JP4007985B2 - 光スイッチ - Google Patents

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Description

この発明は、長距離大容量光ファイバ通信等に利用される、制御光によって被制御光をスイッチする光スイッチに関する。
限られた通信線路資源を有効に利用して、大容量光ファイバ通信を実現するには、送受信可能なチャンネル数を増やし、かつ通信速度を高速化する手段が必要である。
チャンネル数を増やす手段の一つとして、時分割多重通信(TDM: Time Division Multiplexing)等の多重通信方法が検討されている。TDMは、複数チャンネルを時分割多重した時分割多重信号として送信し、受信側でクロック信号から生成されるゲート信号によって、時分割多重信号から個々のチャンネルを分離する多重分離手段により、個々のチャンネルの情報を個別に取り出して受信する方法を採用した通信方法である。
上述したTDMの通信速度を高速化するためには、多重分離手段を全て光学的な手段で実現するのが望ましい。すなわち、被制御光である光パルス信号を構成する光パルスを遮断/透過させるスイッチ動作を、電気的な手段を介することなく制御光である光制御信号のみで実行できる光スイッチを実現するのが望ましい。
光ファイバにおいて発現する光カー効果は、光ファイバを強度の強い光が伝播することにより光ファイバの屈折率が変化する現象である。光カー効果の応答速度は数フェムト秒(fs)である。すなわち、光カー効果を利用して光スイッチを構成すれば、数百Gbit/s以上の光パルス信号のスイッチが可能な光スイッチを実現できる可能性がある。因みに、光パルス信号を一旦電気信号である電気パルス信号に変換し、その電気パルス信号を電子デバイスでスイッチした後に再び光パルス信号に戻すという、従来のスイッチでは、40 Gbit/s程度のビットレートの光パルス信号をスイッチすることが限界であった。
光カー効果を利用した光スイッチとして、偏波面保存型の単一モード光ファイバ内で発現する光カー効果を利用した光スイッチが研究されている(例えば、非特許文献1参照)。
非特許文献1に開示されている光カー効果を利用した光スイッチは、光カー効果を発現させる光ファイバとして偏波保存単一モード光ファイバ(以後「偏波面保存光ファイバ」あるいは単に「光ファイバ」ということもある。)が利用されている。偏波面保存光ファイバは、このファイバの光の伝播方向(以後「光ファイバの光軸方向」ということもある。)に対して垂直な面内に設定された遅相軸あるいはスロー(slow)軸と呼ばれる光学軸の方向と、slow軸と直交する進相軸あるいはファスト(fast)軸と呼ばれる光学軸の方向とでは、導波される光に対する等価屈折率が異なる構造である。
すなわち、光ファイバのコアの近くにクラッドの屈折率より高い屈折率を有する応力付与部を配置して、光の電場ベクトルの振動方向がslow軸の方向に平行な光に対する等価屈折率が、光の電場ベクトルの振動方向がfast軸の方向に平行な光に対する等価屈折率よりも高くなるように設計されている。このような等価屈折率の非対称性があるために、偏波面保存光ファイバに入力される光の偏波面は保存されて伝播されるようになる。以後、直線偏光の電場ベクトルの振動面を偏波面と呼ぶものとする。
そして非特許文献1に開示されている光スイッチに利用されている光ファイバは、2本の偏波保存単一モード光ファイバの光学軸を直交させて融着された面を有し、偏波面保存型の単一モード光ファイバの有する複屈折性を相殺できる構造を有している。この光スイッチには、偏波面保存光ファイバの光学軸と平行な偏波面を有する直線偏波の制御光と、偏波面保存光ファイバの光学軸から45°傾いた偏波面を有する直線偏波の信号光が入力される。
この光スイッチに信号光を構成する光パルスと制御光を構成する光パルスとが同期して入力されない場合には、信号光の光パルスは、この光スイッチへの入力時と同一の直線偏光状態で出力される。一方、制御光の光パルスと信号光の光パルスとが同期して入力された場合には、信号光の光パルスの偏光成分のうち制御光の光パルスの偏波方向と平行な偏波成分に対して、制御光の光パルスによって光カー効果が誘起される。すなわち、光カー効果によって、信号光の光パルスと制御光の光パルスとの間で発現する相互位相変調効果によって、信号光の光パルスに位相シフトが生じる。
上述の位相シフトφは次式(1)で与えられる。
φ=2γPL (1)
ここで、P(W)は制御光のパワー、L(km)は光ファイバループを構成している光ファイバの長さである。γ(W-1km-1)は光カー効果に基づく非線形光学定数である。γ(W-1km-1)は通常の光ファイバに対しては、1〜2 W-1km-1程度の値であるが、数十〜数百 W-1km-1程度の値をとる有効断面積を小さくした高非線形光ファイバと呼ばれる特殊な光ファイバも開発されている。
この位相シフト量φがπに等しい時、信号光の光パルスの偏波方向が、この光スイッチへの入力時に対して90°回転する。すなわち、信号光の光パルスの偏波方向が、光ファイバの光学軸に対して-45°の方向になる。光スイッチの出力側に検光子を配置することで、制御光により信号光の光パルスを通過させたり、遮断したりすることができる。すなわち、検光子の光学軸の方向を、信号光の光パルスの偏波方向がこの光スイッチへの入力時に対して90°回転している場合には透過し、入力時と同一の偏波方向である場合には遮断する向きに設定して配置すれば、制御光によって偏波面が回転された光パルスのみがこの光スイッチを透過できるので、制御光によって、信号光の光パルスをスイッチできる。
非特許文献1に開示されている光スイッチにおいて、上述のスイッチ動作が着実に行なわれるためには、信号光及び制御光のそれぞれの光パルスの偏光状態が、偏波面保存光ファイバ中で維持されることが前提条件である。この光スイッチは、偏波面保存光ファイバの光軸方向における中間の位置に、偏波保存単一モード光ファイバの光学軸を直交させて融着した構造(「融着部」ということもある。)を設けることで、光パルスの偏光状態を実質的に維持する工夫がなされている。
光パルスの偏光状態を実質的に維持するとは、具体的に説明すると次のようになる。まず、偏波面保存光ファイバの入射端から融着部までを第1段目の偏波面保存光ファイバ、融着部から偏波面保存光ファイバの出射端までを第2段目の偏波面保存光ファイバと呼ぶことにする。第1段目の偏波面保存光ファイバの光学軸に対して45°偏波面が傾いた直線偏光を入力する。このとき、入力光の、第1段目の偏波面保存光ファイバのfast軸とslow軸とに対する、それぞれ平行な成分をS成分及びP成分と定義する。そして、入力光が第1段目の偏波面保存光ファイバにおいてその入力光のS成分とP成分との間に生ずる位相差がφであるとする。
このとき、入力光が、第2段目の偏波面保存光ファイバにおいてその入力光のS成分とP成分との間に生ずる位相差が-φとなるように、この光スイッチを構成している偏波面保存光ファイバが設計されているという意味である。つまり、信号光が、光スイッチの入力端である第1段目の偏波面保存光ファイバの入力端から入力されて、検光子に到達するまでの経路に対して、この経路に信号光がTM偏光として入力されたときと、TE偏光として入力されたときの光路長(幾何学的長さに屈折率を乗じた値)が一致する位置に、上述の融着部が設けられているということである。
すなわち、上述の動作を実現させるためには、第1段目の偏波面保存光ファイバと第2段目の偏波面保存光ファイバとが、同一の構造を有していることが保証された上で、第1段目の偏波面保存光ファイバと第2段目の偏波面保存光ファイバとの長さが相等しくなるように設定する必要がある。
偏波面保存光ファイバとして広く利用される、パンダ(PANDA:Polarization -maintaining AND Absorption-reducing)型光ファイバは、導波される光の電場ベクトルの振動方向がfast軸に平行である場合の実効屈折率とslow軸に平行である場合の実効屈折率との差異が3×10-4程度である。従って、導波される光パルスの波長が1.5μmである場合を例にすると、この偏波面保存光ファイバを光パルスが5 mm程度伝播すれば、電場ベクトルの振動方向がfast軸に平行な成分と、電場ベクトルの振動方向がslow軸に平行な成分との間に2πの位相差が発生する。
すなわち、第1段目の偏波面保存光ファイバと第2段目の偏波面保存光ファイバとの長さの差を5 mmに比べて十分に小さく設定できなければ、この偏波面保存光ファイバを伝播する、光パルスの偏光状態を実質的に維持することができないことを意味している。
一般に、この種の光スイッチに利用される光ファイバの長さは、数十mから数百kmであり、このような長さの光ファイバに対して、その全長をmm以下の制度で設定することは、非常に難しい。また、第1段目の偏波面保存光ファイバと第2段目の偏波面保存光ファイバとの長さの差が十分に小さく設定されていなければ、この光ファイバの周囲温度や信号光あるいは制御光の波長の変動に対して、光スイッチとしての特性を維持することができなくなる。
また、市販されているPAND型光ファイバ等の偏波面保存光ファイバは、その長手方向に沿って、fast軸(あるいはslow軸)の方向が完全に不変であるわけではない。そのために、偏波面保存光ファイバへの入力光が偏波面保存光ファイバのfast軸(あるいはslow軸)にその偏波面が平行である直線偏波であっても、この偏波面保存光ファイバからの出力光には、入力光の偏波方向と直交する方向に偏光成分を有していることになる。この入力光の偏波方向と直交する偏波方向の成分は、偏波クロストークと呼ばれる。
市販の平均的な偏波保存性能を有するPANDA型光ファイバにおいては、この偏波クロストークが、PANDA型光ファイバの長さが数十m以上の長さになると、急激に増大することが知られている(例えば、非特許文献2参照)。
既に説明したように、光カー効果を利用する光スイッチは、通常数十m以上の長さの偏波面保存光ファイバが用いられて構成されるので、その設計においては、偏波クロストークを十分に考慮する必要がある。光スイッチを構成する偏波面保存光ファイバを伝播する光パルスは、fast軸及びslow軸の両方向に対する偏光成分を有している。このため偏波クロストークが発生すれば、信号光の光パルスの本来の偏波方向成分と偏波クロストークとが干渉し、信号光の光パルスの偏光状態は、偏波クロストークが存在しない場合と異なる状態となる。この偏波クロストークにより信号光の光パルスに与えられる効果は、信号光の光パルスの波長や、偏波面保存光ファイバの周囲温度等が変化することによっても変化する。すなわち、偏波クロストークの存在によって、光スイッチの動作特性に変動を与える不安定動作を引き起こすという問題が発生する。
"Ultrafast optical multi/demultiplexer utilising optical Kerr effect in polarisation-maintaining single-mode fibres," T. Morioka, M. Saruwatari and A Takada, Electronic Letters, vol. 23, No. 9 pp. 453-454, 1987. 「偏波保持光ファイバ」荒井、齋藤、小山、中村、横溝、相曽, 古河電工時報、第109号、pp. 5-10, 2002.
