JP4029576B2 - 眼鏡レンズの製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、眼鏡レンズの製造方法に関し、特に、削り出し加工によりあらゆる種類の眼鏡レンズの面形状を創成できる眼鏡レンズの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
眼鏡レンズの中でも現在主流のプラスチックレンズの製造方法には、注型法による型の転写で両面が眼鏡レンズとしての最終光学面に形成されたフィニッシュレンズを直接成形する方法と、注型法により一方の面が注型法の型の転写で最終光学面に仕上げられた厚手のセミフィニッシュレンズを予め成形しておき、他方の面を所定のレンズ面形状に切削、研磨を行って形状創成することにより最終光学面とする方法とがある。
【0003】
また、眼鏡レンズは、単焦点レンズと多焦点レンズに大別される。多焦点レンズでは、遠用部と近用部とこれらの間で焦点距離が連続して変化する累進部とから構成される累進面を有する累進多焦点レンズが主流である。単焦点レンズでは主に球面度数、乱視度数、レンズ厚みのファクターがあり、多焦点レンズでは、球面度数、乱視度数、乱視軸、加入度、レンズ厚み等のファクターがある。これらのファクターの組み合わせは極めて多くなり、特に多焦点レンズでは膨大な数の組み合わせとなる。そのため、注型法で直接フィニッシュレンズを成形する方法では、注文の多い組み合わせに限定され、多くのプラスチックレンズの製造は、セミフィニッシュレンズの削り出し加工で行われている。
【0004】
セミフィニッシュレンズの削り出し加工では、まず、セミフィニッシュレンズを予め成形しておく必要がある。このセミフィニッシュレンズは、2枚の型を用いる注型法で、凸面側が単焦点レンズの球面又は累進多焦点レンズの累進面に型の転写で作成され、凹面側が仕上げ寸法よりも肉厚で、ある範囲の処方にあう形状に型で転写されている。そして、セミフィニッシュレンズの凹面を、いわゆるカーブジェネレータやこれを発展させ擬似的なトーリック面も加工できるジェネレータを用いた削り出し加工で、球面レンズであれば球面に、乱視レンズであれば所望のトーリック面形状となるように、かつ、所定の厚みとなるように粗削りする。その後、ラッピング加工に似た砂掛け加工を施し、レンズの面形状を精密に仕上げる。この砂掛け工程では、専用の治具に保持されたレンズを、研磨パッドが貼付されたアルミニウム製等の加工皿に載せ、ラップ材をレンズ加工面に注水しつつレンズに加工皿を強く押し当てながら相対的に摺り動かすことにより、加工皿の面形状をレンズ表面に転写する。砂掛け工程で凹凸の少ない最終的なレンズ面形状が得られる。その後、砂掛け工程と同様の装置を用いて表面の凹凸を滑らかにして最終光学面が得られる精度まで鏡面研磨を行う。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、近年、眼球側の凹面に累進面あるいは累進面とトーリック面を合成した曲面を設けたいわゆる内面累進多焦点レンズが提案されている。この内面累進多焦点レンズは、累進多焦点レンズの欠点であるゆれや歪みを軽減でき、光学性能を飛躍的に向上させることができる。
【0006】
ところが、従来、眼球側の凹面の創成などに用いられているカーブジェネレータは、その構造上、球面、トーリック面のいずれかしか加工ができず、前記に示した累進面あるいは累進面とトーリック面とを組み合わせたような複雑な曲面を創成することは不可能である。また、砂掛け加工では、加工皿と摺り合わせて加工皿の形状を転写する原理上、やはり累進面のような複雑な曲面を創成することは不可能である。
【0007】
そのため、内面累進多焦点レンズ等の複雑な曲面を有するレンズを生産性良く製造できる新しい眼鏡レンズの製造方法の開発が求められている。
【0008】
本発明は、上記要望に鑑みてなされたもので、内面累進多焦点レンズを含むあらゆる眼鏡レンズを生産性良く製造することができる眼鏡レンズの製造方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記目的を達成するため、数値制御(NC)による削り出し加工でレンズの形状創成工程を行うもので、その形状創成工程を、眼鏡レンズ基材を所望のレンズ面形状に近似した面形状まで迅速に粗削りする近似加工面粗削り工程を行い、次いで所望のレンズ面形状まで精密に仕上げ削りする仕上げ削り工程を行うことにより、単純な球面から累進面あるいは累進面とトーリック面とを合成した曲面のような複雑な自由曲面までのあらゆるレンズ面形状を生産性良く創成することができる。
【0010】
数値制御による削り出し加工は、Y方向の回転軸で眼鏡レンズ基材を回転させながら、X方向及びY方向の刃具と眼鏡レンズ基材との相対位置を眼鏡レンズ基材の回転に同期させることで、あらゆる種類の面形状を創成することができる。
【0011】
粗削り用刃具と仕上げ用刃具とを切り替えて加工できる数値制御工作機械を用いると、近似加工面粗削り工程では粗削り用刃具を用い、仕上げ削り工程では仕上げ用刃具を用いることにより1台の数値制御工作機械で一連の形状創成工程を連続で行うことができる。
【0012】
レンズ基材の削り出し加工では、レンズ基材がプラスチックであるため、レンズ基材の最終的な形状や材質に応じて加工条件を適切に選択しないと、欠け(チッピング)が発生する場合がある。そのため、加工条件を刃具と眼鏡レンズ基材の相対位置に応じて変更することが好ましい。
【0013】
数値制御による削り出し加工では、眼鏡レンズの処方のプリズムの付加や偏心の付加も加工治具を何ら変更せずに単に数値制御用加工データにこれらのデータを加えるだけで対応可能である。
【0014】
また、形状創成工程には、レンズの外径を削る外径加工と面取り加工が含まれる場合がある。
【0015】
更に、本発明における形状創成工程では、眼鏡レンズの処方データに基づくレンズ面形状を得ることができるが、最終光学面に仕上げるために鏡面研磨工程を設けることが好ましい。
