JP4019896B2 - 頭部保護エアバッグ装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両の車内側における窓の上縁側に折り畳まれて収納されて、膨張用ガスの流入時に、窓の車内側を覆うように展開膨張するエアバッグを備えた頭部保護エアバッグ装置に関し、特に、車両の側面衝突時のみならず車両のロールオーバ(横転・転倒等)時に対処可能な頭部保護エアバッグ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、頭部保護エアバッグ装置では、車両の側面衝突時のみならず車両のロールオーバ(横転・転倒等)時に対処できるものがあった(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
この頭部保護エアバッグ装置では、車両の側面衝突時、インフレーターから瞬時に膨張用ガスを吐出させて、エアバッグ内に急激に膨張用ガスを流入させて、エアバッグの膨張完了を素早くさせ、一方、車両のロールオーバ時には、インフレーターから低圧の膨張用ガスを長く吐出させて、エアバッグの内圧保持時間を長くするように、構成されていた。
【0004】
【特許文献1】
特開2001−171469号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来の頭部保護エアバッグ装置では、車両が側面衝突からロールオーバに移行するような場合に関しては、考慮されていなかった。すなわち、急激に膨張用ガスを供給するインフレーターが作動した後、さらに、膨張用ガスを長く吐出するインフレーターが作動すれば、そのインフレーターが低圧の膨張用ガスを吐出しても、エアバッグがダメージを受けて、ガス漏れを生じさせてしまう。
【0006】
本発明は、上述の課題を解決するものであり、車両が側面衝突からロールオーバに移行しても、支障なく対処可能な頭部保護エアバッグ装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る頭部保護エアバッグ装置は、車両の車内側の窓の周縁における上縁側に、折り畳まれて収納されて、膨張用ガスの流入時に、窓の車内側を覆うように下方へ展開して膨張するエアバッグと、
エアバッグに膨張用ガスを供給するインフレーターと、
を備えて、車両の側面衝突検知時とロールオーバ検知時とに作動する構成の頭部保護エアバッグ装置であって、
エアバッグが、
展開膨張完了時の上縁側に配置されて、車両の側面衝突検知時に窓を覆い可能に膨張用ガスを流入させて展開膨張する上側膨張部と、
展開膨張完了時の下縁側に配置されて、車両のロールオーバ検知時に膨張用ガスを流入させて、エアバッグの下縁に沿って略棒状に膨張する下側膨張部と、
を備えて構成され
上側・下側膨張部相互を連通させるとともに、上側膨張部を膨張用ガスの上流側とし、下側膨張部を膨張用ガスの下流側とするように、上側膨張部にインフレーターが接続され、
インフレーターが、複数のガス発生部を備えて、車両のロールオーバ検知時に、全てのガス発生部から膨張用ガスを吐出させ、車両の側面衝突検知時に、ロールオーバ検知時より少ない数のガス発生部から膨張用ガスを吐出させるように、構成されていることを特徴とする。
【0008】
本発明に係る頭部保護エアバッグ装置では、車両の側面衝突時、エアバッグの上側膨張部が展開膨張して窓の車内側を覆うことから、乗員の頭部を保護することができる。その後、車両がロールオーバに移行すると、エアバッグの下側膨張部が膨張して、エアバッグの下縁側でその下縁に沿った棒状の膨張部位が形成される。この時、窓の上縁側から展開したエアバッグは、この棒状の膨張部位により、下縁側に、車両の略前後方向に沿う形状保持性能の高い膨張部位が配設されることとなって、乗員が車外側へ飛び出そうとしても、その乗員の移動を抑えることが可能となり、その結果、的確に、ロールオーバ時の乗員の保護を図ることができる。
【0009】
そして、本発明に係る頭部保護エアバッグ装置のエアバッグでは、側面衝突時に膨張するエリアである上側膨張部と、ロールオーバ時に膨張するエリアである下側膨張部と、の二つの上下別位置とした膨張領域を備えている。そのため、それらの上側膨張部と下側膨張部とは、膨張用ガスを流入させる容量について、側面衝突時とロールオーバ時とのそれぞれに応じて、ダメージを生じない範囲で、かつ、乗員の保護性能を低下させない範囲で、使用するインフレーターと対応させつつ、適宜設定することができることから、破損する等の支障を生じさせることなく、的確な膨張を確保することができる。
【0010】
したがって、本発明に係る頭部保護エアバッグ装置では、車両が側面衝突からロールオーバに移行しても、支障なく対処して、乗員を保護することができる。
【0011】
そして、エアバッグの下側膨張部が、膨張完了時に、車両のピラー部に支持可能に、配設されていれば、エアバッグの下縁に沿って棒状に膨張した下側膨張部自体が、その車外側をピラー部に支持されることから、乗員が車外側へ飛び出そうとしても、エアバッグは、その乗員の移動を一層的確に抑えることができる。
【0014】
