JP4032160B2 - 熱現像写真感光材料及びその画像形成方法 - Google Patents

熱現像写真感光材料及びその画像形成方法 Download PDF

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  • Non-Silver Salt Photosensitive Materials And Non-Silver Salt Photography (AREA)
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は特定の染料を含有する熱現像写真感光材料及びその画像形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
写真感光材料の露光に際して、入射光はハロゲン化銀、その他の添加剤、あるいは層界面によって反射、屈折し、これによって像がぼやけ、鮮鋭性が劣化す る。これを防ぐためにいわゆるアンチハレーション(AH)染料やアンチイラジエーション(AI)染料が広く用いられてきた。
【0003】
従来、AH、AI染料に要求される性能は所望の波長の光を吸収すること、ハロゲン化銀乳剤に不要な影響を与えないこと、処理時に完全に脱色するか、流出することで、感光材料に着色を残さないこと、等であった。
【0004】
近年、処理の迅速化やドライ化の傾向が著しく、処理後に染料由来の着色が残るいわゆる残色ステインの問題が大きくなり、その改良が強く求められていた。とりわけ、処理に水を全く用いないドライ処理の場合には染料の流出が全く期待できず、残色ステインが大きくなりやすく、その改良が待たれていた。
【0005】
AI、AH染料の代表例は有機染料であり、多くの化合物が提案されてきた。その中でも特に多く用いられるのはシアニン染料、オキソノール染料であるが、何れも可視部の吸収が大きく、分解物が黄色の吸収を持つことから残色ステインの点では不十分であり、化合物が比較的不安定で分解しやすい 他、コストが高いという欠点も有していた。
【0006】
スクアリリウム染料、クロコニウム染料は、一般に有機溶媒に対する溶解度が低く、ハロゲン化銀写真感光材料への添加が難しかったり、分散状態にしたときに、分光吸収特性が変化してしまうといった欠点があり、その改良が求められていた。
【0007】
特表平9−509503号、特開平8−262986号、同10−236695号、同10−104779号、同10−158253号及び同10−204310号公報にはナフタレン環を有するスクアリリウム染料を用いた熱現像写真感光材料が提案されているが、これら染料は黄色みを帯びており、残色ステインが大きいという問題を抱えていた。また染料の熱安定性が低く、感光材料の保存安定性が低いという欠点も明らかであった。また特開平10−24654号公報に記載の画像形成方法は赤外線の露光のみで実質的に画像が形成される所謂「感熱発色」と呼ばれる画像形成方法であり、露光により潜像が形成され、引き続き熱現像されることにより実質的に画像が形成される本発明の請求項1に記載の画像形成方法についてなんら言及されていない。本発明者らは鋭意検討の結果、驚くべきことに形成された画像銀の色調が鑑賞上または画像診断上好ましい「冷黒調」になることを見出した。また、特開平10−24654号公報に記載のS−1、S−4は分子内に水酸基を4つ有するため、有機溶媒に対する溶解性が比較的低く、充分なアンチハレーション、アンチイラジエーション効果を得ることが比較的困難であった。特開平10−36695号及び同10−158253号公報に記載の染料は工業的に製造することが困難であった。特開平10−104779号公報に記載の染料は有機溶媒に対する溶解性が低く、製造コストも高い欠点を有していた。」
【0008】
チオピリリウム核を有するスクアリリウム染料(本明細書ではチオピリリウムスクアリリウム染料と呼ぶ。同様にピリリウム核を有するスクアリリウム染料を本明細書ではピリリウムスクアリリウム染料と呼ぶ。)は米国特許第4,508,811号、同5,667,943号、同4,508,811号各明細書に記載されているが、それらの染料をハロゲン化銀写真感光材料に適用することは提案されていないし、それを示唆する記載もない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は有機溶剤溶解性に優れ、固体分散、オイル分散適性に優れた染料を用いた、鮮鋭性が良好で、残色ステインが少なく、画像銀の色調が好ましい「冷黒調」であり、保存安定性が良好で更にドライ処理適性に優れた熱現像写真感光材料及びその画像形成方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決する本発明は、下記構成を有する。
1.画像形成材料用支持体を用いた熱現像写真感光材料において、該画像形成材料用支持体が下記一般式2、4、6又は11で表される化合物である染料の少なくとも1種を含有することを特徴とする熱現像写真感光材料
【化2】
Figure 0004032160
「式中A及びBは置換基を表す。」
【化3】
Figure 0004032160
「式中、 及びは水素原子、又はアルキル基を表す。A 及びBは一般式で示した炭素原子との結合点と該炭素原子を結ぶ線を軸としてその軸の周りに180゜回転した場合もとの基と全く重なることができる基を表す。但し、A 及びBが有する水酸基の総和0以上1以下である。」
【化4】
Figure 0004032160
「式中、R 及びR は水素原子、又はアルキル基を表す。ZA4、ZB4は炭素原子とともに6員のヘテロ環を構築するのに必要な原子群を表す。」
【化7】
Figure 0004032160
「式中、R 、R 、R 、R は酸性置換基を置換していないアルキル基を表し、R 、R は1価の置換基を表す。l、mは0〜4の整数を表す。」
2.露光により潜像が形成され、引き続き熱現像されることで実質的に画像が形成される熱現像写真感光材料の画像形成方法において、該熱現像写真感光材料が前記1に記載のものであることを特徴とする画像形成方法。
【0011】
本発明の参考例として、下記構成が挙げられる。
(1)光学フィルター又は画像形成材料用支持体において、下記一般式1、2、3又は4で表される化合物である染料の少なくとも1種を含有することを特徴とする光学フィルター又は画像形成材料用支持体。
【化1】
Figure 0004032160
「式中、A 及び B1は ナフタレン基を除く置換基を表す。」
【化2】
Figure 0004032160
「式中A 及びB は置換基を表す。」
【化3−1】
Figure 0004032160
「式中、R 〜R は水素原子、又はアルキル基を表す。A 、B 、A 及びB は一般式で示した炭素原子との結合点と該炭素原子を結ぶ線を軸としてその軸の周りに180゜回転した場合もとの基と全く重なることができる基を表す。但し、A 及びB が有する水酸基の総和は0以上1以下であり、A 及びB が有する水酸基の総和も0以上1以下である。」
(2)染料が、メチルエチルケトン中で極大吸収波長における透過濃度が1.0であるときに420nmにおける透過濃度が0.03未満であることを特徴とする前記(1)に記載の光学フィルター又は画像形成材料用支持体。
(3)染料が、極大吸収波長が600nm以上900nm以下であることを特徴とする前記(1)記載の光学フィルター又は画像形成材料用支持体。
【0012】
(4)染料が、極大吸収波長が750nm以上900nm以下であることを特徴とする前記(1)記載の光学フィルター又は画像形成材料用支持体。
【0037】
5)前記一般式3又は一般式4で表される染料が下記一般式5又は一般式6で表されることを特徴とする前記(4)に記載の光学フィルター又は画像形成材料用支持体。
【0038】
【化17】
Figure 0004032160
【0039】
「式中、R1〜R4は水素原子、又はアルキル基を表す。ZA3、ZB3、ZA4、ZB4は炭素原子とともに6員のヘテロ環を構築するのに必要な原子群を表す。」
【0040】
(6)染料が、チオピリリウムスクアリリウム染料、チオピリリウムクロコニウム染料、ピリリウムスクアリリウム染料、ピリリウムクロコニウム染料、セレナピリリウムスクアリリウム染料、セレナピリリウムクロコニウム染料、テルロピリリウムスクアリリウム染料、及びテルロピリリウムクロコニウム染料から選ばれる少なくとも1種であるを含有することを特徴とする前記(1)に記載の光学フィルター又は画像形成材料用支持体。
【0041】
(7)チオピリリウムスクアリリウム染料、チオピリリウムクロコニウム染料、ピリリウムスクアリリウム染料、ピリリウムクロコニウム染料、セレナピリリウムスクアリリウム染料、セレナピリリウムクロコニウム染料、テルロピリリウムスクアリリウム染料、及びテルロピリリウムクロコニウム染料が下記一般式7で示される核を有する化合物であることを特徴とする前記(6)に記載の光学フィルター又は画像形成材料用支持体。
【0042】
【化18】
Figure 0004032160
【0043】
「式中、X1及びX2はそれぞれ酸素原子、硫黄原子、セレン原子、又はテルル原子を表し、R5及びR6は水素原子、又はアルキル基を表す。」
【0044】
(8)チオピリリウムスクアリリウム染料、チオピリリウムクロコニウム染料、ピリリウムスクアリリウム染料、ピリリウムクロコニウム染料、セレナピリリウムスクアリリウム染料、セレナピリリウムクロコニウム染料、テルロピリリウムスクアリリウム染料、及びテルロピリリウムクロコニウム染料が下記一般式8で表されることを特徴とする前記(6)に記載の光学フィルター又は画像形成材料用支持体。
【0045】
【化19】
Figure 0004032160
【0046】
「式中、X1及びX2はそれぞれ酸素原子、硫黄原子、セレン原子、又はテルル原子を表し、R5及びR6は水素原子、又はアルキル基を表す。R7及びR8は1価の基を表し、複数のR7及びR8は互いに結合して環を形成してもよい。m及びnは0〜4の整数を表す」
【0058】
(9)染料が、下記一般式11によって表される化合物であることを特徴とする前記(1)に記載の光学フィルター又は画像形成材料用支持体。
【0059】
【化20】
Figure 0004032160
【0060】
「式中、R1、R2、R3、R4は酸性置換基を置換していないアルキル基を表し、R5、R6は1価の置換基を表す。l、mは0〜4の整数を表す。」
【0061】
(10)前記一般式11のR、R、R、Rのうち少なくとも1つがアルコキシ置換アルキル基又は炭素数5以上のアルキル基であることを特徴とする前記(9)に記載の光学フィルター又は画像形成材料用支持体。
(11)前記1〜(10)のいずれかに記載の画像形成材料用支持体を用いた画像形成材料。
(12)前記1〜(10)のいずれかに記載の画像形成材料用支持体を用いたハロゲン化銀写真感光材料。
【0066】
【発明の実施の形態】
以下本発明について詳述する。
尚、上記参考例についても述べる。
本発明に用いられる染料は、メチルエチルケトン中で極大吸収波長における透過濃度が1.0であるときに420nmにおける透過濃度が0.03未満である化合物である。就中、極大吸収波長が600nm以上900nm以下であること、特に極大吸収波長が750nm以上900nm以下であることである。また本発明の画像形成材料(熱現像写真感光材料をいう。)は、現像処理後の極大吸収波長における透過濃度が1.0であるときに420nmにおける透過濃度が0.15以下である。かかる条件を満足させる1つの具体例は、本発明に用いられる染料を支持体中に含有せしめることである。
【0067】
本発明に用いられる染料は、溶媒であるメチルエチルケトンに溶解され、このメチルエチルケトン中での極大吸収波長における透過濃度が1.0であるときに420nmにおける透過濃度が0.03未満であり、好ましくは0.025以下、より好ましくは0.02以下である。
【0068】
本発明の画像形成材料は、現像処理(白黒現像、カラー発色現像、熱現像、拡散転写現像、反転現像等の全ての現像化する処理をいう。)された後の極大吸収波長における透過濃度が1.0であるときに420nmにおける透過濃度が0.15以下であり、好ましくは0.13以下、より好ましくは0.10以下である。
これら本発明に用いられる染料(以下、本発明の染料ということもある。)の具体例について以下に述べる。
【0069】
先ず一般式1及び一般式2で表される染料について述べる。但し、一般式1で表される染料は、参考例である。
一般式1で表される染料において、A1、B1はナフタレン基を除く置換基を表すが、A1、B2の具体例としては、アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、フェニル基、ヘテロ環基を表すが好ましくは、アルケニル基、フェニル基、ヘテロ環基である。特に好ましくはアルケニル基である。
【0070】
次に一般式2で表される染料について述べる。
本発明の一般式2で表される染料において、A2、B2は置換基を表すが、A2、B2の具体例としては、アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、アリール基、ヘテロ環基を表すが好ましくは、アルケニル基、アリール基、ヘテロ環基である。特に好ましくはアルケニル基である。
【0071】
次に一般式3及び一般式4で表される染料について述べる。但し、一般式3で表される染料は、参考例である。
一般式3及び一般式4で表される染料において、A3、B3、A4及びB4は一般式上でCで示した炭素原子との結合点と該炭素原子を結ぶ線を軸としてその軸の周りに180゜回転した場合もとの基と全く重なることができる基を表すが、要件を満たす単環の6員環基が好ましい。A3及びB3が有する水酸基の総和は0以上1以下であり、A4及びB4が有する水酸基の総和も0以上1 以下であるが、好ましくは水酸基の総和はいずれも0である。
【0072】
