JP4021175B2 - ヒンジ装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、ノート型パソコン、電子辞書等における機器本体とカバーとを回動可能に連結し、しかもカバーを任意の開位置に停止させることができるヒンジ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、この種のヒンジ装置は、一対のヒンジ部材を有している。各ヒンジ部材は、機器本体とカバーとにそれぞれ回動不能に連結される一方、互いに回動可能に連結されている。これにより、機器本体とカバーとを回動可能に連結するようになっている。
【0003】
また、ヒンジ装置は、一方のヒンジ部材に回動不能に、かつ回動軸線方向へ移動可能に連結された可動部材を備えており、この可動部材と他方のヒンジ部材との間には摩擦部材が設けられている。この摩擦部材は、可動部材を他方のヒンジ部材側へ付勢するコイルばね(付勢手段)によって他方のヒンジ部材と可動部材とに押圧接触させられている。したがって、一対のヒンジ部材が回動しようとするとき、及び回動しているときには、他方のヒンジ部材と可動部材の間にはコイルばねの付勢力に応じた大きさの摩擦抵抗が生じる。この摩擦抵抗は、カバーの自重による回動トルクより大きく設定されている。したがって、カバーを任意の開位置に停止させることができる(実公平7−47579号公報参照)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来のヒンジ装置においては、カバーを停止させるための摩擦抵抗を得るためにコイルばねを用いているので、その分だけヒンジ装置が大型化するという問題があった。また、付勢手段として用いられているコイルばねは、その付勢力を一定にすることが困難であり、バラツキが大きい。このため、摩擦部材による摩擦抵抗が各ヒンジ装置毎にばらつく。この結果、カバーの回動抵抗が各ノート型パソコン毎に大きくバラツクという問題があった。
【0005】
【課題を解決するための手段】
この発明は、上記の問題を解決するためになされたもので、回動軸線を中心として相対回動可能に連結された第1、第2ヒンジ部材と、上記第1、第2ヒンジ部材間に配置されたゴム等の弾性材からなる摩擦部材とを備え、上記摩擦部材と第1及び第2ヒンジ部材との各接触面間に生じる摩擦抵抗によって上記第1、第2ヒンジ部材の相対回動を規制するヒンジ装置において、上記第1、第2ヒンジ部材間に、上記摩擦部材に対する上記第1、第2ヒンジ部材の各接触面の間隔を規制する間隔規制手段を設けたことを特徴としている。
この場合、上記間隔規制手段が、上記第1、第2ヒンジ部材の対向面の少なくとも一方に設けられ、他方に突き当たることによって上記摩擦部材に対する上記第1、第2ヒンジ部材の各接触面の間隔を規制する当接部を有していてよい。
上記第1ヒンジ部材が、本体と、この本体に回動不能に、かつ上記回動軸線方向へ移動可能に設けられた可動部とを有しており、上記可動部と上記第2ヒンジ部材との間に上記摩擦部材及び上記間隔規制手段が設けられていてもよい。
上記第1ヒンジ部材が、本体と、可動部とを有しており、上記可動部が、上記主体に回動不能に、かつ上記回動軸線方向へ移動可能に連結されるとともに、上記第2ヒンジ部材の上記回動軸線上を回動可能に、かつ上記回動軸線方向へ移動可能に貫通する挿通部材と、この挿通部材の両端部に設けられ、上記第2ヒンジ部材の両端面とそれぞれ対向する第1、第2の対向部とを有し、上記第1の対向部と上記第2ヒンジ部材との間に上記間隔規制手段が設けられ、上記第2の対向部と上記第2ヒンジ部材との間に上記摩擦部材が配置されていてもよい。この場合には、上記間隔規制手段が、上記第2ヒンジ部材の所定の回動範囲での回動に応じて上記挿通部材を上記回動軸線方向へ移動させる移動機構を有していることが望ましい。