JP4024574B2 - 車両制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両を直進させたい時に、外乱に伴って発生する車両のヨー角運動を自動的に抑制又は緩和する車両制御装置に関する。
したがって、本発明は、車両の直進安定性を十分に確保する上で大いに有用である。
尚、上記の車両制御装置には、運転者の舵角操作に介入する、周知のVGRS等の所謂操舵制御装置を具備した広義のパワーステアリング装置をも含むものとする。
【0002】
【従来の技術】
図6に、従来のACT指令角δ1の演算処理実行手順を例示する制御ブロックダイヤグラムを例示する。このACT指令角δ1は、外乱に伴って発生する車両のヨー角運動を自動的に抑制又は緩和しようとする目的で、前輪の実舵角の補正量として従来より使用されてきたものである。
【0003】
図6中の略中央の車両状態推定部では、測定された車両のステアリング・ホイール(ハンドル)の操舵角θH と車速Vとに基づいて、車両のヨー角速度rの目標値rn と車体の横滑り角αの目標値αn とを推定する。車両のヨー角速度rと車体の横滑り角αは別途測定され、次式(1)に基づいて、上記のACT指令角δ1が算定さる。これにより、前輪の実舵角δが自動的に調整される結果、外乱に伴って発生する、低減されるべき必要以上のヨー角運動はある程度緩和される。
【数1】
δ1=g1(rn −r)+g2(αn −α) …(1)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記の式(1)は汎用性が高く、その適用範囲は比較的広いが、その反面、ある特殊な状況下においては、外乱に伴う必要以上のヨー角運動を必ずしも十分には抑制できないことが、我々の行った実験により判明した。
例えば、特に、高速で直進走行する場合には、この補正量(ACT指令角δ1)に関する算定精度が不足するため、上記の式(1)に基づいて補正量を算定する従来方式を採用した場合、頑強な直進安定性を有する車両運動性能を十分に実現することは容易ではなかった。
【0005】
本発明は、上記の課題を解決するために成されたものであり、その目的は、頑強な直進安定性を有する十分に安定した車両運動性能を実現することである。
【0006】
【課題を解決するための手段、並びに、作用及び発明の効果】
上記の課題を解決するためには、以下の手段が有効である。
即ち、第1の手段は、車両に発生するヨー角速度r及び横滑り角αを検出することにより車両のヨー運動を検出し、ヨー運動を抑制又は緩和する様に作用する舵角指令値δ1をヨー角速度r及び横滑り角αに基づき算出し、車両の操舵機構をアシストするパワーステアリング装置に対し当該舵角指令値δ1を出力する車両制御装置において、運転者が車両を直進させるための操舵(直進操舵)を行っていると仮定した場合に、外乱に基づいて発生するヨー運動を抑制又は緩和する様に作用する補正舵角δ0を算定して、当該補正舵角δ0を用いて舵角指令値δ1を補正して、パワーステアリング装置に対して出力する補正舵角算出手段を設けることである。
【0007】
運転者が上記の様な直進操舵(中立保舵)を行っている時に、車両にヨー運動が発生した場合、そのヨー運動の原因が外乱であることは言うまでもない。この結論は、車両のヨー運動に関する運動方程式からも容易に導くことができる。この様な外乱としては、例えば車体に働く横風等を挙げることができる。
【0008】
一方、車両が定常円旋回する時のヨー運動の曲率半径をρとすると、この時の車両の実舵角δは、次式(2)により与えられることが公知である。
【数2】
ρ=V/r=(1−AV2 )L/δ …(2)
ただし、ここで、V,r,δは上記と同様にそれぞれ車速、ヨー角速度及び前輪の実舵角であり、また、Lは車両のホイールベースである。更に、定数Aは車両のスタビリティファクタ(定数)であり、次式(3)にて与えられる。
【数3】
A=m(Lr Kr −Lf Kf )/(2L2 Kr Kf ) …(3)
(定数の説明)
m …車両の重量
Lf …車両重心点と前車軸間の距離
Lr …車両重心点と後車軸間の距離
Kf …前輪1輪当りのタイヤコーナリングパワー
Kr …後輪1輪当りのタイヤコーナリングパワー
これらの関係については、例えば「自動車の運動と制御(山海堂):平成13年4月15日第4刷発行」等に記載されている。
【0009】
上記の関係から、直進操舵(中立保舵)時に外乱に基づくヨー角速度rが検出された場合には、上記の式(2)からも判る様に、次式(4)、又は次式(5)で与えられる実舵角δ0に基づいて発生させることができる反対回りのヨー角速度(−r)にて、上記の外乱に基づくヨー角速度(r)を過不足なく抑制できることが分かる。
