JP4029985B2 - 馬鈴薯食品素材、それを用いた馬鈴薯食品および馬鈴薯食品素材の製造方法 - Google Patents

馬鈴薯食品素材、それを用いた馬鈴薯食品および馬鈴薯食品素材の製造方法 Download PDF

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本発明は、風味、食感の改善された馬鈴薯食品素材それを用いた馬鈴薯食品および馬鈴薯食品素材の製造方法に関するものである。
馬鈴薯はナス科の多年草で、南米の標高3000〜4000mの中央アンデス高地が原産と言われている。その栽培の起源は古く、原産地のアンデスでは、インカ文明より1000年以上も前に栽培されていたという記録がある。ヨーロッパにもたらされた当初は花の観賞用植物として栽培されていたが、冷涼な気候でも丈夫に育ち、地中に塊茎を産することから救荒作物などとして、18世紀後半には麦、イネ、大豆と並ぶ主要作物となった。
世界に広く栽培されている馬鈴薯はSolanum tuberosum ssp. tuberosum L.で、染色体数が2n=48の4倍体種である。しかし、原産地のアンデス高原では2倍体から5倍体の種が栽培されている。これらは1700種以上にもおよび、種々の形状や色のものがある。これらは、普通栽培種の祖先や、同一起源の近縁種で、4倍体のSolanum tuberosum ssp. tuberosum L.や2倍体のS. phureja Juz. et Bukなどがある。
このように、馬鈴薯にはバラエティーに富んだ非常に多くの品種・系統があるが、サツマイモに比べ主食やおかずとして食されることが多く、嗜好品の菓子、ケーキ、菓子パン等に使用されることはほとんどない。その主な理由は、馬鈴薯がデンプンからマルトースを生成するために必要なβ―アミラーゼをほとんど持っておらず、加熱調理過程での糖化がほとんど進まないため、嗜好品の必須条件である甘さがほとんど付与されないからであると考えられる。
また、馬鈴薯、サツマイモ等の芋類は、全般に、パン類、麺類等の代表的小麦粉食品には、他の主要食材に比べほとんど利用されておらず、多量に使用される場合には、芋類から分離精製されたデンプンとして利用されることがほとんどである。その理由は、芋類をマッシュや乾燥粉末等として小麦粉食品に添加した場合、糊化したデンプンや各種多糖類が小麦粉食品の品質を著しく低下させるからであると言われている。この品質低下については、生の芋の粉砕物を添加すればある程度抑制できるが、褐変酵素により粉砕物が短時間に変色し、小麦粉食品の色相が著しく低下するという新たな問題が生じる。
このように馬鈴薯のケーキ類等嗜好性食品、小麦粉食品への利用については、多くのクリヤーしなければならない課題があるため、これまで十分な技術が開発されていないのが現状である。そのため、これまでに開示された技術としては、特許文献1、特許文献2、特許文献3、特許文献4等の特殊な馬鈴薯品種・系統を上記食品に利用する方法、馬鈴薯を飲料に利用する特許文献5等があるのみで、馬鈴薯を用いた高品質の嗜好性食品や小麦粉食品を製造する技術はほとんど確立していないのが現状である。
特開2003−33152号公報 特開2003−159025号公報 特開平10−229260号公報 特開平7−313086号公報 特開平11−206346号公報
このような状況から、本発明では馬鈴薯の嗜好性食品、小麦粉食品への利用性を高め、主食やおかず以外の高付加価値食品への馬鈴薯の需要拡大を達成するための馬鈴薯加工素材とそれを用いた高品質の各種嗜好性食品と小麦粉食品を提供するものである。
本発明者らは、上記の課題を解決するため、馬鈴薯マッシュにアミラーゼ類を多量に含む芋類、穀物の粉末や市販アミラーゼ類等を添加して、適度に反応させ馬鈴薯中のデンプン等を適度に分解処理することによる風味、食感の改善された馬鈴薯食材の開発とそれを用いた高品質の嗜好性食品、小麦粉食品の開発について、鋭意研究した結果本発明を完成した。即ち、上記の適度にデンプン等を分解した馬鈴薯食品素材を用いることによって、これまで製造が困難であった馬鈴薯を多量に添加した高品質の菓子類、パン類、麺類が得られることを発見し、本発明を完成した。