また、上記移動機構が、上記第2の対向部が上記第2ヒンジ部材に接近する方向へ上記挿通部材を付勢する付勢手段と、上記第2の対向部と上記第2ヒンジ部材との対向面間に設けられ、上記第2ヒンジ部材が一方向へ回動する際には上記第2の対向部が上記第2ヒンジ部材から離間するように上記挿通部材を上記付勢手段の付勢力に抗して移動させ、上記第2ヒンジ部材が他方向へ回動する際には上記第2の対向部が上記第2ヒンジ部材に接近するように上記付勢手段の付勢力によって上記挿通部材を移動させるカム機構とを有していることが望ましい。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、この発明をノート型パソコンに適用した一実施の形態について図1〜図16を参照して説明する。勿論、この発明は、ノート型パソコン以外にも、電子手帳、その他に適用可能である。
【0007】
図1は、この発明に係るヒンジ装置Aが用いられたノート型パソコンの機器本体BとカバーCとを示すものであり、機器本体Bの一端部の両側には、一対の連結筒部B1,B1が形成されている。各連結筒部B1,B1は、内側の端部(互いに対向する端部)が開口し、外側の端部が閉じられている。一対の連結筒部B1,B1は、互いの軸線を一致させて配置されている。
【0008】
連結筒部B1には、ヒンジ装置Aの基端部が挿入されており、図2に示すように、ビスDよって固定されている。これによって、ヒンジ装置Aの基端部が機器本体Bに固定されている。ヒンジ装置Aの先端部は、連結筒部B1から外部に突出しており、その先端部にはカバーCが固定されている。この結果、カバーCがヒンジ装置Aにより機器本体Bに連結筒部B1の軸線を中心として回動可能に連結されている。カバーCは、機器本体Bの上面に突き当たった閉位置(図3参照)から機器本体Bに対してほぼ直立した半開位置(図6参照)を経てほぼ180°回動した全開位置(図9参照)まで回動可能になっている。
【0009】
次に、上記ヒンジ装置Aにつき、図2、図5、図8、図11を参照するとともに、各部品を示す図12〜図16に基づいて説明する。ヒンジ装置Aは、機器本体Bに固定される第1ヒンジ部材A1と、カバーCに固定される第2ヒンジ部材A2とを有している。第1、第2ヒンジ部材A1,A2は、後述するようにして機器本体BとカバーCとに回動軸線(連結筒部B1の軸線)を中心として回動可能に連結されている。
【0010】
第1ヒンジ部材A1は、図5、図8及び図11に示すように、本体1及び可動部2を有している。
本体1は、図12に示すように、その基端部に平板状をなす固定板部11が形成され、中間部に断面円形の嵌合部12が形成され、先端部に断面円形の収容筒部(当接部)13が形成されている。嵌合部12と収容筒部13とは同芯に形成されている。固定板部11は機器本体Bの連結筒部B1に挿入され、嵌合部12は連結筒部B1に嵌合されている。そして、固定板部11がビスDによって連結筒部B1に固定されることにより、本体1(第1ヒンジ部材A1)がノート型パソコンの機器本体Bに固定されている。この固定状態においては、収容筒部13の軸線が連結筒部B1の軸線と一致している。収容筒部13は、連結筒部B1から外部に突出している。
【0011】
収容筒部13の底部14には、収容筒部13の半径方向に延びる係合凹部15が形成されている。嵌合部12の内部には、その基端側(図12において左側)の端面から係合凹部15の底面まで延びる貫通孔16が形成されている。この貫通孔16は、収容筒部13と同芯に配置されている。
【0012】
本体1の収容筒部13には、可動部2の基端部が挿入されている。可動部2は、挿通部材3と当接部材(第1対向部)4とを有している。
挿通部材3は、図13に示すように、円筒状をなすものであり、その基端側に大径部(第2対向部)31が形成され、その先端側に小径部32が形成されている。大径部31の基端側の端面には、係合突出部33が形成されている。そして、大径部31が収容筒部13に挿入されるとともに、係合突出部33が係合凹部15に挿入されることにより、挿通部材3が本体1に回動不能に、収容筒部13の軸線方向(回動軸線方向)へ移動可能に連結されている。なお、係合突出部33は、挿通部材33が最も先端側へ移動したときにおいても、係合凹部から出ることがなく、常時係合している。したがって、挿通部材3は、本体1に常時回動不能に連結されている。
