JP4017840B2 - 自走式掃除機 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、掃除機本体に自走機能を有し、被掃除面の清掃を自動的に行う自走式掃除機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の自走式掃除機は、電動送風機により発生する塵埃を吸い込む空気の流れにより、吸込具より被掃除面上に付着した塵埃を吸い込み、吸い込んだ塵埃を集塵部に集塵するよう構成し、さらに、電動送風機と後述する駆動モータに電源を供給する電池と、光(赤外線)により距離を検知する複数のセンサとを設けて掃除機本体を構成し、この掃除機本体を駆動モータにより駆動されるローラーにより走行できるように構成している。
【0003】
このように構成した自走式掃除機は、掃除機本体に設けた電源スイッチをオンし、スタートスイッチをオンして運転を開始すると、電動送風機が作動し、駆動モータにより駆動されるローラーにより直進走行を開始する。走行中は、複数のセンサにより家具などの障害物までの距離を測定し、さらに被掃除面の段差を確認して、障害物、段差を回避して走行し、同時に、電動送風機により発生する空気の流れにより、吸込具より被掃除面上に付着した塵埃を吸い込み、被掃除面の清掃を自動的に行う。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
このような従来の構成では、走行中に掃除を中止する場合には、掃除機本体に設けた停止スイッチを押して、電動送風機、駆動モータなどを停止させた後、抱えるように持って収納場所または電池を充電する充電場所に運ぶ必要があり、操作が面倒である上、形状が大きく重いため、持ち運びにくいという問題を有していた。
【0005】
また、被掃除面が絨毯の場合は、絨毯の上を走行させて掃除をすると、ローラーの走行痕跡が絨毯の表面に残り、きわめて見苦しいという問題も有していた。
【0006】
さらに、被掃除面に凸状の段差があるとき、段差が高く吸込具が当たる程度の高さの場合は、その段差を乗り越えない場合があり、手動で乗り越えさせるか、段差を回避させる必要があり、自走式掃除機でありながら取扱いが面倒であるという問題を有していた。
【0007】
本発明は上記従来の課題を解決して、使用性の高い自走式掃除機を提供するもので、走行中に掃除を中止する場合などに、簡単な操作で動作を停止させるとともに、容易に持ち運びができるようにすることを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記目的を達成するために、被掃除面上に付着した塵埃を掻き上げる回転ブラシを有する吸込具と、塵埃を吸い込む空気の流れを発生させる電動送風機と、前記電動送風機により吸い込んだ塵埃を集塵する集塵部と、駆動モータにより駆動され掃除機本体を走行させるローラーと、前記電動送風機、前記駆動モータに電源を供給する電源部と、前記回転ブラシ、電動送風機、駆動モータのうち少なくとも1つを停止させる停止手段と、掃除機本体運搬用の把手を備え、前記把手をもって掃除機本体を持ち上げる自走式掃除機において、前記停止手段は前記把手を操作したことを検知手段で検知することにより前記回転ブラシ、電動送風機、駆動モータのうち少なくとも1つを停止させる構成とし、かつ、前記把手は前記掃除機本体の上面であって前記掃除機本体の重心より前側に設けることで、当該把手をもって本体を懸垂したとき前記吸込具がローラーより上方にな、掃除機本体を懸垂した状態から床面に設置するとき、吸込具がローラーより後に床面に当接する構成としたものである。
【0009】
