JP4023425B2 - 自動車 - Google Patents

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この発明は、例えば4人または5人乗りの比較的小型の乗用自動車であって、助手席シートを前後にスライドさせることにより様々なシートアレンジを可能とした自動車に関する。
従来より、この種の自動車には、シートアレンジを変更することにより、その居住性を高め、また必要に応じて大きな荷積みスペースを確保できるようにしたものが提供されている。例えば特開2000−238560号公報には、助手席シートおよび後部席シートの一部をそれぞれ独立して車両前後方向にスライド可能に設けることにより、車両後部の荷物積載スペースを必要に応じて大きくすることができるとともに、車室内における乗員のスムーズなウォークスルーを実現できる技術が開示されている。
また、特開2001−199264号公報には、後部席シートのシートクッションの一部を取り外すことにより助手席シートのスライド距離を大きく設定し、これにより大きな荷積みスペースを確保できるようにした技術が開示されている。
さらに、特開2003−146124号公報には、助手席側のドア開口部を経て車室内の全ての座席に移動できるようにした技術が開示されている。
特開2000−238560号公報 特開2001−199264号公報 特開2003−146124号公報
しかしながら、これら従来の自動車では、助手席シート側のドア開口部を経て助手席シートに乗り込む場合と、同じく助手席シート側のドア開口部を経て後部席シートに乗り込む場合とでは、助手席シートを前後に移動させたり、助手席シートのシートバックを前側に倒したりして後部席シートの乗員がドア開口部を通過する際の邪魔にならないようにスペースを確保する必要があり、この点で助手席シートの移動操作等が面倒であった。
また、後部席シートに乗員が乗降するたびに、助手席シートのシートポジションおよびシートバックの傾斜角度等を調整し直す必要があり、この点でも操作が面倒であった。
このように、前列シートと後列シートへの乗降が一つの乗降口(ドア開口部)を経てなされる形態の自動車において、従来よりその乗降性およびシートアレンジに関する使い勝手を一層高める観点から改善が望まれていた。
そこで、本願発明は、助手席シートが通常使用位置にある状態では、助手席シートを何ら操作することなく、当該助手席シートにも、また後部席シートにも乗り込むことができる自動車を提供することを目的とする。
このため、本願発明は、特許請求の範囲の各請求項に記載した構成の自動車とした。
請求項1記載の自動車によれば、助手席シート側のドア開口部の大きさ(間口)は、運転席シート側のドア開口部よりも大きく、通常使用位置に位置させた助手席シートの前側と後ろ側の双方に乗員が通過するために十分なスペースが確保される大きさに設定されている。
このため、助手席シートをその通常使用位置に位置させておけば、一つのスライドドアの開閉操作だけで、この助手席シートに対してなんら操作を行うことなく、当該助手席シートの前側から助手席シートに乗り込むことができ、かつ当該助手席シートの後ろ側から後部席シートにも乗り込むことができる。
このように請求項1記載の自動車によれば、助手席シート側のドア開口部が大きな間口で形成され、助手席シートが通常の使用位置にあれば、一つのスライドドアの開閉操作だけで、ドア開口部の助手席シート前側のスペースを経て助手席シートに乗り込むことができるとともに、同じくドア開口部の助手席シート後ろ側のスペースを経て後部席シートに乗り込むことができるので、当該自動車の乗降の利便性を向上させることができる。
請求項2記載の自動車によれば、上記作用効果に加えて、運転席シートと助手席シートとの間の空間により車室内における主として前列シート(運転席シートまたは助手席シート)と後部席シートとの間のウォークスルー性が確保される。
また、助手席シートは、車両前後方向に長い距離(例えば750ミリメートル程度)スライドできる。
助手席シートを車室の前端位置までスライドさせることにより、当該助手席シートと後部席シートとの間に大きな荷積みスペースを確保することができる。また、この荷積みスペースにより車室内のウォークスルー性を一層高めることができる。
一方、助手席シートを後部席シートに当接若しくは近接する後端位置までスライドさせることにより、当該助手席シートの前側に大きな足元スペースを確保することができ、これを荷積みスペースとして利用することもできる。
