JP4033506B2 - 消臭器具 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、玄関やトイレおよび車の中などに置かれる消臭器具に係り、悪臭成分を効果的に消臭でき、且つ消臭効果の有無を目で確認でき、製品の交換時期を容易に判断できる消臭器具に関する。
【0002】
【従来の技術】
玄関やトイレなどの悪臭を消すために、芳香剤や消臭剤が用いられている。特に最近では、家庭内などでの無臭を好む傾向があり、このようなニーズに合わせて、悪臭成分を消臭するいわゆる消臭剤の需要が高くなっている。
消臭剤には、活性炭などの悪臭成分を吸着することにより消臭する物理吸着型の消臭剤、およびパラジクロロベンゼンなどの消臭成分を揮発させて空気中に拡散させる揮発型の消臭剤等がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、活性炭などの吸着型の消臭剤は、悪臭分子をどの程度吸収できたのか目視で判断することはできず、消臭剤の消臭効果の限界時点、すなわち消臭剤の交換時期が見た目で判断できない。
また、揮発型の消臭剤は、空気中に揮発拡散して悪臭成分中の悪臭分子と中和・付加反応等の化学反応を起こし、悪臭成分を分解して他の無臭の分子に変化させたり、または悪臭分子を包み込む(包接する)ことにより消臭するものであり、悪臭成分を元から分解・無臭化するため、消臭効果が優れている。しかし、消臭成分は空気中に揮発した後拡散されるものであるため、空気中の濃度は非常に薄く、悪臭分子に直接作用する確率が低く、消臭効果の点において問題があった。更に揮発されない成分が容器の中に残るなどして製品の交換時期の判断が困難であった。また、悪臭成分が無くても揮発してしまい、製品の寿命が短くなるなどの問題がある。
【0004】
本発明は上記従来の問題を解決するものであり、悪臭を消臭する効果が高く、しかも消臭効果を目視でき、消臭剤の消臭効果が無くなる時期を判断でき、適当な時期に製品を交換することが可能な消臭器具を提供することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の消臭器具は、上方に開口した上室と、下室とを有し、両室の境界が液透過構造とされた容器と、前記容器とは別体に形成されて前記容器よりも小型の収納容器とを有しており、
前記収納容器は、上部と底部と外周部および上部の中央部から底部に向けて貫通し、底部に向うにつれて径が徐々に小さくなる穴を有し、前記上部と前記外周部および前記穴の周囲を形成する壁が設けられて、底部には、通気性シートが設けられまたは底部を形成する壁に***が形成され、前記穴の周囲を形成する壁に通気穴が形成されており、
前記収納容器の内部に、空気中の水分を吸水して潮解する潮解性物質と、消臭性物質とが混合されて収納されて、
前記収納容器が前記底部を下に向けて前記上室内に設置され、容器の上部に通気性の蓋が取付けられていることを特徴とするものである。
【0006】
前記潮解性物質は、例えばアルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩のうち、1種または2種以上の混合物から成る。
【0007】
また、前記消臭性物質は、イオウ系の悪臭分子を消臭するものであることが好ましい。
【0008】
さらに、潮解性物質から成る粒子と、消臭性物質を含む着色された粒子とが混合されているものとすることが可能である。
【0010】
臭器具の容器内の下に、上から流下する液体を吸収する液吸収体が設けられているものにできる。この液吸収体としては、吸水性ポリマーを用いることが好ましい。
【0012】
本発明の消臭器具は、容器の上室内に収納された別体の収納容器内に、空気中の水分を吸湿して潮解する潮解性物質と消臭性物質とが混合されて入れられているものである。前記潮解性物質は、例えば塩化カルシウムや塩化マグネシウム、または酢酸ナトリウムなどのアルカリ金属塩、またはアルカリ土類金属塩であり、例えばこれらの潮解性物質のうち1種から成る粒子、または2種以上が混合されて成る粒子、あるいはこれらの複数種の粒子が混合されているものである。
【0013】