次に一般式5及び一般式6で表される染料について述べる。但し、一般式5で表される染料は、参考例である。
一般式中、ZA、ZB、ZA、ZBは炭素原子とともに6員のヘテロ環を構築するのに必要な原子群を表すが構築されるヘテロ環としては環内にヘテロ原子を1つ含有する単環のヘテロ6員環であることが好ましい。ヘテロ原子としては窒素原子、硫黄原子が好ましい。
【0073】
本発明において、チオピリリウムスクアリリウム染料、チオピリリウムクロコニウム染料、ピリリウムスクアリリウム染料又はピリリウムクロコニウム染料、セレナピリリウムスクアリリウム染料、セレナピリリウムクロコニウム染料、テルロピリリウムスクアリリウム染料、及びテルロピリリウムクロコニウム染料とは、チオピリリウム核、ピリリウム核とスクアリリウム核、クロコニウム核、セレナピリリウム核、テルロピリリウム核を有する化合物である。
【0074】
尚、スクアリリウム核を有する化合物とは、分子構造中に1-シクロブテン-2-ヒドロキシ−4−オンを有する化合物であり、クロコニウム核を有する化合物とは分子構造中に1−シクロペンテン−2−ヒドロキシ−4,5−ジオンを有する化合物である。ここで、ヒドロキシ基は解離していてもよい。
本発明の一般式7は染料の母核のみを示すものであって、任意の置換基を有してもよい。
【0075】
本発明の参考例である一般式8において、R7、R8は各々1価の置換基を表す。1価の置換基には特に制限はないが、アルキル基(例えばメチル基、エチル基、イソプロピル基、ターシャリーブチル基、メトキシエチル基、メトキシエトキシエチル基、2−エチルヘキシル基、2−ヘキシルデシル基、ベンジル基等)、アリール基(例えばフェニル基、4-クロロフェニル基、2,6−ジメチルフェニル基等)であることが好ましく、アルキル基であることがより好ましく、ターシャリーブチル基であることが特に好ましい。R7、R8は共同して環を形成してもよい。m、nは各々0から4の整数を表し、2以下であることが好ましい。
【0076】
以下に本発明に用いられる染料を例示するが、本発明はこれらの染料に限定されない。但し、下記例示化合物中、例示化合物( 2 )−1〜( 2 )−38、例示化合物(4、6)−1〜(4、6)−6、例示化合物P−8、P−9、P−10、P−11、P−22、P−23、P−26、及び例示化合物1〜例示化合物15のみが、本発明の染料であり、それ以外は参考例である。
【0077】
【化21】
Figure 0004032160
【0078】
【化22】
Figure 0004032160
【0079】
【化23】
Figure 0004032160
【0080】
【化24】
Figure 0004032160
【0081】
【化25】
Figure 0004032160
【0082】
【化26】
Figure 0004032160
【0083】
【化27】
Figure 0004032160
【0084】
【化28】
Figure 0004032160
【0085】
例示化合物
チオピリリウムスクアリリウム染料、チオピリリウムクロコニウム染料、ピリリウムスクアリリウム染料、ピリリウムクロコニウム染料、セレナピリリウムスクアリリウム染料、セレナピリリウムクロコニウム染料、テルロピリリウムスクアリリウム染料、及びテルロピリリウムクロコニウム染料
【0086】
【化29】
Figure 0004032160
【0087】
【化30】
Figure 0004032160
【0088】
【化31】
Figure 0004032160
【0089】
【化32】
Figure 0004032160
【0090】
以下、本発明の一般式11について説明する。
一般式11において、R1、R2、R3、R4は酸性置換基を置換していないアルキル基を表し、R5、R6は1価の置換基を表す。
【0091】
1、R2、R3、R4が表すアルキル基の例としては、例えば、メチル基、エチル基、イソプロピル基、ターシャリーブチル基、メトキシエチル基、メトキシエトキシエチル基、2−エチルヘキシル基、2−ヘキシルデシル基、ベンジル基等を挙げることができる。本発明において、酸性置換基とは、スルホン酸基、カルボン酸基、ホスホン酸基、SO2NHSO2RまたはCONHSO2R(Rは炭素数1〜5の低級アルキル基又はフェニル基を表す)を表し、スルホン酸基とはスルホ基又はその塩を、カルボン酸基とはカルボキシル基又はその塩を、ホスホンン酸基とはホスホノ基、又はその塩をそれぞれ意味する。
【0092】
1、R2、R3、R4は、アルコキシ基が置換したアルキル基又は炭素数5以上のアルキル基であることが有機溶媒に対する溶解度が改良されて好ましい。R5、R6が表す1価の置換基としては、特に制限はないが、アルキル基(例えば、R1が表すアルキル基)、アリール基(例えば、フェニル基、4−クロロフェニル基、2,6−ジメチルフェニル基、等)、ヒドロキシル基、アミノ基、アシル基(例えば、アセチル基、等)であることが好ましく、アルキル基、アリール基、ヒドロキシル基であることがより好ましく、合成が容易で好ましい分光吸収スペクトルが得られる点でヒドロキシル基であることが最も好ましい。
【0093】
1、R2、R3、R4、R5、R6は協同して環を形成してもよく、例えば、R1、R2、R5が協同してジュロリジル基を形成してもよい。l,mは各々0から4の整数を表し、0又は1であることが染料の合成し易さ等の点で好ましく、1であることが分光吸収特性の点で特に好ましい。
以下に、一般式11で表される染料を例示するが、本発明はこれらの染料に限定されない。
【0094】
【化33】
Figure 0004032160
【0095】
【化34】
Figure 0004032160
【0096】
【化35】
Figure 0004032160
【0097】
以下に合成例を示すが、本発明はこの合成例に限定されない。
例示化合物1の合成
【0098】
【化36】
Figure 0004032160
【0099】
中間体1、2.39g、クロコン酸0.75gを1−プロパノール20mlと1時間加熱還流し、反応物を酢酸エチルで抽出水洗後、溶媒を除き、メタノールから再結晶すると、暗緑色結晶が得られる。収率72%、構造はMS、NMRで確認した。酢酸エチル中でのλmaxは813nmだった。
他の例示化合物も上記合成法に準じて合成することができる。
【0100】
以下に合成例を示すが、本発明はこの合成例に限定されない。
例示化合物1の合成
【0101】
【化37】
Figure 0004032160
【0102】
中間体1、2.39g、クロコン酸0.75gを1−プロパノール20mlと1時間加熱還流し、反応物を酢酸エチルで抽出水洗後、溶媒を除き、メタノールから再結晶すると、暗緑色結晶が得られる。収率72%、構造はMS、NMRで確認した。酢酸エチル中でのλmaxは813nmだった。
他の例示化合物も上記合成法に準じて合成することができる。
【0103】
本発明の請求項に記載の「露光により潜像が形成され、引き続き熱現像されることにより実質的に画像が形成される熱現像写真感光材料の画像形成方法」を具体的に説明すると、まず露光方法については特に制限がなく公知のいかなる露光方法を用いても良い、光源として好ましくはレーザー光源であり、本発明によるレーザー光としては、ガスレーザー、YAGレーザー、色素レーザー、半導体レーザーなどが好ましい。また、半導体レーザーと第2高調波発生素子などを用いることもできる。露光のエネルギーとしては1ミリ秒間に40mmJ/mm未満1mmJ/mm以上であることが好ましい。潜像とは、実質的に人間の目には画像として認識できない像であるが、現像処理により可視画像が形成可能な像のことで、当業界では自明の用語である。本発明の熱現像における加熱温度としては80℃以上200℃以下が好ましく、さらに好ましいのは100℃以上150℃以下である。加熱温度が80℃以下では短時間に十分な画像濃度が得られず、又200℃以上ではバインダーが溶融し、ローラーへの転写など、画像そのものだけでなく搬送性や、現像機等へも悪影響を及ぼす。現像時間としては1〜180秒が好ましく、10〜90秒がさらに好ましい。熱現像方法としては公知のいかなる方法を用いても良いが、好ましくは、所望の温度に加温されたヒートローラー、ヒートブロック上で加熱されることにより行われることが好ましい。本発明の熱現像感光材料は、熱現像処理を用いて写真画像を形成するものであり、感光性ハロゲン化銀、還元剤を含有し、必要に応じて還元可能な銀源として例えば有機銀塩、銀の色調を調整する色調剤をバインダーマトリックス中に分散あるいは溶解した状態で含有する熱現像感光材料であることが好ましい。本発明の熱現像感光材料は、常温では安定であるが、露光後高温(例えば80℃以上)に加熱することで現像される。画像形成はこの加熱処理のみでなされ、外部から水等の供給なしで進行するため、廃液が無く環境に対して好ましいものとなる。
【0104】
本明細書において、ハロゲン化銀写真感光材料は特に制限がなく、従来公知のカラーネガフイルム、カラーリバーサルフイルム、カラーペーパー、印刷製版用フイルム、医用レントゲン撮影用フイルム等が含まれる。好ましくは印刷製版用フイルム、及び医用レントゲン撮影用フイルムである。特に好ましくは、前述の熱現像される事により画像が形成される印刷製版用フイルム、及びレントゲン撮影用フイルムである。
【0105】
本明細書において、染料の固体分散物は、分散物粒子の平均体積を同体積の球に換算したときの平均粒径が、0.05〜3.0μmであることが好ましく、粒子全体の70wt%以上が0.1μm以上1.5μm以下、さらには0.1μm以上1.0μm以下であることが好ましい。粒径は光あるいはレーザー光などのコヒーレント光による光散乱を利用した粒径測定装置によって測定することができる。また粒子の形状はほぼ球状である。本発明の染料の固体分散物は、凝集のない微粒子を得る目的で、分散剤を使用した固体微粒子分散物とすることが好ましい。本発明の染料を固体微粒子分散化する方法は、分散助剤の存在下で公知の微細化手段(例えば、ボールミル、振動ボールミル、遊星ボールミル、サンドミル、コロイドミル、ジェットミル、ローラーミル)を用い、機械的に分散することができる。また、水より低沸点の水不溶性の有機溶剤(例えば酢酸エチル等)に染料を溶解し、超音波分散等により微細な油滴としたのち、加熱により溶剤を蒸発させて、微細な固体分散物を得る方法も好ましく用いることができる。
【0106】
分散剤を使用して固体微粒子分散化する際には、例えば、ポリアクリル酸、アクリル酸の共重合体、マレイン酸共重合体、マレイン酸モノエステル共重合体、アクリロイルメチルプロパンスルホン共重合体、などの合成アニオンポリマー、カルボキシメチルデンプン、カルボキシメチルセルロースなどの半合成ポリマー、アルギン酸、ペクチン酸などのアニオン性ポリマー、特開昭52−92716号、WO88/04794号などに記載のアニオン性界面活性剤、特願平7−350753号に記載の化合物、あるいは公知のアニオン性、ノニオン性、カチオン性界面活性剤や、その他ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース等の公知のポリマー、あるいはゼラチン等の自然界に存在する高分子化合物を適宜選択して用いることができる。
【0107】
分散剤は、分散前に染料の粉末またはウェットケーキ状態の染料と混合し、スラリーとして分散機に送り込むのは一般的な方法であるが、あらかじめ染料と混ぜ合わせた状態で熱処理や溶媒による処理を施して染料の粉末またはウェットケーキとしてもよい。分散前後、または分散中に適当なpH調製剤によりpHコントロールしてもよい。
【0108】
機械的に分散する以外にも、pHコントロールすることで溶媒中に粗分散し、その後、分散助剤の存在下でpHを変化させて微粒子化させてもよい。このとき、粗分散に用いる溶媒として有機溶媒を使用してもよく、通常有機溶媒は微粒子化終了後除去される。
【0109】
調製された固体微粒子分散物は、保存時の微粒子の沈降を抑える目的で攪拌しながら保存したり、親水性コロイドにより粘性の高い状態(例えば、ゼラチンを使用しゼリー状にした状態)で保存したりすることもできる。また、保存時の雑菌などの繁殖を防止する目的で防腐剤を添加することもできる。
【0110】
本明細書において、染料のオイル分散物は、水不溶性の高沸点有機溶剤(例えば、トリクレジルフォスフェート、ジブチルフタレート、ジノニルフェノール等)に染料を溶解した後、超音波分散等の方法により微細なオイル分散物として得ることができるものが好ましい。水不溶性の高沸点有機溶剤の沸点は100℃以上が好ましく特に好ましくは140℃以上300℃以下の溶媒が好ましい、分散時の分散媒としては特に制限はないが、例えば、ポリアクリル酸、アクリル酸の共重合体、マレイン酸共重合体、マレイン酸モノエステル共重合体、アクリロイルメチルプロパンスルホン共重合体、などの合成アニオンポリマー、カルボキシメチルデンプン、カルボキシメチルセルロースなどの半合成ポリマー、アルギン酸、ペクチン酸などのアニオン性ポリマー、特開昭52−92716号、WO88/04794号などに記載のアニオン性界面活性剤、特願平7−350753号に記載の化合物、あるいは公知のアニオン性、ノニオン性、カチオン性界面活性剤や、その他ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース等の公知のポリマー、あるいはゼラチン等の自然界に存在する高分子化合物を適宜選択して用いることができる。
【0111】
画像形成材料に用いられる水溶性バインダーとしては、ゼラチン及び/又はゼラチン誘導体(例えば、フタル化ゼラチン等)、ポリビニルアルコール、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース等の水溶性ポリマー、アラビヤゴム、ポリビニルピロリドン、カゼイン、スチレン−ブタジエンラテックス、アクリロニトリル−ブタジエンラテックス、ポリ酢酸ビニル、ポリアクリル酸エステル、エチレン−酢酸ビニル共重合体等の各種エマルジョン等を挙げることができる。