そこで、この発明の目的は、被制御光である信号光の波長や光スイッチの周囲温度が変化しても、その動作特性が変化せず、かつ偏波クロストークの影響を受けない、安定動作が保証された光スイッチを提供することにある。
上述の目的を達成するため、この発明の光スイッチは、第1偏波分離合成モジュールと、第2偏波分離合成モジュールと、第1偏波面保存光ファイバと、第2偏波面保存光ファイバと、第1偏波面変換部と、第3偏波面保存光ファイバと、第4偏波面保存光ファイバと、第2偏波面変換部とを具えている。
第1偏波分離合成モジュールは、信号光を入力する第1入出力端と、第1偏波面保存光ファイバの一端を結合する第1入出力端に対向する側の第2入出力端と、スイッチされた信号光を出力する第3入出力端とを具えている。
第2偏波分離合成モジュールは、第2偏波面保存光ファイバの他端を結合する第1入出力端と、第1入出力端に対向する側に第3偏波面保存光ファイバの一端を結合する第2入出力端と、第4偏波面保存光ファイバの一端を結合する第3入出力端と、第3入出力端に対向する側に偏波クロストーク成分を出力する第4入出力端を具えている。
第1偏波面保存光ファイバは、第1偏波分離合成モジュールの第2入出力端に一端が結合されており、第2偏波面保存光ファイバは、第2偏波分離合成モジュールの第1入出力端に他端が結合されており、第1偏波面保存光ファイバの他端と第2偏波面保存光ファイバの一端とは第1偏波面変換部を介して接続されている。
また、第3偏波面保存光ファイバは、第2偏波分離合成モジュールの第2入出力端に一端が結合され、かつ光カプラを具えており、第4偏波面保存光ファイバは、第2偏波分離合成モジュールの第3入出力端に一端が結合されており、第3偏波面保存光ファイバの他端と第4偏波面保存光ファイバの他端とは、第2偏波面変換部を介して接続されている。
まず、第1偏波分離合成モジュールを構成している、偏波分離合成素子の偏波面選択性を有する反射面(以後、「偏波面選択反射面」ということもある。)へ光が入射する場合、この入射光の偏波面選択反射面に対する電場ベクトルの振動方向に対応する成分を次のように定義する。すなわち、偏波分離合成素子の偏波面選択反射面へ入射する入射光の入射面に平行な方向に電場ベクトルが振動する成分をp成分、入射光の入射面に垂直な方向に電場ベクトルが振動する成分をs成分と呼ぶこととする。
この発明の光スイッチによれば、この光スイッチへの入力信号光である直線偏光の信号光が、第1偏波分離合成モジュールの第1入出力端に入力されて、信号光の偏波面が保存されて第1偏波分離合成モジュールの第2入出力端から出力される。
このように動作させるために、入力信号光の偏波方向を次のように設定する。すなわち、この光スイッチへの入力信号光である直線偏光の信号光を、p偏波光として第1偏波分離合成モジュールの第1入出力端に入力させる。偏波分離合成素子の偏波面選択反射面は、p成分のみを透過させs成分のみを反射させる性質を有している。そのため、p偏波光として第1偏波分離合成モジュールの第1入出力端に入力された信号光はp偏波光のままに第1偏波分離合成モジュールの、第1入出力端に対向する側に設置されている第2入出力端から出力される。
第1偏波分離合成モジュールの第2入出力端から出力された信号光は、第1偏波面保存光ファイバの一端から、この第1偏波面保存光ファイバの光学軸に偏波面が合致するように入力されて伝播し、この第1偏波面保存光ファイバの他端に設置された第1偏波面変換部に到達してここを通過して、第2偏波面保存光ファイバの一端に入力される。
第1偏波面変換部は、例えば、第1偏波面保存光ファイバの光学軸と第2偏波面保存光ファイバの光学軸とが互いに45°の角度を成して融着することによって形成されている。そのため、詳細は後述するが、第1偏波面変換部を通過した信号光は、第2偏波面保存光ファイバの光学軸に対して平行な電場ベクトル成分と垂直な電場ベクトル成分とを有する偏光状態で、第2偏波面保存光ファイバを伝播して、第2偏波分離合成モジュールの第1入出力端へ入力される。そして、第2偏波分離合成モジュールの第1入出力端を介して第2偏波分離合成モジュールに入力された信号光は、偏波面が互いに直交する第1信号光と第2信号光とに分離され、それぞれ第2偏波分離合成モジュールの第2入出力端及び第3入出力端から出力される。
第1信号光は、第3偏波面保存光ファイバの一端から入力されて第3偏波面保存光ファイバを伝播して、第3偏波面保存光ファイバの他端に設けられている第2偏波面変換部を通過し第4偏波面保存光ファイバに入力される。第2偏波面変換部は、例えば、第3偏波面保存光ファイバの光学軸と第4偏波面保存光ファイバの光学軸とが互いに90°の角度を成して融着されることによって形成されている。そのため第3偏波面保存光ファイバを伝播した第1信号光の偏波面は90°回転されて第4偏波面保存光ファイバに入力される。こうして第4偏波面保存光ファイバを伝播した第1信号光は、第2偏波分離合成モジュールの第3入出力端へ入力される。
一方、第2信号光は、第2偏波分離合成モジュールの第3入出力端から出力されて、第4偏波面保存光ファイバの一端から入力されて第4偏波面保存光ファイバを伝播して、第4偏波面保存光ファイバの他端に設けられている第2偏波面変換部を通過し第3偏波面保存光ファイバに入力される。第2偏波面変換部において、第1信号光の場合と同様に、第4偏波面保存光ファイバを伝播した第2信号光の偏波面は90°回転されて第3偏波面保存光ファイバに入力される。こうして第3偏波面保存光ファイバを伝播した第2信号光は、第2偏波分離合成モジュールの第2入出力端へ入力される。
ここで、第2偏波分離合成モジュールの第2入出力端へ入力される第2信号光の偏波面の方向と、第2偏波分離合成モジュールの第1入出力端を介して第2偏波分離合成モジュールに入力された信号光のうち、第2偏波分離合成モジュールの第2入出力端に出力された第1信号光の偏波面の方向とは一致する。また、第2偏波分離合成モジュールの第3入出力端へ入力される第1信号光の偏波面の方向と、第2偏波分離合成モジュールの第1入出力端を介して第2偏波分離合成モジュールに入力された信号光のうち、第2偏波分離合成モジュールの第3入出力端に出力された第2信号光の偏波面の方向とは一致する。
そこで、第2偏波分離合成モジュールで合波される上述の第2信号光および第1信号光は合波された後に、第2偏波分離合成モジュールに向けて信号光が入力されてきたときと全く同一の偏光状態で、信号光が入力されてきたときとは逆の方向である、第2偏波面保存光ファイバから第1偏波面保存光ファイバの方向に向かって伝播して、第1偏波分離合成モジュールの第2入出力端から入力されて、この第2入出力端と対向する側の第1入出力端から出力される。
すなわち、第1偏波分離合成モジュールの第1入出力端に入力された直線偏光の信号光は、上述のように、第1偏波分離合成モジュールの第1入出力端から入力されたときと同一の偏光状態で出力される。言い換えると、この光スイッチに入力された信号光は反射されて、第1偏波分離合成モジュールの第1入出力端から出力されたものとみなせるので、以後このように、第1偏波分離合成モジュールの第1入出力端から出力される信号光を、ループ反射光ということもある。
ここで、第3偏波面保存光ファイバが具えている光カプラから制御光が入力される場合を考える。この場合は、第3偏波面保存光ファイバを伝播する第1信号光の位相速度が変化する。第3偏波面保存光ファイバの長さを制御光の強度に応じて調整し、第1信号光が、第3偏波面保存光ファイバを伝播し終えた時点で制御光が存在する場合としない場合とを比較してその位相差を丁度πに等しく設定することができる。
そのように設定すれば、詳細は後述するが、第2偏波分離合成モジュールで、第2信号光および第1信号光が合波された後は、第1偏波面変換部を第2偏波面保存光ファイバから第1偏波面保存光ファイバに向けて通過すると、信号光が第1偏波面保存光ファイバから第2偏波面保存光ファイバに向けてこの光スイッチへの入力信号光として第1偏波面変換部を通過したときの偏波面の方向とは直交する偏波面を有する出力信号光として、第1偏波面保存光ファイバを伝播する。そのため、この出力信号光は、第1偏波分離合成モジュールの第2入出力端から入力されて、第3入出力端から出力される。以後このように、第1偏波分離合成モジュールの第3入出力端から出力される信号光を、ループ透過光ということもある。
以上説明したように、この発明の光スイッチは、第1信号光の経路と第2信号光の経路とが共通しているので、信号光の波長や光スイッチの周囲温度が変化しても、その動作特性が変化せず、安定動作が保証された光スイッチを実現することができる。
この光スイッチにおいて、偏波クロストークが主に発生するのは、ファイバ長が最も長い第3偏波面保存光ファイバにおいてである。第1信号光に混入する偏波クロストーク成分は、第1信号光の偏波方向と直交する偏波方向を有する成分であるから、詳細は後述するが、第2偏波分離合成モジュールの第3入出力端から入力された後、第4入出力端から出力される。そのため第1偏波分離合成モジュールの第3入出力端から出力されるループ透過光にこの成分が含まれることはない。また、第2信号光に混入する偏波クロストーク成分は、第2信号光の偏波方向と直交する偏波方向を有する成分であるから、これも、同様に第2偏波分離合成モジュールの第2入出力端から入力された後、第4入出力端から出力される。そのため第1偏波分離合成モジュールの第3入出力端から出力されるループ透過光にこの成分が含まれることはない。
このように、この発明の光スイッチによれば、第3偏波面保存光ファイバの長さが長くても、偏波クロストーク成分はスイッチ動作に影響を与えない。すなわち、偏波クロストークの影響を受けない、安定動作が保証された光スイッチが実現する。
以下、図を参照して、この発明の実施の形態につき説明する。なお、各図は、この発明に係る一構成例を図示するものであり、この発明が理解できる程度に各構成要素の配置関係等を概略的に示しているに過ぎず、この発明を図示例に限定するものではない。また、以下の説明において、特定の機器及び条件等を用いることがあるが、これら材料及び条件は好適例の一つに過ぎず、したがって、何らこれらに限定されない。また、各図において同様の構成要素については、同一の番号を付して示し、その重複する説明を省略することもある。
<第1の実施の形態>
図1を参照して第1の実施の形態である光スイッチの構造と動作について説明する。
(構造)
この光スイッチは、第1偏波分離合成モジュール10と、第2偏波分離合成モジュール18と、第1偏波面保存光ファイバ12と、第2偏波面保存光ファイバ16と、第1偏波面変換部14と、第3偏波面保存光ファイバ22と、第4偏波面保存光ファイバ26と、第2偏波面変換部24とを具えている。
第1偏波分離合成モジュール10は、信号光を入力するための入力用光ファイバ32-2の一端が結合されている第1入出力端10-1と、第1入出力端10-1に対向する側に第1偏波面保存光ファイバ12の一端が結合されている第2入出力端10-2と、スイッチされた信号光を出力する第3入出力端10-3とを具えている。
第2偏波分離合成モジュール18は、第2偏波面保存光ファイバ16の他端を結合する第1入出力端18-1と、第1入出力端18-1に対向する側に第3偏波面保存光ファイバ22の一端を結合する第2入出力端18-2と、第4偏波面保存光ファイバ26の一端を結合する第3入出力端18-3と、第3入出力端18-3に対向する側に偏波クロストーク成分を出力する第4入出力端18-4を具えている。