これにより、走行中に掃除を中止する場合などに、把手により持ち上げるだけの簡単な操作で動作を停止することができるとともに、容易に持ち運びをすることができるとともに、掃除機本体を把手で懸垂した状態から床面に設置するとき、ローラーが先に床面に当接するので吸込具に大きな力がかかることがなく、吸込具の破損を防止することができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明の請求項1に記載の発明は、被掃除面上に付着した塵埃を掻き上げる回転ブラシを有する吸込具と、塵埃を吸い込む空気の流れを発生させる電動送風機と、前記電動送風機により吸い込んだ塵埃を集塵する集塵部と、駆動モータにより駆動され掃除機本体を走行させるローラーと、前記電動送風機、前記駆動モータに電源を供給する電源部と、前記回転ブラシ、電動送風機、駆動モータのうち少なくとも1つを停止させる停止手段と、掃除機本体運搬用の把手を備え、前記把手をもって掃除機本体を持ち上げる自走式掃除機において、前記停止手段は前記把手を操作したことを検知手段で検知することにより前記回転ブラシ、電動送風機、駆動モータのうち少なくとも1つを停止させる構成とし、かつ、前記把手は前記掃除機本体の上面であって前記掃除機本体の重心より前側に設けることで、当該把手をもって本体を懸垂したとき前記吸込具がローラーより上方にな、掃除機本体を懸垂した状態から床面に設置するとき、吸込具がローラーより後に床面に当接する構成としたものであり、走行中に掃除を中止する場合などに、把手により掃除機本体を持ち上げると、把手により回転ブラシ、電動送風機、駆動モータの少なくとも1つを停止させるため、把手により掃除機本体を持ち上げると同時に停止させることができ、そのままの状態で持ち運びができ、簡単な操作で動作を停止することができるとともに、容易に持ち運びをすることができる。また、把手により掃除機本体を持ち運ぶときなど、掃除機本体を把手で懸垂した状態から床面に設置するとき、ローラーが先に床面に当接することで、掃除機本体を床面に設置するときに吸込具に大きな力がかかることがなく、吸込具の破損を防止することができる。
【0011】
【実施例】
以下、本発明の実施例について、図面を参照しながら説明する。
【0012】
(実施例1)
図1に示すように、掃除機本体1は、前方底部に2個の回転ブラシ2を有する吸込具3を設け、回転ブラシ2により被掃除面上に付着した塵埃を掻き上げるよう構成している。電動送風機4は、塵埃を吸い込む空気の流れを発生させるもので、集塵部5を介して吸込具3に連通し、電動送風機4により吸込具2から吸い込んだ塵埃を集塵部5に集塵するよう構成している。
【0013】
電源部6は、充電可能な二次電池を複数収納した電池パック7で構成し、電動送風機4と後述する駆動モータ8に電源を供給する。測距センサ9は、光(赤外線)を照射し家具などの障害物により反射してきた反射光の照射光との間の角度で距離を測定するもので、図2に示すように、掃除機本体1の前方、側方、後方にそれぞれ複数設けている。段差センサ10は、被掃除面の段差を検知するもので、上述の測距センサ8と同様に構成し、掃除機本体1のコーナー部に斜め下方に向けて設けている。
【0014】
ローラー11は、掃除機本体1を走行させるもので、掃除機本体1の左右に設け、駆動モータ8により左右独立して駆動される。駆動モータ8は、減速ギヤ(図示せず)を内蔵したギヤードモータで構成している。キャスター12は掃除機本体1を走行自在に支持している。
【0015】
操作部13は文字などを表示する機能と触れるとオン、オフする機能を有するパネルスイッチを備え、表示部14は発光ダイオード、ブザーなどの表示器を備え、これら操作部13と表示部14は制御装置15に接続しており、使用者がパネルスイッチを操作することにより、制御装置15により電動送風機4、駆動モータ8などの動作を制御して、電動送風機4により塵埃を吸引しながら、駆動モータ8により駆動されるローラー11により自動走行するように構成している。なお、16は電源スイッチである。
【0016】
掃除機本体1は、吸込具3、電動送風機4、集塵部5、電源部6、駆動モータ8、測距センサ9、段差センサ10、制御装置15などを内包し、図2または図3に示すように、透明または半透明の外郭17で覆っている。このため、測距センサ9および段差センサ10は外郭17を通して光(赤外線)の送受を行い、段差センサ10は、掃除機本体1のコーナー部に斜め下方に向けて設けているので、外郭17の一部を突出させた突出部18を通して光(赤外線)の送受を行う。
【0017】
ここで、これらのセンサは、光(赤外線)の送受を行っており、一般に、熱源は赤外線を放射しているので、熱源も検知することができる。外郭17の下方に、弾性体で構成したバンパー19を設けている。
