JP4011507B2 - 水平射出型ダイカストマシンの射出スリーブ潤滑装置及び射出スリーブ潤滑方法 - Google Patents

水平射出型ダイカストマシンの射出スリーブ潤滑装置及び射出スリーブ潤滑方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、水平射出型ダイカストマシンの射出スリーブ潤滑装置及び射出スリーブ潤滑方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
周知のように、ダイカストマシンは、溶湯を射出スリーブに形成された注湯口より射出スリーブ内に注入して供給し、射出シリンダを作動させることにより、プランジャロッドを介して射出スリーブ内のプランジャチップを前進移動させて、射出スリーブ内の溶湯を金型のキャビティに圧入して充填する。この場合、射出スリーブの内周面とプランジャチップの外周面との摺動が適正な抵抗を有する必要があり、射出スリーブの内周面とプランジャチップの外周面との間のクリアランスは、所定の大きさに設定されている。すなわち、クリアランスが大きいと、そのクリアランスを介してプランジャロッドの側まで溶湯が漏洩してしまうおそれがある。また、クリアランス内に溶湯が侵入して固化すると、プランジャチップが射出スリーブ内面に齧りついてしまう、いわゆるカジリが発生してしまうおそれがある。一方、クリアランスが小さすぎると、摺動抵抗が過大となるため、射出スリーブ内でのプランジャチップの円滑な進退移動の妨げとなってしまう。しかし、上述したようにクリアランスを所定の大きさに設定した場合でも、射出スリーブやプランジャチップの熱変形(熱膨張)等のわずかな条件の変化に起因して、クリアランス内に溶湯が侵入して固化してしまうことがあるため、カジリの発生を防止することは困難であった。
【0003】
そこで従来、上述した溶湯の漏洩及びカジリを防止しつつ、射出スリーブ内でのプランジャチップの潤滑性を確保するために、潤滑剤が用いられている。潤滑剤を用いるダイカストマシンの潤滑装置としては、例えば特許文献1に記載されたものが知られている。この潤滑装置は、射出スリーブの注湯口から潤滑剤ノズルを用いて射出スリーブの内面に潤滑剤を一様となるように噴射することにより、射出スリーブ内でのプランジャチップの進退移動を円滑に行えるように図っている。
【0004】
【特許文献1】
実公平6−9727号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した特許文献1に記載のダイカストマシンの潤滑装置を用いた潤滑方法では、射出スリーブの内面に潤滑剤を一様に塗布することが困難であるため、射出スリーブ内において潤滑剤が十分に塗布されない部分(特に射出スリーブの内周面とプランジャチップの外周面との摺動部分)が生じることとなっていた。その結果、潤滑剤が十分に塗布されない部分では、カジリが発生し易くなってしまうため、射出スリーブやプランジャチップの寿命の低下を招くと共に、ダイカストの作業性の悪化も招くおそれがあった。また、射出スリーブの内面に潤滑剤を十分に塗布してカジリの発生を防止するために、潤滑剤の噴射量を多くすることが考えられるが、潤滑剤を必要以上に使用することとなるため、経済的でないし、射出スリーブ内の余剰の潤滑剤の処理も必要となる。
【0006】
本発明は、上述した実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、潤滑剤の使用量を抑制しつつ、カジリの発生を防止して、射出スリーブやプランジャチップの寿命の低下及びダイカストの作業性の悪化を抑制することの可能な水平射出型ダイカストマシンの射出スリーブ潤滑装置及び射出スリーブ潤滑方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、略水平に支持され、溶湯が注入される注湯口よりも後方の部分に吸引通路を穿設した略円筒形状の射出スリーブと、この射出スリーブ内を略水平方向に前進移動して、前記射出スリーブ内の溶湯を金型のキャビティに圧入するプランジャチップと、前記注湯口を介して射出スリーブの内面に潤滑剤を噴射する潤滑剤噴射装置と、前記吸引通路を経由して前記射出スリーブの内周面と前記プランジャチップの外周面との間のクリアランスから射出スリーブ内を減圧する吸引装置とを備えた水平射出型ダイカストマシンの射出スリーブ潤滑装置であって、前記吸引通路は、前記射出スリーブの内周面の周方向全面に渡って凹設された溝と、該溝から外部に向かって延びる貫通孔とにより形成されており、前記吸引装置は、前記射出スリーブの内面に噴射された前記潤滑剤を吸引することをその要旨としている。
【0008】
請求項1に記載の発明によれば、水平射出型ダイカストマシンの射出スリーブ潤滑装置において、射出スリーブの注湯口よりも後方の射出スリーブ内にプランジャチップを配置する。このように注湯口よりも後方の射出スリーブ内にプランジャチップを配置した状態では、注湯口よりも後方の射出スリーブ内と外部とを連通する吸引通路が射出スリーブに穿設されているため、該吸引通路と、射出スリーブの内周面とプランジャチップの外周面との間のクリアランスと、射出スリーブ内とを順に連通する吸引用空間が形成されることとなる。その後、潤滑剤噴射装置により、射出スリーブの注湯口を介して射出スリーブの内面に潤滑剤を噴射して供給する。この場合、従来技術の場合と同様に、潤滑剤噴射装置により射出スリーブの内面に潤滑剤が一様となるように噴射されるのであるが、射出スリーブ内には潤滑剤が十分に塗布されない部分(特に射出スリーブの内周面とプランジャチップの外周面との摺動部分)が生じてしまう。
【0009】