【数4】
δ0=L(AV2 −1)r/V …(4)
【数5】
δ0=L(AV2 −1)a/V2 …(5)
ただし、ここで「ρ=V2 /a」を用いた。分母のaは車両に働く横加速度である。
【0010】
即ち、直進操舵(中立保舵)時に外乱に基づくヨー角速度rが検出された場合には、前述の式(1)の補正量δ1の代わりに、上記の式(4)又は式(5)で与えられる実舵角δ0を用いて、所謂カウンターステアリングを自動的にあてがうことにより、車両のヨー運動を抑止できることが判る。
【0011】
また、操舵角θH や操舵角速度ωH 等に基づいて、直進操舵(中立保舵)が行われているか否かを判定すれば良い。これらの直進操舵判定用の物理量としては、その他にも例えば、操舵トルクτや操舵トルクの時間微分値dτ/dt等も可用である。
また、運転者が車両を直進させるための操舵(直進操舵)を行っているか否かの判定は、例えばファジー制御理論等でしばしば用いられる様な確率的な判定であっても良い。これらの制御手法を導入することにより、直進操舵の周辺において、より違和感の少ない自然な操舵感を実現することが可能又は容易となる。
【0012】
以上の構成と作用により、頑強な直進安定性を有する十分に安定した車両運動性能を実現することができる。したがって、上記の手段によれば、車両が外乱(横風や路面の横方向の傾斜等)の影響を受けた際に、運転者に要求される高度或いは微妙な操舵操作を軽減できる。
また、これらの作用・効果は、上記の式(4),式(5)からも判る様に、車速Vが大きい時に特に有効である。
【0013】
尚、本発明を利用することができる適用対象システムとしては、例えば、ステアバイワイヤシステムや、後述の実施例で例示するEPS+VGRS型のシステムや、或いは現在最も幅広く利用されている一般の従来型(1モータEPS型)の電動パワーステアリング装置等が考えられる。特に、操舵感がより自然なパワーステアリング装置を容易に構成できると言う観点においては、ステアバイワイヤシステムやEPS+VGRS型のシステムの方が、選択されるべき適用対象システムとしてより望ましい。
これは、操舵角と実舵角が直結していない(1対1対応していない)ステアバイワイヤシステムやEPS+VGRS型システムの方が、1つの電動モータだけで駆動・制御される従来型の電動パワーステアリング装置よりも、中立保舵等の操舵に伴う違和感の解消、低減或いは調整(チューニング)等が比較的容易に実施できるためである。
【0014】
更に、車両の周辺に位置する障害物又は移動体を検出する物体検出手段を設け、障害物又は移動体が検出された際に、補正舵角δ0により補正されない舵角指令値δ1を前記パワーステアリング装置に対して出力することである。
例えば、物体検出手段としては、アクティブクルーズコントロール等にしばしば用いられている様なレーダ等を利用することができる。
【0015】
例えば、外乱によりヨー運動が予期せず発生した場合であっても、その時発生したヨー加速度が、車両周辺の障害物又は移動体に対する衝突を偶然にも回避する方向に働く場合も有り得る。したがって、これらの場合には、自動的、即ち強制的に上記の補正を行うことは、必ずしも望ましいものではないものと考えられる。
本発明によれば、障害物又は移動体が車両の周辺に検出された際に、補正舵角δ0により補正されない舵角指令値δ1が出力されるので、運転者の障害物又は移動体に対する回避操作(緊急操舵等)が、外乱を抑止する上記の動作によって妨げられることは、未然に防止される。
【0016】
また、第2の手段は、上記の第1の手段において、画像処理により走行中の車線の車線標示を認識する車線認識手段と、補正舵角δ0を採用することにより、車両が車線跨ぎを起こすか否かを推定する車線跨ぎ推定手段とを設け、車線跨ぎ推定手段により車線跨ぎが生じると推定された際に、補正舵角δ0により補正されない舵角指令値δ1をパワーステアリング装置に対して出力することである。
例えば、車線認識手段としては、レーンキープサポートシステム等にしばしば用いられている例えばCCDカメラ等の様な車載カメラ等を利用することができる。
【0017】
例えば、外乱によりヨー運動が予期せず発生した場合であっても、道路状況等によってはその時発生したヨー加速度が、走行中の車線の略中央での走行を偶然にも維持(支援)する方向に働く場合も有り得る。したがって、これらの場合には、自動的即ち強制的に上記の補正を行うことは、必ずしも望ましいものではないものと考えられる。
