JP4013041B2 - モータ制御装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はモータ制御装置に係り、特にテレビカメラ及び雲台の駆動制御に用いられるモータ制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
各種の分野で、駆動系の機械的位置を制御するモータ制御装置としてのサーボ回路が用いられており、サーボ回路は、例えばテレビカメラを動かす雲台の駆動やレンズの駆動にも適用されている。即ち、テレビカメラを支持する雲台ではパン(左右方向)、チルト(上下方向)の動きがサーボ回路で行われ、テレビカメラ内のズームレンズ、フォーカスレンズがサーボ回路によって駆動される。
【0003】
しかしながら、従来のサーボ回路では、モータから駆動対象物までの駆動系に配置されているギヤのバックラッシュによって、駆動対象物の動きが不自然となったり、操作した通りの動きとならないという問題があった。例えば、テレビカメラのパン動作において方向を転換させて位置P1から位置P2へ移動させる場合に、位置制御信号は位置P1から位置P2までの距離に比例した位置信号電圧となり、この位置信号電圧によってモータが駆動される。このときの駆動対象物であるテレビカメラの軌跡は、バックラッシュが存在することにより、制御開始からバックラッシュ分のモータの駆動時間が過ぎた後に急激に動き出すことになる。このため、テレビカメラの動きが不自然となり、しかも、駆動系に負担がかかるという問題があった。
【0004】
また、テレビカメラをパン及びチルト動作させ、位置P3から位置P4に移動させる場合において、パンについてのみ方向転換して例えば右側へ移動させると、パンのバックラッシュ分を駆動させている間に、チルトでは例えば上側へ移動するので、テレビカメラは位置P3から位置P4へ真っ直ぐ進まず、屈折した軌跡をたどることになる。従って、カメラが被写体を正確に追うことができないという不都合があった。
【0005】
そこで、本願出願人は、特開平7−295645号公報、特開平7−295646号公報、及び、特開平7−295648号公報において上記不具合等を解消するためのサーボ回路を提案している。特開平7−295645号公報に記載のサーボ回路では、バックラッシュ分を駆動させる時間を設定し、このバックラッシュ駆動時間ではモータを速度制御する。そして、その後、モータの制御を位置制御に切り替えて駆動系(駆動対象物)の実質的な駆動を開始するようにしている。これにより、駆動対象物の不自然な動きが低減される。また、ジョイスティック等の手動操作手段を用いる場合は、バックラッシュ分を駆動させる操作領域を設け、このバックラッシュ操作領域の操作時間にバックラッシュを除去するための速度制御を行うようにしている。これにより、実際の駆動と一致した操作感覚が得られる。また、複数の駆動系を同時に制御する場合は、バックラッシュ分の駆動後の各駆動系の実質的な駆動開始時間を一致させるようにしている。これにより、操作通りの正確な軌跡の駆動が可能となる。
【0006】
特開平7−295646号公報に記載のサーボ回路では、バックラッシュ分を駆動させる時間を設定し、このバックラッシュ駆動時間では実質的駆動の速度よりも遅い速度となるようにモータを駆動制御するようにしている。これにより、実質的な駆動を安定したモータ回転数で開始でき、駆動対象物の不自然な動きが軽減される。また、ジョイスティック等の手動操作手段を用いる場合は、バックラッシュ分を駆動させる操作領域を設け、このバックラッシュ操作領域の操作時間に遅い速度のモータ駆動を実行するようにしている。これにより実際の駆動と一致した操作感覚が得られる。また、複数の駆動系を同時に制御する場合は、上記公報と同様の処理により操作通りの正確な軌跡の駆動が可能となる。
【0007】
特開平7−295648号公報に記載のサーボ回路では、バックラッシュ分を駆動させる時間を設定し、このバックラッシュ駆動時間では位置制御信号でバックラッシュ分を駆動し、このバックラッシュ駆動時間が経過した時点で、位置制御信号を被駆動系の駆動開始位置である元の状態に戻して新たに位置制御を開始するようにしている。これにより、モータの回転数の急激な増加が防止され、駆動対象物の不自然な動きが軽減される。また、ジョイスティック等の手動操作手段を用いる場合は、バックラッシュ分を駆動させる操作領域を設け、このバックラッシュ操作領域の操作時間経過時に位置信号を元の状態に戻して新たに位置制御を開始する。これにより、実際の駆動と一致した操作感覚が得られる。また、複数の駆動系を同時に制御する場合は、上記公報と同様の処理により操作通りの正確な軌跡の駆動が可能となる。
【0008】
以上の公報に記載のサーボ回路はいずれもバックラッシュを除去するためのモータの駆動制御を、駆動対象物を実質的に駆動する前に別制御で行うことによって、バックラッシュによる悪影響を除去するようにしたものである。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記公報に記載のサーボ回路では、バックラッシュ駆動時間におけるモータの駆動速度は、駆動対象物を実質的に駆動する際の駆動速度に対応した速度に設定されるため、実質的駆動時における駆動速度が遅いときには駆動対象物が動き出すまでの時間が長くなるという欠点があった。
