JP4016624B2 - ジスアゾ顔料、その製造方法及び印刷インキ組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はジスアゾ顔料に関し、詳細には従来のジスアゾ顔料に比較して短時間でフラッシングが可能であり、得られた印刷インキの透明性、流動性に優れたジスアゾ顔料、およびこれを配合した印刷インキに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、プロセスのオフセットインキはウェットケーキをフラッシングしてインキ化する方法とウェットケーキの乾燥物を3本ロール、サンドミル、ショットミルを用いて分散しインキ化する方法に大別されるが大量生産には前者の方法が優れている。
【0003】
近年、インキの生産性向上がインキ単価の低減の中でクローズアップされてきた。生産性の向上のためにはウェットケーキをフラッシングする工程での時間の短縮、及びフラッシング後のインキ中の残存水分を完全に除去するための減圧・加熱工程での加熱温度の上昇による時間の短縮が必須条件である。さらにフラッシングする工程での時間の短縮はフラッシングの熱による品質劣化を防ぐ上でも重要である。
【0004】
しかしながら加熱温度の上昇は品質面で透明性、濃度の著しい劣化の原因になる。従って現実的な対応としてインキ化時の熱による劣化を考慮してウェットケーキをより透明で高濃度にしなくてはならない。
【0005】
ジスアゾ顔料の透明性、濃度を向上させる方法として、特公昭55−10630号公報には、2つのカップリング成分すなわちアセトアセトアニリドとその極性基含有アセトアセトアニリドとの混合カップリングが開示されている。この方法によれば、透明性、濃度に優れた黄インキを製造することができるが、極性基を有するカップリング成分を使用したために顔料表面が親水性になってしまいフラッシングする工程での時間の短縮には不利である。
【0006】
また特開昭63−72762号公報、特開昭63−178169号公報及び特開2000−7931号公報等には、非対称型ジスアゾ顔料化合物を同一反応容器中で効率良く、対称型よりも多くの割合で製造する方法が示されている。この方法によれば、極性のカップリング成分と非極性のカップリング成分を用いることにより、従来のジスアゾ顔料より透明で流動性に優れた顔料がえられるが、極性のカップリング成分を多量に含有するためフラッシング工程での時間の短縮には不利である。さらに極性のカップリング成分は汎用で商業ベースで使用されている非極性のカップリング成分と比較して高価であるため、顔料のコストアップをもたらし、インキの生産性向上によるインキ単価の低減には逆行する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、従来のジスアゾ顔料に比較して短時間でフラッシングが完了でき、さらに透明で且つ流動性に優れた印刷インキを提供することを目的とする。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
すなわち本発明は、3,3’−ジクロロベンジジンのテトラゾ化物とアセトアセトアニリド系化合物をカップリングさせてなるジスアゾ顔料において、該アセトアセトアニリド系化合物が、アセトアセトアニリド80〜99モル%、式(1)で示される極性基含有アセトアセトアニリド化合物0.5〜10モル%および式(2)で示されるアルコキシ基含有アセトアセトアニリド化合物0.5〜10モル%からなることを特徴とするジスアゾ顔料に関する。
【0009】
式(1)
CH3COCH2CONH−X
(式中、Xはカルボン酸基、スルホン酸基およびこれらの金属塩からなる群から選ばれる同一又は異なる1〜4個の置換基を有するフェニル基(該フェニル基は、置換可能な位置がメチル基、メトキシ基、水酸基または塩素原子で置換されていてもよい。)を示す。)
式(2)
CH3COCH2CONH−Y