本発明の第2の手段によれば、車線跨ぎ推定手段により車線跨ぎが生じると推定された際に、補正舵角δ0により補正されない舵角指令値δ1が出力されるので、運転者が意図していない車線変更が、外乱を抑止する上記の動作によって実行されることは、未然に防止される。
【0018】
また、第3の手段は、上記の第1又は第2の手段において、補正舵角δ0の絶対値、又はこの絶対値の関連値が所定の閾値ε(>0)を越えた際に、外乱に対する注意を促すメッセージを運転者に対して出力する警報手段を設けることである。
直進操舵時にヨー運動を生じさせる外乱が発生した場合、この様なメッセージに従って、運転者が中立保舵等の操舵を確実に遂行することが期待できるため、より安心感の高い車両制御を実現することができる。
以上の本発明の手段により、前記の課題を効果的、或いは合理的に解決することができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を具体的な実施例に基づいて説明する。ただし、本発明は以下に示す実施例に限定されるものではない。
〔実施例〕
図1及び図2は、本発明の実施例に係わる車両制御装置の物理的な斜視図、及び同車両制御装置の論理的なハードウェア構成図である。符号1は、ハンドル(ステアリングホイール)を示す。符号2は、トルクセンサ6の出力(操舵トルクτ)等に基づいて制御されるEPS(電動モータ・パワーステアリング装置)側のECU(電子制御装置)を示しており、このECU2は、ステアリングラック8に直接作用するモータを有するアクチュエータ4を制御する。
【0020】
また、符号3は、操舵角センサ7の出力(操舵角θH )等に基づいて制御されるVGRS(バリアブル・ギヤ・レシオ・システム)側のECU(電子制御装置)を示しており、このECU3は、ステアリングシャフト9に作用するモータを有するアクチュエータ5を制御する。VGRS側のECU3やアクチュエータ5等は、操舵角(ハンドル角)と実舵角の比であるステアリングギヤ比を操舵系の途中で状況によって変化させる手段を構成しているが、この様な部分については、例えば、公開特許公報「特開平11−49003:車両用操舵装置」等にその記載例が見られる。
【0021】
図3は、本実施例に係わる車両制御装置の制御ブロックダイヤグラムである。ECU10はABS(アンチスキッド・ブレーキ・システム)等の制御を実行するためのものであり、EPS用のECU2は、このECU10やVGRS制御を実行するECU3等とCAN(コントローラ・エリア・ネットワーク)によって結ばれており、例えば、車両のヨー角速度r,車両の横加速度a,ハンドルの操舵角θH ,前輪実舵角δ,車速V,操舵トルクτ,車体横滑り角α等の各種の制御用のデータを共有している。
また、図3のAFS制御演算部200は、EPS側の主要プログラム(トルク慣性補償制御/アシスト制御/ハンドル戻し制御/ダンパ補償制御/等)の管理等を実行すると同時に、ACT角度指令の指令値δ0″を算出する。この指令値δ0″が、運転者が直進操舵(中立保舵)する際に、上記の補正量δ0と一致するものである。
【0022】
図4に、図3のAFS制御演算部200の本発明の実施例に係わる制御ブロックダイヤグラムを示す。補正舵角演算部220(補正舵角算出手段)は、式(4)に従って、補正舵角δ0を算出する。直進操舵確度演算部210は、操舵角θH とその時間微分値である操舵角速度ωH を入力し、マップ211,212を使って、重みG3(=G1×G2)を算出する。次式(6)及び次式(7)は、これらのマップにより表現される関数(f1,f2)を表している。
【数6】
G1=f1(θH ) …(6)
【数7】
G2=f2(ωH ) …(7)
勿論、これらの関数f1,f2は、数式を用いて表現しても良い。
【0023】
これらのマップ211,212は、縦軸の切片座標がGi=1(無次元)を示し、左右両端に最小値0を持つ、縦軸に対して左右対称な形状を有する。例えばこのグラフ形状としては、台形、矩形、お碗型、釣鐘型、略正規分布形状等が可用であり、略平頂で、±∞に向かって急速且つ単調に減少するものであれば良い。このグラフの最適な形状は、経験的に求めることができる。
【0024】
特に、矩形を用いた場合には、事実上上記のマップを用意する必要が無くなり、本発明の直進操舵の判定処理を、上記の関数f1,f2の独立変数θH ,ωH の絶対値に対する大小判定処理のみに帰着させることができるため、処理が簡潔に構成できる。
しかし、直進操舵(中立保舵)の判定は、必ずしも明確な基準を有するものではないので、この様なファジー制御理論に基づいた判定を行うことが、より望ましい。これらの制御手法を導入することにより、直進操舵の周辺において、より違和感の少ない自然な操舵感を実現することが可能又は容易となる。