【0010】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、反転駆動時におけるギヤのバックラッシュを除去するためのバックラッシュ駆動時間をできるだけ短くし、駆動対象物が動き出すまでの時間の短縮を図るモータ制御装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、モータを駆動制御し、該モータに連結された駆動系における駆動対象物の位置を制御するモータ制御装置であって、前記駆動対象物を反転駆動する場合に前記駆動系に配置されたギヤにより生じるバックラッシュを除去するための前記モータの駆動制御を行った後、前記駆動対象物を所定の目標位置設定するための前記モータの位置制御を行うモータ制御装置において、前記バックラッシュを除去するための前記モータの駆動制御を行うモータ制御手段は、前記バックラッシュ分だけ前記モータを駆動する時間が終了する時点の所定時間前の時点まで前記モータを最高速度で駆動するように前記駆動対象物の目標位置を設定して位置制御し、前記所定時間前の時点において、前記駆動対象物の目標位置を、前記モータの最高速度での駆動を開始した時点での目標位置に戻して前記モータの速度を減速させることを特徴としている。
【0013】
本発明によれば、モータを反転駆動する際にバックラッシュ分のモータの駆動が終了する所定時間前までモータの駆動を最高速度で行うようにしたため、駆動対象物が実際に動き出すまでの間の時間を短縮することができる。また、バックラッシュ分の駆動が終了する前にモータを最高速度で駆動する制御を終了するため、駆動対象物が実際に動き出す前にモータの速度が減速され、駆動対象物の動き出しを好適に行うことができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下添付図面に従って本発明に係るモータ制御装置の好ましい実施の形態について詳説する。
【0018】
図1には、本発明に係るモータ制御装置の第1乃至第3の実施の形態におけるサーボ回路の構成が示されており、この実施の形態はテレビカメラ及び雲台に適用した場合の例である。図1において、雲台の操作部には図示の操作スイッチ10及びその表示灯11が複数(図では1個のみ表示)配置されており、この操作スイッチ10としては、予め設定された場所に自動的にカメラを移動させるためのショットスイッチ等が設けられる。また、手動操作により任意の位置へカメラを駆動させるジョイスティック12が設けられている。上記の操作スイッチ10の操作信号は、直接、入出力(I/O)部14へ供給され、ジョイスティック12の操作信号は、A/D変換器15を介して入出力(I/O)部14へ供給される。そして、これらの操作信号はCPU22に読み取られ、操作信号に基づいてCPU22から出力された制御信号が、I/O部14及びD/A変換器16を介してサーボアンプ17へ供給される。
【0019】
このサーボアンプ17には、テレビカメラのパン(左右方向)動作、チルト (上下方向)動作、カメラ部内レンズのフォーカス動作、ズーム動作をするために、それぞれの駆動系に対応してモータ18、位置検出器19及び速度検出器25が4組接続されており、これらのモータ18と各駆動対象物との間は複数のギヤによって接続される。従って、それぞれの駆動系によって多少相違するバックラッシュが存在することになる。尚、上記位置検出器19の出力は、A/D変換器20、I/O部14を介して、後述するCPU22へ供給される。
【0020】
また、サーボアンプ17は、CPU22から与えられる位置/速度制御切替信号によりモータ18の制御を位置制御と速度制御とに切り替えられるようになっており、位置/速度制御切替信号によりサーボアンプ17が位置制御に切り替えられた場合には、位置検出器19(及び速度検出器25)の出力がサーボアンプ17にフィードバックされると共に、CPU22からサーボアンプ17に与えられる制御信号が位置制御信号として認識される。そして、位置制御信号の電圧が示す目標位置と位置検出器19の出力電圧が示す現在位置(検出位置)との比較により、検出位置が目標位置となるようにモータ18が駆動される。尚、位置検出器19は、モータ18によって駆動される駆動対象物の位置を検出しており、バックラッシュでのモータ18の駆動時にはその出力電圧は変化しない。
【0021】
一方、位置/速度制御切替信号によりサーボアンプ17が速度制御に切り替えられた場合、位置検出器19の出力はサーボアンプ17にフォードバックされず、速度検出器25の出力のみがサーボアンプ17にフィードバックされると共に、CPU22からサーボアンプ17に与えられる制御信号が速度制御信号として認識される。そして、速度制御信号の電圧が示す目標速度と速度検出器25の出力電圧が示す現在速度(検出速度)との比較により、検出速度が目標速度となるようにモータ18が駆動される。尚、速度検出器25は、モータ18の回転速度を検出しており、バックラッシュでのモータ18の駆動時においてもモータ18の回転速度に応じた出力電圧がサーボアンプ17に与えられる。
【0022】
ここで、本明細書において、サーボアンプ17及び後述するCPU22での処理を含めて何らかの目標位置をもち、その目標位置となるようにモータ18を駆動する場合のモータ18の制御を位置制御と定義し、サーボアンプ17及びCPU22での処理を含めて何らかの目標速度をもち、その目標速度となるようにモータ18を駆動する場合のモータ18の制御を速度制御と定義すると、本明細書中の実施の形態(第1〜第3の実施の形態)では、位置検出器19の出力(検出位置)をサーボアンプ17にフィードバックする場合をモータ18の位置制御ということができ、位置検出器19の出力をサーボアンプ17にフォードバックしない場合をモータ18の速度制御ということができる。
【0023】
また、本サーボ回路には各種制御を統轄するCPU22が配置され、ショット位置情報や現在の駆動方向を記憶するメモリ(RAM)23、制御プログラムが記憶されているメモリ(ROM)24が配置される。
【0024】
