JP4016638B2 - ガラスクロス開繊装置、及びガラスクロス開繊方法 - Google Patents

ガラスクロス開繊装置、及びガラスクロス開繊方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ガラスクロスを開繊させるガラスクロス開繊装置、及びガラスクロスを開繊させるガラスクロス開繊方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、ガラスクロスを開繊させる方法として、特開昭62−257461号公報や特開平3−124666号公報に記載された方法が知られている。前者の公報には、10〜70kHzの振動数で振動する振動子をガラスクロスに接触させることにより、ガラスクロスを開繊させる方法が開示されている。後者の公報には、溶液中で回転する開繊ローラに繊維束を接触させて、繊維束を開繊させる方法が開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特開昭62−257461号公報に記載された方法では、ガラス繊維の目曲がりが発生し、ガラスクロスのたて糸、よこ糸のそれぞれの方向における開繊のバランスがくずれる結果となっていた。そして、開繊のバランスのくずれは、ガラスクロスを基材として使用した積層板のドリル加工性、及び寸法安定性を損なう原因となっていた。なお、「目曲がり」とは、ガラスクロスを構成する繊維(たて糸、よこ糸)が搬送設備等との接触により蛇行することをいう。
【0004】
また、特開平4−124666号公報に記載された繊維束の開繊方法をガラスクロスの開繊方法に適用すると、たて糸、よこ糸によって織られたガラスクロスは、開繊ローラの回転によって生じる波が原因となって目曲がりが生じてしまうという問題があった。
【0005】
そこで、本発明は上記課題を解決し、たて糸、よこ糸のそれぞれの方向にバランス良く全体的にガラスクロスを開繊させるガラスクロス開繊装置、及びガラスクロス開繊方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るガラスクロス開繊装置は、ガラスクロスを押圧する複数の押圧部を仮想円周上に有し、仮想円周の中心を回転軸として回転するローラと、少なくとも1つの押圧部に対してガラスクロスを、空気中で接触させつつガラスクロスを回転軸と直交する方向に搬送するガラスクロス搬送部と、を備えることを特徴とする。
【0007】
このように、少なくとも1つの押圧部を接触させつつガラスクロスを搬送させることにより、一の押圧部がガラスクロスに押圧されて擦られた後、当該押圧部がガラスクロスから離れる前または同時に、他の押圧部がガラスクロスに接触するので、目曲がりの発生を防止することができる。押圧部を有するローラがガラスクロスと接触し、これにより発生する振動と搬送時に起こる押圧と摩擦によって開繊する。すなわち、たて糸はローラがガラスクロスと接触する際に押圧部がガラスを叩くことによる衝撃力と、その力が断続的に加わることによって生じる振動によって開繊される。また、よこ糸はそれらに加えて押圧部とガラスクロスが接触することによって生じる摩擦によって開繊される。これにより、ガラスクロスをたて糸、よこ糸のそれぞれの方向にバランス良く全体的に開繊させることができる。なお、ガラスクロスを搬送させる際にガラスクロスを引張る力は弱い方が好ましい。ガラスクロスを引張る力が大きくなると、ガラスクロスのたて糸方向に生じる張力が大きくなってたて糸が拘束され、開繊しにくくなるからである。また、本発明ではガラス繊維とローラとを空気中で接触させることにより、空気は抵抗が小さいので、ローラの回転によって生じる媒体(空気)の揺れによって、ガラスクロスに目曲がりが発生することがない。
【0008】
上記ガラスクロス開繊装置において、ローラの回転方向は、ガラスクロス搬送部によるガラスクロスの搬送方向と反対であることを特徴としても良い。
【0009】
このようにローラの回転方向をガラスクロスの搬送方向と反対にすることによって、効率良くガラスクロスを開繊させることができる。なお、ローラの回転方向がガラスクロスの搬送方向と反対であるとは、ローラとガラスクロスが接触する付近におけるローラの移動方向とガラスクロスの移動方向が反対であることを意味する。
【0010】
上記ガラスクロス開繊装置において、押圧部は、仮想円周上に形成されると共に回転軸に沿って延びることを特徴としても良い。
【0011】
このように押圧部が回転軸に沿って延びていることにより、ガラスクロスを効率良く開繊させることができる。