前記潮解性物質は空気に触れると空気中の水分を吸水して、溶解(潮解)する。人に不快感を与える悪臭成分の代表的なものとして、アンモニアやトリメチルアミン、硫化水素やメチルメルカプタンなどが挙げられる。これらの悪臭成分のうち、窒素系のアンモニアやトリメチルアミンは、水に溶解しやすいく、その溶解液はアルカリ性を呈する。前記潮解性物質の溶解液は酸性を呈するため、前記のアンモニアやトリメチルアミンなどの窒素系の悪臭分子と中和反応及び置換反応を起こし、悪臭分子は吸収・分解されて消臭される。
【0014】
また、前記潮解性物質に混合される消臭性物質としてはイオウ系の悪臭成分を無臭化するものが好ましく、例えば、緑茶エキスや柿縮合タンニンなどの植物抽出物や、界面活性剤応用消臭剤などの脂肪酸塩系消臭剤などが使用される。これらの消臭性物質は、例えばセルロースやゼオライトの粒子に含浸されて消臭性粒子とされ、前記潮解性物質から成る粒子と混合されている。前記緑茶エキスや柿縮合タンニン、あるいは界面活性剤応用消臭剤などは、硫化水素やメチルメルカプタンを化学的に分解して無臭分子に変えたり、またはこれら悪臭分子を包み込んで(包接して)無臭化させるものである。
【0015】
したがって、前記潮解性物質と消臭性物質とにより、窒素系の悪臭成分とイオウ系の悪臭成分の双方を効果的に無臭化することができる。
【0016】
また、前記消臭性物質は前記のイオウ系の悪臭分子を無臭化するものであればよく、悪臭性分子を物理的に吸着することにより消臭する活性炭などを使用してもよい。または、消臭性物質として、前記窒素系の悪臭成分を消臭するものを用いてもよく、あるいはイオウ系の悪臭成分を無臭化する消臭性物質と、窒素系の悪臭成分を消臭する消臭性物質の双方を、前記潮解性物質に混合しても良い。
【0017】
また、前記消臭性物質が含浸された粒子に、前記潮解性粒子の潮解液により変色するpH指示薬を含浸させて着色させることも可能である。
【0018】
例えば潮解性物質として、塩化カルシウムや塩化マグネシウムを使用した場合、この潮解性物質の溶解液は、酸性を呈する。このため、前記pH指示薬としては、酸性側に変色域のあるメチルオレンジやメチルレッドなどを使用するとよい。このものでは潮解性物質の溶解液により、前記pH指示薬の色が変化し、例えばメチルオレンジおよびメチルレッドはアルカリ性の黄色から酸性の赤色に変色する。したがって、消臭性物質が含浸された粒子の色の変化により、消臭効果を目視にてイメージ的に感じることができる。また、このpH指示薬は消臭性粒子とは別のセルロース粒子などに含浸されて、潮解性粒子および消臭性粒子と混合されていてもよい。
【0019】
前記の潮解性物質および消臭性物質は、参考例として示す図1および図2に示すような通気性を有する容器内に収納されてもよい。図1および図2では、潮解性物質と消臭性物質が収納された容器の開口部に、不織布や紙などの通気性のシートが覆われており、このシート上から穴の設けられた蓋が閉められている。外気は蓋の穴を通りさらに通気性シートを通って容器内に吸収される。潮解性物質は、外気中の水分を積極的に吸水して溶解する。このように、潮解性物質が積極的に外気中の水分を吸水するので、容器内に外気が吸収されやすい。このため、潮解性物質と消臭性物質とがイオウ系のあるいは窒素系の悪臭成分を吸収しやすく、消臭効果の優れたものとなる。
【0020】
また、前記通気性のシートの粗密を調節することにより、潮解性物質および消臭性物質と、空気との接触面積を調節できる。したがって、潮解性物質が無駄に潮解することを防止でき、製品の寿命を長くできる。また、潮解性物質の大きさを変えることによっても製品の寿命、および消臭効果を調節することができる。潮解性物質の大きさが大きいと、潮解性物質は溶解しにくくなるため製品が長持ちし、小さいと溶解しやすく消臭効果が高くなる。
【0021】