【0013】
挿通部材3の小径部32の先端部には、当接部材(第1対向部)4が設けられている。当接部材4は、図14に示すように、金属性の円板からなるものであり、その中央部には、小径部32が摺動可能に挿通された貫通孔41が形成されている。この貫通孔41の内周面には、キー部42が形成されている。このキー部42が小径部32の外周面に形成されたキー溝34(図13参照)に摺動可能に嵌め込まれることにより、当接部材4が小径部32に回動不能に、かつ小径部32の軸線方向へ移動可能に連結されている。ただし、当接部材4は、小径部32の先端部に設けられたストッパSによって抜け止めされており、小径部32の先端部から抜け出ることはない。なお、ストッパ3は小径部32の軸線方向へ所定範囲移動可能になっており、当接部材4が所定範囲を越えて先端側へ移動するのを阻止する以外は、当接部材4の移動を妨げることはない。
【0014】
上記挿通部材3には、軸体5が挿通されている。この軸体5の一端部は本体1の貫通孔16を貫通しており、貫通孔16からヒンジ装置Aの基端側に突出した端部には、そこが加締めされることによって拡径部51が形成されている。この拡径部51が嵌合部12の基端側の端面12aに突き当たることにより、軸体5は、ヒンジ装置Aの基端側から先端側へ向かう方向へ移動不能になっている。軸体5の他端部は、貫通孔16及び挿通部材3を貫通してヒンジ装置Aの先端側へ突出しており、その突出した先端部には、円板状の頭部52が形成されている。
【0015】
頭部52と上記ストッパSと間に位置する軸体5の外側には、コイルばね(付勢手段)6が装着されている。このコイルばね6の一端部はストッパSを介して当接部材4に突き当たっており、コイルばね6の他端部は頭部52に突き当たっている。この結果、拡径部51が本体1の端面12aに突き当てられ、軸体5が本体1に対して一定の位置に維持されている。その一方、当接部材4がヒンジ装置Aの先端側から基端側へ向かう方向へ付勢されている。なお、コイルばね6は、当接部材4に直接突き当ててもよい。
【0016】
上記第2ヒンジ部材A2は、固定部材7とカム部材8とを有している。固定部材7は、図15に示すように、金属板をプレス成形してなるものであり、互いに直交する取付板部71と連結板部72とを有している。取付板部71には、複数の挿通孔73が形成されており、各挿通孔73にはビス(図示せず)が挿通されている。そして、挿通孔73に挿通されたビスをカバーCの取付筒部C1にねじ込んで締め付けることにより、取付板部71にカバーCが固定されている。
【0017】
固定部材7の連結板部72には、嵌合孔74が形成されている。この嵌合孔74には、挿通部材3の小径部32の基端部が回動可能に、かつ軸線方向へ移動可能に挿入されている。これにより、第2ヒンジ部材A2が第1ヒンジ部材A1に回動可能に連結され、ひいてはカバーCが機器本体Bに回動軸線(連結筒部B1の軸線)を中心として回動可能に連結されている。
【0018】
上記カム部材8は、金属性の板状をなすものであり、図16に示すように、収容筒部13の外径とほぼ同一外径を有する円板部81と、この円板部81の外周面の一側部に一体に形成された略半円状の側板部82とを有している。円板部81の中央部には、貫通孔83が形成されている。この貫通孔83には、小径部32が回動可能に、かつ軸線方向へ移動可能に挿通されている。一方、側板部82の中央部には、係止孔84が形成されている。この係止孔84には、固定部材7の連結板部72に形成された係止突起75が嵌合されている。これによって、カム部材8が固定部材7に回動不能に連結され、固定部材7と一体に回動するようになっている。ただし、係止突起75の外径は係止孔84の内径より若干小さくなっており、その径差の分に対応する微小角度だけカム部材8が固定部材7に対して相対回動可能になっている。係止突起75の外径は係止孔84の内径と同一にしてもよい。その場合には、カム部材8と固定部材7とが常時一体に回動するので、カム部材8と固定部材7とを別体にすることなく、一体に形成してもよい。