また、本発明に係る頭部保護エアバッグ装置では、複数のインフレーターを使用することなく、エアバッグは、上側・下側膨張部相互を連通させて、上側膨張部を膨張用ガスの上流側とし、下側膨張部を膨張用ガスの下流側とするように、上側膨張部だけにインフレーターを接続させるように構成し、さらに、インフレーターは、複数のガス発生部を備えて、車両のロールオーバ検知時に、全てのガス発生部から膨張用ガスを吐出させ、車両の側面衝突検知時に、ロールオーバ検知時より少ない数のガス発生部から膨張用ガスを吐出させるように、構成している
【0015】
このような構成では、インフレーターをエアバッグの上側膨張部だけに接続させればよいことから、エアバッグに接続させるインフレーターの数を少なくできて、エアバッグ装置の簡素化とコンパクト化とを図れて、エアバッグ装置の製造工数・コストを低減できるとともに、車両への搭載性を向上させることができる。
【0016】
なお、このような構成では、エアバッグの膨張時、全てのガス発生部から膨張用ガスが吐出された際、上側膨張部と下側膨張部とが共に膨張を完了させて、ロールオーバ対応となる。また、所定数のガス発生部から膨張用ガスが吐出された際、下側膨張部が不完全な膨張状態として、下側膨張部より膨張用ガスの上流側の上側膨張部が膨張して、側面衝突対応となる。そして、この側面衝突対応時に、乗員が膨張した上側膨張部と干渉すると、上側膨張部内の膨張用ガスの一部が下側膨張部に流れて、上側膨張部がクッション効果を高めて乗員を保護することができる。
【0017】
そして、上記のような構成において、エアバッグの下側膨張部における上側膨張部との連通部位に、全てのガス発生部からの膨張用ガスの吐出時におけるエアバッグの内圧上昇時以外では下側膨張部への膨張用ガスの流入を抑え可能な絞り部を、配設しておけば、側面衝突対応時における上側膨張部が、ダメージを生じない範囲で、内圧を高く維持することができて、側面衝突時の乗員の保護性能を向上させることができる。
【0018】
なお、この絞り部について、上側膨張部の内圧の上昇に伴い、開口面積を広げることができるような可変タイプで構成すれば、ロールオーバ対応時に、下側膨張部の膨張完了を早めることができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明すると、第1実施形態の頭部保護エアバッグ装置M1は、図1に示すように、折り畳んだエアバッグ11を、車両Vの窓Wの車内側における上縁側周縁において、フロントピラー部FPの下縁側、ルーフサイドレール部RRの下縁側、及び、第1・2中間ピラー部P1・P2の上方側の各位置にわたって、収納させて構成されている。なお、実施形態の車両Vは、フロントピラー部FPとリヤピラー部RPとの間に、二つの第1・2中間ピラー部P1・P2を配設させており、エアバッグ11は、それらのピラー部P1・P2の上方を跨いで、収納されている。
【0020】
第1実施形態のエアバッグ装置M1は、エアバッグ11、インフレーター37・38、取付ブラケット39、クランプ40、及び、エアバッグカバー8を、備えて構成されている。
【0021】
さらに、エアバッグ装置M1は、車両Vの所定位置にそれぞれ配置された側突用センサ42、ロールオーバセンサ43、及び、制御装置44、を備えて構成されている。側突用センサ42は、車両Vの側面衝突の有無を検知するもので、車両Vの側面に所定以上の衝撃が加わった際に、制御装置44に、側面衝突検知信号を出力する。ロールオーバセンサ43は、車両Vのロールオーバが予測されるような際に、制御装置44に、ロールオーバ検知信号を出力する。
【0022】
そして、第1実施形態の場合、制御装置44は、側突用センサ42からの側突(側面衝突)検知信号を入力した時、インフレーター37だけを作動させ、また、ロールオーバセンサ43からのロールオーバ検知信号を入力することにより、インフレーター38だけを作動させるように、構成されている。但し、制御装置44は、側突用センサ42からの側突検知信号を入力した後、ロールオーバセンサ43からのロールオーバ検知信号を入力すれば、インフレーター37を作動させた後、インフレーター38を作動させるように、構成されている。
【0023】
エアバッグカバー8は、図1に示すように、フロントピラー部FPに配置されるフロントピラーガーニッシュ4の下縁4a側と、ルーフサイドレール部RRに配置されるルーフヘッドライニング5の下縁5a側と、から構成されている。そして、エアバッグカバー8は、折り畳まれて収納されたエアバッグ11の車内側を覆うように配設されるとともに、展開膨張時のエアバッグ11を車内側へ突出可能とするために、エアバッグ11に押されて車内側へ開き可能に構成されている。
【0024】
エアバッグ11は、ポリアミド糸等を使用した袋織りにより製造されて、図1〜4に示すように、インフレーター37・38からの膨張用ガスGを流入させて、窓Wや第1・2中間ピラー部P1・P2のピラーガーニッシュ7の車内側を覆うように、窓Wの上縁側から下方へ展開して膨張するように構成されている。そして、実施形態の場合、エアバッグ11は、上縁11a側の上側膨張部12と、下縁11b側の下側膨張部26と、を備えて構成されている。上側膨張部12は、車両Vの側面衝突時に展開膨張する部位であり、下側膨張部26は、車両Vのロールオーバ時に展開膨張する部位としている。
【0025】