【0018】
把手20は、掃除機本体1の上面に引き出し可能に設けて掃除機本体1を持ち運ぶもので、図4に示すように、この把手20を引き出したとき、引き出したことを検知する検知手段(図示せず)により、停止手段を構成する制御装置15は、回転ブラシ2、電動送風機4、駆動モータ8の少なくとも1つを停止させるよう構成している。
【0019】
この把手20は、図5に示すように、掃除機本体1を把手20により懸垂したとき、吸込具3がローラー11より上方になるように傾く位置に設け、この状態から床面に設置するとき、吸込具3がローラー11より後に床面に当接するようにしている。
【0020】
上記構成において動作を説明する。電源スイッチ16を入れて掃除機本体1を清掃領域の壁面にほぼ平行に置き、操作部13のスタートボタンを押すと、電動送風機4が作動し、駆動モータ8によりローラー11が駆動されて前方へ直進走行を開始する。走行中は、電動送風機4により集塵作業を行ないながら、常に測距センサ9により周囲の家具などの障害物までの距離を測定するとともに、段差センサ10により被掃除面の段差を確認している。
【0021】
掃除機本体1から家具などの障害物までの距離が所定の距離まで接近すると、一旦停止後、所定角度だけ角度を振って方向変換して走行する。被掃除面に段差がある場合も同様である。このように、家具などの障害物や段差を回避しながら清掃領域を自動走行して掃除を行う。
【0022】
つぎに、走行中に掃除を中止する場合などに、把手20により掃除機本体1を持ち上げると、把手20を引き出したとき、制御装置15は、回転ブラシ2、電動送風機4、駆動モータ8の少なくとも1つを停止させるよう構成しているので、把手20により掃除機本体1を持ち上げると同時に停止させることができ、そのままの状態で持ち運びができ、簡単な操作で動作を停止することができるとともに、容易に持ち運びをすることができる。
【0023】
ここで、把手20を掃除機本体1の上面に設けているので、走行中に掃除を中止する場合などに、把手20により掃除機本体1を容易に持ち上げることができ、そのままの状態で持ち運びができ、取扱いを容易にすることができる。
【0024】
また、把手20を掃除機本体1より引き出し可能とし、把手20を引き出した状態で、回転ブラシ2、電動送風機4、駆動モータ8の少なくとも1つを停止させるようにしているので、把手20を掃除機本体1に収納した状態では把手20は邪魔になることがなく、走行中に掃除を中止する場合などに、把手20を引き出すことで回転ブラシ2、電動送風機4、駆動モータ8の少なくとも1つを停止させることができ、そのままの状態で持ち運びができ、取扱いを容易にすることができる。
【0025】
また、駆動モータ8は、減速ギヤを内蔵したギヤードモータで構成しているので、走行中に掃除を中止する場合などに、駆動モータ8への通電を止めた状態で、手動で掃除機本体1を押して移動させようとすると、ギヤードモータに内蔵した減速ギヤが負荷となって、大きな力を加えないと動かないが、把手20により持ち運ぶことで、容易に移動させることができ、取扱いを容易にすることができる。
【0026】
なお、本実施例では、把手20を掃除機本体1より引き出し可能としているが、図6に示すように、把手20aを可倒式とし、図7に示すように、把手20aを直立した状態で、回転ブラシ2、電動送風機4、駆動モータ8の少なくとも1つを停止させるようにしてもよく、この場合は、把手20aを倒した状態では把手20aは邪魔になることがなく、走行中に掃除を中止する場合などに、把手20aを直立することで回転ブラシ2、電動送風機4、駆動モータ8の少なくとも1つを停止させることができ、そのままの状態で持ち運びができ、取扱いを容易にすることができる。
【0027】
(実施例2)
図8および図9に示すように、起毛布21は、掃除機本体1の下面に取り付けて、ローラー11の走行痕跡を消去する痕跡消去機構を構成するもので、ローラー11の後方に設け、起毛布22は、同様に掃除機本体1の下面に取り付けて、ローラー11の後方に設けたキャスター12の走行痕跡を消去する痕跡消去機構を構成するもので、キャスター12の後方に設けている。起毛布22は、図10に示すように、ばね23で下方に付勢している。他の構成は上記実施例1と同じである。