また、この位置では助手席シートが車両前後方向について運転席シートと後部席シートとの中間に位置して、これらの各シートが千鳥状に配置される。助手席シートを運転席シートおよび後部席シートに対して千鳥状に位置させることによって、各シートに着座した着座者同士のコミュニケーションを図ることができる。特に家族連れの場合には、各シートが千鳥状に配置されることにより、会話が弾むのでドライビングが一層楽しくなる。
さらに、助手席シートが運転席シートおよび後部席シートに対して千鳥状に位置されることにより、当該助手席シートを運転席シートに対して横並びに位置させた場合に比して両シート間の空間を大きくすることができ、これによりウォークスルー性を一層高めることができる。
また、請求項2記載の自動車によれば、助手席シートのシートバックを水平に折り畳むことによりその背面をカップ等の小物類を載せておくためのトレイとして利用できることから、この点で当該自動車の利便性を一層高めることができる。
請求項3記載の自動車によれば、上記作用効果に加えて、シートバックを折り畳んだ状態の助手席シートをより一層前側へ移動させることができるので、当該助手席シートと後部席シートとの間のスペースをさらに大きくすることができ、後部席シートの着座者の足元スペースを一層広くすることができるとともに、これを荷積みスペースとしても利用できる。
請求項4記載の自動車によれば、上記作用効果に加えて、助手席シートは、シートバックを起立させた状態では、通常の使用位置から外れる前側のスライド範囲では、スライド位置にロックできない。このため、通常の使用位置を外れる前側の、助手席用エアバックが内蔵されたインストルメントパネルにより近接した位置で当該助手席シートに着座することが防止され、これによりエアバック展開時の安全性を確保できる。
請求項5記載の自動車によれば、上記作用効果に加えて、助手席シートのシートバックを折り畳んで、助手席シートを前端位置に格納した状態であっても、シートクッション背面のロック解除レバーを操作することで助手席シートのスライドロック状態を容易に解除することができるので、当該助手席シートのスライド操作を楽に行うことができ、この点で当該自動車の利便性を高めることができる。
請求項6記載の自動車によれば、上記作用効果に加えて、車室後部の荷物積載スペースを荷物の形状、大きさ等に応じて多種多様に変えることができる。
次に、本発明の実施の形態を図1〜図8に基づいて説明する。図1は、本実施形態の自動車Mを示している。この自動車Mは、主としてシート、ドア開口部およびドアの配置に特徴を有するもので、ボディの基本構成、エンジン、シャーシ等については、従来構成と同様であり、本実施形態において特に変更を要しないので、その説明を省略する。図中、符号3は、計器類等を配置したインストルメントパネルを示し、符号4はハンドルを示し、符号5は前輪、符号6は後輪を示している。各図において、左側が自動車Mの前部であり、右側が後部となる。以下の説明において、前後左右上下の方向については自動車Mについての方向を基準とする。
また、各図において、符号HP1〜HP5は、着座者のいわゆるヒップポイント(およそ左右の大腿骨頭の中間位置)を示している。HP1は、運転者のヒップポイント、HP2は助手席シート20に着座した着座者のヒップポイント、HP3〜HP5は、後部席シート30に着座した着座者のヒップポイントを示している。
この自動車Mは、5人乗りの比較的小型の乗用車であり、車室内のフロアF上には運転席シート10と助手席シート20と後部席シート30が配置されている。運転席シート10は、シートクッション11とシートバック12を備え、シートバック12はシートクッション11に対して前後に傾動可能に支持され、いわゆるリクライニング機構を備えている。シートバック12の上部にはヘッドレスト13が配置されている。この運転席シート10は、図示省略したスライド機構により前後方向に240ミリメートルだけスライド移動させることができる。このスライド機構によるスライド移動範囲において、運転席シート10は複数箇所でスライドロックされ、これによりいわゆるシートポジションを調整できる。図2には、240ミリメートルのスライド移動範囲の中央に位置する運転席シート10が示されており、この位置におけるヒップポイントがHP1の符号を付して示されている。ロック機構付きのスライド機構については、従来公知のものであるため説明を省略する。