(式中、Yは炭素数2〜4のアルコキシ基(該フェニル基は、置換可能な位置がメチル基、メトキシ、水酸基または塩素原子で置換されていてもよい。)を示す。)
更に本発明は、アセトアセトアニリド、極性基含有アセトアセトアニリド化合物およびアルコキシ基含有アセトアセトアニリド化合物の混合物と3,3’−ジクロロベンジジンのテトラゾ液とを反応させることを特徴とする上記ジスアゾ顔料の製造方法に関する。
【0010】
更に本発明は、同一容器内で、アセトアセトアニリドおよび極性基含有アセトアセトアニリド化合物の混合物と3,3’−ジクロロベンジジンのテトラゾ液とを予め反応させた後、アルコキシ基含有アセトアセトアニリド化合物と3,3’−ジクロロベンジジンのテトラゾ液とを反応させることを特徴とする上記ジスアゾ顔料の製造方法に関する。
【0011】
更に本発明は、同一容器内で、アセトアセトアニリドおよび極性基含有アセトアセトアニリド化合物の混合物と3,3’−ジクロロベンジジンのテトラゾ液とを予め反応させた後、アセトアセトアニリドおよびアルコキシ基含有アセトアセトアニリド化合物の混合物と3,3’−ジクロロベンジジンのテトラゾ液とを反応させることを特徴とする上記ジスアゾ顔料の製造方法に関する。
【0012】
更に本発明は、反応が、弱酸性の緩衝溶液中に3,3’−ジクロロベンジジンのテトラゾ溶液とアセトアセトアニリド系化合物のアルカリ性溶液とを連続的に添加する方法で行われる上記ジスアゾ顔料の製造方法に関する。
【0013】
更に本発明は、上記ジスアゾ顔料がウェットケーキ状態で印刷インキビヒクルによりフラッシングされることを特徴とする印刷インキの製造方法に関する。
【0014】
更に本発明は、上記ジスアゾ顔料と印刷インキビヒクルとからなることを特徴とする印刷インキに関する。
【0015】
式(1)で示される極性基含有アセトアセトアニリド化合物の具体例としては、カルボン酸基を持つものとして2−アセトアセチルアミノ安息香酸、4−アセトアセチルアミノ安息香酸、4−アセトアセチルアミノ−2−クロロ安息香酸、4−アセトアセチルアミノ−2ーメチル安息香酸、4−アセアセチルアミノ−2−安息香酸、5−アセトアセチルアミノ−2−ヒドロキシ安息香酸等が、またスルホン酸基としては4−アセトアセチルアミノベンゼンスルホン酸等がある。
【0016】
これらの極性基含有アセトアセトアニリドにおける極性基の金属塩を構成する金属としては、ナトリウム、カリウム、カルシウム、バリウム、ストロンチウム、マンガン、亜鉛、マグネシウム、アルミニウム等がある。
【0017】
式(2)で示されるアルコキシ基含有アセトアセトアニリド化合物のアルコキシ基は、エトキシ基、n−プロポキシ基およびその異性体、n−ブトキシ基およびその異性体等であって、具体例としては、アセトアセト−2−フェネチジド、アセトアセト−4−フェネチジド、アセトアセト−2−ヒドロキシ−4−フェネチジド、 アセトアセト−2−メチル−4−フェネチジド、アセトアセト−2−クロロ−4−フェネチジド、アセトアセト−2−メトキシ−4−フェネチジド、アセトアセト−4−プロポキシアニリド、アセトアセト−3−イソプロポキシアニリド、アセトアセト−4−ブトキシアニリドがある。
【0018】
本発明のジスアゾ顔料におけるアセトアセトアニリド系化合物成分相互の割合は、アセトアセトアニリドが99〜80モル%、極性基含有アセトアセトアニリド化合物が10〜0.5モル%、好ましくは1〜5モル%、アルコキシ基含有アセトアセトアニリド化合物が10.0〜0.5モル%、好ましくは1〜5モル%である。極性基含有アセトアセトアニリド化合物の配合量の下限値は、透明性と濃度により制限を受け、上限値はフラッシング工程の時間短縮において制限を受ける。アルコキシ基含有アセトアセトアニリド化合物の配合量の下限値はフラッシング工程の時間短縮において制限を受け、上限値は透明性過剰による流動性の低下、コストにおいて制限を受ける。
【0019】