【0028】
上記構成において動作を説明する。電動送風機を作動しながら、駆動モータにより駆動されるローラー11により走行させるとき、被掃除面が絨毯の場合は、絨毯の表面にローラー11またはキャスター12の走行痕跡がつくことがある。
【0029】
この場合でも、ローラー11の後方に起毛布21を設けているので、起毛布21によりローラー11の走行痕跡を消去することができ、また、キャスター12の後方には、ばね23で付勢した起毛布22を設けることで、キャスター12の床面に対する荷重を軽減することができ、キャスター12の走行痕跡を確実に消去することができ、掃除後の美観を向上することができる。
【0030】
(実施例3)
図11に示すように、吸込具3は、第1の回動軸24により回動自在の支持した支持体25に第2の回動軸26により床面に対して略水平に支持し、支持体25により上下動自在に構成し、前面に後方側が下がる傾斜面27を設けている。他の構成は上記実施例1と同じである。
【0031】
上記構成において動作を説明する。電動送風機を作動しながら、駆動モータにより駆動されるローラー11により走行させるとき、被掃除面に凸状の段差があると、吸込具3はの前面に設けた傾斜面27により被掃除面の凸状の段差に乗り上げ、同時に、支持体25が第1の回動軸24を中心として上方に回動することにより、吸込具3を上方向に移動させることができ、吸込具3が段差を容易に乗り越えて掃除をすることができ、取扱いを容易にして使い勝手を向上することができる。
【0032】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、走行中に掃除を中止する場合などに、簡単な操作で動作を停止させるとともに、容易に持ち運びができる使用性の高い自走式掃除機を提供できる。
【0033】
また、掃除機本体を把手で懸垂した状態から床面に設置するとき、ローラーが先に床面に当接するので吸込具に大きな力がかかることがなく、吸込具の破損を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施例の自走式掃除機の縦断面図
【図2】 同自走式掃除機の外郭を透明にした状態の斜視図
【図3】 同自走式掃除機の半外郭を透明にした状態の斜視図
【図4】 同自走式掃除機の把手を引き出した状態の斜視図
【図5】 同自走式掃除機の把手で懸垂した状態の斜視図
【図6】 同自走式掃除機の他の例の半外郭を透明にした状態の斜視図
【図7】 同自走式掃除機の把手を直立した状態の斜視図
【図8】 本発明の第2の実施例の自走式掃除機の下面図
【図9】 同自走式掃除機の側面図
【図10】 同自走式掃除機の一部切欠した拡大側面図
【図11】 本発明の第3の実施例の自走式掃除機の縦断面図
【符号の説明】
1 掃除機本体
2 回転ブラシ
3 吸込具
4 電動送風機
5 集塵部
6 電源部
8 駆動モータ
11 ローラー
15 制御装置(停止手段)
20 把手

Claims (1)

  1. 被掃除面上に付着した塵埃を掻き上げる回転ブラシを有する吸込具と、塵埃を吸い込む空気の流れを発生させる電動送風機と、前記電動送風機により吸い込んだ塵埃を集塵する集塵部と、駆動モータにより駆動され掃除機本体を走行させるローラーと、前記電動送風機、前記駆動モータに電源を供給する電源部と、前記回転ブラシ、電動送風機、駆動モータのうち少なくとも1つを停止させる停止手段と、掃除機本体運搬用の把手を備え、前記把手をもって掃除機本体を持ち上げる自走式掃除機において、前記停止手段は前記把手を操作したことを検知手段で検知することにより前記回転ブラシ、電動送風機、駆動モータのうち少なくとも1つを停止させる構成とし、かつ、前記把手は前記掃除機本体の上面であって前記掃除機本体の重心より前側に設けることで、当該把手をもって本体を懸垂したとき前記吸込具がローラーより上方にな、掃除機本体を懸垂した状態から床面に設置するとき、吸込具がローラーより後に床面に当接する構成とした自走式掃除機。
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