【0016】
従って、請求項1記載の発明は眼鏡レンズ基材のいずれか一方の面又は両面の加工により前記眼鏡レンズ基材に眼鏡レンズの処方に基づくレンズ面形状を創成する形状創成工程を有する眼鏡レンズの製造方法であって、前記形状創成工程が、数値制御用加工データに基づく数値制御による削り出し加工により前記眼鏡レンズ基材に前記眼鏡レンズの処方に基づくレンズ面形状に近似した近似面形状を創成する近似加工面粗削り工程と、数値制御用加工データに基づく数値制御による削り出し加工により前記近似面形状から前記眼鏡レンズの処方に基づくレンズ面形状を創成する仕上げ削り工程とを有し、前記数値制御による削り出し加工が、前記眼鏡レンズ基材を回転させながら、前記眼鏡レンズ基材の回転軸方向の刃具と前記眼鏡レンズ基材との相対的な位置及び前記回転軸と直行方向の前記刃具と前記眼鏡レンズ基材との相対的な位置を前記眼鏡レンズ基材の回転に同期させることにより行われ、少なくとも前記仕上げ削り工程においては、前記レンズ面形状によって変化する前記眼鏡レンズ基材と前記刃具の相対位置に応じて、前記回転に同期した前記刃具の送りピッチを変更させながら削り出し加工する眼鏡レンズの製造方法において、前記仕上げ削り工程における前記眼鏡レンズ基材外周部および/または中心部での前記刃具の送りピッチが他の部分より小さいことを特徴とする眼鏡レンズの製造方法を提供する。
【0017】
請求項2記載の発明は、前記仕上げ削り工程において、前記眼鏡レンズ基材の処方が乱視2.00D以上の場合、前記眼鏡レンズ基材中心部における前記刃具の送りピッチが、前記眼鏡レンズ基材の他の部分における送りピッチよりも大きいことを特徴とする請求項1記載の眼鏡レンズの製造方法を提供する。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の眼鏡レンズの製造方法の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
【0026】
本発明の眼鏡レンズの製造方法は、単焦点レンズ、多焦点レンズを問わずあらゆる種類の所望のレンズ面形状の眼鏡レンズを製造できる。レンズ面形状としては、球面、回転対称非球面、トーリック面、トーリック面と非球面とを合成した非球面乱視面、累進面、累進面とトーリック面とを合成した曲面を例示することができる。とりわけ眼球側の凹面に累進面あるいは累進面とトーリック面とを合成した曲面を設けたいわゆる内面累進多焦点レンズの製造に好適である。以下では、主に内面累進多焦点レンズの製造について述べる。
【0027】
本発明の眼鏡レンズの製造方法は、眼鏡レンズ基材の凸面側(外面側)、凹面側(内面側)のいずれか一方又は両面のレンズ面形状を、数値制御用加工データに基づく数値制御による削り出し加工により創成する形状創成工程を有する。
【0028】
図1は、本発明の眼鏡レンズの製造方法における形状創成工程を含む研磨工程の一実施形態を示すフローチャートである。各工程には、その工程でのレンズの加工を示す模式図が添付されている。図1に示すように、研磨工程は、レイアウト工程、ブロッキング工程、本発明による形状創成工程、鏡面仕上げ工程、デブロック工程、洗浄工程、検査工程などを有する。
【0029】
これらの研磨加工前に、顧客の眼鏡レンズの処方データがオンライン端末からの伝送や直接入力することにより入力手段を介してホストコンピュータに入力され、処方データは計算用コンピュータで処方データに基づいたレンズ形状が設計され、数値制御用加工データに加工される。数値制御用加工データは、外径加工データ、近似面加工面粗削り加工データ、仕上げ削り加工データ、面取り加工データから構成されている。
【0030】
外径加工データは、セミフィニッシュレンズの不要な外周部を削って所定の外径まで径を縮小する加工データである。
【0031】
近似加工面粗削り加工データは、セミフィニッシュレンズの凹面側又は凸面側の面を切削して次の仕上げ加工での削りしろが少なくなるような所望のレンズ面形状に近似した近似面形状を創成すると共に、かなり厚みのあるセミフィニッシュレンズの厚みを削って所定の厚みに仕上げる加工データである。
【0032】
近似面形状としては、例えば、眼鏡レンズの処方データに基づくレンズ面形状と相似形で、この最終のレンズ面形状よりわずかに厚手となるような粗削り用自由曲面、又は最終のレンズ面形状そのもののレンズ面形状が計算される。あるいは、若干削りしろは増えるが、次の仕上げ加工での削りしろが小さくなるような単純な粗削り用の面形状が計算される。具体的には、処方に乱視が含まれている場合は、最終のレンズ面形状におけるレンズ中心の座標、乱視軸方向の外縁の座標、及び乱視軸方向と直交する方向の外縁の座標の3点の座標それぞれに対して最小の仕上げ削りしろとなるような粗削り用のトーリック面が計算される。一方、処方に乱視が含まれていない場合は、最終のレンズ面形状におけるレンズ中心の座標、外縁の全周の中で最も厚さが薄くなる部分の座標及び外縁の全周の中で最も厚さが厚くなる部分の座標の3点の位置の座標それぞれに対して最小の仕上げ削りしろとなるような粗削り用の球面が計算される。その結果、近似面形状は、例えば最終のレンズ面形状より、部位によって削りしろが異なるが、おおよそ0.1〜5.0mm程度厚手となる。
【0033】
仕上げ削り加工データは、前述した粗削り用の自由曲面、トーリック面又は球面形状の粗削り近似面形状から0.1〜5.0mmの削りしろを削り出し加工して眼鏡レンズの処方データに基づくレンズ面形状を精密に創成する加工データである。
【0034】
更に、面取り加工データは、セミフィニッシュレンズの加工した面の縁の面取りを行う加工データである。
【0035】
この数値制御用加工データは計算用コンピュータからホストコンピュータに伝送され、ホストコンピュータに格納される。加工時にホストコンピュータから研磨加工を行う数値制御工作機械に伝送され、数値制御工作機械内の記憶装置に記憶される。
【0036】
