JP4030604B2 - シャドウマスクの製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、フォトエッチング法によって、金属素材を貫通した複数の開口が形成されたシャドウマスクを製造する方法に係わり、特に開口の径が小さく開口の数が多い高精細シャドウマスクの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、カラー受像管等に用いるシャドウマスクは、フォトエッチング法を用いた工程で造ることが主流となっている。
例えば、図6はフォトエッチング法を用いた工程の一例を示している。
すなわち、シャドウマスク金属素材(シャドウマスク材1)として例えば板厚0.13mmの低炭素鋼板を用い、その両面を脱脂、整面、洗浄処理した後、その両面にカゼインまたはポリビニルアルコールと重クロム酸アンモニウムからなる水溶性感光液を塗布乾燥して、フォトレジスト膜2を形成する。次いで、所定のパターンを有する露光用マスクを介して、シャドウマスク材1の一方の面に小孔像のネガパターンを、他方の面に大孔像のネガパターンを露光する。その後、温水にて、未露光未硬化のフォトレジスト膜を溶解する現像処理を行った後、レジスト膜2に対して硬膜処理およびバーニング処理を施せば、図6(a)に示すように、開孔6よりシャドウマスク材1を露出した小孔レジスト膜2aと大孔レジスト膜2bとを表裏に有するシャドウマスク材1が得られる。
【0003】
次いで、図6(b)に示すように、第一段階のエッチングを小孔レジスト膜2a面側から行ない、小孔レジスト膜2a側に小孔凹部3aを形成する。エッチング液7には塩化第二鉄液のボーメ濃度35〜52を用い、スプレー圧 1.5〜3.5kg/cm2 のスプレーエッチングで行なうのが一般的である。この第一エッチング工程では、図6(b)に示すように、エッチング進度は、途中で止めるのが肝要である。
なお、第一エッチング工程に先立ち、大孔レジスト膜2b面側に保護フィルムを貼り付け、第一エッチング工程においてエッチング液が大孔レジスト膜2b面側に接触することを防止し、大孔レジスト膜2b面側への不要なエッチングを防止する場合もある。
【0004】
次いで、シャドウマスク材1を水洗洗浄および乾燥後、例えば光硬化型の樹脂をグラビアコート法等により塗布後、樹脂に光照射を行うことで、図6(c)に示すように、前段のエッチングで形成された小孔側の凹部3aを完全に埋め尽くすエッチング防止層4を形成する。なお、エッチング防止層4を形成する前に、小孔レジスト膜2aを剥膜する場合もある。
【0005】
続いて、第一エッチング工程の前に、大孔レジスト膜2b面側に保護フィルムを貼り付けた場合には、保護フィルムを剥離したうえで、図6(d)に示すように、大孔レジスト膜2b面からシャドウマスク材1をエッチングする第二エッチング工程を行ない、大孔側に凹部3bを形成し、大孔側から小孔に貫通する開口5を形成する。最後に、エッチング防止層4およびレジスト膜2を剥膜除去する剥膜工程を行い図6(e)を得た後、不要部の断裁等を行いフラット型のシャドウマスクを得るものである。
【0006】
また、上記の製造方法は、第一エッチングおよび第二エッチングを、シャドウマスク材1の片面毎に行っているが、シャドウマスクの製造方法としてこの他に、シャドウマスク材1の両面から第一エッチングを行った後、一方の面のみに第二エッチングを行う方法もある。
【0007】
すなわち、開孔6よりシャドウマスク材1を露出した小孔レジスト膜2aと大孔レジスト膜2bとを表裏に有するシャドウマスク材1に、両面より第一エッチングを途中まで行い、図7(a)を得る。次いで、図7(b)に示すように、小孔側にエッチング防止層4を形成した後、大孔側より第二エッチングを行い、図7(c)に示すように、大孔側から小孔に貫通する開口5を形成する。次いで、エッチング防止層4およびレジスト膜2を剥膜除去する剥膜工程を行った後、不要部の断裁等を行いフラット型のシャドウマスクを得るものである。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