潮解性物質が完全に潮解した時点で、潮解性物質による消臭効果はほとんど無くなるため、このときに製品を新しいものと交換すればよい。このように、潮解性物質の潮解の進み具合により製品の交換時期を判断できるため、目視にて容易に交換時期を知ることができる。また、潮解性物質の溶解の様子を見ることにより、消臭効果をイメージ的に感じることができる。また、潮解性物質および消臭性物質にシリカゲルや高吸水性ポリマー(SAP)などの吸水するとゲルになる物質を混合すると、シリカゲルやSAPは潮解性物質の溶解液を吸水してゲル状となるので、このゲル化の状態により消臭効果をイメージ的に感じることができ、またシリカゲルやSAPがほぼ完全にゲル化した時点を製品の交換時期として判断することができる。
【0022】
前記潮解性物質と消臭性物質とが収納される容器は、参考例として図3に示すような上層と下層とに分離され、両層の境界が液通過構造とされた容器で、この容器の上層に潮解性物質と消臭性物質とが他の容器に入れられて収納された構造とすることが可能である。図3に示すように、潮解性物質と消臭性物質が収納された上層の容器は下面が開口しており、この開口部は不織布あるいは紙などの通気性のシートで覆われている。そして、この下面側通気性シートを通って上層の容器内に外気が入る構造となっている。容器内に外気が入り、潮解性物質が外気中の水分を吸水して溶解すると、この溶解液は、両層の境界の液透過構造を通って、下層へ流下する。よって、潮解性物質の溶解液と、潮解していない潮解性物質とを分離することができ、潮解していない潮解性物質が、潮解した潮解性物質の溶解液を吸収することを防止でき、潮解性物質を無駄なく使用することができる。
【0023】
この容器内の下層には、流下する液体を吸収する液吸収体が設けられていることが好ましい。この液吸収体は、例えば、吸水性ポリマーのような吸水により膨潤してゲル状になるものが好ましい。このとき、下層での吸水性ポリマーのゲル化の状態を見ることにより、潮解性物質がどの程度溶解したかを知ることができる。特に、上層に収納された潮解性物質が全て溶解したときにこの溶解液を完全に吸水した吸水性ポリマーの上部が達する容器の壁面の箇所に印をしておくと、この印の所まで吸水性ポリマーが膨潤したときに製品の交換をすればよく、製品の交換時期の目安が明確になる。また、溶解液を吸水性ポリマーに保持できるため、下層に滴下した溶解液が気化せず、上層の潮解性物質が下層から気化した水分を吸水することを防止でき、容器外の水分のみを効果的に吸水でき、この点でも消臭効果を高くできる。
【0024】
以上のように、本発明の消臭器具は、消臭効果が高く、しかも消臭効果をイメージ的に捉えることができ、製品の交換時期を目視にて判断しやすいものとなる。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面にて説明する。
図1は本発明の参考例として消臭器具の一例を示す斜視図、図2はその断面図である。
図1にて符号1は潮解性粒子であり、符号2は消臭性粒子である。潮解性粒子1は、主に塩化カルシウムまたは塩化マグネシウム、酢酸カリウムなどのアルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩等の潮解性の吸湿性物質が粒状に成形されたものである。この粒状の潮解性粒子1は、前記潮解性物質のうち1種または2種以上が混合されてそれぞれの粒を形成しているものである。または、前記の異なる潮解性粒子が複数種類混合されて使用されてもよい。
【0026】
人間に不快感を与える悪臭成分としては、主に窒素系のアンモニアやトリメチルアミン、およびイオウ系の硫化水素およびメチルメルカプタンなどがある。前記アンモニアやトリメチルアミンは水によく溶けるものであるため、潮解性粒子1が空気中の湿気を吸って溶解すると、この溶解液に溶け込む。これにより、アンモニアやトリメチルアミンが消臭される。前記潮解性物質の中では、特に塩化カルシウムや塩化マグネシウムが安全性および吸湿性の点で優れている。
【0027】
また、消臭性粒子2は、例えば緑茶エキスや柿縮合タンニンなどの植物抽出物あるいは界面活性剤応用消臭剤などの脂肪酸塩系消臭剤が、粒状に成形されたゼオライト、セルロースなどに含浸されたもの、あるいはこれらの成分自体が粒状に成形されたものである。前記緑茶エキスや柿縮合タンニン、あるいは界面活性剤応用消臭剤などは、硫化水素やメチルメルカプタンを化学的に分解して無臭分子に変えたり、またはこれら悪臭分子を包み込んで(包接して)無臭化させるものである。消臭性粒子2としては、前記潮解性粒子1により消臭できない硫化水素やメチルメルカプタンなどのイオウ系の悪臭分子を消臭するものであることが好ましく、これらイオウ系の悪臭分子を物理的に吸着して消臭する活性炭、あるいはゼオライトと金属イオンとの混合物などを使用してもよい。
【0028】
この消臭性粒子2には、収納容器3内に潮解性粒子1の溶解液により変色するpH指示薬が含浸されて、これにより着色させることも可能である。例えば潮解性粒子1として塩化カルシウムや塩化マグネシウムを使用した場合、塩化カルシウムまたは塩化マグネシウムは空気中の水分により溶解され、その溶解液は酸性を呈する。このため、前記pH指示薬としては、酸性側に変色域のあるメチルオレンジやメチルレッドなどを使用するとよい。潮解性粒子1が溶解すると、この溶解液により前記pH指示薬の色が変化して消臭性粒子2の色が変化し、例えばメチルオレンジおよびメチルレッドはアルカリ性の黄色から酸性の赤色に変色する。この色の変化により消臭効果をイメージ的に感じることができる。また、このpH指示薬は消臭性粒子とは別のセルロース粒子などに含浸されて、潮解性粒子1および消臭性粒子2と混合されていてもよい。
【0029】
また、図示の例では、潮解性粒子1と消臭性粒子2は別個の粒子であるが、前述した潮解性物質と消臭性物質を混合して粒状としたものであってもよい。また消臭性物質から成る粒の表面に、前記潮解性物質がコーティングされているものであってもよい。
【0030】
図1に示す参考例の場合、前記潮解性粒子1と消臭性粒子2はプラスチックなどの透明な収納容器3に均一に混合されて収納されている。収納容器3内には必要に応じてパラベンなどの防腐剤が入れられる。図2の断面図に示すように、この収納容器3の開口部3aは、多数の小さい穴が開けられた不織布などの多孔質性のシートあるいは紙シートなどの通気性シート5で覆われて閉じられている。また、使用する前は、前記通気性シート5の上からアルミシートなどの通気しない密閉シート6が容器の開口部3aを気密に覆っており、この密閉シート6により、収納容器3の内部が外気から遮断され、密閉した状態となっている。そして、この密閉シート6の上から蓋4が閉められ、消臭器具S1が構成されている。
【0031】
この消臭器具S1が居室やトイレや自動車の中などに置かれて使用されるとき、蓋4が外され前記密閉シート6が剥されると、収納容器3の開口部3aには通気性シート5が現れる。そして通気性シート5の上から再び蓋4が閉められる。蓋4には通気のための穴4aが開口しているため、図1において矢印で示されているように外気が穴4aを通り、さらに通気性シート5を通って収納容器3内に入る。このようにして、収納容器3内に空気が入り潮解性粒子1に触れると、潮解性粒子1は空気中の湿気を吸湿して溶解(潮解)する。そしてこの溶解液にアンモニアやトリメチルアミンなどの悪臭分子が溶け、悪臭分子が消臭される。潮解性粒子1は外気を積極的に取り込んで吸湿するものであるため、容器内に外部の空気を吸収しやすい。このため、外部の空気が消臭性粒子2に接触しやすくなっている。よって、消臭性粒子2により大気中の硫化水素やメチルメルカプタンなどのイオウ系の悪臭分子が効果的に無臭化される。
【0032】
潮解性粒子1は収納容器3内において表面に現われているもの、すなわち空気に触れたものから液状化していく。潮解性粒子1が潮解するとこの潮解液は収納容器3の下方に浸透していき、潮解した潮解性粒子1の下方にあった潮解性粒子1および消臭性粒子2が表面に現われて外気と触れるようになる。そして、空気と接触した潮解性粒子1が潮解し、潮解性粒子1および消臭性粒子2が悪臭分子を消臭する。これを繰返すことにより潮解性粒子1がほぼ完全に潮解し、収納容器3内の潮解性粒子1が完全に液状化する。このようにして、接触した空気中の悪臭成分をほぼ確実に消臭することができるので、従来の揮発型の消臭剤に比べて消臭効果が高いものとなる。また、潮解性粒子1が潮解していく様子を収納容器3の外側から容易に見ることができる、これによりイメージ的ではあるが消臭効果を目視できる。
【0033】
潮解性粒子1が完全に溶解し、この溶解液にアンモニアやトリメチルアミンがこれ以上溶け込めない状態、すなわち飽和状態になる。この飽和状態になる時期は空気中の悪臭分子の量によって異なるが、潮解性粒子1がほぼ完全に液状化した時点である。したがって、収納容器3内の潮解性粒子1が完全に液状化した時点で新しい製品と取り換えればよい。
【0034】
開口部3aは通気性シート5に覆われているため、潮解性粒子1および消臭性粒子2と外気との接触がこの通気性シート5によりある程度制限されている。したがって、このシートの粗密を調節することにより、潮解性粒子1および消臭性粒子2と空気との接触面積を調節でき、潮解性粒子の過剰な潮解を防止できる。このため、適度な消臭効果を得られ、製品の寿命を長くすることができる。
【0035】
さらに、収納容器3内にシリカゲル、またはポリアクリル酸塩などの高吸水性ポリマー(SAP)を入れて、潮解性粒子1と消臭性粒子2と混ぜてもよい。潮解性粒子1が吸水して溶解したとき、これらシリカゲルやSAPはこの溶解液を吸収してゲルとなる。したがって、このゲル化の状態を見ることにより、潮解性粒子1がどの程度潮解したかを目視にて判断でき、収納容器3内のシリカゲル等がほぼ完全にゲル化したときを製品の交換時期として判断することが可能である。
【0036】
また、潮解性粒子1の粒径は、消臭効果および製品の寿命に合わせて適当な大きさに調節することが好ましい。また、潮解性粒子1の粒の大きさを容器の上方と下方とで変えてもよい。このとき、例えば収納容器3の開口部3a側、すなわち上方に入れられている潮解性粒子1の粒径を小さくし、下方に入れられている粒子の粒径を大きくすると、粒径の小さい潮解性粒子1は潮解しやすいため、潮解性粒子1の潮解が早く進み、消臭効果が高くなる。逆に上方の粒子の径を大きくして下方の粒子の径を小さくすると、上方の粒子は潮解しにくくなり、容器内の潮解性粒子1が完全に液化するのに時間がかかる。このため、製品の寿命を長くすることができる。
【0037】
図3は参考例として消臭器具示すものであり、図4は図3のIV−IV線の断面図である。
図3と図4に示す消臭器具S2では、潮解性粒子1と消臭性粒子2が入れられた収納容器7が、その開口部7aを下方に向けた状態で、この収納容器7よりも大型の容器8内に入れられている。容器8の内部では、側壁8dの上下のほぼ中央に、多数の穴8cが全面に開けられた仕切り板8bが設けられており、この仕切り板8bにより容器8内は上室(上層)8Aと下室(下層)8Bとに分けられている。
【0038】
上室(上層)8Aに収納される前記収納容器7の開口部7aは、不織布、あるいは紙などの空気を通す通気性シート11で閉じられている。収納容器7は開口部7aを下向きとして仕切り板8bの上に載せられる。潮解性粒子1が吸水して溶解すると、この溶解液は仕切り板8bの穴8cを通って下室(下層)8Bに流下する。したがって、下室8B内に溜まる溶解液の量により、消臭効果を判断できる。しかし、さらに好ましくは、下室8Bに、SAPやシリカゲルなどの水分を吸水すると膨潤してゲルとなる吸水性樹脂10が入れられていることが好ましい。下室8Bに流化した溶解液は、吸水性樹脂10に吸収され、吸水性樹脂10は膨潤しゲル化する。このゲル化の状態を見ることにより、消臭効果をイメージ的に捉えることができる。また、溶解液を吸水性樹脂10に保持できるため、下層に滴下した溶解液が気化せず、上層の潮解性粒子1が気化した水分を吸水することを防止できる。したがって、外気中の水分を積極的に吸水でき、アンモニアやトリメチルアミンなどの悪臭分子を効率よく消臭できる。
【0039】
このように、下室8Bには潮解性粒子1の溶解液の吸収量を目視できる液吸収体を入れておけばよいが、この液吸収体は、前記ゲル化する吸水性ポリマーに限らずスポンジや親水性の不織布などでもよい。
【0040】
収納容器7が容器8の上室8A内に設置された後、容器8の開口部8aは通気しないアルミシートなどの密閉シート12などで気密に閉じられ、容器8内は密封状態にされる。そして密閉シート12の上から全面に穴9aが形成された蓋9が閉められ、この状態で製品として出荷される。
【0041】