上側膨張部12は、インフレーター37を接続させる略円筒状の接続口部13を、上側膨張部12の上端付近における後端から後方側へ突出するように、配設させるとともに、膨張用ガスGを流入させて車内側壁部14aと車外側壁部14bとを離すように膨張するガス流入部14と、膨張用ガスGを流入させない非流入部18と、備えて構成されている。接続口部13は、インフレーター37に外装されて、クランプ40を利用してインフレーター37と接続されることとなる。
【0026】
さらに、実施形態の場合、上側膨張部12の前側部位12aは、車両Vの前席の車外側に配置されて、前席に着座した乗員を保護できるように設定され、上側膨張部12の後側部位12bは、車両Vの後席の車外側に配置されて、後席に着座した乗員を保護できるように設定されている。
【0027】
ガス流入部14は、エアバッグ11の上縁11aに沿うように前後方向に配置されて、接続口部13から流入した膨張用ガスGをガス流入部14の前端側まで流す供給路部15と、供給路部15に上端をそれぞれ連通させて下方に延びる複数のセル部(縦セル部)16と、から構成されている。上側膨張部12は、各縦セル部16が膨張することにより、厚さが増すとともに、前後方向の幅寸法が狭まって、前後方向にテンションを発生させることとなる。
【0028】
非流入部18は、ガス流入部14を囲むように配置される周縁部19と、縦セル部16相互の間に配置される区画部21と、板状部22・23・24と、を備えて構成されている。各板状部22・23・24は、エアバッグ11の全体形状を確保するとともに、ガス流入部14の容積を小さくして、エアバッグ11の膨張完了までの時間を短くするために配設されている。実施形態の場合、板状部22・24は、エアバッグ11の前後両端に配置された略三角板形状に形成され、板状部23は、前側部位12aと後側部位12bとの間に配置されて、略長方形板状に形成されている。
【0029】
周縁部19の上縁側には、エアバッグ11を車両Vのボディ1側のインナパネル2に取り付けるための複数の取付部20が形成されている。取付部20は、取付孔20aを備えて、板状部24の上端にも設けられている。そして、各取付部20には、当板(図符号省略)が取り付けられて、各取付孔20aを挿通させるボルト(図符号省略)をインナパネル2に締め付けることにより、エアバッグ11が、折り畳まれた状態で、車両Vに搭載されることとなる。なお、折り畳まれたエアバッグ11は、接続口部13・27の部位でも、インフレーター37・38をボディ1のインナパネル2に固定するための取付ブラケット39・39を利用して、インナパネル2に固定されることとなる。
【0030】
下側膨張部26は、上側膨張部12の周縁部19における下縁部19aを境界部位として、その下方の領域に配置されている。そして、下側膨張部26は、前端側にインフレーター38を接続させる略円筒状の接続口部27を備えるとともに、膨張用ガスGを流入させて車内側壁部28aと車外側壁部28bとを離すように膨張するガス流入部28と、膨張用ガスGを流入させない非流入部33と、備えて構成されている。接続口部27は、上側膨張部12における前端側の板状部22の下縁側から、前方側に突出するように形成されている。この接続口部27も、インフレーター38に外装されて、クランプ40を利用してインフレーター38と接続されることとなる。
【0031】
ガス流入部28は、接続口部27からエアバッグ11の下縁11b側において、下縁11bに沿って後方側に延びる本体部29と、下端を本体部29に連通させて上方へ延びる展開補助部30・31と、を備えて構成されている。本体部29は、エアバッグ11の下縁11bの略全長に配置されて、膨張時、剛性を発揮するような棒状に膨張することとなる。本体部29の配置エリアを詳しく述べると、接続口部27と連なるように、上側膨張部12の前端側の板状部22の下縁から後端側の板状部24の直前までの範囲のエアバッグ11の下縁11bの領域に、略前後方向に沿って配置されている。
【0032】
展開補助部30は、上側膨張部12の板状部23の位置において、本体部29から上方に延びて板状部23の領域内に侵入するように配設され、展開補助部31は、上側膨張部12の後側部位12bにおける後端の縦セル部16Eの位置において、本体部29から上方に延びて縦セル部16Eの前後両側の区画部21・21間に侵入するように配設されている。これらの展開補助部30・31は、下側膨張部26が単独で膨張する際、エアバッグ11の収納部位、すなわち、エアバッグカバー8に覆われたルーフサイドレール部RRから、エアバッグカバー8を押し開いて円滑に下方に突出して、展開膨張できるように、配設されている。
【0033】
非流入部33は、ガス流入部28の周囲を囲む周縁部34を備えて構成され、実施形態の場合、周縁部34の上縁部34aは、上側膨張部12の周縁部19の下縁部19aと共用されている。
【0034】
そして、インフレーター37・38は、それぞれ、上側・下側膨張部12・26の各接続口部13・27に挿入されるとともに、クランプ40を利用して、各接続口部13・27に接続されている。また、これらのインフレーター37・38は、それぞれ、取付ブラケット39に保持され、各取付ブラケット39がインナパネル2にボルト止めされることにより、インナパネル2に固定されている。なお、インフレーター37は、第2中間ピラーP2の上方付近のインナパネル2に固定され、インフレーター38は、フロントピラー部FPの下端付近のインナパネル2に固定されている。
【0035】
