、1−シクロヘキシル−1−メチルエチル基、t−
ヘキシル基等の炭素数4〜20、好ましくは4〜10の
アルキル基等を挙げることができる。
【0031】本発明の可溶性セルロース誘導体の製造方
法では、一般式(3)で表されるハロゲン原子を有する
パーオキシエステル化合物(a)に、塩基性化合物の存
在下で可溶性セルロース(b)を反応させる。
【0032】一般式(3)のAは、ハロゲン原子であ
り、その具体例としては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素
等が挙げられる。一般式(3)のR2及びR3は、一般式
(1)の前記R2及びR3と同じものである。
【0033】一般式(3)で表されるパーオキシエステ
ル化合物(a)の具体的なものとしては、t−ブチルペ
ルオキシ−2−ブロモアセテート、t−ブチルペルオキ
シ−2−クロロアセテート、t−ヘキシルペルオキシ−
2−ブロモアセテート、t−ヘキシルペルオキシ−2−
クロロアセテート、t−ブチルペルオキシ−4−(ブロ
モメチル)ベンゾエート、t−ブチルペルオキシ−4−
(クロロメチル)ベンゾエート、t−ヘキシルペルオキ
シ−4−(ブロモメチル)ベンゾエート、及びt−ヘキ
シルペルオキシ−4−(クロロメチル)ベンゾエート等
が挙げられる。なお、パーオキシエステル化合物(a)
は、ベンゼン又はトルエン等の適当な有機媒体中で、対
応する第3級アルキル等のアルキル又はアラルキル等の
ハイドロパーオキサイドと酸クロライドの塩素原子以外
に1つのハロゲン原子を有するカルボン酸クロライドと
を、塩基性触媒としてピリジン等を用いて脱塩酸反応さ
せる公知の方法によって得ることができる。
【0034】前記可溶性セルロース(b)としては、特
に限定されないが、通常1糖当たりの置換度が0.1〜
2.9の可溶性セルロースを用いることができる。具体
的にはメチルセルロース、エチルセルロース、酢酸セル
ロース、ニトロセルロース、カルボキシメチルセルロー
ス、カルボキシメチルエチルセルロース、ヒドロキシエ
チルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、エチ
ルヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメ
チルセルロース等が挙げられる。これらの各々の好まし
い1糖当たりの置換度は、例えばメチルセルロースであ
れば1.6〜2.2、エチルセルロースであれば1.5
〜2.6、酢酸セルロースであれば2.0〜2.9、ニ
トロセルロースであれば1.8〜2.9、カルボキシメ
チルセルロースであれば0.5〜1.6、ヒドロキシプ
ロピルメチルセルロースであればヒドロキシプロピル基
が0.1〜0.7、メチル基が1.1〜2.0の範囲で
あることが好ましい。可溶性セルロース(b)は、乾燥
したものを使用するのが好ましい。また可溶性セルロー
ス(b)の分子量は、数平均分子量で1000〜100
0000であるものが好ましい。分子量が1000以上
とすることにより得られる製品の基材に対する密着性等
を良好とすることができ、1000000以下とするこ
とにより溶液粘度が高くなりすぎることを防ぎ、取り扱
いを容易にし、溶剤に対する溶解性を良好とすることが
できる。
【0035】前記塩基性化合物としては、水素化リチウ
ム、水素化ナトリウム、水素化カリウム等の水素化物、
水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、カリウムt−ブト
キシド等が挙げられるが、価格及び取り扱い等を考慮す
ると水素化ナトリウムが最も好ましい。これらは1種単
独で使用することもできるし、2種以上を組み合わせて
使用することもできる。この際、前記塩基性化合物とし
てピリジン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、
N,N−ジメチルアニリン、4−ジメチルアミノピリジ
ン等の第3級アミン等を用いると、これらがパーオキシ
エステル化合物(a)と優先的に反応してしまい、可溶
性セルロース誘導体は得られないので好ましくない。
【0036】前記パーオキシエステル化合物(a)と可
溶性セルロース(b)との反応は、反応溶媒中で行うこ
とが望ましい。前記反応溶媒としては、基本的には、パ
ーオキシエステル化合物(a)に対して不活性で、パー
オキシエステル化合物(a)と可溶性セルロース(b)
とを共に溶解し得る溶媒であれば、全て利用可能であ
り、具体的にはジメチルホルムアミド(以下、DMFと
略記する)等の有機溶媒を挙げることができる。反応溶
媒は、無水物、あるいは脱水又は乾燥したものを使用す
るのが好ましい。
【0037】可溶性セルロース(b)の反応溶媒中にお
ける濃度は、0.1〜10重量%、好ましくは、1〜5
重量%が望ましい。前記パーオキシエステル化合物
(a)と可溶性セルロース(b)とは、パーオキシエス
テル化合物(a):可溶性セルロース(b)のグルコー
