JP4021232B2 - 圧縮機のシール構造 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両空調装置に用いられる往復動型圧縮機に関し、詳しくは、ピストン型圧縮機におけるシール構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、図6に示すピストン型圧縮機が提案されている(以下、従来技術1と呼ぶ)。図6は従来技術1によるピストン型圧縮機を示す断面図である。図6を参照すると、この従来のピストン型圧縮機100は、片斜板式圧縮機とよばれる。ピストン型圧縮機100は、ケーシングと一体に形成されたシリンダブロック111と、シリンダブロック111の一端に設けられたフロントハウジング112と、シリンダブロック111の他端に、弁機構部113を介して設けられたシリンダヘッド114とを備えている。
【0003】
シリンダブロック111は、中心の軸受け孔部の周囲の同心円状に等角度間隔で、中心軸方向に沿って延在して設けられたシリンダボア120を有している。弁機構部113は、シリンダブロック111と、シリンダヘッド114との間に、設けられ、図示しない吸入弁及び吐出弁を夫々備えている。
【0004】
フロントハウジング112には、ボス部112aが設けられている。ボス部112aの周囲には、図示しない駆動機構から、回転軸117に駆動力を伝達するための電磁クラッチが設けられるが、図では省略されている。また、回転軸117は、図示しない駆動機構に直接接続されても良い。
【0005】
また、回転軸117は、フロントハウジング112の内側及び外側に夫々設けられたボス部112a,112bと、シリンダブロック111のシリンダボア120の中心部に設けられた軸受け孔24との間に渡って設けられ、夫々ベアリング118,119によって両端を回転可能に支持されている。また、回転軸117のボス部112bに隣接して、その周囲に回転斜板124が設けられている。この回転斜板124の一端は、フロントハウジングの内側に向かって突出したボス部112bの端面にスラストベアリング102を介して支持されている。
【0006】
シリンダヘッド114内には、外部冷媒回路からの圧縮する流体を吸入するための吸入室127と、圧縮された流体を図示しない排出口を介して外部冷媒回路に吐出する吐出室129とが画成されている。
【0007】
シリンダブロック111のシリンダボア120内には、ピストン121が配置されている。ピストン121は、圧縮側とは反対側の端部に窪んだシュー保持部を備え、このシュー保持部123内に回転斜板124の外周部と、この外周部の両端面に、平な面が摺接するように略半球状のシュー103,103が夫々収容されている。
【0008】
このような片斜板式圧縮機100において、回転軸117が回転すると、それに伴い回転斜板124が回転する。回転斜板124の回転は、回転軸117に対して傾斜しているので、回転斜板124の外周部は回転軸117の略中心軸方向に沿う往復運動を行う。この往復運動は、ピストン121のシュー保持部123に収容されたシュー103,103を介して、ピストン121のシリンダボア120内の往復動に変換される。したがって、シリンダボア120内をピストン121が図では下側に移動したときに、吸入室127から吸入孔及び吸入弁を介してシリンダボア120内に流体が吸入され、ピストン121が図では上側に移動するときに、吸入された流体が圧縮され、吐出弁を介して吐出室129に吐出され、図示しない排出口から図示しない外部冷媒回路へと送り出される。
【0009】
図7は従来技術1による圧縮機のシール構造を示す部分断面図である。図7を参照すると、アルミ製のシリンダブロック111と、アルミ製のシリンダヘッド114との間には、鋼板からなる弁板本体113aを備えた弁機構部113が設けられ、ボルト115によって固定されている。弁機構部113はシリンダブロック側に、シリンダガスケット(以下、第1のガスケットと呼ぶ)141と、吸入弁135と、弁板本体113aとを備え、シリンダヘッド114側には、吐出弁136とヘッドガスケット(以下、第2のガスケットと呼ぶ)137とを備え、吐出弁136上にその開放角を規制するバルブリテーナ22を有している。これらの弁機構部の吸入弁135、弁板本体113a、吐出弁136、及びバルブリテーナ22は、ボルト21a及びナット21bによって一体となるように固定されている。