運転席シート10の右側には、運転者が乗降するためのドア開口部7が設けられている。このドア開口部7は、運転席ドア8によって開閉される。この運転席ドア8は、その前端部が図示省略したヒンジを介してボディに水平回動可能に支持されている。この運転席ドア8を外方に開いて、運転者はドア開口部7から乗降することができる。
運転席シート10の左側方に助手席シート20が配置されている。運転席シート10と助手席シート20との間には、乗員が楽に通過することができる空間部1Cが設けられている。この空間部1Cにより運転席シート10または助手席シート20と、後部席シート30との間を乗員が楽に移動できる。
この助手席シート20も、シートクッション21とシートバック22を備え、シートバック22は、リクライニング機構によりシートクッション21に対して前後に傾動可能に支持されている。シートバック22の傾動基部側には、リクライニングレバー28が配置されている。このリクライニングレバー28を引き操作すると、傾動ロックが解除されてシートバック22を前後に傾動可能となる。リクライニングレバー28を操作しない状態では、シートバック22が複数の傾動ロック位置の1箇所にロックされる。また、助手席シート20は、そのシートバック22をシートクッション21と重なる水平位置まで折り畳み可能であるとともに、その位置でロックできるようになっている。
また、前記運転席シート10および助手席シート20の各リクライニング機構は、それぞれシートバック12,22を後ろ側へ倒してシートクッション11,21とほぼ同一面となる位置まで傾倒させることができるいわゆるフルフラット機能を有している。
シートバック22の上部には、取り外し可能なヘッドレスト23が配置されている。
この助手席シート20は、相互に平行なスライドレール24,24により、車室内前端から後部席シート30に当接若しくは近接する位置までの長い距離を前後にスライド可能に支持されている。本実施形態では、この助手席シート20は、約750ミリメートルの範囲で前後にスライド移動できる。両スライドレール24,24は、車両フロアFに埋め込まれて面一に設置されている。
助手席シート20と両スライドレール24,24との間には、スライドロック機構が組み込まれている。図示は省略したがこのスライドロック機構は、スライドレール24の複数箇所に設けたロック凹部に対して助手席シート20側のロック爪を係合させることにより、当該助手席シート20の前後スライド動作を規制する構成としたもので、これには従来公知のロック機構が用いられている。ロック爪は、ロック凹部に対して係合する方向に付勢されている。
本実施形態では、助手席シート20は、全スライド範囲750ミリメートルの内、合計8箇所でスライド移動不能にロックされるようになっている。図1では、助手席シート20がスライドロックされる各位置におけるヒップポイントHP20〜HP25が示されている。以下の説明では、助手席シート20の各スライド移動位置を、ヒップポイントHPの位置を用いて示す。
ヒップポイントHP20に対応する位置の助手席シート20が図1および図2において実線で示されている。本実施形態では、この位置を助手席シート20の基準位置(以下、符号HP20を付す)とする。図1および図2に示すように、助手席シート20は基準位置HP20に位置させると、スライド範囲の中央位置HP1に位置させた運転席シート10に対してほぼ横並びに位置する。
助手席シート20は、上記基準位置HP20から前後に60ミリメートルだけスライドさせた位置HP21,HP21と、基準位置から前後に120ミリメートルだけスライドさせた位置HP22,HP22でスライドロックされる。以下、基準位置HP20から前後に120ミリメートルの範囲を当該助手席シート20の通常使用範囲という。助手席シート20は、この通常使用範囲で前後にスライドさせることにより、いわゆるシートポジションを合計5箇所に調整することができる。
助手席シート20は、上記通常使用範囲を外れてさらに前方の、インストルメントパネル3に近接した前端位置H23までスライドさせることができる。この前端位置HP23は、基準位置HP20から316ミリメートルだけ前方にスライドさせた位置に設定されている。ただし、シートバック22を水平に折り畳んだ状態の時にのみ助手席シート22が前端位置HP23でスライドロックされ、シートバック22を起立させた状態では当該助手席シート20が前端位置HP23でスライドロックされないように、当該助手席シート20のリクライニング機構とスライドロック機構が連繋されている。これにより通常使用範囲よりも前側での着座が防止される。この前端位置HP23が、特許請求の範囲に記載した前端位置に相当する。ヘッドレスト13を取り外し、シートバック22を折り畳んだ状態で助手席シート20を前端位置HP23までスライドさせた状態が図3〜図6に示されている。