CPU22は、上述のように雲台の操作部から与えられた操作信号に対応して対象の駆動系の目標位置又は目標速度を設定し、対象の駆動系をその目標位置又は目標速度に設定するための位置制御信号又は速度制御信号をI/O部14及びD/A変換器16を介してサーボアンプ17に出力する。尚、実際には、目標位置又は目標速度の設定と、その目標位置又は目標速度に対応する位置制御信号又は速度制御信号の電圧値の設定とがそれぞれ個別の処理で行われるのでなく、位置制御信号又は速度制御信号の電圧値を設定する処理自体が目標位置又は目標速度を設定する処理に該当する。また、CPU22は、I/O部14を介してサーボアンプ17に位置/速度制御切替信号を与えてサーボアンプ17を位置制御又は速度制御に切り替えることにより、上述のように目標位置を設定して位置制御信号をサーボアンプ17に出力する場合には、サーボアンプ17を位置制御の状態に設定し、目標速度を設定して速度制御信号をサーボアンプ17に出力する場合には、サーボアンプ17を速度制御の状態に設定する。
【0025】
ここで例えば、ジョイスティック12は、操作者が垂直位置からの傾斜角度及び傾斜方向(操作量)を操作することによってその傾斜角度及び傾斜方向に応じたパン方向及びチルト方向への駆動速度を指示できるようにしたものであり、この操作量に応じた電圧の操作信号がジョイスティック12からCPU22に与えられるようになっている。この操作信号に対してCPU22は、目標位置を設定して位置制御信号をサーボアンプ17に出力する場合と、目標速度を設定して速度制御信号をサーボアンプ17に出力する場合とがあり、前者の場合、CPU22は、ジョイスティック12から与えられた操作信号に積分等の処理を施して、その操作信号が指示する速度での駆動と同等となるように目標位置を逐次更新しながら目標位置に対応した電圧の位置制御信号をサーボアンプ17に出力する。一方、後者の場合、CPU22は、ジョイスティック12から与えられた操作信号が指示する速度を目標速度とし、その目標速度に対応した電圧の速度制御信号をサーボアンプ17に出力する。尚、前者の場合には、後述のバックラッシュの制御について第1及び第2の実施の形態が適用され、後者の場合には後述の第3の実施の形態が適用される。
【0026】
また例えば、操作部の所定の操作スイッチ10が操作され(ショットスイッチが押され)、その操作信号がCPU22に与えられると、CPU22は、上記RAM23に記憶されたショット位置情報を読み出し、そのショット位置情報に基づいて目標位置を設定し、その目標位置に対応した電圧の位置制御信号をサーボアンプ17に出力する。
【0027】
尚、雲台の操作部にはパン動作やチルト動作を操作するジョイスティック12だけでなく、カメラ部内レンズのフォーカス動作やズーム動作を操作するための操作部材と、その操作を操作信号としてCPU22に与える検出器も設置されているが、本実施の形態では、ジョイスティック12とショット位置情報に基づいて駆動系を駆動する場合についてのみ説明する。
【0028】
一方、CPU22は、ジョイスティック12からの操作信号、又は、ショット位置情報に基づいて新たな目標位置又は目標速度を設定する際に、新たな駆動方向が現在の駆動方向と反転することになる駆動系が存在するときには、駆動系の実質的な駆動のための制御処理とは別のバックラッシュを除去するための特別の制御処理を実行する。
【0029】
ジョイスティック12の操作信号に基づいて各駆動系の実質的な駆動を制御する場合には、その操作信号からジョイスティック12の操作方向を知ることにより、各駆動系の新たな駆動方向を認識することができる。一方、ショット位置情報に基づいて各駆動系の実質的な駆動を制御する場合には、ショット位置情報に基づいて設定する目標位置の変化や、目標位置と位置検出器19により取得される現在位置との関係により各駆動系の新たな駆動方向を認識することができる。これに対して、CPU22は、上述のようにして各駆動系の駆動方向を検出すると共に、その駆動方向の情報を逐次更新しながらRAM23に記憶させるようにしており、上記現在の駆動方向は、RAM23に記憶されている駆動方向の情報から読み取ることができる。これにより、新たな駆動方向が現在の駆動方向と反転(反転駆動)することになるか否かが判断される。尚、各駆動系の駆動時において位置検出器19から取得される現在位置(検出位置)の変化から各駆動系の現在の駆動方向を検出することもできる。
【0030】
また、反転駆動になると判断し、バックラッシュを除去するための制御処理を行う場合、CPU22は、ROM24に記憶されているバックラッシュ駆動時間t1を読み出し、その駆動時間t1においてバックラッシュを除去するための位置制御信号又は速度制御信号をサーボアンプ17に出力する。これによってバックラッシュ分のモータ18の駆動が行われる。ここで、詳細を後述するようにバックラッシュ分のモータ18の駆動においては、モータ18の回転速度が最大となるように制御され、バックラッシュ分の駆動時間の短縮が図られている。
【0031】
バックラッシュ分のモータ18の駆動が終了すると、CPU22は、各駆動系の実質的な駆動のための制御処理を開始する。尚、上記ROM24には、各駆動系のバックラッシュ駆動時間t1が記憶されており、この駆動時間t1は複数の値から選択できるように構成される。また、上記バックラッシュ駆動時間t1は、実際の駆動時において検出されたモータ電流値等の変化に基づき、上記CPU22で演算することにより、自動的に設定することもできる。
【0032】
更に、CPU22は4つの駆動系のバックラッシュを考慮して、各駆動系の実質的な駆動を同時に行うように制御している。即ち、パン、チルト、フォーカス、ズームの各駆動系ではバックラッシュ量が多少相違し、これらが同時に反転駆動されると、相互間に動きのずれが生じる。また、一方が正転駆動で、他方が反転駆動される場合もあり、この場合も相互間に動きのずれが生じる。そこで、本実施の形態では反転駆動する駆動系、又はこの駆動系の中で最もバックラッシュ駆動時間t1が長い駆動系のバックラッシュ分の駆動が終了した後に、全ての駆動系の実質的な駆動を同時に開始制御するようにしている。これにより、操作通りの軌跡で駆動が実行可能となる。
