JP4015952B2 - 中空糸膜モジュールとその洗浄方法 - Google Patents
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Description
本発明は、比較的大きな孔径の中空糸膜をもつ中空糸膜モジュールとその洗浄方法に関し、特に装置の小型化と回収率の向上および薬品使用量の低減化に関する。
背景技術
近年、中空糸膜モジュールを使用した分離技術の開発が進み、水のろ過などの用途に広く用いられている。特に、孔径が0.2μm以上の中空糸膜をもつ中空糸膜モジュールは、大流量のろ過が可能となり、装置の小型化が図られる。従来の中空糸膜モジュールとして、基端に多数の中空糸膜同士を結束した結束部をもつ中空糸膜エレメントを複数本、筐体(ハウジング)内に備えたものが知られている。この中空糸膜モジュールは、一般に、筐体の水平断面形状が円形になっている(特開平11−333262号公報)。
しかし、従来の中空糸膜モジュールでは、図9に示すように、筐体51内に2本以上の円柱状の中空糸膜エレメント52を等間隔で並置した場合、筐体51が断面円形であるために、中空糸膜エレメントの外側に大きなデッドスペース53が生じる。さらに、耐圧を考慮して、筐体の上下部に設けられる密閉用の蓋部および底面部が略半球状の形状であり、この部分も同様にデッドスペースとなる。この場合、これらの筐体のデッドスペースの分だけ、中空糸膜モジュール内の原液充填量が多くなり、排液時に、多量の廃液が発生するという問題があった。また、筐体のデッドスペースが存在することから、装置の小型化が図れないという問題もあった。
一方、中空糸膜モジュールにおいては、ろ過時間の経過に伴い、原液の中に含まれる付着物が中空糸膜表面および微多孔に付着し、経時的に透過流速の低下が生じる。このため、長期にわたり安定したろ過を継続するためには、ろ過条件の設定と同時に、有効な中空糸膜モジュールの洗浄方法の開発が不可欠となる。また、定期的な中空糸膜の洗浄には一般に酸やアルカリなどの薬剤を使用するため、洗浄後の廃液処理に多大な費用と労力を要しており、廃液量を削減する必要性が大きい。
発明の開示
本発明は、上記課題に鑑みて、比較的大きな孔径の中空糸膜をもつ中空糸膜モジュールについて、装置を小型化しつつ原液充填量の低減化による回収率の向上および薬品使用量の低減化を図ることができると共に均一なろ過が行える中空糸膜モジュールとその洗浄方法を提供することを目的とする。
本発明の中空糸膜モジュールは、多数の中空糸膜を束ねて柱状に形成した中空糸膜エレメントが筐体内に複数本設けられた中空糸膜モジュールであって、前記筐体は、その水平断面形状が四角形の形状を有し、前記中空糸膜エレメントは先端に自由端部をもち、その結束部が下方に、自由端部が上方に配置されており、前記筐体の前面に設けた原液導入口から導入される原液を筐体内で前記複数の中空糸膜エレメントに均等に供給されるように分散させる原液分散板が設けられており、前記原液分散板は、前記原液導入口からの原液を筐体内の前方上方へ導いて前記複数の中空糸膜エレメントよりなる中空糸膜エレメント群に前方上方から導入する前壁と、前記原液を筐体内の後方へ導いて後方から前記中空糸膜エレメント群に導入するとともに前記中空糸膜エレメント群の側方上方から前記中空糸膜エレメント群に導入する左右の側壁とを有している。中空糸膜エレメントは、円柱状、三角形以上の多角形の角柱状とすることができる。
この構成によれば、筐体の水平断面形状が四角形の形状を有しているので、従来の断面円形の筐体に比べて、柱状の中空糸膜エレメントの外側のデッドスペースが少なくなることから、装置の小型化が図れる。また、デッドスペースが少ない分、中空糸膜モジュール内の原液充填量を少なくでき、廃液を少量にできる。筐体内では、隣接するすべての中空糸膜エレメント間隔が均等であることがろ過効率を上げるのに望ましい。さらに、前壁のみならず左右の側壁を有する原液分散板が設けられているために、原液がモジュール内の各中空糸膜エレメントに可及的に均等に供給されるので、ろ過効率が向上する。また、前記中空糸膜エレメントは先端に自由端部をもち、その結束部が下方に、自由端部が上方に配置されているので、例えば加圧気体を中空糸膜エレメントに下方から上方へ向かって導入する逆洗が可能となり、その結果、洗浄により剥離した付着物の流れ方向が上方向になり、中空糸膜に再付着しにくくなって逆洗効率を向上することができる。
