JP4028216B2 - 減容化可能なボトル - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、減容化可能なボトルに関し、更に詳しくは、各種飲料、液体調味料、食用油などを収納でき、胴部の横断面が矩形状をなす角筒状に形成されるプラスチックの成形ボトルであって、ボトルの使用後に容易に減容化できるようにしたボトルに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、各種飲料、液体調味料、食用油などの液状物を充填し、流通させるプラスチックの成形ボトルとしては、2軸延伸ブロー成形ボトルを含めたブロー成形ボトルが多く用いられている。このようなプラスチックの成形ボトルは、保形性があり、且つガラス瓶や金属缶などと比較して、軽量で低コストであることから、特に使用量の多い各種飲料の分野では、多く採用され大量に使用されるようになっている。
【0003】
このような包装容器類は、使用後、材料別に分別回収し、リサイクル或いは焼却などの処理が行われているが、保形性容器であるため空容器が嵩張り、運搬効率を悪くする問題があり、できるだけ薄肉化して材料の使用量を少なくすると共に、押し潰しなどによる減容化を容易にすることが要望されている。
この点は、使用量の多いプラスチックの成形ボトルでは特に重要であり、コストの低減も含めて薄肉化が進められている。
しかし、空容器の嵩を小さくする減容化の点では、薄肉化による方法だけではボトル自体の強度面での制約があるため、十分な解決策とはなっていない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記のような問題点を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、プラスチックの成形ボトルに関して、ボトルの性能を損なうことなく、その肉厚をできるだけ薄くすると共に、使用後の空ボトルを容易に折り畳んで減容化することのできる成形ボトルを生産性よく且つ経済性よく提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記の課題は、以下の本発明により解決することができる。
即ち、請求項1に記載した発明は、口部と肩部、胴部および底部とからなり、胴部が、横断面が矩形状の角筒状に形成されるプラスチックの成形ボトルであって、胴部を形成する周囲の4壁面のうち、少なくとも対向する2壁面のそれぞれの幅方向の中央部に、該ボトルを縦方向に偏平に折り畳みやすくするための縦方向の折り曲げ用リブが、少なくとも胴部の上縁から、両側に隣接する壁面間の距離の1/2の長さに相当する高さ位置までは垂直に設けられ、該高さ位置から下方では二股に分かれ、該壁面の下側の両隅に向かう逆Y字形に設けられ、
前記ボトルの、縦方向の折り曲げ用リブが設けられた壁面の両側に隣接する壁面間の1/2に相当する高さ位置に、更に横方向の折り曲げ用リブが、ボトルの全周または両側の縦方向の折り曲げ用リブ間を結ぶ半周に設けられ、
また、前記ボトルが、その口部を除く周壁の平均厚みが0.1〜0.7mmとなるように形成され、更に、前記折り曲げ用リブとは別に、その胴部周壁に横方向の補強リブが適宜の間隔を置いて複数本設けられ、
更に、前記縦方向の折り曲げ用リブを設けた対向する2壁面とは異なる側の対向する2壁面の中央部に、該ボトルを折り畳んで減容化する際、力を加えやすくし、また、ボトルを持ちやすくするためのパネル部が、その表面全面に縦方向の凹凸条が設けられると共に、該パネル部全体を凹状に窪ませるか、または、周囲に凹状の溝を設けて形成されていることを特徴とする減容化可能なボトルからなる。
【0006】
本発明において、前記折り曲げ用リブは、内側に凸状となる溝形状、または外側に凸状となる溝形状に成形を施して設けることができる。