そして、インフレーター37は、エアバッグ11の上側膨張部12を膨張させる側突用インフレーターであり、このインフレーター37の出力は、上側膨張部12のガス流入部14の容積に対応して、作動時、迅速に上側膨張部12を膨張完了させるように、設定されている。また、インフレーター38は、エアバッグ11の下側膨張部26を膨張させるロールオーバ用インフレーターであり、このインフレーター38の出力は、下側膨張部26のガス流入部28の容積に対応して、作動時、下側膨張部26の内圧を長い時間にわたって維持できるように、設定されている。
【0036】
第1実施形態のエアバッグ装置M1の車両Vへの搭載について説明すると、まず、エアバッグ11を、平らに展開した状態から、順次、山折りと谷折りとの前後方向に沿う折目を入れて、エアバッグ11の下縁11b側を上縁11a側に接近させるように、蛇腹折りする。そして、折り畳んだ後には、折り崩れ防止用の図示しない破断可能なテープにより、エアバッグ11の所定箇所をくるむとともに、各取付部20に所定の当板を取り付け、さらに、各接続口部13・27に対して、クランプ40を使用して、インフレーター37・38を接続させておく。なお、各取付ブラケット39は、インフレーター37・38に予め取り付けておいてもよいし、接続口部13・27への接続後に、インフレーター37・38に取り付けてもよい。
【0037】
その後、各当板や各取付ブラケット39を、ボディ1側のインナパネル2における所定位置に配置させて、インナパネル2にボルト止めし、さらに、制御装置44から延びる図示しないリード線をインフレーター37・38に結合させて、ピラーガーニッシュ4・6・7やルーフヘッドライニング5をボディ1に取り付ければ、エアバッグ装置M1を車両Vに搭載させることができる。
【0038】
エアバッグ装置M1の車両Vへの搭載後、車両Vの側面衝突時、側突用センサ42からの側突検知信号が制御装置44に出力されれば、制御装置44が、インフレーター37を作動させる。すると、膨張用ガスGがインフレーター37から吐出されて、接続口部13からガス流入部14に流入することから、図5に示すように、エアバッグ11の上側膨張部12が展開膨張して窓W・Wの車内側を覆う。そのため、車両Vの側面衝突時において、エアバッグ11の上側膨張部12によって、乗員の頭部を保護することができる。なお、この上側膨張部12の膨張完了時、上側膨張部12は、各縦セル部16の膨張に伴う前後方向の収縮により、エアバッグ11の前端におけるピラー部FPの下端とエアバッグ11の後端におけるルーフサイドレール部RRとにそれぞれ位置する部位、すなわち、エアバッグ板状部22の前端(接続口部27)と後端の取付部20Eと、を直線的に結ぶように、テンションラインが発生することから、車外側への移動を防止した状態で、乗員を保護することができる。
【0039】
その後、車両Vがロールオーバの状態に移行しようとすると、ロールオーバセンサ43からロールオーバ検知信号が出力されて、制御装置44が、インフレーター38を作動させる。すると、膨張用ガスGがインフレーター38から吐出されて、接続口部27からガス流入部28に流入することから、図6に示すように、エアバッグ11の下側膨張部26も膨張することとなる。この時、下側膨張部26が棒状に膨張して、エアバッグ11の下縁11b側でその下縁11bに沿った棒状の膨張部位29が形成される。すなわち、窓Wの上縁側から展開したエアバッグ11は、この棒状の膨張部位29により、下縁11b側の略全域に、車両Vの略前後方向に沿う形状保持性能の高い膨張部位が配設されることとなって、乗員が車外側へ飛び出そうとしても、その乗員の移動を抑えることが可能となり、その結果、的確に、ロールオーバ時の乗員の保護を図ることができる。
【0040】
なお、この時、上側膨張部12の内圧が低下している状態であっても、下縁11b側の略全域に、車両Vの略前後方向に沿う形状保持性能の高い膨張部位29が配設されることから、ロールオーバ時の乗員の保護を図ることができる。
【0041】
そして、第1実施形態の頭部保護エアバッグ装置M1のエアバッグ11では、側面衝突時に膨張するエリアである上側膨張部12と、ロールオーバ時に膨張するエリアである下側膨張部26と、の二つの上下別位置とした膨張領域を備えている。そのため、それらの上側膨張部12と下側膨張部26とは、膨張用ガスを流入させる容量について、側面衝突時とロールオーバ時とのそれぞれに応じて、ダメージを生じない範囲で、かつ、乗員の保護性能を低下させない範囲で、使用するインフレーター37・38に対応させつつ、適宜設定することができることから、破損する等の支障を生じさせることなく、的確な膨張を確保することができる。
【0042】
したがって、第1実施形態の頭部保護エアバッグ装置M1では、車両Vが側面衝突からロールオーバに移行しても、支障なく対処して、乗員を保護することができる。
【0043】
そして、第1実施形態では、エアバッグ11の下側膨張部26が、膨張完了時に、車両Vのピラー部P1に支持可能に、配設されていることから、エアバッグ11の下縁11bに沿って棒状に膨張した下側膨張部26の本体部29自体が、その車外側をピラー部P1に支持されて、乗員が車外側へ飛び出そうとしても、エアバッグ11は、その乗員の移動を一層的確に抑えることができる。
【0044】