【0025】
また、更には、上記の重みG3を算出する際に、車速Vを加味する様にしても良い。即ち、例えば「G3=G1×G2×f3(V);0≦f3(V)≦1」等の形で上記の重みG3を算出しても良い。この関数f3として、適当な単調増加関数を用いることにより、高速領域においては頑強な直進安定性を有する車両運動特性を実現することができ、且つ、低速領域においては、従来と概ね同様の操舵感を得ることができる。
尚、図4中の右下の補正角δ1は、前述の図6の従来の制御方式に従って算出された補正値を示している。
【0026】
図5は、図4の重み制御部230の制御処理実行手順を例示するフローチャートである。このフローチャートでは、まず最初に、ステップ510により、上記の重みG3と、指令信号S1,S2を入力する。第1の指令信号S1の値は、本発明の物体検出手段により、障害物又は移動体が検出された際にはS1=1に、その他の場合にはS1=0に設定されている。
また、第2の指令信号S2についても同様で、この値は、本発明の車線跨ぎ推定手段により車線跨ぎが生じると推定された際にはS2=1に、その他の場合にはS2=0に設定されている。
【0027】
ステップ520では、指令信号S1,S2の論理和を算出して、変数S3に保存する。ステップ540,550,560はそれぞれ、各重みG3′及びG4に関する代入文を表している。
例えば、以上の様な重み制御部230の制御処理実行手順に従えば、図4の各補正値δ0′,δ1′は、次式(8)及び次式(9)の様に算出される。
【数8】
δ0′=δ0×(G3×S3),
S3 =(1−S1)×(1−S2) …(8)
【数9】
δ1′=δ1×{1−(G3×S3)} …(9)
【0028】
上記の信号S3の値は、障害物が検出されたり、車線跨ぎが起こりそうだったりする様な例外的な場合を除き、通常は1となる。
したがって、最終的にACT角度指令の指令値δ0″として算出される次式(10)の値は、上記の直進操舵確度演算部210の作用により、直進操舵時(G3≒1の時)には、前述の式(4)のδ0の値と略一致する。
【数10】
δ0″=δ0′+δ1′ …(10)
【0029】
また、コーナリング実行時等の動的に操舵が実行されている場合には、G3の値は概ね0に近い値となるため、これらの場合には、従来の方式によって算出された補正値δ1が採用される。
また、中立保舵に近い、例えば中立点近傍にて若干揺れている様な、中間的或いは過渡的な操舵が行われている場合においても、上記の関数f1,f2の好適化又は最適化により、最終的に出力されるACT角度指令の指令値δ0″として好適値又は最適値が設定されるため、自然な操舵感が実現できる。
【0030】
例えば、以上の様な構成により、頑強な直進安定性を有する十分に安定した車両運動性能を実現することができる。したがって、上記の実施例によれば、車両が外乱(横風や路面の横方向の傾斜等)の影響を受けた際に、運転者に要求される高度或いは微妙な操舵操作を軽減できる。
【0031】
尚、上記の実施例では、ステアリングラック8に直接作用するモータを有するアクチュエータ4を制御するEPS(電動モータ・パワーステアリング装置)と、ステアリングシャフト9に作用するモータを有するアクチュエータ5を制御するVGRS(バリアブル・ギヤ・レシオ・システム)との組み合わせによって、操舵機構をアシスト制御する構成の車両制御装置を例示したが、本発明が適用可能な対象システムはその他にも有り、例えば、ステアバイワイヤシステムや、現在最も幅広く利用されている一般の従来型(1モータEPS型)の電動パワーステアリング装置を有する車両等にも、本発明を適用することができる。
【0032】
ただし、ステアバイワイヤシステムや上記実施例の様なEPS+VGRS型のシステムでは、ワイヤ(制御・駆動用配線)の介在が有ったり、或いはトルクセンサよりもハンドル側寄りにVGRSのアクチュエータが介入する等のシステム構成を採っているため、ハンドルがタイヤ(実舵角)に直結していない。このため、これらのシステムでは、1つの電動モータだけで駆動・制御される上記従来型の電動パワーステアリング装置よりも、操舵トルクの伝達に関する操舵系の自由度が大きく確保されており、よって、直進時の操舵(中立保舵等)に伴う違和感の解消、低減或いは調整が容易である。
【0033】
〔変形例〕
上記の実施例では、図4の補正舵角演算部220において、式(4)を用いたが、この式(4)の代わりに、前述の式(5)を用いても良い。この場合には、ヨー角速度rの代わりに、車両に作用する横加速度aを入力するか、或いは次式(11)に従って、横加速度aを求めれば良い。