尚、上記外側に凸状となる溝形状に折り曲げ用リブを設ける場合は、凸状となる溝形状の両側に成形凹部を設けて、凸状の溝形状の先端部が、ボトル胴部の外周面から突出しないように設けることが好ましい。
このような折り曲げ用リブは、使用後のボトルを縦方向に偏平に折り畳んで減容化する際、この折り曲げ用リブを外側に折り出す(山折りする)か、内側に折り込む(谷折りする)ことにより、ボトルを偏平に折り畳みやすくする作用を有すると同時に、縦方向に設けられている場合、ボトルの上下方向の圧縮力に対する抵抗力、即ち、座屈強度を強める作用も有するものである。
【0007】
また、このような縦方向の折り曲げ用リブを設ける位置は、ボトルの胴部を形成する周囲の4壁面のうち、少なくとも対向する2壁面のそれぞれの幅方向の中央部であって、長さ方向には、少なくとも胴部の上縁から下方に向けて、両側に隣接する壁面間の距離の1/2の長さに相当する高さ位置まで設けることが好ましい。
これは、例えば、折り曲げ用リブを設けた2壁面が左右になるようにボトルを配置して、前後から力を加えて強制的に偏平に折り畳んだ時、折り曲げ用リブで縦方向の直線状に折り曲げられるのが、この範囲になるためである。
【0008】
只、縦方向の折り曲げ用リブは、前述したように、折り曲げ線としてボトルの折り畳みを容易にする作用と共に、ボトルの上下方向の圧縮力に対する抵抗力、即ち、座屈強度を強める作用も有しているので、例えば、前記の範囲の長さよりも上下に長くした場合、その長くした部分は、ボトルの折り畳みを容易にする作用としてはあまり働かないが、座屈強度を強める作用は得られる。
従って、ボトルの肩部は一般的に肉厚が薄くなりやすいため、縦方向の折り曲げ用リブを胴部の上縁よりも上側に、例えば肩部の中間部近辺まで伸ばして設けることは、ボトルの座屈強度を向上できる点で有効である。
また、折り曲げ用リブが前記の長さよりも短い場合は、折り曲げ用リブのない部分で折りくせがつきにくく、反発による戻りを生じるため好ましくない。
【0009】
このような構成を採ることにより、使用後のボトルを減容化する際、ボトルの胴部の対向する2壁面に縦方向の折り曲げ用リブが設けられているので、この折り曲げ用リブを山折りまたは谷折りに折り曲げて胴部を圧縮することにより、一層容易にボトルの胴部を偏平に折り畳んで減容化することができる。また、縦方向の折り曲げ用リブにより、ボトルの座屈強度を向上させる効果も得られる。
【0011】
また、請求項1に記載した発明では、前記縦方向の折り曲げ用リブが、少なくとも胴部の上縁から、両側に隣接する壁面間の距離の1/2の長さに相当する高さ位置までは垂直に設けられ、該高さ位置から下方では二股に分かれ、該壁面の下側の両隅に向かう逆Y字形に設けられた構成としているので、使用後のボトルを両側の縦方向の折り曲げ用リブを利用してボトルの胴部を偏平に折り畳んだ際、ボトルの底部近くまできっちりと折りくせよく折り畳むことができ、一層確実に減容化することができる。
【0013】
また、請求項1に記載した発明では、前記ボトルの、縦方向の折り曲げ用リブが設けられた壁面の両側に隣接する壁面間の距離の1/2に相当する高さ位置に、更に横方向の折り曲げ用リブが、ボトルの全周または両側の縦方向の折り曲げ用リブ間を結ぶ半周に設けられた構成としているので、使用後のボトルを両側の縦方向の折り曲げ用リブを利用してボトルの胴部を偏平に折り畳んだ後、更に横方向の折り曲げ用リブを利用して、ボトルの底部を折り上げて偏平に折り畳むことができ、一層効果的にボトルを減容化することができる。
【0015】
ボトルを薄肉、軽量化する場合、ボトルの口部を除く周壁、即ち、肩部と胴部および底部の平均厚みは0.1〜0.7mmであることが好ましく、0.1〜0.4mmであることが更に好ましい。