本発明において3,3’−ジクロロベンジジンのテトラゾ液とカップリング成分とのカップリング反応は特に制限されないが、常法により酢酸酸性下、すなわち、pH6〜3の範囲、温度10℃〜30℃、時間30分〜60分の間で行う方法がある。また、予め酢酸と苛性ソーダを用いてpHを約4.5前後に調整した酸性緩衝溶液を作製し、カップリング成分を苛性ソーダで溶解したカップラー溶液とテトラゾ溶液を同時に等しい反応量で添加する方法であってもよく、この方法によれば、カップリング成分を析出させることなく反応させることができるので好ましい。
【0020】
本発明のジスアゾ顔料の製造方法は、アセトアセトアニライド系化合物を3成分を混合したものを3,3’−ジクロロベンジジンのテトラゾ液と反応させる方法であってもよいし、アセトアセトアニリドおよび極性基含有アセトアセトアニリド化合物の混合物と3,3’−ジクロロベンジジンのテトラゾ液とを最初に反応させた後、第二段の反応として、アルコキシ基含有アセトアセトアニリド化合物と3,3’−ジクロロベンジジンのテトラゾ液とを反応させるか、アセトアセトアニリドおよびアルコキシ基含有アセトアセトアニリド化合物の混合物と3,3’−ジクロロベンジジンのテトラゾ液とを反応させる方法であってもい。このような二段階のカップリング工程とすることにより、ジスアゾ顔料粒子の表面に疎水性のアルコキシル基含有ジスアゾ化合物が多く生成するので、透明性、流動性を損なうことなくフラッシング工程の時間が短縮化されたジスアゾ顔料が得られる。
【0021】
又、本発明のジスアゾ顔料は、アセトアセトアニリドおよび極性基含有アセトアセトアニリド化合物の混合物と3,3’−ジクロロベンジジンのテトラゾ化物とから得られるジスアゾ顔料と、アセトアセトアニライドライドおよびアルコキシ基含有アセトアセトアニリド化合物の混合物と3,3’−ジクロロベンジジンのテトラゾ化物とから得られるジスアゾ顔料との混合したものであってもよい。
【0022】
本発明により得られたジスアゾ顔料の水スラリーはpH9〜14のアルカリ側に調整後、ロジンのアルカリ塩溶液(添加量は顔料に対して3〜10重量%)、顔料スラリーを撹拌し均一化し、塩酸を加えてpH6〜4程度の酸性にして顔料表面にロジンを析出させ、その後90℃まで加熱し、30分保持してから、濾過、水洗、顔料分28〜32%になるように圧搾することによってフラッシング工程に供するジスアゾ顔料のウェットケーキが得られる。
【0023】
フラッシングは顔料のウェットケーキ80重量部(乾燥換算)に対してオフセット用印刷インキビヒクル180〜220重量部を添加しフラッシャーを用いて行われる。
【0024】
本発明のジスアゾ顔料はプロセス用オフセットインキとして使用される。オフセットインキの組成物は本発明のジスアゾ顔料3〜35重量%とオフセット用インキビヒクル97〜45重量%、その他補助剤(ドライヤー、レベリング改良剤、増粘剤)や体質顔料0〜20重量%からなる。オフセット用インキビヒクルはロジン変性フェノール樹脂、石油樹脂、アルキッド樹脂、またはこれらの乾性油変性樹脂等の樹脂20〜50重量%、アマニ油、桐油、大豆油等の植物油0〜30重量%、n−パラフィン、イソパラフィン、α−オレフィン等の溶剤10〜60重量%からなるものである。
【0025】
【実施例】
以下実施例をあげて本発明を具体的に説明する。実施例において「部」は全て重量部を示す。
【0026】
【実施例1】
水400部に3,3’−ジクロロベンジジン25.3部と35%塩酸16.5部を加えた。この溶液を0℃に冷却後20%亜硝酸ソーダ溶液を70部加え、1時間撹拌した。少量のスルファミン酸を加え過剰の亜硝酸ソーダを消失させて、3,3’−ジクロロベンジジンのテトラゾ溶液とした。一方、水400部にアセトアセトアニリド34.0部と5−アセトアセチルアミノ−2−ヒドロキシ安息香酸0.9部とアセトアセト−4−フェネチジド0.9部及び苛性ソーダ20部を加えて溶解した。この溶液に80%酢酸45部を少しずつ加えて懸濁液とし、これに前記テトラゾ溶液を約30分要して加えた。この間の反応温度は約15℃に保持した。得られたジスアゾ顔料のスラリーを苛性ソーダでpH10.5に調整後、ロジンの10%アルカリ塩溶液を60部添加した。このスラリーを10分間撹拌後、塩酸を加えてpH5.0に調整して顔料表面にロジンを析出させた。その後90℃まで加熱し、30分保持してから、濾過、水洗、圧搾して顔料分30.0%のウェットケーキを得た。