【0112】
バインダーの使用量は、固形分に換算して0.5〜5g/m2であることが好ましい。
本発明に用いられる水溶性バインダーとしては、特に、スチレン−ブタジエン共重体のラテックスが好ましい。スチレン−ブタジエン共重体におけるスチレンのモノマー単位とブタジエンのモノマー単位との重量比は50:50〜95:5であることが好ましい。また、スチレンのモノマー単位とブタジエンのモノマー単位との共重合体に占める割合は50〜99重量%であることが好ましい。好ましい分子量の範囲は前記と同様である。
【0113】
本発明に用いることが好ましいスチレン−ブタジエン共重合体のラテックスとしては、市販品であるLACSTAR3307B、7132C、DS206、Nipol Lx416、Lx433等が挙げられる。
【0114】
請求項に記載の熱現像写真感光材料において、600nm以上700nm以下に分光増感されている熱現像写真感光材料としては、600nm以上700nm以下の波長を有する露光光源により露光された後に現像処理されると、実質的に画像の形成が可能になる熱現像写真感光材料であることが好ましい。露光光源として好ましくはレーザー光源であり、本発明によるレーザー光としては、ガスレーザー、YAGレーザー、色素レーザー、半導体レーザーなどが好ましい。また、半導体レーザーと第2高調波発生素子などを用いることもできる。露光のエネルギーとしては1ミリ秒間に40mmJ/mm未満1mmJ/mm以上であることが好ましい。
【0115】
本明細書におけるヒドラジン化合物において好ましいヒドラジン化合物としては、下記一般式[H]で示される化合物である。
【0116】
【化38】
Figure 0004032160
【0117】
〔式中、A0はそれぞれ置換基を有してもよい脂肪族基、芳香族基、
−G0−D0基又は複素環基を、B0はブロッキング基を表し、A1、A2はともに水素原子、又は一方が水素原子で他方はアシル基、スルホニル基又はオキザリル基を表す。G0は−CO−基、−COCO−基、−CS−基、−C(=NG11)−基、−SO−基、−SO2−基又は−P(O)(G11)−基を表し、G1は単なる結合手、−O−基、−S−基又は−N(D1)−基を表し、D1は脂肪族基、芳香族基、複素環基又は水素原子を表し、D0は水素原子、脂肪族基、芳香族基、複素環基、アミノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基を表す。〕
【0118】
一般式〔H〕において、A0で表される脂肪族基は、好ましくは炭素数1〜30のものであり、特に炭素数1〜20の直鎖、分岐又は環状のアルキル基が好ましく、例えばメチル基、エチル基、t−ブチル基、オクチル基、シクロヘキシル基、ベンジル基が挙げられ、これらは更に適当な置換基(例えばアリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、スルホキシ基、スルホンアミド基、スルファモイル基、アシルアミノ基、ウレイド基等)で置換されていてもよい。
【0119】
一般式〔H〕において、A0で表される芳香族基は、単環又は縮合環のアリール基が好ましく、例えばベンゼン環又はナフタレン環が挙げられ、A0で表される複素環基としては、単環又は縮合環で窒素、硫黄、酸素原子から選ばれる少なくとも一つのヘテロ原子を含む複素環が好ましく、例えばピロリジン環、イミダゾール環、テトラヒドロフラン環、モルホリン環、ピリジン環、ピリミジン環、キノリン環、チアゾール環、ベンゾチアゾール環、チオフェン環、フラン環が挙げられ、A0として特に好ましいものはアリール基及び複素環基であり、A0 の芳香族基及び複素環基は置換基を有していてもよく、特に好ましい基としては、pKa7〜11の酸性基を有する置換基で、具体的にはスルホンアミド基、ヒドロキシル基、メルカプト基等が挙げられる。
【0120】
一般式〔H〕において、A0で表される−G0−D0基について説明する。
0は、−CO−基、−COCO−基、−CS−基、−C(=NG11)−基、−SO−基、−SO2−基又は−P(O)(G11)−基を表し、好ましいG0としては−CO−基、−COCO−基で、特に好ましくは−COCO−基が挙げられる。G1は単なる結合手、−O−基、−S−基又は−N(D1)−基を表し、D1は脂肪族基、芳香族基、複素環基又は水素原子を表し、分子内に複数のD1が存在する場合、それらは同じであっても異なってもよい。
【0121】
0は水素原子、脂肪族基、芳香族基、複素環基、アミノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基を表し、好ましいD0としては水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アミノ基、アリール基等が挙げられる。
【0122】
又、一般式〔H〕において、A0は耐拡散基又はハロゲン化銀吸着基を少なくとも一つ含むことが好ましい。耐拡散基としてはカプラー等の不動性写真用添加剤にて常用されるバラスト基が好ましく、バラスト基としては炭素数8以上の写真的に不活性であるアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルコキシ基、フェニル基、フェノキシ基、アルキルフェノキシ基等が挙げられる。
【0123】
一般式〔H〕において、ハロゲン化銀吸着促進基としてはチオ尿素、チオウレタン基、メルカプト基、チオエーテル基、チオン基、複素環基、チオアミド複素環基、メルカプト複素環基、或いは特開昭64−90439号に記載の吸着基等が挙げられる。
【0124】
一般式〔H〕において、B0はブロッキング基を表し、好ましくは
−G0−D0であり、A0における−G0−D0基と同義であり、A0とB0 は同じでも異なっても良い。
【0125】
1、A2はともに水素原子、又は一方が水素原子で他方はアシル基(例えばアセチル基、トリフルオロアセチル基、ベンゾイル基等)、スルホニル基(例えばメタンスルホニル基、トルエンスルホニル基等)、又はオキザリル基(例えばエトキザリル基等)を表す。
【0126】
次に一般式〔H〕で示される化合物の具体例を以下に示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0127】
【化39】
Figure 0004032160
【0128】
【化40】
Figure 0004032160
【0129】
【化41】
Figure 0004032160
【0130】
【化42】
Figure 0004032160
【0131】
【化43】
Figure 0004032160
【0132】
【化44】
Figure 0004032160
【0133】
本発明の参考例に用いられるヒドラジン化合物としては、上記以外に以下に示す化合物を用いることもできる。
【0134】
RESEARCHDISCLOSURE Item 23516(1983年11月号、P.346)およびそこに引用された文献の他、米国特許第4,080,207号、同4,269,929号、同4,276,364号、同4,278,748号、同4,385,108号、同4,459,347号、同4,478,928号、同4,560,638号、同4,686,167号、同4,912,016号、同4,988,604号、同4,994,365号、同5,041,355号、同5,104,769号、英国特許第2,011,391B号、欧州特許第217,310号、同301,799号、同356,898号、特開昭60−179734号、同61−170733号、同61−270744号、同62−178246号、同62−270948号、同63−29751号、同63−32538号、同63−104047号、同63−121838号、同63−129337号、同63−223744号、同63−234244号、同63−234245号、同63−234246号、同63−294552号、同63−306438号、同64−10233号、特開平1−90439号、同1−100530号、同1−105941号、同1−105943号、同1−276128号、同1−280747号、同1−283548号、同1−283549号、同1−285940号、同2−2541号、同2−77057号、同2−139538号、同2−196234号、同2−196235号、同2−198440号、同2−198441号、同2−198442号、同2−220042号、同2−221953号、同2−221954号、同2−285342号、同2−285343号、同2−289843号、同2−302750号、同2−304550号、同3−37642号、同3−54549号、同3−125134号、同3−184039号、同3−240036号、同3−240037号、同3−259240号、同3−280038号、同3−282536号、同4−51143号、同4−56842号、同4−84134号、同2−230233号、同4−96053号、同4−216544号、同5−45761号、同5−45762号、同5−45763号、同5−45764号、同5−45765号、同6−289524号、同9ー160164号等に記載されたものを挙げることができる。
【0135】
またこの他にも特公平6−77138号に記載の(化1)で示される化合物で、具体的には同公報3頁、4頁に記載の化合物。特公平6−93082号に記載の一般式(I)で示される化合物で、具体的には同公報8頁〜18頁に記載の1〜38の化合物。特開平6−230497号に記載の一般式(4)、一般式(5)および一般式(6)で示される化合物で、具体的には同公報25頁、26頁に記載の化合物4−1〜化合物4−10、28頁〜36頁に記載の化合物5−1〜5−42、および39頁、40頁に記載の化合物6−1〜化合物6−7。特開平6−289520号に記載の一般式(I)および一般式(2)で示される化合物で、具体的には同公報5頁〜7頁に記載の化合物1−1)〜1−17)および2−1)。特開平6−313936号に記載の(化2)および(化3)で示される化合物で、具体的には同公報6頁〜19頁に記載の化合物。特開平6−313951号に記載の(化1)で示される化合物で、具体的には同公報3頁〜5頁に記載の化合物。特開平7−5610号に記載の一般式(I)で示される化合物で、具体的には同公報5頁〜10頁に記載の化合物I−1〜I−38。特開平7−77783号に記載の一般式(II)で示される化合物で、具体的には同公報10頁〜27頁に記載の化合物II−1〜II−102。特開平7−104426号に記載の一般式(H)および一般式(Ha)で示される化合物で、具体的には同公報8頁〜15頁に記載の化合物H−1〜H−44、に記載されたものを用いることができる。
【0136】
ヒドラジン誘導体の添加層は、感光性層及び/又は感光性層に隣接した構成層である。また添加量はハロゲン化銀粒子の粒径、ハロゲン組成、化学増感の程度、還元剤の種類、抑制剤の種類等により最適量は一様ではないが、ハロゲン化銀1モル当たり10-6モル〜10-1モル程度、特に10-5モル〜10-2モルの範囲が好ましい。
【0137】
本明細書におけるハロゲン化銀写真感光材料において、600nm以上900nm以下に分光増感されているハロゲン化銀写真感光材料としては、600nm以上900nm以下の波長を有する露光光源により露光された後に現像処理されると、実質的に画像の形成が可能になる熱現像写真感光材料であることが好ましい。露光光源として好ましくはレーザー光源であり、本発明によるレーザー光としては、ガスレーザー、YAGレーザー、色素レーザー、半導体レーザーなどが好ましい。また、半導体レーザーと第2高調波発生素子などを用いることもできる。露光のエネルギーとしては1ミリ秒間に40mmJ/mm未満1mmJ/mm以上であることが好ましい。
【0138】
本発明の染料の画像形成材料、熱現像写真感光材料、ハロゲン化銀写真感光材料、光学フィルター、ハロゲン化銀写真感光材料等の画像形成材料用支持体への含有量としてはとくに制限はないが、好ましくは、染料の分光吸収極大における透過濃度で0.01以上3以下、特に好ましくは0.1以上1.5以下である。
【0139】
参考例の熱現像写真感光材料、ハロゲン化銀写真感光材料において、染料は支持体上に塗設されるいかなる層に含有されていても良いが、好ましくは感光性層、及び支持体の裏面層である。特に好ましくは感光性層である。染料は有機溶剤(メチルエチルケトン、酢酸エチル、トルエン等)に溶解して直接写真感光材料中に添加されるのが好ましい。その他前述の固体分散物、オイル分散物として添加される方法も好ましく用いられる。
【0140】
本発明の参考例の感光材料は支持体の何れの側に染料を有することも可能であるが、乳剤と異なる側に染料を有することが好ましい。また、本発明においては、本発明の染料を支持体そのものに加えると、鮮鋭性の改良効果が大きくて好ましい。
本発明の参考例として、支持体の両面に一般式1で示される染料を含有するハロゲン化銀写真感光材料に適用すると、鮮鋭性が高いという効果が得られやすい
【0141】
本明細書において、発明のハロゲン化銀写真感光材料の処理方法には特に制限はなく、コダック社製C-41等の溶液を用いた処理でもよく、熱現像でもよい。処理液の作成、管理の手間がいらず、短時間で処理できる点で熱現像を適用することがより好ましい。
【0142】
本発明を支持体上に有機銀塩、バインダーを含有する熱現像ハロゲン化銀写真感光材料に適用すると、残色ステインが少ないという本発明の効果が特に顕著に得られて好ましい。
【0143】
溶液による処理を適用する場合、C-41処理の他、コニカ社製CPK-2-22処理等を好ましく適用することができる。現像は特に制限はないが、タンク内の処理液に浸漬してもよいし、処理液を感光材料に吹き付けたり、塗り付けたりしてもよ い。
【0144】
尚、一般式1又は一般式2で示される染料を含有するハロゲン化銀写真感光材料を二次露光しながら反転現像するハロゲン化化銀写真感光材料の処理方法に適用すると、鮮鋭性の良好な画像が得られる他、安定な写真特性が得られて好ましい。