上記平均厚みが0.1mm未満の場合は、ボトルの強度が低下し、ボトルの胴部周壁などに横方向の補強リブを設けても、必要な強度が得られなくなり、胴膨れの発生や、手で持ったときの保持性など使用適性が損なわれるため好ましくない。また、上記平均厚みが0.7mmを超える場合は、強度の面では既に十分な強度が得られているため、その必要性がなく、コストの上昇と共に軽量化の効果も得られず、また、折り曲げ用リブによる折り曲げ効果も低下するため好ましくない。
【0016】
また、請求項1に記載した発明では、前記折り曲げ用リブとは別に、その胴部周壁に横方向の補強リブが適宜の間隔を置いて複数本設けられた構成としているので、胴部の横方向の強度、剛性が強化され、胴膨れを発生することなくボトルを薄肉化することができる。
また、横方向の補強リブは、横方向の折り曲げ用リブにも利用できるので、これを利用して偏平に折り畳んだボトルを底側から上部側に巻き上げるように折り畳むことができ、一層コンパクトに減容化することができる。
従って、ボトルの薄肉化により、使用する樹脂の量も少なくすることができ、省資源、省エネルギーが可能となり、経済性にも優れると共に、一層容易に且つコンパクトに減容化可能なボトルを生産性よく提供することができる。
【0018】
また、請求項1に記載した発明では、前記縦方向の折り曲げ用リブを設けた対向する2壁面とは異なる側の対向する2壁面の中央部に、該ボトルを折り畳んで減容化する際、力を加えやすくし、また、ボトルを持ちやすくするためのパネル部が、その表面全面に縦方向の凹凸条が設けられると共に、該パネル部全体を凹状に窪ませるか、または、周囲に凹状の溝を設けて形成されている。
上記のパネル部内の表面は、フラットな面に形成してもよいが、例えば、縦方向の凹凸条を全面に設けて形成してもよい。パネル部自体は、上記のように折り畳みの力を加えやすくし、また、ボトルを持ちやすくするために設けたものであるが、同時に胴部壁面に対する補強効果も有しており、特に上記のように縦方向の凹凸条を全面に設けた場合は、一層その補強効果も向上される。
【0019】
従って、前記のような構成を採ることにより、一層ボトルを持ちやすく、また、容易にボトルを折り畳んで減容化できると共に、ボトルの胴部の強度を向上させることができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本発明の減容化可能なボトルの一実施例の構成を示す正面図である。図2は、図1に示した減容化可能なボトルの側面図である。図3は、図1に示した減容化可能なボトルの平面図である。
また、図4は、本発明の減容化可能なボトルの別の一実施例の構成を示す正面図である。図5は、図4に示した減容化可能なボトルの側面図である。図6は、図4に示した減容化可能なボトルの平面図である。
【0021】
尚、本発明の減容化可能なボトルの材料は、特に限定はされず、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリエチレン、その他のプラスチックが用いられ、これらを単層で用いてもよく、また、複数の層を積層した積層体を用いてもよい。積層体を用いる場合、例えば、中間層などにエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物、その他のガスバリヤー性材料を積層することにより、ボトルのガスバリヤー性を向上させることができる。
ボトルの成形方法についても、ダイレクトブローのほか、2軸延伸ブローなど任意の成形方法を採ることができる。
【0022】
図1、図2、図3において、減容化可能なボトル100は、ブロー成形された薄肉のボトルであり、口部1と、口部1に連続する肩部2と、肩部2に連続する胴部3と、胴部3に連続する底部4とからなり、胴部3から下側は、図3の平面図に示すように、横断面が角部にRを設けた長方形となる角形ボトルに成形されている。
【0023】
口部1は、従来のプラスチックボトルと同様に円筒状に形成されており、その外周面には、上部に口部1の開口端を閉じるキャップ(図示せず)がネジ締めされる雄ネジ13が設けられ、下部にボトルの搬送時などに使用する保持用のフランジ14が設けられている。
