JP4011653B2 - 転写箔 - Google Patents

転写箔 Download PDF

Info

Publication number
JP4011653B2
JP4011653B2 JP26774496A JP26774496A JP4011653B2 JP 4011653 B2 JP4011653 B2 JP 4011653B2 JP 26774496 A JP26774496 A JP 26774496A JP 26774496 A JP26774496 A JP 26774496A JP 4011653 B2 JP4011653 B2 JP 4011653B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
release layer
weight
transfer foil
parts
resin
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP26774496A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH1086598A (ja
Inventor
和宏 須賀
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Dai Nippon Printing Co Ltd
Original Assignee
Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Dai Nippon Printing Co Ltd filed Critical Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority to JP26774496A priority Critical patent/JP4011653B2/ja
Publication of JPH1086598A publication Critical patent/JPH1086598A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4011653B2 publication Critical patent/JP4011653B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Decoration By Transfer Pictures (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、建材用部材等に使用される転写箔に関し、特に、剥離層の樹脂組成物を改良して耐摩耗性に優れた転写箔を提供するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、建材用部材等に耐摩耗性を賦与するために、転写箔を用いて転写後に、耐摩耗性の塗料を塗布する方法が行われていた。
また、剥離層に電離放射線硬化性樹脂を用いて、転写箔製造時又は転写後に、電離放射線を照射して電離放射線硬化性樹脂を硬化させて耐摩耗性の向上を図っていた。
更に、剥離層の樹脂に耐摩耗性充填材を添加して剥離層の耐摩耗性を向上させる方法も採られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
▲1▼ 転写後に被転写体に塗装する方法は、塗装による工程数が増加するばかりでなく、被転写体の表面に付着したゴミや異物の除去、又は油性物質の洗浄が必要である。
また、塗装がディップ方法やフローコーティングの場合、気泡、液ダレ、液溜まりが生じないようにするために、コーティング速度及び被転写体の形状に制約がある。
更に、塗装装置を新たに設備する必要があると共に、塗装に溶剤を使用するため、作業環境及び排出された溶剤の環境汚染の問題を解決する必要がある。
【0004】
▲2▼ 剥離層に電離放射線硬化性樹脂を使用する方法は、電離放射線硬化性モノマーが刺激性が強く、皮膚に浸透性があるため、作業時に皮膚に接触しないように十分な注意が必要となる。
また、紫外線硬化性樹脂からなるインキを用いて塗膜を形成し、紫外線照射により硬化する場合、絵柄が存在したり、塗膜が厚いときは、紫外線硬化性樹脂に紫外線が十分照射されずに、硬化が不十分になる。
また、基材フィルム側から照射する場合、照射量を増加するために、生産速度を下げる必要がある。生産速度を上げるには、照射量の大きな高価な設備が必要となる。
更に、紫外線照射装置や電子線照射装置が必要であり、これらの装置を設備するには、設置場所も必要となり設備に多額の費用が必要となる。
特に、電子線照射装置は高価でありコスト負担が大きい。
【0005】