【0145】
本明細書において、一般式1又は一般式2の染料等の本発明の染料を感光材料に添加する際は塗布によることが有利であり、染料の分散物をゼラチンやポリマー等のバインダーと混合して塗布することが好ましい。
【0146】
尚、固体分散状の一般式1の染料を用いると、鮮鋭性改良効果が特に大きく、かつ残色ステインが特に少なくて好ましい。とりわけ、液体の現像液を用いる現像処理を施す場合には残色ステインが少なくて好ましい。本発明を観賞用の感光材料に適用すると残色ステインが少なくて好ましい。
【0147】
本発明の参考例のフィルターは特に制限はなく、光を吸収するためのすべての用途に用いることができる。特に赤外光は吸収するが、肉眼では染料を感じさせないことが求められる場合には、本発明のフィルターを特に好ましく用いることができる。フィルターを構成する支持体には制限はなく、ガラス、樹脂等を用いることが好ましい。
【0148】
染料はフィルターを構成する支持体中に含有されていてもよいし、支持体の一方の面に、又は両面に塗設されていてもよい。塗設とは塗布、スプレー、蒸着等の方法によって、染料を支持体上に固定することをいう。染料を支持体に含有させる方法は、公知の方法を用いることができるが、樹脂に溶解して成形する方法や、樹脂モノマーに染料を添加して重合する方法が好ましい。染料を支持体に塗布する場合にはバインダーを用いることが好ましく、バインダーとしてはゼラチン、ポリビニルアルコール、ポリブチルアクリレート等が好ましく用いられる。
【0149】
染料による光吸収の量は、必要に応じて調整することが可能であるが、光学濃度0.01から3であることが好ましく、0.1から2であることが特に好ましい。
【0150】
特に本発明の染料は、メチルエチルケトン中で極大吸収波長における透過濃度が1.0であるときに420nmにおける透過濃度が0.03未満であること、そして前記極大吸収波長が600nm以上900nm以下であることが好ましく、より好ましくは、極大吸収波長が750nm以上900nm以下であることである。また本発明の染料を含有する画像形成材料は、現像処理後の極大吸収波長における透過濃度が1.0であるときに420nmにおける透過濃度が0.15以下である。
【0151】
熱現像処理法を用いて写真画像を形成する熱現像感光材料は、例えば米国特許第3152904号、3457075号、及びD.モーガン(Morgan)とB.シェリー(Shely)による「熱によって処理される銀システム(Thermally Processed Silver Systems) 」(イメージング・プロセッシーズ・アンド・マテリアルズ(Imaging Processes and Materials) Neblette 第8版、スタージ(Sturge) 、V.ウォールワース(Walworth) 、A.シェップ(Shepp)編集、第2頁、1969年)に開示されている。
【0152】
本発明の参考例としては有機銀塩を含む感光材料に好ましく適用することができる。有機銀塩は還元可能な銀源であり、還元可能な銀イオン源を含有する有機酸及びヘテロ有機酸の銀塩、特に長鎖(炭素数10〜30、好ましくは15〜25)の脂肪族カルボン酸塩及び含窒素複素環塩が好ましい。
【0153】
配位子が、4.0〜10.0の銀イオンに対する総安定定数を有する有機又は無機の銀塩錯体も有用である。好適な銀塩の例は、Research Disclosure第17029及び29963に記載されており、次のものがある:有機酸の塩(例えば、没食子酸、シュウ酸、ベヘン酸、ステアリン酸、パルミチン酸、ラウリン酸等の塩);銀のカルボキシアルキルチオ尿素塩(例えば、1−(3−カルボキシプロピル)チオ尿素、1−(3−カルボキシプロピル)−3,3−ジメチルチオ尿素等);アルデヒドとヒドロキシ置換芳香族カルボン酸とのポリマー反応生成物の銀錯体(例えば、アルデヒド類(ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、ブチルアルデヒド等)、ヒドロキシ置換酸類(例えば、サリチル酸、安息香酸、3,5−ジヒドロキシ安息香酸、5,5−チオジサリチル酸)、チオエン類の銀塩又は錯体(例えば、3−(2−カルボキシエチル)−4−ヒドロキシメチル−4−(チアゾリン−2−チオエン、及び3−カルボキシメチル−4−チアゾリン−2−チオエン)、イミダゾール、ピラゾール、ウラゾール、1,2,4−チアゾール及び1H−テトラゾール、3−アミノ−5−ベンジルチオ−1,2,4−トリアゾール及びベンゾトリアゾールから選択される窒素酸と銀との錯体また塩;サッカリン、5−クロロサリチルアルドキシム等の銀塩;及びメルカプチド類の銀塩。好ましい銀源はベヘン酸銀である。有機銀塩は好ましくは銀量として3g/m2以下で含有せしめる。更に好ましくは2g/m2以下である。
【0154】
有機銀塩化合物は、水溶性銀化合物および銀と錯形成する化合物を混合することにより得られるが、正混合法、逆混合法、同時混合法、特開平9−127643号に記載されている様なコントロールドダブルジェット法等が好ましく用いられる。
【0155】
本発明に用いるハロゲン化銀粒子には特に制限は無いが、画像形成後の白濁を低く抑えるため、及び良好な画質を得るために平均粒子サイズが小さい方が好ましく、平均粒子サイズが0.20μm以下、より好ましくは0.03μm〜0.15μm、特に0.03μm〜0.11μmが好ましい。ここでいう粒子サイズとは、ハロゲン化銀粒子が立方体或いは八面体のいわゆる正常晶である場合には、ハロゲン化銀粒子の稜の長さをいう。又、正常晶でない場合、例えば球状、棒状、或いは平板状の粒子の場合には、ハロゲン化銀粒子の体積と同等な球を考えたときの直径をいう。
【0156】
本発明に用いるハロゲン化銀粒子の形状については特に制限はないが、ミラー指数〔100〕面の占める割合が高いことが好ましく、この割合が50%以上、更には70%以上、特に80%以上であることが好ましい。ミラー指数〔100〕面の比率は増感色素の吸着における〔111〕面と〔100〕面との吸着依存性を利用したT.Tani,J.Imaging Sci.,29,165(1985)により求めることができる。
【0157】
本発明に用いるハロゲン化銀粒子のハロゲン組成としては特に制限はなく、塩化銀、塩臭化銀、塩沃臭化銀、臭化銀、沃臭化銀、沃化銀のいずれであってもよい。本発明に用いられる写真乳剤は、P.Glafkides著Chimie et Physique Photographique(Paul Montel社刊、1967年)、G.F.Duffin著 PhotographicEmulsion Chemistry(The Focal Press刊、1966年)、V.L.Zelikman et al著Making and Coating Photographic Emulsion(The Focal Press刊、1964年)等に記載された方法を用いて調製することができる。即ち、酸性法、中性法、アンモニア法等のいずれでもよく、又可溶性銀塩と可溶性ハロゲン塩を反応させる形成としては、片側混合法、同時混合法、それらの組合せ等のいずれを用いてもよい。このハロゲン化銀はいかなる方法で画像形成層に添加されてもよく、このときハロゲン化銀は還元可能な銀源に近接するように配置する。又、ハロゲン化銀は有機酸銀とハロゲンイオンとの反応による有機酸銀中の銀の一部又は全部をハロゲン化銀に変換することによって調製してもよいし、ハロゲン化銀を予め調製しておき、これを有機銀塩を調製するための溶液に添加してもよく、又はこれらの方法の組み合わせも可能であるが、後者が好ましい。一般にハロゲン化銀は有機銀塩に対して0.75〜30重量%の量で含有することが好ましい。
【0158】
本発明に用いられるハロゲン化銀には、元素周期律表のIB,IIB,IIIA,VA,VA,VIA,VIIA,VIII族に属する金属のイオン又は錯体イオンを含有することが好ましい。上記の金属としては、W(VIA族),Fe、Co、Ni(以上VIII族)、Cu(IB族)、Ru、Rh、Pd(以上VIII族)、Re(VIIA族)、Os、Ir、Pt(以上VIII族)、Au(IB族)が好ましい。
【0159】
これらの金属のイオン又は錯体イオンは一種類でもよいし、同種の金属及び異種の金属を二種以上併用してもよい。これらの金属のイオン又は錯体イオンの含有量としては、一般的にはハロゲン化銀1モル当たり1×10-9〜1×10-2モルが適当であり、好ましくは1×10-8〜1×10-4モルである。
【0160】
これらの金属のイオン又は錯体イオンを提供する化合物は、ハロゲン化銀粒子形成時に添加し、ハロゲン化銀粒子中に組み込まれることが好ましく、ハロゲン化銀粒子の調製、つまり核形成、成長、物理熟成、化学増感の前後のどの段階で添加してもよいが、特に核形成、成長、物理熟成の段階で添加するのが好ましく、更には核形成、成長の段階で添加するのが好ましく、最も好ましくは核形成の段階で添加する。添加に際しては、数回に渡って分割して添加してもよく、ハロゲン化銀粒子中に均一に含有させることもできるし、特開昭63−29603号、特開平2−306236号、同3−167545号、同4−76534号、同6−110146号、同5−273683号等に記載されている様に粒子内に分布を持たせて含有させることもできる。好ましくは粒子内部に分布をもたせることができる。これらの金属化合物は、水或いは適当な有機溶媒(例えば、アルコール類、エーテル類、グリコール類、ケトン類、エステル類、アミド類)に溶解して添加することができるが、例えば金属化合物の粉末の水溶液もしくは金属化合物とNaCl、KClとを一緒に溶解した水溶液を、粒子形成中の水溶性銀塩溶液又は水溶性ハライド溶液中に添加しておく方法、或いは銀塩溶液とハライド溶液が同時に混合されるとき第3の水溶液として添加し、3液同時混合の方法でハロゲン化銀粒子を調製する方法、粒子形成中に必要量の金属化合物の水溶液を反応容器に投入する方法、或いはハロゲン化銀調製時に予め金属のイオン又は錯体イオンをドープしてある別のハロゲン化銀粒子を添加して溶解させる方法等がある。特に、金属化合物の粉末の水溶液もしくは金属化合物とNaCl、KClとを一緒に溶解した水溶液を水溶性ハライド溶液に添加する方法が好ましい。粒子表面に添加する時には、粒子形成直後又は物理熟成時途中もしくは終了時又は化学熟成時に必要量の金属化合物の水溶液を反応容器に投入することもできる。
【0161】
本発明を熱現像感光材料に適用する場合には還元剤を内蔵させることが好ましい。好適な還元剤の例は、米国特許第3,770,448号、同第3,773,512号、同第3,593,863号、及びResearch Disclosure第17029及び29963に記載されており、例えば次のものを挙げる事ができる。アミノヒドロキシシクロアルケノン化合物(例えば、2−ヒドロキシピペリジノ−2−シクロヘキセノン);還元剤の前駆体としてアミノリダクトン類(reductones)エステル(例えば、ピペリジノヘキソースリダクトンモノアセテート);N−ヒドロキシ尿素誘導体(例えば、N−p−メチルフェニル−N−ヒドロキシ尿素);アルデヒド又はケトンのヒドラゾン類(例えば、アントラセンアルデヒドフェニルヒドラゾン);ホスファーアミドフェノール類;ホスファーアミドアニリン類;ポリヒドロキシベンゼン類(例えば、ヒドロキノン、t−ブチル−ヒドロキノン、イソプロピルヒドロキノン及び(2,5−ジヒドロキシ−フェニル)メチルスルホン);スルフヒドロキサム酸類(例えば、ベンゼンスルフヒドロキサム酸);スルホンアミドアニリン類(例えば、4−(N−メタンスルホンアミド)アニリン);2−テトラゾリルチオヒドロキノン類(例えば、2−メチル−5−(1−フェニル−5−テトラゾリルチオ)ヒドロキノン);テトラヒドロキノキサリン類(例えば、1,2,3,4−テトラヒドロキノキサリン);アミドオキシン類;アジン類(例えば、脂肪族カルボン酸アリールヒドラザイド類とアスコルビン酸の組み合わせ);ポリヒドロキシベンゼンとヒドロキシルアミンの組み合わせ、リダクトン及び/又はヒドラジン;ヒドロキサン酸類;アジン類とスルホンアミドフェノール類の組み合わせ;α−シアノフェニル酢酸誘導体;ビス−β−ナフトールと1,3−ジヒドロキシベンゼン誘導体の組み合わせ;5−ピラゾロン類;スルホンアミドフェノール還元剤;2−フェニルインダン−1,3−ジオン等;クロマン;1,4−ジヒドロピリジン(例えば、2,6−ジメトキシ−3,5−ジカルボエトキシ−1,4−ジヒドロピリジン);ビスフェノール類(例えば、ビス(2−ヒドロキシ−3−t−ブチル−5−メチルフェニル)メタン、ビス(6−ヒドロキシ−m−トリ)メシトール(mesitol)、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、4,5−エチリデン−ビス(2−t−ブチル−6−メチル)フェノール)、紫外線感応性アスコルビン酸誘導体及び3−ピラゾリドン類。中でも特に好ましい還元剤はヒンダードフェノール類である。
【0162】
ヒンダードフェノール類としては下記一般式(A)で表される化合物が挙げられる。
【0163】
【化45】
Figure 0004032160
式中、Rは水素原子、又は炭素原子数1〜10のアルキル基(例えば、−C49、2,4,4−トリメチルペンチル)を表し、R′及びR″は炭素原子数1〜5のアルキル基(例えば、メチル、エチル、t−ブチル)を表す。
【0164】
一般式(A)で表される化合物の具体例を以下に示す。ただし、本発明は、以下の化合物に限定されるものではない。
【0165】
【化46】
Figure 0004032160
【0166】
前記一般式(A)で表される化合物を始めとする還元剤の使用量は好ましくは銀1モル当り1×10-2〜10モル、特に1×10-2〜1.5モルである。
【0167】