【0012】
本発明に係るガラスクロス開繊方法は、複数の押圧部を仮想円周上に有するローラを仮想円周の中心を回転軸として回転させ、少なくとも1つの押圧部に対してガラスクロスを、空気中で接触させつつガラスクロスを回転軸と直交する方向に搬送する、ことを特徴とする。
【0013】
このように、少なくとも1つの押圧部を接触させつつガラスクロスを搬送させることにより、一の押圧部がガラスクロスに押圧されて擦られた後、当該押圧部がガラスクロスから離れる前または同時に、他の押圧部がガラスクロスに接触するので、目曲がりの発生を防止することができる。押圧部を有するローラがガラスクロスと接触し、これにより発生する振動と搬送時に起こる押圧と摩擦によって開繊する。すなわち、たて糸はローラがガラスクロスと接触する際に押圧部がガラスを叩くことによる衝撃力と、その力が断続的に加わることによって生じる振動によって開繊される。また、よこ糸はそれらに加えて押圧部とガラスクロスが接触することによって生じる摩擦によって開繊される。これにより、ガラスクロスをたて糸、よこ糸のそれぞれの方向にバランス良く全体的に開繊させることができる。なお、ガラスクロスを搬送させる際にガラスクロスを引張る力は弱い方が好ましい。ガラスクロスを引張る力が大きくなると、ガラスクロスのたて糸方向に生じる張力が大きくなってたて糸が拘束され、開繊しにくくなるからである。また、本発明ではガラス繊維とローラとを空気中で接触させることにより、空気は抵抗が小さいので、ローラの回転によって生じる媒体(空気)の揺れによって、ガラスクロスに目曲がりが発生することがない。
【0014】
上記ガラスクロス開繊方法は、ガラスクロスに対して押圧部を接触させる前に、ガラスクロスに水を含浸させることを特徴としても良い。
【0015】
このようにガラスクロスに水を含浸させることによってガラス単繊維同士をずれやすくすることができ、ガラスクロスを効果的に開繊することができる。ここで、水は60℃以上の水であることが好ましい。また、水によって潤滑することによって、押圧部の摩擦によるガラス繊維へのダメージは軽減され、ガラス単繊維が切れて生じる毛羽の発生を抑制することができる。さらに、水に界面活性剤を含ませることとすれば、水がガラス繊維の中に入りこみやすくなるため、さらに開繊させやすくなり、好ましい。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、図面と共に本発明に係るガラスクロス開繊装置の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、図面の説明においては同一要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
【0017】
図1は、本発明の第1実施形態に係るガラスクロス開繊装置10を模式的に示す図である。ガラスクロス開繊装置10は、ガラスクロスGを開繊させるためのロッドローラ12と、ガラスクロスGをロッドローラ12に接触させつつ搬送するガラスクロス搬送部14と、搬送されるガラスクロスGに水を含浸させるスプレー16とを有している。
【0018】
ロッドローラ12は円柱形状をしており、ロッドローラ12の円周上には、軸Oに沿って複数の突起状の押圧部12aが形成されている。すなわち、軸Oを中心とする仮想円周上に押圧部12aが形成されている。そして、ロッドローラ12は軸Oを中心として、図1における反時計周りに回転する。なお、図1では模式的に示しているが、押圧部12aは等間隔に4〜100個程度形成されていることが好ましい。
【0019】
ガラスクロス搬送部14は、第1ガイドローラ14a、第2ガイドローラ14b、第3ガイドローラ14c、第4ガイドローラ14dの4個のガイドローラ14a〜14dを有し、ガラスクロスGをロッドローラ12に接触させつつ、接触部付近においてロッドローラ12の移動方向とは反対方向にガラスクロスGを搬送する。搬送されるガラスクロスGとロッドローラ12との接触角度は30°〜90°、好ましくは約60°である。なお、押圧部12aの個数、ガラスクロス搬送部14の搬送速度やガラスクロスGとロッドローラ12との接触角等は、ガラスクロスGを開繊するために、ガラスクロスGが押圧部12aによって隙間なく擦られるように設計される。
【0020】
スプレー16は、第1ガイドローラ14a付近におけるガラスクロスGに水を噴射するように配置されている。スプレー16から噴射される水は、60℃以上の水であることが好ましく、さらに界面活性剤が含まれていることが好ましい。
【0021】