【0019】
上記カム部材8の円板部81の外径は、当接部材4の外径とほぼ同一になっており、両者の対向面、すなわちヒンジ装置Aの先端側を向く円板部81の端面85と、ヒンジ装置Aの基端側を向く当接部材4の端面43とは、上記コイルばね6により、後述する球体94を介して突き当てられている。したがって、カム部材8は、コイルばね6によってヒンジ装置Aの基端側へ付勢されており、固定部材7の連結板部72に突き当たっている。その結果、固定部材7の連結板部72もヒンジ装置Aの基端側へ付勢され、収容筒部13の先端面に突き当てられている。これにより、第2ヒンジ部材A2は、通常は位置固定されている。つまり、第2ヒンジ部材A2は、これにコイルばね6の付勢力より大きな力がヒンジ装置Aの基端側から先端側へ向かって作用しない限り位置固定されている。
【0020】
当接部材4とカム部材8との当接面43,85間には、クリック機構(間隔規制機構)9が設けられている。すなわち、図16に示すように、カム部材8の端面85には、一対の位置決め凹部91,91が形成されている。位置決め凹部91,91は、略半球状をなしており、円板部81の周方向に180°離れて配置されている。
【0021】
また、端面85には、一対のガイド溝92,92が形成されている。ガイド溝92は、断面円弧状をなしており、その曲率半径は位置決め凹部91の曲率半径と同一に設定されている。ガイド溝92の深さは、位置決め凹部91の深さより大幅に浅くなっている。一方のガイド溝92は、一方の位置決め凹部91のほぼ中央部から円板部81の略半周にわたって螺旋状に延び、他方の位置決め凹部91の内側にほぼ接している。他方のガイド溝92も、同様に、他方の位置決め凹部91のほぼ中央部から円板部81の略半周にわたって螺旋状に延び、一方の位置決め凹部91の内側にほぼ接している。
【0022】
一方、当接部材4の端面43には、一対の駆動凹部93,93が周方向に180°離れて配置されている。駆動凹部93は、可動部材6の半径方向に対して若干傾斜した状態で内外方向に延びている。駆動凹部93の両端部は、位置決め凹部91とほぼ同一の球面形状をなしている。駆動凹部93の中間部は断面円弧状をなしており、その曲率半径は両端部のそれと同一になっている。各駆動凹部93の深さは、その全長にわたってほぼ一定になっている。
【0023】
駆動凹部93には、球体94の一部が挿入されている。この球体94は、駆動凹部93の曲率半径とほぼ同一の半径を有している。球体94の他の一部は、駆動凹部93から突出しており、球体94がコイルばね6の付勢力によって当接部材4を介してカム部材8側に付勢されることにより、カム部材8の位置決め凹部91又はガイド溝92に嵌入されている。球体94が位置決め凹部91に入り込むかガイド溝92に入り込むかは、カム部材8(第2ヒンジ部材A2)の回動位置によって決まっている。すなわち、カバーCが閉位置から開位置側へ向かった所定の角度範囲内に位置しているときには、球体94の一部が位置決め凹部91に入り込むように、位置決め凹部91及び駆動凹部93が配置されている。その角度範囲外では球体94がガイド溝92に入り込むようになっており、カバーCが全開位置まで回動すると、球体94が、ガイド溝92の先端部まで移動する。このとき、ガイド溝92が螺旋状をなしているので、球体94は駆動凹部93内をその長手方向へ移動する。
【0024】