第1偏波面保存光ファイバ12は、第1偏波分離合成モジュール10の第2入出力端10-2に一端が結合されており、第2偏波面保存光ファイバ16は、第2偏波分離合成モジュール18の第1入出力端18-1に他端が結合されており、第1偏波面保存光ファイバ12の他端と第2偏波面保存光ファイバ16の一端とは第1偏波面変換部14(図1ではAと示されている位置に設定されている。)を介して接続されている。
また、第3偏波面保存光ファイバ22は、第2偏波分離合成モジュール18の第2入出力端18-2に一端が結合され、かつ光カプラ20を具えており、第4偏波面保存光ファイバ26は、第2偏波分離合成モジュール18の第3入出力端18-3に一端が結合されており、第3偏波面保存光ファイバ22の他端と第4偏波面保存光ファイバ26の他端とは、第2偏波面変換部24(図1ではBと示されている位置に設定されている。)を介して接続されている。
第1乃至第4偏波面保存光ファイバとして利用して好適な偏波面保存光ファイバとしては、図2に示すPANDA型光ファイバが代表的である。この光ファイバは、コアの近傍に応力付与部を形成し,コアに強い応力を加えることにより偏波保持性を得ている。
図2は、偏波面保存光ファイバである、PANDA型光ファイバの光の伝播方向に対して垂直に切断した断面の概略的構造を示す図である。光が導波されるコア142を取り囲むクラッド140に、コア142を挟む形で応力付与部144が形成されている。例えば、クラッド140はSiO2、コア142はGeO2がドープされたSiO2で形成され、応力付与部144はB2O3がドープされたSiO2から形成される。
このように形成することによって、図2中で、PANDA型光ファイバの光の伝播方向に対して垂直な面内に設定されたslow軸との方向と、slow軸と直交するfast軸の方向では、コア142を導波される光に対する等価屈折率が異なる。すなわち、コア142の近くにクラッド140の屈折率より高い屈折率を有する応力付与部がおかれているために、光の電場ベクトルの振動方向がslow軸の方向に平行な光に対する等価屈折率が、光の電場ベクトルの振動方向がfast軸の方向に平行な光に対する等価屈折率よりも高くなる。このような等価屈折率の非対称性があるために、PANDA型光ファイバに入力される光の偏波面は保存されて伝播されるようになる。
すなわち、PANDA型光ファイバでは、直線偏波の光の偏波面を、図2に示すslow軸(もしくはfast軸)に合わせて入力すると、偏波状態が保たれたままPANDA型光ファイバ中を伝搬し、出射端においても、偏波面が、slow軸(もしくはfast軸)に一致した直線偏波の光成分のみを得ることが可能である。
以下の説明では、便宜のために、図1に示す光スイッチの概略的構成図において、光伝送路である偏波面保存光ファイバを伝播する光の偏波方向を次のように規定しておく。光の電場ベクトルの振動方向が図1の紙面に対して垂直な偏光をTE (Transverse-Electric Modes)偏波と呼び、紙面に垂直な方向をTE方向という。また、光の電場ベクトルの振動方向が紙面に対して平行な偏光をTM (Transverse-Magnetic Modes)偏波と呼び、紙面に平行な方向をTM方向という。もちろん、この発明の光スイッチの利用の可能性は上記の場合に限定されるものではない。
また以下の説明において、第1偏波分離合成モジュール10等の偏波分離合成モジュールへ光が入射する場合、入射光の偏波分離合成モジュールの偏波面選択反射面に対する電場ベクトルの振動方向に対応する成分を次のように定義する。すなわち、偏波面選択反射面へ入射する入射光の入射面に平行な方向に電場ベクトルが振動する成分をp成分、入射光の入射面に垂直な方向に電場ベクトルが振動する成分をs成分と呼ぶこととする。
例えば、第1偏波分離合成モジュール10へ光が入射する場合、第1偏波分離合成モジュールを構成している偏波分離合成素子の偏波面選択反射面10Rに対する入射面に平行な方向に電場ベクトルが振動する成分はp成分、入射光の入射面に垂直な方向に電場ベクトルが振動する成分はs成分である。第2偏波分離合成モジュール18においても同様である。また、後述する第2の実施の形態及び第3の実施の形態において、利用される第3及び第4偏波分離合成モジュールにおいても、同様である。
第1偏波分離合成モジュール10等の偏波分離合成モジュールには、例えば市販されている偏光ビームスプリッタの中から好適なものを選んで利用することができる。
また、第3偏波面保存光ファイバ22は、偏波面保存という性質のほかに、非線形光学効果が大きいことも望ましい。非線形光学効果を大きくするため、光ファイバのコア(図2に示すコア142に相当)にGeO2を高濃度ドープして光カー効果に基づく非線形光学定数γ(W-1km-1)を増大させたり、あるいは、光ファイバの導波モード断面積であるモードフィールド径(MFD:Mode Field Diameter)を小さくしたりして、光ファイバ内での光エネルギー密度を高くする工夫がなされている。
例えば、MFDが8μmの通常の光ファイバはγ=2 km-1W-1程度であるのに対して、MFDを3.6μmとしてγ=20 km-1W-1と一桁大きくした光ファイバも市販されている。また、ホーリーファイバ(Holey fiber)と呼ばれるクラッドに空洞を形成したファイバや、フォトニックバンドギャップファイバといった、光非線形性の高い光ファイバも開発されている。将来、偏波面保存光ファイバにも上述の工夫が取り入れられ、偏波面保存という性質を備えつつ高い光非線形性を有する光ファイバが開発されることが当然に予想される。
以下の説明において、入力用光ファイバ32-2を伝播して第1偏波分離合成モジュール10へ入力する入力信号光の電場ベクトルの振動面の方向(偏波面の方向)は、紙面に平行な面に対して45°傾いているものとして説明する。そして、第1偏波分離合成モジュール10を構成している偏波分離合成素子の偏波面選択反射面10Rに入射する入射光の入射面は、入射信号光の電場ベクトルの振動面の方向と平行になるように設定されているものとする。
すなわち、図1において、第1偏波分離合成モジュール10への入力用光ファイバ32-2を伝播する入力信号光の電場ベクトルの振動面の方向は、紙面に平行な面に対して45°傾いている。そして、第1偏波分離合成モジュール10の偏波面選択反射面10Rに入射する入射光の入射面は、入力信号光の電場ベクトルの振動面の方向と平行になるように設定されている。
第1偏波面保存光ファイバ12は、その一端を第1偏波分離合成モジュール10の第2入出力端10-2に結合されるが、第1偏波面保存光ファイバ12の光学軸(ここでは、slow軸)の向きと、入力用光ファイバ32-2を伝播する入力信号光の電場ベクトルの振動面の方向とが平行になるように結合されている。従って、第1偏波分離合成モジュール10の第2入出力端10-2から出力されて第1偏波面保存光ファイバ12を伝播する信号光の偏波方向は、第1偏波面保存光ファイバ12のslow軸の向きに平行である。以後の説明において、特に断らない限り、偏波面保存光ファイバの光学軸という場合には、slow軸を指すものとする。
ここで、以下における説明の便宜のために、第1偏波面保存光ファイバ12のslow軸の向きは、紙面に平行な面に対して45°傾いているものとし、また、第2偏波面保存光ファイバ16のslow軸の向きは紙面に平行に設定されているものとする。このように第1偏波面保存光ファイバ12のslow軸と第2偏波面保存光ファイバ16のslow軸とを互いに45°傾けて設定できるのは、後述するように、第1偏波面保存光ファイバ12の他端と第2偏波面保存光ファイバ16の一端とが第1偏波面変換部14を介して接続されているためである。
もちろん入力信号光の偏波面の方向を上述とは異なり、fast軸に対する方向として設定して光スイッチを構成することも可能であるが、この場合も基本的に、同様の説明となるので、その説明を省略する。
第1偏波分離合成モジュール10においては、第1入出力端10−1から入力されたp偏波成分は、第3入出力端10−3に出力され、第2入出力端10−2から入力されたs偏波成分は、第3入出力端10−3に出力される。また、第2入出力端10−2から入力されたp偏波成分は、第1入出力端10−1に出力される。
また、第1偏波分離合成モジュール10の第2入出力端10−2から第1偏波面変換部14に至る経路の長さ、すなわち第1偏波面保存光ファイバ12の長さをl1(経路L1ということもある。)、第1偏波面変換部14から第2偏波分離合成モジュール18の第1入出力端18-1に至る経路の長さ、すなわち第2偏波面保存光ファイバ16の長さをl2(経路L2ということもある。)、第2偏波分離合成モジュール18の第2入出力端18-2から第2偏波面変換部24に至る経路、すなわち第3偏波面保存光ファイバ22の長さをl3(経路L3ということもある。)、第2偏波面変換部24から第2偏波分離合成モジュール18の第3入出力端18-3に至る経路、すなわち第4偏波面保存光ファイバ26の長さをl4(経路L4ということもある。)とする。
第1偏波面変換部14及び第2偏波面変換部24は、ファラデー回転子を用いて構成することもできるし、また、図3を参照して説明する構造でも実現できる。図3は、偏波面変換部の構造の説明に供する図であり、光ファイバ170及び光ファイバ172はPANDA型光ファイバである。図3において、断面174及び176は光の伝播方向に対して垂直に切断したPANDA型光ファイバ170及び172の断面の概略的構造を示している。この断面構造は、先に図2を参照して説明したPANDA型光ファイバと同一である。
PANDA型光ファイバ170及び172のそれぞれの切断面は、図3の上部に示すように、それらのslow軸が直交する関係に配置されている。第1偏波面変換部14及び第2偏波面変換部24は、PANDA型光ファイバの一端を、光の伝播方向に対して垂直に切断した後、それぞれのslow軸(fast軸)が直交するように対向させコアが合致するように密着させて融着することで形成されている。
(動作)
図1を参照して、第1の実施の形態の光スイッチの動作原理を説明する。この発明の光スイッチによれば、この光スイッチへの入力信号光である直線偏光の信号光が、第1偏波分離合成モジュール10の第1入出力端10-1に入力されて、信号光の偏波面が保存されて第1偏波分離合成モジュール10の第2入出力端10-2から出力される。
このとき、第1偏波分離合成モジュール10の第1入出力端10-1に結合されている入力用光ファイバ32-2を伝播する入力信号光の電場ベクトルの振動面の方向は、紙面に平行な面に対して45°傾いている。そして、第1偏波分離合成モジュール10の偏波面選択反射面10R入射する入射光の入射面は、入力信号光の電場ベクトルの振動面の方向と平行になるように設定されていることに注意されたい。すなわち、第1偏波分離合成モジュール10の第2入出力端10-2から出力される信号光の偏波面の方向と、第1偏波面保存光ファイバ12の光学軸の方向とは合致するように設定されている。
このように動作させるために、この光スイッチへの入力信号光である直線偏光の信号光を、p偏波光として第1偏波分離合成モジュール10の第1入出力端10-1に入力させる。一般に、偏波分離合成素子の偏波面選択反射面は、p成分のみを透過させs成分のみを反射させる性質を有している。そのため、p偏波光として第1偏波分離合成モジュール10の第1入出力端10-1に入力された信号光はp偏波光のままに第1偏波分離合成モジュール10の、第1入出力端10-1に対向する側に設置されている第2入出力端10-2から出力される。
第1偏波分離合成モジュール10の第2入出力端10-2から出力された信号光は、第1偏波面保存光ファイバ12の一端から、この第1偏波面保存光ファイバ12の光学軸に偏波面が合致するように入力されて伝播し、この第1偏波面保存光ファイバ12の他端に設置された第1偏波面変換部14に到達してここを通過して、第2偏波面保存光ファイバ16の一端に入力される。