スユニットのモル比で0.001:1〜100:1、好
ましくは0.1:1〜10:1の割合で反応させるのが
望ましい。
【0038】塩基性化合物の使用量は、前記可溶性セル
ロース(b)のグルコースユニット1モルに対して0.
01〜10モル、好ましくは0.1〜5モルの割合で使
用するのが望ましい。
【0039】反応における条件は、反応温度が−30℃
〜室温、好ましくは−10℃〜+10℃、反応時間が1
〜100時間、好ましくは4〜48時間であることが好
ましい。
【0040】パーオキシエステル化合物(a)と可溶性
セルロース(b)との好ましい反応操作としては、次の
方法が挙げられる。即ち、ヒドロキシプロピルメチルセ
ルロース等の可溶性セルロース(b)を水素化ナトリウ
ム等の水素化物を含む無水DMSO中に溶解し、一定時
間室温で撹拌した後に、系内の温度を−30℃〜+10
℃、好ましくは−10℃〜+5℃に下げ、ベンゼン、ト
ルエン等の媒体に溶解したパーオキシエステル化合物
(a)を滴下撹拌し、滴下終了後さらに4〜48時間撹
拌反応させる。
【0041】本発明のグラフト化セルロースは、前記可
溶性セルロース誘導体に、一種以上のラジカル重合性単
量体(c)をグラフト重合させてなるものであり、通常
下記一般式(5)で表される化合物である。
【0042】
【化8】
【0043】(式中R1、R2及びmは一般式(1)のも
のと同じである。Xはラジカル重合性単量体(c)の重
合した基を示す。) 前記ラジカル重合性単量体(c)の具体例としては、例
えば側鎖が下記一般式(4)
【0044】
【化9】
【0045】(式中R4、R5及びR6は、同一又は異な
る基であって、水素原子又は炭素数1〜4の1価の炭化
水素基を示す。)で表される基を有するラジカル重合性
単量体例えば2−(メタ)アクリロイルオキシエチル−
2’−(トリメチルアンモニオ)エチルホスフェート、
3−(メタ)アクリロイルオキシプロピル−2’−(ト
リメチルアンモニオ)エチルホスフェート、4−(メ
タ)アクリロイルオキシブチル−2’−(トリメチルア
ンモニオ)エチルホスフェート、5−(メタ)アクリロ
イルオキシペンチル−2’−(トリメチルアンモニオ)
エチルホスフェート、6−(メタ)アクリロイルオキシ
ヘキシル−2’−(トリメチルアンモニオ)エチルホス
フェート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチル−
2’−(トリエチルアンモニオ)エチルホスフェート、
2−(メタ)アクリロイルオキシエチル−2’−(トリ
プロピルアンモニオ)エチルホスフェート、2−(メ
タ)アクリロイルオキシエチル−2’−(トリブチルア
ンモニオ)エチルホスフェート、2−(メタ)アクリロ
イルオキシプロピル−2’−(トリメチルアンモニオ)
エチルホスフェート、2−(メタ)アクリロイルオキシ
ブチル−2’−(トリメチルアンモニオ)エチルホスフ
ェート、2−(メタ)アクリロイルオキシペンチル−
2’−(トリメチルアンモニオ)エチルホスフェート、
2−(メタ)アクリロイルオキシヘキシル−2’−(ト
リメチルアンモニオ)エチルホスフェート、2−(ビニ
ルオキシ)エチル−2’−(トリメチルアンモニオ)エ
チルホスフェート、2−(アリルオキシ)エチル−2’
−(トリメチルアンモニオ)エチルホスフェート、2−
(p−ビニルベンジルオキシ)エチル−2’−(トリメ
チルアンモニオ)エチルホスフェート、2−(p−ビニ
ルベンゾイルオキシ)エチル−2’−(トリメチルアン
モニオ)エチルホスフェート、2−(スチリルオキシ)
エチル−2’−(トリメチルアンモニオ)エチルホスフ
ェート、2−(p−ビニルベンジル)エチル−2’−
(トリメチルアンモニオ)エチルホスフェート、2−
(ビニルオキシカルボニル)エチル−2’−(トリメチ
ルアンモニオ)エチルホスフェート、2−(アリルオキ
シカルボニル)エチル−2’−(トリメチルアンモニ
オ)エチルホスフェート、2−(アクリロイルアミノ)
エチル−2’−(トリメチルアンモニオ)エチルホスフ
ェート、2−(ビニルカルボニルアミノ)エチル−2’
−(トリメチルアンモニオ)エチルホスフェート、2−
(アリルオキシカルボニルアミノ)エチル−2’−(ト
リメチルアンモニオ)エチルホスフェート、2−(ブテ
ロイルオキシ)エチル−2’−(トリメチルアンモニ
オ)エチルホスフェート、2−(クロトノイルオキシ)
エチル−2’−(トリメチルアンモニオ)エチルホスフ
ェート、エチル−(2’−トリメチルアンモニオエチル
ホスホリルエチル)フマレート、ブチル−(2’−トリ
メチルアンモニオエチルホスホリルエチル)フマレー
ト、ヒドロキシエチル−(2’−トリメチルアンモニオ
エチルホスホリルエチル)フマレート、エチル−(2’
−トリメチルアンモニオエチルホスホリルエチル)フマ
レート、ブチル−(2’−トリメチルアンモニオエチル
ホスホリルエチル)フマレート、ヒドロキシエチル−
(2’−トリメチルアンモニオエチルホスホリルエチ
ル)フマレート等;(メタ)アクリル酸メチル、(メ