本発明の感光材料に好適なバインダーは透明又は半透明で、一般に無色であり、天然ポリマー合成樹脂やポリマー及びコポリマー、その他フィルムを形成する媒体、例えば:ゼラチン、アラビアゴム、ポリ(ビニルアルコール)、ヒドロキシエチルセルロース、セルロースアセテート、セルロースアセテートブチレート、ポリ(ビニルピロリドン)、カゼイン、デンプン、ポリ(アクリル酸)、ポリ(メチルメタクリル酸)、ポリ(塩化ビニル)、ポリ(メタクリル酸)、コポリ(スチレン−無水マレイン酸)、コポリ(スチレン−アクリロニトリル)、コポリ(スチレン−ブタジエン)、ポリ(ビニルアセタール)類(例えば、ポリ(ビニルホルマール)及びポリ(ビニルブチラール))、ポリ(エステル)類、ポリ(ウレタン)類、フェノキシ樹脂、ポリ(塩化ビニリデン)、ポリ(エポキシド)類、ポリ(カーボネート)類、ポリ(ビニルアセテート)、セルロースエステル類、ポリ(アミド)類がある。親水性でも非親水性でもよい。
【0168】
本発明においては、感光性層のバインダー量が1.5〜6g/m2であることが好ましい。さらに好ましくは1.7〜5g/m2である。
【0169】
本発明においては、感光性層側にマット剤を含有することが好ましく、ポリマーマット剤又は無機マット剤を乳剤層側の全バインダーに対し、重量比で0.5〜10%含有することが好ましい。
【0170】
本発明において用いられるマット剤の材質は、有機物及び無機物のいずれでもよい。例えば、無機物としては、スイス特許第330,158号等に記載のシリカ、仏国特許第1,296,995号等に記載のガラス粉、英国特許第1,173,181号等に記載のアルカリ土類金属又はカドミウム、亜鉛等の炭酸塩、等をマット剤として用いることができる。有機物としては、米国特許第2,322,037号等に記載の澱粉、ベルギー特許第625,451号や英国特許第981,198号等に記載された澱粉誘導体、特公昭44−3643号等に記載のポリビニルアルコール、スイス特許第330,158号等に記載のポリスチレン或いはポリメタアクリレート、米国特許第3,079,257号等に記載のポリアクリロニトリル、米国特許第3,022,169号等に記載されたポリカーボネートの様な有機マット剤を用いることができる。
【0171】
マット剤の形状は、定形、不定形どちらでも良いが、好ましくは定形で、球形が好ましく用いられる。マット剤の大きさはマット剤の体積を球形に換算したときの直径で表される。本発明においてマット剤の粒径とはこの球形換算した直径のことを示すものとする。
【0172】
本発明に用いられるマット剤は、平均粒径が0.5μm〜10μmであることが好ましく、更に好ましくは1.0μm〜8.0μmである。又、粒子サイズ分布の変動係数としては、50%以下であることが好ましく、更に好ましくは40%以下であり、特に好ましくは30%以下となるマット剤である。
【0173】
ここで、粒子サイズ分布の変動係数は、下記の式で表される値である。
(粒径の標準偏差)/(粒径の平均値)×100
本発明に係るマット剤は任意の構成層中に含むことができるが、本発明の目的を達成するためには好ましくは感光性層以外の構成層であり、更に好ましくは支持体から見て最も外側の層である。
【0174】
本発明に係るマット剤の添加方法は、予め塗布液中に分散させて塗布する方法であってもよいし、塗布液を塗布した後、乾燥が終了する以前にマット剤を噴霧する方法を用いてもよい。また複数の種類のマット剤を添加する場合は、両方の方法を併用してもよい。
【0175】
本発明の参考例のヒドラジン化合物は、適当な有機溶媒、例えばアルコール類(メタノール、エタノール、プロパノール、フッ素化アルコール)、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン)、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、メチルセルソルブなどに溶解して用いることができる。また、既に良く知られている乳化分散法によって、ジブチルフタレート、トリクレジルフォスフェート、グリセリルトリアセテートあるいはジエチルフタレートなどのオイル、酢酸エチルやシクロヘキサノンなどの補助溶媒を用いて溶解し、機械的に乳化分散物を作製して用いることができる。あるいは固体分散法として知られている方法によって、ヒドラジン化合物の粉末を水の中にボールミル、コロイドミル、あるいは超音波によって分散して用いることもできる。本発明ではヒドラジン化合物と併用して、カブリ防止剤としてインダゾール類(例えばニトロインダゾール)を使用することが好ましい。
【0176】
本発明の感光材料には、ヒドラジン化合物と併用して、アミン誘導体、オニウム塩化合物、ジスルフィド誘導体、およびヒドロキシアミン誘導体などの造核促進剤を添加することができる。
【0177】
本発明を熱現像感光材料に適用する場合には、感光材料は常温で安定であるが、露光後高温(例えば、80℃〜140℃)に加熱することで現像される。加熱することで有機銀塩(酸化剤として機能する)と還元剤との間の酸化還元反応を通じて銀を生成する。この酸化還元反応は露光でハロゲン化銀に発生した潜像の触媒作用によって促進される。露光領域中の有機銀塩の反応によって生成した銀は黒色画像を提供し、これは非露光領域と対照をなし、画像の形成がなされる。この反応過程は、外部から水等の処理液を供給することなしで進行する。
【0178】
本発明の感光材料は支持体上に少なくとも一層の感光性層を有している。支持体の上に感光性層のみを形成しても良いが、感光性層の上に少なくとも1層の非感光性層を形成することが好ましい。感光性層は複数層にしても良く、また階調の調節のため感度を高感層/低感層又は低感層/高感層にしても良い。各種の添加剤は感光性層、非感光性層、又はその他の形成層のいずれに添加しても良い。本発明の感光材料には例えば、界面活性剤、酸化防止剤、安定化剤、可塑剤、紫外線吸収剤、被覆助剤等を用いても良い。
【0179】
本発明を熱現像感光材料に適用する場合には、色調剤を添加することが好ましい。好適な色調剤の例はResearch Disclosure第17029号に開示されている。好ましい色調剤としてはフタラゾン又はフタラジンである。
【0180】
本発明の感光材料には例えば特開昭63−159841号、同60−140335号、同63−231437号、同63−259651号、同63−304242号、同63−15245号、米国特許4639414号、同4740455号、同4741966号、同4751175号、同4835096号に記載された増感色素が使用できる。本発明に使用される有用な増感色素は例えば RESEARCH DISCLOSURE I tem 17643IV−A項(1978年12月p.23)、同 Item 1831X項(1978年8月p.437)に記載もしくは引用された文献に記載されている。特開昭59−191032号、特開昭60−80841号に記載されたトリカルボシアニン類、特開昭59−192242号、特開平3−67242号の一般式(IIIa)、一般式(IIIb)に記載された4−キノリン核を含有するジカルボシアニン類などが有利に選択される。さらに赤外レーザー光源の波長が750nm以上、さらに好ましくは800nm以上である場合このような波長域のレーザーに対応されるためには、特開平4−182639、同5−341432、特公平6−52387、同3−10931、US5,441,866、特開平7−13295、等に記載されている増感色素が好ましく用いられる。これらの増感色素は単独に用いてもよいが、それらの組合せを用いてもよく、増感色素の組合せは特に、強色増感の目的でしばしば用いられる。増感色素とともに、それ自身分光増感作用をもたない色素あるいは可視光を実質的に吸収しない物質であって、強色増感を示す物質を乳剤中に含んでもよい。
【0181】
本発明に用いる染料は米国特許4,508,811号明細書記載の方法により合成することができる。また、以下に記載の方法により、合成することができ、これに準じて類似の化合物も当業者は容易に合成することができる。
【0182】
以下に、本発明の製造方法により合成できる化合物の例を示すが、本発明はこれらの化合物の合成にのみ限定されるものではない。
【0183】
【実施例】
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、発明の態様が実施例の記載内容に限定されるものではない。また特に記載のあるものを除き、合成中間体を含む化合物の構造はNMRスペクトルおよび質量スペクトルによって確認した。
先ず、本発明に用いられる染料の合成例を述べる。
合成例
【0184】
【化47】
Figure 0004032160
【0185】
窒素雰囲気下において、金属マグネシウム末6.1gをジエチルエーテル中にて撹拌しながら氷水浴にて冷却し、臭化エチル25.2gを滴下した。さらにtert−ブチルアセチレン20gを滴下し、これが終了した後に室温にて3時間撹拌した。これを再び氷水浴にて冷却し、ぎ酸エチル9.0gを滴下した。滴下終了後、ジエチルエーテル50mlを加え、6N塩酸を80ml滴下した。反応の終わった混合物から有機物を抽出し、分離した有機層を水洗、濃縮した後カラムクロマトグラフィーにて精製し、2,6−ジ−tert−ブチル−1,4,−ペンタジイン−3−オール1aを32.8g得た。(収率70%)
【0186】
先に述べたアイルランドらのザ・ジャーナル・オブ・オーガニック・ケミストリー(The Journal of Organic Chemistry)誌第58巻2899ページ(1993年)掲載の論文に記された方法により調製したデス-マーチンパーヨージナン66gを400mlの塩化メチレンに溶解した溶液に、2,6−ジ−tert−ブチル−1,4−ペンタジイン−3−オール30gを塩化メチレン300mlに溶解した溶液を加えて、室温下3時間撹拌した。反応混合物にジエチルエーテル1000mlを加え、1N水酸化ナトリウム水溶液1500mlに注ぎ入れて有機物を抽出し、分離した有機層を水洗した。濃縮した有機層をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、2,6−ジ−tert−ブチル−1,4−ペンタジイン−3−オン1bを23.7g得た。(収率80%)
【0187】
ナトリウムエトキシドの0.5Mエタノール溶液240mlに2,6−ジ−tert−ブチル−1,4−ペンタジイン−3−オン15gを加え、さらに硫化ナトリウム9水和物18gを加えて室温下3時間撹拌した。反応混合物を水400mlに注ぎ入れ、塩化メチレンを加えて有機物を抽出し、分離した有機層を水洗した。濃縮した有機層をシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製し、2,6−ジ−tert−ブチル−4H−チオピラン−4−オン1cを11.3g得た。(収率64%)
【0188】
2,6−ジ−tert−ブチル−4H−チオピラン−4−オン10gをジエチルエーテル150mlに溶解し、氷水浴にて冷却しながら窒素雰囲気下にてヨウ化メチルマグネシウムの1Mジエチルエーテル溶液20mlを滴下し、室温下3時間撹拌して反応させた。反応混合物を飽和塩化アンモニウム水溶液700mlに注ぎ入れ、有機物を抽出し、分離した有機層に60%過塩素酸水溶液を100ml加えたのち一晩静置結析させた。析出した結晶を濾取して、過塩素酸2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチル−4H−チオピリリウム1dを9.3g得た。(収率55%)
【0189】
過塩素酸2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチル−4H−チオピリリウム8.0gとスクエア酸1.4gを、1−ブタノール50mlとトルエン50mlの混合溶媒に分散し、キノリン1.0gを加えて2時間加熱還流させた。反応混合物を濃縮してトルエン200mlを加えて不溶物を濾別した後、濾液の濃縮物をアセトニトリルから再結晶して、例示化合物P−1を3.9g得た。(収率60%、全5段階の総合収率9.6%)
【0190】
合成例
【0191】
【化48】
Figure 0004032160
【0192】
窒素雰囲気下において、臭化エチルマグネシウムのテトラヒドロフラン1M溶液170mlを氷水にて冷却しながら、1−オクチン20gを50mlのテトラヒドロフランに溶解した溶液を滴下した。滴下終了後、反応容器を氷水浴からはずして室温にて3時間撹拌し、再び氷水浴にて冷却しながらぎ酸エチル6.7gを滴下した。滴下終了後、テトラヒドロフラン50mlを加え、6N塩酸を60ml滴下した。反応の終わった混合物から有機物を抽出し、分離した有機層を水洗、濃縮した後カラムクロマトグラフィーにより精製して、ヘプタデカ−7,10−ジイン−9−オール2aを16.6g得た。化合物の構造はNMRスペクトル、質量スペクトル、赤外スペクトル、ガスクロマトグラフィーにより確認した。(収率85%)
【0193】
先に述べたアイルランドらのザ・ジャーナル・オブ・オーガニック・ケミストリー(The Journal of Organic Chemistry)誌第58巻2899ページ(1993年)掲載の論文に記された方法により調製したデス-マーチンパーヨージナン20.5gを、150mlの塩化メチレンに溶解した溶液を室温にて撹拌した。この溶液に、ヘプタデカ−7,10−-ジイン−9−オール12.0gを塩化メチレン50ml中に溶解した溶液を加えて、室温にて3時間撹拌した。反応混合物にジエチルエーテル300mlを加え、1N水酸化ナトリウム水溶液500mlに注ぎ入れて有機物を抽出し、有機層を分離しさらに水洗した。分離した有機層を濃縮しシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、ヘプタデカ−7,10−ジイン−9−オン2bを9.5g得た。(収率85%)
【0194】