【0033】
更に、CPU22は、上記ジョイスティック12からの操作信号に基づいて各駆動系(パン、チルトの駆動系)の実質的な駆動を制御する場合、ジョイスティック12から操作信号を次のように処理する。図2には、ジョイスティック12の操作領域が示されており、図に示されるように、棒状の操作レバー26は全方位方向で垂直位置から位置Q1又は位置Q2まで倒せるようになっている。そして、Dが不感帯領域、Eがバックラッシュ操作領域、Fが実際の操作領域として設定されている。CPU22は、ジョイスティック12からの操作信号により操作レバー26が不感帯領域Dにあると判断したときには、駆動系の駆動を行わず、駆動系を静止状態にする。一方、ジョイスティック12からの操作信号により操作レバー26がバックラッシュ操作領域Eにあると判断したときには、不感帯領域Dと同様に駆動系の実質的な駆動を行わないが、上述のようにその操作方向に対応する駆動系の新たな駆動方向が現在の駆動方向と反転となる場合には、バックラッシュを除去するための制御処理を実行する。このように駆動系の実質的な駆動が行われないバックラッシュ操作領域Eにおいてバックラッシュを除去するための駆動系の駆動を行うことで、実際の操作領域Fにおけるジョイスティック12の実質的な操作において、実際の駆動と一致した操作感覚が得られるという利点がある。
【0034】
本実施の形態におけるサーボ回路は以上の構成からなり、以下、CPU22におけるバックラッシュを除去するための制御処理の内容についての第1乃至第3の実施の形態を順に説明する。
【0035】
まず、第1の実施の形態を図3〜図5に基づいて説明する。第1の実施の形態は、駆動系の実質的な駆動の制御がショット位置情報又はジョイスティック12からの操作信号に基づいて位置制御により行われる場合に適用され、バックラッシュを除去するための制御も位置制御により行われる場合である。駆動系の実質的な駆動の制御がショット位置情報に基づいて行われる場合、CPU22は、上述のように所定の操作スイッチ10が操作されたことを検出すると、RAM23に記憶されたショット位置情報を読み出し、そのショット位置情報に基づいて目標位置を設定してその目標位置に対応した電圧の位置制御信号をサーボアンプ17に出力する。これによってサーボアンプ17がモータ18を位置制御し、駆動対象物が前記目標位置へ駆動される。一方、目標位置と現在位置との比較(及び現在の駆動方向との比較)において、反転することになる駆動系が存在する場合は、バックラッシュを除去するための制御処理が実行される。この制御処理においてCPU22は、ROM24からバックラッシュ駆動時間t1を読み出し、そのバックラッシュ駆動時間t1の間、バックラッシュ分だけモータ18の駆動するための位置制御信号をサーボアンプ17に出力する。尚、後述のように、このバックラッシュ駆動時間t1は実際のバックラッシュ分を完全に駆動させる時間t1´(図3)よりも短い時間に設定されており、これによりモータ回転数が大きくなり過ぎないように制御される。
【0036】
バックラッシュ駆動時間t1が経過すると、CPU22は位置制御信号をバックラッシュ駆動開始時の値に戻し、ショット位置情報に基づいて駆動系の実質的な駆動の制御を開始する。即ち、ショット位置情報に基づく位置制御信号をサーボアンプ17に出力する。
【0037】
図3には、反転駆動する駆動系で位置P1から位置P2まで駆動対象物を移動させる場合の制御状態が示されており、図(A)に示されるように、まずバックラッシュ駆動時間t1の間において、位置信号電圧Vpの位置制御信号がサーボアンプ17へ与えられる。これにより、図(C)に示されるバックラッシュ分Bが駆動される。そして、図示のように、バックラッシュ分Bを完全に駆動させるためには、t1´の時間が必要となるが、これよりも少し手前の時間t1で、図(A)に示されるように、時間t2において位置信号電圧Vpが元の値に戻された後、目標位置P2に向かって位置信号電圧Vpが出力される。従って、この新たな位置信号電圧Vpによって、駆動対象物は位置P1から位置P2まで駆動されることになる。
【0038】
このときのモータ18の回転数が図(D)に示されており、最初に回転数が最高速度まで上昇した後、時間t1後に回転数が下がり、バックラッシュ分Bが駆動されて実際の駆動に入る時点(時間t1´後)では、駆動対象物の動き出しと等しい安定した回転数となる。従って、パン、チルト、ズーム、フォーカス動作における駆動対象物の急激な動きは防止され、自然な動きの駆動が実現される。
【0039】
また、上記バックラッシュ駆動時間t1における位置信号電圧Vpは、モータ18の回転速度が最大(駆動源の最高速度)となるように変化しており、バックラッシュ分Bを駆動する時間の短縮化が図られている。ここで、反転駆動する駆動系で位置P1から位置P2まで駆動対象物を移動させる場合における従来の位置制御信号(位置信号電圧)の状態と本実施の形態における位置制御信号(位置信号電圧)の状態とをそれぞれ図4(A)、図4(B)に比較して示す。図(A)に示すように従来では、バックラッシュ駆動時間t3における位置信号電圧が、駆動対象物を実際に駆動する時間t4における位置信号電圧と同一の変化率により変化するようになっているため、駆動対象物を実際に駆動する際の動作スピードが遅いと、バックラッシュ駆動時間t3も長くなる。これに対して、本実施の形態では、バックラッシュ駆動時間t1における位置信号電圧が、駆動対象物を実際に駆動する時間t2における位置信号電圧とは無関係に、上述のようにモータ18の回転速度が最大となるように変化するため、駆動対象物を実際に駆動する際の動作スピードが遅くても、バックラッシュ駆動時間t1は短く、t1<t3となる。尚、バックラッシュ駆動時間t1はモータ18を最高速度で駆動した場合を考慮して設定され上記ROM24に記憶される。また、バックラッシュ駆動時間t1において位置制御信号をバックラッシュ量B(図3(C)参照)に相当する電圧だけ上昇させるようにすると好適である。ただし、これに限定されない。また、バックラッシュ駆動時間t1において図3(A)に示したように位置制御信号の電圧を徐々に変化させるのではなく、位置制御信号の電圧を現在位置から大きく離れた目標位置に対応する電圧に瞬時に切り替えることにより、モータ18の回転速度を最大にするようにしてもよい。