タ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、
(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ヘキシ
ル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸
ステアリル等の(メタ)アクリル酸エステル単量体;
(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)ア
クリル酸2−ヒドロキシプロピル等の(メタ)アクリル
酸ヒドロキシアルキルエステル単量体;(メタ)アクリ
ル酸アミド;スチレン、メチルスチレン、置換スチレン
等のスチレン系単量体;エチルビニルエーテル、ブチル
ビニルエーテル等のビニルエーテル単量体;N−ビニル
ピロリドン;塩化ビニル、塩化ビニリデン、エチレン、
プロピレン、イソブチレン等の不飽和炭化水素系単量
体;アクリロニトリル;グリコ−2−ヒドロキシエチル
モノメタクリレート(GEMA);オリゴエチレングリ
コールメタクリレート;ポリエチレングリコールモノメ
タクリレート及びこれらの混合物等が挙げられる。
【0046】前記ラジカル重合性単量体(c)を選択す
ることにより、得られるグラフト化セルロースの性質を
所望のものとすることができる。特に、側鎖が一般式
(4)で表される基を有するラジカル重合性単量体、好
ましくは2−(メタクリロイルオキシ)エチル−2’−
(トリメチルアンモニオ)エチルホスフェート(以下、
MPCと略す)又はMPCを含む単量体組成物をグラフ
ト重合したグラフト化セルロースはタンパク質の吸着や
変性が少なく、得られる製品に生体適合性等の良好な特
性を付与することができるため好適である。
【0047】本発明のグラフト化セルロースは次のよう
な製造方法により製造することができる。即ち、前記可
溶性セルロース誘導体を、反応媒体及びラジカル重合性
単量体(c)とともに重合容器中に仕込み、脱気又は不
活性ガス封入又は不活性ガス通気下で、加熱撹拌しなが
ら重合させる。この際、可溶性セルロース誘導体のパー
オキシ基は、ラジカル重合開始源として働く。重合の際
の反応温度及び反応時間は、可溶性セルロースに置換さ
れたパーオキシエステル化合物(a)の種類により異な
るが、反応温度としては10℃〜120℃が好ましく、
重合時間としては0.5時間〜50時間が好ましい。
【0048】前記反応媒体としては、水;メタノール、
エタノール、プロパノール等のアルコール類;ジエチル
エーテル、テトラヒドロフラン(THF)、ジオキサン
等のエーテル類;アセトン、メチルエチルケトン等のケ
トン類;ジクロロメタン、クロロホルム等のハロゲン系
溶剤及びこれらの混合物等が挙げられるが、親水性のラ
ジカル重合性単量体を使用するときは、グラフト効率及
び得られたグラフト化セルロースの均質性等の点から、
可溶性セルロース誘導体を溶解し得る溶媒である水が最
も好ましい。
【0049】反応終了後、メタノール等の媒体中に注
入、沈殿させることによりグラフト化セルロースとして
反応生成物を得ることができる。
【0050】さらに反応生成物を、メタノール、エタノ
ール等の媒体でソックスレー抽出して、ラジカル重合性
単量体(c)の単独重合体を除去する等、公知の方法に
より精製することができる。
【0051】本発明の生体適合性材料は、前記グラフト
化セルロースを含む。本発明の生体適合性材料に使用す
る前記グラフト化セルロースとしては、特にMPCをグ
ラフト化したグラフト化セルロースが、生体適合性に優
れるため好ましい。
【0052】本発明の生体適合性材料の形態としては、
具体的には、前記グラフト化セルロースを医療用材料等
の所望の材料の形状に成形したもの、又は前記グラフト
化セルロース以外の材質からなる他の材料、好ましくは
セルロースを素材とした材料等の表面に前記グラフト化
セルロースをコーティングする等して他の材料に所望の
機能を付与したもの等を挙げることができる。前記コー
ティングの方法としては、前記グラフト化セルロースを
適当な溶剤に溶解してコーティング溶液とし、これに前
記他の材料を接触させた後乾燥させる方法が、簡便で且
つ良好なコーティングが得られるため好ましい。
【0053】本発明の生体適合性材料は、優れた生体適
合性を有するので、例えば、各種カテーテル、透析膜、
人工臓器、血液回路、人工透析用ダイアライザー、医学
材料用センサー等の医療デバイスに幅広く利用すること
ができる。
【0054】
【発明の効果】本発明の可溶性セルロース誘導体は新規
な化合物であり、生体適合性材料として好適なグラフト
化セルロースを与える化合物として有用である。
【0055】本発明の可溶性セルロース誘導体の製造方
法は、前記可溶性セルロース誘導体を、容易に製造する
ことができる。
【0056】本発明のグラフト化セルロースは新規な化
合物である。この化合物は、均一系での反応により得ら
れるため、機能を発現するのに十分な量の重合性単量体