好ましくは、各中空糸膜エレメントは、その中空糸束がそれぞれ筒形の保護ケースに収容されている。したがって、多数の中空糸膜を束ねた中空糸膜エレメントが保護ケース内で保持されるから、中空糸束の取扱いが容易で、筐体への装脱着も簡便となり、また、その倒れ込みを防止できる。保護ケースは、円筒形、三角形以上の多角形の角筒形とすることができる。
好ましくは、前記筐体の密閉用蓋部および底面部が平面状の形状を有している。比較的大きな孔径の中空糸膜をもつ中空糸膜モジュールの場合、原液を送液するのに中空糸膜モジュールに加える圧力を低くできるので、密閉用蓋部および底面部を従来のように、高圧を想定した半球状ではなく、平面状の形状にできる。したがって、より一層の小型化および原液充填量の低減化を図ることができる。
好ましくは、前記筐体の下部に配置されて、中空糸膜エレメントを立設するエレメント装着板が、水平方向から傾斜している。したがって、中空糸膜モジュール内の廃液をエレメント装着板の傾斜により効率よく排出できる。
好ましくは、前記原液導入口と透過液を排出する透過液出口とが前記筐体の同じ側壁側に設けられている。したがって、原液導入口から透過液出口までの代表的な原液の流れを最長距離とすることができ、ろ過効率が向上する。また、複数の中空糸膜モジュールを用いる場合、各中空糸膜モジュールについての原液と透過液の配管を同じ側に設置できるので、省スペース化を図ることができる。
好ましくは、前記中空糸膜モジュールは、原液を導入する原液導入口より下方に、透過液を排出する透過液出口を設けている。したがって、原液導入口より下方に透過液出口を設けることで、重力に抗うことなく透過液を排出し易くなり、エネルギーの損失が低減されるため、装置の小型化がより可能となる。
好ましくは、前記中空糸膜モジュールは、鉛直方向から傾斜した角度に保持されている。したがって、中空糸膜モジュールを斜めにすることで、その高さが低くなるから、装置の小型化がより図れる。
本発明の中空糸膜モジュールの洗浄方法は、前記中空糸膜モジュールについて、中空糸膜の表面に蓄積した付着物を、気体逆洗および液体逆洗のうち少なくとも1つの実施により洗浄除去するものである。
この構成によれば、比較的大きな孔径の中空糸膜をもつ中空糸膜モジュールの場合に、中空糸膜エレメントの結束部を下方に、自由端部を上方に配置することにより、下方から上方への気体逆洗および/または液体逆洗が可能となり、その結果、洗浄により剥離した付着物の流れ方向が上方向になり、中空糸膜に再付着しにくくなって逆洗効率が向上する。したがって、目詰まりを防止しながら中空糸膜を比較的大きな孔径にできるので、通水抵抗が小さくなって、大流量のろ過が可能となり、装置の小型化が図れる。
前記気体逆洗に空気または窒素を使用してもよく、前記逆洗中に原液を導入させてもよい。
本発明の中空糸膜の素材は特に限定されないが、例えば、ポリビニルアルコール系樹脂により親水化処理されたポリスルホン系樹脂、架橋または非架橋の親水性高分子が添加されたポリスルホン系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ポリアクリロニトリル系樹脂、セルロース系樹脂、親水化されたポリオレフィン系樹脂、フッ素系樹脂などを挙げることができる。
中空糸膜の孔径は特に限定されないが、大流量のろ過を可能とし、装置の小型化を図る観点から、0.2〜10μmの範囲にあることが好ましく、0.5〜8μmの範囲がより好ましく、1〜7μmの範囲が特に好ましい。
なお、ここでいう孔径とは粒子径が既知の各種基準物質(コロイダルシリカ、エマルジョン、ラテックスなど)を中空糸膜でろ過した際に、その90%が排除される粒子径をいう。孔径は均一であることが好ましい。
中空糸膜の力学的性質およびモジュールとしての膜面積の観点から、中空糸膜の外径は200〜3000μmの範囲内に設定することが好ましく、500〜2000μmの範囲内であることがより好ましい。
中空糸膜の厚さは、50〜700μmの範囲にあることが好ましく、100〜600μmの範囲であることがより好ましい。