【0040】
次に、駆動系の実質的な駆動の制御がジョイスティック12からの操作信号に基づいて行われる場合について図5のフローチャートを用いて説明する。尚、CPU22は、上述のようにジョイスティック12からの操作信号に基づいて目標位置を設定して位置制御信号をサーボアンプ17に出力するものとする。また、この場合における制御も図3に示した制御状態と同様に行われるため詳細な説明を省略する。まず、ステップ101で操作レバー26の操作量がCPU22へ入力されると、ステップ102にてその操作量が不感帯領域Dにあるか否かの判定を行う。そして、Y(Yes)のときはステップ103でバックラッシュフラグ(BF)を0にリセットし、N(No)のときはステップ104へ移行して、上記操作レバー26の操作量がバックラッシュ操作領域Eにあるか否かの判定を行う。このステップ104で、Yのとき、即ちバックラッシュ操作領域Eに操作レバー26が操作されているときは、ステップ105に移行して現在の操作方向が前回の駆動方向と一致するか否かの判定を行う。即ち、ここでモータ18が反転することになるか正転することになるかの判定が行われる。
【0041】
そして、このステップ105で操作方向が前回の駆動方向と一致していると判定すれば(Yのとき)、今回の制御動作を終了するが、操作方向が前回の駆動方向と一致せず、反転動作となる場合(Nのとき)は、ステップ106にて、BFが1であるか否かの判定を行う。即ち、バックラッシュ分が既に駆動されている場合は、このBFが1となるので、今回の操作でバックラッシュ分が駆動されているか否かを判定することになる。そして、このステップ106でバックラッシュフラグが1でないと判定したとき(Nのとき)は、次のステップ107で、図3(A)のようにモータ18の回転速度が最大となるような位置信号電圧Vpの位置制御信号がサーボアンプ17へ出力され、上記駆動時間t1の間のバックラッシュ分の駆動がモータ18により実行され、次のステップ108へ移行する。
【0042】
このステップ108では、再び操作レバー26がバックラッシュ操作領域Eにあるか否かの判定を行い、Nのとき、即ちバックラッシュの駆動がほぼ終了するときは、ステップ109にて上記位置信号電圧Vpを元に戻し、新たな位置信号電圧Vpの位置制御信号をサーボアンプ17へ出力し、その後に上記BFを1にセットする。従ってこの時点で、上記バックラッシュ操作領域Eの操作時間によって設定されたバックラッシュ駆動時間のモータ駆動が終了することになる。
【0043】
また、上記ステップ104にて、Nのとき、即ち操作レバー26が実質的な操作領域Fにあるときは、ステップ110にて、位置信号電圧Vpをサーボアンプ17へ出力して位置制御を行い、ステップ111では、モータ18の駆動方向をRAM23へ記憶して、動作を終了する。従って、ここでは図3の時間t2における安定した駆動が実行され、これによってパン、チルト、ズーム、フォーカスの各駆動系が操作レバー26の操作量に応じて駆動される。
【0044】
次に、上述のようにいずれかの駆動系においてバックラッシュを除去するための駆動を行った場合において、各駆動系の実質的な駆動を同時に開始する場合の開始時の動作について図6で説明する。同図において、パンをA駆動系、チルトをB駆動系とし、例えばA駆動系では図6(A)に示されるバックラッシュ駆動時間t1Aが設定され、B駆動系では図6(B)に示されるバックラッシュ駆動時間t1Bが設定されており、両者を反転駆動するものとする。この場合は、B駆動系のバックラッシュ駆動時間t1Bの駆動が終了しても、直に次の新たな位置制御は行われず、A駆動系のバックラッシュ駆動時間t1Aが終了したときを開始時点Tpとして、A,Bの両駆動系で新たな位置制御が開始される。従って、この場合はパン、チルトのいずれかの動作が遅れるということはなく、例えば、テレビカメラが意図しない曲がった軌跡を経ることなく、移動開始位置から移動終了位置へ真っ直ぐ移動し、操作通りの動きが達成できることになる。
【0045】
また、図6(C)はB駆動系が正転駆動される場合を示しており、この場合はバックラッシュ駆動時間t1Bが0となる。この場合も、A駆動系のバックラッシュ分の駆動が終わるまで、B駆動系の動作を保留し、開始時点TpからA,Bの両駆動系の次の新たな位置制御が開始される。この同時開始制御は、4つの駆動系の相互間で実行されるが、特にパンとチルトの関係、パン、チルト、フォーカスとズームの関係において重要となる。
【0046】
以上、上記第1の実施の形態は、ショット位置情報やジョイスティック12からの操作信号に基づく場合に限らず、駆動系の実質的な駆動を位置制御により行う場合に適用できる。
【0047】
また、上記第1の実施の形態では、駆動系の実質的な駆動の制御をバックラッシュ分のモータ18の駆動が完全に行われる前(バックラッシュ駆動時間t1の経過時)に開始するようにしているが、バックラッシュ分の駆動が完全に行われたとき(時間t1´経過時)に開始するようにしてもよい。
【0048】
また、上記第1の実施の形態では、テレビカメラ及び雲台の制御について説明したが、これらの制御に限らず、本発明は各種の装置を位置制御するサーボ回路に適用することができる。また、手動操作手段として、ジョイスティックを用いた例を示したが、これに限らず、手動操作手段にはトラックボールのような他の操作手段を用いることができる。