が導入された均質なものであり、且つ、セリウム等の有
害物質を反応系に含まないため、高い安全性も有してい
る。また水あるいは他のいくつかの有機溶剤に対して可
溶であり、簡便な操作でコーティングに供することがで
きる。従って、本発明のグラフト化セルロースは、セル
ロースを素材としたもの等の他の材料に容易に生体適合
性を付与し得る材料等として有用である。
【0057】本発明の生体適合性材料は、高い耐久性と
タンパク質の吸着や変性が少ない等、高い生体適合性を
合せ持っているため、医療用材料等として有用である。
【0058】
【実施例】次に合成例、実施例及び比較例により本発明
の内容を更に詳細に説明するが、本発明は、これらに限
定されるものではない。
【0059】合成例1〈MPCホモポリマーの合成〉 MPC20.7g(70mmol)をエタノール100
mLに溶解し、窒素ガスにて反応容器内を十分に置換し
た。この溶液にt−ブチルパーオキシピバレートの20
重量%トルエン溶液0.87g(この中に含まれる過酸
化物のモル数:1.0mmol)を加え、70℃の温浴
中に浸漬して5時間加熱重合した。冷却後、反応溶液を
ジエチルエーテル中に滴下し、得られた重合体を濾別
後、真空乾燥し、MPCホモポリマー(以下、PMPC
と略記する)を得た。得られたPMPCの一部をリン酸
バッファー(14.4mMリン酸水素二ナトリウム、
5.6mMリン酸二水素ナトリウム、pH=7.4)に
溶解し、1重量%の水溶液とした後、GPC測定に供し
た。その結果、得られたPMPCの数平均分子量は、ポ
リエチレングリコール換算で58,000であり、重合
転化率は、98%であった。
【0060】合成例2〈t−ブチルペルオキシ−2−ブ
ロモアセテートの合成〉 撹拌装置、温度計、及び滴下ロートを取り付けた200
mL容の三つ口フラスコ中にt−ブチルハイドロパーオ
キサイド6.31g(70mmol)、ピリジン5.5
4g(70mmol)、及びトルエン50gを加え、冷
却下で撹拌した。これにブロモアセチルクロライド1
1.02g(70mmol)とトルエン50gの混合溶
液を約30分間かけて滴下した。その後、冷却下で2時
間撹拌した。反応終了後、反応液を吸引濾過した。濾液
を2%HCl水溶液100mLで洗浄後、更に蒸留水1
00mLで洗浄した。その後、有機層を2%NaHCO
3水溶液100mLで1回、引き続いて蒸留水100m
Lで4回洗浄した。有機層に適量の無水硫酸ナトリウム
を加え、乾燥し、純度95.3%のt−ブチルペルオキ
シ−2−ブロモアセテート11.64gを得た。収率
は、75.1%であった。以下に得られた化合物の赤外
線吸収スペクトル(IR)分析及び1H NMR分析の結
果を示す。
【0061】 IR(CCl4):1770cm-1(C=O)1 H NMR(CDCl3):δ=1.20(9H,S,
t−Bu)、δ=3.75(2H,S,CH2合成例3 〈t−ブチルペルオキシ−4−(ブロモメチ
ル))ベンゾエートの合成〉 ブロモアセチルクロライ
ドの代わりに、4−(ブロモメチル)ベンゾイルクロラ
イド16.34g(70mmol)を用いた以外は、合
成例2の方法に準じて純度93.8%のt−ブチルペル
オキシ−4−(ブロモメチル))ベンゾエート17.7
8gを得た。収率は、83.0%であった。以下に得ら
れた化合物のIR分析及び1H NMR分析の結果を示
す。
【0062】 IR(CCl4):1760cm-1(C=O)1 H NMR(CDCl3):δ=1.20(9H,S,
t−Bu)、δ=4.50(2H,S,CH2)、δ=
7.50(2H,d,ベンゼン3−H1,5−H1)δ=
8.00(2H,d,ベンゼン2−H1,6−H1実施例1−1 〈t−ブチルペルオキシアセテート置換ヒ
ドロキシプロピルメチルセルロース(BPA−HPM
C)の合成〉 200mL容のナス型フラスコ中に脱水したDMF10
0g、NaH(純度:60%)0.2g(5.0mmo
l)、及び乾燥HPMC(セルロースのグルコースユニ
ット中にある3個の水酸基のうち1.9個がメトキシ基
に、且つ、0.25個がヒドロキシプロピル基に置換さ
れたもの、数平均分子量54000)1g(グルコース
ユニットで4.9mmol)を加え、室温で24時間撹
拌した。次いで、合成例2で得られたt−ブチルペルオ
キシ−2−ブロモアセテートの10重量%トルエン溶液
10.6g(5.0mmol)を加え、冷却下で24時
間かき混ぜた。反応終了後、反応液を10倍量のトルエ
ンに注入してポリマーを再沈殿させた。吸引濾過後、得
られた沈殿物をトルエンで数回洗浄し、真空乾燥した。
得られたポリマーを適量の蒸留水に溶解し、蒸留水に対
して冷却下で5日間透析して精製した。その後、透析液
を凍結乾燥し、白色のt−ブチルペルオキシアセテート
置換HPMC(以下、BPA−HPMCと略記する)
1.15gを得た。収率は、14.2%であった。以下
に得られた化合物のIR分析及び1H NMR分析の結果
を示す。
【0063】 IR(KBr):1770cm-1(C=O)1 H NMR(DMSO−d6):δ=1.10(d,H