そこで請求項1に記載の発明によれば、吸引装置により、上述した吸引用空間、すなわち射出スリーブの内周面の周方向全面に渡って凹設された溝と、該溝から外部に向かって延びる貫通孔とにより形成された吸引通路を経由して射出スリーブの内周面とプランジャチップの外周面との間のクリアランスから射出スリーブ内を減圧する。この減圧により、射出スリーブ内の潤滑剤の一部が射出スリーブの内周面とプランジャチップの外周面との間の部分に向かって引き寄せられるため、射出スリーブの内周面とプランジャチップの外周面との摺動部分には潤滑剤が十分に塗布されるようになる。請求項1に記載の発明によれば、吸引通路が、射出スリーブの内周面の周方向全面に渡って凹設された溝と、該溝から外部に向かって延びる貫通孔とにより形成されているため、吸引用空間は、貫通孔と、溝と、射出スリーブの内周面とプランジャチップの外周面との間のクリアランスと、射出スリーブ内とを順に連通する空間によって形成されることとなる。ここで、吸引装置により射出スリーブ内を減圧する際において、吸引用空間の一部である溝は、射出スリーブの内周面の周方向全面に渡って凹設されると共に、全面に渡ってクリアランスと連通しているため、クリアランス全体を介して射出スリーブ内を効率良く減圧することが可能となる 。これにより、射出スリーブの内周面とプランジャチップの外周面との摺動部分には潤滑剤が十分、かつ確実に塗布されるようになる。このように吸引装置による吸引力(減圧力)を利用して摺動部分に潤滑剤を十分に塗布した後、潤滑剤噴射装置による射出スリーブ内への潤滑剤の噴射を停止することと、吸引装置による射出スリーブ内の減圧を停止することとを行う。以上のように、請求項1に記載の発明によれば、仮に潤滑剤の噴射量を多くしなくても、吸引装置の吸引力によって摺動部分に潤滑剤を十分に塗布することができるため、潤滑剤の使用量を抑制しつつ、射出スリーブの内面に潤滑剤を一様に塗布することが可能となる。
【0010】
そして、射出スリーブの注湯口から射出スリーブ内に溶湯を注入して供給した状態で、射出スリーブ内のプランジャチップを前進移動させて金型のキャビティに射出スリーブ内の溶湯を圧入して充填する。このとき、射出スリーブの内面には潤滑剤が一様に塗布されているため、溶湯の射出時における射出スリーブ内でのプランジャチップの前進移動が円滑に行われ、射出スリーブの内周面とプランジャチップの外周面との間から溶湯が侵入して固化することはなく、カジリは発生しない。カジリの発生が防止されることで、射出スリーブやプランジャチップの寿命の低下が抑制されると共に、ダイカストの作業性の悪化が抑制される。また、射出スリーブの内面には潤滑剤が一様に塗布されているため、溶湯の射出後における射出スリーブ内でのプランジャチップの後退移動も円滑に行われる。
【0011】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の水平射出型ダイカストマシンの射出スリーブ潤滑装置において、前記プランジャチップの先端外周部の少なくとも一部分を切り欠いて凹部を形成したことをその要旨としている。
【0012】
請求項2に記載の発明によれば、請求項1に記載の発明の作用効果に加えて、プランジャチップの先端外周部の少なくとも一部分を切り欠いて凹部が形成されており、吸引装置により、射出スリーブの内周面の周方向全面に渡って凹設された溝と、該溝から外部に向かって延びる貫通孔とにより形成された吸引通路を経由して射出スリーブの内周面とプランジャチップの外周面との間のクリアランスから射出スリーブ内を減圧すると、プランジャチップの外周面に連設された凹部にも潤滑剤の一部が引き寄せられるため、該凹部には潤滑剤が保持されるようになる。そして、潤滑剤噴射装置による射出スリーブ内への潤滑剤の噴射を停止することと、吸引装置による射出スリーブ内の減圧を停止することとを行った後、射出スリーブの注湯口から射出スリーブ内に溶湯を注入して供給する。その後、射出スリーブ内のプランジャチップを前進移動させて金型のキャビティに射出スリーブ内の溶湯を圧入して充填する。このとき、プランジャチップの前進移動に伴う射出スリーブの内周面とプランジャチップの外周面との間には、プランジャチップの凹部に保持されていた潤滑剤が順次供給されていき十分に塗布されるようになる。このように、射出スリーブの内面に一様に塗布された潤滑剤に加えて、射出スリーブの内周面とプランジャチップの外周面との間に十分に塗布された潤滑剤により、溶湯の射出時におけるカジリの発生がより確実に防止されることとなる。
【0013】
【0014】
【0015】
請求項に記載の発明は、略水平に支持され、溶湯が注入される注湯口よりも後方の部分に吸引通路を穿設した略円筒形状の射出スリーブと、この射出スリーブ内を略水平方向に前進移動して、前記射出スリーブ内の溶湯を金型のキャビティに圧入するプランジャチップと、前記注湯口を介して射出スリーブの内面に潤滑剤を噴射する潤滑剤噴射装置と、前記吸引通路を経由して前記射出スリーブの内周面と前記プランジャチップの外周面との間のクリアランスから射出スリーブ内を減圧する吸引装置とを備えた水平射出型ダイカストマシンの射出スリーブ潤滑装置を用いる射出スリーブ潤滑方法であって、前記吸引通路は、前記射出スリーブの内周面の周方向全面に渡って凹設された溝と、該溝から外部に向 かって延びる貫通孔とにより形成されており、前記プランジャチップを前記射出スリーブの注湯口よりも後方の射出スリーブ内に配置する配置工程と、前記配置工程が完了した後に、前記潤滑剤噴射装置により、射出スリーブの注湯口を介して射出スリーブの内面に潤滑剤を噴射する潤滑剤噴射工程と、前記潤滑剤噴射工程を行うと同時に、または、前記潤滑剤噴射工程中に、吸引装置により、前記溝と前記貫通孔とにより形成されている前記吸引通路を経由して射出スリーブの内周面とプランジャチップの外周面との間のクリアランスから射出スリーブ内を減圧し、前記射出スリーブの内面に噴射された前記潤滑剤を吸引する吸引工程と、前記潤滑剤噴射工程を終了する工程と、前記吸引工程を終了する工程とを備えることをその要旨としている。
【0016】
請求項に記載の発明によれば、水平射出型ダイカストマシンの射出スリーブ潤滑方法において、射出スリーブの注湯口よりも後方の射出スリーブ内にプランジャチップを配置する配置工程を行う。このように射出スリーブの注湯口よりも後方の射出スリーブ内にプランジャチップを配置した状態では、注湯口よりも後方の射出スリーブ内と外部とを連通するように吸引通路が射出スリーブに穿設されているため、該吸引通路と、射出スリーブの内周面とプランジャチップの外周面との間のクリアランスと、射出スリーブ内とを順に連通する吸引用空間が形成されることとなる。そして、配置工程が完了した後に、潤滑剤噴射装置により、射出スリーブの注湯口を介して射出スリーブの内面に潤滑剤を噴射する潤滑剤噴射工程を行う。この場合、従来技術の場合と同様に、潤滑剤噴射装置により射出スリーブの内面に潤滑剤が一様となるように噴射されるのであるが、射出スリーブ内には潤滑剤が十分に塗布されない部分(特に射出スリーブの内周面とプランジャチップの外周面との摺動部分)が生じてしまう。