本発明の各種農作物粉末や酵素剤を用いて処理された馬鈴薯食品素材を用いることによって、従来高品質な馬鈴薯添加食品(主に菓子類、パン類、麺類)の製造が困難であった食品において、飛躍的に高品質の食品を製造することが可能になった。これまで、加熱処理された糊化デンプンを含有する馬鈴薯の食品への用途は、菓子類、パン類、麺類等の品質を著しく低下させるためにかなり限定されていたが、本発明の技術により、これまで利用されていなかった馬鈴薯の各種食品(主に菓子類、パン類、麺類)への利用が可能になり、主に国産馬鈴薯の需要拡大と馬鈴薯を用いた高品質の各種食品の開発に多大な寄与が期待できる。
本発明でいう馬鈴薯とは、現状の普通栽培種Solanum tuberosum ssp. tuberosum L. 、S. tuberosum ssp. andigena L.、S. phureja Juz. et Bukのような普通栽培種及び異種栽培種、あるいはそれらを基に交配育種し、嗜好性、耐病性、収量性等の実用形質の改良を進めた品種・系統のいずれも包含し特に限定はしないが、本発明の馬鈴薯食品素材やそれを用いた嗜好性食品や小麦粉食品に適する馬鈴薯としては、通常の馬鈴薯より芋風味の薄い品種・系統が適しており、具体的品種・系統としては、「インカのめざめ」、「北海92号」「さやか」等を挙げることができる。
本発明の馬鈴薯食品素材の形態としては、加熱後マッシュした馬鈴薯に適当量の芋類や穀物の粉末、アミラーゼ剤を添加し良く混合後適当な時間反応させ適度にデンプン等を分解したものであれば特に限定は無く、殺菌処理した常温流通品、冷凍品、冷蔵品、乾燥品等いずれの形態でもよい。
デンプン等の反応温度、時間は添加する芋類や穀物の粉末、アミラーゼ剤の活性、特性に大きく依存するが、雑菌等繁殖を抑制するため短時間での処理が好適であり、通常、40〜80℃、30分〜4時間が好適であり、更に好ましくは60〜70℃、1〜2時間である。これより低いと十分な分解の効果が得られず、高すぎると酵素が失活し効果が低下すると共に馬鈴薯の変色等の問題が生じる。芋類や穀物の粉末、アミラーゼ剤の好適な添加量は、馬鈴薯マッシュ100g当たりβ―アミラーゼ活性(メガザイム製β―アミラーゼ活性測定キットによる活性値(U))が500〜5000Uの範囲が適当であり、更に好ましくは80〜4000Uの範囲である。この範囲以下であると十分な効果が発揮されず、これ以上だと馬鈴薯の過度の液状化が進行し弊害が生じる。いずれにしろ、反応温度、時間、粉末の添加等は処理条件、得られた製品の状態等を勘案し、処理効果の最も大きい条件を適当に個々のケースで決定すればよい。
芋類、穀物粉末調製用の作物としては、サツマイモ、小麦、大麦、ライ麦、ライ小麦、粟、稗、黍、普通そば、ダッタンそば、とうもろこし等を挙げることができるが、特に限定はなく、一定量以上のβ―アミラーゼ活性を有するものであれば、いずれも使用可能である。通常使用する粉末としては、入手が簡単で馬鈴薯サンプルの本来の風味、色相に大きな影響を与えないサツマイモ、小麦、大麦からの粉末が好適である。小麦、大麦については、粉末化の前に発芽処理して酵素活性を向上させたサンプルを使用すれば添加量を低減でき更に好ましい結果が得られる。β―アミラーゼ剤としては、天野製薬(株)製の、ビオザイムM、ビオザイムM5、ビオザイムML、ナガセケムテックス(株)製のβ−アミラーゼ♯1500S、β−アミラーゼL等を上げることができるが、β−アミラーゼ活性を含有する酵素剤であればいずれの酵素剤も使用でき、特に限定はない。
本発明の馬鈴薯食品素材を用いた代表的食品としては、菓子類、パン類、麺類を挙げることができるが、食品の種類に特に限定はない。例えば菓子類としては、ホットケーキ、スポンジケーキ、シフォンケーキ、ドーナツ、パイ、ビスケット、クッキー、クラッカー、アイスクリーム、スイートポテト、ういろう、ようかん、柏餅、饅頭等、パン類としては、食パン、菓子パン、デニッシュペストリー、フランスパン、ハードロール、バターロール、蒸しパン等、麺類としては、うどん、そば、そうめん、きしめん、中華麺、冷麺、スパゲッティー等を挙げることができる。