第1偏波面変換部14は、上述したように、第1偏波面保存光ファイバ12の光学軸と第2偏波面保存光ファイバ16の光学軸とが互いに45°の角度を成すように融着することによって形成されている。そのため、第1偏波面変換部14を通過した信号光は、第2偏波面保存光ファイバ16の光学軸に対して平行な電場ベクトル成分(TM成分)と垂直な電場ベクトル成分(TE成分)とを有する偏光状態で、第2偏波面保存光ファイバ16を伝播して、第2偏波分離合成モジュール18の第1入出力端18-1へ入力される。
そして、第2偏波分離合成モジュール18の第1入出力端18-1を介して第2偏波分離合成モジュール18に入力された信号光は、偏波面が互いに直交する第1信号光と第2信号光とに分離され、それぞれ第2偏波分離合成モジュール18の第2入出力端18-2及び第3入出力端18-3から出力される。
図4(A)から(C)を参照して、第1偏波面保存光ファイバ12の他端と第2偏波面保存光ファイバ16の一端とを、接続している第1偏波面変換部14の機能を説明する。図4(A)から(C)において、第1偏波面変換部14が設置されている点Aを挟んで、紙面に向かって左側が第1偏波面保存光ファイバ12によって構成される経路L1、右側が第2偏波面保存光ファイバ16によって構成される経路L2に対応させてある。
図4(A)から(C)の左側及び右側に描かれている円形の図は、それぞれ、第1偏波面変換部14及び第2偏波面保存光ファイバ16の光軸に垂直な平面で切断した概略的な断面図である。それぞれの断面図において、中心部の黒丸はコアを、影が付けられて2つ並んで描かれている円形部は応力付与部を示している。また、それぞれの断面図において黒い太線の矢印、及び白抜きの矢印は、それぞれ、第1偏波面保存光ファイバ12及び第2偏波面保存光ファイバ16を伝播する信号光の偏波成分振動方向の向きとその強度とを示すベクトル表示である。
上述のように、第1偏波面保存光ファイバ12の光学軸は紙面と45°の角度をなして配置され、第1偏波分離合成モジュール10の偏波面選択反射面10Rに対する信号光の入射面とは、平行になるように設定されている。したがって、第1偏波面保存光ファイバ12(経路L1)を第1偏波面変換部14に向かって伝播する信号光の偏波面を示すベクトル表示は、図に示すように光学軸に平行な方向を向いている。点Aで示す位置に設置されている第1偏波面変換部14では、既に説明したように、第2偏波面保存光ファイバ16の光学軸と45°の角度をなすように融着されているので、第1偏波面変換部14を通過した信号光の偏波面は、図4(A)の右側の図面に示されているように、slow軸とfast軸のそれぞれの方向に対する偏波成分をもって、第2偏波面保存光ファイバ16を伝播する。
この図1において、第2偏波面保存光ファイバ16のslow軸は紙面に平行な方向に設定されているものとして描いてある。また、第2偏波面保存光ファイバ16のfast軸は紙面に垂直な方向に設定されているものとして描いてある。したがって、第2偏波面保存光ファイバ16を伝播する信号光のslow軸に平行な電場ベクトル成分はTM偏波であり、信号光のfast軸に平行な電場ベクトル成分はTE偏波である。
第1信号光は、第2偏波分離合成モジュール18の第2入出力端18-2から出力されて、第3偏波面保存光ファイバ22(経路L3)と第4偏波面保存光ファイバ26(経路L4)とで構成される光ファイバループを時計回り(CW方向ということもある。)に伝播する。すなわち、第3偏波面保存光ファイバ22の一端から入力されて第3偏波面保存光ファイバ22を伝播して、第3偏波面保存光ファイバ22の他端に設けられている第2偏波面変換部24を通過し第4偏波面保存光ファイバ26に入力される。
第2偏波面変換部24は、例えば、第3偏波面保存光ファイバ22の光学軸と第4偏波面保存光ファイバ26の光学軸とが互いに90°回転されて融着されることによって形成されている。そのため第3偏波面保存光ファイバ22を伝播した第1信号光の偏波面は90°回転されて第4偏波面保存光ファイバ26に入力される。第4偏波面保存光ファイバ26を伝播した第1信号光は、第2偏波分離合成モジュール18の第3入出力端18-3へ入力される。
一方、第2信号光は、第2偏波分離合成モジュール18の第3入出力端18-3から出力されて、第4偏波面保存光ファイバ26(経路L4)と第3偏波面保存光ファイバ22(経路L3)とで構成される光ファイバループを反時計回り(CCW方向ということもある。)に伝播する。すなわち、第4偏波面保存光ファイバ26の一端から入力されて第4偏波面保存光ファイバ26を伝播して、第4偏波面保存光ファイバ26の他端に設けられている第2偏波面変換部24を通過し第3偏波面保存光ファイバ22に入力される。第2偏波面変換部24において、第1信号光の場合と同様に、第4偏波面保存光ファイバ26を伝播した第2信号光の偏波面は90°回転されて第3偏波面保存光ファイバ22に入力される。第3偏波面保存光ファイバ22を伝播した第2信号光は、第2偏波分離合成モジュール18の第2入出力端18-2へ入力される。
ここで、第2偏波分離合成モジュール18の第2入出力端18-2へ入力される第2信号光の偏波面の方向と、第2偏波分離合成モジュール18の第1入出力端18-1を介して第2偏波分離合成モジュール18に入力された信号光のうち、第2偏波分離合成モジュール18の第2入出力端18-2に出力された第1信号光の偏波面の方向とは一致する。また、第2偏波分離合成モジュール18の第3入出力端18-3へ入力される第1信号光の偏波面の方向と、第2偏波分離合成モジュール18の第1入出力端18-1を介して第2偏波分離合成モジュール18に入力された信号光のうち、第2偏波分離合成モジュール18の第3入出力端18-3に出力された第2信号光の偏波面の方向とは一致する。
そこで、第2偏波分離合成モジュール18で合波される上述の第2信号光および第1信号光は合波された後に、第2偏波分離合成モジュール18に向けて信号光が入力されてきたときと全く同一の偏光状態で、信号光が入力されてきたときとは逆の方向である第2偏波面保存光ファイバ16から第1偏波面保存光ファイバ12の方向に向かって伝播して、第1偏波分離合成モジュール10の第2入出力端10-2から入力されて、この第2入出力端10-2と対向する側の第1入出力端10-1から出力される。
すなわち、第1偏波分離合成モジュール10の第1入出力端10-1に入力された直線偏光(偏波面の方向は紙面と45°の角度をなす。)の信号光は、上述のように、第1偏波分離合成モジュール10の第1入出力端10-1から入力されたときと同一の偏光状態で出力される。言い換えると、この光スイッチに入力された信号光は反射されて、第1偏波分離合成モジュール10の第1入出力端10-1から出力されたものとみなせるので、以後このように、第1偏波分離合成モジュール10の第1入出力端10-1から出力される信号光を、ループ反射光ということもある。
次に、第3偏波面保存光ファイバ22が具えている光カプラ20から制御光が入力される場合を考える。この場合は、第3偏波面保存光ファイバ22を伝播する第1信号光の位相速度が変化する。第3偏波面保存光ファイバ22(経路L3)の長さ(=l3)を制御光の強度に応じて調整し、第1信号光が、第3偏波面保存光ファイバ22を伝播する際に制御光が存在する場合としない場合とを比較して、上述の式(1)で与えられるその位相差φを丁度πに等しく設定することができる。
非線形光学定数γ(W-1km-1)及び制御光のパワーP(W)は、この光スイッチが利用される光通信システムの基本的な構成によって決定されているので、光ファイバループを構成している光ファイバの長さ、すなわち、第3偏波面保存光ファイバ22(経路L3)の長さ(=l3)であるL(km)を調整することで、式(1)から明らかなように、式(1)で与えられるその位相差φを丁度πに等しく設定することができる。
第2偏波分離合成モジュール18において、第2信号光および第1信号光が合波された後は、第2偏波面保存光ファイバ16から第1偏波面保存光ファイバ12の方向に向かって伝播する。そして、第1偏波面変換部14を通過すると、入力信号光の偏波面の方向とは直交する偏波面を有する出力信号光として、第1偏波面保存光ファイバ12を伝播する。ここで、入力信号光とは、第1偏波面保存光ファイバ12から第1偏波面変換部14を通過して、第2偏波面保存光ファイバ16に向けて伝播する信号光を指すものとする。また出力信号光とは、第2偏波面保存光ファイバ16から第1偏波面変換部14を通過して、第1偏波面保存光ファイバ12に向けて伝播する信号光を指すものとする。
そのため、この出力信号光は、第1偏波分離合成モジュール10の第2入出力端10-2から入力されて、第3入出力端10-3から出力される。以後このように、第1偏波分離合成モジュール10の第3入出力端10-3から出力される信号光を、ループ透過光ということもある。
ここで、第1乃至第4の偏波面保存光ファイバであるPANDA型光ファイバのslow軸の実効屈折率をns、fast軸の実効屈折率をnfとし、slow軸の方向がTM偏波の偏波面と合致し、fast軸の方向がTE偏波の偏波面と合致するものとして説明する。
まず、点Aに設置された第1偏波面変換部14を出発して、第2偏波面保存光ファイバ16をTM偏波成分として伝播して、第2偏波分離合成モジュール18の第1入出力端18-1に入力された信号光成分の伝播経路を考える。この信号光成分は、第1信号光として、第2偏波面保存光ファイバ16をTM偏波成分として伝播して、第2偏波分離合成モジュール18の第1入出力端18-1にp偏波光として入力され、第2入出力端18-2から出力されて第3偏波面保存光ファイバ22をTM偏波成分として伝播する。そして、第2偏波面変換部24を通過することにより、TE成分として第4偏波面保存光ファイバ26を伝播して、第2偏波分離合成モジュール18の第3入出力端18-3にs偏波光として入力され第1入出力端18-1から出力されて、第2偏波面保存光ファイバ16をTE偏波成分として伝播して、点Aに設置された第1偏波面変換部14に戻る。
第2偏波面保存光ファイバ16をTM偏波成分として伝播して、第2偏波分離合成モジュール18の第1入出力端18-1に入力された信号光成分の伝播経路の光路長は、この信号光成分が伝播する経路順に加算して、次式(2)で与えられる。
nsl2+nsl3+nfl4+nfl2 (2)
ここで、l2、l3、l4はそれぞれ経路L2、L3、L4の長さである。
すなわち、第2偏波面保存光ファイバ16で形成される経路L2はTM偏波として伝播するので光路長は、nsl2であり、第3偏波面保存光ファイバ22で形成される経路L3もTM偏波として伝播するので光路長は、nsl3である。また、第2偏波面変換部24を通過することにより、TE成分として第4偏波面保存光ファイバ26で形成される経路L4を伝播するので光路長は、nfl4である。また、第2偏波面保存光ファイバ16で形成される経路L2をTE偏波成分として伝播するので光路長は、nfl2である。すなわち、合計の光路長は、上式(2)で与えられる。
一方、第2偏波面保存光ファイバ16をTE偏波成分として伝播して、第2偏波分離合成モジュール18の第1入出力端18-1に入力された信号光成分の伝播経路の光路長は、この信号光成分が伝播する経路順に加算して、次式(3)で与えられる。
nfl2+nfl4+nsl3+nsl2 (3)
ここで、l2、l3、l4はそれぞれ経路L2、L3、L4の長さである。