ここで、カバーC(第2ヒンジ部材A2)が開位置側から閉位置側へ向かう方向(図3及び図4に示す矢印X方向)へ回動しているときには、係止突起75の矢印X方向を向く外周面が係止孔84の内周面に押圧接触している。しかるに、カバーCが閉位置より所定の角度だけ手前の位置に達すると、球体94の中心が位置決め凹部91とガイド溝92との交差稜線上に位置し、カバーCが閉位置側へさらに回動すると、球体94は、位置決め凹部91を構成する底面のうち、ガイド溝92との交差部と位置決め凹部91の曲率中心との間の傾斜面に接触する。この状態では、コイルばね6の付勢力により、球体94が矢印Y方向へ押される一方、位置決め凹部91の壁面、つまりカム部材8が矢印X方向(開位置側から閉位置側へ向かう方向)へ押される。この押圧力により、カム部材8が係止突起75と係止孔84との直径差の分だけ矢印X方向へ急激に回動させられ、係止突起75が係止孔8の内周面に突き当たる。これによって、衝撃及び衝撃音(クリック音)が発生する。これとほぼ同時にカバーCが閉位置に達する。したがって、カバーCが閉位置に達したことを衝撃及び衝撃音によって認識することができる。
なお、カバーCは、閉位置に達した後においてもコイルばね6、位置決め凹部91及び球体94の作用によって矢印X方向へ押され続けるので、閉位置に維持される。
【0025】
第2ヒンジ部材A2の固定部材7の連結板部72と挿通部材3の大径部31との互いに対向する端面(接触面)72a,31a間には、摩擦部材10が配置されている。この摩擦部材10は、Oリングのように、ゴム等の弾性材によって構成されている。摩擦部材10の外径は、収容筒部13の内径とほぼ同一になっているが、若干大径にするのが望ましい。摩擦部材10の厚さ、つまり収容筒部13の軸線方向における厚さは、端面72a,31a間の最大距離とほぼ同等かそれより若干厚く設定されている。
【0026】
端面72a,31aの間隔は、次のようにして決められている。すなわち、端面72aの位置は、端面72aが収容筒部13の先端面に突き当たることによって一定になっている。一方、端面31aは、挿通部材3が回転軸線方向へ移動すると、それに伴って同方向へ移動する。ここで、挿通部材3は、それに当接部材4がストッパSを介して突き当たっているので、当接部材4がヒンジ装置Aの先端側へ移動すると、当接部材4とともにヒンジ装置Aの先端側へ移動する。この結果、端面72a,31a間の間隔が狭くなる。逆に、当接部材4がヒンジ装置Aの基端側へ移動すると、挿通部材3がヒンジ装置Aの基端側へ移動可能になり、摩擦部材10によって挿通部材3がヒンジ装置Aの基端側へ移動させられる。この結果、端面72a,31a間の間隔が広くなる。したがって、端面72a,31aの間隔は、カバーCが閉位置に位置し、球体94が位置決め凹部91に入り込んだときに最も広くなる。球体94は、位置決め凹部91に入り込んでいるときには、ガイド溝92に入りこんでいるときに比して、ヒンジ装置Aの基端側へ移動し、それに伴って当接部材4がヒンジ装置Aの基端側へ移動するからである。摩擦部材10の厚さが、端面72a,31aの間隔の最大間隔とほぼ同一に設定されているので、カバーCが閉位置及びその近傍に位置しているときには、摩擦部材10と固定部材7との間に摩擦抵抗が生じることがほとんどない。これは、上記衝撃音が発生した後にカバーCがコイルばね6の付勢力によって直ちに閉位置までに回動させられるようにするためである。その一方、カバーCが閉位置から開位置側へ向かって所定角度以上回動すると、球体94が位置決め凹部91から脱出してガイド溝92に入り込む。すると、球体94がヒンジ装置Aの先端側へ移動し、当接部材5が同方向へ移動する。この結果、端面72a,31aの間隔が最も狭くなり、摩擦部材10の両端面が端面72a,31aにそれぞれ押圧接触する。したがって、第1、第2ヒンジ部材A1,A2が相対回転しようとし、あるいは相対回転すると、第1ヒンジ部材A1の挿通部材3と第2ヒンジ部材A2の固定部材7との間にそれらの相対回転を阻止しようとする摩擦抵抗を発生させる。この摩擦抵抗は、カバーCの回動位置に拘わらず一定であり、カバーCの自重による回動トルクより大きく設定されている。よって、カバーCを機器本体Bに対して任意の位置に停止させることができる。
