JP4030212B2 - 増粘多糖類素材、その製造法及びこれを含有する飲食品 - Google Patents

増粘多糖類素材、その製造法及びこれを含有する飲食品 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、摂取しやすい性状にした生理活性のある増粘多糖類素材、その製造法及びこれを含有する飲食品に関する。
【0002】
【従来の技術】
食品に添加される増粘多糖類には、ペクチン、グアーガム、ローカストビーンガム、タラガム、タマリンド種子ガム、グルコマンナン、キサンタンガム、アルギン酸、アルギン酸アルカリ金属塩、カルボキシメチルセルロース、カラギーナン、寒天、ファーセレラン、キチン、キトサン、プルラン等が知られている。これらの多糖類は、食品工業において食品添加物もしくは食品素材として用いられている。特に、ゲル化剤、増粘剤、安定剤等として広く用いられている。
さらに、これらは食物繊維であるので、血中コレステロール濃度低下作用、耐糖能、便通改善、免疫増強、解毒作用などの様々な生理活性が報告され、医薬や健康食品の分野で用いられているものもある。
しかし、このような生理活性を期待してこれを粉末のまま直接摂取しようとすると、多くの増粘多糖類は口中の水分を吸収して急激に水和し増粘するので、口中の内壁にへばりつき、液体で流し込むことは困難であった。そこで、このような問題を解決するために、増粘多糖類をカプセルに封じ込めたりあるいは飲食品中に添加して摂取することが行なわれている。しかし、このようにして生理活性が奏される程の多量の増粘多糖類を摂取するためには、多量のカプセルを摂取しなければならず、また飲料中に溶解させるとその粘度が増加し、食感が変化し、多くの場合不快感を伴ない、実質的に生理活性を奏する程度の量の増粘多糖類を摂取することは困難であった。
【0003】
そこで、増粘多糖類を低分子化して粘度を低下させて摂取しやすくする方法が考えられた。例えば、ペクチンを例にとると、ペクチンを低分子化する方法として、ペクチンを高温酸加水分解する方法(特開平10-4894 号公報) 、アルカリ性塩基によるβ脱離処理する方法、酵素や微生物などにより分解処理する方法 (特開平6-169724号公報、特開平6-169769号公報、特開平5-192108号公報) 、酸化剤を用いた酸化的脱重合する方法等が知られている。これらの方法はペクチンを溶液あるいは懸濁液として処理を行なう方法であるので、得られる製品を液状で使用しない限り粉末化工程を行なう必要があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、従来のペクチンその他の増粘多糖類のこのような問題点を解決することを期してなされたものである。すなわち、本発明は、増粘多糖類の生理活性作用を変えることなく、摂取しやすい性状に加工した、生理活性のある増粘多糖類素材、その製造法及びそれを含有する飲食品を提供することを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記課題を解決するために鋭意研究を行なったところ、増粘多糖類、特にペクチンを粉末のまま無水条件下で加熱すると、ペクチンの粘度が低下し、摂取しやすい性状となることを見出した。
そして、さらに検討を重ねたところ、増粘多糖類粉末もしくはこれに固形の糖含有物を加えて、粉末のまま無水条件下で加熱すると、固形の糖含有物中の糖が溶融し、これが増粘多糖類粉末の周囲を取りまいて顆粒状ないしフレーク状もしくは塊状となり、これらを砕いて服用すると、大変飲み込みやすくなり、また室温に冷却すると、クリスピー感のある粘り気の少ない、香ばしい香りのある増粘多糖類素材が得られることを見出して本発明をなすに至った。
【0006】
すなわち、本発明は、増粘多糖類粉末もしくはこれに固形の糖含有物を加え、粉末のまま無水条件下で加熱処理して得ることのできる、増粘多糖類単体からなるかあるいはその周囲に糖含有物が付着している増粘多糖類素材に関する。
また、本発明は、増粘多糖類粉末もしくはこれに固形の糖含有物を加え、粉末のまま無水条件下で加熱することを特徴とする、増粘多糖類単体からなるかあるいはその周囲に糖含有物が付着している増粘多糖類素材の製造法に関する。