この状態では助手席シート20の前側がインストルメントパネル3の下方に設けた格納凹部3aに入り込んでいる。
また、助手席シート20のシートバック22の背面には、飲み物用のカップ等を置くためのトレー25が設けられており、運転者がこのトレー25を利用することができる。
さらに、助手席シート20は、基準位置HP20から通常使用範囲を外れて、後ろ側へ300ミリメートルの後方位置HP24、およびさらに後ろ側の後端位置HP25までスライド移動させることができる。この後端位置HP25は、基準位置HP20から434ミリメートルの距離だけ後ろ側に設定されている。この後端位置HP25が、特許請求の範囲に記載した後端位置に相当する。助手席シート20を後端位置HP25までスライド移動させた状態が図7および図8に示されている。図示するように助手席シート20をこの後端位置HP25までスライド移動させると、後部席シート30との間のすき間(後部席シート30の足元スペース)がなくなる。助手席シート20を基準位置HP20から後ろ側へ300ミリメートルだけスライドさせた後方位置HP24では、助手席シート20と後部席シート30との間にすき間が確保され、この場合には後部席シート30に着座することができるだけの足元スペースが確保される。
助手席シート20の各スライドロック位置(HP20〜HP25)でのスライドロックは、シートクッション21の下側に配置したロック解除レバー26またはシートバック22の背面側に配置したロック解除レバー27を解除操作することにより解除することができる。このロック解除レバー26,27と前記スライドロック機構との間は、ワイヤにより連結されており、これは従来公知の構成であるので、その詳しい説明は省略する。ロック解除レバー26,27は、前記スライドロック機構においてロック側に付勢されたロック爪により間接的にロック側に付勢されている。この付勢力に抗してロック解除レバー26または27をアンロック側に操作することにより、助手席シート20のスライドロック状態を解除することができ、このロック解除操作により助手席シート20を任意にスライド移動させることができる。助手席シート20が位置HP20〜HP25に至ると、スライドロック機構のロック爪がその付勢力によってロック凹部に係合され、これにより助手席シート20が各位置HP20〜HP25で自動的にスライドロックされる。ただし、前述のように、前端位置HP23でのスライドロックはシートバック22が折り畳まれていることが前提である。
後部席シート30には、3人掛け用のシートクッション31とシートバック32を有するベンチシートタイプのものが設置されている。シートバック32は、車幅方向に6:4の比率で分割されており、左右独立して水平位置に折り畳むことができる。図2に示すように左側の分割シートバック32aが右側の分割シートバック32bよりも幅広に設定されている。シートバック32の上端には、それぞれ取り外し可能な3個のヘッドレスト33〜33が装備されている。シートクッション31はその後部の回動支軸34を中心にして上方へ跳ね上げ可能であり、またシートバック32は回動支軸34を中心にシートクッション31に対して重ね合わされた水平位置に折り畳むことができる。シートクッション31が上方へ跳ね上げられた状態が図5および図6に示され、シートバック32が水平位置に折り畳まれた状態が図3および図4に示されている。
なお、3個のヘッドレスト33〜33を取り外した状態でシートバック32を折り畳むことにより、シートバック32を折り畳んだ状態で助手席シート20を後端位置HP25までスライド移動させることができる。また、上記回動支軸34が、特許請求の範囲に記載した後部ヒンジに相当する。
シートクッション31は図示省略したロック機構により、水平位置に固定され、また係止バンドにより起立した位置に固定することができる。また、シートバック32の左右分割シートバック32a,32bもそれぞれ独立のロック機構により起立位置に固定できるようになっている。
図3および図4に示すようにシートバック32を水平に折り畳めば、車室内後部に広い荷積みスペースを確保することができる。また、図5および図6に示すようにシートクッション31を上方へ跳ね上げておけば、運転席シート10と後部席シート30間の車室フロアF上に背の高い荷物を積載することができ、後部席シート30の足元スペースをも荷積みスペースとして利用することができる。なお、この場合でも後部席シート30の後方空間Lは、そのまま荷積み用のスペースとして利用される。