加工対象となる眼鏡レンズ基材としては、主としてセミフィニッシュレンズを用いる。レンズの両面の形状創成を行う場合は、単純な円柱型の眼鏡レンズ基材でもよい。セミフィニッシュレンズは、所定の間隙を設けて対向させた2枚のガラス型の間の空隙をテープなどで封止し、この空隙(キャビティ)にレンズ原料のモノマーを注入し、硬化させた後、ガラス型を脱型することにより製造される。単焦点レンズや通常の多焦点レンズの場合は、凸面側がガラス型で最終光学面に転写され、凹面側がある範囲の処方にあう形状にガラス型で転写されている。セミフィニッシュレンズは仕上げ厚さよりかなり肉厚に形成される。内面累進多焦点レンズの場合は、凸面側が注型法で球面又は非球面の形状の最終光学面となるようにガラス型で転写され、凹面側がある範囲の処方にあう形状にガラス型で転写されている。セミフィニッシュレンズも外面形状、厚さ等の組み合わせから相当数を準備しなければならない。
【0037】
次に、研磨工程の前に、ストックされているセミフィニッシュレンズの中からレンズ形状の設計に基づいて加工すべき最適なセミフィニッシュレンズを計算用コンピュータが選択し、ホストコンピュータに伝送する。該当するセミフィニッシュレンズを手動でピッキングするか、または自動倉庫等を使って自動的にピッキングを行う。
【0038】
図1に示す研磨工程では、レイアウト工程で、選択されたセミフィニッシュレンズにブロック治具にセットするための位置決めマークを付する。このレイアウト工程は上下方向が決まっている多焦点レンズのトーリック加工やプリズム加工に必要であり、方向性がない単焦点レンズの場合は省略することができる。
【0039】
次に、ブロッキング工程で、図1(a)に示すように、数値制御工作機械に取り付けるためのブロック治具20にセミフィニッシュレンズ11の凸面側又は凹面側を低融点金属などのブロック材30を介して接着する。このとき、セミフィニッシュレンズ11に付した位置決めマークがブロック治具20に対して所定の位置になるように配置する。
【0040】
次に、本発明の特徴である形状創成工程を行う。この形状創成工程は、セミフィニッシュレンズの片面を削り出し加工することにより、眼鏡レンズの処方に基づくレンズ面形状を創成する工程である。形状創成工程で最終光学面が得られる場合もあるが、表面の細かい凹凸が存在する場合は、形状創成工程後に表面の凹凸を滑らかにする鏡面研磨工程を行う。
【0041】
本発明における形状創成工程は、外径加工工程と、近似加工面粗削り工程と、仕上げ削り工程と、面取り工程とを有する。外径加工工程は、削り出し加工により不要な外周部を削って所定の外径まで縮小する工程で、粗削り工程や仕上げ工程を短時間化するための工程でもある。近似加工面粗削り工程は、所望のレンズ面形状に近似した近似面形状を速やかに創成すると共に、かなり厚みのあるセミフィニッシュレンズの厚みを速やかに削って所定の厚みに仕上げる粗削り工程である。仕上げ削り工程は、近似面形状から削り出し加工により所望のレンズ面形状を精密に創成する。面取り工程は、仕上げ削り工程後のレンズのエッジはシャープで危険であり、また、欠けやすいため、縁の面取り加工を行う工程である。外径加工工程は通常は近似加工面粗削り工程の前に実施するが、仕上げ削り工程の前後でもよい。なお、外径加工はセミフィニッシュレンズの外径が処方の径と一致するときは行わない。また、面取り加工も不要となる場合がある。更に、セミフィニッシュレンズの形状が眼鏡レンズの処方データに基づくレンズ面形状にごく近い場合は、粗削り加工を省いて直接仕上げ加工だけで眼鏡レンズの処方データに基づくレンズ面形状が得られる場合がある。
【0042】
形状創成工程を行う装置としては、各工程毎に専用の切削装置を用いて行うことができる。それぞれの工程の加工では、バイトの種類とバイトの動きがそれぞれ異なることから、それぞれ専用の切削装置を用いることにより、最適なバイトを用いて最適な切削条件で切削を行うことができるため、精度良く効率的な切削加工を行うことができる。
【0043】
外径加工工程では、図示しない専用の数値制御外径加工切削装置を用いることができる。この装置のチャックにブロック治具20をセットし、外径加工データを数値制御外径加工切削装置に入力する。あるいは通信回線でホストコンピュータに外径加工データを要求し、データを伝送させ、内部の記憶装置にデータを記憶させる。数値制御外径加工切削装置は、外径加工データに基づいてワークをY軸で回転させながらY軸方向とワークの径方向(X軸)に対するバイト(刃具)の位置を制御することによって、セミフィニッシュレンズ11の側面にバイトを当てて外径を削り、図1(b)に示すように、所定の径まで削り落としたセミフィニッシュレンズ12を製造する。
【0044】
近似加工面粗削り工程では、専用の数値制御工作機械を用いることができる。数値制御工作機械の一例として、図2に、数値制御切削装置の概略構成を示す。この数値制御切削装置200は、ベッド201上にX軸位置決め手段202とY軸位置決め手段210が備えられている。X軸位置決め手段202はX軸駆動用モータ及びエンコーダ204でX軸方向(紙面と垂直方向)に駆動される。X軸位置決め手段202の上にはワーク軸回転手段205が備えられ、ワーク回転軸駆動用モータ及びエンコーダ206によってワーク回転軸207に取り付けられたワークチャック208を回転駆動させることができると共に、ワークの回転位置が割り出されるようになっている。Y軸位置決め手段210はY軸駆動用モータ及びエンコーダ211によりほぼ水平方向のY軸方向に駆動される。Y軸位置決め手段210の上にはZ軸位置決め手段212と刃具回転手段213がZ軸コラム214を介して備えられている。刃具(円形カッター)215は刃具回転軸216を介して刃具回転手段213によって回転駆動される。刃具215と刃具回転手段213はZ軸位置決め手段212のZ軸駆動用モータ及びエンコーダ217によりZ軸方向に昇降できるようになっている。Z軸位置決め手段212はワーク12と円形カッター215の芯高を合わせることを主目的に設けられている。セミフィニッシュレンズ(ワーク)12はワークチャック208に図示しないブロック治具を介して把持される。
