JP4010117B2 - ロータリー式液体充填包装機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ロータリー方式のターンテーブル搬送機構を有する横断面が正方形又は長方形の紙製角筒体を製函して、ジュース、牛乳、液体調味料、酒などの液体内容物を充填包装するロータリー式液体充填包装機に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、横断面が正方形あるいは長方形の紙製角筒体の液体充填包装機は、折り畳まれた扁平な四角形状の紙製角筒体(以下カートンという)を、多数枚集積して前方に一枚ずつフィードするカートン供給工程と、カートンを扁平形状から立体形状へと立ち起こす立ち起こし工程と、立ち起こしたカートンを装填支持してカートンボトム部を成形するマンドレル(マンドレルアーム)を備えたボトム密閉工程(以下、マンドレルアームに装填されたカートンのボトム部が加熱(又は折り込み)、折り込み(又は加熱)、圧着密閉されるまでをボトム成形とする)と、該ボトム成形工程と接続して設けられ、ジュース、牛乳、酒等の内容物をカートンの頂部開口部より充填する充填工程と、カートンの頂部(トップ部)の開口部を加熱する加熱工程(又は折り込む折り込み工程)と、加熱した(又は折り込んだ)開口部を折り込み(又は加熱)圧着して密封する密封工程と、充填密封された角筒容器を搬出する搬出工程(以下、ボトム成形された後のカートンに液体内容物が充填され、トップ部が加熱、折り込み、密封されて搬出されるまでをトップ成形とする)からなっている。
【0003】
以上のような工程は一般的に、上記工程を直線的に配置してリニアライン搬送機構によりカートンを直線的に搬送して行うリニアライン方式による液体充填包装機と、ターンテーブルの円周方向に等間隔に上記工程を配置して回転するターンテーブルを用いたロータリー搬送機構によりカートンを搬送して行うロータリー方式による液体充填包装機のいずれかによって行われる。
【0004】
リニアライン方式の液体充填包装機の場合、図3の側面図に示すように、ラインの一端にはボトム成形用に使用されるマンドレル1がターンテーブル2に対して等間隔で配置され、且つ垂直に釣り下げられて固定されている。
【0005】
そして、偏平状のカートン3を多数枚集積したマガジン4からカートン3が1部ずつ取り出されて、カートン3は角筒状に成形された(立ち起こされた)後にマンドレル1に供給され装着され保持されて、ターンテーブル2がほぼ一回転する間に、ボトム成形工程T1にて、そのカートン3のボトム部(カートン下部)が折り込まれ加熱シールされて密封成形される。
【0006】
このボトム成形工程T1にてボトム部が密閉された角筒状のカートン3は、次にマンドレル1から下方に引き抜かれ、エンドレスチェーンに等間隔に取付けられたホルダをもつ直進搬送装置Lへ移載されて、必要に応じてカートン3のトップ部(カートン上部)に口栓を取付ける口栓取付工程T2、カートン3のトップ部を仮折りするトップ折り込み工程T3を経て、順次、充填工程T4、トップ部折り込み工程(又は加熱工程)T5、加熱工程(又は折り込み工程)T6、トップ部圧着密封工程T7、必要に応じて加熱、密封後のトップ密封済みのカートン3を水洗冷却する冷却工程T8、搬出工程T9に搬送されながら、充填、トップ部折り、加熱、トップ部密封、搬出が行われる。
【0007】
次に、ロータリー式液体充填包装機では、図4の平面図に示すように、リニアライン式液体充填包装機と同様の工程を、ターンテーブルが間欠回転しながら行われ、回転するターンテーブル10aの円周上に等間隔に配置されたマンドレル1により、間欠回転しながらボトム成形工程を行い、前記ターンテーブル10aにオーバーラップして連動回転するターンテーブル10bの円周上に等間隔に配置されたホルダ5により、ボトム密閉されたカートン3をホールドしながら間欠回転してトップ成形を行なう。
【0008】