【0049】
次に、第2の実施の形態を図7〜図9に基づいて説明する。第2の実施の形態は、駆動系の実質的な駆動の制御が第1の実施の形態と同様にショット位置情報又はジョイスティック12からの操作信号に基づいて位置制御により行われる場合に適用され、バックラッシュを除去するための制御が速度制御により行われる場合である。駆動系の実質的な駆動の制御がショット位置情報に基づいて行われる場合、CPU22は、上述のように所定の操作スイッチ10が操作されたことを検出すると、RAM23に記憶されたショット位置情報を読み出し、そのショット位置情報に基づいて目標位置を設定し、その目標位置に対応した電圧の位置制御信号をサーボアンプ17に出力する。これによってサーボアンプ17がモータ18を位置制御し、駆動対象物が前記目標位置へ駆動される。一方、目標位置と現在位置との比較(及び現在の駆動方向との比較)において、反転することになる駆動系が存在する場合は、バックラッシュを除去するための制御処理が実行される。この制御処理においてCPU22は、位置/速度制御切替信号によりサーボアンプ17を速度制御に切り替えると共に、ROM24からバックラッシュ駆動時間t1を読み出し、そのバックラッシュ駆動時間t1の間、バックラッシュ分だけモータ18の駆動するための速度制御信号をサーボアンプ17に出力する。
【0050】
バックラッシュ駆動時間t1が経過すると、CPU22は、位置/速度制御切替信号によりサーボアンプ17を位置制御に切り替えると共に、ショット位置情報に基づいて駆動系の実質的な駆動の制御を開始する。即ち、ショット位置情報に基づく位置制御信号をサーボアンプ17に出力する。
【0051】
図7には、反転駆動する駆動系で位置P1から位置P2まで駆動対象物を移動させる場合の制御状態が示されており、図(A)に示されるように、バックラッシュ駆動時間t1の間では、速度制御電圧V1の速度制御信号がモータ18へ与えられ、図(B)の位置制御信号は与えられない。これにより、図(D)に示されるバックラッシュ分Bが駆動され、モータ回転数は図(E)に示されるようなる。そして、バックラッシュ駆動時間t1の後に、時間t2の間で図(B)の位置信号電圧Vpの位置制御信号が与えられ、これによって駆動対象物は位置P1から位置P2まで駆動される。このようにして、図(E)に示されるように、駆動対象物の実質的な駆動が開始されたときにはモータ18では常に安定した回転数を維持することになる。従って、パン、チルト、ズーム、フォーカス動作における駆動対象物の急激な動きが防止され、自然な動きの駆動が達成される。
【0052】
また、上記バックラッシュ駆動時間t1における速度制御電圧V1は、バックラッシュ駆動時間t1が経過する所定時間前まで(時間t1´が経過するまで)モータ18の回転速度が最大(駆動源の最高速度)となる電圧に設定されており、バックラッシュ分Bを駆動する時間の短縮化が図られている。ここで、反転駆動する駆動系で位置P1から位置P2まで駆動対象物を移動させる場合における従来の速度制御信号及び位置制御信号の状態と本実施の形態における速度制御信号及び位置制御信号の状態とをそれぞれ図8(A)、図8(B)に比較して示すと、従来では、バックラッシュ駆動時間t3における速度制御電圧が、駆動対象物を実際に駆動する時間t4における位置制御信号による動作スピードと同一になるように設定されるため、駆動対象物を実際に駆動する際の動作スピードが遅いと、バックラッシュ駆動時間t3も長くなる。これに対して、本実施の形態では、バックラッシュ駆動時間t1における速度制御信号が、駆動対象物を実際に駆動する時間t2における位置制御信号による動作スピードとは無関係に、モータ18の回転速度が最大となるような電圧に設定されるため、駆動対象物を実際に駆動する際の動作スピードが遅くても、バックラッシュ駆動時間t1は短く、t1<t3となる。尚、バックラッシュ駆動時間t1はモータ18を最高速度で駆動した場合における値として設定されている。
【0053】
次に、駆動系の実質的な駆動の制御がジョイスティック12からの操作信号に基づいて行われる場合について図9のフローチャートを用いて説明する。尚、CPU22は、上述のようにジョイスティック12からの操作信号に基づいて目標位置を設定して位置制御信号をサーボアンプ17に出力するものとする。また、この場合における制御も図7に示した制御状態と同様に行われるため詳細な説明を省略する。まず、ステップ201で操作レバー26の操作量がCPU22へ入力されると、ステップ202にてその操作量が不感帯領域Dにあるか否かの判定を行う。そして、Y(Yes)のときはステップ203でバックラッシュフラグ(BF)を0にリセットし、N(No)のときはステップ204へ移行して、上記操作レバー26の操作量がバックラッシュ操作領域Eにあるか否かの判定を行う。このステップ204で、Yのとき、即ちバックラッシュ操作領域Eに操作レバー26が操作されているときは、ステップ205に移行して現在の操作方向が前回の駆動方向と一致するか否かの判定を行う。即ち、ここでモータ18が反転することになるか同方向回転となるかの判定が行われる。
【0054】
そして、このステップ205で操作方向が前回の駆動方向と一致していると判定すれば(Yのとき)、今回の制御動作を終了するが、操作方向が前回の駆動方向と一致せず、反転動作となる場合(Nのとき)は、ステップ206にて、BFが1であるか否かの判定を行う。即ち、バックラッシュ分が既に駆動されている場合は、このBFが1となるので、今回の操作でバックラッシュ分が駆動されているか否かを判定することになる。そして、このステップ206でバックラッシュフラグが1でないと判定したとき(Nのとき)は、次のステップ207で、図7(A)のようにモータ18の回転速度が最大となるような速度制御電圧V1の速度制御信号がサーボアンプ17へ出力される。ここで、上述した図7の時間t1に相当する操作時間でバックラッシュ分の駆動が、所定回転数のモータ18により実行される。このバックラッシュ分の駆動が終了すると、次のステップ208へ移行し、上記BFを1にセットして制御動作を終了する。