【0017】
そこで請求項に記載の発明によれば、潤滑剤噴射工程を行うと同時に、または、潤滑剤噴射工程中に、吸引装置により、上述した吸引用空間、すなわち溝と貫通孔とにより形成されている吸引通路を経由して射出スリーブの内周面とプランジャチップの外周面との間のクリアランスから射出スリーブ内を減圧し、射出スリーブの内面に噴射された潤滑剤を吸引する吸引工程を行う。この吸引工程により、射出スリーブ内の潤滑剤の一部が射出スリーブの内周面とプランジャチップの外周面との間の部分に向かって引き寄せられるため、射出スリーブの内周面とプランジャチップの外周面との摺動部分には潤滑剤が十分に塗布されるようになる。このように吸引装置による吸引力(減圧力)を利用して摺動部分に潤滑剤を十分に塗布した後、潤滑剤噴射装置により射出スリーブ内へ潤滑剤を噴射する潤滑剤噴射工程を終了する工程と、吸引装置により射出スリーブ内を減圧して潤滑剤を吸引する吸引工程を終了する工程とを行う。以上のように、請求項4に記載の発明によれば、仮に潤滑剤の噴射量を多くしなくても、吸引工程における吸引装置の吸引力によって摺動部分に潤滑剤を十分に塗布することができるため、潤滑剤の使用量を抑制しつつ、射出スリーブの内面に潤滑剤を一様に塗布することが可能となる。
【0018】
その後、射出スリーブの注湯口から射出スリーブ内に溶湯を注入して供給した状態で、射出スリーブ内のプランジャチップを前進移動させて金型のキャビティに射出スリーブ内の溶湯を圧入して充填する。このとき、射出スリーブの内面には潤滑剤が一様に塗布されているため、溶湯の射出時における射出スリーブ内でのプランジャチップの前進移動が円滑に行われ、射出スリーブの内周面とプランジャチップの外周面との間から溶湯が侵入して固化することはなく、カジリは発生しない。カジリの発生が防止されることで、射出スリーブやプランジャチップの寿命の低下が抑制されると共に、ダイカストの作業性の悪化が抑制される。また、射出スリーブの内面には潤滑剤が一様に塗布されているため、溶湯の射出後における射出スリーブ内でのプランジャチップの後退移動も円滑に行われる。
【0019】
請求項に記載の発明は、略水平に支持され、溶湯が注入される注湯口よりも後方の部分に吸引通路を穿設した略円筒形状の射出スリーブと、この射出スリーブ内を略水平方向に前進移動して、前記射出スリーブ内の溶湯を金型のキャビティに圧入するプランジャチップと、前記注湯口を介して射出スリーブの内面に潤滑剤を噴射する潤滑剤噴射装置と、前記吸引通路を経由して前記射出スリーブの内周面と前記プランジャチップの外周面との間のクリアランスから射出スリーブ内を減圧する吸引装置とを備えた水平射出型ダイカストマシンの射出スリーブ潤滑装置を用いる射出スリーブ潤滑方法であって、前記吸引通路は、前記射出スリーブの内周面の周方向全面に渡って凹設された溝と、該溝から外部に向かって延びる貫通孔とにより形成されており、前記プランジャチップを前記射出スリーブの注湯口よりも後方の射出スリーブ内に配置する配置工程と、前記配置工程が完了した後に、前記潤滑剤噴射装置により、射出スリーブの注湯口を介して射出スリーブの内面に潤滑剤を噴射する潤滑剤噴射工程と、前記潤滑剤噴射工程が終了した後に、吸引装置により、前記溝と前記貫通孔とにより形成されている前記吸引通路を経由して射出スリーブの内周面とプランジャチップの外周面との間のクリアランスから射出スリーブ内を減圧し、前記射出スリーブの内面に噴射された前記潤滑剤を吸引する吸引工程と、前記吸引工程を終了する工程とを備えることをその要旨としている。
【0020】
請求項に記載の発明によれば、水平射出型ダイカストマシンの射出スリーブ潤滑方法において、射出スリーブの注湯口よりも後方の射出スリーブ内にプランジャチップを配置する配置工程を行う。このように射出スリーブの注湯口よりも後方の射出スリーブ内にプランジャチップを配置した状態では、注湯口よりも後方の射出スリーブ内と外部とを連通するように吸引通路が射出スリーブに穿設されているため、該吸引通路と、射出スリーブの内周面とプランジャチップの外周面との間のクリアランスと、射出スリーブ内とを順に連通する吸引用空間が形成されることとなる。そして、配置工程が完了した後に、潤滑剤噴射装置により、射出スリーブの注湯口を介して射出スリーブの内面に潤滑剤を噴射する潤滑剤噴射工程を行う。この場合、従来技術の場合と同様に、潤滑剤噴射装置により射出スリーブの内面に潤滑剤が一様となるように噴射されるのであるが、射出スリーブ内には潤滑剤が十分に塗布されない部分(特に射出スリーブの内周面とプランジャチップの外周面との摺動部分)が生じてしまう。
【0021】
そこで請求項に記載の発明によれば、潤滑剤噴射工程を終了する工程を行った後に、吸引装置により、上述した吸引用空間、すなわち溝と貫通孔とにより形成されている吸引通路を経由して射出スリーブの内周面とプランジャチップの外周面との間のクリアランスから射出スリーブ内を減圧し、射出スリーブの内面に噴射された潤滑剤を吸引する吸引工程を行う。この吸引工程により、射出スリーブ内の潤滑剤の一部が射出スリーブの内周面とプランジャチップの外周面との間の部分に向かって引き寄せられるため、射出スリーブの内周面とプランジャチップの外周面との摺動部分には潤滑剤が十分に塗布されるようになる。このように吸引装置による吸引力(減圧力)を利用して摺動部分に潤滑剤を十分に塗布した後、吸引装置により射出スリーブ内を減圧して潤滑剤を吸引する吸引工程を終了する工程を行う。以上のように、請求項に記載の発明によれば、仮に潤滑剤の噴射量を多くしなくても、吸引工程における吸引装置の吸引力によって摺動部分に潤滑剤を十分に塗布することができるため、潤滑剤の使用量を抑制しつつ、射出スリーブの内面に潤滑剤を一様に塗布することが可能となる。
【0022】