35mlのアセトニトリルにヘプタデカ−7,10−ジイン−9−オン7.0gを加え、さらに硫化ナトリウム9水和物14.0gと35mlの水により調製した水溶液を加えて室温下30分間撹拌した。反応混合物を静置し分離した水層を除いた後、飽和塩化アンモニウム水溶液80mlと酢酸エチル30mlを加えて有機物を抽出し、分離した有機層を水洗、濃縮した後シリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製し、2,6−ジ−n−ヘキシル^4H−チオピラン−4−オン2cを5.5g得た。(収率69%)
【0195】
2,6−ジ−n−ヘキシル−4H−チオピラン−4−オン4.0gをジエチルエーテル100mlに溶解し、氷水浴にて冷却しながら窒素雰囲気下にてヨウ化メチルマグネシウムの1Mジエチルエーテル溶液16mlを滴下し、室温下3時間撹拌して反応させた。反応混合物に飽和塩化アンモニウム水溶液500mlを加えた後に有機物を抽出し、分離した有機層を水洗後、無水硫酸ナトリウムにて乾燥してから濃縮した。濃縮した有機物は精製することなく次の反応に用いた。
【0196】
前の段階で得られた反応生成物とスクエア酸0.75gを1−プロパノール60mlに分散し、撹拌しながら4時間加熱還流させた。反応混合物を放冷後、濃縮してメタノール20mlを加えて再結晶し、得られた粗結晶を酢酸エチル6mlから再結晶して例示化合物P−24を1.8g得た。(2段階の収率40%、全5段階の総合収率19.9%)
【0197】
合成例
【0198】
【化49】
Figure 0004032160
【0199】
窒素雰囲気下、臭化エチルマグネシウムのテトラヒドロフラン1M溶液185mlを氷水にて冷却しながら、フェニルアセチレン20gを50mlのテトラヒドロフランに溶解した溶液を滴下した。滴下終了後、反応容器を氷水浴からはずして室温にて3時間撹拌し、再び氷水浴にて冷却しながらぎ酸エチル7.3gを滴下した。滴下終了後、テトラヒドロフラン50mlを加え、6N塩酸を60ml滴下した。反応の終わった混合物から有機物を抽出し、分離した有機層を水洗、濃縮してヘキサンにて結析させて、1,5−ジフェニル−1,4−ペンタジイン−3−オール3aを16.4g得た。化合物の構造はNMRスペクトル、質量スペクトル、赤外スペクトル、ガスクロマトグラフィーにより確認した。(収率72%)
【0200】
1,5−ジフェニル−1,4−ペンタジイン−3−オール11.2gを50mlのアセトンに溶解し、二クロム酸ナトリウム9.0gと12.0gの硫酸を40mlの水に混合した溶液を、氷冷下にて滴下した。滴下終了後、反応混合物を300gの氷に注ぎ入れ、有機物を抽出し、分離した有機層を水洗、濃縮してシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、1,5−ジフェニル−1,4−ペンタジイン−3−オン3bを7.4g得た。(収率67%)
【0201】
ナトリウムエトキシドの0.5Mエタノール溶液50mlに1,5−ジフェニル−1,4−ペンタジイン−3−オン7.0gを加え、さらに硫化ナトリウム9水和物14gを加えて室温下3時間撹拌した。この混合物を水300mlに注ぎ入れ、塩化メチレンを加えて有機物を抽出し、分離した有機層を水洗、濃縮した後シリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製し、2,6−ジフェニル−4H−チオピラン−4−オン3cを5.1g得た。(収率64%)
【0202】
2,6−ジフェニル−4H−チオピラン−4−オンを4.0gをジエチルエーテル100mlに溶解し、氷水浴にて冷却しながら窒素雰囲気下にてヨウ化メチルマグネシウムの1Mジエチルエーテル溶液21mlを滴下し、室温下3時間撹拌して反応させた。反応混合物を飽和塩化アンモニウム水溶液500mlに注ぎ入れ、有機物を抽出し、分離した有機層に60%過塩素酸水溶液を100mlml加えたのち一晩静置結析させた。析出した結晶を濾取して過塩素酸2,6−フェニル−4−メチル−4H−チオピリリウム3dを3.7g得た。(収率54%)
【0203】
過塩素酸2,6−ジフェニル−4−メチル−4H−チオピリリウム3.0gとスクエア酸0.93gを1−ブタノール50mlとトルエン50mlの混合溶媒に分散し、キノリン1.2gを加えて2時間加熱還流させた。反応混合物を放冷後濃縮してトルエン200mlを加え不溶物を濾別した後、濾液の濃縮物をアセトニトリルから再結晶して例示化合物P−25を3.2g得た。(収率65%、全5段階の総合収率10.8%)
【0204】
合成例
【0205】
【化50】
Figure 0004032160
【0206】
窒素雰囲気下において、臭化エチルマグネシウムのテトラヒドロフラン1M溶液85mlを氷水にて冷却しながら、1−オクチン10gを25mlのテトラヒドロフランに溶解した溶液を滴下した。滴下終了後、反応容器を氷水浴からはずして室温にて3時間撹拌し、再び氷水浴にて冷却しながらぎ酸エチル3.4gを滴下した。滴下終了後、テトラヒドロフラン25mlを加え、6N塩酸を30ml滴下した。反応の終わった混合物から有機物を抽出し、分離した有機層を水洗、濃縮した後カラムクロマトグラフィーにより精製して、ヘプタデカ−7,10−ジイン−9−オール4aを8.2g得た。化合物の構造はNKRスペクトル、質量スペクトル、赤外スペクトル、ガスクロマトグラフィーにより確認した。(収率73%)
【0207】
先に述べたアイルランドらのザ・ジャーナル・オブ・オーガニック・ケミストリー(The Journal of Organic Chemistry)誌第58巻2899ページ(1993年)掲載の論文に記された方法により調製したデス-マーチンパーヨージナン12.8gを80mlの塩化メチレンに溶解した溶液に、ヘプタデカ−7,10−ジイン−9−オール7.5gを塩化メチレン50mlに溶解した溶液を加えて、室温下3時間撹拌した。反応混合物にジエチルエーテル200mlを加え、1N水酸化ナトリウム水溶液300mlに注ぎ入れて有機物を抽出し、分離した有機層を水洗した。濃縮した有機層をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、ヘプタデカ−7,10−ジイン−9−オン4bを6.1g得た。(収率82%)
【0208】
30mlのアセトニトリルにヘプタデカ−7,10−ジイン−9−オン6.0gを加え、さらに硫化ナトリウム9水和物12gと30mlの水により調製した水溶液を加えて室温下30分間撹拌した。反応混合物を静置し分離した水層を除いた後、飽和塩化アンモニウム水溶液50mlと酢酸エチル30mlを加えて有機物を抽出し、分離した有機層を水洗、濃縮した後シリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製し、2,6−ジ−n−ヘキシル−4H−チオピラン−4−オン4cを4.5g得た。(収率66%)
【0209】
2,6−ジ−n−ヘキシル−4H−チオピラン−4−オン4.0gをジエチルエーテル100mlに溶解し、氷水浴にて冷却しながら窒素雰囲気下にてヨウ化メチルマグネシウムの1Mジエチルエーテル溶液16mlを滴下し、室温下3時間撹拌して反応させた。反応混合物に飽和塩化アンモニウム水溶液500mlを加えた後に有機物を抽出し、分離した有機層を水洗後、無水硫酸ナトリウムにて乾燥してから濃縮した。濃縮した有機物は精製することなく次の反応に用いた。
【0210】
前の段階で得られた反応生成物とクロコン酸0.92gを1−ブタノール30mlとトルエン30mlの混合溶媒に分散し、キノリン0.1gを加えて撹拌しながら4時間加熱還流させた。反応混合物を放冷後、カラムクロマトグラフィーにて精製してさらに再結晶を行い、例示化合物P−26の結晶1.6gを得た。(2段階の収率34%、全5段階の総合収率13.4%)
【0211】
以下、実施例、参考例、比較例について述べる。
参考例1
(ハロゲン化銀粒子の調製)
純水900ml中にゼラチン7.5g及び臭化カリウム10mgを溶解して温度35℃、pHを3.0に合わせた後、硝酸銀74gを含む水溶液370mlと(96/4)のモル比の臭化カリウムと沃化カリウムを含む水溶液をpAg7.7に保ちながらコントロールドダブルジェット法で10分間かけて添加した。その後4−ヒドロキシ−6−メチル−1,3,3a,7−テトラザインデン0.3gを添加しNaOHでpHを5に調整して平均粒子サイズ0.06μm、投影直径面積の変動係数8%、{100}面比率86%の立方体沃臭化銀粒子を得た。この乳剤にゼラチン凝集剤を用いて凝集沈降させ脱塩処理後フェノキシエタノール0.1gを加え、pH5.9、pAg7.5に調整した。その後に増感色素SD−1をハロゲン化銀1モルに対し5×10−5モル,2−(4−クロロベンゾイル)安息香酸を0.44g/mになるように添加した。その後60℃に昇温してチオ硫酸ナトリウムを2mg添加し100分間熟成した後に38℃に冷却して化学増感を終了し、ハロゲン化銀粒子を得た。
【0212】
【化51】
Figure 0004032160
【0213】
Figure 0004032160
溶媒には、メチルエチルケトン、アセトン、メタノールを適宜用いた。
【0214】
(表面保護層組成)
表面保護層塗布液を下記のように調製した。
Figure 0004032160
溶媒には、メチルエチルケトン、アセトン、メタノールを適宜用いた。
【0215】
(バッキング層組成)
バッキング層塗布液を下記の如く調製した。
Figure 0004032160
【0216】
上記組成の塗布液を2軸延伸された厚さ175μmのポリエチレンテレフタレートフィルムに塗布、乾燥して試料No.101を作成した。
試料No.101の染料を表1に示す染料に代えた他は試料No.101と同様にして試料No.102〜108、10A〜10Lを作成した。染料の添加量は試料No.101の例示化合物1と等モル添加とした。
作成した熱現像感光材料No.101〜108、10A〜10Lを半切サイズに加工し、810nmのレーザーダイオードを垂直面より13°傾いたビームで露光した。その後ヒートドラムを用いて120℃で15秒熱現像処理し、各々試料No.111〜118、11A〜11Lとした(表1参照)。
【0217】
【表1】
Figure 0004032160
【0218】
表中の比較染料は以下のものを使用した。
【0219】
【化52】
Figure 0004032160
【0220】
以上の各試料について以下の評価方法に従って評価した。
「鮮鋭性の評価」
試料No.111〜118、11A〜11Lの10本/mmにおけるMTFを測定し、試料No.111のMTF値を100とする相対値で示した。
【0221】
「残色ステインの評価」
残色ステインは目視により比較した。評価は10名のモニターによる主観評価で行い、実用上問題がないレベルを3点、実用上問題があるが、妥協すれば使えるレベルを1点、実用に耐えないレベルを0点として合計の点数で比較した。
【0222】
[透過濃度Aの評価]
用いた染料について、メチルエチルケトン中で極大吸収波長における透過濃度が1.0であるときに420nmにおける透過濃度を測定した。
[透過濃度Bの評価]
染料を含む感光材料について、現像処理後の極大吸収波長における透過濃度が1.0であるときに420nmにおける透過濃度を測定した。
以上の評価結果を表2に示す。
【0223】
【表2】
Figure 0004032160
【0224】
表2により、参考例の試料は鮮鋭性が良好で、残色ステインが少ないことがわかる。一方、比較有機染料を用いた試料では可視部の吸収が大きく、残色ステインが許容できなかった。
【0225】
参考例1−2
染料に10倍の重量の酢酸エチルと同じく10倍重量のトリクレジルフォスフェート(TCP)を加え、減圧下酢酸エチルを除去しながら超音波分散し、平均粒径90nmの染料のオイル分散物を調製した。
参考例1の感光材料No.101〜108、10A〜10Lの試料作成時に染料の溶液に代えて、この分散液を用いた以外は参考例1と同様に試料を作成し、参考例1と同様に熱現像処理して各々試料No.121〜128、12A〜12Lとした。参考例1と透過濃度B、同様に鮮鋭性、残色ステインを評価し、その結果を表3に示す。
【0226】
【表3】
Figure 0004032160
【0227】
表3より、比較試料がオイル分散によって鮮鋭性が劣化しているのに対し、参考例の試料は驚くべきことにオイル分散しても鮮鋭性、残色ステイン共劣化しておらず、好ましいことが判る。従って、参考例1−2から、オイル分散にしたときに参考例はより顕著な効果を得られることが判る。
【0228】
参考例1−3
染料とゼラチン水溶液、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム水溶液を混ぜてジルコニアビーズと共にボールミルを用いて24時間粉砕し、ビーズを除去して平均粒径80nmの染料の固体微粒子分散物を調製した。
参考例1の感光材料No.101〜108、10A〜10Lの試料作成時に染料の溶液に代えてこの分散液を用いた以外は参考例1と同様に試料を作成し、参考例1と同様に熱現像処理して各々試料No.131〜138、13A〜13Lとした。参考例1と同様に透過濃度B、鮮鋭性、残色ステインを評価し、その結果を表4に示す。
【0229】
【表4】
Figure 0004032160
【0230】
実施例
−4染料の添加方法はポリエステルの二軸延伸のためにポリエステルを溶融した際に混合、混練し、これを参考例1と同様に二軸延伸して支持体を作成した。この支持体を用いた他は参考例1と同様にして感光材料No.401〜408、40A〜40Lを作成した。これらの試料を参考例1と同様に露光、熱現像し、試料No.411〜418、41A〜41Lとした。参考例1と同様に透過濃度B、残色ステイン、鮮鋭性を評価し、参考例1の試料と比較し、その結果を表5に示す。
【0231】
【表5】
Figure 0004032160
【0232】
参考例2
(ハロゲン化銀粒子Bの調製)
水700mlにフタル化ゼラチン24g及び臭化カリウム30mgを溶解して温度40℃にてpHを5.0に合わせた後、硝酸銀18.7gを含む水溶液159mlと臭化カリウムと沃化カリウムを92:8のモル比で含む水溶液をpAg7.8に保ちながらコントロールドダブルジェット法で10分間かけて添加した。
【0233】
ついで硝酸銀55.4gを含む水溶液476mlと六塩化イリジウム酸二カリウムを7μmモル/リットルと臭化カリウムを1モル/リットルで含む水溶液をpAg7.6に保ちながらコントロールドダブルジェット法で30分間かけて添加した。その後pHを下げて凝集沈降させ脱塩処理をし、フェノキシエタノール0.2gを加え、 pH5.9、 pAg8.0に調製した。沃化銀含有量コア8モル%、平均2モル%、粒子サイズ0.07μm、投影面積直径の変動係数10%、(100)面比率85%の立方体粒子であった。
【0234】
得られたハロゲン化銀粒子Bに対し、温度を60℃に昇温して、銀1モルあたりチオ硫酸ナトリウム85μmモルと2,3,4,5,6−ペンタフルオロフェニルジフェニルフォスフィンセレニドを6μmモル、塩化金酸3.9μmモル、チオシアン酸220μmモルを添加し、120分間熟成した。その後温度を50℃に変更して増感色素Cをハロゲン化銀1モルに対して5×10-4モル、増感色素Dを3×10-4モル攪拌しながら添加した。更に、沃化カリウムを銀に対して3.7モル%添加して30分攪拌し、30℃に急冷してハロゲン化銀粒子
Bの調製を終了した。
【0235】
【化53】
Figure 0004032160
【0236】
(有機酸銀微結晶分散物Bの調製)
ベヘン酸40g、ステアリン酸7.3g、水500mlを温度90℃で20分間攪拌し、1N−NaOH187mlを15分間かけて添加し、1Nの硝酸水溶液61mlを添加して50℃に降温した。
【0237】
次に1N硝酸銀水溶液124mlを2分間かけて添加し、そのまま40分間攪拌した。その後、遠心濾過で固形分を濾別し、濾水の伝導度30μS/cmになるまで固形分を水洗した。こうして得られた固形分は、乾燥させないでウエットケーキとして取り扱い、乾燥固形分33.4g相当のウエットケーキに対し、ポリビニルアルコール12gおよび水150ml添加し、良く混合してスラリーとした。このスラリーを分散機(商品名;マイクロフルイダイザーM−110−E/H、マイクロフルイデックス・コーポレーション製、壁面衝突型チャンバー)に装入し分散操作を行った。この際の衝突時の圧力は500kg/cm2であった。このようにして、電子顕微鏡観察により平均短径0.04μm、平均長径0.8μm、投影面積変動係数35%の針状粒子である有機酸銀の微結晶分散物Bの調製を終了した。
【0238】
(還元剤固体微粒子分散物の調製)
1,1-ビス(2−ヒドロキシ−3、5−ジメチルフェニル)−3,5,5−トリメチルヘキサン10gに対してヒドロキシプロピルメチルセルロース1.5gと水88.5ml添加して良く攪拌してスラリーとして3時間放置した。その後、0.5mmのジルコニア製ビーズ360g用意してスラリーと一緒にベッセルに入れ、分散機(1/4Gサンドグラインダーミル:アイメックス社製)にて3時間分散し、還元剤固体微粒子分散物を調製した。粒子径は、粒子の80wt%が0.3μm以上1.0μm以下であった。
【0239】
(被り防止剤固体微粒子分散物の調製)
トリブロモメチルフェニルスルホン10gに対してヒドロキシプロピルメチルセルロース1.5gと水88.5g添加して良く攪拌してスラリーとして3時間放置した。その後、還元剤固体分散物の調製と同様にして被り防止剤の固体微粒子分散物を調製した。粒子径は70wt%(重量%、本明細書において同じ。)が0.3μm以上1.0μm以下であった。
【0240】
(色調剤の固体微粒子分散物の調製)
フタラジン10gに対してヒドロキシプロピルメチルセルロース1.5gと水88.5g添加して良く攪拌して5時間放置した。その後、還元剤微粒子分散物の調製と同様にして色調剤の固体微粒子分散物を得た。平均粒子径はすべて60wt%以上が0.3μm以上1.0μm以下であった。
【0241】
(現像促進剤微粒子分散物の調製)
3,4−ジヒドロ−4−オキソ−1,2,3−ベンゾトリアジン5gに対してヒドロキシプロピルメチルセルロース0.7gと水94.3ml添加して良く攪拌し、2時間放置した。その後、還元剤微粒子分散物の調製と同様にして現像促進剤の微粒子分散物を調製した。平均粒子径は70wt%が0.4μm以上1.0μm以下であった。
【0242】
(乳剤層塗布液の調製)
先に調製した有機酸銀微結晶分散物B(銀1モル相当)に対し、ハロゲン化銀粒子Bをハロゲン化銀10モル%/有機酸銀1モル相当と、以下のポリマーラテックスおよび素材を添加して乳剤塗布液とした。
【0243】
Figure 0004032160
【0244】
(乳剤面保護層塗布液の調製)
イナートゼラチン10gに対し、界面活性剤Aを0.26g、界面活性剤Bを0.10g、シリカ微粒子(平均粒径サイズ2.5μm)1.0g、1,2−(ビスビニルスルホニルアセトアミド)エタン0.4g、および4−メチルフタル酸65mgと、水66gを添加して表面保護層とした。
【0245】
【化54】
Figure 0004032160
【0246】
(染料分散物の調整)
酢酸エチル35gに対し、下記化合物1、2をそれぞれ2.5g,7.5g添加して攪拌して溶解した。その液にあらかじめ溶解したポリビニルアルコール10重量%溶液を50g添加し、5分間ホモジナイザーで攪拌した。その後、酢酸エチルを脱溶媒で揮発させ、最後に水で希釈し、発色剤分散物を調製した。
【0247】
【化55】
Figure 0004032160
【0248】
(バック面塗布液の調製)
ポリビニルアルコール30gに対し、先に調製した発色剤分散物51g、下記化合物320g、水250g及びシルデックスH121(洞海化学社製真球シリカ、平均サイズ12μm)2.0g添加してバック面塗布液とした。
【0249】
【化56】
Figure 0004032160
【0250】
(塗布サンプルの作成)
上記の如く調製した乳剤層塗布液を、青色染料で色味付けした175μmポリエチレンテレフタレート支持体上に銀の塗布量が1.8g/m2となるように、そして乳剤塗布層上に乳剤面保護層塗布液をゼラチンの塗布量が1.8g/m2となるように同時重層塗布した。乾燥後、乳剤層と反対の面上にバック面塗布液を650nmの光学濃度0.7となるように塗布し塗布試料601の調製を終了した。「染料分散物の調整」において、化合物1、2を取り除き、表6に示す染料を化合物1と同モル添加した以外は塗布試料601と同様に調整した塗布試料を表6に示す如く作成した。
【0251】
(写真性能の評価)
647nmのKrレーザー感光計(最大出力500mW)で法線に対して30度の角度で写真材料を露光した後、塗布試料を120℃で20秒間現像処理し、得られた画像の評価を参考例1と同様に行った。結果を表6に示した。
【0252】
【表6】
Figure 0004032160
【0253】
表6より明らかなように、参考例の試料は鮮鋭性が良好で残色ステインが少ないことが分かった。
【0254】
参考例3
参考例2で調製したハロゲン化銀粒子Bの調製において増感色素C、Dの代わりに増感色素E、Fを用いてその他はハロゲン化銀粒子Bの調製と同様にしてハロゲン化銀粒子Cを調製しハロゲン化銀粒子Bの代わりに用いた。また、参考例2の写真性能の評価において用いた感光計の代わりに810nmのダイオードを備えたレーザー感光計を用いて写真性能の評価を行った。表7に示す染料の変更をした。他は全て参考例2と同様にして試料の調製及び評価したところ、表7に示す結果を得た。
【0255】
【表7】
Figure 0004032160
【0256】
【化57】
Figure 0004032160
【0257】
参考例4
(ハロゲン化銀粒子αの調製)
水900mlにイナートゼラチン7.5gおよび臭化カリウム10mgを溶解して温度35℃にてpHを3.0に合わせた後、硝酸銀74gを含む水溶液370mlと臭化カリウムと沃化カリウムとを94:6のモル比で含みK3〔IrCl6〕を含む水溶液をpAg7.7に保ちながらコントロールダブルジェット法で10分間かけて添加した。〔IrCll6〕3−は銀1モルに対して3×10−7モルになるように添加した。その後4−ヒドロキシ−6−メチル−1,3,3a,7−テトラザインデン0.3gを添加し、NaOHでpHを5に調整して平均サイズ0.06μm、投影面積変動係数8%、{100}面比率87%の立方体沃臭化銀粒子を得た。この乳剤にゼラチン凝集剤を用いて凝集沈降させ脱塩処理後フェノキシエタノール0.1gを加え、pH5.9、pAg7.5に調整した。
【0258】
(有機酸銀乳剤αの調製)
ベヘン酸10.6g、蒸留水300mlを90℃で15分間混合し、激しく攪拌しながら1NーNaOH水溶液31.1mlを15分かけて添加し、そのまま1時間放置した後、30℃に降温した。次に、1N−リン酸水溶液7mlを添加し、より激しく攪拌しながらN-ブロモスクシンイミド0.13gを添加した後、あらかじめ調製したハロゲン化銀粒子Aをハロゲン化銀量が2.5mモルとなるように添加した。さらに、1N−硝酸銀水溶液25mlを2分かけて連続添加し、そのまま90分間攪拌し続けた。この水系混合物にポリ酢酸ビニルの1.2重量%の酢酸ブチル溶液37gを添加して分散物のフロックを形成後、水を取り除き、更に2回の水洗と水の除去を行った。この後、ポリビニルブチラール(電気化学工業社製デンカブチラール#3000−K)の2.5wt%の酢酸ブチルとイソプロピルアルコール1:2混合溶液20gを攪拌しながら加えた。
【0259】
その後、こうして得られたゲル状の有機酸、ハロゲン化銀の混合物にポリビニルブチラール(電気化学工業社製デンカブチラール#4000-2)7.8g、2-ブタノン57gを添加しホモジナイザーで分散し、ベヘン酸銀塩乳剤(平均短径0.04μm、平均長径1μm、変動係数30%の針状粒子)を得た。
【0260】
【化58】
Figure 0004032160
【0261】
(乳剤層塗布液αの調製)
上記で得た有機酸銀乳剤に銀1モル当たり以下の量となるように各薬品を添加した。25℃でフェニルチオスルホン酸ナトリウム10mg、増感色素AAを25mg、増感色素BBを20mg、増感色素CCを18mg、2-メルカプト-5-メチルベンゾイミダゾール2g、4-クロロベンゾフェノン-2-カルボン酸21.5gと2−ブタノン580g、ジメチルホルムアミド220gを攪拌しながら添加し3時間放置した。ついで、4,6-ジトリクロロメチル-2-フェニルトリアジン4g、ジスルフィド化合物Aを2g、1,1-ビス(2-ヒドロキシ-3,5-ジメチルフェニル)-3,5,5-トリメチルヘキサン170g、テトラクロロフタル酸5g、フタラジン15g、ヒドラジン化合物A10gメガファックスF−176P(大日本インキ化学工業社製フッ素系界面活性剤) 1.1g、2-ブタノン590g、メチルイソブチルケトン10gを攪拌しながら添加した。
【0262】
(乳剤面保護層塗布液αの調製)
CAB171-15S(イーストマンケミカル社製酢酸酪酸セルロース)75g、4−メチルフタル酸(C−8)5.7g、テトラクロロフタル酸無水物1.5g、トリブロモメチルスルフォニルベンゼン8g、2−トリブロモメチルスルフォニルベンゾチアゾール6g、フタラゾン3g、0.3gのメガファックスF−176P、シルデックスH31(洞海化学社製真球状シリカ平均サイズ3μm)2g、sumidur N3500(住友バイエルウレタン社製ポリイソシアネート)6gを2−ブタノン3070gと酢酸エチル30gに溶解したものを調製した。
【0263】
(バック面を有した支持体の作成)
ポリビニルブチラール(電気化学工業社製デンカブチラール#4000−2)6g、シルデックスH121(洞海化学社製真球状シリカ平均サイズ12μm)0.2g、シルデックスH51(洞海化学社製真球状シリカ平均サイズ5μm)0.2g、0.1gのメガファックスF−176Pを、2−プロパノール64gに攪拌しながら添加し溶解および混合させた。さらに、410mgの染料Aをメタノール10gとアセトン20gに溶かした混合溶液および3−イソシアナトメチル−3,5,5−トリメチルヘキシルイソシアネート0.8gを酢酸エチル6gに溶かした溶液を添加し塗布液を調製した。
【0264】
両面が塩化ビニリデンを含む防湿下塗りからなるポリエチレンテレフタレートフィルム上にバック面塗布液を780nmの光学濃度0.7となるように塗布した。
【0265】
上記のように調製した支持体上に乳剤層塗布液を銀が2g/m2となるように塗布した後、乳剤面上に乳剤面保護層塗布液を乾燥厚さ5μmとなるように塗布し、熱現像記録材料の試料801を作成した。染料Aを表8に示す染料と染料Aと当モル相当量で置き換えた以外は801と同様に作成した試料を表8に示すがごとく作成した。
【0266】
【化59】
Figure 0004032160
【0267】
【化60】
Figure 0004032160
【0268】
(露光、現像)
780nmにピークを持つ干渉フィルターを介し、ステップウェッジを通して発光時間10−4secのキセノンフラッシュ光で露光し、115℃で25秒間処理(現像)し、写真性能を評価した。
【0269】
(鮮鋭性の評価)
参考例1と同様な方法で評価した。
(残色性の評価)
参考例1と同様な方法で評価した。
結果を表8にしめす。
【0270】
【表8】
Figure 0004032160
【0271】
参考例5
(ハロゲン化銀粒子βの調製)
水700mlにフタル化ゼラチン22gおよび臭化カリウム30mgを溶解して温度40℃にてpHを5.0に合わせた後、硝酸銀18.6gを含む水溶液159mlと臭化カリウムを含む水溶液をpAg7.7に保ちながらコントロールダブルジェット法で10分間かけて添加した。K3〔IrCl6〕3−を8×10−6モル/リットルと臭化カリウムを1モル/リットルで含む水溶液をpAg7.7に保ちながらコントロールダブルジェット法で30分かけて添加した。その後pH5.9、pAg8.0に調整した。