特に、第1実施形態の場合、下側膨張部26の本体部29の前後方向の一端側、実施形態の場合、前端側が、接続口部27やインフレーター38の取付ブラケット39を利用して、ピラー部FPの下端に取付固定されていることから、一層、本体部29が車外側に移動し難く、車外側への乗員の移動を的確に抑えることができる。
【0045】
さらに、第1実施形態のエアバッグ11では、上側・下側膨張部12・26が膨張を完了させれば、下側膨張部26の本体部26は、窓Wの下縁側の周縁の車内側にも支持されるため、一層、車外側に移動し難い。
【0046】
また、第1実施形態では、エアバッグ装置M1の車両Vへの搭載後、側面衝突することなく、車両Vがロールオーバする状態となれば、ロールオーバセンサ43からロールオーバ検知信号が出力されて、制御装置44が、インフレーター38を作動させる。すると、膨張用ガスGがインフレーター38から吐出されて、接続口部27からガス流入部28に流入することから、図7に示すように、エアバッグ11の下側膨張部26が展開膨張する。この時、下側膨張部26が膨張を完了させれば、上側膨張部12が膨張していなくとも、下縁11b側の略全域に、車両Vの略前後方向に沿う形状保持性能の高い膨張部位29が配設されることから、ロールオーバ時の乗員の保護を図ることができる。
【0047】
すなわち、第1実施形態では、インフレーターとして、エアバッグ11の上側膨張部12を膨張させるための膨張用ガスを供給可能な側突用インフレーター37と、エアバッグ11の下側膨張部26を膨張させるための膨張用ガスを供給可能なロールオーバ用インフレーター38と、を備えて構成されている。そして、車両Vの側面衝突時には、図5に示すように対処でき、側面衝突を伴わない車両Vのロールオーバ時には、図7に示すように対処できて、車両Vの側面衝突時とロールオーバ時とにおいて、それぞれ、対応したインフレーター37・38を作動させることができる。そのため、側面衝突用の上側膨張部12とロールオーバ用の下側膨張部26との容量に応じた出力のインフレーター37・38をそれぞれ使用することもあいまって、上側・下側膨張部12・26の膨張開始時期や膨張完了時期等を的確に調整できるとともに、一層、上側・下側膨張部12・26の膨張時に生ずる破損(ダメージ)の発生を、防止することができる。
【0048】
特に、実施形態の場合、エアバッグ11の上側膨張部12と下側膨張部26とが、対応するインフレーター以外のインフレーターからの膨張用ガスを流入させないように、それぞれ、ガス流入部14・28を相互に独立させている。そのため、上側・下側膨張部12・26に対応させた所定の出力のインフレーター37・38を使用することにより、膨張時における上側・下側膨張部12・26の内圧を厳密に設定できて、一層、乗員の保護性能の向上とエアバッグ11のダメージ発生防止とを図ることができる。なお、この点を考慮しなければ、上側・下側膨張部12・26の相互の境界部19a(34a)に部分的に開口を設けて、膨張部12・26相互を連通させてもよい。
【0049】
また、頭部保護エアバッグ装置のエアバッグとしては、第1実施形態のエアバッグ11のように、複数のインフレーター37・38を使用することなく、図8に示す第2実施形態のように、一つのインフレーター70を使用するように構成してもよい。
【0050】
図8に示す第2実施形態の頭部保護エアバッグ装置M2は、第1実施形態と同様な車両Vに搭載されるものであり、エアバッグ51、インフレーター70、取付ブラケット71、クランプ72、エアバッグカバー8、側突用センサ42、ロールオーバセンサ43、及び、制御装置44、を備えて構成されている。
【0051】
インフレーター70は、段階的に膨張用ガスを発生可能に作動される二つのガス発生部70a・70bを備えて、構成されている。なお、インフレーター70からの膨張用ガスは、ガス発生部70aからでも、あるいは、ガス発生部70bからでも、ともに、後述する一つの接続口部52からエアバッグ51内に流入するように、構成されている。そして、インフレーター70は、制御装置44が側突用センサ42からの側突検知信号だけを入力した際には、制御装置44によって、ガス発生部70aを作動させるように制御される。また、インフレーター70は、制御装置44がロールオーバ用センサ43からのロールオーバ検知信号だけを入力した際には、制御装置44により、ガス発生部70aを作動させ、その後の所定時間(0.2〜1秒)の経過後、ガス発生部70bを作動させるように、制御される。さらに、インフレーター70は、制御装置44が、側突用センサ42からの側突検知信号を入力し、さらに、ロールオーバ用センサ43からのロールオーバ検知信号を入力した際には、ガス発生部70aを作動させ、さらに、ロールオーバ検知信号の入力時、直ちに、ガス発生部70bを作動させるように、設定されている。
【0052】
エアバッグ51は、ポリアミド糸等を使用した袋織りにより製造されて、図8〜10に示すように、一つのインフレーター70からの膨張用ガスGを流入させて、窓Wや第1・2中間ピラー部P1・P2のピラーガーニッシュ7の車内側を覆うように、窓Wの上縁側から下方へ展開して膨張するように構成されている。
【0053】
このエアバッグ51は、インフレーター70と接続させるための略円筒状の接続口部52を、上縁51aの前後方向の略中央部位に配置させるとともに、膨張用ガスGを流入させて車内側壁部53aと車外側壁部53bとを離すように膨張するガス流入部53と、膨張用ガスGを流入させない非流入部59と、を備えて構成されている。