【0010】
シリンダブロック111の端面の内周に、吸入弁135の厚みに等しい段差141aが設けられ、第1のガスケット141はこの部分で段をなして、径方向に延在している。この段差141aと略等しい厚みの吸入弁135を第1のガスケット141と、弁板本体113aとで挟み込んで、シール構造としている。
【0011】
従来技術による圧縮機のシール構造のもう一つの例としては、特開平10−196536号公報(以下、従来技術2と呼ぶ)に開示されたものがある。
【0012】
図8は従来技術2による圧縮機のシール構造を示す断面図である。図8に示すように、シリンダブロック111と弁板本体113aとの間に挟まれた第1のガスケット141の外周シール部141cと、吸入弁135との間に、空間部142を設けて、さらに、この空間部142と、吸入孔133との間に溝143を設けている。シリンダボア120内から弁板本体113aと吸入弁135との接合界面に形成された細隙140から空間部142に侵入する冷媒ガスを連通溝143によって吸入通路128に逃がし、外周シール部141cの熱及び劣化を防止する構造である。
【0013】
また、更に、従来技術による圧縮機の他のシール構造の例としては、実開昭56−113186号公報(以下、従来技術3と呼ぶ)に開示されたものがある。
【0014】
図9及び図10には、従来技術3に開示された圧縮機のシール構造を示す部分断面図である。
【0015】
図9及び図10を参照すると、従来技術3による圧縮機のシール構造は、シリンダブロック111の端部111aと、シリンダヘッド114との間には、弁板本体113aと、ガスケット131が介装されている。ガスケット131の外周端には、エンボス加工による膨らみ131bが設けられ、その先端がシリンダブロック111の外周端縁111bの先端に接触している。このように、シリンダブロック111の端面に段差111aを設け、段差の中に吸入弁135、弁板本体113aを嵌入し、シリンダブロックの段差外縁と、シリンダヘッドの間にヘッドガスケット131を挟み、外側へのシールを行うシール構造である。また、図10に示すように、Oリング151を端面114a,111a間に挟み込む構造も示されている。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来技術1及び2において、シリンダブロック111とシリンダヘッド114との間には、第1のガスケット141、弁板本体113a、第2のガスケット137が挟まれ、夫々外部に露出している。さらに、吸入弁135の厚さに略等しい段差が設けられ、前記段差内にシリンダブロックの外径と略等しい第1のガスケット141を介して、吸入弁135を収容する構造になっている。この構造は、シリンダブロック111と弁板本体113aの間を第1のガスケット141でシールし、弁板本体113aとシリンダヘッド114aの間を第2のガスケット137との間で夫々シールするため、シール個所が多くなり、外部への冷媒もれが生じやすいという欠点があった。
【0017】
また、従来技術1及び2において、鋼製の弁板本体113aが外部に露出しているため、耐食性が問題となる。さらに、シリンダブロック111の端面に,段差を形成しているために、シリンダボア120とシリンダボア120との間の圧縮ガスの漏れによる性能低下、シリンダブロック加工コストが増大するという欠点があった。
【0018】
また、従来技術3において、シリンダブロック111の端面に段差を設け、段差の中に吸入弁135、弁体本体113aを嵌入し、シリンダブロック段差外縁と、シリンダヘッドの間に第2のガスケット131を挟み、外側へシールを行う構造が取られている。この従来技術3による構造は、シリンダブロック111と吸入弁135の間にシール部材の無い、金属面同志の接触であり、シリンダボアとシリンダボアとの間の圧縮ガスの漏れによる性能低下が問題とされている。
【0019】
また、図9に示すように、シリンダブロック111に設けられたシリンダボア内を往復動するピストン端面と吸入弁部材の最小隙間、即ち、ピストン最小隙間を極小化することは、デッドボリュームを低減することに繋がり、性能安定化に重要である。つまり、従来技術3において、シリンダブロック111と吸入弁部材とが直接接触しているため、ピストン最小隙間を調整する手段を持たず、デッドボリュームがばらつくため、性能低下が問題となる。