▲3▼ 剥離層の樹脂に耐摩耗性充填材を添加する方法は、充填材の添加により耐摩耗性は向上するが、非架橋性樹脂は充填材の保持力が弱く、摩擦により充填材が樹脂から脱落して表面の耐摩耗性が低下する。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記問題を解決するため、転写箔を以下のような構成とした。離型性を有する基材上に、剥離層、絵柄層、接着剤層を順次積層した転写箔において、該剥離層が、官能基を有する変性アクリル樹脂、ポリオール、熱架橋性単量体、及びカップリング処理された平均粒径が0.1〜10μmの金属酸化物微粒子を含む樹脂組成物の架橋硬化物からなることを特徴とする転写箔とした。また、前記剥離層における官能基を有する変性アクリル樹脂、ポリオール、熱架橋性単量体の混合割合が、官能基を有する変性アクリル樹脂100重量部に対して、ポリオール10〜400重量部、熱架橋性単量体20〜80重量部であることを特徴とする転写箔とした。更に、前記熱架橋性単量体が、エポキシ化合物、シラン化合物、イソシアネート化合物から選定された化合物であることを特徴とする転写箔とした。そして、前記金属酸化物微粒子が、シリコン(Si)、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、亜鉛(Zn)、錫(Sn)、インジウム(In)の酸化物の1種又は複数種の微粒子からなることを特徴とする転写箔とした。
【0007】
即ち、転写箔の剥離層として、官能基を有する変性アクリル樹脂、ポリオール、熱架橋性単量体、及びカップリング処理された金属酸化物微粒子を含む樹脂組成物の架橋硬化物を使用して、剥離層の耐摩耗性を向上させたものである。そして、該樹脂組成物を構成する官能基を有する変性アクリル樹脂、ポリオール、熱架橋性単量体の混合割合を一定範囲に規制し、また、金属酸化物の微粒子の大きさを平均粒径0.1〜10μmとすることにより、剥離層の耐摩耗性をより向上させたものである。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照にしながら本発明を詳細に説明する。図1は本発明の転写箔の一例を示す模式断面図である。本発明は、図1に示すように、基材11の上に、離型層12、剥離層13、絵柄層14、接着剤層15を順次積層した転写箔1であって、該剥離層13に、官能基を有する変性アクリル樹脂、ポリオール、熱架橋性単量体、及びカップリング処理された平均粒径0.1〜10μmの金属酸化物微粒子を含む樹脂組成物の架橋硬化物を使用したことに特徴がある。そして、該樹脂組成物の構成を、官能基を有する変性アクリル樹脂100重量部に対して、ポリオール10〜400重量部、熱架橋性単量体20〜80重量部としたことに特徴がある。また、熱架橋性単量体には、エポキシ化合物、シラン化合物、イソシアネート化合物を用い、金属酸化物微粒子には、シリコン(Si)、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、亜鉛(Zn)、錫(Sn)、インジウム(In)の酸化物の1種又は複数種の微粒子を使用したものである。
【0009】
本発明に用いられる基材としては合成樹脂フィルムが使用される。
例えば、ポリエチレンテレフタレート(以下PETとする)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリアミド等のフィルムが挙げられる。
成形性、耐熱性、印刷適性等を考慮すると二軸延伸PETフィルムが最も好ましい。
基材の厚さは9〜200μmの範囲で使用されるが、16〜100μmが好ましい。
16μm未満ではフィルムの強度が不足する場合があり、100μm以上では、ロール転写では熱伝達が悪くなり、転写不良の原因となることがある。また、コスト高となる。
【0010】
離型層は、使用される基材フィルムの離型性に応じて形成される。
即ち、基材フィルムの離型性が悪い時には形成されるが、基材フィルム自体に離型性がある場合は省略される。
離型層としては、メラミン、シリコーン、アミノアルキッド、ウレタン、尿素、エポキシ等の樹脂を用いて、基材フィルムにコーティングして厚さ0,01〜5.0μmの範囲で形成される。
また、離型層の剥離強度を調整するために、コーティング樹脂組成物にシリコーン、フッ素、ポリエステル、ポリエチレン等の樹脂を添加する場合もある。
更に、転写後の表面の艶を調整するために、シリカ等の公知のマット剤を添加する場合もある。
【0011】
本発明に使用される剥離層は、官能基を有する変性アクリル樹脂、ポリオール、熱架橋性単量体、及びカップリング処理された平均粒径0.1〜10μmの金属酸化物微粒子を含む樹脂組成物を使用してその架橋硬化物として形成される。アクリル樹脂は官能基を変性することにより、ポリオール及び熱架橋性単量体によって三次元に架橋され、耐摩耗性に優れた表面保護層を形成するようになる。剥離層は、グラビアコート、ロールコート、スクリーン印刷等公知のコーティング方法により形成される。