このようにボトム成形側ターンテーブル10aと、トップ成形側ターンテーブル10bとは、互いにテーブルの一部が重なって配置されており、ボトム成形側ターンテーブル10aとトップ成形側ターンテーブル10bの間欠回転は同期している。
【0009】
このボトム成形されたカートン3のトップ部を成形するトップ成形側ターンテーブル10b側への移動は、間欠回転により、トップ成形側ターンテーブル10bのホルダ5の真上に、ボトム成形側ターンテーブル10aに配置されたマンドレル1が来た状態において、マンドレル1から下方のホルダ5へと引き抜かれ、トップ成形側ターンテーブル10bへとカートン3が移動する。
【0010】
一般的なロータリー式液体充填包装機では、ボトム成形側ターンテーブルとトップ成形側ターンテーブルが重なって配置されるため、ボトム成形側ターンテーブル10aに配置されたマンドレル1とトップ成形側ターンテーブル10bに配置されたホルダ5には、一時的にカートン3が存在しない(包装加工を行うカートン3が存在しない)マンドレル1およびホルダ5が存在することになる。
【0011】
さらに、ボトム成形側ターンテーブル10aと、トップ成形側ターンテーブル10bが重なって配置されることにより、作業スペースが狭くなりメンテンナンス性が悪くなる。また従来のロータリー式液体充填包装方法としては、例えば特開平7−61411号公報に示されるように、ボトム成形工程とトップ成形工程が一つのターンテーブル上で行なわれるロータリー式液体充填包装方法もある。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
上述したリニアライン式液体充填包装機は、ボトム成形からトップ成形までのラインが長くなり、充填包装機が大型化して、コスト高となり、且つ設備が大型化することで設置に広いスペースを必要とする。
【0013】
また、上述したロータリー式液体充填包装機においては、包装加工(仕事)の行われないマンドレルおよびホルダが一時的に存在することにより、ターンテーブルの径が増大し、且つ無駄なマンドレル及びホルダが存在するため、高速充填に対応するためには、さらに充填包装機が大型化することが必要で、広い設置スペースも必要となる。
【0014】
本発明の課題は、上述したロータリー式液体充填包装機においては、ターンテーブルの径を縮小して、包装加工(仕事)の行われない無駄なマンドレル及びホルダの存在を無くし、広い設置スペースを必要とせずに、高速充填に対応できる液体充填包装機を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明は、角筒状のカートン3を装填支持するマンドレルを備え、マンドレルに装填されたカートン3のボトム部を密封成形するボトム密閉手段を少なくとも配置したボトム成形側ターンテーブル10aと、ボトム密閉手段以降のボトム成形済み角筒状のカートン内に液体を充填する充填手段及び液体を充填されたカートン3のトップ部を加熱し折り込んで密封されたトップ部を成形するトップ密封手段とを少なくとも配置したトップ成形側ターンテーブル10bとを備え、両テーブルは互いに重なることなく配置され、両テーブル間にはボトム成形済みカートン3をボトム密閉手段側から充填手段側に移送する移送手段を有し、前記移送手段は、ボトム成形側ターンテーブルのマンドレルから前記ボトム密閉手段にてボトム成形されたカートンを下方に引き抜くための吸盤の付いた作動ロッドと、該作動ロッドを上下方向に移動させる上下方向移動機構と、作動ロッドによりマンドレルから引き抜かれたカートンの側面を吸着保持するための吸盤を取り付けた可動体と、該可動体を水平方向に直進移動させる水平移送機構とを備え、該可動体にて吸着保持したカートン3を、前記ボトム成形側ターンテーブル10aから充填手段及びトップ密封手段が配置された前記トップ成形側ターンテーブル10bのホルダに水平移動させて移載することを特徴とするロータリー式液体充填包装機である。
【0016】