従来のシャドウマスクの製造においては、上述したようにシャドウマスク材1へのエッチング手段として、スプレーエッチングを用いるものであり、少なくともシャドウマスク材1の下方よりスプレーエッチングを行うものである。また一般的に、シャドウマスク材1は巻取りロールから供給された長尺帯状となっており、搬送手段、例えば複数設けられた搬送用ローラー9上を水平搬送されるものである。
【0009】
このため、従来のシャドウマスクの製造方法においては、シャドウマスク材1へのエッチングの際、以下の問題が生じるものである。
すなわち、シャドウマスク材1の下方よりスプレーエッチングを行った場合、搬送用ローラー9により搬送されるシャドウマスク材1が搬送用ローラー9を通過する際、図5に示すように、搬送用ローラー9がエッチング液7を遮ることになり、エッチング液7とシャドウマスク材1との接触が搬送用ローラー9により妨げられるものである。なお、図5中のレジスト膜2にはシャドウマスク材1を露出した開孔6が形成されているものであるが、図からは省略している。
【0010】
エッチング液7との接触を妨げられたシャドウマスク材1部位では、所望されるエッチングが行われないことになり、このため、シャドウマスク材1の下面ではエッチングが均一に行われず、部分的にエッチングが不均一になるエッチングムラとなっていた。その結果、エッチングで形成される開口5の形状が所望する形状とならず開口不良になるという問題が生じていたものである。ちなみに、開口不良の種類として、開口が所望される開口径より小さくなる孔小不良、開口の平面形状にカケた部位ができるカケ不良等があげられる。
【0011】
また、図5に示すように、シャドウマスク材1が搬送用ローラー9上を搬送されるため、シャドウマスク材1の下面で擦り傷が発生する問題もあった。
例えば、搬送用ローラー9の表面に、シャドウマスク材1より発生したレジスト膜片および、金属片等が異物として付着した場合、この異物とシャドウマスク材1の下面とが擦れ、また、搬送用ローラー9の表面とシャドウマスク材1の下面とが擦れることでシャドウマスク材1およびシャドウマスク材1に形成されたレジスト膜2に擦り傷が発生するものである。
【0012】
レジスト膜2部位に擦り傷が生じた場合、レジスト膜2より金属面が露出するか、または、レジスト膜厚が薄くなるため、エッチングの際、本来エッチング液7が接触してはならない部位で、エッチング液7がシャドウマスク材1に接触することになり、シャドウマスク材1は不要なエッチングがなされることになる。これにより、レジスト膜2部位、特にレジスト膜2の開孔6部位に擦り傷が生じた場合、エッチングで形成される開口5が開口不良となる問題が生じていたものである。
【0013】
本発明は、以上のような事情に鑑みなされたものであり、フォトエッチング法を用いたシャドウマスクの製造方法において、開口不良が生じず、品質の良いシャドウマスクが得られるシャドウマスクの製造方法を提供しようとするものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明に於いて上記課題を達成するために、まず請求項1においては、両面に所定パターンに従って一部金属面を露出させているレジスト膜が形成され、搬送手段上を略水平方向に搬送される長尺帯状のシャドウマスク金属素材の一方の面よりスプレーエッチングを行い、この一方の面の金属露出部分に凹部を形成する第一エッチング工程と、前記第一エッチング工程にて形成された凹部に樹脂を塗布してこの凹部内部に樹脂を充填、硬化しエッチング防止層を形成する工程と、前記エッチング防止層の設けられた面とは反対側のシャドウマスク金属素材のもう一方の面よりスプレーエッチングを行い、もう一方の面から前記一方の面に形成された凹部に通じる凹孔を形成し、金属素材を貫通した開口を得る第二エッチング工程と、前記エッチング防止層とレジスト膜を剥膜除去する剥膜工程とを少なくとも行うことで得られるシャドウマスクの製造方法において、