本発明の中空糸膜モジュールは、中空糸膜をモジュール化してろ過に使用するもので、例えば、多数本の中空糸膜を束ねて、結束部において、中空糸膜束の一端を適当なシール剤により一括封止し、自由端部において、他端を1本ずつ固定していない(片端フリー)状態で封止したものである。モジュールの形態は、ろ過方法、ろ過条件、洗浄方法などに応じて適宜選択することができ、複数本の中空糸膜を1束とし、1束または数束から中空糸膜モジュールを構成してもよい。中空糸膜モジュールによるろ過の方式としては、外圧全ろ過および外圧循環ろ過が挙げられ、所望の処理条件や処理性能に応じて適宜選択することができる。
気体逆洗とは、中空糸膜の透過液側から中空糸膜のバブルポイント以上の圧力で気体(一般に空気、窒素)を加圧導入し、原液側に気体を噴出させることで膜面および膜内を洗浄する方法をいう。バブルポイントとは、中空糸膜の原液側に液体を満たした状態で、中空糸膜の透過液側から気体を加圧導入した時、中空糸膜の原液側から気体が放出されない程度の圧力をいう。
液体逆洗とは、気体に代えて液体(一般に透過液)を用いて気体逆洗と同様な操作で膜面および膜内を洗浄する方法をいう。
上記気体逆洗、液体逆洗の時間は適宜選択できる。
発明を実施するための最良の形態
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る中空糸膜モジュールを示す概略分解斜視図である。この中空糸膜モジュール1は、筐体(ハウジング)31内に、多数の中空糸膜を束ねた円柱状の中空糸束20を持つ中空糸膜エレメント2が収容されており、原液は重体31の前面の側壁35に設けられた原液導入口21から導入された原液をろ過して、筐体31下部の透過液出口22から透過液(ろ過液)を排出するものである。中空糸束20は、基端(下端)に多数の中空糸膜同士を結束した結束部20aをもち、先端(上端)に自由端部20bをもつ。
上記中空糸膜エレメント2は、筐体31内に中空糸膜エレメント2がろ過効率を上げるのに望ましい横方向(径方向)に均一な間隔を保持して配列されている。例えば7行8列に56本配列され、各列は半ピッチずつずれている。各中空糸膜エレメント2は、例えば、ほぼ鉛直方向に延びる円筒形の保護カバー32内に、多数の中空糸膜を束ねて収容したもので、中空糸束20が保護ケース32内で保持されるから、筐体31内の原液の液位が低下した場合でも中空糸膜エレメント2の倒れ込みを防止できる。
なお、中空糸膜エレメント2は、結束部20aを上端に有してもよく、先端部をループ状または固定状態にしてもよい。
図2(a)の平面図に示すように、上記筐体31は、その水平断面形状、つまり平面視で側壁35の形状が例えば四角形のような多角形になっている。図9に示した従来の断面円形の筐体に比べて、円柱状の中空糸膜エレメント2群の外側にデッドスペースが少なくなることから、装置の小型化が図れる。また、デッドスペースが少ない分、中空糸膜モジュール1内の原液充填量を少なくでき、回収率の向上および薬品使用量の低減化を図ることができる。
図1の筐体31には、その下部に中空糸膜エレメント2が複数本、立設されるエレメント装着板36が設けられている。図2(b)の側面図に示すように、各中空糸膜エレメント2は、その底部に下方へ突出する突出部2aを有しており、この部分に装着された図示しないOリングを介してエレメント装着板36の貫通孔36aに立設される。エレメント装着板36は水平方向から傾斜した姿勢で配置されており、例えば中央部が高く、左右(両側)にそれぞれ約0.3°傾斜し、さらに前後に約0.3°傾斜している。
排液時には、上記エレメント装着板36の傾斜により、エレメント装着板36の四隅に設けられた原液排出口24は下位に位置するので、この原液排出口24から廃液(ドレン)がスムーズに排出される。エレメント装着板36の下方に樋状の透過液受け板38が設けられ、透過液受け板38の下流側端部にヘッダー38aが接続されている。各中空糸膜エレメント2から流出した透過液は、透過液受け板38に入り、ヘッダー38aを通って、ヘッダー38aに設けた透過液出口22から排出される。透過液受け板38の底面に、筐体31の底面部を形成する平面状の形状、つまり、平坦な板状である底壁33が結合され、底壁33が基台Kに固定されている。
筐体31の上部には、エレメント装着板36に立設された中空糸膜エレメント2を下方へ押えて固定するエレメント押え板39が設けられており、図2(b)のように、このエレメント押え板39の下縁部39bと上記エレメント装着板36の上縁部36bがボルト40により複数箇所で締め付け固定されて、各中空糸膜エレメント2が安定して保持される。筐体31の前面の側壁35上部に、空気などの気体を排出する気体排出口23が設けられている。