口部1に連続する肩部2は、全体として逆漏斗状に形成されており、円筒状の口部1の下から、横断面が角部にRを設けた長方形の角筒状の胴部3に曲面状につながる角錐台状に形成されている。
【0024】
そして、角筒状の胴部3には、その周壁面に横方向の凹溝状の補強リブ10を適宜の間隔を置いて複数本設けると共に、横断面が長方形の胴部周囲の4壁面のうち(図3の平面図参照)、長辺側の対向する2壁面を前後の壁面5、6とし、短辺側の対向する2壁面を左右の側壁面7、8とした時、図2の側面図に示すように、対向する左右の側壁面7、8のそれぞれの幅方向の中央部に、ボトル100を縦方向に偏平に折り畳みやすくするための凹溝状の縦方向の折り曲げ用リブ9a を、胴部3の上縁から、両側に隣接する壁面間の距離Lの1/2の長さ(1/2)×Lに相当する高さ位置まで設け、そこから下方では二股に別れ、それぞれの側壁面7、8の下側の両隅に向かう斜め方向の折り曲げ用リブ9b 、9c を設け、全体として逆Y字形の折り曲げ用リブ9を形成し、更に、側壁面の両側に隣接する前後の壁面間の距離Lの1/2の長さ(1/2)×Lに相当する高さ位置に、横方向の折り曲げ用リブ9d をボトル100の全周に設け、また、図1の正面図に示すように、前後の壁面5、6の中央部(やや下寄りの位置)には、前記折り曲げ用リブ9a 、9b 、9c でボトル100を偏平に折り畳んで減容化する際、力を加えやすくし、また、ボトル100を持ちやすくするためのパネル部11を、成形凹部12a のように矩形状の窪んだ形状に設けて構成したものである。
【0025】
前記胴部3の周壁面に適宜の間隔を置いて設けた複数本の横方向の補強リブ10は、本来ボトル100の横方向の強度を補強し、内容物の重量によるボトル100の胴膨れを防止するために設けるものであり、胴部の肉厚が特に薄肉でない場合は、必ずしも設ける必要はない。只、本発明の減容化可能なボトルでは、縦方向に偏平に折り畳む操作を一層容易にするためには、ボトル100の胴部に前記折り曲げ用リブ9a 、9b 、9c 、9d を設けると共に、薄肉であることが更に好ましく、この点から、横方向の補強リブ10は、複数本設けて補強することが好ましい。
また、このような横方向の補強リブ10は、凹溝状に形成されているので、前記補強作用と同時に、折り曲げ線としての作用も有している。従って、横方向の補強リブ10を適宜の間隔を置いて複数本設けることにより、ボトル100の胴膨れを防止できると共に、ボトル100を前記折り曲げ用リブ9a 、9b 、9c 、9d を使用して縦方向に偏平に折り畳んだ後、補強リブ10を利用して底部側から上部側に、巻き上げるように折り畳むことが可能となり、一層コンパクトに減容化することができる。
【0026】
前記対向する左右の側壁面7、8に設けた凹溝状の折り曲げ用リブは、ボトル100を縦方向に偏平に折り畳みやすくするものであり、少なくとも対向する側壁面7、8の幅方向の中央部に、胴部3の上縁から、両側に隣接する壁面間の距離Lの1/2の長さに相当する高さ位置まで縦方向の折り曲げ用リブ9a を設けることにより、その折り曲げ用リブ9a を内側に折り込むか、或いは外側に折り出して、胴部3を偏平に折り畳むことができる。
【0027】
しかし、肉厚が比較的厚くなる底部近辺を一層容易に偏平に折り畳むためには、上記縦方向の折り曲げ用リブ9a の下端から二股に別れ、それぞれの側壁面7、8の下側の両隅に向かう斜め方向の折り曲げ用リブ9b 、9c を設けて、逆Y字形の折り曲げ用リブ9を設けることが好ましく、更に、前記縦方向の折り曲げ用リブ9a の下端の高さ位置に、横方向の折り曲げ用リブ9d をボトルの全周、または両側の縦方向の折り曲げ用リブ9a の下端同士を結ぶ半周に設けることが更に好ましい。