【0055】
また、上記ステップ204にて、Nのとき、即ち操作レバー26が実質的な操作領域Fにあるときは、ステップ209にて、位置信号電圧Vpの位置制御信号をサーボアンプ17へ出力して通常の位置制御を行い、ステップ210では、モータ18の駆動方向をRAM23へ記憶して、動作を終了する。従って、ここでは図7の時間t2における安定した駆動が実行され、これによってパン、チルト、ズーム、フォーカスの各駆動系が操作レバー26の操作量に応じて駆動される。
【0056】
以上、上記第2の実施の形態は、ショット位置情報やジョイスティック12からの操作信号に基づく場合に限らず、駆動系の実質的な駆動を位置制御により行う場合に適用できる。
【0057】
また、上記第2の実施の形態では、テレビカメラ及び雲台の制御について説明したが、これらの制御に限らず、本発明は各種の装置を位置制御するサーボ回路に適用することができる。また、手動操作手段として、ジョイスティックを用いた例を示したが、これに限らず、手動操作手段にはトラックボールのような他の操作手段を用いることができる。
【0058】
また、上述のようにいずれかの駆動系においてバックラッシュを除去するための駆動を行った場合において、各駆動系の実質的な駆動を同時に開始する場合の開始時の動作は、第1の実施の形態において図6で説明したのと同様に行うことができる。
【0059】
次に、第3の実施の形態を図10〜図12に基づいて説明する。第3の実施の形態は、駆動系の実質的な駆動の制御がジョイスティック12からの操作信号に基づいて速度制御により行われる場合に適用され、バックラッシュを除去するための制御も速度制御により行われる場合である。駆動系の実質的な駆動の制御がジョイスティック12からの操作信号に基づいて速度制御により行われる場合、CPU22は、上述のようにジョイスティック12から与えられた操作信号が指示する速度を目標速度とし、その目標速度に対応した電圧の速度制御信号をサーボアンプ17に出力する。これによってサーボアンプ17がモータ18を速度制御し、駆動対象物が前記目標速度で駆動される。一方、ジョイスティック12の操作方向と現在の駆動方向との比較において、反転することになる駆動系が存在する場合は、バックラッシュを除去するための制御処理が実行される。この制御処理においてCPU22は、ROM24からバックラッシュ駆動時間t1を読み出し、そのバックラッシュ駆動時間t1の間、バックラッシュ分だけモータ18の駆動するための速度制御信号をサーボアンプ17に出力する。
【0060】
バックラッシュ駆動時間t1が経過すると、CPU22はジョイスティック12からの操作信号に基づいて駆動系の実質的な駆動の制御を開始する。即ち、ジョイスティック12からの操作信号に基づく位置制御信号をサーボアンプ17に出力する。
【0061】
図10には、反転駆動する駆動系で位置P1から位置P2まで所定速度で駆動対象物を移動させる場合の制御状態が示されている。図(A)に示されるように、バックラッシュ駆動時間t1の間では、VCBの速度制御電圧の速度制御信号がサーボアンプ17へ与えられ、その後、時間t2の間で駆動対象物を位置P1から位置P2まで所定の速度で駆動するための速度制御電圧Vcの速度制御信号が与えられる。即ち、上記速度制御電圧VCBは、バックラッシュ駆動時間t1が経過する所定時間前まで(時間t1´の間で)モータ18の回転速度が最大(駆動源の最高速度)となる電圧に設定されており、バックラッシュ分Bを駆動する時間の短縮化が図られている。また、所定時間t1´の経過後、バックラッシュ駆動時間t1が経過するまでの間で、モータ18の回転速度を、駆動対象物の実際の駆動時よりも低い速度となるように切り替えているため、駆動対象物は、同図(B)に示すように緩やかな立上がり部400の速度で動くことになる。従って、パン、チルト、ズーム、フォーカス動作における駆動対象物の急激な動きが防止され、自然な動きの駆動が達成される。
【0062】
反転駆動する駆動系で位置P1から位置P2まで所定の速度で駆動対象物を移動させる場合における従来の速度制御信号(速度制御電圧)の状態と本実施の形態における速度制御信号の状態とをそれぞれ図11(A)、図11(B)に比較して示すと、従来では、バックラッシュ駆動時間t3における速度制御電圧が、駆動対象物を実際に駆動する時間t4における速度制御信号による動作スピードよりも小さくなるような電圧に設定されるため、駆動対象物を実際に駆動する際の動作スピードが遅いと、バックラッシュ駆動時間t3も長くなる。これに対して、本実施の形態では、バックラッシュ駆動時間t1における速度制御電圧が、駆動対象物を実際に駆動する時間t2における速度制御信号とは無関係に、上述のようにモータ18の回転速度が最大となるような電圧に設定されるため、駆動対象物を実際に駆動する際の動作スピードが遅くても、バックラッシュ駆動時間t1は短く、t1<t3となる。尚、バックラッシュ駆動時間t1はモータ18を最高速度で駆動した場合における値として設定されている。
【0063】
図12には、この場合におけるCPU22の処理手順を示すフローチャートが示されている。まず、ステップ301で操作レバー26の操作量がCPU22へ入力されると、ステップ302にてその操作量が不感帯領域Dにあるか否かの判定を行う。そして、Y(Yes)のときはステップ303でバックラッシュフラグ(BF)を0にリセットし、N(No)のときはステップ304へ移行して、上記操作レバー26の操作量がバックラッシュ操作領域Eにあるか否かの判定を行う。このステップ304で、Yのとき、即ちバックラッシュ操作領域Eに操作レバー26が操作されているときは、ステップ305に移行して現在の操作方向が前回の駆動方向と一致するか否かの判定を行う。即ち、ここでモータ18が反転することになるか正転することになるかの判定が行われる。