上記エレメント押え板39の上部には筐体31を開閉する平面状の形状、つまり、平坦な板状である密閉用蓋部37が設けられている。密閉用蓋部37と側壁35上端間はパッキンPによりシールされる。比較的大きな孔径(例えば2μm)の中空糸膜をもつ中空糸膜モジュールの場合、原液を送液するのに中空糸膜モジュールに加える圧力を低くできるので、上記密閉用蓋部37および底壁33を従来のように、高圧を想定した半球状ではなく、平面状の形状にできるから、崖体31内のデッドスペースがより少なくなり、より一層の小型化、原液充填量の低減化を図ることができる。
また、筐体31は、図2(a)のように、原液導入口21から導入された原液を筐体31内で分散させる、例えば平面視で略U字状の原液分散板34を備えている。この原液分散板34は、図1のように、筐体31内に少なくとも1面、この例では後面の側壁を切り欠いたほぼ四角形を呈するもので、左右の側壁34a、34aと前壁34bを有しており、複数の中空糸膜エレメシト2からなるエレメント群の前方と左右両方を覆う。これにより、図1に示すように、原液導入口21から導入された原液は左右方向と上方に振り分けられ、原液の大半が矢印Aのように後方から、残りが矢印B、Cのように側方上方および前方上方から、中空糸膜エレメント2群に導入される。この原液分散板34により、原液導入口21からその反対側にまで回り込む原液の流路が形成されて、原液が各中空糸膜エレメント2に可及的に均等に供給されて、ろ過効率が向上する。
原液分散板34の側壁34a、前壁34bの高さH1、H2、および中空糸膜エレメント2の高さhの比率h/H1/H2は、1/0.8〜1.2/1.0〜1.5であることが好ましい。
図2(b)の中空糸膜モジュール1の原液導入口21は筐体31の前面の側壁35に設けられ、透過液出口22は、筐体31のヘッダー38aの側面に設けられている。こうして、原液導入口21と透過液出口22は、筐体31の同じ前面の側壁35側に配置されている。これにより、原液導入口21から透過液出口22までの代表的な原液の流れ、つまり、図1の矢印Aで示した原液分散板34の後方に回り込んだ原液の流れを最長距離とすることができ、ろ過効率が向上する。さらに、複数の中空糸膜モジュール1を列状に並べて用いる中空糸膜モジュールシステムの場合、各中空糸膜モジュール1についての原液と透過液の配管を同じ側に設置できるので、省スペース化を図ることができ、中空糸膜モジュールシステムを小型化できる。
また、原液導入口21より下方に透過液出口22が設けられているので、重力に抗うことなく透過液が排出し易くなるため、エネルギーの損失が低減されるため、装置の小型化がより可能となる。また、原液送液ポンプを設けた場合でも、そのポンプ圧を小さくできる。
この中空糸膜モジュール1は、主として陸上で使用されるもので、前記の圧力差を利用するだけでなく、中空糸膜の孔径に応じて、原液供給則に原液送液ポンプを使用して透過液を取り出してもよい。また、透過夜側に真空ポンプを使用して透過液を取り出してもよい。さらに、両者を組み合わせて使用してもよい。
図3は、上記構成の中空糸膜モジュールの洗浄方法の第1例を示す概洛構成図である。この例では、原液を送り出す原液送液ポンプP−1が設けられているが、原液導入口21より下方に透過液出口22が設けられているので、その高さの差による圧力差を利用することによって、または中空糸膜の孔径によって、原液送液ポンプを設けなくともよい。経路中にそれぞれ配置されたバルブV−2,V−3,V−4,V−6およびV−7は、液体または気体を経路外へ途中排出するために設けられている。また、P1は圧力計、F1は流量計、PIAは警報付圧力計を示す。
上記構成の中空糸膜モジュール1において、原液をろ過する中空糸膜モジュール1のろ過工程では、まず、すべてのバルブを閉じた状態から、原液送液ポンプP−1を作動させ、原液導入用のバルブV−1および自動バルブAV−1を開けて、中空糸膜モジュール1の原液側に原液を導入する。このとき、透過液出口22の下流の透過液排出用の自動バルブAV−2とバルブV−5、透過液導入用の自動バルブAV−8、逆洗用透過液(ろ過水)タンク5の下流の透過液排出用の自動バルブAV−3、バルブV−8を開け、気体排出用の自動バルブAV−4も開けて、中空糸膜モジュール1内の気体を排出する。つぎに、自動バルブAV−4、AV−8を閉じて、ろ過を開始する。そして、ろ過時間の経過に伴い中空糸膜の膜表面や微多孔に付着物が付着し、ろ過能力が低下する。このとき、以下の第1〜3の洗浄方法により中空糸膜を洗浄する。