次に、この自動車Mは、ボディの助手席側の側面(左側面)の前後方向ほぼ中央に、大開口のドア開口部1を備えている。このドア開口部1は、一枚のスライドドア2によって開閉される。このドア開口部1は、前後幅が1095ミリメートルに設定されている。ボディの左側面には、このドア開口部1以外に乗降用の開口部は設けられていない。
図1に示すように、助手席シート20を通常使用範囲内の位置HP20、HP21、HP22に位置させると、当該助手席シート20とドア開口部1の前端との間に形成される前側の乗降スペース1Fおよび助手席シート20とドア開口部1の後端との間に形成される後ろ側の乗降スペース1Rの幅が、それぞれ乗員が通過するために十分な寸法だけ確保されている。本実施形態において、ドア開口部1の前後幅(1095ミリメートル)はこの条件を満たす寸法に設定されている。
このため、図2において白抜きの矢印で示すように、助手席シート20を通常使用範囲内の位置HP20、HP21、またはHP22に位置させておけば、その前側の乗降スペース1Fおよび後ろ側乗降スペース1Rの双方から乗員が一度に乗り降りすることができる。従来一般的には、助手席シート20を前後に移動させて、あるいはシートバック22を前側に倒す等の操作(これが特許請求の範囲に記載した特別の操作に相当する)して乗員が助手席シート20の前側と後ろ側から交互に乗り降りする必要があったが、本例の大開口のドア開口部1によれば、助手席シート20を通常使用範囲内の位置HP20、HP21、またはHP22に位置させたまま、その他何らの操作をすることもなく、助手席シート20および後部席シート30に同時に乗り込むことができる。この点で、自動車Mの乗降性能を向上させることができる。
以上のように構成した本実施形態の自動車Mによれば、図1および図2に示すように助手席シート20を通常使用範囲内の位置HP20、HP21、またはHP22に位置させておくことにより、ドア開口部1の前側乗降スペース1Fと後ろ側乗降スペース1Rを経て、二人の乗員が一度に乗降することができる。この場合、従来のように助手席シート20を前後に移動させたり、そのシートバック22を倒したりする等の特別の操作をすることなく、助手席シート20と後部席シート30に同時に乗り込むことができ、逆に降車することができる。
また、助手席シート20が750ミリメートルの長い距離をスライド可能であり、そのスライド範囲の中央に設定したスライド量240ミリメートルの通常使用範囲では、助手席シート20のシートポジションを5箇所の範囲(HP20,HP21,HP22)で調整することができる。
助手席シート20と運転席シート10との間には、乗員が楽に通過することができる空間部1Cが設けられている。この空間部1Cを経て乗員は、前列シートと後部席シート30との間を楽に移動することができ、この点で車室内のウォークスルー性が確保されている。
さらに、助手席シート20をその通常の使用範囲を超えて前側へスライドさせることにより、当該助手席シート20と後部席シート30との間に大きな荷積みスペースを確保することができる。助手席シート20は、ヘッドレスト23を取り外し、シートバック22を水平に折り畳んでおくことにより、その前端位置HP23までスライドさせてロックさせることができる。助手席シート20が前端位置HP23までスライドされると、その前部がインストルメントパネル3の下方に設けた格納凹部3a内に格納される。
また、シートバック22を水平位置に折り畳むと、その背面に設けたトレー25を利用することができる。図4に示すようにシートバック22を水平位置に折り畳んだ状態で助手席シート20を前端位置HP23にロックすることにより、当該助手席シート20が運転席シート10よりも前側に位置させることができるので、運転者にとって左斜め前方にトレー25が位置することとなり、これにより運転操作に支障を来すことなく、当該トレー25を楽に利用することができる。なお、このトレー25は、後部席シート30に着座した着座者も利用することができる。
さらに、シートバック22を水平位置に折り畳んだ状態で助手席シート20を前端位置HP23に位置させることにより、ドア開口部1がより一層大きく開放されるので、運転席シート10あるいは後部席シート30の乗員が一層楽に乗降できるとともに、荷物の積み卸しを楽に行うことができる。