【0045】
この数値制御切削装置200は、ワーク12の回転位置に同期して、X軸位置決め手段202とY軸位置決め手段210が制御され、X軸方向とY軸方向のワーク12と刃具215の相対位置が制御される。
【0046】
近似加工面粗削り加工データを数値制御切削装置200に直接入力するかホストコンピュータを介して伝送してデータを記憶させる。X軸位置決め手段202、Y軸位置決め手段210、ワーク軸回転手段205の3軸を使ってワーク加工点に立てた法線方向に円形カッター215の中心座標を位置決めする。この加工点に対応した円形カッター215の中心座標の位置決めを連続して行うことで、前述した近似加工面粗削り加工データに基づいて、自由曲面、球面又はトーリック面形状の粗削り面の形状創成を行う。
【0047】
近似加工面粗削り工程では、図1(c)に示すように、面粗さRmaxが100μm以下の粗削り面を有するセミフィニッシュレンズ13を得ることができる。
【0048】
仕上げ削り工程では、例えば上述した数値制御切削装置200と同様の装置を用い、仕上げ用刃具を用いて仕上げ用切削条件で仕上げ削り加工データに基づいて、粗削り面から所望の最終レンズ面形状まで精密に切削加工する。
【0049】
仕上げ削り工程で、図1(d)に示すように、面粗さRmaxが0.1〜10μm程度のセミフィニッシュレンズ14を得ることができる。
【0050】
面取り加工工程では、図示しない専用の数値制御面取り切削装置を用いることができる。この装置のチャックにブロック治具20をセットし、面取り加工データを面取り切削装置に入力する。あるいは通信回線でホストコンピュータに面取り加工データを要求し、データを伝送させ、内部の記憶装置にデータを記憶させる。数値制御面取り切削装置は、面取り加工データに基づいてセミフィニッシュレンズ14を回転させながらセミフィニッシュレンズ14の端縁にバイトを当ててセミフィニッシュレンズ14の加工した面の縁の面取りを行う。
【0051】
面取り加工工程で、図1(e)に示すように、面取り済みのセミフィニッシュレンズ15を得る。
【0052】
形状創成工程後は、必要により、表面の凹凸を滑らかにする鏡面研磨工程を行う。上述した仕上げ削り加工では表面粗さRmaxが0.1〜10μm程度まで加工することができ、鏡面研磨工程で、 表面粗さRmaxが数10nm程度の最終光学面に仕上げる。鏡面研磨工程は、単焦点レンズの凹面、あるいは凸面に累進面を有する多焦点レンズの凹面の研磨の場合は、球面やトーリック面であるため、従来の加工皿を用いる研磨方法を採用することができる。内面累進多焦点レンズの内面の研磨のように複雑な曲面を研磨するときは、上述したように従来の加工皿を用いる研磨方法を採用することができない。
【0053】
このような内面累進多焦点レンズのような複雑な曲面の研磨は、図1(f)に示すような倣い研磨工具を用いることが好ましい。この倣い研磨工具40は、半球状で柔軟性を有するゴムシート41が筐体42との間に密封空間を形成するように筐体42に取り付けられ、この密封空間に圧力気体又は液体を圧入させてゴムシートを半球状の形態に保つようにゴムシート内部から圧力を加えることができる構造を備える。ゴムシート41の表面に不織布等の研磨布を張り付け、筐体42に回転と揺動を与えてワーク16に押し当てながら研磨液をゴムシート41とワーク16の間に供給して研磨を行う。
【0054】
この倣い研磨工具40は、ゴムシート41がワーク16表面に均一の圧力で当接するため、ワーク16表面が複雑な曲面であってもゴムシート41がワーク16表面の形状に追随して均一に研磨することができる。そのため、内面累進多焦点レンズの内面のような自由曲面の研磨に特に適している。
【0055】
また、複雑な曲面の研磨には、数値制御研磨機を用いることができる。レンズの設計形状から予め計算しておいたNC加工用データに基づき、ポリシャヘッドとワークとの相対位置決めを行い、かつワークの加工点における法線方向にポリシャヘッドの表面の任意の部位を一致させ、その方向からポリシャヘッドを強く押し当て研磨加工する。これにより形状創成工程で創成された曲面形状を崩すことなく最終光学面に研磨することが可能である。
【0056】
鏡面研磨工程により両面が最終光学面となったフィニッシュレンズが完成する。その後、ブロック治具20は不要になるため、図1(g)に示すように、フィニッシュレンズ17をブロック治具20から取り外すデブロック工程を行い、更に付着している汚れを除去するため洗浄工程を行い、最後に検査を行って研磨工程は終了する。
【0057】
その後は、染色工程、ハードコート膜形成処理、反射防止膜形成工程などを経て完成レンズとなる。
【0058】
このような数値制御を用いた削り出し加工で形状創成工程を行うことにより、従来の砂掛け加工が不要となり、あらゆる種類の曲面形状を創成することができる。そのため、砂掛け加工ではレンズの面形状毎に必要とされていた多数の加工皿が不要となり、しかも、研磨材や研磨パッドなどの副資材が不要となり、生産コストを低減することができる。
【0059】
上述した説明では、研磨工程毎に専用の研磨装置を用いたが、本発明にかかる形状創成工程では、形状創成工程を構成する外径加工、近似加工面粗削り加工、仕上げ削り加工及び面取り加工を一台の数値制御工作機械を用いて行うことができる。
【0060】