次に、第1実施形態に係るガラスクロス開繊装置10の動作について説明し、併せて、実施形態に係るガラスクロス開繊方法について説明する。
【0022】
まず、開繊させるガラスクロスGをガラスクロス搬送部14にセットし、図1における右方向にガラスクロスGを搬送させる。この際、スプレー16によって第1ガイドローラ14a付近を搬送中のガラスクロスGに界面活性剤が含まれた水を噴射し、ガラスクロスGに水を含浸させる。
【0023】
また、ガラスクロスGを搬送させる一方で、ロッドローラ12を図1における反時計周りに回転させる。これにより、C点においてロッドローラ12の押圧部12aがガラスクロスGに押圧され、続いて、押圧部12aがガラスクロスGを擦るようにして接触しつつ移動し、ガラスクロスGを開繊させる。
【0024】
第1実施形態に係るガラスクロス開繊装置10は、複数の押圧部を有するロッドローラ12を有し、このロッドローラ12を回転させてガラスクロスGに押圧部12aを押圧させると共に、押圧部12aをガラスクロスGに接触させつつ移動する。これにより、ガラスクロスGをたて糸、よこ糸のそれぞれの方向についてバランス良く全体的に開繊させることができる。
【0025】
また、ガラスクロス開繊装置10はスプレー16を有し、水を噴射してガラスクロスGに水を含浸させることにより、ガラス繊維に付着している集束剤を膨張・溶解させ、ガラス単繊維を移動させやすくし、効率的にガラスクロスGを開繊させることができる。
【0026】
第1実施形態に係るガラスクロス開繊方法は、複数の押圧部12aを有するロッドローラ12を回転させることによって、ガラスクロスGに押圧部12aを押圧させ、さらにガラスクロスGに接触させつつ押圧部を移動させることによってガラスクロスGをたて糸、よこ糸のそれぞれの方向についてバランス良く全体的に開繊させることができる。
【0027】
次に、本発明の第2実施形態に係るガラスクロス開繊装置20について説明する。図2は、第2実施形態に係るガラスクロス開繊装置20を模式的に示す図である。第2実施形態に係るガラスクロス開繊装置20は、第1実施形態に係るガラスクロス開繊装置10の構成と基本的に同一の構成であるが、ロッドローラ12の付近に水を噴射する第2のスプレー16aをさらに備えている点が異なる。これにより、ガラスクロスGにさらに水を含浸させることができる。
【0028】
第2実施形態に係るガラスクロス開繊装置20の動作は、2個のスプレーによってガラスクロスGに水を含浸させることを除いては、第1実施形態に係るガラスクロス開繊装置10の動作と同様である。
【0029】
第2実施形態に係るガラスクロス開繊装置20では、スプレー16aがロッドローラ12の上方に配置され、ロッドローラ12に向かって水が噴射されるため、ガラスクロスGがスプレー16aによる水の力でロッドローラ12に押し付けられ、ロッドローラ12が回転することによって生じる振動の伝達効率が高めることができる。
【0030】
次に、本発明の第3実施形態に係るガラスクロス開繊装置30について説明する。図3は、第3実施形態に係るガラスクロス開繊装置30を模式的に示す図である。第3実施形態に係るガラスクロス開繊装置30は、第1実施形態に係るガラスクロス開繊装置10の構成と基本的に同一の構成であるが、第1ガイドレール14aの付近に水を噴射するスプレー16に代えてロッドローラ12付近に水を噴射するようにスプレー16aが配置されている点が異なる。
【0031】
第3実施形態に係るガラスクロス開繊装置30の動作は、ロッドローラ12の付近に水を噴射してガラスクロスGに水を含浸させることを除いては、第1実施形態に係るガラスクロス開繊装置10の動作と同様である。
【0032】
第3実施形態に係るガラスクロス開繊装置30は、第2実施形態に係るガラスクロス開繊装置20と同様に、スプレー16aからロッドローラ12に向かって水が噴射されるため、ガラスクロスGがスプレー16aによる水の力でロッドローラ12に押し付けられ、ロッドローラ12が回転することによって生じる振動の伝達効率が高めることができる。
【0033】
次に、本発明の第4実施形態に係るガラスクロス開繊装置40について説明する。図4は、第4実施形態に係るガラスクロス開繊装置40を模式的に示す図である。第4実施形態に係るガラスクロス開繊装置40は、第1実施形態に係るガラスクロス開繊装置10の構成と基本的に同一の構成であるが、第1ガイドレール14aの付近に水を噴射するスプレー16に代えてロッドローラ12付近に水を噴射する2個のスプレー16b、16cが設けられている点が異なる。2個のスプレー16b、16cは、ロッドローラ12とガラスクロスGとが、接触し始める位置と接触し終わる位置とに水を噴射するように配置されている。