本発明における粉末のまま無水条件下での加熱は、鉄板等の熱伝導性の高い金属板上で加熱、好ましくは攪拌を伴なって加熱する方法、真空包装してレトルトで加熱する方法、エクストルーダーで加熱する方法等を挙げることができる。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明における増粘多糖類には、従来知られている食品用の増粘多糖類のいずれのものでも使用できる。このような増粘多糖類としては、ペクチン、グアーガム、ローカストビーンガム、タラガム、タマリンド種子ガム、グルコマンナン、キサンタンガム、アルギン酸、アルギン酸アルカリ金属塩、カルボキシメチルセルロース、カラギーナン、寒天、ファーセレラン、キチン、キトサン、プルラン等がある。これらは粉末の形で用いられる。
これらのなかで好ましい増粘多糖類としては、ペクチンがある。ペクチンは、粉末状のものであるなら、柑橘系、リンゴ系等の起源、エステル化度、アミド基の割合等限定するものではない。市販のペクチンは、一般に、ゲル化力、粘度、安定化能等の品質を一定にするため、ブドウ糖やショ糖を添加して標準化している。本発明においては、このように標準化が行なわれているものであってもあるいは標準化されていないものであっても用いられる。
【0008】
増粘多糖類に添加される糖含有物として、粉末の糖類、粉末果汁、乾燥果実粉砕物等の固形の糖含有物が用いられる。粉末の糖類には、ブドウ糖、ショ糖、果糖、乳糖、ガラクトース、麦芽糖等が用いられる。
増粘多糖類粉末に添加される糖含有物の添加量は、増粘多糖類粉末が標準化されていなくて(したがって、他の糖類を含まず)、かつ粉末の糖類のみを添加する場合は、全体に対し10〜90重量%が望ましいが、この添加量は、増粘多糖類の標準化として含まれる糖類の量や、糖含有物の組成、その他添加されるものによって適宜調整される。
増粘多糖類粉末もしくはこれに固形の糖含有物を加え、粉末のまま無水条件下での加熱処理は、糖含有物中の糖の融点以上の温度でかつ増粘多糖類や糖含有物の品質を損なわない温度以下で行なうことが好ましい。糖の融点は、ブドウ糖 (α-D- グルコピラノース、無水) 146.5 ℃、ショ糖160 ℃、果糖104 ℃、乳糖 (α型) 202 ℃、ガラクトース (無水) 167 ℃、麦芽糖 103℃であるので、糖含有物中に含まれる糖の種類によって加熱温度を選択することができる。
【0009】
加熱手段は、前記のように増粘多糖類粉末あるいはそれに固形の糖含有物を加え、無水条件下で加熱する。無水条件下での加熱は、鉄板等の熱伝導性の高い金属板上で加熱する方法、好ましくは、攪拌を伴なって加熱する方法、真空包装してレトルトで加熱する方法、エクストルーダーで加熱する方法等を挙げることができる。
例えば、増粘多糖類の1例としてペクチンを例にとって説明すると、ブドウ糖を加えて標準化してある粉末状のペクチンを、鉄板上で攪拌しながら 140℃で加熱すると顆粒化され、160 ℃以上で加熱するとフレーク状となる。これは標準化のために添加したブドウ糖が溶け、ペクチンの周囲を取り巻くためである。そして、これを室温に戻すと、クリスピー感のある粘り気の少ない、香ばしい香りのあるペクチン素材になる。そして口中の水分で急激に吸水するのをペクチンを取り巻いた糖が防ぐため、粘り気が発現するのを大きく遅延する。したがって、標準化してあるペクチンを用いると、配合されている糖の量や加熱条件によって得られるペクチン素材の形状が異なる。
また、糖を添加して標準化していないペクチン(純ペクチン)を用いる場合には、一例としてブドウ糖を添加し、鉄板上で攪拌しながら 160℃で加熱すると、ブドウ糖の添加量が全体の30%までのとき顆粒化し、35〜50%ではフレーク状となり、55〜60%は一つの塊になり、65%以上では糖が流れて水飴状となる。これらを室温まで冷却すると、そのままの形で固まる。したがって、標準化していないペクチンを用いると、添加する糖の量によって加熱処理後のペクチン素材の形状が異なる。
このように本発明においては、増粘多糖類素材(上記の例ではペクチン単体の周囲にブドウ糖が付着しているペクチン素材)の形状として、粉末状、顆粒状、粒状、フレーク状等のいろいろな形状のものを得ることができる。