(第1の洗浄方法)
この洗浄方法は、上記ろ過工程を行ったのち、加圧した透過液を用いて液体逆洗を行った後に、加圧空気による気体逆洗を1回または繰り返し行うものである。
まず、ろ過工程後、原液送液ポンプP−1を停止させ、自動バルブAV−1、自動バルブAV−2および自動バルブAV−3を閉じ、自動バルブAV−4を開ける。そして、コンプレッサ4を作動させ、透過液加圧用の自動バルブAV−7を開けて、減圧弁7で調圧した上で逆止弁9を介して逆洗用透過液タンク5に対して加圧し、透過液導入用の自動バルブAV−8を開けて、逆洗用透過液タンク5内の透過液を中空糸膜モジュール1に導入して、加圧した透過液による液体逆洗を行う。この場合、コンプレッサ4の圧力を、中空糸膜モジュール1内で透過液が逆流せずに、一旦剥離した付着物が中空糸膜に再付着しない程度にする必要がある。
つぎに、自動バルブAV−4、AV−7およびAV−8を閉じ、気体逆洗加圧用の自動バルブAV−6を開けて、減圧弁6で調圧した上で逆止弁8を介して中空糸膜モジュール1に対して加圧する。その後、自動バルブAV−4を開けて、透過液出口22から加圧気体による上方への気体逆洗を行う。この気体逆洗は1回だけでもよいが、複数回(例えば、5回)繰り返し行うと、より効果的である。
この加圧空気による気体逆洗により、中空糸膜の透過液側から原液側に空気を噴出させることで、付着物が剥離されて、膜面および膜内が洗浄される。逆洗後の空気は気体排出口23から排出され、原液は中空糸膜モジュール1内部に残留するため、繰り返し気体逆洗を行うことができ、逆洗効率が向上する。
原液送液ポンプP−1を作動させ、自動バルブAV−1、AV−5、AV−7およびAV−8を開けて、分離された原液のドレンが原液排出口24からバルブV−9を介して外部へ排出される。これにより、原液が置換されるとともに、原液が排液される。
こうして、第1の洗浄方法では、まず、透過液逆洗により付着物を膜表面から剥離させ、気体逆洗により剥離した付着物の流れ方向が上方向になり、中空糸膜に再付着しにくくなって逆洗効率を向上することができる。
(第2の洗浄方法)
この洗浄方法は、上記ろ過工程を行ったのち、第1の洗浄方法と異なり、加圧空気による気体逆洗のみを行うものである。
まず、ろ過工程後、原液送液ポンプP−1を停止させ、自動バルブAV−1、自動バルブAV−2および自動バルブAV−3を閉じ、気体逆洗加圧用の自動バルブAV−6を開けて、減圧弁6で調圧した上で逆止弁8を介して中空糸膜モジュール1に対して加圧する。その後、自動バルブAV−4を開けて、透過液出口22から加圧空気による上方への気体逆洗を行う。この気体逆洗は1回だけでもよいが、複数回(例えば、5回)繰り返し行うと、より効果的である。
この加圧空気による気体逆洗により、中空糸膜の透過液側から原液側に空気を噴出させることで、付着物が剥離されて、膜面および膜内が洗浄される。逆洗後の空気は気体排出口23から排出されるから、中空糸膜モジュール1内の原液がなくなることなく、繰り返し気体逆洗を行うことができる。
第1の洗浄方法と同様に、原液送液ポンプP−1を作動させ、自動バルブAV−1、AV−4およびAV−5を開け、分離された原液が原液排出口24からバルブV−9を介して外部へ排出される。これにより、原液が置換されるとともに、原液が排液される。
こうして、第2の洗浄方法では、同様に、洗浄により剥離した付着物の流れ方向が上方向になり、逆洗効率を向上することができる。また、加圧空気による気体逆洗を繰り返し行うことで、簡易に逆洗効率を向上させることができる。
(第3の洗浄方法)
この洗浄方法は、上記ろ過工程を行ったのち、第1、2の洗浄方法と異なり、原液を流しながら、加圧空気による気体逆洗を行うものである。
まず、ろ過工程後、そのまま原液送液ポンプP−1を作動させ、自動バルブAV−1、AV−4を開けて、原液を中空糸膜モジュール1に導入する。この状態で、自動バルブAV−2、AV−3、AV−5、AV−7、AV−8を閉じて、気体逆洗加圧用の自動バルブAV−6を開けて、減圧弁6で調圧した上で逆止弁8を介して中空糸膜モジュール1に原液を流しながら、透過液出口22から加圧気体による上方への気体逆洗を行う。この原液を流しながらの気体逆洗は1回だけでもよいが、複数回(例えば、5回)繰り返し行うと、より効果的である。