【0027】
フラッシングによるインキ化は1Lフラッシャーを用いて行った。すなわち上記ウェットケーキを乾燥重量として80部と予め100℃に温めたオフセット用インキビヒクル190部をフラッシャー中に同時に投入し、フラッシングを行った(オープンフラッシング工程:トータル時間15分)。次にフラッシングで出てきた水を除去後、減圧(1〜8×103Pa)及び混練物の内部温度が100℃になるまで加熱(熱媒温度130℃) を30分間行い混練物中の水を完全に除去した(バキュームフラッシング工程)。この混練物にオフセット用インキビヒクル390部と溶剤44部を徐々に加えた後フラッシャーから取り出した。その後3本ロールを用いてロール温度60℃、10Barrの圧力をかけて練肉し粗大粒子を除去し、ベースインキを得た。このベースインキ62部にオフセット用インキビヒクル25部、溶剤10部、補助剤3部加えてタック5.8〜6.0に調整して最終インキを得た。
【0028】
【実施例2】
テトラゾ溶液の製造法は実施例1と同様に行った。一方、水200部にアセトアセトアニリド34.0部と5−アセトアセチルアミノ−2−ヒドロキシ安息香酸0.9部とアセトアセト−4−フェネチジド0.9部及び苛性ソーダ14部を加え溶解したカップラー溶液を作製した。また80%酢酸20部、苛性ソーダ5部のpH4.5に調整した緩衝溶液600部を作製した。この緩衝溶液に、テトラゾ溶液及びカップラー溶液を同時に、テトラゾが反応中に遊離しないように両溶液の流速を調整しながら約30分要して加えた。カップリング反応温度は約15℃に保持した。得られたジスアゾ顔料スラリーは実施例1と同様の操作を行い顔料分30.0%のウェットケーキを得た。インキ化の方法は実施例1と同様に行い最終インキを得た。
【0029】
【実施例3】
テトラゾ溶液の製造法は実施例1と同様に行った。一方、水350部にアセトアセトアニリド34.0部と5−アセトアセチルアミノ−2−ヒドロキシ安息香酸0.9部及び苛性ソーダ19.6部を加えて溶解した。この溶液に80%酢酸45部を少しずつ加えて懸濁液とし、これに前記テトラゾ溶液を約30分要して加えた。この間の反応温度は約15℃に保持した。得られたジスアゾ顔料のスラリーに、水50部にアセトアセト−4−フェネチジド0.9部と苛性ソーダ0.4部で溶解した溶液とテトラゾ溶液を同時に、テトラゾが反応中に遊離しないように両溶液の流速を調整しながら、約10分要して加えた。この間の反応温度も約15℃に保持した。 得られたジスアゾ顔料スラリーは実施例1と同様の操作を行い顔料分30.0%のウェットケーキを得た。インキ化の方法は実施例1と同様に行い最終インキを得た。
【0030】
【実施例4】
テトラゾ溶液の製造法は実施例1と同様に行った。一方、水200部にアセトアセトアニリド17.0部と5−アセトアセチルアミノ−2−ヒドロキシ安息香酸0.9部及び苛性ソーダ10部を加えて溶解した。この溶液に80%酢酸45部を少しずつ加えて懸濁液とし、これに前記テトラゾ溶液を約20分要して加えた。この間の反応温度は約15℃に保持した。得られたジスアゾ顔料のスラリーに、水200部にアセトアセトアニリド17.0部とアセトアセト−4−フェネチジド0.9部及び苛性ソーダ10部で溶解した溶液とテトラゾ溶液を同時に、テトラゾが反応中に遊離しないように両溶液の流速を調整しながら、約20分要して加えた。この間の反応温度も約15℃に保持した。 得られたジスアゾ顔料スラリーは実施例1と同様の操作を行い顔料分30.0%のウェットケーキを得た。インキ化の方法は実施例1と同様に行い最終インキを得た。