【0010】
さらにまた、糖を添加して標準化していない粉末状のペクチンを単独で用いると、前記の加熱により粉末状のペクチン素材が得られるが、このものは、ペクチンの粘度がいちじるしく低下し、口中に入れてもへばりつき感がなく、また水または水性媒体に溶解してもほとんど粘度が上昇しないので、これをそのまま多量に摂取することもできるし、また他の飲食品に食品素材として多量に添加することもできる。
なお、本発明における粘度は、口中に入れたときあるいは水または水性媒体中に溶解させたときの粘度をいう。本発明では、便宜的に、2%ペクチン粉末水溶液の25℃における粘度を粘度計で測定したときの粘度(cps) で示す。
これらのペクチン素材は、乾燥果実粉砕物を添加して加熱すると、フルーティーな好ましい風味になり、より摂取しやすくなる。
【0011】
さらに風味付けとして、粉末調味料、粉末香辛料、粉末甘味料を、着色のために粉末色素を添加して加熱してもよい。またその他の水溶性食物繊維、不溶性食物繊維、穀粉、蛋白質等の粉末を必要に応じ混合してから加熱することにより、食感の変化と生理活性の付与がなされる。
これらは、ペクチンばかりではなく、その他の増粘多糖類を用いた場合も同様である。
【0012】
本発明の増粘多糖類素材は新規なものであって、生理活性作用発現のために必要な量を、水と一緒にあるいはそのままでも、容易に摂取することができ、また常法により食品に多量に添加しても、既存の増粘多糖類より粘度が低く、好ましい食感になる。このような食品としては、コーンフレークス、クランチチョコレート、クッキーあるいは調理食品、飲料等を挙げることができる。
【0013】
次に本発明の実施例を示す。以下の実施例は本発明を具体化した好ましい例を示すだけであって、本発明はこれら実施例に限定して解釈されるべきではない。
【実施例1】
標準化の糖が加えられていないペクチン UNIPECTINE BROWN NF(SKWバイオシステムズ社製) 6gを、熱源のある鉄板に粉末のまま載せ、攪拌しながら、表1に示す所定の温度及び時間で加熱した。加熱後得られたペクチン粉末を5g とり、245gのイオン交換水に分散し、85℃に加熱して溶解させ、25℃に冷却した。このようにして得られたペクチン粉末の2%溶液の粘度をB型粘度計で測定した。使用したローターはNo.1、回転数60rpm で1分後の粘度を測定した。表1に、加熱処理条件、2%溶液粘度及び分子量を示した。
【0014】
【表1】
Figure 0004030212
【0015】
表1にみられるように、加熱時間が長いほど、加熱温度が高いほど粘度が低下した。しかし、230 ℃、3分の加熱では粉末の色がこげ茶色となり、また粘度も非常に低くなり食物繊維の性状を失っているので、加熱は 140〜200 ℃で3〜4分が適当であると判断された。
【0016】
【実施例2】
ブトウ糖で標準化してあるペクチン UNIPECTINE QC40(SKW バイオシステムズ社製:ブドウ糖約40%含有)を6g、熱源上に載置してある鉄板に粉末のまま載せて、攪拌しながら、表2に示される所定の温度で3分間加熱した。
加熱後の粉末を5g とり、245gのイオン交換水に分散し、85℃まで加熱して溶解させ、25℃まで冷却し、この2%溶液の粘度をB型粘度計で測定した。使用したローターはNo.1、回転数60rpm で1分後の粘度を測定した。この粘度を表2に示す。また、室温まで冷却したときのペクチン素材の性状も表2に示す。
【0017】
【表2】
Figure 0004030212
【0018】
160 ℃と180 ℃で加熱したものは、クリスピー感があり、粘り気が少なく、香ばしい香りがした。また、口の中に入れると未処理のものは急激に吸水し、口中に張り付くが、160 ℃と180 ℃で加熱処理したのは、口中に入れると粘り気が発現するまで時間を要し、容易に水で飲み込むことができた。
さらに、前記ペクチン (QC40) の未処理物、140 ℃加熱物及び160 ℃加熱物をそれぞれステンレス製スプーン (巾11mm) に載せ、室温のイオン交換水をたらして全体を湿らせ、30秒放置後、水槽に漬けて激しく5秒間振り、試料のスプーンに残っているかどうか判定した。その結果を表3に示した。