この加圧空気による気体逆洗により、中空糸膜エレメント2に原液が常に充満した状態で、中空糸膜の透過液側から原液側に空気を噴出させることで、付着物が剥離されて、膜面および膜内が洗浄される。このとき、中空糸膜エレメント2の自由端部20bの上方に設けられた気体排出口23が原液排出口として、ここから、原液とともに付着物が排出されるから、中空糸膜への再付着が少なくなり、逆洗効率が向上する。
こうして、第3の洗浄方法では、同様に、洗浄により剥離した付着物の流れ方向が上方向になり、また、気体(原液)排出口23から原液とともに付着物が排出されるから、中空糸膜に再付着しにくくなって逆洗効率を向上することができる。しかも、原液を流しながら、気体逆洗を行うので、原液の置換、排液工程を省略することができる。
図4は、中空糸膜モジュールの洗浄方法の第2例を示す概略構成図である。第2例は、第1例と異なり、逆洗用ろ過水タンクが設けられておらず、これに付随するバルブ等も省略されている。また、気体排出口23が原液排出口24を兼ねており、第1例を簡略化したものである。
上記構成の中空糸膜モジュールにおいて、原液をろ過する中空糸膜モジュール1のろ過工程では、まず、すべてのバルブを閉じた状態から、原液送液ポンプP−1を作動させ、原液導入用のバルブV−1、V−10を開けて、中空糸膜モジュール1の原液側に原液を導入する。このとき、透過液出口22の下流の透過液排出用のバルブV−14、V−5を開け、気体排出用の自動バルブAV−4も開けて、中空糸膜モジュール1内の気体を排出する。つぎに、自動バルブAV−4を閉じ、透過液排出用の自動バルブAV−2を開けて、ろ過を開始する。なお、バルブV−12、V−13およびバッファタンク11は液体逆洗用に設けられている。そして、ろ過時間の経過に伴い中空糸膜の膜表面や微多孔に付着物が付着し、ろ過能力が低下する。このとき、以下の第2例における第4〜6の洗浄方法により中空糸膜を洗浄する。
(第4の洗浄方法)
この洗浄方法は、上記ろ過工程を行ったのち、加圧空気による気体逆洗を行った後に、原液を流しながら、加圧空気による気体逆洗を行うものである。これらの気体逆洗はそれぞれ1回のみでもよいが、複数回(例えば、5回)繰り返し行うと、より効果的である。
まず、ろ過工程後、原液送液ポンプP−1を停止させ、自動バルブAV−2を閉じる。つぎに、コンプレッサ4を作動させ、気体逆洗加圧用の自動バルブAV−6を開けて、減圧弁6で調圧した上で逆止弁8を介して中空糸膜モジュール1に対して加圧する。その後、自動バルブAV−4を開けて、透過液出口22から加圧空気による上方への気体逆洗を行う。この操作は繰り返し行ってもよい。
つぎに、原液送液ポンプP−1を作動させて、原液を中空糸膜モジュール1に導入する。このとき、上記と同様に中空糸膜モジュール1に原液を流しながら、透過液出口22から加圧気体による上方への気体逆洗を行う。
こうして、第4の洗浄方法では、同様に、洗浄により剥離した付着物の流れ方向が上方向になり、また、気体(原液)排出口23から原液とともに付着物が排出されるので、中空糸膜に再付着しにくくなって逆洗効率を向上することができる。しかも、最初の気体逆洗により膜内の付着物を膜面に出した後に、原液を流しながらの気体逆洗を行うので、付着物を効率よく上方へ吹き飛ばすことができる。これとともに、原液の置換、排液工程を省略することができるので、簡易に逆洗効率を向上することができる。
(第5の洗浄方法)
この洗浄方法は、上記ろ過工程を行ったのち、第4の洗浄方法と異なり、加圧した原液を流しながら、加圧空気による気体逆洗を行うものである。
まず、ろ過工程後、そのまま原液送液ポンプP−1を作動させて、原液を中空糸膜モジュール1に導入する。このとき、自動バルブAV−6を開けて、中空糸膜モジュール1に対して加圧し、原液を流しながら、透過液出口22から加圧気体による上方への気体逆洗を行う。
こうして、第5の洗浄方法では、同様に、洗浄により剥離した付着物の流れ方向が上方向になり、中空糸膜に再付着しにくくなって逆洗効率を向上することができる。また、原液の置換、排液工程を省略することができる。第4の洗浄方法に比較して、原液送液ポンプP−1を停止させなくてよい分、より簡易に逆洗効率を向上することができる。
(第6の洗浄方法)
この洗浄方法は、上記ろ過工程を行ったのち、第4、5の洗浄方法と異なり、原液を流しながらではなく、加圧空気による気体逆洗の繰り返しのみを行うものである。