前記搬送手段がシャドウマスク金属素材の下面と接触する搬送用ローラーであり、前記レジスト膜の形成後、
シャドウマスク金属素材の前記一方の面を上面として、もう一方の面側に長尺帯状の保護フィルムを貼り付けた後に前記一方の面より第一エッチングを行った後、
前記一方の面側のレジスト膜を剥離した後、前記一方の面側にエッチング防止層を形成した後、
搬送されてくるシャドウマスク材のもう一方の面と接するように、第1の反転用ローラーにて、シャドウマスク材1の搬送方向を当初の搬送方向から90°の角度に折り曲げてシャドウマスク材を搬送し、次いで、第2の反転用ローラーにて、シャドウマスク材1を反転、折り返し、次いで、第3の反転用ローラーにて、90°の角度に折り曲げることで、上下面を反転させる3本の円筒状の反転ロールよりなる反転手段にて、
搬送されるシャドウマスク金属素材の上下面を反転させ、当初の搬送方向と略同一の方向に前記もう一方の面を上面としたシャドウマスクを搬送し、前記保護フィルムを剥離したうえで、前記もう一方の面より第二エッチングを行うことを特徴とするシャドウマスクの製造方法としたものである。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下に説明図を用い、本発明の実施の形態につき説明を行う。
図1において、シャドウマスク材1は巻取りロールから供給された長尺帯状の金属素材であって、前述した(従来の技術)の項に記した工程等に従い、図6(a)に示すように、開孔6よりシャドウマスク材1を露出した小孔レジスト膜2aと大孔レジスト膜2bが表裏に形成されているものである。また、本実施例では、シャドウマスク材1は紙面左から右に搬送用ローラー9上を略水平方向に搬送されている。なお、搬送用ローラー9は、駆動手段(図示せず)により回転することで、搬送用ローラー9上に載せたシャドウマスク材1を搬送し、複数本設けているものであるが、説明の都合上、数を省いて記している。
【0018】
ここで、本発明においては、まず、レジスト膜2が形成され、大孔レジスト膜2b側を下面にして搬送用ローラー9上を搬送されるシャドウマスク材1の大孔レジスト膜2b側に、図1および図2(a)に示すように、長尺帯状の保護フィルム8を貼り付ける。この保護フィルム8は、後述する第二エッチングの前までシャドウマスク材1に貼り付けたままとするものであり、保護フィルム8は、第一エッチングの際、大孔レジスト膜2b側にエッチング液7が接触し、大孔レジスト膜2b側で不要なエッチングが行われることを防止するとともに、後述するシャドウマスク材1の保護をするものである。
【0019】
なお、保護フィルム8の材質として、後述する第一剥膜工程11にてレジスト剥膜に用いられる剥膜液、例えば高温のアルカリ液に対し耐性をもつ柔軟性のある材質、例えば、ポリプロピレンまたはポリエチレン等とし、少なくともシャドウマスク材1と対向する面が粘着性を有することが望ましいといえる。
ちなみに、本実施例では保護フィルム8として、片面に粘着剤(日東電工(株)製、商品名「N360」)を有するポリプロピレン製のフィルムとし、供給ロール(図示せず)等より供給された長尺帯状の保護フィルム8を粘着剤によりシャドウマスク材1の大孔レジスト膜2b側に貼り付けたものである。
なお、保護フィルム8とシャドウマスク材1との密着を良くするため、圧着用ローラー(図示せず)等を保護フィルム8側に設け、圧力を掛けながら保護フィルム8をシャドウマスク材1に貼り付けることが望ましいといえる。
【0020】