すなわち、第2偏波面保存光ファイバ16で形成される経路L2はTE偏波として伝播するので光路長は、nfl2であり、第4偏波面保存光ファイバ26で形成される経路L4もTE偏波として伝播するので光路長は、nfl4である。また、第2偏波面変換部24を通過することにより、TM偏波として第3偏波面保存光ファイバ22で形成される経路L3を伝播するので光路長は、nsl3である。また、第2偏波面保存光ファイバ16で形成される経路L2をTM偏波として伝播するので光路長は、nsl2である。すなわち、合計の光路長は、上式(3)で与えられる。
なお、制御光は、第1信号光と同一の経路であるCW方向に伝播する経路をたどる。
上式(2)と(3)とを比較すると、式(2)の第1項、2項、3項、4項と式(3)の第4項、3項、2項、1項とは、それぞれ等しいことが分かる。すなわち、第1信号光と第2信号光とは同一の光路長を伝播していることが分かる。
以上説明したように、この発明の光スイッチは、第1信号光と第2信号光の経路が共通しているので、信号光の波長や光スイッチの周囲温度が変化しても、その動作特性が変化せず、安定動作が保証された光スイッチを実現することができる。
点Aに設置された第1偏波面変換部14を出発して、第2偏波面保存光ファイバ16を伝播して第2偏波分離合成モジュール18の第1入出力端18-1に入力されるTM偏波成分及びTE偏波成分の信号光成分の両者は、制御光が入力されない場合には、第2偏波分離合成モジュール18において同位相で合波される。その結果、光スイッチに入力用光ファイバ32-2から入力された信号光は、ループ反射光として、入力時と同じ入力用光ファイバ32-2から出力される。
一方、光カプラ20から制御光が入力されると第3偏波面保存光ファイバ22内で光カー効果が発現し屈折率が変化する。そのため、CW方向に伝播する第1信号光とCCW方向に伝播する第2信号光とは、それぞれが経路L3乃至L4から構成される光ファイバループ内をそれぞれ伝播し、再び第2偏波分離合成モジュール18で両者が結合されたときには両者の位相がずれている。上述したように、この位相ずれ量φがπに等しくなるように、第3偏波面保存光ファイバ22の長さを調整することができる。
この発明の光スイッチの動作を、時分割多重光パルス信号をスイッチする場合を例にとり、図1を参照して具体的に説明する。図1において、光パルス信号である信号光、制御光及び光パルス信号がスイッチされた結果としての透過光及び反射光の概略的時間波形を、横軸を時間軸として示してある。光パルスの存在及び不存在に対応させて「0」あるいは「1」を対応させる2値デジタル信号を想定する。規則正しく波長λsの光パルスが並ぶ信号光を、[1 0 1 1]を表現する波長λpの光パルス列からなる制御光で制御(スイッチ)する場合を考える。
信号光は入力用光ファイバ32-1に入力され、光サーキュレータ30を介して入力用光ファイバ32-2を伝播して第1偏波分離合成モジュール10の第1入出力端10-1にに入力される。信号光は上述したように、第1偏波分離合成モジュール10を透過して第1偏波面保存光ファイバ12を伝播し、その成分の一部は第3偏波面保存光ファイバ22が具える光カプラ20に達する。
信号光の最初の光パルスである第1光パルス(図1では、時間軸上で最も右に位置する光パルス)が光カプラ20を通過する時に丁度、制御光の最初の光パルスである第1光パルス(図1では、時間軸上で最も右に位置する光パルス)が光カプラ20から入力されたと仮定する。もちろん、制御光もTM偏波として光カプラ20を介して第3偏波面保存光ファイバ22に入力されるものとする。
第1信号光の光パルス(波長λs)と制御光の光パルス(波長λp)とは、並走しながら、第3偏波面保存光ファイバ22及び第4偏波面保存光ファイバ26を伝播することになる。そのため、第1信号光の光パルスに対する第3偏波面保存光ファイバ22及び第4偏波面保存光ファイバ26の実効屈折率が制御光の光パルスによって発現する光カー効果により変化する。つまり、第1信号光の光パルスと制御光の光パルスとが第3偏波面保存光ファイバ22及び第4偏波面保存光ファイバ26を並走することによって、制御光の光パルスの存在に起因して、常に実効屈折率が変化している光路を第1信号光の光パルスが伝播することになる。一方第2信号光の光パルス(波長λs)は、制御光の光パルスの影響を受けることなく第1信号光の光パルスとは逆向きに第3偏波面保存光ファイバ22を伝播することになる。
この結果上式(2)に現れる実効屈折率ns及びnfの値は、上式(3)に現れる実効屈折率ns及びnfの値とは異なることになる。すなわち、上式(2)に現れる実効屈折率の値は、ns'及びnf'となる。
そこで、経路L3(第3偏波面保存光ファイバ)及び経路L4(第4偏波面保存光ファイバ)の長さを、
(nsl2+ns'l3+nf'l4+nfl2)−(nfl2+nfl4+nsl3+nsl2)=λs/2
となるように調整すれば、第1信号光の光パルスと第2信号光の光パルスが第2偏波分離合成モジュール18において合波されるときの位相差をπとすることができる。
厳密には、制御光と信号光の波長はそれぞれλp及びλsであるので、波長が異なる。そのため、第3偏波面保存光ファイバ22及び第4偏波面保存光ファイバ26で生じる群速度分散による制御光と信号光との間の群遅延時間差が、信号光の光パルスの時間軸上での出現の間隔、すなわち信号光の1ビット(1光パルス)が占める時間間隔よりも短いことが必要である。しかしこの条件は、制御光の波長λpと信号光の波長λsとの差異はほとんどなく、容易に満足させることができる。制御光の波長λpと信号光の波長λsとの差異は、後述するようにスイッチングされた信号光のみを光スイッチから出力させるためには、光スイッチの出力側に設定される光バンドパスフィルタ28によって、制御光が遮断でき、信号光を透過させることができる程度離れていればよい。
次に、第1信号光の第1光パルスの次の第2光パルスが光カプラ20を通過する時にも丁度、制御光の次の光パルスである第2光パルスが存在するが、第1信号光の第2光パルスの次の第3光パルスが光カプラ20を通過する時には、制御光の第2光パルスの次の光パルスである第3光パルスが存在しない。この場合には、第1信号光の第3光パルスは、制御光の光パルスが存在しない状態、つまり、第1信号光の光パルスは、制御光の光パルスと並走することなく、経路L3及びL4から構成される光路を伝播することとなる。
そのため、第2偏波分離合成モジュール18において第1信号光の光パルスと第2信号光の光パルスとは同位相で合波される。従って信号光の光パルスは、後述するように、第1偏波分離合成モジュール10の第1ポート10-1にループ反射光として出力され、入力用光ファイバ32-2を伝播して光サーキュレータ30を介して、信号光が伝播してきた伝送路とは異なる反射光出力用光ファイバ36に向けて出力される。
この結果、バンドパスフィルタ28から透過光出力用光ファイバ29に出力される透過光を構成する光パルス列は、図1に示すように、制御光を構成する光パルス列を反映させたものとなる。また、反射光は、制御光の光パルスの存在しない時間帯に、信号光の光パルスが存在する場合に限り、ループ反射光として光サーキュレータ30を介して反射光出力用光ファイバ36を伝播して外部に出力されるので、図1に示すようなパルス列となる。
また、第1偏波分離合成モジュール10の第3入出力端10-3からは、波長λpの制御光も出力されるので、スイッチングされた波長λsの信号光だけを外部に取り出すには、第1偏波分離合成モジュール10の第3入出力端10-3に出力用光ファイバ27の一端を接続し、出力用光ファイバ27の他端に、透過波長の中心がλsに設定されておりかつ波長λpを遮断できる特性を有する光バンドパスフィルタ28を接続する必要がある。
ループ反射光として第1偏波分離合成モジュール10の第1入出力端10-1に出力される第1信号光の光パルスは、光サーキュレータ30が配置されていなければ、伝送されてきた伝送路を逆に進み、送信側に返送されることになる。一般に時間多重光通信において、受信側から送信側に向けて、送信信号の一部が逆送されることは、好ましくないので、光サーキュレータ30を利用して、ループ反射光として第1偏波分離合成モジュール10の第1入出力端10-1に出力される信号光の光パルスを、信号光が伝播してきた伝送路とは異なる伝送路に向けて出力させる構成とするのが望ましい。
ここで、第2偏波分離合成モジュール18において、第2信号光および第1信号光が合波された後は、第2偏波面保存光ファイバ16から第1偏波面保存光ファイバ12の方向に向かって伝播し、第1偏波面変換部14を通過すると、入力信号光の偏波面の方向とは直交する偏波面を有する出力信号光として、第1偏波面保存光ファイバ12を伝播する理由を、図4(A)から(C)を参照して説明する。
まず、信号光の光パルスが、光カプラ20を通過する時刻に同期して制御光の光パルスが、光カプラ20を通して第3偏波面保存光ファイバ22に入力されない場合を検討する。この場合には、第3偏波面保存光ファイバ22を伝播する信号光は、光カー効果に基づく位相相互変調を受けない。
したがって、第1信号光と第2信号光とが第2偏波分離合成モジュール18で合波されて、第2偏波分離合成モジュール18の第1入出力端18-1から出力されて、第2偏波面保存光ファイバ16を第1偏波面変換部14に向かう信号光のTM及びTE成分は、図4(B)に示すようになる。つまり、図4(A)に示されている、第1偏波面変換部14を通過して、第2偏波面保存光ファイバ16を伝播し、第2偏波分離合成モジュール18の第1入出力端18-1に入力される場合の信号光のTM及びTE成分と同じになる。
一方、信号光の光パルスが、光カプラ20を通過する時刻に同期して制御光の光パルスも、光カプラ20を通して第3偏波面保存光ファイバ22に入力された場合を検討する。この場合には、第3偏波面保存光ファイバ22を伝播する信号光は、光カー効果に基づく位相相互変調を受け、第1信号光の光パルスと第2信号光の光パルスが第2偏波分離合成モジュール18において合波されるときの位相差がπとなる。
この場合には、第1信号光の光パルスの位相が第2信号光の光パルスの位相に比べて、位相がπ遅れて第2偏波分離合成モジュール18の偏波面選択反射面18Rに到達する。第3偏波面保存光ファイバ22(経路L3)から第4偏波面保存光ファイバ26(経路L4)を伝播して第2偏波分離合成モジュール18の第3入出力端18-3に入力される第1信号光の偏波面は、偏波面選択反射面18Rに対してs偏波成分であるので、偏波面選択反射面18Rで反射されて、第2偏波面保存光ファイバ16(経路L2)をTE偏波成分として伝播して、第1偏波面変換部14に到達する。したがって、第2偏波面保存光ファイバ16(経路L2)の、第1偏波面変換部14における信号光のTE偏波成分は、図4(C)に示すようになる。制御光の光パルスによる光カー効果に基づく位相相互変調を受け、第1信号光の光パルスの位相が第2信号光の光パルスに比べて、位相がπ遅れて第2偏波分離合成モジュール18の偏波面選択反射面18Rに到達しているので、この遅れが第2偏波面保存光ファイバ16の第1偏波面変換部14において反映され、ここにおいて、TE偏波成分が図4(A)及び(B)に示すTE偏波成分に対して180°(位相で表現するとπ)反対の方向を向くことになる。
図4(C)に示す偏光状態の信号光が、第2偏波面保存光ファイバ16(経路L2)から第1偏波面変換部14を通過して第1偏波面保存光ファイバ12(経路L1)を伝播することになる。すなわち、第1偏波面保存光ファイバ12(経路L1)を伝播する信号光の偏波方向は、第2偏波面保存光ファイバ16(経路L2)におけるTM成分とTE成分をベクトル的に加算して決定されるので、図4(C)の左に示すように、入力信号光の偏波方向(図4(A)及び(B)に示す偏波方向)と直交する偏波面を有することになる。