このように、本発明は、横断面が正方形あるいは長方形の角筒状のカートン(紙製角筒状筒体)のボトム部(下部)を折り込んで密閉されたボトム部を成形するボトム密閉工程と、ボトム成形済み角筒状のカートン内に液体を充填する充填工程と、液体を充填されたカートンの筒体の上部を折り込んで密封されたトップ部を成形するトップ密封工程を少なくとも含む液体充填包装機において、前記カートンのボトム密閉工程と、ボトム密閉工程以降のボトム成形済みカートンの筒体内に液体を充填する充填工程、液体を充填されたカートンのトップ部を加熱して密封するトップ密封工程とは別々のターンテーブルにおいて行なわれ、二つのターンテーブルを重なることなく配置することで、ボトム成形工程を行なうターンテーブルから、ボトム成形されたカートンの筒体を、充填工程以下の工程を行なうターンテーブルへ移送する移送手段を有するものである。
【0017】
【作用】
ボトム成形側ターンテーブル10aが間欠回転している間に、そのテーブル10aの一時停止位置S1で、カートンマガジン4から多数集積された偏平状のカートン3を、カートン取出供給手段11にてマンドレル1に角筒状に成形して供給されたカートン3は、次の一時停止位置S2、S3、S4で順次、そのカートン下部のボトム部が密閉成形される。
【0018】
次に、ボトム成形側ターンテーブル10aが一時停止位置S5で停止している間に、ボトム成形された角筒状カートン3は、ターンテーブル10aのマンドレル1から、トップ成形側ターンテーブル10bの一時停止位置S6のホルダ5へ移載される。
【0019】
そして、必要に応じて、次の停止位置S7(口栓取付手段、工程)と、S8(トップ折り手段、工程)で、カートン3のトップ部(カートン上部)に口栓を取り付け、トップ部を仮折りする。
【0020】
次の停止位置S9(充填手段、工程)では、カートン3内に液体を充填され、次の停止位置S10(トップ部折り手段、工程)でトップ部が折られ、次の停止位置S11(トップ部加熱手段、工程)でトップ部が加熱され、次の停止位置S12(トップ部密封手段、工程)でトップ部が密封されてトップ部の密封成形が終了し、最終的に停止位置S13(搬出手段、工程)で密封充填包装されたカートン3がホルダ5から搬出される。
【0021】
なお上記停止位置S12とS13との間には、必要に応じて加熱密封後のトップ密封済みのカートン3を水洗冷却するための冷却手段、工程が追加される。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態について説明すれば、図1は、本発明のロ−タリー式液体充填包装機の平面図であり、ボトム成形側ターンテーブル10aとトップ成形側ターンテーブル10bとを、移載手段にて連結した状態を示している。
【0023】
支軸10cを中心に間欠駆動回転するボトム成形側ターンテーブル10aの円周沿って等間隔に配置されたマンドレル1と、支軸10dを中心に間欠駆動回転するトップ成形側ターンテーブル10bの外周(又は円周上)に等間隔に配置されたホルダ5のそれぞれ数は、少なくとも、カートン3を充填包装機に供給してからボトム成形し、内容物を充填密封包装して搬出するまでの全製造工程を満足する数であり、例えば、図1に示すように、ボトム成形側ターンテーブル10aのマンドレル1の設置個数は5本、トップ成形側ターンテーブル10bのホルダ5の設置個数は8個に設定して配置されている。
【0024】
図2は、ボトム成形側ターンテーブル10aのマンドレル1及び移送手段13(移載手段)の部分拡大斜視図であり、ターンテーブル10a側のマンドレル1は、上記図1又は図2に示すように、ターンテーブル10aの円周上に等間隔に配置され、ボトム成形側ターンテーブル10aに、その円周に沿って垂直に釣り下げられて取り付け固定されている。
【0025】
ターンテーブル10b側のホルダ5は、トップ成形側ターンテーブル10bの外周(又は円周上)に等間隔に、カートン3のホールド装填方向を垂直方向として取り付け固定されている。
【0026】
ボトム成形側ターンテーブル10aの各停止位置S1〜S5毎に一旦停止する間欠回転動作により、停止位置S1に移動したマンドレル1に、カートンマガジン4から偏平状態のカートン3を角筒状にして供給装着するために、その停止位置S1の近傍にはカートン供給装置11が設置される。