その後、射出スリーブの注湯口から射出スリーブ内に溶湯を注入して供給した状態で、射出スリーブ内のプランジャチップを前進移動させて金型のキャビティに射出スリーブ内の溶湯を圧入して充填する。このとき、射出スリーブの内面には潤滑剤が一様に塗布されているため、溶湯の射出時における射出スリーブ内でのプランジャチップの前進移動が円滑に行われ、射出スリーブの内周面とプランジャチップの外周面との間から溶湯が侵入して固化することはなく、カジリは発生しない。カジリの発生が防止されることで、射出スリーブやプランジャチップの寿命の低下が抑制されると共に、ダイカストの作業性の悪化が抑制される。また、射出スリーブの内面には潤滑剤が一様に塗布されているため、溶湯の射出後における射出スリーブ内でのプランジャーチップの後退移動も円滑に行われる。
【0023】
請求項に記載の発明は、請求項又は請求項に記載の水平射出型ダイカストマシンの射出スリーブ潤滑方法において、前記プランジャチップの先端外周部の少なくとも一部分を切り欠いて凹部を形成し、前記吸引工程時において該凹部に前記潤滑剤を保持させるようにすることをその要旨としている。
【0024】
請求項に記載の発明によれば、請求項又は請求項に記載の発明の作用効果に加えて、プランジャチップの先端外周部の少なくとも一部分を切り欠いて凹部を形成し、吸引工程時において該凹部に潤滑剤を保持させるようにしている。すなわち、吸引工程時において、吸引装置により、射出スリーブの内周面の周方向全面に渡って凹設された溝と、該溝から外部に向かって延びる貫通孔とにより形成された吸引通路を経由して射出スリーブの内周面とプランジャチップの外周面との間のクリアランスから射出スリーブ内を減圧すると、プランジャチップの外周面に連設された凹部にも潤滑剤の一部が引き寄せられるため、該凹部には潤滑剤が保持されるようになる。その後、潤滑剤噴射装置により射出スリーブ内へ潤滑剤を噴射する潤滑剤噴射工程を終了する工程と、吸引装置により射出スリーブ内を減圧して潤滑剤を吸引する吸引工程を終了する工程とを行う。そして、射出スリーブの注湯口から射出スリーブ内に溶湯を注入して供給した後、射出スリーブ内のプランジャチップを前進移動させて金型のキャビティに射出スリーブ内の溶湯を圧入して充填する。このとき、プランジャチップの前進移動に伴う射出スリーブの内周面とプランジャチップの外周面との間には、プランジャチップの凹部に保持されていた潤滑剤が順次供給されていき十分に塗布されるようになる。このように、射出スリーブの内面に一様に塗布された潤滑剤に加えて、射出スリーブの内周面とプランジャチップの外周面との間に十分に塗布された潤滑剤により、溶湯の射出時におけるカジリの発生がより確実に防止されることとなる。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を具体化した一実施の形態を図1〜図3に基いて説明する。
【0026】
図1に示すように、本実施の形態に係るダイカストマシン(鋳造装置)は、コールドチャンバダイカストマシンであり、このコールドチャンバダイカストマシンは、横型締、横(水平)射出型のものである。本実施の形態のコールドチャンバダイカストマシンは、固定プレート11に装着された固定金型12と、可動プレート13に装着された可動金型14と、射出スリーブ潤滑装置15とを備えており、図示しない駆動機構により可動金型14は固定金型12に対して接近離間される。この接近離間により、可動金型14は固定金型12に対して型締め及び型開きが可能となっている。図1に示されるように、可動金型14を固定金型12に対して型締めすることで、固定金型12及び可動金型14間には、目的とするダイカスト製品(中間製品)の形状に対応したキャビティ16と、そのキャビティ16から射出スリーブ17内まで連通するランナー部18とが形成されている。
【0027】
ダイカストマシンの射出スリーブ潤滑装置15は、溶湯が注入(注湯)される略円筒形状の射出スリーブ17と、この射出スリーブ17内の溶湯を固定金型12及び可動金型14間のキャビティ16に圧入して充填するためのプランジャチップ19と、このプランジャチップ19に連結されたプランジャロッド20と、射出スリーブ17の内面に潤滑剤を噴射する潤滑剤噴射装置21と、射出スリーブ17内を減圧するための吸引装置22とを備えている。この射出スリーブ潤滑装置15は、溶湯をキャビティ16に射出するための射出供給機構を有し、その射出供給機構は、射出スリーブ17、プランジャチップ19、プランジャロッド20及び射出シリンダ23により構成されている。
【0028】
射出スリーブ17は、固定プレート11によって略水平に支持され、その先端部分(前側の部分)は固定金型12の内部に進入している。射出スリーブ17には、図示しないラドルに準備された溶湯を該射出スリーブ17内に注湯するための注湯口17aが形成されている。なお、注湯口17aから射出スリーブ17内に溶湯を注湯する際に、潤滑剤噴射装置21は、注湯の邪魔にならない退避位置に退避されるようになっている。射出スリーブ17の注湯口17aよりも後方の部分(射出スリーブ17の固定金型12の内部に進入していない、後側の部分)には、射出スリーブ17内と外部とを連通する吸引通路24が穿設されている。この吸引通路24は、射出スリーブ17の内周面の周方向全面に渡って凹設された環状溝24aと、その環状溝24aから外部に向かって直線的に延びる貫通孔24bとにより形成されている。図1に示す態様では、貫通孔24b、環状溝24a、射出スリーブ17の内周面17bとプランジャチップ19の外周面19cとの間のクリアランスC(図2参照)及び射出スリーブ17内を順に連通する吸引用空間が形成されることとなる。また、射出スリーブ17内には、プランジャロッド20及びその先端に取り付けられたプランジャチップ19が配設され、射出シリンダ23の作動によって往復動されるプランジャロッド20により、プランジャチップ19が射出スリーブ17内を摺動して進退移動可能となっている。
【0029】