【0027】
上記のように、端面72a,31aの間隔は、球体94がガイド溝92から位置決め凹部91に入るとき、逆に位置決め凹部91からガイド溝92に出るときに球体94がヒンジ装置Aの軸線方向へ移動させられるので、それに応じて変化する。これから明らかなように、位置決め凹部91とガイド溝92との交差部近傍における位置決め凹部91の壁面及び球体94によって挿通部材3及び当接部材4(可動部2)をヒンジ装置Aの軸線方向へ移動させる移動機構(カム機構)が構成されている。
【0028】
上記構成のヒンジ装置1においては、第1、第2ヒンジ部材A1,A2に作用する摩擦部材10の摩擦抵抗の大きさが、第1ヒンジ部材A1の挿通部材3の大径部31と、第2ヒンジ部材A2の固定部材7の連結板部72との対向面31a,72aの間隔によって決定される。したがって、大径のコイルばねを用いる必要がなく、その分だけヒンジ装置1を小型化することができる。しかも、対向面31a,72aの間隔を調整することは、コイルばねの付勢力を調整することに比較して極めて容易である。したがって、対向面31a,72a間隔を所定の大きさに容易に調整することができ、摩擦部材10による摩擦抵抗を所望の大きさに正確に設定することができる。よって、カバーCに対する回動抵抗を各ノート型パソコンでバラツクことなく、ほぼ一定にすることができる。
【0029】
なお、この発明は、上記の実施の形態に限定されるものでなく、適宜変更可能である。
例えば、上記の実施の形態においては、挿通部材3を本体1に対して回動軸線方向へ移動可能とし、摩擦部材10に押圧接触する端面31aをクリック機構9によって位置決めし、それによって摩擦部材10に接触する端面31a,72aの間隔を定めているが、挿通部材3(可動部2)を本体1と一体に形成して端面31aの位置を固定してもよい。その場合には、収容筒部13によって端面31a,72aの間隔が定められることになり、収容筒部13がそれらの間隔を定める当接部となる。
また、上記の実施の形態においては、ガイド溝92の深さをその全長にわたって一定にしているが、長手方向の各部で深さを変えてもよい。例えば、ガイド溝92の深さを、その両端部で最も浅くし、カバーCが図6に示す半開位置に回動したときに球体94が位置する箇所において最も深くしてもよい。そのようにすれば、カバーCの自重による回動モーメントが最も大きいときには摩擦部材10による摩擦抵抗を最も大きくし、カバーCの自重による回動モーメントが最も小さいときには、摩擦部材10の摩擦抵抗を最も小さくすることができる。この場合には、ガイド溝92も移動機構(カム機構)の一部を構成することになる。
また、球体94については、当接部材4に突出部として一体に形成してもよい。ただし、そのようにする場合には、突出部が径方向へ移動不能であるから、ガイド溝91については螺旋状に形成することなく、円周に沿って形成する必要がある。
【0030】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、カバーを本体に対して任意の位置で停止させるために大型のコイルばね等を用いる必要がなく、それによってヒンジ装置を小型化することができ、またカバーの回動抵抗のバラツキを小さくしてほぼ一定にすることができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係るヒンジ装置が採用されたノート型パソコンの一部を示す分解斜視図である。
【図2】ノート型パソコンの本体に対する同ヒンジ装置の取付方法を示す斜視図である。
【図3】同ノート型パソコンを、カバーを閉位置に回動させた状態で示す側面図である。
【図4】同ノート型パソコンが図3の状態のときにおけるヒンジ装置を示す図5のX−X線に沿う断面図である。
【図5】図4のZ−Z線に沿う断面図である。