【数11】
a=Vr …(11)
【0034】
また、図4の構成下において本発明の警報手段を用いる場合には、「δ0≧ε1」、「δ0′≧ε2」或いは「δ0″≧ε3」等の際に警報メッセージを出力すると良い。ただし、ここで、ε1,ε2、ε3は、それぞれ所定の適当な定数である。この様な手段によれば、小さくない外乱が発生した場合に、運転者に注意を促すことができると同時に、比較的小さな外乱が発生している場合には、警報メッセージの出力は抑止される。
【0035】
また、式(3)のスタビリティファクタ(定数A)は、殆ど変化しないものと考えて概ね差し支えないが、スタビリティファクタAは、車両の重量や重心点の位置の変化に伴って変化する。即ち、スタビリティファクタAは、乗員数、積載荷重、搭載設備重量等により変化する。これらの変化に対応するためには、車両に一つ、各車軸毎、或いは各車輪毎等に、重量計を設ける等の対策が有効である。この様な手段によれば、車両の全重量や重心位置の変動を正確に割り出すことができるので、スタビリティファクタAの精度をリアルタイムに大きく向上させることができ、よって、前述の式(4)又は式(5)を用いてより高精度に補正舵角δ0を算出することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例に係わる車両制御装置の物理的な斜視図。
【図2】 本発明の実施例に係わる車両制御装置の論理的なハードウェア構成図。
【図3】 本発明の実施例に係わる車両制御装置の制御ブロックダイヤグラム。
【図4】 図3のAFS制御演算部200の本発明の実施例に係わる制御ブロックダイヤグラム。
【図5】 図4の重み制御部230の制御処理実行手順を例示するフローチャート。
【図6】 従来のACT指令角δ1の演算処理実行手順を例示する制御ブロックダイヤグラム。
【符号の説明】
1 … ハンドル(ステアリングホイール)
2 … EPS側のECU
3 … VGRS側のECU
4 … EPS側のアクチュエータ
5 … VGRS側のアクチュエータ
6 … トルクセンサ
7 … 操舵角センサ
8 … ステアリングラック
9 … ステアリングシャフト
10 … ブレーキ制御用のECU
200 … AFS制御演算部
210 … 直進操舵確度演算部
220 … 補正舵角演算部(補正舵角算出手段)
230 … 重み制御部
V … 車速
r … 車両のヨー角速度
α … 車体の横滑り角
δ … 実舵角(前輪)
n … 目標値を示す下付きの添字
δ0 … ACT指令角
δ1 … ACT指令角(従来部分)
θH … ハンドルの操舵角
ωH … ハンドルの角速度
S1 … 第1の指令信号
S2 … 第2の指令信号
Gi … 重み(0≦Gi≦1,1≦i≦4)
Claims (3)
- 車両に発生するヨー角速度r及び横滑り角αを検出することにより前記車両のヨー運動を検出し、前記ヨー運動を抑制又は緩和する様に作用する舵角指令値δ1を前記ヨー角速度r及び前記横滑り角αに基づき算出し、前記車両の操舵機構をアシストするパワーステアリング装置に対し当該舵角指令値δ1を出力する車両制御装置において、
運転者が前記車両を直進させるための操舵(直進操舵)を行っていると仮定した場合に、外乱に基づいて発生する前記ヨー運動を抑制又は緩和する様に作用する補正舵角δ0を算定する補正舵角算出手段を有し、当該補正舵角δ0を用いて前記舵角指令値δ1を補正して、前記パワーステアリング装置に対して出力するものであり、
更に、前記車両の周辺に位置する障害物又は移動体を検出する物体検出手段を有し、
前記障害物又は前記移動体が検出された際に、前記補正舵角δ0により補正されない前記舵角指令値δ1を前記パワーステアリング装置に対して出力することを特徴とする車両制御装置。 - 画像処理により走行中の車線の車線標示を認識する車線認識手段と、
前記補正舵角δ0を採用することにより、前記車両が車線跨ぎを起こすか否かを推定する車線跨ぎ推定手段とを有し、
前記車線跨ぎ推定手段により車線跨ぎが生じると推定された際に、
前記補正舵角δ0により補正されない前記舵角指令値δ1を前記パワーステアリング装置に対して出力することを特徴とする請求項1に記載の車両制御装置。 - 前記補正舵角δ0の絶対値、又はこの絶対値の関連値が所定の閾値ε(>0)を越えた際に、前記外乱に対する注意を促すメッセージを前記運転者に対して出力する警報手段を有することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の車両制御装置。
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