図3に示すように、プランジャチップ19は、略円柱形状をなすチップ本体19aを備えている。チップ本体19aの内部には、冷却室25が設けられ、その冷却室25は、チップ本体19aの後端部に形成されたネジ孔26を介して外部と連通している。また、プランジャチップ19の先端外周部には、その外周部の全てが外周方向に沿って均等に切り欠かれた凹部27が形成されている。この凹部27は、チップ本体19aの中心軸線Xを取り囲むように形成され、チップ本体19aの先端面19bからチップ本体19aの外周面19cへ向かって次第に拡径するように延設された湾曲面27aを有している。この湾曲面27aを有する凹部27により、潤滑剤は保持され易くなる。
【0030】
プランジャチップ19は、そのネジ孔26とプランジャロッド20先端部の雄ネジ部28との螺合関係に基づきプランジャロッド20先端部に固定されている。このプランジャチップ19及びプランジャロッド20により、射出スリーブ17内の溶湯を固定金型12及び可動金型14間に区画されるキャビティ16に圧入供給する。なお、図2に示すように、プランジャチップ19及びプランジャロッド20を射出スリーブ17内に配置したときの射出スリーブ17の内周面17bとプランジャチップ19の外周面19cとの間には、プランジャチップ19の熱膨張等に起因して摺動抵抗が過大とならないようにする目的で所定のクリアランスCが確保されている。
【0031】
図3に示すように、プランジャロッド20の中心には、その軸方向に延びる内部通路20aが形成され、その内部通路20a内には、導水パイプ29が設けられている。内部通路20a及び導水パイプ29は、プランジャチップ19の冷却室25と図示しない冷却水供給装置とをつなぐ冷却水の循環経路を形成する。すなわち、冷却水供給装置(図示略)から圧送された冷却水は、導水パイプ29を通ってプランジャチップ19の冷却室25に導かれ、更に導水パイプ29と内部通路20aとの間に確保された排水通路を通って冷却水供給装置(図示略)に戻される。このような冷却水循環式の冷却機構は、プランジャチップ19をその内部から冷却することにより、チップ本体19aの先端部から受ける溶湯の熱でチップ本体19aが過度に膨張することを防止する。
【0032】
図1,図2に示すように、潤滑剤噴射装置21は、潤滑剤を射出スリーブ17の内面に噴射する噴射ノズル21aを備えており、噴射ノズル21aは噴射パイプ21bを介して鉛直方向(上下方向)に移動可能となっている。この噴射ノズル21aには、図示しない潤滑剤供給装置から噴射パイプ21b等を経由して潤滑剤がエアと共に圧送供給される。従って、潤滑剤噴射装置21の噴射時において、噴射ノズル21aからは、圧縮されたエアと共に潤滑剤が射出スリーブ17の内面に向けて噴射されるようになる。本実施の形態では、潤滑剤としてタルク及びマイカ等を含有する粉状潤滑剤が用いられている。なお、潤滑剤噴射装置21は、注湯口17aから溶湯を注湯する際に、注湯の邪魔にならないように鉛直方向に加えて水平方向にも移動可能となっている。
【0033】
吸引装置22は、吸引パイプ22aを備えており、この吸引パイプ22aは、吸引通路24の貫通孔24bと連通するように接続されている。この吸引装置22を作動させることにより、吸引用空間、すなわち貫通孔24b、環状溝24a、クリアランスCを経由して射出スリーブ17内が減圧されて、射出スリーブ17内の潤滑剤の一部がエアと共に吸引される。なお、吸引パイプ22aと貫通孔24bとの接続状態は、気密性が確保されている。また、吸引パイプ22aの途中には、図示しないフィルタ等の潤滑剤捕獲手段が設けられており、この潤滑剤捕獲手段により、吸引された潤滑剤が完全に捕獲される。このように吸引パイプ22aの途中で潤滑剤を捕獲することにより、潤滑剤の吸引に起因した吸引装置22の故障が回避されることとなる。
【0034】
さて、本実施の形態に係るダイカストマシンの射出スリーブ潤滑方法及び鋳造方法(ダイカスト製品の製造方法)について、以下に説明する。
【0035】
まず、図1に示した態様となるようにダイカストマシンをセットする。すなわち、固定金型12及び可動金型14を型締めした状態で、射出スリーブ17の注湯口17aよりも後方の射出スリーブ17内にプランジャチップ19を配置する配置工程を行う。このとき、射出シリンダ23を作動させて、プランジャチップ19の後端面19dと環状溝24aの後端内面24cとが上下方向に沿って略一致するように、プランジャロッド20に取り付けられたプランジャチップ19を射出スリーブ17内に配置している(図2参照)。
【0036】
次に、配置工程が完了した後に、図1に示した位置の噴射ノズル21aを噴射パイプ21bと共に下方向へ移動させながら射出スリーブ17の注湯口17aから挿入し、図2に示した位置まで下降させる。そして、潤滑剤噴射装置21の噴射ノズル21aにより、射出スリーブ17の内面に潤滑剤を噴射する潤滑剤噴射工程を行う。この潤滑剤の噴射時において、圧縮されたエアと共に潤滑剤を四方八方へ向かって噴射させる。この噴射により、射出スリーブ17内に潤滑剤を満遍なく行き渡らせることが可能となる。
【0037】
そして、この潤滑剤噴射工程を行うと同時に、吸引装置22により、吸引用空間、すなわち貫通孔24b及び環状溝24aを経由してクリアランスCから射出スリーブ17内を減圧し、射出スリーブ17の内面に噴射された潤滑剤を吸引する吸引工程を行う。このとき、射出スリーブ17内の潤滑剤の一部は、吸引装置22の吸引力により、クリアランスC及び凹部27に向かってエアと一緒に引き寄せられて、射出スリーブ17の内周面17bとプランジャチップ19の外周面19cとの摺動部分には十分に潤滑剤が塗布されると共に、プランジャチップ19の凹部27には潤滑剤が保持された状態となる。なお、プランジャチップ19の環状溝24aには隣接及び近接する部分(プランジャチップ19の後側の部分)は、環状溝24aを介して潤滑剤がエアと共に直接的に吸引されてしまうため、潤滑剤がほとんど塗布されていないが、後工程のプランジャチップ19の前進移動に伴い、当該部分にも潤滑剤が十分に塗布されるようになるため、当該部分はカジリの発生しないレベルにあると言える。
【0038】