この数値制御工作機械の一例の数値制御旋削装置の概略構成を図3に示す。この数値制御旋削装置300は、ベッド301上にX軸位置決め手段310とY軸位置決め手段320が備えられている。X軸位置決め手段310はX軸駆動用モータ及びエンコーダ311によってほぼ水平方向のX軸方向に駆動される。X軸方向の位置はエンコーダ311によって割り出される。X軸位置決め手段310の上に、ワーク軸回転手段312が固定されている。ワーク軸回転手段312にワークチャック313が取り付けられ、ワーク回転軸駆動用モータ及びエンコーダ314によって回転駆動される。ワークチャック313の回転位置はエンコーダ314によって割り出される。ワークチャック313にセミフィニッシュレンズ(ワーク)11がブロック治具を介して取り付けられる。Y軸位置決め手段320はX軸位置決め手段310と直交するほぼ水平方向のY軸方向にY軸駆動用モータ及びエンコーダ321によって駆動される。Y軸方向の位置はエンコーダ321によって割り出される。Y軸位置決め手段320の上に、2台の第1刃物台322と第2刃物台323が固定され、第1の刃物台322には粗削り用バイト(刃具)324が固定され、第2刃物台323には仕上げ用バイト325が固定されている。粗削り用バイト324は、例えば超硬合金製であり、仕上げ用バイト325は、例えば単結晶ダイヤモンド製である。
【0061】
制御方法は、X軸位置決め手段310、Y軸位置決め手段320、ワーク軸回転手段312の3軸を使ってワーク11の加工点に立てた法線方向にバイト324又はバイト325の先端の中心座標を位置決めする。この加工点に対応したバイトの先端の中心座標の位置決めを連続して行うことでレンズ設計形状に基づいた形状創成を行う。この際、ワーク11はワークの形状や粗、仕上げ加工別に100〜3000rpmの間の回転数でワーク軸回転手段312により回転される。この回転位置をエンコーダ314で割り出し、Y軸位置決め手段320とX軸位置決め手段310とをワーク11の回転に同期させて位置決めさせる。即ち、ワーク11を回転させながら、ワーク11の回転軸であるY軸方向のバイト324,325とワーク11の相対的な位置及びX軸方向のバイト324,325とワーク11の相対的な位置をワーク11の回転に同期させるものである。
【0062】
この数値制御旋削装置300は、粗削り用バイト324と仕上げ用バイト325を切り替えて削り出し加工を行うようになっており、粗削り用バイト324を用いて外径加工及び近似加工面粗削り加工を行い、仕上げ用バイト325を用いて仕上げ削り加工及び面取り加工を行うようになっている。
【0063】
数値制御旋削装置300には、入力装置から入力された眼鏡レンズの処方データに基づき計算用コンピュータが計算した外径加工データ、近似面加工面粗削り加工データ、仕上げ削り加工データ、面取り加工データから構成されている数値制御用加工データがホストコンピュータを介して伝送され、内部の記憶装置に格納されている。
【0064】
図1(a)に示したようなブロック治具20に固定されたセミフィニッシュレンズ11をワークチャック313に固定し、そのセミフィニッシュレンズ11に対して与えられた外径加工データに基づいてセミフィニッシュレンズ11の外径が所定の径まで粗削り用バイト324で切削される。続いて、粗削り用バイト324を用いて近似面加工面粗削り加工データに基づいて所望のレンズ面形状に近似した前述した自由曲面、トーリック面又は球面の面形状で面粗さRmaxが100μm以下の粗削り面に切削される。続いて、仕上げ用バイト325を用いて仕上げ削り加工データに基づいて残りの0.1〜5.0mm程度を切削して面粗さRmaxが0.1〜10μm程度の眼鏡レンズの処方データに基づくレンズ面形状まで加工される。続いて、仕上げ用バイト325を用いて面取り加工データに基づいて面取り加工が行われる。
【0065】
このような粗削り用バイト324と仕上げ用バイト325の2種類のバイトを備えた1台の数値制御工作機械300を用いて一連の形状創成工程をワークをワークチャックから取り外すことなく連続で行う形状創成方法は、工程毎にそれぞれ別の装置を用いる上述した方法と比較して、次のような利点がある。
【0066】
工程と装置が1マシン・1工程に集約されるため、各工程毎に加工機が不要となるばかりでなく、機械毎に作業者を配置する必要がなくなる。その結果、労務費の低減による生産コストの低減ができるだけでなく、人為ミスによる歩留まりの低下、品質のバラツキを防止して歩留まりの向上や品質の安定と向上が達成できる。更に、工程毎に行っている検査を不要とすることができる。
【0067】
上述した数値制御旋削装置300では、2種類のバイトを用いているが、3種類以上のバイトを備えてそれぞれの加工専用のバイトでそれぞれの加工を行うことができる。また、1種類のバイトを用いて、近似加工面粗削り加工や仕上げ削り加工のそれぞれの専用装置として用いることができる。更に、X軸方向はワークを移動させ、Y軸方向はバイトを移動させることによって、ワークとバイトの相対運動を行っているが、ワークを一定の位置に配置し、バイトをX軸方向とY軸方向に移動させるようにしても良い。
【0068】
次に、本発明における数値制御用加工データの作成手順について説明する。図4は、数値制御工作機械で形状創成する場合の数値制御用加工データの演算の手順を示すフローチャートである。
【0069】
まず、ステップ401で、顧客が所望した眼鏡レンズの処方データが取得される。この処方データには、一般的に、累進多焦点レンズの場合はS(球面)度数、C(乱視)度数、乱視軸、加入度、プリズム、偏心、レンズ厚み、レンズ径、カラー等が含まれる。また、単焦点レンズの場合はS度数、C度数、乱視軸、プリズム、偏心、レンズ厚み、レンズ径、カラー等が含まれる。これらの処方データが眼鏡小売店に備えられた端末機からオンラインにより直接レンズメーカーの製造部門のホストコンピュータへ送信される。あるいは、小売店から中継拠点が電話、ファクシミリ等の伝送手段で処方データを受け、この中継拠点からオンライン送信されるようになっている。更に、ホストコンピュータに入力手段を用いて直接入力することも可能である。
【0070】
次に、ステップ402で、ホストコンピュータに入力された処方データに基づき、計算用コンピュータで上記処方データが製造ライン用の製造データに加工され、この製造データに基づいて、つまりは顧客の処方に基づいた曲面の組み合わせの計算が行われ、顧客の処方毎にレンズ形状が数値データとして設計される。
【0071】