【0020】
そこで、シリンダブロック111と吸入弁135の間に第2のガスケットを付加すれば、シリンダボア間の漏れは解消されるが、シリンダブロック111外周縁でのシールを行うために、第1のガスケット141,吸入弁135、弁板本体113aの合計厚さと、シリンダブロック段差141a深さは同一にしなければならず、ピストン最小隙間を極小化するために、第1のガスケット141の厚さを選択することはできないため、性能低下を解消することはできない。
【0021】
また、図10に示す従来技術において、シリンダブロック111とシリンダヘッド114の間にOリング151を介在されるということで、シールを行う構造があるが、Oリング装着用の溝加工が必要であり、さらに、部品点数が増え、コスト増になるという問題がある。
【0022】
そこで、本発明の技術的課題は、外部への漏れがなく、耐食性が向上し、コスト低減が図れ、性能低下が無い圧縮機のシール構造を提供することにある。
【0023】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、複数のシリンダボアを有するシリンダブロックと、吸入室及び吐出室が区画形成されたシリンダヘッドと、前記シリンダブロックと前記シリンダヘッドとの間に配置され、冷媒の吸入及び吐出を行う弁機構部と、前記シリンダボア内を往復動するピストンとを備え、前記ピストンの吸入行程において、前記吸入室より前記弁機構部を経てシリンダボアに冷媒を吸入し、前記ピストンの圧縮行程において前記シリンダボアから弁機構部を経て前記吐出室に圧縮された冷媒を吐出する往復動圧縮機のシール構造において、前記シリンダブロックと前記シリンダヘッドとの間で、前記シリンダブロック側から前記弁機構部に重ね合わさる第1のガスケットを備え、前記弁機構部は、吸入弁部材、弁板部材、および第2のガスケットを備え、前記シリンダヘッドは前記吸入弁部材、弁板部材、および第2のガスケットを収容する先端がシリンダヘッドの外周端部から前記シリンダブロックに向かってリング状に突出した外周端縁部を備え、前記外周縁端部は内径が前記吸入弁部材、弁板部材、および第2のガスケットの夫々の外径と略等しく、また、高さが前記吸入弁部材、弁板部材、および第2のガスケットの夫々の厚さの合計に略等しく、前記第1のガスケットは、前記シリンダヘッドの前記外周端縁部と前記シリンダブロックとの間に配置され、前記シリンダヘッドの外周端縁内側に前記吸入弁部材、前記弁板部材、および第2のガスケットが収容されるように構成したことを特徴とする圧縮機のシール構造が得られる。
【0024】
また、本発明によれば、複数のシリンダボアを有するシリンダブロックと、吸入室及び吐出室が区画形成されたシリンダヘッドと、前記シリンダブロックと前記シリンダヘッドとの間に配置され、冷媒の吸入及び吐出を行う弁機構部と、前記シリンダボア内を往復動するピストンとを備え、前記ピストンの吸入行程において、前記吸入室より前記弁機構部を経てシリンダボアに冷媒を吸入し、前記ピストンの圧縮行程において前記シリンダボアから弁機構部を経て前記吐出室に圧縮された冷媒を吐出する往復動圧縮機のシール構造において、前記シリンダブロックと前記シリンダヘッドとの間で、前記シリンダブロック側から前記弁機構部に重ね合わさる第1のガスケットを備え、前記弁機構部は、吸入弁部材および弁板部材を備え、前記シリンダヘッドは前記吸入弁部材および弁板部材を収容する先端がシリンダヘッドの外周端部から前記シリンダブロックに向かってリング状に突出した外周端縁部を備え、前記外周縁端部は内径が前記吸入弁部材および弁板部材の夫々の外径と略等しく、また、高さが前記吸入弁部材および弁板部材の夫々の厚さの合計に略等しく、前記第1のガスケットは、前記シリンダヘッドの前記外周端縁部と前記シリンダブロックとの間に配置され、前記シリンダヘッドの外周端縁内側に前記吸入弁部材および前記弁板部材が収容されるように構成したことを特徴とする圧縮機のシール構造が得られる。
【0025】
また、本発明によれば、前記いずれか一つの圧縮機のシール構造において、前記第1のガスケットとの前記シリンダヘッドの外周端縁先端に接触する位置にビードを設けたことを特徴とする圧縮機のシール構造が得られる。