【0034】
第4実施形態に係るガラスクロス開繊装置40の動作は、2個のスプレー16b、16cによってガラスクロスGに水を含浸させることを除いては、第1実施形態に係るガラスクロス開繊装置10の動作と同様である。
【0035】
第4実施形態に係るガラスクロス開繊装置40は、第2実施形態に係るガラスクロス開繊装置20と同様に、スプレー16b、16cからロッドローラ12に向かって水が噴射されるため、ガラスクロスGがスプレー16b、16cによる水の力でロッドローラ12に押し付けられ、ロッドローラ12が回転することによって生じる振動の伝達効率が高めることができる。
【0036】
次に、本発明の第5実施形態に係るガラスクロス開繊装置60について説明する。図5は第5実施形態に係るガラスクロス開繊装置60を模式的に示す図である。第5実施形態に係るガラスクロス開繊装置60は、ガラスクロスGを開繊させるためのロッドローラ12と、ガラスクロスGをロッドローラ12に接触させつつ搬送するガラスクロス搬送部14と、ガラスクロス搬送部14の一部を水で浸すための浴槽19と、浴槽19に収容された水Wとを有している。
【0037】
ロッドローラ12は、第1実施形態において説明したロッドローラ12と同一の構成である。
【0038】
浴槽19内には、ガラスクロスGを含浸させるための水Wが収容されている。浴槽19内の水Wは、60℃以上の水Wであることが好ましく、さらに界面活性剤が含まれていることが好ましい。
【0039】
ガラスクロス搬送部14は、第1実施形態において説明したガラスクロス搬送部14と基本的な構成は同一であるが、ガラスクロス搬送部14の一部においてガラスクロスGを浴槽19内の水Wに浸すことができるように、第7ガイドローラ14G、第8ガイドローラ14h、第9ガイドローラ14iをさらに有し、ガラスクロスGの搬送路を浴槽19内に導いている点が異なる。
【0040】
次に、第5実施形態に係るガラスクロス開繊装置60の動作について説明する。まず、開繊させるガラスクロスGをガラスクロス搬送部14にセットし、図5における右方向にガラスクロスGを搬送させる。そして、ガラスクロスGの搬送させる一方で、ロッドローラ12を図5における反時計周りに回転させる。これにより、ロッドローラ12の押圧部12aがガラスクロスGに押圧され、続いて、押圧部12aがガラスクロスGを擦るようにして接触しつつ移動し、ガラスクロスGを開繊させる。この際に、ガラスクロスGは、ロッドローラ12と接触する前に浴槽19において水Wに含浸されるため、ガラス繊維に付着している集束剤を膨張・溶解させ、効率的にガラスクロスGを開繊させることができる。
【0041】
(実施例)
次に、第1実施形態から第4実施形態に係るガラスクロス開繊装置を用いて、ガラスクロスを開繊させた結果を、開繊前のガラスクロスと比較して示す。
【0042】
開繊させるガラスクロスは、IPCスペック1078の原反(WEA1078日東紡績(株)製)である。ガラスクロス開繊装置の装置条件は、ガラスクロスのロッドローラとの接触角60°、ガラスクロス搬送部の搬送速度が3m/min、ガラスクロスに作用する張力が8kG/m、ロッドローラ12の回転数が400rpmで実験を行った。また、スプレーは、圧力1.2kG/cm2のフラットスプレーを用い、このフラットスプレーには、渦巻きポンプによって25L/minの流量の水を供給した。なお、フラットスプレーによって噴射される水の温度は60℃で、界面活性剤としてアデカトールSO120(旭電化工業(株)製)が0.5%含有されている。このような条件の下、ガラスクロスを開繊させた結果は表1に示す如くなった。
【0043】
【表1】
Figure 0004016638
【0044】
なお、「たて糸占有率」「よこ糸占有率」「空隙率」は、ガラスクロスを構成するガラス繊維に関する数値に基づいて、次のようにして算出されている。図6は、ガラスクロスの拡大図である。なお、図6において、Aはたて糸の間隔、A1はたて糸の糸幅、Bはよこ糸の間隔、B1はよこ糸の糸幅、である。
たて糸占有率=A1/A×100(%)
よこ糸占有率=B1/B×100(%)
空隙率=(A−A1)×(B−B1)/(A×B)×100(%)
【0045】
表1に見られるように、未処理のガラスクロスと比較すると、第1実施形態から第4実施形態に係るガラスクロス開繊装置によって開繊されたガラスクロスは、たて糸、よこ糸の占有率が全体として高まった。また、空隙率も非常に小さいものとなった。なお、表には、第1実施形態に係るガラスクロス開繊装置を用いて、スプレーの流量3L/minで実験した場合の結果も記載しているが、これについても良好な結果が得られたことが分かる。