次に、ステップ403で、眼鏡レンズの処方データにプリズムが含まれているかどうかを判定する。プリズムはベクトルであり、方向と大きさを有し、通常は基底方向(0〜359°)と長さで表される。プリズムが含まれている場合は、ステップ404で、プリズム量に応じてレンズ形状の数値データにプリズム量のデータを加え、補正する。具体的には、加工面(設計面)を表す数値データをプリズム量だけ任意の方向に任意の量だけ傾斜させ、新たに得られた加工面に基づいてレンズ形状の数値データを得る。
【0072】
図5(a)は、従来の研磨方法でプリズムを付加する場合を概念的に示し、図5(b)は本発明の研磨方法でプリズムを付加する場合を概念的に示す。
【0073】
レンズ基材11は、ブロック治具20に低融点金属30を介して接着、固定される。この低融点金属30は、レンズ基材11の接着面とブロック治具20との間に介在する図示しない中空治具の空隙部に液状で注入され、固化されて形成される。
【0074】
従来の研磨方法でプリズムを付加する場合は、レンズ基材11そのものを傾斜させる必要があるため、プリズム量に応じた中空治具が必要である。通常の外面側に累進面を設ける多焦点レンズでは、凸面側と中空治具とを密着させる必要があるため、更にレンズ基材のベースカーブ、加入度に応じた中空治具が必要であり、膨大な数の中空治具が必要となる。また、手作業で中空治具に対して位置合わせをする際のバラツキが大きく、不良の原因となっていた。なお、研磨後は、図5(a)に示すように、ブロック治具20の基準面Sと加工面の光学中心(フィッテイングポイント、即ち、フレームに枠入れしたときに瞳孔の中心に位置する点)での接線L1は平行となる。
【0075】
これに対して、本発明の製造方法では、図5(b)に示すように、加工回転軸MCと加工面の交点Aを支点(傾斜を規定する点)として加工面を任意方向に任意量傾斜させる計算を行うだけでよい。これにより、ブロック治具20の基準面Sに対して加工面の光学中心での接線L2が所定のプリズム量に相当する角度だけ傾いた加工面を創成することができる。その結果、数値データの変更のみでプリズムの付加ができるため、膨大な数の中空治具が不要となると共に、手作業によるバラツキが生じなくなる。
【0076】
図4に戻って、次に、ステップ405で眼鏡レンズの処方データに偏心加工が含まれているかどうかを判定する。偏心加工は、レンズの外径を小さくするためなどの目的で行われる。偏心量はベクトルであり、方向と大きさを有する。通常は基底方向(0〜359°)とプリズム量で表される。偏心加工が含まれている場合は、次のステップ406でレンズ形状の数値データに偏心データを加え、補正を行う。具体的には、加工面(設計面)を表す数値データを偏心量だけ幾何学中心(レンズの外径から割り出したときに中心に位置する点)から任意の方向に任意の量だけオフセットさせ、新たに得られた加工面に基づいてレンズ形状の数値データを得る。
【0077】
図6(a)は、従来の研磨方法で偏心量を付加する場合を概念的に示し、図6(b)は本発明の研磨方法で偏心量を付加する場合を概念的に示す。
【0078】
従来の研磨方法で偏心量を付加する場合は、レンズ基材19aそのものをブロック時に加工回転軸MCに対して光学中心OCを所定量偏心させて固定する必要がある。そのため、レンズ基材19aをブロック治具20に傾斜させて固定する必要があるため、偏心量に応じた中空治具が必要である。
【0079】
研磨後は、図6(a)に示すように、ブロック治具20の加工回転軸MCと加工面の幾何学中心とは一致する。光学中心OCと加工回転軸MCは偏心量だけ離間している。中空治具は、プリズムと同様に、膨大な数が必要となる。また、手作業で中空治具に対して位置合わせをする際のバラツキが大きく、不良の原因となっていた。
【0080】
これに対して、本発明の製造方法では、図6(b)に示すように、加工面を幾何学中心MCから任意方向に任意量偏心させる計算を行うだけでよい。これにより、ブロック治具20の加工回転軸MCと加工済みレンズ19bの加工面の光学中心OCが偏心した加工面を創成することができる。その結果、数値データの変更のみで偏心量の付加ができるため、膨大な数の中空治具が不要となると共に、手作業によるバラツキが生じなくなった。
【0081】
次に、図4のステップ407で、加工条件の選定を行う。数値制御工作機械の加工条件が適切でないと、形状創成加工時に加工抵抗に負けてワーク表面にチッピング(微細な欠落)が発生する。このチッピングは後工程で除くことが困難なため、チッピングを発生させないように加工条件を設定する必要がある。とりわけ、屈折率が1.74を超える超高屈折率素材やCR−39のレンズのように脆い素材ほどチッピングが発生しやすい傾向にある。
【0082】
数値制御工作機械の加工条件は、ワーク回転数、ワークの1回転毎の刃具の移動量である送りピッチ、ワークにくい込む深さである切り込み量、周速度等である。計算用コンピュータには、近似加工面粗削り加工、仕上げ削り加工、外径加工、面取り加工の各加工において、眼鏡レンズの処方データに基づくレンズの形状やレンズ素材等に応じて、加工条件を組み合わせた複数の加工パターンが記憶されている。計算用コンピュータは、眼鏡レンズ処方に基づいたレンズ形状の数値データにプリズムや偏心を加味した最終的なレンズ形状の数値データを演算し、この最終的なレンズ形状の数値データやレンズ素材に基づいて複数の加工パターンの中から最適な加工パターンを選定する。あるいは、作業者が加工パターンを選定して計算用コンピュータに入力しても良い。
【0083】
具体的な加工条件としては、上述したワーク回転に同期して刃具のX軸、Y軸の位置を制御する数値制御工作機械の場合は、ワーク回転数は、粗削り加工では100〜3000rpm、仕上げ加工では100〜3000rpm、送りピッチは、粗削り加工では0.005〜1.0mm/rev、仕上げ加工では0.005〜0.2mm/rev、切り込み量は、粗削り加工では0.1〜10.00mm/pass、仕上げ加工では0.05〜3.0mm/passの範囲である。外径加工や面取り加工のようにX、Yの2軸同期で加工を行う数値制御工作機械の場合は、ワーク回転数は、粗削り加工では100〜20000rpm、仕上げ加工では100〜20000rpm、送りピッチは、粗削り加工では0.005〜1.0mm/rev、仕上げ加工では0.005〜0.2mm/rev、切り込み量は、粗削り加工では0.1〜10.00mm/pass、仕上げ加工では0.05〜3.0mm/passの範囲である。