【0019】
【表3】
Figure 0004030212
【0020】
【実施例3】
ブドウ糖で標準化してあるペクチンUNIPECTINE AYD30 (SKW バイオシステムズ社製)(ブドウ糖約30%含量) を、レトルト用包材に入れて厚さ5 mmになるように真空包装し、120 ℃で20分と120 ℃で40分のレトルト処理をそれぞれ行なった。レトルト処理後室温まで冷却したものは、全体が固まっているので、これを粉砕して25℃での2%溶液の粘度と、HPLCを用いた分子量と、エステル化度の測定とを行なった。HPLCによる分子量の測定は、カラム Shodex Ionpak KS-804 、溶媒 0.05M-NaCl を用い、プルラン標準品の検量線から算出した。その結果を表4に示す。
【0021】
【表4】
Figure 0004030212
【0022】
【実施例4】
ペクチン UNIPECTINE QC40を、同方向回転二軸エクストルーダー (末広鉄工社製) に粉末のまま投入し、バレル温度 170℃、回転数15rpm で滞留時間を3分になるようにし、ダイは取り付けずに開放系で処理した。処理量は5kg/ 時間であった。処理されたものはクリスピーなフレーク状のものになり、口中に入れても粘り気が生ぜず、水とともに容易に飲み込むことができた。
【0023】
【実施例5】
ブドウ糖で標準化してあるペクチンUNIPECTINE XP50F(SKW バイオシステムズ社製: ブドウ糖約50%含有)を実施例4のエクストルーダーに投入し、バレル温度 140℃、回転数15rpm で滞留時間を3.5 分になるようにし、口径 2mmのダイを取り付けて処理した。処理量は5.5kg/時間であった。ペクチンはダイの孔から太線状となって押し出されるので出口で適宜にカッティングし、直径約 2mmで幅も 2mm程度の粒状 (円柱状) のペクチン素材を得た。このペクチン粒の表面には溶融したブドウ糖の被膜がコーティングされてあり、口中に入れても粘り気が生ぜず、水を用いなくても容易に飲み込むことができた。
【0024】
【実施例6】
標準化されていないペクチンUNIPECTINE BROWN NF 粉末 9〜1gにブドウ糖粉末1〜9g を添加し、鉄板上で攪拌しながら 160℃で加熱すると、ブドウ糖の添加の量が全体の30%までのときは顆粒状となり、35〜50%ではフレーク状、55〜60%では一つの塊になり、65%以上では糖が流れて水飴状になった。これらを室温まで冷却すると、いずれもペクチン単体粉末の周囲にブドウ糖が付着してこれらの形状のまま固まった。顆粒状、フレーク状のものはそのままで、塊状、水飴状に固まったものは粉砕して使用した。これらを口中に入れても粘り気が生ぜず、水とともに又は水を用いなくても、容易に飲み込むことができた。
【0025】
【実施例7】
ペクチンUNIPECTINE AYD30粉末50部と、アップル果汁粉末 (雪印食品 (株) 販売) 20部、およびアップルファイバー(雪印食品 (株) 販売)30部を、160 ℃の加熱鉄板上で攪拌しながら3分間加熱処理し、室温まで冷却した。得られた製品は、実施例6と同様の性状を呈し、クリスピーな香りがあるフルーティなペクチン素材となった。これを口中に入れても粘り気が生ぜず、水とともに容易に飲み込むことができた。
【0026】
【実施例8】
グアーガム VIDOGUM GHK 175 (ユニペクチン社製) 粉末70部とブドウ糖粉末30部とを混合し、160 ℃の鉄板上で攪拌しながら3分間加熱した。この結果、ブドウ糖がグアーガム単体の周囲に付着した顆粒状の素材が形成された。この顆粒状グアーガムは粘りの発現が遅く、水を用いなくても摂取しやすいものとなった。
【0027】
【実施例9】
キサンタンガム SATIAXANE CX90(SKW バイオシステムズ社製) 粉末50重量部とブドウ糖粉末50重量部とを混合し、 160℃の鉄板上で攪拌しながら3分間加熱した。この結果ブドウ糖がキサンタンガム単体の周囲に付着したフレーク状の素材が形成された。このフレーク状キサンタンガム素材を口に含むと粘りの発現が遅く、水とともに又は水を用いなくても、摂取しやすいものとなった。
【0028】
【実施例10】