【0012】
変性アクリル樹脂の官能基としては、水酸基、エステル基、アミノ基、エポキシ基、アリル基、ビニル基、ハロゲン基、カルボキシル基、アミド基、メルカプト基、イソシアネート基、ニトリル基、シラノール基等が挙げられるが、反応性、汎用性、変性コスト等を考慮すると、アミノ基、水酸基、メルカプト基、カルボキシル基が好ましい。官能基が水酸基の場合、水酸基価が3以上のものがよく、3未満の場合は、架橋密度が小さくなり、金属酸化物粒子の保持力が低下する。また、剥離層には、転写後の表面滑性をよくするために、添加剤として、ポリエチレンワックス、テフロンワックス、カルナバワックス、パラフィンワックスを添加してもよい。
【0013】
前記ポリオールとしては、アクリルポリオール樹脂、ポリエステルポリオール樹脂、ウレタンポリオール樹脂、セルロースのような繊維素系樹脂が使用される。
変性アクリル樹脂に対するポリオールの混合割合は、変性アクリル樹脂100重量部に対して、10〜400重量部の範囲で使用可能であるが、好ましくは20〜300重量部がよい。
ポリオールの添加量が20重量部未満では、熱架橋単量体と架橋するOH基が不足して、架橋密度が少なくなり、表面の耐摩耗性が不十分となる。
また、ポリオールの添加量が300重量部を超えると、熱架橋単量体との架橋が多くなり、延伸性に欠ける。そのため、射出成形機により3次元成形品に対して、成形と同時に表面に絵柄層を転写する場合、コーナー部にクラックが発生し易くなる。
【0014】
また、種々の物性試験、例えば、70℃7日間の耐熱性試験、80℃100時間の耐熱水試験、ヒートサイクル試験(−30℃〜80℃における12サイクル試験)等において、表面層、絵柄層、接着剤層を形成する樹脂の熱膨張係数の相違による熱応力のため、クラックが発生する。
この熱応力を緩和するために剥離層の延伸性が必要である。
【0015】
熱架橋単量体としては、イソシアネート系、エポキシ系、シラン系の化合物から選定される。
熱架橋単量体の添加割合としては、変性アクリル樹脂100重量部に対して、20〜80重量部がよい。
熱架橋単量体の添加量が20重量部未満では、架橋密度が少なくなり耐摩耗性が悪くなる。又、添加量が80重量部を超えると、架橋密度が多くなり、延伸性が不足してクラックが発生し易くなる。又、熱架橋単量体によるタック性が残るため、次工程の印刷ができなくなる。
【0016】
金属酸化物の微粒子としては、シリカ、アルミナ、酸化亜鉛、酸化錫、酸化チタン、酸化インジウム等の中から用途に応じて1種又は数種の微粒子が適宜選択される。微粒子の粒径は0.1〜10μmが好ましい。
粒径が0.1μm未満では耐摩耗性の効果が発現されない。粒径が10μmを超えると透明性が低下すると共に、塗工適性も低下する。
また、金属酸化物の微粒子の添加量は、剥離層の樹脂成分100重量部に対して、5〜80重量部がよい。
5重量部未満では耐摩耗性が不十分であり、80重量部を超えると塗膜が脆くなり、クラックが発生し易くなるため伸びが低下する。アルミナや酸化チタン等は白色になり塗膜が不透明となる。
【0017】
例えば、転写箔を屋外用途に使用する場合は、紫外線吸収性能が必要となるため、紫外線吸収性能に優れた酸化亜鉛の微粒子が好ましい。
一般の成形品用途の場合は、低価格のアルミナやシリカが多く使用される。
また、帯電防止性能を必要とする場合は、酸化錫や酸化インジウムが使用される。
更に、金属酸化物の微粒子は、バインダー樹脂の保持力の向上、インキ中での分散性の向上、及び塗工被膜の透明性の向上のために、表面処理が施される。
【0018】
金属酸化物の微粒子の表面処理方法としては、以下の方法が採られている。
処理液に使用される化合物は、分子中にラジカル重合性不飽和結合を有するアルコキシシラン(シランカップリング剤とも言われる)として、例えば、γーメタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γーメタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γーメタクリロキシプロピルジメチルメトキシシラン、γーメタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γーメタクリロキシプロピルジエトキシシラン、γーメタクリロキシプロピルジメチルエトキシシラン、γーアクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γーアクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γーアクリロキシプロピルジメチルメトキシシラン、γーアクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γーアクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、γーアクリロキシプロピルジメチルエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン等が挙げられる。