【0054】
ガス流入部53は、エアバッグ51の上縁51a側で車両Vの前後方向に沿って配置される供給路部54と、上端を供給路部54にそれぞれ連通させた複数の縦セル部55と、各縦セル部55の下方位置に配置されて、エアバッグ51の下縁51b側の略全域で、車両Vの前後方向に沿って配置される横セル部57と、を備えて構成されている。供給路部54は、接続口部52から流入してくる膨張用ガスGを各縦セル部55に流入させる部位となる。
【0055】
非流入部59は、ガス流入部53を囲む周縁部60と、各縦セル部55を区画する区画部62と、各縦セル部55と横セル部57との間に配置される境界部63と、板状部65・66・67と、から構成されている。各板状部65・66・67は、エアバッグ11の板状部22・23・24と同様に、エアバッグ51の全体形状を確保するとともに、ガス流入部53の容積を小さくして、エアバッグ51の膨張完了までの時間を短くするために配設されている。実施形態の場合、エアバッグ51の前後両端に配置された略三角板形状の板状部64・66は、エアバッグ51の袋織りの本体部位に、縫合されて配設され、板状部65は、略長方形板状として、エアバッグ51の車両Vへの搭載時に前席と後席との間に配置されるように、配設されている。
【0056】
周縁部60の上縁側には、当板(図符号省略)を使用して、エアバッグ51を車両Vのボディ1側のインナパネル2に取り付けるための複数の取付部61が形成されている。各取付部61には、取付孔61aが形成されている。取付部61は、板状部64・66にも配設されている。
【0057】
そして、このエアバッグ51は、境界部63の上方側部位、すなわち、周縁部60の上縁側、各縦セル部55、区画部62、及び、板状部64・65・66を含めた部位を、エアバッグ51の上縁51a側の上側膨張部68とし、境界部63の下方側部位、すなわち、横セル部57や周縁部60の下縁側の部位を、エアバッグ51の下縁11b側の下側膨張部69として、さらに、この上側膨張部68を、車両Vの側面衝突時に展開膨張する部位とし、下側膨張部69を、車両Vのロールオーバ時に展開膨張する部位としている。
【0058】
これらの上側・下側膨張部68・69は、境界部63における前後方向の中間付近、実施形態の場合、縦セル部55A・55Bの下端位置で、相互に連通されている。そして、エアバッグ51の上縁51a側の上側膨張部68には、エアバッグ51の上縁51aに配置されてインフレーター70と接続される接続口部52が設けられているため、上側膨張部68は、インフレーター70から吐出される膨張用ガスGの上流側部位となり、下側膨張部69は、膨張用ガスGの下流側部位となる。
【0059】
また、実施形態の場合、上側・下側膨張部68・69相互の連通部位には、絞り部67・67が配設されている。これらの絞り部67は、インフレーター70の二つのガス発生部70a・70bから膨張用ガスが吐出された際におけるエアバッグ51の上側膨張部68の内圧上昇時以外では下側膨張部69への膨張用ガスGの流入を抑え可能に、連通用開口67a(図11参照)の開口面積が、設定されている。
【0060】
実施形態の場合、これらの絞り部67は、図11に示すように、車内側壁部53aと車外側壁部53bとを部分的に結ぶ結合部67bが形成され、これらの結合部67bは、インフレーター70の二つのガス発生部70a・70bから膨張用ガスが吐出されてエアバッグ51の上側膨張部68が所定以上の内圧値に達した際に、破断するように設定されている。そして、これらの結合部67bが破断した際には、絞り部67の連通用開口67aの開口面積が大きく広がって、下側膨張部69の横セル部57に膨張用ガスGが迅速に供給されることとなる。
【0061】
第2実施形態のエアバッグ装置M2の車両Vへの搭載は、第1実施形態と略同様に、まず、エアバッグ51を、平らに展開した状態から、順次、山折りと谷折りとの前後方向に沿う折目を入れて、エアバッグ51の下縁51b側を上縁51a側に接近させるように、蛇腹折りし、折り畳んだ後には、折り崩れ防止用の図示しない破断可能なテープにより、エアバッグ51の所定箇所をくるむ。ついで、各取付部61に所定の当板を取り付け、さらに、クランプ72を使用して、接続口部52に対して、ブラケット71を取り付け済みのインフレーター70を接続させる。その後、各当板や取付ブラケット71を、ボディ1側のインナパネル2における所定位置に配置させて、インナパネル2にボルト止めし、さらに、制御装置44から延びる図示しないリード線をインフレーター70に結合させて、ピラーガーニッシュ4・6・7やルーフヘッドライニング5をボディ1に取り付ければ、エアバッグ装置M2を車両Vに搭載させることができる。
【0062】