【0031】
【実施例5】
テトラゾ溶液の製造法は実施例1と同様に行った。一方、水350部にアセトアセトアニリド34.0部と2−アセトアセチルアミノ安息香酸0.9部及び苛性ソーダ19.6部を加えて溶解した。この溶液に80%酢酸45部を少しずつ加えて懸濁液とし、これに前記テトラゾ溶液を約30分要して加えた。この間の反応温度は約15℃に保持した。得られたジスアゾ顔料のスラリーに、水50部にアセトアセト−2−フェネチジド1.8部及び苛性ソーダ0.4部で溶解した溶液とテトラゾ溶液を同時に、テトラゾが反応中に遊離しないように両溶液の流速を調整しながら約10分要して加えた。この間の反応温度も約15℃に保持した。 得られたジスアゾ顔料スラリーは実施例1と同様の操作を行い顔料分30.0%のウェットケーキを得た。インキ化の方法は実施例1と同様に行い最終インキを得た。
【0032】
【実施例6】
テトラゾ溶液の製造法は実施例1と同様に行った。一方、水350部にアセトアセトアニリド33.6部と4−アセトアセチルアミノベンゼンスルホン酸1.0部及び苛性ソーダ19.6部を加えて溶解した。この溶液に80%酢酸45部を少しずつ加えて懸濁液とし、これに前記テトラゾ溶液を約30分要して加えた。この間の反応温度は約15℃に保持した。得られたジスアゾ顔料のスラリーに、水50部にアセトアセト−4−プロポキシアニリド1.4部及び苛性ソーダ0.4部で溶解した溶液とテトラゾ溶液を同時に、テトラゾが反応中に遊離しないように両溶液の流速を調整しながら約10分要して加えた。この間の反応温度も約15℃に保持した。 得られたジスアゾ顔料スラリーは実施例1と同様の操作を行い顔料分30.0%のウェットケーキを得た。インキ化の方法は実施例1と同様に行い最終インキを得た。
【0033】
【実施例7】
テトラゾ溶液の製造法は実施例1と同様に行った。一方、水350部にアセトアセトアニリド34.0部と4−アセトアセチルアミノベンゼンスルホン酸1.1部及び苛性ソーダ19.6部を加えて溶解した。この溶液に80%酢酸45部を少しずつ加えて懸濁液とし、これに前記テトラゾ溶液を約30分要して加えた。この間の反応温度は約15℃に保持した。得られたジスアゾ顔料のスラリーに、水50部にアセトアセト−4−ブチキシアニリド1.0部及び苛性ソーダ0.4部で溶解した溶液とテトラゾ溶液を同時に、テトラゾが反応中に遊離しないように両溶液の流速を調整しながら約10分要して加えた。この間の反応温度も約15℃に保持した。 得られたジスアゾ顔料スラリーは実施例1と同様の操作を行い顔料分30.0%のウェットケーキを得た。インキ化の方法は実施例1と同様に行い最終インキを得た。
【0034】
【実施例8】
テトラゾ溶液の製造法は実施例1と同様に行った。一方、水350部にアセトアセトアニリド31.9部と4−アセトアセチルアミノ−2ーメチル安息香酸2.4部及び苛性ソーダ19.6部を加えて溶解した。この溶液に80%酢酸45部を少しずつ加えて懸濁液とし、これに前記テトラゾ溶液を約30分要して加えた。この間の反応温度は約15℃に保持した。得られたジスアゾ顔料のスラリーに、水50部にアセトアセト−2−クロロ−4−フェネチジド2.5部及び苛性ソーダ0.4部で溶解した溶液とテトラゾ溶液を同時に、テトラゾが反応中に遊離しないように両溶液の流速を調整しながら、約10分要して加えた。この間の反応温度も約15℃に保持した。 得られたジスアゾ顔料スラリーは実施例1と同様の操作を行い顔料分30.0%のウェットケーキを得た。インキ化の方法は実施例1と同様に行い最終インキを得た。
【0035】
【比較例1】