【0019】
シリカ微粒子又はアルミナ微粒子を前記シランカップリング剤で処理する方法には、特に、制限はなく、公知の処理方法に従って行えばよい。
例えば、次のような乾式法と湿式法がある。
乾式法としては、シリカ粉末又はアルミナ粉末を激しく攪拌しながら、所定のシランカップリング剤を吹きつける方法がある。
湿式法としては、トルエン等の溶剤中にシリカ粉末又はアルミナ粉末を分散させた後、所定量のシランカップリング剤を加えて反応させる方法がある。
表面処理を均一に行うには湿式法が好ましい。
【0020】
シリカ粉末又はアルミナ粉末に対するシランカップリング剤の処理量は、シリカ粉末又はアルミナ粉末の比表面積100に対して、シランカップリング剤の最小被覆面積が10〜100となる範囲が好ましい。
最小被覆面積が10以下の場合は、処理効果がなく、また、100以上の場合は、性能面の不都合は生じないが、100以上にしても特別の効果はなく、コスト高となり、経済的負担が大きくなる。
上記表面処理は、シランカップリング剤について説明したが、他のカップリング剤として、チタネート系カップリング剤やアルミネート系カップリング剤を使用することもできる。
【0021】
絵柄印刷は、既知の樹脂、顔料、染料、添加剤等で作られたインキを使用して、用途に適合した印刷方法によっ行われる。
インキのバインダーとしては、アクリル、塩化ビニルー酢酸ビニル共重合体、ポリエステル、セルロース、ウレタン等の樹脂より1種又は2種以上の樹脂が選定される。
印刷方法は特に限定されず、従来のグラビア印刷、スクリーン印刷、オフセットグラビア印刷方法等が使用できるが、木目柄の印刷にはグラビア印刷方式が好適である。
【0022】
木目柄と組み合わせて光輝性インキを用いて、ベタ印刷により光輝性樹脂層を形成する場合も、公知の樹脂、光輝性顔料、染料、添加剤等を添加して作った光輝性インキが使用され、印刷方式も主にグラビア印刷が使用される。
光輝性顔料としては、アルミニウム粉、銅粉、真鍮粉等の金属粉や金属箔片、金属蒸着合成樹脂フィルムの裁断片等の金属光沢を有する顔料、二酸化チタン被覆雲母、魚鱗箔、三塩化ビスマス等の真珠光沢や干渉光沢を有する顔料等が使用される。
更に、着色熱可塑性樹脂シートには上記絵柄印刷及び光輝性樹脂層の他に、蒸着膜、帯電防止層、赤外線遮断層、隠蔽層等を設けてもよい。
【0023】
接着剤層としては、感熱接着剤が使用され、アクリル樹脂、塩化ビニルー酢酸ビニル共重合体、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、塩素化ポリプロピレン、塩素化ゴム等が使用される。
感熱接着剤は被転写体の材質や転写製品の用途等に応じて選定すればよい。
感熱接着剤の塗工方法としては、グラビアコーティング、ロールコーティング等公知のコーティング方法が使用できる。
【0024】
【実施例】
以下、実施例に基づいて、更に本発明を詳細に説明する。
(実施例1)
図1に示すように、基材フィルム11として厚さ38μmのポリエステルフィルム(ダイアホイルヘキスト(株)製)の上に、アクリルメラミン樹脂(大日精化工業(株)製)を用いてグラビアコート法にて、乾物として塗布量が0.5g/m2 になるように塗布し、160℃、30秒間加熱処理して離型層12を形成した。
次に、離型層12の上に、下記組成の剥離層用インキ(A)(ザ・インクテック(株)製)を用いてグラビアコートし、乾燥後の塗膜厚が2μmとなるようにして剥離層13を形成した。
【0025】
剥離層インキ(A)の組成
・アミノ変性アクリル樹脂 40重量部
・セルロース 10重量部
・ポリエチレンワックス 3重量部
・エポキシシラン系架橋剤 10重量部
・表面処理アルミナ(平均粒径1μm) 6重量部
(γーメタクリロキシプロピルトリメトキシシランにて処理)
・メチルエチルケトン 100重量部
・トルエン 100重量部
【0026】
上記剥離層13の上に、アクリル、塩化ビニルー酢酸ビニル共重合体をバインダーとしたグラビアインキ((昭和インク工業所(株)「BCT」製)を用いて、グラビア印刷して絵柄印刷14を形成した。
更に、絵柄層14の上に、塩化ビニルー酢酸ビニル共重合体系の接着剤(昭和インク工業所(株)製)を用いて、グラビアコート法にて塗布し、乾物として塗布量1g/m2 の接着剤層15を形成して、図1に示すようにな転写箔1を作製した。