エアバッグ装置M2の車両Vへの搭載後、車両Vの側面衝突時、側突用センサ42からの側突検知信号が制御装置44に出力されれば、制御装置44が、インフレーター70のガス発生部70aを作動させる。すると、膨張用ガスGが、インフレーター70のガス発生部70aから吐出されて、接続口部52からエアバッグ51のガス流入部53に流入する。そして、ガスGが、上側膨張部68の供給路部54を経て、各縦セル部55に流入することから、図12に示すように、エアバッグ68の上側膨張部68が、展開膨張して、窓W・Wの車内側を覆う。そのため、車両Vの側面衝突時において、エアバッグ51の上側膨張部68によって、乗員の頭部を保護することができる。なお、この時、上側膨張部68は、各縦セル部55の膨張に伴う前後方向の収縮により、エアバッグ51の前端におけるピラー部FPの下端とエアバッグ51の後端におけるルーフサイドレール部RRとに位置する取付部61A・61E相互を直線的に結ぶようなテンションラインが発生することから、車外側への移動を防止した状態で、乗員を保護することができる。
【0063】
その後、車両Vがロールオーバの状態に移行しようとすると、ロールオーバセンサ43からロールオーバ検知信号が出力されて、制御装置44が、インフレーター70のガス発生部70bを作動させる。すると、膨張用ガスGが、インフレーター70からさらに吐出され、上側膨張部68の供給路部54や各縦セル部55の内圧が所定値以上に上昇することから、図11のB・Cに示すように、各絞り部67の結合部67bが破断し、絞り部67の広がった開口67aから、膨張用ガスGが下側膨張部69の横セル部57に迅速に流れて、図13に示すように、エアバッグ51の下側膨張部69も膨張を完了させることとなる。
【0064】
この時、下側膨張部69の横セル部57が、棒状に膨張して、エアバッグ51の下縁51b側でその下縁51bに沿った棒状の膨張部位57が形成されることから、この棒状の膨張部位57により、下縁51b側の略全域に、車両Vの略前後方向に沿う形状保持性能の高い膨張部位が配設されることとなって、乗員が車外側へ飛び出そうとしても、その乗員の移動を抑えることが可能となり、その結果、的確に、ロールオーバ時の乗員の保護を図ることができる。
【0065】
そして、第2実施形態の頭部保護エアバッグ装置M2のエアバッグ51でも、第1実施形態と同様に、側面衝突時に膨張するエリアである上側膨張部68と、ロールオーバ時に膨張するエリアである下側膨張部69と、の二つの別位置とした膨張領域を備えているため、これらの上側膨張部68と下側膨張部69との膨張用ガスを流入させる容量について、側面衝突時とロールオーバ時とのそれぞれに応じて(第2実施形態の場合には、側面衝突時のガス容量は、供給路部54と各縦セル部55との合計の容量となり、ロールオーバ時のガス容量は、供給路部54、各縦セル部55、及び、横セル部57の合計の容量となる)、ダメージを生じない範囲で、かつ、乗員の保護性能を低下させない範囲で、適宜設定することができることから、破損する等の支障を生じさせることなく、的確な膨張を確保することができる。
【0066】
したがって、第2実施形態の頭部保護エアバッグ装置M2でも、車両Vが側面衝突からロールオーバに移行しても、支障なく対処して、乗員を保護することができる。
【0067】
勿論、この第2実施形態でも、第1実施形態と同様に、エアバッグ51の下側膨張部69の横セル部57が、膨張完了時に、車両Vのピラー部P1に支持可能に、配設され、さらに、窓W・Wの下縁側の周縁の車内側にも支持されるため、乗員が車外側へ飛び出そうとしても、エアバッグ51は、その乗員の移動を一層的確に抑えることができる。また、このエアバッグ51でも、前後方向の一端側、実施形態の場合、板状部64の前端61Aが、ピラー部FPの下端に取付固定されていることから、一層、横セル部57が車外側に移動し難く、車外側への乗員の移動を的確に抑えることができる。
【0068】
さらに、この第2実施形態では、エアバッグ51における膨張用ガスの上流側である上側膨張部68側の一つの接続口部52だけに、インフレーター70を接続させればよいことから、エアバッグ51に接続させるインフレーター70の数を少なくできて、エアバッグ装置M2の簡素化とコンパクト化とを図れて、エアバッグ装置M2の製造工数・コストを低減できるとともに、車両Vへの搭載性を向上させることができる。
【0069】
また、この第2実施形態において、制御装置44が側突検知信号を入力させることなく、ロールオーバ検知信号を入力させた際には、制御装置44は、インフレーター70のガス発生部70aを作動させて、所定時間経過後、ガス発生部70を作動させて、上側膨張部68と下側膨張部69とを展開膨張させることとなる。
【0070】
さらに、この第2実施形態では、エアバッグ51の膨張時、全てのガス発生部70a・70bから膨張用ガスが吐出された際、上側膨張部68と下側膨張部69とが共に膨張を完了させて、ロールオーバ対応となり、一つガス発生部70aから膨張用ガスが吐出された際、下側膨張部69が不完全な膨張状態として、下側膨張部69より膨張用ガスの上流側の上側膨張部68が膨張して、側面衝突対応となる。そして、この側面衝突対応時に、乗員が膨張した上側膨張部68の縦セル部55と干渉すると、上側膨張部68内の膨張用ガスの一部が、結合部67bによって狭まっている状態の絞り部67の連通用開口67aを経て、下側膨張部69の横セル部57に流れることが可能であるため、上側膨張部68がクッション効果を高めて乗員を保護することができる。
【0071】