【0084】
加工条件の中でも送りピッチの設定が最も重要であり、ワークと刃具の相対位置に応じて送りピッチを変更することが好ましい。例えばワークの回転の中心からの距離が離れている外周部、即ち刃具とワークの相対速度が速い部分、あるいは面形状の変化が大きい部分では、送りピッチを小さくすることが好ましい。一方、送りピッチを大きくした方が生産性が高まるため、仕上げ加工で除去できるチッピングが生じるような場合は、できる限り送りピッチを大きくする。
【0085】
図7及び図8に、送りピッチの設定パターンの例示を示した。各パターンのグラフとも、横軸はワークの回転中心からの距離であり、縦軸は送りピッチである。横軸の数値は例示である。刃具は切削時に通常外周部から内周部へ移動するため、刃具の移動の観点から各パターンを説明する。図7の(1)はワーク中心からの距離によらず送りピッチが一定のパターンである。この場合、送りピッチはワークの材料や形状によって適宜選択される。図7の(2)は、ワークの外周部と中央部ではPoの一定の送りピッチで、内周部に入るときにP1に送りピッチを小さくした後P1を持続するパターン(実線)と内周部でP0からP1に漸次送りピッチを小さくするパターン(破線)である。図7の(3)は外周部でP1の一定の送りピッチで、内周部の入口でP0に送りピッチを大きくしてP0を維持するパターンである。図7の(4)は、外周部と内周部では一定の送りピッチP0で、中央部で送りピッチをP1に小さくするパターン(実線)と、外周部と内周部では一定の送りピッチP1で、中央部で送りピッチをP0に大きくするパターン(破線)である。この場合、外周部と内周部の送りピッチが異なる場合がある。
【0086】
図8の(5)は、外周部から内周部まで漸次送りピッチを直線的に変化させるパターンであり、外周部から内周部にかけて送りピッチが増加するパターン(破線)と外周部から内周部にかけて送りピッチが減少するパターン(実線)である。図8の(6)は、外周部で送りピッチを急激に小さくし、中央部と内周部では緩やかに送りピッチが減少するパターン(実線)と外周部から中央部にかけては緩やかに送りピッチが大きくなり、内周部で急激に送りピッチが大きくなるパターン(破線)である。図8の(7)は、中央部が最も送りピッチが大きく内周部と外周部で送りピッチが小さい連続パターン(実線)と中央部で最も送りピッチが小さく、外周部と内周部で送りピッチが大きくなる連続パターン(破線)である。図8の(8)は、外周部から内周部にかけて段階的に送りピッチが減少するパターン(破線)と外周部から内周部にかけて段階的に送りピッチが大きくなるパターン(実線)である。
【0087】
最終的なレンズ形状やレンズの材料等に応じてこれらのパターンの中から適切な送りピッチパターンを選定する。例えば、近似加工面粗削り加工では、チッピングが発生しても仕上げ削り加工時に取り去ることが可能であるため、図8(5)の破線のパターンで、P1=0.05〜0.20mm/rev、P0=0.10〜0.40mm/revを採用することができる。
【0088】
また、仕上げ削り加工では、大多数は図7(1)のパターンを採用し、例えばP0=0.01〜0.10mm/revの範囲である。レンズの屈折率によらず乱視が2.00D以上の場合は、チッピングが発生しやすいので、図7(3)のパターンを採用する。この場合、例えばP0=0.03〜0.10mm/rev、P1=0.01〜0.07mm/revであり、P1の送りピッチである範囲は最外周から5〜15mmの範囲である。
【0089】
屈折率が1.74の超高屈折率レンズやCR−39等のもろい材料では、形状によらずパターン(1)を採用し、P0=0.05mm/rev以下が望ましい。乱視が2.00D以上の場合は、外周部をこれより更に低ピッチの図7の(3)、図8の(5)の破線、図8の(6)の破線、図8の(8)の実線のパターンを採用する。
【0090】
更に、球面や非対称非球面は刃具が一方向にしか進まないため、チッピングが発生し難いので、図7(1)のパターンでP0=0.03〜0.10mm/revを採用する。この場合、高生産性と切削品質を両立できる図8(6)の破線のパターンでもよく、P0=0.07〜0.20mm/rev、P1=0.02〜0.07mm/revの値を用い、二次関数で近似する。
【0091】
例えば図7(3)のパターンの場合のように外周部での送りピッチを内周部より低くしてもチッピング対策が不十分なときは、通常の回転数、例えば300〜1000rpmを20〜40%程度減少させることも有効である。
【0092】
また、図7(2)の実線や破線のパターン、図7(4)の破線のパターンは、プラスチックレンズの場合は中心部でむしれ易いため、中心部で送りピッチを低くする場合(P0=0.03〜0.10mm/rev、P1=0.01〜0.03mm/rev)に採用される。図7(4)の破線のパターンでは、外周部と内周部でP1が異なる場合もある。例えば外周部でP1=0.03mm/rev、内周部でP1=0.01mm/revである。
【0093】
また、刃具のワーク径方向の位置に応じてワーク回転数を変えることによって周速度を一定にするような制御も可能である。このような制御方法は外周部でのチッピングの発生を効果的に抑制することができる。
【0094】
最後に、ステップ408で、計算用コンピュータは、得られた最終的なレンズ形状の数値データと加工パターンに基づいて数値制御工作機械で用いられる数値制御用加工データを作成する。得られた数値制御用加工データはホストコンピュータに送信され、格納される。この数値制御用加工データに基づいて上述した形状創成工程が行われる。
【0095】
なお、上記数値制御用加工データの作成の説明では、プリズムの補正と偏芯のための補正とは別工程で行っているようにしているが、プリズムも偏芯もベクトルであるので、両補正を同時に行うようにしても良い。