PMC−CH3)、δ=1.20(S,t−Bu)、δ
=3.10−4.80(BPA−CH2,HPMC) またt−ブチルペルオキシアセテートのHPMCへの導
入量は、生成物の1HNMRスペクトルのδ=1.10
ppmのシグナルとδ=1.20ppmのシグナルの面
積比から計算して約7グルコピラノースユニット当り1
個であることがわかった。
【0064】実施例1−2〈t−ブチルペルオキシメチ
ルベンゾエート置換ヒドロキシプロピルメチルセルロー
ス(BPMB−HPMC)の合成〉 t−ブチルペルオキシ−2−ブロモアセテートの10重
量%トルエン溶液の代わりに、合成例3で得られたt−
ブチルペルオキシ−4−(ブロモメチル)ベンゾエート
の10重量%トルエン溶液14.35g(5.0mmo
l)を用いた以外は、実施例1−1の方法に準じてt−
ブチルペルオキシメチルベンゾエート置換HPMC(以
下、BPMB−HPMCと略記する)1.19gを得
た。収率は、13.2%であった。以下に得られた化合
物のIR分析及び1H NMR分析の結果を示す。
【0065】 IR(KBr):1760cm-1(C=O)1 H NMR(DMSO−d6):δ=1.10(d,H
PMC−CH3)、δ=1.20(S,t−Bu)、δ
=3.10−4.80(BPA−CH2,HPMC)δ
=7.35(d,ベンゼン3−H1,5−H1)、δ=
7.95(d,ベンゼン2−H1,6−H1) またt−ブチルペルオキシメチルベンゾエートのHPM
Cへの導入量は、生成物の1H NMRスペクトルのδ=
1.10ppmのシグナルとδ=1.20ppmのシグ
ナルの面積比から計算して約7グルコピラノースユニッ
ト当り1個であることがわかった。
【0066】実施例2−1〈PMPCグラフト化HPM
C(PMPC−g−HPMC)の合成(1)〉 実施例1−1で合成したBPA−HPMC1.0g及び
MPC7.0g(23.7mmol)を適量の蒸留水に
溶解した後、全量が40mLになるまで蒸留水を加え
た。この溶液を撹拌装置、温度計、冷却管、及び窒素供
給管を取り付けた100mL容の四つ口フラスコに移
し、冷却下で30分間窒素ガスをバブリングした後、5
0℃で5時間撹拌しながら重合させた。その後、重合液
を10倍量のエタノールに注入し、ポリマーを再沈殿さ
せた。吸引濾過後、得られた沈殿物をエタノールで数回
洗浄し、真空乾燥した。その後、エタノールで20時間
ソックスレー抽出を行ってMPCのホモポリマーを除去
することにより、ポリMPCグラフト化HPMC(以
下、PMPC−g−HPMCと略記する)を得た。抽出
前の総ポリマー量が6.12gであったのに対し、抽出
されたポリMPC量は0.28gであり、従ってグラフ
ト効率(グラフト効率(%)=((総ポリマー重量)−
(抽出されたホモポリマー重量)}×100/(総ポリ
マー重量))は95.6%であった。
【0067】また得られたPMPC−g−HPMCのI
R(KBr)の分析の結果、1720cm-1(C=
O)、1250cm-1(P=O)、970cm-1(N+
(CH33)、800cm-1(C−O−P)にMPC由
来の吸収が観測された。
【0068】実施例2−2〈PMPCグラフト化HPM
C(PMPC−g−HPMC)の合成(2)〉 BPA−HPMCの代わりに実施例1−2で合成したB
PMB−HPMCを用い、重合温度を90℃、重合時間
を48時間とした以外は、実施例2−1記載の操作に準
じて重合を行い、PMPC−g−HPMCを得た。抽出
前の総ポリマー量が4.88gであったのに対し、抽出
されたポリMPC量は0.83gであり、従ってグラフ
ト効率は85.5%であった。
【0069】また得られたPMPC−g−HPMCのI
R(KBr)の分析の結果、1720cm-1(C=
O)、1250cm-1(P=O)、970cm-1(N+
(CH33)、800cm-1(C−O−P))にMPC
由来の吸収が観測された。
【0070】実施例2−3〈PHEMAグラフト化HP
MC(PHEMA−g−HPMC)の合成(1)〉 MPCの代わりにメタクリル酸2−ヒドロキシエチル
(以下、HEMAと略記する)を用いた以外は、実施例
2−1記載の操作に準じて重合を行い、ポリHEMAグ
ラフト化HPMC(以下、PHEMA−g−HPMCと
略記する)を得た。抽出前の総ポリマー量が2.94g
であったのに対し、抽出されたポリHEMA量は1.8
5gであり、従ってグラフト効率は61.4%であっ
た。
【0071】実施例2−4〈PHEMAグラフト化HP
MC(PHEMA−g−HPMC)の合成(2)〉 MPCの代わりにHEMAを用いた以外は、実施例2−
2記載の操作に準じて重合を行い、ポリHEMAグラフ
ト化HPMC(以下、PHEMA−g−HPMCと略記
する)を得た。抽出前の総ポリマー量が2.23gであ
ったのに対し、抽出されたポリHEMA量は1.68g
であり、従ってグラフト効率は57.0%であった。
【0072】実施例3−1〜3−2〈PMPC−g−H
PMCのセルロース膜に対する親和性〉 実施例2−1
