JP4012419B2 - 木質チップ配向積層体 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、木質チップ配向積層体に関する。
【0002】
【従来の技術】
合成木材(木質系複合材)として例えば、細長い木質材料片(以下、木質チップ)と結合剤の混和物を木質チップの長手方向に向きを揃えて積層し、マット状にしてから加圧・加熱することによって得られることが知られている。このようにして製造される木質系複合材の内、構造用材料用途のものは必要十分な強度を得るために、一般的には15cm以上の繊維方向長さを有する木質材片が用いられている(例えば、特公昭50−17512号公報)。
【0003】
しかしながら、上記木質チップを積層して合成木材とする場合、加熱・加圧することにより木質チップが圧縮され、天然木が本来有する空隙を潰されることになってしまい、得られる成形体(木質チップ配向積層体)の密度は通常の天然木材よりも高比重になってしまうという問題がある。また、加圧力を落とすことにより、得られる木質チップ配向積層体を低密度にすることも考えらえるが、その場合上記積層体の物理的強度は低下してしまい構造用材料用途のものに必要十分な強度が得られないという問題がある。
【0004】
また、近年、リサイクルという観点から木材の廃棄物を有効利用する検討が色々と試みられている。しかしながら、木材の廃棄物を原材料として利用する場合、15cm以上の繊維方向長さを有する木質材料片は得られにくい。すなわち、木材廃棄物には、工場や住宅建築現場で発生する端材、部材輸送後に廃棄される廃パレット材、建築解体時に発生する解体廃材等があるが、これらからは15cm未満の比較的短い木質チップしか得られないのが現状であり、これら木質チップから構造用強度を必要とする木質系複合材を得ることは困難である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、上記従来の木質系複合材料の製造方法上の問題点に鑑みてなされたものであり、短い木質チップを用いた場合であっても、密度が高くなり過ぎずに、構造材としても充分使用出来る木質チップ配向積層体を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、木質チップを一定方向に配向積層されてなる木質チップ配向積層体において、上記木質チップ自身の空隙保持率は少なくとも30%以上あり、各木質チップ間の空隙率は全断面積中、0〜20%となるように圧縮されている木質チップ配向積層体である。
【0007】
上記木質チップとして用いられる樹種としては、スギ、ヒノキ、スプルース、ファー、ラジアータパイン等の針葉樹、シラカバ、アピトン、カメレレ、センゴンラウト、アスペン等の広葉樹等が挙げられるが、これら森林から生産される植物材料だけでなく、竹、コウリャンといった森林以外で生産される植物材料等も挙げられる。
【0008】
また、上記木質チップの利用出来る形態としては、上記樹種の丸太、間伐材等の生材料、工場や住宅建築現場で発生する端材、部材輸送後に廃棄される廃パレット材、建築解体時に発生する解体廃材等のリサイクル木材が資源有効利用という点で好ましく挙げられる。
【0009】
上記木質チップにする加工方法としては、ベニア加工したものを割り箸状に切断してスティックにするロータリーカッター、丸太を回転刃で切削してストランドにするフレーカー、表面に刃物のついたロールを回転させて木材を破砕する一軸破砕機等があり、それらを用いることにより木質チップを得る。
【0010】
上記破砕された木質チップの水分含有量は通常、高いが、含水率は小さい方が好ましい。そのような含水率としては、0〜10wt%が好ましい。
【0011】
本発明の木質チップ配向積層体は、上記破砕木質チップに結合剤をブレンドすることにより成形加工され易くなる。上記結合剤としては、フェノール樹脂、尿素樹脂、イソシアネート等、合板やパーティクルボード等に用いられる木材工業用の接着剤が挙げられ、これら接着剤は、単独或いは数種類を併用しても良い。上記結合剤の混和量は、木質チップの密度、形状、表面状態にもよるが、通常は木質チップの全重量に対して1〜20重量%が好ましい。
【0012】
上記木質チップと結合剤の混和方法としては、コンベア上やドラムブレンダー内等で、木質チップに対し、結合剤をスプレー等の塗布手段を用いることにより木質チップの表面に結合剤を付着させることにより行われることが好ましい。
【0013】
また、木質チップ配向積層体として成形する手段としては、上記木質チップと結合剤からなる混合物を一定方向に配向(並べ)させ、熱と圧力を同時にかけてプレス成形することが好ましい。
【0014】
上記加熱温度として、より低温で固める方が木質チップの空隙率を保持し易いという点で好ましい。また、加圧する圧力としては、木質チップの樹種により異なるが出来るだけ低圧でゆるやかに加圧する方が、木質チップ自身の内部空隙は変化させず、各チップ間の空隙を少なくするという点で好ましい。
【0015】
本発明の木質チップ配向積層体においては、上記木質チップの自身の空隙は、原材からなるべく圧縮されていない状態に保持されつつ、各木質チップ間の空隙は圧縮されている。
【0016】