【0272】
得られた粒子は、平均粒子サイズ0.07μm、投影面積直径の変動係数8%、(100)面積率86%の立方体粒子であった。
【0273】
上記のハロゲン化銀粒子βを温度60℃に昇温して、銀1モル当たり8.5×10-5モルのチオ硫酸ナトリウム、1.1×10-5モルの2,3,4,5,6-ペンタフロロフェニルジフェニルスルフィンセレニド、3.3×10-6モルの塩化金酸、2.3×10-4モルのチオシアン酸を添加して、120分間熟成した。その後、温度を50℃にして8×10-4モルの増感色素Cを攪拌しながら添加し、更に、3.5×10-2モルの沃化カリウムを添加して30分間攪拌し、30℃に急冷してハロゲン化銀粒子の調製を完了した。
【0274】
(有機酸銀微結晶分散物の調製)
ベヘン酸40g、ステアリン酸7.3g、蒸留水500mlを90℃で15分間混合し、激しく攪拌しながら1N−NaOH水溶液187mlを15分かけて添加し、1N−硝酸水溶液61mlを添加して50℃に降温した。次に、1N−硝酸銀水溶液124mlを添加してそのまま30分間攪拌した。その後、吸引濾過で固形分を濾過し、濾水の伝導度が30μS/cmになるまで固形分を水洗した。こうして得られた固形分は、乾燥させないでウェットケーキとして取り扱い、乾燥固形分34.8g相当のウェットケーキに対して、ポリビニルアルコール12gおよび水150mlを添加し、良く混合してスラリーとした。平均直径0.5mmのジルコニアビーズ840gを用意してスラリーと一緒にベッセルに入れ、分散機(1/4G−サンドグラインダーミル:アイメックス社製)にて5時間分散し、体積加重平均1.5μmの有機酸銀微結晶分散物を得た。粒子サイズの測定は、Malvern Instruments Ltd. 製 MasterSaizerXにて行った。
【0275】
(素材固体微粒子分散物の調製)
テトラクロロフタル酸、4-メチルフタル酸、1,1-ビス(2-ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)−3,5,5−トリメチルヘキサン、フタラジン、トリブロモメチルスルフォニルベンゼンについて固体微粒子分散物を調製した。
【0276】
テトラクロロフタル酸に対して、ヒドロキシプロピルセルロース0.81gと水94.2mlとを添加して良く攪拌してスラリーとして10時間放置した。その後、平均直径0.5mmのジルコニアビーズを100mlとスラリーとを一緒にベッセルに入れて有機酸銀微結晶分散物の調製に用いたものと同じ型の分散機で5時間分散してテトラクロロフタル酸の固体微結晶分散物を得た。固体微粒子の粒子サイズは70wt%が1.0μm以下であった。
【0277】
その他の素材については所望の平均粒径を得るために適宜分散剤の使用量および分散時間を変更して、固体微粒子分散物を得た。
【0278】
(乳剤層塗布液の調製)
先に調製した有機酸銀微結晶分散物に対して下記の各組成物を添加して乳剤塗布液を調製した。
Figure 0004032160
なお、LACSTAR3307Bはスチレン−ブタジエン系コポリマーのラテックスであり、分散粒子の平均粒径は0.1〜0.15μm、ポリマーの25℃60%RHにおける平衡含水率は0.6wt%であった。
【0279】
【化61】
Figure 0004032160
【0280】
(乳剤保護層塗布液の調製)
イナートゼラチンに対して、下記の各組成物を添加して乳剤保護層塗布液を
調製した。
Figure 0004032160
【0281】
【化62】
Figure 0004032160
【0282】
【化63】
Figure 0004032160
【0283】
(バック面塗布液の調製)
ポリビニルアルコールに対して、下記の各組成物を添加してバック面塗布液を調製した。
Figure 0004032160
【0284】
上記のように調製した乳剤層塗布液をポリエチレンテレフタレート支持体上に銀が1.6g/mになるように塗布した。その上に乳剤層保護層塗布液をゼラチンの塗布量が1.8g/mになるように塗布した。乾燥後、乳剤層と反対の面上にバック面塗布液を780nmの光学濃度が0.7になるように塗布し、サンプル901を作成した。染料Aを表9に示す染料と染料Aと当モル相当量で置き換えた以外は901と同様に作成した試料を表9に示すがごとく作成した。このようにして作成した感光材料を参考例1と同様に評価した。結果を表9に示す。
【0285】
【表9】
Figure 0004032160
【0286】
以下に、請求項12及び13についての参考例を挙げる。
参考例6
(ハロゲン化銀粒子の調製)
純水900ml中にゼラチン7.5g及び臭化カリウム10mgを溶解して温度35℃、pHを3.0に合わせた後、硝酸銀74gを含む水溶液370mlと(96/4)のモル比の臭化カリウムと沃化カリウムを含む水溶液をpAg7.7に保ちながらコントロールドダブルジェット法で10分間かけて添加した。その後4−ヒドロキシ−6−メチル−1,3,3a,7−テトラザインデン0.3gを添加しNaOHでpHを5に調整して平均粒子サイズ0.06μm、投影直径面積の変動係数8%、{100}面比率86%の立方体沃臭化銀粒子を得た。この乳剤にゼラチン凝集剤を用いて凝集沈降させ脱塩処理後フェノキシエタノール0.1gを加え、pH5.9、pAg7.5に調整した。その後に増感色素SD−1をハロゲン化銀1モルに対し5×10−5モル、2−(4−クロロベンゾイル)安息香酸を0.44g/mになるように添加した。その後60℃に昇温してチオ硫酸ナトリウムを2mg添加し100分間熟成した後に38℃に冷却して化学増感を終了し、ハロゲン化銀粒子を得た。
【0287】
(有機脂肪酸銀乳剤の調製)
水300ml中にベヘン酸10.6gを入れ90℃に加熱溶解し、十分攪拌した状態で1Nの水酸化ナトリウム31.1mlを添加し、そのままの状態で1時間放置した。その後30℃に冷却し、1Nのリン酸7.0mlを添加して十分攪拌した状態でN−ブロモこはく酸イミド0.01gを添加した。その後、予め調製したハロゲン化銀粒子ベヘン酸に対して銀量として10モル%となるように40℃に加温した状態で攪拌しながら添加した。更に1N硝酸銀水溶液25mlを2分間かけて連続添加し、そのまま攪拌した状態で1時間放置した。
【0288】
この乳剤に酢酸エチルに溶解したポリビニルブチラールを添加して十分攪拌した後に静置し、ベヘン酸銀粒子とハロゲン化銀粒子を含有する酢酸エチル相と水相に分離した。水相を除去した後、遠心分離にてベヘン酸銀粒子とハロゲン化銀粒子を採取した。その後東ソー社製合成ゼオライトA−3(球状)20gとイソプロピルアルコール22mlを添加し1時間放置した後濾過した。更にポリビニルブチラール3.4gとイソプロピルアルコール23mlを添加し35℃にて高速で十分攪拌して分散し有機脂肪酸銀乳剤の調製を終了した。
【0289】
Figure 0004032160
溶媒には、メチルエチルケトン、アセトン、メタノールを適宜用いた。
【0290】
(表面保護層組成)
表面保護層塗布液を下記のように調製した。
Figure 0004032160
溶媒には、メチルエチルケトン、アセトン、メタノールを適宜用いた。
【0291】
(バッキング層組成)
バッキング層塗布液を下記の如く調製した。
Figure 0004032160
上記のような組成で二軸延伸された厚さ175μmのポリエチレンテレフタレートフィルムに塗布し、乾燥して試料101を作成した。試料101の染料1を表1に示す染料に変えた他は試料101と同様にして試料102〜111を作成した。比較染料G、Hを用いた場合には染料の溶解度が低く、他の試料の2倍の溶媒を要した。染料の添加量は試料101の例示化合物1と等モル添加とした。
【0292】
作成した熱現像感光材料101〜111を半切サイズに加工し、810nmのレーザーダイオードを垂直面より13°傾いたビームで露光した。その後ヒートドラムを用いて120℃で15秒熱現像処理し、各々試料111〜1111とした。
【0293】
【表10】
Figure 0004032160
【0294】
【化64】
Figure 0004032160
【0295】
【化65】
Figure 0004032160
【0296】
「鮮鋭性の評価」
試料1101〜1111の10本/mmにおけるMTFを測定し、試料1101のMTF値を100とする相対値で示した。
【0297】
「残色ステインの評価」
残色ステインは目視により比較した。評価は10名のモニターによる主観評価で行い、実用上問題がないレベルを3点、実用上問題があるが、妥協すれば使えるレベルを1点、実用に耐えないレベルを0点として合計の点数で比較した。結果を表11に示す。
【0298】
【表11】
Figure 0004032160
【0299】
表11より参考例の試料は鮮鋭性が良好で、残色ステインが少ないことが判る。比較有機染料を用いた試料では可視部の吸収が大きく、残色ステインが許容できなかった。
【0300】
参考例7
参考例6で用いた各染料に10倍の重量の酢酸エチルと同じく10倍重量のトリクレジルフォスフェート(TCP)を加え、減圧下酢酸エチルを除去しながら超音波分散し、平均粒径90nmの染料のオイル分散状染料を調整した。参考例1の感光材料101〜111の試料作成時に染料の溶液に代えてこのオイル分散状染料を用いた以外は参考例1と同様に試料を作成し、参考例6と同様に熱現像処理して各々試料1201〜1211とした。参考例6と同様に鮮鋭性、残色ステインを評価した。結果を表12に示す。
【0301】
【表12】
Figure 0004032160
【0302】
比較試料はオイル分散状染料にすることによって鮮鋭性が劣化しているのに対し、参考例の試料は驚くべきことにオイル分散状染料にしても鮮鋭性、残色ステイン共劣化しておらず、好ましい。試料1204、1205は染料の析出が起こり、試料の透明感が損なわれた。
【0303】
参考例7から、オイル分散にしたときに参考例はより顕著な効果を得られることが判る。
【0304】
参考例8
染料とゼラチン水溶液、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム水溶液を混ぜてジルコニアビーズと共にボールミルを用いて24時間粉砕し、ビーズを除去して平均粒径80nmの染料の固体分散状染料を調整した。参考例6の感光材料101〜109の試料作成時に染料の溶液に代えてこの固体分散状染料を用いた以外は参考例6と同様に試料を作成し、参考例6と同様に熱現像処理して各々試料131〜139とした。参考例6と同様に鮮鋭性、残色ステインを評価した。結果を表13に示す。
【0305】
【表13】
Figure 0004032160
【0306】
比較試料が固体分散状染料にすることによって鮮鋭性が劣化しているのに対し、参考例の試料は驚くべきことに固体分散状染料にしても鮮鋭性、残色ステイン共劣化しておらず、好ましい。
【0307】
実施例
参考例6において、バッキング層に添加していた例示化合物1の添加をやめ、代りに単位面積当たりの付き量が等しくなるようにポリエステル支持体に加えた。染料の添加方法はポリエステルの二軸延伸のためにポリエステルを溶融した際に混合、混練し、これを参考例6と同様に二軸延伸して支持体を作成した。
【0308】
この支持体を用いた他は参考例6と同様にして感光材料401〜409を作成した。これらの試料を参考例6と同様に露光、熱現像し、試料411〜419とした。参考例6と同様に残色ステイン、鮮鋭性を評価し、参考例6の試料と比較した。結果を表14に示す。
【0309】
【表14】
Figure 0004032160
【0310】
本発明の染料を支持体に添加した試料411、412、413ではバッキング層に添加した試料112よりも鮮鋭性が好ましく、残色ステインが劣化しないのに対し、比較の試料では鮮鋭性がわずかに向上した試料もあるものの、いずれの試料も残色ステインが劣化しており、好ましくない。
【0311】
実施例から、本発明の技術は支持体に適用したときに格段の効果を示すことが判る。
【0312】
【発明の効果】
本発明によれば、有機溶剤溶解性に優れ、固体分散、オイル分散適性に優れた染料を用いた、鮮鋭性が良好で、残色ステインが少なく、画像銀の色調が好ましい「冷黒調」であり、保存安定性が良好で更にドライ処理適性に優れた画像形成材料、熱現像写真感光材料、ハロゲン化銀写真感光材料、及びその画像形成方法、好ましい分光特性を有する光学フィルター、及びハロゲン化銀写真感光材料等の画像形成材料用支持体を提供することができる。

Claims (2)

  1. 画像形成材料用支持体を用いた熱現像写真感光材料において、該画像形成材料用支持体が下記一般式2、4、6又は11で表される化合物である染料の少なくとも1種を含有することを特徴とする熱現像写真感光材料
    Figure 0004032160
    「式中A及びBは置換基を表す。」
    Figure 0004032160
    「式中、 及びは水素原子、又はアルキル基を表す。A 及びBは一般式で示した炭素原子との結合点と該炭素原子を結ぶ線を軸としてその軸の周りに180゜回転した場合もとの基と全く重なることができる基を表す。但し、A 及びBが有する水酸基の総和0以上1以下である。」
    Figure 0004032160
    「式中、R 及びR は水素原子、又はアルキル基を表す。ZA4、ZB4は炭素原子とともに6員のヘテロ環を構築するのに必要な原子群を表す。」
    Figure 0004032160
    「式中、R 、R 、R 、R は酸性置換基を置換していないアルキル基を表し、R 、R は1価の置換基を表す。l、mは0〜4の整数を表す。」
  2. 露光により潜像が形成され、引き続き熱現像されることで実質的に画像が形成される熱現像写真感光材料の画像形成方法において、該熱現像写真感光材料が請求項1に記載のものであることを特徴とする画像形成方法。
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