及び実施例2−2で得られたPMPC−g−HPMCそ
れぞれの1重量%水溶液に、予め蒸留水に浸漬させた
後、風乾させたセルロース膜(6.5cm×6.5c
m)を10分間浸漬した。その後、室温大気中で乾燥さ
せた。この操作を再度行った後、コーティングされた膜
を蒸留水に浸漬し、室温で3時間放置した。次いで、膜
を取り出し、蒸留水で3回洗浄した後、室温大気中で乾
燥し、PMPC−g−HPMC固定化セルロース膜を得
た。得られたPMPC−g−HPMC固定化セルロース
膜をそれぞれ実施例3−1及び実施例3−2として、各
々のフィルムのリン濃度を「リン脂質−テストワコー」
(和光純薬工業(株)製)を用いて定量した。この値か
ら、セルロース膜上へのPMPC−g−HPMCの固定
化量を算出した。その結果を表1に示す。
【0073】比較例1−1 PMPC−g−HPMCの1重量%水溶液の代わりに合
成例1で得られたPMPCの1重量%水溶液を用い、実
施例3−1〜3−2記載の操作に従い、PMPC固定化
セルロース膜を作製し、PMPCの固定化量をリン濃度
から算出した。その結果を表1に示す。
【0074】なお、実施例3−1、3−2及び比較例1
−1において測定は各実施例につきそれぞれ5回行っ
た。表1には、それぞれの実施例についての各測定結果
の平均値及び標準偏差を示す。
【0075】
【表1】
【0076】実施例4−1〜4−2〈PMPC−g−H
PMC固定化セルロース膜に対するタンパク質の吸着試
験〉 実施例3−1及び3−2で得られたPMPC−g−HP
MC固定化セルロース膜(3.46cm2)を、パーオ
キシダーゼ標識−抗マウス抗体−抗体(和光純薬工業
(株)製)をリン酸緩衝液(pH=7.4)で1000
倍希釈した溶液5mLに浸漬し、4℃で48時間静置し
た。次いで、タンパク質溶液からフィルムを取り出し、
リン酸緩衝液で4回洗浄した後、室温大気中で乾燥させ
た。得られたパーオキシダーゼ標識−抗マウス抗体−抗
体が吸着したPMPC−g−HPMC固定化セルロース
膜を、「OPD錠」(和光純薬工業(株)製)1錠を
0.02%の過酸化水素を含むリン酸/クエン酸緩衝液
12mLに溶解した溶液2mLに浸漬し、25℃で6時
間インキュベーションした。所定時間後、2N−硫酸1
mLを加え、酵素反応を停止させた後に492nmの吸
光度を測定した。吸光度よりセルロース膜へのパーオキ
シダーゼ標識−抗マウス抗体−抗体の吸着量を評価し
た。その結果を表2に示す。
【0077】実施例4−3〜4−4〈PHEMA−g−
HPMC固定化セルロース膜に対するタンパク質の吸着
試験〉 PMPC−g−HPMCの1重量%水溶液の代わりに実
施例2−3及び実施例2−4で得られたPHEMA−g
−HPMCの1重量%水溶液を用い、実施例3−1〜3
−2と同様にしてPHEMA−g−HPMC固定化セル
ロース膜(3.46cm2)を作製した。次いでPMP
C−g−HPMC固定化セルロース膜 (3.46c
2)の代わりに上述したPHEMA−g−HPMC固
定化セルロース膜(3.46cm2)を用いた以外は、
実施例4−1〜4−2の操作に準じてセルロース膜への
パーオキシダーゼ標識−抗マウス抗体−抗体の吸着量を
評価した。その結果を表2に示す。
【0078】比較例2−1 PMPC−g−HPMC固定化セルロース膜(3.46
cm2)の代わりに比較例1で得られたPMPC固定化
セルロース膜(3.46cm2)を用いた以外は、実施
例4−1〜4−2の操作に準じてセルロース膜へのパー
オキシダーゼ標識−抗マウス抗体−抗体の吸着量を評価
した。その結果を表2に示す。
【0079】比較例2−2 PMPC−g−HPMCの1重量%水溶液の代わりにH
PMCの1重量%水溶液を用い、実施例3−1〜3−2
と同様にしてHPMC固定化セルロース膜(3.46c
2)を作製した。次いでPMPC−g−HPMC固定
化セルロース膜(3.46cm2)の代わりに上述した
HPMC固定化セルロース膜(3.46cm2)を用い
た以外は、実施例4−1〜4−2の操作に準じてセルロ
ース膜へのパーオキシダーゼ標識−抗マウス抗体−抗体
の吸着量を評価した。その結果を表2に示す。
【0080】比較例2−3 PMPC−g−HPMC固定化セルロース膜(3.46
cm2)の代わりに未処理のセルロース膜(3.46c
2)を用いた以外は、実施例4−1〜4−2の操作に
準じてセルロース膜へのパーオキシダーゼ標識−抗マウ
ス抗体−抗体の吸着量を評価した。その結果を表2に示
す。
【0081】なお、実施例4−1〜4−4及び比較例2
−1〜2−3において測定は各実施例につきそれぞれ5
回行った。表2には、それぞれの実施例についての各測
定結果の平均値及び標準偏差を示す。
【0082】
【表2】
フロントページの続き (72)発明者 福井 洋樹 茨城県つくば市梅園2−24−5 (72)発明者 松山 一夫 茨城県つくば市春日2−17−14 (72)発明者 石原 一彦 東京都小平市上水本町3−16−37 (72)発明者 中林 宣男 千葉県松戸市小金原5−6−20