上記食品の中で本発明の馬鈴薯食品素材を利用するのに最も適した食品としては、スイートポテト、シフォンケーキ、アイスクリーム、バターロール、冷麺等を挙げることができる。
次に以下に示す実施例(比較例を含む)に基づいて、本発明を更に詳細に紹介するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。
馬鈴薯としては「インカのめざめ」を用いた。まず、馬鈴薯の皮を剥いて8つに切り、12分間蒸した後裏ごしし、マッシュを調製した。このマッシュ100gにサツマイモ「べにあずま」の凍結乾燥粉末1.76g(生重量当たり5%:ユニット数3300U)を添加し良く混合後、表1に示す種々の条件でマッシュの分解処理を行い、本発明の馬鈴薯食品素材を調製した。分解処理効果の確認のため、各種マッシュ中のトータル糖含量(グルコース、フラクトース、スクロース、マルトースの合計量)とマルトース含量の測定を行った。なお、糖含量の測定は、J.Plant Res.,117,131−137(2004).の方法に従って測定した。次に、これらの素材を用い表1の配合でスイートポテトを製造し、10人のパネラーにより表1の項目についてスイートポテトの官能評価を行なった。
スイートポテトは以下のように製造した。鍋に馬鈴薯マッシュ、牛乳、砂糖を入れ火にかけ、よく練り合わせる。火を止め、卵黄を加えて混合し、更にバターを加えてよく混合する。この生地を型に入れ、表面に卵黄を刷毛で塗り、220℃で15分間焼成した。
得られたスイートポテトの官能評価とマッシュ中の糖含量の結果を表1に示す。これより、比較例に比べ試験例では食感、風味の改善効果が大であり、特にマッシュの分解反応条件が適切である試験例2、3のスイートポテトの品質は非常に良好であり、食感がなめらかでスイートポテトらしいさわやかな甘さがあった。また、糖含量の結果からも比較例のマッシュは、ほとんどマルトースがないのに対し、試験例では酵素が失活してしまう試験例5以外、反応によりトータル糖含量、マルトース含量が大きく上昇していることが判る。
以上の結果から、適度な甘藷粉末を用いて適切な条件でデンプンを分解した本発明の馬鈴薯食品素材(マッシュ)を用いることによって、従来の馬鈴薯スイートポテトに比べ格段に良好な品質のスイートテトが得られることが判る。
実施例1と同様に「インカのめざめ」の未処理マッシュを用い、表2に示すような各種の酵素剤、(1)SIGMA製大麦β-アミラーゼ、(2)SIGMA製サツマイモβ-アミラーゼ、(3)天野製薬(株)製ビオザイムM、(4)天野製薬(株)製ビオザイムM5を、それぞれ馬鈴薯マッシュ100g当たり(1)1000U、(2)1000U、(3)880U、(4)880Uになるようにマッシュに添加し良く混合後60℃、1時間反応を行い本発明の馬鈴薯食品素材(マッシュ)を調製した。得られたマッシュについて実施例1と同様にトータル糖含量とマルトース含量を測定した。スイートポテトは以下のように製造した。鍋に馬鈴薯マッシュ、牛乳、砂糖を入れ火にかけ、よく練り合わせる。火を止め、卵黄を加えて混合し、更にバターを加えてよく混合する。この生地を型に入れ、表面に卵黄を刷毛で塗り、220℃で15分間焼成した。なお、評価は実施例1と同様に行った。
得られたスイートポテトの官能評価とマッシュ中の糖含量の結果を表2に示す。これより、比較例に比べ試験例ではいずれも全般的にスイートポテトの品質が良好であり、試験例6、8のβ−アミラーゼ剤処理マッシュを用いたスイートポテトが総合的に最も良好な品質を示した。マッシュの糖含量も実施例1と同様に、試験例では比較例に比べ明らかに高いマルトース含量を示した。
以上の結果から、各種β−アミラーゼ酵素剤を適当量添加し適当な時間反応させることによって、デンプンが適度に分解した本発明の馬鈴薯食品素材が得られ、それを用いることによって品質良好なスイートポテトを製造できることが判る。