このような逆Y字形の折り曲げ用リブ9に加えて、横方向の折り曲げ用リブ9d を設けることにより、ボトル100の胴部3を偏平に折り畳んだ後、横方向の折り曲げ用リブ9d を谷折りし、底部4を折り上げて折り畳まれた胴部3と同一面となるように偏平に折り畳むことができるので、ボトル100を一層コンパクトに減容化することができる。
【0028】
尚、上記横方向の折り曲げ用リブ9d は、この位置に前記横方向の補強リブ10を設けることができる場合は、横方向の補強リブ10を設けて折り曲げ用リブ9d を代用させることもできる。
また、前記折り曲げ用リブ9a 、9b 、9c 、9d と横方向の補強リブ10は、いずれも凹溝状に形成しているが、一部で両者が交差しており、折り曲げ用リブの折り曲げ効果が損なわれないようにするため、折り曲げ用リブ9a 、9b 、9c 、9d の深さは、横方向の補強リブ10の深さと同等またはそれよりも深くなるように形成することが好ましい。
【0029】
また、前記胴部3の対向する前後の壁面、即ち、胴部前側の壁面5と胴部後ろ側の壁面6の中央部やや下寄りの位置に設けたパネル部11は、ボトル100を偏平に折り畳んで減容化する際、力を加えやすくし、また、ボトル100を持ちやすくするために設けたものであるが、ボトル胴部3の座屈強度などを補強する効果も有するものである。
このようなパネル部11は、図示した成形凹部12a のように胴部3の外周面から窪んだ形状に設けることが、手指で力を加えやすく、またボトル100を持ちやすくし、更に胴部3の補強効果を向上できる点で好ましいが、特に限定するものではなく、例えば、周囲に額縁状の凹溝を設けて形成することもできる。
パネル部11面には、例えば縦方向の凹凸条(図示せず)を設けて座屈強度の補強効果や、スリップ防止効果などを一層向上させることができる。
また、パネル部11の形状は、特に限定されるものではなく、図示した矩形状のほか、円形、楕円形など任意の形状に設けることができる。
【0030】
次に、図4、図5、図6に示した減容化可能なボトル200は、前記図1、図2、図3に示した減容化可能なボトル100の構成において、角形ボトルの形状を、横断面が長方形状ではなく、図6の平面図に示すように正方形状に変更し、また、図5の側面図に示すように、ボトルの胴部3の対向する左右の側壁面7、8に設けた縦方向の折り曲げ用リブ9a およびその下端に二股に別れてつながる斜め方向の折り曲げ用リブ9b 、9c からなる逆Y字形の折り曲げ用リブ9を、凹溝状ではなく、外側に凸状となる凸溝状に変更すると共に、その凸溝状の折り曲げ用リブ9a 、9b 、9c が胴部3の外周面から外側に突出しないように、折り曲げ用リブ9a 、9b 、9c を含む一定領域を成形凹部12b のように広幅の逆Y字形に窪ませて形成し、更に、図4の正面図に示すように、胴部3の前後の壁面5、6の中央部やや下寄りの位置に設けたパネル部11の形状を円形に変更して構成したものであり、その他の構成は、前記図1〜図3に示した減容化可能なボトル100と同様に形成して構成したものである。
【0031】
このような構成を採ることにより、胴部3の横断面が正方形状となり、胴部3の周囲の4壁面の幅が等しくなるため、胴膨れなどに関して、力のかかり方が均等になり、ボトル200の強度が安定したものとなる。
また、ボトル200の左右の側壁面7、8に設けた逆Y字形の折り曲げ用リブ9を外側に凸状となる凸溝状に変更した点については、ボトル200を偏平に折り畳む際、逆Y字形の折り曲げ用リブ9を内側に折り込んで折り畳むこともできるが、どちらかと言えば、外側に折り出して折り畳むのに適した形状である。
【0032】
そして、左右の側壁面7、8に設けた折り曲げ用リブ9a 、9b 、9c を含む一定領域を広幅の逆Y字形の成形凹部12a で窪ませているので、凸溝状の折り曲げ用リブ9a 、9b 、9c が胴部3の外周面から突出して傷つけられることがなく、この部分が縦方向の補強リブの作用も持ち、胴部3の座屈強度を一層向上させることができる。