続いて、図1および図2(b)に示すように、第一エッチングチャンバー10にて、小孔レジスト膜2a側すなわちシャドウマスク材1の上方より、塩化第二鉄液等をエッチング液7として用いたスプレーエッチングを行い、小孔レジスト膜2a側に小孔凹部3aを形成し、第一エッチングとする。
【0021】
次いで、図1に示すように、第一剥膜工程11にて、例えば90℃、濃度30%の苛性ソーダ水溶液等を剥膜液とし、スプレー法等を用い剥膜液を小孔レジスト膜2aに接触させ、小孔レジスト膜2aを剥膜し、図2(c)を得る。
この際、大孔レジスト膜2b側に貼り付けた保護フィルム8は、小孔レジスト膜2aの剥膜の際、大孔レジスト膜2b側に剥膜液が接触し、大孔レジスト膜2b側で不要な剥膜が行われることを防止する働きも持つものである。
【0022】
なお、小孔レジスト膜2aを剥膜することなく、後述するエッチング防止層4の形成を行っても構わないが、以下の理由により、小孔レジスト膜2aを剥膜後、エッチング防止層4を形成することが望ましいといえる。
【0023】
すなわち、第一エッチング工程において、図6(b)に示すように、小孔レジスト膜2aの開孔6a周辺のシャドウマスク材1はサイドエッチングを受け抉れた形状となり、小孔レジスト膜2aの開孔6a周辺は小孔凹部3aに対しオーバーハング状の庇16を形成している。
このレジスト膜の庇16が、シャドウマスク材1にエッチング防止層用の樹脂を充填する際、樹脂が凹部3a内に充填されることを妨げ、図4(a)に示すように気泡17が生じたエッチング防止層4が形成される原因となるものである。
【0024】
このエッチング防止層4に気泡17が生じた状態で、以下に記す大孔レジスト膜2b面側に第二エッチングを行うと、シャドウマスク材1を貫通した開口5が形成された段階で、気泡17内にエッチング液7が流入し不要なエッチングが行われ、図4(b)に示すように開口不良が生じるものである。このため、小孔レジスト膜2aを剥膜後エッチング防止層4を形成すれば、上述した庇16による気泡17が生じず、その結果、第二エッチングにおいて気泡17による開口不良が生じず、本課題を達成するための手段として有効となるものである。
【0025】
次いで、小孔レジスト膜2aの剥膜が行われたシャドウマスク材1は、図1に示すように、エッチング防止層形成手段13にて、グラビアコート法等の公知の手段により第一エッチングで形成された小孔凹部3aに樹脂を充填、硬化しエッチング防止層4を形成し、図2(d)を得る。なお、エッチング防止層4用の樹脂として光硬化型の樹脂を用いれば、小孔凹部3aに樹脂を充填後、樹脂に光照射を行うことで樹脂の硬化ができ、エッチング防止層形成に要する時間の短縮となるといえる。
【0026】
次いで、本発明においては、エッチング防止層4の形成工程後に、図1に示すように、略水平方向に搬送されるシャドウマスク材1の上下面を反転させる反転手段12を設けているものである。すなわち、小孔レジスト膜2a面側を上面にして略水平方向に搬送されるシャドウマスク材1は、反転手段12にて上下面が反転され、以後大孔レジスト膜2b面側を上面にして略水平方向に搬送され、以下に記す第二エッチングが行われるものであり、これが本発明の特徴となっている。
【0027】
まず、図1および図2(e)に示すように、反転手段12を出て上面となったシャドウマスク材1の大孔レジスト膜2b面側より、第一エッチング前に貼り付けた保護フィルム8を剥離する。
次いで、図1および図2(f)に示すように、第二エッチングチャンバー14にて、大孔レジスト膜2b側すなわちシャドウマスク材1の上方より、塩化第二鉄液等をエッチング液7として用いたスプレーエッチングを行い、小孔凹部3aに通じる大孔凹部を形成する第二エッチングを行い、シャドウマスク材1を貫通した開口5を得る。
【0028】
次いで、貫通した開口5が形成されたシャドウマスク材1は、従来通り剥膜工程にてレジスト膜2およびエッチング防止層4が剥膜除去された後、不要部の断裁等を行いフラット型のシャドウマスクを得るものである。
【0029】