入力信号光の偏波方向は、第1偏波分離合成モジュール10の偏波選択反射面10Rに対してp偏波成分として入力されているのに対して、上述のことから、出力信号光は、その偏波面の方向が、第1偏波分離合成モジュール10の偏波選択反射面10Rに対してs偏波成分として第1偏波分離合成モジュール10の第3入出力端10-3から出力されることになる。
したがって、この場合は、第1偏波分離合成モジュール10の偏波選択反射面10Rで反射されて第1偏波分離合成モジュール10の第3入出力端10-3から出力され、出力用光ファイバ27を介してバンドパスフィルタ28で信号光だけを選択されて、透過光出力用光ファイバ29から透過光として外部に出力される。
次に偏波クロストークについて検討する。この光スイッチにおいて、偏波クロストークが主に発生するのは、ファイバ長が最も長い第3偏波面保存光ファイバ22においてである。第1信号光に混入する偏波クロストーク成分は、第1信号光の偏波方向と直交する偏波方向を有する成分であるから、第2偏波分離合成モジュール18の第3入出力端18-3から入力された後、第4入出力端18-4から出力される。すなわち、第1信号光に混入する偏波クロストーク成分は、第2偏波分離合成モジュール18の偏波面選択反射面18Rに対してp偏波成分である。これに対して第1信号光の偏波方向は、偏波面選択反射面18Rに対してs偏波成分である。
すなわち、偏波クロストーク成分を含まない第1信号光が、第3入出力端18-3から入力された後、第1入出力端18-1に出力されることとなる。そのため、第1信号光に混入する偏波クロストーク成分は、点Aに設置された第1偏波面変換部14に到達することができず、信号光と干渉することがない。すなわち、第1偏波分離合成モジュール10の第3入出力端10-3からループ透過光が出力されるときには、第1入出力端10-1から信号光の成分の一部が雑音成分として出力されることがない。
また、第2信号光に混入する偏波クロストーク成分は、第2信号光の偏波方向(偏波面選択反射面18Rに対してp偏波成分)と直交する偏波方向(偏波面選択反射面18Rに対してs偏波成分)を有する成分であるから、これも、同様に第2偏波分離合成モジュール18の第2入出力端18-2から入力された後、第4入出力端18-4から出力される。
すなわち、偏波クロストーク成分を含まない第2信号光が、第2入出力端18-2から入力された後、第1入出力端18-1に出力されることとなる。そのため、第2信号光に混入する偏波クロストーク成分は、点Aに設置された第1偏波面変換部14に到達することができず、信号光と干渉することがない。すなわち、第1偏波分離合成モジュール10の第3入出力端10-3からループ透過光が出力されるときには、第1入出力端10-1から信号光の成分の一部が雑音成分として出力されることがない。
このように、この発明の光スイッチによれば、第3偏波面保存光ファイバの長さが長くても、偏波クロストーク成分はスイッチ動作に影響を与えない。すなわち、偏波クロストークの影響を受けない、安定動作が保証された光スイッチが実現する。
上述のこの発明の光スイッチに、以下に説明する光非線形制御部を加えることによって、光ファイバループに利用する光ファイバの種類及び制御光の強度が設計パラメータとして確定しているという条件下で、光カー効果を発現させる光ファイバの長さを実質的に短くすることができ、コンパクトな光スイッチを提供することが可能となる。一般に光スイッチを時間多重光通信において採用する場合、光搬送波の波長やその強度等の諸条件によって、利用できる光ファイバの素材あるいは制御光の強度は設計の前提条件としてあらかじめ確定している場合が多い。
<第2の実施の形態>
図5を参照して第2の実施の形態の光スイッチの構造と動作について説明する。
(構造)
この光スイッチは、第1偏波分離合成モジュール10と、第2偏波分離合成モジュール18と、第1偏波面保存光ファイバ12と、第2偏波面保存光ファイバ16と、第1偏波面変換部14と、第3偏波面保存光ファイバ22と、第6偏波面保存光ファイバ60と、第7偏波面保存光ファイバ64、第2偏波面変換部62と、光非線形制御部50とを具えている。この他、光バンドパスフィルタ28及び光サーキュレータ30を具えることが好適である。
第1偏波分離合成モジュール10は、信号光を入力する第1入出力端10-1と、第1偏波面保存光ファイバ12の一端を結合する第1入出力端10-1に対向する側の第2入出力端10-2と、スイッチされた信号光を出力する第3入出力端10-3とを具えている。
第2偏波分離合成モジュール18は、第2偏波面保存光ファイバ16の他端を結合する第1入出力端18-1と、第1入出力端18-1に対向する側に第3偏波面保存光ファイバ22の一端を結合する第2入出力端18-2と、第7偏波面保存光ファイバ64の一端を結合する第3入出力端18-3と、第3入出力端18-3に対向する側に偏波クロストーク成分を出力する第4入出力端18-4を具えている。
第1偏波面保存光ファイバ12は、第1偏波分離合成モジュール10の第2入出力端10-2に一端が結合されており、第2偏波面保存光ファイバ16は、第2偏波分離合成モジュール18の第1入出力端18-1に他端が結合されており、第1偏波面保存光ファイバ12の他端と第2偏波面保存光ファイバ16の一端とは第1偏波面変換部14を介して接続されている。
また、第3偏波面保存光ファイバ22は、第2偏波分離合成モジュール18の第2入出力端18-2に一端が結合され、かつ光カプラ20を具えており、第7偏波面保存光ファイバ64は、第2偏波分離合成モジュール18の第3入出力端18-3に一端が結合されており、第7偏波面保存光ファイバ64の他端と第6偏波面保存光ファイバ60の一端とは、第2偏波面変換部62を介して接続されている。
光非線形制御部50は、第3偏波分離合成モジュール52と、第4偏波面保存光ファイバ54と、第5偏波面保存光ファイバ58と、第3偏波面変換部56とを具えて構成されている。第3偏波分離合成モジュール52の第1入出力端52-1には第3偏波面保存光ファイバ22の他端が結合されている。第1入出力端52-1に対向する側の第2入出力端52-2には第4偏波面保存光ファイバ54の一端が結合されている。第3入出力端52-3には第5偏波面保存光ファイバ58の他端が結合されている。第3入出力端52-3に対向する側の第4入出力端52-4には第6偏波面保存光ファイバ60の他端が結合されている。
また、第4偏波面保存光ファイバ54の他端と第5偏波面保存光ファイバ58の一端とは、図5に示す点Cの位置に設定される第3偏波面変換部56を介して接続されている。第3偏波面変換部56は、例えば、第4偏波面保存光ファイバ54の光学軸と第5偏波面保存光ファイバ58の光学軸とが互いに90°回転されて融着されることによって形成されている。
図5に示す第2の実施の形態の光スイッチは、光非線形制御部50を具えている以外は、図1に示す第1の実施の形態の光スイッチと同一の構造を持ち、これら同一構造の部分の機能は、両者とも共通する。そこで、以下、この共通部分の構造及びその機能に基づく動作についてはその説明を省略し、光非線形制御部50の構造及びその機能に基づいて発現される効果について説明する。
第3偏波分離合成モジュール52の第2入出力端52-2から第3偏波面変換部56に至る経路の長さ、すなわち第4偏波面保存光ファイバ54の長さをl4(経路L4ということもある。)、第3偏波分離合成モジュール52の第3入出力端52-3から第3偏波面変換部56に至る経路の長さ、すなわち第5偏波面保存光ファイバ58の長さをl5(経路L5ということもある。)とする。
(動作)
第2の実施の形態の光スイッチによれば、第3偏波面保存光ファイバ22をCW方向に伝播した第1信号光は、光非線形制御部50の第3偏波分離合成モジュール52の第1入出力端52-1に入力され、第6偏波面保存光ファイバ60をCCW方向に伝播してきた第2信号光は、光非線形制御部50の第3偏波分離合成モジュール52の第4入出力端52-4に入力される。
第1信号光は、第3偏波分離合成モジュール52の第1入出力端52-1から入力されて第1入出力端52-1と対向する側の第2入出力端52-2から出力され、第4偏波面保存光ファイバ54に入力されて第4偏波面保存光ファイバ54を伝播し、第3偏波面変換部56で偏波面が90°回転されて、第5偏波面保存光ファイバ58を伝播して第3偏波分離合成モジュール52の第3入出力端52-3に入力される。そして、第3偏波分離合成モジュール52の第2入出力端52-2から出力されて再び第4偏波面保存光ファイバ54を伝播し、第3偏波面変換部56で再び偏波面が90°回転されて、第5偏波面保存光ファイバ58を伝播して第3偏波分離合成モジュール52の第3入出力端52-3に入力される。そして、第3入出力端52-3に対向する側の第4入出力端52-4から出力されて、第6偏波面保存光ファイバを60を伝播していく。
一方、第2信号光は、第3偏波分離合成モジュール52の第4入出力端52-4に入力されて第4入出力端52-4に対向する側の第3入出力端52-3から出力され、第5偏波面保存光ファイバ58に入力されて第5偏波面保存光ファイバ58を伝播し、第3偏波面変換部56で偏波面が90°回転されて、第4偏波面保存光ファイバ54を伝播して第3偏波分離合成モジュール52の第2入出力端52-2に入力される。そして、第3偏波分離合成モジュール52の第3入出力端52-3から出力されて再び第5偏波面保存光ファイバ58を伝播し、第3偏波面変換部56で再び偏波面が90°回転されて第4偏波面保存光ファイバ54を伝播して、第3偏波分離合成モジュール52の第2入出力端52-2から入力されて第2入出力端52-2に対向する側の第1入出力端52-1から出力されて、第3偏波面保存光ファイバ22に入力されて第3偏波面保存光ファイバ22を伝播していく。
制御光の信号光の位相変化への寄与は、光非線形制御部50においては、第4偏波面保存光ファイバ54及び第5偏波面保存光ファイバ58によってもたらされる。すなわち、信号光の位相変化は第4偏波面保存光ファイバ54及び第5偏波面保存光ファイバ58の長さが長いほど、顕著となる。
上述したように、第1及び第2信号光は、第4偏波面保存光ファイバ54及び第5偏波面保存光ファイバ58をそれぞれ二回伝播することになる。このようなことが実現するのは、第3偏波面変換部56で偏波面が90°回転されることと、第3偏波分離合成モジュール52の偏波面選択反射面の持つ偏波面選択性に起因する。この理由は次のとおりである。
まず、第1信号光を考える。第3偏波分離合成モジュール52の第2入出力端52-2から出力された第1信号光は、経路L4をTM偏波として伝播して第3偏波面変換部56を通過することで、TE偏波に変換されて、経路L5を伝播して第3偏波分離合成モジュール52の第3入出力端52-3に入力される。
TM偏波として第3偏波分離合成モジュール52に入力された場合には、第3偏波分離合成モジュール52の内部を直進し入力側とは対向する側の入出力端に出力される。一方、TE偏波として第3偏波分離合成モジュール52に入力された場合には、第3偏波分離合成モジュール52の内部に存在する偏波面選択性を有する反射面52Rで反射され、反射光の向かう側の側面の入出力端から出力される。
したがって、TE偏波として第3偏波分離合成モジュール52の第3入出力端52-3に入力された第1信号光は、第3偏波分離合成モジュール52の第2入出力端52-2から出力され、経路L4をTE偏波として伝播して、第3偏波面変換部56を通過することで、TM偏波に変換されて、経路L5を伝播して再び第3偏波分離合成モジュール52の第3入出力端52-3に入力される。今度は、TM偏波として第3偏波分離合成モジュール52の第3入出力端52-3に入力されるので、第3入出力端52-3に対向する側の第4入出力端52-4から出力されて、第6偏波面保存光ファイバ60にTM偏波として入力される。
一方、第2信号光の経路は次のようになる。第3偏波分離合成モジュール52の第3入出力端52-3から出力された第2信号光は、経路L5をTM偏波として伝播して第3偏波面変換部56を通過することで、TE偏波に変換されて、経路L4を伝播して第3偏波分離合成モジュール52の第2入出力端52-2にTE偏波として入力される。
TE偏波として第3偏波分離合成モジュール52の第2入出力端52-2に入力された第2信号光は、第3偏波分離合成モジュール52の第3入出力端52-3から出力され、経路L5をTE偏波として伝播して、第3偏波面変換部56を通過することで、TM偏波に変換されて、経路L4を伝播して再び第3偏波分離合成モジュール52の第2入出力端52-2に入力される。今度は、TM偏波として第3偏波分離合成モジュール52の第2入出力端52-2に入力されるので、第2入出力端52-2に対向する側の第1入出力端52-1からTM偏波として出力されて、第3偏波面保存光ファイバ22に入力される。
すなわち、第1信号光も第2信号光も第3偏波分離合成モジュール52からTM偏波として、それぞれ第6偏波面保存光ファイバ60に及び第3偏波面保存光ファイバ22出力される。すなわち、光非線形制御部50を設けることによって、第1及び第2信号光は、第4及び第5偏波面保存光ファイバ54及び58を伝播する分だけ長い経路を伝播することになるが、光非線形制御部50に入出力される第1及び第2光信号の偏波面はTM偏波のままで変わらない。言い換えると、図1に示す第1の実施の形態の光スイッチの経路L3を光非線形制御部50と置き換えてあることに相当すると考えることができる。
第4及び第5偏波面保存光ファイバ54及び58のslow軸の実効屈折率をns、fast軸の実効屈折率をnfとし、slow軸の方向がTM偏波の偏波面と合致するとしたとき、第1信号光が、第3偏波分離合成モジュール52の第2入出力端52-2からTM偏波として出力されて、第3偏波分離合成モジュール52の第3入出力端52-3にTM偏波として入力されるまでの光路長は、第1信号光が伝播する経路順に加算して、次式(4)で与えられる。
nsl4+nfl5+nfl4+nsl5 (4)
ここで、l4、l5はそれぞれ経路L4、L5の長さである。
すなわち、第1信号光が、第3偏波分離合成モジュール52の第2入出力端52-2から出力され、経路L4をTM偏波として伝播(光路長=nsl4)し、経路L5をTE偏波として伝播(光路長=nfl5)し、経路L4をTE偏波として伝播(光路長=nfl4)し、経路L5をTM偏波として伝播(光路長=nsl5)する合計の光路長は、nsl4+nfl5+nfl4+nsl5で与えられる。このことから、経路L4(第4偏波面保存光ファイバ54)と経路L5(第5偏波面保存光ファイバ58)をTM偏波及びTE偏波としてそれぞれ一回ずつ、合計二回伝播していることが分かる。
第2信号光についても、第1信号光と同様に考えることができ、第2信号光が、第3偏波分離合成モジュール52の第3入出力端52-3からTM偏波として出力されて、第3偏波分離合成モジュール52の第2入出力端52-2にTM偏波として入力されるまでの光路長は、同様に、第2信号光の伝播する経路順に加算して、次式(5)で与えられる。
nsl5+nfl4+nfl5+nsl4 (5)
なお、制御光は、第1信号光と同一の経路を第1信号光と同一の方向に伝播する経路をたどる。
上式(4)と(5)とを比較すると、式(4)の第1項、2項、3項、4項と式(5)の第4項、3項、2項、1項とは、それぞれ等しいことが分かる。すなわち、第1信号光と第2信号光とは同一の光路長を伝播していることが分かる。
すなわち、制御光が入力されない場合には、第1信号光と第2信号光とは、第3偏波分離合成モジュール52において同位相で合波される。制御光が入力されると光ファイバループ内で光カー効果が発現し屈折率が変化する。そのため、第1信号光と第2信号光とは、それぞれが経路L4及びL5から構成される光ファイバループ内をそれぞれ時計回り及び反時計回りに伝播し、再び第3偏波分離合成モジュール52で両者が結合されたときには両者の位相がずれている。
この位相ずれ量φがπに等しくなるように、制御光の強度を調整するか、あるいは第4及び第5偏波面保存光ファイバ54及び58の長さを調整すれば、上述のような光スイッチが実現する。位相ずれ量φは上述の式(1)で与えられるように、経路L4及びL5から構成される光ファイバループの合計の長さに比例する。すなわち、この発明の光スイッチは、経路L4と経路L5をTM偏波及びTE偏波としてそれぞれ一回ずつ、合計二回伝播する構成とされているので、実質的に経路L4と経路L5の長さ分だけ、光カー効果が発現する経路を長く取られていることに等しい。
ここでは、経路L4と経路L5の長さを他の経路L1、L2、L3、L6及びL7に比べてはるかに長く設定されているものとして説明した。すなわち、光カー効果に基づく位相ずれ量φの発現に主に寄与しているのは経路L4と経路L5を構成する偏波面保存光ファイバであるものとして説明したが、これに限られることはない。式(1)によれば、位相ずれ量φは、光ファイバループを構成している光ファイバの長さと制御光の強度との積に比例するので、この発明の光スイッチによれば、従来の光スイッチに比べて、光カー効果に基づく位相ずれ量φの発現に主に寄与する経路L4と経路L5で構成する偏波面保存光ファイバに相当する偏波面保存光ファイバの長さは半分で済むことになる。
すなわち、経路L4と経路L5で構成する偏波面保存光ファイバの長さを短くできることは、光スイッチのコンパクト化に有効である。また、経路L4と経路L5で構成する偏波面保存光ファイバの長さを短くできることにより、周囲温度等の影響を受けにくくなるため、光スイッチの動作状態の安定化にも有効である。
<第3の実施の形態>
図6を参照して第3の実施の形態の光スイッチの構造と動作について説明する。
(構造)
この光スイッチは、第1偏波分離合成モジュール10と、第2偏波分離合成モジュール18と、第1偏波面保存光ファイバ12と、第2偏波面保存光ファイバ16と、第1偏波面変換部14と、第3偏波面保存光ファイバ22と、第7偏波面保存光ファイバ82と、光非線形制御部70とを具えている。この他、光バンドパスフィルタ28及び光サーキュレータ30を具えることが好適である。以後の説明において、上述の第2の実施の形態の光スイッチと共通する箇所に関する説明は省略する。
光非線形制御部70は、第3偏波面保存光ファイバ22と第7偏波面保存光ファイバ82とが結合されており、第1入出力端72-1、第2入出力端72-2及び第3入出力端72-3を具える第3偏波分離合成モジュール72と、第1入出力端80-1、第2入出力端80-2及び第3入出力端80-3を具える第4偏波分離合成モジュール80と、第4乃至6偏波面保存光ファイバ84、74、78とを具えている。また、第2偏波面変換部76を具えている。
第4偏波面保存光ファイバ84は、第3偏波分離合成モジュール72の第1入出力端72-1に対向する側の第2入出力端72-2にその一端が結合され、第4偏波分離合成モジュール80の第1入出力端80-1に対向する側の第2入出力端80-2にその他端が結合されている。第5偏波面保存光ファイバ74は、その一端に偏波面を90°回転させる第2偏波面変換部76を具え、第4偏波分離合成モジュール80の第1入出力端80-1にその他端が結合されている。第6偏波面保存光ファイバ78は、その一端に偏波面を90°回転させる第2偏波面変換部76を具え、第3偏波分離合成モジュール72の第3入出力端72-3にその他端が結合されている。
そして、第3偏波分離合成モジュール72の第1入出力端72-1には第3偏波面保存光ファイバ22の他端が結合されており、第4偏波分離合成モジュール80の第3入出力端80-3には第7偏波面保存光ファイバ82の他端が結合されている。
第3及び第4偏波分離合成モジュール72及び80の偏波面選択反射面の反射及び透過についての性質は、上述した第2の実施の形態等において用いられた偏波分離合成モジュールの偏波面選択反射面と同一であるので、その詳細な説明は省略する。
(動作)
図6を参照して、第3の実施の形態の光スイッチの動作原理を説明する。第3の実施の形態の光スイッチによれば、第3偏波面保存光ファイバ22をCW方向に伝播した第1信号光は、光非線形制御部70の第3偏波分離合成モジュール72の第1入出力端72-1に入力され、第7偏波面保存光ファイバ82をCCW方向に伝播してきた第2信号光は光非線形制御部70の第4偏波分離合成モジュール80の第3入出力端80-3に入力される。
第1信号光は、第3偏波面保存光ファイバ22をTM偏波として伝播した後、光非線形制御部70に入力される。すなわち、第3偏波分離合成モジュール72の第1入出力端72-1から入力されて第2入出力端72-2から出力されて第4偏波面保存光ファイバ84に入力されてその第4偏波面保存光ファイバ84を伝播し、第4偏波分離合成モジュール80の第2入出力端80-2から入力され第1入出力端80-1から出力されて第5偏波面保存光ファイバ74に入力される。
そして、第5偏波面保存光ファイバ74をTM偏波として伝播して第5偏波面保存光ファイバ74の一端、図6において点Bと示す位置、に設けられている第2偏波面変換部76で偏波面が90°回転されて、TE偏波として第6偏波面保存光ファイバ78を伝播して、第3偏波分離合成モジュール72の第3入出力端72-3に入力される。そして、TE偏波として第3偏波分離合成モジュール72の第3入出力端72-3に入力されたので、第3偏波分離合成モジュール72の第2入出力端72-2から出力されて再び第4偏波面保存光ファイバ84をTE偏波として伝播し、第4偏波分離合成モジュール80の第2入出力端80-2に入力される。TE偏波として第2入出力端80-2から入力されたので、今度は第3入出力端80-3から出力されて、TE偏波として第7偏波面保存光ファイバ82に入力される。
一方、第2信号光は、第7偏波面保存光ファイバ82をTE偏波として伝播した後、光非線形制御部70に入力される。すなわち、TE偏波として第4波分離合成モジュール80の第3出力端80-3から入力されて第2入出力端80-2から出力され第4偏波面保存光ファイバ84に入力されて第4偏波面保存光ファイバ84を伝播して第3偏波分離合成モジュール72の第2入出力端72-2から入力されて第3入出力端72-3から出力されて第6偏波面保存光ファイバ78に入力される。
そして、第6偏波面保存光ファイバ78を伝播して第6偏波面保存光ファイバ78の一端、図6において点Bと示す位置、に設けられている第2偏波面変換部部76で偏波面が90°回転されて、TM偏波として第5偏波面保存光ファイバ74に入力されれて、第5偏波面保存光ファイバ74を伝播した後、第4偏波分離合成モジュール80の第1入出力端80-1に入力される。TM偏波として第1入出力端80-1に入力されるので、第2入出力端80-2から出力されて第4偏波面保存光ファイバ84に入力されて、TM偏波として第4偏波面保存光ファイバ84を再び伝播し、第3偏波分離合成モジュール72の第2入出力端72-2に入力されて、第1入出力端72-1からTM偏波として出力されて第3偏波面保存光ファイバ22に入力される。
すなわち、第1信号光はTE偏波として第7偏波面保存光ファイバ82に入力され、第2信号光はTM偏波として第3偏波面保存光ファイバ22に入力される。したがって、光非線形制御部70を設けることによって、第1及び第2信号光は、第4偏波面保存光ファイバ84を二回分伝播する分だけ長い経路を伝播するという効果が加わる他、図1に示す第1の実施の形態の光スイッチと対比すると、次のような対応関係が成立する。図1に示す第1の実施の形態の光スイッチの第4偏波面保存光ファイバ26及び第3偏波面保存光ファイバ22とは、それぞれ図6に示す第3の実施の形態の光スイッチの第7偏波面保存光ファイバ82及び第3偏波面保存光ファイバ22とが対応する。言い換えると、図1に示す第1の実施の形態の光スイッチの第2偏波面変換部24を挟む両側の第4偏波面保存光ファイバ26及び第3偏波面保存光ファイバ22の一部を光非線形制御部70と置き換えてあることに相当すると考えることができる。
また、第3の実施の形態の形態の光スイッチが第2の実施の形態の光スイッチと相違するのは、次の点である。すなわち、第2の実施の形態の光スイッチにおける偏波分離合成モジュール52に対応する偏波分離合成モジュールが、第3の実施の形態の形態の光スイッチでは、2箇所、第3及び第4偏波分離合成モジュール72、80、に設定する構成であるので、スイッチされる信号光の偏波面の選択性が2倍高まり、第2の実施の形態の光スイッチに比べ、偏波クロストーク成分の除去がより効果的に行なわれる。また、偏波分離合成モジュールの偏波面選択性が不完全である場合でも、実質的に偏波分離合成モジュールによる偏波面選択性が向上する。
第1及び第2信号光が第4偏波面保存光ファイバ84をそれぞれ二回伝播する構成となっているが、このようなことが実現するのは、第2偏波面変換部76で偏波面が90°回転されることと、第3偏波分離合成モジュール72及び第4偏波分離合成モジュール80の偏波面選択性に起因する。この理由は次のとおりである。
第1信号光はTM偏波として第3偏波面保存光ファイバ22を伝播して、第3偏波分離合成モジュール72を介して、第4偏波面保存光ファイバ84をTM偏波として伝播する。そして第4偏波分離合成モジュール80を介して、第5偏波面保存光ファイバ74をTM偏波として伝播し、第2偏波面変換部76を通過することで、TE偏波に変換されて第6偏波面保存光ファイバ78を伝播することになる。
そして、TE偏波として第3偏波分離合成モジュール72の第3入出力端72-3に入力されるので、第2入出力端72-2から出力されて再び第4偏波面保存光ファイバ84をTE偏波として伝播することになる。今度はTE偏波として第4偏波分離合成モジュール80の第2入出力端80-2に入力されるので、第3入出力端80-3から出力されて、第7偏波面保存光ファイバ82をTE偏波として伝播することになる。
すなわち、第4偏波面保存光ファイバ84を最初はTM偏波として、二度目はTE偏波として伝播することになり、第4偏波面保存光ファイバ84を合計二回伝播することになる。一方第2信号光についても同様で、第4偏波面保存光ファイバ84を最初はTE偏波として、二度目はTM偏波として伝播することになり、第4偏波面保存光ファイバ84を合計二回伝播することになる。
第2の実施の形態の光スイッチの場合と同様に、第4乃至第6偏波面保存光ファイバのslow軸の実効屈折率をns、fast軸の実効屈折率をnfとし、slow軸の方向がTM偏波の偏波面と合致するとしたとき、第1信号光が、第3偏波分離合成モジュール72の第2入出力端72-2から出力されて、第4乃至第6偏波面保存光ファイバを伝播して第4偏波分離合成モジュール80の第2入出力端80-2に達するまでの光路長は、次のように求められる。第1信号光は、TM偏波として第3偏波分離合成モジュール72の第2入出力端72-2から出力される。
第4偏波面保存光ファイバ84の長さをl4(経路L4)、第5偏波面保存光ファイバ74の長さをl5(経路L5)、第6偏波面保存光ファイバ78の長さをl6(経路L6)、とすれば、光路長は、第1信号光が伝播する経路順に加算して、次式(6)で与えられる。
nsl4+nsl5+nfl6+nfl4 (6)
すなわち、第1信号光は、第4偏波面保存光ファイバ84をTM偏波として伝播するので光路長は、nsl4であり、第5偏波面保存光ファイバ74もTM偏波として伝播するので光路長は、nsl5である。ここで、第1信号光は、第2偏波面変換部76で偏波面が90°回転されるTE偏波として第6偏波面保存光ファイバ78を伝播するので光路長は、nfl6である。そして、再び第4偏波面保存光ファイバ84を伝播するときは、TE偏波として伝播するので光路長は、nfl4である。
一方、第2信号光は、TE偏波として第4偏波分離合成モジュール80の第2入出力端80-2から出力される。第2信号光が、第4偏波分離合成モジュール80の第2入出力端80-2から出力されて、第4乃至第6偏波面保存光ファイバを伝播して第3偏波分離合成モジュール72の第2入出力端72-2に達するまでの光路長は、第2信号光が伝播する経路順に加算して、次式(7)で与えられる。
nfl4+nfl6+nsl5+nsl4 (7)
なお、第3の実施の形態の光スイッチにおいても、制御光は第1信号光と同一の方向に伝播する経路をたどる。
上式(6)と(7)とを比較すると、式(6)の第1項、2項、3項、4項と式(7)の第4項、3項、2項、1項とは、それぞれ等しいことが分かる。すなわち、第1信号光と第2信号光とは同一の光路長を伝播していることが分かる。
すなわち、制御光に基づく位相相互変調が第1信号光に与えられた場合には、第1信号光は第3偏波分離合成モジュール72の第2入出力端72-2に到達した段階で、制御光の影響を受けなかった場合と比較して、移送が遅れている。そのため、第1信号光と第2信号光とは、それぞれが光非線形制御部70を経由して第2偏波分離合成モジュール18で合波されたときには両者の位相がずれている。
この位相ずれ量φがπに等しくなるように、制御光の強度を調整するか、あるいは第4偏波面保存光ファイバ84の長さを調整すれば、光スイッチが実現する。位相ずれ量φは上述の式(1)で与えられるように、経路L4で構成される第4偏波面保存光ファイバ84の長さに比例する。すなわち、この第3の実施の形態の光スイッチは、経路L4をTM偏波及びTE偏波としてそれぞれ一回ずつ、合計二回伝播する構成とされているので、実質的に経路L4の長さ分だけ、光カー効果が発現する経路を長く取られていることに等しい。
ここでは、経路L4の長さを他の経路L1、L2、L3、L5、L6及びL7に比べてはるかに長く設定されているものとして説明した。すなわち、光カー効果に基づく位相ずれ量φの発現に主に寄与しているのは経路L4を構成する第4偏波面保存光ファイバ84であるものとして説明したが、これに限られることはない。式(1)によれば、位相ずれ量φは、光ファイバループを構成している光ファイバの長さと制御光の強度との積に比例するので、第3の実施の形態の光スイッチによれば、従来の光スイッチに比べて、光カー効果に基づく位相ずれ量φの発現に主に寄与する経路L4が構成する第4偏波面保存光ファイバ84に相当する偏波面保存光ファイバの長さは半分で済むことになる。
すなわち、経路L4を構成する第4偏波面保存光ファイバ84の長さを短くできることは、光スイッチのコンパクト化に有効である。また、経路L4を構成する偏波面保存光ファイバの長さを短くできることにより、周囲温度等の影響を受けにくくなるため、光スイッチの動作状態の安定化にも有効である。
この発明の第1の実施の形態の光スイッチの概略的構成図である。 偏波面保存光ファイバの概略的断面図である。 偏波面変換部の構造の説明に供する図である。 この発明の第1の実施の形態の光スイッチの動作の説明に供する図である。 第2の実施の形態の光スイッチの概略的構成図である。 第3の実施の形態の光スイッチの概略的構成図である。
符号の説明
10:第1偏波分離合成モジュール
12:第1偏波面保存光ファイバ
14:第1偏波面変換部
16:第2偏波面保存光ファイバ
18:第2偏波分離合成モジュール
20:光カプラ
22:第3偏波面保存光ファイバ
24、62、76:第2偏波面変換部
26、54、84:第4偏波面保存光ファイバ
27:出力用光ファイバ
28:光バンドパスフィルタ
29:透過光出力用光ファイバ
30:光サーキュレータ
32:入力用光ファイバ
36:反射光出力用光ファイバ
50、70:光非線形制御部
52、72:第3偏波分離合成モジュール
58、74:第5偏波面保存光ファイバ
56:第3偏波面変換部
60、78:第6偏波面保存光ファイバ
64、82:第7偏波面保存光ファイバ
80:第4偏波分離合成モジュール
140:クラッド
142:コア
144:応力付与部
170、172:PANDA型光ファイバ

Claims (6)

  1. 信号光を入力する第1入出力端、第1偏波面保存光ファイバの一端を結合する前記第1入出力端に対向する側に第2入出力端及びスイッチされた信号光を出力する第3入出力端を具える第1偏波分離合成モジュールと、
    第2偏波面保存光ファイバの他端を結合する第1入出力端、該第1入出力端に対向する側に第3偏波面保存光ファイバの一端を結合する第2入出力端、第4偏波面保存光ファイバの一端を結合する第3入出力端及び該第3入出力端に対向する側に偏波クロストーク成分を出力する第4入出力端を具える第2偏波分離合成モジュールと、
    前記第1偏波分離合成モジュールの第2入出力端に一端が結合された前記第1偏波面保存光ファイバと、
    前記第2偏波分離合成モジュールの第1入出力端に他端が結合された前記第2偏波面保存光ファイバと、
    前記第1偏波面保存光ファイバの他端と前記第2偏波面保存光ファイバの一端とを接続する第1偏波面変換部と、
    前記第2偏波分離合成モジュールの第2入出力端に一端が結合され、光カプラを具える前記第3偏波面保存光ファイバと、
    前記第2偏波分離合成モジュールの第3入出力端に一端が結合された前記第4偏波面保存光ファイバと、
    前記第3偏波面保存光ファイバの他端と前記第4偏波面保存光ファイバの他端とを接続する第2偏波面変換部と
    を具えることを特徴とする光スイッチ。
  2. 請求項1に記載の光スイッチであって、前記第1偏波面変換部が、前記第1偏波面保存光ファイバの光学軸と前記第2偏波面保存光ファイバの光学軸とが互いに45°の角度を成して融着されて形成されていることを特徴とする光スイッチ。
  3. 請求項1に記載の光スイッチであって、前記第2偏波面変換部が、前記第3偏波面保存光ファイバの光学軸と前記第4偏波面保存光ファイバの光学軸とが互いに90°の角度を成して融着されて形成されていることを特徴とする光スイッチ。
  4. 請求項1に記載の光スイッチであって、前記第1偏波面変換部が、前記第1偏波面保存光ファイバの光学軸と前記第2偏波面保存光ファイバの光学軸とが互いに45°の角度を成して融着されて形成されており、
    前記第2偏波面変換部が、前記第3偏波面保存光ファイバの光学軸と前記第4偏波面保存光ファイバの光学軸とが互いに90°の角度を成して融着されて形成されていることを特徴とする光スイッチ。
  5. 請求項1乃至4のいずれか一項に記載の光スイッチであって、前記第1偏波分離合成モジュールの前記第3入出力端に出力用光ファイバの一端が結合されており、該出力用光ファイバの他端に光バンドパスフィルタが接続されていることを特徴とする光スイッチ。
  6. 請求項1乃至4のいずれか一項に記載の光スイッチであって、前記第1偏波分離合成モジュールの前記第1入出力端に入力用光ファイバの一端が結合されており、該入力用光ファイバの他端に光サーキュレータが接続されていることを特徴とする光スイッチ。

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