上記転写箔1を、40℃のオーブン中に7日間放置して、熱養生により剥離層を硬化させて本発明の転写箔1を得た。
【0027】
(比較例1)
実施例1と同様に、基材フィルム11として厚さ38μmのポリエステルフィルムに乾物として塗布量0.5g/m2 の離型層15を形成した。
次に、離型層12の上に、下記組成の剥離層用インキ(B)(ザ・インクテック(株)製)で剥離層用インキ(A)とエポキシシラン系架橋剤の混合割合だけが異なるもの)を用いてグラビアコートし、実施例1と同様に、塗膜厚が2μmの剥離層13を形成した。
更に、実施例1と同様に、絵柄印刷14及び接着剤層15を形成して、図1に示すような転写箔1を得た。
【0028】
剥離層インキ(B)の組成
・アミノ変性アクリル樹脂 40重量部
・セルロース 10重量部
・ポリエチレンワックス 3重量部
・エポキシシラン系架橋剤 45重量部
・表面処理アルミナ(平均粒径1μm) 6重量部
(γーメタクリロキシプロピルトリメトキシシランにて処理)
・メチルエチルケトン 100重量部
・トルエン 100重量部
【0029】
(比較例2)
実施例1と同様に、基材フィルム11として厚さ38μmのポリエステルフィルムに乾物として塗布量0.5g/m2 の離型層15を形成した。
次に、離型層12の上に、下記組成の剥離層用インキ(C)(ザ・インクテック(株)製で剥離層用インキ(A)とアルミナが添加されていない点で異なるもの)を用いてグラビアコートし、実施例1と同様に、塗膜厚が2μmの剥離層13を形成した。
更に、実施例1と同様に、絵柄印刷14及び接着剤層15を形成して、転写箔1を作製した。
【0030】
剥離層インキ(C)の組成
・アミノ変性アクリル樹脂 40重量部
・セルロース 10重量部
・ポリエチレンワックス 3重量部
・エポキシシラン系架橋剤 10重量部
・メチルエチルケトン 100重量部
・トルエン 100重量部
【0031】
実施例1及び比較例1、2で作製した転写箔を用いて、射出成形機((株)松田製作所製)の金型内に配置し、アクリル樹脂(住友化学工業(株)製)を樹脂温度250℃にて射出成形し、成形品表面に転写層を転写して絵付成形品を作製した。
上記絵付成形品について、テーバー式摩耗試験及びスチールウール摩耗試験を行って、表面の耐摩耗性を測定した。また、射出成形品のコーナー部のクラックの発生具合を観察して転写箔の成形性を判定した。
結果は表1に示すとおりである。
【0032】
▲1▼ テーバー式摩耗試験:テーバー式摩耗試験機を用いて、摩耗輪CS-104、荷重500gで100回転後のヘイズを測定して、初期の値との変化量ΔHを算出した。ヘイズは直読ヘイズメーター(東洋精機製作所製)にて測定した。
▲2▼ スチールウール摩耗試験:スチールウール#0000、荷重500gで100往復後の表面のグロスを測定し、初期の値との変化量ΔGを算出した。
グロスはグロスメーター(村上色彩研究所製「GM-3」)にて測定した。
▲3▼ 成形性:転写層を転写した射出成形品のコーナー部のクラックの発生具合を目視により観察して成形性を判定した。
【0033】
【表1】
Figure 0004011653
【0034】
表1に示すように、実施例1で作製した転写箔は、耐摩耗性に優れ、且つ成形性も良好であった。
従って、本発明によって、紫外線照射装置や電子線照射装置等の高価な装置を使用することなく、耐摩耗性に優れた転写箔が得られることが実証された。
これに反して、比較例1で示されるように、剥離層の樹脂組成物に金属酸化物の微粒子を添加しても、熱架橋単量体の混合割合の多いものは、剥離層の被膜が硬過ぎて、成形品のコーナー部にクラックが発生して良好な成形品を得ることができなかった。
また、比較例2で示されるように、金属酸化物の微粒子を添加しないものは、成形性は良好であるが、剥離層の耐摩耗性が悪く、転写箔としては問題がのこるものであった。
【0035】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、官能基を有する変性アクリル樹脂、ポリオール、熱架橋性単量体、及びカップリング処理された平均粒径が0.1〜10μmの金属酸化物微粒子を含む樹脂組成物の架橋硬化物を用いて剥離層を形成することにより、耐摩耗性に優れた転写箔を得ることができた。また、本発明の転写箔は、高価な紫外線照射装置や電子線照射装置を必要とせず、加熱装置だけで生産できるので、安価に耐摩耗性に優れた転写箔を得ることができる。更に、本発明では、耐摩耗性に優れた転写箔を熱処理だけで生産できるので、紫外線照射装置を使用して転写箔を生産する場合に比較して、生産性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の転写箔の一例を示す模式断面図である。
【符号の説明】
1 転写箔
11 基材
12 離型層
13 剥離層
14 絵柄層
15 接着剤層