上述したように、射出スリーブ17の内周面17bとプランジャチップ19の外周面19cとの摺動部分に潤滑剤が十分に塗布されると共に、プランジャチップ19の凹部27に潤滑剤が保持された状態となった後、潤滑剤噴射工程を終了して潤滑剤の噴射を停止する工程を行うと共に、吸引工程を終了して射出スリーブ17内の減圧を停止する工程を行う。これらの工程後においては、射出スリーブ17の内面に潤滑剤が一様に塗布された状態となり、特に、射出スリーブ17の内周面17bとプランジャチップ19の外周面19cとの摺動部分に潤滑剤が十分に塗布されると共に、プランジャチップ19の凹部27に潤滑剤が保持された状態が確保される。
【0039】
次に、図2に示した位置の噴射ノズル21aを噴射パイプ21bと共に上方向へ移動させながら射出スリーブ17の注湯口17aから引き出すと共に、後工程の注湯の邪魔とならない退避位置まで潤滑剤噴射装置21を退避させる。この場合、潤滑剤噴射装置21を鉛直方向や水平方向に移動させることで、潤滑剤噴射装置21の退避位置への移動が確実に達成される。
【0040】
その後、ラドル(図示略)に準備された溶湯を射出スリーブ17の注湯口17aから所定量注湯して供給する。そして、射出シリンダ23の作動により、プランジャロッド20を介して射出スリーブ17内のプランジャチップ19を前進移動させて、キャビティ16及びランナー部18に射出スリーブ17内の溶湯を圧入して充填する。このとき、プランジャチップ19の前進移動に伴う射出スリーブ17の内周面17bとプランジャチップ19の外周面19cとの間には、プランジャチップ19の凹部27に保持されていた潤滑剤が順次供給されていき十分に塗布されるようになるため、溶湯の射出時における射出スリーブ17内でのプランジャチップ19の前進移動が円滑に行われる。
【0041】
最後に、キャビティ16及びランナー部18の溶湯を凝固させた後、固定金型12及び可動金型14を型開きしてから鋳造物を取り出し、その鋳造物におけるランナー部18等の不要部分を除去等することでダイカスト製品を製造する。以上のようなダイカストマシンの鋳造方法(ダイカスト製品の製造方法)により、ダイカスト製品が得られることとなる。ダイカスト製品を製造した後に、固定金型12及び可動金型14を型締め状態とし、射出プランジャ23を作動させることにより、射出スリーブ17内でのプランジャチップ19を後退移動させて、射出スリーブ17の注湯口17aよりも後方の射出スリーブ17内にプランジャチップ19を配置する配置工程を行うと共に、その他の上述した各工程を順に行って鋳造(製造)を繰り返し行う。
【0042】
以上詳述した本実施の形態によれば、以下に記す効果が得られるようになる。
【0043】
・本実施の形態によれば、配置工程を完了した状態で、吸引装置22により、吸引用空間、すなわち貫通孔24b、環状溝24aを経由して射出スリーブ17の内周面17bとプランジャチップ19の外周面19cとの間のクリアランスCから射出スリーブ17内を減圧することができる。この減圧により、射出スリーブ17内の潤滑剤の一部を射出スリーブ17の内周面17bとプランジャチップ19の外周面19cとの間の部分に向かってエアと一緒に引き寄せることができるため、射出スリーブ17の内周面17bとプランジャチップ19の外周面19cとの摺動部分に潤滑剤を十分に塗布できるようになる。換言すれば、従来技術では、射出スリーブ内に潤滑剤が十分に塗布されな部分(特に射出スリーブの内周面とプランジャチップの外周面との摺動部分)が生じることとなっていたが、吸引装置22によって射出スリーブ17内を減圧するだけで、当該部分が生じなくなる。
【0044】
・また、本実施の形態によれば、同じく配置工程を完了した状態で、吸引装置22の吸引力により、プランジャチップ19の湾曲面27aを有する凹部27にも潤滑剤の一部を積極的に引き寄せることができるため、吸引工程時において凹部27に潤滑剤を保持させることができるようになる。
【0045】
・本実施の形態によれば、仮に潤滑剤の噴射量を多くしなくても、吸引装置22の吸引力によって摺動部分に潤滑剤を引き寄せて十分に塗布することができるため、潤滑剤の使用量を抑制しつつ、射出スリーブ17の内面に潤滑剤を一様に塗布できる。その結果、溶湯の射出時における射出スリーブ17内でのプランジャチップ19の前進移動を円滑に行うことができ、射出スリーブ17の内周面17bとプランジャチップ19の外周面19cとの間のクリアランスCから溶湯が侵入して固化することはなく、カジリの発生を防止できる。カジリの発生を防止することで、射出スリーブ17やプランジャチップ19の寿命の低下を抑制できると共に、ダイカストの作業性の悪化を抑制できる。また、射出スリーブ17の内面に潤滑剤を一様に塗布できるため、溶湯の射出後における射出スリーブ17内でのプランジャチップ19の後退移動も円滑に行うことができる。
【0046】
・本実施の形態によれば、吸引工程時において凹部27に潤滑剤を保持させることができるため、射出スリーブ17内のプランジャチップ19の前進移動に伴い、その前進移動に伴って形成される、射出スリーブ17の内周面17bとプランジャチップ19の外周面19cとの間の部分に対し、潤滑剤を順次供給していくことができて十分に塗布することができるようになる。従って、プランジャチップ19の前進移動に伴って塗布された潤滑剤により、溶湯の射出時におけるカジリの発生をより確実に防止することができる。
【0047】
・本実施の形態によれば、プランジャチップ19の冷却室25に冷却水を供給してプランジャチップ19(チップ本体19a)を内部から冷却できるため、プランジャチップ19(チップ本体19a)の先端部から受ける溶湯の熱でプランジャチップ19(チップ本体19a)が過度に膨張したり、熱変形したり等することを抑制できる。これにより、カジリの発生をより確実に防止することができると共に、プランジャチップの寿命の低下を更に抑制することができる。
【0048】
・本実施の形態によれば、吸引用空間の一部である環状溝24aは、射出スリーブ17の内周面17bの周方向全面に渡って凹設されると共に、全面に渡ってクリアランスCと連通しているため、吸引装置22により射出スリーブ17内を減圧する際において、クリアランスC全体を介して射出スリーブ17内を効率良く減圧することができる。これにより、射出スリーブ17の内周面17bとプランジャチップ19の外周面19cとの摺動部分に潤滑剤を引き寄せて十分、かつ確実に塗布することができるようになる。また、凹部27にも、潤滑剤を確実に保持させることができる。