勿論、エアバッグ51の下側膨張部69における上側膨張部68との連通部位に配設される絞り部67は、全てのガス発生部70a・70bからの膨張用ガスの吐出時におけるエアバッグ51の内圧上昇時以外では下側膨張部69への膨張用ガスの流入を抑え可能としている。そのため、側面衝突対応時における上側膨張部68のガス流入部53(供給路部54と縦セル部55)は、絞り部67によって、ダメージを生じない範囲で、内圧を高く維持することができて、側面衝突時の乗員の良好な保護性能を確保することができる。
【0072】
さらに、第2実施形態の絞り部67では、上側膨張部68の内圧の上昇に伴い、結合部67bを破断させて連通用開口67aの開口面積を広げ可能に構成されており、ロールオーバ対応時に、下側膨張部69の膨張完了を早めることができる。
【0073】
なお、このような連通用開口67aを広げ可能な絞り部としては、図14に示す絞り部67Aのように、車内側壁部53aと車外側壁部53bとを剥離可能に接着や溶着させた結合部67bを設けて、構成してもよい。
【0074】
勿論、開口67aの開口面積を適切に設定すれば、開口67aの開口面積を可変タイプとしなくとも、図15・16に示すように、開口67aの開口面積を一定とした固定タイプの絞り部67Bとしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態である頭部保護エアバッグ装置の使用状態を示す車内側から見た概略正面図である。
【図2】第1実施形態で使用するエアバッグ単体の正面図である。
【図3】第1実施形態で使用するエアバッグの膨張時の概略横断面図であり、図2のIII−III部位に対応する。
【図4】第1実施形態で使用するエアバッグの膨張時の概略縦断面図であり、図2のIV−IV部位に対応する。
【図5】第1実施形態の頭部保護エアバッグ装置における側面衝突時の作動状態を示す車内側から見た図である。
【図6】第1実施形態の頭部保護エアバッグ装置における側面衝突からロールオーバに移行した際の作動状態を示す車内側から見た図である。
【図7】第1実施形態の頭部保護エアバッグ装置における側面衝突を伴わないロールオーバ時の作動状態を示す車内側から見た図である。
【図8】第2実施形態である頭部保護エアバッグ装置の使用状態を示す車内側から見た概略正面図である。
【図9】第2実施形態で使用するエアバッグの正面図である。
【図10】第2実施形態で使用するエアバッグの膨張時の概略横断面図であり、図9のX−X部位に対応する。
【図11】第2実施形態で使用するエアバッグの絞り部の概略部分横断面図であり、図9のXI−XI部位に対応し、順次、連通用開口が広がる状態を示す。
【図12】第2実施形態の頭部保護エアバッグ装置における側面衝突時の作動状態を示す車内側から見た図である。
【図13】第2実施形態の頭部保護エアバッグ装置における側面衝突からロールオーバに移行した際の作動状態を示す車内側から見た図である。
【図14】エアバッグの絞り部の変形例を示す図であり、順次、連通用開口が広がる状態を示す。
【図15】エアバッグの絞り部の他の変形例を示す図である。
【図16】図15の XVI− XVI部位の概略横断面図である。
【符号の説明】
11・51…エアバッグ、
11a・51a…上縁、
11b・51b…下縁、
12・68…上側膨張部、
13・27・52…接続口部、
26・69…下側膨張部、
37…(側突用)インフレーター、
38…(ロールオーバ用)インフレーター、
67・67A・67B…絞り部、
67a…連通用開口、
V…車両、
W…窓、
M1・M2…頭部保護エアバッグ装置。

Claims (3)

  1. 車両の車内側の窓の周縁における上縁側に、折り畳まれて収納されて、膨張用ガスの流入時に、前記窓の車内側を覆うように下方へ展開して膨張するエアバッグと、
    該エアバッグに膨張用ガスを供給するインフレーターと、
    を備えて、
    車両の側面衝突検知時とロールオーバ検知時とに作動する構成の頭部保護エアバッグ装置であって、
    前記エアバッグが、
    展開膨張完了時の上縁側に配置されて、車両の側面衝突検知時に前記窓を覆い可能に膨張用ガスを流入させて展開膨張する上側膨張部と、
    展開膨張完了時の下縁側に配置されて、車両のロールオーバ検知時に膨張用ガスを流入させて、前記エアバッグの下縁に沿って略棒状に膨張する下側膨張部と、
    を備えて構成され
    前記上側・下側膨張部相互を連通させるとともに、前記上側膨張部を膨張用ガスの上流側とし、前記下側膨張部を膨張用ガスの下流側とするように、前記上側膨張部に前記インフレーターが接続され、
    前記インフレーターが、複数のガス発生部を備えて、車両のロールオーバ検知時に、全ての前記ガス発生部から膨張用ガスを吐出させ、車両の側面衝突検知時に、前記ロールオーバ検知時より少ない数の前記ガス発生部から膨張用ガスを吐出させるように、構成されていることを特徴とする頭部保護エアバッグ装置。
  2. 前記エアバッグの下側膨張部が、膨張完了時に、車両のピラー部に支持可能に、配設されていることを特徴とする請求項1に記載の頭部保護エアバッグ装置。
  3. 前記エアバッグの下側膨張部における上側膨張部との連通部位に、全ての前記ガス発生部からの膨張用ガスの吐出時における前記エアバッグの内圧上昇時以外では前記下側膨張部への膨張用ガスの流入を抑え可能な絞り部が、配設されていることを特徴とする請求項1若しくは請求項2に記載の頭部保護エアバッグ装置。
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