【0027】
また、マンドレル1が停止する停止位置S1の後には、間欠回転により一時停止する連続した3つの停止位置S2、S3、S4が設けられ、その各位置に対応してマンドレル1をカートン3の角筒内に挿入して装着保持された該カートン3のボトム部を折り込み、加熱し、密閉成形するために必要なボトム密閉成形装置として、停止位置S2にはボトム加熱手段12a(又はボトム折り込み手段)、停止位置S3にはボトム折り込み手段12b(又はボトム加熱手段)、停止位置S4にはボトム部圧着密閉成形手段12cが順に設置されていて、それぞれ前記手段12a、12b、12cにて順次ボトム部を加熱され折り込まれて密閉成形されたカートン3は、次の停止位置S5まで順次搬送される。
【0028】
そして、ボトム成形側ターンテーブル10aの停止位置S5とトップ成形側ターンテーブル10bの停止位置S6との間には、ターンテーブル10aが一時停止している間に、停止位置S5にあるボトム密閉済みのカートン3を、マンドレル1から下方に抜き出し、一時停止したトップ成形側ターンテーブル10bの停止位置S6のホルダ5に移送して装填する移送(移載)手段13が設置されている。
【0029】
なお、本発明において移送手段13の構造は、角筒状のカートン3を保持して停止位置S5のマンドレル1から停止位置S6のホルダ5の間を往復移動可能な手段であれば特に限定されず、例えば、直線的(リニア)にガイドレールなどに沿って往復移動するカートン保持移送用の開閉バケット手段や開閉把握手段、あるいはロボットアームやハンドなどでもよい。
【0030】
停止位置S6の次の停止位置S7には、カートン3のトップ部に口栓を供給する口栓供給手段14が、また、次の停止位置S8には、その口栓をカートン3に溶着する口栓溶着手段15が設置され、次の停止位置S9にはカートン3に液体を充填する液体充填手段16が設置されている。
【0031】
ホルダ5が停止位置S9の停止の次に一時停止する連続した3つの停止位置S10、S11、S12には、カートン3のトップ部を段階的に密封するトップ密閉成形装置として、トップ加熱手段(又はトップ折り込み手段)17a、トップ折り込み手段(又はトップ加熱手段)17b、トップ圧着密閉成形手段17cが順に設置され、トップ部を密閉成形されて、充填密封包装されたカートン3が製造される。
【0032】
このようにして充填密封包装されたカートン3は、次の停止位置S13まで搬送されて、その停止位置S13に設置されたカートン搬出手段18により、機外に搬出される。
【0033】
次に本発明の液体充填包装機を、そのカートン3の供給から、液体内容物を充填包装済みのカートン3の排出までの製造工程について、図1に示す実施の形態に基づいて以下に説明する。
【0034】
まず、図1に示すように、空のマンドレル1が停止位置S1に停止すると、カートン供給装置11が動作し、カートンマガジン4から偏平状態に集積されているカートン3が1部ずつ取り出されながら、横断面が四角形の角筒状のカートン3になるように立ち起こされて、停止位置S1に停止中の前記空のマンドレル1の真下に移動する。
【0035】
続いて、停止位置S1に停止中の空のマンドレル1の真下に移動した前記角筒状のカートン3が、そのカートン下部の真下に対向配置した押し上げ手段(図示せず)により押し上げられて、カートン3の筒内にマンドレル1が挿入され、カートン3はマンドレル1に設けた一時的に保持するカートン保持手段により一旦保持される。
【0036】
次に、ボトム成形側ターンテーブル10aが間欠回転動作して、停止位置S1にてマンドレル1に挿入されたカートン3が、次の停止位置S2に送られると、停止位置S2に設置されたボトム加熱手段12aが作動して、カートン3の底部を加熱し、ボトム部の内面同士を溶着可能な状態にする。
【0037】
そして、ボトム成形側ターンテーブル10aの次の間欠回転動作で、停止位置S2のマンドレル1に挿入されたカートン3が、次の停止位置S3に送られると、停止位置S3に設置されたボトム折り込み手段12bが作動して、マンドレル1に挿入されているカートン3のカートンボトム部の折込線を折り込んで癖付けを行う。
【0038】
続いて、ボトム成形側ターンテーブル10aの次の間欠回転動作で、停止位置S3のマンドレル1に挿入されたカートン3が停止位置S4に移動すると、停止位置S4に設置されたボトム部圧着密閉成形手段12cが作動して、カートン3の底部を圧着(プレス)してボトム部の溶けた面同士を溶着しボトム部を平坦に密閉する。
【0039】
そして、ボトム成形側ターンテーブル10aの次の間欠回転動作で、停止位置S4のボトム部密閉済みカートン3が停止位置S5に送られると、停止位置S5のマンドレル1に保持されているボトム成形された角筒状のカートン3は、停止位置S5の近傍に移動停止している移送手段13によりホールドされてマンドレル1から下方に引き抜かれるとともに、該移送手段13はトップ成形側ターンテーブル10bの停止位置S6のホルダ5の近傍に移動して、トップ成形側ターンテーブル10bが停止している間に、カートン3が停止位置S6のホルダ5へ装填されて、移送(移載)動作を終了する。
【0040】
前記移送手段13は、例えば図1、図2に示す構造であり、ボトム成形側ターンテーブル10aとトップ成形側ターンテーブル10bとの間に設置され、マンドレル1からボトム成形された角筒状のカートン3を下方に引き抜くための吸盤13aの付いた作動ロッド13cを上下方向に移動させるパワシリンダ13d(空圧又は油圧シリンダ)からなる上下方向移送機構と、マンドレル1から引き抜かれた角筒状のカートン3の側面(四側面のうちのいずれか一側面)を吸着保持するための吸盤13bを(アーム13eを介して)取り付けた可動体13fを水平方向に直進移動させるパワシリンダ13g(空圧又は油圧のロッドシリンダ又はロッドレスシリンダ)からなる水平移送機構とを備える。なお、パワシリンダ13gは、可動体13fを作動ロッドとするロッドシリンダであってもよいし、可動体13fをリニアガイドフォロワとするリニアガイド型のロッドレスシリンダであってもよい。
【0041】
本発明における上記移送手段13とは、ボトム成形が行なわれたカートン3をボトム成形側ターンテーブル10aのマンドレル1からトップ成形側ターンテーブル10bのホルダ5へと移載する手段であり、この機能を有していれば、図2に示す移送手段の形態には限定されない。
【0042】
図2に示す上記移送手段13において、ボトム成形側ターンテーブル10aの停止位置S5にマンドレル1に装着保持されたボトム部を密閉済みのカートン3が送られてくると、上下移送機構のシリンダ13dが伸長動作して作動ロッド13cの先端部に取り付けた吸盤13aが上昇してカートン3のボトム部の底面を真空吸着し、続いて、シリンダ13dが短縮動作して、作動ロッド13cの先端部に取り付けた吸盤13aが下降して、吸着保持された角筒状のカートン3はマンドレル1から引き抜かれて、マンドレル1の下方に離脱する。
【0043】
そして、角筒状のカートン3がマンドレル1の下方に離脱移動した時点で、そのカートン3の少なくとも一側面は、ボトム成形側ターンテーブル10a側に最も接近する位置に移動停止している水平移動機構の可動体13fに取り付けたカートン吸着保持用の吸盤13bの前面に対して近接対向する。
【0044】
図2に示す上記移送手段13において、次に、カートン3の一側面に近接対向する水平移動機構の吸盤13bはカートン3の一側面に当接するように移動してカートン3を保持した後、前記上下移動機構の吸盤13aが真空吸着を解除し、水平移動機構の可動体13fがカートン3を吸着保持したまま、トップ成形側ターンテーブル10bの停止位置S6の方向に移動することにより、カートン3は停止位置S6の位置にあるホルダ5の真下に移送され、そのカートン3下側にある押し上げ手段(図示せず)により押し上げられてホルダ5内に装填される。なお、ホルダ5の移送手段13側が、左右両側に開閉可能な開閉機構を備えている場合には、カートン3を押し上げる押し上げ手段を省略でき、例えばカートン3を移送手段13によりホルダ5と同じ高さで水平に搬送して、その高さのままで開放するホルダ5内に装填するようにしてもよい。