【0049】
・本実施の形態によれば、吸引パイプ22aの途中に潤滑剤捕獲手段(図示略)を設けたため、この潤滑剤捕獲手段により、吸引した潤滑剤を完全に捕獲することができる。これにより、潤滑剤の吸引に起因した吸引装置22の故障を回避できるため、吸引装置22の信頼性及び寿命の低下を抑制できる。
【0050】
なお、前記実施の形態を、次のように変更して実施することもできる。
【0051】
・前記実施の形態では、チップ本体19aの中心軸線Xを取り囲むと共に、チップ本体19aの先端面19bからチップ本体19aの外周面19cへ向かって次第に拡径するように延設された湾曲面27aを有する凹部27を形成したが、この凹部27の形状に特に限定されるものではない。例えば、湾曲面27aを有する凹部27(図3参照)に代えて、図4に示すように、プランジャチップ41の先端面19bから中心軸線X方向に沿って同径となるように延設して、円柱外周面42aと円環状の鉛直面42bとを有する凹部42としてもよい。また、プランジャチップ19の先端外周部を全て切り欠いて凹部27(図3参照)を形成するのではなく、図5に示すように、プランジャチップ51の先端外周部を等間隔おきに切り欠いて複数の凹部52を形成するようにしてもよい。要は、吸引工程時において、潤滑剤を保持することの可能な凹部(潤滑剤保持用凹部)であれば、どのような形状の凹部であってもよい。
【0052】
・前記実施の形態では、図2に示すように、プランジャチップ19の後端面19dと環状溝24aの後端内面24cとが上下方向に沿って略一致するように、プランジャチップ19を射出スリーブ17内に配置したが、図6に示すように、プランジャチップ19よりも後方の射出スリーブ61に環状溝24a及び貫通孔24bからなる吸引通路24を穿設し、プランジャチップ19の後端面19dと環状溝24aの前端内面24dとが上下方向に沿って略一致するように、射出スリーブ61内にプランジャチップ19を配置してもよい。この場合、吸引工程時においてのみ、射出スリーブ61の後側の開口部を閉塞するような蓋を配設することが好ましい。
【0053】
【0054】
・前記実施の形態では、一つの吸引装置22を用いることとしたが、複数用いるようにしてもよい。
【0055】
・前記実施の形態では、潤滑剤噴射工程を行うと同時に吸引工程を行い、その後に潤滑剤噴射工程及び吸引工程を終了(停止)する工程を行うようにしたが、例えば、潤滑剤噴射工程中に吸引工程を行い、その後に潤滑剤噴射工程及び吸引工程を終了(停止)する工程を行うようにしてもよい。また、潤滑剤噴射工程を終了した後に、吸引工程を行うようにしてもよい。要するに、射出スリーブ17の内周面17bとプランジャチップ19の外周面19cとの摺動部分に潤滑剤を十分に塗布でき、かつ射出スリーブ17の内面に潤滑剤を一様に塗布できるのであれば、潤滑剤噴射工程を行うタイミング、潤滑剤噴射工程を終了するタイミング、吸引工程を行うタイミング及び吸引工程を終了するタイミングは、各々いつ行ってもよい。
【0056】
・前記実施の形態では、潤滑剤として粉状のものを用いたが、特に粉状潤滑剤に限定されるわけではない。この場合、粉状潤滑剤に代えて、例えば潤滑油等の液状潤滑剤を用いてもよい。
【0057】
・前記実施の形態では、プランジャチップ19に凹部27を形成したが、その凹部27を省略する構成としてもよい。
【0058】
他に、特許請求の範囲の各請求項に記載されないものであって、前記実施の形態等から把握される技術的思想について、以下にその効果と共に記載する。
【0059】
(a) 請求項1に記載の水平射出型ダイカストマシンの射出スリーブ潤滑装置において、前記プランジャチップの先端外周部の全てを切り欠いて周方向に沿って延びる凹部を形成したことを特徴とする水平射出型ダイカストマシンの射出スリーブ潤滑装置。
【0060】
このように構成した場合でも、請求項1に記載の発明の効果を奏する。また、射出スリーブの内面に一様に潤滑剤を塗布することができるのに加えて、プランジャチップの前進移動に伴う射出スリーブの内周面とプランジャチップの外周面との間にも潤滑剤を十分に塗布することができるため、溶湯の射出時におけるカジリの発生をより確実に防止できるようになる。
【0061】
(b) 請求項1に記載の水平射出型ダイカストマシンの射出スリーブ潤滑装置において、前記プランジャチップの先端外周部を等間隔おきに切り欠いて複数の凹部を形成したことを特徴とする水平射出型ダイカストマシンの射出スリーブ潤滑装置。
【0062】
このように構成しても、請求項1に記載の発明の効果を奏する。また、射出スリーブの内面に一様に潤滑剤を塗布することができるのに加えて、プランジャチップの前進移動に伴う射出スリーブの内周面とプランジャチップの外周面との間にも潤滑剤を十分に塗布することができるため、溶湯の射出時におけるカジリの発生をより確実に防止できるようになる。
【0063】
(c) 請求項1又は請求項2に記載の水平射出型ダイカストマシンの射出スリーブ潤滑装置において、又は、請求項〜請求項のいずれか一項に記載の水平射出型ダイカストマシンの射出スリーブ潤滑方法において、前記プランジャチップの内部に、冷却室が設けられていることを特徴とする。
【0064】
このように構成した場合、請求項に記載の発明の効果に加えて、冷却室の冷却作用に基づき、溶湯の射出時におけるプランジャチップの過度の熱変形を防止して、カジリの発生を防止できると共に、プランジャチップの寿命の低下を更に抑制することが可能となる。
【0065】
【発明の効果】
請求項1〜請求項5に記載の発明によれば、射出スリーブの内周面とプランジャチップの外周面との間のクリアランス全体を介して射出スリーブ内を効率良く減圧することができる。これにより、射出スリーブの内周面とプランジャチップの外周面との摺動部分に潤滑剤を十分、かつ確実に塗布することができるようになる。従って、請求項1〜請求項に記載の発明によれば、潤滑剤の使用量を抑制しつつ、カジリの発生を防止して、射出スリーブやプランジャチップの寿命の低下を抑制することができると共に、ダイカストの作業性の悪化を抑制することができる。
【0066】