より具体的には、上記木質チップ自身の空隙保持率は少なくとも30%以上必要である。上記空隙保持率が30%より小さくなると得られる木質チップ配向積層体の比重が大きくなり加工性や施工性が低下する。本発明でいう木質チップの空隙とは木質材料自身の内部に有する導管、師管などの空孔部分のことを意味する。また、上記空隙保持率とは、成形される前に上記木質材料自体が保有している空隙と、成形後に有する空隙の比率(成形後空隙/成形前空隙×100)を意味する。上記空隙率は、使用した木質チップ全体の成形前の比重と、成形後チップを再度取り出し測定した比重から求められる。
【0017】
また、各木質チップ間の空隙率は全断面積中、0〜20%であることが必要であり、好ましくは5〜20%である。小さくなることでチップ間の接着面積が増加し、成形体の機械強度が向上するからである。上記空隙率は20%を越えると機械強度が急激に低下する。上記チップ間の空隙率は全断面積に対して、画像処理法を用いて測定することにより求めることが出来る。
【0018】
(作 用)
破砕された木質チップを一定方向に配向積層されてなる成形体において、木質チップの空隙(導管、師管)保持率は少なくとも30%以上に保持されており、かつ、チップ間の空隙は潰されていることで木材としての比重を保持しつつ、強度の高い成形体を得ることが可能である。
【0019】
【発明の実施の形態】
(実施例1)
図1に示したプロセスにより木質チップ配向積層体を作成した。
(a)に示したように、木材廃棄物処理業者から購入したボード用チップを、ウェーブローラー方式の分級機ウェブローラースクリーン(たいへい社製)を用いて、厚み1〜15mmの木質チップを分級した。上記木質チップを、加熱オーブン(50℃、24hr)にて含水量を5.2%に調整した(b)。
【0020】
次に、(c)に示したように、ドラムブレンダーに上記分級したチップを投入し、結合剤としてイソシアネート系接着剤(チップに対して5重量%)を投入して両者を混合塗布した。次に、結合剤が塗布されたチップを、OSLフォーミングマシーン(たいへい社製)に投入し、(d)に示した方法でフォーミング金型に投入した。前記フォーミング金型は、縦2000mm、横500mm、高さ100mmであり、金属製の仕切り板(鉄、厚み2mm)を用いて、50mm間隔に10等分したものを用いた。
【0021】
次にフォーミング金型、仕切り板を(e)のように脱型し、プレス機へ投入した。プレス機の金型は縦2500mm、横500mm、高さ150mmであった(伝熱タイプ、川崎油工社製、300tプレス)。加熱温度180℃、圧力2MPaで、プレス時間10分、成形品の最終形状が2000×500×30mmになるように加圧しプレス盤をキープした。
【0022】
次に成形品の6面すべてをカットし、1500×400×25mmの成形品を得た(f)。成形体の木質チップの空隙率は、使用したチップ全体の成形前と成形後のチップの比重から求めた。木質チップの空隙保持率は70%であった。また、チップ間の空隙率は全断面積に対して、画像処理法を用いて測定した。その結果、空隙率は5%であった。
【0023】
(実施例2)
実施例1において成形圧力を3MPaにすることで、木質チップの空隙保持率は40%、木質チップ間の空隙率は10%であった。
【0025】
(比較例1)
実施例1において成形圧力を6MPaにすることで、木質チップの空隙保持率は10%、木質チップ間の空隙率は2%であった。上記サンプルの比重と曲げ強度を、JISZ 2101に準じて測定した。その結果を表1に示した。
【0026】
【表1】
【0027】
【発明の効果】
本発明の木質チップ配向積層体は、木質チップの空隙保持率は少なくとも30%以上にに保持されつつ、各木質チップ間の空隙率が全断面積中、5〜20%となるように圧縮されていることにより比重は高くならずに且つ、物理的強度が確保出来る。特に、木質チップがリサイクル木材から得られたものである場合には、破砕された木質チップは短いものしか得られないので、本発明の構成要件を満たすことにより強度が高く且つ比重の小さい木質チップ配向積層体を得ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】分級された木質チップから本発明の木質チップ配向積層体を製造するプロセスを示したプロセス図である。
【符号の説明】
a 破砕木質チップを分級する工程
b 木質チップを乾燥する工程
c 結合剤と木質チップとの混合工程
d 木質チップをフォーミング金型に投入する工程
e フォーミング終了工程
f 木質マットをプレス加工して木質チップ配向積層体を得る工程
1 ウエブローラー(分級機)
1a 破砕木質チップ
1b 分級された木質チップ
3 加熱オーブン
4 ドラムブレンダー
5 結合剤
Claims (2)
- 木質チップを一定方向に配向積層されてなる木質チップ配向積層体において、上記木質チップ自身の空隙保持率は少なくとも30%以上あり、各木質チップ間の空隙率は全断面積中、0〜20%となるように圧縮されていることを特徴とする木質チップ配向積層体。
- 上記木質チップは、リサイクル木材から得られたものである請求項1、又は2記載の木質チップ配向積層体。
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