実施例2のブドウ糖で標準化してあるペクチン UNIPECTINE QC40を 180℃で3分加熱したもの6g を、45℃で溶解したチョコレート10g と混ぜ、型に入れて冷却した。同様に未処理のペクチン UNIPECTINE QC40を入れたものと比較した。その結果を表5に示す。
【0029】
【表5】
Figure 0004030212
【0030】
【実施例11】
実施例3のブドウ糖で標準化してあるペクチン UNIPECTINE AYD30 を 120℃、40分レトルト処理したペクチン素材と未処理のペクチン粉末 UNIPECTINE AYD30 を用いて、それぞれ、クッキーを作り比較した。この原料の配合を表6に示す。
【0031】
【表6】
Figure 0004030212
【0032】
クッキーの製造法は、バターと砂糖を混ぜホイップさせながら卵を入れ、十分にホイップしたところで薄力粉とペクチンとチーズパウダーを混ぜたものを混合し、成型し、 185℃で15分焼成してクッキーを得た。得られた製品の性状を表7に示す。
【0033】
【表7】
Figure 0004030212
【0034】
【実施例12】
実施例3のブドウ糖で標準化してあるペクチン UNIPECTINE AYD30 を 120℃、40分レトルト処理したペクチン素材を用いて、表8の配合にしたがってグレープフルーツ果汁飲料を調製し、喉ごしのよい飲料を得ることができた。
【0035】
【表8】
Figure 0004030212
【0036】
【発明の効果】
本発明によると、粘度が低く、口中に入れても粘り気の発現が遅く、水とともに又は水を用いなくても、容易に飲み込みあるいは嚥下することのできる増粘多糖類素材を得ることができる。本発明の増粘多糖類素材は、食物繊維を含有しているので、食物繊維の生理活性作用の発現を目的として多量に投与することができる。しかも糖類及びその他の成分が添加されていると摂取し易いものとなる。また本発明の増粘多糖類素材は、固形の糖含有物を併用した場合には、その周囲に糖が付着して、飲みやすくなる。
さらに、本発明では、増粘多糖類素材の形状を粉末状、顆粒状、粒状、フレーク状あるいはこれらの混合物等目的に応じて種々に変えることができる。
また、本発明の増粘多糖類素材を飲食品に添加すると、その粘度上昇を抑制することができるので、食物繊維の摂取を目的として、本発明の増粘多糖類素材を多量に摂取することができる。

Claims (12)

  1. 増粘多糖類粉末に固形の糖含有物を加え、粉末のまま無水条件下で糖の溶融温度以上で加熱処理して得ることができる、増粘多糖類の周囲に糖含有物が付着してなる増粘多糖類素材。
  2. 増粘多糖類がペクチンである請求項1に記載の増粘多糖類素材。
  3. 固形の糖含有物が、粉末の糖類、粉末果汁及び乾燥果実粉砕物よりなる群から選択される少なくとも1種である請求項1または2に記載の増粘多糖類素材。
  4. 増粘多糖類単体が、粉末状、顆粒状、粒状、フレーク状のいずれかであるかあるいはこれらの混合物である請求項1〜3のいずれかに記載の増粘多糖類素材。
  5. 増粘多糖類粉末に固形の糖含有物を加え、粉末のまま無水条件下で糖の溶融温度以上で加熱することを特徴とする増粘多糖類の周囲に糖含有物が付着してなる増粘多糖類素材の製造法。
  6. 無水条件での加熱を、熱伝導性の高い金属板上で攪拌を伴って行なう請求項5に記載の製造法。
  7. 無水条件での加熱を、増粘多糖類粉末を真空包装し、レトルト加熱することによって行なう請求項5に記載の製造法。
  8. 無水条件での加熱をエクストルーダーで行なう請求項5に記載の製造法。
  9. 増粘多糖類がペクチンである請求項5〜9のいずれかに記載の製造法。
  10. 固形の糖含有物が、粉末の糖類、粉末果汁及び乾燥果実粉砕物よりなる群から選択される少なくとも1種である請求項5〜のいずれかに記載の製造法。
  11. 増粘多糖類単体が、粉末状、顆粒状、粒状、フレーク状のいずれかであるかあるいはこれらの混合物である請求項5〜1のいずれかに記載の製造法。
  12. 請求項1〜4のいずれかに記載の増粘多糖類素材を含有せしめてなる飲食品。
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