請求項2,請求項に記載の発明によれば、射出スリーブの内面に一様に潤滑剤を塗布することができるのに加えて、プランジャチップの前進移動に伴う射出スリーブの内周面とプランジャチップの外周面との間にも潤滑剤を十分に塗布することができるため、溶湯の射出時におけるカジリの発生をより確実に防止できるようになる。
【0067】
【図面の簡単な説明】
【図1】水平射出型ダイカストマシンの射出スリーブ潤滑装置を一部断面として示す側面図である。
【図2】射出スリーブの内面に潤滑剤噴射装置により潤滑剤を噴射した直後の状態を一部断面として示す側面図である。
【図3】本実施の形態のプランジャチップを示す図であって、(a)プランジャチップの断面図、(b)プランジャチップの正面図である。
【図4】別の実施の形態におけるプランジャチップの側面図である。
【図5】別の実施の形態におけるプランジャチップの正面図である。
【図6】別の実施の形態における射出スリーブの一部の断面図である。
【符号の説明】
12 固定金型
14 可動金型
15 射出スリーブ潤滑装置
16 キャビティ
17 射出スリーブ、17a 注湯口、17b 内周面
19 プランジャチップ、19c 外周面
21 潤滑剤噴射装置、21a 噴射ノズル、21b 噴射パイプ
22 吸引装置、22a 吸引パイプ
24 吸引通路、24a 環状溝、24b 貫通孔
27 凹部
41 プランジャチップ
42 凹部
51 プランジャチップ
52 凹部
61 射出スリーブ
C クリアランス

Claims (5)

  1. 略水平に支持され、溶湯が注入される注湯口よりも後方の部分に吸引通路を穿設した略円筒形状の射出スリーブと、
    この射出スリーブ内を略水平方向に前進移動して、前記射出スリーブ内の溶湯を金型のキャビティに圧入するプランジャチップと、
    前記注湯口を介して射出スリーブの内面に潤滑剤を噴射する潤滑剤噴射装置と、
    前記吸引通路を経由して前記射出スリーブの内周面と前記プランジャチップの外周面との間のクリアランスから射出スリーブ内を減圧する吸引装置とを備えた水平射出型ダイカストマシンの射出スリーブ潤滑装置であって、
    前記吸引通路は、前記射出スリーブの内周面の周方向全面に渡って凹設された溝と、該溝から外部に向かって延びる貫通孔とにより形成されており、
    前記吸引装置は、前記射出スリーブの内面に噴射された前記潤滑剤を吸引することを特徴とする水平射出型ダイカストマシンの射出スリーブ潤滑装置。
  2. 前記プランジャチップの先端外周部の少なくとも一部分を切り欠いて凹部を形成したことを特徴とする請求項1に記載の水平射出型ダイカストマシンの射出スリーブ潤滑装置。
  3. 略水平に支持され、溶湯が注入される注湯口よりも後方の部分に吸引通路を穿設した略円筒形状の射出スリーブと、
    この射出スリーブ内を略水平方向に前進移動して、前記射出スリーブ内の溶湯を金型のキャビティに圧入するプランジャチップと、
    前記注湯口を介して射出スリーブの内面に潤滑剤を噴射する潤滑剤噴射装置と、
    前記吸引通路を経由して前記射出スリーブの内周面と前記プランジャチップの外周面との間のクリアランスから射出スリーブ内を減圧する吸引装置とを備えた水平射出型ダイカストマシンの射出スリーブ潤滑装置を用いる射出スリーブ潤滑方法であって、
    前記吸引通路は、前記射出スリーブの内周面の周方向全面に渡って凹設された溝と、該溝から外部に向かって延びる貫通孔とにより形成されており、
    前記プランジャチップを前記射出スリーブの注湯口よりも後方の射出スリーブ内に配置する配置工程と、
    前記配置工程が完了した後に、前記潤滑剤噴射装置により、射出スリーブの注湯口を介して射出スリーブの内面に潤滑剤を噴射する潤滑剤噴射工程と、
    前記潤滑剤噴射工程を行うと同時に、または、前記潤滑剤噴射工程中に、吸引装置により、前記溝と前記貫通孔とにより形成されている前記吸引通路を経由して射出スリーブの内周面とプランジャチップの外周面との間のクリアランスから射出スリーブ内を減圧し、前記射出スリーブの内面に噴射された前記潤滑剤を吸引する吸引工程と、
    前記潤滑剤噴射工程を終了する工程と、
    前記吸引工程を終了する工程とを備えることを特徴とする水平射出型ダイカストマシンの射出スリーブ潤滑方法。
  4. 略水平に支持され、溶湯が注入される注湯口よりも後方の部分に吸引通路を穿設した略円筒形状の射出スリーブと、
    この射出スリーブ内を略水平方向に前進移動して、前記射出スリーブ内の溶湯を金型のキャビティに圧入するプランジャチップと、
    前記注湯口を介して射出スリーブの内面に潤滑剤を噴射する潤滑剤噴射装置と、
    前記吸引通路を経由して前記射出スリーブの内周面と前記プランジャチップの外周面との間のクリアランスから射出スリーブ内を減圧する吸引装置とを備えた水平射出型ダイカストマシンの射出スリーブ潤滑装置を用いる射出スリーブ潤滑方法であって、
    前記吸引通路は、前記射出スリーブの内周面の周方向全面に渡って凹設された溝と、該溝から外部に向かって延びる貫通孔とにより形成されており、
    前記プランジャチップを前記射出スリーブの注湯口よりも後方の射出スリーブ内に配置する配置工程と、
    前記配置工程が完了した後に、前記潤滑剤噴射装置により、射出スリーブの注湯口を介して射出スリーブの内面に潤滑剤を噴射する潤滑剤噴射工程と、
    前記潤滑剤噴射工程が終了した後に、吸引装置により、前記溝と前記貫通孔とにより形成されている前記吸引通路を経由して射出スリーブの内周面とプランジャチップの外周面との間のクリアランスから射出スリーブ内を減圧し、前記射出スリーブの内面に噴射された前記潤滑剤を吸引する吸引工程と、
    前記吸引工程を終了する工程とを備えることを特徴とする水平射出型ダイカストマシンの射出スリーブ潤滑方法。
  5. 前記プランジャチップの先端外周部の少なくとも一部分を切り欠いて凹部を形成し、前記吸引工程時において該凹部に前記潤滑剤を保持させるようにすることを特徴とする請求項又は請求項に記載の水平射出型ダイカストマシンの射出スリーブ潤滑方法。
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