【0064】
そして、このステップ305で操作方向が前回の駆動方向と一致していると判定すれば(Yのとき)、今回の制御動作を終了するが、操作方向が前回の駆動方向と一致せず、反転動作となる場合(Nのとき)は、ステップ306にて、BFが1であるか否かの判定を行う。即ち、バックラッシュ分が既に駆動されている場合は、このBFが1となるので、今回の操作でバックラッシュ分が駆動されているか否かを判定することになる。そして、このステップ306でバックラッシュフラグが1でないと判定したとき(Nのとき)は、次のステップ307で、図10(A)のようにモータ18の回転速度が最大となるような速度制御電圧VCBの速度制御信号がサーボアンプ17へ出力される。これによって、上述した図10の時間t1に相当する操作時間で最大速度によるバックラッシュ分の駆動がモータ18により実行される。このバックラッシュ分の駆動が終了すると、次のステップ308へ移行し、上記BFを1にセットして制御動作を終了する。
【0065】
また、上記ステップ304にて、Nのとき、即ち操作レバー26が実質的な操作領域Fにあるときは、ステップ309にて、速度制御電圧Vcをサーボアンプ17へ出力して通常の速度制御を行い、ステップ310では、モータ18の駆動方向をRAM23へ記憶して、動作を終了する。従って、バックラッシュ駆動後でも滑らかな駆動系の動作が行われ、その後は図10の時間t2における安定した駆動が実行される。このようにして、パン、チルト、ズーム、フォーカスの各駆動系が操作レバー26の操作量に応じて駆動される。
【0066】
以上、上記第3の実施の形態は、ジョイスティック12からの操作信号に基づく場合に限らず、駆動系の実質的な駆動を速度制御により行う場合に適用できる。
【0067】
また、上記第3の実施の形態のように駆動系の実質的な駆動の制御を速度制御により行う場合であっても、第1の実施の形態のようにバックラッシュを除去するための制御を位置制御により行うことも可能である。
【0068】
また、上記第3の実施の形態では、テレビカメラ及び雲台の制御について説明したが、これらの制御に限らず、本発明は各種の装置を速度制御するサーボ回路に適用することができる。また、手動操作手段として、ジョイスティックを用いた例を示したが、これに限らず、手動操作手段にはトラックボールのような他の操作手段を用いることができる。
【0069】
【発明の効果】
以上説明したように本発明に係るモータ制御装置によれば、モータを反転駆動する際にバックラッシュ分のモータの駆動を最高速度により行うようにしたため、駆動対象物が実際に動き出すまでの時間を短縮することができる。また、バックラッシュ分の駆動が終了する前にモータの速度を低速に切り替えることによって、駆動対象物の動き出しを好適に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明に係るモータ制御装置の実施の形態におけるサーボ回路の構成を示した図である。
【図2】図2は、ジョイスティックの操作領域の説明に使用した図である。
【図3】図3は、第1 の実施の形態において反転駆動する駆動系で位置P1 から位置P2 まで駆動対象物を移動させる場合の制御状態を示した図である。
【図4】図4は、従来と第1の実施の形態との比較に使用した図である。
【図5】図5は、第1の実施の形態においてジョイスティックによる制御動作を示したフローチャートである。
【図6】図6は、各駆動系が同時に駆動される場合の開始時の動作を示した図である。
【図7】図7は、第2の実施の形態において反転駆動する駆動系で位置P1 から位置P2 まで駆動対象物を移動させる場合の制御状態を示した図である。
【図8】図8は、従来と第2の実施の形態との比較に使用した図である。
【図9】図9は、第2の実施の形態においてジョイスティックによる制御動作を示したフローチャートである。
【図10】図10は、第3の実施の形態において反転駆動する駆動系で位置P1から位置P2まで駆動対象物を移動させる場合の制御状態を示した図である。
【図11】図11は、従来と第3の実施の形態との比較に使用した図である。
【図12】図12は、第3の実施の形態においてジョイスティックによる制御動作を示したフローチャートである。
【符号の説明】
10…操作スイッチ、12…ジョイスティック、17…サーボアンプ、18…モータ、19…位置検出器、22…CPU、23…RAM、24…ROM、25…速度検出器

Claims (1)

  1. モータを駆動制御し、該モータに連結された駆動系における駆動対象物の位置を制御するモータ制御装置であって、前記駆動対象物を反転駆動する場合に前記駆動系に配置されたギヤにより生じるバックラッシュを除去するための前記モータの駆動制御を行った後、前記駆動対象物を所定の目標位置に設定するための前記モータの位置制御を行うモータ制御装置において、
    前記バックラッシュを除去するための前記モータの駆動制御を行うモータ制御手段は、前記バックラッシュ分だけ前記モータを駆動する時間が終了する時点の所定時間前の時点まで前記モータを最高速度で駆動するように前記駆動対象物の目標位置を設定して位置制御し、前記所定時間前の時点において、前記駆動対象物の目標位置を、前記モータの最高速度での駆動を開始した時点での目標位置に戻して前記モータの速度を減速させることを特徴とするモータ制御装置。
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