【0045】
停止位置S5の空になったマンドレル1は、ボトム成形側ターンテーブル10aの間欠回転により停止位置S1に移動し、停止位置S1に移動したマンドレル1には、新たに次のカートン3がカートン供給装置11から前述と同様に供給される。
【0046】
停止位置S6のホルダ5に供給されたボトム成形済みのカートン3は、次のトップ成形側ターンテーブル10bの間欠回転で停止位置S7に移動し、停止位置S7に移動したカートン3は、停止位置S7に対設した口栓供給手段14によって口栓が供給される。
【0047】
停止位置S7に設置された前記口栓供給装置14は、具体的にはパーツフィーダなどであって、カートン3の上部に成形された口栓取付孔に口栓を自動挿入するものである。
【0048】
次のトップ成形側ターンテーブル10bの間欠回転で、停止位置S7から停止位置S8にカートン3が送られると、停止位置S8に対設された口栓溶着手段15(加熱溶着)によって口栓がカートン3の上部に溶着される。
【0049】
また、トップ成形側ターンテーブル10bの間欠回転で、停止位置S8から停止位置S9にカートン3が移動すると、停止位置S9に対設された液体充填手段16が作動してカートン3の上部開口より定量の液体内容物が充填される。
【0050】
次のトップ成形側ターンテーブル10bの間欠回転で、停止位置S9のカートン3が停止位置S10に移動すると、停止位置S10に対設したトップ加熱手段17aが作動し、カートン3のトップ部(上部)を加熱して、トップ部の内面同士を溶着可能な状態にする。
【0051】
そして、次のトップ成形側ターンテーブル10bの間欠回転で、停止位置S10のホルダ5に保持されているカートン3が停止位置S11に移動すると、停止位置S11に対設したトップ折り込み手段17bが作動して、液体内容物充填済みカートン3のトップ部の折込線を折り込んで、トップ部の折り癖付けが行われる。
【0052】
次のトップ成形側ターンテーブル10bの間欠回転で、停止位置s11のカートン3が停止位置S12に送られると、停止位置S12に対設したトップ圧着密閉成形手段17cが作動し、カートン3の加熱溶融されて折り癖付けされたトップ部をプレス(圧着)して溶けた面同士を溶着し、トップ部が成形され完全密閉されて、液体充填密封包装されたカートン3の製品の製造が完了する。
【0053】
この液体充填密封包装されたカートン3は、次のトップ成形側ターンテーブル10bの間欠回転で、停止位置S12のカートン3が停止位置S13に移動し、停止位置S13においてカートン3は、停止位置S13に対設したカートン搬出手段18によってホルダ5の外部に搬出される。
【0054】
次のトップ成形側ターンテーブル10bの間欠回転で、停止位置S13において空になったホルダ5は次の停止位置S6に移動し、停止位置S6においてホルダ5には、移送手段13によりボトム成形側ターンテーブル10aの停止位置S5のマンドレル1から停止位置S6に移送されたボトム部成形済みの角筒状のカートン3が装填されて、以下、同様の動作を繰り返す。
【0055】
以上のように、ボトム成形側ターンテーブル10aの各停止位置S1〜S5の各工程、及びトップ成形側ターンテーブル10bの各停止位置S6〜S13の各工程が間欠回転毎に行われ、間欠回転毎に1個の充填密封包装されたカートン3の製品が製造される。
【0056】
以上、本発明による実施の形態について説明したが、本発明は上述した形態に限定されることなく種々の形態とすることができる。
【0057】
上述した実施の形態では、ボトム成形側ターンテーブル10aの3つの各停止位置S2、S3、S4でカートン3のボトム部の密閉工程を行ない、トップ成形側ターンテーブル10bの3つの停止位置S10、S11、S12でカートン3のトップ部の密封工程を行なうが、この停止位置の数は限定されること無く、3以下又は3以上の各停止位置でボトム成形及びトップ成形を行なってもよい。
【0058】
そして、ボトム成形側ターンテーブル10aとトップ成形側ターンテーブル10bのそれぞれ間欠回転の回転方向は、互いに同一回転方向であってもよいし、互いに逆の回転方向であってもよい。
【0059】
また、ボトム成形側ターンテーブル10aの停止位置の総数と、トップ成形側ターンテーブル10bの停止位置の総数は、液体充填包装用のカートン3などの紙容器製品の製造に必要な工程数、あるいは装置の配置スペースが得られるように、製造する紙容器製品の種類に応じて適宜増減してもかまわない。
【0060】
また上述した実施の形態では、トップ成形側ターンテーブル10bに口栓供給手段14、及び口栓溶着手段15を設置したが、口栓無しのカートン3など紙容器製品を製造する場合には、これら手段14、15を設置する必要は無く、この場合、トップ成形側ターンテーブル10bのホルダ5の数を減らすことができ、ホルダ5の数を減らした分だけトップ成形側ターンテーブル10bの回転径を小さくでき、充填包装機を小型化できる。さらに本発明によれば、仕事の行なわれない無駄なマンドレル1およびホルダ5は存在せず、最も効率的な装置構成とすることができる。
【0061】
【発明の効果】
本発明は、ボトム成形を行なうターンテーブルと、トップ成形を行なうターンテーブルを分離し、互いにターンテーブルを重ねずに配置して、両者を移送(移載)手段で製造ラインを繋ぐことにより、仕事の行なわれない無駄なマンドレルおよびホルダが皆無となり、装置に無駄がなく、最も効率的な装置構成が可能となり、且つ作業スペースを広くすることができ、メンテンナンス性が向上するなど、きわめて高い効果を有するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のロータリー式液体充填包装機の一実施の形態を説明する平面図。
【図2】本発明のカートン移送手段の一実施の形態の概要を説明する部分斜視図。
【図3】従来のリニアライン式液体充填包装機の概要を説明する側面図。
【図4】従来のロータリー式液体充填包装機の概要を説明する平面図。
【符号の説明】
1…マンドレル 2…ターンテーブル 2a…回転軸 3…カートン
4…カートンマガジン 5…ホルダ
10a…ボトム成形側ターンテーブル 10b…トップ成形側ターンテーブル
11…カートン供給装置 12a、12b、12c…ボトム密閉装置
13…移送手段
13a、13b…吸盤 13c…作動ロッド 13d…シリンダ
13e…アーム 13f…可動体 14…口栓供給手段 15…口栓溶着手段
16…液体充填手段 17a、17b、17c…トップ密封装置
18…搬出手段
T1〜T9…トップ成形工程
S1〜S5…ボトム成形側ターンテーブル停止位置
S6〜S13…トップ成形側ターンテーブル停止位置
Claims (1)
- 角筒状のカートン3を装填支持するマンドレルを備え、マンドレルに装填されたカートン3のボトム部を密封成形するボトム密閉手段を少なくとも配置したボトム成形側ターンテーブル10aと、ボトム密閉手段以降のボトム成形済み角筒状のカートン内に液体を充填する充填手段及び液体を充填されたカートン3のトップ部を加熱し折り込んで密封されたトップ部を成形するトップ密封手段とを少なくとも配置したトップ成形側ターンテーブル10bとを備え、両テーブルは互いに重なることなく配置され、両テーブル間にはボトム成形済みカートン3をボトム密閉手段側から充填手段側に移送する移送手段を有し、前記移送手段は、ボトム成形側ターンテーブルのマンドレルから前記ボトム密閉手段にてボトム成形されたカートンを下方に引き抜くための吸盤の付いた作動ロッドと、該作動ロッドを上下方向に移動させる上下方向移動機構と、作動ロッドによりマンドレルから引き抜かれたカートンの側面を吸着保持するための吸盤を取り付けた可動体と、該可動体を水平方向に直進移動させる水平移送機構とを備え、該可動体にて吸着保持したカートン3を、前記ボトム成形側ターンテーブル10aから充填手段及びトップ密封手段が配置された前記トップ成形側ターンテーブル10bのホルダに水平移動させて移載することを特徴とするロータリー式液体充填包装機。
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