実施例1の「インカのめざめ」の未処理マッシュと同様の方法で調製した「北海92号」、「さやか」のマッシュを用いβ−アミラーゼ剤(ビオザイムM)をマッシュ100gに880U添加し、実施例1と同様に60℃、2時間の処理を行い本発明の馬鈴薯食品素材を調製した。次に表3に示す配合で上記のマッシュを用い以下に示す方法でシフォンケーキを作成し、得られたシフォンケーキの官能評価を5人のパネラーにより表3の項目について行った。
シフォンケーキは以下の条件で作成した。小麦粉をよく振るっておく。卵白に塩と半量の砂糖を2−3回に分けて混合しながら十分に泡立てる(メレンゲ)。次に、卵黄に残り半分の砂糖を加え十分に泡立てる。これに牛乳とサラダ油を少量ずつ添加し、泡立て器で十分に混合する。これに馬鈴薯マッシュを入れよく混ぜ合わせ、半量のメレンゲを入れ、小麦粉は振い入れながら軽く混合する。次に、残り半量のメレンゲを入れ、泡をつぶさないようにサックリと混合する。この生地をシフォンケーキ型に入れ適度にガス抜きをした後、180℃、22分間オーブンで焼成する。焼成後型を逆にして常温で冷却後、型から取り出す。得られたシフォンケーキについて、官能評価を行った結果を表3に示す。
これより、比較例に比べ試験例ではいずれもシフォンケーキの品質が飛躍的に向上し、特にボリューム、食感、風味の改善効果が大であった。また、試験例の中では試験例10および12のシフォンケーキが総合的に最も良好な結果を示した。
以上の結果から、シフォンケーキのようなケーキ類においても本発明の効果が十分に発揮され、β−アミラーゼ剤によって適当に分解した本発明の馬鈴薯食品素材を用いることによって、品質良好な馬鈴薯添加シフォンケーキが得られることが判る。
実施例3で用いたマッシュと同様のマッシュを用い、表4に示す配合で馬鈴薯アイスクリームを製造し、得られたアイスクリームの官能評価を10人のパネラーにより表4の項目について行った。
以下にアイスクリームの製造条件を記載する。「インカのめざめ」、「さやか」を使用する場は(1)ボールに卵黄と砂糖を入れ泡立て器でよく混ぜ合わせる。(2)牛乳と生クリームを鍋に入れ火にかけ、40℃前後にあたためる。(2)の半量を(1)に少しずつ混ぜながら加え、もう半量に馬鈴薯マッシュを加え混ぜ合わせる。(3)これらをすべて混ぜ合わせ裏ごしし、再び鍋に入れ弱火にかけとろりとしたら火を止め冷す。「北海92号」を使用する場合は、鍋に牛乳、生クリーム、砂糖を入れ火にかけてとかす。これに馬鈴薯マッシュを入れ泡立て器で十分に混合する。これを裏ごしし冷す。冷したものを−20℃の冷凍庫に入れ30分毎に冷凍庫から出し適度に混合する。この操作を4〜5回繰り返す。あるいは冷したものを、アイスクリーマーを使用し冷しながら練り合わせる。
表4より、比較例に比べ試験例ではいずれもアイスクリームの品質が飛躍的に向上し、特に食感、風味の改善効果が大であり、なめらかな食感でさわやかな甘みを呈した。従来からアイスクリームには各種素材の添加が行われているが、デンプン含有素材を添加した場合、老化したデンプン等によるざらざら感が大きな問題であったが、試験例のアイスクリームは非常にクリーミーでなめらかな食感を呈し、馬鈴薯を添加したアイスクリームとは思えない良好な品質であった。
以上の結果から、これまでデンプン含有素材の添加が難しいと言われていたアイスクリームにおいても本発明の効果が十分に発揮され、β−アミラーゼ剤によって適当に分解した本発明の馬鈴薯食品素材を用いることによって、非常に品質良好な馬鈴薯添加アイスクリームが得られることが判る。
実施例3で用いたマッシュと同様のマッシュを用い、表5に示す配合で馬鈴薯添加バターロールを製造し、得られたバターロールの官能評価を5人のパネラーにより表5の項目について行った。
以下に、製パン工程を示す。
・ミキシング:全原料をミキサーに入れ、ミキシングピーク時間後、10秒程度後までミ キシングする
・分割、丸目:生地量40gずつ手分割、丸目
・べンチ :30℃、20分
・成型 :モルダー、シーターにて成型
・ホイロ :温度38℃、湿度85%、70分
・焼成 :200℃、12分