【0046】
以上、本発明の実施形態について説明してきたが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。
【0047】
上記実施形態においては、ロッドローラ12が1個設けられている場合について説明したが、ロッドローラ12の数は1個に限定されない。例えば、図7に示すように、ロッドローラ12を2個並べて配置することとしても良い。このようにロッドローラ12の個数を増やすことによって、開繊効率を高めることができる。
【0048】
また、第2〜4実施形態において説明したスプレーと第5実施形態において説明した浴槽とを組み合わせてガラスクロス開繊装置を構成することとしても良い。
【0049】
上記実施形態においては、円柱状のロッドローラ12の円周上に突起状の押圧部が形成されているが、押圧部が仮想円周上に設けられていれば、必ずしも円柱状のロッドローラ12を用いなくても良い。ローラは、例えば、図8に示すような多角柱80であっても良く、この場合は各角80aが仮想円周80b上に設けられた押圧部となる。また、図9に示すような骨組み90でも良く、この場合は各骨の先端90aが仮想円周90b上に設けられた押圧部となる。
【0050】
【発明の効果】
本発明によれば、少なくとも1つの押圧部を接触させつつガラスクロスを搬送させることにより、一の押圧部がガラスクロスに押圧されて擦られた後、当該押圧部がガラスクロスから離れる前または同時に、他の押圧部がガラスクロスに接触するので、目曲がりの発生を防止することができる。
【0051】
また、本発明によれば、押圧部を有するローラがガラスクロスと接触し、これにより発生する振動と搬送時に起こる押圧と摩擦によって開繊する。すなわち、たて糸はローラがガラスクロスと接触する際に押圧部がガラスを叩くことによる衝撃力と、その力が断続的に加わることによって生じる振動によって開繊される。また、よこ糸はそれらに加えて押圧部とガラスクロスが接触することによって生じる摩擦によって開繊される。これにより、ガラスクロスをたて糸、よこ糸のそれぞれの方向にバランス良く全体的に開繊させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態に係るガラスクロス開繊装置を模式的に示す図である。
【図2】第2実施形態に係るガラスクロス開繊装置を模式的に示す図である。
【図3】第3実施形態に係るガラスクロス開繊装置を模式的に示す図である。
【図4】第4実施形態に係るガラスクロス開繊装置を模式的に示す図である。
【図5】第5実施形態に係るガラスクロス開繊装置を模式的に示す図である。
【図6】たて占有率、よこ占有率、空隙率を説明するための図である。
【図7】ガラスクロス開繊装置の他の例を示す図である。
【図8】押圧部の他の例を示す図である。
【図9】押圧部の他の例を示す図である。
【符号の説明】
10…ガラスクロス開繊装置、12…ロッドローラ、12a…押圧部、14…不ガラスクロス搬送部、16…スプレー。

Claims (5)

  1. ガラスクロスを押圧する複数の押圧部を仮想円周上に有し、前記仮想円周の中心を回転軸として回転するローラと、
    少なくとも1つの前記押圧部に対して前記ガラスクロスを、空気中で接触させつつ前記ガラスクロスを前記回転軸と直交する方向に搬送するガラスクロス搬送部と、
    を備えることを特徴とするガラスクロス開繊装置。
  2. 前記ローラの回転方向は、前記ガラスクロス搬送部による前記ガラスクロスの搬送方向と反対であることを特徴とする請求項1に記載のガラスクロス開繊装置。
  3. 前記押圧部は、前記仮想円周上に形成されると共に前記回転軸に沿って延びることを特徴とする請求項1又は2に記載のガラスクロス開繊装置。
  4. 複数の押圧部を仮想円周上に有するローラを前記仮想円周の中心を回転軸として回転させ、
    少なくとも1つの前記押圧部に対して前記ガラスクロスを、空気中で接触させつつ前記ガラスクロスを前記回転軸と直交する方向に搬送する、
    ことを特徴とするガラスクロス開繊方法。
  5. 前記ガラスクロスに対して前記押圧部を接触させる前に、前記ガラスクロスに水を含浸させることを特徴とする請求項4に記載のガラスクロス開繊方法。
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