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(1) 【化1】 (式中、R1は、水素原子、メチル基、エチル基、ヒド
    ロキシエチル基、ヒドロキシプロピル基、カルボキシメ
    チル基、アセチル基又はニトロ基のいずれか、R2は炭
    素数1〜15の2価の炭化水素基、R3は炭素数4〜1
    5の1価の炭化水素基を示す。mはモル分率を示し、
    0.001〜1の実数である。)で表される可溶性セル
    ロース誘導体。
  2. 【請求項2】 前記一般式(1)のR2が下記式(2) 【化2】 で表される基であることを特徴とする請求項1記載の可
    溶性セルロース誘導体。
  3. 【請求項3】 一般式(3) 【化3】 (式中、Aはハロゲン原子を示す。R2は炭素数1〜1
    5の2価の炭化水素基、R3は、炭素数4〜15の1価
    の炭化水素基を示す。)で表されるハロゲン原子を有す
    るパーオキシエステル化合物(a)に、塩基性化合物の
    存在下で可溶性セルロース(b)を反応させることを特
    徴とする請求項1又は2記載の可溶性セルロース誘導体
    の製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項1又は2記載の可溶性セルロース
    誘導体に、一種以上のラジカル重合性単量体(c)をグ
    ラフト重合してなるグラフト化セルロース。
  5. 【請求項5】 前記ラジカル重合性単量体(c)が、一
    般式(4) 【化4】 (式中R4、R5及びR6は、同一又は異なる基であっ
    て、水素原子又は炭素数1〜4の1価の炭化水素基を示
    す。)で表される側鎖を有する単量体を含むことを特徴
    とする請求項4記載のグラフト化セルロース。
  6. 【請求項6】 前記ラジカル重合性単量体(c)が、2
    −(メタクリロイルオキシ)エチル−2’−(トリメチ
    ルアンモニオ)エチルホスフェートであることを特徴と
    する請求項4記載のグラフト化セルロース。
  7. 【請求項7】 請求項4〜請求項6のいずれか1項に記
    載のグラフト化セルロースを含むことを特徴とする生体
    適合性材料。
JP01498897A 1997-01-29 1997-01-29 可溶性セルロース誘導体及び製造方法 Expired - Lifetime JP3993657B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP01498897A JP3993657B2 (ja) 1997-01-29 1997-01-29 可溶性セルロース誘導体及び製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP01498897A JP3993657B2 (ja) 1997-01-29 1997-01-29 可溶性セルロース誘導体及び製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH10212301A true JPH10212301A (ja) 1998-08-11
JP3993657B2 JP3993657B2 (ja) 2007-10-17