また、胴部3の前後の壁面の5、6の中央部やや下寄りの位置に設けたパネル部11の形状を矩形状から円形に変更した点については、ボトル200を偏平に折り畳む際の力の加えやすさ、ボトル200を持つ際のつかみやすさなど、その作用効果に大きな差はなく、前記図1〜図3に示したボトル100で説明した作用効果と同様な作用効果を得ることができる。
【0033】
【実施例】
以下に、実施例を挙げて、本発明を更に具体的に説明する。
(実施例1)
図1〜図3に示した構成の減容化可能なボトル100を、ポリエチレンテレフタレートを用いて2軸延伸ブロー成形により下記の寸法で作製した。
ボトル100の高さは235mmとし、胴部3の横断面は長方形状で、胴部3の幅(左右の側壁面7、8間の距離)は101mm、胴部3の奥行き(前後の壁面5、6間の距離)は82mmとし、また、胴部3の左右の側壁面7、8に設けた逆Y字形の折り曲げ用リブ9a 、9b 、9c のうち、縦方向の折り曲げ用リブ9a は胴部3の上縁から垂直下方に底面から41mmの高さ位置まで設け、そこから下では、二股に別れてそれぞれの側壁面7、8の下側の両隅近辺に至る斜め方向の折り曲げ用リブ9b 、9c を設け、更に、前記底面から41mmの高さ位置に横方向の折り曲げ用リブ9d を胴部3の全周に設けた。
また、胴部3の横方向の補強リブ10は、前記横方向の折り曲げ用リブ9d の上側には、胴部の上縁までを略等間隔に分割するように4本の補強リブ10を全周に設け、横方向の折り曲げ用リブ9d の下側には、底部4との境界部に1本の横方向の補強リブ10を全周に設けた。
そして、胴部3の前後の壁面5、6の中央部からやや下寄りの位置には、一辺の長さが40mmの正方形状のパネル部11を深さ2.5mmに窪ませて設けた。
尚、ボトル100の口部1を除く周壁の平均厚みは0.27mmとし、ボトル100の充填容量は1200mlとした。
【0034】
以上のように作製した実施例1の減容化可能なボトル100は、飲料などの液状の内容物を安全に密封できると共に、その空ボトルは、胴部3の周壁面に設けた折り曲げ用リブ9a 、9b 、9c 、9d 利用して、容易に縦方向に偏平に折り畳んで減容化することができた。
また、偏平に折り畳んだボトルを、更にその横方向の補強リブ10を利用して底部側から上部側に巻き上げるように折り畳んで一層コンパクトに減容化することも可能であった。
【0035】
(実施例2)
図4〜図6に示した構成の減容化可能なボトル200を、ポリエチレンテレフタレートを用いて2軸延伸ブロー成形により下記の寸法で作製した。
ボトル200の高さは235mmとし、胴部3の横断面は一辺の長さが87mmの正方形状、即ち、胴部3の幅(左右の側壁面7、8間の距離)は87mmで、胴部3の奥行き(前後の壁面5、6間の距離)も87mmとし、また、胴部3の左右の側壁面7、8に設けた逆Y字形の折り曲げ用リブ9a 、9b 、9c のうち、縦方向の折り曲げ用リブ9a は胴部3の上縁から垂直下方に底面から43.5mmの高さ位置まで設け、そこから下では、二股に別れてそれぞれの側壁面7、8の下側の両隅近辺に至る斜め方向の折り曲げ用リブ9b 、9c を設け、更に、前記底面から43.5mmの高さ位置に横方向の折り曲げ用リブ9d を胴部3の全周に設けた。
【0036】
尚、上記逆Y字形の折り曲げ用リブ9a 、9b 、9c は、外側に凸状となる凸溝状に設け、この逆Y字形の折り曲げ用リブ9a 、9b 、9c を含む一定領域を広幅の逆Y字形の成形凹部12b で窪ませて、逆Y字形の折り曲げ用リブ9a 、9b 、9c が胴部3の外周面から突出しないように形成したものであり、また、前記横方向の折り曲げ用リブ9d は、実施例1と同様に凹溝状に形成したものである。
【0037】