次に、図3および図4に示すように、シートバック22を水平位置に折り畳んだ状態で助手席シート20を前端位置HP23にロックするとともに、後部席シート30のシートバック32(左右の分割シートバック32a,32bの一方または双方)を水平位置に折り畳むことにより、後部の荷積みスペースLを含めた車室内全長に渡る広い荷積みスペースを確保することができる。この場合には、車室内の前端から後端に至る長尺物を楽に積み込むことができる。この場合、後部席シート30の例えば右側の分割シートバック32bを起立させておくことにより、運転席シート10の後ろ側に着座しつつ、上記長尺物を積み込むことができる。
また、図5および図6に示すように上記と同様助手席シート20を前端位置HP23にロックした状態で、後部席シート30のシートクッション31をシートバック32に沿った起立位置に位置させることにより、車室内中央に一層大きな荷積みスペースを確保することができる。この場合、図6に示すように助手席シート20が前端位置HP23に位置していることからドア開口部1が大きく開放されている。このため、図6中白抜きの矢印で示すように比較的大型の荷物(例えばタイヤサイズ27インチの大人用自転車)を車室内中央に積み込むことができる。
さらに、助手席シート20を通常の使用範囲を超えて後方位置HP24に移動させることができる。この後方位置HP24において助手席シート20がスライドロック装置により移動不能にロックされる。助手席シート20を後方位置HP24に移動させることにより、着座者の足元スペースを大きくすることができるので、当該助手席シート20の着座者は足元により多くの荷物あるいは大型の荷物を積み込むことができる。
助手席シート20の後方位置HP24は、後部席シート30に着座した着座者と助手席シート20が干渉しない位置に設定されている。このため、助手席シート20を後方位置HP24に移動させた状態であっても、後部席シート30に着座することができる。
助手席シート20は、図7および図8に示すように上記後方位置HP24よりもさらに後方の後端位置HP25までスライドさせることができる。この後端位置HP25は、当該助手席シート20が後部席シート30のシートクッション31に当接若しくは近接する位置に設定されている。助手席シート20をこの後端位置HP25まで後退させることにより、着座者の足元スペースをより一層広くすることができるとともに、車室内におけるスルー性をさらに高めることができる。
また、図7および図8中二点鎖線で示すように助手席シート20を後端位置HP25に移動させた状態で、後部席シート30のシートクッション31を回動支軸34を中心にして上方へ起立させることにより当該助手席シート20の後ろ側に荷積みスペースを確保することができる。
さらに、助手席シート20を後端位置HP25に移動させると、図8に示すように当該助手席シート20が車両前後方向について、運転席シート10と後部席シート30との中間に位置する。この千鳥状のシート配置(シートアレンジ)によれば、助手席シート20に着座した着座者が運転席シート10および後部席シート30の着座者の双方に対して会話しやすくなり、これにより車内のコミュニケーションを図ることができる。
また、この千鳥状のシート配置によれば、運転席シート10と助手席シート20が相互に横並びに位置する場合よりも空間部1Cが広がるとともに車両前後方向の行程が短くなることから、図8中白抜きの矢印で示すようにドア開口部1の前側の乗降スペース1Fから助手席シート20の前側および空間部1Cを経て後部席シート30への乗り込み、あるいはその逆の移動を楽に行うことができるようになる。また、この場合、当該助手席シート20と運転席シート10と後部席シート30との間の移動をも楽に行うことができるようになる。
以上説明した実施形態には種々変更を加えることができる。例えば、助手席シート20が前後方向240ミリメートの通常使用範囲を超えてさらに前側および後ろ側にスライド可能な構成を例示したが、助手席シート20のスライド範囲を通常使用範囲に限定する構成としてもよい。
また、後部席シート30が車幅方向に連続して連なったベンチシート形式のものを例示したが、前列シートと同様間に空間部をおいて配置されたセパレートタイプの後部席シートである場合にも同様に適用することができる。
さらに、運転席用のドア開口部7がヒンジによる回動式のドア8により開閉される構成を例示したが、このドア8をスライド式のドアに置き換えてもよい。