ここで、上述した反転手段12として例えば、図8に示すように、建屋の2階でシャドウマスク材1の上方より第一エッチングを行い、シャドウマスク材1を2階から1階に搬送する際にU字状に曲げシャドウマスク材1の上下面を反転し、1階でシャドウマスク材1の上方より第二エッチングを行うことが考えられる。しかし、この建屋の1階と2階に設備を分ける方法は、大幅にスペースを必要とし、かつ、作業性が悪いものといえる。
【0030】
そこで、本発明者らは例えば以下の図3に示す反転手段12を提案するものである。
当初、シャドウマスク材1は、小孔側を上面にして搬送されてくる。
次いで、シャドウマスク材1の下となった面と接するように、シャドウマスク材1の搬送方向と45°の角度をもって設けた反転用ローラー 15aに沿って、シャドウマスク材1がひねられることで、シャドウマスク材1の搬送方向は曲げられ、図に示すように、当初の搬送方向から90°の角度の方向にシャドウマスク材1が搬送される。次いで、シャドウマスク材1の当初の搬送方向と平行、かつ、シャドウマスク材1の下となった面と接するように設けた反転用ローラー 15bにより、図に示すように、シャドウマスク材1の搬送方向は180°逆方向に曲げられる。次いで、反転用ローラー 15aの下方に、反転用ローラー 15aと90°の角度をなし、かつ、反転用ローラー 15bにより搬送方向が180°逆方向に反転させられたシャドウマスク材1の上となった面と接するよう設けた反転用ローラー 15cに沿って、シャドウマスク材1がひねられることで、シャドウマスク材1の搬送方向は90°曲げられ、図に示すように、当初の搬送方向と略同一の方向にシャドウマスク材1が向かう。この3本の円筒状の反転用ローラー15を用いた反転手段12における一連の操作により、シャドウマスク材1の小孔面側と大孔面側が上下反転するものであり、反転手段12を出たシャドウマスク材1は大孔側が上面となり以後の工程を搬送されるものである。
【0031】
上述の図3に記した3本の反転用ローラー15を用いた反転手段12を用いれば、極めて容易、かつ、スペースをとることなくシャドウマスク材1の小孔面側と大孔面側を反転することが可能となる。
【0032】
なお、本発明の実施の形態は、上述した図面および記述に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づき、種々の変形を行っても構わないことはいうまでもない。
【0033】
例えば、上述した説明においては、エッチング防止層4の形成後に、反転手段にてシャドウマスク材1の上下面を反転させているが、この順序を入替え、反転手段にてシャドウマスク材1の上下面を反転させた後、エッチング防止層4の形成を行っても構わない。
【0034】
以下に、本発明の他の実施例を、工程図を用い説明を行う。
すなわち、図6(a)に示すように、開孔6よりシャドウマスク材1を露出した小孔レジスト膜2aと大孔レジスト膜2bが表裏に形成され、大孔レジスト膜2b側を下面として搬送されるシャドウマスク材1の、下面となったシャドウマスク材1の大孔レジスト膜2b側に、図9(a)に示すように、長尺帯状の保護フィルム8を貼り付ける。
【0035】
続いて、図9(b)に示すように、第一エッチングチャンバー10にて、小孔レジスト膜2a側すなわちシャドウマスク材1の上方よりスプレーエッチングを行い、小孔レジスト膜2a側に小孔凹部3aを形成し、第一エッチングとする。
【0036】
次いで、スプレー法等を用い剥膜液を小孔レジスト膜2aに接触させ、小孔レジスト膜2aを剥膜し、図9(c)を得る。
【0037】
次いで、小孔レジスト膜2aの剥膜が行われたシャドウマスク材1を、上述した反転手段等を用いシャドウマスク材1の上下面を反転させた後、エッチング防止層形成手段にて、グラビアコート法等の公知の手段により第一エッチングで形成された小孔凹部3aに樹脂を充填、硬化しエッチング防止層4を形成し、図9(d)を得る。
【0038】