また、胴部3の横方向の補強リブ10は、この場合も前記実施例1と同様に、横方向の折り曲げ用リブ9d の上側には、胴部の上縁までを略等間隔に分割するように4本の補強リブ10を全周に設け、横方向の折り曲げ用リブ9d の下側には、底部4との境界部に1本の横方向の補強リブ10を全周に設けた。
そして、胴部3の前後の壁面5、6の中央部からやや下寄りの位置には、直径が40mmの円形のパネル部11を深さ2.5mmに窪ませて設けた。
尚、ボトル200の口部1を除く周壁の平均厚みは0.26mmとし、ボトル200の充填容量は1200mlとしたものである。
【0038】
以上のように作製した実施例2の減容化可能なボトル200も、飲料などの液状の内容物を安全に密封できると共に、その空ボトルは、胴部3の周壁面に設けた折り曲げ用リブ9a 、9b 、9c 、9d 利用して、容易に縦方向に偏平に折り畳んで減容化することができた。
また、偏平に折り畳んだボトルを、更にその横方向の補強リブ10を利用して底部側から上部側に巻き上げるように折り畳んで一層コンパクトに減容化することも可能であった。
【0039】
【発明の効果】
以上、詳しく説明したように、本発明によれば、プラスチックの成形による角筒状のボトルであって、ボトルとしての性能を損なうことなく、その周壁面を薄肉化することができ、省資源、省エネルギーが可能で経済性に優れると共に、使用後の空ボトルを、容易に且つコンパクトに折り畳んで減容化することができ、リサイクルや廃棄の際の処理性、運搬効率にも優れた減容化可能なボトルを生産性よく提供できる効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の減容化可能なボトルの一実施例の構成を示す正面図である。
【図2】図1に示した減容化可能なボトルの側面図である。
【図3】図1に示した減容化可能なボトルの平面図である。
【図4】本発明の減容化可能なボトルの別の一実施例の構成を示す正面図である。
【図5】図4に示した減容化可能なボトルの側面図である。
【図6】図4に示した減容化可能なボトルの平面図である。
【符号の説明】
1 口部
2 肩部
3 胴部
4 底部
5 胴部前側の壁面
6 胴部後ろ側の壁面
7 胴部左側の側壁面
8 胴部右側の側壁面
9 逆Y字形の折り曲げ用リブ
9a 、9b 、9c 、9d 折り曲げ用リブ
10 補強リブ
11 パネル部
12a 、12b 成形凹部
13 雄ネジ
14 フランジ
100、200 減容化可能なボトル
Claims (1)
- 口部と肩部、胴部および底部とからなり、胴部が、横断面が矩形状の角筒状に形成されるプラスチックの成形ボトルであって、胴部を形成する周囲の4壁面のうち、少なくとも対向する2壁面のそれぞれの幅方向の中央部に、該ボトルを縦方向に偏平に折り畳みやすくするための縦方向の折り曲げ用リブが、少なくとも胴部の上縁から、両側に隣接する壁面間の距離の1/2の長さに相当する高さ位置までは垂直に設けられ、該高さ位置から下方では二股に分かれ、該壁面の下側の両隅に向かう逆Y字形に設けられ、
前記ボトルの、縦方向の折り曲げ用リブが設けられた壁面の両側に隣接する壁面間の1/2に相当する高さ位置に、更に横方向の折り曲げ用リブが、ボトルの全周または両側の縦方向の折り曲げ用リブ間を結ぶ半周に設けられ、
また、前記ボトルが、その口部を除く周壁の平均厚みが0.1〜0.7mmとなるように形成され、更に、前記折り曲げ用リブとは別に、その胴部周壁に横方向の補強リブが適宜の間隔を置いて複数本設けられ、
更に、前記縦方向の折り曲げ用リブを設けた対向する2壁面とは異なる側の対向する2壁面の中央部に、該ボトルを折り畳んで減容化する際、力を加えやすくし、また、ボトルを持ちやすくするためのパネル部が、その表面全面に縦方向の凹凸条が設けられると共に、該パネル部全体を凹状に窪ませるか、または、周囲に凹状の溝を設けて形成されていることを特徴とする減容化可能なボトル。
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