そして使用するときに、蓋9が開けられて、密閉シート12が剥がされ、再び蓋9が閉められてトイレットなどに置かれる。すると図4において矢印で示すように蓋9の穴9aから空気が容器8内に入り、さらに通気性シート11を通って開口部7aから収納容器7内に入り、開口部7a側において表面に現われている潮解性粒子1と消臭性粒子2に接触する。潮解性粒子1は空気中の湿気を吸湿して溶解(潮解)し、この溶解液にアンモニアやトリメチルアミンが吸収される。溶解液は仕切り板8bの穴8cを通って下室8Bに滴下され、下室8B内の吸水性樹脂10に吸収される。吸水性樹脂10は潮解液を吸収することにより膨潤してゲルとなる。また、このゲル化の状態により、消臭効果をイメージできる。また、容器8の側面に、潮解性粒子1が完全に溶解したとき、この溶解液を完全に吸収した状態の吸水性樹脂10の上部が達する位置に印M(図3参照)を付けておくと、膨潤した吸水性樹脂10の上部がこの線に達したときに製品を交換すればよいため、製品の交換時期が判断しやすい。
【0042】
このように、収納容器7の開口部7aを下方に向けて潮解性粒子1の溶解液を収納容器7から除くことにより、空気中の湿気と反応していない潮解性粒子1と分けることができ、潮解していない潮解性粒子1が溶解液を吸収することを防止できる。よって、さらに効果的に吸湿および消臭ができる。
【0043】
また、図5は本発明の消臭器具を示す斜視図であり、図6は図5のVI−VI線での断面図である。
図5の消臭器具S3では、図3に示したものと同じ仕切り板8bを有する容器8の上室(上層)8A内に、潮解性粒子1および消臭性粒子2が収納されたドーナツ形状の収納容器13が入れられている。この収納容器13は、透明プラスチックなどで形成されており、図6に示されているように、この収納容器13の中央の穴13aの径は上方から下方にいくにしたがい除々に小さくなっており、この穴13aの内壁13bには通気のための***が多数開けられている。また、収納容器13の底部13cにも通気のための***が多数開けられている。または内壁13bにのみ***が空けられていてもよい。あるいは、収納容器の穴13aの内壁および底面、あるいは内壁のみが不織布や紙シートなどの通気性のシートで形成されてもよい。
【0044】
外気は、収納容器13の穴13aの内壁13bおよび収納容器13の底面13cの***(主に内壁の***)から吸収され、収納容器13内の潮解性粒子1および消臭性粒子2と接触する。中央の穴13aがテーパ形状であり、この内壁13bを介して収納容器13の内部に通気できるため、蓋9の穴9aからの外気が収納容器13内の潮解性粒子1と消臭性粒子2に接触しやすくなり、また接触面積も大きくでき、効果的に悪臭成分を無臭化できる。
【0045】
7に示す消臭器具は本発明の消臭器具の参考例である。
この消臭器具S4は円錐形の2つの容器14,15から成り、容器14内が上層で、容器15内が下層である。容器14,15は円錐の径の小さい方が開口しており、この開口部どうしが合わせられて接合された砂時計型となっている。上層となる容器14内には潮解性粒子1と消臭性粒子2が入れられ、その下端が通気性で且つ液透過性の通気性シート16で塞がれている。
【0046】
下層となる容器15内には、潮解性粒子1の潮解液が流下したときにこの潮解液を吸収するための吸水性樹脂10が入れられている。また上下の容器14と15が接合された首部15aでは、前記通気性シート16の下方に多数の通気穴15bが円周上に多数配列して開けられている。
【0047】
使用される前では、この通気穴15bは外側からシールなどが貼られ、空気が入らないよう気密な状態にされている。使用するときに、このシールを剥がすと、通気穴15bから空気が入り、容器14の下端側において潮解性粒子1と消臭性粒子2が空気と接触する。そして潮解性粒子1が空気中の水分を吸水して潮解すると、この潮解液が容器内14に滴下され、容器15内の吸水性樹脂10に吸収される。容器14内の潮解性粒子1の溶解が進んで消臭が行われるにつれて、容器14内の潮解性粒子1の量が減り、その分、容器15内の吸水性樹脂10が潮解液を吸水して膨潤するため、体積が増加する。したがって、容器内の潮解性粒子1と吸水性樹脂10の増減が、砂時計の砂と同様の変化をするものとなる。よって、デザイン的にも優れ、しかも消臭効果をイメージ的に感じることができる。