テトラゾ溶液の製造法は実施例1と同様に行った。一方、水400部にアセトアセトアニリド35.4部を苛性ソーダ20部を加えて溶解した。この溶液に80%酢酸45部を少しずつ加えて懸濁液とし、これに前記テトラゾ溶液を約30分要して加えた。この間の反応温度は約15℃に保持した。 得られたジスアゾ顔料スラリーは実施例1と同様の操作を行い顔料分30.0%のウェットケーキを得た。インキ化の方法は実施例1と同様に行い最終インキを得た。
【0036】
【比較例2】
テトラゾ溶液の製造法は実施例1と同様に行った。一方、水400部にアセトアセトアニリド34.0部と5−アセトアセチルアミノ−2−ヒドロキシ安息香酸1.8部及び苛性ソーダ20部を加えて溶解した。この溶液に80%酢酸45部を少しずつ加えて懸濁液とし、これに前記テトラゾ溶液を約30分要して加えた。この間の反応温度は約15℃に保持した。 得られたジスアゾ顔料スラリーは実施例1と同様の操作を行い顔料分30.0%のウェットケーキを得た。インキ化の方法は実施例1と同様に行い最終インキを得た。
【0037】
以上の結果を表1にまとめた。L* はインキの透明性を示しその値が小の方が透明性大、濃度はコーサー値(反射率濃度)で示しその値が大の方が濃度大、流動性はスプレッドメーター測定器での60秒値(mm)で示しその値が大の方が流動性大である。水切れ時間はオープンフラッシング工程で水が出てくる時の時間を示しこの値が小さい方がフラッシング性は良好である。
【0038】
Claims (7)
- 3,3’−ジクロロベンジジンのテトラゾ化物とアセトアセトアニリド系化合物をカップリングさせてなるジスアゾ顔料において、該アセトアセトアニリド系化合物が、アセトアセトアニリド80〜99モル%、下記式(1)で示される極性基含有アセトアセトアニリド化合物0.5〜10モル%および下記式(2)で示されるアルコキシ基含有アセトアセトアニリド化合物0.5〜10モル%からなることを特徴とするジスアゾ顔料。
式(1)
CH3COCH2CONH−X
(式中、Xはカルボン酸基、スルホン酸基およびこれらの金属塩からなる群から選ばれる同一又は異なる1〜4個の置換基を有するフェニル基(該フェニル基は、置換可能な位置がメチル基、メトキシ基、水酸基または塩素原子で置換されていてもよい。)を示す。)
式(2)
CH3COCH2CONH−Y
(式中、Yは炭素数2〜4のアルコキシ基を有するフェニル基(該フェニル基は、置換可能な位置がメチル基、メトキシ基、水酸基または塩素原子で置換されていてもよい。)を示す。) - アセトアセトアニリド、極性基含有アセトアセトアニリド化合物およびアルコキシ基含有アセトアセトアニリド化合物の混合物と3,3’−ジクロロベンジジンのテトラゾ液とを反応させることを特徴とする請求項1記載のジスアゾ顔料の製造方法。
- 同一容器内で、アセトアセトアニリドおよび極性基含有アセトアセトアニリド化合物の混合物と3,3’−ジクロロベンジジンのテトラゾ液とを予め反応させた後、アルコキシ基含有アセトアセトアニリド化合物と3,3’−ジクロロベンジジンのテトラゾ液とを反応させることを特徴とする請求項1記載のジスアゾ顔料の製造方法。
- 同一容器内で、アセトアセトアニリドおよび極性基含有アセトアセトアニリド化合物の混合物と3,3’−ジクロロベンジジンのテトラゾ液とを予め反応させた後、アセトアセトアニリドおよびアルコキシ基含有アセトアセトアニリド化合物の混合物と3,3’−ジクロロベンジジンのテトラゾ液とを反応させることを特徴とする請求項1記載のジスアゾ顔料の製造方法。
- 反応が、弱酸性の緩衝溶液中に3,3’−ジクロロベンジジンのテトラゾ溶液とアセトアセトアニリド系化合物のアルカリ性溶液とを連続的に添加する方法で行われる請求項2ないし4いずれか記載のジスアゾ顔料の製造方法。
- 請求項1記載のジスアゾ顔料がウェットケーキ状態で印刷インキビヒクルによりフラッシングされることを特徴とする印刷インキの製造方法。
- 請求項1記載のジスアゾ顔料と印刷インキビヒクルとからなることを特徴とする印刷インキ。
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