Claims (3)

  1. 離型性を有する基材上に、剥離層、絵柄層、接着剤層を順次積層した転写箔において、該剥離層が、官能基を有する変性アクリル樹脂、ポリオール、熱架橋性単量体、及びカップリング処理された平均粒径が0.1〜10μmの金属酸化物微粒子を含む樹脂組成物の架橋硬化物からなり、且つ前記剥離層における官能基を有する変性アクリル樹脂、ポリオール、熱架橋性単量体の混合割合が、官能基を有する変性アクリル樹脂100重量部に対して、ポリオール10〜400重量部、熱架橋性単量体20〜80重量部であることを特徴とする転写箔。
  2. 前記熱架橋性単量体が、エポキシ化合物、シラン化合物、イソシアネート化合物から選定された化合物であることを特徴とする請求項1に記載の転写箔。
  3. 前記金属酸化物微粒子が、シリコン(Si)、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、亜鉛(Zn)、錫(Sn)、インジウム(In)の酸化物の1種又は複数種の微粒子からなることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の転写箔。
JP26774496A 1996-09-19 1996-09-19 転写箔 Expired - Fee Related JP4011653B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP26774496A JP4011653B2 (ja) 1996-09-19 1996-09-19 転写箔

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP26774496A JP4011653B2 (ja) 1996-09-19 1996-09-19 転写箔

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH1086598A JPH1086598A (ja) 1998-04-07
JP4011653B2 true JP4011653B2 (ja) 2007-11-21

Family

ID=17448978

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP26774496A Expired - Fee Related JP4011653B2 (ja) 1996-09-19 1996-09-19 転写箔

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4011653B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5974614B2 (ja) * 2012-04-27 2016-08-23 凸版印刷株式会社 転写箔、加飾成形品製造方法および加飾成形品
JP6565078B2 (ja) * 2015-03-17 2019-08-28 ゼネラル株式会社 転写テープの製造方法および転写具の製造方法
JP6587063B2 (ja) * 2015-12-11 2019-10-09 フジコピアン株式会社 金属光沢熱転写記録媒体
JP6579463B2 (ja) * 2017-06-26 2019-09-25 大日本印刷株式会社 熱転写シート

Also Published As

Publication number Publication date
JPH1086598A (ja) 1998-04-07

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP2589440B1 (en) Process for producing decorative sheet, decorative sheet, and process for producing a decorative molded article using said decorative sheet.
WO2014083851A1 (ja) 転写フィルム
CA1302601C (en) Conductive primer for plastics or conductive primer surfacer paint and coated plastics molded products
WO2007006006A1 (en) Textured screen-printed laminates
JPWO2014203507A1 (ja) 転写フィルム及びこれを用いた転写成形品
JPH11208193A (ja) 転写シート
JP4011653B2 (ja) 転写箔
JP5285996B2 (ja) 化粧シート及びその製造方法
JPH07110531B2 (ja) スエード調成形用シートおよびその製造方法
JPH08216598A (ja) 転写シート
JP3885980B2 (ja) 転写シート
JP4627099B2 (ja) 成型用加飾フィルム及び成型品の製造方法
JP2004345228A (ja) ハードコート転写材及びその製造方法並びにハードコート体
JP5659605B2 (ja) 化粧シート及びその化粧シートを用いた化粧鋼板
GB2303373A (en) Surface coating composition
JP5659606B2 (ja) 化粧シート及びその化粧シートを用いた化粧鋼板
JP3045565B2 (ja) 透明性及びスリップ性に優れたフィルム
JP2003276105A (ja) 帯電防止塗料及び帯電防止成形体
JPH06198824A (ja) 塩化ビニル樹脂成形体からなる外装材用の転写シート
JP3104796B2 (ja) スウェード調転写箔
JPH01315431A (ja) 熱硬化性樹脂成形品の表面処理方法
JPH05131797A (ja) 部分艶消し転写シート及び部分艶消し化粧材
JP7468967B2 (ja) 加飾フィルム
JP2005022359A (ja) 艶消し転写シート及び艶消し化粧材の製造方法
US6908954B2 (en) Coating composition for artistic reproductions

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20060623

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20060704

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20060906

A072 Dismissal of procedure

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A072

Effective date: 20061227

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20070411

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070511

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070525

A911 Transfer of reconsideration by examiner before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20070621

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20070810

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20070906

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100914

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110914

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110914

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120914

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120914

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130914

Year of fee payment: 6

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees