JP4009918B2 - ポリイミドフィルム、その製造方法およびそれを基材とした金属積層板 - Google Patents

ポリイミドフィルム、その製造方法およびそれを基材とした金属積層板 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、高弾性、金属並の低熱膨張性、低吸水性であるポリイミドフィルム、その製造方法およびそれを基材とした反りの改善された金属積層板に関する。
【0002】
【従来の技術】
無水ピロメリット酸と4,4’−ジアミノジフェニルエーテルとの縮重合によって得られるポリイミドは、耐熱性、電気絶縁性に優れ、主にフレキシブルプリント基板等の用途に利用されている。最近では半導体パッケージ用途にも展開しており、高加工性、高精度化が要求され、ポリイミドの特性としても高弾性率、金属並の低熱膨張性、低吸水性が求められ、種々検討が行われている。例えば特開昭60−210629、特開昭64−16832、特開昭64−16833、特開昭64−16834、特開平1−131241、特開平1−131242各号公報では、弾性率を高めるためにジアミン成分としてパラフェニレンジアミンを併用し、無水ピロメリット酸、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、パラフェニレンジアミンによる3成分系ポリイミドの例が記載されている。さらに弾性率を高めるため上記3成分系に3,3’−4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物を加えた4成分系ポリイミドへの展開も行われている。例えば特開昭59−164328号公報、特開昭61−111359号公報に4成分系ポリイミドの例が記載されている。他では4成分系ポリイミドで重合時にモノマーの添加手順をコントロールすることによって物性を改良する試みが例えば特開平5−25273号公報で示されている。また製膜時に延伸を行うことで物性を改良する試みが例えば特開平1−20238号公報で示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記で述べたように半導体パッケージ用途に使用するには、その特性として高弾性率、金属並の低熱膨張性、低吸水性が必要である。しかしながら特開昭60−210629、特開昭64−16832、特開昭64−16833、特開昭64−16834、特開平1−131241、特開平1−131242で得られる3成分系ポリイミドは、無水ピロメリット酸と4,4’−ジアミノジフェニルエーテルから得られるポリイミドに比べて弾性率は高くなるがそれでも尚半導体パッケージ用途として充分な弾性率は得られない。また特開昭59−164328、特開昭61−111359で得られる4成分系ポリイミドでは、充分な弾性率を得るためには、パラフェニレンジアミンの使用量を多くする必要があり、その結果熱膨張率が金属より低くなりすぎるという問題がある。他に特開平5−25273で得られる4成分系ポリイミドでは、弾性率、熱膨張性はその用途を充分満たしたものとなっているが、吸水率が大きいという問題がある。また特開平1−20238で得られる3成分系ポリイミドでは延伸により弾性率が著しく高くフレキシビリティを失い、熱膨張係数もかなり低下しフィルムと貼り合わせた時金属との熱挙動の差異が大きくなるという問題がある。
【0004】
したがって本発明は、高弾性、金属並の低熱膨張性、低吸水性であるポリイミドフィルム、その製造方法およびそれを基材とした反りを改善した金属積層板を提供することを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決する本発明のポリイミドフィルムは、パラフェニレンジアミンとピロメリット酸二無水物とからなるポリイミドのブロック成分と、4,4’−ジアミノジフェニルエーテルとピロメリット酸二無水物および3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物または3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物とからなる共重合ポリイミドのランダム成分とが、分子結合してなる共重合ポリイミドを2軸延伸することによって成形した複屈折0.01以下、熱膨張係数10〜22ppm/℃、弾性率520〜680kg/mm 、吸水率1.5〜2.1%のポリイミドフィルム。
(ただし、全芳香族ジアミン成分中パラフェニレンジアミンが12〜30モル%、4,4’−ジアミノジフェニルエーテルが70〜88モル%であり、かつ全芳香族テトラカルボン酸成分中ピロメリット酸二無水物が50〜80モル%、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物または3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物が20〜50モル%である。)
また、本発明のポリイミドフィルムの製造方法は、 (1)パラフェニレンジアミンとピロメリット酸二無水物とを、反応成分に対して非反応性の有機溶媒中で、パラフェニレンジアミンに対してピロメリット酸二無水物が95〜105モル%となる比率で、反応に必要な時間混合した後、(2)4,4’−ジアミノジフェニルエーテルを添加し、続いてピロメリット酸二無水物を添加、さらに3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物または3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物を全芳香族テトラカルボン酸類成分と全芳香族ジアミン成分とがほぼ等モルとなる量添加して、反応に必要な時間混合し、(3)得られる共重合ポリアミド酸溶液を環化後、2軸延伸・脱溶媒して成形されることを特徴とするポリイミドフィルムの製造方法である。
また、本発明の金属積層板は、上記のポリイミドフィルムあるいは、上記の方法で得られたポリイミドフィルムを基材とし、これと金属とを積層することを特徴とする金属積層板である。
【0006】
本発明の共重合ポリイミドを構成するポリイミドのブロック成分とは、パラフェニレンジアミン(以下、剛構造の芳香族ジアミン化合物と称することがある)とピロメリット酸二無水物とから得られる繰り返しポリイミド分子鎖であり、重合の第1段階で形成させることにより得る。また共重合ポリイミドのランダム成分は、重合の2段階目に4,4’−ジアミノジフェニルエーテル(以下、柔構造のジアミン化合物と称することがある)とピロメリット酸二無水物および3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物または3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物を反応させることによって形成する。こうして得られるポリイミドのブロック成分と共重合ポリイミドのランダム成分とを分子結合によって構成せしめる共重合ポリイミドを延伸することによって成形したポリイミドフィルムは高弾性、金属並の低熱膨張性、低吸水性といった優れた物性を有することができる。
【0007】
延伸によって得られるポリイミドフィルムの複屈折は0.01以下にコントロールする必要がある。複屈折が0.01以上であるとフィルムの異方性が大きくなり金属と貼り合わせた時反りが生じやすくなるので好ましくない。
【0008】
また延伸によって得られるポリイミドフィルムの熱膨張係数を10〜22ppm/℃の範囲にコントロールすることが望ましい。この範囲から外れると金属、ICチップ、エポキシ基材等との熱的挙動に差異が生じ、寸法変化が大きくなるので好ましくない場合がある。
【0015】
使用する芳香族ジアミン化合物の割合としては、全芳香族ジアミン成分に対して剛構造の芳香族ジアミン化合物を12モル%以上30モル%以下、柔構造の芳香族ジアミン化合物を70モル%以上88モル%以下使用するのが好ましい。剛構造の芳香族ジアミン化合物の使用割合が前記の割合より少なくなり、柔構造の芳香族ジアミン化合物の使用割合が多くなりすぎると、得られるポリイミドフィルムの弾性率が低下したり、熱膨張係数が増大するので好ましくなく、また剛構造の芳香族ジアミン化合物の使用割合が前記の割合より多くなり、柔構造の芳香族ジアミン化合物の使用割合が少なくなると、ポリイミドフィルムの吸水率が増大したり、熱膨張係数が低下しすぎたり、弾性率が高くなりすぎて成形性を損なうので好ましくない。
【0016】
使用する芳香族テトラカルボン酸類化合物としてはピロメリット酸類、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸類および3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸類から1種以上を選ぶのが好ましい。
【0017】
使用する芳香族テトラカルボン酸類化合物で、ピロメリット酸類としてはピロメリット酸またはその二無水物を、3,3’−4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸類としては3,3’−4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸またはその二無水物を、3,3’−4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸類としては3,3’−4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸またはその二無水物をそれぞれ挙げることができる。
【0018】
使用する芳香族テトラカルボン酸類化合物の割合としては、全芳香族テトラカルボン酸類成分に対してピロメリット酸類を50モル%以上80モル%以下、3,3’−4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸類および/または、3,3’−4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸類を20モル%以上50モル%以下使用するのが好ましい。3,3’−4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸類および/または、3,3’−4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸類の使用割合が前記の割合より少なくなると、得られるポリイミドフィルムの弾性率が低下したり、吸水率が増大するので好ましくなく、また3,3’−4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸類および/または、3,3’−4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸類の使用割合が前記の割合より多くなると、得られるポリイミドフィルムの気体透過率が悪化し、フィルムの表面に気泡が発生したり、フィルムの接着力が低下するので好ましくない。尚3,3’−4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸類、3,3’−4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸類はそれぞれ単独で使用してもよいが、混合して使用してもよい。
【0019】
次に、本発明のポリイミドフィルムの製造方法について説明する。まずポリイミドのブロック成分を形成させるために重合の第1段階で1種の剛構造の芳香族ジアミン化合物と1種の芳香族テトラカルボン酸類を反応成分に対して非反応性の有機溶媒中で、1時間以上混合する。ここで用いる芳香族ジアミン化合物に対する芳香族テトラカルボン酸類の比率は95〜105モル%が好ましいが、効率良くブロック成分を形成させ第2段階で形成されるランダム成分と分子結合させるには、97〜100モル%がより好ましい。
【0020】
続いて共重合ポリイミドのランダム成分を形成させるため重合の第2段階として柔構造の芳香族ジアミン化合物を添加した後、芳香族テトラカルボン酸類(A)を添加して1時間以上撹拌、さらに芳香族テトラカルボン酸類(B;A≠B)を全芳香族テトラカルボン酸類成分と全芳香族ジアミン成分とがほぼ等モルとなる量添加して、1時間以上撹拌する。このような一連の重合中、第1段階と第2段階でそれぞれ形成されるブロック重合ポリアミド酸成分とランダム共重合ポリアミド酸成分とが分子結合した共重合ポリアミド酸溶液を得ることができ、このポリアミド酸溶液を環化後、延伸・脱溶媒することにより、所望のポリイミドフィルムを得ることができる。
【0021】
該製造方法における延伸について説明する。まず一連の反応で得られたポリアミド酸を環化触媒および脱水剤を用いて化学環化するか加熱処理による熱的環化によりポリイミドのゲルフィルムを得る。次にこのゲルフィルムの端部を固定し、縦方向に1.05〜1.5、横方向に1.05〜2.0の倍率で延伸するのが好ましい。このような2軸延伸を行うと、得られるポリイミドフィルムの機械特性向上、さらには等方性が改良されるので好ましい。
【0022】
該製造方法における第1段階の重合では芳香族テトラカルボン酸類としてピロメリット酸類、3,3’−4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸類、3,3’−4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸類いずれでも単独で使用してよいが、ピロメリット酸類を使用すると、最終的に得られるポリイミドフィルムの弾性率を高めるので好ましい。また芳香族ジアミン成分としては剛構造の芳香族ジアミン化合物を使用する。
【0023】
第2段階の重合では、芳香族テトラカルボン酸類としてピロメリット酸類、3,3’−4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸類および3,3’−4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸類から選ばれる1種以上の化合物を使用するのが好ましく、最終的に得られるポリイミドフィルムの弾性率を高めるためにはピロメリット酸類と3,3’−4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸類の組み合わせで使用するのが好ましい。また芳香族ジアミン成分としては柔構造の芳香族ジアミン化合物を使用する。
【0024】
該製造方法で使用する溶媒としては、ジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリドンおよびジメチルスルホン等が挙げられ、これらを単独あるいは混合して使用するのが好ましい。
【0025】
該製造方法で得られる共重合ポリアミド酸は前記溶媒中に10〜30重量%の割合で調製する。
【0026】
該製造方法で得られる共重合ポリアミド酸を環化させて共重合ポリイミドにする際、脱水剤と触媒を用いて脱水する化学閉環法、熱的に脱水する熱閉環法のいずれで行ってもよいが、化学閉環法で行った方が得られるポリイミドフィルムの弾性率が高く、熱膨張係数が低くなり、さらにTAB用途で必要なケミカルエッチング性が付与できるので好ましい。化学閉環法で使用する脱水剤としては、無水酢酸等の脂肪族酸無水物、フタル酸無水物等の芳香族酸無水物等が挙げられ、これらを単独あるいは混合して使用するのが好ましい。また触媒としては、ピリジン、ピコリン、キノリン等の複素環式第3級アミン類、トリエチルアミン等の脂肪族第3級アミン類、N,N−ジメチルアニリン等の芳香族第3級アミン類等が挙げられ、これらを単独あるいは混合して使用するのが好ましい。
【0027】
本発明の金属積層板は、基材であるポリイミドフイルムの表面に、ポリエステルベース、アクリルベース、エポキシベース或いはポリイミドベース等の接着剤を介して導電性の金属箔を積層する三層構造のものと、ポリイミドフィルムの表面に、接着剤を介することなく、直接導電性の金属層を積層する二層構造のものの何れでも良い。
【0028】
【実施例】
以下実施例により本発明を具体例に説明する。実施例中PPDはパラフェニレンジアミン、ODAは4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、PMDAはピロメリット酸二無水物、BPDAは3,3’−4,4’−ジフェニルテトラカルボン酸二無水物、BTDAは、3,3’−4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、DMAcはN,N−ジメチルアセトアミドを表す。
【0029】
実施例1
500mlのセパラブルフラスコにDMAc239.1gを入れ、ここにPPD1.870g(0.0173モル)とPMDA3.659g(0.0168モル)を投入し、常温常圧中で1時間反応させた。次にここにODA25.398g(0.1268モル)を投入し均一になるまで撹拌した後、BPDA8.481g(0.0288モル)を添加し、1時間反応させた。続いてここにPMDA21.491g(0.0985モル)を添加してさらに1時間反応させポリアミド酸溶液を得た。尚この重合で各原料の添加モル比は、表1に示す割合で行い、固形分合計重量は、60.9gに調製した。このポリアミド酸溶液から15gを取り、厚み125μmのポリエステルフィルム上に乗せた後、ミカサ製1H−360Sスピンコーターで2500rpmの回転速度で1分間回転させた。続いてこれを無水酢酸、β−ピコリンの混合溶液に10分間浸してイミド化反応させた後、ポリイミドゲルフィルムをポリエステルフィルムから剥がし、そのゲルフィルム端部をピン止めし、縦方向1.15倍、横方向1.30倍に延伸した。その後300℃で20分間、続いて400℃で5分間加熱乾燥した後、ピン止めを外し、厚さ約25μmのポリイミドフィルムを得た。このフィルムの各特性の評価を行い、表1にその結果を示した。
【0030】
尚、各特性は次の方法で評価した。
【0031】
(評価方法)
(1) 弾性率
機器:RTM−250
引張速度:100mm/min
荷重:10kg
(2) 熱膨張係数
機器:TMA−50
測定温度範囲:50〜200℃
昇温速度:10℃/min
(3) 吸水率
98%RH雰囲気下のデシケーター内に2日間静置し、元の重量に対しての 増加重量%で評価した。
【0032】
(4) 複屈折
機器:KOBRA−21ADH
光源:ナトリウム光
入射角:0゜
測定式:ΔNxy=(レターデーション)/膜厚
(5) 金属積層板の反り量評価
ポリイミドフィルムにエポキシベースの接着剤を塗布し、この上に銅箔を130℃の温度で貼り合わせた。その後最高温度160℃まで昇温し接着剤を硬化させ、得られた金属積層板を35mm*120mmのサンプルサイズにカットし、25℃、60RH%下で24時間放置した後、それぞれのサンプルの反りを測定した。反りはサンプルを平地に置き、4角の高さを測定平均化して評価した。反り量が3mmを超えると金属積層板として用いる場合、後工程での取り扱いが著しく困難となることが多い。
【0033】
実施例2〜10
実施例1と同様の手順で、芳香族ジアミン成分および芳香族テトラカルボン酸成分を表1に示す割合でそれぞれポリアミド酸溶液を得た後、横方向・縦方向の延伸倍率を表1のよう行い実施例1と同じ操作で得られたポリイミドフィルムの各特性評価を行い、表1にその結果を示した。尚実施例3で得られたポリイミドフィルム(熱膨張係数:17.5ppm/℃,複屈折0.0094)についての金属積層板の反り量結果を表3に示した。
【0034】
実施例11
BPDAをBTDAに置きかえ、原料の添加量を表1に示す割合で行った他は、実施例1と同様に操作を行いポリアミド酸溶液を得た後、実施例1と同じ操作で得られたポリイミドフィルムの各物性評価を行い、表1にその結果を示した。
【0035】
実施例12
500mlのセパラブルフラスコにDMAc239.1gを入れ、ここにPPDとBPDAを投入し、常温常圧中で1時間反応させた。次にここにODAを投入し均一になるまで撹拌した後、BPDAを添加し、1時間反応させた。続いてここにPMDAを添加してさらに1時間反応させポリアミド酸溶液を得た。尚この重合で各原料の添加量は、表1に示す割合で行い、固形分合計重量は、60.9gに調製した。この後ポリアミド酸溶液からポリイミドフィルムを得る操作については、実施例1と同様にして行い、ポリイミドフィルムの各物性評価結果を表1に示した。
【0036】
比較例1
実施例1と同様の割合および手順で芳香族ジアミン成分および芳香族テトラカルボン酸成分を反応・イミド化させた後、これを延伸せずに端部をピン止めし300℃で20分間、続いて400℃で5分間加熱乾燥した後、ピン止めを外し、厚さ約25μmのポリイミドフィルムを得た。このフィルムについて各物性評価結果を表2に示した。
【0037】
比較例2
500mlのセパラブルフラスコにDMAc239.1gを入れ、ここにODAとPMDAを投入し、常温常圧中で1時間反応させポリアミド酸溶液を得た。尚ODAとPMDAのモル比は、ほぼ1:1とし、固形分合計重量は、60.9gに調製した。この後ポリアミド酸溶液からポリイミドフィルムを得る操作については、横方向・縦方向の延伸倍率を表2のよう行い、その他は実施例1と同様にして行い、得られたポリイミドフィルムの各物性評価結果を表2に示した。
【0038】
比較例3
500mlのセパラブルフラスコにDMAc239.1gを入れ、ここにPPDとPMDAを投入し、常温常圧中で1時間反応させた。次にここにODAを投入し均一になるまで撹拌した後、PMDAを添加して1時間反応させポリアミド酸溶液を得た。尚この重合で各原料の添加量は、表2に示す割合で行い、固形分合計重量は、60.9gに調製した。この後ポリアミド酸溶液からポリイミドフィルムを得る操作については、横方向・縦方向の延伸倍率を表2のよう行い、その他は実施例1と同様にして行い、得られたポリイミドフィルムの各物性評価結果を表2に示した。また得られたポリイミドフィルムの金属積層板の反り量結果を表3に示した。
【0039】
比較例4
500mlのセパラブルフラスコにDMAc239.1gを入れ、ここにPPD、ODA、BPDA、PMDAを順次添加して常温常圧で2時間反応させポリアミド酸溶液を得た。尚この重合で各原料の添加量は、表2に示す割合で行い、固形分合計重量は、60.9gに調製した。この後ポリアミド酸溶液からポリイミドフィルムを得る操作については、横方向・縦方向の延伸倍率を表2のよう行い、その他は実施例1と同様にして行い、得られたポリイミドフィルムの各物性評価結果を表2に示した。
【0040】
【表1】
Figure 0004009918
【表2】
Figure 0004009918
【表3】
Figure 0004009918
【0041】
【発明の効果】
本発明で得られるポリイミドフィルムはブロック重合ポリイミド成分とランダム共重合ポリイミド成分とが分子結合によって構成された共重合ポリイミドを延伸して複屈折を0.01以下、熱膨張係数を10〜22ppm/℃にすることにより、機械特性が向上し、低熱膨張性、低吸水性を併せ持つことができ、さらに得られた金属積層板の反り量を低減できるので高い寸法安定性および高加工性を必要とする半導体パッケージ用途として充分機能を果たすことができる。

Claims (4)

  1. パラフェニレンジアミンピロメリット酸二無水物とからなるポリイミドのブロック成分と、4,4’−ジアミノジフェニルエーテルとピロメリット酸二無水物および3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物または3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物とからなる共重合ポリイミドのランダム成分とが、分子結合してなる共重合ポリイミドを2軸延伸することによって成形した複屈折0.01以下、熱膨張係数10〜22ppm/℃、弾性率520〜680kg/mm、吸水率1.5〜2.1%のポリイミドフィルム。
    (ただし、全芳香族ジアミン成分中パラフェニレンジアミンが12〜30モル%、4,4’−ジアミノジフェニルエーテルが70〜88モル%であり、かつ全芳香族テトラカルボン酸成分中ピロメリット酸二無水物が50〜80モル%、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物または3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物が20〜50モル%である。)
  2. (1)パラフェニレンジアミンピロメリット酸二無水物とを、反応成分に対して非反応性の有機溶媒中で、パラフェニレンジアミンに対してピロメリット酸二無水物が95〜105モル%となる比率で、反応に必要な時間混合した後、
    (2)4,4’−ジアミノジフェニルエーテルを添加し、続いてピロメリット酸二無水物を添加、さらに3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物または3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物を全芳香族テトラカルボン酸類成分と全芳香族ジアミン成分とがほぼ等モルとなる量添加して、反応に必要な時間混合し、
    (3)得られる共重合ポリアミド酸溶液を環化後、2軸延伸・脱溶媒して成形されることを特徴とするポリイミドフィルムの製造方法。
  3. 環化を環化触媒および脱水剤を用いた化学環化法で行なうことを特徴とする請求項2記載のポリイミドフィルムの製造方法。
  4. 請求項1記載のポリイミドフィルムあるいは、請求項2または3記載の方法で得られたポリイミドフィルムを基材とし、これと金属とを積層することを特徴とする金属積層板。
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