【0048】
また、製品の交換時期を判断するためには、必ずしも容器の内部全体が見える必要はない。例えば図1に示した収納容器3では、最後に潮解する収納容器3の下方の潮解性粒子1が溶解されたか否かを見れればよく、また図3ないし図7に示した容器8では、吸水性樹脂10の上部、あるいは側壁の印Mを見ることができればよい。よって、この部分以外の壁面が不透明のプラスチックなどで覆われていたり、または製品を表すためのラベルが貼られていてもよい。
【0049】
例えば図8に示す消臭器具S5は図1に示した消臭器具において、収納容器3の側面に商品を表示すためのラベルLを貼ったものである。ラベルLは収納容器3の下部を除いた部分に貼られており、図8においてラベルLの貼られている部分は斜線で示されている。斜線にて示されていない下部の壁面は透明になっており、収納容器3の外から潮解性粒子1の潮解の進み具合を見ることができる。
【0050】
また、図9に示す消臭器具S6は図3に示した消臭器具S2の容器8の上室8Aの壁面にラベルLを貼ったものである。容器8の下室8Bの壁面は透明であり、この部分において吸水性樹脂10のゲル化の状態を見ることができる。
【0051】
【発明の効果】
以上のように本発明の消臭器具は、潮解性物質が外気中の水分を積極的に吸収するものであるため、容器内に外気が吸収しやすくなり、消臭性物質と悪臭成分が接触しやすくなる。よって、潮解性物質によりアンモニアなどの窒素系の悪臭成分を消臭でき、消臭性物質により硫化水素などのイオウ系の悪臭成分を消臭でき、悪臭成分のほとんどを消臭することができ、消臭効果が高くなる。
【0052】
また、消臭するにつれて潮解性物質が溶解していくため、潮解性物質の減少量により消臭効果をイメージ的に捉えることができ、また製品の交換時期を容易に判断できるものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】消臭器具の参考例を示す斜視図、
【図2】図1のII−II線の断面図、
【図3】参考例として消臭器具を示す斜視図、
【図4】図3のIV−IV線での断面図、
【図5】本発明の消臭器具を示す斜視図、
【図6】図5のVI−VI線での断面図、
【図7】消臭器具の参考例を示す斜視図、
【図8】図1の消臭器具の壁面にラベルを貼った状態を示す図、
【図9】図3の消臭器具の壁面にラベルを貼った状態を示す図、

Claims (6)

  1. 上方に開口した上室と、下室とを有し、両室の境界が液透過構造とされた容器と、前記容器とは別体に形成されて前記容器よりも小型の収納容器とを有しており、
    前記収納容器は、上部と底部と外周部および上部の中央部から底部に向けて貫通し、底部に向うにつれて径が徐々に小さくなる穴を有し、前記上部と前記外周部および前記穴の周囲を形成する壁が設けられて、底部には、通気性シートが設けられまたは底部を形成する壁に***が形成され、前記穴の周囲を形成する壁に通気穴が形成されており、
    前記収納容器の内部に、空気中の水分を吸水して潮解する潮解性物質と、消臭性物質とが混合されて収納されて、
    前記収納容器が前記底部を下に向けて前記上室内に設置され、容器の上部に通気性の蓋が取付けられていることを特徴とする消臭器具。
  2. 容器内の下室には、上室から流下する液体を吸収する液吸収体が設けられている請求項記載の消臭器具。
  3. 液吸収体は、吸水性ポリマーである請求項記載の消臭器具。
  4. 潮解性物質は、アルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩のうち、1種または2種以上の混合物から成る請求項1ないしのいずれかに記載の消臭器具。
  5. 消臭性物質は、イオウ系の悪臭分子を消臭するものである請求項1ないしのいずれかに記載の消臭器具。
  6. 潮解性物質から成る粒子と、消臭性物質を含む着色された粒子とが混合されている請求項1ないしのいずれかに記載の消臭器具。
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