Family

ID=11876339

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP01498897A Expired - Lifetime JP3993657B2 (ja) 1997-01-29 1997-01-29 可溶性セルロース誘導体及び製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3993657B2 (ja)

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005239989A (ja) * 2004-02-24 2005-09-08 Yasuhiko Iwasaki リビングラジカル重合開始基を持つポリリン酸の製造方法および用途
JP2005255969A (ja) * 2004-03-12 2005-09-22 Yasuhiko Iwasaki 生分解性重合体の製造方法および用途
JP2008106208A (ja) * 2006-10-27 2008-05-08 Daicel Chem Ind Ltd 環状エステル変性グルカン誘導体の製造方法
JP2009067906A (ja) * 2007-09-13 2009-04-02 National Institute Of Advanced Industrial & Technology セルロース及びセルロース誘導体の改質方法とその装置
JP2013018851A (ja) * 2011-07-11 2013-01-31 Sumitomo Bakelite Co Ltd セルロース繊維、セルロース繊維含有重合体、樹脂組成物及び成形体。
WO2017200220A1 (ko) * 2016-05-18 2017-11-23 한양대학교 에리카산학협력단 회합성 공중합체로 표면 개질된 셀룰로오즈 미세섬유 및 이를 포함하는 점증제 조성물
CN108752530A (zh) * 2018-05-09 2018-11-06 同济大学 可负载细胞的温敏性水凝胶材料、温敏性水凝胶及其制备方法与应用

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005239989A (ja) * 2004-02-24 2005-09-08 Yasuhiko Iwasaki リビングラジカル重合開始基を持つポリリン酸の製造方法および用途
JP2005255969A (ja) * 2004-03-12 2005-09-22 Yasuhiko Iwasaki 生分解性重合体の製造方法および用途
JP2008106208A (ja) * 2006-10-27 2008-05-08 Daicel Chem Ind Ltd 環状エステル変性グルカン誘導体の製造方法
JP2009067906A (ja) * 2007-09-13 2009-04-02 National Institute Of Advanced Industrial & Technology セルロース及びセルロース誘導体の改質方法とその装置
JP2013018851A (ja) * 2011-07-11 2013-01-31 Sumitomo Bakelite Co Ltd セルロース繊維、セルロース繊維含有重合体、樹脂組成物及び成形体。
WO2017200220A1 (ko) * 2016-05-18 2017-11-23 한양대학교 에리카산학협력단 회합성 공중합체로 표면 개질된 셀룰로오즈 미세섬유 및 이를 포함하는 점증제 조성물
CN108752530A (zh) * 2018-05-09 2018-11-06 同济大学 可负载细胞的温敏性水凝胶材料、温敏性水凝胶及其制备方法与应用

Also Published As

Publication number Publication date
JP3993657B2 (ja) 2007-10-17

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP3191016B1 (en) Functionalized zwitterionic and mixed charge polymers, related hydrogels, and methods for their use
US5763504A (en) Photcurable glycosaminoglycan derivatives, crosslinked glycosaminoglycans and method of production thereof
JP4043789B2 (ja) 表面を修飾するための方法
JP4278716B2 (ja) N−硫酸化ヒアルロン酸化合物、その誘導体および製造方法
JP3927118B2 (ja) 疎水性多重複合ヘパリン結合体、その製造方法及び用途
US5270046A (en) Heparin bound anti-thrombotic material
JPWO2009066746A1 (ja) 組織癒着防止材および関節拘縮防止材
JP4280962B2 (ja) ポリウレタンに共有結合した硫酸化ヒアルロン酸及びその硫酸化誘導体、並びにそれらの調製方法
JPS6021599B2 (ja) 2−メタクリルオキシエチルホスホリルコリン
JPH059255A (ja) 血液適合性が改善されたフツ素化ポリウレタン
CN110872364A (zh) 一种具有形状记忆功能的凝胶、制备方法及抗凝血血管支架
JP3993657B2 (ja) 可溶性セルロース誘導体及び製造方法
Ishihara et al. Improvement of hemocompatibility on a cellulose dialysis membrane with a novel biomedical polymer having a phospholipid polar group
Salacinski et al. Surface functionalization and grafting of heparin and/or RGD by an aqueous‐based process to a poly (carbonate‐urea) urethane cardiovascular graft for cellular engineering applications
JP2000279512A (ja) 医療用材料および製造方法
JP2021525305A (ja) 二官能性修飾バイオポリマー系ポリマー及びかかる二官能性修飾バイオポリマー系ポリマーから得られるヒドロゲル
JP4033514B2 (ja) 可溶性セルロース誘導体および用途
Feng Some advances in synthetic biomedical polymers
JP6886402B2 (ja) 生分解性インジェクタブルゲル
JPH1087702A (ja) セルロース誘導体、製造方法、グラフト化セルロースおよび用途
WO2017094691A1 (ja) リン酸残基を有するニトロキシラジカル含有共重合体及びその使用
WO2023125758A1 (zh) 多功能层结构及其制备方法和制品
Solaro et al. New multifunctional polymeric materials for the treatment of chronic uremia
JPH0975446A (ja) 抗血栓性を賦与した医療用基材
JPH0624592B2 (ja) 抗血液凝固性材料

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070515

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070613

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20070717

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20070727

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100803

Year of fee payment: 3

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100803

Year of fee payment: 3

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100803

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110803

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120803

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120803

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130803

Year of fee payment: 6

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

EXPY Cancellation because of completion of term