【0026】
また、本発明によれば、前記いずれか一つの圧縮機のシール構造において、前記シリンダブロック、前記弁機構部、及び前記シリンダヘッドの締結を円周上に複数配置されたボルトによって行い、前記シリンダヘッド外周端部の内径は、円周上に複数配置されたボルトの外接円径に略等しいことを特徴とする圧縮機のシール構造が得られる。
【0027】
さらに、本発明によれば、前記いずれか一つの圧縮機のシール構造を備えていることを特徴とするピストン型圧縮機が得られる。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
【0029】
図1は本発明の第1の実施の形態による圧縮機のシール構造を示す部分断面図である。図1に示すシール構造は、図6と同様な構造のピストン型圧縮機100に用いられる。図2は図1の弁板本体を示す正面図である。図3は図1の吸入弁部材を示す正面図である。
【0030】
図1を参照すると、シリンダブロック11とシリンダヘッド13との間に、シリンダガスケット(以下、第1のガスケットと呼ぶ)1と弁機構部3とヘッドガスケット(以下、第2のガスケットと呼ぶ)7が設けられている。シリンダブロック11には、中心軸の周囲に中心軸に沿う方向に設けられた複数のシリンダボア11aが形成され、シリンダボア11a内には、図示しないピストンが往復動可能に収容されている。
【0031】
弁機構部3は、吸入弁5aを備えた吸入弁部材5と、弁板本体6と、吐出弁8と、吐出弁8の開放角を規制するバルブリテーナ22とを軸方向に重ね合わせて、ボルト21a及びナット21b等の固着部材によって一体となるように固定した構成を有している。
【0032】
また、シリンダヘッド13には、吸入室13aと、吐出室13bとが区画形成され、シリンダブロック11寄りの端部は、弁機構部3及び第2のガスケット7を収容できるように、縁よりも内側が円形に窪んで形成され、したがって、シリンダヘッド13の外周端縁部13cの先端13dが軸方向にリング状に突出した形状を備えている。
【0033】
この窪み部を形成するシリンダヘッド13の外周端縁部13cの先端13dと、端面11bとの間には、第1のガスケット1が挟み込まれている。第1のガスケット1の外径と、シリンダブロック11の端面の外径と、シリンダヘッド13の外周端部外径は略等しく形成されている。尚、本発明の第1の実施の形態による圧縮機のシール構造によれば、シリンダブロック11の端面11bと、第1のガスケット1との間には、従来技術でしめしたような段差は設けられていない。また、シリンダヘッドの外周端縁部13cの先端13dと、端面11bとの間には、第1のガスケット1によってシールを行うために、Oリングを省略することができる。また、第1のガスケット1の厚さでは、シールに無関係に設定できるので、ピストン隙間を極小化するために自由に設定できる。
【0034】
図2を参照すると、弁板本体6は周囲にボルト貫通用のU状の切り込み6aが設けられている。また、外側寄りに同心円状の吸入孔23aが設けられ、その内側に吐出孔23bが同様に設けられている。また、中心部には、ボルト貫通用の穴23cが設けられている。尚、図中の破線はシリンダボア11aを示し、周囲の二点鎖線はシリンダブロック11またはシリンダヘッド13の外形を夫々示している。
【0035】
図3を参照すると、円板状の吸入弁部材5の周縁部には、ボルト貫通用のU字状の切り込み5dが設けられている。この切り込み5dは、弁板本体6のU字状の切り込み6aと対応する位置に夫々設けられている。
【0036】
また、U字状で且つ半径方向とは斜めに交差する方向の切り込みによって形成された吸入弁5aが設けられている。
【0037】
U字状の切り込みの一端は、弁板本体の吐出孔23bと重なり合うように、孔部5bが設けられている。
【0038】
図1を再び参照すると、吸入弁部材5に弁板本体6と、吐出弁8とが、厚さ方向に重ね合わされ、更に、バルブリテーナ22が重ね合わされて、ボルト21a及びナット21bによって固定され、弁機構部3が構成されている。
【0039】