本発明の実施形態を示す図であり、自動車の左側面図である。本図は、助手席シートが基準位置に位置する状態を示している。 自動車の平面図である。本図は、助手席シートが基準位置に位置する状態を示している。 自動車の左側面図である。本図は、助手席シートが前端位置に位置し、後部席シートのシートバックが倒された状態を示している。 自動車の平面図である。本図は、助手席シートが前端位置に位置し、後部席シートのシートバックが倒された状態を示している。 自動車の左側面図である。本図は、助手席シートが前端位置に位置し、後部席シートのシートクッションが起立された状態を示している。 自動車の平面図である。本図は、助手席シートが前端位置に位置し、後部席シートのシートクッションが起立された状態を示している。 自動車の左側面図である。本図は、助手席シートが後端位置に位置する状態を示している。 自動車の平面図である。本図は、助手席シートが後端位置に位置する状態を示している。
符号の説明
M…自動車
1…ドア開口部(助手席側)
1F…前側の乗降スペース、1R…後ろ側の乗降スペース
3…インストルメントパネル
7…ドア開口部(運転席側)
HP1〜HP5…着座者のヒップポイント
10…運転席シート
20…助手席シート
21…シートクッション
22…シートバック
24…スライドレール
25…トレー
26,27…ロック解除レバー
28…リクライニングレバー
30…後部席シート
31…シートクッション
32…シートバック
32a…左側の分割シートバック、32b…右側の分割シートバック
34…回転軸(後部ヒンジ)
HP20…助手席シートのヒップポイント(基準位置)
HP21、H22…助手席シートのヒップポイント(通常の使用範囲)
HP23…助手席シートのヒップポイント(前端位置)
HP24…助手席シートのヒップポイント(後方位置)
HP25…助手席シートのヒップポイント(後端位置)

Claims (6)

  1. 車室内に運転席シートと助手席シートと後部席シートを備えた自動車において、
    前記運転席シート側のボディ側面に運転席専用の乗降用開口部および該開口部を開閉するドアを設ける一方、助手席シート側のボディ側面には、中央に乗降用開口部および該開口部を開閉する一つのスライドドアを設けて、
    助手席シートがスライド範囲の中央に位置させた運転席シートに対してほぼ横並びに位置する基準位置から前後にスライドできる通常の使用位置にあるとき、該助手席シートと前記開口部の前端との間に形成される該助手席シートへの乗降スペース及び該助手席シートと前記開口部の後端との間に形成される前記後部席シートへの乗降スペースの幅をそれぞれ乗員が通過するために十分な寸法だけ確保し、一つのスライドドアの開閉操作だけで、助手席シートに対して特別の操作を行うことなく、助手席シートと後部席シートのいずれにも乗り込み可能な構成とした自動車。
  2. 請求項1に記載した自動車であって、運転席シートと助手席シートとの間に、乗員が移動可能な空間が設けられ、
    助手席シートは、そのシートバックをシートクッションと重なる水平位置まで折り畳むと該シートバックの背面をトレイとして利用可能であるとともに、車室内前端から後部席シートに当接若しくは近接する位置までの長い距離をスライド移動可能な構成とした自動車。
  3. 請求項2に記載した自動車であって、助手席シートは、シートバックを折り畳んだ状態で前端位置にスライド移動させたときに、その一部がインストルメントパネル下方の凹部に格納される構成とした自動車。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載した自動車であって、助手席シートは、通常の使用位置を外れる前側のスライド範囲では、シートバックを水平位置まで折り畳んだ状態でのみスライド位置にロックされる構成とした自動車。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載した自動車であって、助手席シートは、当該助手席シートのスライドロック状態を解除するためのロック解除レバーを、シートクッション下部およびシートバック背面に備えた構成とした自動車。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載した自動車であって、後部席シートは、後部ヒンジを中心にして上方へ跳ね上げ可能なシートクッションと、該シートクッションに対して重なる水平位置に折り畳み可能なシートバックを備えた構成とした自動車。
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