まず、ろ過工程後、原液送液ポンプP−1を停止させ、自動バルブAV−2を閉じる。つぎに、コンプレッサ4を作動させ、気体逆洗加圧用の自動バルブAV−6を開けて、中空糸膜モジュール1に対して加圧する。その後、自動バルブAV−4を開けて、透過液出口22から加圧気体による上方への気体逆洗を繰り返し行う。この気体逆洗を繰り返し行うことにより、中空糸膜が段々きれいになる。この後、原液送液ポンプP−1を作動させて、原液を中空糸膜モジュール1に導入し、剥離した付着物を気体(原液)排出口23から排出する。
こうして、第6の洗浄方法では、同様に、洗浄により剥離した付着物の流れ方向が上方向になり、中空糸膜に再付着しにくくなって逆洗効率を向上することができる。加圧空気による気体逆洗の繰り返しのみを行うので、より簡易に逆洗効率を向上することができる。
図5は、中空糸膜モジュールの洗浄方法の第3例を示す概略構成図である。第3例は、第1例と異なり、コンプレッサの代わりに透過液送液ポンプP−2が設けられ、また、気体排出口23が原液排出口24を兼ねており、第1例を簡略化したものである。
第2例と同様のろ過工程の後、以下の第7の洗浄方法により中空糸膜を洗浄する。この洗浄方法は、上記ろ過工程を行ったのち、加圧液体による液体逆洗を行うものである。
まず、ろ過工程後、原液送液ポンプP−1を停止させ、自動バルブAV−2を閉じ、気体(原液)排出用の自動バルブAV−4を開ける。つぎに、透過液送液ポンプP−2を作動させ、透過液送液用の自動バルブAV−9を開けて、透過液出口22から加圧透過液による上方への液体逆洗を行う。この場合、透過液送液ポンプP−2の圧力を、中空糸膜モジュール1内で透過液が逆流せずに、一旦剥離した付着物が中空糸膜に再付着しない程度にする必要がある。
こうして、第7の洗浄方法では、上記の気体逆洗と同様に、液体逆洗においても、洗浄により剥離した付着物の流れ方向が上方向になり、中空糸膜に再付着しにくくなって逆洗効率を向上することができる。
なお、上記各例では、中空糸膜モジュール1全体を直立させているが、図6のように、中空糸膜モジュール1全体を直立方向から傾斜した角度に保持してもよい。この例では直立方向に対して14°傾斜させている。中空糸膜モジュール1全体を斜めにすることで、その高さが低くなるから、装置の小型化がより図ることができる。
[実施例]
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明は実施例によって何ら制限されるものでない。
第1実施例
図1における断面四角形の筐体31内に中空糸膜エレメント56本を収容した中空糸膜モジュール1と、従来における断面円形の筐体内に同じ中空糸膜エレメント56本を収容した中空糸膜モジュールとについて、原液充填量を比較した。図1の断面四角形の筐体31は、1次側が縦770×横770×高さ398で、2次側が縦770×横770×高さ398である。従来の断面円形の筐体は、1次側が直径890で円柱部分の高さ390、半球部分の高さ220で、2次側が直径890で半球部分の高さが220である。単位は、mmである。この結果を表1に示す。表1に示すとおり、本発明にかかる中空糸膜モジュール1は、従来の中空糸膜モジュールに比べて、50%以上の原液充填量の削減が得られた。
【表1】
第2実施例
図7は、複数の中空糸膜モジュールを備えた中空糸膜モジュールシステムの一実施例を示す全体構成図である。このシステムは、水道用水、プール水などの原液や設備内の循環液体をろ過して透過液(ろ過水)を排出するものである。
このシステムは、図8に示すように、(a)に示す1つの中空糸膜モジュール1Aに、(b)に示す複数の円柱状の中空糸膜エレメント2が収納され、その中空糸膜モジュール1Aが複数配置されてなるものである(図7)。
中空糸膜モジュール1Aに収納される中空糸膜エレメント2Aは、例えば孔径が2μmの中空糸膜からなり、図示していないが、上述した第1〜3例と同様に、その結束部が下方に、自由端部が上方に配置されたものである。
このシステムでは、原液送液ポンプを設けていない。図8(c)のように、原液導入口41より下方に透過液出口42を設けることで、その高さの差による圧力差を利用することにより、原液をろ過した透過液が排出し易くなるため、原液送液ポンプを設けなくとも、透過液を排出させることが可能となり、装置の小型化がより可能となる。なお、前記原液導入口41の上方に気体排出口43、前記透過液出口42の上方に、分離された原液(ドレン)を排出する原液排出口44が設けられている。