次いで、図9(e)に示すように、シャドウマスク材1の大孔レジスト膜2b面側より、第一エッチング前に貼り付けた保護フィルム8を剥離した後、図9(f)に示すように、大孔レジスト膜2b側すなわちシャドウマスク材1の上方より、スプレーエッチングを行い、小孔凹部3aに通じる大孔凹部を形成する第二エッチングを行い、シャドウマスク材1を貫通した開口5を得る。
【0039】
次いで、貫通した開口5が形成されたシャドウマスク材1より、従来通り剥膜工程にてレジスト膜2およびエッチング防止層4を剥膜除去した後、不要部の断裁等を行いフラット型のシャドウマスクを得るものである。
【0040】
上述した、本発明によるシャドウマスクの製造方法の要部を工程順に示した図2および図9に示すように、第一エッチングおよび第二エッチングはともに、略水平方向に搬送されるシャドウマスク材1の上方より行われるものである。これにより、従来のように、搬送用ローラー9によりエッチング液7が遮られること無く、シャドウマスク材1の上面では、均一にエッチング液が接触することになり、所望されるエッチングが行われることとなる。
【0041】
また、図2および図9に示すように、レジスト膜2が形成された後、レジスト膜およびエッチング防止層エッチング防止層4が剥膜除去されるまでの工程の間、シャドウマスク材1の下となった面はほぼ保護されているものである。
すなわち、図2(a)〜(d)および図9(a)〜(c)に示すように、反転手段12までは、シャドウマスク材1の下面には保護フィルム8が貼られており、また、反転手段12以降は、図2(e)〜(f)および図9(d)〜(f)に示すように、シャドウマスク材1の下となった面にはエッチング防止層4が形成されている。この保護フィルム8およびエッチング防止層4が、シャドウマスク材1の下となった面を保護しているものである。これにより、シャドウマスク材1の下部に設けられた搬送用ローラー9および、搬送用ローラー9の表面に付着した異物とシャドウマスク材1とが擦れ、シャドウマスク材1、特にシャドウマスク材1に形成されたレジスト膜2に擦り傷が生じることを、保護フィルム8またはエッチング防止層4が防止するものである。
【0042】
【発明の効果】
上述したように、本発明によるシャドウマスクの製造方法においては、第一エッチングおよび第二エッチングはともに、略水平方向に搬送されるシャドウマスク材1の上方より行われるものである。このため、従来のように、搬送用ローラーによりエッチング液が遮られること無く、シャドウマスク材1の上面では、均一にエッチング液が接触することになり、所望されるエッチングが行われることとなる。
【0043】
このため、従来のシャドウマスクの製造方法で生じていた、搬送用ローラーがエッチング液を遮るためシャドウマスク材1の下面でエッチングが均一に行われず、部分的にエッチングが不均一になるエッチングムラとなり、その結果、エッチングで形成される開口の形状が所望する形状とならず開口不良になるという問題を防止できる。
【0044】
また、本発明によるシャドウマスクの製造方法においては、レジスト膜2が形成された後、レジスト膜およびエッチング防止層が剥膜除去されるまでの工程の間、シャドウマスク材1の下面は保護フィルムまたはエッチング防止層によりほぼ保護されているものである。このため、シャドウマスク材1の下部に設けられた搬送用ローラーおよび、搬送用ローラーの表面に付着した異物とシャドウマスク材1とが擦れ、シャドウマスク材1、特にシャドウマスク材1の形成されたレジスト膜に擦り傷が生じることを、保護フィルムまたはエッチング防止層が防止するものである。
【0045】
このため、従来のシャドウマスクの製造方法で生じていた、搬送用ローラーおよび、搬送用ローラーの表面に付着した異物と接触することで、シャドウマスク材1、特にレジスト膜2に付いたスリ傷を原因とし、本来エッチング液が接触してはならない部位で、エッチング液がシャドウマスク材1に接触し開口不良となる問題を防止できるものである。