また、シリンダブロック11と、シリンダヘッド13は、第1のガスケット1と、弁機構部、即ち、吸入弁部材5、弁板本体6及び第2のガスケット7とを挟み込み、円周状に複数配置された通しボルト9によって締結されている。通しボルト9の軸力は、シリンダヘッド外周端縁部13cの先端13dと、端面11bとの間に挟みこまれた第1のガスケット1による外部のシールと、シリンダヘッド外周端縁部13cの内周に収容された吸入弁部材5、弁板本体6、ヘッドガスケット7の夫々の間をシールする内部シールの両者のシールを行う。
【0040】
また、吸入弁部材5、弁板本体6、ヘッドガスケット7の外径は、通しボルト9の外接円径8aに略等しく形成されているため、前記外部のシール面圧が強まり、より確実なシールを行える。また、吸入弁部材5、弁板本体6,ヘッドガスケット7の合計の厚さは、シリンダヘッド外周端縁部13cの高さに略等しい。
【0041】
図4は本発明の第2の実施の形態による圧縮機のシール構造を示す部分断面図である。図4に示すシール構造は、図1で示すものと同様に、図6と同様な構造のピストン型圧縮機100に用いられる。また、図4では、第2のガスケット7とシリンダヘッド13との間に隙間が形成されているが、組み立ての完成状態においては、ボルト8を締結することによって隙間を完全に塞がれている。
【0042】
図4を参照すると、第2の実施の形態による圧縮機のシール構造は、第1の実施の形態によるものとは、第1のガスケット1の形状が異なる他は、ほぼ同様の構成を有している。
【0043】
即ち、シリンダブロック11とシリンダヘッド13との間に、第1のガスケット1と弁機構部3及び第2のガスケットを挟み込んでいる。シリンダブロック11には、複数のシリンダボア11aが形成され、シリンダボア11a内には、図示しないピストンが往復動可能に収容されている。
【0044】
弁機構部3は、吸入弁5aと、弁板本体6と、吐出弁8と、吐出弁8の開放角を規制するバルブリテーナ22とを軸方向に重ね合わせて、ボルト21a及びナット21b等の固着部材によって一体となるように固定した構成を有している。
【0045】
また、シリンダヘッド13には、吸入室13aと、吐出室13bとが区画形成され、シリンダブロック11寄りの端部は、弁機構部3及び第2のガスケット7を収容できるように、縁よりも内側が円形に窪んで形成され、したがって、シリンダヘッド13の外周端縁部13cの先端13dが軸方向、即ち、回転軸の中心軸方向であり、シリンダブロックの中心軸に沿う方向、にリング状に突出した形状を備えている。
【0046】
この窪み部を形成するシリンダヘッド13の外周端縁部13cの先端13dと、端面11bとの間には、第1のガスケット1が挟み込まれている。第1のガスケット1の外径と、シリンダブロック11の端面の外径と、シリンダヘッド13の外周端部外径は略等しく形成されている。
【0047】
ここで、本発明の第2の実施の形態によるシール構造によれば、第1のガスケット1の周縁部に、シリンダヘッド13側に突出したビード1aが設けられている。このビード1aがシリンダヘッド13の外周端縁部13cの先端13dに接触して、弁機構部3の厚みに誤差があったとしても、外部シールをより確実に行うことができる。また、第1のガスケット1の厚さはシールに無関係に設定できるので、ピストン隙間を極小化するために自由に設定できる。
【0048】
図5は本発明の第3の実施の形態による圧縮機のシール構造を示す部分断面図である。図5に示すシール構造は、図4に示すものと同様に、図6と同様な構造のピストン型圧縮機に用いられる。
【0049】
図5を参照すると、本発明の第3の実施の形態による圧縮機のシール構造では、弁板本体6のヘッドシリンダ13側の第2のガスケットがない以外は、第1の実施の形態とは同様の構成を有している。
【0050】
即ち、シリンダブロック11とシリンダヘッド13との間に、第1のガスケット1と弁機構部3′とを挟み込んでいる。シリンダブロック11には、複数のシリンダボア11aが形成され、シリンダボア11a内には、図示しないピストンが往復動可能に収容されている。
【0051】
弁機構部3′は、吸入弁5と、弁板本体6と、吐出弁8と、吐出弁8の開放角を規制するバルブリテーナ22とを軸方向に重ね合わせて、ボルト21a及びナット21b等の固着部材によって一体となるように固定した構成を有している。
【0052】