【0096】
本発明の眼鏡レンズの製造方法の実施の形態によれば、削り出し加工による形状創成工程をそれぞれバイトの種類や動きが異なる外径加工工程、近似加工面粗削り工程、仕上げ削り工程及び面取り工程に区分けしたことにより、それぞれの削り出し加工に最適なバイトを用いて最適な切削条件で削り出し加工を行うことが可能になり、精度が良く迅速な形状創成が可能になった。
【0097】
また、少なくとも近似加工面粗削り工程と仕上げ削り工程を数値制御工作機械を用いて削り出し加工を行うため、複雑な曲面を有する内面累進多焦点レンズの内面を含むあらゆるレンズ曲面の形状創成が可能となった。
【0098】
更に、仕上げ用バイトと粗削り用バイトの少なくとも2種類のバイトを使い分けできる数値制御工作機械を用いることにより、形状創成工程内のあらゆる工程を1台の数値制御工作機械で連続して行うことができるため、効率良く、高い歩留まりで安定した品質のレンズの生産が可能となった。
【0099】
また、本発明の眼鏡レンズの製造方法では、プリズムや偏心加工を治具の変更をせずに演算のみで対処できるため、加工精度に優れる眼鏡レンズを生産性よく製造することができる。
【0100】
加えて、眼鏡レンズの処方に基づくレンズ面形状やレンズの材質に応じて加工パターンを変更し、チッピングの発生を抑制しながら切削速度を上げることができるので、不良の発生を抑制すると共に、生産性を良好にすることができる。
【0101】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の眼鏡レンズの製造方法によれば、複雑な曲面を有するレンズ面の形状創成を生産性良く行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の眼鏡レンズの製造方法の工程を示すフローチャートであり、(a)〜(g)は各工程での加工を示す模式図である。
【図2】本発明の眼鏡レンズの製造方法に用いる数値制御切削装置の概略の構成を示す側面図である。
【図3】本発明の眼鏡レンズの製造方法に用いる数値制御旋削装置の概略の構成を示す上面図である。
【図4】数値制御用加工データの作成手順の一例を示すフローチャートである。
【図5】形状創成工程でプリズムの付加を行う場合のブロック治具に対するワークの配置を示す概略側面図であり、(a)は従来の方法、(b)は本発明の方法を示す。
【図6】形状創成工程で偏心の付加を行う場合のブロック治具に対するワークの配置を示す概略側面図と上面図であり、(a)は従来の方法、(b)は本発明の方法を示す。
【図7】(1)〜(4)は、それぞれ送りピッチのパターンを示すグラフである。
【図8】(5)〜(8)は、それぞれ送りピッチのパターンを示すグラフである。
【符号の説明】
11 セミフィニッシュレンズ
12 外径加工後のセミフィニッシュレンズ
13 近似加工面粗削り加工後のセミフィニッシュレンズ
14 仕上げ削り加工後のセミフィニッシュレンズ
15 面取り加工後のセミフィニッシュレンズ
16 鏡面加工中のセミフィニッシュレンズ
17 フィニッシュレンズ
20 ブロック治具
30 ブロック材
40 倣い研磨工具
41 ゴムシート
42 筐体
200 数値制御切削装置
201 ベッド
202 X軸位置決め手段
204 X軸駆動用モータ及びエンコーダ
205 ワーク軸回転手段
206 ワーク回転軸駆動用モータ及びエンコーダ
207 ワーク回転軸
208 ワークチャック
210 Y軸位置決め手段
211 Y軸駆動用モータ及びエンコーダ
212 Z軸位置決め手段
213 刃具回転手段
214 Z軸コラム
215 円形カッター
216 刃具回転軸
217 Z軸駆動用モータ及びエンコーダ
300 数値制御旋削装置
301 ベッド
310 X軸位置決め手段
311 X軸駆動用モータ及びエンコーダ
312 ワーク軸回転手段
313 ワークチャック
314 ワーク回転軸駆動用モータ及びエンコーダ
320 Y軸位置決め手段
321 Y軸駆動用モータ及びエンコーダ
322 第1刃物台
323 第2刃物台
324 粗削り用バイト
325 仕上げ用バイト

Claims (2)

  1. 眼鏡レンズ基材のいずれか一方の面又は両面の加工により前記眼鏡レンズ基材に眼鏡レンズの処方に基づくレンズ面形状を創成する形状創成工程を有する眼鏡レンズの製造方法であって、
    前記形状創成工程が、数値制御用加工データに基づく数値制御による削り出し加工により前記眼鏡レンズ基材に前記眼鏡レンズの処方に基づくレンズ面形状に近似した近似面形状を創成する近似加工面粗削り工程と、数値制御用加工データに基づく数値制御による削り出し加工により前記近似面形状から前記眼鏡レンズの処方に基づくレンズ面形状を創成する仕上げ削り工程とを有し、
    前記数値制御による削り出し加工が、前記眼鏡レンズ基材を回転させながら、前記眼鏡レンズ基材の回転軸方向の刃具と前記眼鏡レンズ基材との相対的な位置及び前記回転軸と直行方向の前記刃具と前記眼鏡レンズ基材との相対的な位置を前記眼鏡レンズ基材の回転に同期させることにより行われ、
    少なくとも前記仕上げ削り工程においては、前記レンズ面形状によって変化する前記眼鏡レンズ基材と前記刃具の相対位置に応じて、前記回転に同期した前記刃具の送りピッチを変更させながら削り出し加工する眼鏡レンズの製造方法において、
    前記仕上げ削り工程における前記眼鏡レンズ基材外周部および/または中心部での前記刃具の送りピッチが他の部分より小さいことを特徴とする眼鏡レンズの製造方法。
  2. 前記仕上げ削り工程において、
    前記眼鏡レンズ基材の処方が乱視2.00D以上の場合、前記眼鏡レンズ基材中心部における前記刃具の送りピッチが、前記眼鏡レンズ基材の他の部分における送りピッチよりも大きいことを特徴とする請求項1記載の眼鏡レンズの製造方法。
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