この場合の中空糸膜モジュールの洗浄は、透過液出口42から上方へ、上述した第1〜3例のいずれかの方法を用いて行われる。
上記した複数の中空糸膜モジュールを備えた中空糸膜モジュールシステムにより、効率よくろ過が行えるとともに、システムを小型化しつつ原液充填量の低減化による回収率の向上および薬品使用量の低減化を図ることができる。
以上のとおり図面を参照しながら好適な実施形態を説明したが、当業者であれば、本件明細書を見て、自明な範囲内で種々の変更および修正を容易に想定するであろう。したがって、そのような変更および修正は、添付の請求の範囲から定まる本発明の範囲内のものと解釈される。
【図面の簡単な説明】
本発明は、添付の図面を参考にした以下の好適な実施形態の説明から、より明瞭に理解されるであろう。しかしながら、実施形態および図面は単なる図示および説明のためのものであり、この発明の範囲を定めるために利用されるべきものではない。この発明の範囲は添付のクレーム(請求の範囲)によって定まる。添付付図面において、複数の図面における同一の部品符号は同一部分を示す。
図1は、本発明の一実施形態に係る中空糸膜モジュールを示す概略分解斜視図である。
図2(a)は、図1の中空糸膜モジュールを示す概略平面図、(b)はその概略側面図である。
図3は、本発明に係る中空糸膜モジュールの洗浄方法の第1例を示す概略構成図である。
図4は、本発明に係る中空糸膜モジュールの洗浄方法の第2例を示す概略構成図である。
図5は、本発明に係る中空糸膜モジュールの洗浄方法の第3例を示す概略構成図である。
図6は、傾斜した中空糸膜モジュールを示す概略側面図である。
図7(a)は、本発明の中空糸膜モジュールシステムの一実施例を示す平面図、図7(b)は(a)の側面図である。
図8(a)は、図7の中空糸膜モジュールを示す平面図、(b)は(a)の中空糸膜モジュールに収納される中空糸膜エレメントを示す平面図、(c)は(a)の側面図である。
図9は、従来の中空糸膜モジュールを示す概略平面図である。
Claims (10)
- 多数の中空糸膜を束ねて柱状に形成した中空糸膜エレメントが筐体内に複数本設けられた中空糸膜モジュールであって、前記筐体は、その水平断面形状が四角形の形状を有し、
前記中空糸膜エレメントは先端に自由端部をもち、その結束部が下方に、自由端部が上方に配置されており、
前記筐体の前面に設けた原液導入口から導入される原液を筐体内で前記複数の中空糸膜エレメントに均等に供給されるように分散させる原液分散板が設けられており、
前記原液分散板は、前記原液導入口からの原液を筐体内の前方上方へ導いて前記複数の中空糸膜エレメントよりなる中空糸膜エレメント群に前方上方から導入する前壁と、前記原液を筐体内の後方へ導いて後方から前記中空糸膜エレメント群に導入するとともに前記中空糸膜エレメント群の側方上方から前記中空糸膜エレメント群に導入する左右の側壁とを有している中空糸膜モジュール。 - 請求項1において、各中空糸膜エレメントは、その中空糸束がそれぞれ筒形の保護ケースに収容されている中空糸膜モジュール。
- 請求項1または2において、前記筐体の密閉用蓋部および底面部が平面状の形状を有する中空糸膜モジュール。
- 請求項1ないし3のいずれかにおいて、前記筐体の下部に配置されて、中空糸膜エレメントを立設するエレメント装着板が、水平方向から傾斜している中空糸膜モジュール。
- 請求項1ないし4のいずれかにおいて、前記原液導入口と透過液を排出する透過液出口とが前記筐体の同じ側壁側に設けられている中空糸膜モジュール。
- 請求項1において、原液を導入する原液導入口より下方に、透過液を排出する透過液出口を設けた中空糸膜モジュール。
- 請求項1において、直立方向から傾斜した角度に保持された中空糸膜モジュール。
- 請求項1ないし7のいずれかに記載の中空糸膜モジュールについて、中空糸膜の表面に蓄積した付着物を、気体逆洗および液体逆洗のうち少なくとも1つの実施により洗浄除去する中空糸膜モジュールの洗浄方法。
- 請求項8において、前記気体逆洗に空気または窒素を使用する中空糸膜モジュールの洗浄方法。
- 請求項8において、前記逆洗中に原液を導入させる中空糸膜モジュールの洗浄方法。
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