【図6】同ノート型パソコンを、カバーを直立位置(半開位置)に回動させた状態で示す側面図である。
【図7】同ノートパソコンが図6の状態にあるときにおけるヒンジ装置の図4と同様の断面図である。
【図8】図5と同様の図7の断面図である。
【図9】同ノート型パソコンを、カバーを全開位置に回動させた状態で示す側面図である。
【図10】同ノートパソコンが図9の状態にあるときにおけるヒンジ装置の図4と同様の断面図である。
【図11】図5と同様の図10の断面図である。
【図12】同ヒンジ装置の第1ヒンジ部材の本体を示す図であって、図12(A)はその正面図、図12(B),(C)はそれぞれ図12(A)のB−B線、C−C線に沿う断面図である。
【図13】同ヒンジ装置の第1ヒンジ部材の挿通部材を示す図であって、図13(A)はその縦断面図、図13(B),(C)はそれぞれ図13(A)のB矢視、C矢視図である。
【図14】同ヒンジ装置の第1ヒンジ部材の当接部材を示す図であって、図14(A)はその拡大平面図、図14(B)は図14(A)のB−B線に沿う断面図である。
【図15】同ヒンジ装置の第2ヒンジ部材の固定部材を示す図であって、図15(A)はその正面図、図15(B),(C)はそれぞれ図15(A)のB矢視、C矢視図である。
【図16】同ヒンジ装置の第2ヒンジ部材のカム部材を示す図であって、図16(A)はその拡大平面図、図16(B)は図16(A)のB−B線に沿う断面図である。
【符号の説明】
A ヒンジ装置
A1 第1ヒンジ部材(ヒンジ部材)
A2 第2ヒンジ部材(ヒンジ部材)
1 本体
2 可動部
3 挿通部材
4 当接部材(第1対向部)
6 コイルばね(付勢手段)
9 クリック機構(間隔規制機構)
10 摩擦部材
31 大径部(第2対向部)
91 位置決め凹部
92 ガイド溝
94 球体
Claims (1)
- 回動軸線を中心として相対回動可能に連結された第1、第2ヒンジ部材と、上記第1、第2ヒンジ部材間に配置されたゴム等の弾性材からなる摩擦部材とを備え、上記摩擦部材と上記第1及び第2ヒンジ部材との接触面間に生じる摩擦抵抗によって上記第1、第2ヒンジ部材の相対回動を規制するヒンジ装置において、
上記第1ヒンジ部材が、本体と可動部とを有し、
上記本体と上記第2ヒンジ部材との少なくとも一方には、他方に突き当たることにより、上記第2ヒンジ部材が上記回動軸線に沿って上記本体に接近移動することを阻止する当接部が設けられ、
上記可動部が、上記本体に回動不能に、かつ上記回動軸線方向へ移動可能に連結されるとともに、上記第2ヒンジ部材に上記回動軸線を中心として回動可能に、かつ上記回動軸線方向へ移動可能に挿通された挿通部材と、この挿通部材の両端部にそれぞれ設けられ、上記第2ヒンジ部材の上記本体側と逆側を向く端面及び上記本体側を向く端面とそれぞれ対向する第1、第2対向部とを有し、
上記第2対向部と上記第2ヒンジ部材との対向面間に上記摩擦部材が設けられ、
上記第1対向部と上記第2ヒンジ部材との対応面間に、上記挿通部材を上記回動軸線方向へ移動させて上記第2対向部と上記第2ヒンジ部材との間の上記回動軸線方向における間隔を規制する間隔規制機構が設けられ、
上記間隔規制機構が、上記第1対向部を上記第2ヒンジ部材に接近するように付勢する付勢手段と、上記第1対向部と上記第2ヒンジ部材との対向面間に設けられ、上記第2ヒンジ部材が一方向へ回動する際には、上記第1対向部を上記付勢手段の付勢力に抗して上記第2ヒンジから離間する方向へ移動させ、それによって上記挿通部材及び上記第2対向部を同方向へ移動させ、上記第2ヒンジ部材が他方向へ回動する際には、上記第1対向部が上記第2ヒンジ部材に接近方向へ移動することを許容し、それによって上記挿通部材及び上記第2対向部が同方向へ移動することを許容するカム機構とを有していることを特徴とするヒンジ装置。
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