また、シリンダヘッド13には、吸入室13aと、吐出室13bとが区画形成され、シリンダブロック11寄りの端部は、弁機構部3′を収容できるように、縁よりも内側が円形に窪んで形成され、したがって、シリンダヘッド13の外周端縁部13cの先端13dが軸方向にリング状に突出した形状を備えている。
【0053】
この窪み部を形成するシリンダヘッド13の外周端縁部13cの先端13dと、端面11bとの間には、第1のガスケット1が挟み込まれている。第1のガスケット1の外径と、シリンダブロック11の端面の外径と、シリンダヘッド13の外周端部外径は略等しく形成されている。尚、本発明の第3の実施の形態によるシール構造によれば、シリンダブロック11の端面11bと、第1のガスケット1との間には、段差は設けられていない。また、シリンダヘッドの外周端縁部13cの先端と、端面11bとの間には、第1のガスケット1によってシールを行うために、第1乃至第3の実施の形態と同様のOリングを省略することができる。第2のガスケットは、内部シールのみの機能であるので、本形態によっても外部漏れが無く、部品点数の少ないシール構造が可能となる。
【0054】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、外部への漏れがなく、耐食性が向上し、コスト低減が図れ、性能低下が無い圧縮機のシール構造を提供することができる。
【0055】
具体的に、本発明によれば、外部に露出したシール部分は、シリンダブロックとシリンダヘッドに挟まれた第1のガスケットのみであり、外部への冷媒漏れを軽減できる圧縮機のシール構造を提供することができる。
【0056】
また、本発明によれば、鋼板からなる弁板本体が外部に露出しないために、耐食性が向上する圧縮機のシール構造を提供することができる。
【0057】
また、本発明によれば、シリンダブロックの端面に段差がないことから、シリンダボアとシリンダボアとの間の圧縮ガスの漏れによる性能低下が無く、シリンダブロックの加工コストが低下する圧縮機のシール構造を提供することができる。
【0058】
さらに、本発明によれば、外部露出したシール部分は、シリンダブロックと、シリンダヘッドに挟まれた第1のガスケットのみであるので、シリンダヘッドと、弁板部材との間に挟まれた第2のガスケットを省略できる。
【0059】
また、本発明によれば、シリンダガスケットをシリンダブロックとシリンダヘッドとの間に挟む構造であるため、シリンダヘッドに設けられた段差深さとは無関係にシリンダガスケットの厚さを選択できることから、ピストン最小隙間を極小化でき、性能低下を防止できる圧縮機のシール構造を提供することができる。
【0060】
さらに、本発明によれば、Oリングを使わないために、溝加工及び部品点数追加が不要であり、コスト減となる圧縮機のシール構造を提供することができる。
【0061】
また、本発明によれば、上記種々の利点を備えたシール構造を持つ圧縮機を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態による圧縮機のシール構造を示す部分断面図である。
【図2】図1の弁板本体を示す正面図である。
【図3】図1の吸入弁部材を示す正面図である。
【図4】本発明の第2の実施の形態による圧縮機のシール構造を示す部分断面図である。
【図5】本発明の第3の実施の形態による圧縮機のシール構造を示す部分断面図である。
【図6】従来技術1によるピストン型圧縮機を示す断面図である。
【図7】従来技術1による圧縮機のシール構造を示す部分断面図である。
【図8】従来技術2による圧縮機のシール構造を示す部分断面図である。
【図9】従来技術3に開示された圧縮機のシール構造を示す部分断面図である。
【図10】従来技術3に開示された圧縮機のシール構造を示す部分断面図である。
【符号の説明】
1 シリンダガスケット(第1のガスケット)
1a ビード
3,3′ 弁機構部
5 吸入弁部材
5a 吸入弁
5b 孔部
5d 切り込み
6 弁板本体
6a 切り込み
7 ヘッドガスケット(第2のガスケット)
8 吐出弁
8a 外接円径
9 通しボルト
11 シリンダブロック
11a シリンダボア
11b 端面
13 シリンダヘッド
13a 吸入室
13c 外周端縁部
13d 先端
21a ボルト
21b ナット
22 バルブリテーナ
23a 吸入孔
23b 吐出孔
23c 穴
100 ピストン型圧縮機
111 シリンダブロック