その結果を表5に示す。これより、比較例に比べ試験例では総合的なパンの官能評価結果が良好であり、特に、ボリューム、食感、風味の非常に良好なパンが得られた。
以上の結果から、本発明の効果は代表的パンであるバターロールにおいても十分に発揮され、多量の本発明の馬鈴薯食品素材を添加しても良好なパンが得られ、従来、糊化デンプンを含むデンプン含有素材をパンに添加すると著しい製パン性の低下が起こるが、本発明の技術を用いることにより、その点が飛躍的に改善されることが判る。
実施例3で用いたマッシュと同様のマッシュを用い、表6に示す配合で馬鈴薯添加冷麺を製造し、得られた冷麺の官能評価を5人のパネラーにより表6の項目について行った。
冷麺の製造工程を以下に示す。
・ミキシング:縦型ミキサー、低速3分、中低速7分
・製麺 :冷麺製造機(商標名=生粉打ち名人)を用いてノズル(直径2mm)から の押し出し式で製麺
・切り出し :麺の長さ25cm前後
・茹で :沸騰水中で約4分
その結果を表6に示す。これより、比較例に比べ試験例では総合的な冷麺の官能評価結果が非常に良好であり、特に、外観の評価が非常に高く、非常になめらかな表面状態を示した。
以上の結果から、本発明の効果は代表的麺類である冷麺においても十分に発揮され、多量の本発明の馬鈴薯食品素材を添加しても良好な冷麺が得られた。従来、糊化デンプンを含むデンプン含有素材を麺類に添加すると著しい製麺性の低下が起こるが、本発明の技術を用いることにより、その点が飛躍的に改善されることが判る。
本発明の各種農作物粉末や酵素剤を用いて処理された馬鈴薯食品素材を用いることによって、従来高品質な馬鈴薯添加食品(主に菓子類、パン類、麺類)の製造が困難であった食品において、飛躍的に高品質の食品を製造することが可能になり、これまで、加熱処理された糊化デンプンを含有する馬鈴薯の食品への用途は、菓子類、パン類、麺類等の品質を著しく低下させていたものを、本発明の技術により、馬鈴薯の各種食品(主に菓子類、パン類、麺類)への利用が可能になり、主に国産馬鈴薯の需要拡大と馬鈴薯を用いた高品質の各種食品の開発に多大な寄与が期待される。
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Claims (8)

  1. 加熱処理した馬鈴薯マッシュ中の主としてデンプンが、アミラーゼ類を多量に含有する芋類、穀物の粉末、またはそれらの懸濁液もしくは、アミラーゼ剤によって適度に分解され、風味、食感が改善され、トータル糖含量が6.66〜9.64%、マルトース含量が4.56〜5.29%であ
    ことを特徴とする馬鈴薯食品素材。
  2. 前記馬鈴薯の品種・系統は、「インカのめざめ」、「北海92号」または「さやか」もしくは、これらに類する通常の馬鈴薯より芋風味の薄い品種・系統であることを特徴とする請求項1記載の馬鈴薯食品素材。
  3. 請求項1又は2に記載の馬鈴薯食品素材を用いて製造されることを特徴とする馬鈴薯食品。
  4. 食品が菓子類、パン類、麺類であることを特徴とする請求項3に記載の馬鈴薯食品。
  5. 前記菓子類は、スイートポテト、シフォンケーキ、アイスクリームであることを特徴とする請求項4に記載の馬鈴薯食品。
  6. 加熱処理した馬鈴薯マッシュに、前記馬鈴薯マッシュ100g当たりβ―アミラーゼ活性が500〜5000Uとなるように、アミラーゼ類を多量に含有する芋類、穀物の粉末、またはそれらの懸濁液もしくはアミラーゼ剤を添加し混合した後、反応温度40〜80℃、反応時間30分〜4時間で前記馬鈴薯マッシュの分解処理を行う
    ことを特徴とする馬鈴薯食品素材の製造方法
  7. 前記反応温度は、60〜70℃、前記反応時間は、1〜2時間である
    ことを特徴とする請求項6記載の馬鈴薯食品素材の製造方法
  8. 前記β―アミラーゼ活性は、前記馬鈴薯マッシュ100g当たり800〜4000Uである
    ことを特徴とする6又は記載の馬鈴薯食品素材の製造方法
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