以上のように、本発明は、開口不良の無い、品質の良いシャドウマスクを得る上で実用上優れているといえる。
【0046】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のシャドウマスクの製造方法の一実施例の要部を示す説明図。
【図2】(a)〜(f)は本発明のシャドウマスクの製造方法の一実施例の要部を工程順に示す断面説明図。
【図3】本発明に用いる、シャドウマスク材の反転手段の一実施例を示す説明図。
【図4】(a)〜(b)はエッチング防止層に発生した気泡による開口不良の一例を工程順に示す断面説明図。
【図5】従来のシャドウマスクの製造方法の要部の一例を示す説明図。
【図6】(a)〜(e)は従来のシャドウマスクの製造方法の一例を工程順に示す説明図。
【図7】(a)〜(c)は従来のシャドウマスクの製造方法の他の例を工程順に示す説明図。
【図8】シャドウマスク材の反転手段の他の実施例を示す説明図。
【図9】(a)〜(f)は本発明のシャドウマスクの製造方法の他の実施例の要部を工程順に示す断面説明図。
【符号の説明】
1 シャドウマスク材
2 レジスト膜
3 凹部
4 エッチング防止層
5 開口
6 開孔
7 エッチング液
8 フィルム
9 搬送用ローラー
10 第一エッチングチャンバー
11 第一剥膜工程
12 反転手段
13 エッチング防止層形成手段
14 第二エッチングチャンバー
15 反転用ローラー
16 庇
17 気泡
Claims (1)
- 両面に所定パターンに従って一部金属面を露出させているレジスト膜が形成され、搬送手段上を略水平方向に搬送される長尺帯状のシャドウマスク金属素材の一方の面よりスプレーエッチングを行い、
この一方の面の金属露出部分に凹部を形成する第一エッチング工程と、
前記第一エッチング工程にて形成された凹部に樹脂を塗布してこの凹部内部に樹脂を充填、硬化しエッチング防止層を形成する工程と、
前記エッチング防止層の設けられた面とは反対側のシャドウマスク金属素材のもう一方の面よりスプレーエッチングを行い、もう一方の面から前記一方の面に形成された凹部に通じる凹孔を形成し、金属素材を貫通した開口を得る第二エッチング工程と、
前記エッチング防止層とレジスト膜を剥膜除去する剥膜工程とを少なくとも行うことで得られるシャドウマスクの製造方法において、
前記搬送手段がシャドウマスク金属素材の下面と接触する搬送用ローラーであり、前記レジスト膜の形成後、
シャドウマスク金属素材の前記一方の面を上面として、もう一方の面側に長尺帯状の保護フィルムを貼り付けた後に前記一方の面より第一エッチングを行った後、
前記一方の面側のレジスト膜を剥離した後、前記一方の面側にエッチング防止層を形成した後、
搬送されてくるシャドウマスク材のもう一方の面と接するように、第1の反転用ローラーにて、シャドウマスク材1の搬送方向を当初の搬送方向から90°の角度に折り曲げてシャドウマスク材を搬送し、次いで、第2の反転用ローラーにて、シャドウマスク材1を反転、折り返し、次いで、第3の反転用ローラーにて、90°の角度に折り曲げることで、上下面を反転させる3本の円筒状の反転ロールよりなる反転手段にて、
搬送されるシャドウマスク金属素材の上下面を反転させ、
当初の搬送方向と略同一の方向に前記もう一方の面を上面としたシャドウマスクを搬送し、
前記保護フィルムを剥離したうえで、前記もう一方の面より第二エッチングを行うことを特徴とするシャドウマスクの製造方法。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP31257895A JP4030604B2 (ja) | 1995-11-30 | 1995-11-30 | シャドウマスクの製造方法 |
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