111b 外周端縁
112 フロントハウジング
112a,112b ボス部
113 弁機構部
113a 弁板本体
114 シリンダヘッド
117 回転軸
118,119 ベアリング
120 シリンダボア
121 ピストン
124 回転斜板
127 吸入室
128 吸入通路
129 吐出室
131 ヘッドガスケット(第2のガスケット)
131b 膨らみ
133 吸入孔
135 吸入弁
136 吐出弁
137 ヘッドガスケット(第2のガスケット)
141 シリンダガスケット(第1のガスケット)
141a 段差
142 空間部
143 連通溝
141c 外周シール部
151 Oリング

Claims (5)

  1. 複数のシリンダボアを有するシリンダブロックと、吸入室及び吐出室が区画形成されたシリンダヘッドと、前記シリンダブロックと前記シリンダヘッドとの間に配置され、冷媒の吸入及び吐出を行う弁機構部と、前記シリンダボア内を往復動するピストンとを備え、前記ピストンの吸入行程において、前記吸入室より前記弁機構部を経てシリンダボアに冷媒を吸入し、前記ピストンの圧縮行程において前記シリンダボアから弁機構部を経て前記吐出室に圧縮された冷媒を吐出する往復動圧縮機のシール構造において、前記シリンダブロックと前記シリンダヘッドとの間で、前記シリンダブロック側から前記弁機構部に重ね合わさる第1のガスケットを備え、前記弁機構部は、吸入弁部材、弁板部材、および第2のガスケットを備え、前記シリンダヘッドは前記吸入弁部材、弁板部材、および第2のガスケットを収容する先端がシリンダヘッドの外周端部から前記シリンダブロックに向かってリング状に突出した外周端縁部を備え、前記外周縁端部は内径が前記吸入弁部材、弁板部材、および第2のガスケットの夫々の外径と略等しく、また、高さが前記吸入弁部材、弁板部材、および第2のガスケットの夫々の厚さの合計に略等しく、前記第1のガスケットは、前記シリンダヘッドの前記外周端縁部と前記シリンダブロックとの間に配置され、前記シリンダヘッドの外周端縁内側に前記吸入弁部材、前記弁板部材、および第2のガスケットが収容されるように構成したことを特徴とする圧縮機のシール構造。
  2. 複数のシリンダボアを有するシリンダブロックと、吸入室及び吐出室が区画形成されたシリンダヘッドと、前記シリンダブロックと前記シリンダヘッドとの間に配置され、冷媒の吸入及び吐出を行う弁機構部と、前記シリンダボア内を往復動するピストンとを備え、前記ピストンの吸入行程において、前記吸入室より前記弁機構部を経てシリンダボアに冷媒を吸入し、前記ピストンの圧縮行程において前記シリンダボアから弁機構部を経て前記吐出室に圧縮された冷媒を吐出する往復動圧縮機のシール構造において、前記シリンダブロックと前記シリンダヘッドとの間で、前記シリンダブロック側から前記弁機構部に重ね合わさる第1のガスケットを備え、前記弁機構部は、吸入弁部材および弁板部材を備え、前記シリンダヘッドは前記吸入弁部材および弁板部材を収容する先端がシリンダヘッドの外周端部から前記シリンダブロックに向かってリング状に突出した外周端縁部を備え、前記外周縁端部は内径が前記吸入弁部材および弁板部材の夫々の外径と略等しく、また、高さが前記吸入弁部材および弁板部材の夫々の厚さの合計に略等しく、前記第1のガスケットは、前記シリンダヘッドの前記外周端縁部と前記シリンダブロックとの間に配置され、前記シリンダヘッドの外周端縁内側に前記吸入弁部材および前記弁板部材が収容されるように構成したことを特徴とする圧縮機のシール構造。
  3. 請求項1又は2記載の圧縮機のシール構造において、前記第1のガスケットとの前記シリンダヘッドの外周端縁先端に接触する位置にビードを設けたことを特徴とする圧縮機のシール構造。
  4. 請求項1乃至3の内のいずれか一つに記載の圧縮機のシール構造において、前記シリンダブロック、前記弁機構部、及び前記シリンダヘッドの締結を円周上に複数配置されたボルトによって行い、前記シリンダヘッド外周端部の内径は、円周上に複数配置されたボルトの外接円径に略等しいことを特徴とする圧縮機のシール構造。
  5. 請求項1乃至4の内のいずれか一つに記載の圧縮機のシール構造を備えていることを特徴とするピストン型圧縮機。
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